JP2017149780A - ヒアルロン酸含有乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、ヒアルロン酸は、医薬品や化粧品の成分として多用されている。しかし、ヒアルロン酸は高分子であるため、外用剤成分として用いる場合、皮膚に浸透し難く、実用上十分にその作用を発揮できない。
ヒアルロン酸の経皮吸収性を高める試みとして、特許文献1は、平均分子量が5000〜20000であり、かつ分子量1万以下の成分の割合が40重量%以上でかつ分子量5万以上の成分の割合が5重量%以下である低分子ヒアルロン酸が皮膚浸透性が良いことを教えている。
乳化組成物には、肌への皮膜性を高めるため、又はコクのある使用感を出すために、固形油性成分を配合することが一般的である。
しかし、固形油性成分を含む乳化組成物に低分子化したヒアルロン酸を添加すると、ザラザラ又はモロモロした不均一な組成物になってしまう。このため、肌とのなじみやのびが悪くなり、またコクの損なわれた使用感となるために、商品価値の低い乳化組成物になる。
(A)分解ヒアルロン酸、又はその塩、及び(B)25℃で固体の油性成分を含む乳化組成物に、さらに、(C)(C-1)炭素数4〜12の脂肪酸グリセリルエステル、(C-2)炭素数4〜12のアルキルグリセリルエーテル、及び(C-3)炭素数4〜12のアルケニルグリセリルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を加えることにより、均一でなめらかな乳化組成物になることを見出した。
項1. 下記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含む乳化組成物。
(A)分解ヒアルロン酸、又は薬学的に許容されるその塩
(B)25℃で固体の油性成分
(C)下記(C-1)〜(C-3) からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
(C-1)炭素数4〜12の脂肪酸グリセリルエステル、
(C-2)炭素数4〜12のアルキルグリセリルエーテル、及び
(C-3)炭素数4〜12のアルケニルグリセリルエーテル
項2. (A)成分の分解ヒアルロン酸の重量平均分子量が100kDa以下である項1に記載の乳化組成物。
項3. (A)成分の含有量が、乳化組成物の全量に対して、乾燥重量で、0.001〜10重量%である、項1又は2に記載の乳化組成物。
項4. (B)成分が、
(B-1)炭素数14以上の直鎖の飽和の高級アルコール
(B-2)炭素数14以上の直鎖の飽和の脂肪酸グリセリルエステル、及び
(B-3)植物油
からなる群より選ばれる少なくとも1種の油性成分である項1〜3のいずれかに記載の乳化組成物。
項5. (B)成分の含有量が、乳化組成物の全量に対して、0.01〜10重量%である、項1〜4のいずれかに記載の乳化組成物。
項6. (C)成分の含有量が、乳化組成物の全量に対して、0.01〜5重量%である、項1〜5のいずれかに記載の乳化組成物。
項7. (C-1)成分が、カプリル酸グリセリルエステルである、項1〜6のいずれかに記載の乳化組成物。
項8. (C-2)成分が、2-エチルヘキシルグリセリルエーテルである、項1〜7のいずれかに記載の乳化組成物。
項9. さらに、カルボキシビニルポリマー、及びアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の増粘剤を含む項1〜8のいずれかに記載の乳化組成物。
項10. 増粘剤の含有量が、乳化組成物の全量に対して、0.001〜10重量%である、項1〜9のいずれかに記載の乳化組成物。
(A)成分(分解ヒアルロン酸又はその塩)
分解ヒアルロン酸は、高分子ヒアルロン酸を分解することにより得ることができる。高分子ヒアルロン酸は、鶏冠や、臍の緒、眼球、皮膚、及び軟骨などの動物組織、ストレプトコッカス属微生物などのヒアルロン酸生産微生物、動物細胞もしくは植物細胞の培養物から抽出、回収することができる。また、市販品を購入することもできる。
高分子ヒアルロン酸を、塩酸のような酸の存在下で加水分解することにより、ヒアルロニダーゼなどの酵素を用いて処理することにより、又は超音波や剪断によって物理的に切断することにより、分解ヒアルロン酸を調製することができる。
本発明において、重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定される値である。その条件は、(カラム:TSKgel GMPWXL 7.8mm×30cm(東ソー(株)製)、カラム温度:40℃付近の一定温度、検出器:示差屈折率計、移動相:0.2mol/L NaCl、流量:0.3mL/分、注入量:100μL、標準物質:プルラン標準品(STANDARD P-82、昭和電工(株)製))である。
本発明において「分解ヒアルロン酸亜鉛」とは、一般的な亜鉛塩を意味するが、具体的には、分解ヒアルロン酸を構成するカルボキシル基に由来するカルボキシルイオン(COO−)と亜鉛イオン(Zn2+)との相互作用により形成される会合物(複合体)をいう。具体的には、通常、分解ヒアルロン酸中のカルボキシルイオン2個に対して亜鉛イオン1個が相互作用した構造を有することができる。
(B)25℃で固体の油性成分は、乳化組成物にコクのある使用感を与える役割を果たす。
25℃で固体の油性成分としては、化粧品や医薬外用剤の油性成分として通常使用されているものを制限無く使用できる。25℃で固体の油性成分としては、例えば、以下の(B-1)〜(B-3)の成分が挙げられる。
(B-1)炭素数14以上の直鎖の飽和の高級アルコール
(B-2)炭素数14以上の直鎖の飽和の脂肪酸のグリセリルエステル、及び
(B-3)植物油
(B-2)直鎖の飽和の脂肪酸グリセリルエステルの炭素数の上限は、通常22程度である。
炭素数14以上の直鎖の飽和の脂肪酸グリセリンエステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステルのいずれでもよく、あるいはこれらの混合物でもよい。トリエステルとしては、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリルなどのトリグリセリンが挙げられる。
炭素数14以上の直鎖の飽和の脂肪酸グリセリンエステル類は、公知の方法で製造することができる。このような公知の方法として、グリセリンと脂肪酸とを酸性またはアルカリ性の触媒存在下あるいは無触媒下でエステル化して得る方法、油脂類とグリセリンとを触媒存在下でエステル交換反応して得る方法、グリセリン又は特定の水酸基を保護したグリセリンをピリジン等の塩基の存在下に脂肪酸クロライドでエステル化する方法、脂肪酸アリルを酸化的にジヒドロキシル化して得る方法等が挙げられる。
(B)成分の含有量は、乳化組成物の全量に対して、約0.01〜10重量%が好ましく、約0.1〜5重量%がより好ましく、約0.5〜3重量%がさらにより好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲であれば、十分な乳化安定性が得られ、またコクのある乳化物になる。
また、(A)成分と(B)成分との含有量の比率は、重量比で、(A)成分(乾燥重量):(B)成分が約1: 0.1〜100であるのが好ましく、約1: 0.5〜50であるのがより好ましく、約1: 1〜30であるのがさらにより好ましい。(A)成分に対する(B)成分の含有量の比率が上記範囲であれば、十分な乳化安定性が得られ、コクのある乳化物になる。
(C)成分は、乳化組成物に抗菌力を与え、(A)分解ヒアルロン酸又はその塩と (B)25℃で固形の油性成分とを含む組成物がザラザラ又はモロモロした不均一な組成物になるのを抑制し、さらに、肌なじみやのびが良好で使用感が良い乳化組成物とする役割を果たす。
(C-1)炭素数4〜12の脂肪酸グリセリンエステル
(C-1)炭素数4〜12の脂肪酸グリセリンエステルは、直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪酸グリセリンエステルであり、ブタン酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸等の脂肪酸グリセリンエステルを挙げることができる。中でも、カプリル酸、カプリン酸が好ましく、カプリル酸がより好ましい。
炭素数4〜12の脂肪酸グリセリンエステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステルのいずれでもよく、あるいはこれらの混合物でも良い。特に好ましいのはモノ脂肪酸グリセリンエステルを60%以上含むものである。
炭素数4〜12の脂肪酸グリセリンエステルは、(B-2)成分について述べたのと同じ方法で製造できる。
(C-3)炭素数4〜12のアルケニルグリセリルエーテル
炭素数4〜12のアルキルグリセリルエーテルは、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するものであり、ブチルグリセリルエーテル、アミルグリセリルエーテル、ヘキシルグリセリルエーテル、ヘプチルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、ノニルグリセリルエーテル、デシルグリセリルエーテル、ウンデシルグリセリルエーテル、ドデシルグリセリルエーテルなどが挙げられる。中でも、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル好ましい。
炭素数4〜12のアルキルグリセリルエーテルは、モノアルキルグリセリルエーテル、ジアルキルグリセリルエーテル、又はトリアルキルグリセリルエーテルのいずれでも良く、又はこれらの混合物でもよい。特に好ましいのは、モノアルキルグリセリルエーテルを60%以上含むものである。
また、炭素数4〜12のアルケニルグリセリルエーテルは、直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を有するものである。
炭素数4〜12のアルケニルグリセリルエーテルは、モノアルケニルグリセリルエーテル、ジアルケニルグリセリルエーテル、又はトリアルケニルグリセリルエーテルのいずれでも良く、これらの混合物でもよいが、特に好ましいのは、モノアルケニルグリセリルエーテルを60%以上含むものである。
(C-1)〜(C-3)の中では、(C-1)及び(C-2)が好ましい。中でも、(C-2)が好ましい。(C-1)と(C-2)とを組み合わせて使用することも好ましく、この場合、例えば、ニコガード88(日光ケミカルズ(株);カプリル酸グリセリルと2-エチルヘキシルグリセロールとの混合物)などの市販品を用いることもできる。
また、(A)成分と(C)成分との含有量の比率は、重量比で、(A)成分(乾燥重量):(C)成分が約1: 0.01〜1000であるのが好ましく、約1: 0.1〜1000であるのがより好ましく、約1: 1〜100であるのがさらにより好ましい。(A)成分に対する(C)成分の含有量の比率が上記範囲であれば、乳化組成物の抗菌力が実用上十分になり、ザラザラ又はモロモロした不均一な組成物にならず、また肌なじみやのびが良好で、使用感が良い乳化組成物となる。また、(A)成分に対する(C)成分の含有量の比率が上記範囲であれば、肌への刺激がなく、またコクのある使用感の乳化物となる。
本発明の乳化組成物は、さらに増粘剤を含むことが好ましく、これにより、乳化安定性が一層優れた組成物となる。
増粘剤は、化粧品や医薬外用剤の増粘剤として公知のものを制限なく使用できる。このような公知の増粘剤として、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ペクチン、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリイソステアリン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシドなどが挙げられる。中でも、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体が好ましく、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体がより好ましい。
増粘剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
増粘剤の含有量は、乳化組成物の全量に対して、約0.001〜10重量%が好ましく、約0.01〜5重量%がより好ましく、約0.05〜2重量%がさらにより好ましい。増粘剤の含有量が上記範囲であれば、乳化安定性が一層優れ、コクのある使用感が得られるとともに、のびの良い、肌なじみが良好な乳化組成物となる。
本発明の乳化組成物は、W/O型、O/W型の何れであってもよいが、O/W型の方が好ましい。分解ヒアルロン酸は通常水相に含まれる。これにより分解ヒアルロン酸の作用が一層効果的に奏される。
本発明の乳化組成物のpHは、皮膚外用剤のpHとして通常用いられる範囲であればよいが、中でも、約4〜7が好ましく、約4.5〜6.5がより好ましい。上記pH範囲であれば、皮膚刺激がない。
本発明の乳化組成物は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び必要に応じてさらに増粘剤を、化粧料に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて添加剤と共に混合して、化粧料組成物とすることができる。
<化粧料組成物の形態>
化粧料組成物の形態は特に限定されず、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、ハンドクリーム、ボディローション、ボディークリームのような基礎化粧料;洗顔料、メイク落とし、ボディーシャンプーのような洗浄用化粧料;ファンデーション、化粧下地、リップクリーム、口紅、チークカラーのようなメークアップ化粧料;入浴剤などが挙げられる。
基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(トリオクタノイン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなトリ脂肪酸グリセリド;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコールなどの多価アルコール;水などの水系基剤などが挙げられる。
中でも、油性基剤又は担体と水とを含む製剤である場合の好ましい油性基剤又は担体は、スクワラン、トリ脂肪酸グリセリド等である。
また、化粧料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に添加される公知の添加剤、例えば界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料、パール光沢付与剤等を添加することができる。添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸のようなグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリルのようなポリグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
刺激低減剤としては、甘草エキス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
パール光沢付与剤としては、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、ジステアリン酸エチレングリコールが好ましい。
添加剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明の化粧料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。
有効成分の具体例として、化粧料成分として一般に使用される、例えば、抗酸化成分、老化防止成分、抗炎症成分、美白成分、細胞賦活化成分、ビタミン類、血行促進成分、保湿成分、DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、抗糖化成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、ヒドロキノン配糖体及びそのエステル類などが挙げられる。
中でも、分解ヒアルロン酸と組み合わせることができる好適なその他の有効成分として、パンテノール、トコフェロールなどのビタミン類、グリチルリチン酸二カリウムなどのグリチルリチン酸誘導体などが挙げられる。特に、パンテノールが好ましい。
また、本発明の外用組成物は、分解ヒアルロン酸を、医薬有効成分、医薬外用組成物に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて添加剤と共に混合して、医薬外用組成物とすることができる。
<医薬外用組成物の形態>
医薬外用組成物の形態は特に限定されず、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤又はパップ剤などが挙げられる。これらの製剤は、第15改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
基剤又は担体としては、水、生理食塩液、イソプロパノール、濃グリセリン、エタノール、プロピレングリコール又はマクロゴール400等の溶剤;
中鎖脂肪酸トリグリセリド、ハードファット等の合成油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、スクワラン等又はこれらの硬化油等の脂肪油;
流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン等の油性基剤;
イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸又は水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸;
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコールなどが挙げられる。
基剤又は担体は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
中でも、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
添加剤としては、懸濁化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤などが挙げられる。
懸濁化剤、増粘剤、又はゲル化剤として使用できる成分としては、アラビアゴム、モノステアリン酸アルミニウム又は水溶性高分子[例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、ポピドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール941;Noveon,Inc.製等;カルボマーともいう。)]等が挙げられる。
乳化剤としては、ステアリン酸ポリオキシル40、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、アラビアゴム、コレステロール、ステアリン酸、モノステアリン酸グリセリン、又はポピドン等が挙げられる。
また、化粧料組成物の添加剤として例示した成分も使用できる。
添加剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明の医薬外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、化粧料組成物の有効成分として例示したものを使用できる。また、分解ヒアルロン酸と組み合わせることができる好適なその他の有効成分も、化粧料組成物について例示した通りである。
本発明の外用組成物は、使用対象の皮膚の状態、年齢、性別などによって異なるが、1日数回、適量を皮膚に塗布すればよい。
(1)降伏応力値の測定方法
降伏応力値を粘弾性測定装置(CVO100D:BOHLIN INSTRUMENTS社製)を用いて測定した。コーンプレート(直径40mm、角度4°)を使用し、乳化組成物に応力(回転)を与え、回転速度を徐々に上げていき、瞬間粘度と応力値の関係性をプロットした。瞬間粘度が最も高くなった時の応力値を降伏応力値とした。
(2)重量平均分子量の測定
加水分解ヒアルロン酸(平均粒子径約230μm、キユーピー株式会社製)0.3gに移動相を加え100mLの溶液を調製した。溶液20mLに移動相40mLを加え、メンブレンフィルターでろ過し、試料溶液を調製した。同様に、各プルラン標準品0.15gを用いて、標準溶液を調製した。サイズ排除クロマトグラフィー(カラム:TSKgel GMPWXL 7.8mm×30cm(東ソー(株)製)、カラム温度:40℃付近の一定温度、検出器:示差屈折率計、移動相:0.2mol/L NaCl、流量:0.3mL/分、注入量:100μL、標準物質:プルラン標準品(STANDARD P
-82、昭和電工(株)製)により、加水分解ヒアルロン酸の重量平均分子量は約8,000Daであることを確認した。
表2の処方に従い、試験例1〜4の乳化組成物を調製した。各組成物の降伏応力値を測定した。結果を表2に示す。
表2から、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を組み合わせることにより、(A)成分と共に(B)成分を含んでいるにもかかわらず降伏応力値が小さくなり、肌とのなじみがよい、優れた使用感を有する乳化組成物になることが分かる。
本発明の乳化組成物の処方例を以下に示す。処方例中の数値の単位は「重量%」である。
処方例1 乳液
分解ヒアルロン酸 0.2
ジプロピレングリコール 10.0
ジグリセリン 2.0
トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル 4.0
パンテノール 0.5
スクワラン 8.0
ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0.3
ベヘニルアルコール 0.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.15
モノステアリン酸POEソルビタン 0.6
ステアリン酸グリセリル 0.6
カプリル酸グリセリル 1.0
pH調整剤 適量
精製水 残量
分解ヒアルロン酸亜鉛 0.3
1,3−プロパンジオール 10.0
濃グリセリン 8.0
加水分解ダイズタンパク 0.5
トコフェロール 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
エチルヘキシルグリセリン 2.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
シアバター 5.0
ステアリルアルコール 2.0
セタノール 2.0
αオレフィンオリゴマー 5.0
ステアリン酸ポリグリセリル-10 2.0
ステアリン酸グリセリル 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.4
ポリビニルアルコール 0.2
ポリアクリル酸Na 0.1
pH調整剤 適量
精製水 残量
分解ヒアルロン酸亜鉛 0.2
1,3−ブチレングリコール 10.0
トリメチルグリシン 3.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 8.0
αオレフィンオリゴマー 4.0
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 0.5
硬化油 2.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
キサンタンガム 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.15
モノステアリン酸POEソルビタン 0.6
ステアリン酸ソルビタン 0.6
カプリン酸グリセリル 1.0
pH調整剤 適量
精製水 残量
Claims (1)
- 下記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含む乳化組成物。
(A)分解ヒアルロン酸、又は薬学的に許容されるその塩
(B)25℃で固体の油性成分
(C)下記(C-1)〜(C-3) からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
(C-1)炭素数4〜12の脂肪酸グリセリルエステル、
(C-2)炭素数4〜12のアルキルグリセリルエーテル、及び
(C-3)炭素数4〜12のアルケニルグリセリルエーテル
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