JP2017147630A - アレーアンテナシステム、アレー制御方法、アンテナ装置およびアレー制御装置 - Google Patents

アレーアンテナシステム、アレー制御方法、アンテナ装置およびアレー制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
従来、アンテナ装置の間隔が広い場合、アンテナ装置間の周波数・位相誤差の補償を行うことが難しかった。
【解決手段】
複数のアンテナ装置で送受信される信号の振幅および位相を制御するアレー制御装置を備えるアレーアンテナシステムにおいて、アレー制御装置は、複数のアンテナ装置で送受信される複数周波数の信号に重み係数を乗算する複数の乗算部と、暫定重み係数を算出する係数算出部と、複数周波数の暫定重み係数間の複素平面上での位相差を算出する位相差算出部と、暫定重み係数間の位相差から複数周波数の差分周波数を仮想入力信号とする重み係数を算出し、当該仮想入力信号の重み係数と暫定重み係数とに基づいてアンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、周波数誤差および位相差に応じて係数算出部が求めた暫定重み係数を補正して乗算部が次に乗算する重み係数とする係数補正部とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アレーアンテナシステムにおけるアンテナ間の周波数・位相誤差を補償する技術に関する。
近年、第5世代以降の移動通信分野において、飛躍的な高速化・大容量化が求められており、その実現のために高周波帯の利用、及び数十〜数百のアンテナ素子によるMassive MIMO(multiple input and multiple output)の技術を用いた分散アレーアンテナシステムの利用が考えられている。しかしながら、全てのアンテナ素子でA/D変換・D/A変換を行う構成は、自由度の高いアレー制御を可能にするが、ハードウェア構成や伝搬路行列を求めるための信号処理が複雑になり、消費電力が増加するなどの観点から実現することが難しい。このため、アンテナ素子をある程度のまとまった数に分割してアナログビームフォーミングとデジタルMIMO処理とを組み合わせたサブアレー型の構成などが用いられており、サブアレー間隔を10λ以上離すことにより、周波数利用効率を向上できることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、ミリ波を利用する場合、見通し波に対して反射波等の信号成分は減衰が大きいため、見通し波の信号成分を積極的に利用する信号処理技術の検討も行われている(例えば、非特許文献2参照)。この場合、ミリ波は人体遮蔽などによって大きく減衰するので、見通しを確保するためにアンテナ間隔を数100λ〜数1000λ(λ:波長)以上離すことが有効であると考えられている。
中川兼治・井浦裕貴・平 明徳・石岡和明・岡崎彰浩(三菱電機)・須山 聡・奥村幸彦(NTTドコモ)・岡村 敦「5G超大容量Massive MIMO伝送における44GHz帯屋外基礎実験に基づいたアンテナ構成評価」電子情報通信学会 無線通信システム研究会RCS2015−24 丸田一輝・岩國辰彦・太田 厚・白戸裕史・新井拓人・飯塚正孝「第1固有モード伝送を積極活用する高周波数帯マルチユーザMassive MIMOの検討」電子情報通信学会 無線通信システム研究会 RCS2015−205
特許第5694240号公報
上述のように、サブアレー型などの複数のアンテナ装置の間隔が広くなると、各アンテナ装置に供給する信号の周波数・位相誤差が問題となる。例えば、複数のアンテナ装置と送受信装置との間でのミリ波信号の直接伝送や、送受信装置から各アンテナ装置への搬送波供給などを行う場合、ケーブルロスの影響が問題となる。また、例えば光ファイバを用いたRoF(Radio Over Fiber)を行う場合においても、ミリ波帯への対応は難しい。
図6は、比較例のアレーアンテナシステム700の一例を示す。図6において、アンテナ装置(701(1)〜701(k)〜701(N):Nは2以上の整数,kは1≦k≦Nの整数)は、それぞれにアンテナ(801(1)〜801(k)〜801(N))と、局部発振器(802(1)〜802(k)〜802(N))と、周波数変換器(803(1)〜803(k)〜803(N))とを備える。この場合、N台の局部発振器802は、周波数・位相の同期が必要となり、例えば同一の10MHzのレファレンス信号を与えて同期を取る方法などが用いられている。しかし、離れて設置される複数のアンテナ装置701のそれぞれに付属するRF(Radio Frequency)装置(局部発振器802,周波数変換器803など)は、風や日光の当たり方など周辺環境の僅かな違いによって温度特性が異なり、時間経過と共に微小ではあるがRF装置間に位相差が生じるという問題がある。
このように、各アンテナ装置701に付属する周波数変換器803や局部発振器802が分散配置されるため、特にミリ波帯の信号を送受信する場合、局部発振器802間の同期を完全にとることが難しい。この結果、アレー制御装置702の乗算器901(1)〜901(k)〜901(N)において、振幅位相重み係数(W〜W〜W)を乗算してアレー制御を行っても、アンテナ装置701間で周波数・位相誤差が生じるという問題がある。
13.05GHzで−60dBc/Hz@100Hzの局部発振器を持つ2つの周波数変換器803を1m程度離して配置し、共通の1GHz帯の無変調信号と10MHzのレファレンス信号を入力して14GHzのKu帯へ周波数変換をそれぞれ実施した。図7は、そのときの出力位相の相対的な変化(相対位相変化)を測定しプロットした図である。ここで、横軸は時間[分]、縦軸は相対位相[度]である。図7の結果から、比較的近くに置いて共通のレファレンス信号を入れているにも拘わらず、分単位の長い時間間隔ではあるが、時間の経過に伴って位相差が大きくなっていくことが確認できる。このため、周波数変換器803を有する複数のアンテナ装置701が離れて配置されている場合、時間変動に対して発生するアンテナ装置701間の位相変動を補償する必要がある。そこで、複数周波数を用いた信号の到来方向の推定により位相変動を補償する方法が考えられている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方法は、信号の到来方向の推定によって算出した到来角を元に位相変動を補償するため、アンテナ装置間の距離が既知である必要がある。この場合、周波数が高いほど波長が短くなるため、求められる距離精度は厳しくなる。ところが、例えば60GHzの信号は、1波長の間隔が0.5mm程度であり、実運用において、アンテナ装置間の正確な距離測定が難しいという問題がある。アレーアンテナシステムでは、複数のアンテナ装置を連携して動作させるため、RF装置を含むアンテナ装置間の周波数・位相誤差を取り除く必要があるが、従来技術では上述の理由により、実現することが難しい。
上記課題に鑑み、本発明に係るアレーアンテナシステム、アレー制御方法、アンテナ装置およびアレー制御装置は、アンテナ装置の間隔が広い場合であっても、アンテナ装置間で発生する周波数・位相誤差の補償を行うことができる技術を提供することを目的とする。
第1の発明は、分散配置された複数のアンテナ装置と、複数のアンテナ装置でそれぞれ送受信される信号の振幅および位相を制御するアレー制御装置とを有するアレーアンテナシステムにおいて、アレー制御装置は、複数のアンテナ装置でそれぞれ送受信される複数周波数の信号にそれぞれ重み係数を乗算する複数の乗算部と、複数の乗算部から出力される複数周波数の信号に対するアンテナ装置毎の暫定重み係数を算出する係数算出部と、係数算出部が算出した複数周波数のそれぞれに対する暫定重み係数間の複素平面上での位相差を算出する位相差算出部と、位相差算出部が算出した暫定重み係数間の位相差から複数周波数の差分周波数を仮想入力信号とする重み係数を算出し、当該仮想入力信号の重み係数と暫定重み係数とに基づいてアンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、周波数誤差および位相差に応じて係数算出部が求めた暫定重み係数を補正して乗算部が次に乗算する重み係数とする係数補正部とを有することを特徴とする。
第2の発明では、アレー制御装置は、複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で第1周波数を除算した値を仮想入力信号の重み係数に累乗した値、または、複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で第1周波数を除算した値を仮想入力信号の重み係数の複素平面上での位相に乗算した値、を算出する係数位相差累乗部をさらに有し、係数補正部は、係数位相差累乗部が算出した値からアンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、係数算出部が求めた暫定重み係数を補正して乗算部が次に乗算する重み係数とすることを特徴とする。
第3の発明では、アレー制御装置は、複数の周波数帯域を有するマルチキャリア信号をアンテナ装置で送受信する場合、マルチキャリア信号を構成する複数の周波数帯域の信号を複数周波数の信号として処理を行い、1つの周波数帯域を有するシングルキャリア信号をアンテナ装置で送受信する場合、シングルキャリア信号を複数の周波数帯域の信号に分割または複数の周波数帯域の信号をシングルキャリア信号に合成する帯域分離合成部を設け、帯域分離合成部が分離または合成する複数の周波数帯域の信号を複数周波数の信号として処理を行うことを特徴とする。
第4の発明は、分散配置された複数のアンテナ装置でそれぞれ送受信される信号の振幅および位相を制御するアレー制御方法であって、複数のアンテナ装置でそれぞれ送受信される複数周波数の信号にそれぞれ重み係数を乗算器で乗算する処理と、複数の乗算器から出力される複数周波数の信号に対するアンテナ装置毎の暫定重み係数を算出する処理と、複数周波数のそれぞれに対する暫定重み係数間の複素平面上での位相差を算出する処理と、暫定重み係数間の位相差から複数周波数の差分周波数を仮想入力信号とする重み係数を算出し、当該仮想入力信号の重み係数と暫定重み係数とに基づいてアンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、周波数誤差および位相差に応じて暫定重み係数を補正して乗算器が次に乗算する重み係数とする処理とを行うことを特徴とする。
第5の発明では、複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で第1周波数を除算した値を仮想入力信号の重み係数に累乗した値、または、複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で第1周波数を除算した値を仮想入力信号の重み係数の複素平面上での位相に乗算した値、を算出する処理をさらに行い、当該処理により算出した値からアンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、暫定重み係数を補正して乗算器が次に乗算する重み係数とすることを特徴とする。
第6の発明は、アレー制御装置により振幅および位相が制御された信号を送受信し、分散配置された複数のアンテナ装置において、通信先の装置との間で信号を送受信するアンテナと、アンテナで送受信される信号の周波数変換を行ってアレー制御装置に入出力する周波数変換部と、周波数変換部が周波数変換するときの基準信号を発振する局部発振器とを有することを特徴とする。
第7の発明は、分散配置された複数のアンテナ装置でそれぞれ送受信される信号の振幅および位相を制御するアレー制御装置において、複数のアンテナ装置でそれぞれ送受信される複数周波数の信号にそれぞれ重み係数を乗算する複数の乗算部と、複数の乗算部から出力される複数周波数の信号に対するアンテナ装置毎の暫定重み係数を算出する係数算出部と、係数算出部が算出した複数周波数のそれぞれに対する暫定重み係数間の複素平面上での位相差を算出する位相差算出部と、位相差算出部が算出した暫定重み係数間の位相差から複数周波数の差分周波数を仮想入力信号とする重み係数を算出し、当該仮想入力信号の重み係数と暫定重み係数とに基づいてアンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、周波数誤差および位相差に応じて係数算出部が求めた暫定重み係数を補正して乗算部が次に乗算する重み係数とする係数補正部とを有することを特徴とする。
第8の発明では、複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で第1周波数を除算した値を仮想入力信号の重み係数に累乗した値、または、複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で第1周波数を除算した値を仮想入力信号の重み係数の複素平面上での位相に乗算した値、を算出する係数位相差累乗部をさらに有し、係数補正部は、係数位相差累乗部が算出した値からアンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、係数算出部が求めた暫定重み係数を補正して乗算部が次に乗算する重み係数とすることを特徴とする。
本発明に係るアレーアンテナシステム、アレー制御方法、アンテナ装置およびアレー制御装置は、アンテナ装置の間隔が広い場合であっても、アンテナ装置間で発生する周波数・位相誤差の補償を行うことができる。
本実施形態に係るアレーアンテナシステムの受信系の一例を示す図である。 本実施形態に係るアレーアンテナシステムの送信系の一例を示す図である。 本実施形態に係るアレーアンテナシステムの制御処理の一例を示す図である。 シミュレーション結果の一例を示す図である。 複数の周波数信号の生成例を示す図である。 比較例のアレーアンテナシステムを示す図である。 相対位相の変化の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係るアレーアンテナシステムの実施形態について説明する。
本実施形態では、分散配置されたサブアレー等のアンテナ素子を一つのアンテナ装置と定義する。
図1は、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100の受信系の一例を示す。アレーアンテナシステム100は、アンテナ装置101(1)、・・・、アンテナ装置101(k)、・・・、アンテナ装置101(N)のN台(k=1〜Nの整数,N:2以上の整数)のアンテナ装置と、アレー制御装置102とを有する。
アンテナ装置101(1)〜101(N)は、アンテナ201(1)〜201(N)、局部発振器202(1)〜202(N)および周波数変換器203(1)〜203(N)をそれぞれ有する。
アレー制御装置102は、フィルタ回路301(1)〜301(N)、乗算器302f1(1)〜302f1(N)、乗算器302f2(1)〜302f2(N)、第1合成回路303f1、第2合成回路303f2、第1係数算出回路304f1、第2係数算出回路304f2、係数位相差・累乗回路305、アンテナ間位相差算出回路306および係数補正回路307を有する。
ここで、アンテナ装置101(1)、・・・、アンテナ装置101(k)、・・・、アンテナ装置101(N)に共通の事項を説明する場合は、符号末尾の(番号)を省略してアンテナ101または101(k)と表記する。また、他のブロック(フィルタ回路301(1))などの符号末尾に各アンテナ装置101に対応する(番号)が付加されたブロックについても、共通の事項を説明する場合は、符号末尾の(番号)を省略して例えばフィルタ回路301または301(k)と表記する。
先ず、アンテナ装置101(k)の各部について説明する。
アンテナ201(k)は、信号源103のアンテナから送信される信号を受信する。
局部発振器202(k)は、所定の周波数の信号を発振する。
周波数変換器203(k)は、アンテナ201(k)の受信信号と局部発振器202(k)が発振する信号とを乗算して、受信信号の周波数変換を行う。
ここで、図1において、アレーアンテナシステム100は、信号源103から複数周波数(本実施形態では周波数f、f)の信号を受信するものとする。なお、周波数f、fの信号は、同一の経路長差で電波が伝搬してくるものとみなすことができる周波数差であるものとする。また、本実施形態では、実際の通信環境を想定して、所望波(信号源103からの直接波)だけでなく干渉波(マルチパス信号や他信号源からの干渉波)などもアンテナ装置101に入ることを前提に説明する。
次に、アレー制御装置102の各部について説明する。
フィルタ回路301(k)は、信号源103から送信される周波数fの信号と周波数fの信号と分離する周波数分離フィルタである。
乗算器302f1(k)は、フィルタ回路301(k)が分離した周波数fの信号に振幅位相重み係数Wf1,kを乗算する。
乗算器302f2(k)は、フィルタ回路301(k)が分離した周波数fの信号に振幅位相重み係数Wf2,kを乗算する。
第1合成回路303f1は、乗算器302f1(1)〜乗算器302f1(N)のN台の乗算器302f1が出力するN個の信号を合成する。
第2合成回路303f2は、乗算器302f2(1)〜乗算器302f2(N)のN台の乗算器302f2が出力するN個の信号を合成する。
第1係数算出回路304f1は、乗算器302f1(1)〜乗算器302f1(N)のN台の乗算器302f1が出力するN個のそれぞれの信号に対する振幅位相重み係数(Wf1,k)を算出する。
第2係数算出回路304f2は、乗算器302f2(1)〜乗算器302f2(N)のN台の乗算器302f2が出力するN個のそれぞれの信号に対する振幅位相重み係数(Wf2,k)を算出する。
係数位相差・累乗回路305は、第1係数算出回路304f1が出力する振幅位相重み係数(Wf1,k)と第2係数算出回路304f2が出力する振幅位相重み係数(Wf2,k)との複素共役を掛け合わせることにより、周波数fと周波数fとの差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数(Wfd,k)を算出する。なお、振幅位相重み係数Wfd,kの算出式は後述する。ここで、以降の説明において、特に必要とする場合を除いて、アンテナ装置101の番号を示す変数kを省略して説明する。例えば周波数f1の信号の振幅位相重み係数Wf1,kはWf1、周波数f2の信号の振幅位相重み係数Wf2,kはWf2、差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数Wfd,kはWfdと表記する。
また、係数位相差・累乗回路305は、複数周波数の第1周波数と第2周波数とを用いて、第1周波数と第2周波数との差分周波数で第1周波数を除算した値で差分周波数の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数を累乗した値を求める。または、係数位相差・累乗回路305は、第1周波数と第2周波数との差分周波数で第1周波数を除算した値を差分周波数の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数の複素平面上での位相に乗算した値を求める。
具体的には、係数位相差・累乗回路305は、差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数Wfd(正規化されたものWfd/|Wfd|)にf/(f−f)を累乗した値を算出する。または、係数位相差・累乗回路305は、差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数Wfd(正規化されたものWfd/|Wfd|)の複素平面上での位相θfdを直接求めて、位相θfdにf/(f−f)を乗算した値を算出する。
アンテナ間位相差算出回路306は、第1係数算出回路304f1および第2係数算出回路304f2が出力する振幅位相重み係数(Wf1)および振幅位相重み係数(Wf2)と、係数位相差・累乗回路305が出力する差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数(Wfd)とに基づいて、アンテナ装置101間の位相差θを算出する。例えば、アンテナ間位相差算出回路306は、周波数fの振幅位相重み係数(Wf1)に対するアンテナ装置101間の位相差θe1と、周波数fの振幅位相重み係数(Wf2)に対するアンテナ装置101間の位相差θe2とを算出する。具体的には、アンテナ間位相差算出回路306は、複数周波数のそれぞれの周波数で送受信される信号に対する振幅位相重み係数(Wf1,Wf2)と差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数(Wfd)との複素平面上での位相を比較して、アンテナ装置101間の位相差(θe1,θe2)を算出する。ここで、本実施形態では、説明がわかり易いように係数位相差・累乗回路305とアンテナ間位相差算出回路306とに分けて説明したが、係数位相差・累乗回路305とアンテナ間位相差算出回路306とを1つのブロックにまとめて位相差算出回路としてもよい。
係数補正回路307は、アンテナ間位相差算出回路306が求めた位相差θe1および位相差θe2を、第1係数算出回路304f1が出力する振幅位相重み係数(Wf1)および第2係数算出回路304f2が出力する振幅位相重み係数(Wf2)のそれぞれに複素乗算して、乗算器302f1および乗算器302f2が用いる振幅位相重み係数Wf1およびWf2を更新する。なお、係数補正回路307は、N個の周波数f1の信号の振幅位相重み係数(Wf1,1〜Wf1,N)およびN個の周波数f2の信号の振幅位相重み係数(Wf2,1〜Wf2,N)に対して同様の処理を行う。
このように、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100は、信号源103から受信する信号を複数のアンテナ装置101が別々に周波数変換する場合に、周波数変換された信号の複数周波数のそれぞれの信号に対して求めた振幅位相重み係数と、複数周波数の差分周波数の仮想入力信号に対して求めた振幅位相重み係数とに基づいて、アンテナ装置101間の位相差θを算出する。そして、位相差θに基づいて、乗算器302f1および乗算器302f2が次に乗算する振幅位相重み係数Wf1およびWf2が更新される。このようにして、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100は、アンテナ装置101の間隔が広い場合であっても、アンテナ装置101間で発生する周波数・位相誤差の補償を行うことができる。
次に、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100の処理について詳しく説明する。
図1において、時間軸上のある瞬間tにk番目のアンテナ装置101(k)で受信される信号Sf1,k(t)は、式(1)で表わすことができる。
Figure 2017147630
式(1)において、tは時間、fは第1信号搬送波の周波数、cは光速、VsおよびVuはそれぞれ所望波および干渉波の振幅、Dk,sおよびDk,uはそれぞれ所望波および干渉波におけるアンテナ装置101(k)の基準点に対する経路長差、nk,1はアンテナ装置101(k)に対する信号搬送波の周波数fで加わる雑音、をそれぞれ示している。ここで、基準点は、例えばアンテナ装置101(1)のアンテナ201(1)の位置を基準点にしてもよいし、他の位置を基準点にしてもよい。
また、各アンテナ装置101の信号Sf1,kをまとめた信号をSf1と置くと、相関行列Rxx1は式(2)で表される。
Figure 2017147630
ここで、アンテナ装置101の振幅位相重み係数を固定し、信号源103のアンテナから信号が到来する角度や経路長差が未知の場合、アダプティブアレーのPIAA(Power Inversion Adaptive Array)アルゴリズムによる拘束ベクトルをC=[1,0,…]とすると、信号搬送波の周波数fにおける振幅位相重み係数Wf1は、第1係数算出回路304f1により式(3)で求めることができる。
f1=Rxx1−1C …(3)
ここで、PIAAアルゴリズムは、アンテナ装置101の最適化係数を拘束し、入力電力が最も大きい信号を抑圧する周知のアルゴリズムである。つまり、アンテナ装置101の入力信号が抑圧されるように動作する。なお、上述のアルゴリズムは、一例であり、他のアルゴリズムを用いてもよい。
そして、上述の信号搬送波の周波数fと同様に、第2係数算出回路304f2は、第2信号搬送波の周波数fに対しても同様の計算を行って振幅位相重み係数Wf2を求める。
次に、簡単化のために干渉波がないと仮定して、アンテナ装置101への入力が所望波だけの1波とし、雑音電力を0とすると、振幅位相重み係数Wf1およびWf2は式(4)で求めることができる。
Figure 2017147630
ここで、アンテナ装置101における経路長差から求まる各周波数の位相(2πDk,s/cおよび2πDk,s/c)は、周波数fについて比例関係にあり、振幅位相重み係数の複素平面上での関係も同様に表される。
しかしながら、アンテナ装置101間の距離が長くなると、アンテナ装置101間の経路長差も大きくなり、2π以上の位相が加わった場合の振幅位相重み係数は、2πまで縮退するため、振幅位相重み係数は、複素平面上で位相が数回転してしまい、位相誤差の判別が困難となる。
そこで、本実施形態では、係数位相差・累乗回路305において、周波数fの振幅位相重み係数Wf1と周波数fの振幅位相重み係数Wf2の複素共役を掛け合わせることにより、差分周波数(例えば(f−f))に対応する仮想入力信号の振幅位相重み係数Wfdを算出する(式(5))。
Figure 2017147630
ここで、各アンテナ装置101間の経路長差は同じであるため、各周波数における振幅位相重み係数は、周波数に対して比例関係にある。従って、例えば(f−f)の差分周波数の仮想入力信号がfおよびfの周波数の信号と同一の経路長差で入ってきたと仮定した場合、仮想入力信号の振幅位相重み係数Wfdの振幅をアンテナ装置101の要素毎に1に正規化した振幅位相重み係数(Wfd/|Wfd|)と、各周波数(例えばf)の振幅位相重み係数Wf1とは比例関係にある。従って、オイラーの公式より、f/(f−f)乗した指数の関係で表現すると、式(6)の関係が成り立つ。このとき、差分周波数(f−f)に対する仮想信号の振幅位相重み係数Wfdの位相が(2πDk,s(|f−f|/c)<2πを満たすように、周波数fおよび周波数fを選択する。なお、周波数fおよび周波数fを固定として上記の条件を満たすようにDを選択してもよい。
Figure 2017147630
同様に、周波数fに対しても式(7)の関係が成り立つ。
Figure 2017147630
なお、図6で説明した比較例のアレーアンテナシステム700において、アンテナ装置701間の距離を0.5λ程度とした場合、所望波におけるアンテナ装置701の基準点に対する経路長差Dk,sが非常に小さくなるため、周波数差を大きく取る必要がある。この場合、周波数毎の伝搬状況の変化により経路長差が変化すると、上記の関係が成立しなくなる。
次に、アンテナ装置101間の局部発振器202に周波数誤差fe,xや初期位相差φがある場合について説明する。アンテナ装置101間の局部発振器202に周波数誤差fe,xや初期位相差φがある場合、先に説明した式(1)は、式(8)のように表すことができる。
Figure 2017147630
ここで、簡単化のために、干渉波がなく、アンテナ装置101への入力が所望波だけの1波で、雑音電力が0であると仮定すると、周波数fに対する振幅位相重み係数Wf1は、式(9)で求めることができる。
Figure 2017147630
同様に、周波数fに対する振幅位相重み係数Wf2は、式(10)で求めることができる。
Figure 2017147630
ここで、係数位相差・累乗回路305は、周波数fの振幅位相重み係数Wf1と周波数fの振幅位相重み係数Wf2の複素共役を掛け合わせて、差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数Wfdを算出することができる(式(5))。
このとき、差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数Wfdを算出する計算によって、式(9)および式(10)のexp(−j2πfe,kt)の成分が打ち消され、式(5)と同様の結果が得られる。ここで、アンテナ装置101間の局部発振器202に周波数誤差fe,xや初期位相差φがない場合は、式(6)および式(7)が成立するが、アンテナ装置101間の局部発振器202に周波数誤差fe,xや初期位相差φがある場合は、式(6)および式(7)の右辺と左辺との間に位相差θが生じるので、式(11)および式(12)のようにして位相差θ(θe1は周波数fの位相差、θe2は周波数fの位相差)を求めることができる。なお、位相差θの算出は、アンテナ間位相差算出回路306により行われる。
Figure 2017147630
Figure 2017147630
なお、式(11)および式(12)により算出される位相差は、計算するごとに残留の位相差が算出されるので、各アンテナ装置101の振幅位相重み係数に予め複素乗算しておくことにより、周波数誤差および初期位相差をキャンセルすることができる。本実施形態の場合、係数位相差・累乗回路305およびアンテナ間位相差算出回路306が位相差(θe1およびθe2)を算出する。そして、係数補正回路307は、位相差(θe1およびθe2)を第1係数算出回路304f1および第2係数算出回路304f2がそれぞれ求めた暫定の振幅位相重み係数(Wf1およびWf2)に複素乗算して、局部発振器202の周波数誤差fe,xや初期位相差φをキャンセルするための補正後の振幅位相重み係数(Wf1’およびWf2’)を求める。このようにして、係数補正回路307は、補正後の振幅位相重み係数(Wf1’およびWf2’)を乗算器302f1および乗算器302f2が次に乗算する振幅位相重み係数(Wf1およびWf2)として、乗算器302f1および乗算器302f2に出力する。
ここで、上記の例では、複数周波数の第1周波数(例えばf)と第2周波数(例えばf)との差分周波数(f−f)で第1周波数(f)を除算した値により、差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数Wfd(正規化されたものWfd/|Wfd|)を累乗した値を求めたが、次のように計算してもよい。例えば、複数周波数の第1周波数(例えばf)と第2周波数(例えばf)との差分周波数(f−f)で第1周波数(f)を除算した値を、差分周波数(f−f)の仮想入力信号に対する振幅位相重み係数Wfd(正規化されたものWfd/|Wfd|)の複素平面上での位相θfdに直接乗算した値を求めてもよい。この場合、例えば周波数fの信号の振幅位相重み係数Wf1の複素平面上での位相θf1と、振幅位相重み係数Wfdの複素平面上での位相θfdとを比較して位相差θe1を求めることができる。なお、位相差θe2についても位相差θe1と同様に求めることができる。
なお、図1は、アレーアンテナシステム100の受信系におけるアンテナ間の位相差を補正する回路を示してあるが、アレーアンテナシステム100の送信系についても同様に行うことができる。
図2は、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100の送信系の一例を示す。送信系のアレーアンテナシステム100は、アンテナ装置401(1)、・・・、アンテナ装置401(k)、・・・、アンテナ装置401(N)のN台のアンテナ装置と、アレー制御装置402とを有する。ここで、説明が分かり易いように、受信系のアンテナ装置101と異なる符号のアンテナ装置401として説明するが、アンテナ装置101とアンテナ装置401とを共通にして、送受信アンテナ装置として用いてもよい。
アンテナ装置401(1)〜401(N)は、局部発振器501(1)〜501(N)、周波数変換器502(1)〜502(N)およびアンテナ503(1)〜503(N)を有する。
アレー制御装置402は、係数補正回路601、乗算器602f1(1)〜602f1(N)、乗算器602f2(1)〜602f2(N)、合波回路603(1)〜603(N)を有する。
ここで、以下の説明において、図1と同様に、アンテナ装置401(1)、・・・、アンテナ装置401(k)、・・・、アンテナ装置401(N)に共通の事項を説明する場合は、符号末尾の(番号)を省略してアンテナ装置401または401(k)と表記する。同様に、合波回路603(1)〜603(N)など他のブロックについても、合波回路603または603(k)のように表記する。
先ず、アンテナ装置401の各部について説明する。
局部発振器501(k)は、所定の周波数の信号を発振する。
周波数変換器502(k)は、アレー制御装置402から出力される信号と局部発振器501(k)が発振する信号とを乗算して、アレー制御装置402から出力される信号の周波数変換を行う。
アンテナ503(k)は、周波数変換器502(k)から出力される信号を送信する。
ここで、図2に示した送信系のアレーアンテナシステム100は、変調装置などが出力する周波数f、fの信号を入力してアンテナ装置401から送信する。
次に、送信系のアレー制御装置402の各部について説明する。
係数補正回路601は、図1で説明した係数補正回路307と同様に、乗算器602f1(k)および乗算器602f2(k)で乗算する振幅位相重み係数Wf1,1〜Wf1,NおよびWf2,1〜Wf2,Nを補正する。ここで、本実施形態では、振幅位相重み係数Wf1,1〜Wf1,NおよびWf2,1〜Wf2,Nは、図1で説明した受信系で算出された振幅位相重み係数を用いる。
乗算器602f1(k)は、アレー制御装置102が入力する周波数fの送信信号に振幅位相重み係数Wf1,kを乗算する。
乗算器602f2(k)は、アレー制御装置102が入力する周波数fの送信信号に振幅位相重み係数Wf2,kを乗算する。
合成回路603(k)は、乗算器602f1(k)が乗算後の信号および乗算器602f2(k)が乗算後の信号を合成する。
このように、本実施形態に係る送信系のアレーアンテナシステム100は、受信系で求めた振幅位相重み係数を用いて、アンテナ装置401間で発生する周波数・位相誤差の補償を行うことができる。
図3は、図1に示した受信系のアレーアンテナシステム100の処理例を示す。
ステップS101において、アンテナ装置101は、信号源103から送信される信号を受信する。
ステップS102において、フィルタ回路301は、アンテナ装置101が出力する受信信号を複数周波数の信号に分離する。図1の例では、フィルタ回路301は、周波数fの信号と周波数fの信号とに分離する。
ステップS103において、第1係数算出回路304f1および第2係数算出回路304f2は、周波数毎の振幅位相重み係数(Wf1およびWf2)を算出する。
ステップS104において、係数位相差・累乗回路305は、周波数fの信号に対する振幅位相重み係数(Wf1)と周波数fの信号に対する振幅位相重み係数(Wf2)とに対する係数間の位相差を算出する。
ステップS105において、係数位相差・累乗回路305は、第1係数算出回路304f1および第2係数算出回路304f2が出力する係数位相差の複素共役を掛け合わせることにより、周波数fと周波数fとの差の周波数(f−f)成分の信号に対する振幅位相重み係数(Wfd)を算出する。
ステップS106において、係数位相差・累乗回路305は、1に正規化された振幅位相重み係数Wfdにf/(f−f)を累乗する。
ステップS107において、アンテナ間位相差算出回路306は、第1係数算出回路304f1および第2係数算出回路304f2が出力する振幅位相重み係数(Wf1,Wf2)と、係数位相差・累乗回路305が出力する差分周波数(f−f)の仮想入力信号の振幅位相重み係数(Wfd)とから、アンテナ装置101間の位相差(θe1,θe2)を算出する。
そして、係数補正回路307は、アンテナ間位相差算出回路306が算出した位相差(θe1,θe2)を第1係数算出回路304f1,304f2が出力する振幅位相重み係数(Wf1,Wf2)のそれぞれに複素乗算して、振幅位相重み係数(Wf1,Wf2)を補正し、乗算器302f1,302f2に出力する。なお、係数補正回路307は、N個の周波数fの信号の振幅位相重み係数(Wf1,1〜Wf1,N)およびN個の周波数fの信号の振幅位相重み係数(Wf2,1〜Wf2,N)に対して同様の処理を行う。
このようにして、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100は、アンテナ装置101間で発生する周波数・位相誤差を同一経路で伝搬してきた複数周波数の信号を用いて各アンテナ装置101の振幅位相重み係数を補正することにより、アンテナ装置101間の周波数・位相誤差を補償することができる。
[数値解析結果]
次に、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100の数値解析結果の一例を示す。ここで、アンテナ装置101(1)〜101(3)の台数N=3、周波数f=60.01GHz、周波数f=60.00GHzとする。また、周波数fの第1信号について、アンテナ装置101(1)に対するアンテナ装置101(2)およびアンテナ装置101(3)の経路長差を6.42mおよび12.85mと、第1信号の電力を0dBmとする。一方、干渉信号は、電力を−10dBm、アンテナ装置101(1)に対するアンテナ装置101(2)およびアンテナ装置101(3)の経路長差を5.00mおよび10.00mとする。なお、各アンテナ装置101に入力される雑音電力は、−70dBmとする。
ここで、アンテナ装置101(1)に対するアンテナ装置101(2)およびアンテナ装置101(3)の初期位相差が40度と300度との場合について、補正係数の急速な変動を防ぐための係数α=0.01として、以下の条件でシミュレーションを行う。
θ(t+1)=θ(t)+αθ(t) …(13)
(t)=exp(jθ(t)) …(14)
なお、相関行列Rxx1、Rxx2のサンプル数を100000とする。
図4は、シミュレーションにおける位相差の収束時間の一例を示す。図4において、(a)の特性は初期位相が40度の場合、(b)の特性は初期位相が300度の場合をそれぞれ示す。上述の条件で数値解析を行った結果、図4に示すように、ステップ数が約500ステップで位相差が収束して約0度になっていることが確認できる。ここで、A/D変換器のサンプリングレートが100MHzであると仮定すると、約500ステップを実行するために要する時間は約0.5秒であり、上述の例では、位相差は約0.5秒で約0度に収束することを示している。なお、先に図7で説明したように、周波数は十分にゆっくりと変動しているので、アレー制御装置102は、上述の収束速度で動作し続けることにより、各アンテナ装置101における周波数変動分の補正をリアルタイムで行うことが可能となる。
(補足)
なお、本実施形態に係るアンテナ装置101に対して信号源103が十分に遠方界にある場合は、Dを式(15)で表すことができる。
=2πdsinθ/λ …(15)
ここで、d:アンテナ装置101(k)の基準点からの距離、θ:到来角、λ:信号搬送波の波長である。
しかしながら、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100では、アンテナ装置101間の距離が大きく離れている場合を想定している。このため、信号源103が十分に遠方界にあると見なせるアンテナ装置101と信号源103との距離は非常に大きくなる。本実施形態では、各アンテナ装置101における信号の到来角度が変わるので、信号源103からの信号の到来角度が未知の場合であっても動作可能なPIAAアルゴリズムを使用する。PIAAアルゴリズムは、(干渉波の信号電力>所望波の信号電力)の関係を満たすときに動作するが、今回は(アンテナ装置101の数−1)=(所望波と干渉波の合計数)として、全ての信号に対して抑圧する係数を算出する。
なお、アンテナ装置101への到来信号が既知である場合は、MMSE(Minimum Mean Square Error)アルゴリズムを使用してもよいし、また遠方界で使用する場合はDCMP(Directionally Constrained Minimization of Power)アルゴリズムを使用してもよい。さらに、信号源103が等包絡線信号の場合は、CMA(Constant Modulus Algorithm)アルゴリズムなど別の手法で振幅位相重み係数を求めても構わない。また、振幅位相重み係数は、最小ノルム法やMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法などの信号の到来方向を推定するアルゴリズムを用いる際に算出される固有ベクトルを使用しても構わない。
ここで、本実施形態で説明する方式は、初期位相の補正が可能となるため、各アンテナ装置101の局部発振器202が共通の場合でも、初期位相差のキャリブレーションに使用することができる。
なお、上述の実施形態において、複数周波数の信号は、マルチキャリア信号であってもよいし、シングルキャリア信号であってもよい。
図5(a)は、マルチキャリア信号の一例を示す。図5(a)において、複数の周波数帯域の信号を有するマルチキャリア信号を送受信する場合、上記で説明した複数周波数の信号は、マルチキャリア信号の各周波数帯域の信号に対応する。例えば、図5(a)に示したマルチキャリア信号は、周波数fの信号帯域と、周波数fの信号帯域とを有する。
図5(b)は、シングルキャリア信号の一例を示す。図5(b)において、1つの周波数帯域の信号を有するシングルキャリア信号を送受信する場合、例えば図1に示したフィルタ回路301により、シングルキャリア信号から所望の帯域だけフィルタで切り出して複数の周波数帯域の信号を生成してもよい。例えば、図5(b)に示したシングルキャリア信号は、周波数fの信号帯域と周波数fの信号帯域とに分割される。
さらに、アレー制御装置102が処理する信号は、変調信号や無変調信号などの種類を問わず、上述の実施形態と同様に処理することができる。
また、2以上の複数周波数の信号の場合、求めた位相差を平均化してもよい。この場合、式(4)は、式(16)に示すように一般化することができる。
Figure 2017147630
ここで、M:1,2,3…の整数、N:2,3,4…の整数、c:fとfの周波数差である。
そして、式(9)および式(10)と同様に、位相差θeMは、M≠Nの場合について、式(17)により求めることができる。
Figure 2017147630
さらに、式(17)により求めた複数の位相差(θe1,θe2,θe3,・・・,θeL)は、式(18)に示すように平均化される。ここで、Lは2以上の整数である。
Figure 2017147630
このようにして、周波数が2以上の複数周波数の信号の場合でも、複数周波数の信号に対するそれぞれの位相差を求めて平均化することができ、位相差の精度が向上する。
以上説明したように、本実施形態に係るアレーアンテナシステム100は、アンテナ装置101の間隔が広い場合であっても、アンテナ装置101間で発生する周波数・位相誤差の補償を行うことができる。この結果、ミリ波帯においてアレーアンテナシステム100を用いたMassive MIMO通信を実現することが可能となり、高速化および大容量化が可能になる。
100,700・・・アレーアンテナシステム;101,101(1),101(k),101(N),401,401(1),401(k),401(N),701,701(1),701(k),701(N)・・・アンテナ装置;102,402,702・・・アレー制御装置;103・・・信号源;201,201(1),201(k),201(N),503,503(1),503(k),503(N),801,801(1),801(k),801(N)・・・アンテナ;202,202(1),202(k),202(N),501,501(1),501(k),501(N),802,802(1),802(k),802(N)・・・局部発振器;203,203(1),203(k),203(N),502,502(1),502(k),502(N),803,803(1),803(k),803(N)・・・周波数変換器;301,301(1),301(k),301(N)・・・フィルタ回路;302f1,302f1(1),302f1(k),302f1(N),302f2,302f2(1),302f2(k),302f2(N),602f1,602f1(1),602f1(k),602f1(N),602f2,602f2(1),602f2(k),602f2(N),902f1,902f1(1),902f1(k),902f1(N),902f2,902f2(1),902f2(k),902f2(N)・・・乗算器;303f1・・・第1合成回路;303f2・・・第2合成回路;304f1・・・第1係数算出回路;304f2・・・第2係数算出回路305・・・係数位相差・累乗回路;306・・・アンテナ間位相差算出回路;307,601・・・係数補正回路;603,603(1),603(k),603(N)・・・合波回路

Claims (8)

  1. 分散配置された複数のアンテナ装置と、複数の前記アンテナ装置でそれぞれ送受信される信号の振幅および位相を制御するアレー制御装置とを有するアレーアンテナシステムにおいて、
    前記アレー制御装置は、
    複数の前記アンテナ装置でそれぞれ送受信される複数周波数の信号にそれぞれ重み係数を乗算する複数の乗算部と、
    複数の前記乗算部から出力される前記複数周波数の信号に対する前記アンテナ装置毎の暫定重み係数を算出する係数算出部と、
    前記係数算出部が算出した前記複数周波数のそれぞれに対する前記暫定重み係数間の複素平面上での位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部が算出した前記暫定重み係数間の位相差から前記複数周波数の差分周波数を仮想入力信号とする重み係数を算出し、当該仮想入力信号の重み係数と前記暫定重み係数とに基づいて前記アンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、前記周波数誤差および位相差に応じて前記係数算出部が求めた前記暫定重み係数を補正して前記乗算部が次に乗算する重み係数とする係数補正部と
    を有することを特徴とするアレーアンテナシステム。
  2. 請求項1に記載のアレーアンテナシステムにおいて、
    前記アレー制御装置は、
    前記複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で前記第1周波数を除算した値を前記仮想入力信号の重み係数に累乗した値、または、前記複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で前記第1周波数を除算した値を前記仮想入力信号の重み係数の複素平面上での位相に乗算した値、を算出する係数位相差累乗部をさらに有し、
    前記係数補正部は、前記係数位相差累乗部が算出した値から前記アンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、前記係数算出部が求めた前記暫定重み係数を補正して前記乗算部が次に乗算する重み係数とする
    ことを特徴とするアレーアンテナシステム。
  3. 請求項1または2に記載のアレーアンテナシステムにおいて、
    前記アレー制御装置は、
    複数の周波数帯域を有するマルチキャリア信号を前記アンテナ装置で送受信する場合、前記マルチキャリア信号を構成する複数の周波数帯域の信号を前記複数周波数の信号として処理を行い、
    1つの周波数帯域を有するシングルキャリア信号を前記アンテナ装置で送受信する場合、前記シングルキャリア信号を複数の周波数帯域の信号に分割または複数の周波数帯域の信号を前記シングルキャリア信号に合成する帯域分離合成部を設け、前記帯域分離合成部が分離または合成する複数の周波数帯域の信号を前記複数周波数の信号として処理を行う
    ことを特徴とするアレーアンテナシステム。
  4. 分散配置された複数のアンテナ装置でそれぞれ送受信される信号の振幅および位相を制御するアレー制御方法であって、
    複数の前記アンテナ装置でそれぞれ送受信される複数周波数の信号にそれぞれ重み係数を乗算器で乗算する処理と、
    複数の前記乗算器から出力される前記複数周波数の信号に対する前記アンテナ装置毎の暫定重み係数を算出する処理と、
    前記複数周波数のそれぞれに対する前記暫定重み係数間の複素平面上での位相差を算出する処理と、
    前記暫定重み係数間の位相差から前記複数周波数の差分周波数を仮想入力信号とする重み係数を算出し、当該仮想入力信号の重み係数と前記暫定重み係数とに基づいて前記アンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、前記周波数誤差および位相差に応じて前記暫定重み係数を補正して前記乗算器が次に乗算する重み係数とする処理と
    を行うことを特徴とするアレー制御方法。
  5. 請求項4に記載のアレー制御方法において、
    前記複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で前記第1周波数を除算した値を前記仮想入力信号の重み係数に累乗した値、または、前記複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で前記第1周波数を除算した値を前記仮想入力信号の重み係数の複素平面上での位相に乗算した値、を算出する処理をさらに行い、当該処理により算出した値から前記アンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、前記暫定重み係数を補正して前記乗算器が次に乗算する重み係数とする
    ことを特徴とするアレー制御方法。
  6. アレー制御装置により振幅および位相が制御された信号を送受信し、分散配置された複数のアンテナ装置において、
    通信先の装置との間で信号を送受信するアンテナと、
    前記アンテナで送受信される信号の周波数変換を行って前記アレー制御装置に入出力する周波数変換部と、
    前記周波数変換部が周波数変換するときの基準信号を発振する局部発振器と
    を有することを特徴とするアンテナ装置。
  7. 分散配置された複数のアンテナ装置でそれぞれ送受信される信号の振幅および位相を制御するアレー制御装置において、
    複数の前記アンテナ装置でそれぞれ送受信される複数周波数の信号にそれぞれ重み係数を乗算する複数の乗算部と、
    複数の前記乗算部から出力される前記複数周波数の信号に対する前記アンテナ装置毎の暫定重み係数を算出する係数算出部と、
    前記係数算出部が算出した前記複数周波数のそれぞれに対する前記暫定重み係数間の複素平面上での位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部が算出した前記暫定重み係数間の位相差から前記複数周波数の差分周波数を仮想入力信号とする重み係数を算出し、当該仮想入力信号の重み係数と前記暫定重み係数とに基づいて前記アンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、前記周波数誤差および位相差に応じて前記係数算出部が求めた前記暫定重み係数を補正して前記乗算部が次に乗算する重み係数とする係数補正部と
    を有することを特徴とするアレー制御装置。
  8. 請求項7に記載のアレー制御装置において、
    前記複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で前記第1周波数を除算した値を前記仮想入力信号の重み係数に累乗した値、または、前記複数周波数の第1周波数と第2周波数との周波数差で前記第1周波数を除算した値を前記仮想入力信号の重み係数の複素平面上での位相に乗算した値、を算出する係数位相差累乗部をさらに有し、
    前記係数補正部は、前記係数位相差累乗部が算出した値から前記アンテナ間の周波数誤差および位相差を求め、前記係数算出部が求めた前記暫定重み係数を補正して前記乗算部が次に乗算する重み係数とする
    ことを特徴とするアレー制御装置。
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