JP2017147142A - 劣化検出装置および劣化検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】浮遊容量の影響を低減することを課題とする。【解決手段】電源監視装置は、車両に搭載される。電源監視装置は、絶縁された電源に接続されて充放電を行うキャパシタを有する。電源監視装置は、電源の絶縁抵抗の劣化を検出する充電経路で充電されたキャパシタの電圧を検出する。電源監視装置は、所定時間連続して検出された、連続する各電圧の差分値が閾値未満となる時間、および/または、車両の絶縁抵抗値を用いて、車両内に存在する浮遊容量を推定する。【選択図】図2

Description

本発明は、劣化検出装置および劣化検出方法に関する。
従来、例えばハイブリッド自動車や電気自動車などの車両は、動力源たるモータに対して電力を供給する電源を備える。また、かかる電源の状態を監視する監視装置としては、DC電圧印加方式を用いた監視装置が知られている。
上記電源は、車体と絶縁されるように構成されているため、監視装置は、電源の絶縁状態を監視する機能、換言すれば、電源の絶縁抵抗の劣化を検出する機能を有する。例えば、監視装置は、車両に搭載される高圧バッテリと車両ボディーのGND(グランド)と車両絶縁抵抗を直列接続させて、高圧バッテリから絶縁されるフライングキャパシタへ通電し、充電されたフライングキャパシタの電圧に基づいて、電源の絶縁抵抗の劣化を検出する。なお、車両ボディーのGNDは、必要に応じて、車両ボディーGND、車体GND、車両のグランドなどと記載する場合がある。
例えば、高圧バッテリの+側(正極側)と車両ボディーのGND間に接続する計測(以下では、Rp計測と記載する場合がある)で得られる電圧(VRp)と、高圧バッテリの−側(負極側)と車両ボディーのGND間に接続する計測(以下では、Rn計測と記載する場合がある)で得られる電圧(VRn)を基に、絶縁状態を計測する。
特開2012−181141号公報 特開2002−291167号公報 特開2006−105824号公報
しかしながら、上記技術では、Rn計測とRp計測間で、車両ボディーのGNDが不安定となり、安定時に比べて誤差が増加してしまうので、次の計測に移行した際に、誤検出が発生する場合がある。例えば、車両にはノイズ対策用のYコンデンサや意図せず発生する浮遊容量と呼ばれるものが存在する(以下では、併せてコモン容量と記載する場合がある)。これらは絶縁計測時に車両ボディーのGNDの電位が変わってしまうことで、安定するまで、余分な電荷をフライングキャパシタへと充電するので、計測の誤差となる。
つまり、Rn計測を例にして説明すると、Rn計測時にはボディー電位がn線に近づき、ボディー電位が不安定な状態である。この状態で、Rp計測時の回路に切り替えると、チャージ電圧(VRp)がかさ上げされるので、計測の誤差となる。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、浮遊容量の影響を低減することができる劣化検出装置および劣化検出方法を提供することを目的とする。
本願の開示する劣化検出装置は、一つの態様において、車両に搭載される劣化検出装置において、絶縁された電源に接続されて充放電を行うキャパシタと、前記電源の絶縁抵抗の劣化を検出する充電経路で充電された前記キャパシタの電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部によって所定時間連続して検出された、連続する各電圧の差分値が閾値未満となる時間、および/または、前記車両の絶縁抵抗値を用いて、前記車両内に存在する浮遊容量を推定する推定部とを有することを特徴とする。
本願の開示する劣化検出装置および劣化検出方法の一つの態様によれば、浮遊容量の影響を低減することができる。
図1は、実施形態に係る電源監視装置を含む充放電システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、電源監視装置の構成例を示すブロック図である。 図3は、電源監視装置の電圧検出回路部の構成例を示す図である。 図4は、組電池の正極側の絶縁抵抗Rpの劣化を検出する際の充電経路を示す図である。 図5は、充電されたキャパシタCの放電を行う放電経路を示す図である。 図6は、組電池の負極側の絶縁抵抗Rnの劣化を検出する際の充電経路を示す図である。 図7は、安定時間の推定例を説明する図である。 図8は、閾値増加分の決定例を説明する図である。 図9は、劣化検出処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。 図10Aは、テストモードの処理手順の一部を示すフローチャートである。 図10Bは、テストモードの処理手順の一部を示すフローチャートである。 図11は、劣化検出処理の処理手順の一部を示すタイムチャートである。
以下に、本願の開示する劣化検出装置および劣化検出方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
<1.充放電システムの構成>
図1は、実施形態に係る電源監視装置を含む充放電システムの構成例を示すブロック図である。充放電システム1は、例えば、図示しないハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、および、燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)等の車両に搭載される。充放電システム1は、車両の動力源たるモータに対して電力を供給する電源の充放電等を行うシステムである。
詳しくは、充放電システム1は、組電池10と、電源監視システム20と、車両制御装置30と、モータ40と、電圧変換器50と、フェールセーフ用リレー60とを備える。また、電源監視システム20は、モニタIC(Integrated Circuit)21等を有する複数のサテライト基板22と、電源監視装置23とを備える。
組電池10は、図示しない車体と絶縁された電源(バッテリ)であり、複数のブロック11により構成される。1つのブロック11は、直列に接続された複数、例えば2個の電池スタック12を備える。また、1つの電池スタック12は、例えば直列に接続された複数の電池セル13を備える。
なお、ブロック11、電池スタック12および電池セル13の個数は、上記あるいは図示のものに限定されない。また、上記した組電池10としては、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
複数の電池セル13はそれぞれ、サテライト基板22に設けられたモニタIC21に電気的に接続される。そして、各電池セル13の電圧は、モニタIC21によって検出される。なお、モニタIC21は、第1モニタIC21aおよび第2モニタIC21bの複数あり、第1、第2モニタIC21a,21bがそれぞれ、1つの電池スタック12分の電池セル13の電圧を検出する。
電源監視装置23は、複数の電池セル13のそれぞれの個別電圧を監視するとともに、各電池スタック12の電圧を監視することもできる。すなわち、電源監視装置23は、組電池10の充電状態を監視する。
具体的には、電源監視装置23は、モニタIC21に対して電圧検出要求を送信して複数の電池セル13のそれぞれの個別電圧を検出させ、通信ラインL1を介して検出結果を受信することで、電池セル13の電圧を監視する。また、電源監視装置23は、導線L2を介して後述するキャパシタに電池スタック12の電圧(以下、「スタック電圧」と記載する場合がある)を充電することによりスタック電圧を直接測定して、組電池10の充電状態を監視する。なお、組電池10の充電状態の監視は、スタック電圧を直接測定することのほか、複数セルの集合であるブロックの電圧(ブロック電圧)を直接測定して行ってもよい。
なお、電源監視装置23は、モニタIC21が正常に動作しているか否かを判定する機能も有していることが好ましい。具体的には、例えば、電源監視装置23は、モニタIC21から受信した各電池セル13の個別電圧を加算して得たスタック電圧と、直接検出したスタック電圧とを比較し、両者の差が許容値より大きい場合にモニタIC21が異常であると判定する。そして、電源監視装置23は、モニタIC21が異常であると判定された場合、例えばフェールセーフ用リレー60を切り離して、電池セル13に対する充放電が行われないようにしてもよい。
また、電源監視装置23は、電源監視システム20が有する絶縁抵抗(後述)の劣化を検出するが、これについては後に説明する。なお、ここで絶縁抵抗の劣化とは、例えば絶縁抵抗の抵抗値が低下して組電池10の漏電が生じていることを意味する。
車両制御装置30は、組電池10の充電状態に応じて組電池10に対する充放電を行って車両制御する。具体的には、車両制御装置30は、電圧変換器50を用いて組電池10に充電された電圧を直流から交流の電圧に変換し、変換した電圧をモータ40へ供給してモータ40を駆動させる。これにより、組電池10は放電されることとなる。
また、車両制御装置30は、モータ40の回生制動によって発電した電圧を電圧変換器50で交流から直流の電圧に変換し、組電池10へ供給する。これにより、組電池10は充電されることとなる。このように、車両制御装置30は、電源監視装置23から取得した組電池10の充電状態に基づいて組電池10の電圧を監視し、監視結果に応じた制御を実行する。
<2.電源監視装置の構成>
次に、電源監視装置23の構成について説明する。図2は、電源監視装置23の構成例を示すブロック図である。なお、図2では、サテライト基板22や通信ラインL1などを省略している。また、図2では、理解の便宜のため、複数のブロック11のうちの1つを示すとともに、以下では、ブロック11における2個の電池スタック12のうちの一方を「第1スタック12a」、他方を「第2スタック12b」と記載する場合がある。
電源監視装置23は、例えば電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)であり、図2に示すように、電圧検出回路部24と、A/D変換部25と、制御部26とを備える。電圧検出回路部24は、各スタック電圧の検出、絶縁抵抗の劣化検出、キャパシタを切り替えるスイッチの故障検出などを行うための回路を備える。
図3は、電源監視装置23の電圧検出回路部24の構成例を示す図である。図3に示すように、電圧検出回路部24は、第1、第2キャパシタC1,C2と、第1スイッチS1〜第6スイッチS6と、切替スイッチS7、第1抵抗R1〜第7抵抗R7とを備える。また、組電池10は、正極側に絶縁抵抗Rpを備え、負極側に絶縁抵抗Rnを備える。なお、実施形態において、絶縁抵抗Rp及びRnは、実装された抵抗と、車体GNDに対する絶縁を仮想的に表した抵抗との合成抵抗値を示すが、実装した抵抗、仮想的な抵抗のいずれであるかは問わない。
かかる電圧検出回路部24では、フライングキャパシタ方式が適用され、後述するように、第1キャパシタC1を各スタック12a,12bの電圧で充電した後、第1キャパシタC1の電圧を各スタック12a,12bの電圧として検出している。
具体的には、電圧検出回路部24は、第1、第2キャパシタC1,C2を介して充電側回路と放電側回路とに分かれている。なお、以下では、第1、第2キャパシタC1,C2を総称して「キャパシタC」と記載する場合がある。
充電側回路は、組電池10の各スタック12a,12bとキャパシタCとが接続され、各スタック12a,12bの電圧をキャパシタCに充電する経路を含む部分である。また、放電側回路は、キャパシタCに充電された電圧を放電する経路を含む部分である。
そして、各スイッチS1〜S7のオン/オフが制御されることで、キャパシタCへの充電および放電が制御される。なお、上記した各スイッチS1〜S7としては、例えばソリッドステートリレー(SSR:Solid State Relay)を用いることができるが、これに限定されるものではない。また、第1抵抗R1〜第7抵抗R7は、キャパシタCの電圧を検出するための電圧検出用抵抗である。
電圧検出回路部24の充電側回路は、キャパシタCに対して、第1スタック12aおよび第2スタック12bの各々が並列に接続されている。すなわち、キャパシタCの両端は、第1スタック12aの正極および負極に接続されるとともに、第2スタック12bの正極および負極とも接続されている。
また、第1スタック12aの正極側とキャパシタCとの間には、第1抵抗R1、第1スイッチS1および第5抵抗R5が直列に設けられ、第1スタック12aの負極側とキャパシタCとの間には、第2抵抗R2および第2スイッチS2が直列に設けられている。
また、第2スタック12bの正極側とキャパシタCとの間には、第3抵抗R3、第3スイッチS3および第5抵抗R5が直列に設けられ、第2スタック12bの負極側とキャパシタCとの間には、第4抵抗R4および第4スイッチS4が直列に設けられている。
電圧検出回路部24の放電側回路には、第1スタック12aおよび第2スタック12bの正極側の経路に第5スイッチS5が設けられ、第5スイッチS5の一端とキャパシタCとの間に第5抵抗R5が設けられている。また、第1、第2スタック12a,12bの負極側の経路には、第6スイッチS6が設けられ、第6スイッチS6の一端がキャパシタCに接続されている。
そして、第5スイッチS5の他端は、A/D変換部25に接続されるとともに、途中で分岐して第6抵抗R6を介して車体GNDに接続されている。また、第6スイッチS6の他端は、第7抵抗R7を介して車体GNDに接続されている。なお、車体GNDは、接地点の一例である。
A/D変換部25は、電圧検出回路部24の接続点Aにおける電圧を示すアナログ値をデジタル値へ変換し、変換されたデジタル値を制御部26へ出力する。
ところで、各スタック12a,12bの電圧検出の処理は、比較的短い時間で完了することが望ましいことから、電圧検出に用いられるキャパシタCにおいては、短時間で充電可能なように、静電容量は比較的小さい方が好ましい。
他方、絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出に用いられるキャパシタにおいては、静電容量は比較的大きい方が好ましい。すなわち、車両には設計時に意図されない浮遊容量が存在する。絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出の際に、かかる浮遊容量の影響を受けると、キャパシタCの電圧を正確に検出することができないおそれがあり、劣化検出の精度が低下する場合がある。従って、絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出に用いられるキャパシタの静電容量を比較的大きくして、全体の容量に対する浮遊容量の影響を低減させることが好ましい。
そこで、本実施形態では、第1、第2キャパシタC1,C2を以下のように構成することとした。詳しくは、第1キャパシタC1は、第5抵抗R5に直列に接続されている。第2キャパシタC2は、切替スイッチS7に直列に接続されている。
また、第2キャパシタC2および切替スイッチS7は、第1キャパシタC1に並列に接続されている。従って、切替スイッチS7のオン/オフを制御することで、充電側回路および放電側回路において接続されるキャパシタを容易に切り替えることができ、よって各回路における全体の静電容量を可変にすることができる。
絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出の処理の際、切替スイッチS7がオンされると、充電側回路および放電側回路では、第1、第2キャパシタC1,C2が接続されるため、比較的大きい静電容量で処理が行われることとなる。
なお、第2キャパシタC2の静電容量は、浮遊容量よりも大きい値とする。具体的には、車両の浮遊容量が約0.1μFとした場合、第2キャパシタC2の静電容量は、車両の浮遊容量の20倍の2.0μF程度に設定される。なお、このような場合に、第1キャパシタC1の静電容量は、例えば0.7μF程度となる。このように、第2キャパシタC2の静電容量は、第1キャパシタC1の静電容量よりも大きくなる。
これにより、絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出に用いられるキャパシタの静電容量、すなわち、第1、第2キャパシタC1,C2の合成容量をより一層大きくすることが可能となり、よって全体の容量に対する浮遊容量の影響をより低減させることができる。このように、第1、第2キャパシタC1,C2は、絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出に用いられる。
ここで、電圧検出回路部24の回路には、図3に示すように、上記した組電池10の正極側の絶縁抵抗Rpと負極側の絶縁抵抗Rnとが設けられている。なお、これら各絶縁抵抗Rp,Rnは、実装された抵抗と、車体GNDに対する絶縁を仮想的に表した抵抗との合成抵抗を示しているが、ここでは、実装した抵抗、仮想的な抵抗のいずれであるかを問わない。
各絶縁抵抗Rp,Rnの抵抗値は、正常時にはほとんど通電することが無い程度に十分に大きい値、例えば数MΩとされる。但し、絶縁抵抗Rp,Rnが劣化した異常時には、例えば組電池10が車体GNDなどと短絡して、あるいは短絡に近い状態となって通電してしまう程度の抵抗値に低下する。
ここで、組電池10の絶縁抵抗Rp,Rnの劣化を検出するために行われる、キャパシタC(すなわち第1、第2キャパシタC1,C2)の充電および放電について図4〜図6を参照して説明する。
図4は、組電池10の正極側の絶縁抵抗Rpの劣化を検出する際の充電経路を示す図である。また、図5は、充電されたキャパシタCの放電を行う放電経路を示す図であり、図6は、組電池10の負極側の絶縁抵抗Rnの劣化を検出する際の充電経路を示す図である。
先ず、正極側の絶縁抵抗Rpの劣化を検出する場合は、図4に示すように、第4スイッチS4、第5スイッチS5および切替スイッチS7がオンされ、他のスイッチS1〜S3,S6がオフされる。これにより、第1スタック12aの正極側は、絶縁抵抗Rp、第6抵抗R6、第5スイッチS5、第5抵抗R5、キャパシタC、第4スイッチS4、第4抵抗R4および第2スタック12bを介して第1スタック12aの負極側と接続される。
すなわち、第1、第2スタック12a,12bとキャパシタCとを正極側の絶縁抵抗Rpを介して結ぶ第1経路P1が形成される。この際、絶縁抵抗Rpの抵抗値が正常である場合には、第1経路P1はほとんど導通せず、絶縁抵抗Rpが劣化して抵抗値が低下していた場合には、第1経路P1は導通することとなる。
そして、第1経路P1が形成されてから所定時間が経過した後、キャパシタCの電圧を放電させる。具体的には、図5に示すように、第4スイッチS4がオフされるとともに、第6スイッチS6がオンされる。これにより、電圧検出回路部24には、放電経路たる第2経路P2が形成される。このときに検出されるキャパシタCの電圧を「電圧VRp」とし、電圧VRpに基づいて絶縁抵抗Rpの劣化を検出するが、これについては後述する。
負極側の絶縁抵抗Rnの劣化を検出する場合は、図6に示すように、第1スイッチS1、第6スイッチS6および切替スイッチS7がオンされ、他のスイッチS2〜S5がオフされる。これにより、第1スタック12aの正極側は、第1抵抗R1、第1スイッチS1、第5抵抗R5、キャパシタC、第6スイッチS6、第7抵抗R7、絶縁抵抗Rnおよび第2スタック12bを介して第1スタック12aの負極側と接続される。
すなわち、第1、第2スタック12a,12bとキャパシタCとを負極側の絶縁抵抗Rnを介して結ぶ第3経路P3が形成される。この際、絶縁抵抗Rnの抵抗値が正常である場合には、第3経路P3はほとんど導通せず、絶縁抵抗Rnが劣化して抵抗値が低下していた場合には、第3経路P3は導通することとなる。
そして、第3経路P3が形成されてから所定時間が経過した後、図5に示すように、キャパシタCの電圧を放電させる。このときに検出されるキャパシタCの電圧を「電圧VRn」とし、電圧VRnに基づいて絶縁抵抗Rnの劣化を検出するが、これについては後述する。
なお、絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出処理では、満充電に要するであろう時間よりも短い所定時間だけ充電を行い、その充電電圧を電圧VRp,VRnとして用いて絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出を行う。
ところで、上述した絶縁抵抗Rp,Rnの劣化検出では、各電池スタック12の正極側と負極側とのそれぞれに接続される第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4が正常に動作していることが前提となる。つまり、上記電圧検出や劣化検出の処理の前に、これらの高圧側の各スイッチの状態を確認することが好ましい。
図2の説明に戻ると、電源監視装置23の制御部26は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などを備えたマイクロコンピュータであり、電圧検出回路部24やA/D変換部25などを含む電源監視装置23全体を制御する。
具体的には、制御部26は、充電経路形成部26aと、放電経路形成部26bと、電圧検出部26cと、劣化検出部26dと、コモン容量推定部26eを備える。充電経路形成部26aは、図4や図6で説明したように、第1〜第6スイッチS1〜S6および切替スイッチS7を制御して、充電経路である第1経路P1や第3経路P3を形成する。放電経路形成部26bは、図5で説明したように、第1〜第6スイッチS1〜S6および切替スイッチS7を制御して、放電経路である第2経路P2を形成する。なお、充電経路形成部26aや放電経路形成部26bは、電圧検出部26c、劣化検出部26d、コモン容量推定部26eなどの指示によって充電経路や放電経路を形成する。
なお、第1〜第6スイッチS1〜S6および切替スイッチS7のスイッチングパターンは、RAMおよびROMなどの記憶部に予め記憶させておくものとする。そして、充電経路形成部26aと放電経路形成部26bは、適宜なタイミングで記憶部からスイッチングパターンを読み出すことによって、充電経路または放電経路を形成する。
電圧検出部26cは、放電経路形成部26bによって放電経路が形成されると、充電されたキャパシタC等の電圧をA/D変換部25を介して検出する。電圧検出部26cは、上記した電圧VRp,VRnを検出するものとする。また、電圧検出部26cは、検出した電圧VRp,VRnを劣化検出部26d、コモン容量推定部26e、車両制御装置30などへ出力する。
劣化検出部26dは、キャパシタCの電圧VRp,VRnに基づいて、絶縁抵抗Rp,Rnの劣化を検出する。具体的には、絶縁抵抗Rpや絶縁抵抗Rnが劣化しておらず抵抗値が低下していない場合は、キャパシタCはほとんど充電されないか、あるいは充電されたとしても十分に小さい電圧が充電される。したがって、劣化検出部26dは、電圧VRpや電圧VRnを、比較的低い値に予め設定された閾値Vaと比較する。
そして、劣化検出部26dは、キャパシタCの電圧VRpがしきい値Va以上となった場合、絶縁抵抗Rpの劣化を検出する、言い換えれば、絶縁抵抗Rpに異常が生じていると判定する。他方、劣化検出部26dは、電圧VRpがしきい値Va未満の場合、絶縁抵抗Rpに劣化はない、言い換えれば、絶縁抵抗Rpは正常であると判定する。
同様に、劣化検出部26dは、電圧VRnがしきい値Va以上となった場合、絶縁抵抗Rnの劣化を検出する一方、電圧VRnがしきい値Va未満の場合、絶縁抵抗Rnに劣化はないと判定する。なお、上記では、電圧VRn,VRpと比較する値を同じしきい値Vaとしたが、これに限られず、互いに異なる値に設定されたしきい値を用いてもよい。
別例を挙げると、劣化検出部26dは、時間を分けて、充電経路等を生成させて、電圧VRnを2回取得し、それぞれをVRn1とVRn2とする。同様に、劣化検出部26dは、時間を分けて、充電経路等を生成させて、電圧VRpを2回取得し、それぞれをVRp1とVRp2とする。そして、劣化検出部26dは、1回目の電圧値の加算値(V1=VRn1+VRp1)を算出し、2回目の電圧値の加算値(V2=VRn2+VRp2)を算出する。
そして、劣化検出部26dは、ΔV(=V2−V1)が閾値以上であれば、絶縁異常と検出し、ΔV(=V2−V1)が閾値未満であれば、正常と判定することもできる。このようにすることで、コモン容量の影響を低減した劣化判定を実行することができる。
そして、劣化検出部26dは、上記した絶縁抵抗Rp,Rnの劣化状態の結果を示す情報を車両制御装置30等へ出力する。そして、車両制御装置30は、劣化状態に応じた車両制御、ユーザへの報知動作などを行う。
コモン容量推定部26eは、車両全体に存在するコモン容量の安定時間を、車両の絶縁抵抗(Rp、Rn)を用いて計算し、Rn計測とRp計測の間に、待ち時間を設定する。具体的には、コモン容量推定部26eは、絶縁抵抗(Rp、Rn)の異常検出を開始する前にテストモードとして、上記安定時間の測定を行い、この測定結果を適用して絶縁抵抗(Rp、Rn)の異常検出を実行する。
例えば、コモン容量推定部26eは、電圧VRnを複数回計測し、各回の差分値が閾値未満となる時間、すなわちコモン容量が安定する時間を算出する。同様に、コモン容量推定部26eは、電圧VRpを複数回計測し、各回の差分値が閾値未満となる時間、すなわちコモン容量が安定する時間を算出する。そして、コモン容量推定部26eは、算出した2つの安定時間のうち、長い方の時間を待ち時間に設定して、Rn計測とRp計測を実行させる。
図7は、安定時間の推定例を説明する図である。一例としてRp計測を例にして説明する。例えば、図7に示すように、時間t0時のVRp0と時間t1時のVRp1との差分ΔV1と、時間t1時のVRp1と時間t2時のVRp2との差分ΔV2との差分がほぼ同じ大きさである場合、少なくとも時間t1の時点で、コモン容量は安定していると推定することができる。したがって、コモン容量推定部26eは、時間t1を安定時間に設定する。
このように、コモン容量推定部26eは、安定時間を算出してから、絶縁抵抗の異常検出を検出することができるので、安定時間を動的に変更することができる。なお、安定時間を算出するタイミングは、例えば定期的に実行してもよく、絶縁抵抗の異常検出前に必ず実行してもよく、複数回の絶縁抵抗の異常検出の後に実行してもよく、任意に設定することができる。
さらに、コモン容量推定部26eは、実際に存在するであろうコモン容量を推定して、絶縁抵抗の異常検出に用いる閾値を動的に変更することができる。例えば、コモン容量推定部26eは、式(1)の算出式を用いて、車両の抵抗(絶縁抵抗+回路内の充電抵抗)を逆算し、逆算結果と安定時間とを用いて時定数による推定を実行することもできる。
Figure 2017147142
なお、式(1)におけるVcは、「Vc=テストモードによる2回目のVRn計測結果(VRn1)+テストモードによる2回目のVRp計測結果(VRp1)」であり、Voは、「Vo=テストモードによる1回目のVRn計測結果(VRn0)+テストモードによる1回目のVRp計測結果(VRp0)」である。VBは電池電圧であり、Rは、絶縁抵抗+回路内の充電抵抗である。
そして、コモン容量推定部26eは、逆算したRと測定した安定時間tとを、「t=Cs×R×7τ」(τは時定数)に代入して、コモン容量Csを算出する。その後、コモン容量推定部26eは、コモン容量Csと抵抗Rとから、閾値の増加分を決定して、劣化検出部26d等に通知する。この結果、劣化検出部26dは、閾値を更新して、新たな閾値を用いて絶縁抵抗の劣化を検出する。
図8は、閾値増加分の決定例を説明する図である。図8の横軸は車両絶縁抵抗Rであり、縦軸は閾値の増加分(V)である。コモン容量推定部26eは、図8のグラフから、推定したコモン容量Csに対応するグラフを選択し、当該グラフにおいて抵抗Rに対応する閾値増加分を特定する。そして、コモン容量推定部26eは、特定した閾値増加分を劣化検出部26d等に通知する。なお、グラフを用いる手法は一例であり、コモン容量と抵抗とから増加分を算出する算出式を予め定義しておき、その算出式を用いて特定することもできる。
なお、安定時間が閾値を越えた場合に、閾値の変更を実行してもよい。
<3.劣化検出処理の具体的動作>
次に、以上のように構成された電源監視システム20で行われる劣化検出処理の具体的な動作について図9、図10A、図10Bを参照して説明する。図9は、劣化検出処理の処理手順の一部を示すフローチャートであり、図10Aおよび図10Bは、テストモードの処理手順の一部を示すフローチャートである。
図9に示すように、電源監視装置23は、キャパシタCの電圧が閾値未満(例えば0V付近)であれば(ステップS101:Yes)、切替スイッチS7をオンにし(ステップS102)、キャパシタCの電圧が閾値以上であれば(ステップS101:No)、放電処理を実行した後(ステップS103)、切替スイッチS7をオンにする(ステップS102)。
続いて、電源監視装置23は、テストモードを実行し(ステップS104)、テストモードが完了すると、第1スイッチS1と第6スイッチS6をオンにして(ステップS105)、キャパシタCをx秒間チャージし、Rn計測を実行する(ステップS106)。
その後、電源監視装置23は、第1スイッチS1と第6スイッチS6をオフにした後(ステップS107)、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオンにして(ステップS108)、VRn1を取得する(ステップS109)。
続いて、電源監視装置23は、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオフにした後(ステップS110)、第1スイッチS1と第6スイッチS6をオンにして(ステップS111)、キャパシタCを再度x秒間チャージし、Rn計測を実行する(ステップS112)。
その後、電源監視装置23は、第1スイッチS1と第6スイッチS6をオフにした後(ステップS113)、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオンにして(ステップS114)、VRn2を取得する(ステップS115)。
続いて、電源監視装置23は、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオフにし(ステップS116)、テストモードで設定された所定時間(安定時間)分待機する(ステップS117)。
そして、電源監視装置23は、テストモードで設定された所定時間(安定時間)分待機した後、第4スイッチS4と第5スイッチS5をオンにして(ステップS118)、キャパシタCをx秒間チャージし、Rp計測を実行する(ステップS119)。
その後、電源監視装置23は、第4スイッチS4と第5スイッチS5をオフにした後(ステップS120)、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオンにして(ステップS121)、VRp1を取得する(ステップS122)。
続いて、電源監視装置23は、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオフにした後(ステップS123)、第4スイッチS4と第5スイッチS5をオンにして(ステップS124)、キャパシタCを再度x秒間チャージし、Rp計測を実行する(ステップS125)。
その後、電源監視装置23は、第4スイッチS4と第5スイッチS5をオフにした後(ステップS126)、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオンにして(ステップS127)、VRp2を取得する(ステップS128)。
そして、電源監視装置23は、V1=VRn1+VRp1およびV2=VRn2+VRp2を算出し(ステップS129)、ΔV=V2−V1を算出する(ステップS130)。
その後、電源監視装置23は、ΔVが閾値以上であれば(ステップS131:Yes)、絶縁異常発生を検出し(ステップS132)、ΔVが閾値未満であれば(ステップS131:No)、正常と判定する(ステップS133)。なお、ここでの閾値は、予め定めた値か、もしくは、当該値に対してテストモードで算出された増加分を加算した値である。
また、絶縁異常の判定と並行して、電源監視装置23は、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオフにして(ステップS134)、放電処理を実行する(ステップS135)。なお、VRn計測とVRp計測とは順不同である。
次に、テストモードについて説明する。図10Aに示すように、電源監視装置23は、キャパシタCの電圧が閾値未満(例えば0V付近)であれば(ステップS201:Yes)、切替スイッチS7をオンにし(ステップS202)、キャパシタCの電圧が閾値以上であれば(ステップS201:No)、放電処理を実行した後(ステップS203)、切替スイッチS7をオンにする(ステップS202)。
続いて、電源監視装置23は、第1スイッチS1と第6スイッチS6をオンにして(ステップS204)、キャパシタCをx秒間チャージし、Rn計測を実行する(ステップS205)。
その後、電源監視装置23は、第1スイッチS1と第6スイッチS6をオフにした後(ステップS206)、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオンにして(ステップS207)、VRn0を取得し(ステップS208)、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオフにする(ステップS209)。
さらに、電源監視装置23は、ステップS204からステップS209と同様の処理を実行してVRn1を取得する(ステップS210からステップS215)とともに、VRn2を取得する(ステップS216からステップS221)。
その後、電源監視装置23は、ΔV1=VRn1−VRn0およびΔV2=VRn2−VRn1を算出し(ステップS222)、ΔV2−ΔV1の差分値と閾値とを比較する(ステップS223)。
ここで、電源監視装置23は、差分値が閾値以上である場合(ステップS223:No)、VRn0にVRn1を代入し、つまりVRn1の値をVRn0とし(ステップS224)、VRn1を測定するまでにかかった時間をカウントして(ステップS225)、ステップS207以降を繰り返す。
一方、電源監視装置23は、差分値が閾値未満である場合(ステップS223:Yes)、VRn0とVRn1とを保持し(ステップS226)、VRn1を測定するまでにかかった時間、言い換えると処理開始からVRn1測定までの時間(t)を保持する(ステップS227)。
続いて、図10Bに示すように、電源監視装置23は、第4スイッチS4と第5スイッチS5をオンにして(ステップS228)、キャパシタCをx秒間チャージし、Rp計測を実行する(ステップS229)。
その後、電源監視装置23は、第4スイッチS4と第5スイッチS5をオフにした後(ステップS230)、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオンにして(ステップS231)、VRp0を取得し(ステップS232)、第5スイッチS5と第6スイッチS6をオフにする(ステップS233)。
さらに、電源監視装置23は、ステップS228からステップS233と同様の処理を実行してVRp1を取得する(ステップS234からステップS239)とともに、VRp2を取得する(ステップS240からステップS245)。
その後、電源監視装置23は、ΔV1=VRp1−VRp0およびΔV2=VRp2−VRp1を算出し(ステップS246)、ΔV2−ΔV1の差分値と閾値とを比較する(ステップS247)。
ここで、電源監視装置23は、差分値が閾値以上である場合(ステップS247:No)、VRp0にVRp1を代入し、つまりVRp1の値をVRp0とし(ステップS248)、VRp1を測定するまでにかかった時間をカウントして(ステップS249)、ステップS231以降を繰り返す。
一方、電源監視装置23は、差分値が閾値未満である場合(ステップS247:Yes)、VRp0とVRp1とを保持し(ステップS250)、VRp1を測定するまでにかかった時間、言い換えると処理開始からVRp1測定までの時間(t)を保持する(ステップS251)。
その後、電源監視装置23は、コモン容量を推定し(ステップS252)、S227で保持した時間とS251で保持した時間とを比較し、長い方の時間を待ち時間(安定時間)に決定する(ステップS253)。なお、電源監視装置23は、ステップS252において閾値の増加分なども決定する。また、VRn計測とVRp計測とは順不同である。
<4.タイムチャート>
図11は、劣化検出処理の処理手順の一部を示すタイムチャートである。なお、ここでは一例として切替スイッチS7をオフにした例で説明する。
図11に示すように、電源監視装置23は、処理を開始すると各種スイッチを制御して、処理を開始してからt0後にVRn0を測定し、処理を開始してからt1後にVRn1を測定し、処理を開始してからt2後にVRn2を測定する。
ここで、電源監視装置23は、VRn0とVRn1との差分が大きい場合、時間t0からt1までの間でコモン容量の影響を受けて差分が発生すると判定できるので、時間t1ではコモン容量がまだ安定していないと判定する。そして、電源監視装置23は、VRn1とVRn2との差分が小さい場合、時間t1からt2までの間でコモン容量の影響が小さいと判定できるので、時間t1以降はコモン容量が安定していると判定する。
したがって、電源監視装置23は、時間t1を待ち時間(安定時間)の候補と決定する。また、電源監視装置23は、VRp計測についても、VRp計測の開始を基準として同様に処理を実行し、時間t2を待ち時間(安定時間)の候補と決定する。そして、電源監視装置23は、長い方の時間を待ち時間に設定することで、VRn計測とVRp計測の両方においてコモン容量の影響をより受けないように制御する。
<5.効果および変形例>
上述したように、キャパシタC電圧の変化量や車両の絶縁抵抗値を用いて、車両内に存在するコモン容量を推定することができるので、車両ボディーGNDが安定する時間等を予測することができ、コモン容量の影響を低減することができる。また、VRn計測とVRp計測の切替時の待ち時間を、実測値にしたがって動的に変更することができるので、回路の経年劣化等に追従することができる。さらに、回路の経年劣化等に追従できるので、浮遊容量の影響を低減することができるとともに、低減精度を維持することができる。
また、VRn計測とVRp計測の切替時の待ち時間が閾値を超える長さになった場合でも、劣化判定の閾値を動的に変更することができるので、浮遊容量の影響の低減を維持することができ、判定精度の劣化を抑制することができる。
また、上記実施例では、所定時間連続してVRnまたはVRpを取得し、連続するVRnまたはVRpの差分が閾値未満となる時間、言い換えると差分値(変化量)が収束する時間を特定する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前回のテストモード時に安定時間と特定された時間の電圧値または安定時間と判定された差分値を保持しておき、これらを閾値として活用することもできる。具体的には、VRn0と、保持される上記電圧値との差が閾値未満となる時間を特定したり、ΔVと、保持される上記差分値との差が閾値未満となる時間を特定したりする。
なお、上記した実施形態において、第1キャパシタC1や第2キャパシタC2、切替スイッチS7などの位置や個数は、例示であって限定されるものではない。すなわち、第1、第2キャパシタC1,C2の位置などは、電源電圧を検出するための充電経路と絶縁抵抗Rp,Rnの劣化を検出するための充電経路とで全体の静電容量を変えることができれば、どのようなものであってもよい。
例えば、電圧検出回路部24において、第1キャパシタC1と直列接続され、かつ、第2キャパシタC2および切替スイッチS7と並列接続されるスイッチを新たに設ける。そして、当該スイッチおよび切替スイッチS7を制御して、第1キャパシタC1のみを含む充電経路と第2キャパシタC2のみを含む充電経路とで切り替えるようにしてもよい。
また、電圧検出回路部24において、例えば第2キャパシタC2および切替スイッチS7が、第1キャパシタC1に直列接続されるようにする。さらに、第1キャパシタC1および切替スイッチS7に並列接続されるスイッチを新たに設ける。そして、当該スイッチおよび切替スイッチS7を制御して、直列接続された第1、第2キャパシタC1,C2を含む充電経路と、第2キャパシタC2のみを含む充電経路とで切り替えるようにしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 充放電システム
10 組電池
12a 第1スタック
12b 第2スタック
20 電源監視システム
23 電源監視装置
24 電圧検出回路部
25 A/D変換部
26 制御部
26a 充電経路形成部
26b 放電経路形成部
26c 電圧検出部
26d 劣化検出部
26e コモン容量推定部
30 車両制御装置
40 モータ
50 電圧変換器
60 フェールセーフ用リレー
C1 第1キャパシタ
C2 第2キャパシタ

Claims (6)

  1. 車両に搭載される劣化検出装置において、
    絶縁された電源に接続されて充放電を行うキャパシタと、
    前記電源の絶縁抵抗の劣化を検出する充電経路で充電された前記キャパシタの電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部によって所定時間連続して検出された、連続する各電圧の差分値が閾値未満となる時間、および/または、前記車両の絶縁抵抗値を用いて、前記車両内に存在する浮遊容量を推定する推定部と
    を有することを特徴とする劣化検出装置。
  2. 前記電圧検出部で検出された前記キャパシタの電圧と予め設定された電圧値である閾値とを比較し、比較結果に基づいて前記電源の絶縁抵抗の劣化を検出する劣化検出部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の劣化検出装置。
  3. 前記推定部は、前記電圧の測定が開始されてから第1の時間後に取得された第1の電圧と、第2の時間後に取得された第2の電圧との差分値が前記閾値未満となった場合、前記浮遊容量が安定するまでの時間を前記第1の時間と決定することを特徴とする請求項2に記載の劣化検出装置。
  4. 前記電圧検出部は、前記電源の正極側と前記車両のグランドとを接続する第1の放電経路と、前記電源の負極側と前記車両のグランドとを接続する第2の放電経路とを切り替える際に、前記第1の時間が経過してから切り替えることを特徴とする請求項3に記載の劣化検出装置。
  5. 前記推定部は、推定した前記浮遊容量と前記第1の時間と前記車両の絶縁抵抗値とから、前記閾値の増加分を決定し、決定した増加分を加えた新たな閾値を、前記電源の絶縁抵抗の劣化検出に用いる閾値に設定することを特徴とする請求項3に記載の劣化検出装置。
  6. 車両に搭載される劣化検出装置が、
    絶縁された電源に接続されて充放電を行うキャパシタが前記電源の絶縁抵抗の劣化を検出する充電経路で充電した、前記キャパシタの電圧を検出する電圧検出工程と、
    前記電圧検出工程によって所定時間連続して検出された、連続する各電圧の差分値が閾値未満となる時間、および/または、前記車両の絶縁抵抗値を用いて、前記車両内に存在する浮遊容量を推定する推定工程と
    を含むことを特徴とする劣化検出方法。
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