JP2017142176A - 粒子検出センサ、移動体搭載用気体モニタ、及び、粒子検出方法 - Google Patents

粒子検出センサ、移動体搭載用気体モニタ、及び、粒子検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子検出センサが振動する場合であっても、検出精度の劣化を低減することができる。【解決手段】粒子検出センサ1は、投光素子111及び受光素子121を備える。さらに、粒子検出センサ1は、受光素子121からの出力を示す信号のうち第一帯域内の通過させるフィルタ部215を有し、当該フィルタ部215を通過した信号を信号処理することにより、流体中に含まれる粒子の質量濃度を算出する信号処理部20を備える。ここで、第一帯域は、粒子検出センサ1が無振動状態の場合に検知領域DAの大きさ及び流体の速度によって規定される第二帯域を内包し、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い帯域である。【選択図】図1

Description

本発明は、気体または液体である流体中に含まれる粒子を測定する粒子検出センサ、当該粒子検出センサを備える移動体搭載用気体モニタ、及び、粒子検出方法に関する。
光散乱式粒子検出センサは、投光素子と受光素子とを備える光電式センサであり、測定対象の気体を取り込んで投光素子の光を当該気体に照射し、その散乱光によって気体に含まれる粒子の有無を検出するものである。このような光散乱式検出センサは、例えば、大気中に浮遊するホコリ、花粉、煙等の粒子を検出することができる。
この種の光散乱式粒子検出センサを含む機器として、当該光散乱式粒子検出センサからの検知信号を用いて、大気中の単位体積当たりの粒子の量(濃度)を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4555664号公報
しかしながら、このような粒子検出センサが振動した場合、当該粒子検出センサに取り込まれた気体は、本来の速度(絶対速度)に比べて見かけ上の速度(粒子検出センサに対する相対速度)が変化することとなる。このため、粒子検出センサの検出精度が劣化するという問題がある。
そこで、本発明は、振動する場合であっても、検出精度の劣化を低減することができる粒子検出センサ等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る粒子検出センサは、気体または液体である流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出センサであって、検知領域に光を投光する投光素子、及び、前記検知領域に位置する前記粒子によって散乱された光を受光する受光素子と、前記受光素子からの出力を示す信号のうち第一帯域内の信号を通過させるフィルタ部を有し、当該フィルタ部を通過した信号を信号処理することにより、前記流体中に含まれる前記粒子の質量濃度を算出する信号処理部とを備え、前記第一帯域は、前記粒子検出センサが無振動状態の場合に前記検知領域の大きさ及び前記流体の速度によって規定される第二帯域を内包し、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い帯域である。
また、本発明の一態様に係る移動体搭載用気体モニタは、上記の粒子検出センサと、前記粒子検出センサで算出された前記質量濃度を表示する表示部とを備える。
また、本発明の一態様に係る粒子検出方法は、検知領域に光を投光する投光素子、及び、前記検知領域に位置する粒子によって散乱された光を受光する受光素子を有する粒子検出センサを用いて、気体または液体である流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出方法であって、前記受光素子からの出力を示す信号のうち第一帯域内の信号を通過させるステップと、通過した信号を信号処理することにより、前記流体中に含まれる前記粒子の質量濃度を算出するステップとを含み、前記第一帯域は、前記粒子検出センサが無振動状態の場合に前記検知領域の大きさ及び前記流体の速度によって規定される第二帯域を内包し、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い帯域である。
本発明によれば、粒子検出センサが振動する場合であっても、検出精度の劣化を低減することができる。
実施の形態に係る粒子検出センサの構成の一例を示すブロック図である。 受光素子から出力される電流信号の一例を示す波形図である。 デジタルデータの一例を示す波形図である。 無振動状態の場合の検知領域及びその周囲の状態を模式的に示す図である。 振動状態の場合の検知領域及びその周囲の状態を模式的に示す図である。 フィルタ部の構成の一例を示すブロック図である。 フィルタ部の通過特性の一例を示すグラフである。 粒子検出センサの動作を示すフローチャートである。 実施の形態に係る移動体搭載用気体モニタの一例を示す外観図である。 変形例に係る増幅部の構成の一例を示す回路図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る粒子検出センサ等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ及びステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。さらに、以下において、略一定等の表現を用いている。例えば、略一定とは、完全に一定であることを意味するだけでなく、実質的に一定であることも意味する。すなわち、「略」とは、数%程度の誤差を含む。
(実施の形態)
[1.構成]
まず、本発明の実施の形態に係る粒子検出センサの全体構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る粒子検出センサ1の構成の一例を示すブロック図である。
粒子検出センサ1は、車両等の移動体に搭載され、当該粒子検出センサ1の周辺に漂う空気(以下、周辺空気と称する)に含まれる粒子の質量濃度を測定する。例えば、周辺空気には粒径が10μm以下の微小なホコリ、花粉、煙、PM2.5等の粒子が含まれ、粒子検出センサ1はこれら粒子の質量濃度を粒径区分毎に測定することが可能である。
なお、以下では、「流体中の粒子の質量濃度」を、単に「質量濃度」と記載する場合がある。
同図に示すように、粒子検出センサ1は、センサ部10と信号処理部20とを備え、センサ部10の検知領域DAに位置する粒子2からの散乱光に基づいて、周辺空気の質量濃度を測定する。また、粒子検出センサ1は、さらに、粒子検出センサ1が備える各構成に対して電源を供給する電源部30を備える。この電源部30は、例えば、粒子検出センサ1の外部から供給された電圧を所望の電圧に変換するレギュレータ等により構成される。
この粒子検出センサ1は、後述するフィルタ部215を備えることにより、搭載される移動体の振動等によって自身が振動する場合であっても、検出精度の劣化を低減することができる。また、本実施の形態では、粒子検出センサ1は、移動体の振動を検出する振動検出器101から出力される信号に応じて動作を切り替える。
振動検出器101は、例えば、上記の移動体に搭載され、自身の振動を検出し、検出した振動を電気信号に変換して出力する振動計である。つまり、振動検出器101は、粒子検出センサ1と同一の移動体に固定して搭載されることにより、粒子検出センサ1の振動を検出する。
なお、振動検出器101の構成はこのような構成に限らない。例えば、振動検出器101は、粒子検出センサ1が搭載される移動体に搭載されることなく当該移動体の振動を検出することにより、粒子検出センサ1の振動を検出してもかまわない。また振動検出器101は、移動体の振動を検出することなく、粒子検出センサ1の振動を検出してもかまわない。
以下、粒子検出センサ1の各構成について、具体的に説明する。
[1−1.センサ部]
センサ部10は、粒子検出センサ1の測定対象である周辺空気を取り込んで、取り込んだ周辺空気に光を照射し、その散乱光の光強度を示す信号(ここでは電流信号)を出力する、光電式センサ(光散乱式粒子検出センサ)である。つまり、センサ部10は、取り込んだ周辺空気に含まれる粒子2に応じた時系列の信号を出力する。
具体的には、本実施の形態では、センサ部10は、投光系11と受光系12と筐体13と加熱部15とを備え、筐体13の流入口18から流出口19までの粒子流路に設けられた検知領域DAに位置する粒子2からの散乱光に応じた信号を出力する。投光系11、受光系12及び検知領域DAは、外光が照射されないように、筐体13に収容されている。
検知領域DAは、測定対象の気体に含まれる粒子2(エアロゾル)を検知するためのエアロゾル検知領域(エアロゾル測定部)であり、投光系11の光軸Pと受光系12の光軸Qとが交差する交点を含む、例えばφ2mm程度の領域である。つまり、検知領域DAは、投光系11の光が投光される空間領域と投光系11の光が粒子2に当たって発生した散乱光を受光系12に導くための空間領域とが重なる空間領域である。
投光系11は、検知領域DAに光を投光する光学素子からなり、本実施の形態では、投光素子111と、投光素子111の前方(光投光側)に配置された投光レンズ112とを有する。
投光素子111は、検知領域DAに光を投光する、例えばLED(Light Emitting Diode)や半導体レーザ等の固体発光素子である。投光素子111は、例えば、赤外光、青色光、緑色光、赤色光または紫外光等の所定の波長の光を投光し、2波長以上の混合波を投光してもよい。本実施の形態では、粒子2による光の散乱強度に鑑みて、投光素子111として、例えば、400nm〜1000nmの波長の光を投光する砲弾型のLEDが用いられる。
なお、投光素子111から投光された光の波長が短いほど、粒径の小さな粒子2を検出しやすくなる。また、投光素子111の投光制御方式は特に限定されるものではなく、投光素子111から投光される光は、DC駆動による連続光またはパルス光等とすることができる。また、投光素子111から投光される光の光強度は、時間的に変化していてもよい。
投光レンズ112は、投光素子111の前方かつ投光系11の光軸P上に配置され、投光素子111から投光された光を検知領域DAに向けて進行させるように構成されている。例えば、投光レンズ112は、投光素子111から投光された光を検知領域DAに集光する集光レンズであり、PC(polycarbonate)等の透明樹脂またはガラスによって形成される。つまり、投光素子111から投光された光は、投光レンズ112を介して検知領域DAに到達する。この際、検知領域DAに粒子2が位置する場合、当該粒子2によって投光素子111からの光が散乱される。
受光系12は、検知領域DAからの光を受光する光学素子からなり、本実施の形態では、受光素子121と、受光素子121の前方(光入射側)に配置された受光レンズ122とを有する。検知領域DAに粒子2が位置する場合、当該粒子2によって散乱された光(散乱光)は、受光系12によって受光される。
受光素子121は、検知領域DAに位置する粒子2によって散乱された光を受光する。具体的には、受光素子121は、受光した光を電気信号に変換する光電変換素子であり、本実施の形態では、投光素子111が投光する光に感度を有する、フォトダイオード及びフォトトランジスタの少なくとも一方を有する。つまり、受光素子121は、受光した光強度に応じた信号(ここでは電流信号)を出力する。なお、受光素子121は、例えば、フォトICダイオードまたは光電子増倍管などを有してもよい。
受光レンズ122は、検知領域DAと受光素子121との間に配置され、検知領域DAに位置する粒子2による散乱光を受光素子121に集光するように構成されている。例えば、受光レンズ122は、検知領域DAに位置する粒子2によって散乱された光を受光素子121に集束させる集光レンズであり、投光レンズ112と同様の材質により形成される。
筐体13は、遮光性を有し、粒子2を含む周辺空気(気体)が流れる筒状の空間領域である粒子流路が設けられた部材である。例えば、筐体13は、迷光を減衰させやすいように、少なくとも内面が黒色面である。具体的には、筐体13の内面は、光の減衰率が高く、かつ、光を鏡面反射する。なお、筐体13の内面における反射は、鏡面反射でなくてもよく、光の一部が散乱反射されてもよい。
ここで、迷光とは、粒子2によって散乱された光以外の光であり、具体的には、投光素子111が投光した光のうち検知領域DAにおいて粒子2に散乱されることなく、筐体13内を進行する光等である。また、迷光には、粒子流路によって筐体13の内部に進入した外光も含まれる。
筐体13は、例えば、ABS樹脂などの樹脂材料を用いた射出成形により形成される。このとき、例えば、黒色の顔料または染料を添加した樹脂材料を用いて筐体13を形成することで、筐体13の内面を黒色面にして迷光の減衰を図ることができる。あるいは、射出成形後に筐体13の内面に黒色塗料を塗布することで、筐体13の内面を黒色面にして迷光の減衰を図ることができる。また、筐体13の内面にシボ加工などの表面処理を行うことにより、迷光の減衰を図ることができる。
筐体13には、上述したように流入口18及び流出口19が設けられている。このため、周辺空気は、流入口18から筐体13の内部に進入し、粒子流路を通って検知領域DAに導かれ、流出口19から筐体13の外部に流出する。
なお、本実施の形態において、粒子流路の流路方向(粒子流路を気体が流れる方向)は、図1の紙面上下方向としているが、図1の紙面垂直方向としてもよい。つまり、本実施の形態では、粒子流路の流路軸は、投光系11及び受光系12の各光軸が通る平面上に存在するように設定しているが、当該平面と直交するように設定されていてもよい。
加熱部15は、当該加熱部15周囲の気体を加熱することにより、粒子流路の気体を流して気流を発生させる気流発生装置である。具体的には、加熱部15が周囲の気体を加熱すると、加熱された気体は、膨張して密度が小さくなることにより重力と逆方向の上方向に移動する。つまり、加熱部15によって、上方向の気流(上昇気流)が発生する。この気流が粒子流路の気体を流すことにより、粒子流路に気流が生じることとなる。その結果、粒子検出センサ1の周辺空気が流入口18から筐体13内部に引き込まれるため、加熱部15を設けない場合に比べて、センサ部10内に多くの粒子2を取り込むことができる。
加熱部15は、上昇気流を発生させることから、図1に示すように粒子流路の下方部分に設置されることが好ましい。なお、加熱部15が動作していない状態でも、気体は粒子流路内を通過することができる。
[1−2.信号処理部]
信号処理部20は、受光素子121からの出力を示す時系列の信号を信号処理することにより、流体中(本実施の形態では気体中)に含まれる粒子2の質量濃度を算出する。具体的には、信号処理部20は、受光素子121から出力された信号(本実施の形態では電流信号)に対してアナログ信号処理を施し、さらに、アナログ信号処理後の信号に対してデジタル信号処理を施すことにより、上記の質量濃度を算出する。
この信号処理部20は、受光素子121からの出力を示す信号のうち所定の帯域内の信号を通過させるフィルタ部215(後述する)を有する。また、信号処理部20は、当該フィルタ部215を通過した信号を信号処理することにより、流体中(本実施の形態では気体中)に含まれる粒子の質量濃度を算出する。
以下、信号処理部20の各構成について、具体的に説明する。
図1に示すように、信号処理部20は、アナログ信号処理を施すアナログ信号処理部21と、デジタル信号処理を施す汎用MPU22とを備える。
アナログ信号処理部21は、アナログ回路により構成され、本実施の形態では、受光素子121から出力された電流信号に対して各種のアナログ信号処理を施すことにより、当該電流信号に基づく電圧信号を出力する。ここで、各種のアナログ信号処理とは、例えば、電流(I)を電圧(V)に変換するI/V変換、入力された信号の所望の周波数帯域を通過させるバンドパスフィルタ処理、及び、入力された信号を増幅して出力する増幅処理である。アナログ信号処理部21は、I/V変換を行うIV変換部211と、バンドパスフィルタ処理及び増幅処理を行う増幅部212とを含む。
なお、アナログ信号処理部21は、ここに例示した各処理に限らず、さらに他の信号処理(例えば、ハイパスフィルタ処理、ローパスフィルタ処理、及び、減衰処理等)を行う構成であってもよい。
IV変換部211は、受光素子121から出力された電流信号をI/V変換することにより、当該電流信号に応じた電圧信号を生成する。このように電流信号を電圧信号に変換することにより、以降の信号処理の容易化が図られるとともに、IV変換部211の後段に接続された増幅部212の設計の容易化が図られる。
増幅部212は、IV変換部211で生成された電圧信号の所定の帯域を増幅する。具体的には、増幅部212は、当該電圧信号に含まれる周波数成分のうち所定の帯域の周波数成分を、他の帯域の周波数成分よりも高い増幅率で増幅する。ここで、所定の帯域とは、例えば、センサ部10の粒子流路を流れる気体の流速v(p)に対応する周波数fcを中心周波数とする帯域である。
増幅部212は、例えば、図1に示すように、IV変換部211から出力された電圧信号に含まれる周波数成分のうち所定の帯域内の周波数成分を通過させるフィルタ部215と、フィルタ部215を通過した周波数成分からなる信号を増幅する増幅器216とを含む。本実施の形態では、フィルタ部215は、通過帯域を切り替え可能に構成されており、具体的には、制御部224からの制御信号に応じて通過帯域を切り替える。なお、フィルタ部215及び増幅器216の接続順はこれに限らず、増幅器216がフィルタ部215より前段に設けられていてもよい。また、フィルタ部215の詳細な構成については、後述する。
このような構成により、アナログ信号処理部21は、受光素子121からの出力を示し、かつ、検知領域DAに位置する粒子2に対応するパルス状の波形を含む時系列の電圧信号を出力する。
ここで、粒子2に対応したパルス状の波形とは、検知領域DAを通過する粒子2の速度及び粒径等に対応した正弦波、または、それに類似の波形である。ただし、例えば、大粒径の粒子2と小粒径の粒子2とが同じタイミングで検知領域DAを通過する場合等には、その限りではない。
汎用MPU22は、デジタル回路により構成され、アナログ信号処理部21から出力された電圧信号を用いて、センサ部10の粒子流路に流れる気体に含まれる粒子の質量濃度を算出する。この汎用MPU22は、例えば、集積回路であるシステムLSIにより実現され、以下で説明する機能ブロック毎に個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、汎用MPU22は、システムLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。また、汎用MPU22は、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
汎用MPU22は、図1に示すように、AD変換部221と演算部222と制御部224とを機能ブロックとして有し、AD変換部221で生成したデジタルデータを用いて、センサ部10の粒子流路内に流れる気体に含まれる粒子についての種々の分析を行う。この種々の分析とは、例えば、粒子の質量濃度に限らず、当該粒子の粒径の算出、当該粒子の同定等が含まれてもかまわない。
以下、汎用MPU22の各機能ブロックについて、詳細に説明する。
AD変換部221は、増幅部212で増幅された電圧信号をサンプリング(標本化)及び量子化する。言い換えると、当該AD変換部221は、アナログ信号処理部21から出力されたアナログの電圧信号をAD(Analog to Digital)変換することにより、当該電圧信号に対応する時系列のデジタルデータを生成する。つまり、AD変換部221は、受光素子121から出力された電流信号に基づく時系列のデジタルデータを生成する。
本実施の形態では、AD変換部221は、汎用MPU22に予め組み込まれたAD変換モジュールであり、当該汎用MPU22のアナログ入力端子に入力された電圧信号をデジタルデータに変換する。例えば、AD変換部221は、汎用MPU22のアナログ入力端子に入力された0.0〜5.0Vの範囲の電圧信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングする。その後、AD変換部221は、サンプリングされた電圧信号の電圧を10ビットのデジタル値に変換することにより、上記の時系列のデジタルデータを生成する。
演算部222は、AD変換部221で生成されたデジタルデータを用いて、センサ部10の粒子流路に流れる気体に含まれる粒子2の質量濃度を算出する。なお、質量濃度を算出する手法については、特に限定されないが、例えば、所定時間内に取得したデジタルデータのピークの個数により算出される個数濃度、及び、ピークの平均値に基づく平均質量等を用いて算出することができる。
制御部224は、粒子検出センサ1が振動状態であるか無振動状態であるかを示す情報を取得し、取得した情報に応じてフィルタ部215に通過させる信号の帯域を切り替えさせる。具体的には、制御部224は、取得した情報が振動状態を示す場合と無振動状態を示す場合とで、フィルタ部215に出力する制御信号を切り替える。
本実施の形態では、制御部224は、粒子検出センサ1が振動状態であるか無振動状態であるかを示す情報として、振動検出器101から出力される電気信号を取得する。なお、例えば、制御部224は、当該情報を振動検出器101から取得しなくてもよく、例えば、AD変換部221から出力されるデジタルデータを用いて当該情報を取得してもかまわない。具体的には、粒子検出センサ1が振動状態の場合には、無振動状態の場合に比べて、デジタルデータに含まれるパルス状の波形の時間幅が変化する。よって、時間幅が所定の閾値以上の場合に粒子検出センサ1が振動状態であると判断し、当該閾値未満の場合に振動状態でないと判断することにより、上記の情報を取得してもかまわない。
なお、汎用MPU22は、例えば、演算部222が質量濃度を算出するための各種の情報を記憶するメモリ領域等である記憶部を備えてもかまわないが、これについては図示及び説明を省略する。
[2.動作]
次に、粒子検出センサ1の動作について説明する。
[2−1.センサ部]
まず、センサ部10の動作について説明する。
加熱部15により空気が加熱されると、筐体13内の粒子流路に上昇気流が生じる。これに伴い、周辺空気中の粒子は、粒子流路の流入口18から筐体13の内部に進入し、粒子の検知領域DAを通過して、粒子流路の流出口19から筐体13の外部に流出される。この際、検知領域DAに位置する粒子2によって、投光系11から投光された光が散乱される。
粒子2によって散乱された光が受光素子121に入射すると、受光素子121によって受光量(受光した散乱光の光強度)に応じた電流信号が出力される。
図2は、受光素子121から出力される電流信号の一例を示す波形図である。
同図に示す電流信号の波形には、4つのパルス状の波形W1〜W4が含まれる。具体的には、当該電流信号の波形には、ピーク値I3を有する波形W1と、ピーク値I2を有する波形W2と、ピーク値I1を有する波形W3及びW4とが含まれる。なお、これらの波形W1〜W4には、ノイズによる波形WNが重畳されている。
波形W1〜W4は、気流が粒子流路を流れることに伴って検知領域DAを通過する粒子2に対応し、それぞれが対応する粒子2の粒径に応じたピーク値を有する。ここで、波形W1〜W3はそれぞれ1つのピークのみを有するのに対し、波形W4は2つのピークを有する。つまり、波形W1〜W3はそれぞれ1つの粒子に対応する単一波形であるのに対し、波形W4は2つの同一粒径の粒子に対応する2つの波形が合成された合成波形となっている。
[2−2.信号処理部]
次に、信号処理部20の動作について、説明する。
IV変換部211が、受光素子121から出力された電流を電圧に変換することにより、電圧信号を生成する。つまり、受光素子121から出力された電流信号は電圧信号へと変換される。
次に、増幅部212が、当該電圧信号を所定の帯域で増幅する。
その後、AD変換部221が、増幅部212で増幅されたアナログ信号である電圧信号をデジタル変換(AD変換)することにより、デジタルデータを生成する。つまり、AD変換部221は、サンプリング及び量子化することにより、受光系12からの出力を示すセンサ信号がデジタル化された時系列のデジタルデータを生成して、演算部222に出力する。
図3は、AD変換部221によって生成されたデジタルデータの一例を示す波形図である。具体的には、同図には、図2に示した電流信号が信号処理されることで生成されたデジタルデータの波形図が示されている。
同図に示すデジタルデータは、例えば、10ビットの時系列のデジタルデータである。なお、デジタルデータの波形はステップ状の波形であるが、同図では、当該ステップの幅が非常に小さいものとして、見た目上曲線で図示している。また、同図では、デジタルデータの各サンプルのデジタル値を電圧に換算して図示している。
同図に示すように、AD変換部221によって生成されたデジタルデータの波形では、ノイズによる波形WN(図2参照)がフィルタリングされてカットされ、粒子の各々に対応したパルス状の波形W1〜W4が含まれる。
このように生成されたデジタルデータを用いて、演算部222が質量濃度を算出する。
ここで、一般的に、粒子検出センサでは、当該粒子検出センサが搭載された移動体が振動すると、これに伴う粒子検出センサの振動によって、内部に取り込まれた流体の見かけ上の速度(粒子検出センサ1に対する相対速度)が変化してしまう。このため、流体中の粒子に対応する信号を正確に捉えることが困難となり、検出精度が劣化する場合がある。
そこで、本実施の形態に係る粒子検出センサ1では、フィルタ部215の通過帯域を、粒子検出センサ1が無振動状態の場合に規定される第二帯域を内包し、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い第一帯域とする。これにより、本実施の形態に係る粒子検出センサ1によれば、検出精度の劣化を低減することができる。
[3.検出精度の劣化低減メカニズム]
以下、本実施の形態に係る粒子検出センサ1によって質量濃度の検出精度の劣化を低減できるメカニズムについて、フィルタ部215の詳細な構成、及び、フィルタ部215に関連する粒子検出センサ1の動作とあわせて説明する。
フィルタ部215は、後段の汎用MPU22の処理負荷を低減するために、通過した信号のノイズ低減量が大きくなるように設計されることが好ましい。つまり、フィルタ部215は、検知領域DAを通過する粒子2に対応する周波数成分以外の周波数成分を抑制するように設計されることが好ましい。
図4は、粒子検出センサ1が無振動状態の場合の検知領域DA及びその周囲の状態を模式的に示す図である。なお、同図には、気流が破線で示され、投光系11から投光された光及び検知領域DAに位置する粒子2からの散乱光が実線で示されている。
同図に示すように、粒子検出センサ1が無振動状態の場合、検知領域DAは略一定の領域となる。また、当該場合、粒子流路を流れる気流も略一定となる。このため、検知領域DAに粒子2が位置する時間も略一定となる。この場合、フィルタ部215の最適な帯域は、(i)検知領域DAの大きさ(光学焦点エリア径)、及び、(ii)検知領域DAに位置する粒子2の速度である気体の流速の2つの因子によって決定される。例えば、検知領域DAの大きさをrd[mm]、気体の流速をv(p)[mm/sec]とすると、フィルタ部215の最適な帯域fw[Hz]は、1/(rd/v(p))=v(p)/rdと決定される。
これに対して、粒子検出センサ1が振動すると、検知領域DAは次のようになる。
図5は、粒子検出センサ1が振動状態の場合の検知領域DA及びその周囲の状態を模式的に示す図である。具体的には、同図の(a)は、粒子検出センサ1の振動によって検知領域DAが粒子2と同方向にブレる場合を模式的に示し、同図の(b)は、粒子検出センサ1の振動によって検知領域DAが粒子2と反対方向にブレる場合を模式的に示す。なお、同図には、図4と同様に、気流が破線で示され、投光系11から投光された光及び検知領域DAに位置する粒子2からの散乱光が実線で示されている。
同図に示すように、粒子検出センサ1が振動状態の場合、投光系11及び受光系12が振動するため、検知領域DAも振動によって振動する。つまり、検知範囲がブレることとなる。また、当該場合、粒子流路を流れる気流もブレ得るため、検知領域DAに粒子2が位置する時間もブレることとなる。このため、受光素子121から出力される信号に含まれる周波数成分が、無振動状態の場合に比べて変化する。
具体的には、図4の(a)に示すように、検知領域DAが粒子2の移動方向と同方向にブレる場合、粒子2は、自身の進行方向と同方向に移動する検知領域DAを通過することとなる。このため、この場合、無振動状態の場合に比べて、検知領域DAに粒子2が位置する時間が長くなる。したがって、この場合、無振動状態の場合よりも、受光素子121から出力される信号に含まれる粒子2に対応する周波数成分が低くなる。
一方、図4の(b)に示すように、検知領域DAが粒子2の移動方向と反対方向にブレる場合、粒子2は、自身の進行方向と反対方向に移動する検知領域DAを通過することとなる。このため、この場合、無振動状態の場合に比べて、検知領域DAに粒子2が位置する時間が短くなる。したがって、この場合、無振動状態の場合よりも、受光素子121から出力される信号に含まれる粒子2に対応する周波数成分が高くなる。
このように、粒子検出センサ1が振動状態の場合には、粒子2に対応する周波数成分が、粒子2の進行方向における検知領域DAの振動成分によって変化する。例えば、当該周波数成分は、粒子2の進行方向における検知領域DAのブレ幅が大きいほど大きく変化する。また、例えば、当該周波数成分は、当該粒子2の進行方向における検知領域DAのブレる速度が大きいほど、大きく変化する。
したがって、フィルタ部215の通過帯域を上記の(i)及び(ii)の2つの因子によって決定される帯域にすると、粒子検出センサ1が振動状態の場合に粒子2に対応する周波数成分がフィルタ部215を通過しにくくなる。つまり、フィルタ部215を通過した後の信号では粒子2に対応する周波数成分が抑制されてしまう。このため、汎用MPU22は、粒子2に対応する周波数成分が抑制されたデジタルデータを用いてデジタル信号処理を施すこととなり、質量濃度の検出精度が劣化する虞がある。
これに対し、本実施の形態では、フィルタ部215は、受光素子121からの出力を示す信号のうち第一帯域内の信号を通過させる。ここで、第一帯域は、粒子検出センサ1が無振動状態の場合に検知領域DAの大きさ及び流体の速度によって規定される第二帯域を内包し、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い帯域である。つまり、フィルタ部215は、上記の(i)及び(ii)の2つの因子によって決定される第二帯域よりも帯域幅の広い第一帯域で信号を通過させる。
これにより、粒子検出センサ1の振動によって受光素子121からの出力を示す信号に含まれる粒子2に対応する周波数成分が変化してしまう場合であっても、粒子2に対応する周波数成分がフィルタ部215を通過しやすくなる。よって、汎用MPU22は、粒子2に対応する周波数成分からなるデジタルデータを用いてデジタル信号処理を施すこととなり、質量濃度の検出精度の劣化を低下できる。
例えば、第一帯域は、上記の(i)及び(ii)の2つの因子に加えて、さらに(iii)粒子2の進行方向における検知領域DAの振動成分を考慮した3つの因子によって決定される。例えば、検知領域DAの大きさをrd[mm]、気体の流速をv(p)[mm/sec]、粒子2の進行方向における検知領域DAの振動成分をv(a)とすると、第一帯域fbw1[Hz]は、1/(rd/v(p))±v(a)と決定される。なお、v(a)の符号は、粒子2の移動方向(気流の向き)と振動による検知領域DAの移動方向とに基づく。例えば、これらが互いに逆方向の場合には、検知領域DAに対する粒子2の相対速度が速まるため、v(a)の符号は+となる。
また、本実施の形態では、フィルタ部215は、通過帯域を切り替え可能に構成されている。具体的には、フィルタ部215は、粒子検出センサ1が無振動状態の場合、第一帯域内の信号を通過させ、粒子検出センサ1が無振動状態の場合、第二帯域内の信号を通過させる。
図6は、フィルタ部215の構成の一例を示すブロック図である。図7は、フィルタ部215の通過特性の一例を示すグラフである。なお、図6には、フィルタ部215とともに増幅部212を構成する増幅器216についても併せて図示されている。また、図7では、フィルタ部215の通過特性の一例として、第一バンドパスフィルタ251及び第二バンドパスフィルタ252の通過特性が示されている。
図6に示すように、フィルタ部215は、第一帯域内の信号を通過させる第一バンドパスフィルタ251と、第二帯域内の信号を通過させる第二バンドパスフィルタ252とを有する。また、フィルタ部215は、スイッチ253、254を有する。
図7に示すように、第一バンドパスフィルタ251は、周波数fcを中心周波数とし、帯域幅をfbw1とする第一帯域内の信号を通過させる。また、第二バンドパスフィルタ252は、第一バンドパスフィルタ251と並列に設けられ、周波数fcを中心周波数とし、帯域幅をfbw2(ただし、fbw1>fbw2)とする第二帯域内の信号を通過させる。なお、第一帯域の中心周波数と第二帯域の中心周波数とは異なっていてもかまわない。
第一バンドパスフィルタ251及び第二バンドパスフィルタ252の各々の構成は特に限定されないが、例えば、直列接続されたインダクタ及びコンデンサからなるLCフィルタによって構成することができる。
スイッチ253、254は、互いに並列に接続された第一バンドパスフィルタ251及び第二バンドパスフィルタ252のいずれか一方に選択的に信号を通過させる選択部である。具体的には、スイッチ253、254は、制御部224から出力される制御信号によって第一バンドパスフィルタ251及び第二バンドパスフィルタ252の一方を選択的に接続することにより、当該一方に選択的に信号を通過させる。
本実施の形態に係る粒子検出センサ1は、このように構成されたフィルタ部215を用いて、次のように動作する。図8は、粒子検出センサ1の動作(粒子検出処理)の一例を示すフローチャートである。
まず、粒子検出センサ1が周辺空気を筐体13内の粒子流路に引き込むことにより、検知領域DAに粒子2を導入する(S11)。
次に、粒子検出センサ1は、自身が振動状態であるか否かを判断する(S12)。具体的には、振動検出器101からの信号によって、粒子検出センサ1が振動状態であることを示す情報が取得された場合、粒子検出センサ1は振動状態であると判断する(S12でYes)。一方、振動検出器101からの信号によって、粒子検出センサ1が無振動状態であることを示す情報が取得された場合、粒子検出センサ1は振動状態でないと判断する(S12でNo)。
そして、振動状態であると判断した場合(S12でYes)、フィルタ部215に第一帯域で信号を通過させる(S13)。具体的には、制御信号によってスイッチ253、254を第一バンドパスフィルタ251に接続することにより、当該第一バンドパスフィルタ251に選択的に信号を通過させる。
一方、振動状態でないと判断した場合(S12でNo)、フィルタ部215に第二帯域で信号を通過させる(S14)。具体的には、制御信号によってスイッチ253、254を第二バンドパスフィルタ252に接続することにより、当該第二バンドパスフィルタ252に選択的に信号を通過させる。
最後に、フィルタ部215を通過した信号を信号処理することにより、流体中(本実施の形態では気体中)に含まれる粒子の質量濃度を算出する(S15)。
このように、粒子検出センサ1は、自身が振動状態であるか否かに応じて、フィルタ部215の通過帯域を切り替える。つまり、粒子検出センサ1は、振動検出器101から出力される信号に応じて動作を切り替える。
なお、粒子検出センサ1が振動する場合の検出精度の劣化を低減する観点からは、フィルタ部215は第一帯域内の信号を通過させればよく、通過帯域を切り替えなくてもかまわない。つまり、上記説明した粒子検出処理のうち、ステップS12及びステップS14は必須の処理ではない。
[4.適用例]
以上説明した粒子検出センサ1は、移動体に搭載されて気体の質量濃度をモニタリングする(検知する)移動体搭載用気体モニタに適用することができる。
図9は、本実施の形態に係る移動体搭載用気体モニタ100の一例を示す外観図であり、(a)は当該外観図の全体図であり、(b)は(a)の当該外観図の一部拡大図である。
移動体搭載用気体モニタ100は、移動体内の空間の気体の質量濃度をモニタリングする、例えば車載用の気体モニタである。なお、移動体搭載用気体モニタ100がモニタリングする空間は、閉鎖空間に限らず、開放空間であってもかまわないし、あるいは、移動体外の空間の気体であってもかまわない。
同図に示すように、移動体搭載用気体モニタ100は、上述した粒子検出センサ1と、当該粒子検出センサ1で算出された質量濃度を表示する表示部110とを備える。
粒子検出センサ1は、例えば、車のフロント部に配置され、フロントパネルに設けられた通気口120を介して導入された気体の質量濃度を算出する。また、粒子検出センサ1は、例えば、フロントパネルに設けられたボタン130a〜130cによって受け付けられたユーザの指示にしたがって、質量濃度を算出する対象の微小粒子を変更してもよい。
表示部110は、例えば、車のフロントパネルに設けられた液晶表示装置等のモニタ装置である。
なお、移動体搭載用気体モニタ100は、このような構成に限らない。例えば、粒子検出センサ1が車のリア部に配置され、表示部110がフロント部に配置されていてもかまわない。また、移動体搭載用気体モニタ100は、移動体に搭載されていればよく、移動体は車に限らず、列車または航空機であってもかまわない。
[5.まとめ]
以上説明したように、粒子検出センサ1は、気体または液体である流体中(本実施の形態では気体中)に含まれる粒子を検出する粒子検出センサである。粒子検出センサ1は、検知領域DAに光を投光する投光素子111、及び、検知領域DAに位置する粒子2によって散乱された光を受光する受光素子121を備える。また、粒子検出センサ1は、受光素子121からの出力を示す信号のうち第一帯域内の信号を通過させるフィルタ部215を有し、当該フィルタ部215を通過した信号を信号処理することにより、流体中に含まれる粒子の質量濃度を算出する信号処理部20を備える。ここで、第一帯域は、粒子検出センサ1が無振動状態の場合に検知領域DAの大きさ及び流体の速度によって規定される第二帯域を内包し、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い帯域である。
このようにフィルタ部215が第一帯域内の信号を通過させることにより、粒子検出センサ1の振動によって粒子2に対応する信号の周波数成分が変動した場合であっても、粒子2に対応する信号がフィルタ部215を通過しやすくなる。よって、粒子検出センサ1が振動した場合であっても、粒子2に対応する信号を用いて質量濃度を算出することができるため、検出精度の劣化を低減することができる。
また、フィルタ部215は、粒子検出センサ1が振動状態の場合、第一帯域内の信号を通過させ、粒子検出センサ1が無振動状態の場合、第二帯域内の信号を通過させる。
ここで、フィルタ部215が通過させる帯域が狭いほど、信号処理部20による信号処理の負荷を軽減することができる。よって、粒子検出センサ1が振動状態の場合には第一帯域内の信号を通過させることにより検出精度の劣化を低減しつつ、無振動状態の場合には第二帯域の信号を通過させることにより信号処理の負荷の軽減を図ることができる。
また、フィルタ部215は、第一帯域内の信号を通過させる第一バンドパスフィルタ251と、第二帯域内の信号を通過させる第二バンドパスフィルタ252とを有する。
このように、第一バンドパスフィルタ251と第二バンドパスフィルタ252とを独立に設けることにより、第一バンドパスフィルタ251及び第二バンドパスフィルタ252の通過特性の設計自由度が向上する。よって、第一帯域及び第二帯域を所望の帯域にすることができるため、検出精度の劣化の低減及び信号処理の負荷の軽減を一層図ることができる。
また、信号処理部20は、粒子検出センサ1が振動状態であるか無振動状態であるかを示す情報を取得し、取得した情報に応じてフィルタ部215に通過させる信号の帯域を切り替えさせる制御部224を有する。
このような情報を取得することにより、粒子検出センサ1の振動状態及び無振動状態に応じてフィルタ部215を通過させる信号の帯域を容易に切り替えることができる。
また、移動体搭載用気体モニタ100は、上述の粒子検出センサ1と、粒子検出センサ1で算出された質量濃度を表示する表示部110とを備える。
これにより、移動体搭載用気体モニタ100は、粒子検出センサ1が振動する場合であっても検出精度の劣化が低減された質量濃度を表示することができる。
また、粒子検出方法は、検知領域DAに光を投光する投光素子111、及び、検知領域DAに位置する粒子2によって散乱された光を受光する受光素子121を有する粒子検出センサ1を用いて、気体または液体である流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出方法である。粒子検出方法は、受光素子121からの出力を示す信号のうち第一帯域内の信号を通過させるステップ(S13)と、通過した信号を信号処理することにより、流体中に含まれる粒子の質量濃度を算出するステップ(S15)とを含む。また、第一帯域は、粒子検出センサ1が無振動状態の場合に検知領域DAの大きさ及び流体の速度によって規定される第二帯域を含み、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い帯域である。
このように、第一帯域内の信号を通過させることにより、粒子検出センサ1の振動によって粒子2に対応する信号の周波数成分が変動した場合であっても、粒子2に対応する信号を用いて質量濃度を算出することができる。よって、検出精度の劣化を低減することができる。
(変形例)
上記実施の形態では、フィルタ部215は互いに並列接続された第一バンドパスフィルタ251及び第二バンドパスフィルタ252を有するとした。しかし、フィルタ部の構成はこれに限らず、例えば、第一帯域を通過させる構成と第二帯域を通過させる構成との少なくとも一部が共通に設けられていてもかまわない。また、上記実施の形態では、フィルタ部215は増幅器216の前段に設けられていたが、フィルタ部の構成の一部が当該フィルタ部とともに増幅部を構成する増幅器216のフィードバックループに設けられていてもかまわない。
このように構成される増幅部の構成を以下に示す。図10は、変形例に係る増幅部212Aの構成の一例を示す回路図である。
同図に示すように、増幅部212Aは、増幅器216を構成するオペアンプと、当該増幅器216の入力側に配置された容量素子C21、スイッチSW21a、SW21b及び抵抗素子R21a、R21bと、増幅器216のフィードバックループに配置された容量素子C22、スイッチSW22a、SW22b及び抵抗素子R22a、R22bとを有する。スイッチSW21a、SW21bは、制御部224からの制御信号によって抵抗素子R21a、R21bのいずれか一方を容量素子C21と直列接続する。スイッチSW22a、SW22bは、制御部224からの制御信号によって抵抗素子R22a、R22bのいずれか一方を容量素子C22と並列接続する。
このように構成された増幅部212Aでは、抵抗素子R21a、R21b、R22a、R22bが選択的に接続されることにより、通過帯域を第一帯域と第二帯域とで切り替えることができる。つまり、本変形例では、増幅器216の入力端及びフィードバックループに設けられる各素子によってフィルタ部215Aが構成されている。また、本変形例では、容量素子C21、C22は、第一帯域を通過させる構成と第二帯域を通過させる構成とで共通に設けられている。
なお、増幅部212Aの構成はこれに限らず、増幅器216の入力端及びフィードバックループに設けられる各素子を可変抵抗素子及び可変容量素子とすることにより、通過帯域を第一帯域と第二帯域とで切り替えてもかまわない。つまり、フィルタ部215Aは、制御部224により定数を変更可能な素子により構成されていてもよく、互いに並列に設けられた素子を備えなくてもよい。
(その他の変形例)
以上、本発明について実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記説明では、フィルタ部は第一帯域と第二帯域とで通過帯域を切り替えるとしたが、フィルタ部が切り替え可能な帯域はこれに限定されない。例えば、フィルタ部215は、第一帯域と、第二帯域とは異なる帯域とで、通過帯域を切り替えてもかまわない。また、フィルタ部215は、第一帯域を含む3以上の帯域で通過帯域を切り替えてもかまわない。さらには、フィルタ部は、粒子検出センサ1が振動状態の場合に、粒子検出センサ1の振動量及び振動周波数に応じて、第一帯域内で通過帯域を切り替えてもかまわない。
また、例えば、フィルタ部は、汎用MPU22の処理負荷の軽減を図る観点から、バンドパスフィルタであることが好ましいが、これに限らず、ハイパスフィルタまたはローパスフィルタ等であってもかまわない。
また、上記説明において、粒子を含む媒体は、気体(空気)としたが、気体以外の媒体(水等の液体)であってもよい。つまり、粒子検出センサ1は、気体または液体である流体中に含まれる粒子を検出する。
また、上記説明において、汎用MPU22内の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、汎用MPU22を構成する構成要素(機能)の一部または全ては、粒子検出センサ1を備える各種機器(例えば、移動体搭載用気体モニタ100)に搭載されたマイクロプロセッサ、ROM、RAM等の一部として実現されていてもかまわない。
また、本発明は、このような粒子検出センサ1として実現することができるだけでなく、粒子検出センサ1が行うステップ(処理)を含む方法として実現できる。
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD−ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本発明が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 粒子検出センサ
2 粒子
20 信号処理部
100 移動体搭載用気体モニタ
110 表示部
111 投光素子
121 受光素子
215、215A フィルタ部
251 第一バンドパスフィルタ
252 第二バンドパスフィルタ
224 制御部

Claims (6)

  1. 気体または液体である流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出センサであって、
    検知領域に光を投光する投光素子、及び、前記検知領域に位置する前記粒子によって散乱された光を受光する受光素子と、
    前記受光素子からの出力を示す信号のうち第一帯域内の信号を通過させるフィルタ部を有し、当該フィルタ部を通過した信号を信号処理することにより、前記流体中に含まれる前記粒子の質量濃度を算出する信号処理部とを備え、
    前記第一帯域は、前記粒子検出センサが無振動状態の場合に前記検知領域の大きさ及び前記流体の速度によって規定される第二帯域を内包し、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い帯域である
    粒子検出センサ。
  2. 前記フィルタ部は、
    前記粒子検出センサが振動状態の場合、前記第一帯域内の信号を通過させ、
    前記粒子検出センサが無振動状態の場合、前記第二帯域内の信号を通過させる
    請求項1に記載の粒子検出センサ。
  3. 前記フィルタ部は、前記第一帯域内の信号を通過させる第一バンドパスフィルタと、前記第二帯域内の信号を通過させる第二バンドパスフィルタとを有する
    請求項2に記載の粒子検出センサ。
  4. 前記信号処理部は、
    前記粒子検出センサが振動状態であるか無振動状態であるかを示す情報を取得し、取得した情報に応じて前記フィルタ部に通過させる信号の帯域を切り替えさせる制御部を有する
    請求項2または3に記載の粒子検出センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子検出センサと、
    前記粒子検出センサで算出された前記質量濃度を表示する表示部とを備える
    移動体搭載用気体モニタ。
  6. 検知領域に光を投光する投光素子、及び、前記検知領域に位置する粒子によって散乱された光を受光する受光素子を有する粒子検出センサを用いて、気体または液体である流体中に含まれる粒子を検出する粒子検出方法であって、
    前記受光素子からの出力を示す信号のうち第一帯域内の信号を通過させるステップと、
    通過した信号を信号処理することにより、前記流体中に含まれる前記粒子の質量濃度を算出するステップとを含み、
    前記第一帯域は、前記粒子検出センサが無振動状態の場合に前記検知領域の大きさ及び前記流体の速度によって規定される第二帯域を内包し、かつ、当該第二帯域よりも帯域幅が広い帯域である
    粒子検出方法。
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