JP2017148789A - 晶析反応槽及びこれを用いた晶析分級装置 - Google Patents

晶析反応槽及びこれを用いた晶析分級装置 Download PDF

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Yukihito Sasaki
之仁 佐々木
修平 中倉
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Abstract

【課題】本発明は、連続式の撹拌槽にドラフトチューブを設けることにより、1つの撹拌槽で効率良く晶析反応させつつ、所望の粒径以上の粒子を取り出せる分級機能を有する晶析反応槽及びこれを用いた晶析分級装置を提供することを目的とする。【解決手段】晶析原料を保持する撹拌槽10と、上下方向に延びる回転軸21と、該回転軸に設けられた撹拌翼23とを備えた撹拌手段20と、前記撹拌翼の周囲を囲むように設けられたドラフトチューブ30と、前記撹拌槽の内周側面に沿って前記上下方向に延在するとともに前記回転軸に向かって突出し、前記ドラフトチューブを両側から挟むようにして設けられた少なくとも一対の邪魔板40と、を有し、前記撹拌翼の全長dに対する前記ドラフトチューブDの直径の比率は、前記ドラフトチューブ内の前記晶析原料の流れの方向が前記上下方向の一方向となるように設定されている。【選択図】図3

Description

本発明は、晶析反応槽及びこれを用いた晶析分級装置に関し、特に、連続式の撹拌槽において、槽内で効率よく晶析反応させつつ、所望の粒径以上の粒子を同時に排出する晶析反応槽及びこれを用いた晶析分級装置に関する。
従来から、晶析反応槽では、供給した原料が反応して、その過飽和領域で発生する核、もしくは、原料とは別に供給した種晶粒子を槽内で均一に分散させて、効率よく原料を晶析反応させている。
また、連続式の晶析反応槽の場合、槽内で晶析反応させて、オーバーフロー、もしくは槽底から連続的に排出する場合が多い(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
特開2012−210629号公報
SCEJ80th Annual meeting、晶析操作における撹拌・混合の役割、月島機械
しかしながら、反応槽が単一槽の場合、各晶析粒子が槽内で滞留する時間が異なるため、晶析反応のバラツキが生じ、粒径分布が発生することになる。所望の粒径以上の粒子を取り出して製品としたい場合には、この晶析反応槽による晶析の後工程として、晶析粒子の分級操作が必要となり、分級設備の設置費用、そのランニング費用が余分に必要となるという問題があった。
そこで、本発明は、連続式の撹拌槽に円筒形のハウジングであるドラフトチューブを設けることにより、1つの撹拌槽で効率良く晶析反応させつつ、所望の粒径以上の粒子を取り出せる分級機能を有する晶析反応槽及びこれを用いた晶析分級装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る晶析反応槽は、晶析原料を保持する撹拌槽と、
上下方向に延びる回転軸と、該回転軸に設けられた撹拌翼とを備えた撹拌手段と、
前記撹拌翼の周囲を囲むように設けられたドラフトチューブと、を有し、
前記撹拌翼の全長に対する前記ドラフトチューブの直径の比率は、前記ドラフトチューブ内の前記晶析原料の流れの方向が前記上下方向の一方向となるように設定されている。
また、本発明の他の態様に係る晶析分級装置は、前記晶析反応槽と、
該晶析反応槽に前記晶析原料を供給するための晶析原料投入口と、
該晶析反応槽の底部に設けられ、所定の粒径以上の固体粒子を排出するための分級出口と、を有する。
本発明によれば、槽内に安定な循環流れを形成すると共に、槽底の中央に安定な低速度の上昇流れを形成でき、このような槽内流れを形成することで、槽内で効率的に晶析反応を発生させつつ、槽底では所望の粒径以上の粒子を効率的に堆積させ排出することができる。
本発明の実施形態に係る晶析反応槽及びこれを含む晶析分級装置の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る晶析反応槽の主要部分を抽出して示した拡大図である。 本発明の実施形態に係る晶析反応槽のパラメータ設定及びシミュレーション結果を示した図である。図3(a)は、本発明の実施形態に係る晶析反応槽のパラメータ設定の一例を示した図である。図3(b)は、本実施形態に係る晶析反応槽内における晶析原料の流れのシミュレーション結果を示した図である。 比較例1に係る晶析反応槽のパラメータ設定及びシミュレーション結果を示した図である。図4(a)は、比較例1に係る晶析反応槽のパラメータ設定の一例を示した図である。図4(b)は、比較例1に係る晶析反応槽内における晶析原料の流れのシミュレーション結果を示した図である。 比較例2に係る晶析反応槽のパラメータ設定及びシミュレーション結果を示した図である。図5(a)は、比較例2に係る晶析反応槽のパラメータ設定の一例を示した図である。図5(b)は、比較例2に係る晶析反応槽内における晶析原料の流れのシミュレーション結果を示した図である。 比較例3、4に係る晶析反応槽の固体粒子の濃度分布を示した図である。図6(a)は、比較例3に係る晶析反応槽全体の固体粒子の濃度分布を示した図である。図6(b)は、図6(a)の底部を拡大した図である。図6(c)は、比較例4に係る晶析反応槽全体の固体粒子の濃度分布を示した図である。図6(d)は、図6(c)の底部を拡大した図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係る晶析反応槽及びこれを含む晶析分級装置の一例を示した図である。本発明の実施形態に係る晶析反応槽50は、撹拌槽10と、攪拌機20と、ドラフトチューブ30と、ドラフトチューブ固定治具35と、邪魔板40とを有する。晶析分級装置100は、晶析反応槽50に加えて、晶析原料供給器60と、分級出口70とを更に有する。
撹拌槽10は、晶析原料110を槽内に保持するための手段であり、槽内に保持した晶析原料110を撹拌して晶析反応を発生及び促進させるための手段である。晶析原料110は、原料投入時は液体の状態又は液体と微粒子からなるスラリー状態であるが、晶析反応が進行するにつれて、固体粒子111が発生すると共に固体粒子111の粒径が大きくなっていく。よって、撹拌槽10は、通常、液体と固体粒子111が混合した晶析原料110を槽内に保持する。
撹拌槽10は、鏡底を有する円筒形に構成されることが好ましい。前記の形状を有することにより、上下に循環する循環流を形成し易くなる。なお、循環流の具体的な説明については後述する。
晶析原料110は、晶析対象及び用途に応じて種々の原料が選択されてよいが、例えば、Niの固体粒子111を晶析させるための晶析原料110が用いられてもよい。
攪拌機20は、撹拌槽10内で晶析原料110を撹拌するための撹拌手段である。撹拌機20は、回転軸21と、撹拌翼支持部22と、撹拌翼23と、モータ24とを有する。回転軸21は、撹拌槽10内の任意の位置に設けられてよいが、一般的には、撹拌槽10の中心付近に設けられ、撹拌翼23を回転させることにより、回転軸を中心として撹拌槽10内で左右対称な流れを発生させることができるように設置される。回転軸21は、上下方向に延在して設けられ、撹拌翼23を水平に回転させる。
撹拌翼支持部22は、撹拌翼23を支持するための支持手段である。撹拌翼支持部22は、回転軸21に固定されて設けられ、回転軸21の回転を撹拌翼23に伝達する役割を果たす。
撹拌翼23は、用途に応じて種々の形状を有して構成されてよいが、例えば、晶析原料110の上下方向の流れを形成すべく、水平方向又は鉛直方向に対して傾斜を有して設けられてもよい。傾斜を有して設けられることにより、上下に晶析原料110を押し出す上下方向の流れを形成することができる。なお、撹拌翼23の構成の詳細については後述する。
撹拌翼23は、回転軸21を中心として、水平方向(左右方向)に延びる形状を有することが好ましい。これにより、回転軸21の回転をロス無く効率的に晶析原料110に伝達できるとともに、回転軸21に対して左右対称な流れを形成することができる。
撹拌翼23は、撹拌翼支持部22の周囲に1本以上設けられる。回転軸21を中心として、左右に延びた撹拌翼23を1本とカウントした場合、撹拌翼23は最低1本設けられ、更に用途に応じて複数本設けられてよい。本実施形態においては、撹拌翼23は、上段及び下段に各2本ずつ設けられた例を挙げて説明する。
撹拌翼支持部22及び撹拌翼23は、上下方向において複数段設けられてもよい。図1においては、撹拌翼支持部22及び撹拌翼23は、上段及び下段に1ユニットずつ設けられている。撹拌槽10の長さが長くなると、1段だけでは、十分な晶析原料110の流れを作るのが困難になってくるので、撹拌槽10が縦長の場合は、撹拌翼支持部22及び撹拌翼23は、上段及び下段に1ユニットずつ設けられる場合が多い。本実施形態においても、撹拌翼支持部22及び撹拌翼23が上段及び下段に1ユニットずつ設けられた例を挙げて説明する。
撹拌翼23は、上下方向の流れのうち、例えば、上昇流を形成するように構成されてもよい。本実施形態においては、撹拌翼23が上昇流を形成する場合を例に挙げて説明する。
モータ24は、撹拌翼23を、撹拌翼支持部22を介して回転させるための駆動手段であり、撹拌翼23を適切な速度及びトルクで回転させることができれば、種々のモータ24を用いてよい。
ドラフトチューブ30は、撹拌槽10内の流れを整えるために設けられ、整流部材として機能する。ドラフトチューブ30は、円筒形状又は管形状を有し、撹拌翼23の周囲を囲むように設けられる。ドラフトチューブ30は、撹拌翼23により形成された晶析原料110の上下方向の流れをその内周面に沿わせ、ドラフトチューブ30内に上下方向の一方向の流れ、具体的には上昇流を形成する役割を果たす。
このような晶析原料110の上昇流を適切に形成するためには、整流部材であるドラフトチューブ30の直径(内径)を撹拌翼23の水平方向の直径に対し、適切に設定する必要がある。本実施形態では、そのようなドラフトチューブ30の適切な設定方法について説明するが、その詳細な内容は後述する。
なお、ドラフトチューブ30は種々の材料により構成することができ、例えば、ステンレス鋼から構成されてもよい。
ドラフトチューブ固定治具35は、ドラフトチューブ30を固定するための治具である。図1においては、ドラフトチューブ固定治具35が邪魔板40に固定され、ドラフトチューブ固定治具35が更に内側のドラフトチューブ30を固定している構成が示されているが、ドラフトチューブ固定治具35は、ドラフトチューブ30を適切な位置に固定できれば、種々の構成を有してよい。
邪魔板40は、晶析原料110の横方向、斜め方向の流れを上下方向又は軸流方向に変換するための整流板であり、撹拌槽1の内周側面に沿って上下方向に延在するとともに、撹拌槽10の中心、即ち回転軸21に向かって突出するように設けられる。具体的には、邪魔板40は、ドラフトチューブ30の外周側面と撹拌槽10の内周側面の間に、晶析原料110の上下方向の流れを形成する役割を果たす。上述のように、ドラフトチューブ30の内部で上下方向の一方向の流れを形成した場合には、ドラフトチューブ30と撹拌槽10との間で、ドラフトチューブ30の内部の上下方向の一方向の流れと逆方向の上下方向の流れを形成する。これにより、晶析原料110は、ドラフトチューブ30の内側と外側で上下に循環する循環流を形成することができ、晶析反応を促進させ、かつ晶析した固体粒子111を粒径によって効率的に上下に振り分けることができる。即ち、所定の粒径に達していない固体粒子111は、上昇流により上昇させることができるとともに、所定の粒径に達した固体粒子111については、速やかに撹拌槽10の底部上に堆積させることができる。
邪魔板40は、ドラフトチューブ30を両側から挟むように、つまり対をなすようにして設けられる。例えば、邪魔板40は、ドラフトチューブ30を左右から挟むように一対のみ設けられてもよいし、四方向から挟むように、二対設けられてもよい。または、必要に応じて、それ以上に多く設けられてもよい。このように、邪魔板40の数は、用途に応じて適宜定めてよい。なお、邪魔板40は、バッフル40と呼んでもよい。
以上が本発明の実施形態に係る晶析反応槽50の構成要素であるが、本発明の実施形態に係る晶析分級装置100は、更に晶析原料投入器60と、分級出口70とを備える。
晶析原料投入器70は、晶析原料110を撹拌槽10内に投入するための手段であり、晶析原料タンク61と、晶析原料投入口62とを備える。晶析原料タンク61は、晶析原料110を蓄積するためのタンクであり、例えば、スラリー状の晶析原料110が蓄えられる。晶析原料投入口62は、晶析原料タンク61に蓄積された晶析原料110を撹拌槽10内に投入又は供給するための原料投入口又は原料供給口である。
分級出口70は、所定の粒径以上の固定粒子を撹拌槽10から排出するための製品取り出し口であり、撹拌槽10の底部に接続されて設けられる。これにより、分級された所望の粒径を有する固体粒子111を得ることができる。
図2は、本発明の実施形態に係る晶析反応槽50の主要部分を抽出して示した拡大図である。図2に示されるように、攪拌機20の撹拌翼23の周囲にドラフトチューブ30が設けられ、更にドラフトチューブ30より外側の撹拌槽10の内周側面に邪魔板40が設けられている。
ここで、攪拌機20は、回転軸21が撹拌槽10の軸心に設けられ、ドラフトチューブ30内に回転可能な撹拌翼23を有する。撹拌翼23は傾斜パドル、傾斜タービン等、軸流を発生させる機能を有する形状を有している。撹拌翼23の形状及び寸法は、粒子の真比重、分級したい粒子径の終端速後を基準に、ドラフトチューブ内外の流速を設定してシミュレーションによって決定することができる。そして、撹拌翼23は、上段及び下段の両方とも、傾斜した撹拌パドルとして構成されているとともに、撹拌翼支持部材22から水平に外側に向かって延び、互いに直角に交わり、十字をなして2本ずつ設けられている。
また、ドラフトチューブ30は、撹拌槽10内の軸心部に直立支持させて設ける。ドラフトチューブ30は、円筒形を有し、撹拌翼23の先端から所定間隔を有して撹拌翼23を覆うように設けられている。ドラフトチューブ30を設置することにより、撹拌槽10内の整流効果、整流による撹拌機動力低減、スラリー分離効果が期待される。
邪魔板40は、撹拌槽10の軸心に向かって突出するように、放射状に一対以上設置する。図2においては、二対の邪魔板40が四方向から十字をなすように設置された例が示されている。
このように、本発明の実施形態に係る晶析反応槽50では、撹拌翼23の周囲にドラフトチューブ30を設けた構成を有する。
次に、シミュレーション実験により、ドラフトチューブ30内で晶析原料110が上下方向の流れを形成するような撹拌翼23の全長に対するドラフトチューブの直径の比率を求めた。
シミュレーションの実験は撹拌槽10の直径をφ430mm、撹拌翼23は直径をφ170mm、パドル幅25mmの4枚ピッチドパドルとし、ドラフトチューブ長さを330mm、下端位置を撹拌槽10の底面から75mmとし、撹拌槽10の底面から液面の高さを445mm、撹拌翼23の回転数を600rpmと設定した条件下で、連続相を液体、分散相を50μmの固体粒子として液体比重:固体比重=1:43として行った。
図3は、本発明の実施形態に係る晶析反応槽50のパラメータ設定及びシミュレーション結果を示した図である。図3(a)は、本発明の実施形態に係る晶析反応槽50のパラメータ設定の一例を示した図である。図3(a)に示されるように、本実施形態に係る晶析反応槽50の一例では、撹拌翼23の全長をdとし、ドラフトチューブ30の直径をDとしたときに、D/d=1.4に設定する。
図3(b)は、撹拌翼23の全長dに対するドラフトチューブ30の直径Dの比率D/dが1.4のときの、実施形態に係る晶析反応槽50内における晶析原料110の流れのシミュレーション結果を示した図である。
図3(b)に示されるように、ドラフトチューブ30内における晶析原料110の流れは、ほぼ総てが上昇流となっており、上方向への軸流が形成されている。更に、ドラフトチューブ30の外部のドラフトチューブ30と撹拌槽10の内周側面との間には、ほぼ総てが下降流となっており、ドラフトチューブ30の側面の内外を循環する循環流が形成されている。このように、ドラフトチューブ30の直径Dと撹拌翼23の全長dとの比率を適切に設定することにより、ドラフトチューブ30の内側を上下方向の一方向に向かって流れ、ドラフトチューブ30の外側をドラフトチューブ30の内側と反対向きの上下方向の他方向に向かって流れる循環流を形成でき、効率的に晶析原料110を軸流方向に循環させることができる。
なお、D/d=1.4は一例であり、撹拌翼23の全長dに対するドラフトチューブの直径Dの比率D/dは、ドラフトチューブ30の内外で循環流を形成可能であれば、種々の値に設定することができる。
このように、本実施形態に係る晶析反応槽50及び晶析分級装置100では、撹拌槽10内にドラフトチューブ30を設置し、槽内に安定な循環流を形成するとともに、槽底の中央に低速度の安定な上昇流れを形成して、その領域で所望の粒径以上の粒子を効率よく堆積させる分級機能を持たせている。
次に、比較例に係る晶析反応槽のパラメータ設定について説明する。
図4は、比較例1に係る晶析反応槽のパラメータ設定及びシミュレーション結果を示した図である。図4(a)は、比較例1に係る晶析反応槽のパラメータ設定の一例を示した図である。図4(a)に示されるように、比較例1に係る晶析反応槽では、撹拌翼123の全長をdとし、ドラフトチューブ130の直径をDとしたときに、D/d=1.1に設定する。この場合には、撹拌翼123の先端とドラフトチューブ130の内周面との間隔が、図3(a)に示した、実施形態に係る晶析反応槽50の撹拌槽23の先端とドラフトチューブ30との間隔よりも狭くなる。
図4(b)は、撹拌翼123の全長dに対するドラフトチューブ130の直径Dの比率D/dが1.1のときの、比較例1に係る晶析反応槽内における晶析原料110の流れのシミュレーション結果を示した図である。
図4(b)に示されるように、撹拌翼123により形成された左側の上昇流は、途中でドラフトチューブ130の内周面と衝突してしまい、蛇行して上昇するような流れが形成されている。また、ドラフトチューブ130の外側では、左側ではドラフトチューブ130に向かう斜めの下降流が形成され、右側では上部に上昇流が形成されており、全体として循環流を形成していない。
このように、撹拌翼123とドラフトチューブ130との距離が短く、両者が接近し過ぎると、撹拌翼123とドラフトチューブ130とが互いに干渉してしまい、循環流が形成されない。
よって、本実施形態に係る晶析反応槽50は、撹拌翼23の全長dに対するドラフトチューブの直径Dの比率D/dについて、1.1<D/dを満たす必要がある。
図5は、比較例2に係る晶析反応槽のパラメータ設定及びシミュレーション結果を示した図である。図5(a)は、比較例2に係る晶析反応槽のパラメータ設定の一例を示した図である。図5(a)に示されるように、比較例2に係る晶析反応槽では、撹拌翼223の全長をdとし、ドラフトチューブ230の直径をDとしたときに、D/d=1.6に設定する。この場合には、撹拌翼223の先端とドラフトチューブ230の内周面との間隔が、図3(a)に示した、実施形態に係る晶析反応槽50の撹拌槽23の先端とドラフトチューブ30との間の間隔よりも広くなる。
図5(b)は、撹拌翼223の全長dに対するドラフトチューブ230の直径Dの比率D/dが1.6のときの、比較例2に係る晶析反応槽内における晶析原料110の流れのシミュレーション結果を示した図である。
図5(b)に示されるように、撹拌翼223により形成された上昇流は、ドラフトチューブ30の上端に到達する前に向きを変えて下降流となり、ドラフトチューブ230内に循環流が発生してしまっている。これにより、ドラフトチューブ230内において、上方向と下方向の流れが混在してしまっている。このような流れが発生すると、晶析反応槽内全体では循環流が発生しなくなってしまう。
このように、撹拌翼223とドラフトチューブ230との距離が遠く離れ過ぎると、ドラフトチューブ230の内部に循環流が発生してしまい、晶析反応槽内全体では循環流が形成されない。
よって、本実施形態に係る晶析反応槽50は、撹拌翼23の全長dに対するドラフトチューブの直径Dの比率D/dについて、D/d<1.6を満たす必要がある。
比較例1、2の双方を考慮すると、本発明の実施形態に係る晶析反応槽50は、撹拌翼23の全長dに対するドラフトチューブの直径Dの比率D/dについて、1.1<D/d<1.6を満たす必要がある。
なお、槽内に安定した循環流を形成するには、ドラフトチューブ30の直径Dと撹拌翼23の全長dとの比D/dが、1.2以上1.5以下であることが望ましい。D/d=1.2未満の場合、図4で説明したように、撹拌翼123とドラフトチューブ130とが、撹拌軸の偏芯等により干渉するリスクがある。一方、D/d=1.5以上の場合、図5で説明したように、ドラフトチューブ230の内部に循環流が形成されてしまうおそれがある。
図6は、ドラフトチューブを設けない比較例3、4に係る晶析反応槽の固体粒子の濃度分布を示した図である。図6(a)は、ドラフトチューブを設けない比較例3に係る晶析反応槽全体の固体粒子の濃度分布を示した図であり、図6(b)は、図6(a)の底部を拡大した図である。図6(c)は、ドラフトチューブを設けない比較例4に係る晶析反応槽全体の固体粒子の濃度分布を示した図であり、図6(d)は、図6(c)の底部を拡大した図である。
図6(a)〜(d)において、濃度の高い順に領域A、B、C、Dが示されている。図6(a)〜(d)に示されるように、ドラフトチューブ30を設けない場合には、領域A〜Dが晶析反応槽内の各箇所に混在している。つまり、晶析反応槽の内部及び底部で濃度にバラツキがあり、固体粒子の粒径にバラツキが生じていることが分かる。
一方、図1乃至図5で説明したように、本実施形態に係る晶析反応槽50及び晶析分級装置100によれば、撹拌翼23の周囲にドラフトチューブ30を設け、かつドラフトチューブ30の直径Dと撹拌翼23の全長dとの比D/dを適切に設定することにより、ドラフトチューブ30の内外を循環する循環流を形成することができ、槽内で効率的に晶析反応をさせつつ、槽底では所望の粒径以上の固体粒子111を効率的に堆積させ排出することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 撹拌槽
20 攪拌機
21 回転軸
22 撹拌翼支持部
23 撹拌翼
24 モータ
30 ドラフトチューブ
35 ドラフトチューブ固定治具
40 邪魔板
50 晶析反応槽
60 晶析原料供給器
61 晶析原料タンク
62 晶析原料投入口
70 分級出口
100 晶析分級装置
110 晶析原料
111 固体粒子

Claims (6)

  1. 晶析原料を保持する撹拌槽と、
    上下方向に延びる回転軸と、該回転軸に設けられた撹拌翼とを備えた撹拌手段と、
    前記撹拌翼の周囲を囲むように設けられたドラフトチューブと、
    前記撹拌槽の内周側面に沿って前記上下方向に延在するとともに前記回転軸に向かって突出し、前記ドラフトチューブを両側から挟むようにして設けられた少なくとも一対の邪魔板と、を有し、
    前記撹拌翼の全長に対する前記ドラフトチューブの直径の比率は、前記ドラフトチューブ内の前記晶析原料の流れの方向が前記上下方向の一方向となるように設定された晶析反応槽。
  2. 前記撹拌翼の全長に対する前記ドラフトチューブの直径の比率は、前記ドラフトチューブと前記撹拌槽の前記内周側面との間の前記晶析原料の流れの方向が前記上下方向の前記一方向の反対方向となるように設定されている請求項1に記載の晶析反応槽。
  3. 前記撹拌翼の全長に対する前記ドラフトチューブの直径の比率は、1.1よりも大きく1.6よりも小さい範囲である請求項1又は2に記載の晶析反応槽。
  4. 前記比率が、1.2以上1.5以下の範囲である請求項3に記載の晶析反応槽。
  5. 前記撹拌翼は、前記晶析原料の前記上下方向の流れを生じさせる傾斜パドルを含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の晶析反応槽。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の晶析反応槽と、
    該晶析反応槽に前記晶析原料を供給するための晶析原料投入口と、
    該晶析反応槽の底部に設けられ、所定の粒径以上の固体粒子を排出するための分級出口と、を有する晶析分級装置。
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