JP2017148363A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】使い捨ておむつの外部から視認できるデザインの見栄えを高めた使い捨ておむつを提供する。【解決手段】バックシートの外面に、濃色によって形成された第1デザイン部と淡色によって形成された第2デザイン部を設け、外装シートに、非開口部と、前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて開口部を設け、外面平面視において、第1デザインを非開口部に位置させることにより解決される。【選択図】図4

Description

本発明は、使い捨ておむつに関するものであり、特に、使い捨ておむつの見栄えを向上させた使い捨ておむつに関するものである。
従来、使い捨ておむつの内部の蒸れを防止するために、外装シートに開口部を形成して外装シートの通気性を向上させる構成が提案されている。(特許文献1)
また、ライナーの意匠性を向上させるために、バックシートに形成されたデザイン部に対向するトップシートの部位にエンボス加工を施して透明度を向上させる構成が提案されている。(特許文献2)
特開2015−128573号公報 特開2014−97240号公報
しかし、特許文献1の構成において、バックシートに形成されたデザインが外装シートの非開口部と開口部に亘る位置に設けられた場合には、外装シートを介して使い捨ておむつの外部から視認できるデザインの明度L*と彩度C*が相違するために、装着者等が外装シートの開口部に位置するデザインを外装シートに付着した異物と錯覚する虞れがある。
特許文献2の構成においても同様に、バックシートに形成されたデザインがトップシートの透明度が高い窓部と窓部以外の部位に亘る位置に設けられた場合には、デザインの明度L*と彩度C*が相違するために、トップシートを介してライナーの外部から視認できるデザインの見栄えが劣るという虞れがある。
そこで、本発明の主たる課題は、外装シートを介して使い捨ておむつの外部から視認できるバックシートの外面に形成されたデザインの見栄えを高めた使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
請求項1に係る発明は、身体側に設けられた液透過性のトップシートと、反身体側に設けられた液不透過性のバックシートと、前記トップシートとバックシートの間に設けられた排泄物を吸収する吸収体と、前記バックシートの反身体側に設けられた外装シートを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記バックシートの外面に、濃色によって形成された第1デザイン部と淡色によって形成された第2デザイン部を設け、前記外装シートに、非開口部と、前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて開口部を設け、外面平面視において、前記第1デザインを非開口部に位置させたことを特徴とする使い捨ておむつである。
請求項2に係る発明は、前記非開口部を、幅方向に所定の間隔を隔てて設け、前記非開口部と隣接する非開口部の間に前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて開口部を設けた請求項1記載の使い捨ておむつである。
請求項3に係る発明は、前記バックシートの外面に、濃色によって形成された第1デザイン部のみを設けた請求項1又は2記載の使い捨ておむつである。
請求項4に係る発明は、前記濃色のL***表色系の明度L*が30以下で、彩度C*(a2+b21/2で算出される彩度C*が60以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつである。
請求項5に係る発明は、前記外装シートの目付けが10〜50g/m2である請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつである。
請求項6に係る発明は、前記外装シートの光透過率が60〜90%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつである。
請求項1記載の発明によれば、バックシートの外面に、濃色によって形成された第1デザイン部と淡色によって形成された第2デザイン部を設け、外装シートに、非開口部と、前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて開口部を設け、外面平面視において、第1デザインを非開口部に位置させたので、外装シートを介して使い捨ておむつの外部から視認できる第1デザイン部の明度L*と彩度C*が略同一値になり装着者等に違和感を与えることなく使い捨ておむつの見栄えを高めることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、非開口部を、幅方向に所定の間隔を隔てて設け、非開口部と隣接する非開口部の間に前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて開口部を設けたので、第1デザインの幅方向の位置ズレを制御することにより簡易に使い捨ておむつを製造することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明による効果に加えて、バックシートの外面に、濃色によって形成された第1デザイン部のみを設けたので、第2デザイン部が非開口部と開口部に位置して外装シートを介して使い捨ておむつの外部から視認できる第2デザイン部の明度L*と彩度C*の相違による装着者等への違和感を防止することができ使い捨ておむつの見栄えをより高めることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、濃色のL***表色系の明度L*が30以下で、彩度C*(a2+b21/2で算出される彩度C*が60以下であるので、外装シートを介して使い捨ておむつの外部から第1デザイン部を確実に視認することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、外装シートの目付けが10〜50g/m2であるので、外装シートによって第1デザイン部と第2デザイン部が隠蔽されず、外装シートを介して使い捨ておむつの外部から第1デザイン部と第2デザイン部を確実に視認することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、外装シートの光透過率が60〜90%であるので、外装シートによって第1デザイン部と第2デザイン部がより隠蔽されず、外装シートを介して使い捨ておむつの外部から第1デザイン部と第2デザイン部をより確実に視認することができる。
使い捨ておむつを展開した内面平面図である。 使い捨ておむつを展開した外面平面図である。 図1のX1−X1断面図である。 第1実施形態のバックシートのデザイン部と外装シートの開口部の組合せ説明図である。 第2実施形態のバックシートのデザイン部と外装シートの開口部の組合せ説明図である。 第3実施形態のバックシートのデザイン部と外装シートの開口部の組合せ説明図である。 第4実施形態のバックシートのデザイン部と外装シートの開口部の組合せ説明図である。 バックシートのデザイン部と外装シートの開口部の位置ズレ検査の説明図である。 外装シートによってバックシートのデザイン部の一部が覆われされた状態の外観写真である。
<使い捨ておむつ100>
本発明の通気性に優れる外装シートを備え、外装シートの外部から視認されるバックシートのデザイン部の見栄えに優れた使い捨ておむつについて添付図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において「前後方向」とは腹側と背側を結ぶ方向をいい、「幅方向」とは前後方向と直交する方向をいい、「上下方向」とは使い捨ておむつの装着状態において胴回り方向と直交する方向をいい、濃色とはL***表色系(JIS Z8781−4)における明度L*が30以下で、彩度C*(c*=(a2+b21/2で算出される値)が60以下の色をいい、淡色とは明度L*が50以上の色をいうものとする。
図1〜3に示すように、使い捨ておむつ100は、身体面側の液透過性のトップシート10と、反身体面側の液不透過性のバックシート11と、トップシート10とバックシート11の間に挟持された吸収要素20から形成されている。また、バックシート11の外面には、外装シート12が設けられている。なお、トップシート10と吸収要素20の間には、トップシート10を透過した排泄物を吸収要素20に移動させ、排泄物の逆戻りを防止する中間シート15を設けるのが好ましい。
吸収要素20の左右側には、所定の間隔を隔てて排泄物の外部への漏れを防止する立体ギャザー30が設けられており、立体ギャザー30の基部の外側には、所定の間隔を隔てて排尿の外部への漏れを防止する平面ギャザー40が設けられている。
吸収要素20の前後側には、エンドフラップ部EFが設けられ、吸収要素20の左右側には、サイドフラップ部SFが設けられ、サイドフラップ部SFの後部には、ファスニングテープ50が設けられている。
次に、トップシート10等の素材および特徴部分について順に説明する。
(トップシート)
トップシート10は、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシート等で形成されている。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等や、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維等を例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
(バックシート)
バックシート11は、吸収要素20に吸収された排泄物の外部への排出を防止する部分である。図4等に示すように、バックシート11の外面に花柄、動物等を印刷して、使い捨ておむつ100を外観の見栄えを高めるために、バックシート11の外面にデザイン部60を設けるのが好ましい。
バックシート11は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とでバックシートが構成される。)等で形成されている。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、バックシート11として用いることができる。
(外装シート)
外装シート12は、吸収要素20を支持し、着用者に装着するための部分である。図4等に示すように、外装シート12の通気性を向上させて、使い捨ておむつ100の内部における蒸れを防止するために、外装シート12に開口部66が形成されている。
外装シート12は、不織布で形成するのが好ましいが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好ましい。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましく、光透過率は60〜90%、特に75〜90%のものが望ましい。
(中間シート)
中間シート15は、トップシート10と同様の素材で形成されている。中間シート15は、トップシート10に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート15の素材は、トップシート10と同程度の融点をもつものが好ましい。中間シート15に不織布を用いる場合、その不織布の繊維の繊度は2.0〜7.0dtex程度とするのが好ましい。
(吸収要素)
吸収要素20は、吸収体21と、吸収体21を包む包装シート22とから形成されている。
(吸収体)
吸収体21は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
吸収体21は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体21の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とはいえない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート22上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好ましい。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系等のものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体等のものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好ましいが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好ましい。吸水速度が遅すぎると、吸収体21内に供給された液が吸収体21外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体21の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概にはいえないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包装シート)
包装シート22は、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等で形成されている。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好ましく、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン等を使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
(立体ギャザー)
立体ギャザー30は、実質的に幅方向に連続するギャザーシート31と、ギャザーシート31に前後方向に沿って伸長状態で固定された細長状の弾性伸縮部材32から形成されている。ギャザーシート31としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材32としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材32の本数は、特に制限はないが、図3等に示すように複数本設けるのが好ましい。
ギャザーシート31のトップシート10等に対向する対向面は、トップシート10の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、バックシート11と外装シート12の側部にホットメルト接着剤等により固着されている。
立体ギャザー30の固着始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート10上に固定されているものの、前後方向両端部の間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性伸縮部材32の収縮力により起立するようになる。使い捨ておむつ100の、装着時には、装着者の体型に合わせて使い捨ておむつ100が舟形に装着されて弾性伸縮部材32に収縮力が作用するので立体ギャザー30が装着者に向かって起立して装着者の脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
(平面ギャザー)
サイドフラップ部SFにおける立体ギャザー30の基部の外側には、平面ギャザー40が形成されている。サイドフラップ部SFには、立体ギャザー30の基部の外側におけるギャザーシート31とバックシート11の間に、糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材41が前後方向に沿って伸長された状態で固定されており、これによりサイドフラップ部SFの脚周り部分には、平面ギャザー40が形成されている。
(ファスニングテープ)
図1,2に示すように、ファスニングテープ50は、サイドフラップSFの後部に固定された基材51と、基材51の内面に設けられた係止部52から形成されている。
基材51の基部は、ホットメルト接着剤等によってギャザーシート31と外装シート12の間に固定されている。また、基材51は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材から形成されている。
係止部52は、メカニカルファスナーのフック材から形成されている。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。もちろん、ファスニングテープ50の係止部として粘着材層を設けることもできる。
ファスニングテープ50の係止部52は、外装シート12が不織布から形成されている場合、外装シート12の外面に直接係止することもできが、図2に示すように、外装シート12の腹側の部位に、ファスニングテープ50の係止部52が係止するターゲットシート55を設けるのが好まし。これによって、ファスニングテープ50の係止部52をターゲットシート55に容易に係止でき、使い捨ておむつ100を装着者に容易に装着することができる。なお、ターゲットシート55は、ループ糸が表面に多数設けられたプラスチックフィルムや不織布等から形成するのが好ましい。
<第1実施形態の使い捨ておむつ>
次に、図4に示す本発明の第1実施形態の使い捨ておむつ100について説明する。図4(a)はバックシート12の外面平面図であり、図4(b)は外装シート12の外面平面図であり、図4(c)は外装シート12をバックシート12の外面に固着した状態における外面平面図である。
図4(a)に示すように、バックシート11の外面には、花柄等の第1デザイン部60Aが格子状のそれぞれの頂点に設けられている。第1デザイン部60Aは濃色、例えば、黒色、紺色、焦げ茶色、チャコールグレー等によって形成されている。これにより、使い捨ておむつ100の外部、すなわち外装シート12の外側から第1デザイン部60Aが容易に視認できて使い捨ておむつ100の見栄えを高めることができる。
図4(b)に示すように、外装シート12には、非開口部65が格子状のそれぞれの頂点に設けられ、非開口部65の周囲には、開口部66が前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて設けられている。これにより、外装シート12の通気性を高めて使い捨ておむつ100の内部における蒸れの発生を大幅低減することができる。なお、図4(b)においては、非開口部65を容易に理解させるために非開口部65を略楕円形状に示しているが、本明細書においては、「非開口部」とは、外装シート12おける開口部66が設けられていない部位をいう。
図4(c)に示すように、外装シート12をバックシート11の外面に固着した状態において、バックシート11の第1デザイン部60Aは、外装シート12の非開口部65に位置している。すなわち、バックシート11の第1デザイン部60Aが、外装シート12の開口部66と対向するバックシート11の部位には形成されていない。これにより、バックシート11の第1デザイン部60Aが外装シート12の非開口部65によって全て覆われて、外装シート12を介して使い捨ておむつ100の外部から視認できるバックシート11の第1デザイン部60Aの明度L*と彩度C*が同一値に維持されて装着者等に違和感を与えることなく使い捨ておむつ100の見栄えを高めることができる。
一方、バックシート11の第1デザイン部60Aの一部が、外装シート12の開口部66に位置する場合には、図9に示すように、外装シート12の非開口部65によって覆われたバックシート11の第1デザイン部60Aと外装シート12の非開口部65によって覆われていないバックシート11の第1デザイン部60Aの明度L*と彩度C*が相違して装着者等に違和感を与えて使い捨ておむつ100の見栄えを低下させる。
図9は、バックシート11の第1デザイン部60Aを明度L*が20で彩度C*が30の紺色で形成し、後述する第2デザイン部60Bを明度L*が90の薄水色で形成し、外装シート12の非開口部65(図4(b)の略楕円形状に示した非開口部65)の前後方向の寸法を40mm、幅方向の寸法を50mmに形成し、開口部66の直径を1mm、前後方向の間隔を3mm、幅方向の間隔を7mmに形成している。なお、外装シート12の開口部66の直径を0.1〜2mm、前後方向の間隔を1〜5mm、幅方向の間隔を5〜10mmに形成することもできる。
次に、バックシート11の第1デザイン部60Aを外装シート12の非開口部65に位置させるバックシート11と外装シート12の固着方法について説明する。
図8の前後方向が使い捨ておむつ100の製造ラインのMD方向に対応し、図8の幅方向が使い捨ておむつ100の製造ラインのCD方向に対応する。バックシート11のMD方向の移動速度は第1前後モータ(図示省略)で駆動され、バックシート11のCD方向の中心位置は第1幅モータ(図示省略)で駆動されている。また、外装シート12のMD方向の移動速度は第2前後モータ(図示省略)で駆動され、バックシート11のCD方向の中心位置は第2幅モータ(図示省略)で駆動されている。
図8(a)に示すように、バックシート11の第1デザイン部60Aが外装シート12の開口部66と対向する後側に位置ズレした場合は、先ず、画像検査装置(図示省略)によって、バックシート11の第1デザイン部60Aの位置ズレ量が検出される。次に、画像検査装置から制御装置(図示省略)に入力された検出値に応じて第1前後モータの回転数を高めてバックシート11のMD方向の移動速度を速くする。これにより、図8(b)に示すように、バックシート11の第1デザイン部60Aが外装シート12の非開口部65に対向する部位に位置させることができる。
バックシート11の第1デザイン部60Aが外装シート12の開口部66と対向する右側に位置ズレした場合は、先ず、画像検査装置(図示省略)によって、バックシート11の第1デザイン部60Aの位置ズレ量が検出される。次に、画像検査装置から制御装置(図示省略)に入力された検出値に応じて第1幅モータの回転角度を変化させてバックシート11を左側に移動させる。これにより、図8(b)に示すように、バックシート11の第1デザイン部60Aが外装シート12の非開口部65に対向する部位に位置させることができる。なお、画像検査装置によってバックシート11の第1デザイン部60Aの外装シート12の開口部66の後側等への位置ズレが検知された使い捨ておむつ100は目視検査工程に移送されて検査員による目視検査が行われる。また、画像検査装置によってバックシート11の第1デザイン部60Aの外装シート12の開口部66の後側等への位置ズレの検知頻度が所定以上になった場合には、製造ラインを休止してベルト等の劣化部品の交換を実施する。
<第2実施形態の使い捨ておむつ>
次に、図5に示す本発明の第2実施形態の使い捨ておむつ100について説明する。なお、第1実施形態と同一部品等には同一符号を付して説明を省略する。
図5(a)に示すように、バックシート11の外面には、花柄等の第1デザイン部60Aが格子状のそれぞれの頂点に設けられ、幅方向に所定の間隔を隔ててドット線等の第2デザイン部60Bが設けられている。第1デザイン部60Aは濃色、例えば、黒色、紺色、焦げ茶色、チャコールグレー等によって形成され、第2デザイン部60Bは淡色、例えば、黄色、ピンク色、薄水色等によって形成されている。これにより、使い捨ておむつ100の外部、すなわち外装シート12の外側から第1デザイン部60Aと第2デザイン部60Bが視認できて使い捨ておむつ100の見栄えを高めることができる。
図5(b)に示すように、外装シート12には、非開口部65が格子状のそれぞれの頂点に設けられ、非開口部65の周囲には、開口部66が前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて設けられている。これにより、外装シート12の通気性を高めて使い捨ておむつ100の内部における蒸れの発生を大幅低減することができる。
図5(c)に示すように、外装シート12をバックシート11の外面に固着した状態において、バックシート11の第1デザイン部60Aは、外装シート12の非開口部65に位置し、バックシート11の第2デザイン部60Bの一部は、外装シート12の開口部66に位置している。これにより、バックシート11の第1デザイン部60Aが外装シート12の非開口部65によって全て覆われて、外装シート12を介して使い捨ておむつ100の外部から視認できるバックシート11の第1デザイン部60Aの明度L*と彩度C*が同一値に維持されて装着者等に違和感を与えることなく使い捨ておむつ100の見栄えを高めることができる。また、バックシート11の第2デザイン部60Bは淡色であるので、外装シート12の非開口部65によって覆われる第2デザイン部60Bと外装シート12の開口部66に位置して非開口部65によって覆われない第2デザイン部60Bの明度L*の値の相違が小さいために装着者等に違和感を与えることなく使い捨ておむつ100の見栄えを低下させない。
<第3実施形態の使い捨ておむつ>
次に、図6に示す本発明の第3実施形態の使い捨ておむつ100について説明する。なお、第1実施形態と同一部材等には同一符号を付して説明を省略する。
図6(a)に示すように、バックシート11の外面には、花柄等の第1デザイン部60Aが幅方向に所定の間隔を隔てて設けられている。第1デザイン部60Aは濃色、例えば、黒色、紺色、焦げ茶色、チャコールグレー等によって形成されている。これにより、使い捨ておむつ100の外部、すなわち外装シート12の外側から第1デザイン部60Aが容易に視認できて使い捨ておむつ100の見栄えを高めることができる。
図6(b)に示すように、外装シート12には、非開口部65が幅方向に所定の間隔を隔てて設けられ、幅方向において非開口部65と隣接する非開口部65の間には、開口部66が前後方向に所定の間隔を隔てて設けられている。これにより、外装シート12の通気性を高めて使い捨ておむつ100の内部における蒸れの発生を大幅低減することができる。
図6(c)に示すように、外装シート12をバックシート11の外面に固着した状態において、バックシート11の第1デザイン部60Aは、幅方向において外装シート12の開口部66の両側の非開口部65及び開口部66と隣接する開口部66の間の非開口部65に位置している。これにより、バックシート11の第1デザイン部60Aが外装シート12の非開口部65によって全て覆われて、外装シート12を介して使い捨ておむつ100の外部から視認できるバックシート11の第1デザイン部60Aの明度L*と彩度C*が同一値に維持されて装着者等に違和感を与えることなく使い捨ておむつ100の見栄えを高めることができる。また、第1実施形態の使い捨ておむつ100と異なりバックシート11の第1デザイン部60Aの幅方向の位置ズレを制御すればよく、第1実施形態の使い捨ておむつ100よりも簡易に製造することができる。
<第4実施形態の使い捨ておむつ>
次に、図7に示す本発明の第4実施形態の使い捨ておむつ100について説明する。なお、第3実施形態と同一部材等には同一符号を付して説明を省略する。
図7(a)に示すように、バックシート11の外面には、花柄等の第1デザイン部60Aが幅方向に所定の間隔を隔てて設けられ、幅方向において第1デザイン部60Aと隣接する第1デザイン部60Aの間には、ドット線等の第2デザイン部60Bが設けられている。第1デザイン部60Aは濃色、例えば、黒色、紺色、焦げ茶色、チャコールグレー等によって形成され、第2デザイン部60Bは淡色、例えば、黄色、ピンク色、薄水色等によって形成されている。これにより、使い捨ておむつ100の外部、すなわち外装シート12の外側から第1デザイン部60Aと第2デザイン部60Bが視認できて使い捨ておむつ100の見栄えを高めることができる。
図7(b)に示すように、外装シート12には、非開口部65が幅方向に所定の間隔を隔てて設けられ、幅方向において非開口部65と隣接する非開口部65の間には、開口部66が前後方向に所定の間隔を隔てて設けられている。これにより、外装シート12の通気性を高めて使い捨ておむつ100の内部における蒸れの発生を大幅低減することができる。
図7(c)に示すように、外装シート12をバックシート11の外面に固着した状態において、バックシート11の第1デザイン部60Aは、外装シート12の非開口部65に位置し、バックシート11の第2デザイン部60Bの一部は、外装シート12の開口部66に位置している。これにより、バックシート11の第1デザイン部60Aが外装シート12の非開口部65によって全て覆われて、外装シート12を介して使い捨ておむつ100の外部から視認できるバックシート11の第1デザイン部60Aの明度L*と彩度C*が同一値に維持されて装着者等に違和感を与えることなく使い捨ておむつ100の見栄えを高めることができる。また、バックシート11の第2デザイン部60Bは淡色であるので、外装シート12の非開口部65によって覆われる第2デザイン部60Bと外装シート12の開口部66に位置して非開口部65によって覆われない第2デザイン部60Bの明度L*の値の相違が小さいために装着者等に違和感を与えることなく使い捨ておむつ100の見栄えを低下させない。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「吸水量」は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、いずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「光透過率」は、交照測光式色差計Z−300A(日本電色工業株式会社製)を用
いて次のように測定する。
先ず、一方の検出部と、別のもう一方の検出部との間に、光を遮蔽する遮蔽物を配置した状態で測定し、零点補正する。次に、一方の検出部と、別のもう一方の検出部との間に配置した遮蔽物を取り除いてから、光を遮るものがない状態で測定し、標準補正を行う。次いで、対象物である外装シートを、一方の検出部と、別のもう一方の検出部との間に配置した状態で測定する。
本発明は、使い捨ておむつ100に利用可能なものである。
10 トップシート
11 バックシート
12 外装シート
21 吸収体
60A 第1デザイン部
60B 第2デザイン部
65 非開口部
66 開口部
100 使い捨ておむつ

Claims (6)

  1. 身体側に設けられた液透過性のトップシートと、反身体側に設けられた液不透過性のバックシートと、前記トップシートとバックシートの間に設けられた排泄物を吸収する吸収体と、前記バックシートの反身体側に設けられた外装シートを備えた使い捨ておむつにおいて、
    前記バックシートの外面に、濃色によって形成された第1デザイン部と淡色によって形成された第2デザイン部を設け、
    前記外装シートに、非開口部と、前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて開口部を設け、
    外面平面視において、前記第1デザインを非開口部に位置させたことを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 前記非開口部を、幅方向に所定の間隔を隔てて設け、前記非開口部と隣接する非開口部の間に前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて開口部を設けた請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記バックシートの外面に、濃色によって形成された第1デザイン部のみを設けた請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記濃色のL***表色系の明度L*が30以下で、彩度C*(a2+b21/2で算出される彩度C*が60以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記外装シートの目付けが10〜50g/m2である請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記外装シートの光透過率が60〜90%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
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