本発明の好適な実施形態では、表示装置は、一の地点に関する複数のアイコンが存在する場合に、前記複数のアイコンのうち少なくとも2つのアイコンが各々示す情報に共通する上位概念を表すアイコンを取得する取得部と、前記取得部により取得されたアイコンを、前記一の地点に対応付けて表示部に表示する表示制御部と、を備える。
上記表示装置は、取得部と、表示制御部とを有する。取得部は、一の地点に関する複数のアイコンが存在する場合に、前記複数のアイコンのうち少なくとも2つのアイコンが各々示す情報に共通する上位概念を表すアイコンを取得する。表示制御部は、取得部により取得されたアイコンを、一の地点に対応付けて表示部に表示する。この態様により、表示装置は、複数のアイコンを1つのアイコンにより代替して表示させ、表示の煩雑化を好適に抑制することができる。
上記表示装置の一態様では、表示装置は、前記複数のアイコンの各々が示す施設が属するカテゴリである第1カテゴリを記憶する記憶部を更に備え、前記取得部は、前記一の地点に関する複数のアイコンが存在する場合に、前記複数のアイコンのうち少なくとも2つのアイコンが示す施設の各々が共通して属する第1カテゴリを表すアイコンを取得する。この態様では、表示装置は、同一地点に対応付けて複数の施設のアイコンを表示する際に、これらの施設に共通するカテゴリのアイコンを表示することで、表示するアイコンの数を減らして表示の煩雑化を好適に抑制することができる。
上記表示装置の他の一態様では、前記記憶部は、前記第1カテゴリの上位概念を示す第2カテゴリをさらに記憶し、前記取得部は、前記一の地点に関して表示すべき複数のアイコンが存在する場合であり、前記複数のアイコンのうち少なくとも2つのアイコンが示す施設の各々が共通して属する第1カテゴリが存在しない場合に、前記複数のアイコンのうち少なくとも2つのアイコンが示す施設の各々が共通して属する第2カテゴリを表すアイコンを取得する。この態様では、表示装置は、第1カテゴリの上位概念である第2カテゴリが共通する複数の施設のアイコンを表示する際に、共通する第2カテゴリのアイコンを表示することで、表示するアイコンの数を減らして表示の煩雑化を好適に抑制することができる。
上記表示装置の他の一態様では、前記取得部は、前記一の地点に関するアイコンの数が所定個数より多い場合に、前記複数のアイコンのうち少なくとも2つのアイコンが各々示す情報の上位概念を表すアイコンを取得することで、前記一の地点に関して前記表示部に表示させるアイコンの数を前記所定個数以下にする。この態様により、表示装置は、一つの地点に対して表示するアイコンの数を制限して表示の煩雑化を好適に抑制することができる。
上記表示装置の他の一態様では、前記取得部は、前記上位概念を表すアイコンを取得する場合、ユーザの属性情報が示す国に対応するアイコンを取得する。この態様により、表示装置は、ユーザの国籍等によらず、ユーザが識別可能なアイコンを好適に表示することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、表示装置が実行する制御方法であって、一の地点に関する複数のアイコンが存在する場合に、前記複数のアイコンのうち少なくとも2つのアイコンが各々示す情報に共通する上位概念を表すアイコンを取得する取得工程と、前記取得工程により取得されたアイコンを、前記一の地点に対応付けて表示部に表示する表示制御工程と、を有する。表示装置は、この制御方法を実行することで、複数のアイコンを1つのアイコンにより代替して表示させ、表示の煩雑化を好適に抑制することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、表示装置のコンピュータが実行するプログラムであって、一の地点に関する複数のアイコンが存在する場合に、前記複数のアイコンのうち少なくとも2つのアイコンが各々示す情報に共通する上位概念を表すアイコンを取得する取得部と、前記取得部により取得されたアイコンを、前記一の地点に対応付けて表示部に表示する表示制御部として前記コンピュータを機能させる。コンピュータは、このプログラムを実行することで、複数のアイコンを1つのアイコンにより代替して表示させ、表示の煩雑化を好適に抑制することができる。好適には、上記プログラムは、記録媒体に記録されている。
以下、図面を参照して本発明の好適な各実施例について説明する。
[ナビゲーション装置の構成]
図1は、本発明における表示装置が適用されたナビゲーション装置1の概略構成を示す。
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、データ記憶ユニット31、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU22、ROM23及びRAM24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。システムコントローラ20は、本発明における「取得部」、「表示制御部」、及び本発明におけるプログラムを実行するコンピュータの一例である。
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
システムコントローラ20、データ記憶ユニット31、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
データ記憶ユニット31は、例えば、HDD又はSDカード(登録商標)などの記憶媒体などにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。本実施例では、データ記憶ユニット31は、地図データの一部として、地点情報DB32と、アイコンDB33とを有する。データ記憶ユニット31は、本発明における「記憶部」の一例である。
地点情報DB32は、各地点に存在する施設の情報を含む地点情報が登録されたデータベースである。図2は、地点情報DB32のデータ構造の一例を示す。図2に示すように、地点情報DB32の各レコードを構成する地点情報は、施設の名称である施設名、当該施設が存在する地点の緯度経度、第2層、第1層、第0層の各カテゴリ等を含む。
地点情報DB32に登録されるカテゴリは、階層構造を有し、対応する施設が属する最も下位概念のカテゴリが第2層のカテゴリに相当し、第2層のカテゴリよりも1階層だけ上位概念のカテゴリが第1層のカテゴリに相当し、最上位概念のカテゴリが第0層のカテゴリに相当する。例えば、施設名「○○ドラッグストア 川越店」の地点情報には、第2層のカテゴリとして、対象の施設が属するチェーン店の一般名称を示す「○○ドラッグストア」が登録され、第1層のカテゴリとして、取り扱う商品に基づき対象施設を分類した名称である「ドラッグストア」が登録され、第0層のカテゴリとして、第1層のカテゴリよりもさらに大まかに対象施設を分類した名称である「商店」が登録されている。
再び図1を参照してアイコンDB33について説明する。アイコンDB33は、地点情報の各カテゴリに対応したアイコン画像(「個別アイコン」とも呼ぶ。)が登録されたデータベースである。具体的には、アイコンDB33には、第2層〜第0層のカテゴリとして地点情報DB32に登録された各カテゴリに対応する個別アイコンが登録されている。個別アイコンは、後述するように、複数の個別アイコンをまとめて1つの地点に対応付けるためのアイコン画像(「包括アイコン」とも呼ぶ。)上に表示される。
通信装置38は、VICS(登録商標、Vehicle Information Communication System)センタから配信される道路交通情報、その他の情報を受信する。なお、通信装置38は、システムコントローラ20の制御に基づき、通信網を介して通信可能なサーバから、データ記憶ユニット31に記憶させる地点情報や各施設のカテゴリに対応した個別アイコンなどの情報を受信してもよい。
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット31から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット31から読み出された地図データを、ディスプレイなどの表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。ディスプレイ44は、本発明における「表示部」の一例である。
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、RAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
[アイコン表示処理]
次に、システムコントローラ20が実行する個別アイコンの表示処理について説明する。
(1)ブロック構成
図3は、本実施例におけるシステムコントローラ20の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、システムコントローラ20は、機能的には、地点情報収集部25と、アイコン成型部26と、共通カテゴリ抽出部27とを有する。
地点情報収集部25は、ディスプレイ44に表示する地図のエリア内に関連付けられた地点情報を地点情報DB32から抽出する。なお、地点情報収集部25は、地点情報DB32から地点情報を取得するのに加え、又はこれに代えて、通信装置38により通信網を介して地点情報を記憶するサーバ装置と通信を行うことで、地図の表示エリア内の地点情報を取得してもよい。
アイコン成型部26は、地点情報収集部25が抽出した地点情報に対応する個別アイコンをアイコンDB33から抽出し、関連付けられた位置が同一又は近接した複数の個別アイコンごとに包括アイコン上にまとめて表示させる。ここで、包括アイコンの表示例について、図4を参照して説明する。
図4は、包括アイコンが表示されたディスプレイ44の表示例を示す。図4の例では、システムコントローラ20は、ディスプレイ44に、現在位置周辺の地図を表示すると共に、現在位置を示す現在位置マーク70と、案内経路を示す経路線71と、包括アイコン72、73とを、地図上に表示している。
図4では、システムコントローラ20は、複数の地点情報が関連付けられた複合施設Xに対応付けて包括アイコン72を表示すると共に、商店街Yに対応付けて包括アイコン73を表示している。包括アイコン72、73は、破線により区切られた4つの分割領域を有し、システムコントローラ20は、これらの各分割領域に個別アイコンを表示している。具体的には、システムコントローラ20は、包括アイコン72には、個別アイコン74A〜74Dを表示し、包括アイコン73には、個別アイコン74E〜74Hを表示している。なお、包括アイコン72、73内の分割領域の境界を示す破線は、実際には非表示であってもよい。
この場合、地点情報収集部25は、まず、ディスプレイ44に表示するエリアの緯度及び経度の範囲を特定し、当該範囲に属する地点情報を地点情報DB32等から取得する。次に、アイコン成型部26は、関連付けられた位置が同一又は所定距離以内に近接した地点情報が所定個数以上あると判定した場合に、当該地点情報ごとに包括アイコンを表示する。図4の例では、アイコン成型部26は、地点情報が示す地点が所定距離以内に密集する複合施設X及び商店街Yの各々に対し、包括アイコン72、73を表示する。この場合、アイコン成型部26は、各包括アイコン72、73を、対象の複数の地点情報が関連付けられた地点(地点情報ごとに対応する地点が異なる場合にはこれらの代表地点)に対応付けて表示させる。以後では、包括アイコンを対応付けて表示させる地点を、「表示対象地点」とも呼ぶ。
ここで、アイコン成型部26は、包括アイコンに対応する地点情報の数が、包括アイコンにより表示可能な個別アイコンの上限個数(「表示上限個数Nth」とも呼ぶ。)以下(ここでは4個以下)の場合、対応する地点情報ごとに個別アイコンを包括アイコン内に表示させる。具体的には、アイコン成型部26は、対象の包括アイコンに対応する各地点情報の第2層(即ち最も下位)のカテゴリに対応する個別アイコンをアイコンDB33から抽出し、対応する包括アイコンに表示させる。
一方、アイコン成型部26は、包括アイコンに対応する各地点情報の数が、表示上限個数Nth(ここでは4個)より多い場合、少なくとも2以上の地点情報に共通するカテゴリ(単に「共通カテゴリ」とも呼ぶ。)に対応する個別アイコンを、地点情報ごとの個別アイコンの代わりに用いることで、表示すべき個別アイコンを表示上限個数Nth以下に減少させる。表示上限個数Nthは本発明における「所定個数」の一例であり、共通カテゴリに対応する個別アイコンは本発明における「上位概念を表すアイコン」の一例である。
共通カテゴリ抽出部27は、上述した共通カテゴリの抽出処理を行う。具体的には、共通カテゴリ抽出部27は、対象の包括アイコンに対応する各地点情報に含まれる第1層のカテゴリを参照する。そして、共通カテゴリ抽出部27は、第1層のカテゴリが共通する地点情報が存在する場合に、当該第1層のカテゴリを共通カテゴリとして認識する。
また、共通カテゴリ抽出部27は、第1層のカテゴリが共通する地点情報が存在しない場合、又は、第1層のカテゴリが共通する地点情報の個別アイコンを1つの個別アイコンにより代替しても、表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nth以下にならない場合、各地点情報に含まれる第0層のカテゴリをさらに参照する。そして、共通カテゴリ抽出部27は、第0層のカテゴリが共通する複数の地点情報の組が新たに存在した場合、当該第0層のカテゴリを共通カテゴリとして認識する。
このように、共通カテゴリ抽出部27は、表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nth以下になるように、共通カテゴリを設定し、設定した共通カテゴリの情報をアイコン成型部26へ通知する。第1層のカテゴリは、本発明における「第1カテゴリ」の一例であり、第0層のカテゴリは、本発明における「第2カテゴリ」の一例である。
図5(A)は、4つの地点情報α、β、γ、δに対する第2層〜第0層のカテゴリの関係を示す図である。図5(A)の例では、地点情報α〜δの第2層のカテゴリは、それぞれ、「カテゴリAa1」、「カテゴリAb1」、「カテゴリAb2」、「カテゴリAb3」である。そして、地点情報αの第1層のカテゴリは、「カテゴリAa」であり、地点情報β〜δの第1層のカテゴリは、「カテゴリAb」で共通している。さらに、全ての地点情報α〜δの第0層のカテゴリは、「カテゴリA」で共通している。
よって、この場合、共通カテゴリ抽出部27は、第1層のカテゴリ「カテゴリAb」を共通カテゴリとして設定し、「カテゴリAb」に対応する個別アイコンを用いることで、3つの地点情報β〜δを1つの個別アイコンで表すことができる。また、共通カテゴリ抽出部27は、第0層のカテゴリ「カテゴリA」を共通カテゴリとして設定し、「カテゴリA」に対応する個別アイコンを用いることで、4つの地点情報α〜δを1つの個別アイコンで表すことができる。
図5(B)は、図2に示す地点情報DB32の1番目から4番目のレコードに対応する地点情報の各階層のカテゴリの関係を表した図である。図5(B)に示すように、図2の2番目から4番目のレコードに対応する地点情報は、第1層のカテゴリが「コンビニエンスストア」で共通している。さらに、図2の1番目から4番目のレコードに対応する地点情報は、第0層のカテゴリが「商店」で共通している。この場合も同様に、共通カテゴリ抽出部27は、第1層のカテゴリ「コンビニエンスストア」を共通カテゴリとして設定することで、図2の2番目から4番目のレコードに対応する3つの地点情報を1つの個別アイコンで表すことができる。また、共通カテゴリ抽出部27は、第0層のカテゴリ「商店」を共通カテゴリとして設定することで、図2の1番目から4番目のレコードに対応する4つの地点情報を1つの個別アイコンで表すことができる。
(2)包括アイコンの成型処理の具体例
図6(A)〜(D)は、表示上限個数Nthが4個である包括アイコンに7つの地点情報に対応する個別アイコンを表示させる場合の処理の具体的な流れを示す図である。
図6(A)は、図5(A)の地点情報α〜δを含む地点情報α〜ηの各々の第2層のカテゴリに対応する7つの個別アイコン「Aa1」、「Ab1」、「Ab2」、「Ab3」、「Ba1」、「Ca1」、「Da1」を示す。なお、地点情報ε〜ηは、いずれも、他の地点情報と共通する第1層又は第0層のカテゴリが存在しないものとする。この場合、共通カテゴリ抽出部27は、まず、各地点情報α〜ηから、個別アイコンAa1、Ab1、Ab2、Ab3、Ba1、Ca1、Da1に対応する第2層のカテゴリより1つ上位の第1層のカテゴリを抽出し、共通するカテゴリの有無を判定する。この例では、共通カテゴリ抽出部27は、図5(A)に示す関係に基づき、3つの地点情報β〜δで共通する第1層のカテゴリ「カテゴリAb」を共通カテゴリとして設定する。この場合、アイコン成型部26は、個別アイコンAb1〜Ab3の代わりに、「カテゴリAb」に対応する個別アイコン「Ab」を用いて地点情報β〜δを表すことになる。
図6(B)は、第1層のカテゴリ「カテゴリAb」を共通カテゴリとして設定した後の包括アイコンに表示すべき個別アイコンを並べた図である。図6(B)に示すように、この場合、包括アイコンに表示すべき個別アイコンは、図6(A)の場合より2つ減少して5個となっている。この場合、共通カテゴリ抽出部27は、包括アイコンに表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nth(ここでは4個)より多いことから、さらに別の共通カテゴリの選定を行う。ここでは、第1層のカテゴリで「カテゴリAb」以外の共通カテゴリが存在しないことから、共通カテゴリ抽出部27は、第1層のカテゴリより1つ上位の第0層のカテゴリを各地点情報α〜ηから抽出し、共通するカテゴリの有無を判定する。この例では、共通カテゴリ抽出部27は、図5(A)に示す関係に基づき、地点情報α〜δで共通する第0層のカテゴリ「カテゴリA」を共通カテゴリとして設定する。この場合、アイコン成型部26は、個別アイコンAa1、Abの代わりに、「カテゴリA」に対応する個別アイコン「A」を用いて4つの地点情報α〜δを表すことになる。
図6(C)は、第1層のカテゴリ「カテゴリA」を共通カテゴリとして設定した後の包括アイコンに表示すべき個別アイコンを並べた図である。図6(C)に示すように、この場合、包括アイコンに表示すべき個別アイコンは、図6(B)の場合より1つ減少して表示上限個数Nthと同数の4個となっている。よって、アイコン成型部26は、地点情報α〜δの共通カテゴリ「カテゴリA」に対応する個別アイコンAを用いることで、対象の包括アイコンに表示すべき個別アイコンを全て表示させることができると判断し、対応する包括アイコンを地図上に表示させる。
図6(D)は、地図上に表示される包括アイコンを示す。図6(D)に示すように、アイコン成型部26は、包括アイコンの各分割領域に図6(C)に示す個別アイコンを1つずつ表示させている。この例によれば、アイコン成型部26は、包括アイコンに対応する地点に存在する施設が表示上限個数Nthより多く存在した場合であっても、これらの全ての施設に対する包括的な情報を、包括アイコンにより好適に表示させることができる。
(3)処理フロー
図7は、本実施例におけるアイコン表示処理の手順を示すフローチャートである。システムコントローラ20は、図7に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
まず、地点情報収集部25は、地図として表示する表示対象エリアに含まれる地点情報を地点情報DB32等から取得する(ステップS101)。この場合、地点情報収集部25は、自立測位装置10及びGPS受信機18の出力に基づき認識した現在位置周辺の地図を、予め設定された縮尺により表示し、表示対象エリアの緯度経度の範囲内の地点と関連付けられた地点情報を取得する。
次に、アイコン成型部26は、所定個数以上の地点情報を表示すべき地点を、包括アイコンの表示対象地点として特定する(ステップS101)。この場合、例えば、アイコン成型部26は、関連付けられた位置が同一又は所定距離以内に近接した地点情報が所定個数以上存在する場合に、包括アイコンを表示すべきと判断し、これらの地点情報に関連付けられた位置に基づいた表示対象地点を設定する。この場合、好適には、アイコン成型部26は、地図の縮尺が小さいほど(即ち地図が広域表示であるほど)、上述の所定距離を長い距離に設定するとよい。これにより、アイコン成型部26は、地図を広域表示にした場合に、1つの包括アイコンに対応付ける地点情報の数を多くし、多数の包括アイコンが乱立して表示されるのを防ぐ。
次に、アイコン成型部26は、包括アイコンに表示すべき地点情報を表す個別アイコンが表示上限個数Nthよりも多いか否か判定する(ステップS102)。そして、アイコン成型部26は、包括アイコンに表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nthより多い場合(ステップS102;Yes)、ステップS103へ処理を進める。一方、アイコン成型部26は、包括アイコンに表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nth以下の場合(ステップS102;No)、包括アイコンの各分割領域に個別アイコンを表示させた包括アイコンを、ステップS101で特定した表示対象地点に対応付けて表示する(ステップS108)。なお、アイコン成型部26は、包括アイコンに表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nth未満である場合には、包括アイコン内の分割領域の数が表示すべき個別アイコンの個数と同数になるように分割領域を再設定することで、包括アイコン内に不要な空白スペースが発生するのを防いでもよい。なお、後述するステップS106の個別アイコンの統合処理を行うことなくステップS108を実行する場合、アイコン成型部26は、包括アイコンに表示される個別アイコンとして、各地点情報の第2層のカテゴリに対応する個別アイコンをアイコンDB33から抽出して表示する。
次に、ステップS103では、共通カテゴリ抽出部27は、表示すべき包括アイコンに対応する地点情報に、現在より上位階層のカテゴリが記録されているか否か判定する(ステップS103)。具体的には、共通カテゴリ抽出部27は、ステップS103を最初に実行する場合には、最下位である第2層より上位階層の第1層又は第0層のカテゴリが地点情報に記録されているか否か判定し、ステップS103を2回目に実行する場合には、第1層より上位層の第0層のカテゴリが地点情報に記録されているか否か判定する。なお、共通カテゴリ抽出部27は、ステップS103を3回目に実行する場合には、現在より上位のカテゴリが記録されていないと判定する。
そして、共通カテゴリ抽出部27は、表示すべき包括アイコンに対応する地点情報に、現在より上位のカテゴリが記録されていると判断した場合(ステップS103;Yes)、ステップS104へ処理を進める。一方、包括アイコンに個別アイコンとして表示すべき地点情報に、現在より上位のカテゴリが記録されていない場合(ステップS103;No)、アイコン成型部26は、表示上限個数Nth以下になるように、個別アイコンを選定する処理を行う(ステップS107)。即ち、この場合には、アイコン成型部26は、図6等で説明した共通カテゴリの抽出に基づく個別アイコンの代替によっては、表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nth以下にならないと判断し、包括アイコンに配置する表示上限個数Nthの個別アイコンを、所定の規則に従い又は無作為に選定する。
そして、ステップS104では、共通カテゴリ抽出部27は、包括アイコンに表示すべき地点情報から現在よりも1階層上のカテゴリを抽出する(ステップS104)。具体的には、共通カテゴリ抽出部27は、ステップS104を最初に実行する場合には、最下位層である第2層より1階層だけ上位の第1層のカテゴリを抽出し、ステップS104を2回目に実行する場合には、第1層より1階層だけ上位の第0層のカテゴリを抽出する。
次に、共通カテゴリ抽出部27は、複数の地点情報で同一となる共通カテゴリが存在するか否か判定する(ステップS105)。そして、共通カテゴリが存在すると共通カテゴリ抽出部27が判断した場合(ステップS105;Yes)、アイコン成型部26は、共通カテゴリに属する複数の地点情報に対応する個別アイコンを、共通カテゴリに対応する個別アイコンにより代替する(ステップS106)。これにより、アイコン成型部26は、表示対象地点に関連する地点情報を個別的又は包括的に個別アイコンにより表示しつつ、表示すべき個別アイコンの数を好適に削減することができる。その後、アイコン成型部26は、ステップS102へ処理を戻し、再び包括アイコンに表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nthより多いか否か判定する。
以上説明したように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、一の地点に対して表示すべき複数の個別アイコンが存在する場合に、これらの複数の個別アイコンのうち少なくとも2つの個別アイコンが各々示す施設に共通する共通カテゴリの個別アイコンを取得する。そして、ナビゲーション装置1は、取得した共通カテゴリの個別アイコンを配置した包括アイコンを、地図上の一の地点に対応付けてディスプレイ44に表示する。この態様により、ナビゲーション装置1は、一の地点に対応する複数の個別アイコンを1つの個別アイコンにより代替して表示させ、表示の煩雑化を好適に抑制することができる。
[変形例]
次に、実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。
(変形例1)
図2に示す地点情報には、第2層、第1層、第0層の3層のカテゴリが記録されていた。しかし、本発明が適用可能な態様は、これに限定されない。
これに代えて、地点情報には、2階層又は4階層以上のカテゴリが記録されてもよい。この場合であっても、システムコントローラ20は、図7のフローチャートの処理に従い、下位の階層から順に共通カテゴリを探索し、複数の個別アイコンを共通カテゴリに対応する1の個別カテゴリにより代替することで、表示すべき個別アイコンを表示上限個数Nth以下にする。これにより、システムコントローラ20は、表示対象地点に関連する地点情報を、個別アイコンにより好適に地図画面上に表示することができる。
(変形例2)
図2の例では、地点情報DB32には、地点情報ごとに各階層のカテゴリが記録されていた。これに代えて、地点情報DB32には、最下位層である第2層のカテゴリのみが記録され、第2層より上位の階層のカテゴリについては別テーブルに規定されていてもよい。
この場合、例えば、データ記憶ユニット31は、図5(B)に示すような第2層から第0層までの各階層間のカテゴリの対応関係を示すテーブルを予め記憶しておく。そして、システムコントローラ20は、図7のフローチャートのステップS103及びステップS104では、対象の地点情報に加えて、上述のテーブルを参照して上位階層のカテゴリの存在の有無等を判定する。この態様によっても、ナビゲーション装置1は、図7のフローチャートを実行することで、複数の地点情報を適宜1つの個別アイコンによりまとめて表して表示の煩雑化を抑制することができる。
(変形例3)
ナビゲーション装置1は、施設を表す個別アイコンに加えて、天候やイベントなどを表す個別アイコンをさらに包括アイコン内に表示させてもよい。
ここで、包括アイコンに天候に関連する個別アイコンを表示させる場合について説明する。この場合、まず、ナビゲーション装置1は、包括アイコンの表示対象地点の天候情報を通信装置38により通信網を介してサーバ装置から受信する。そして、ナビゲーション装置1は、受信した天候情報が示す天候を表す個別アイコンをアイコンDB33から抽出し、対象の包括アイコンに表示すべき個別アイコンとして認識する。この場合、アイコンDB33には、各天候に対応した個別アイコンが予め記録されている。ここで、天候に対応した個別アイコンは、晴れ、曇り、雨などの気象状態の他、風の強さや気温の高低などの気象状態を表すものであってもよく、サーバ装置から受信する天候情報には、複数の気象状態を表す情報が含まれていてもよい。
そして、ナビゲーション装置1は、複数の気象状態(例えば雨と強風)を示す天候情報を受信した場合、それぞれの気象状態を表す個別アイコンが対象の包括アイコンに表示すべき個別アイコンであると認識する。このとき、ナビゲーション装置1は、対象の包括アイコンに表示すべき個別アイコンが表示上限個数Nthより多い場合、天候に関連する複数の個別アイコンを、実施例と同様に、1個の個別アイコンにより代替する処理を行ってもよい。この場合、ナビゲーション装置1は、複数の気象状態の組合せと当該組合せに対応する個別アイコンとの関係を示すテーブル等を予め記憶しておき、当該テーブル等を参照することで、天候情報が示す複数の気象状態に対応する1個の個別アイコンをアイコンDB33から抽出する。例えば、ナビゲーション装置1は、雨と強風を示す天候情報を受信した場合、荒れた天候であることを示す1個の個別アイコンをアイコンDB33から抽出し、包括アイコンに表示させる。これにより、ナビゲーション装置1は、包括アイコンに表示すべき個別アイコンの数を好適に削減することができる。
また、ナビゲーション装置1は、気象状態(例えば豪雨、雨など)を示す天候情報と地点情報(冠水注意地点、事故多発地点など)を取得して1つの包括アイコンに各情報に対応する個別アイコンを表示すべき場合、これらの組合せの上位概念を抽出して当該上位概念に対応する個別アイコンを表示させてもよい。例えば、ナビゲーション装置1は、天候情報“豪雨”と地点情報“冠水注意地点”を包括した上位概念“走行不可”や、天候情報“雨”と地点情報“事故多発地点”を包括した上位概念“走行注意”に対応した注意喚起を示す個別アイコンを表示するようにしてもよい。その場合、地点情報DB32に登録されている地点情報には、施設の名称である施設名、当該施設が存在する地点の緯度経度、第2層、第1層、第0層の各カテゴリの他に、各地点における注意情報(冠水注意地点、事故多発地点などの情報)が予め記録されている。
同様に、ナビゲーション装置1は、イベントに関する個別アイコンを包括アイコン上に表示させてもよい。この場合、まず、ナビゲーション装置1は、包括アイコンの表示対象地点のイベント情報を通信装置38により通信網を介してサーバ装置から受信する。そして、ナビゲーション装置1は、受信したイベント情報が示すイベントに対応する個別アイコンを、対象の包括アイコンに表示すべき個別アイコンとしてアイコンDB33から抽出する。この場合、アイコンDB33には、各イベントに対応した個別アイコンが予め記録されている。この例によれば、ナビゲーション装置1は、個別アイコンにより、表示対象地点周辺のイベント情報を地図上で好適に表すことができる。
(変形例4)
ナビゲーション装置1は、国籍や言語設定などのユーザ属性に基づき、共通カテゴリに対応する個別アイコンを変えてもよい。
例えば、データ記憶ユニット31は、共通カテゴリとなり得る第1層及び第0層の各カテゴリに対し、国ごとに適した個別アイコンを、アイコンDB33に予め記憶しておく。そして、アイコン成型部26は、共通カテゴリ抽出部27が抽出した共通カテゴリに対応する個別アイコンをアイコンDB33から抽出する場合、データ記憶ユニット31等に記憶されたユーザの国籍又は言語設定の情報を参照し、該当する国に対応する個別アイコンをアイコンDB33から抽出する。このようにすることで、ナビゲーション装置1は、外国人のユーザに対して日本語の頭文字などのユーザが理解不能な文字等を表した個別アイコンを表示するのを好適に抑制することができる。