JP2017141517A - 加温システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 加温効率が高く、装着具の内側全体を温めることができ、必要なときに必要な部分を必要なだけ温めることができ、省エネルギー効果も高い加温システムを提供する。【解決手段】 本発明の加温システムは、身体の所望位置に装着可能な装着具と、温風発生器から送出される温風が通過するホースを備え、当該ホースの一端側からホース内に温風を取り込み、その温風を装着具の内側に供給して装着具の内側を温められるようにしたものである。装着具は、利用者が着座具に座ったときに、当該装着具の裾側が着座具の設置面に触れる長さとするのが好ましい。装着具は、装着具内の温風が装着具外に出るのを遮断可能な外材と、装着具内に送り込まれた温風を分散可能なメッシュを備えた内材とで構成することができる。装着具は着脱可能な二以上の被覆部材で構成することもできる。【選択図】図1

Description

本発明は、温風式の加温器やエアコンなどの加温装置(本願において、これらをまとめて「温風発生器」という)から送出される温風を利用して、身体の所望個所を局所的に加温することのできる加温システムに関する。
寒い時期には、暖をとるために、温風発生器や赤外線ヒーター、ホットカーペット、オイルヒーター、こたつ、ストーブ、床暖房といった様々な暖房器具が広く利用されている。暖房器具以外にも、巻きスカート式の防寒具(特許文献1)などが用いられることもある。特許文献1の防寒具は、巻きスカートのように身体に巻くことによって防寒するものである。
前記暖房器具や防寒具のほか、近年では、オートバイのマフラーの熱を利用して身体を温めるものなど、屋外で使用される加温システム(特許文献2)も提案されている。特許文献2の加温システムは、マフラーを覆う器具と運転者が着用する上着とをチューブ管で連結し、そのチューブ管を介してマフラーの熱を上着内部に送り込むことによって、運転者の体を温めるものである。
実用新案登録第3146322号公報 特開2006−199257号公報
前記屋内用の暖房器具には以下の(1)〜(8)のような課題が、特許文献1の防寒具には(9)のような課題が、特許文献2の加温システムには(10)のような課題がある。
(1)温風発生器:温風発生器側の面は温まるが、反対側は温まりにくい。温かい空気は人のいない天井側へ移動するため、また大きな空間体積を暖めなければならないため、加温効率(暖房効率)が良いとは言いにくい。
(2)赤外線ヒーター:部屋全体を温めることはできず、赤外線ヒーターから離れた場所では温かさを感じにくい。また、赤外線ヒーター側の面は温まるが、反対側は温まりにくい。
(3)ホットカーペット:温まるまでに時間がかかる。足元以外は温まりにくい。
(4)オイルヒーター:温まるまでに時間がかかる。離れた場所では温かさを感じにくい。
(5)こたつ:こたつから出ると温かさを享受できない。
(6)ストーブ:灯油を使用するため、他の装置に比して火災の危険性が高い。
(7)ガスファンヒーター:ガスを使用するため、他の装置に比してガス漏れ等の危険がある。
(8)床暖房:足元以外の部分が温まりにくい。
(9)防寒具:それ自体が熱を発生するわけではないため、保温はできても加温はできない。
(10)加温システム:オートバイがない場合には使用できない。
本発明の解決課題は、加温効率が高く、装着具の内側を局所的に温めることができ、必要なときに必要な部分を必要なだけ温めることができ、省エネルギー効果も高い加温システムを提供することにある。
本発明の加温システムは、温風発生器から送出される温風を、身体の所望位置に装着した装着具の内側に送り込めるようにしたものである。
本発明の加温システムによれば、身体の所望位置に装着した装着具の内側全体を効率よく温めることができる。また、短時間で温めることができるため、省エネルギー効果が高く、コストの低減にも資する。
本発明の加温システムの一例を示す説明図。 装着具のウエスト調整の説明図であって、(a)は装着具を開いた状態の説明図、(b)は装着具を緩めに閉じた状態の説明図、(c)は装着具をきつめに閉じた状態の説明図。 装着具を本体部と着脱部を備えたものとした場合の一例を示すものであって、(a)は本体部と着脱部を連結した状態を示すもの、(b)は着脱部を本体部から取り外した状態を示すもの。 本発明の加温システムの使用例を示すものであって、(a)は装着具を腰回りに装着して下半身を温める場合の説明図、(b)は装着具を首回りに装着して上半身及び下半身を温める場合の説明図、(c)はズボン型の装着具を装着して下半身を温める場合の説明図。
(実施形態)
本発明の加温システム1の一例を、図面を参照して説明する。本発明の加温システム1は、温風発生器Aから送出される温風を、身体の所望位置に装着した装着具2の内側に送り込むことによって、装着具2の内側を局所的に加温できるものである。前記温風発生器Aには、本発明の加温システム専用のものを用意することも、温風によって加温する既存の加温装置を用いることもできる。
一例として図1に示す加温システム1は、身体の所望位置に装着する装着具2と、当該装着具2と温風発生器Aとを連通させるホース3を備えたものである。ホース3はその一端側が装着具2に連結されるとともに、他端側が前記温風発生器Aの温風出口Bの近傍に配置され、温風発生器A側の端部からホース3内に取り込まれた温風を装着具2の内側に送り込めるようにしてある。ホース3は前記温風発生器Aに直結しておくこともできる。
図1に示す装着具2は、シート状の被覆部材4と、当該被覆部材4の両端同士を任意の位置で止める止め具5を備えたものである。被覆部材4は、折り曲げたり丸めたりすることのできる材質のものであり、筒状に丸めて両端の止め具5を止めることで、スカート状にすることができる。一例として図1に示す装着具2は下半身用のものであり、身長155cm程度の成人女性のウエストから足先までが被覆される程度の長さ(例えば、椅子に座った場合に、椅子の設置面に十分に触れる長さ)としてある。装着具2は、長さを足先よりも更に10cm〜20cm程度長いものとしておくことで、椅子に座ったときでも足元まで被覆されるため、デスクでの作業時や食事のときに使用しやすい。装着具2は長さの異なるものを数種類用意しておくこともできる。
図1に示す例では、被覆部材4を外材4aと内材4bの二層構造としてある。外材4aには温風を外部に逃がさない又は逃しにくい(遮断可能な)材質のものを、内材4bには適度に目の細かい網目を備えたメッシュ材を用いている。メッシュ材を用いると、被覆部材4の内側に送り込まれた温風が網目によって分散され、装着具2の内側の全体をむらなく加温することができる。被覆部材4は温風を遮断可能なものであれば、一層とすることも三層以上とすることもできる。外材4aと内材4bの材質はこれ以外であってもよい。加温効率を高める観点から、被覆部材4は裏起毛にしておくこともできる。図示は省略するが、外材4aには、裾側を捲り上げたときに、当該裾側部分を保持するための保持材を設けておくことができる。
前記外材4aには、ホース3のコネクタ7を連結するための連結具6が設けられている。連結具6は外材4aの内外に貫通しており、当該連結具6にホース3のコネクタ7を連結すると、ホース3が被覆部材4の外材4aの内側に連通するようにしてある。連結具6は軽量でコンパクトであることが好ましい。この実施形態では、連結具6を一つ設けた場合を一例としているが、連結具6は二以上設けることもできる。連結具6を二以上設ける場合、連結具6同士の間隔をあけることで、被覆部材4の内側を多方向からむらなく加温することができる。
温風は上昇するため、連結具6は被覆部材4の半分よりも下側、より好ましくは、被覆部材4の下端寄りの位置(例えば、被覆部材4の下端から20cm以内の位置)に設けるのが好ましい。連結具6は横向き(水平又はほぼ水平)に設けることもできるが、被覆部材4の内側の斜め下を向くように角度をつけて斜めに設けることもできる。斜め下向きに設けることで、温風を足元に向けて送り込むことができ、冷えやすい足元を効率よく温めることができる。
前記連結具6にはホース3が連結されるため、ホース3を接続しても邪魔にならない位置、具体的には、椅子やソファなどの各種着座具に座ったときに背凭れや肘掛け、座面に当たらない位置、或いは、腕を降ろしたときに腕に当たらない位置などに設けるのが好ましい。
前記連結具6には連結具6の開口を開閉するための蓋(図示しない)を設けることもできる。蓋で連結具6の開口を閉塞することで、被覆部材4内に冷気が侵入したり、被覆部材4の外側に温風が漏れたりするのを防止することができる。蓋は連結具6と別体のもの(別体型)とすることも、連結具6と一体のもの(一体型)とすることもできる。脱着の手間を考えると、一体型の方が好ましい。一体型としては、例えば、切り込みを備えた弁などが考えられる。切り込みを備えた弁を連結具6の内側に取り付けておき、温風が吹き込むとその風圧で切り込みが開き、吹き込みが止まると切り込みが元に戻るようにしておくことで、連結具6の開口を自動的に開閉することができる。別体型の蓋は連結具6の根元部分に紐などで繋いでおくことができる。蓋は必要に応じて設ければよく、不要な場合には設けなくて良い。
被覆部材4の両端同士を止める止め具5には、面状ファスナーやボタン、ジッパーといった既存のものを用いることができる。図1の例では、止め具5として装着具4の上下方向に長いものを用いる場合を一例としているが、図2(a)〜(c)のように、止め具5を装着具4の巻き付け方向(横方向)に長いものとする、或いは被覆部材4の巻き付け方向に間隔をあけて複数設けることによって、ウエストサイズを図2(b)のように広くしたり、図2(c)のように狭くしたりできる(調整できる)ようにしてもよい。このようにすることで、ウエストサイズが異なる人同士で共有することもできるし、下半身用のものを首元に巻いて全身用として使用することもできる。
被覆部材4は二以上の部材で構成することもできる。一例として図3(a)(b)に示す被覆部材4は、本体部4xと本体部4xに着脱可能な着脱部4yを備えたものである。本体部4xの下端側と着脱部4yの上端側には、両者を固定するための止め具8が設けてあり、この止め具8を止めることで着脱部4yを本体部4xに取りつけることができ、止め具8を外すことで着脱部4yを本体部4xから取り外すことができる。着脱式の着脱部4yを設けた場合、椅子から立ち上がって歩くときに、ホース3を外し、着脱部4y付近を捲り上げるだけで行動的に歩くことができる。床に接触して汚れやすい部分を着脱式とすることで、その部分だけを取り外して洗濯をすることができる。
図3(a)(b)に示す例では、椅子に座ったときに本体部4xでウエスト部分から膝下あたりまでの領域を被覆でき、着脱部4yで膝下から足先下10cm〜20cm程度を被覆できるようにしてある。本体部4xで被覆する領域と着脱部4yで被覆する領域はこれ以外であってもよい。
図3(a)(b)の例では、止め具8を着脱部4yの上端側のみに設けているが、止め具8は着脱部4yの下端側にも設けることができる。止め具8を着脱部4yの上端側と下端側の双方に設けることで、二以上の着脱部4yを連結することもできる。なお、着脱部4yは長さの異なるものを数種類用意しておくこともできる。
図1に示す被覆部材4と同様、本体部4xと着脱部4yは、外材4aと内材4bを備えた二層のものとすることも、一層或いは三層以上のものとすることもできる。また、本体部4xと着脱部4yには、ホース3のコネクタ7を連結するための連結具6を個別に設けることもできるが、いずれか一方にのみ(例えば、本体部4x側にのみ)設けることもできる。
図1及び図3(a)(b)に示す装着具2はシート状のものであるが、予め筒状に縫製されたスカート型、図4(c)に示すようなズボン型、或いは足裏側までが完全に被覆される袋型(図示しない)、首下から足元までの全体(頭部と顔以外の全体)を被覆し、かつ腕の出し入れを可能としたつなぎ型、腕を被覆するアーム被覆型、手や指を被覆する手袋型など、用途に応じた様々な構造にすることもできる。場合によっては、アーム被覆型と手袋型のように、これらの二以上を組み合わせた構造にすることもできる。装着具2を袋状にする場合やつなぎ型にする場合などは、身体に装着しやすいように大きめの開口部(図示しない)を設けるのが好ましい。
図1及び図3(a)(b)に示すホース3は可撓性を有するものであり、一端は温風発生器Aの温風出口Bから温風を取り入れる温風取り入れ口9が、他端には装着具2の連結具6に連結するコネクタ7が設けられている。温風発生器A側の端部は、温風発生器Aに直結することも、温風発生器Aの温風出口Bに臨むように温風出口Bの近傍に配置することができる。ホースは耐熱性を有する材質のものを用いるのが好ましい。場合によっては、温風発生器Aに接近する或いは接触する温風取り入れ口9の周縁には、耐熱性を有する周縁被覆部材(図示しない)を設けることもできる。ホース3の温風取り入れ口9側には、当該温風取り入れ口9を温風発生器Aの温風出口Bに臨ませた状態を保持するための固定具(図示しない)を設けることができる。固定具には、例えばバネやリング状のゴム紐、ゴム紐の先端に係止フックを設けたものなどを用いることができる。
(その他の実施形態)
前記実施形態では、装着具2を身体の所望個所に装着する場合を一例として説明しているが、装着具2は椅子に固定しておくこともできる。特に、袋状の装着具2の場合には、椅子に固定して使用するのが適する。
前記実施形態では、既存の温風発生器Aを用いる場合を一例として説明しているが、温風発生器Aは、本発明の加温システム専用のものを用いることもできる。この場合、温風発生器Aは、電源を手動操作でOFFにする手動式のものとすることも、設定温度に達した場合など、所定条件に達したときに自動的にOFFになる自動式のものとすることもできる。
本発明の加温システムは、立仕事をする場合などにも利用できるが、デスクで仕事や勉強をするとき、食事のとき、車を運転するときなど、近くに温風発生器Aがあり、且つ、着座状態が続くようなときに、特に好適に用いることができる。
1 加温システム
2 装着具
3 ホース
4 被覆部材
4a 外材
4b 内材
4x 本体部
4y 着脱部
5 止め具
6 連結具
7 コネクタ
8 止め具
9 温風取り入れ口
A 温風発生器
B (温風発生器の)温風出口

Claims (6)

  1. 温風発生器から送出される温風を利用する加温システムであって、
    身体の所望位置に装着可能な装着具と、前記温風発生器から送出される温風が通過するホースを備え、
    前記ホースは、一端側が前記装着具の内側に連通するとともに、他端側が前記温風発生器に直結されているか若しくは温風出口近傍に配置され、
    前記温風発生器側の端部からホース内に取り込まれた温風が前記装着具の内側に供給されることによって、当該装着具の内側を温めることができる、
    ことを特徴とする加温システム。
  2. 請求項1記載の加温システムにおいて、
    装着具は、少なくとも外材と当該外材の内側に設けられた内材を備え、
    前記外材は、装着具内の温風が装着具外に出るのを遮断可能なものであり、
    前記内材は、装着具内に送り込まれた温風を分散可能なメッシュを備えたものである、
    ことを特徴とする加温システム。
  3. 請求項1又は請求項2記載の加温システムにおいて、
    装着具は、少なくとも、装着した利用者が着座具に座ったときに、当該装着具の裾側が当該着座具の設置面に触れる長さである、
    ことを特徴とする加温システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の加温システムにおいて、
    装着具が着脱可能な二以上の被覆部材で構成された、
    ことを特徴とする加温システム。
  5. 請求項4記載の加温システムにおいて、
    着脱可能な二以上の被覆部材のうち一又は二以上の被覆部材にホースが着脱可能に連結された、
    ことを特徴とする加温システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の加温システムにおいて、
    装着具に連結具が設けられ、
    ホースの一端にコネクタが設けられ、
    前記コネクタは前記連結具に着脱可能である、
    ことを特徴とする加温システム。
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