JP2017145210A - 抗菌性金属物品 - Google Patents

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和彦 俣野
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Abstract

【課題】優れた抗菌性を発揮することができる抗菌性金属物品を提供する。【解決手段】 高さ50nm以上の微小突起が複数配置され、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが90nm以上500nm以下であり、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起の幅wの平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が0.7以上6.25以下である、金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる微小突起構造体を金属部材の少なくとも一方の表面に有することを特徴とする、抗菌性金属物品。【選択図】図2

Description

本発明は、抗菌性金属物品に関するものである。
空調機器、家電製品、調理用機器、医療機器等の物品、水道配管、空調配管等の配管等においては、清潔な環境を保つために、物品表面に対する細菌等の付着、及び付着した細菌等の繁殖を防ぐことができる抗菌性の付与が求められている。
従来、各種物品に抗菌性を付与するためには、例えば光触媒材料や銀イオンが用いられている。例えば特許文献1には、室内空間のような微弱光下においても、高い防汚性と高い抗菌性及び抗ウイルス性とを両立させることを目的とした材料として、撥水性樹脂バインダーと、光触媒材料と、亜酸化銅とを含有し、前記光触媒材料と前記亜酸化銅とが複合化している撥水性光触媒組成物及びその塗膜が開示されている。
特許文献2には、バクテリア、ウイルス、細菌などを分解除去することができる材料として、光触媒活性を有するアパタイトを含む光触媒粉体を含有する組成物が開示されており、光触媒粉体は、表面がイガグリ(毬栗)形状であると、光触媒として機能する表面積が拡大し、微生物との接触効率がより向上すると記載されている。
また、特許文献3には、表層に抗菌物質を有する抗菌性ガラスであって、表層において、ガラス表面から深さ30μm以内に銀イオンの拡散層と、ガラス表面から深さ方向に厚み15μm以上の圧縮層とを有する抗菌性ガラスが開示されている。
特許文献1〜3に記載されるような、光触媒材料や銀イオン等の抗菌性物質を用いた抗菌性物品は、抗菌性物質が表面から滲出、移行したり、或いは剥離、脱落すると、抗菌機能が維持されないという問題がある。
一方で、特許文献4には、表面粗さ(Ra)0.2μm以上、最大粗さ(Rt)1μm以上、0.5μm以上の粗さ(Pc)5ケ/mm以上の表面粗さをもつプラスチックフィルムの表面の微細凹部に、1μm以下の粒径をもつ、銀を含む無機化合物を定着させることにより、抗菌性を有する無機化合物の剥離、脱落を抑制し、抗菌機能を長期間保持できると記載されている。
特開2012−210557号公報 特開2012−239499号公報 特開2013−71878号公報 特開平9−57893号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されるような、光触媒材料を用いた抗菌性物品は、光照射がされない場合には抗菌性が発揮されない。
特許文献3や特許文献4に記載されるような、銀を含む抗菌性物質を用いた抗菌性物品は、抗菌性が不十分であり、更なる抗菌性の向上が求められている。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、優れた抗菌性を発揮することができる抗菌性金属物品を提供することを目的とする。
本発明に係る抗菌性金属物品は、高さ50nm以上の微小突起が複数配置され、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが90nm以上500nm以下であり、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起の幅wの平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が0.7以上6.25以下である、金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる微小突起構造体を金属部材の少なくとも一方の表面に有することを特徴とする。
本発明に係る抗菌性金属物品においては、前記微小突起構造体を有する金属部材の表面に、更にスペーサー突起を備え、前記スペーサー突起の高さHの平均HAVGは、前記微小突起の高さhの平均hAVGよりも5000nm以上高いことが好ましい。このようなスペーサー突起を備えると、金属部材表面が他の物質と接触して擦れた場合にも、当該スペーサー突起が主として他の物質と接触して擦れることから、当該スペーサー微小突起構造体は傷つき難くなり、優れた抗菌性を維持できるからである。
本発明に係る抗菌性金属物品においては、前記金属部材の前記微小突起構造体を有する表面とは異なる面側に、更に金属部材が積層されてなる態様であっても良い。
本発明によれば、優れた抗菌性を発揮することができる抗菌性金属物品を提供することができる。
本発明に係る抗菌性金属物品の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る抗菌性金属物品の一例の模式的断面図の一部拡大図である。 本発明に係る抗菌性金属物品の別の一例の模式的断面図の一部拡大図である。 本発明に係る抗菌性金属物品の表面の一例の模式的断面図の一部拡大図である。 本発明に係る抗菌性金属物品の表面の他の一例の模式的断面図の一部拡大図である。 本発明に係る抗菌性金属物品の製造方法の一例を示す模式的断面図の一部拡大図である。 ドロネー図の一例を示す模式図である。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において「物品」は、「板」、「シート」、「フィルム」等の態様を含む概念である。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本発明に係る抗菌性金属物品は、高さ50nm以上の微小突起が複数配置され、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが90nm以上500nm以下であり、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起の幅wの平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が0.7以上6.25以下である、金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる微小突起構造体を金属部材の少なくとも一方の表面に有することを特徴とする。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1は、本発明に係る抗菌性金属物品の一例を模式的に示す斜視図である。図1に例示される抗菌性金属物品10は、金属部材1の一方の表面に、単位微小突起2uが複数配置され金属からなる微小突起構造体2を備える。
図2は、本発明に係る抗菌性金属物品の一例の模式的断面図の一部拡大図である。図2に例示される抗菌性金属物品10は、金属部材1の一方の表面に、複数の単位微小突起2uが配置され、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが90nm以上500nm以下であり、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起の幅wの平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が0.7以上6.25以下である、金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる微小突起構造体を有するものである。
図3は、本発明に係る抗菌性金属物品の別の一例の模式的断面図の一部拡大図である。図3に例示される抗菌性金属物品10は、前記金属部材1の前記微小突起構造体2を有する表面とは異なる面6側に、更に金属部材1rが積層されてなるものであり、前記金属部材1と前記金属部材1rとは接着剤層5を介して積層されてなる例である。
従来、微細な表面構造により機能を発現する物品としては、例えば、特開昭50−70040号公報、特開2011−33892号公報等に記載されるような、樹脂、硝子等の透明材料からなる部材の表面に錐形の構造物が可視光の波長以下の周期で周期的に形成された、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用した微細な凹凸パターンが表面に形成された反射防止フィルムがある。
一方で、本発明者らは、複数の特定の微小突起が特定の距離で配置された金属乃至金属化合物からなる微小突起構造体を表面に有する金属部材は、付着した細菌の滅菌率が著しく高いことを知見した。細菌の大きさは一般的に約1μmであり、本発明の抗菌性金属物品の微小突起構造体における微小突起間の距離dの平均dAVGは500nm以下であるため、前記dAVGに比べて細菌が十分に大きい。また、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起の幅wの平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が0.7以上6.25以下である。そのため、前記特定の微小突起構造体の表面に付着した細菌は、前記特定の微細凹凸形状により、本来の姿より引き伸ばされて細胞膜が破断するか、細胞膜に複数の微小突起の先端部が食い込んで刺突により細胞膜が破れるかで、細菌は死滅すると考えられる。
従来、光触媒材料や銀イオン等の抗菌性物質を用いた抗菌性金属物品は、抗菌性物質が表面から滲出、移行したり、或いは剥離、脱落すると、抗菌機能が維持されないという問題があったが、本発明に係る抗菌性金属物品は、金属乃至金属化合物の表面を微細加工することにより抗菌性を付与させるものであるから抗菌機能が長期間維持されやすいものである。特に、本発明に係る抗菌性金属物品は、金属乃至金属化合物であることから、抗菌性を発揮する微小突起が倒れたり、互いに隣接する微小突起同士が付着するいわゆるスティッキングが生じ難いため、微小突起構造体表面の変形が抑制され、その結果、抗菌性が長期間維持されやすい。
<微小突起構造体>
本発明に係る抗菌性金属物品は、微小突起構造体を表面に有する。本発明においては、典型的には、金属部材の少なくとも一つの表面全体に微小突起構造体を有するものであるが、金属部材の全表面に微小突起構造体を有するものであってもよいし、金属部材の少なくとも一つの表面の一部に微小突起構造体を有するものであってもよい。
前記微小突起構造体2を構成する各微小突起(単位微小突起2u)は、前記微小突起構造体を有する側の表面に対して植立するように形成される。本発明において微小突起は高さが50nm以上の突起をいう。
前記微小突起の具体的な形状としては、当該微小突起の頂点を通り当該微小突起の高さ方向(例えば、図2に於いては、図の上下方向)に平行な面で切断した断面形状、即ち垂直断面形状が、例えば、三角形状、鉛筆形状、楕円形状の一部、放物線形状の一部、双曲線形状の一部、釣鐘状、長方形、台形等の四角形状等を有するものが挙げられる。垂直断面が三角形の微小突起は、典型的には、円錐状又は多角錐状である。垂直断面が鉛筆形状の微小突起は、典型的には、円柱又は多角柱上に、円錐又は多角錐が、尖った先端が表面に向くように置かれ、円柱又は多角柱と円錐又は多角錐とが一体化した形状である。又垂直断面形状が楕円形状の一部となる微小突起は、典型的には、回転楕円体の一部である。なお、複数ある微小突起は、全て同一の形状を有していても或いは一部又は全部が異なる形状を有していてもよい。
微小突起構造体において、各微小突起は規則的に配置されていてもよく、不規則に配置されていてもよい。
ここで、隣接する前記微小突起間の距離(以下、「隣接突起間距離」と称する場合がある。)dに係る隣接する微小突起は、いわゆる隣り合う微小突起であり、付け根部分である微小突起の裾の部分が隣接している突起である。本発明に係る抗菌性金属物品の微小突起構造体を有する表面の平面視において、微小突起間の谷の部位を順次辿るようにして線分を作成すると、各微小突起を囲む多角形状領域を多数連結してなる網目状の模様が作製されることになる。隣接突起間距離dに係る隣接する微小突起は、この網目状の模様を構成する一部の線分を共有する突起である。
微小突起構造体において、同一形状の微小突起が一定周期で配列されている場合、即ち規則的に配置されている場合、平均隣接突起間距離dAVGは突起配列の繰り返し周期p(dAVG=p)となる。
微小突起構造体の微小突起が規則的に配列されて無い場合、即ち不規則に配置されている場合には、隣接突起間距離dはばらつきを有することになる。本発明において、このような場合、隣接突起間距離dの平均値dAVG、微小突起の高さhの平均値hAVGは、以下の方法により測定される。
(1)先ず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope(以下、AFMと呼ぶ))、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope(以下、SEMと呼ぶ))又は透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;(以下、TEMと呼ぶ))を用いて突起の面内配列(突起配列の平面視形状)を検出する。
(2)続いてこの求められた面内配列から各突起の高さの極大点(以下、単に極大点と称する。)を検出する。なお極大点を求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点を求める方法、平面視拡大写真の画像処理によって極大点を求める方法等、種々の手法を適用することができる。各極大点は、輝度により高さの面内分布を示した微細凹凸層の平面視の画像データを処理することにより検出することができる。例えば、4.5×4.5画素のガウシアン特性によるローパスフィルタにより事前に画像データを処理し、これによりノイズによる極大点の誤検出を防止することができる。また、例えば8画素×8画素による最大値検出用のフィルタを順次スキャンすることにより1nm(=1画素)単位で極大点を求めることができる。
(3)次に検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。図7に、ドロネー図(白色の線分により表される図である)を本発明に係る抗菌性金属物品の平面視拡大写真の模式図と重ね合わせた図を示す。ここでドロネー図とは、図7に示すように、各極大点31を母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分32で結んで得られる3角形の集合体からなる網状図形である。各3角形は、ドロネー3角形と呼ばれ、各3角形の辺(隣接母点同士を結ぶ線分)は、ドロネー線と呼ばれる。
(4)次に、各ドロネー線の線分長の度数分布、すなわち隣接する極大点間の距離(隣接突起間距離)の度数分布を求める。
(5)このようにして求めた隣接突起間距離dの度数分布を正規分布とみなして平均値dAVGを求めることができる。
同様の手法を適用して微小突起の高さhの平均値hAVGを求める。まず、上述の(2)により求められる極大点から、特定の基準位置又は基準面からの各極大点位置の相対的な高さの差を取得してヒストグラム化する。このヒストグラムによる度数分布から突起高さの平均値hAVGを求める。
なお、微小突起の高さを測る際の基準位置は、突起付け根位置、すなわち隣接する微小突起の間の谷底(高さの極小点)を高さ0の基準とする。但し、係る谷底の高さ自体が場所によって異なる場合、例えば、各微小突起間の谷底を連ねた包絡面が、微小突起の隣接突起間距離に比べて大きな周期で畝った凹凸形状を有する場合(例えば図5)等は、微小突起の隣接突起間の谷底を連ねた包絡面4を求め、該包絡面4を基準面として考える。その後、該基準面を改めて高さ0として、該基準面からの各突起の高さを算出する。
また、同様の手法を適用して微小突起の幅wの平均値wAVGを求めることができる。なお、前記微小突起の幅wは、微小突起の間の谷底(高さの極小点)、すなわち高さ0の基準における径をいう。微小突起の谷底近傍の形状が円柱であれば、該円柱の(底面の)直径と一致する。微小突起の谷底近傍形状が円柱では無く、谷底を連ねた仮想的平面と微小突起とが交差して得られる底面の径の大きさが面内方向によって異なる場合は、その最大値を該微小突起の径とする。例えば、微小突起の底面形状が楕円の場合は、径はその長径となる。又、微小突起の底面形状が多角形の場合は、径はその最大の対角線長となる。
上述の(2)により求められる各極大点において、高さ0の基準における径を取得してヒストグラム化し、ヒストグラムによる度数分布から突起幅の平均値wAVGを求めることができる。
本発明に係る抗菌性金属物品は、上述のようにして求めた隣接突起間距離dの平均値dAVGが50nm以上500nm以下、好ましくは90nm以上500nm以下である。これにより、本発明に係る抗菌性金属物品は、細菌が広がって付着しやすく、さらに、前記隣接突起間距離dの平均値dAVGが細菌の大きさに比べて十分に小さいため、細菌を死滅させる効果に優れるため、優れた抗菌性を発揮する。製造の容易性、及び微小突起の強度の観点から、中でも90nm超過であることが好ましく、更に100nm以上であることが好ましい。また、前記dAVGは、抗菌性が向上する点から、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましい。
本発明に係る抗菌性金属物品は、上述のようにして求めた微小突起の幅wの平均値wAVGが90nm以上500nm以下であることが好ましい。これにより、本発明に係る抗菌性金属物品は、細菌が広がって付着しやすく、さらに、微小突起の幅wの平均値wAVGが細菌の大きさに比べて十分に小さいため、細菌を死滅させる効果に優れるため、優れた抗菌性を発揮する。製造の容易性、及び微小突起の強度の観点から、中でも90nm超過であることが好ましく、更に100nm以上であることが好ましい。また、前記wAVGは、抗菌性が向上する点から、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましい。
本発明において、前記微小突起構造体が有する複数の微小突起が概ね密接して配置されてなる場合、隣接する微小突起間の谷底部が平坦部(高さ0の部分)の幅は0乃至は実質0となる。この場合は、平均隣接突起間距離dAVGは、微小突起の幅wの平均値wAVGと同じになる。
尚、隣接する微小突起間の谷底部の平坦部の幅が実質0では無い場合に於いても、微小突起の幅wの平均値wAVGは、前記微小突起間の距離dの平均dAVGに対する比(wAVG/dAVG)が、微小突起の変形が抑制され、耐久性に優れる点から、0.5以上1以下であることが好ましく、更に0.9以上1以下であることが好ましい。
また、前記微小突起構造体において、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起の幅wの平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が0.7以上6.25以下である。抗菌性に優れながら、製造の容易性、及び微小突起の強度にも優れる点から、前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)は、0.7以上4.0以下であることが好ましく、0.8以上2.0以下であることがより好ましい。
尚、図2に示す如く、通常は、微小突起構造体2に於いて隣接する微小突起間の谷底部の平坦部の幅が実質0と見做せる場合が多い。斯かる形態では、微小突起間の幅wの平均wAVGの値は微小突起間の距離の平均値dAVGと実質同等の値、即ち、wAVG=dAVGと見做せる。
よって、斯かる形態に於いては、比(hAVG/dAVG)の値を以って微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)の値と見做すことが出来る。
以下、図2の如くwAVG=dAVGと見做せる形態に於いては、比(hAVG/dAVG)を以って微小突起の平均アスペクト比として扱う。
前記微小突起の高さは、前記微小突起が前記dAVG及び前記平均アスペクト比(hAVG/wAVG)を満たす高さであれば特に限定はされないが、抗菌性に優れる点から、微小突起の高さhの平均値hAVGは、
90nm以上であることが好ましく、150nm以上であることがより好ましい。また、前記微小突起の高さは、製造の容易性、及び微小突起の強度の観点から、耐擦傷性が向上する点から、3000nm以下であることが好ましく、1600nm以下であることがより好ましく、800nm以下であることが更により好ましい。
また、本発明に係る抗菌性金属物品の抗菌性に優れる点から、前記微小突起間の距離dの平均dAVGに対する、前記微小突起の高さhの1/2の高さ(1/2h)の地点2t1/2における微小突起の幅w1/2の比が、0.8以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましい。一方、微小突起の変形が抑制され、耐久性に優れる点から、前記比は、0.5以上であることが好ましい。
前記微小突起の形状は、特に限定はされないが、中でも、抗菌性に優れる点から、微小突起の先端が先細り形状となっていることが好ましい。中でも特に、抗菌性に優れる点から、当該微小突起の高さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部2tから底面2t方向に近づくに従い、微小突起の高さhの5/6の高さ(5/6h)の地点2t5/6の範囲までにおいて(図3参照)、連続的に漸次増加する構造であることが好ましく、頂部2tにおいて完全に断面積占有率が0に収束する形状であることがより好ましい。また前記微小突起は、微小突起の高さhの5/6の高さの地点2t5/6から底面2tの範囲までにおいては、当該微小突起の高さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、底面2t方向に近づくに従い、連続的に漸次増加する又は一定の構造であることが、微小突起の変形が抑制され、耐久性に優れる点から好ましい。
また、本発明に係る抗菌性金属物品の抗菌性に優れる点から、前記微小突起の先端の曲率半径の平均が50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましい。曲率半径が前記上限値以下であることにより、前記微小突起の先端に付着した細菌の細胞膜に対する物理的刺突効果が向上し、抗菌性が向上すると考えられる。なお、前記曲率半径の平均は、例えば、10個以上の微小突起について測定した曲率半径の各測定値の算術平均とすることができる。
<スペーサー突起>
また、図4は、本発明に係る抗菌性金属物品の表面の一例の模式的断面図の一部拡大図である。図4に示すように、微小突起構造体の耐擦傷性を確保する点から、前記微小突起構造体を有する金属部材の表面には、更にスペーサー突起3を備え、前記スペーサー突起3の高さHの平均HAVGは、前記微小突起の高さhの平均hAVGよりも5000nm(=5μm)以上高いことが好ましい。このようなスペーサー突起を備えると、金属部材表面が他の物質と接触して擦れた場合にも、当該スペーサー突起が主として他の物質と接触して擦れることから、微小突起構造体は傷つき難くなり、優れた抗菌性を維持できるからである。
前記スペーサー突起の高さの平均HAVGは、前記微小突起の高さhの平均hAVGよりも10000nm(=10μm)以上高いことが更に好ましい。一方、前記スペーサー突起の高さの平均HAVGが高すぎると、外観的に該スペーサ突起が目立つと共に抗菌性金属物品の方が接触する他物品を傷付け易くなる恐れがあるため、前記スペーサー突起の高さの平均HAVGは、前記微小突起の高さhの平均hAVGよりも1500μm以下高いことが好ましく、更に1200μm以下高いことが好ましい。
前記スペーサー突起の高さの平均HAVGは、5.1μm以上であることが好ましく、更に10μm以上であることが好ましく、一方で1503μm以下であることが好ましく、更に1203μm以下であることが好ましい。
前記スペーサー突起は、規則的に配置されていてもよく、不規則に配置されていてもよい。
隣接する前記スペーサー突起間の距離Dの平均DAVGが、前記微小突起間の距離dの平均dAVGに対して10倍〜55722倍であることが好ましく、500倍〜20000倍であることが更に好ましい。具体的には、前記スペーサー突起間の距離の平均DAVGは、5μm以上であることが好ましく、250μm以上であることが更に好ましく、一方、5015μm以下であることが好ましく、更に3000μm以下であることが更に好ましい。
前記スペーサー突起の形状は、前記微小突起と同様であっても良いし、抗菌性金属物品の微小突起構造体を有する表面を平面視した場合に細長く線状に延びた畝状であっても良い。畝状のスペーサ形状の例としては、該畝状スペーサ突起の延在方向と直交する断面(以下、主切断面とも呼称する)形状が、2等辺3角形、正3角形、不等辺3角形等の3角形、正方形、長方形、台形等の4角形、5角形、6角形等の多角形、円、楕円、放物線、双曲線等の2次曲線の一部等となる柱状体が挙げられる。
この場合、抗菌性金属物品自体の耐擦傷性を確保すると共に、該耐擦傷性物品に接触する他物品への傷付け抑制も図る為には、畝状のスペーサ突起の隅角部は丸みを帯びた形状とすることが好ましい。斯かる形状としては、主切断面形状が、例えば、前記の2次曲線の一部の他、多角形の頂点近傍のみを円弧等の曲線に置換して曲率を賦与した形状をなす柱状体等が挙げられる。
前記スペーサー突起の幅Wは、前記微小突起の幅wと同様に定義される場合に、強度を確保し微小突起構造体の耐擦傷性を確保する点から、該スペーサ突起のアスペクト比HAVG/WAVGが0.2〜1となるよう設定することが好ましい。該スペーサ突起の高さの平均HAVGが前記範囲(5.1μm≦HAVG≦1503μm)の場合、前記スペーサー突起の幅の平均WAVGは5.1μm以上5015μm以下とすることが好ましい。即ち、前記スペーサー突起の幅の平均WAVGは前記微小突起の幅の平均wAVGの10倍〜50000倍であることが好ましく、500倍〜20000倍であることが更に好ましい。
なお、前記スペーサー突起の幅Wは、線状の場合には線状の延在する方向と平面視で垂直な方向でスペーサー突起の頂部を通るように切断する場合の垂直断面において、谷底(高さの極小点)を高さ0の基準における径をいう。
前記スペーサー突起の形状は、当該スペーサー突起の高さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該スペーサー突起を形成する材料部分の断面積占有率が、底面方向に近づくに従い、連続的に漸次増加するものであっても良いし、一定であっても良いし、漸次減少するものであっても良い。
図5は、本発明に係る抗菌性金属物品の表面の他の一例の模式的断面図の一部拡大図である。図5に示すように、スペーサー突起3は、微細突起構造体を備える表面自体がうねりによる凹凸面(包絡面4)により大きな凸部を形成していることによって形成されていても良い。この場合のスペーサー突起の幅の平均WAVGは、隣接する前記スペーサー突起間の距離DAVGと同様になる。
スペーサー突起の幅の平均WAVGは、隣接する前記スペーサー突起間の距離DAVGと同じか、それ以下となる。スペーサー突起3が、微細突起構造体を備える表面自体がうねりによる凹凸面により大きな凸部を形成していることによって形成されている場合ではなく、図4に示されるように独立した突起である場合、WAVG/DAVGは、0.1〜0.7となるように設定することが好ましく、更に0.2〜0.5となるように設定することが好ましい。
なお、隣接する前記スペーサー突起間の距離DAVG、高さHAVG、幅WAVGは以下のようにして測定することができる。先ず、抗菌性金属物品について、微小突起の深さ方向と平行な面で切断した図5の如き断面をAFM等の電子顕微鏡を用いて拡大画像を撮影する。拡大倍率は、スペーサー突起乃至うねった凹凸の凸部が3〜10個含まれるように設定する。次いで、該画像について微小突起群の谷底を連ねた包絡面4として、うねった凹凸面の断面曲線(図5の破線の如き線)を求める。該断面曲線について、隣接する2凸部間距離の平均値D’AVGを求める。又、隣接する凸部の頂部と凹部の谷底との高低差の平均値H’AVGを求める。又、凸部の谷底(高さ0の基準)における径の平均値W’AVGを求める。斯くの如き断面のD’AVG、H’AVG、及びW’AVG測定を抗菌性物品10上の無作為に選んだ3〜10か所について行う。そして、得られた3〜10個のD’AVGの平均値を以って、スペーサー突起乃至うねった凹凸面の周期Dの平均値DAVGとする。又、得られた3〜10個のH’AVGの平均値を以って、スペーサー突起乃至うねった凹凸面の高さHの平均値HAVGとする。又、得られた3〜10個のW’AVGの平均値を以って、スペーサー突起乃至うねった凹凸面の幅Wの平均値WAVGとする。尚、以上の測定に於いて、実際に抗菌性金属物品の切断面を用いて測定することに代えて、高さの面内分布データを含むAFM測定データを基に抗菌性金属物品の切断面曲線を算出し、該算出した切断面曲線を基に上記と同樣にD’AVG、H’AVG、及びW’AVGの算出(測定)を行うこともできる。
前記スペーサー突起の占める面積の割合は、微小突起構造体の耐擦傷性向上効果を得る点から、金属部材の微小突起構造体を有する表面の面積の5%以上であることが好ましく、10%以上であることが更に好ましい。一方、抗菌効果の点からは、金属部材の微小突起構造体を有する表面の面積の50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であることがより更に好ましい。
<抗菌性金属物品の材料>
本発明に係る抗菌性金属物品は、金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる微小突起構造体を金属部材の少なくとも一方の表面に有する。当該金属部材は1つの材料からなるものであっても良いし、2種以上の材料からなるものであっても良い。例えば、酸化され易い金属部材の場合、微小突起構造体の内部又は微小突起構造体を支持している基体部は金属であり、微小突起構造体の表面は当該金属酸化物であっても良い。また、例えば、微小突起構造体の内部又は微小突起構造体を支持している基体部は鉄又は鉄合金であり、銅層が積層され、微小突起構造体として更にクロム層が積層されているような、2種以上の金属及び金属化合物の少なくとも2種が積層されてなる金属部材であっても良い。微小突起構造体自体が、金属及び金属化合物の少なくとも2種の複数層からなる多層構造を有するものであっても良い。
本発明における金属及び金属化合物としては、銅、ニッケル、アルミニウム、マンガン、亜鉛、モリブデン、クロム、鉄、コバルト、白金、金、銀、パラジウム、チタン等の金属、これら金属を主成分とした合金、これら金属を含む化合物、例えば酸化物等を挙げることができる。
本発明に係る抗菌性金属物品の金属部材自体の形状は限定されるものではなく、板、シート、フィルム状であっても良いし、例えば筒状のような、任意の形状を有する成形体であっても良い。
また、本発明に係る抗菌性金属物品は、前記金属部材の前記微小突起構造体を有する表面とは異なる面側に、更に別の金属部材が積層されてなるものであってもよい。図3に例示される抗菌性金属物品10は、前記金属部材1の前記微小突起構造体2を有する表面とは異なる面6側に、更に金属部材1rが積層されてなるものであり、前記金属部材1と前記金属部材1rとは接着剤層5を介して積層されてなる例である。図3のように、接着剤層を介して金属部材同士が積層されてなる場合の接着剤としては、金属部材を接着可能な従来公知の接着剤から、適宜選択して用いればよい。
接着剤としては、例えば、ポリエステルウレタン、アクリルウレタン、ポリエーテルウレタン等のポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール単独もしくはその部分鹸化品、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、本発明に用いられる接着剤層(又は粘着剤層)は、紫外線硬化型であってもよく、また熱硬化型であってもよい。
前記微小突起構造体2を有する表面とは異なる面6側に、更に配置される金属部材1rの材料としては、特に限定されるものではなく、任意の金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる金属部材を用いることができる。
また、前記金属部材1rの形状は、特に限定されるものではなく、適用される物品の形状に適宜合わせればよい。
或いは、金属部材1の前記微小突起構造体2を有する表面とは異なる面6側に、接着剤層5を介して樹脂基材と積層されてなるものであっても良い。
本発明に係る抗菌性金属物品は、滅菌率が99.0%以上であることが好ましく、99.5%以上であることがより好ましく、99.9%以上であることが更により好ましい。前記滅菌率は以下のようにして測定することができる。
本発明に係る抗菌性金属物品を5cm角となるように切り取った試験片を用いて、JIS Z2801(2010年版)に準拠して、各試験片の微細凹凸面に、例えば黄色ブドウ球菌、大腸菌等の細菌を有する所定菌液を0.4ml滴下し、その上をポリエチレンテレフタラートフィルムで密着するように覆い、当該各試験片を、培養器中で温度35℃、相対湿度90%、蛍光灯照射下で、48時間培養し、培養後の生菌数を測定する。また、これとは別に、未加工試料についての48時間培養後の生菌数、及び各試験片についての試験菌液接種直後の試験片の生菌数(試験前生菌数)も同様にして測定する。生菌数は、発光測定法により測定することができ、具体的には、それぞれの洗い出し液にATP抽出試薬を加え、細胞内から抽出したATPと発光試薬(ルシフェラーゼ)を反応させ、発光光度計によりその発光量を測定してATP濃度、さらに生菌数に換算することができる。このようにして測定された生菌数を用い、滅菌率は下記式により算出することができる。
滅菌率(%)=(試験前生菌数−48時間培養後生菌数)×100/試験前生菌数
<抗菌性金属物品の用途>
本発明に係る抗菌性金属物品は、抗菌性の付与が求められるあらゆる用途に用いることができ、特に限定されない。本発明に係る抗菌性金属物品が抗菌性を発揮し得る用途としては、例えば、エアコンディショナー、空気清浄機等の空調機器;冷蔵庫、洗濯機、電話機、掃除機等の家電製品;電子レンジ、炊飯器等の調理用機器;レンジフード、システムキッチン等の厨房機器乃至什器;医療機器等の医療設備;学校設備の事務用機器及びその他の電子機器、金属罐、金属箱等の容器等に用いられる金属部材が挙げられる。具体的には例えば、洗濯機ドラム、炊飯器内釜、これら各種機器に内蔵される抗菌フィルター、及びこれら各種物品が備える外装、扉、天板、筐体、取手、配管等を挙げることができる。
また、本発明に係る抗菌性金属物品は、内壁表面に微小突起構造体を有する表面を備えた水道配管、空調配管、その他各種配管、水槽、水筒等として用いることができる。また、本発明に係る抗菌性金属物品は、使い捨て用として好適に用いることができる。また、本発明に係る抗菌性金属物品は、滅菌率が高く、抗菌性に優れるため、中でも医療設備用途としても好適に用いることができる。
本発明に係る抗菌性金属物品は、流通段階においては密封され、使用の直前に開封されて用いられることが好ましい。本発明に係る抗菌性金属物品の密封方法としては、特に限定はされないが、例えば、抗菌性金属物品を真空ラミネート袋等により袋詰めする方法、抗菌性金属物品の微細凹凸面に樹脂製の保護フィルム等を密着させる等により枚葉単位で密封する方法、及びこれらの方法を組み合わせた方法等が挙げられる。
<抗菌性金属物品の製造方法>
本発明に係る抗菌性金属物品の製造方法は、金属部材の少なくとも一方の表面に、前記金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる微小突起構造体を形成できる方法であれば特に限定されない。
例えば、前記微小突起構造体の反転構造を表面に有する微小突起構造体形成用原版を形成し、当該原版に各種メッキ法によりメッキを行い、微小突起構造体形成用原版を剥離することにより、微小突起構造体を表面に有する金属部材を形成する方法等が挙げられる。また、金属部材の表面をエッチングすることにより、前記金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる微小突起構造体を表面に備えた金属部材を形成しても良い。
以下、前記微小突起構造体の反転構造を表面に有する微小突起構造体形成用原版を形成し、当該原版に各種メッキ法によりメッキを行い、微小突起構造体形成用原版を剥離することにより、微小突起構造体を表面に有する金属部材を形成する方法の一例について詳細に説明するが、当該製造方法に限定されるものではない。
原版の作製は、半導体分野等における微細加工技術、すなわち、光(電子ビームを含む)をパターン形成に利用する所謂露光法を利用できる。但し、半導体の場合は、凹凸形状はその側面が通常垂直面で良いが、本発明では、山側が谷側よりも尖った形状となる様な斜面が形成できる様にして微細加工する。
図6は、本発明に係る抗菌性金属物品の製造方法の一例を示す模式的断面図の一部拡大図である。
図6(A)に示すように、まず、合成石英板11の一面に金属クロム膜12を形成したフォトマスク用の基板を用意する。次に図6(B)に示すように、前記金属クロム膜12上にポジ型の電子線硬化型樹脂レジストをスピンコートしてレジスト層13を形成する。次いで、図6(C)に示すように、電子線描画装置を用いて微小突起構造体の平面視形状に対応する平面図形パターンの描画データに基づいて電子線描画し、所定の現像液を用い現像処理14を施すことにより、描画データの開口領域に対応する領域が現像により開口したレジストパターン層13’が形成する。次いで、該レジストパターン層13’の開口部から露出している金属クロム膜12を、図6(D)に示すように、塩素系ガス15を用いてドライエッチングすることにより、該金属クロム膜を開口し、金属クロムパターン層12’を形成する。
次いで、図6(E)に示すように、レジストパターン層13’と其の直下に該レジストパターン層13’と同パターンに形成された金属クロムパターン層12’とを耐エッチング層として、フッ素系ガス16を用いて基板のドライエッチングを行う。この際、エッチング時にサイドエッチングさせて、斜面を形成する。当該ドライエッチングにより、図6(F)に示すように、該合成石英板表面上に、例えば、凸部の山側17が凹部の谷側18よりも尖った所望の微細凹凸形状が形成された母型19を得る。
次に、図6(G)に示すように、この合成石英製の母型19上に電気めっき法により、所望の厚みで金属層20を形成する。次いで、図6(H)に示すように、当該金属部材20を母型19から離型して、金属部材20’を作製する。シート状の金属層20の表面の微細凹凸形状は、母型19の微細凹凸形状の反転構造を有する。
金属部材20’はそのまま本発明に係る抗菌性金属物品として用いることができるが、図6(I)に示すように、金属部材20’の前記微小突起構造体を有する表面とは異なる面側に、接着剤層5を塗工し、該接着剤層5を間に介して、金属部材20’を別の金属部材1rの表面に接着し、積層することにより本発明の抗菌性金属物品を得ても良い。
前記図6(C)における、レジスト膜へのパターン形成に際しては、電子線描画法の他に、レーザー描画法も利用できる。レーザー描画法では、ホログラム、回折格子等の作製等に利用されているレーザー干渉法が利用できる。回折格子の場合は、一次元的配置であるが、角度を変えて多重露光すれば、二次元配置も可能となる。但し、レーザー干渉法では、得られる微細凹凸は、通常規則的配置となるが、電子線描画法では、規則配置の他にも、不規則配置も可能である。また、レーザー描画法であるレーザー干渉法では、レーザービームの指向性の制限があり、広い面積で安定したパターニング条件を得ることが難しいが、電子線を用いる電子線描画法ではこの様な問題は解消できるという利点がある。
図6(D)及び図6(E)におけるドライエッチングとしては、イオンが主として関与する反応性イオンエッチング(RIE)や、ラジカルが主として関与するプラズマエッチング(PE)等を用いることができる。
前記ドライエッチングにおいて用いられるエッチャントガスとしては、ドライエッチングを行う膜や基板の材質に合わせて、材質に合わせて適宜選択されたエッチャントガスを使用する。
基板上に、酸化クロム層や、他の層が形成されている場合には、基板が露出するまで、各層の材料に合わせて、エッチャントガスを変更しても良い。
エッチャントガスとしては、例えば、Cr用には塩素+酸素、アルミニウム用には三塩化硼素+塩素、臭化水素、臭化水素+塩素、ヨウ化水素等が挙げられる。また、例えば基板が石英基板の場合、四フッ化炭素を選択する。エッチャントガスとしては、四フッ化炭素(塩素)+酸素、四フッ化炭素(六フッ化硫黄)+塩化水素(塩素)、三フッ化炭素+酸素等を用いても良い。
また、前記図6(G)では、合成石英製の母型19上に電気めっき法により、所望の厚みで金属層20を形成しているが、金属層を形成する方法としては、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法、電着法、無電解メッキ法等を用いても良い。
また、前記図6(G)では、合成石英製の母型19上にめっき法により、所望の厚みで金属層20を形成しているが、工業製品として大量生産するには、一旦、母型19を作り、この母型19から、或いは更に該型から作製した複数の型(マスター版)を経て、マスター版を用いて金属層を形成するのが、量産性、コスト等の点で好ましい。これらの型を作った後は、それを用いた各種複製技術によって、最終製品となる抗菌性金属物品における微小突起構造体を形成できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
[実施例1]
152.4mm角で6.35mm厚みの合成石英板11の一面に金属クロム膜12(厚み110nm)を形成したフォトマスク用の基板を用意した(図6(A))。次に図6(B)に示すように、前記金属クロム膜12上にポジ型の電子線硬化型樹脂レジスト(商品名「ZEP7000」、日本ゼオン(株)製)をスピンコートしてレジスト層(厚み400nm)を形成した。次いで、図6(C)に示すように、電子線描画装置を用いて縦横の周期300nmの正方格子メッシュ状の描画データに基づいて電子線描画(描画条件5〜8μC/cm)し、前記レジスト用現像液を用い現像処理14を施した。これにより、描画データの開口領域に対応する領域が現像により開口したレジストパターン層13’を形成した。次いで、該レジストパターン層13’の開口部から露出している金属クロム膜12を、図6(D)に示すように、塩素系ガス15を用いてドライエッチングすることにより、該金属クロム膜を開口し、金属クロムパターン層12’を形成した。なお、金属クロム膜のドライエッチングにはUnaxis社製ドライエッチング装置「VERSALOCK7000」を用いた。
次いで、図6(E)に示すように、レジストパターン層13’と其の直下に該レジストパターン層13’と同パターンに形成された金属クロムパターン層12’とを耐エッチング層として、フッ素系ガス16を用いて基板のドライエッチングを行った。この際、エッチング時にサイドエッチングさせて、凸部の側面に斜面を形成した。当該ドライエッチングにより、図6(F)に示すように、該合成石英板表面上に、凸部の山側17が凹部の谷側18よりも尖った所望の微細凹凸形状が形成された母型19を得た。なお、基板のドライエッチングには、日本真空(株)製「MEPS−6025D」を用いた。
母型19の凹部内面の形状は、平均値として、高さhが250nm、周期Pが300nmであり、其の凸部が、多数縦横に正方格子状に規則正しく配列し、最凹部である谷底部からの高さが頂点までの高さhの半分の高さ、即ち、高さがh/2における山側の幅a100nm、谷側の幅b200nmの微細凹凸形状であった。
次に、図6(G)に示すように、この合成石英製の母型19上に、先ず無電解めっき法によりニッケル層を形成し、次いで該無電解メッキによるニッケル層上に更に電気めっき法でニッケル層を形成することにより、合計厚さ80μmのニッケル層20を形成した。次いで、図6(H)に示すように、当該ニッケル層20を母型19から離型して、金属部材20’を作製した。シート状のニッケル層20の表面の微細凹凸形状は、母型19の微細凹凸形状の反転構造を有する。
次いで、図6(I)に示すように、金属部材20’の前記微小突起構造体を有する表面とは異なる面側に、エポキシ樹脂の接着剤層5を塗工し、該接着剤層5を間に介して、金属部材20’を厚さ1mmのステンレス鋼板1rの表面に接着し、積層することにより実施例1の抗菌性金属物品10を得た。
得られた抗菌性金属物品が有する微小突起構造体は、微小突起間の距離の平均dAVGが300nmであり、微小突起の平均高さhAVGが250nmであり、微小突起の幅wの平均wAVGが290nmであり前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起間の幅の平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が0.86であった。
[実施例2]
実施例1において、微小突起の幅wの平均wAVGが290nm、微小突起の平均高さhAVGが250nmとなる母型に代えて、微小突起の幅wの平均wAVGが390nm、微小突起の平均高さhAVGが480nmとなる母型を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の抗菌性金属物品を得た。
得られた抗菌性金属物品が有する微小突起構造体は、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起間の幅の平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が1.23であった。
[実施例3]
実施例1において、微小突起の幅wの平均wAVGが290nm、微小突起の平均高さhAVGが250nmとなる母型に代えて、微小突起の幅wの平均wAVGが340nm、微小突起の平均高さhAVGが540nmとなる母型を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の抗菌性金属物品を得た。
得られた抗菌性金属物品が有する微小突起構造体は、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起間の幅の平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が1.59であった。
[実施例4]
実施例1において、微小突起の幅wの平均wAVGが290nm、微小突起の平均高さhAVGが250nmとなる母型に代えて、微小突起の幅wの平均wAVGが490nm、微小突起の平均高さhAVGが530nmとなる母型を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の抗菌性金属物品を得た。
得られた抗菌性金属物品が有する微小突起構造体は、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起間の幅の平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が1.08であった。
[実施例5]
実施例1において、微小突起の幅wの平均wAVGが290nm、微小突起の平均高さhAVGが250nmとなる母型に代えて、微小突起の幅wの平均wAVGが390nm、微小突起の平均高さhAVGが500nmとなる母型を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の抗菌性金属物品を得た。
得られた抗菌性金属物品が有する微小突起構造体は、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起間の幅の平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が1.28であった。
実施例5の抗菌性金属物品の微小突起構造体を有する表面には、更にスペーサー突起を備えており、スペーサー突起の平均高さHAVGは1200000nm(1.2mm)であり、前記微小突起の高さhの平均hAVGよりも1199500nm高かった。また、スペーサー突起間の距離の平均DAVGは5000000nm(5.0mm)であり、スペーサー突起の平均幅WAVGは1200000nm(1.2mm)であ った。
[比較例1]
PETフィルム(東洋紡(株)製、型番:A4100)を比較例1の比較物品とした。
[比較例2]
実施例1で用いた平坦なフォトマスク用の基板に、電気めっき法により、厚さ80μmのニッケル層を形成し、比較例2の比較物品を得た。得られた比較物品の表面は、微小突起構造体を有さず、平坦面であった。
[評価]
<抗菌性評価>
実施例で得られた抗菌性金属物品及び各比較例で得られた比較物品を、5cm角となるように切り取り試験片を得た。JIS Z2801(2010年版)に準拠して、実施例1の試験片の微小突起構造体を有する表面、比較例1においては一方の面、比較例2においてはニッケル層表面にそれぞれ黄色ブドウ球菌を有する所定菌液を0.4ml滴下し、その上をポリエチレンテレフタラートフィルムで密着するように覆った。当該各試験片を、培養器中で温度35℃、相対湿度90%、蛍光灯照射下で、48時間培養し、培養後の生菌数を測定した。さらに、各物品について、試験菌液接種直後の試験片の生菌数(試験前生菌数)も測定した。なお、生菌数は、発光測定法により測定した。具体的には、それぞれの洗い出し液にATP抽出試薬を加え、細胞内から抽出したATPと発光試薬(ルシフェラーゼ)を反応させ、発光光度計によりその発光量を測定してATP濃度、さらに生菌数に換算した。各測定値から、下記式により算出した抗菌活性値を表1に示す。
抗菌活性値=log(未加工試料の培養後生菌数)−log(抗菌性金属物品又は比較物品の培養後生菌数)
なお、未加工試料の生菌数は、比較例1の比較物品(東洋紡(株)製、A4100のPETフィルム)における培養後の生菌数とした。
抗菌活性値の対数値が2.0以上であれば、抗菌効果があるものとして判断される。
さらに、上記と同様にして、黄色ブドウ球菌に代えて大腸菌を用い、抗菌活性値を求めた。結果を表1に示す。
<耐擦傷性評価>
各実施例で得られた抗菌性金属物品及び各比較例で得られた比較物品に対して、耐スチールウール性評価を行うことにより、各物品の耐擦傷性について評価を行った。
すなわち、まず、先端径がφ11.3mmである耐スチールウール性評価用治具に、スチールウール#0000(ボンスターポンド製)を取り付け、次に、各実施例の抗菌性金属物品においては微細凹凸面、比較例1の比較物品においては一方の面、比較例2の比較物品においてはニッケル層面が上側を向くようにガラス板にサンプルを置き、エアーが入らないよう注意しながら、その四辺のテープ留めを行った。上記先端径にかかる重量が200gとなるように調整した上記耐スチールウール性治具を用いて、走査速度が20〜30mm/secで、同一箇所を10往復するよう横方向にスライドさせながら、サンプル表面を擦った。評価したサンプル面とは反対側に黒テープを貼り付け、三波長管を用いて、サンプル表面の擦られた傷本数を観察し、カウントし、下記評価基準により物品の耐擦傷性を評価した。
(評価基準)
A:傷2本以下
B:傷3〜9本
C:傷10本以上
実施例1〜実施例5では、両菌とも何れも抗菌活性値≧2.0となり、抗菌効果有りと判断される。一方、比較例1及び比較例2では、両菌とも何れも抗菌活性値<2.0となり、抗菌効果無しと判断される。
尚、比較例1では、上記抗菌活性値の定義からして、両菌とも抗菌活性値は0となる。此の場合、抗菌性評価に於いて、48時間培養後には菌が増殖し、試験片全面に菌からなる多数のコロニーが容易に目視で観察された。
1 金属部材
1r 金属部材
2 微小突起構造体
2u 単位微小突起
3 スペーサー突起
4 うねりによる凹凸面(包絡面)
5 接着剤層
6 金属部材1の微小突起構造体2を有する表面とは異なる面
10 抗菌性金属物品
11 合成石英板
12 金属クロム膜
12’ 金属クロムパターン層
13 レジスト層
13’ レジストパターン層
14 現像処理
15 塩素系ガス
16 フッ素系ガス
17 凸部の山側
18 凹部の谷側
19 母型
20 金属層
20’ 金属部材
31 各極大点
32 線分

Claims (3)

  1. 高さ50nm以上の微小突起が複数配置され、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが90nm以上500nm以下であり、前記微小突起の高さhの平均hAVGと、前記微小突起の幅wの平均wAVGとの比で規定される前記微小突起の平均アスペクト比(hAVG/wAVG)が0.7以上6.25以下である、金属及び金属化合物の少なくとも1種からなる微小突起構造体を金属部材の少なくとも一方の表面に有することを特徴とする、抗菌性金属物品。
  2. 前記微小突起構造体を有する金属部材の表面に、更にスペーサー突起を備え、前記スペーサー突起の高さHの平均HAVGは、前記微小突起の高さhの平均hAVGよりも5000nm以上高いことを特徴とする、請求項1に記載の抗菌性金属物品。
  3. 前記金属部材の前記微小突起構造体を有する表面とは異なる面側に、更に金属部材が積層されてなる、請求項1又は2に記載の抗菌性金属物品。
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