高効率フェーズドアレイを用いたRFエネルギーのハーベスティング及び転送のための無線周波数(「RF」)エネルギーハーベスティングシステム(「RFHS」)が開示される。RFHSは、フェーズドアレイアンテナ、電力ハーベスティングユニット(「PHU」)、及び、制御部を含む。フェーズドアレイアンテナは、PHU及び制御部の両方と信号通信する。制御部は、PHUとも信号通信する。フェーズドアレイアンテナは、周囲RFエネルギーを受信し、これを受けて、入力電力信号を生成するように構成されている。PHUは、整流器モジュール及び蓄電モジュールを含む。整流器モジュールは、フェーズドアレイアンテナ及び蓄電モジュールと信号通信する。PHUは、入力電力信号を受信し、これを受けて、整流電力信号を生成するように構成されている。制御部は、フェーズドアレイアンテナのアンテナビームの方向を制御することによって、受信する周囲RFエネルギーを増やすように構成されている。概して、アンテナビームの方向を制御することにより、RFHSは、収集効率を最大にして、フェーズドアレイアンテナによって、チューニングに使用するエネルギーを最小限に抑えつつ、様々な方向からの周囲RFエネルギーを捕捉するように構成されている。
さらに、RFHSの実施形態の別の例も開示しており、これは、少なくとも2つの量子トンネルダイオードを用いたものである。この例においては、RFHSは、周囲RFエネルギーを受信し、これを受けて入力電力信号を生成するように構成されたフェーズドアレイアンテナと、フェーズドアレイアンテナと信号通信する少なくとも2つの量子トンネルダイオードとを含む。これら少なくとも2つの量子トンネルダイオードは、入力電力信号を受信し、これを受けて整流電力信号を生成するように構成されている。
動作の一例として、RFHSは、周囲RFエネルギーを採取(ハーベスティング:harvesting)する方法を実行する。当該方法は、フェーズドアレイアンテナによって周囲RFエネルギーを受信し、当該周囲RFエネルギーの受信を受けて、フェーズドアレイアンテナによって入力電力信号を生成し、整流器モジュールによって入力電力信号を整流して整流電力信号を生成し、整流電力信号を蓄電モジュールに蓄積して、これに対応する量の蓄積電位エネルギーを蓄電モジュール内に生成する。このプロセスでは、次に、蓄電モジュール内の蓄積電位エネルギーの量が所定の閾値より大きいかどうかを、電力閾値モジュールによって判定し、蓄電モジュール内の蓄積電位エネルギーが所定の閾値以上であれば、蓄積された整流電力信号をセンサーに送る。
図1には、本開示の実施形態の一例による、高効率フェーズドアレイを用いたRFエネルギーの採取及び転送のための、無線周波数(「RF」)エネルギーハーベスティングシステム(「RFHS」)100のシステムブロック図を示している。RFHS100は、フェーズドアレイアンテナ102、電力ハーベスティングユニット(「PHU」)104、及び制御部106を含む。本実施例において、PHU104は、それぞれ信号経路108及び110を介して、フェーズドアレイアンテナ102及び制御部106の両方と信号通信する。また、制御部106も、信号経路112を介して、フェーズドアレイアンテナ102と信号通信する。
フェーズドアレイアンテナ102は、複数のアンテナ素子(図示せず)、位相シフタ(図示せず)、及び、フェーズドアレイアンテナ102の複数のアンテナ素子の合成された放射パターンからアンテナビーム114を形成するように構成された合成ネットワーク(図示せず)を含む。本実施例において、複数の位相シフタにおける個々の位相シフタは、複数のアンテナ素子における対応する個々のアンテナ素子と信号通信する。複数の位相シフタは、複数の位相シフタにおける個々の位相シフタが、複数のアンテナ素子における対応するアンテナ素子にもたらす相対位相関係に基づいて、フェーズドアレイアンテナ102のアンテナビームを、方向116に誘導(すなわち方向制御)するように構成されている。フェーズドアレイアンテナ102は、フェーズドアレイアンテナ102の表面に入射する周囲RFエネルギー118を受信し、これを受けて入力電力信号120を生成するように構成されており、当該信号は、信号経路108を介してPHU104に送られる。一般的に、フェーズドアレイアンテナ102は、特定のRF周波数帯域に合わせた設計に基づいて周囲RFエネルギー118を受信するように構成されている。
本実施例において、フェーズドアレイアンテナ102は、フェーズドアレイアンテナ102の表面に入射する周囲RFエネルギー118から最大量のエネルギーを採取できるよう、自律(autonomous)サーチモードで動作するように構成することができる。効率の最適化のために、複数の位相シフタにおける各位相シフタは、電力を消費せずに設定を保持することができる低電力位相シフタであってもよい。単純な実施形態の一例として、フェーズドアレイアンテナ102は、合計9個のアンテナ素子を有する3×3個アンテナ素子のフェーズドアレイアンテナであり、各アンテナ素子は、放射アンテナ(図示せず)と、PHU104と信号通信する合成ネットワーク(図示せず)に接続された位相シフタ(図示せず)とを含む。
PHU104は、整流器モジュール122及び蓄電モジュール124を含み、これらは、信号経路126を介して、互いに通信する。動作においては、PHU104は、入力電力信号120を受信し、これを受けて、整流電力信号128を生成するように構成されており、当該整流電力信号は、信号経路110を介して、他の装置、モジュール、回路、又はコンポーネントに送られるものである。整流器モジュール122は、一般的に、例えば2つのショットキーダイオード、2つのトンネルダイオード、又は2つの量子トンネルダイオードなどの少なくとも2つの低電力ダイオードの組み合わせである。本実施例において、少なくとも2つの量子トンネルダイオードを用いることによって、RFHS100は、超低レベルの周囲RFエネルギー118を受信し、さらに、整流電力信号128を生成することができる。本実施例において、超低レベルとは、ミリボルト以下の範囲であり、これは、ターンオン電圧が0.4〜0.5ボルトのショットキーダイオードとは異なり、量子トンネルダイオードのターンオン電圧も、ミリボルト以下の範囲であるからである。
動作において、整流器モジュール122は、入力電力信号120を受信し、これを整流することによって、内部整流電力信号130を生成する。内部整流電力信号は、信号経路126を介して、蓄電モジュール124に送られる。蓄電モジュール124は、例えば低電力でも充電可能なバッテリ又はコンデンサであり、(整流器モジュール122によって生成された)内部整流電力信号130を蓄積し、整流電力信号128を出力するように構成されている。整流電力信号は、蓄積された内部整流電力信号130から蓄電モジュール124内に蓄積されたエネルギーによって生成されるものである。
制御部106は、プロセッサ132、及び、信号経路136を介してプロセッサ132と信号通信するソフトウェアモジュール134を含む。プロセッサ132は、任意の低電力プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、マイクロコントローラ、又は他の同様のデバイスであってもよい。動作において、制御部106は、(信号経路110を介して)整流電力信号128の一部を受信し、整流電力信号128の当該一部を用いて、プロセッサ132及びソフトウェアモジュール134を含めた制御部106への給電が行われる。すると、プロセッサ132は、フェーズドアレイアンテナ102のアンテナビーム114のビーム方向制御116を行う。概して、プロセッサ132は、周囲RFエネルギー118の受信量を増大させ、好ましくは最大化及び/又は最適化する方向116に、アンテナビーム114を方向制御するように構成されている。プロセッサ132は、フェーズドアレイアンテナ102内の個々の位相シフタの位相状態を制御することによって、この方向制御を行う。概して、プロセッサ132は、ソフトウェアモジュール134に格納されているソフトウェアを用いて、フェーズドアレイアンテナ102を制御するとともに、アンテナビーム114を所与の方向116に方向制御するために必要な動作を行う。制御部106は、さらに、PHU104によって生成される電力(整流器モジュール122からの内部整流電力信号130としての電力、及び/又は、蓄電モジュール124からの整流電力信号128としての電力のいずれか)の量を監視することによって、アンテナビーム114の方向116が、周囲RFエネルギー118から十分な電力を受信する方向かどうかを判定する。十分な電力を受信していない場合、制御部106は、周囲RFエネルギー118をより良好に受信できるようアンテナビーム114の方向116をシフト(すなわち方向制御)するために、フェーズドアレイアンテナ102内の複数の位相シフタの位相の変更を開始する。
動作において、制御部106は、PHU104によって生成される電力量を監視するとともに、周囲RFエネルギー118の受信量を増大させることによってPHU104によって生成される電力量を増大させるべく、フェーズドアレイアンテナ102のアンテナビーム114の方向116を制御するプロセスを、継続的に行うことができる。すなわち、制御部106は、フェーズドアレイアンテナ102によって最大量の電力を捕捉できるように、周囲RFエネルギー118を生成している放射源(図示せず)に向かう方向116に、アンテナビーム114の方向を向けることができる。制御部106は、電力閾値モジュール(図示せず)を用いて、PHU104によって生成される電力量を監視することができる。本実施例において、ソフトウェアモジュール134は、プロセッサ132用の任意の必要なソフトウェアコードを保存するように構成された低電力記憶装置及び/又はメモリ装置であってもよい。
動作の一例において、RFHS100を用いて、信号経路110を介してPHU104と信号通信する1つ又は複数のセンサー138に、電力供給することができる。これらのセンサー138は、航空宇宙ビークル、健康管理システム、及びデータ収集システムの様々なパラメータを監視するように構成された、エネルギー消費がニアゼロの(「Nzero」)センサーであってもよい。PHU104は、整流電力信号128の一部を、信号経路110を介してセンサー138に送信することによって、センサー138に電力供給する。センサー138は、その周囲環境内での事象又は変化を検知して、これに対応するセンサー出力信号140を供給する、1つ又は複数の装置(通常はトランスデューサ)である。本実施例において、センサー138は、信号経路144を介して、トランスミッタ142と信号通信することができ、トランスミッタ142は、それぞれ信号経路110、148を介して、PHU104及び二次アンテナ146と信号通信することができる。センサー138は、センサー出力信号140を、(信号経路144を介して)トランスミッタ142に送り、トランスミッタ142は、センサー出力信号140を、送信センサー出力信号150として、二次アンテナ146を介して送信する。送信センサー出力信号150は、例えば、センサー138からのセンサー出力信号を監視するように構成された遠隔の監視システム(図示せず)に送信される。本実施例において、トランスミッタ142は、信号経路110を介して整流電力信号128の一部を受信することによって、電力供給される。任意ではあるが、センサー138及びトランスミッタ142は、RFHS100の一部としてもよい。
RFHS100が有するあるいはRFHSに関連付けられている回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイスは、互いに信号通信すると述べているが、ここでの信号通信とは、回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイスが、別の回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイスに対して信号を送受信することを可能にする、回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイス間のあらゆる種類の通信及び/又は接続を意味する。通信及び/又は接続は、1つの回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイスから、別の回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイスに信号及び/又は情報が移動することを可能にする、回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイス間の任意の信号経路に沿うものであってよく、無線又は有線の信号経路を含む。信号経路は、例えば、導電性ワイヤ、電磁波導波ガイド、ケーブル、取り付けや電磁的もしくは機械的連結がなされた端子、半導電性又は誘電性の材料又はデバイス、あるいは他の同様の物理的な接続もしくは連結などの、物理的なものであってもよい。また、信号経路は、自由空間(電磁波伝播の場合)あるいはデジタル部品間の情報経路などの非物理的なものであってもよく、この場合、通信情報は、1つの回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイスから、別の回路、コンポーネント、モジュール、及び/又はデバイスに、直接的な電磁接続を介することなく、様々なデジタルフォーマットで送られる。
図2には、本開示による別の実施形態の一例によるRFHS200のシステムブロック図を示している。図1に示したRFHS100の例と同様に、本実施例におけるRFHS200も、フェーズドアレイアンテナ102、PHU202、及び、制御部106を含む。ただし、図1に示したPHU104とは異なり、本実施例のPHU202は、整流器モジュール122、蓄電モジュール124に加えて、電力閾値モジュール204を含む。本実施例において、電力閾値モジュール204は、信号経路206を介して、蓄電モジュール124と信号通信する。また、電力閾値モジュール204は、信号経路208を介して、プロセッサ132、センサー138、及び、トランスミッタ142とも、信号通信する。RFHS200は、概して図1に示したRFHS100と同様に動作するが、異なる点として、本実施例においては、電力閾値モジュール204が、PHU202が整流電力信号128を出力する前に、蓄電モジュール124内に蓄積されたエネルギーの量を監視するように構成されている。動作の一例において、電力閾値モジュール204は、例えば、蓄電モジュール124によって生成される整流電力信号128の電圧の大きさを、所定の電圧閾値と比較することによって、蓄電モジュール124の蓄積エネルギー量を継続的に監視する。所定の電圧閾値は、例えば、3.6ボルトである。整流電力信号128の電圧の大きさが、所定の電圧閾値より大きい場合、電力閾値モジュールは、プロセッサ132、センサー138、及びトランスミッタ142に電力を供給すべく、整流電力信号128を信号経路208に送る。整流電力信号128の電圧の大きさが所定の電圧閾値以下である場合、電力閾値モジュール204は、蓄電モジュール124の整流電力信号128をPHU202から出力することを許可しない。このようにして、電力閾値モジュール204は、蓄電モジュール124が適切な電力エネルギーレベルまで充電した後に、放電によりPHU202の外部の装置に電力供給することを許容する。蓄電モジュール124の蓄積エネルギーが、所定の電圧閾値に対応する所定レベルに到達すると、電力閾値モジュール204は、蓄電モジュール124が、整流電力信号128によって放電することを許容する。
当業者にはわかるように、蓄電モジュール124によって、整流器モジュール122からの内部整流電力信号130によって生成されるエネルギーの蓄積が可能となる。従って、所定の電圧閾値より電圧の大きい整流電力信号128を生成可能なレベルまで蓄電モジュール124を充電する十分な周囲RFエネルギー118を、フェーズドアレイアンテナ102が継続して受信している場合、電力閾値モジュール204は、連続する整流電力信号128を信号経路208に送ることになる。この場合、内部整流電力信号130の電力レベルが、蓄電モジュール124を十分に充電可能なレベルより低くなると、電力閾値モジュール204は、連続する整流電力信号128の信号経路208への送信を停止する。
代替の実施形態として、電力閾値モジュール204は、制御部106の一部であってもよい。当該代替例において、プロセッサ132は、(蓄電モジュール124によって生成される)整流電力信号128の電圧の大きさを、所定の電圧閾値と比較することによって、蓄電モジュール124内の蓄積エネルギー量を継続的に監視するように構成される。この例において、PHU202は、プロセッサ132によって制御されるスイッチ(図示せず)を含んでいてもよい。スイッチは、蓄電モジュール124によって生成された整流電力信号128の電圧の大きさが、所定の電圧閾値より大きいとプロセッサ132が判断した場合に、信号経路208への整流電力信号128の送信を許容するように構成される。この例において、任意ではあるが、センサー138とトランスミッタ142は、RFHS200の一部としてもよい。
図3には、本開示によるさらに別の実施形態の一例によるRFHS300のシステムブロック図を示している。図1及び図2に示した実施例とは異なり、図3において、RFHS300は、双方向性のフェーズドアレイアンテナ302及びデュプレクサ304を含む。また、RFHS300は、送受信器306とともに動作するように構成されている。図2に示したRFHS200と同様に、RFHS300も、PHU202及び制御部106を含む。PHU202は、整流器モジュール122、蓄電モジュール124、及び電力閾値モジュール204を含み、制御部106は、プロセッサ132及びソフトウェアモジュール134を含む。
デュプレクサ304は、信号経路308、310、312を介して、フェーズドアレイアンテナ302、整流器モジュール122、及び送受信器306と信号通信する。本実施例において、デュプレクサ304は、単一の信号経路を介する双方向(「デュプレックス」)通信(すなわち、単一の信号経路308を介する、フェーズドアレイアンテナ302との双方向通信)を可能にする電子装置である。当業者であればわかるように、レーダー及び無線通信システムにおいて、デュプレクサを設けることによって、送受信器306からPHU202を切り離すとともに、これらがフェーズドアレイアンテナ302を共通のアンテナとして共用することが可能となる。一般的なタイプのデュプレクサには、例えば、送受信スイッチ、サーキュレータ、オルトモード(orthomode)トランスデューサ、又は、周波数領域フィルタが含まれる。
本実施例においては、図1及び図2に示した実施例とは異なり、トランスミッタ142に代えて、送受信器306が示されている。送受信器306は、送信器と受信器とが組み合わされて共通の回路又は単一のハウジングを共用している装置である。図2に示した実施例と同様に、送受信器306は、信号経路208を介して電力閾値モジュール204と信号通信する。送受信器306は、デュプレクサ304、電力閾値モジュール204、センサー138、制御部106、任意で設けられるトランスミッタ閾値モジュール314、及び、任意で設けられる外部キュー(queue)閾値モジュール316と、それぞれ、信号経路312、208、144、318、320、322を介して信号通信する。
RFHS300は、任意で設けられる閾値モジュール314及び外部キュー閾値モジュール316と、信号経路208、324、326を介して信号通信しうる。信号経路208は、電力閾値モジュール204と信号通信し、信号経路324及び326は、制御部106と信号通信する。本実施例において、任意で設けられる閾値モジュール314は、例えば、電力閾値モジュール204と同様の装置であり、送受信器306が、アンテナビーム114を介して、センサー出力信号140を送信センサー出力信号328として送信する前に、蓄電モジュール124内の蓄積エネルギー量を監視するように構成されたものである。送信センサー出力信号は、フェーズドアレイアンテナ302に送られて、センサー138からのセンサー出力信号140を監視するように構成された遠隔の監視システム(図示せず)に送信される。本実施例において、フェーズドアレイアンテナ302は、受信する周囲RFエネルギー118とは異なる周波数帯域で、送信センサー出力信号328を送信できるよう、異なる2つ以上の周波数帯域で動作するように構成(例えば周波数調整)することができる。さらに、フェーズドアレイアンテナ302は、遠隔の監視システム(図示せず)から外部キュー信号330を受信するよう、第3の周波数帯域を受信する構成とすることができる。
任意で設けられる外部キュー閾値モジュール316は、例えば、適当な種類の閾値保持装置を含みうるという点で、電力閾値モジュール204及び任意で設けられるトランスミッタ閾値モジュールに類似する装置である。本実施例において、任意で設けられる外部キュー閾値モジュール136は、送受信器306を監視して、外部キュー信号332が送受信器306によって受信されたかどうかを判定するように構成されている。任意で設けられる外部キュー閾値モジュール316が、送受信器306が外部キュー信号332を受信したと判断すると、当該任意の外部キュー閾値モジュール316は、遠隔の監視システム(図示せず)からキュー信号が送信されたことを制御部106に通知し、制御部106は、これを受けて、RFHS300を制御するように動作する。送受信器306は、外部キュー信号330を受信するように構成された、任意で設けられる二次アンテナ334とも、(信号経路336を介して)信号通信しうる。任意の二次アンテナ334は、フェーズドアレイアンテナ302が、外部キュー信号330に対応する周波数帯域を受信するように構成されていない場合に、用いることができる。本実施例において、任意の二次アンテナ334は、外部キュー信号330を受信し、受信した外部キュー信号を送受信器336に送るように周波数調整された、単純な低電力受動アンテナであってよい。
動作の一例において、RFHS300は、フェーズドアレイアンテナ302を用いて周囲RFエネルギー118を受信し、これによって入力電力信号120が生成される。すると、整流器モジュール122は、入力電力信号120を整流して内部整流電力信号130を生成し、RFHS300は、これを用いて蓄電モジュール124を充電する。電力閾値モジュール204は、蓄電モジュール124内の充電エネルギーの量を監視し、制御部106、センサー130、送受信器306、任意で設けられる閾値モジュール314、及び、任意で設けられる外部キュー閾値モジュール136に電力を供給するのに十分な蓄積エネルギーが蓄電モジュール124内にあるかどうかを判定する。蓄電モジュール124内に十分な蓄積エネルギーがある場合、電力閾値モジュール204は、制御部106、センサー130、送受信器306、任意で設けられる閾値モジュール314、及び、任意で設けられる外部キュー閾値モジュール136に対して、蓄電モジュール124が、信号経路208を介して整流電力信号128によって電力供給することを許容する。センサー138が整流電力信号128によって電力供給されると、当該センサー138は、周囲環境データの測定を開始し、これが、信号経路144を介して、1つ又は複数のセンサー信号140として、送受信器306に送られる。送受信器306がセンサー信号140をよって受信すると、当該送受信器306は、このセンサー出力信号140を、送信センサー出力信号328として送信し、これがフェーズドアレイアンテナ302によって遠隔監視システムに送信される。これに代えて、任意の外部キュー閾値モジュール316が設けられている場合、当該外部キュー閾値モジュール316は、送受信器306が、(信号経路312を介してフェーズドアレイアンテナ302から)外部キュー信号332を受信するか、あるいは、(信号経路336を介して任意の二次アンテナ334から)外部キュー信号330を受信するまでは、送受信器306による受信センサー出力信号140の送信を阻止する。本実施例においては、任意で設けられる外部キュー閾値モジュール316を、制御部106によって、RHFS300のエネルギー効率の管理に利用することができる。送受信器306によって実際に行われる送信を制限することによって、制御部106は、蓄電モジュール124からの電力の取り出しを、遠隔の監視システム(図示せず)が外部キュー信号330によってセンサー138の情報を実際に要求している場合のみに限定することができるからである。同様に、関連する電力の最適化のために、任意で設けられるトランスミッタ閾値モジュール314は、送受信器306によるセンサー出力信号140の送信中に送受信器306に適切に給電できる十分な電力が蓄電モジュール124内に存在することを保証する別の所定の閾値よりも、受信整流電力信号128が高い場合のみに、送受信器306によるセンサー出力信号140の送信を制限する構成としてもよい。当業者であればわかるように、任意ではあるが、任意で設けられるトランスミッタ閾値モジュール314、任意で設けられる外部キュー閾値モジュール316、又はこれらの両方は、制御部106の一部としてもよい。
図4を参照すると、同図には、本開示による一実施形態のフェーズドアレイアンテナ400の一例のブロック図を示している。フェーズドアレイアンテナ400は、複数のアンテナ素子402、複数の位相シフタ404、及び合成ネットワーク406を含む。この例においては、3個のアンテナ素子408、410、412と3個の位相シフタ414、416、418とが、それぞれ対応する信号経路420、422、424を介して互いに信号通信するものとして示されている。位相シフタ414、416、418は、それぞれ、信号経路426、428、430を介して、合成ネットワーク406と信号通信する。合成ネットワーク406は、信号経路432を介して、整流器モジュール122又はデュプレクサ304と信号通信する。本実施例において、信号経路432は、(図2に示すように)デュプレクサ304が存在しない場合には、信号経路108と同じであってよいし、図3に示すようにデュプレクサ304が存在する場合には、信号経路308であってよい。
合成ネットワーク406は、複数のアンテナ素子408、410、及び412が受信した(周囲RFエネルギー118のような)信号を合成する、(例えば、コーポレートフィードネットワーク(corporate feed network)のような)ネットワークである。動作の一例において、フェーズドアレイアンテナ400によって受信される周囲RFエネルギー118の量は、フェーズドアレイアンテナ400の放射パターンに基づいて形成されるアンテナビーム118によって決まる。フェーズドアレイアンテナ400における(アンテナビーム114に対応する)放射パターンは、アンテナ素子408、410、412の数、フェーズドアレイアンテナ400の前面434におけるこれらのアンテナ素子の物理的配置、個々の隣接するアンテナ素子408、410、412間の物理的な間隔(図示せず)、個々の位相シフタ414、416、418のそれぞれの位相値、ならびに、複数の位相シフタ414、416、418につながる複数の信号経路426、428、430に対する、合成ネットワーク406内の複数の内部信号経路における電力分配の態様によって決まる。概して、合成ネットワーク406は、複数のアンテナ素子408、410、412間に出力の大きさの勾配をつけて、フェーズドアレイアンテナ400の中心線436から遠ざかるにつれてアンテナ素子408、410、412の励起振幅が略減少する構成としてもよい。また、アンテナビーム114を形成する放射パターンにおける、アンテナビーム114の方向116は、複数の位相シフタ414、416、418のそれぞれの位相シフト値によって決まる。一例として、制御部106が、複数の位相シフタ414、416、418の値を変化させると、得られる放射パターンが変化し、このようにして、アンテナビームを、3次元空間内で、方向116を制御することができる。
なお、この例では、説明を容易にするために、3組のみのアンテナ素子408、410、412及び位相シフタ414、416、418を、一次元における等間隔の直線状配置で示している。当業者であればわかるように、フェーズドアレイアンテナ400は、当該フェーズドアレイアンテナ400の所望の放射パターンに応じて、フェーズドアレイアンテナ400の前面434に、等間隔配置又は不等間隔配置のアンテナ素子408、410、412の一次元、二次元、又は三次元のアレイを含みうる。従って、フェーズドアレイアンテナ400及びRFHS(100、200、又は300)の電力処理能力、RFHS(100、200、又は300)のサイズ、ならびに、比較的狭いビーム幅の主ビーム438及び比較的低い副ローブ(sidelobes)440を有するアンテナビーム114を形成する所望の放射パターンを考慮した上で、所望量の周囲RFエネルギー118を適切に受信できるように、アンテナ素子408、410の数を、少なくとも2個、あるいは必要なだけ多くの数(すなわち3個以上)に設定すればよい。制御部106は、アンテナビーム114を放射源(図示せず)に向かう方向116に向けることによって、放射源によって生成された周囲RFエネルギー118から最大量の電力を捕捉できるようにする。
フェーズドアレイアンテナ400が双方向性の装置である場合、合成ネットワーク406は、(例えば、送信センサー出力信号328のような)送信すべき信号の受信も行い、受信した送信センサー出力信号328を、複数の成分電力信号442、444、446に分割するように構成されている。これらの成分電力信号は、複数の位相シフタ414、416、418に送られて、位相シフトされて複数の位相シフト成分電力信号448、450、452となり、複数のアンテナ素子408、410、412に送られる。送信された複数の位相シフト成分電力信号448、450、452は、放射パターンを形成し、この放射パターンが、アンテナビーム114を形成する。この場合も、アンテナビーム114の方向116は、複数の位相シフタ414、416、418のそれぞれの位相シフト値によって決まる。
位相シフタ414、416、418は、受信周囲RFエネルギー信号118又は送信センサー出力信号328のいずれかの制御可能な位相シフト(すなわち送信位相角)を実現する、RF、マイクロ波、又はミリメートル波のネットワークのコンポーネントであってよい。本実施例において、位相シフタ414、416、418は、すべての位相状態において挿入損失が小さく且つ振幅(又は損失)が等しい往復移相シフタ(reciprocal phase shifters)であってもよい。位相シフタ414、416、418は、電気的、電磁気的、又は機械的に制御されうる。また、位相シフタ414、416、418は、アナログの位相シフタであってもよいし、デジタルの位相シフタであってもよい。アナログの位相シフタは、電圧信号によって制御される連続可変位相を供給することができ、電圧に応じて静電容量が変化するバラクタダイオード、又はバリウム・ストロンチウム・チタン酸塩のような非線形誘電体、又はイットリウム・鉄・ガーネットのような強誘電体材料を用いて実施することができる。機械的に制御される位相シフタは、トロンボーンラインのような延長された伝送ラインを用いたものであってもよい。本実施例においては、制御部106は、信号経路112を介して、位相シフタ414、416、418を制御するように構成されている。アンテナ素子408、410、412は、例えば、ダイポールアンテナ素子又はパッチアンテナである。
当業者であればわかるように、フェーズドアレイアンテナ400が実際には複数のフェーズドアレイアンテナ(図示せず)で構成されるように、フェーズドアレイアンテナ400を、アンテナ素子、位相シフタ、及び合成ネットワークの組を複数含む構成としてもよい。この場合、組み合わさったフェーズドアレイアンテナ400内の各フェーズドアレイアンテナ(図示せず)は、それぞれ異なる周波数帯域の周囲RFエネルギー118を受信するように周波数調整することができる。
図5を参照すると、同図には、本開示による整流器モジュール500のシステムブロック図を示している。この例において、整流器モジュール500は、信号経路126を介して蓄電モジュール124と信号通信するとともに、信号経路502を介してフェーズドアレイアンテナ102又はデュプレクサ304と信号通信する。ここで、信号経路502は、(デュプレクサ304が存在しない場合は)信号経路108に相当し、デュプレクサ304が存在する場合は、信号経路310に相当する。
この例において、整流器モジュール500は、少なくとも2つのダイオード504及び506を含む。RFHS(100、200、又は300のいずれか)に入射する周囲RFエネルギー118に対応する、受信する入力電力信号120の所定の出力レベルに基づいて、ダイオード504、506を、例えば、2つのショットキーダイオード、2つのトンネルダイオード、又は2つの量子トンネルダイオードとすることができる。この例においては、2つのダイオード504、506を、2つの量子トンネルダイオード504、506として示している。これは、2つの量子トンネルダイオード504、506を用いることによって、RFHS(100、200、又は300のいずれか)は、−24dBmの超低レベルの周囲RFエネルギー118を受信するとともに、これを受けて内部整流電力信号130を生成することができるからである。また、この例では、第1の量子トンネルダイオード504には順方向バイアスがかけられ、第2の量子トンネルダイオード506には逆方向バイアスがかけられたものとして示している。
量子トンネルダイオード504、506は、ニアゼロのターンオン電圧を有するニアゼロバイアスのミリ波検出用Sbヘテロ構造ベース逆方向ダイオード(「Sb−HBD」)であり、これによれば、受信入力電力信号120が、マイクロワット、ナノワット、及びピコワットのオーダーの超低RF電力信号であっても、量子トンネルダイオード504、506によって、受信入力電力信号120を整流することができる。整流により得られた内部整流電力信号130は、捕捉されて蓄電モジュール124内に蓄積される。この例において、Sb−HBDは、ほぼ格子整合したIII−V族半導体のInAs/AlSb/GaSb族のエピタキシャル層に基づくInAs/AlSb/GaSbナノ構造における量子トンネリングに基づいており、これについては、2000年7月のJ.N.Schulman & D.H.Chow, IEEE Electron Device Letters, Vol.21, No.7による「Sb-Heterostructure Interband Backward Diodes」、2001年12月のJ.N.Schulman, E.T.Croke, D.H.Chow, H.L.Dunlap, K.S.Holabrid, M.A.Morgan, & S.Weinreb, IEEE Electron Device Meeting, 2001, IEDM '01, pp 35.1.1-35.1.3による「Quantum Tunneling Sb-Heterostructure Millimeter-Wave Diodes」、及び、2002年10月のJ. N. Schulman, S. Thomas, III, D.H.Chow, Y.K.Boegeman, & K.S. Holabird, IEEE Electron Device Letters, Vol.23, No.10, pp585-587による「High-Performance Antimonide-Based Heterostructure Backward Diodes for Millimeter-Wave Detection」に記載されている。
一般に、ヘテロ接合は、そのバンドアラインメント(band-alignments)に応じて、3つのタイプ(重なり型(straddling)又はタイプIのヘテロ接合、横ずれ型(staggered)又はタイプIIのヘテロ接合、及び分離型(broken-gap)又はタイプIIIのヘテロ接合)に分類される。Sb−HBDダイオードは、図6A及び6Bに示すように、これら3つの可能なバンドアラインメントのすべてを包含する。これらの図は、エネルギー(電子ボルト:eV)604対位置(ナノメートル)606として測定された、典型的なSb−HBDの材料構造に対応するエネルギーバンド図600及び602の概略図である。この例において、エネルギーバンド図600、602の左側は、Sb−HBDにおけるn−InAs材料層608の位置を表しており、エネルギーバンド図600、602の右側は、Sb−HBDにおけるp−GaAlSb材料層610の位置を表している。さらに、エネルギーバンド図600、602の中央部分は、Sb−HBDにおけるAlSb材料層612の位置を表している。この例において、エネルギーバンド図600は、第1のフェルミエネルギーレベル(「EF」)616を有する順方向バイアス614の第1量子トンネルダイオード504を表す一方、エネルギーバンド図602は、第2のEF620を有する逆方向バイアス618の第2量子トンネルダイオード506を表す。これらの例において、ニアゼロのターンオン電圧が実現できるよう、接合は、材料層の高ドーピングではなく、バンドオフセットによるものとされている。
図7を参照すると、同図には、本開示によるSb−HBDの電流−電圧特性プロット700のグラフが示されている。当該グラフは、電流を表す縦軸702及び電圧を表す横軸704を有する。プロット700の左側706は、Sb−HBDの逆方向バイアスを表しており、プロット700の右側708は、Sb−HBDの淳方向バイアスを表している。プロット700の左側逆方向バイアス706は、Sb−HBDの典型的な降伏電圧領域を表しており、右側708は、量子力学的トンネル効果を含む順方向バイアス電流−電圧特性を示している。この効果は、プロット700における領域710に示されており、この領域では、順方向電圧が増加すると順方向電流が減少している。当該領域710は、一般に、Sb−HBDの負性抵抗領域710として知られている。順方向電圧が、この負性抵抗領域710を超えて増加すると、順方向電流は、再び印加順方向電圧の増加に応じて増加し始める。Sb−HBDの負性抵抗効果は、通常のトンネルダイオード(エサキダイオードとしても知られる)における効果に類似するものである。この例では、ターンオン電圧712は、ニアゼロとして示されている。
図8を参照すると、同図には、本開示による量子トンネルダイオードの例(図6A、図6B、及び図7に図示)のターンオン値の電流密度800(kA/cm
2)対電圧802(ミリボルト)特性をプロットしたグラフが示されている。このプロットは、量子トンネルダイオードのターンオンが、電圧802がミリボルト以下の値の時に起こり、電流密度が第1ピーク値でピークに達することを示している。下記の表は、ピーク電圧及び谷電圧の値の例を示している。なお、本開示の量子トンネルダイオードとは異なり、典型的なショットキーダイオードのターンオン電圧のレベルは約0.4ボルト〜0.5ボルトである。この例において、プロット806、808、810、812、814は、Sb系ヘテロ構造バンド間逆方向ダイオード(すなわち、量子トンネルダイオード)の例であり、プロット818は、Geダイオードの例である。
図9には、本開示による、RFHS(100、200、又は300)によって周囲RFエネルギー118を採取する方法の実施形態の一例のフローチャート900が示されている。当該方法は、902において開始し、まず、ステップ904において、フェーズドアレイアンテナ102、302、400によって周囲RFエネルギーを受信する。ステップ906において、フェーズドアレイアンテナは、周囲RFエネルギー118の受信に応じて入力電力信号を生成し、当該信号を整流器モジュール122に送る。すると、整流器モジュール122は、ステップ908において、入力電力信号を整流して内部整流電力信号130を生成し、次に、130を蓄電モジュール124に送る。すると、蓄電モジュール124は、ステップ910において、内部整流電力信号130を蓄電モジュール内に蓄積し、これに対応する量の蓄積電位エネルギーを蓄電モジュール124内に生成する。次に、判定ステップ912において、蓄電モジュール124内の蓄積電位エネルギー量が所定の閾値より大きいかどうかを、電力閾値モジュール204が判定する。蓄電モジュール124内の蓄積電位エネルギーが所定の閾値より少ない場合は、プロセスはステップ904に戻り、RFHS(100、200、又は300)は、周囲RFエネルギー118を受信して蓄電モジュール124を充電する動作を続け、ステップ904とステップ912との間のプロセスが繰り返される。蓄電モジュール124内の蓄積電位エネルギーが所定の閾値以上の場合、プロセスはステップ914に進み、PHU202は整流電力信号128を他の装置に送信する。プロセスは、916において終了する。
更に、本開示は、以下の付記による例を含む。
付記1. 周囲RFエネルギー(118)を受信するとともに、これを受けて入力電力信号(120)を生成するように構成されたフェーズドアレイアンテナ(102、302、400)と、
前記フェーズドアレイアンテナと信号通信する電力ハーベスティングユニット(「PHU」)(104、202)であって、前記フェーズドアレイアンテナと信号通信する整流器モジュール(122、500)及び前記整流器モジュールと信号通信する蓄電モジュール(124)を含むPHUと、を含む無線周波数(RF)エネルギーハーベスティングシステム(「RFHS」)(100、200、300)であって、前記PHUは、前記入力電力信号を受信するとともに、これを受けて整流電力信号(128)を生成するように構成されており、RFHSは、前記フェーズドアレイアンテナと信号通信する制御部(106)をさらに含み、前記制御部は、前記フェーズドアレイアンテナのアンテナビーム(114)の方向を制御することによって前記周囲RFエネルギーの受信量を増大させるように構成されている、RFHS。
付記2. 前記制御部は、前記フェーズドアレイアンテナと信号通信するプロセッサ(132)を含む、付記1に記載のRFHS。
付記3. 前記制御部は、ソフトウェアモジュール(134)をさらに含む、付記2に記載のRFHS。
付記4. 前記PHUは、前記蓄電モジュールと信号通信する電力閾値モジュール(204)をさらに含む、付記3に記載のRFHS。
付記5. 前記フェーズドアレイアンテナは、複数のアンテナ素子(408、410、412)と、複数の位相シフタ(414、416、418)と、合成ネットワーク(406)とを含み、前記プロセッサは、前記合成ネットワーク及び前記複数の位相シフタと信号通信する、付記3に記載のRFHS。
付記6. 前記整流器モジュールは、少なくとも2つの量子トンネルダイオード(504、506)を含む、付記5に記載のRFHS。
付記7. 前記制御部と信号通信するセンサー(138)と、二次アンテナ(146、334)と、前記センサー、二次アンテナ、及び制御部と信号通信するトランスミッタ(142、306)とをさらに含む、付記6に記載のRFHS。
付記8. 前記トランスミッタ及び制御部の両方と信号通信するトランスミッタ閾値モジュール(314)と、外部キュー閾値モジュール(316)とをさらに含み、前記トランスミッタは送受信器で構成され、前記外部キュー閾値モジュールは、前記制御部及び前記送受信器と信号通信する、付記7に記載のRFHS。
付記9. 前記制御部と信号通信するセンサー(138)と、前記フェーズドアレイアンテナと信号通信するデュプレクサ(304)と、前記センサー、デュプレクサ、及び制御部と信号通信するトランスミッタ(142、306)をさらに含む、付記5に記載のRFHS。
付記10. 前記トランスミッタ及び制御部の両方と信号通信するトランスミッタ閾値モジュール(314)をさらに含む、付記9に記載のRFHS。
付記11. 外部キュー閾値モジュール(316)をさらに含み、前記トランスミッタは、送受信器で構成され、前記外部キュー閾値モジュールは、前記制御部及び送受信器と信号通信する、付記10に記載のRFHS。
付記12. 前記蓄電モジュールは、バッテリ又はコンデンサである、付記1に記載のRFHS。
付記13. 周囲無線周波数(「RF」)エネルギー(118)を受信するとともに、これを受けて入力電力信号(120)を生成するように構成されたフェーズドアレイアンテナ(102、302、400)と、前記フェーズドアレイアンテナと信号通信し、前記入力電力信号を受信するとともに、これを受けて整流電力信号(128)を生成するように構成された少なくとも2つの量子トンネルダイオード(504、506)と、を含む、無線周波数エネルギーハーベスティングシステム(RFHS)(100、200、300)。
付記14. 前記少なくとも2つの量子トンネルダイオードと信号通信する蓄電モジュール(124)と、前記蓄電モジュールと信号通信する電力閾値モジュール(204)と、前記電力閾値モジュール及びアンテナアレイと信号通信する制御部(106)とをさらに含む、付記13に記載のRFHS。
付記15. RFエネルギーハーベスティングシステム(「RFHS」)(100、200、300)によって周囲無線周波数(「RF」)エネルギー(118)を採取する方法であって、フェーズドアレイアンテナ(102、302、400)によって周囲RFエネルギーを受信することと、前記周囲RFエネルギーの受信を受けて、前記フェーズドアレイアンテナによって入力電力信号(120)を生成することと、整流器モジュール(122、500)によって前記入力電力信号を整流して整流電力信号(128)を生成することと、
前記整流電力信号を、蓄電モジュール(124)に蓄積して、対応する量の蓄積電位エネルギーを、前記整流器モジュールと信号通信する前記蓄電モジュール内に生成することと、蓄積された整流電力信号(128)を前記蓄電モジュールから送信することと、を含む方法。
付記16. 前記フェーズドアレイアンテナ及び電力閾値モジュールと信号通信状態にある制御部(106)によって、前記蓄電モジュール内の蓄積電位エネルギーの量に基づいて、前記フェーズドアレイアンテナにおける方向制御がなされるアンテナビーム(114)を形成することと、前記制御部によって前記アンテナビームの方向制御を行うこととをさらに含み、前記制御部は、前記アンテナビームの方向制御によって、前記フェーズドアレイアンテナが受信する周囲RFエネルギー量が増える場合に、前記フェーズドアレイアンテナの方向制御を行うべきであると判定する、付記15に記載の方法。
付記17. 整流器モジュールによって前記入力電力信号を整流して整流電力信号を生成することは、少なくとも2つの量子トンネルダイオード(504、506)によって前記入力電力信号を整流することを含む、付記16に記載の方法。
付記18. 蓄電モジュールに前記整流電力信号を蓄積することは、バッテリ又はコンデンサに前記整流電力信号を蓄積することを含む、付記17に記載の方法。
付記19. 前記センサーから、トランスミッタ(142、306)によってセンサーデータを送信することをさらに含む、付記18に記載の方法。
付記20. 前記蓄電モジュールと信号通信する電力閾値モジュール(204)によって、前記蓄電モジュール内の蓄積電位エネルギーの量が、所定の第1閾値よりも大きいかどうかを判定することと、前記蓄電モジュール内の前記蓄積電位エネルギーの量が第1閾値以上である場合に、蓄積された整流電力信号(128)をセンサー(138)に送信することと、前記蓄電モジュールと信号通信するトランスミッタ閾値モジュール(314)によって、前記蓄電モジュール内の蓄積電位エネルギーの量が、所定の第2閾値よりも大きいかどうかを判定することをさらに含み、前記センサーから前記トランスミッタによってセンサーデータを送信することは、前記蓄電モジュール内の前記蓄積電位エネルギーの量が前記所定の第2閾値より大きい場合に、前記センサーから前記トランスミッタによってセンサーデータを送信することを含む、付記19に記載の方法。
なお、実施形態の様々な局面又は詳細は、本発明の範囲を逸脱することなく変更可能である。これは、すべてを網羅しているものではなく、特許を受けようとする発明を、開示された形態に正確に一致するものに限定するものでもない。また、上記の説明は、例示を目的としているだけであり、限定のためのものではない。上記説明を踏まえた変更及び変形が可能であり、あるいは、本発明を実施することで、変更及び変形が可能となるかもしれない。特許請求の範囲及びその均等物が、本発明の範囲を規定する。