JP2017153177A - 太陽光発電装置の検査装置および検査方法 - Google Patents

太陽光発電装置の検査装置および検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光発電装置を簡便な構成で検査することが可能な検査装置を提供する。
【解決手段】複数の太陽電池モジュール102−00〜102−nnと、複数の太陽電池モジュール102−00〜102−nnによって発生した電力を商用電力に変換するパワーコンディショナーPCSを備えた太陽光発電装置の検査装置600は、複数の太陽電池モジュール102−00〜102−nnにおける発熱を、トリガ信号TGSに応答して、撮影する赤外線カメラIRCと、パワーコンディショナーPCSによる変換により生じる、複数の太陽電池モジュール102−00〜102−nnの電力変化の周期を検出し、検出した周期に同期して、トリガ信号TGSを形成するコンピュータPCを備える。太陽光発電装置は、電力変化の周期に同期して撮影された太陽電池モジュール102−00〜102−nnにおける発熱像を基にして検査される。
【選択図】図6

Description

本発明は、太陽光発電装置の検査装置および検査方法に関し、特に太陽光発電装置に用いられる太陽電池モジュールの検査に適した検査装置および検査方法に関する。
太陽光発電では、発電に係わる太陽光発電装置等の設備の使用が、20年以上に想定されているため、設備をメンテナンスする装置および方法が重要である。日本では、エネルギーの買い取り価格を定める助成制度として固定価格買取制度が存在し、10KW以上であれば、買い取り期間が、20年に設定されている。そのため、この買い取り期間において、設備のメンテナンスに要する設備維持費用を低く抑えることにより、設備に対する初期投資の回収期間を短くし、その後の利益を増やすことが可能となる。一方、適切なメンテナンスが行われていない場合には、発電した電力量(発電電力量)が減少し、売電による収益が減少すると言うような状況が発生する。
太陽光発電装置は、太陽光から電力を発電するため、十分な太陽光を受光することが可能となるように、広大な敷地に設置される。広大な敷地に設置されていることを表すために、本明細書では、太陽光発電装置を用いた発電所を、太陽光発電サイトと称する。
太陽光発電装置のメンテナンスを行うために、太陽光発電サイトには、発電電力量を常時モニタリングするモニタリング設備が、導入されることがある。この場合には、モニタリング設備によって、太陽光発電装置の異常や劣化を、原理的には検出することが可能である。しかしながら、異常や劣化が検出された場合であっても、それをメンテナンスすることがよいとは、必ずしも定まらない。例えば、異常や劣化によって生じる発電電力量の低下に伴う売電収入の減少と、メンテナンスを行う場合の出費との兼ね合いで、メンテナンスの要否を決める必要がある。この場合、メンテナンスに要する出費を見積もるには、異常や劣化の有無だけでは、不十分であり、異常や劣化の進行状態を適切に判定することが要求される。
このような異常や劣化の進行状態の適切な判定は、日常的なメンテナンスに対してのみ要求されるものではない。例えば、太陽光発電サイトの売買や売電終了後の太陽光発電サイトの処法を決める際にも、異常や劣化の進行状態を適切に判定することが要求される。すなわち、太陽光発電装置の異常や劣化の進行状態を適切に把握したうえで、売買価格や売電終了後の方針を定め、取り引きが行われるような商いが行われることになる。今後、このような商いは、恒常的に行われるものと想定される。すなわち、電力自由化に伴い発電事業も、電力会社に限定されず、電力会社以外へ開放される。そのため、太陽光発電サイトの売買も行われるようになる。固定価格買取制度により、長期的な収入が約束されるため、太陽光発電サイトも、不動産等のように金融商品として扱われるようになると考えられる。このように考えた場合、取引価格に相当する売買価格を決める主な要因は、今後期待できる売電による収入の期待値である。
また、固定価格買取期間を経過したとき、太陽光発電サイトを、どのように処法するかは、例えばその時点での売電価格と、期待できる発電電力量によって定められるであろう。期待できる発電電力量は、太陽光発電装置の異常や劣化の進行状態によって見積もることが可能であるため、固定価格買取期間を経過した場合には、異常や劣化の進行状態と、太陽光発電サイトから太陽光発電装置を撤去するのに要する費用等の兼ね合いで、太陽光発電サイトの処法が決定されるであろう。
このように、日常的なメンテナンスだけでなく、太陽光発電サイトの処法を決める場合にも、太陽光発電装置における異常や劣化の進行状態を適切に把握することが重要であり、そのための技術が必要である。
太陽光発電装置に用いられる太陽電池の検査装置は、例えば特許文献1に記載されている。
国際公開WO2014/181388A1号 国際公開WO2011/156527A1号
太陽光発電装置は、多数の太陽電池(以下、PVとも称する)モジュールを備えている。これらのPVモジュールが、太陽光発電サイトの敷地に設置され、それぞれが太陽光を受光し、直流電力に変換する。PVモジュールのそれぞれは、例えばシリコンのような半導体によって構成された複数の太陽電池素子(以下、シリコンセルまたは単にセルとも称する)と、複数のシリコンセル間を接続するタブ配線を備え、複数のシリコンセルとタブ配線は、1個のパッケージに封止されている。
PVモジュールは、太陽光が直接照射される屋外の場所に設置される。そのため、長年の使用により故障や劣化が誘発される。PVモジュールに故障や劣化を誘発する要因としては、次のことが知られている。太陽光の照射により、パッケージを形成する樹脂材料に、変色・劣化が生じる。パッケージの主に裏面樹脂シートを通して侵入する水分により、電極等を形成する金属配線部に腐食が生じる。また、風圧などのストレスによってシリコンセルにクラックが生じる。さらに、カラス等の鳥による投石などにより、パッケージのガラス面に破損等が生じる。
上記した要因以外にも、劣化の要因は存在し、最も主要な劣化の要因は、日夜の気温変化による熱伸縮に伴って生じる配線抵抗の増加である。これはPVモジュールを構成する材料の熱膨張係数差によって生じるものである。例えば、シリコンセル間を接続するタブ配線は、主にはんだ被覆配線によって形成されるが、このタブ配線とシリコンセルとの間の接合部が、熱伸縮により剥離する。また、タブ配線とシリコンセルとの間で、良好な電気的コンタクトを得るために、シリコンセル上に形成された銀ペースト電極(バスバー電極)と集電電極(フィンガー電極)との間の接合部が、熱伸縮によって断線する。これらの剥離、断線等によって、PVモジュールは、気温変化により、劣化し、配線抵抗が増加する。
太陽光発電装置のメンテナンスは、発電電力量のモニタリングに基づいて、行われるが、モニタリングでは劣化の進行状態を把握することは難しい。モニタリングによって、発電電力量の瞬時値や実績値の推移を把握し、把握した値を基にして、異常や劣化の有無を検出することはできる。このモニタリングによって、もし異常や劣化が検出された場合、目視や電気特性の測定を行い、その結果に基づき異常や劣化している個所を特定し、メンテナンスを行うことになる。ここで用いられる技術としては、発電電力量のセンシング技術や太陽電池の特性を測定するカーブトレース技術がある。こうした技術では、発電電力量の瞬時値を得ることは出来ても、異常や劣化の有無を検出することは必ずしも容易ではない。これは、太陽光発電装置では、日射量や気温の変化によって、発電電力量が短時間で大きく変化してしまうため、異常や劣化が大きく進行した場合以外、検出することが難しいからである。
また、上記した気温変化によって生じるPVモジュールの劣化は、PVモジュール内で起きるため、目視では判別することができない。
高感度な検査方法で、PVモジュールの検査を実施することも考えられる。ここで、高感度な検査方法としては、例えば赤外線(以下、IRとも称する)像や電界発光(以下、ELとも称する)像を用いた検査方法である。これらの高感度な検査方法は、PVモジュールを提供するメーカが、例えばPVモジュールの提供前(出荷工程)に、屋内でPVモジュールを検査するときに用いる。
このような高感度な検査方法を、太陽光発電サイトのような屋外において、メンテナンスのための検査に用いることも考えられる。このような高感度な検査方法を用いることによって、高感度な劣化検出は可能となるが、劣化の進行状態を知ることは相変わらず困難である。
高感度な検査方法として、IR像を用いた検査方法の一例を説明する。ここでは、IR像を取得するために、赤外線サーモグラフィカメラ(以下、IRカメラとも称する)を用いる場合を説明する。PVモジュールにおいて、異常や劣化により、配線抵抗が増加すると、配線抵抗の増加した領域(箇所)での発熱量が増加することになる。IRカメラを用いることによって、PVモジュールにおけるIR像を取得することにより、異常や劣化に基づく発熱を高感度に検出できる。しかしながら、劣化している箇所を特定することは困難であり、劣化原因を推定することも難しい。例えば、IRカメラで検出できる温度変化の検出精度は、一般に1K(ケルビン)より小さく高感度である。しかしながら屋外において実用的なメンテナンスにIRカメラを用いる場合には観察対象が広範囲に及び、熱画像内の温度分布が複雑な様相を呈してしまうことが一般的である。また、発生した熱は、発熱箇所から拡散してしまい、これに伴い赤外線の発光箇所が拡大することになる。そのため、例えば発熱箇所が1箇所なのか複数箇所なのかの特定も困難になる。その結果、検査において、温度変化を捉えられる段階では、劣化箇所の特定が困難になる。劣化箇所の特定が困難であるため、劣化箇所に基づいた劣化の原因の推定も困難となってしまう。
次に、EL像を用いた検査方法を、屋外で用いる場合を説明する。EL像は多くの情報を与えてくれるが、その情報の解釈は必ずしも容易ではなく、特に出力劣化と関連付けて議論することは難しい。また、ELを生じさせるためには、発電時とは逆方向に電流を流す必要がある。そのために発電を止め、電源を接続しなければならない等の困難が伴う。従って、EL像を用いた検査方法は、PVモジュールを出荷する前の検査工程において用いることが現実的である。
先に例示したように、PVモジュールは、劣化すると配線抵抗が増加し、発熱量が増加する。すなわち、劣化や異常は基本的に発熱を伴う。そのため、高感度な発熱検出とその原因を特定することが可能な技術を、太陽光発電装置の検査装置として用いることが望ましいと、本発明者は考えた。また、本発明者は、このような技術として、ロックインサーモグラフィー(Lock−in Thermography)が適していると考えた。ロックインサーモグラフィーは、例えば特許文献2に記載されている。現時点ではLSI(半導体集積回路装置)の故障分析等の様に検査対象が小さな物体の場合には実用的に用いられているが、PVモジュールの様な大きな対象物に対しては研究レベルでの使用に留まっている。
ロックインサーモグラフィーにおいては、物体(試料)に周期的な発熱を生じさせ、その周期と同期してIR像を取得し、物体の熱画像を得る。周期的に取得した複数のIR像の周期性を利用して、データ処理することにより、物体での周期的な発熱のみを極めて高感度に検出することができる。この場合、検出感度はmK(ミリケルビン)に達する。また、時系列で得たIR像の周期的な変化を解析に利用しているため、周囲の温度(環境温度)の影響を排除することが可能となる。また、熱の拡散によって、発熱箇所の周囲の温度が変化しても、発熱個所そのものの温度変化の方が大きいため、発熱の周期を熱拡散の時間スケールよりも早く選ぶことにより発熱個所の温度変化をその周辺の温度変化と区別してとらえることができる。このため、発熱箇所を極めて局所的に特定することが可能となる。発熱箇所を特定することにより、発熱原因の推定が容易となる。また、発熱箇所の特定が可能であるため、例えば発熱箇所の個数を把握することも可能となり、劣化の進行状態を診断するのにも適している。しかしながら、本発明者が検討したところでは、太陽光発電サイトで、ロックインサーモグラフィーの技術を用いるのには、幾つかの課題が存在することが判明した。
すなわち、ロックインサーモグラフィーにおいては、物体に周期的な発熱を生じさせるために、物体に対して周期的な通電や周期的な赤外線の照射が行われる。太陽光発電サイトに適用する場合、発電を停止した状態で、PVモジュール1枚に周期的な通電若しくは赤外線を始めとした光照射を行い、IR像を取得することが必要とされる。もしくは、発電動作中に、IR像を取得するのであれば、PVモジュール15枚から20枚程度が直列に接続されたストリングと呼ばれる単位に対して、同様に、周期的な通電を行うか光照射を行い、IR像を取得することが必要とされる。この場合でも、周期的な通電を用いるのであれば、一端発電を停止した状態で、周期的な通電を行う電源を、ストリングに接続することが必要とされる。PVモジュールあるいはストリングに、周期的な通電を行った場合には、IR像を取得した後で、発電を再開する必要がある。また、多数のPVモジュールに対して通電する必要がある為、検査装置として、大容量電源が必要となる。
一方、周期的な通電ではなく、周期的な光照射であれば、発電を停止する必要はない。しかしながら、この場合には、複数のPVモジュールによって形成される大面積に、均一な光(例えば赤外線)を照射することが必要とされる。そのため、検査装置としては、大がかりで高価な装置となってしまう。
このように太陽光発電サイトで、ロックインサーモグラフィーを適用する場合には、一度、発電を停止して、周期的な通電を行う電源を接続しなければならない、また、大容量の電源が必要となる。あるいは、大がかりな検査装置を用いて、光照射しなければならないなどの課題がある。
なお、特許文献1には、磁気センサを用いた断線異常個所特定技術が示されているが、熱検出を用いたPVモジュールの検査装置は記載されていない。
本発明の目的は、太陽光発電装置を簡便な構成で検査することが可能な検査装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態によれば、複数の太陽電池モジュールと複数の太陽電池モジュールによって発生した電力を商用電力に変換する変換装置とを備えた太陽光発電装置の検査装置は、複数の太陽電池モジュールにおける発熱を、トリガ信号に応答して、撮影する撮影装置と、変換装置による変換により生じる、複数の太陽電池モジュールの電力変化の周期を検出し、検出した周期に同期して、トリガ信号を形成するトリガ信号形成装置を備える。電力変化の周期に同期して撮影された複数の太陽電池モジュールにおける発熱像を基にして、太陽光発電装置の検査が行われる。
変換装置により、太陽電池モジュールによって発生した直流電力を、商用電力に変換する際、変換装置が有する所定の周波数に応じた周期で、太陽電池モジュールの直流電力が変化する。この電力変化が、太陽電池モジュールに波及し、太陽電池モジュールは、電力変化の周期に応じて発熱する。従って、太陽電池モジュールは、変換装置が有する所定の周波数に同期して、周期的に発熱することになる。電力変化の周期を検出し、検出した周期に同期したトリガ信号によって、撮影装置により太陽電池モジュールにおける発熱像を撮影することにより、太陽電池モジュールにおける周期的な発熱に同期した周期性のある発熱像を取得することが可能となる。この場合、太陽電池モジュールの電力変化が、発熱のための電力として用いられるため、発電を停止する必要はなく、太陽光モジュールを発熱させるために周期的な通電を行う電源も必要とされない。そのため、簡便な検査装置で、太陽光発電装置を検査することが可能となる。
また、一実施の形態によれば、複数の太陽電池モジュールと、複数の太陽電池モジュールによって発生した電力を商用電力に変換する変換装置とを備えた太陽光発電装置の検査装置は、複数の太陽電池モジュールにおける発熱を、トリガ信号に応答して、撮影する撮影装置と、変換装置による変換により生じる、複数の太陽電池モジュールの電力変化の周期に同期して、トリガ信号を形成するトリガ信号形成装置を備える。電力変化の周期に同期して撮影された複数の太陽電池モジュールにおける発熱像を基にして、太陽光発電装置の検査が行われる。
太陽電池モジュールは、変換装置が有する所定の周波数に同期して、周期的に発熱することになる。この周期に同期したトリガ信号によって、撮影装置により太陽電池モジュールにおける発熱像を撮影することにより、太陽電池モジュールにおける周期的な発熱に同期した周期性のある発熱像を取得することが可能となる。この場合も、太陽電池モジュールの電力変化が、発熱のための電力として用いられるため、発電を停止する必要はなく、太陽光モジュールを発熱させるために周期的な通電を行う電源も必要とされない。そのため、簡便な検査装置で、太陽光発電装置を検査することが可能となる。
さらに、一実施の形態によれば、複数の太陽電池モジュールと、複数の太陽電池モジュールによって発生した電力を商用電力に変換する変換装置とを備えた太陽光発電装置の検査方法は、変換装置による変換により生じる、複数の太陽電池モジュールの電力変化の周期に同期したトリガ信号を形成する形成工程と、複数の太陽電池モジュールにおける発熱を、トリガ信号に同期して撮影装置により撮影する撮影工程を備える。
形成工程で、太陽電池モジュールの電力変化の周期に同期したトリガ信号が形成され、撮影工程で、トリガ信号に同期して、太陽電池モジュールの発熱が撮影される。これにより、発電を停止することなく、太陽光モジュールを発熱させるために周期的な通電を行うこともなしで、簡便に太陽光発電装置を検査することが可能となる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
太陽光発電装置を簡便な構成で検査することが可能な検査装置を提供することができる。
実施の形態1に係わる太陽光発電装置の構成を示すブロック図である。 太陽電池アレイの構成を示すブロック図である。 太陽電池モジュールの構成を示す平面図である。 パワーコンディショナーの構成を示す回路図である。 直流電力配線を流れる電流波形を示す波形図である。 実施の形態1に係わる検査装置の構成を示すブロック図である。 (A)〜(D)は、実施の形態1に係わる検査装置の動作を示す波形図である。 (A)〜(D)は、実施の形態1の変形例1に係わる検査装置の動作を示す波形図である。 (A)〜(D)は、実施の形態1の変形例2に係わる検査装置の動作を示す波形図である。 (A)〜(D)は、実施の形態1の変形例2に係わる検査装置の動作を示す波形図である。 実施の形態2に係わる検査装置の構成を示すブロック図である。 (A)〜(E)は、実施の形態2に係わる検査装置の動作を示す波形図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は、原則として省略する。
(実施の形態1)
<太陽光発電装置の構成>
図1は、実施の形態1に係わる太陽光発電装置の構成を示すブロック図である。図1において、100は、太陽光発電装置を示しており、ACAは、太陽光発電装置によって発電された商用電力が供給される系統を示している。この系統ACAには、複数の需要家の受電設備が含まれており、太陽光発電装置100によって発電された商用電力が、系統ACA内の複数の受電設備に給電される。
太陽光発電装置100は、複数のPVアレイ101−1〜101−nと、パワーコンディショナー(Power Conditioning System、以下、PCS装置または変換装置とも称する)PCSと、絶縁トランスTTを備えている。尚、絶縁トランスを備えていない太陽光発電装置も存在し、その有無は本発明とは無関係である。
複数のPVアレイ101−1〜101−nは、特に制限されないが、互いに同じ構成を有しており、直流電力配線DCLを介して、PCS装置PCSに並列的に接続されている。PVアレイ101−1〜101−nは、互いに同じ構成を有しているため、PVアレイ101−1を代表として、構成を説明する。PVアレイ101−1は、後で図2および図3を用いて説明するPVモジュール102−00〜102−nnの集合体を有している。この実施の形態1においては、PVモジュール102−00〜102−nnのそれぞれが太陽光を受光するように、太陽光発電サイトの敷地において行列状に配置されている。PVモジュール102−00〜102−nnのそれぞれは、照射された太陽光から直流電力を発電する。それぞれのPVモジュールによって発電された直流電力は、直流電力配線DCLを介して、PCS装置PCSに給電される。
残りのPVアレイ101−2〜101−nのそれぞれも、PVアレイ101−1と同様に、それぞれのPVアレイに含まれているPVモジュールによって発電された直流電力を、直流電力配線DCLを介して、PCS装置PCSへ給電する。これにより、PCS装置PCSには、PVアレイ101−1〜101−nのそれぞれから、並列的に直流電力が給電される。
PCS装置PCSの構成は、後で図4を用いて説明するが、PCS装置PCSは、直流電力配線DCLを介して給電された直流電力を、商用電力に変換して、交流電力配線(給電線)ACL1へ給電する。商用電力は、所定の周波数を有する交流電力であり、例えば日本では、50Hzまたは60Hzの周波数を有する交流電力である。特に制限されないが、実施の形態1においては、交流電力配線ACL1は、絶縁トランスTTに接続され、絶縁トランスTTは、交流電力配線(給電線)ACL2を介して系統ACAに接続されている。すなわち、絶縁トランスTTによって、交流電力配線ACL1とACL2との間が電気に絶縁された状態で、商用電力が、交流電極配線ACL1から交流電力配線ACL2に給電され、さらに系統ACAへ給電される。
発電された直流電力が、PCS装置PCSによって、所定の周波数(例えば50Hzまたは60Hz)を有する交流電力に変換される。太陽光発電装置100が、直流電力を処理する直流回路と、交流電力を処理する交流回路によって構成されていると見なした場合、直流回路は、直流電力配線DCLによって接続された複数のPVアレイ101−1〜101−nとPCS装置PCSの一部によって構成されていると見なすことができる。この場合、交流回路は、絶縁トランスTTと、交流電力配線ACL1により絶縁トランスTTに接続されたPCS装置PCSの一部と、交流電力配線ACL2によって絶縁トランスTTに接続された系統ACAによって構成されていると見なすことができる。なお、実施の形態1では、絶縁トランスTTが設置されている例を示しているが、絶縁トランスTTは設置しなくてもよい。
これにより、PVアレイ101−1〜101−nによって発電された直流電力は、PCS装置PCSによって、交流電力である商用電力に変換され、商用電力が、系統ACA内の複数の受電設備へ給電されることになる。
<PVアレイの構成>
次に、PVアレイ101−1〜101−nの構成を説明する。図2は、PVアレイの構成を示すブロック図である。ここでは、図1に示したPVアレイ101−1の構成が、図2に示されている。
図1で述べたように、PVアレイ101−1は、行列状に配置されたPVモジュール102−00〜102−nnを備えている。直流電力配線DCLは、図1では1本の配線として示したが、正極の直流電力を給電する直流電力配線(以下、正極電力配線とも称する)DCL(+)と、負極の直流電力を給電する直流電力配線(以下、負極電力配線とも称する)DCL(−)を備えている。PVアレイ101−1を構成するPVモジュール102−00〜102−nnは、この正極電力配線DCL(+)と負極電力配線DCL(−)との間に接続されている。
特に制限されないが、図2において、同じ列に配置された複数のPVモジュール(例えば102−00〜102−0nと、102−n0〜102−nn)は、正極電力配線DCL(+)と負極電力配線DCL(−)との間に、互いに直列的に接続されている。本明細書においては、このように直列的に接続されたPVモジュールをストリングPVSと称する。PVアレイ101−1は、0〜n−1の列を有しているため、0列に配置されたPVモジュール102−00〜102−0nによって構成されたストリングPVS−0からn−1列に配置されたPVモジュール102−n0〜102−nnによって構成されたストリングPVS−nまでのn個のストリングPVSを有していることになる。図2では、互いに直列的に接続されたPVモジュール102−n0〜102−nnによって構成されたストリングPVS−nが、破線で明示されている。言い換えるならば、ストリングPVS−0〜PVS−nが、正極電力配線DCL(+)と負極電力配線DCL(−)との間に、互いに並列的に接続され、ストリングPVSの集合体として、PVSアレイ101−1が構成されている。
ストリングPVSを構成するPVモジュールの個数または/および並列的に接続されるストリングの個数は、太陽光発電サイト毎に定められる。後で図3を用いて説明するが、PVモジュール102−00〜102−nnのそれぞれは、互いに直列的に接続された複数のシリコンセルを有している。これらのシリコンセルのそれぞれが、太陽光を受光することにより、直流電力を発電する。一例を述べると、PVモジュール102−00〜102−nnのそれぞれは、産業用として最も代表的な150mm角のポリシリコンセルを60枚備えている。この場合、それぞれのPVモジュールの開放電圧は、およそ36〜38Vとなり、短絡電流が8〜9Aとなる。
このようなPVモジュールが、システム設計に応じて決まる枚数(例えば14〜16枚)が直列的に接続され、1個のストリングPVSが構成される。この場合、ストリングPVSの開放電圧は、およそ500〜600Vとなり、短絡電流は8〜9Aとなる。最大電力を出力するような動作点で、ストリングを運転する場合、ストリングPVSは、400〜500V程度の電圧で、8A程度の電流を出力する。このようなストリングPVSが、図2に示すように、正極電力配線DCL(+)と負極電力配線DCL(−)との間に並列的に接続される。これにより、8A×並列数の電流が、直流電力配線DCLを介してPCS装置PCSに供給されることになる。
特に制限されないが、実施の形態1では、PVモジュールが14枚直列的に接続されたストリングPVSが、16個並列接続され、出力電力が50kWの太陽光発電サイトを例にして、述べる。
PVアレイ101−1を例にして説明したが、他のPVアレイ101−2〜101−nのそれぞれも同様な構成であるので、説明は省略する。
<PVモジュールの構成>
次に、PVモジュール102−00〜102−nnの構成を説明する。PVモジュール102−00〜102−nnの構成は、互いに同じ構成を有しているため、ここでは、1枚のPVモジュールについてのみ説明する。なお、説明するPVモジュールの符号は102とする。図3は、PVモジュール102の構成を示す平面図である。先に説明したように、PVモジュール102は、複数の太陽電池素子(シリコンセル)と、複数のシリコンセル間を接続するタブ配線を備え、複数のシリコンセルとタブ配線は、1個のパッケージに封止されている。
特に制限されないが、この実施の形態1において、PVモジュール102には、60個のシリコンセルが、10行×6列の行列状に配置されている。行列状に配置されているため、60個のシリコンセルによってアレイが構成されていると見なすことができる。図3は、太陽光が照射される面を、太陽光が照射する方向から見た平面図である。図3において、PVC−0〜PVC−59のそれぞれが、シリコンセルを示している。同図では、図面が複雑になるのをさけるために、アレイの左右(1列目と6列目)に配置されたシリコンセルについてのみ、符号PVC−0〜PVC−9と、符号PVC−50〜PVC−59が付されている。シリコンセルPVC−0〜PVC−59は、互いに同じ構成を有しているため、ここではシリコンセルPVC−0を代表にして、説明する。
シリコンセルPVC−0は、主面と主面に対向した裏面とを有しており、主面と裏面との間に、例えば互いに導電型の異なる第1シリコン層と第2シリコン層が積層されている。この場合、第1シリコン層の主面が、シリコンセルPVC−0の主面となり、第1シリコン層の裏面は、第2シリコン層の主面に積層され、第2シリコン層の裏面が、シリコンセルPVC−0の裏面となる。シリコンセルPVC−0の主面および裏面のそれぞれには、互いに平行して複数の集電電極(フィンガー電極)が形成されている。また、シリコンセルPVC−0の主面には、複数のフィンガー電極間を接続するバスバー電極(銀ペースト電極)が形成されている。
図3では、シリコンセルPVC−0〜PVC−59のそれぞれの主面が見えている。シリコンセルPVC−0について説明すると、図3には、シリコンセルPVC−0の主面において、横方向に延在し、縦方向に互いに平行に配置されたフィンガー電極が形成されている。図3では、この主面に形成されたフィンガー電極が破線で示されている。なお、図面が複雑になるのを避けるために、図3では、最も上側および下側に配置されたフィンガー電極に対してだけ、符号FGDが付されている。また、図3において、シリコンセルPVC−0の主面に形成されたバスバー電極BBDは、縦方向に延在し、横方向に互いに平行に形成されている。このバスバー電極BBDとフィンガー電極FGDは、その交差する部分において、接続されている。
シリコンセルPVC−0の裏面においては全面に電極が形成されているものが一般的である。他のシリコンセルPVC−1〜PVC59についても、シリコンセルPVC−0と同様である。
図3において、TBD−1〜TBD−7のそれぞれは、タブ配線を示している。この実施の形態1においては、タブ配線TBD−1とTBD−7との間に、シリコンセルPVC−0〜PVC−59が直列的に接続されている。すなわち、タブ配線TBD−1から縦方向に平行に配置されたタブ配線が、シリコンセルPVC−0の主面に形成されたバスバー電極BBD上に、はんだを介して接続されており、シリコンセルPVC−0の裏面電極に接続されたタブ配線がシリコンセルPVC0、PVC1間を通してシリコンセルPVC−1の主面に配線され、PVC−1上に形成されたバスバー電極BBDに、はんだを介して接続されている。また、シリコンセルPVC−1の裏面にはんだを介して接続されたタブ配線はシリコンセルPVC1とPVC2の間を通して、シリコンセルPVC−2の主面に配線され、シリコンセルPVC−2の主面上に形成されたバスバー電極BBDに、はんだを介して接続されている。
以降、同様にしてシリコンセルPVC−3〜PVC−59のそれぞれの主面に形成されたバスバー電極BBDは、タブ配線を介して、直列接続されるシリコンセルの裏面に形成された電極に接続されている。タブ配線TBD−2〜TBD−6は、シリコンセルに形成されたバスバー電極の上に接続されているタブ配線間を接続するために用いられる。シリコンセルPVC−50の裏面電極とタブ配線TBD−7が接続される。シリコンセルPVC−0〜PVC−59が直列的に接続されているため、それぞれのシリコンセルで発電した直流電力が加算され、タブ配線TBD−1とTBD−7との間に発生することになる。
タブ配線TBD−1とTBD−7は、PVモジュール裏面に配置されたジャンクションボックスと一般的に称される電極取り出し機構を介してモジュール外部に配置された正極及び負極に対応する2本の電極ケーブルとそれぞれ接続されている。この電極ケーブルを通してPVモジュールにおいて発電した直流電力が取り出される。例えば、図3に示したPVモジュールが、図2に示したPVモジュール102−00であった場合、例えばタブ配線TBD−1は、電極ケーブルを通して正極電力配線DCL(+)に接続される。また、タブ配線TBD−7は、電極ケーブルを通してPVモジュール102−00の隣に配置されたPVモジュール102−01(図2では符号なし)内のタブ配線TBD−1に接続される。このようにして、ストリングPVS−0に配置されたPVモジュール102−00〜102−0n内のシリコンセルが、正極電力配線DCL(+)と負極電力配線DCL(−)との間に、直列的に接続される。他のストリングについても同様である。
正極電力配線DCL(+)と負極電力配線DCL(−)との間に発生した直流電力は、PCS装置PCSに入力される。PCS装置PCSは、インバーター回路を有しており、このインバーター回路によって、入力された直流電力を商用電力(交流電力)に変換する。インバーター回路を介して直流電力配線DCLと交流電力配線ACL1は電気的に接続されているため、インバーター回路の動作周波数に同期したリプルノイズが、直流電力配線DCLにも重畳することになる。
<PCS装置の構成>
図4は、PCS装置PCSの基本的な構成を示す回路図である。PCS装置PCSは、複数の回路ブロックを備えているが、図4には、これらの回路ブロックのうち直流電力を商用電力へ変換するインバーター回路の部分のみが破線IVCで示されている。
インバーター回路IVCは、発振回路OSCと、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、IGBTまたは単にトランジスタとも称する)T1〜T4を備えている。なお、図1では、交流電力配線ACL1が1個の電源配線で示されていたが、図4では、交流電力配線ACL1は、一対の交流電力配線ACL1−A、ACL1−Bとして示されている。
トランジスタT1は、正極電力配線DCL(+)と交流電力配線ACL1−Aとの間に接続され、トランジスタT2は、負極電力配線DCL(−)と交流電力配線ACL1−Aとの間に接続されている。また、トランジスタT3は、正極電力配線DCL(+)と交流電力配線ACL1−Bとの間に接続され、トランジスタT4は、負極電力配線DCL(−)と交流電力配線ACL1−Bとの間に接続されている。インバーター回路の制御モードに応じて各IGBTに直列、若しくは並列にダイオードが接続されることがある。
ダイオードが、直列に接続される場合、T1、T3のコレクタ(図では、T1−C、T3−C)とDCL(+)との間に、電流がIGBTに流れ込む向きに、それぞれダイオードが接続される。またT2、T4のエミッタ(図では、T2−E、T4−E)とDCL(−)の間にIGBTから電流が流れだす向きに、それぞれダイオードが接続される。
これに対して、ダイオードが、並列に接続される場合には、各IGBTのエミッタ(図では、T1−E〜T4−E)とコレクタ(T1−C〜T4−C)の間にコレクタ側からエミッタ側へ電流が流れないような向きで、それぞれダイオードが接続される。更に、インバーター回路の制御モードに応じて出力を平滑化するためのリアクトルや容量がACL1に接続されることもある。これらのダイオードやリアクトルは図4では省略した。発振回路OSCは、商用電源の周波数と同一の周波数を持つ基準正弦波とこれよりも高い周波数を有する変調波(インバーター回路の動作周波数で、以下、インバーター周波数とも称する)からパルス幅変調(PWM)制御のためのPWM信号を生成する。発振回路OSCでは更にPWM信号からインバーターのスイッチング素子であるIGBTを駆動するためのクロック信号IC1、IC2、/IC1および/IC2を形成する。ここで、クロック信号/IC1は、クロック信号IC1を位相反転したクロック信号であり、クロック信号/IC2は、クロック信号IC2を位相反転したクロック信号である。
発振回路OSCが形成するクロック信号IC1、/IC1によって、トランジスタ(スイッチ)T1およびT2は、交互にオン状態となるようにスイッチ制御される。また、発振回路OSCが形成するクロック信号IC2、/IC2によって、トランジスタ(スイッチ)T3およびT4は、交互にオン状態となるようにスイッチ制御される。その結果、インバーター周波数を有するクロック信号IC1、/IC1に同期して、交流電力配線ACL1−Aは、トランジスタT1またはT2を介して電気的に、正極電力配線DCL(+)または負極電力配線DCL(−)に接続されることになる。同様に、インバーター周波数を有するクロック信号IC2、/IC2に同期して、交流電力配線ACL1−Bは、トランジスタT3またはT4を介して電気的に、正極電力配線DCL(+)または負極電力配線DCL(−)に接続されることになる。
これにより、例えば正極電力配線DCL(+)に供給されている直流電力は、トランジスタT1またはT3を介して、交流電力配線ACL1−AまたはACL1−Bに伝達されることになる。このとき、負極電力配線DCL(−)に供給されている直流電力は、トランジスタT2またはT4を介して、交流電力配線ACL1−AまたはACL1−Bに伝達されることになる。その結果、インバーター周波数に同期して、直流電力が交流電力に変換され、交流電量配線ACL1−A、ACL1−Bに供給されることになる。
インバーター周波数に同期して、トランジスタT1〜T4がオン状態になるため、直流電力配線DCL(DCL(+)、DCL(−))は、インバーター周波数に同期して、交流電力配線ACL1(ACL1−A、ACL1−B)に電気的に接続されることになり、インバーター周波数に同期したリプルノイズが、直流電力配線DCL(DCL(+)、DCL(−))に重畳されることになる。
リプルノイズが、直流電力配線DCLに重畳されることを確認するために、直流電力配線DCLのうち、正極電力配線DCL(+)において、図2の符号Aとして示したノードにおける電流を計測した。図5は、図2に示したノードAの電流波形を示す波形図である。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は電流を示している。
この計測は、正極電力配線DCL(+)のノードAの部分を、クランプ電流計の計測部で挟み込むことにより行っている。このとき、太陽光発電装置は、発電を継続しており、停止させていない。インバーター回路IVCにおけるインバーター周波数は、例えば数kHzの周波数であり、正確な周波数の商用電力を形成するために、安定した周波数となっている。クランプ電流計としては、インバーター周波数(数kHz)を測定することが可能な、比較的高い周波数まで追従するものを選択している。
図5を見ると、ノードAにおける電流は、周期的に変化しており、インバーター周波数に同期したリプルノイズによって変化しているのが分かる。図5に示した電流波形の周期から、測定した太陽発電サイトで用いているPCS装置PCSのインバーター回路IVCにおけるインバーター周波数は、4kHzであることが分かる。
<検査装置>
図6は、実施の形態1に係わる検査装置の構成を示すブロック図である。同図には、説明の都合上、図1に示した太陽光発電装置100の一部も示されている。すなわち、図6において、101−1〜101−n、PCS、DCLおよびACL1は、図1に示したPVアレイ101−1〜101−n、PCS装置PCS、直流電力配線DCLおよび交流電力配線ACL1にそれぞれ対応する。これらは既に説明しているので、原則、説明は省略する。
図6において、600は、太陽光発電装置100を検査する検査装置を示している。検査装置600は、クランプ電流計KDT、コンピュータPC、IRカメラ(赤外線サーモグラフィ―カメラ、撮影装置)IRCおよび入出力ボードIOB1、IOB2を備えている。
クランプ電流計KDTは、直流電力配線DCLを挟み込むように配置されている。直流電力配線DCLは、図2で示したように正極電力配線DCL(+)と負極電力配線DCL(−)を備えているが、この実施の形態1においては、図2で説明したのと同様に、クランプ電流計KDTは、正極電力配線DCL(+)の所定の箇所を挟み込んでいる。太陽光発電装置100は発電を行っているとき、PCS装置PCSのインバーター回路IVCのインバーター周波数に同期したリプルノイズが、正極電力配線DCL(+)において重畳される。クランプ電流計KDTは、正極電力配線DCL(+)における電流の変化に同期した検出電流IDTを出力する。
入出力ボードIOB1は、アナログ信号である検出電流IDTを受け、デジタル信号に変換して、コンピュータPCへ供給する。入出力ボードIOB1は、特に制限されないが、デジタルフィルタを有している。このデジタルフィルタによって、入力した検出電流IDTの高周波成分のみを抽出し、抽出した高周波成分に対応したパルス信号を、検出電流IDTに対応したデジタル信号として、コンピュータPCへ供給する。検出電流IDTから高周波成分を抽出することにより、検出電流IDTにおける電流の変化を抽出することが可能となる。これにより、入出力ボードIOB1からコンピュータPCへ供給されるパルス信号は、クランプ電流計KDTによって測定した電流変化と同期し、パルス信号の周波数は、クランプ電流計KDTによって測定した電流変化の周波数に対応することになる。すなわち、入出力ボードIOB1からコンピュータPCへ供給されるパルス信号の周波数は、PCS装置PCSにおけるインバーター周波数と対応することになる。
コンピュータPCは、入出力ボードIOB1から供給されたパルス信号に対応した周波数の起動信号を入出力ボードIOB2へ供給する。入出力ボードIOB2は、供給された起動信号の周波数に対応し、IRカメラIRCのトリガ入力のレベル等に合わせたパルス信号をトリガ信号TGSとして、IRカメラIRCへ供給する。
IRカメラIRCは、トリガ信号TGSに応答して、PVアレイ101−1〜101−nにおける像を撮影する。すなわち、トリガ信号TGSの周期に同期して、IRカメラIRCは、PVアレイ101−1〜101−nにおける発熱像を撮影する。撮影により得たPVアレイ101−1〜101−nにおける発熱像に関するデータは、コンピュータPCへ供給される。コンピュータPCによって、発熱像に関するデータは処理され、処理により得られたデータに基づいて、太陽光発電装置100における異常・劣化の有無および進行状態が検査される。実施の形態1においては、太陽光発電装置100におけるPVアレイ101−1〜101−nが、特に検査装置600によって検査される。なお、入出力ボードIOB1とIOB2は、1個の入出力ボードを兼用するようにしてもよいし、入出力ボードIOB1、IOB2の機能を、コンピュータPCに設けるようにしてもよい。
既に述べたように、PVアレイを構成するPVモジュールは、劣化すると配線抵抗が増加し、発熱量が増加する。すなわち、劣化や異常は基本的に発熱を伴う。
実施の形態1によれば、太陽光発電サイトで、発電を止めることなく、PVモジュールの劣化の進行状態を、PVモジュールにおける発熱を用いて検査(診断)することが可能となる。
太陽光発電では得られた直流電力を利用するために、系統(電力系統)ACAへ電力を供給する。その際、PCS装置PCSにより直流電力を商用周波数の交流電力へ変換する。この変換は、直流回路と交流回路の間に接続されたインバーター回路IVCが高速にスイッチング動作することにより行われる。そのためインバーター回路IVCに電気的に接続されている直流回路にもスイッチング動作による影響が及ぶことになる。この影響は、スイッチング動作を行うためのインバーター周波数を有するリプルノイズの重畳となって現れる。PCS装置PCSには多数のPVモジュールの出力が集まり大電力を扱うため、インバーター回路IVCから直流電力配線DCLに重畳されるリプルノイズも大きなものとなる。
例えば、出力250W程度のシリコン系のPVモジュールが最適動作点で動作している場合、PVモジュールが直列に接続されたストリングに流れる電流は、晴天時には7〜8Aであるが、重畳されるリプルノイズは1A程度に及ぶこともある。このときPVモジュールの端子間電圧は30V程度であるので、30W程度の電力変動(電力変化または直流電力変化)が生じていることになり、PVモジュールの出力の10%にも及ぶことになる。この電力変化(電力変動、直流電力変化)は、PVモジュールが最適動作点からずれた状態で動作する原因となり、結果としてPVモジュールに入射する太陽光のエネルギーのうち、リプルノイズによる電力変動分のエネルギーについては、電気と熱への変換割合が周期的に変化することになる。PCS装置PCSによる変換動作によって生じるリプルノイズにより発生する電力変化が、PVモジュールの電力変化(直流電力変化)となる。この場合、PVモジュールの電力変化の周期は、リプルノイズの周期と同期し、同じ周波数となる。
PVモジュール当たり30Wの熱エネルギーは大きく、定常状態で30Wの発熱量差があるPVモジュールが2枚並んでいれば、発熱しているPVモジュールをIRカメラで十分検知して、特定することが可能である。発熱は、インバーター回路IVCのインバーター周波数に同期して変動するため、インバーター回路IVCのインバーター周波数とは無関係に撮影を行うIRカメラでは、発熱量差を検出することは極めて困難である。
インバーター回路IVCよって重畳されるリプルノイズは、インバーター回路IVCのインバーター周波数に一致する。そのため図5に示したように、リプルノイズの周波数は安定している。実施の形態1においては、このリプルノイズを、直流回路側で検出し、IRカメラIRCで撮影を行うトリガ信号として使い、撮影された発熱像のデータを基にして検査を行うようにしている。すなわち、直流回路側で検出したリプルノイズを、ロックインサーモグラフィーの同期信号として使用している。これにより、リプルノイズによって生じるPVモジュールにおける周期的発熱を、リプルノイズの周波数を同期信号としたロックインサーモグラフィーにより検出することができる。
リプルノイズによって生じる電力変化が、PVモジュールを周期的に発熱させるための電力として用いられるため、太陽光発電サイトで発電を停止する必要はない。すなわち、発電を継続した状態で、ロックインサーモグラフィーの技術を用いた検査を行うことが可能である。これを行うために、実施の形態1では、太陽光発電サイトの直流回路に重畳されるリプルノイズからトリガ信号TGSを生成して、IRカメラIRCへの同期信号として入力し、一定周期で複数のIR像を取得する。得られた複数のIR像を、通常のロックインサーモグラフィー技術に従いデータ処理することによりロックインサーモグラフィー像を得ることが出来る。
<<IRカメラの構成>>
実施の形態1に係わるIRカメラIRCは、トリガ信号TGSに応答して、赤外線像を撮影する。IRカメラIRCは、トリガ信号が供給されるトリガ入力端子と、センサと、当該センサからの画像信号を処理する処理回路を備えている。例えば、トリガ入力端子に供給されるトリガ信号TGSが、ロウレベルからハイレベルへ立ち上がるのに応答して、センサは、そのとき照射されている赤外線の像に応じた画像信号を処理回路に供給し、画像信号は処理回路で処理され、赤外線像としてコンピュータPCへ供給される。
IRカメラIRCにおいては、センサの最小感度を上回る赤外線のシグナルを取り込むための時間が必要とされる。本明細書においては、この時間をIRカメラIRCの時定数(Time constant)と称する。また、センサによって取り込まれたシグナルを、赤外線像を構成する画素毎のデータとして、IRカメラIRCからコンピュータPCへ転送する時間も必要とされる。取り込んだシグナルを画素毎のデータとして転送する時間を、本明細書では、IRカメラIRCのデータ転送時間(Integration time)と称する。実施の形態1で用いるIRカメラIRCは、その時定数が、上記したリプルノイズの周波数の周期よりも短いことが望ましい。また、供給されるトリガ信号に同期して撮影を行う撮影機能が必要とされる。さらに、IRカメラIRCのフレームレートは、高速であることが望ましい。
IRカメラIRCが備えるセンサ(赤外線センサ)としては、大別すると、量子型(冷却型)と熱型(非冷却型)が存在する。熱型は、照射された赤外線による温度変化を検知する。この熱型のセンサの例としては、アモルファスシリコンを用いたセンサ(ボロメータ)が挙げられる。一方、量子型は、照射された赤外線による電気現象を検知する。量子型のセンサの例としては、化合物半導体を用いたセンサが挙げられる。熱型のセンサを用いたIRカメラでは、赤外線の照射によって生じる温度変化を検知することが必要とされるため、量子型のセンサに比べると、シグナルを取り込む時間、すなわちIRカメラの時定数が長くなる。そのため、実施の形態1においては、IRカメラIRCの時定数を短くするために、量子型のセンサを備えたIRカメラを用いることが望ましい。ただし、ロックインサーモグラフィーに必要な周波数に追従して動作するものであれば熱型のセンサを用いたIRカメラであっても構わない。
<検査装置の動作>
図7は、図6に示した検査装置600の動作を示す波形図である。図7において、横軸は時間を示している。ここで、図7(A)は、クランプ電流計KDTによって測定された直流電力配線における電流を示している。この電流は、リプルノイズに従って変化するため、図7(A)では、リプルノイズの波形として示している。図7(A)の縦軸は、電流を示している。図7(A)において、ISは、リプルノイズが重畳されていないときの直流電力配線DCLの電流値(直流電流)を示している。リプルノイズが重畳されることにより、直流電力配線DCLにおける電流値は、電流値ISを基準値(以下、基準値ISとも称する)として、リプルノイズに同期して増減する。図7(A)では、電流値が増加したときのピーク値が、IS−Uとして示され、電流値が減少したときのピーク値が、IS−Dとして示されている。直流電力配線DCLにおける電流の増減は、リプルノイズに同期して周期的に発生する。図7(A)では、直流電力配線DCLにおける周期的な電流の変化に関して、周期がTとして示されている。
図7(B)は、入出力ボードIOB2から出力されるトリガ信号TGSの波形を示しており、縦軸は電圧を示している。また、図7(C)は、IRカメラIRCの時定数を模式的に示しており、図7(D)は、IRカメラIRCのデータ転送時間を模式的に示している。
直流電力配線DCLにおける電流が、リプルノイズによって変化すると、クランプ電流計KDTからの検出電流IDTは、図7(A)に示すように変化する。検出電流IDTが、時刻t0において、基準値ISよりも高くなると、入出力ボードIOB1から検出信号が出力され、この検出信号に基づいて、コンピュータPCおよび入出力ボードIOB2が、トリガ信号TGSをロウレベルからハイレベルへ変化させる。
IRカメラIRCは、トリガ入力端子に供給されているトリガ信号TGSがロウレベルからハイレベルへ変化するのに応答して、時刻t0よりも僅かに時間遅れした時刻t1から撮影を開始する。センサによる赤外線の取り込みは、IRカメラIRCの時定数の期間(時刻t1とt2の間の時間)も継続して行われる。時定数が経過したタイミング(時刻t2)において、画素のデータが、センサからコンピュータPCへ転送される。すなわち、図7(D)において時刻t2から時刻t3の間のデータ転送期間において、画素のデータが、コンピュータPCへ供給されることになる。
図7に示した波形の例では、直流電力配線DCLにおける電流が、基準値ISよりも高くなるたびに、上記した動作が繰り返される。これにより、コンピュータPCには、リプルノイズの周期Tに同期して撮影された赤外線像が、供給されることになる。すなわち、リプルノイズの周期に同期し、時系列的に変化した複数の赤外線像が、コンピュータPCに供給されることになる。時系列的に供給された複数の赤外線像を、コンピュータPCにおいて調べることにより、PVモジュールの検査を行うことが可能となる。
この場合、PVモジュールには、基準値ISに対して変化する電流が供給されることになる。そのため、PVモジュールを周期的に発熱させるような電源を設けなくても、検査を行うことが可能となる。
IRカメラIRCの時定数が、リプルノイズの1周期よりも長くなると、IRカメラIRCによって撮影された赤外線像は、リプルノイズの複数周期によって発熱されたPVモジュールの像となってしまう。そのため、IRカメラIRCの時定数は、リプルノイズの1周期よりも短いことが要求されることになる。この実施の形態1では、上記したように量子型のセンサを備えたIRカメラを使うことによって、IRカメラIRCの時定数が短くなるようにされている。
IRカメラIRCのデータ転送時間も、短いことが望ましいが、リプルノイズの1周期よりも短いことは必須ではない。例えば、IRカメラIRCに、記憶回路を設け、センサが時定数の期間に取り込んだ赤外線像を、記憶回路に順次格納する。記憶回路に格納された赤外線像を、後で、コンピュータPCに供給し、コンピュータPCで検査を実行する。このようにすることにより、センサで取り込んだ赤外線像を、順次コンピュータPCへ供給することが必要とされなくなり、IRカメラIRCのデータ転送時間を、リプルノイズの1周期よりも短くすることは必須とされない。
<変形例1>
図7では、リプルノイズが、立ち上がるたびに、IRカメラIRCによって赤外線像を撮影する場合を示している。すなわち、リプルノイズの全周期において、赤外線像を撮影する場合を示している。IRカメラIRCのフレームレートは、一般的に、リプルノイズの周波数に比べて、1桁から2桁低い。この場合、例えばコンピュータPCによって、トリガ信号TGSの周波数が、IRカメラIRCのフレームレートに比べて低くなるように設定される。この変形例1においては、トリガ信号TGSの周波数が、IRカメラIRCのフレームレートよりも低くされる。
図8は、変形例1に係わる検査装置600の動作を示す波形図である。図8(A)は、図7(A)と同様に、リプルノイズの波形を示す波形図である。図8(A)は、図7(A)と同じであるため、説明は省略する。図8(B)は、コンピュータPCおよび入出力ボードIOB2によって形成されるトリガ信号TGSの波形を示し、図8(C)は、時定数を模式的に示し、図8(D)は、データ転送時間を模式的に示している。
変形例1では、リプルノイズの2周期ごとに、コンピュータPCが、トリガ信号を形成する。すなわち、図8において、リプルノイズの1周期目(0〜1T)と、3周期目(2T〜3T)において、トリガ信号TGSを形成し、2周期目(1T〜2T)のときには、コンピュータPCは、トリガ信号TGSを形成しない。これにより、IRカメラIRCのフレームレートよりも低い周波数のトリガ信号を形成することが可能となり、周期的に赤外線像を取得することが可能となる。
ここでは、2周期ごとにトリガ信号を形成する例を説明したが、図8に示した2周期目(1T〜2T)を増やすことにより、トリガ信号の形成される周期をさらに長くすることが可能である。この場合であっても、トリガ信号は、リプルノイズに同期していることになる。
また、コンピュータPCによって、トリガ信号TGSの周期を長くすることを説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入出力ボードIOB1、IOB2によって、トリガ信号TGSの周期を長くするようにしてもよい。
<変形例2>
ロックインサーモグラフィーの技術を用いる場合、検査対象の熱を変化させている1周期の期間において、複数の赤外線像を取得することが望ましい。このようにして取得した複数の赤外線像を重ね合わせることにより、周期性を有さないノイズを低減することが可能となるためである。
図9は、リプルノイズの1周期において、複数の赤外線像を取得する場合の波形を示す波形図である。図9において、横軸は時間を示している。図9(A)は、図7(A)と同様に、リプルノイズの波形を示す波形図である。図7(A)とは異なり、説明の都合上、図9(A)には、リプルノイズの1周期Tの波形が示されている。このリプルノイズの1周期Tにおいて、コンピュータPCおよび入出力ボードIOB2が、複数のトリガ信号TGSを形成する。
例えば、リプルノイズの1周期において、30度ずつ位相が異なる6個のトリガ信号が、図9(B)に示されているように形成される。それぞれのトリガ信号に対して、図9(C)に示した時定数の期間において、そのときの赤外線像が取り込まれる。取り込まれた赤外線像は、図9(D)に示したデータ転送時間において、コンピュータPCへ転送される。これにより、リプルノイズの1周期Tの期間において、複数の赤外線像を取得することが可能となり、これらを、コンピュータPCにおいてロックインサーモグラフィー法に基づいて重ね合わせる処理を行うことによって、周期性を有さないノイズを除去することが可能となる。
変形例1で述べたように、IRカメラIRCのフレームレートが、リプルノイズの周波数に比べて低い場合には、図9に示したように、リプルノイズの1周期の期間において、複数の赤外線像を取得することが困難となる。すなわち、IRカメラIRCのフレームレートが、リプルノイズの周波数に追従できない場合には、複数の赤外線像を、リプルノイズの1周期の間に取得することが困難となる。この場合には、リプルノイズの複数の周期において、互いに異なるタイミングにおける複数の赤外線像を取得し、取得した複数の赤外線像を、リプルノイズの1周期における複数の赤外線像と等価的なデータとすればよい。
図10は、IRカメラIRCのフレームレートが、リプルノイズの周波数に追従できない場合の動作を示す波形図である。図10においても、横軸は時間を示している。図10(A)は、図7(A)と同様に、リプルノイズの波形を示している。図10(B)は、トリガ信号の波形を示し、図10(C)は、時定数を模式的に示し、図10(D)は、データ転送時間を模式的に示している。
この変形例2においては、コンピュータPCが、入出力ボードIOB1からの検出信号によって示されるリプルノイズの立ち上がりタイミングに対して、所定の遅延時間を、順次加える処理を行い、所定の遅延時間を加えることにより得られたタイミングで、トリガ信号を順次形成している。
ここでは、説明を容易にするために、リプルノイズの周期とIRカメラIRCのフレームレートの周期とが同じである場合を説明する。
コンピュータによって、所定の遅延時間が加えられない場合、コンピュータPCと入出力ボードIOB2により形成されるトリガ信号は、図10(B)において、時刻t0、時刻1T、時刻2Tのそれぞれのタイミングで形成されることになる。一方、この変形例2においては、所定の遅延時間aが、順次加えられることになる。すなわち、トリガ信号は、時刻t0のタイミングで形成された後、時刻1Tに所定の遅延時間aを加えたタイミング(1T+a)で、トリガ信号が形成される。次に、タイミング(1T+a)に1周期Tと所定の遅延時間aを加えたタイミング(2T+2a)で、トリガ信号が形成されることになる。
これにより、1周期目では、時刻t1〜t2の間で、赤外線像がセンサにより取得されるのに対して、2周期目では、遅延時間aをオフセット時間とし、オフセット時間(遅延時刻a)だけ遅れた時刻t1〜t2の間で、赤外線像がセンサによって取得されることになる。また、3周期目では、遅延時間2aをオフセット時間とし、このオフセット時間だけ遅れた時刻t1〜t2の間で、赤外線像がセンサによって取得されることになる。すなわち、所定の遅延時間をオフセットとして、オフセットの時間ずつずれたタイミングで、リプルノイズによって発熱しているときの赤外線像が得られることになる。このようにして得られた複数個(図10では3個)の赤外線像を、1周期のリプルノイズの期間に取得した複数の赤外線像と等価として処理する。これにより、周期性のないノイズを低減することが可能となる。
説明の都合上、リプルノイズの周期と、IRカメラIRCのフレームレートの周期が同じとしたが、これらの周期が異なる場合にも同様に、遅延時間をオフセットとし、オフセットの時間ずつすれたタイミングの赤外線像を取得することが可能であり、周期性のないノイズの低減を図ることが可能となる。
また、コンピュータPCによって所定の遅延時間を加える例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入出力ボードIOB1、IOB2によって、所定の遅延時間を加えるようにしてもよい。
さらに、所定の遅延時間を加えるのではなく、変形例1で説明したように、トリガ信号を発生しない周期を加える(導入する)ようにしてもよい。例えば、トリガ信号を発生しない周期を、順次増加するようにしてもよい。この場合、繰り返されるリプルノイズにおいて、互いに異なるタイミングのときに、トリガ信号を発生する周期が存在するように、トリガ信号を発生しない周期が追加されるようにする。
IRカメラIRCのフレームレートが、リプルノイズの周波数よりも低い場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、リプルノイズの周波数よりも、IRカメラIRCのフレームレートが高い場合であって、リプルノイズの1周期において取得する赤外線像の数を増やす場合には、リプルノイズの複数周期において、互いに異なるタイミングで複数の赤外線像を取得するようにする。このようにして取得した複数の赤外線像を等価的に1周期のリプルノイズにおける赤外線像として扱うようにしてもよい。
コンピュータPCに転送された赤外線像のデータは、コンピュータPCにおいてデータ処理されるが、このデータ処理は、通常のロックインサーモグラフィーと同様に行えばよい。ロックインサーモグラフィーでの処理は、例えば特許文献2に記載されている。
なお、コンピュータPCに転送されたデータは、リプルノイズに同期してPVモジュールが発熱したときの赤外線像を、リプルノイズに同期したタイミングで観察したものに相当する。
この実施の形態1においては、リプルノイズの周期が検出され、リプルノイズの周期と所定の関係にある周期を有するトリガ信号TGSによって、赤外線像の撮影が行われる。リプルノイズによるPVモジュールの発熱と、赤外線像の撮影が同期していればよいため、リプルノイズの周期とトリガ信号TGSの周期は、同じであることは必要とされない。すなわち、図7では、リプルノイズの周期とトリガ信号TGSの周期が同じ場合を示したが、図8〜図10に示したように、ルプルノイズの周期とトリガ信号の周期とは、所定の関係にあればよい。言い換えるならば、リプルノイズの周期に対応した周期のタイミング信号をトリガ信号TGSとして用いてもよいし、このタイミング信号に基づいた信号を形成し、これをトリガ信号TGSとして用いてもよい。
(実施の形態2)
図11は、実施の形態2に係わる太陽光発電装置の検査装置を示すブロック図である。実施の形態1においては、直流電力配線DCLに重畳され、直流回路へ伝達されるリプルノイズを測定して、IRカメラIRCのトリガ信号を形成する例を説明した。リプルノイズは、図4で説明した発振回路OSCによって生じる。商用電力の周波数を安定にするために、発振回路OSCによって形成されるクロック信号のインバーター周波数は、安定した所定の周波数に設定される。そのため、リプルノイズの周波数も安定した周波数となっている。この実施の形態2においては、このリプルノイズの周波数が、事前に計測される。この事前に計測されたリプルノイズの周波数を用いて、IRカメラIRCのトリガ信号が形成される。そのため、実施の形態2においては、太陽光発電装置を検査する際に、直流回路へ伝達されるリプルノイズを測定する必要がなくなる。
図11において、600−2は、太陽光発電装置を検査する検査装置を示している。図11にも、図6と同様に、太陽光発電装置の一部が示されている。すなわち、図11において、101−1〜101−n、PCS、DCLおよびACL1は、図1に示したPVアレイ101−1〜101−n、PCS装置PCS、直流電力配線DCLおよび交流電力配線ACL1にそれぞれ対応する。これらは既に説明しているので、原則、説明は省略する。
検査装置600−2は、コンピュータPC、入出力ボードIOB2およびIRカメラIRCを備えている。
コンピュータPCには、事前に測定されたリプルノイズの周波数が設定されている。例えば、太陽光発電サイトにおいて、直流回路に供給されるリプルノイズの周波数が測定される。これは、例えば、図6に示したようにクランプ電流計KDTによって、直流電力配線DCLを流れる電流を測定する。測定の結果はロガーに記録される。ロガーによって、リプルノイズの1周期を求め、求めた1周期の時間から、リプルノイズの周波数を求めて、コンピュータPCに設定する。リプルノイズの周波数を測定する構成はこれに限定されるものではない。例えばロガーが、フーリエ変換機能等を有していれば、測定の結果をフーリエ変換機能によって変換し、リプルノイズの周波数を求めるようにしてもよい。
コンピュータPCは、設定されたリプルノイズの周波数に同期した起動信号を形成する。起動信号は、入出力ボードIOB2によって、IRカメラIRCに整合するように調整され、入出力ボードIOB2からトリガ信号TGSとして出力される。IRカメラIRCは、トリガ信号TGSに応答して、複数のPVモジュールにおける赤外線像を撮影し、撮影により得たデータをコンピュータPCへ供給する。コンピュータPCにおいては、供給されたデータに対してデータ処理を行う。データ処理の結果を基にして、太陽光発電装置(PVモジュール)の検査が行われる。
この実施の形態2においては、特に制限されないが、コンピュータPCが、プログラムに従ってタイミングを計測し、設定されたリプルノイズの周波数に合わせたタイミングで起動信号を形成する。そのため、新たなハードウェアを準備しなくても、プログラムを変更することにより、起動信号の周波数を調整したり、遅延時間を加えることも容易に行うことが可能となっている。
勿論、トリガ信号TGSは、コンピュータPCおよび入出力ボードIOB2を用いずに発生してもよい。例えば、太陽光発電装置とは独立に動作するトリガ生成装置を用いるようにしてもよい。この場合、トリガ生成装置としては、例えばリプルノイズと同じ周波数のトリガ信号を発生するファンクションジェネレータによって構成してもよいし、このようなトリガ信号を発生するパルス生成回路を自作し、自作したパルス生成回路によって、トリガ生成装置を構成してもよい。ファンクションジェネレータを動作させる電源が確保できれば、ファンクションジェネレータを用いる構成は、最も容易な方法である。また、電池で動作するパルス生成回路であれば、小型化を図ることが可能である。
図12は、実施の形態2に係わる検査装置の動作を示す波形図である。図12においても、横軸は時間を示している。図12(A)は、図7(A)と同様に、直流電力配線DCLにおける電流を示している。直流電力配線DCLを流れる電流は、基準値ISにリプルノイズが重畳され、リプルノイズによって、周期的に変化している。図12(B)〜図12(E)のそれぞれは、トリガ信号TGSの波形を示している。実施の形態2においては、直流電力配線DCLにおける電流の変化として表れるリプルノイズとは、無関係にトリガ信号TGSが生成される。そのため、リプルノイズとトリガ信号との間の位相差は制御することができない。すなわち、実施の形態1においては、リプルノイズを検出して、トリガ信号を形成していたため、リプルノイズとトリガ信号との間の位相差を制御することが可能であったが、実施の形態2では、この位相差を制御することが困難である。
そのため、実施の形態2においては、検査装置600−2で検査を開始したタイミングに依存して、図12(B)〜図12(E)に示すように、種々の位相を有するトリガ信号が形成されることになる。例えば、図12(B)では、図7(B)と同様に、リプルノイズが、立ち上がるタイミングで、そのときの赤外線像が撮影される。これに対して、図12(C)では、リプルノイズの振幅が正のピーク値(IS−U)近傍のタイミングでトリガ信号が発生し、そのときの赤外線像が撮影されることになる。また、図12(D)では、リプルノイズの振幅が負のピーク値(IS−U)近傍のタイミングでトリガ信号が発生し、そのときの赤外線像が撮影されることになる。さらに、図12(E)では、リプルノイズの振幅が基準値(IS)近傍のタイミングでトリガ信号が発生し、そのときの赤外線像が撮影されることになる。すなわち、任意のタイミングで、撮影されることになる。
しかしながら、ロックインサーモグラフィーの観点からは、いずれのタイミングにおいても、赤外線像を取得することが可能であり、特に問題は生じない。すなわち、いずれのタイミングにおいても、PVモジュールでは、そのときの直流電力配線DCLにおけるリプルノイズに起因した発熱(熱の生成)もしくは散逸が生じていることになり、そのときの赤外線像が取得されることになる。また、再度、撮影を実施すれば、トリガ信号とリプルノイズとの間の位相差を変えることが可能であるため、必要に応じて、再度撮影を実施するようにしてもよい。さらに、図10で説明したように、トリガ信号に所定の遅延時間を加えるようにしてもよい。このように、遅延時間を加えることにより、トリガ信号とリプルノイズとの間の位相差を変更することが可能である。この場合、図10とは異なり、加える所定の遅延時間は可変にしてもよい。
この実施の形態2に係わる検査装置600−2に対しても、実施の形態1の変形例1および変形例2と同様な変形を行うことが可能である。例えば、フレームレートとリプルノイズの周波数の大小関係から、図8で説明したようにトリガ信号の周波数をリプルノイズの周波数より低く設定してもよい。また、図10で説明したようにトリガ信号に所定の遅延時間を設定して、リプルノイズの複数周期にわたって、周期内の異なる時間位置で赤外線像を取得し、1周期内で複数画像を取り込んだ場合と等価なデータとして取り扱うようにしてもよい。ただし、実施の形態2においては、リプルノイズを基準とするのではなく、トリガ信号を独立に生成する構成であるため、トリガ信号を生成しない周期を決めたり、遅延時間を挿入することが必要である。
得られたデータは実施の形態1と同様に、通常のロックインサーモグラフィーに則りデータ処理を行い、ロックインサーモグラフィー像を得ることが出来る。
(実施の形態3)
この実施の形態3においては、無人航空機(Unmanned aerial vehicle:以下、UAVとも称する)を用いて、太陽光発電サイトで、PVモジュールの検査が実施される。太陽光発電サイトは、広大な敷地であるため、UAVを用いて、検査を行うことが望ましい。
実施の形態2で説明したように、太陽光発電装置における直流電力配線DCLを流れる電流を計測しなくても、リプルノイズと同じ周波数を有するトリガ信号を、独立的に形成することができる。この独立的に形成したトリガ信号により、IRカメラIRCによって赤外線像を撮影することが可能である。
この実施の形態3においては、図11に示したコンピュータPC、入出力ボードIOB2、IRカメラIRCおよびこれらの装置に電源を給電する充電池が、UAVに搭載される。
UAVの搭載可能な最大重量(ペイロード)は、例えば6kgである。コンピュータPCとしては、例えば軽量のノードパソコンであれば1kg程度である。また、IRカメラIRCとしては、例えばオートフォーカスの機能を有し、フレームレートが100Hzで撮影が可能なものが、3.8kg程度である。充電池としては、150Whの容量のもので、1.17kg程度のものが存在する。IRカメラIRCの消費電力を30Wとした場合、充電池にフルに充電を行った場合、30分程度の撮影が期待できる。入出力ボードIOB2は、例えばノートパソコンに装着可能なカード型の入出力装置によって構成する。カード型の入出力装置は軽量であるため、これらの装置を、UAVに搭載しても、ペイロードを超えない重量とすることが可能である。これらの装置を搭載したUAVを太陽光発電サイトの上空を飛行させ、飛行している期間において、実施の形態2で説明したようにして、PVモジュールにおける赤外線像をIRカメラIRCによって撮影する。なお、IRカメラIRCの撮影がコンピュータPCによって形成された起動信号により制御されるため、コンピュータPCは、制御装置と見なすこともできる。
なお、重量的に安定した飛行が期待できない場合は、例えば充電池を軽量のものに変更する。赤外線像の取得も実施の形態2と同様に行えばよい。取得した複数の赤外線像をノートパソコンに取り込み、通常のロックインサーモグラフィーと同様にして所望の赤外線像を得ることが出来る。また、飛行後にIRカメラIRCを回収して、データ処理を行うようにしてもよい。
このようにして、太陽光発電サイトの上空からロックインサーモグラフィー技術を適用し、PVモジュールの劣化の進行状態を判定することができる。
直流電力配線DCLにおける電流を検出する例として、クランプ電流計を例にして説明したが、これに限定されるものではない。電流を検出する構成としては、例えばホール素子を用いた電流検出センサまたは電流トランス式の電流検出センサ等を用いることができる。
PVモジュールは直流電力を発電し、直流電力配線DCLは直流電力を伝達するため、複数のPVモジュールと直流電力配線によって直流回路が構成されていると見なすことができる。この場合、交流電力配線ACL1、ACL2は交流電力を伝達するため、交流電力配線ACL1、ACL2によって交流回路が構成されていると見なすことができる。このように見なした場合、PCS装置は、直流回路を交流回路に接続する電力変換装置であると見なすことができる。
このように見なした場合、一実施の形態は、複数の太陽電池モジュールからなる直流回路と、前記直流回路を交流回路に接続するための電力変換装置を備えた太陽光発電装置の検査装置を開示している。この場合、検査装置は、太陽光発電装置の直流電流を検出するホール素子乃至電流トランス式の電流検出センサ(例えばクランプ電流計KDT)と、電流検出センサの出力を入力としてパルス信号(トリガ信号)を生成するパルス信号生成装置(例えば、コンピュータPCと入出力ボードIOB1、IOB2)と、パルス信号(トリガ信号)を撮影トリガとして動作する、赤外線検出器を撮像素子(センサ)として有する撮像装置(IRカメラIRC)を備える。電力変換装置の動作に伴って直流回路に発生する周期的な電力変動を電流検出センサで検出し、パルス信号生成装置から出力されるパルス信号を撮影トリガとして周期的電力変動に同期して撮影された太陽電池モジュールの赤外線像を基に太陽光発電装置の検査が行われる。
また、実施の形態に記載した検査装置を、検査方法の観点で見た場合、実施の形態には、複数のPVモジュールと、複数のPVモジュールによって発生した電力を商用電力に変換する変換装置(PCS装置PCS)とを備えた太陽光発電装置の検査方法が開示されていることになる。この場合、検査方法は、トリガ信号TGSを形成する形成工程と撮影を行う撮影工程を備えている。ここで、形成工程は、変換装置(PCS装置PCS)による変換により生じる複数のPVモジュール102−00〜102−nnの電力変化の周期に同期したトリガ信号TGSを形成する。また、撮影工程では、複数のPVモジュール102−00〜102−nnにおける発熱を、トリガ信号TGSに同期して、撮影装置(IRカメラIRC)により撮影することになる。
検査方法の観点で見た場合、形成工程は、PVモジュールの電力変化の周期を検出する検出工程を備えていると見なすことができる。また、実施の形態3では、検査方法が、無人航空機において実施されることになる。
実施の形態では、IRカメラIRCに供給されるトリガ信号TGSを形成するトリガ信号形成装置として、コンピュータPCおよび入出力ボードIOB2を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
100 太陽光発電装置
101−1〜101−n 太陽電池アレイ
102−00〜102−nn 太陽電池モジュール
600 検査装置
ACA 系統
ACL1、ACL2 交流電力配線
DCL 直流電力配線
IOB1、IOB2 入出力ボード
IRC 赤外線カメラ
KDT クランプ電流計
PC コンピュータ
PCS パワーコンディショナー
TGS トリガ信号

Claims (10)

  1. 複数の太陽電池モジュールと、前記複数の太陽電池モジュールによって発生した電力を商用電力に変換する変換装置とを備えた太陽光発電装置の検査装置であって、
    前記複数の太陽電池モジュールにおける発熱を、トリガ信号に応答して、撮影する撮影装置と、
    前記変換装置による変換により生じる、前記複数の太陽電池モジュールの電力変化の周期を検出し、検出した周期に同期して、前記トリガ信号を形成するトリガ信号形成装置と、
    を備え、
    前記電力変化の周期に同期して撮影された前記複数の太陽電池モジュールにおける発熱像を基にして、前記太陽光発電装置を検査する、太陽光発電装置の検査装置。
  2. 請求項1に記載の太陽光発電装置の検査装置において、
    前記トリガ信号形成装置は、検出した周期と同じ周期の信号を、前記トリガ信号として形成する、太陽光発電装置の検査装置。
  3. 請求項1に記載の太陽光発電装置の検査装置において、
    前記トリガ信号形成装置は、検出した周期と所定の関係にある周期の信号を、前記トリガ信号として形成する、太陽光発電装置の検査装置。
  4. 請求項1に記載の太陽光発電装置の検査装置において、
    前記変換装置は、前記複数の太陽電池モジュールと、前記商用電力が給電される給電線との間に接続され、所定の周期でスイッチ制御される複数のスイッチとを備える、太陽光発電装置の検査装置。
  5. 請求項1に記載の太陽光発電装置の検査装置において、
    周期的な前記電力変化による前記複数の太陽電池モジュールにおける発熱が、ロックインサーモグラフィーにおける試料の周期的な発熱に相当し、前記トリガ信号に応答した発熱像の撮影が、前記ロックインサーモグラフィーにおける赤外線像の取得に相当する、太陽光発電装置の検査装置。
  6. 複数の太陽電池モジュールと、前記複数の太陽電池モジュールによって発生した電力を商用電力に変換する変換装置とを備えた太陽光発電装置の検査装置であって、
    前記複数の太陽電池モジュールにおける発熱を、トリガ信号に応答して、撮影する撮影装置と、
    前記変換装置による変換により生じる、前記複数の太陽電池モジュールの電力変化の周期に同期して、前記トリガ信号を形成するトリガ信号形成装置と、
    を備え、
    前記電力変化の周期に同期して撮影された前記複数の太陽電池モジュールにおける発熱像を基にして、前記太陽光発電装置を検査する、太陽光発電装置の検査装置。
  7. 請求項6に記載の太陽光発電装置の検査装置において、
    前記検査装置は、無人航空機に搭載され、
    前記検査装置は、前記撮影装置を制御する制御装置と、前記撮影装置、前記トリガ信号形成装置および前記制御装置を動作させる充電池とを備える、太陽光発電装置の検査装置。
  8. 複数の太陽電池モジュールと、前記複数の太陽電池モジュールによって発生した電力を商用電力に変換する変換装置とを備えた太陽光発電装置の検査方法であって、
    前記変換装置による変換により生じる、前記複数の太陽電池モジュールの電力変化の周期に同期したトリガ信号を形成する形成工程と、
    前記複数の太陽電池モジュールにおける発熱を、形成された前記トリガ信号に同期して、撮影装置により撮影する撮影工程と、
    を備える、検査方法。
  9. 請求項8に記載の検査方法において、
    前記形成工程は、前記複数の太陽電池モジュールの電力変化の周期を検出する検出工程を備える、検査方法。
  10. 請求項8に記載の検査方法において、
    前記検査方法は、無人航空機おいて実施される、検査方法。
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