JP2017149190A - 電動パワーステアリング装置、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】電動モータに過電流が流れることを抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】車両のステアリングホイールの操舵に対する補助力を加える電動モータ110と、ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて電動モータ110の駆動を制御する第1制御を行い、第1制御を行うのでは電動モータ110に所定値以上の電流が供給される特定状況では第1制御を行う際の電動モータ110の駆動力よりも小さい駆動力となるように電動モータ110の駆動を制御する第2制御を行う制御装置10と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置、プログラムに関する。
近年、ステアリングホイールの操舵角(転舵角)が最大値になり、モータの回転数が急激に減少したとしても、モータに過電流が流れることなく安定した操舵フィーリングを達成する技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載のパワーステアリング装置は、以下のように構成されている。すなわち、電動モータによりアシストトルクを発生するパワーステアリング装置において、電動モータ制御手段に、目標電流値が予め設定された目標値の最大値である目標電流最大値であり、かつ、検出された実電流値が、少なくとも前記電流最大値よりも大きな許容電流値を上回ったときは、最大転舵位置と判定する最大転舵位置推定手段と、最大転舵位置推定手段により最大転舵位置と判定されたときは、実電流値が前記目標電流最大値となるように駆動電圧指令値を調整する駆動電圧指令値補正手段を設ける。
特開2004−291687号公報
路面バンプ、轍、敷石等の障害物によって車両の車輪が転舵不能の状態になった場合、操舵角が最大値(最大転舵位置)ではない位置でも、電動モータに過電流が流れるおそれがある。そして、電動モータに過電流が流れると、無駄に電力が消費されるとともに、電動モータの熱負荷増加により発熱劣化が生じてしまう。
本発明は、電動モータに過電流が流れることを抑制することができる電動パワーステアリング装置、プログラムを提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、車両のステアリングホイールの操舵に対する補助力を加える電動モータと、前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて前記電動モータの駆動を制御する第1制御を行い、前記第1制御を行うのでは前記電動モータに所定値以上の電流が供給される特定状況では前記第1制御を行う際の前記電動モータの駆動力よりも小さい駆動力となるように前記電動モータの駆動を制御する第2制御を行う制御装置と、を備える電動パワーステアリング装置である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、コンピュータに、車両のステアリングホイールの操舵トルクに基づいて電動モータの駆動を制御する第1制御機能と、前記第1制御機能にて前記電動モータを制御するのでは前記電動モータに所定値以上の電流が供給される特定状況では前記第1制御機能にて前記電動モータを制御する際の前記電動モータの駆動力よりも小さい駆動力となるように前記電動モータの駆動を制御する第2制御機能と、を実現させるプログラムである。
本発明によれば、電動モータに過電流が流れることを抑制することができる。
実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 制御装置の概略構成図である。 制御部の概略構成図である。 第1目標電流設定部の概略構成図である。 操舵トルクおよび車速とベース電流との対応を示す制御マップの概略図である。 操舵角と規定トルクとの対応を示す制御マップの概略図である。 操舵角と第2目標電流設定部が設定する第2目標電流との対応を示す制御マップの第1実施例の概略図である。 目標電流設定部が行う目標電流設定処理の手順を示すフローチャートである。 操舵角と第2目標電流設定部が設定する第2目標電流との対応を示す制御マップの第2実施例の概略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、車両の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては車両の一例としての自動車1に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、自動車1の進行方向を変えるために運転者が操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール101(以下、「ハンドル101」と称す。)と、ハンドル101に一体的に設けられたステアリングシャフト102と、を備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108と、を備えている。下部連結シャフト108は、ハンドル101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の前輪150それぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105と、を備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。これらラック軸105、ピニオンシャフト106などが、ハンドル101の回転操作力を前輪150の転動力として伝達する伝達機構として機能する。ピニオンシャフト106は、前輪150を転動させるラック軸105に対して、回転することにより前輪150を転動させる駆動力(ラック軸力)を加える。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギヤボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギヤボックス107内にてトーションバー112を介して下部連結シャフト108と連結されている。そして、ステアリングギヤボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対回転角度に基づいて、言い換えればトーションバー112の捩れ量に基づいて、ハンドル101に加えられた操舵トルクTを検出するトルクセンサ109が設けられている。
ステアリングギヤボックス107内に、ラック軸105の中央部に形成されたラック歯105aが入っており、ラック軸105の両端部は、それぞれステアリングギヤボックス107から突出している。そして、ラック軸105の両端部には、それぞれ、ステアリングギヤボックス107における図1で見た場合の左右方向の両端面107aの開口部よりも大きな外形の突出部(ラックエンド)105bが設けられている。そして、この突出部105bがステアリングギヤボックス107の左右方向の端面107aに突き当たることで、ラック軸105の移動量が規制される。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギヤボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。減速機構111は、例えば、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール(不図示)と、電動モータ110の出力軸に固定されたウォームギヤ(不図示)などから構成される。電動モータ110は、ピニオンシャフト106に回転駆動力を加えることにより、ラック軸105に前輪150を転動させる駆動力(ラック軸力)を加える。本実施の形態に係る電動モータ110は、電動モータ110の回転角度であるモータ回転角度θに連動した回転角度信号θsを出力するレゾルバ120を有する3相ブラシレスモータである。
また、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109からの出力信号が入力される。また、制御装置10には、自動車1に搭載される各種の機器を制御するための信号を流す通信を行うネットワーク(CAN)を介して、自動車1の移動速度である車速Vcを検出する車速検出部170からの出力信号が入力される。車速検出部170は、自動車1に備えられて車速Vcを検出するセンサからの出力信号を基に車速Vcを検出する。
以上のように構成されたステアリング装置100は、制御装置10が電動モータ110の駆動を制御し、電動モータ110の駆動力(発生トルク)がピニオンシャフト106に伝達される。これにより、電動モータ110の駆動力(発生トルク)が、ハンドル101に加える運転者の操舵力をアシストする。
次に、制御装置10について説明する。
図2は、制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Td、車速検出部170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号v、レゾルバ120からの回転角度信号θsなどが入力される。
そして、制御装置10は、電動モータ110に供給する目標電流Itを設定する目標電流設定部20と、目標電流設定部20が設定した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
また、制御装置10は、電動モータ110のモータ回転角度θを算出するモータ回転角度算出部71と、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θに基づいて、モータ回転速度Vmを算出するモータ回転速度算出部72と、を備えている。また、制御装置10は、ハンドル101の回転角度である操舵角Raをモータ回転角度θに基づき算出する操舵角算出部73を備えている。
(目標電流設定部)
目標電流設定部20は、操舵トルクTに基づいて電動モータ110に供給する第1目標電流It1を設定する第1目標電流設定部27を備えている。また、目標電流設定部20は、操舵トルクTに基づいて電動モータ110に供給する目標電流Itを設定する場合には電動モータ110に過電流が流れるおそれがあるために目標電流Itを抑制すべき状況(以下、「抑制状況」と称す。)であるかどうかを判定する判定部28を備えている。また、目標電流設定部20は、判定部28が抑制状況であると判定した場合に、第1目標電流設定部27が設定する第1目標電流It1よりも小さな電流を第2目標電流It2として設定する第2目標電流設定部29を備えている。
そして、目標電流設定部20は、判定部28が抑制状況であると判定しない場合には、第1目標電流設定部27が設定した第1目標電流It1を、電動モータ110に供給する目標電流Itとして設定する。他方、目標電流設定部20は、判定部28が抑制状況であると判定した場合には、第2目標電流設定部29が設定した第2目標電流It2を、電動モータ110に供給する目標電流Itとして設定する。
第1目標電流設定部27、判定部28及び第2目標電流設定部29については後で詳述する。
(制御部)
図3は、制御部30の概略構成図である。
制御部30は、図3に示すように、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流設定部20にて最終的に決定された目標電流Itと、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
フィードバック制御部40は、目標電流設定部20にて最終的に決定された目標電流Itとモータ電流検出部33にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部41と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部42とを有している。
フィードバック(F/B)処理部42は、目標電流Itと実電流Imとが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、偏差演算部41にて算出された偏差に対して、比例要素で比例処理し、積分要素で積分処理し、加算演算部でこれらの値を加算する。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号を出力する。
モータ駆動部32は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出する。
モータ回転角度算出部71(図2参照)は、レゾルバ120からの回転角度信号θsに基づいてモータ回転角度θを算出する。
モータ回転速度算出部72(図2参照)は、モータ回転角度算出部71が算出したモータ回転角度θに基づいて電動モータ110のモータ回転速度Vmを算出する。モータ回転速度算出部72は、モータ回転速度Vmの絶対値及び電動モータ110の回転方向を含むモータ回転速度信号Vmsを出力する。
操舵角算出部73(図2参照)は、ハンドル101、減速機構111などが機械的に連結されているためにハンドル101の回転角度と電動モータ110のモータ回転角度θとの間に相関関係があることに鑑み、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θに基づいて操舵角Raを算出する。操舵角算出部73は、例えば、モータ回転角度算出部71にて定期的(例えば1ミリ秒毎)に算出されたモータ回転角度θの前回値と今回値との差分の積算値に基づいて操舵角Raを算出する。そして、操舵角算出部73は、操舵角Raの絶対値及びハンドル101の回転方向を含む操舵角信号Rasを出力する。
(目標電流設定部)
目標電流設定部20は、図2に示すように、操舵トルクTに基づいて電動モータ110に供給する第1目標電流It1を設定する第1目標電流設定部27を備えている。また、目標電流設定部20は、操舵トルクに基づいて電動モータ110に供給する目標電流Itを設定する場合には電動モータ110に過電流が流れるおそれがあるために目標電流Itを抑制すべき状況であるかどうかを判定する判定部28を備えている。また、目標電流設定部20は、判定部28が抑制状況であると判定した場合に、第1目標電流設定部27が設定する第1目標電流It1よりも小さな電流を第2目標電流It2として設定する第2目標電流設定部29を備えている。
そして、目標電流設定部20は、判定部28が抑制状況であると判定しない場合には、第1目標電流設定部27が設定した第1目標電流It1を、電動モータ110に供給する目標電流Itとして設定する。他方、目標電流設定部20は、判定部28が抑制状況であると判定した場合には、第2目標電流設定部29が設定した第2目標電流It2を、電動モータ110に供給する目標電流Itとして設定する。
〔第1目標電流設定部〕
図4は、第1目標電流設定部27の概略構成図である。
第1目標電流設定部27は、第1目標電流It1を設定する上でベースとなるベース電流Ibを算出するベース電流算出部21を備えている。また、第1目標電流設定部27は、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流Isを算出するイナーシャ補償電流算出部22と、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流Idを算出するダンパー補償電流算出部23と、を備えている。また、第1目標電流設定部27は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて第1目標電流It1を決定する目標電流決定部25を備えている。また、第1目標電流設定部27は、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクT(トルク信号Td)の位相を補償する位相補償部26を備えている。
図5は、操舵トルクTおよび車速Vcとベース電流Ibとの対応を示す制御マップの概略図である。
ベース電流算出部21は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速検出部170からの車速信号vと、図5に例示した制御マップとに基づいてベース電流Ibを算出する。つまり、ベース電流算出部21は、操舵トルクT及び車速Vcに応じたベース電流Ibを算出する。
イナーシャ補償電流算出部22は、トルク信号Tsと、車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流Isを算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、トルク信号Tsと、車速信号vと、電動モータ110のモータ回転速度Vmsとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流Idを算出する。
目標電流決定部25は、ベース電流算出部21にて算出されたベース電流Ib、イナーシャ補償電流算出部22にて算出されたイナーシャ補償電流Is及びダンパー補償電流算出部23にて算出されたダンパー補償電流Idに基づいて第1目標電流It1を決定する。目標電流決定部25は、例えば、ベース電流Ibに、イナーシャ補償電流Isを加算するとともにダンパー補償電流Idを減算して得た電流を第1目標電流It1として決定する。
ここで、トーションバー112の捩れ量が0の状態を中立状態とし、中立状態からのハンドル101の右回転時におけるハンドル101(下部連結シャフト108)とピニオンシャフト106との相対回転角度が変化する方向(相対回転角度が生じる方向)をプラス(操舵トルクTがプラス)とする。また、中立状態からのハンドル101の左回転時におけるハンドル101(下部連結シャフト108)とピニオンシャフト106との相対回転角度が変化する方向(相対回転角度が生じる方向)をマイナス(操舵トルクTがマイナス)とする。
そして、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクTがプラスであるときに、電動モータ110をプラス方向に回転させるようにベース電流算出部21にてベース電流Ibが算出され、そのベース電流Ibの符号をプラスとする。つまり、図5に示すように、操舵トルクTがプラスのときにベース電流算出部21はプラスのベース電流Ibを算出し、電動モータ110をプラス方向に回転させる方向のトルクを発生させる。操舵トルクTがマイナスのときにベース電流算出部21はマイナスのベース電流Ibを算出し、電動モータ110をマイナス方向に回転させる方向のトルクを発生させる。
また、ハンドル101の回転角度である操舵角Raが0度である状態からハンドル101が右方向に回転した場合の操舵角Raの符号をプラスとし、左方向に回転した場合の操舵角Raの符号をマイナスとする。
〔判定部〕
判定部28は、例えば路面バンプ、轍、敷石等の障害物によって前輪150が転動不能となり、現操舵角Ra以上にハンドル101を切り込むことができない状況であるのにハンドル101が切り込み方向に回転されている場合に抑制状況であると判定する。これは、ラック軸105の突出部(ラックエンド)105bがステアリングギヤボックス107の端面107aに突き当たる前においてハンドル101を切り込んでいるけれども前輪150が転動しない場合には、第1目標電流設定部27が設定する第1目標電流It1が所定値以上である過電流となるおそれがあるからである。
ただし、判定部28は、車速Vcの絶対値が予め定められた規定車速(規定移動速度の一例)以下の場合に限って抑制状況であると判定する。規定車速は5km/h、好ましくは3km/h、さらに好ましくは0km/hであることを例示することができる。車速Vcの絶対値が規定車速より大きい場合には、危険回避のため操舵し続ける必要がある可能性があるため、電動モータ110に供給する電流を抑制しない方が好ましいためである。
すなわち、判定部28は、以下の条件を全て満足する場合に、抑制状況であると判定する。
(1)車速Vcの絶対値≦規定車速
(2)操舵角Raの絶対値≦規定角度
(3)ハンドル101の回転速度である操舵角速度Vraの絶対値≦規定角速度
(4)操舵トルクTの絶対値>規定トルク
上記(2)の条件の規定角度は、90度であることを例示することができる。ハンドル101を切り込んでいるときに例えば障害物によってハンドル101を切れないという状況は、多くの場合がステアセンタ(操舵角Ra=0)から操舵角Raがそれほど大きくない領域で発生すると考えられるからである。
上記(4)の条件の規定トルクは、操舵角Raに応じて予め定められた値であることを例示することができる。
図6は、操舵角Raと規定トルクとの対応を示す制御マップの概略図である。
図6に例示した操舵角Raに対する規定トルクの値は、予め実車情報に基づいて設定しROMに記憶されている。操舵角Raに対する規定トルクの値を予め設定するにあたっては、先ず実車情報に基づいて操舵角Raに対する操舵トルクTを計測する(操舵トルクTの計測値を例示した曲線が図6に示した2点鎖線の曲線である)。そして、計測した操舵トルクTを例えば1.3倍した値を規定トルクとする。操舵角Raがプラスである場合には、計測した操舵トルクTに所定値を加算した値を、操舵角Raがマイナスである場合には、計測した操舵トルクTに所定値を減算した値を規定トルクとしてもよい。
ハンドル101を切り込んでいるけれども前輪150が転動しない場合には、操舵停止状態であり、かつ、操舵トルクTの絶対値が大きいと考えられるために上記(3)及び(4)の条件を設定している。
なお、判定部28は、操舵角算出部73から所定周期で取得する操舵角Raの最新の取得値から1つ前の取得値を減算した偏差を時間微分することにより操舵角速度Vraを算出する。規定角速度は、5deg/s、好ましくは3deg/s、さらに好ましくは0deg/sであることを例示することができる。
〔第2目標電流設定部〕
図7は、操舵角Raと第2目標電流設定部29が設定する第2目標電流It2との対応を示す制御マップの第1実施例の概略図である。
第2目標電流設定部29は、例えば、予め実車情報に基づいて設定しROMに記憶しておいた、操舵角Raに対する第2目標電流It2の値を示す図7に例示した制御マップの第1実施例に、操舵角算出部73が算出した操舵角Raを代入することにより得た値を第2目標電流It2として設定する。
操舵角Raと第2目標電流設定部29が設定する第2目標電流It2との対応を示す制御マップの第1実施例は、以下のように設定することを例示することができる。
図7の2点鎖線は、車速Vcが規定車速以下、例えば0である場合に実際に障害物が存在するときに第1目標電流設定部27が設定する第1目標電流It1の値(以下、「通常電流値」と称す場合もある。)である。言い換えれば、図7の2点鎖線の値(通常電流値)は、目標電流設定部20が仮に判定部28及び第2目標電流設定部29を備えていないとした場合に目標電流設定部20が目標電流Itとして設定し、実際に電動モータ110に流れる電流(実電流Im)の値でもある。なお、図7の2点鎖線の値(通常電流値)が上述した所定値であることを例示することができる。すなわち、判定部28が抑制状況であると判定した場合に、図7の2点鎖線の値以上の電流が電動モータ110の目標電流Itに設定されて電動モータ110に供給されると、電動モータ110に過電流が流れることとなる。
そして、図7に示すように、例えば通常電流値に1よりも小さな値のαを乗算することにより得た値(=通常電流値×α。α<1)を第2目標電流設定部29が設定する第2目標電流It2とする。αは、0.9であることを例示することができる。
次に、フローチャートを用いて、目標電流設定部20が行う目標電流設定処理の手順について説明する。
図8は、目標電流設定部20が行う目標電流設定処理の手順を示すフローチャートである。
目標電流設定部20は、この目標電流設定処理を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
目標電流設定部20は、先ず、車速Vcの絶対値が規定車速以下であるかどうかを判別する(S101)。S101の処理は、判定部28が行う処理である。
そして、車速Vcの絶対値が規定車速以下である場合(S101でYES)、目標電流設定部20は、操舵角算出部73が算出した操舵角Raの絶対値が規定角度以下であるかどうかを判別する(S102)。S102の処理は、判定部28が行う処理である。
そして、操舵角Raの絶対値が規定角度以下である場合(S102でYES)、目標電流設定部20は、操舵角速度Vraの絶対値が規定角速度以下であるかを判別する(S103)。S103の処理は、判定部28が行う処理である。
そして、操舵角速度Vraの絶対値が規定角速度以下である場合(S103でYES)、目標電流設定部20は、操舵トルクTの絶対値が規定トルクよりも大きいかどうかを判別する(S104)。S104の処理は、判定部28が行う処理である。
そして、操舵トルクTの絶対値が規定トルクよりも大きい場合(S104でYES)、判定部28は抑制状況であると判定する。かかる場合、目標電流設定部20は、第2目標電流設定部29が設定した第2目標電流It2を、電動モータ110に供給する目標電流Itとして設定する(S105)。
他方、車速Vcの絶対値が規定車速よりも大きい場合(S101でNO)、操舵角Raの絶対値が規定角度よりも大きい場合(S102でNO)、操舵角速度Vraの絶対値が規定角速度よりも大きい場合(S103でNO)、操舵トルクTの絶対値が規定トルク以下である場合(S104でNO)のいずれかの場合には、判定部28は抑制状況であると判定しない。かかる場合、目標電流設定部20は、第1目標電流設定部27が設定した第1目標電流It1を、電動モータ110に供給する目標電流Itとして設定する(S106)。
以上のように構成された本実施の形態に係る制御装置10は、判定部28が抑制状況であると判定しない場合には、ハンドル101の操舵トルクTに基づいて電動モータ110の駆動を制御する第1制御を行う。つまり、判定部28が抑制状況であると判定しない場合には、目標電流設定部20は、第1目標電流設定部27が設定した第1目標電流It1を電動モータ110に供給する目標電流Itとして設定し、制御部30は、目標電流設定部20が設定した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う。
他方、制御装置10は、判定部28が抑制状況であると判定する場合には、操舵角Raに基づいて電動モータ110の駆動を制御する第2制御を行う。つまり、判定部28が抑制状況であると判定した場合には、目標電流設定部20は、第2目標電流設定部29が設定した第2目標電流It2を電動モータ110に供給する目標電流Itとして設定し、制御部30は、目標電流設定部20が設定した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う。
そして、第2目標電流設定部29が設定する第2目標電流It2の絶対値は、仮に同じ操舵状況で第1目標電流設定部27が第1目標電流It1を設定するとした場合には、第1目標電流It1の絶対値よりも小さな値となる。つまり、第2目標電流設定部29が設定する第2目標電流It2は、通常電流値のα(α<1)倍となる。それゆえ、制御装置10は、判定部28が抑制状況であると判定する場合、言い換えれば、第1制御を行うのでは電動モータ110に所定値以上の電流(過電流)が供給される特定状況では、第1制御を行う際の電動モータ110の駆動力よりも小さい駆動力となるように電動モータ110の駆動を制御する第2制御を行う。
その結果、本実施の形態に係る制御装置10によれば、電動モータ110に過電流が流れることが抑制される。それゆえ、電動モータ110に過電流が流れることに起因して、無駄に電力が消費されたり、電動モータ110の熱負荷増加により発熱劣化が生じたりしてしまうことが抑制される。また、ラック軸105に形成されたラック歯105aとピニオンシャフト106に形成されたピニオン106aとにより構成されるラック・ピニオン機構や減速機構111に不要な応力が生じることが抑制される。
<操舵角Raと第2目標電流設定部29が設定する第2目標電流It2との対応を示す制御マップの第2実施例>
図9は、操舵角Raと第2目標電流設定部29が設定する第2目標電流It2との対応を示す制御マップの第2実施例の概略図である。
第2目標電流設定部29は、例えば、予め実車情報に基づいて設定しROMに記憶しておいた、操舵角Raに対する第2目標電流It2の値を示す図9に例示した制御マップの第2実施例に、操舵角算出部73が算出した操舵角Raを代入することにより得た値を第2目標電流It2として設定してもよい。
図9の2点鎖線の値が通常電流値である。そして、図9に例示した制御マップの第2実施例においては、通常電流値に乗算する1よりも小さな値αが、操舵角Raの絶対値が大きくなるのに応じて大きくなる値となるように設定されている。例えば、αは、以下の式(5)にて算出される値でもよい。
α=(1−α0)×((操舵角Raの絶対値)/規定角度)+α0・・・(5)
なお、α0は、0.9であることを例示することができる。
<プログラムの説明>
また以上説明した制御装置10が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現することができる。この場合、制御装置10に設けられた制御用コンピュータ内部のCPUが、制御装置10の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
よって制御装置10が行なう処理は、コンピュータに、車両のステアリングホイール101の操舵トルクTに基づいて電動モータ110の駆動を制御する第1制御機能と、第1制御機能にて電動モータ110を制御するのでは電動モータ110に所定値以上の電流が供給される特定状況では第1制御機能にて電動モータ110を制御する際の電動モータ110の駆動力よりも小さい駆動力となるように電動モータ110の駆動を制御する第2制御機能と、を実現させるプログラムとして捉えることもできる。
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
10…制御装置、20…目標電流設定部、21…ベース電流算出部、27…第1目標電流設定部、28…判定部、29…第2目標電流設定部、30…制御部、100…電動パワーステアリング装置、110…電動モータ

Claims (5)

  1. 車両のステアリングホイールの操舵に対する補助力を加える電動モータと、
    前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて前記電動モータの駆動を制御する第1制御を行い、前記第1制御を行うのでは前記電動モータに所定値以上の電流が供給される特定状況では前記第1制御を行う際の前記電動モータの駆動力よりも小さい駆動力となるように前記電動モータの駆動を制御する第2制御を行う制御装置と、
    を備える電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制御装置は、前記車両の移動速度の絶対値が規定移動速度以下、かつ、前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角の絶対値が規定角度以下、かつ、前記ステアリングホイールの回転速度の絶対値が規定角速度以下、かつ、前記操舵トルクの絶対値が規定トルクよりも大きい場合に前記特定状況と判定する
    請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記制御装置は、前記第2制御を行う際には、前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角に基づいて前記電動モータの駆動を制御する
    請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記制御装置は、前記第2制御を行う際には、前記操舵角の絶対値が小さいほど前記電動モータの駆動力を小さくする
    請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. コンピュータに、
    車両のステアリングホイールの操舵トルクに基づいて電動モータの駆動を制御する第1制御機能と、
    前記第1制御機能にて前記電動モータを制御するのでは前記電動モータに所定値以上の電流が供給される特定状況では前記第1制御機能にて前記電動モータを制御する際の前記電動モータの駆動力よりも小さい駆動力となるように前記電動モータの駆動を制御する第2制御機能と、
    を実現させるプログラム。
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