JP2017147931A - 太陽電池検査装置および太陽電池検査方法 - Google Patents

太陽電池検査装置および太陽電池検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池のバイパスダイオードに等価的に接続されている直列抵抗の抵抗値を発電状態において求める。【解決手段】発電状態の太陽電池ストリング12から出力される電流Iの通過を許容する極性で太陽電池ストリング12の正極および負極間に接続されて太陽電池ストリング12を短絡させるダイオード2と、短絡状態の太陽電池ストリング12の正極および負極間に、正極の電位を基準として負極の電位が高電位となる電圧であって、複数のバイパスダイオード24の順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧Vtstを印加可能な電圧印加部3と、電流Iを検出する電流検出部5と、試験電圧Vtstが第1電圧値V1のときの電流Iの第1電流値I1および第1電圧値V1、並びに第2電圧値V2のときの第2電流値I2および第2電圧値V2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出する処理部6とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池に使用されているバイパスダイオードの検査を実行する太陽電池検査装置および太陽電池検査方法に関するものである。
この種の太陽電池検査装置の一例として、下記の特許文献1に開示された太陽電池検査装置(パワーコンディショナ)が知られている。この太陽電池検査装置は、太陽電池アレイと接続されており、太陽電池アレイを流れる電流の電流値を検出して検出値を出力する電流センサ、太陽電池アレイの両端子間の電圧を検出して検出値を出力する電圧センサ、入力コンデンサ、電流センサ及び電圧センサの検出値に基づいて、太陽電池アレイの出力電力が最大になる点を追従するMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御を行うMPPT制御部、太陽電池アレイから出力された直流電流を交流電流に変換して負荷へ出力するためのDC−ACインバータ、商用電源からの交流電流を直流電流に変換するAC−DCコンバータ、発電時と診断時とで配線の切り替えを行うための2つのスイッチ、太陽電池アレイおよび太陽電池アレイのバイパスダイオードの診断処理の制御を行うCPU、及び各種情報を記憶したメモリを含んで構成されている。
この場合、入力コンデンサは、発電時の入力コンデンサとして機能するだけでなく、診断時には、太陽電池アレイのI−V特性およびバイパスダイオードのI−V特性を取得するために、その放電特性が利用される。また、電流センサ及び電圧センサは、MPPT制御に用いられる電流及び電圧を検出する機能だけでなく、診断時には、太陽電池アレイのI−V特性を取得するための電流及び電圧を検出するためのセンサとしても用いられる。
この特許文献1に開示された太陽電池検査装置では、太陽光発電システムが発電していない時間帯(太陽電池アレイに太陽光が照射されておらず、太陽電池アレイが光起電力を発生させていない時間帯)に予め定められた診断時期において、発電用配線側に接続されていた一方のスイッチを中立にして太陽電池アレイと太陽電池検査装置(パワーコンディショナ)との接続を切り、DC−ACインバータ側に接続されていた他方のスイッチをAC−DCコンバータ側に切り替える。そして、商用電源からの交流電流をAC−DCコンバータで変換した直流電流で入力コンデンサを充電する。この充電に際して、特にバイパスダイオードのI−V特性を取得する場合には、放電時にバイパスダイオードの順方向へ放電されるように充電する。充電完了後は、他方のスイッチを中立にして入力コンデンサとAC−DCコンバータとを切り離す。
次に、検査対象とするバイパスダイオードを含む太陽電池ストリングスを発電用配線側から診断用配線側に切り替える。次いで、一方のスイッチを診断用配線側へ接続し、充電された入力コンデンサを放電させる。そして、この放電時の電流値及び電圧値を電流センサ及び電圧センサから取得して、取得した電流値及び電圧値から検査対象とする太陽電池ストリングスについてのI−V特性を計測する。この場合、入力コンデンサを放電させた際の電流はバイパスダイオードの順方向に流れる電流であるため、太陽電池ストリングスに含まれているバイパスダイオードがすべて正常であるときのI−V特性と、太陽電池ストリングスに含まれているバイパスダイオードのいずれかがオープン状態で故障しているときのI−V特性とは相違する。
したがって、この特許文献1に開示された太陽電池検査装置によれば、メモリに記憶させる各種情報の1つとして、バイパスダイオードがすべて正常であるときのI−V特性を記憶させておき、メモリに記憶させたこの正常時のI−V特性と計測されたI−V特性とを比較することにより、バイパスダイオードのいずれかがオープン状態で故障しているか否かを診断することが可能となっている。
しかしながら、この太陽電池検査装置には、太陽電池が発電していないとき(または、発電量が極めて少ないとき)にしか診断が行えないという課題が存在している。そこで、本願出願人は、太陽電池が発電しているときでも、バイパスダイオードがオープン状態で故障しているか否かを診断(検査)し得る太陽電池検査装置(特願2015−95351)を開発した。
特開2011−66320号公報(第7−9頁、第3図)
ところが、本願出願人が開発した上記の太陽電池検査装置には、以下のような改善すべき課題が存在している。すなわち、バイパスダイオードは、オープン状態での故障に至る際に、正常状態から短時間でオープン状態となる場合があるものの、その抵抗値(等価的に入っている直列抵抗の抵抗値)が時間の経過と共に徐々に増加して最終的にオープン状態となる場合もある。このため、バイパスダイオードに等価的に直列接続されている抵抗の抵抗値を算出できれば、この検出した抵抗値に基づいてバイパスダイオードが劣化しているか否かを早期に(オープン状態に至る前段階で)診断することができて、より好ましい。しかしながら、この太陽電池検査装置ではこのような診断はできないため、この点での改善が望まれている。
本発明は、かかる課題を改善するためになされたものであり、太陽電池が発電状態にあるときにおいてもバイパスダイオードに等価的に接続されている直列抵抗の抵抗値を求め得る太陽電池検査装置および太陽電池検査方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の太陽電池検査装置は、太陽電池およびバイパスダイオードを有する複数の太陽電池モジュールが直列接続されて構成された太陽電池ストリングに光起電力が発生している発電状態のときに当該太陽電池ストリングから出力される出力電流の通過を許容する極性で当該太陽電池ストリングの正極および負極間に接続されて当該太陽電池ストリングを短絡させる一方向性素子と、前記一方向性素子で短絡されている前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間に、当該正極の電位を基準として当該負極の電位が高電位となる電圧であって、複数の前記バイパスダイオードの順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧を印加可能な電圧印加部と、前記太陽電池ストリングに流れる電流を検出する電流検出部と、前記試験電圧の前記電圧値が第1電圧値V1のときに前記電流検出部で検出される前記電流の第1電流値I1および当該第1電圧値V1、並びに前記試験電圧の前記電圧値が前記第1電圧値V1とは異なる第2電圧値V2のときに前記電流検出部で検出される前記電流の第2電流値I2および当該第2電圧値V2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出する処理部とを備えている。
請求項2記載の太陽電池検査装置は、太陽電池およびバイパスダイオードを有する複数の太陽電池モジュールが直列接続されて構成された太陽電池ストリングに光起電力が発生している発電状態のときに当該太陽電池ストリングから出力される出力電流の通過を許容する極性で当該太陽電池ストリングの正極および負極間に接続されて当該太陽電池ストリングを短絡させる一方向性素子と、前記一方向性素子で短絡されている前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間に、当該正極の電位を基準として当該負極の電位が高電位となる電圧であって、複数の前記バイパスダイオードの順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧を印加可能な電圧印加部と、前記太陽電池ストリングに流れる電流を設定された電流値に制限する電流制限部と、前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間の電圧を測定する電圧測定部と、前記試験電圧の印加時に流れる電流が前記電流制限部に設定された第1電流値I1に制限されているときに前記電圧測定部で測定される第1電圧値V1および当該第1電流値I1、並びに前記試験電圧の印加時に流れる電流が前記電流制限部に設定された前記第1電流値I1とは異なる第2電流値I2に制限されているときに前記電圧測定部で測定される第2電圧値V2および当該第2電流値I2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出する処理部とを備えている。
請求項3記載の太陽電池検査装置は、請求項2記載の太陽電池検査装置において、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる短絡電流の電流値を検出する電流検出部を備え、前記処理部は、前記検出された短絡電流の電流値に1を超える第1の係数を乗算して得られる電流値を前記第1電流値I1として前記電流制限部に設定すると共に、当該短絡電流の電流値に1を超え、かつ前記第1の係数とは異なる第2の係数を乗算して得られる電流値を前記第2電流値I2として前記電流制限部に設定する。
請求項4記載の太陽電池検査装置は、請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池検査装置において、前記処理部は、前記算出した抵抗値Rに基づいて前記バイパスダイオードの劣化状態を検査する。
請求項5記載の太陽電池検査装置は、請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池検査装置において、前記電圧印加部は、コンデンサと、前記一方向性素子による前記太陽電池ストリングの短絡が解除されると共に前記コンデンサが当該太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間に接続されて前記光起電力で充電される充電接続状態と当該一方向性素子で当該太陽電池ストリングが短絡されると共に当該充電されたコンデンサが当該負極から当該正極に向けて電流を放電するように当該正極および当該負極間に接続される放電接続状態とを切り替える切替部とを備えている。
請求項6記載の太陽電池検査装置は、請求項1記載の太陽電池検査装置において、前記処理部は、前記電流検出部による前記第1電流値I1の検出の直前または直後に、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる前記電流を1回目短絡電流として前記電流検出部に検出させ、前記電流検出部による前記第2電流値I2の検出の直前または直後に、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる前記電流を2回目短絡電流として前記電流検出部に検出させ、検出された前記1回目短絡電流の電流値と検出された前記2回目短絡電流の電流値の差分が許容範囲内でないときに、エラー処理を実行する。
請求項7記載の太陽電池検査装置は、請求項3記載の太陽電池検査装置において、前記処理部は、前記電圧測定部による前記第1電圧値V1の測定の直前または直後に、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる前記電流を1回目短絡電流として前記電流検出部に検出させ、前記電圧測定部による前記第2電圧値V2の測定の直前または直後に、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる前記電流を2回目短絡電流として前記電流検出部に検出させ、検出された前記1回目短絡電流の電流値と検出された前記2回目短絡電流の電流値の差分が許容範囲内でないときに、エラー処理を実行する。
請求項8記載の太陽電池検査方法は、太陽電池およびバイパスダイオードを有する複数の太陽電池モジュールが直列接続されて構成された太陽電池ストリングにおける前記バイパスダイオードの劣化状態を検査する太陽電池検査方法であって、前記太陽電池ストリングに光起電力が発生している発電状態のときに当該太陽電池ストリングから出力される出力電流の通過を許容する極性で当該太陽電池ストリングの正極および負極間に一方向性素子を接続した状態において、前記正極の電位を基準として前記負極の電位が高電位となる電圧であって複数の前記バイパスダイオードの順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧を印加することにより、前記バイパスダイオードに電流を流し、前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間の電圧値が第1電圧値V1のときに前記太陽電池ストリングに流れる電流の第1電流値I1および当該第1電圧値V1、並びに前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間の電圧値が前記第1電圧値V1とは異なる第2電圧値V2のときに前記太陽電池ストリングに流れる電流の第2電流値I2および当該第2電圧値V2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出すると共に当該算出した抵抗値Rに基づいて前記バイパスダイオードの劣化状態を検査する。
請求項1記載の太陽電池検査装置では、複数のバイパスダイオードの順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧を印加可能な電圧印加部と、太陽電池ストリングに流れる電流を検出する電流検出部と、第1電圧値V1および第1電流値I1、並びに第1電圧値V1とは異なる第2電圧値V2および第2電流値I2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出する処理部とを備えている。
また、請求項2記載の太陽電池検査装置では、複数のバイパスダイオードの順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧を印加可能な電圧印加部と、太陽電池ストリングに流れる電流を設定された電流値に制限する電流制限部と、太陽電池ストリングの正極および負極間の電圧を測定する電圧測定部と、第1電圧値V1および第1電流値I1、並びに第1電圧値V1とは異なる第2電圧値V2および第2電流値I2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出する処理部とを備えている。
したがって、これらの太陽電池検査装置によれば、太陽電池ストリングが発電状態のときに、太陽電池ストリング内の複数のバイパスダイオードに等価的に接続されている直列抵抗の抵抗値を算出することができる。このため、この抵抗値に基づいて、バイパスダイオードの劣化状態を検査することができる。
請求項3記載の太陽電池検査装置によれば、処理部が、電流検出部で検出された短絡電流の電流値に基づいて第1電流値I1および第2電流値I2を算出して電流制限部に設定するため、より適切な値の第1電流値I1および第2電流値I2を自動的に算出して太陽電池ストリング12の検査に使用することができる。
請求項4記載の太陽電池検査装置によれば、処理部は、算出した抵抗値に基づいてバイパスダイオードの劣化状態を検査するため、バイパスダイオードの劣化状態についての検査の自動化を図ることができる。
請求項5記載の太陽電池検査装置によれば、検査対象の太陽電池ストリングに試験電圧を印加するためのコンデンサを、この太陽電池ストリングの光起電力で充電する構成を採用したことにより、コンデンサを充電するための専用の電源を不要にすることができるため、装置の簡略化、および装置コストの低減を図ることができる。
請求項6,7記載の太陽電池検査装置によれば、1回目短絡電流の電流値と2回目短絡電流の電流値の差分が許容範囲内でないとき、つまり、検査時における短絡電流は一定である(言い換えれば、太陽電池ストリングへの日射量が一定である)との前提条件が崩れたときに、抵抗値Rの算出を中止したり、バイパスダイオードの劣化状態についての検査を再度行ういわゆるリトライ処理を実行したり、正確な抵抗値Rの算出が行えない旨を出力したりするなどのエラー処理を実行するため、誤った抵抗値Rの算出に起因する誤判定を回避することができる。
請求項8記載の太陽電池検査方法によれば、太陽電池ストリングが発電状態のときに、太陽電池ストリング内の複数のバイパスダイオードに等価的に接続されている直列抵抗の抵抗値を算出すると共にこの抵抗値に基づいてバイパスダイオードの劣化状態を検査することができる。
太陽電池検査装置1および太陽電池ストリング12の各構成図である。 太陽電池アレイ11および接続箱13の各構成図である。 太陽電池検査装置1の動作および太陽電池検査方法を説明するためのフローチャートである。 抵抗値Rを算出する式の導出手順を説明するための説明図である。
以下、太陽電池検査装置および太陽電池検査方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、太陽電池検査装置の構成について、図面を参照して説明する。
まず、図1に示す太陽電池検査装置としての太陽電池検査装置1の構成について説明する。
太陽電池検査装置1は、一方向性素子(例えば、ダイオードや、ダイオード接続されたトランジスタなど。本例では一例としてダイオード)2、電圧印加部3、電圧検出部4、電流検出部5および処理部6を備えて、後述の太陽電池ストリング12を検査対象としてその中に配設されているバイパスダイオード24についての劣化状態を検査する。
ここで、太陽電池検査装置1の各構成要素についての具体的な説明の前に、太陽電池ストリング12の概要について説明する。太陽電池ストリング12は、例えば、ビルや住宅などの建物に設置されている図2に示すような太陽電池アレイ11の構成単位であり、複数個で1つの太陽電池アレイ11を構成している。また、複数の太陽電池ストリング12は、例えば、接続箱13内において、ブロッキングダイオード14を介して並列接続されている。また、各太陽電池ストリング12は、接続箱13内に配設されたスイッチ15により、他の太陽電池ストリング12から切り離したり、並列接続状態に戻したりすることが可能になっている。
また、太陽電池ストリング12は、図1,2に示すように、複数の太陽電池モジュール21が直列接続されて構成され、さらに各太陽電池モジュール21は、複数のクラスタ22が直列接続されて構成されている。また、各クラスタ22は、直列接続された複数の太陽電池セル(太陽電池)23と、この直列接続された複数の太陽電池セル23における全体としての出力端子間(クラスタ22の出力端子間)に接続されたバイパスダイオード24とを備えて構成されている。バイパスダイオード24は、複数の太陽電池セル23における全体としての正側の出力端子にカソード端子が接続され、負側の出力端子にアノード端子が接続されている。
この構成により、バイパスダイオード24は、1つのクラスタ22を構成する直列接続された複数の太陽電池セル23内において、負側の出力端子から正側の出力端子に向かう直流電流としての出力電流I(以下、電流Iともいう)が流れ難くなる状況(例えば、木陰に入るなどの状況)が生じたときに、他のクラスタ22から流れ込む電流をバイパスさせることで、太陽電池ストリング12からの電流Iの出力を継続させる。
次いで、太陽電池検査装置1の各構成要素について個別に説明する。ダイオード2は、図1に示すように、太陽電池セル23が太陽光を受けて光起電力を発生させている状態(太陽電池ストリング12が光起電力を発生させている状態でもある。以下、発電状態ともいう)のときに太陽電池ストリング12から出力される電流I(出力電流)の通過を許容する極性(電流Iに対して順方向となる極性)で太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間に接続される。本例では一例として、ダイオード2は電流検出部5および電圧印加部3を構成する後述のスイッチ32と直列に接続され、これらの部材で構成される直列回路が、プローブPL1,PL2などを介して、太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間に接続される。電流検出部5は、太陽電池ストリング12に流れる電流Iを検出する機能を有し、一般的な電流計と基本構成は同じであることから、理想的には内部抵抗が極めてゼロオームに近い状態となっている。したがって、スイッチ32がオン状態に移行したときには、ダイオード2は、光起電力を発生させている状態の太陽電池ストリング12を短絡させる。
電圧印加部3は、ダイオード2の両端子間に、ダイオード2のアノード端子の電位を基準としてカソード端子が高電位となる試験電圧Vtstを印加可能に構成されている。この構成により、電圧印加部3は、太陽電池ストリング12に太陽電池検査装置1が接続されて、太陽電池検査装置1のダイオード2(具体的には、ダイオード2、電流検出部5およびスイッチ32の直列回路)によって太陽電池ストリング12が短絡されているときには、太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間に、正極P1の電位を基準として負極P2が高電位となる試験電圧Vtstを印加可能となっている。
この場合、試験電圧Vtstは、検査対象の太陽電池ストリング12内に配設されているバイパスダイオード24の順方向電圧をVfとし、またこのバイパスダイオード24の個数をn個としたときに、直列に接続されたこの個数nのバイパスダイオード24の順方向電圧Vfの総和(電圧値:n×Vf)を上回る電圧値(つまり、この個数nのバイパスダイオード24を同時にオン状態にさせ得る電圧値)に規定されている。
具体的には、電圧印加部3は、図1に示すように、一例として、コンデンサ31、スイッチ32(本例では一極単投型のスイッチ)および一対のスイッチ33,34(本例では一極双投型のスイッチ)を備えている。この場合、スイッチ32はダイオード2および電流検出部5と直列に接続されて、この直列回路が、太陽電池ストリング12の正極P1に接続されるプローブPL1と太陽電池ストリング12の負極P2に接続されるプローブPL2との間に接続されている。また、スイッチ33,34の各c接点間にコンデンサ31が接続され、スイッチ33のa接点にプローブPL2が接続され、スイッチ34のa接点にプローブPL1が接続され、スイッチ33のb接点にダイオード2のアノード端子が接続され、スイッチ34のb接点にダイオード2のカソード端子が接続されている。なお、スイッチ32,33,34は、例えばリレーなどの有接点スイッチで構成することもできるし、オフ・オンする際におけるチャタリングの発生を回避するためにトランジスタやサイリスタなどの半導体スイッチ(無接点スイッチ)で構成することもできるが、スイッチ32については、オフ・オンする際におけるアークの発生を確実に回避するため、半導体スイッチ(無接点スイッチ)で構成するのが好ましい。
各スイッチ32,33,34は、処理部6によって制御されることにより、スイッチ32についてはオン状態およびオフ状態のうちの一方の状態に選択的に切り替えられ、各スイッチ33,34については、c接点とa接点とが接続される接続状態(充電接続状態)、およびc接点とb接点とが接続される接続状態(放電接続状態)のうちの一方の接続状態に選択的に切り替えられる。
この構成により、電圧印加部3では、処理部6によってスイッチ32がオフ状態に切り替えられ、かつ各スイッチ33,34が充電接続状態に切り替えられているときには、コンデンサ31は、プローブPL1,PL2を介して接続された太陽電池ストリング12の光起電力により、スイッチ33側の端子の電位を基準としてスイッチ34側の端子が正電位となる状態で試験電圧Vtstに充電される。一方、電圧印加部3では、処理部6によってスイッチ32がオン状態に切り替えられ、かつ各スイッチ33,34が放電接続状態に切り替えられているときには、コンデンサ31に充電されている試験電圧Vtstを、ダイオード2の両端間(つまり、プローブPL1,PL2を介して接続されると共にダイオード2によって短絡される太陽電池ストリング12間)に印加する。なお、本例では、検査対象としている太陽電池ストリング12の光起電力でコンデンサ31を充電する簡易な構成を採用しているが、この構成に代えて、図示はしないが、検査対象としている太陽電池ストリング12とは別の太陽電池ストリング12の光起電力で充電する構成や、コンデンサ31を充電するための専用の電源を配置する構成を採用することもできる。
電圧検出部4は、コンデンサ31の両端間電圧(スイッチ33側の端子の電位を基準とするスイッチ34側の端子の電圧。上記の充電接続状態では試験電圧Vtst)を検出すると共に、検出したこの両端間電圧の電圧値に比例して変化する電圧信号Svを生成して処理部6に出力する。電流検出部5は、上記のように、ダイオード2およびスイッチ32と直列に接続された状態で、太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間にプローブPL1,PL2を介して接続される。この電流検出部5は、例えば電流電圧変換回路を備えて構成されて、通過する電流Iを検出すると共に電圧信号Si(通過する電流の電流値に比例して電圧値が変化する信号)に変換して処理部6に出力する。
処理部6は、例えば、A/D変換器、メモリおよびCPU(いずれも不図示)などを備えて、電圧印加部3の切替部(各スイッチ32,33,34)に対する制御処理(各スイッチ32,33,34の切り替え処理)と、電圧検出部4から出力される電圧信号Svに基づいて電圧検出部4で検出しているコンデンサ31の両端間電圧を測定する電圧測定処理と、電流検出部5から出力される電圧信号Siに基づいて電流検出部5に流れる電流Iの電流値を測定する電流測定処理と、太陽電池検査装置1にプローブPL1,PL2を介して検査対象として接続されている太陽電池ストリング12のバイパスダイオード24について検査する(バイパスダイオード24についての劣化状態を検査する)バイパスダイオード検査処理50(図3参照)とを実行可能に構成されている。
また、処理部6は、バイパスダイオード検査処理50の結果を出力する出力処理についても実行可能に構成されている。この出力処理では、太陽電池検査装置1にディスプレイ装置などの出力装置が設けられているときにはこの出力装置に検査の結果を出力し、また太陽電池検査装置1が外部に設けられた他の装置と通信可能な構成のときにはこの他の装置に検査の結果を出力する。
次に、太陽電池検査装置1を用いて太陽電池ストリング12のバイパスダイオード24を検査する際の太陽電池検査装置1の動作を、バイパスダイオード24の検査方法(太陽電池検査方法)と併せて図3を参照して説明する。なお、太陽電池ストリング12の各太陽電池セル23は、正常であり、太陽光を受けて光起電力を発生させているものとする。
建物に設置されている太陽電池アレイ11を構成している複数の太陽電池ストリング12のバイパスダイオード24について検査する際には、この太陽電池アレイ11が接続されている接続箱13内の各スイッチ15のうちの検査対象として太陽電池検査装置1に接続する1つの太陽電池ストリング12に対応するスイッチ15をオン状態からオフ状態に切り替えて、他の太陽電池ストリング12から切り離し、この切り離された状態の1つの太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間にプローブPL1,PL2を介して太陽電池検査装置1を接続するという操作を、全ての太陽電池ストリング12のバイパスダイオード24についての検査が完了するまで繰り返す。
太陽電池検査装置1では、検査対象とする1つの太陽電池ストリング12(検査対象とするバイパスダイオード24を含む太陽電池ストリング12)がプローブPL1,PL2を介して接続されている状態において、図3に示すバイパスダイオード検査処理50を実行する。
このバイパスダイオード検査処理50では、処理部6は、まず、コンデンサ31に対する1回目の充電処理を実行する(ステップ51)。この充電処理では、処理部6は、スイッチ32に対する制御処理を実行してオフ状態に切り替えると共に、スイッチ33,34に対する制御処理を実行して充電接続状態に切り替える。これにより、コンデンサ31は、プローブPL1,PL2を介して太陽電池ストリング12に接続される。このため、コンデンサ31は、太陽電池ストリング12の光起電力により、スイッチ33側の端子の電位を基準としてスイッチ34側の端子が正電位となる状態で充電される。
処理部6は、電圧測定処理を実行して、電圧検出部4から出力される電圧信号Svに基づいて電圧検出部4で検出しているコンデンサ31の両端間電圧の電圧値を測定しつつ、この電圧値が予め規定された第1電圧値V1に達した時点で、スイッチ33,34に対する制御処理を実行して放電接続状態に切り替える。これにより、コンデンサ31に対する光起電力による1回目の充電処理(第1電圧値V1の試験電圧Vtstを充電する処理)が完了する。
次いで、処理部6は、1回目の放電処理を実行する(ステップ52)。この放電処理では、処理部6は、スイッチ32に対する制御処理を実行してオン状態に切り替える。これにより、発電状態(光起電力を発生させている状態)の太陽電池ストリング12がダイオード2で短絡されると共に、コンデンサ31に充電された試験電圧Vtstが太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間に印加される。
この状態では、試験電圧Vtstの電圧値(この場合は第1電圧値V1)は上記したように太陽電池ストリング12内に配設されているすべて(n個)のバイパスダイオード24を同時にオン状態にさせ得る電圧値であるため、コンデンサ31から太陽電池ストリング12に短絡電流Isの電流値を超える電流値の電流(放電電流)Iが流れる。ここで、短絡電流Isとは、発電状態(光起電力を発生させている状態)の太陽電池ストリング12がコンデンサ31の未接続の状態においてダイオード2で短絡されたときに太陽電池ストリング12に流れる電流である。
処理部6は、電流測定処理を実行して、電流検出部5から出力される電圧信号Siに基づいて電流検出部5に流れる電流Iの電流値を測定する。一例として、処理部6は、電圧信号Siに基づいて、放電処理の開始直後の電流Iのピークの電流値を、第1電圧値V1の試験電圧Vtstを太陽電池ストリング12に印加したときの電流値(第1電流値I1)として測定して記憶する。これにより、この放電処理が完了する。なお、コンデンサ31に充電されている試験電圧Vtstの電圧値がn個のバイパスダイオード24を同時にオンさせることができない電圧値((n×Vf)を下回る電圧値)まで低下した以降は、コンデンサ31に充電されている電荷は太陽電池ストリング12から出力される電流I(出力電流)の一部として流れる(放電される)。これにより、コンデンサ31の電圧は、ほぼゼロボルト(実際には、ダイオード2の順方向電圧値)まで急速に低下する。
続いて、処理部6は、コンデンサ31に対する2回目の充電処理を実行する(ステップ53)。この充電処理では、処理部6は、スイッチ32に対する制御処理を実行してオフ状態に切り替えると共に、スイッチ33,34に対する制御処理を実行して充電接続状態に切り替える。これにより、コンデンサ31は、プローブPL1,PL2を介して太陽電池ストリング12に接続される。このため、コンデンサ31は、太陽電池ストリング12の光起電力により、スイッチ33側の端子の電位を基準としてスイッチ34側の端子が正電位となる状態で充電される。
処理部6は、上記した1回目の充電処理での電圧測定処理のときと同様にして、コンデンサ31を第2電圧値V2(第1電圧値V1とは異なる電圧値)の試験電圧Vtstに充電する。
次いで、処理部6は、2回目の放電処理を実行する(ステップ54)。この放電処理では、処理部6は、スイッチ32に対する制御処理を実行してオン状態に切り替える。これにより、発電状態(光起電力を発生させている状態)の太陽電池ストリング12がダイオード2で短絡されると共に、コンデンサ31に充電された試験電圧Vtstが太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間に印加される。
この状態においても、試験電圧Vtstの電圧値(この場合は第2電圧値V2)は上記したように太陽電池ストリング12内に配設されているすべて(n個)のバイパスダイオード24を同時にオン状態にさせ得る電圧値であるため、コンデンサ31から太陽電池ストリング12に短絡電流Isの電流値を超える電流値の電流(放電電流)Iが流れる。
処理部6は、上記した1回目の充電処理での電流測定処理のときと同様にして、電流検出部5から出力される電圧信号Siに基づいて、放電処理の開始直後の電流Iのピークの電流値を、第2電圧値V2の試験電圧Vtstを太陽電池ストリング12に印加したときの電流値(第2電流値I2)として測定して記憶する。また、処理部6は、スイッチ32に対する制御処理を実行してオフ状態に切り替えることで、コンデンサ31およびダイオード2を太陽電池ストリング12から切り離す。これにより、この放電処理が完了する。
続いて、処理部6は、抵抗測定処理を実行する(ステップ55)。この抵抗測定処理では、処理部6は、上記の第1電圧値V1、第2電圧値V2、第1電流値I1および第2電流値I2を下記式(1)に代入して、抵抗値Rを算出して記憶する。
抵抗値R=(V1−V2)/(I1−I2) ・・・ (1)
この場合、抵抗値Rは、以下で説明するように、太陽電池ストリング12内に配設されているすべて(n個)のバイパスダイオード24の抵抗値(各バイパスダイオード24に等価的に入っている直列抵抗の抵抗値)の総和Rbdと、コンデンサ31と太陽電池ストリング12とを接続する経路全体の抵抗値Rsを加算した抵抗値(電流Iの経路において、各バイパスダイオード24に等価的に接続されている直列抵抗の総抵抗値)を意味する(図4の左図参照)。
上記式(1)の導出手順を説明すると、上記した1回目および2回目の放電処理のときのように、コンデンサ31から太陽電池ストリング12に対して、太陽電池ストリング12内に配設されているすべて(n個)のバイパスダイオード24を同時にオン状態にさせ得る電圧値(第1電圧値V1や第2電圧値V2)で試験電圧Vtstが印加されているときには、太陽電池ストリング12内の直列接続された複数の太陽電池セル23には短絡電流Isが流れ、この短絡電流Is以外の電流(I−Is)はバイパスダイオード24にだけ流れる。このため、図4中の右図に示すように直列接続された各クラスタ22の出力端子間にそれぞれ接続されているバイパスダイオード24は、同図中の左図に示すように、等価的に、すべてが直列接続された状態で複数の太陽電池セル23全体と並列接続された状態となる。
これにより、第1電圧値V1と第1電流値I1との間には、下記式(2)が成り立つ。
V1=I1×Rs+(I1−Is)×Rbd+n×Vf ・・・ (2)
また、第2電圧値V2と第2電流値I2との間には、下記式(3)が成り立つ。
V2=I2×Rs+(I2−Is)×Rbd+n×Vf ・・・ (3)
なお、太陽電池ストリング12への日射量に応じて太陽電池ストリング12全体での光起電力が時間と共に変化し、これにより短絡電流Isの電流値も時間と共に変化するが、上記したステップ51からステップ54までの処理を短い時間内(例えば、数十ms程度や数百ms程度の時間内。約1秒未満の時間内)に実行することで、日射量は一定であるとみなすことができ、この結果として短絡電流Isも一定であるとみなすことができる。
したがって、上記式(2)の左辺から上記式(3)の左辺を減算すると共に、上記式(2)の右辺から上記式(3)の右辺を減算し、得られた式を整理することにより、短絡電流Isについての項、およびバイパスダイオード24の順方向電圧Vfについての項が消去されて、上記式(1)が導出される。
次いで、処理部6は、判定処理を実行する(ステップ56)。算出された抵抗値Rは、上記したように、すべてのバイパスダイオード24の抵抗値の総和Rbdと、コンデンサ31と太陽電池ストリング12とを接続する経路全体の抵抗値Rsとの加算値であることから、すべてのバイパスダイオード24のうちの少なくとも1つのバイパスダイオード24が劣化してその抵抗値が正常なときの抵抗値よりも増加しているときには、抵抗値Rもその分だけ増加する。したがって、すべてのバイパスダイオード24が正常であるときの抵抗値Rが含まれる範囲の上限値を予め測定しておき、算出された抵抗値Rと上限値とを比較することで、検査対象となっている太陽電池ストリング12において、バイパスダイオード24が劣化しているか否か(劣化状態)を判定することが可能となる。
この太陽電池検査装置1では、この判定処理において、処理部6は、算出された抵抗値Rと上記の上限値とを比較して、この抵抗値Rが上限値以下のときには、太陽電池ストリング12のすべてのバイパスダイオード24は劣化していないと判定し、この抵抗値Rが上限値を超えているときには、太陽電池ストリング12のいずれかのバイパスダイオード24が劣化していると判定する。また、処理部6は、判定の結果を記憶する。
最後に、処理部6は、出力処理を実行して、算出した抵抗値Rと判定の結果とを出力する(ステップ57)。これにより、バイパスダイオード検査処理50が完了する。
このように、この太陽電池検査装置1および太陽電池検査方法では、発電状態の太陽電池ストリング12をダイオード2で短絡した状態において、太陽電池ストリング12の正極の電位を基準としてその負極の電位が高電位となる試験電圧Vtstを印加しつつ、太陽電池ストリング12に流れる電流Iを検出し、試験電圧Vtstの電圧値が第1電圧値V1のときの電流Iの第1電流値I1およびこの第1電圧値V1、並びに試験電圧Vtstの電圧値が第2電圧値V2のときの電流Iの第2電流値I2およびこの第2電圧値V2から算出される抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))に基づいてバイパスダイオード24の劣化状態を検査する。
太陽電池ストリング12では、バイパスダイオード24は、オープン故障に至る前であっても、劣化したときにはその抵抗値が正常なときの抵抗値よりも増加する。これにより、この太陽電池検査装置1および太陽電池検査方法において算出される抵抗値Rも、太陽電池ストリング12内の複数のバイパスダイオード24のうちの少なくとも1つが劣化したときには、すべてのバイパスダイオード24が正常なときの抵抗値Rよりも増加する。したがって、この太陽電池検査装置1および太陽電池検査方法によれば、発電状態の太陽電池ストリング12を検査対象としつつ、算出した抵抗値Rに基づいて、内部に配置された複数のバイパスダイオード24のいずれかが劣化しているか否かをオープン故障に至る前段階であっても(オープン故障のときにも)検査することができる。また、この太陽電池検査装置1によれば、処理部6がこの抵抗値Rの算出から抵抗値Rに基づく上記の検査までを実行するため、バイパスダイオード24の劣化状態の検査についての自動化を図ることができる。
また、この太陽電池検査装置1によれば、検査対象の太陽電池ストリング12に試験電圧Vtstを印加するためのコンデンサ31を、この太陽電池ストリング12の光起電力で充電する構成を採用したことにより、コンデンサ31を充電するための専用の電源を不要にすることができるため、装置の簡略化、および装置コストの低減を図ることができる。
なお、上記の太陽電池検査装置1では、コンデンサ31を第1電圧値V1や第2電圧値V2の試験電圧Vtstに充電する際に、処理部6が電圧検出部4から出力される電圧信号Svに基づいてコンデンサ31の両端間電圧の電圧値を測定しつつ、この電圧値が第1電圧値V1や第2電圧値V2に達した時点で、スイッチ33,34に対する制御処理を実行して放電接続状態に切り替える(太陽電池ストリング12の光起電力による充電を停止させる)構成を採用しているが、これ以外の構成を採用して、コンデンサ31を第1電圧値V1や第2電圧値V2の試験電圧Vtstに充電することもできる。例えば、図示はしないが、太陽電池ストリング12の光起電力を入力して試験電圧Vtstを出力する電源であって、この試験電圧Vtstの電圧値を処理部6からの制御によって調整可能な電源を設け、処理部6が、この電源から出力される試験電圧Vtstの電圧値を第1電圧値V1に設定してコンデンサ31を充電して太陽電池ストリング12に印加し、また、この電源から出力される試験電圧Vtstの電圧値を第2電圧値V2に設定してコンデンサ31を充電して太陽電池ストリング12に印加するという構成を採用することもできる。
また、上記の太陽電池検査装置1では、処理部6が、判定処理(上記のステップ56の処理)を実行して、算出した抵抗値Rと上記の上限値とを比較することでバイパスダイオード24の劣化の有無を自動的に判定する構成を採用しているが、この判定処理を実行せずに、算出した抵抗値Rを出力する出力処理を実行するだけの構成を採用することもできる。この構成の太陽電池検査装置においても、算出した抵抗値Rが出力されるため、作業者が、この抵抗値Rを上記の上限値(既知)と比較したり、または複数の太陽電池ストリング12についての抵抗値R同士を比較したりすることができ、この比較の結果、前者の場合には抵抗値Rが上限値を超えているとき、また後者の場合には他の太陽電池ストリング12についての抵抗値Rよりも突出して大きな抵抗値Rとなっているときには、この太陽電池ストリング12のバイパスダイオード24に劣化するものが含まれていると判定することができる。
また、上記の太陽電池検査装置1では、試験電圧Vtstの電圧値を第1電圧値V1に規定したときに流れる電流Iの電流値(第1電流値I1)を測定し、かつ試験電圧Vtstの電圧値を第2電圧値V2に規定したときに流れる電流Iの電流値(第2電流値I2)を測定する構成を採用しているが、この構成に限定されない。例えば、太陽電池ストリング12に流れる電流Iの電流値を第1電流値I1に規定したときの太陽電池ストリング12の正極および負極間の電圧値を第1電圧値V1として測定し、太陽電池ストリング12に流れる電流Iの電流値を第1電流値I1とは異なる第2電流値I2に規定したときの太陽電池ストリング12の正極および負極間の電圧値を第2電圧値V2として測定し、この第1電流値I1、第1電圧値V1、第2電流値I2および第2電圧値V2を上記の式(1)に代入して抵抗値Rを算出する構成を採用することもできる。
この構成を採用した太陽電池検査装置1Aは、図1において破線で示すように、太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間の電圧値を測定して処理部6に出力する電圧測定部7を有すると共に、上記の電流検出機能と共に電流制限機能を有する電流検出部5(つまり、電流制限部としても機能する電流検出部)を備えている。なお、図示はしないが、電流検出機能を有する電流検出部5とは別に、電流制限機能を有する電流制限部を電流Iの経路に配設する構成を採用してもよい。また、この電流制限機能とは、試験電圧Vtstの印加時に電流検出部5に流れる電流I(太陽電池ストリング12に流れる電流でもある)の電流値を、処理部6によって設定された電流値に制限する機能である。また、この例での電流検出部5は、処理部6からの制御により、電流制限機能をオフにすることが可能に構成されている。また、太陽電池検査装置1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この太陽電池検査装置1Aでは、バイパスダイオード検査処理において、処理部6は、まず、上記したステップ51での充電処理の前処理として、太陽電池ストリング12の短絡電流を測定する短絡電流測定処理を実行する。この短絡電流測定処理では、処理部6は、電流検出部5に対する制御を実行して電流制限機能をオフにさせ、かつスイッチ33,34に対する制御を実行してコンデンサ31をダイオード2から切り離すと共に、スイッチ32に対してオン状態に移行させる制御を実行することにより、ダイオード2で短絡される短絡状態に太陽電池ストリング12を移行させる。また、処理部6は、この短絡状態であって、かつこの試験電圧Vtstが印加されていない状態(非印加状態)において、電流検出部5から出力される電圧信号Siに基づいて電流検出部5に流れる電流Iの電流値を測定し、この測定した電流値を短絡電流Isの電流値として記憶する。
次いで、処理部6は、上記したステップ51での充電処理と同様にして、コンデンサ31を試験電圧Vtstに充電する1回目の充電処理を実行する。この場合、ステップ51での充電処理とは異なり、試験電圧Vtstを規定の電圧値(第1電圧値V1)に充電する必要はなく、個数nのバイパスダイオード24を同時にオン状態にさせ得る電圧値であればよい。
続いて、処理部6は、電流検出部5に対して、電流制限値を第1電流値I1に設定する処理を実行する。この第1電流値I1は、測定した上記の短絡電流Isの電流値(太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間をダイオード2で短絡させることで予め測定し得る電流値)を超え、かつバイパスダイオード24の最大定格電流値未満の電流値であって予め規定された電流値(例えば、短絡電流Isの電流値に予め規定された第1の係数(1を超える値の係数)を乗算して得られる電流値)に規定する。なお、この処理は、上記した1回目の充電処理の前に実行するようにすることもできる。
次いで、処理部6は、上記したステップ52での放電処理と同様にして、コンデンサ31に充電された試験電圧Vtstを太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間に印加する処理を実行する。この試験電圧Vtstの印加により、コンデンサ31から太陽電池ストリング12に短絡電流Isの電流値を超える電流値の電流(放電電流)Iが流れるが、この太陽電池検査装置1Aでは、電流検出部5がこの電流Iの電流値を第1電流値I1に制限する(第1電流値I1を超えて増加しようとする電流Iの電流値を第1電流値I1に維持する)。処理部6は、電流Iの電流値が第1電流値I1に維持されているときの太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間の電圧値を電圧測定部7を介して測定して第1電圧値V1として記憶する。
続いて、処理部6は、上記したステップ53での充電処理と同様にして、コンデンサ31を試験電圧Vtstに充電する2回目の充電処理を実行する。この場合、ステップ53での充電処理とは異なり、試験電圧Vtstを規定の電圧値(第2電圧値V2)に充電する必要はなく、個数nのバイパスダイオード24を同時にオン状態にさせ得る電圧値であればよい。また、1回目の充電処理での試験電圧Vtstの電圧値と同じ電圧値であってもよい。
次いで、処理部6は、電流検出部5に対して、電流制限値を第2電流値I2に設定する処理を実行する。この第2電流値I2は、上記した第1電流値I1のときと同様にして、短絡電流Isの電流値を超え、かつバイパスダイオード24の最大定格電流値未満の電流値であって予め規定された電流値(例えば、短絡電流Isの電流値に、第1の係数とは異なる値であって、1を超える値に予め規定された第2の係数を乗算して得られる電流値)に規定する。なお、この処理は、上記した2回目の充電処理の前に実行するようにすることもできる。
続いて、処理部6は、上記したステップ54での放電処理と同様にして、コンデンサ31に充電された試験電圧Vtstを太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間に印加する処理を実行する。この試験電圧Vtstの印加により、コンデンサ31から太陽電池ストリング12に短絡電流Isの電流値を超える電流値の電流(放電電流)Iが流れるが、この太陽電池検査装置1Aでは、電流検出部5がこの電流Iの電流値を第2電流値I2に制限する(第2電流値I2を超えて増加しようとする電流Iの電流値を第2電流値I2に維持する)。処理部6は、電流Iの電流値が第2電流値I2に維持されているときの太陽電池ストリング12の正極P1および負極P2間の電圧値を電圧測定部7を介して測定して第2電圧値V2として記憶する。
次いで、処理部6は、上記したステップ55での抵抗測定処理と同様にして、測定した第1電圧値V1および第2電圧値V2と、既知の第1電流値I1および第2電流値I2とを上記の式(1)に代入して抵抗値Rを算出して記憶し、上記したステップ56での判定処理と同様にして、算出した抵抗値Rに基づいてバイパスダイオード24が劣化しているか否か(劣化状態)を判定し、上記したステップ57での出力処理と同様にして、算出した抵抗値Rと判定の結果とを出力する。これにより、この太陽電池検査装置1Aでのバイパスダイオード検査処理が完了する。
また、電流検出機能と共に電流制限機能を有する電流検出部5を使用する例について説明したが、電流検出機能を有する電流検出部5とは別に、電流制限機能を有する電流制限部を電流Iの経路に配設する構成を採用したときには、処理部6は、第1電流値I1および第2電流値I2については電流制限部に対して設定する。
この太陽電池検査装置1Aのように、太陽電池ストリング12の短絡電流Isを自動的に測定すると共に、この測定した短絡電流Isに基づいて第1電流値I1および第2電流値I2を自動的に規定(決定)する構成を採用することにより、より適切な値の第1電流値I1および第2電流値I2を自動的に算出して太陽電池ストリング12の検査に使用することができる。
なお、検査対象の太陽電池ストリング12についての短絡電流Isが既知のときには、この電流検出部5に代えて、電流制限機能を有する電流制限部を配置する構成を採用して、短絡電流Isを測定する上記の短絡電流測定処理を省くこともできる。この場合、処理部6は、第1電流値I1および第2電流値I2については電流制限部に対して設定する。この構成においても、より適切な値の第1電流値I1および第2電流値I2を使用して、太陽電池ストリング12の検査を実行することができる。
また、上記したように、太陽電池ストリング12は一般的には複数の太陽電池モジュール21が直列接続されて構成されているが、太陽電池ストリング12が1つの太陽電池モジュール21で構成されている太陽電池アレイ11では、検査対象である太陽電池ストリング12が太陽電池モジュール21自体となる。
また、上記の太陽電池検査装置1が実行する充電処理での電流測定処理において測定する電流(放電電流)Iのピークの電流値については、試験電圧Vtstの各電圧値V1,V2を適切な値に規定することで、通常はバイパスダイオード24の最大定格電流値を超えることはないが、バイパスダイオード24に対するより高い保護を図るために、電流Iの流れる電流経路中に不図示の電流制限回路を配置する構成を採用するのが好ましい。この場合、電流制限回路は、例えば、バイパスダイオード24の最大定格電流値未満に電流Iの電流値を制限する構成とすることができる。
また、上記の太陽電池検査装置1では、充電処理および放電処理を2回実行して、1回目の充電処理および放電処理での第1電圧値V1および第1電流値I1と、2回目の充電処理および放電処理での第2電圧値V2および第2電流値I2とに基づいて、抵抗値Rを算出する構成を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、図示はしないが、充電処理および放電処理を1回実行する構成として、この1回の放電処理の実行中における電流(放電電流)Iの過渡現象波形とコンデンサ31の両端間電圧の過渡現象波形とを観測しつつ、放電開始後の第1経過時間での電流Iの電流値および両端間電圧の電圧値を第1電流値I1および第1電圧値V1として測定し、かつ第1経過時間とは異なる第2経過時間での電流Iの電流値および両端間電圧の電圧値を第2電流値I2および第2電圧値V2として測定して、この第1電流値I1、第1電圧値V1、第2電流値I2および第2電圧値V2に基づいて抵抗値Rを算出する構成を採用することもできる。
また、上記の太陽電池検査装置1,1Aでは、上記したように、検査対象の太陽電池ストリング12への日射量が一定であるとみなせること、つまり検査時における短絡電流Isは一定であるとみなせることを前提条件としている。このため、この前提条件が崩れたときには、抵抗値Rを正確に算出できず、太陽電池ストリング12に対する検査も正しく行えない。
このため、太陽電池検査装置1では、次の構成を採用するのが好ましい。具体的には、処理部6が、まず、電流検出部5による第1電流値I1の検出(処理部6による第1電流値I1の測定)の直前または直後に、つまり、上記した1回目の放電処理(ステップ52)の直前または直後に、発電状態でかつ試験電圧Vtstの非印加状態において、一方向性素子2によって短絡されているときの太陽電池ストリング12に流れる電流を1回目短絡電流として電流検出部5に検出させる(処理部6がこの1回目短絡電流の電流値を測定する)。次いで、電流検出部5による第2電流値I2の検出(処理部6による第2電流値I2の測定)の直前または直後に、つまり、上記した2回目の放電処理(ステップ54)の直前または直後に、発電状態でかつ試験電圧Vtstの非印加状態において、一方向性素子2によって短絡されているときの太陽電池ストリング12に流れる電流を2回目短絡電流として電流検出部5に検出させる(処理部6がこの2回目短絡電流の電流値を測定する)。そして、処理部6は、上記した判定処理(ステップ56)の実行前、好ましくは抵抗測定処理(ステップ55)の実行前に、1回目短絡電流の電流値と2回目短絡電流の電流値の差分が許容範囲内であるか否か(短絡電流Isが一定であるとみなせるか否か)を判別する判別処理を実行して、この両電流値の差分が許容範囲内のとき(短絡電流Isが一定であるとみなせるとき)には、ステップ55,56に移行し、一方、この両電流値の差分が許容範囲内でないとき(短絡電流Isが一定であるとみなせないとき)には、不図示のエラー処理を実行する、という構成を採用するのが好ましい。このエラー処理としては、例えば、抵抗値Rの算出を中止する処理、上記のバイパスダイオード検査処理を再度行ういわゆるリトライ処理、正確な抵抗値Rの算出が行えない旨や太陽電池ストリング12に対する正しい検査を実行できない旨を不図示の表示部に表示する表示処理、およびこれら旨を示す情報を外部装置に送出する出力処理などを採用することができる。この構成を採用することにより、太陽電池検査装置1によれば、誤った抵抗値Rの算出に起因する誤判定を回避することができる。
また、太陽電池検査装置1Aでは、次の構成を採用するのが好ましい。具体的には、処理部6が、まず、第1電圧値V1の測定の直前または直後に、発電状態でかつ試験電圧Vtstの非印加状態において、一方向性素子2によって短絡されているときの太陽電池ストリング12に流れる電流を1回目短絡電流として電流検出部5に検出させる(処理部6がこの1回目短絡電流の電流値を測定する)。次いで、第2電圧値V2の測定の直前または直後に、発電状態でかつ試験電圧Vtstの非印加状態において、一方向性素子2によって短絡されているときの太陽電池ストリング12に流れる電流を2回目短絡電流として電流検出部5に検出させる(処理部6がこの2回目短絡電流の電流値を測定する)。そして、処理部6は、算出した抵抗値Rに基づきバイパスダイオード24が劣化しているか否かを判定する前に、好ましくは、この抵抗値Rの算出の前に、1回目短絡電流の電流値と2回目短絡電流の電流値の差分が許容範囲内であるか否か(短絡電流Isが一定であるとみなせるか否か)を判別する判別処理を実行して、この両電流値の差分が許容範囲内のとき(短絡電流Isが一定であるとみなせるとき)には、抵抗値Rの算出やこの抵抗値Rに基づく劣化の有無の判定を行う処理に移行し、一方、この両電流値の差分が許容範囲内でないとき(短絡電流Isが一定であるとみなせないとき)には、上記したエラー処理を実行する、という構成を採用するのが好ましい。この構成を採用することにより、太陽電池検査装置1Aによっても、誤った抵抗値Rの算出に起因する誤判定を回避することができる。なお、この太陽電池検査装置1Aでは、1回目の充電処理の前処理として、太陽電池ストリング12についての短絡電流を測定しているため、この測定された短絡電流の電流値を1回目短絡電流の電流値として使用することもできる。
1,1A 太陽電池検査装置
2 ダイオード(一方向性素子)
3 電圧印加部
4 電圧検出部
5 電流検出部
6 処理部
12 太陽電池ストリング
21 太陽電池モジュール
22 クラスタ
23 太陽電池(太陽電池セル)
24 バイパスダイオード
31 コンデンサ
32,33,34 スイッチ
Vtst 試験電圧

Claims (8)

  1. 太陽電池およびバイパスダイオードを有する複数の太陽電池モジュールが直列接続されて構成された太陽電池ストリングに光起電力が発生している発電状態のときに当該太陽電池ストリングから出力される出力電流の通過を許容する極性で当該太陽電池ストリングの正極および負極間に接続されて当該太陽電池ストリングを短絡させる一方向性素子と、
    前記一方向性素子で短絡されている前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間に、当該正極の電位を基準として当該負極の電位が高電位となる電圧であって、複数の前記バイパスダイオードの順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧を印加可能な電圧印加部と、
    前記太陽電池ストリングに流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記試験電圧の前記電圧値が第1電圧値V1のときに前記電流検出部で検出される前記電流の第1電流値I1および当該第1電圧値V1、並びに前記試験電圧の前記電圧値が前記第1電圧値V1とは異なる第2電圧値V2のときに前記電流検出部で検出される前記電流の第2電流値I2および当該第2電圧値V2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出する処理部とを備えている太陽電池検査装置。
  2. 太陽電池およびバイパスダイオードを有する複数の太陽電池モジュールが直列接続されて構成された太陽電池ストリングに光起電力が発生している発電状態のときに当該太陽電池ストリングから出力される出力電流の通過を許容する極性で当該太陽電池ストリングの正極および負極間に接続されて当該太陽電池ストリングを短絡させる一方向性素子と、
    前記一方向性素子で短絡されている前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間に、当該正極の電位を基準として当該負極の電位が高電位となる電圧であって、複数の前記バイパスダイオードの順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧を印加可能な電圧印加部と、
    前記太陽電池ストリングに流れる電流を設定された電流値に制限する電流制限部と、
    前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間の電圧を測定する電圧測定部と、
    前記試験電圧の印加時に流れる電流が前記電流制限部に設定された第1電流値I1に制限されているときに前記電圧測定部で測定される第1電圧値V1および当該第1電流値I1、並びに前記試験電圧の印加時に流れる電流が前記電流制限部に設定された前記第1電流値I1とは異なる第2電流値I2に制限されているときに前記電圧測定部で測定される第2電圧値V2および当該第2電流値I2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出する処理部とを備えている太陽電池検査装置。
  3. 前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる短絡電流の電流値を検出する電流検出部を備え、
    前記処理部は、前記検出された短絡電流の電流値に1を超える第1の係数を乗算して得られる電流値を前記第1電流値I1として前記電流制限部に設定すると共に、当該短絡電流の電流値に1を超え、かつ前記第1の係数とは異なる第2の係数を乗算して得られる電流値を前記第2電流値I2として前記電流制限部に設定する請求項2記載の太陽電池検査装置。
  4. 前記処理部は、前記算出した抵抗値Rに基づいて前記バイパスダイオードの劣化状態を検査する請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池検査装置。
  5. 前記電圧印加部は、コンデンサと、前記一方向性素子による前記太陽電池ストリングの短絡が解除されると共に前記コンデンサが当該太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間に接続されて前記光起電力で充電される充電接続状態と当該一方向性素子で当該太陽電池ストリングが短絡されると共に当該充電されたコンデンサが当該負極から当該正極に向けて電流を放電するように当該正極および当該負極間に接続される放電接続状態とを切り替える切替部とを備えている請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池検査装置。
  6. 前記処理部は、
    前記電流検出部による前記第1電流値I1の検出の直前または直後に、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる前記電流を1回目短絡電流として前記電流検出部に検出させ、
    前記電流検出部による前記第2電流値I2の検出の直前または直後に、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる前記電流を2回目短絡電流として前記電流検出部に検出させ、
    検出された前記1回目短絡電流の電流値と検出された前記2回目短絡電流の電流値の差分が許容範囲内でないときに、エラー処理を実行する請求項1記載の太陽電池検査装置。
  7. 前記処理部は、
    前記電圧測定部による前記第1電圧値V1の測定の直前または直後に、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる前記電流を1回目短絡電流として前記電流検出部に検出させ、
    前記電圧測定部による前記第2電圧値V2の測定の直前または直後に、前記発電状態でかつ前記試験電圧の非印加状態において、前記一方向性素子によって短絡されているときの前記太陽電池ストリングに流れる前記電流を2回目短絡電流として前記電流検出部に検出させ、
    検出された前記1回目短絡電流の電流値と検出された前記2回目短絡電流の電流値の差分が許容範囲内でないときに、エラー処理を実行する請求項3記載の太陽電池検査装置。
  8. 太陽電池およびバイパスダイオードを有する複数の太陽電池モジュールが直列接続されて構成された太陽電池ストリングにおける前記バイパスダイオードの劣化状態を検査する太陽電池検査方法であって、
    前記太陽電池ストリングに光起電力が発生している発電状態のときに当該太陽電池ストリングから出力される出力電流の通過を許容する極性で当該太陽電池ストリングの正極および負極間に一方向性素子を接続した状態において、
    前記正極の電位を基準として前記負極の電位が高電位となる電圧であって複数の前記バイパスダイオードの順方向電圧の総和を上回る電圧値の試験電圧を印加することにより、前記バイパスダイオードに電流を流し、
    前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間の電圧値が第1電圧値V1のときに前記太陽電池ストリングに流れる電流の第1電流値I1および当該第1電圧値V1、並びに前記太陽電池ストリングの前記正極および前記負極間の電圧値が前記第1電圧値V1とは異なる第2電圧値V2のときに前記太陽電池ストリングに流れる電流の第2電流値I2および当該第2電圧値V2から抵抗値R(=(V1−V2)/(I1−I2))を算出すると共に当該算出した抵抗値Rに基づいて前記バイパスダイオードの劣化状態を検査する太陽電池検査方法。
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