JP2017143491A - 積層型撮像素子及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層した構造を有する撮像素子における柔軟性を増加させ、撮像面の湾曲をより容易に制御することが可能な積層型撮像素子を提供する。【解決手段】積層型撮像素子は、画素を配列した画素チップ300と、画素チップから出力される画像信号を処理する処理チップ310とが積層された素子である。画素チップ300の撮像面の少なくとも一部が湾曲可能であり、処理チップ310は画素チップにおける撮像面の裏面の一部に積層され、かつ、撮像面の裏面の一部は、光軸601が通過する位置を含む。【選択図】図6
Description
本発明は、積層型撮像素子及び撮像装置に関する。
近年、小型化の要求される電子機器においても、超高感度での撮影や被写体深度が浅くボケ味のある撮影が可能な大判サイズの撮像素子の搭載が望まれている。一般に大判サイズの撮像素子は大型のレンズと組み合わせて使用されるが、電子機器における小型化の要請により小型化したレンズの使用が求められる。大型のレンズと同様の性能を維持しつつレンズを小型化する場合、一般的にレンズへと入射する光線の入射角度が大きくなってしまう。
この課題を解決するため、特許文献1では、撮像面を湾曲させた構造を有する撮像素子が提案されている。特許文献1で提案される撮像素子は、撮像面を湾曲させることにより、レンズを介して入射する光線を撮像面に垂直に近い状態で受光することができる。また、特許文献2では、撮像面を湾曲可能にした撮像素子を備える撮像装置において、撮影光学系の可変移動量に応じて、撮像面の曲率を平坦状態から所定の曲率を有する湾曲状態まで可変制御する構成が提案されている。撮像装置の撮影光学系のズーム位置や絞り値に応じて撮像素子の曲率を制御することにより、撮影光学系の各状態に適した曲率に設定することができる。
ところで、近年、撮像素子は、光電変換して出力する信号に対して更に画質改善処理等を実現する機能性の向上が求められる一方で、配線スペース等の削減が求められている。このような課題に対して、光電変換等を行う画素チップと、信号に対する処理を行う処理チップとを垂直方向に積層して一体化する撮像素子(積層型撮像素子ともいう)が知られている。積層型撮像素子は、図10に模式的に示すように、画素チップと処理チップとを有し、それぞれのチップはマイクロバンプを通じて電気的に接続される。積層型撮像素子は、このような構成により機能性の向上と省スペース化を実現している。
しかしながら、積層型撮像素子において撮像面を湾曲可能に構成する場合、画素チップの全域について厚みが増せば、厚みに応じたより大きな力が必要となり、湾曲させる精度が低下することが懸念される。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、柔軟性を増加させ、撮像面の湾曲をより容易に制御することが可能な積層型撮像素子及び撮像装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するため、例えば本発明の積層型撮像素子は以下の構成を備える。すなわち、画素を配列した画素チップと、画素チップから出力される画像信号を処理する処理チップとが積層された積層型撮像素子であって、画素チップの撮像面の少なくとも一部が湾曲可能であり、処理チップは、画素チップにおける撮像面の裏面の一部に積層され、かつ、撮像面の裏面の一部は、光軸が通過する位置を含む、ことを特徴とする。
本発明によれば、積層した構造を有する撮像素子における柔軟性を増加させ、撮像面の湾曲をより容易に制御することが可能になる。
(実施形態1)
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では撮像装置の一例として、撮像面を湾曲可能にした撮像素子を備えた任意のデジタルカメラを例に説明する。しかし、本実施形態は、デジタルカメラに限らず、当該撮像素子を備えた任意の電子機器にも適用可能である。これらの機器には、例えば携帯電話機、ゲーム機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、時計型や眼鏡型の情報端末、医療機器、監視カメラ、車載用カメラなどが含まれてよい。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では撮像装置の一例として、撮像面を湾曲可能にした撮像素子を備えた任意のデジタルカメラを例に説明する。しかし、本実施形態は、デジタルカメラに限らず、当該撮像素子を備えた任意の電子機器にも適用可能である。これらの機器には、例えば携帯電話機、ゲーム機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、時計型や眼鏡型の情報端末、医療機器、監視カメラ、車載用カメラなどが含まれてよい。
(湾曲センサの概要とその積層化)
本実施形態の撮像素子及び撮像装置について説明する前に、撮像面の曲率を制御可能な撮像素子(湾曲センサ)の構成を、図9を参照して説明する。図9は、曲率制御部が接続された撮像素子の断面図を示している。図9の例では、撮像素子は、台座903と、台座903に支持された半導体チップ901と、半導体チップ901の裏面に開口部905を閉塞する底板906とにより構成される。
本実施形態の撮像素子及び撮像装置について説明する前に、撮像面の曲率を制御可能な撮像素子(湾曲センサ)の構成を、図9を参照して説明する。図9は、曲率制御部が接続された撮像素子の断面図を示している。図9の例では、撮像素子は、台座903と、台座903に支持された半導体チップ901と、半導体チップ901の裏面に開口部905を閉塞する底板906とにより構成される。
半導体チップ901は、湾曲部902を含む、撮像面を構成する半導体チップである。撮像面は、半導体チップ901の図中の上側に構成される。台座903は、平坦面904を含む半導体チップ901を固定する台座であるとともに、例えば一点鎖線で示す光軸908の周りに開口部905を有するように構成されている。底板906は、台座903を固定するとともに吸引部907を撮像素子に結合する。
半導体チップ901は、中央部分に単位画素が2次元的に配列された撮像領域、周辺部に周辺回路を有する。半導体チップ901は、中央部分が台座903の開口部905側に3次元に(断面では弧状に)湾曲して湾曲部902を形成し、湾曲部902の周縁の平坦部を、接着層を介して台座903の平坦面904に固定することにより台座903に支持される。
曲率制御部である吸引部907は、底板906により気密的に閉塞された開口部905内の気体や液体を吸引又は充填することにより開口部905内の圧力(負圧)を制御し、湾曲部902の曲率を可変制御できるよう構成されている。吸引部907による制御の結果、半導体チップ901は図9に示す点線のように湾曲した状態となる。このような撮像面の曲率を制御可能な構成を備えた撮像素子により、レンズによって生じる像面湾曲等の収差の影響を低減して画質を改善することができる。
一方、図9に示した湾曲センサに、更に処理回路等の処理用の半導体チップ1101を積層して積層型撮像素子として構成する場合の例を図11に示す。なお、図11では撮像面を有する半導体チップ901と処理用の半導体チップ1101との間のマイクロバンプについては図示していない。図11に示すように、処理用の半導体チップ1101を積層することにより半導体チップの全域について厚みが増せば、厚みに応じたより大きな力が必要となり、湾曲させる精度が低下する課題がある。
(デジタルカメラの構成)
以下、本実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ100について詳細に説明する。図1はデジタルカメラ100の機能構成例を示すブロック図を示す。なお、図1に示す機能ブロックの1つ以上は、ASICやプログラマブルロジックアレイ(PLA)などのハードウェアによって実現されてもよいし、CPUやMPU等のプログラマブルプロセッサがソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。従って、以下の説明において、異なる機能ブロックが動作主体として記載されている場合であっても、同じハードウェアが主体として実現されうる。
以下、本実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ100について詳細に説明する。図1はデジタルカメラ100の機能構成例を示すブロック図を示す。なお、図1に示す機能ブロックの1つ以上は、ASICやプログラマブルロジックアレイ(PLA)などのハードウェアによって実現されてもよいし、CPUやMPU等のプログラマブルプロセッサがソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。従って、以下の説明において、異なる機能ブロックが動作主体として記載されている場合であっても、同じハードウェアが主体として実現されうる。
撮影光学系101は、ズームレンズやフォーカスレンズ等の撮影光学系や絞りを含み、処理部106の制御による光学系制御部102の制御信号に応じて焦点距離や焦点位置を変更することができる。
撮影光学系101を通過した入射光は、撮像素子103の撮像面に結像される。撮像素子103は処理部106の制御による撮像素子制御部104の制御信号に応じて動作し、撮像面に入射した入射光を光電変換して画像信号を出力する。また撮像素子103は、湾曲制御部105の制御信号に応じて、撮像面の曲率を、撮影光学系101の状態に合わせた最適な曲率に制御する。撮像素子103のより詳細な構成は後述する。撮像素子103において光電変換された画像信号は、更にAD変換処理や欠陥補正等の補正処理が施されて処理部106に伝送される。
処理部106は、CPUを含み、更に画像処理に関する処理機能を備える。処理部106は記録部109に記録されたプログラムをメモリ部107に展開して実行することによりデジタルカメラ100の各部を制御する。また、受信した画像信号に対して各種画像信号処理や圧縮処理等を施して処理後の画像信号をメモリ部107に保存する。
表示部108は、処理部106の指示に応じて、メモリ部107から出力される画像信号や記録部109からの記録画像を表示する。記録部109は、例えばメモリカード等の不揮発性の記録媒体を含み、処理部106の指示に応じて処理部106によって処理された画像信号を記録媒体に書き込み、また記録されている画像信号を読み出す。
操作部110は、例えばレリーズ等のユーザによるデジタルカメラ100に対する操作を受け付けて処理部106に伝達する。
(撮像素子103の構成)
次に、図2から図6を参照して、本実施形態に係る撮像素子103の構成について説明する。図2は、撮像素子103に2次元状の複数配置された画素の1つの構成と、当該画素に対応するAD変換回路部210の構成とを示している。
次に、図2から図6を参照して、本実施形態に係る撮像素子103の構成について説明する。図2は、撮像素子103に2次元状の複数配置された画素の1つの構成と、当該画素に対応するAD変換回路部210の構成とを示している。
画素200は、光電変換機能を有するフォトダイオード201と、転送トランジスタ202、リセットトランジスタ203、増幅トランジスタ204および選択トランジスタ205の4つのトランジスタとにより構成される。202〜205は、例えばNチャネルのMOSトランジスタである。
フォトダイオード201は、光電変換により受光した入射光量に応じた光電荷(例えば電子)を発生して蓄積する。フォトダイオード201のカソードは、転送トランジスタ202を介して増幅トランジスタ204のゲートと電気的に接続されている。この増幅トランジスタ204のゲートと電気的に繋がったノードをFD(フローティングディフュージョン)部206という。
転送トランジスタ202は、フォトダイオード201のカソードとFD部206との間に接続される。転送トランジスタ202は、不図示の転送線を介して読み出し制御用の転送パルスφTRSが与えられた場合にオン状態となり、フォトダイオード201で蓄積された光電荷をFD部206に転送する。
リセットトランジスタ203は、ドレインが画素電源Vddに、ソースがFD部206にそれぞれ接続される。リセットトランジスタ203は、不図示のリセット線を介してリセット制御用のリセットパルスφRSTが与えられた場合にオン状態となってFD部206をリセットする。例えば、リセットトランジスタ203は、フォトダイオード201からFD部206への電荷の転送に先立って、FD部206に蓄積された電荷を、画素電源Vddに応じて放出することにより当該FD部206をリセットする。
増幅トランジスタ204は、ゲートがFD部206に、ドレインが画素電源Vddにそれぞれ接続されている。増幅トランジスタ204は、リセットトランジスタ203によってリセットされた後のFD部206の電位をリセットレベルとして出力するとともに、転送トランジスタ202によって信号電荷を転送した後のFD部206の電位を信号レベルとして出力する。
選択トランジスタ205は、例えば、ドレインが増幅トランジスタ204のソースに、ソースが出力信号線207にそれぞれ接続される。選択トランジスタ205は、不図示の選択信号線を介してゲートに選択パルスφSELが与えられた場合にオン状態となり、画素200を選択状態とする。選択トランジスタ205は、選択状態になると増幅トランジスタ204から出力される信号を出力信号線207に出力して、外部のAD変換回路部210に伝送する。なお、この選択トランジスタ205は、画素電源Vddと増幅トランジスタ204のドレインとの間に接続した回路構成を採ってもよい。また、画素200は、上述の4つトランジスタの構成に限らず、増幅トランジスタ204と選択トランジスタ205とを兼ねた3つのトランジスタ構成等であってもよい。
AD変換回路部210は、比較器211と、U/D CNT(アップダウンカウンタ)212と、メモリ213と、DAC(DAコンバータ)214により構成される。比較器211は、一対の入力端子の一方に上述の出力信号線207が接続され、他方にDAC214が接続される。DAC214は、撮像素子制御部104から入力される値に基づいてレベルがランプ関数に従う(例えば所定の区域で線形である)ように変化するランプ信号を出力する。比較器211は、DAC214がランプ信号を出力すると、当該ランプ信号のレベルと出力信号線207から入力される画素信号のレベルとを比較する。例えば比較器211は、画素信号のレベルがランプ信号のレベルより低い場合にはハイレベルの比較信号を出力し、画素信号のレベルがランプ信号のレベルより高い場合にはローレベルの比較信号を出力する。
アップダウンカウンタ212は、比較器211と接続されている。アップダウンカウンタ212は、例えば比較信号がハイレベルとなる期間またはローレベルとなる期間をカウントする。このカウント処理により、アナログ信号である各画素200の出力信号が2値であるデジタル信号に変換される。なお、比較器211とアップダウンカウンタ212との間にAND回路を設けて当該AND回路に比較器211からのパルス信号を入力し、入力されたパルス信号の個数をアップダウンカウンタ212によりカウントさせてもよい。
メモリ213は、アップダウンカウンタ212と接続され、アップダウンカウンタ212によりカウントされたカウント値を記憶する。なお、AD変換回路部210は、画素200のリセット時の画素信号に基づいてリセットレベルに対応したカウント値をカウントするとともに、所定の撮像時間後の画素信号に基づくカウント値をカウントして、両画素信号の差分値をメモリ213に記憶させてもよい。メモリ213に記憶された画素信号は、画像信号として他の画素の信号とともに画像処理回路220へ出力され、画像処理回路220により欠陥画素補正等の画像処理が施されたうえで、処理部106へ出力される。
図3は、撮像素子103が、画素200が(例えば水平垂直方向に)2次元状に配置された半導体チップ(画素チップ)300と、所定の数のAD変換回路部210および画像処理回路220を有する半導体チップ(処理チップ)310とから構成される例を示す。画素チップ300と処理チップ310とは、図5において後述するマイクロバンプ320を介して電気的に接続され、図4に示す構造により積層される。
再び図3を参照して、まず画素チップ300について説明する。画素チップ300は、画素200が2次元状に配置されて画素群を形成する。図3では、簡略化のため水平方向(行方向)に6画素、垂直方向(列方向)に4画素を配置した例について説明するが、撮像素子の有する画素数は数百万以上になる場合がある。
図3に示す例では、例えば4つの画素の組(画素ユニット)に対して1つのAD変換回路部210が対応付けられ、画素ユニットごとに一本のユニット信号線301を有する。また、各画素には選択トランジスタをオンにする選択信号線(SEL)302が接続される。なお、図3では簡単のため4つの画素のみにSEL302を図示しているが他の画素にも接続される。各画素ユニットにおける画素の信号は、選択信号線302によって、順次、共有されたユニット信号線301から出力される。
ユニット信号線301は、3次元状に回路を接続するための、処理チップ310の側のマイクロパッド303へ接続されており、画素チップ300は、マイクロパッド303と接合するマイクロバンプ320を介して処理チップ310へ画像信号を伝送する。また、本実施形態では、ユニット信号線301が画素ユニットの直近に配置されたマイクロパッド303と接続される例を用いて説明しているが、マイクロパッドの位置はその他の場所であってもよい。
次に処理チップ310について説明する。処理チップ310では、画素ユニットごとに1つのAD変換回路部210との接点を有し、例えば図3のように配置される。マイクロパッド312は、画素チップ300から出力される画素信号をマイクロバンプ320を介して入力するための端子である。また、AD変換回路部210によってデジタル化された画像信号は、デジタル信号線311を介して画像処理回路220に入力される。画像処理回路220では、各AD変換回路部210から出力されたデジタル画像信号に対して、欠陥補正等の画像処理を施す。
図4は、撮像素子103の画素チップ300と処理チップ310とを貼り付けて積層化する例を模式的に示している。上面に各画素の受光部を備える画素チップ300の下面(裏面)にマイクロパッドを形成し、処理チップ310を貼り合わせるように構成される。本実施形態の撮像素子103では、画素ユニットが1つのAD変換回路部210に対応付けられた構成をとるため、例えば有効画素領域の直下のみにマイクロパッドを備えるように構成されている。なお、図4に示す黒丸は、画素チップ300の上面及び処理チップ310の上面に形成されるマイクロパッドを示している。
更に、図5を参照して、撮像素子103の構造について、側面及び正面から見た例について説明する。図5(A)は、撮像素子103の側面を、図5(B)は撮像素子103の正面を、それぞれ模式的に示している。図5(A)に示す撮像素子103の側面は、上述した画素チップ300と処理チップ310とが積層され、さらにマイクロバンプ320を介して電気的に接続される例を示している。第1の半導体基板を構成する画素チップ300は、例えば水平方向に長辺を有する長方形であり、画素チップ300の裏面(処理チップ310との接続する側)の中心部とその中心を含む所定の領域にマイクロパッド303が分布する。また、有効画素領域500で示す領域には、画素200が格子状に配置されて受光部を形成する。
画素を含まない基板(第2の半導体基板)である処理チップ310は、画素チップ300のマイクロパッド303に対応する位置にマイクロパッド312を形成している。また、処理チップ310は、画素チップの有する面積と比較して、マイクロパッド312を有する領域(例えば有効画素領域500)以外の領域が縮小化されている。すなわち、処理チップ310は、画素チップの中心を含むマイクロパッド303を有する領域を共有しつつ、その周辺部は画素チップ300より面積が小さくなるように構成される。なお、図5では有効画素領域500と処理チップ310のサイズをほぼ同等となるような形状を例に説明しているが、マイクロパッド303及び312を配置する領域以外を部分的に取り除き、同様の効果を得られるものであればその他の形状でも構わない。
画素チップ300と処理チップ310とは、画素チップ300が湾曲された場合であっても電気特性を維持するように結合される。
次に、図6を参照して、撮像素子103の撮像面の曲率を制御する例について説明する。図6は、撮像素子103と撮像素子103に接続された湾曲制御部105とを示す図である。
撮像素子103は、画素チップ300と、処理チップ310と、台座604と、台座604の開口部606と、底板607とから構成される。湾曲制御部105は吸引制御を行う。なお、図6の例では、画素チップの図中の上側に撮像面が構成される。
画素チップは、中央部分(例えば光軸601が通過する位置を含む所定の領域)に画素200が2次元状に配列された有効画素領域を備え、処理チップ310は、AD変換回路部210および画像処理回路220を備える。
画素チップ300は、その中央部分が台座604の開口部606側に3次元状(図6に示す断面では弧状)に湾曲する湾曲部603と湾曲部603の周縁の平坦部602とを有する。平坦部602は接着層を介して台座604の平坦面605に固定されて台座604に支持される。一方、処理チップ310は、画素チップ300の湾曲部603の一部に積層されており、例えば台座604には固定されていない。このため、画素チップ300の平坦部602のみが画素チップ300及び処理チップ310の湾曲を支持する。
底板607には湾曲制御部105が取り付けられ、底板607によって気密的に閉塞された開口部606内の気体又は液体を吸引して、開口部606内の圧力(負圧)を制御することにより、湾曲部603の曲率を制御する。なお、図6に示す点線は、画素チップと処理チップ310とが湾曲制御部105によって制御され、湾曲した状態を示している。
このように、処理チップ310が画素チップ300の領域の一部(例えば画素チップ300の有効画素領域と同等の領域)に積層されて、処理チップ310が台座604と接合しないように構成されている。すなわち、上述した図5を参照すると明らかなように、処理チップ310の端部が画素チップと接合されずに浮いた構造となる。
このような構成により、画素チップ300と処理チップ310とを湾曲させる際の柔軟性を確保して、積層型撮像素子によるメリットを維持しつつ湾曲センサとして機能させることができる。
(湾曲制御処理の概要)
次に、図7を参照して、本実施形態に係る湾曲制御処理の概要について説明する。なお、湾曲制御部105によって形成される湾曲部603の曲率を曲率Xとする。また、湾曲部603のとり得る曲率Xのパターンが例えば図7(B)に示すX0〜X5のように段階的に変化するものとする。曲率がX5である場合に最も湾曲部603の曲率が大きくなり、曲率がX0である場合に最も湾曲部603の曲率が小さくなる。
次に、図7を参照して、本実施形態に係る湾曲制御処理の概要について説明する。なお、湾曲制御部105によって形成される湾曲部603の曲率を曲率Xとする。また、湾曲部603のとり得る曲率Xのパターンが例えば図7(B)に示すX0〜X5のように段階的に変化するものとする。曲率がX5である場合に最も湾曲部603の曲率が大きくなり、曲率がX0である場合に最も湾曲部603の曲率が小さくなる。
本実施形態に係るデジタルカメラ100は、撮影光学系101のズーム位置と、当該ズーム位置における像面湾曲等の収差を最も低減する最適な湾曲部603の曲率との関係を示すテーブルを有する。このテーブルは例えば図7(A)に示すように、段階的に変化するズーム位置に対して、それぞれ曲率が定められている。本実施形態における撮影光学系101では、例えば撮像動作時においてズーム位置がWideに近いほど、撮像素子103への入射角度が大きくなる。このような対応関係を有するテーブルは、例えば実験等を行うことにより予め定めることができる。そして、処理部106がこのテーブルを例えばメモリ部107に格納して、撮影光学系101の状態に応じて随時参照することにより湾曲制御部105を制御することができる。
なお、図7(A)に示す曲率制御テーブルでは、一例としてズーム位置に関するテーブルについて説明したが、各ズーム位置における焦点距離を記載した同様のテーブルを用いてもよい。また、撮影光学系101のズーム状態に限らず、フォーカス位置に応じたテーブルを用いてもよい。
(曲率制御処理に係る一連の動作)
次に、図8を参照して、本実施形態に係る曲率制御処理に係る一連の動作について説明する。なお、本処理は、例えば操作部110の操作ボタンに対するユーザからの撮影指示があった場合に開始される。また、本処理は、処理部106が記録部109に記録されたプログラムをメモリ部107の作業用領域に展開及び実行することにより実現される。
次に、図8を参照して、本実施形態に係る曲率制御処理に係る一連の動作について説明する。なお、本処理は、例えば操作部110の操作ボタンに対するユーザからの撮影指示があった場合に開始される。また、本処理は、処理部106が記録部109に記録されたプログラムをメモリ部107の作業用領域に展開及び実行することにより実現される。
S801では、処理部106は撮像開始の初期設定を行う。処理部106は、図7(A)に示した曲率を示すテーブルを記録部109から読み出してメモリ部107に格納するとともに、曲率制御処理において用いる例えばカウンタ等の各種変数を初期化する。S802では、処理部106は、撮影光学系101に設定されている現在のズーム位置を、例えば光学系制御部102を介して取得する。
S803では、処理部106は、湾曲制御部105に設定すべき最適な曲率Xを決定する。例えば、処理部106は、S802において取得したズーム位置をキーにして図7(A)に示す曲率を示すテーブルを参照し、湾曲制御部105に設定すべき最適な曲率Xを決定する。また、処理部106は、決定した曲率を制御信号に格納して湾曲制御部105に送信する。
S804では、湾曲制御部105は、処理部106の指示に応じて、撮像素子103内の湾曲部603の曲率を変更する。例えば、湾曲制御部105は、S804において決定された曲率Xを形成するように、現在の曲率から目標となる曲率Xになるまで、開口部606に充填されている気体を吸引して内部圧力を低下させる。そして、湾曲部603の曲率が曲率Xとなったところで当該曲率を維持するように内部圧力を制御する。
S805では、湾曲制御部105は、処理部106から撮像動作の終了命令が送信されたかを判定する。湾曲制御部105は、処理部106から撮像動作の終了命令が送信されていない場合、撮像動作が引きつづき行われると判定して、曲率を維持する。この場合、処理部106は処理を再びS802に戻す。一方、湾曲制御部105は、処理部106から撮像動作の終了命令が送信された場合、撮像動作が引き続き行われないと判定して吸引制御を終了する。この場合、処理部106は本処理に係る一連の動作を終了する。
なお、上述した実施形態では、撮像面の曲率を制御する方法として撮像素子内の開口部に充填された気体を吸引制御して撮像素子の曲率を制御する例について説明した。しかし、例えば磁力等の他の方法によって撮像素子の曲率を制御するようにしても上述した実施形態を実現することができる。また、上述した実施形態では、湾曲制御部105は撮像素子103に含まれない構成として説明したが、撮像素子103が湾曲制御部105を含む構成であっても上述した実施形態を実現することができる。
以上説明したように、本実施形態では、画素を有する半導体チップ(画素チップ)と画素を含まない半導体チップ(処理チップ)とを積層する場合に、処理チップを、画素チップの中心部と接続し、周辺部とは接続しない構成とした。すなわち、処理チップを画素チップの中心を含む一部に積層し、処理チップのみが台座に支持される構成とした。このようにすることで、積層した撮像素子の柔軟性を確保することができる。換言すれば、積層した構造を有する撮像素子における柔軟性を増加させ、撮像面の湾曲をより容易に制御することが可能になる。
101…撮影光学系、103…撮像素子、105…湾曲制御部、106…処理部、109…記録部、300…画素チップ、310…処理チップ
Claims (13)
- 画素を配列した画素チップと、前記画素チップから出力される画像信号を処理する処理チップとが積層された積層型撮像素子であって、
前記画素チップの撮像面の少なくとも一部が湾曲可能であり、
前記処理チップは、前記画素チップにおける前記撮像面の裏面の一部に積層され、かつ、前記撮像面の裏面の一部は、光軸が通過する位置を含む、
ことを特徴とする積層型撮像素子。 - 前記撮像面の裏面のうち、前記処理チップが積層された前記撮像面の裏面の一部と異なる部分を支持する台座を更に備え、
前記台座と前記処理チップとは接合しないように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の積層型撮像素子。 - 前記処理チップが積層された前記撮像面の裏面の一部は、前記撮像面における有効画素領域に対応する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層型撮像素子。 - 前記画素チップと前記処理チップとを電気的に接続し、前記画像信号を伝達する接続手段をさらに備え、
前記接続手段は、前記撮像面の裏面のうち、前記処理チップが積層された前記撮像面の裏面の一部に配置される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の積層型撮像素子。 - 前記接続手段は、前記配列された画素のうちの所定の数の画素ごとに、前記処理チップと1つの接点を有するように構成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の積層型撮像素子。 - 前記処理チップは、前記画素チップから出力された前記画像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する回路を含む、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の積層型撮像素子。 - 前記処理チップは、前記デジタル信号に変換された画像信号に対する所定の画像処理を更に行う回路を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の積層型撮像素子。 - 前記画素チップの前記撮像面は、前記積層型撮像素子に充填させた気体又は液体の圧力が変化することにより湾曲する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の積層型撮像素子。 - 前記撮像面の曲率を制御する曲率制御手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の積層型撮像素子。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の積層型撮像素子と、
前記積層型撮像素子への入射光を通過させる撮影光学系と、
前記撮影光学系の状態に応じて、前記積層型撮像素子の前記撮像面の曲率を制御する曲率制御手段と、を有する、
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記撮影光学系の状態は、ズーム位置又は焦点距離を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。 - 前記曲率制御手段は、前記撮影光学系の状態と前記撮像面の曲率との関係を示す情報に基づいて、前記撮像面の曲率を制御する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の撮像装置。 - 前記情報を予め記録する記録装置を更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
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