JP2017145336A - 建設基礎用薬液 - Google Patents

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Abstract

【課題】水ガラスとポリオールを必須成分として配合してなるA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液からなる建設基礎用薬液において、施工性に優れた薬液を提供すること。
【解決手段】水ガラス及び反応触媒を必須成分とし、且つ反応触媒を水ガラス中の固形成分の100質量部に対して0.001〜0.5質量部の割合で含有するA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液とからなる建設基礎用薬液において、A液に含まれる水の量を、A液の35〜70質量%となるようにし、且つA液とB液を混合して調製される薬液全量に含まれる水の量を、薬液全量の15〜25質量%となるようにした。
【選択図】なし

Description

本発明は、土木・建築用建設資材などの幅広い分野で、脆弱な地盤や岩盤を堅固にするための地盤改良の際に用いられ、例えば架台や鋼材を固定するための基礎として用いることができる建設基礎用薬液に関するものである。
従来より、構造物の基礎地盤の改良や、脆弱な地盤や岩盤上に荷重強度の高い構造物を構築する場合、山留め壁の強化、更には土留め及び止水等などの目的で、建設基礎用薬液による地盤改良が行われてきた。この地盤改良に用いることができる建設基礎用薬液としては、地盤性状などに対応して、適宜選択されているが、比較的安価であることから、主に、セメント系建設基礎用薬液が、多用されている。
このセメント系建設基礎用薬液としては、例えば特許文献1に示されるように、セメント系材料と、カルボン酸基及びスルホン酸基からなる群より選ばれる1種以上の官能基を有する高分子化合物及びその塩からなる群より選ばれる1種以上の粉末状高分子化合物とを含有する地盤改良用粉末状セメント組成物があり、現場計量に対する添加量管理を容易に行なうことができるところから、液体状混和剤を後添加する時のように、混練に煩雑さを伴わず、施工効率が向上するものであった。
しかしながら、セメント系建設基礎用薬液の欠点としては、流動性が高いうえに、固化時間が長いということにより、施工後から固まるまでに数日を要するという問題や、湿度が高い環境や水の出るような環境では、固まるのが更に遅くなったり、物性が低下したりするという問題があり、また、特に雨天時などでは、施工が困難であり、施工時期が限定されるという問題がある。
この他にも、鋼材または長尺ボルトからなる補強材を地盤または岩盤に定着させるために、定着用薬液を用いる方法があり、そしてこの定着用薬液として、例えば特許文献2に記載されているような、水ガラスと第三級アミン触媒を必須成分とすると共に、グリセリンをも必須成分とするA液と、ジフェニルメタンジイソシアネートを必須成分とするB液とからなる長尺ボルト定着用薬液が知られている。そこでは、水ガラスと第三級アミン触媒を必須成分とするA液に更にグリセリンを配合することにより、水ガラスと第三級アミン触媒の相溶性が向上することとなるために、A液の分離を抑制することができ、安定した発泡倍率で、安定した硬化物を得ることができるものであった。
しかしながら、このような定着用薬液は、一般的にミキサーユニットによる数秒程度の短時間混合と、ポンプによる薬液の圧送による注入を想定して設計されており、例えば、ハンドミキサーによる混合やコンクリートミキサーによる混合は想定されていない。そのため、前記定着用薬液は、ハンドミキサーによる混合では、1Kg程度の少量では問題なくとも、10Kg以上の混合では十分に混合されずに、分離し易いという問題がある。更に、水ガラスとイソシアネートとを混合、反応させたシリカゾル薬液は、チキソトロピー性を示し、ポンプによる圧送時など、外力を加えた場合は問題なく流動するが、撹拌後の薬液をしばらく静置した場合には、薬液の流動性が低下し、それを注入する場合には、再度撹拌しなおす必要があるという問題がある。また、混合撹拌した薬液を、例えばバケツ等で運搬し、注入する場合には、移送中に薬液の流動性が損なわれ、施工上の問題となるのである。
特開平11−256161号公報 特開2002−285155号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、水ガラスとポリオールを必須成分として配合してなるA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液からなる建設基礎用薬液において、施工性に優れた薬液を提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載から把握される発明思想に基づいて認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) 水ガラス及び反応触媒を必須成分とし、且つ該反応触媒を、該水ガラス中の固形 成分の100質量部に対して、0.001〜0.5質量部の割合で含有するA液と 、ポリイソシアネートを必須成分とするB液とからなる建設基礎用薬液であって、 前記A液に含まれる水の量が、該A液の35〜70質量%であり、且つ該A液と 前記B液を混合して調製される薬液全量に含まれる水の量が、薬液全量の15〜2 5質量%であることを特徴とする建設基礎用薬液。
(2) 前記反応触媒が、アミン触媒であることを特徴とする前記態様(1)に記載の建 設基礎用薬液。
(3) 前記A液と前記B液の混合比が、質量比で、1:1〜1:3であることを特徴と する前記態様(1)または前記態様(2)に記載の建設基礎用薬液。
(4) 前記A液中に、ポリオールを更に配合してなることを特徴とする前記態様(1) 乃至前記態様(3)のうち何れか1つに記載の建設基礎用薬液。
(5) 前記ポリオールの水酸基価が、10〜600mgKOH/gであることを特徴と する前記態様(4)に記載の建設基礎用薬液。
(6) 前記A液および/または前記B液に、シリコーン系界面活性剤を更に配合してな ることを特徴とする前記態様(1)乃至前記態様(5)のうち何れか1つに記載の 建設基礎用薬液。
(7) 前記水ガラスがケイ酸ナトリウムの水溶液であり、且つ該ケイ酸ナトリウムのS iO2 /Na2O のモル比が、2.0〜3.0の範囲内であることを特徴とする前
記態様(1)乃至前記態様(6)のうち何れか1つに記載の建設基礎用薬液。
(8) 発泡倍率が1〜2倍である反応生成物を与えることを特徴とする前記態様(1) 乃至前記態様(7)のうち何れか1つに記載の建設基礎用薬液。
そして、このような本発明に従う構成によれば、水ガラスを配合してなるウレタン系の建設基礎用薬液において、注入設備のような特殊な装置を用いることなく、容易に且つ安全に施工できる特徴が有利に発揮され、また、安定して発泡倍率を低く抑え、短時間で、コンクリート系建築基礎用薬液と同等の強度を実現すると共に、現場で水が出る環境下や雨の日の施工でも、問題なく使用できる薬液を提供し得たのである。
要するに、本発明は、A液とB液からなる、反応硬化して固化する二液型の建設基礎用薬液において、かかるA液が、水ガラスとポリオールとを配合して調製され、またB液がポリイソシアネートを配合して調製される一方、A液に、更に反応触媒を少量配合せしめると共に、A液における水の量と、A液とB液を合わせた全体における水の量とを特定することにより、所期の目的を達成したところに、大きな特徴を有しているのである。
そして、そのような本発明に従う建設基礎用薬液を構成する二液のうちの一つであるA液において、その必須成分の一つである水ガラスは、公知の如く、可溶性の珪酸化合物の水溶液である。ここで、かかる珪酸化合物としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、アルキルシリケート等を挙げることが出来るが、特に、本発明にあっては、入手が容易で安価な珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ)が、好適に用いられることとなる。そして、珪酸ナトリウムを用いる場合においては、SiO2 /Na2O のモル比が2.0〜3.0の範囲内であることが望ましい。このモル比が2.0よりも小さくなると、反応触媒やポリオール等の添加剤との相溶性が悪化し、ゲル状物の生成等が惹起され易くなるところから、長期保存が困難となるのである。また、モル比が3.0よりも大きくなると、粘度が高くなるために、低粘度のA液を設計することが困難となって、液の分散安定性が低下し、更に凝固点が高くなって、冬季に使用出来なくなる問題がある。
ところで、上述の如き水ガラスとしては、各種のものが市販されており、本発明にあっては、そのような市販品を適宜に選択して用いることが出来る。なお、珪酸ナトリウムの水溶液に関しては、JIS規格(JIS K 1408)にて規定されており、1号、2号、3号等として知られているところであり、またこのJIS規格に準拠して配合されたものであれば、4号や5号等や、1.5号や2.5号等の配合のものであっても、それらを用いることが可能である。更に、そのような水溶液の形態にある水ガラス中における固形成分の割合は、JIS規格の各号や、水ガラスの種類等に応じて種々異なるものとなるが、A液の安定性や固結特性等の観点から、一般に、20〜60質量%程度とされ、好ましくは35〜55質量%の割合の固形成分を含有する水ガラスが、有利に用いられることとなる。
なお、水ガラス中の固形成分とは、水溶液の形態にある水ガラスから、水や溶剤等の揮発する物質を除いたもの(不揮発分)であって、この固形成分が、珪酸ナトリウム等の珪酸化合物に実質的に相当するものである。そして、そのような固形成分は、次のようにして測定されることとなる。即ち、アルミ箔製の試料皿(縦:90mm、横:90mm、高さ:15mm)内に、試料(水ガラス)の10gを秤量して、収容し、それを180±1℃に保持した加熱板上に載置して、20分間放置した後、かかる試料皿を、その内面に試料が固着した状態で反転させて、更に20分間、かかる加熱板上に放置することにより、試料の乾燥を行う。次いで、加熱板上から試料皿を取り出して、デシケーター中で放冷した後、秤量を行って、次式により、水ガラス中の固形成分の割合が求められる。
固形成分(%)=[乾燥後の質量(g)/乾燥前の質量(g)]×100
また、本発明に使用する反応触媒としては、アミン触媒や金属触媒等が挙げられるが、特に、アミン触媒が好適に用いられる。そして、かかる反応触媒は、A液の水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、0.001〜0.5質量部、好ましくは0.002〜0.3質量部、より好ましくは0.005〜0.2質量部において、用いられることとなる。このような反応触媒の作用により、イソシアネートと水および水ガラスの反応が促進され、建設基礎用薬液として必要な物性強度を得ることが出来、混合時の分離を抑制することが出来る。なお、かかる触媒の添加量が0.1質量部を超えるようになると、反応の制御が困難となり、ガス圧による発泡体の破裂や施工に必要な作業時間をとることが難しくなり、発泡が起こり易くなるために、十分な強度が得られなくなる。また、アミン触媒は強い臭気を有しているため、反応触媒として用いるアミン触媒の量が多くなると、現場での作業において、臭気により作業環境が悪化する問題も生じる。一方、触媒の添加量が0.001質量部よりも少ないと、特に大量な薬液を混合する場合、混合時に分離し易くなるため、混合時間が長くなる問題がある。
このように、本発明においては、反応触媒の使用量を、A液に対して0.1質量%以下に抑えているため、かかる反応触媒としてアミン触媒を用いた場合において、その添加が非常に少量に抑えられることとなり、これにより、臭気の問題が有利に回避され得て、作業環境を向上させることが出来る利点も発揮されるのである。
ここで、反応触媒として有利に用いられるアミン触媒としては、従来からウレタンの反応に用いられている既知のものを挙げることが出来、例えば第三級アミン系触媒等を用いることが出来る。なお、このアミン系触媒には、水を発泡剤源として用いる場合に、イソシアネート成分と水との反応を促進する作用を有する泡化触媒、イソシアネート成分とポリオール成分との反応を促進する作用を有する樹脂化触媒、イソシアネート成分の3量化を促進する作用を有するイソシアヌレート化触媒等がある。
具体的には、例えば、泡化触媒としては、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリエチルアミノエチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、トリエチルアミン等が挙げられる。また、樹脂化触媒としては、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、トリエチレンジアミン、33%トリエチレンジアミン・67%ジプロピレングリコール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N−メチル−N’−ヒドロキシエチルピペラジン、N−メチルモルフォリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。更に、イソシアヌレート化触媒としては、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても何等差し支えない。第三級アミン触媒の中でも、より好ましくは泡化触媒が好適に用いられる。
ところで、本発明にあっては、上記した水ガラスに対して、更に水を加えて、A液を調製することが可能である。ここで、更に添加される水は、主にA液の低粘度化に寄与するものである。このような水は、純水、水道水、蒸留水、工業用水等、ゴミや塵等が混入していなければ、特に限定されないが、利用し易い工業用水や水道水が有利に用いられることとなる。
そして、水ガラス由来の水と更に添加した水の総量は、A液全体の35〜70質量%、好ましくは40〜68質量%、より好ましくは45〜65質量%、さらに好ましくは50〜62質量%である。水ガラスは、市販品の状態では水溶液の状態であるところから、そのような市販品を用いることにより、A液中には、水ガラスに含まれている水が存在しており、それ故にA液には、最低でも、水ガラスに含まれた水が含まれていることとなる。なお、水ガラスに含まれた水分を蒸発などで低下させて使用することは、A液中の水ガラスの不安定化を引き起こす恐れがあるので、そのような使用形態の採用は望ましくない。また、A液中の水の量が70質量%より多くなると、水ガラスとイソシアネートの混合安定性を悪化させ、混合後の分離により、固結材強度の発現が不充分となる問題や粘度が低くなり過ぎることによる土壌への浸透といった問題を惹起する。一方、A液中の水の量が35質量%よりも低くなると、A液の保存安定性の悪化による品質のばらつきや、A液とB液の混合性の低下による強度低下を惹き起こす等という問題を生じる。
加えて、A液とB液を混合して調製される薬液の全量に含まれる水の量についても、それが、薬液全量の15〜25質量%、好ましくは18〜24.5質量%、より好ましくは20〜24質量%となるように、調整されるのである。この全量に対する水の量が多くなると、A液とB液の混合性を低下させるために、発泡や液分離により、十分強度が発現されない問題が惹起される。また、かかる水の量が少なくなると、イソシアネートと水との反応が均一に進まずに強度低下を惹き起こす等の問題が惹起される。
また、A液を構成する要素として、更に、ポリオールを添加、配合することが出来る。このポリオールとしては、特に限定されるものではなく、従来からウレタン樹脂におけるポリオール成分として用いられているものが、同様に使用され得るところであり、例えば、公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を挙げることが出来る。それらのポリオールは、単独で使用することが出来る他、適宜に組み合わせて併用することも可能である。なお、それらポリオールの中、ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも2個以上の活性水素基を有する多価アルコール類を開始剤として、これに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させて、製造されたもの等を用いることが出来る。そのような開始剤となる多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類;ペンタエリスリトール;蔗糖、シュークロース等の糖類;エチレンジアミン等のアミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類等を挙げることが出来る。また、ポリエステルポリオールにあっても、特に限定されるものではなく、例えば、多価アルコールと、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ダイマー酸等のポリカルボン酸とを反応させて得られるポリカルボン酸系ポリエステルポリオール;ラクトン等を開環重合させて得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることが出来る。
さらに、そのようなポリオールの中でも、耐候性及び長期安定性等の理由から、ポリエーテルポリオールが好適に用いられ、より好ましくは、グリコール類、グリセリン、糖類から選択される開始剤に、アルキレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオールが、好適に用いられることとなる。
なお、上述の如きポリオールは、一般に、200〜10000程度の分子量を有していることが望ましく、更に200〜5000程度の分子量を有していることが、より望ましいのである。かかる分子量が200よりも小さくなると、水ガラスと接触した際に、一時的な凝固を惹起して、A液製造時の混合を妨げる恐れが生じる問題があり、一方、分子量が10000より大きくなると、A液とB液を混合した時の相溶性が悪くなるといった問題を惹起する恐れがある。
また、そのようなポリオールの水酸基価としては、10〜600mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは20〜580mgKOH/g以下である。水酸基価が600より大きくなると、硬化までの時間が長くなり、固化する前に、水ガラスとイソシアネートが分離を引き起こす恐れや、強度発現までに時間がかかり過ぎるため、短時間での強度の発現が困難となる問題がある。
なお、ポリオールの配合量は、A液中の水ガラスの固形成分の100質量部に対して、0〜100質量部、好ましくは2〜70質量部、より好ましくは2〜50質量部の割合である。ポリオール配合量が100質量部よりも多くなると、発泡倍率が高くなるため、本発明のように発泡倍率を抑えたい用途には好ましくない。また、コスト的にも高くなり、経済性も損なわれることとなる。本発明において、ポリオールは配合しても、配合しなくても良いが、混合性や物性の向上のために、配合することが望ましいのである。
一方、本発明に従う建設基礎用薬液を構成する二液のうちの他の一つであるB液は、従来と同様に、ポリイソシアネートを必須成分として調製されてなるものであって、本発明にあっては、そのようなB液中におけるポリイソシアネートの含有量が70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%となるように調整されることが望ましい。かかるポリイソシアネートの含有量が70質量%よりも少なくなると、建設基礎材の強度が低下する問題がある。B液におけるポリイソシアネートの割合は高いほうが望ましく、B液をポリイソシアネートのみで形成しても何等差支えない。
かかるB液の必須成分であるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有する有機系イソシアネート化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、トリレンジイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートの他、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を挙げることができる。これらのポリイソシアネート成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。一般的には、反応性や経済性、取扱性等の観点から、MDIやクルードMDIが好適に用いられる。
なお、本発明の建設基礎用薬液を構成する上述の如きA液及びB液には、親水性のA液と疎水性のB液の混合性を改善するために、界面活性剤を添加することが出来る。この界面活性剤は、A液とB液の何れに添加しても良く、両方に添加しても良い。そして、この界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサンオキシアルキレン共重合体等のシリコーン系界面活性剤;ポリオキシ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩、カルボン酸塩などのアニオン系界面活性剤などが挙げられるが、それらの中でも、混合性改善の観点から、シリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用して、用いられてもよい。また、そのようなシリコーン系界面活性剤は、A液とB液を合わせた全量の0.05〜2質量%の割合で添加され、好ましくは0.08〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%の割合で用いられる。
また、本発明に従う建設基礎用薬液を構成する上述の如きA液及びB液には、その使用目的に応じて、従来と同様な添加剤を添加せしめることが可能である。例えば、A液に対する添加剤としては、難燃剤、減粘剤等を挙げることが出来る。これらの添加剤は、A液を構成する水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、0〜15質量部、好ましくは0〜10質量部の割合において、用いられることとなる。また、B液に対する添加剤としては、難燃剤、減粘剤等を挙げることが出来、その中で、減粘剤は、ポリイソシアネートの100質量部に対して、0〜20質量部、好ましくは0〜10質量部の割合となるように用いられ、また難燃剤は、ポリイソシアネートの100質量部に対して、0〜50質量部、好ましくは0〜40質量部の割合となるように用いられることとなる。
そこにおいて、難燃剤としては、例えば臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、ハロゲン化リン酸エステル、無機系難燃剤等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用して、用いられてもよい。これらの中でも、環境への負荷が少なく、発泡性組成物の減粘剤としても機能する点で、リン酸エステルおよびハロゲン化リン酸エステルが好ましく用いられる。なお、リン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等が挙げられる。また、ハロゲン化リン酸エステルとしては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)ジクロロイソペンチルジホスフェート、ポリオキシアルキレンビス(ジクロロアルキル)ホスフェート等が挙げられる。
また、減粘剤は溶剤として用いられ、A液又はB液に溶解されて、それらの液を減粘する働きを有するものであって、そのような機能を有するものである限りにおいて、特に限定されるものではなく、例えば、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のエーテル類;プロピレンカーボネート等の環状エステル類;ジカルボン酸アルキルエステル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;石油系炭化水素類等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用して、用いられてもよい。
ところで、本発明に従って調製されるA液及びB液は、それぞれ、25℃の温度下における(動)粘度が500mPa・s以下、好ましくは10〜500mPa・s、より好ましくは40〜250mPa・sとなるように、調整されることとなる。この粘度が500mPa・sよりも高くなると、A液やB液が粘調な液となり、混合時の流動性が悪くなる等の問題を惹起するようになる。
また、かくの如きA液とB液から構成される本発明に従う建設基礎用薬液の使用に際しては、それら両液が、使用時に混合されて、目的とする地盤、岩盤等に対して、注入や流し込み等によって導入され、反応硬化せしめられることにより、基礎を形成することとなる。なお、かかるA液とB液との混合比(A:B)は、A液中の水酸基含有量とB液中のNCO基含有量によって適宜に変化せしめられることとなるが、一般に、質量基準にて、A:B=1:1〜1:3、好ましくは、1:1〜1:2の範囲内において、採用されることとなる。また、それらA液やB液の使用方法についても、それらの使用の直前に、二液の混合が確実に行われ得る手法であれば、特に限定はなく、従来から公知の注入手法や流し込み手法が、適宜に採用されることとなる。
そして、それらA液とB液とを混合したときの発泡倍率は、通常、1〜2倍、好ましくは1〜1.5倍、より好ましくは1〜1.3倍となるように、設定されるのである。この発泡倍率は低ければ低いほど良く、2倍より大きくなると、有効な強度が得られなくなる恐れがある。
さらに、A液とB液とを混合したときの硬化時間(混合から硬化するまでの時間)は、5分以上、好ましくは5〜120分、より好ましくは10〜60分であることが、望ましい。この硬化時間が5分以内であると、例えば鋼材を固定するための土台に建設基礎用薬液を用いる場合、建設基礎用薬液を流し込んで短時間で硬化してしまうと、建設基礎用薬液の流し込みの作業中に鋼材の位置がずれたりすることもあるため、その位置のずれを戻したり、微調整を行ったりすることが出来なくなる。混合から硬化まで5分以上の猶予があれば、建設基礎用薬液を流し込んだ後も、鋼材の位置の調整が可能となるのである。また、本発明の建設基礎用薬液は、数時間以内には確実に硬化するので、セメント系建設基礎用薬液などのように、養生に数日かける必要がなくなる。なお、本発明の建設基礎用薬液は、従来からのセメント系建設基礎用薬液と併用しても良く、例えば、本発明の建設基礎用薬液で基礎固定を行い、土台全体をセメント系建設基礎用薬液で固定させるようにしても、何等差支えない。
加えて、A液とB液とを混合したときの液流れ時間(流動性が保持される時間)は、3分以上、好ましくは5〜60分、より好ましくは10〜40分とすることが望ましい。A液とB液を混合してから、反応が始まるため、時間の経過とともに、流動性は低下していく。このため、流動時間が5分未満であると、特に大量の薬液を混合して使用する場合に、混合液を均一に混合して、基礎として施工するまでに時間が掛かるところから、施工が完了するまでに流動性がなくなって、施工ができなくなる恐れがある。
以下に、本発明の実施例や比較例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
なお、以下の実施例及び比較例において得られたA液とB液の特性(粘度)と共に、A液とB液とを混合して反応・発泡せしめて得られる建設基礎材としての発泡体の発泡後の所見、圧縮強度、及び浸透距離については、それぞれ、以下の手法に従って、測定乃至は評価した。また、以下に示す「%」及び「部」は、何れも、質量基準である。
(1)粘度
JIS−K−7117に準拠して、粘度を測定した。
(2)発泡倍率
25℃にそれぞれ調整した、表1〜表4に示される組成のA液とB液とを、表1〜表4に示される所定の混合比で混合して、全量が1kgとなる混合物を調製した後、それを2リットルのディスカップに収容し、充分に混合攪拌した。そして、反応終了後の発泡高さを測定し、発泡倍率を求めた。
(3)混合性
それぞれ25℃に調整したA液、B液を、合計量が5Lとなるように、所定の混合比で計り取り、10Lのポリ容器に投入する。そして、塗料用撹拌翼を用い、ハンドミキサーで1500rpmの回転をかけて、所定時間(30秒又は60秒)撹拌混合した時の混合状態を評価する。混合後の液を静置し、分離が認められなければ、混合性良好と判断した。
◎:30秒で混合 ○:60秒で混合 ×:分離
(4)液流れ性(流動時間)
25℃に調整したA液とB液とを、所定の混合比で、全量が1Kgとなるように計量して、それを2リットルのディスカップに収容し、充分に混合攪拌した。そして、その混合撹拌開始から所定時間毎に容器を傾け、かかる容器を45°以上傾けても、内容物が流れなくなった時間を求め、混合撹拌開始から流れなくなった時間までの時間を流動時間として測定した。この流動時間は5分以上を合格とする。
(5)硬化時間
25℃に調整したA液とB液とを所定の混合比で混合して反応せしめ、生成した反応硬化物からガス(水蒸気)が発生するまでの時間及び反応硬化物の表面に釘が刺さらなくなるまでの時間を測定し、何れか早い方を、硬化時間の終点とした。この硬化時間は5分以上を合格とする。
(6)外観
発泡試験後の硬化物を目視で観察し、発泡による変形、分離による不均一な硬化、内圧による大きなクラック等の外観不良の有無を確認した。硬化物のサンプル3個のうち、3個の何れにも外観不良があるときは「×」、1〜2個に外観不良があるときは「△」、3個の全てに外観不良が認められない場合には「○」として、評価した。
(7)強度
A液とB液を所定の混合比で混合撹拌し、上部が解放された内径:50mm×高さ:120mmの有底円筒型に流し込み、30℃で24時間養生した。かかる型内の反応生成物から、直径:50mm×高さ:100mmの試験体を切り出し、JIS−K−7220に準じて、測定を行った。強度は10MPa以上を合格とする。
(実施例1)
−A液の調製−
水ガラスとして、ケイ酸ナトリウム2号(SiO2 /Na2O のモル比:2.5)の固形成分40%の水溶液を用い、その100部に、ポリオール10部、アミン触媒0.01部を加え、均一に混合して、A液とした。そして、この得られたA液の粘度を測定し、その結果を、下記表1に示した。
なお、ここで用いられたポリオールは、分子量1000、官能基数2、水酸基価112mgKOH/gのポリプロピレングリコール(PP−1000:三洋化成工業株式会社製)であり、アミン触媒は、3級アミン触媒(TOYOCAT−DT:東ソー株式会社製)である。
−B液の調製−
ポリイソシアネートの100部に、界面活性剤0.5部を加え、均一に混合して、B液とした。そして、この得られたB液の粘度を測定し、その結果を、下記表1に示した。ここで、イソシアネートとしては、ポリメリックMDI(コスモネートM−200:三井化学株式会社製)を用い、また界面活性剤としては、アルキレンオキサイド変性シリコーン(L−6970:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いた。
次いで、上記で得られたA液とB液とを、質量比にて2:3の割合で組み合わせて、均一に混合し、反応せしめた後、前述の評価手法に従って、各種評価試験を行い、それらの結果を、下記表1に示した。
(実施例2)
実施例1において、ポリオールを、分子量200、官能基数2、水酸基価560mgKOH/gのポリプロピレングリコール(PP−200:三洋化成工業株式会社製)としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例3)
実施例1において、ポリオールを、分子量5000、官能基数3、水酸基価33mgKOH/gのポリエーテルポリオール(FA−703:三洋化成工業株式会社製)としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例4)
実施例1において、ポリオールを、分子量92、官能基数3、水酸基価1830mgKOH/gのグリセリン(精製グリセリン:花王株式会社製)としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例5)
実施例1において、ポリオールを20部としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例6)
実施例1において、ポリオールを5部とし、更に水10部をA液に加えたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例7)
実施例6において、水の添加量を20部とし、A液とB液とを、質量比にて、1:2の割合で組み合わせたこと以外は、実施例6と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表1に示した。
(実施例8)
実施例6において、水の添加量を35部とし、A液とB液とを、質量比にて、1:2の割合で組み合わせたこと以外は、実施例6と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。なお、A液に含まれる水の量は、A液の67.8質量%であり、A液とB液を合わせた全体量に含まれる水の量は、全体量の17.9質量%である。
(実施例9)
実施例1において、A液に界面活性剤(L−6970)を加える一方、B液には界面活性剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(実施例10)
実施例1において、B液に界面活性剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(実施例11)
実施例1において、界面活性剤(L−6970)を0.1部としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(実施例12)
実施例1において、界面活性剤(L−6970)を3部としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(実施例13)
実施例1において、ポリオールを添加しないこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表2に示した。
(実施例14)
実施例13において、アミン触媒を別の3級アミン触媒(TOYOCAT−ET:東ソー株式会社製)としたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(実施例15)
実施例13において、アミン触媒を他の3級アミン触媒(カオーライザーNo.26:花王株式会社製)としたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(実施例16)
実施例13において、アミン触媒を更に他の3級アミン触媒(TOYOCAT−MR:東ソー株式会社製)としたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(実施例17)
実施例13において、アミン触媒を0.05部とし、A液とB液とを、質量比にて1:2の割合で組み合わせたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(実施例18)
実施例13において、アミン触媒を0.1部とし、A液とB液とを、質量比にて1:3の割合で組み合わせたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(実施例19)
実施例13において、アミン触媒を0.002部としたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表3に示した。
(比較例1)
実施例1において、アミン触媒を1部としたこと以外は、実施例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
(比較例2)
実施例7において、アミン触媒を1部としたこと以外は、実施例7と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
(比較例3)
比較例1において、ポリオールを40部とし、A液とB液とを、質量比にて1:4の割合で組み合わせたこと以外は、比較例1と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
(比較例4)
実施例15において、アミン触媒を1部としたこと以外は、実施例15と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
(比較例5)
実施例13において、A液に更に水を15部添加し、A液とB液とを、質量比にて1:1の割合で組み合わせたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
(比較例6)
実施例13において、A液に更に水を50部添加し、A液とB液とを、質量比にて1:3の割合で組み合わせたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
(比較例7)
実施例13において、A液に更に水を20部、ポリオールとしてグリセリンを10部添加し、A液とB液とを、質量比にて1:1の割合で組み合わせたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
(比較例8)
実施例13において、アミン触媒を0.3部とし、A液に更に水を100部添加する一方、水ガラスは添加せず、そしてA液とB液とを、質量比にて1:3の割合で組み合わせたこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
(比較例9)
実施例13において、アミン触媒を添加しないこと以外は、実施例13と同様の手法に従って、それぞれ試験を行った。そして、その得られた結果を、下記表4に示した。
Figure 2017145336
Figure 2017145336
Figure 2017145336
Figure 2017145336
なお、表4において、測定不可となったものは、試験体が作製することが出来なかったか、クラックなどによる破損により、測定することが出来なかったものである。
上記表1〜表3に示される実施例1乃至実施例19の結果より明らかな如く、本発明に従って、A液中の反応触媒量を規制し、更にA液中の水の量及びA液とB液との混合液全体の水の量を、それぞれ、所定の範囲内に調整することによって、施工性及び成形体(硬化物)の物性において、優れた特性を発揮することが認められた。これに対して、上記表4に示される比較例1〜9の結果から明らかな如く、反応触媒(アミン触媒)の使用量が多い比較例1〜4においては、流動時間や硬化時間が短く、施工性に劣るものであった。また、水の量が本発明の範囲外となる比較例3や比較例5〜8にあっては、有効な硬化反応を惹起させることが困難であり、成形体(硬化物)の物性を測定することが出来ないものとなった。更に、反応触媒を全く使用しない比較例9においては、施工性に劣るものとなった。

Claims (8)

  1. 水ガラス及び反応触媒を必須成分とし、且つ該反応触媒を、該水ガラス中の固形成分の100質量部に対して、0.001〜0.5質量部の割合で含有するA液と、ポリイソシアネートを必須成分とするB液とからなる建設基礎用薬液であって、
    前記A液に含まれる水の量が、該A液の35〜70質量%であり、且つ該A液と前記B液を混合して調製される薬液全量に含まれる水の量が、薬液全量の15〜25質量%であることを特徴とする建設基礎用薬液。
  2. 前記反応触媒が、アミン触媒であることを特徴とする請求項1記載の建設基礎用薬液。
  3. 前記A液と前記B液の混合比が、質量比で、1:1〜1:3であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建設基礎用薬液。
  4. 前記A液中に、ポリオールを更に配合してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の建設基礎用薬液。
  5. 前記ポリオールの水酸基価が、10〜600mgKOH/gであることを特徴とする請求項4記載の建設基礎用薬液。
  6. 前記A液および/または前記B液に、シリコーン系界面活性剤を更に配合してなることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の建設基礎用薬液。
  7. 前記水ガラスがケイ酸ナトリウムの水溶液であり、且つ該ケイ酸ナトリウムのSiO2 /Na2O のモル比が、2.0〜3.0の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の建設基礎用薬液。
  8. 発泡倍率が1〜2倍である反応生成物を与えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の建設基礎用薬液。
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