JP2017153587A5 - - Google Patents

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使い捨ておむつ
本発明は、吸収可能量及び吸収速度ともに優れる使い捨ておむつに関するものである。
使い捨ておむつにおいて要求される代表的な吸収性能の一つは吸収可能量であろう。通常、吸収可能量は製品の用途に応じて決定される。例えば夜間使用を想定した製品、特に成人用の夜間用製品は、一般に吸収可能量が多い製品である。このような製品では、吸収可能量を確保するために、吸収体を上下二層構造としたものが多い。
他の代表的な吸収性能は吸収速度である。特に、吸収可能量の多い製品は、多量かつ速く排泄される尿を吸収する必要があるが、吸収速度が遅いと漏れが発生しやすくなる。吸収体を上下二層構造とした製品で吸収速度を向上させる一つの手法は、吸収体を厚み方向に貫通するスリットを、股間部を含むように前後方向に延在させることである。この場合、スリット内における尿の拡散性が高くなり、かつ下層吸収体に対しても直接的に尿を吸収させることができるため、吸収速度が速いものとなる。
しかし、この場合、スリットが上層吸収体及び下層吸収体を貫通することとなるため、その分だけ吸収可能量が低下せざるをえない。吸収可能量が低下すると、逆戻りが発生しやすくなるため可能な限りこれを防止する必要がある。逆戻りとは、おむつの表面から内部の吸収体に一度吸収した尿が再びおむつ表面に戻り出てくる現象であり、逆戻りしやすいと、不必要に肌が排泄物で汚れ、肌トラブルが発生しやすくなるといった問題を引き起こすものである。
吸収可能量の低下を少なくする一つの手段として、上層吸収体にのみスリットを設ける(下層吸収体にはスリットを設けない)ことが考えられるが、この場合、スリットの下側に下層吸収体が存在することにより、スリット内における尿の拡散性が低く、吸収が飽和しやすくなる(スリットの下側で吸収飽和が発生すると下層吸収体への吸収経路が殆どなくなる)ため、上層吸収体及び下層吸収体を貫通するスリットを設ける場合と比べて吸収速度が低くなる。
つまり、吸収体を上下二層構造とした製品で、吸収体にスリットを設けることにより吸収速度を向上させようとすると、吸収可能量及び吸収速度をともに向上させることが困難であった。
特許5669976号公報 特開2013−255557号公報
そこで、本発明の主たる課題は、吸収可能量及び吸収速度ともに優れる使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
股間部と、股間部の前側及び後側にそれぞれ延出する前側部分及び後側部分とを有しており、
股間部を含む前後方向範囲に設けられた吸収体と、この吸収体の表側を覆うトップシートとを有している、使い捨ておむつにおいて、
前記トップシートは熱可塑性不織布からなり、
前記吸収体は、下層吸収体と、その表側に設けられた上層吸収体とからなり、
少なくとも前記股間部における前記上層吸収体に、所定幅のスリットが前後方向に延在され、前記下層吸収体には所定幅のスリットが設けられておらず、
前記トップシートは前記スリット内に落ち込んだ落ち込み部分を有しており、
少なくとも前記落ち込み部分に、厚み方向に圧縮された部分であり、かつ繊維相互が溶着された部分である低透過部が間隔を空けて多数設けられている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明の使い捨ておむつでは、トップシートのスリット内への落ち込み部分に、低透過部が間隔を空けて多数形成されている。低透過部は、トップシートの不織布が厚み方向に圧縮された部分であり、かつ繊維相互が溶着された部分であって、液透過性が周囲よりも低下した部分であり、この限りにおいて繊維間隙が残り、多少の透過性を示すもののほか、ほぼ完全にフィルム化し、液を全く透過しないものも含む。落ち込み部分にこのような低透過部を多数有すると、落ち込み部分における透過性が制限され、その分だけ拡散性が向上する。つまり、本発明では、上層吸収体にスリットを設け、かつ下層吸収体にはスリットを設けずに、吸収量を可能な限り確保した形態でありながら、低透過部が散在されることによりスリット内における尿の拡散性が高くなり、その結果として吸収飽和を起こしにくく、吸収速度が速いものとなる。
なお、用語「スリット」とは吸収体の表裏に貫通部を意味する。また、スリットに関して「所定幅の」とは、隙間の幅が無い(対向する側壁が接触する)凹溝やスリットを含まない意味に過ぎず、幅が一定であることを意味するものではなく、したがって幅を有する限り、幅が変化する凹溝やスリットも含む意味である。
<請求項2記載の発明>
前記落ち込み部分における前記低透過部の面積率が4%以上である、請求項1記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
後述する実施例からも明らかなように、トップシートの落ち込み部分における低透過部の面積率(落ち込み部分の総面積に占める、落ち込み部分に位置する低透過部の総面積の割合)がこの範囲内であると、顕著な吸収速度の向上をもたらすことができる。
<請求項3記載の発明>
前記落ち込み部分に、前後方向に細長い形状の低透過部が、その前後方向長さよりも短い間隔で前後方向に間欠的に設けられている、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
低透過部の形状は適宜定めることができるが、このような形状及び配置とすることにより、尿の前後方向拡散性がより一層高いものとなる。
<請求項4記載の発明>
前記落ち込み部分に、前記低透過部を有する領域の前端から後端まで連続する形状の低透過部を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような形態とすることにより、尿の前後方向拡散性がより一層高いものとなる。
<請求項5記載の発明>
前記低透過部は、少なくとも前記落ち込み部分内に、幅方向に間隔を空けて複数列設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような形態とすることにより、尿の前後方向拡散性がより一層高いものとなる。
<請求項6記載の発明>
前記低透過部は、裏側の部材に溶着された部分であり、かつ低透過部の間の部位が表側に突出した凸部となっている、請求項1〜5のいずれか項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
トップシートの低透過部はどのような形態で設けられていても良いが、トップシートを裏側の部材に固定すること、及び表面の凸部形成を兼ねて設けるのは好ましい形態である。特に、落ち込み部分にこのような凸部が形成されていると、股間部が装着者の両脚の間に挟まれて幅方向にある程度収縮し、スリットが幅方向に潰れた状態となっても、凸部の周囲に隙間が維持され、拡散性の向上が阻害されにくくなる。
以上のとおり本発明によれば、吸収可能量及び吸収速度ともに優れる使い捨ておむつとなる、等の利点がもたらされる。
パッドタイプ使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。 要部のみを示す平面図である。 図1のY−Y断面図である。 図1のX−X断面図である。 (a)展開状態の概略断面図、(b)展開状態の概略平面図である。 (a)展開状態の概略断面図、(b)展開状態の概略平面図である。 他の形態の要部のみを示す平面図である。 図7に示される形態のX−X断面に相当する、他の形態の断面図である。 他の吸収体の平面図である。 トップシート及びセカンドシートの平面図である。 低透過部のパターンの拡大平面図である。 低透過部のパターンの拡大平面図である。 図12(b)の1−1断面、2−2断面、3−3断面を示す断面図である。 トップシート及びセカンドシートの組み立て設備例の説明図である。 トップシート及びセカンドシートの組み立て体の、略上方からの概略図である。 比較サンプルのトップシート表面の概略図である。 押し込みロールの(a)要部断面図、及び(b)周面の展開平面図である。 凹ロールの(a)要部断面図、及び(b)周面の展開平面図である。 押し込みロール及び凹ロールによる凸部形成工程を示す要部拡大断面図である。 凹ロール及び接合ロールによる接合工程を示す要部拡大断面図である。 低透過部のパターンの拡大平面図である。 低透過部のパターンの拡大平面図である。 低透過部のパターンの拡大平面図である。 吸収速度試験の概要図である。 試験結果のグラフである。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、本発明の用語のうち「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、製品によって、図示形態のように物品の前後方向中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、物品の前後方向中央の所定範囲であったりするものである。物品の前後方向中間あるいは吸収体の前後方向中間に幅の狭いくびれ部分を有する場合は、いずれか一方又は両方のくびれ部分の最小幅部位を前後方向中央とする所定の前後方向範囲を意味する。また、「前側部分(腹側部分)」は股間部よりも前側の部分を意味し、「後側部分(背側部分)」は股間部よりも後側の部分を意味する。
図1〜図4は、本発明に係るパッドタイプ使い捨ておむつ例200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、股間部C2と、その前後両側に延在する前側部分F2及び後側部分B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)Lは350〜700mm程度、全幅W1は130〜400mm程度(ただし、おむつの吸収面の幅より広い)とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10〜150mm程度、前側部分F2の前後方向長さは50〜350mm程度、及び後側部分B2の前後方向長さは50〜350mm程度とすることができる。また、股間部C2の幅W3は、大人用の場合、150cm以上、特に200〜260cm程度とすることができる。
パッドタイプ使い捨ておむつ200は、外面に外装シート27が積層された液不透過性シート21の内面と、透液性トップシート22との間に、吸収体23A,23Bが介在された基本構造を有している。
吸収体23A,23Bの裏側には、液不透過性シート21が吸収体23A,23Bの周縁より若干食み出すように設けられている。液不透過性シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
また、液不透過性シート21の外面は、不織布からなる外装シート27により覆われており、この外装シート27は、所定のはみ出し幅をもってバックシート21の周縁より外側にはみ出している。外装シート27としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
吸収体23A,23Bの表側は、透液性トップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23A,23Bが一部はみ出しているが、吸収体23A,23Bの側縁がはみ出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
トップシート22と吸収体23A,23Bとの間には、中間シート25を介在させるのが望ましい。この中間シート25は、吸収体23A,23Bにより吸収した尿の逆戻りを防止するために設けられるものであり、保水性が低く、かつ透液性の高い素材、例えば各種の不織布やメッシュフィルム等を用いるのが望ましい。トップシート22の前端を0%としトップシート22の後端を100%としたとき、中間シート25の前端は0〜11%の範囲に位置しているのが好ましく、中間シート25の後端は92〜100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、中間シート25の幅W4は後述する吸収体23A,23Bのくびれ部分23nの最小幅W5の50〜100%程度であるのが好ましい。
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後方向両端部では、外装シート27及び透液性トップシート22が吸収体23A,23Bの前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23A,23Bの存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部では、外装シート27が吸収体23A,23Bの側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面には、立体ギャザー24を形成するギャザーシート24sの幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23A,23Bの存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これら貼り合わせ部分は、図1では斜線模様で示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。外装シート27を設けない場合、外装シート27に代えて液不透過性シート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの外面側を形成することができる。
ギャザーシート24sの素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコーンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
ギャザーシート24sの幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
また、両ギャザーシート24sは、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面及び外装シート27内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図1に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して弾力的に起立する漏れ防止壁となる部分であり、その起立基端24bはギャザーシート24sにおける幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
吸収体23A,23Bは、図3〜図6に示すように、下層吸収体23Bと、その表側に設けられた上層吸収体23Aとからなる二層構造を有している。上層吸収体23A及び下層吸収体23Bとしては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。下層吸収体23Bは、少なくともパルプ繊維の集積物であるのが好ましく、特にパルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の混合集積物であるのが好ましい。一方、上層吸収体23Aはパルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の混合集積物であるのが好ましい。
上層吸収体23A及び下層吸収体23Bに含有される高吸収性ポリマー粒子23pとしては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば上層吸収体23A及び下層吸収体23Bに同じ粒度分布の高吸収性ポリマー粒子を用いる場合等、通常の場合には、500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。また、上層吸収体23A及び下層吸収体23Bに異なる粒度分布の高吸収性ポリマー粒子を用いる場合には、上層吸収体23Aに用いる高吸収性ポリマー粒子の粒度分布は、上述の500μm及び180μmの標準ふるいを用いたふるい分けを行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が50重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が50重量%以上のものが望ましく、下層吸収体23Bに用いる高吸収性ポリマー粒子の粒度分布は、上述の500μm及び180μmの標準ふるいを用いたふるい分けを行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が25重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が70重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子としては、特に限定されるものではないが、吸水速度が20〜50秒で、吸水量50〜80g/gのものを好適に用いることができる。高吸収性ポリマー粒子18p,19pとしては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。
吸収体23A,23Bにおける繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、また、高吸収性ポリマー粒子の目付けは、吸収体全体で100〜350g/m2程度とするのが好ましい。
特に、上層吸収体23Aにおけるパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率は、下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率よりも高いものとされていると好ましい。すなわち、吸収体23A,23Bでは、排泄物の液分Lは上層吸収体23Aにも供給されるが、それよりも優先的にスリット40を通して下層吸収体23Bに供給される。ここで、下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率が上層吸収体23Aのそれよりも低いと、上層吸収体23Aよりもゲルブロッキングが生じにくく排泄物の液分が下層吸収体23B内でより広範囲に拡散する。そして下層吸収体23Bに吸収された液分は、少なくとも下層吸収体23Bの吸収飽和後には、上層吸収体23Aに吸い上げられるようにして上層吸収体23Aに移行するようになり、上層吸収体23Aに吸収保持される。このとき、上層吸収体23Aはパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率が高く、より多量の液分を吸収保持できるとともに、下層吸収体23Bが優先的に吸収を行うため、上層吸収体23Aの表側(肌側)には最後まで吸収余力が残されることになる。その結果、逆戻り防止性に一段と優れたものとなる。
このような吸収メカニズムを考慮すると、下層吸収体23Bに含まれる高吸収性ポリマー粒子は液透過性に優れるもの、具体的には吸収速度が20〜35秒かつ吸収量が50〜70g/gであるものが好ましく、上層吸収体23Aに含まれる高吸収性ポリマー粒子は吸収量が多いもの、具体的には吸収速度が60〜80秒かつ吸収量が50〜80g/gであるものが好適である。
また、上層吸収体23Aにおけるパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率を、下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率よりも高くする場合、上層吸収体23A及び下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率は適宜定めることができるが、上層吸収体23Aの総目付け(パルプ19f及び高吸収性ポリマー粒子の合計)が350〜700g/m2である場合、上層吸収体23Aにおけるパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率が55〜100%程度、特に65〜90%であることが好ましい。また、下層吸収体23Bの総目付け(パルプ18f及び高吸収性ポリマー粒子の合計)が250〜450g/m2である場合、下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維に対する高吸収性ポリマー粒子の重量比率が0〜50%程度、特に30〜40%であることが好ましい。
上層吸収体23A及び下層吸収体23Bは、必要に応じて形状及びポリマー保持等のため、一体的又は個別に、クレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート26により包むことができる。
吸収体23A,23Bは、前側部分F2から後側部分B2にかけて延在される。上層吸収体23Aは下層吸収体23Bと同じ寸法とすることもできるが、図示形態のように上層吸収体23Aの全長及び全幅は下層吸収体23Bのそれよりも短いことが望ましい。通常の場合、上層吸収体23Aの全長は下層吸収体23Bの全長の60〜90%程度とすることができ、上層吸収体23Aの全幅は下層吸収体23Bの全幅の60〜90%程度とすることができる。
上層吸収体23A及び下層吸収体23Bの形状は適宜定めることができ、それぞれ長方形状とすることもできるが、少なくとも大きい方の吸収体23A,23B(図示例では下層吸収体23B)は、股間部C2を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭いくびれ部分23nとして形成されていると好ましい。このくびれ部分23nの最小幅W5は、くびれ部分23nの前後に位置する非くびれ部分の幅W2の50〜65%程度であるのが好ましい。また、物品前端を0%とし物品後端を100%としたとき、くびれ部分23nの前端は10〜25%の範囲に位置しているのが好ましく、くびれ部分23nの後端は40〜65%の範囲に位置しているのが好ましく、くびれ部分23nの最小幅W5となる部位(最小幅部位)は25〜30%の範囲に位置しているのが好ましい。
特徴的には、図1及び図2に示すように、上層吸収体23Aにおける少なくとも股間部C2と対応する前後方向領域に、所定幅のスリット40が前後方向に延在されるとともに、下層吸収体23Bには所定幅のスリット40が設けられていない。ただし、下層吸収体23Bには幅の無い切れ目を有していても良い。また、特徴的には、図4〜図6に示すようにトップシート22は上層吸収体23Aのスリット40内に落ち込んだ落ち込み部分30を有しており、図5及び図6に示すように、少なくともこの落ち込み部分30に、厚み方向に圧縮された部分であり、かつ繊維相互が溶着された部分である低透過部80を間隔を空けて多数有している。図示形態では、トップシート22と上層吸収体23Aとの間に中間シート25と包装シート26の表側部分が存在するため、これら中間シート25及び包装シート26の表側部分もトップシート22とともに、スリット40内に落ち込むこととなる。トップシート22以外は省略することもできる。
スリット40は股間部C2に設けられている限り、その前後方向の長さ40Lは特に限定されず、したがって上層吸収体23Aの前後方向全体にわたり設けることもできるが、図示形態のように前側部分F2の股間側端部から後側部分B2の股間側端部まで延在させることが望ましい。また、図9(a)に示すように、スリット40の後側の部分を幅方向外側に向かうように曲げることもできる(前側も同様に曲げることができる)。より具体的には、使い捨ておむつ200の前端を0%とし、使い捨ておむつ200の後端を100%としたとき、スリット40の前端は15〜30%の範囲に位置しているのが好ましく、スリット40の後端は40〜70%の範囲に位置しているのが好ましい。
図示形態の上層吸収体23Aでは、スリット40の前後端は上層吸収体23Aの周縁に突き抜けていないが、図9(a)に示す例のように後端(前端又は両端でもよい)を周縁に達するようにしてもよい。なお、スリット40の前後両端が上層吸収体23Aの側縁に達する形態では、スリット40よりも側方の部分はスリット40間の部分とは別体となる。
スリット40は左右両側に各1本設けるほか、図9(b)に示すように幅方向中央に中央スリット41を追加することもできる。この場合、スリット40の幅方向位置は左右対称となることが好ましく、スリット40の間隔40Dは、通常の場合、吸収体23A,23Bのくびれ部分23nの最小幅W5の10〜30%程度であるのが好ましい。スリット40の数は限定されず、図7及び図8に示すように幅方向中央部に前後方向に沿って一本だけ設けることもできる。
スリット40の幅40Wは、対向する側壁が離間している限り特に限定されないが、通常の場合、吸収体23A,23Bのくびれ部分23nの最小幅W5の10〜20%程度とすることが望ましく、具体的に大人用製品の場合5〜32mm程度とすることができる。
以上のように構成されたパッドタイプ使い捨ておむつ200では、図5及び図6に示されるように、落ち込み部分30に多数の低透過部80を有するため、落ち込み部分30における透過性が制限され、その分だけ拡散性が向上する。つまり、上層吸収体23Aにスリット40を設け、かつ下層吸収体23Bにはスリット40を設けずに、吸収量を可能な限り確保した形態でありながら、低透過部80が散在されることによりスリット40内における尿の拡散性が高くなり、その結果として吸収飽和を起こしにくく、吸収速度が速いものとなる。
低透過部80をどの程度形成するかは適宜定めることができるが、後述する実施例からも明らかなように、低透過部80を有する領域における低透過部80の面積率が4%以上であると、顕著な吸収速度の向上をもたらすことができるため好ましい。落ち込み部分30における低透過部80の面積率は7%以上であると特に好ましい。
個々の低透過部80の形状は、円形(図22参照)、楕円形、正方形、長方形(図21(a)参照)、線状(図23参照)、その他の多角形のような形状のほか、三日月形(図21(b)参照)、星形、雲形等、適宜定めることができる。
低透過部80の配置は適宜定めることができ、前後方向に間欠的又は連続的な低透過部80の列が落ち込み部分30に対して一列だけ設けられている形態とすることもできるが、前後方向に間欠的又は連続的な低透過部80の列が幅方向に間隔を空けてかつ前後方向位置をずらしつつ又はずらさずに複数列形成されていることが望ましい。低透過部80の配列は、不規則であっても良いが、全体として規則的なパターンとなっていることが望ましい。
低透過部80は、落ち込み部分30に設けられる限り、落ち込み部分30の一部(例えば前後方向中間部等)又は全体のみに設けても良いが、上層吸収体23Aのスリット40の位置に正確に合わせて製造することは困難であるため、図5及び図6に示すように、トップシート22における落ち込み部分30を含みかつ落ち込み部分30よりも広い領域11(例えば、幅方向及び前後方向の少なくとも一方において落ち込み部分30よりも広い領域)にわたり設けることが好ましく、トップシート22全体としても良い。トップシート22を低透過部80で中間シート25に溶着接合する場合には、図2に示すように、低透過部80を設ける領域11を中間シート25の範囲と一致させるのも好ましい。幅方向に間隔を空けて複数のスリット40を設ける場合、図示しないが、低透過部80を有する領域11も幅方向に間隔を空けて複数設けることができる。
低透過部80の寸法は適宜定めることができる。低透過部80を前後方向に間欠的に設ける場合、その前後方向長さ(例えば後述する形態の符号80m)は0.5〜3.0mm、特に0.7〜1.1mm程度とすることができる。低透過部80の幅(例えば後述する形態の符号80c)は通常の場合0.5〜3.0mm、特に0.7〜1.1mm程度とすることができる。また、低透過部80を前後方向に間欠的に設ける場合、個々の低透過部80の面積は0.19〜7.1mm2、特に0.38〜0.95mm2程度とすることができる。また、低透過部80を幅方向に複数列設ける場合は、隣接列の中心間隔が列幅より大きく、好ましくは1〜5倍程度大きい間隔とすることができ、通常の場合0.5〜15mm程度とすることができる。
一つの好ましい形態は、図21に示すように、前後方向に細長い形状の低透過部80が、その前後方向長さよりも短い間隔で前後方向に間欠的に設けられている形態である。このような形状及び配置とすることにより、尿の前後方向拡散性がより一層高いものとなる。
また、図23に示すように、低透過部80を有する領域11の前端から後端まで連続する低透過部80を有しているのも好ましい形態である。
トップシート22の低透過部80はどのような形態で形成されていても良く、例えばトップシート22を単独の状態で加熱エンボス加工する等により、低透過部80がその繊維の溶着により裏側の部材に付着していない形態とすることもできるが、低透過部80は繊維が溶着した部分であるため、これを利用してトップシート22を裏側の部材に固定するのは一つの好ましい形態である。この場合、低透過部80の間の部位は圧縮されておらず、表側に突出する凸部31となるため、表面の凸部31形成を兼ねて設けることにもなる。落ち込み部分30にこのような凸部31が形成されていると、股間部C2が装着者の両脚の間に挟まれて幅方向にある程度収縮し、スリット40が幅方向に潰れた状態となっても、凸部31の周囲に隙間が維持され、拡散性の向上が阻害されにくくなる。
このような凸部31は後述するような押し出し加工を行わなくても、低透過部80が周囲に対して相対的に圧縮され、かつ裏側の部材(図示形態の場合は中間シート25)に接合される限り形成されるものであり、凸部31の配置、寸法、形状は低透過部80の配置、寸法、形状により定めることができる。換言すると、所望する凸部31の配置に応じて、凸部31の周囲少なくとも三方に単独又は複数密集した低透過部80を設ければよく、凸部31を有する領域と低透過部を有する領域11とはほぼ同じとなる。
図11及び図12に示すように、凸部31を幅方向及び前後方向にそれぞれ間隔を空けて多数配列する場合、凸部31の前後方向寸法31mが、前後方向に並ぶ凸部31の間隔32mより大きい方が好ましい。同様に、凸部31の幅方向寸法31cが、幅方向に並ぶ凸部31の間隔32cより大きい方が好ましい。凸部31の寸法31m,31cが小さく、凸部31の間隔32m,32cが広過ぎたり、凸部31が隣接凸部間32に嵌合する寸法であると、前述の空間確保作用が局所的にしか発揮されなくなるおそれがあるのに対して、凸部31の寸法31m,31cが、凸部31の間隔32m,32cより大きいと、凸部31の専有面積が凸部31間に比して大きくなるため、どのような配列であっても、また落ち込み部分30がどのように変形しても、一方の対向側面の凸部31が他方の対向側面の凸部31間に入り込まず、対向する凸部31同士が接触するため、より好ましい空間確保状態となる。
図5に示すように、凸部31を千鳥状に配列する場合、幅方向に並ぶ凸部31の間隔が凸部31の幅方向寸法の0.5〜0.9倍であると好ましい。図12にも示すように、凸部31の配列が千鳥状配列の場合、前後方向にジグザグに並ぶ凸部31の幅方向中央で凸部31間の部分(低剛性の部分)が最も直線的に前後方向に連続するため、スリット40の幅が狭くなる際、この位置Qでトップシート22が折れ曲がる。ここで、上記寸法及び間隔で凸部31が配列されていると、一方の対向側面の凸部31が他方の対向側面の凸部31間に入り込みにくく、対向する凸部31同士が接触しやすくなるため、より好ましい空間確保状態となる。
また、図6に示すように、凸部31を行列状に配列する場合、幅方向に並ぶ凸部31の間隔32cが凸部31の幅方向寸法31cの0.1〜0.5倍であると好ましい。すなわち、図11にも示すように、凸部31の配列が行列状配列の場合、幅方向に隣接する凸部31列の間32cで凸部31間の部分(低剛性の部分)が最も直線的に前後方向に連続するため、スリット40の幅が狭くなる際、この位置32cでトップシート22が折れ曲がる。このとき、上記寸法31c及び間隔32cで凸部31が配列されていると、一方の対向側面の凸部31が他方の対向側面の凸部31間に入り込まず、対向する凸部31同士が接触するため、より好ましい空間確保状態となる。
トップシート22における凸部31の具体的な寸法・形状・配列・構造は特に限定されず、適宜定めることができる。一例を示すと、以下のとおりである。
すなわち、図10〜図13に示すように、エンボス加工を用いてトップシート22を裏側から表側に押し出すことにより、幅方向及び前後方向にそれぞれ間隔を空けて多数の凸部31を配列することができる。なお符号32は隣接する凸部31間の部分を示している。この配列様式は、図11に示すように行列状とする他、図10及び図12に示すように千鳥状(隣接列で互い違いとなる配置)とする等、適宜変更することができる。また、図示形態では、トップシート22のほぼ全体にわたり凸部31を設ける形態を想定しているが、前述のように少なくとも落ち込み部分30に設けられる限り、部分的に設けることも可能であり、例えばトップシート22と中間シート25とが重なる領域のほぼ全体にわたり設けることもできる。
凸部31の寸法等は適宜定めることができるが、図10〜図12に示すように、凸部31のMD方向寸法31mは、凸部31のMD方向一方側に位置する低透過部80と他方側に位置する低透過部80との中心間隔80y以下とされ、その下限は0.9倍程度であるのが好ましく、通常の場合2.7〜9mm程度とすることが好ましい。同様に、凸部31のCD方向寸法31cは、凸部31のCD方向一方側に位置する低透過部80と他方側に位置する低透過部80との中心間隔80x以下とされ、その下限は0.9倍程度であるのが好ましく、通常の場合2.7〜9mm程度とすることが好ましい。また、凸部31の高さ31zは、通常の場合0.8〜2mm程度とすることが好ましい。
ここで、製法における「MD方向」及び「CD方向」とは、凸部31の加工設備の「MD方向」及び「CD方向」を意味し、いずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。また、製品におけるMD方向は、トップシート22の不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。図示形態は、殆ど多くの使い捨ておむつの製品と同様に、前後方向がMD方向となり、幅方向がCD方向となるものである。
凸部31の配置間隔は適宜定めることができるが、図11に示すような行列状配列の場合、CD方向に隣接する凸部31のMD方向列のCD方向中心間隔31xは3〜10mm程度、MD方向に隣接する凸部31のCD方向列のMD方向中心間隔31yは3〜10mm程度とするのが好ましい。また、図10及び図12に示すような千鳥状配列の場合、CD方向に隣接する凸部31のMD方向列のCD方向中心間隔31xは3〜10mm程度、MD方向に隣接する凸部31のCD方向列のMD方向中心間隔31yは3〜10mm程度とするのが好ましい。
凸部31の形状は、円形ドーム状とするのが好ましいが、楕円ドーム状や、正多角形ドーム状とすることも可能である。なお、凸部31はトップシート22のエンボス加工により形成することができる。
図10〜図13にも示すように、トップシート22における、幅方向及び前後方向に隣接する凸部31の間の部分が加圧溶着により中間シート25と接合されることにより、幅方向及び前後方向に間欠的なパターンで多数の低透過部80が形成されている。低透過部80は、凹部の底部を形成する部分でもある。そして特徴的には、このトップシート22及び中間シート25の接合パターンでは、MD方向に隣接する凸部31の間の領域では、低透過部80がCD方向に間隔を空けて複数並んでなる列が当該領域のCD方向中央位置を横切るように形成されるとともに、その低透過部80のCD方向の間隔部分ではトップシート22及び中間シート25が溶着されずにトップシート22がそのMD方向両側よりも圧縮された圧縮部81とされている。圧縮部81においてはトップシート22が圧縮される限り、中間シート25はトップシート22と一体的に圧縮されていても、圧縮されていなくても良い。また、低透過部80及び圧縮部81以外の部分は、トップシート22及び中間シート25が溶着されずかつCD方向の間隔部分と同様に圧縮されていても良いが、トップシート22及び中間シート25が溶着されずかつCD方向の間隔部分よりもトップシート22が圧縮されていない(全く圧縮されない非圧縮も含む)ことが望ましい。つまり、トップシート22における低透過部80の厚みをT1とし、圧縮部81の厚みをT2とし、低透過部80及び圧縮部81以外の部分の厚みをT3としたとき、T1<T2=T3でも良いが、T1<T2<T3となるのが望ましい。さらに、図示形態では、トップシート22における凸部31を有する部分と中間シート25との間に空間が形成されているが、このような空間が形成されていなくても良く、この場合トップシート22の裏面と中間シート25とが全面にわたり接着されていても良い。
図10及び図12(b)に示されるパターンを採用したトップシート22及び中間シート25の組み立て体のサンプルが図15に示されている。このように、MD方向に隣接する凸部31の間に特徴的な接合パターンを採用することにより、図15に示すサンプルと図16に示すサンプルとの対比からも明らかなように、凸部31の形成時に縦皺が形成されたとしても、中間シート25との接合の際にその縦皺を横切るように、加圧溶着による低透過部80及び溶着されずに圧縮された圧縮部81がCD方向に交互に連続するため、縦皺をより大きく伸ばした状態で低透過部80を形成することができ、その状態又はそれに近い状態が製造後においても維持されるようになる。それでいて、結果的に接合される部分はCD方向に間欠的となるため、柔軟性の低下や外観の悪化は防止することができる。これに対して、上記条件を満たさない低透過部80を有する比較サンプルでは、MD方向に沿う皺がCD方向に間隔を空けて多数形成されてしまい、見栄えが悪化する。
接合パターンは、MD方向に隣接する凸部31の間の領域において、複数の低透過部80がCD方向に間隔を空けて並び、そのCD方向間隔部分が圧縮部81により繋がる限り特に限定されず、図11(b)及び図12(a)に示すように、MD方向に隣接する凸部31のCD方向中央部と対応するCD方向中央位置に低透過部80が形成されると皺防止の観点からは好ましいが、図11(a)及び図12(b)に示すように当該CD方向中央位置に低透過部80が形成されないパターンとすると、より柔軟性に富むようになるため好ましい。また、前者の場合に、CD方向中央位置の低透過部80の面積を他の低透過部80の面積よりも小さくするのも、柔軟性の観点からは好ましい。
図11に示すように、MD方向に隣接する凸部31の間の領域に、低透過部80がCD方向に間隔を空けて複数並んでなる列を一列設ける他、図10及び図12に示すように、MD方向に間隔を空けて複数列設けることもできる。前者は、凸部31が行列状に配列されている図11に示す形態のように凸部31のMD方向間隔が狭いパターンに適しており、後者は、凸部31が千鳥状に配列されている図10及び図12に示す形態のように凸部31のMD方向間隔が広いパターンに適している。なお、後者の形態において、低透過部80のMD方向の間隔部分は、トップシート22及び中間シート25が溶着されずかつCD方向の間隔部分と同様に圧縮されていても良いが、トップシート22及び中間シート25が溶着されずかつCD方向の間隔部分よりもトップシート22が圧縮されていない(全く圧縮されない非圧縮も含む)と、より優れた柔軟性及び外観を得ることができる。
図11及び図12に示す形態における低透過部80の寸法は適宜定めることができるが、MD方向に隣接する凸部31の間における個々の低透過部80は、MD方向長さ80mが、MD方向に隣接する凸部31のCD方向列のMD方向中心間隔31yの0.1〜0.4倍(通常の場合例えば0.5〜3mm)程度、かつCD方向長さ80cが、CD方向に隣接する凸部31のMD方向列のCD方向中心間隔31xの0.1〜0.4倍(通常の場合例えば0.5〜3mm)程度の、点状接合部であるのが好ましい。また、CD方向に隣接する低透過部80のCD方向間隔80dは、低透過部80のCD方向長さ80cの1〜5倍(通常の場合例えば0.5〜15mm)程度であるのが好ましく、CD方向列における低透過部80の個数は2〜4個程度であるのが好ましい。
他方、図12に示すように、凸部31が千鳥状の場合には、CD方向に隣接する凸部31の間はMD方向に隣接する凸部31の間でもあるため、MD方向に隣接する凸部31の間と同様の低透過部80が設けられるのに対して、図11に示すように、凸部31が行列状配列の場合には、MD方向に隣接する凸部31の間の低透過部80とは別に、CD方向に隣接する凸部31の間にも、低透過部80がMD方向に間欠的に設けられる。CD方向に隣接する凸部31の間における低透過部80のパターンは特に限定されないが、点状の低透過部80をMD方向に間隔を空けて配列することが好ましく、図11(b)に示すようにMD方向の間隔部分においても、CD方向の間隔部分と同様に圧縮部81を形成することができる。この低透過部80のMD方向列は、図示例のようにCD方向に隣接する凸部31の中間位置に一列設ける他、CD方向に間隔を空けて複数列設けることもできる。また、この点状の低透過部80の寸法は特に限定されないが、MD方向長さ80mが、MD方向に隣接する凸部31のCD方向列のMD方向中心間隔31yの0.1〜0.4倍(通常の場合例えば0.5〜3mm)程度、かつCD方向長さ80cが、CD方向に隣接する凸部31のMD方向列のCD方向中心間隔31xの0.1〜0.4倍(通常の場合例えば0.5〜3mm)程度であるのが好ましい。
図11及び図12に示す形態における低透過部80は、幅方向及び前後方向に間欠的な接合パターンで形成され、各方向の間隔は適宜定めることができるが、例えば、MD方向に隣接する凸部31の間における各低透過部80によるCD方向接合範囲A3は、CD方向に隣接する凸部31のMD方向列のCD方向中心間隔31xの0.3〜1倍(通常の場合例えば1〜10mm)程度であるのが好ましく、また、CD方向に隣接する凸部31の間における各低透過部80によるMD方向接合範囲A4は、MD方向に隣接する凸部31のCD方向列のMD方向中心間隔31yの0.3〜1倍(通常の場合例えば1〜10mm)程度であるのが好ましい。これらCD方向接合範囲A3及びMD方向接合範囲A4が広すぎると、低透過部80がCD方向及びMD方向に連続するのと変わりなくなり、トップシート22の透過性や柔軟性が低下するおそれがある。
図14は、上述の凸部31及び低透過部80を形成し、トップシート22及び中間シート25を接合するための加工設備を示している。すなわち、この設備は、押し込みロール90と、この押し込みロール90に対向する凹ロール91と、この凹ロール91に対向する接合ロール92とを備えている。
押し込みロール90は、図17に示すように、周面に多数の押し込み凸部90aが前述の凸部31の配列パターンで形成されたものである。押し込みロール90の凸部の形状は適宜定めることができるが、形成する凸部31の形状に合わせた断面(例えば円形、楕円形、正多角形等)の裁頭円錐台状であるのが好ましい。
凹ロール91は、図18に示すように、周面に押し込みロール90の押し込み凸部90aに対応する押し込み凹部91aが設けられるとともに、これら押し込み凹部91a間に、接合凸部91b及び圧縮凸部91eが設けられたものである。接合凸部91bは前述の接合パターンにおける低透過部80を形成するための部分であり、圧縮凸部91eは低透過部80のCD方向の間隔部分においてトップシート22及び中間シートの素材25Sを溶着せずにトップシート22となる不織布22Sを厚み方向に圧縮するための部分である。中間シートの素材25Sが不織布のように厚み方向に圧縮される素材である場合は、この圧縮凸部91eによって中間シート25も同時に圧縮されることはいうまでもない。より詳細には、この凹ロール91では、ロール周方向に隣接する押し込み凹部91aの間の領域では、接合凸部91bがロール軸方向に間隔を空けて複数並んでなる列が当該領域のロール軸方向中央位置を横切るように形成されるとともに、その接合凸部91bのロール軸方向の間隔部分が圧縮凸部91eとされている。接合凸部91b、圧縮凸部91e、及び押し込み凹部91a以外の部分は、素材を圧縮しない部分とされているが、圧縮凸部91eと同程度又はそれ以下の圧縮を行う部分とすることもできる。凹ロール91の押し込み凹部91aは、凸部が形成される限り、押し込み凸部が入り込む大きさの、底面がない「開孔」でもよく、「押し込み凹部91a」はかかる「開孔」も含む意味である。
押し込みロール90における押し込み凸部90aの寸法・形状・配置は、形成される凸部31の内空寸法・形状・配置と対応するものとなり、凹ロール91における押し込み凹部91aの寸法・形状・配置は、形成される凸部31の外形寸法・形状・配置と対応するものとなる。また、凹ロール91における接合凸部91bの寸法・形状・配置は、形成される低透過部80の寸法・形状・配置と対応するものとなり、凹ロール91における圧縮凸部91eの寸法・形状・配置は、圧縮部81が形成される場合にはその寸法・形状・配置と対応するものとなる。よって、これらの寸法、形状、配置については、前述の使い捨ておむつの項で述べた凸部31、低透過部、及び圧縮部の寸法・形状・配置をと同様に変更可能である。例えば、図18(b)に示される形態における圧縮凸部91cのMD方向長さ91m、CD方向長さ91c及びCD方向間隔91dは、図12(b)に示される形態における低透過部80のMD方向長さ80m、CD方向長さ80c、CD方向間隔80dと同様の範囲内とすることができる。
加工に際しては、トップシート22となる不織布22Sを製造ラインの下流側からの引張りにより移送しつつ、図19に示すように押し込みロール90及び凹ロール91間に挟み、押し込みロール90の凸部を凹ロール91の押し込み凹部91a内に押し込むエンボス加工により、凸部31を形成する。
しかる後、この凸部31を形成した不織布22Sをそのまま凹ロール91に巻き掛けて案内する過程で、トップシート22となる不織布の外側に、製造ラインの下流側からの引張りにより中間シートの素材25Sを送り込み、図20に示すようにトップシート22となる不織布22S及び中間シートの素材25Sを凹ロール91及び接合ロール92間に挟み、凹ロール91の圧縮凸部91eと接合ロール92の周面との間で圧縮しつつ、凹ロール91の接合凸部91bと接合ロール92の周面との間で加圧溶着することにより、低透過部80を形成し、トップシート22及び中間シート25の組立て体を製造する。これにより、凸部31の形成時に、トップシート22となる不織布22SにおけるMD方向に隣接する凸部31の間に縦皺が形成されたとしても、中間シートの素材25Sとの接合の際、その縦皺を横切るように、加圧溶着部分80及び溶着されずに圧縮される圧縮部81がCD方向に交互に連続するため、縦皺をより大きく伸ばした状態で低透過部80を形成することができ、その状態又はそれに近い状態が製造後においても維持されるようになる。それでいて、結果的に接合される部分はCD方向に間欠的となるため、柔軟性の低下や外観の悪化は防止することができる。なお、この原理からも理解されるように、圧縮凸部91eにより圧縮した痕跡が前述の圧縮部81として残るものはもちろん、圧縮の痕跡が殆ど又は全く残らないものも縦皺の防止効果があるものである。
加圧溶着手段としては素材を厚み方向に圧縮しつつ溶着するものであれば、ロールを加熱して素材を溶着するヒートシールの他、超音波シールを採用することもできる。加工したトップシート22及び中間シート25の組立て体は、公知の方法に従って吸収体等に対して組み付けることにより使い捨ておむつを製造することができる。
図14に示す形態のように、凸部31の形成直後に、その皺が吸収される間があまり無い状態で中間シート25の素材と接合する加工法では、皺がより残りやすいため、前述の接合パターンを採用することが好ましい。もちろん、エンボス加工により凸部31を形成した後に、低透過部80を形成するのであれば、上記3ロールの加工設備でなくても良い。また、図示例では、押し込みロール90と凹ロール91とが噛み合う位置に直接的にトップシート22となる不織布を送り込んでいるが、押し込みロール90の周面の接線方向から押し込みロール90にのみ巻き付けるようにトップシート22となる不織布を送り込み、そのまま凹ロール91との間に挟んだ後に、凹ロール91の周面に移すように案内しても良い。
<吸収速度試験>
図1〜図4に示すパッドタイプ使い捨ておむつの構造を基本とし、トップシート22の低透過部80の有無、低透過部80のパターン、及び吸収可能量が異なるサンプルを製造し、吸収速度試験を行った。
(実施例1)
上層吸収体23Aは、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の混合積繊体とし、パルプ繊維の目付けを351g/m2とし、高吸収性ポリマー粒子の目付けを242g/m2とし、厚みを5.0mmとした。上層吸収体23Aの全長は480mmとし、全幅は140mmとした。
上層吸収体23Aの高吸収性ポリマー粒子は、吸水速度38秒、吸水量73g/g、500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が50重量%以下、かつ180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が50重量%以上のものを用いた。
上層吸収体23Aのスリット40は、上層吸収体23Aの前端から後方に25mmの位置から240mmの位置まで延在させ、その幅40Wは20mmとし、左右のスリット40の間隔40Dは25mmとした。
下層吸収体23Bは、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の混合積繊体とし、パルプ繊維の目付けを245g/m2とし、高吸収性ポリマー粒子の目付けを91.7g/m2とし、厚みを3.6mmとした。下層吸収体23Bの全長は570mmとし、全幅は260mmとした。
下層吸収体23Bの高吸収性ポリマー粒子は、吸水速度28秒、吸水量60g/g、500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が25重量%以下、かつ180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が70重量%以上のものを用いた。
包装シートは、目付け15g/m2のクレープ紙とした。
トップシートは、目付け21g/m2、厚み0.15mmの親水性二層エアスルー不織布とし、上層の繊維は2.2dtexの芯鞘型複合繊維(芯PP、鞘PE)、下層の繊維は4.4dtexの芯鞘型複合繊維(芯PET、鞘PE)とした。
中間シート25は、太さ2.2dtexの芯鞘型複合繊維(芯PET、鞘PE)繊維を用いた、目付け22g/m2、厚み0.14mmの親水性エアスルー不織布とした。
トップシート22及び中間シート25は図14に示される製造方法により接合し、この接合により図21(a)に示されるパターンの低透過部80を有する領域11を、中間シート25を有する領域のほぼ全体にわたり形成した。
(実施例2)
低透過部80のパターンを図21(b)に示されるパターンとした以外は、全て実施例1と同様とした。
(実施例3)
低透過部80のパターンを図22(a)に示されるパターンとした以外は、全て実施例1と同様とした。
(実施例4)
低透過部80のパターンを図22(b)に示されるパターンとした以外は、全て実施例1と同様とした。
(比較例1)
上層吸収体23Aのパルプ繊維の目付けを372g/m2とし、高吸収性ポリマー粒子の目付けを279g/m2とし、厚みを5.3mmとし、下層吸収体23Bのパルプ繊維の目付けを246g/m2とし、高吸収性ポリマー粒子の目付けを91.0g/m2とし、厚みを3.6mmとした。また、トップシート22及び中間シート25を図14に示される製造方法により接合せず、全く低透過部80を設けなかった。これら以外は、全て実施例1と同様とした。
(比較例2)
トップシート22及び中間シート25を図14に示される製造方法により接合せず、全く低透過部80を設けない以外は、全て実施例1と同様とした。
(試験方法)
水平な台の上に、サンプルを展開状態で固定し、図24(b)に示すようにトップシート22上に注入器具100を設置した。注入器具100は、図24(a)に示すように縦240mm×横110mmの平板からなるベース部101と、このベース部101の中心を貫通し、ベース部101の底面に開口する内径44mm、高さ120mmの円筒部102とからなるものを用いた。試験に際しては、図24(b)に示すように注入器具100の円筒部102の中心を両方のスリット40の間の領域における前後方向中央かつ幅方向中央に位置させ、かつベース部101の長手方向がサンプルの前後方向となるようにベース部101を下にして載置し、ベース部101における長手方向両側に10cm×10cmの正方形の底面を有する、重量0.5kgの錘103を載せた後、温度37度の人工尿150mlを円筒部102の上端入口から一気に注ぎ、この注入開始から人工尿が完全に吸収されるまで(トップシート22上に人工尿が無くなるまで)の時間(秒)を、ストップウォッチを手動操作して測定した。測定は3回行い、その平均値を吸収速度とした。
(試験結果)
試験結果を図25に示した。本発明に係る実施例1〜4のものは比較例1及び2と比べて吸収速度に優れることが判明した。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・図10〜図20に示されるトップシート22及び中間シート25の「厚み」は見かけの厚みを意味し、特許第3611838号公報の段落[0017]記載の方法により測定する。すなわち、測定に際しては、トップシート22及び中間シート25を接合した状態で、縦30mm×横30mmの測定片を切り出す。そして、縦方向〔トップシート22を構成する不織布(繊維集合体)の繊維配向方向(不織布製造時の流れ方向)〕にほぼ平行でかつ低透過部80を通る線で切断面を作る。この切断面の拡大写真をキーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−1000等を用いて撮影し、この拡大写真に基づいてトップシート22の見かけの最大厚みを求め、これをトップシート22の厚みとし、そのトップシート22の最大厚みの測定部位において、中間シート25の見かけの厚みを測定し、これを中間シート25の厚みとする。また、他の部位の厚み(低透過部80の厚みや、圧縮部81の厚み等)、並びに凸部31の高さ31z等、断面方向の寸法は、トップシート及び中間シートの「厚み」の測定と同様にして、凸部の底部から頂部までの隆起高さを測定する。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J−B(測定範囲0〜35mm)又は型式K−4(測定範囲0〜50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「人工尿」は、尿素:wt%、塩化ナトリウム0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.3wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.8wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度40度で使用される。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のようなパッドタイプ使い捨ておむつに好適であるが、パンツタイプ若しくはテープタイプ使い捨ておむつ等、他の形態の使い捨ておむつにも利用できるものである。
B2…後側部分、C2…股間部、F2…前側部分、11…低透過部を有する領域、21…液不透過性シート、22…トップシート、23A,23B…吸収体、24…立体ギャザー、24s…ギャザーシート、25…中間シート、26…包装シート、27…外装シート、30…落ち込み部分、31…凸部、40…スリット、41…他のスリット、200…パッドタイプ使い捨ておむつ、80…低透過部、23A…上層吸収体、23B…下層吸収体。

Claims (6)

  1. 股間部と、股間部の前側及び後側にそれぞれ延出する前側部分及び後側部分とを有しており、
    股間部を含む前後方向範囲に設けられた吸収体と、この吸収体の表側を覆うトップシートとを有している、使い捨ておむつにおいて、
    前記トップシートは熱可塑性不織布からなり、
    前記吸収体は、下層吸収体と、その表側に設けられた上層吸収体とからなり、
    少なくとも前記股間部における前記上層吸収体に、所定幅のスリットが前後方向に延在され、前記下層吸収体には所定幅のスリットが設けられておらず、
    前記トップシートは前記スリット内に落ち込んだ落ち込み部分を有しており、
    少なくとも前記落ち込み部分に、厚み方向に圧縮された部分であり、かつ繊維相互が溶着された部分である低透過部が間隔を空けて多数設けられている、
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 前記落ち込み部分における前記低透過部の面積率が4%以上である、請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記落ち込み部分に、前後方向に細長い形状の低透過部が、その前後方向長さよりも短い間隔で前後方向に間欠的に設けられている、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記落ち込み部分に、前記低透過部を有する領域の前端から後端まで連続する形状の低透過部を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記低透過部は、少なくとも前記落ち込み部分内に、幅方向に間隔を空けて複数列設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記低透過部は、裏側の部材に溶着された部分であり、かつ低透過部の間の部位が表側に突出した凸部となっている、請求項1〜5のいずれか項に記載の使い捨ておむつ。
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