JP2017141191A - 液晶化合物の製造方法及びその化合物 - Google Patents

液晶化合物の製造方法及びその化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017141191A
JP2017141191A JP2016023695A JP2016023695A JP2017141191A JP 2017141191 A JP2017141191 A JP 2017141191A JP 2016023695 A JP2016023695 A JP 2016023695A JP 2016023695 A JP2016023695 A JP 2016023695A JP 2017141191 A JP2017141191 A JP 2017141191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
present
compound represented
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016023695A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6728738B2 (ja
Inventor
健太 東條
Kenta Tojo
健太 東條
楠本 哲生
Tetsuo Kusumoto
哲生 楠本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2016023695A priority Critical patent/JP6728738B2/ja
Publication of JP2017141191A publication Critical patent/JP2017141191A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6728738B2 publication Critical patent/JP6728738B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】低い回転粘数係数(γ1)、高い透明点(T−i)、及び他の液晶化合物との高い混和性を併せ持つ化合物、その製造方法、当該化合物を構成部材とする液晶組成物及び液晶表示素子の提供。【解決手段】式(A)でで表される化合物。(Ra1及びRa2は夫々独立にC1−15のアルキル又はC2−15のアルケニル;Aa1及びAa2は夫々独立に1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン基等;Za1及びZa2は夫々独立に−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−等、na及びmaは夫々独立に0〜2の整数、na+maは1〜3の整数)【選択図】図1

Description

本発明は有機電子材料や医農薬、特に液晶表示素子用材料として有用なビシクロ[2.2.2]オクタン環を有する化合物の製造方法、本化合物及びそれらを用いた液晶組成物に関する。
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ、時計、広告表示板等に用いられている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(ツイステッド・ネマチック)型、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型、TFT(薄膜トランジスタ)を用いた垂直配向型やIPS(イン・プレーン・スイッチング)型等の駆動方式がある。これらの液晶表示素子に用いられる液晶組成物は水分、空気、熱、光などの外的要因に対して安定であること、また、室温を中心としてできるだけ広い温度範囲で液晶相(ネマチック相、スメクチック相及びブルー相等)を示し、低粘性であり、かつ駆動電圧が低いことが求められる。更に液晶組成物は個々の表示素子にあわせて誘電率異方性(Δε)及び屈折率異方性(Δn)等を最適な値とするために、数種類から数十種類の化合物を選択し、構成されている。
液晶組成物を表示素子等として使用する際には、広い温度範囲において安定なネマチック相を示すことが求められる。広い温度範囲にてネマチック相を維持するためには、液晶組成物を構成する個々の成分が他の成分との高い混和性を持つこと、及び高い透明点(Tni)を持つ事が求められる。また、良好な表示画質を示すためには、液晶組成物を構成する各化合物がくい回転粘性係数(γ1)を示すことが求められる。しかしながら、一般的に高いTniを示す化合物はγが高いため、γの上昇を抑えながら高いTniを示す化合物の開発が求められている。
これまで、シクロヘキサン環を有する下記に示すような化合物が報告されているが、比較的低いγを示すもののTniが低いという課題があった(特許文献1)。
Figure 2017141191
また、ビシクロ[2.2.2]オクタン環を有する化合物は、濃硫酸溶媒中アルキルベンゼン類の芳香環を直接アルキル化することにより製造する事が可能であるが、置換位置異性体及び二置換体等の他置換体が副生するため、精製が困難となる傾向がある。従って、より効率的に製造する方法が求められている。
Figure 2017141191
米国特許第5279764号明細書
本発明が解決しようとする課題は、高いTni、低いγ及び他の液晶化合物との高い混和性を併せ持つ化合物及び効率的な製造方法を提供し、併せて当該化合物を構成部材とする液晶組成物及び液晶表示素子を提供することである。
前記課題を解決するため、本願発明者らは種々の化合物の検討を行った結果、ビシクロオクタン環を有する特定の化合物が効果的に課題を解決できることを見出した。また該化合物の効率的な製造方法についても検討し、本願発明の完成に至った。
本願発明は、一般式(A)
Figure 2017141191
(式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立して炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良く、
a1及びAa2はそれぞれ独立して
(a)1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられても良い。)
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い。)
(c)1,4−シクロヘキセニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、また、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い。)
からなる群より選ばれる基であり、
a1及びZa2はそれぞれ独立して、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し、
na及びmaはそれぞれ独立しては0、1又は2を表し、na+maは1、2又は3を表すが、naが2であってAa1及びZa1が複数存在する場合、Aa1及びZa1は同一であっても異なっていても良く、maが2であってAa2及びZa2が複数存在する場合、Aa2及びZa2は同一であっても異なっていても良い。)
で表される化合物、及び一般式(B2)
Figure 2017141191
(式中、Rb1は炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良く、
b1
(a)1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられても良い。)
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い。)
(c)1,4−シクロヘキセニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、また、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い。)
からなる群より選ばれる基であり、
b1は、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し、
nbは0、1又は2を表すが、nbが2であってAb1及びZb1が複数存在する場合、Ab1及びZb1は同一であっても異なっていても良い。
)で表される化合物と、一般式(B3)
Figure 2017141191
(式中、Xb1及びXb2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Xb5は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い、を表す。)で表される化合物を反応させて一般式(B4)
Figure 2017141191
(式中、Rb1、Ab1、Zb1及びnbは、一般式(B2)中のRb1、Ab1、Zb1及びnbと同じ意味を表し、Xb1、Xb2及びXb5は一般式(B3)中のXb1、Xb2及びXb5と同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する工程、
及び一般式(B4)で表される化合物を用いて一般式(B1)
Figure 2017141191
(式中、Rb1、Ab1、Zb1及びnbは、一般式(B2)中のRb1、Ab1、Zb1及びnbと同じ意味を表し、Xb1及びXb2は一般式(B3)中のXb1及びXb2と同じ意味を表し、
b3及びXb4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、
b2は炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良く、
mbは0、1又は2を表すが、mbが2であってXb3及びXb4が複数存在する場合、Xb3及びXb4は同一であっても異なっていても良く、nb+mbは0、1又は2を表す。)
で表される化合物を製造する工程を有する製造方法を提供し、併せて当該化合物を含有する液晶組成物及び当該液晶組成物を用いた液晶表示素子を提供する。
本発明により提供される、一般式(A)で表される化合物は、高いTni、低いγ及び液晶組成物への高い混和性を示し、さらに化学的に高い安定性を併せ持つ。従って、一般式(A)で表される化合物を液晶組成物の成分として用いる事により、低粘度な液晶組成物を得ることができる。このため、高速応答が求められる液晶表示素子用の液晶組成物の構成成分として非常に有用である。加えて、一般式(A)に包含される一般式(B4)及び一般式(B1)で表される化合物を効率的に製造する事が可能である。
本発明の液晶表示素子の断面図である。100〜105を備えた基板を「バックプレーン」、200〜205を備えた基板を「フロントプレーン」と称している。 フォトマスクパターンとしてブラックマトリックス上に形成する柱状スペーサ作成用パターンを使用した露光処理工程の図である。
一般式(A)において、Ra1及びRa2はγを低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。他の液晶成分との混和性を上昇させるためには、R及びRが異なることが好ましい。R及びR中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されていても良いが、フッ素原子に置換されていないことが好ましい。
a1及びAa2は各々独立して、γを低下させる為にはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、無置換の1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが更に好ましい。他の液晶成分との混和性を向上させる為には、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましい。Tniを上昇させる為には、無置換の1,4−フェニレン基、無置換の1,4−シクロヘキセニレン基又は無置換のナフタレン−2,6−ジイル基であることが好ましい。液晶表示素子とした際の長期信頼性を向上させるには窒素原子を含有しないことが好ましい。負のΔεを示すためには、Aa1及びAa2のうち少なくとも一つ以上が2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましく、高いTniを示すためには一般式(A)中の2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基が一つであることが好ましい。
a1及びZa2はそれぞれ独立して、γを低下させる為には単結合、−CHCH−、−CHO−又は−OCH−であることが好ましく、単結合又は−CHCH−であることが更に好ましい。Tniを上昇させるためには、単結合、−COO−,−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−であることが好ましく、単結合、−CH=CH−又は−C≡C−であることが更に好ましい。他の液晶成分との混和性を向上させる為には、単結合、−CHCH−、−CHO−又は−OCH−であることが好ましい。液晶表示素子とした際の長期信頼性を向上させるには単結合であることが好ましい。
naは粘度を重視する場合には0又は1であることが好ましく、Tniを重視する場合には1又は2であることが好ましい。他の液晶成分との混和性を高くする為には、0又は1であることが好ましい。
maは粘度を重視する場合には1であることが好ましく、Tniを重視する場合には1又は2であることが好ましく、他の液晶成分との混和性を高くするためには1であることが好ましい。
na+maについては、γを重視する場合には1であることが好ましく、Tniを重視する場合には2であることが好ましく、他の液晶成分との混和性を高くするためには1であることが好ましい。
なお、一般式(A)で表される化合物において、ヘテロ原子同士が直接結合する構造となることはない。
一般式(A)で表される化合物は、一般式(A1)であることが好ましい。
Figure 2017141191
(式中、Ra1、Aa1、Za1及びRa2は一般式(A)中のRa1、Aa1、Za1及びRa2と同じ意味を表し、
a1、Xa2、Xa3及びXa4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、
na1及びma1はそれぞれ独立して0、1又は2を表すが、na1が2であってAa1及びZa1が複数存在する場合、Aa1及びZa1は同一であっても異なっていても良く、ma1が2であってXa3及びXa4が複数存在する場合、Xa3及びXa4は同一であっても異なっていても良く、na1+ma1は0、1又は2を表す。)
一般式(A1)が負のΔεを示すためには、Xa1及びXa2の両方がフッ素原子を表すか、あるいは、Xa3及びXa4の両方がフッ素原子を表すことが好ましく、Xa1及びXa2、又はXa3及びXa4の両方がフッ素原子を表す組み合わせは、一般式(A1)中一つであることが好ましい。
na1は粘度を重視する場合には0又は1であることが好ましく、Tniを重視する場合には1又は2であることが好ましい。他の液晶成分との混和性を高くする為には、0又は1であることが好ましい。
ma1は粘度を重視する場合には0であることが好ましく、Tniを重視する場合には0又は1であることが好ましく、他の液晶成分との混和性を高くするためには0であることが好ましい。
na1+ma1については、γを重視する場合には0であることが好ましく、Tniを重視する場合には1であることが好ましく、他の液晶成分との混和性を高くするためには0であることが好ましい。
好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(A)の中では以下の一般式(A−1)〜一般式(A−8)で表される各化合物が好ましい。
Figure 2017141191
(式中、Ra1、Ra2、Aa1、Aa2及びZa1はそれぞれ独立して一般式(A)におけるRa1、Ra2、Aa1、Aa2及びZa1と同じ意味を表し、Xa1、Xa2、Xa3及びXa4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、ma2は0又は1を表す。)
一般式(A−1)で表される化合物の中では、一般式(A−1−1)〜一般式(A−1−2)で表される化合物が更に好ましい。
Figure 2017141191
(式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立して一般式(A)におけるRa1及びRa2と同じ意味を表す。)
一般式(A−2)で表される化合物の中では、一般式(A−2−1)〜一般式(A−2−7)で表される化合物が更に好ましい。
Figure 2017141191
(式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立して一般式(A)におけるRa1及びRa2と同じ意味を表す。)
一般式(A−7)で表される化合物の中では、一般式(A−7−1)〜一般式(A−7−9)で表される化合物が更に好ましい。
Figure 2017141191
(式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立して一般式(A)におけるRa1及びRa2と同じ意味を表す。) 本発明において、一般式(A)で表される化合物は、以下のようにして製造することができる。以下、一例として一般式(B1)で表される化合物の製造方法を示すが、勿論本発明の趣旨及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。 一般式(B1)で表される化合物の製造方法において、一般式(B2)と一般式(B3)で表される化合物を反応させる際には、酸性条件下行うことが好ましく、使用する酸は濃硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましく、濃硫酸であることが更に好ましい。反応の際には、塩素系溶媒を用いる事もできるが、溶媒を添加せずに反応を行うことが特に好ましい。ビシクロ[2.2.2]オクタン環を有する部位を二つ有する副生成物の生成を抑制するためには、反応温度は30℃以下であることが好ましく、0℃以下であることが更に好ましく、-10℃以下であることが特に好ましい。
一般式(B1)で表される化合物のうち、mbが0、Rb2がメチル基を表す化合物を製造する際には、Xb5が塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す一般式(B4)で表される化合物に、アルキルリチウム試薬を用いてフェニルリチウム類を調製した後、N,N−ジメチルホルムアミドと反応させ、生成したイミニウム塩類を酸により加水分解する事で一般式(B5)
Figure 2017141191
(式中、Rb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbは、一般式(B4)で表されるRb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbと同じ意味を表す。)で表される中間体を得たのち、一般式(B5)で表される化合物をウォルフ・キッシュナー還元する事で目的とする一般式(B6)
Figure 2017141191
(式中、Rb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbは、一般式(B4)で表されるRb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbと同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する事が出来る。
一般式(B5)で表される化合物を製造する際には、原料である一般式(B4)で表される化合物のXb5は臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることが更に好ましい。使用するアルキルリチウム類はn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム又はメチルリチウムであることが好ましいが、n−ブチルリチウム又はsec−ブチルリチウムであることが更に好ましい。イミニウム塩類を加水分解する際に使用する酸としては、希塩酸、希硫酸であることが好ましい。一般式(B6)で表される化合物をウォルフ・キッシュナー還元により製造する際には、使用するヒドラジン類はヒドラジン一水和物であることが好ましく、生成したヒドラゾン類を分解する際に使用する塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく、水酸化カリウムであることが更に好ましい。反応温度としては、ヒドラゾンを生成させる工程は、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることが更に好ましく、ヒドラゾンを分解する工程では、130℃以上であることが好ましく、145℃以上であることが更に好ましい。
一般式(B1)で表される化合物のうち、mbが0、Rb2が炭素原子数2から15のアルキル基を表す化合物を製造する際には、Xb5が塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す一般式(B5)で表される化合物に、一般式(B7)
Figure 2017141191
(式中、Rb3は水素原子又は炭素原子数1から13のアルキル基を表し、Yは塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンを表す。)で表される化合物から調製されるリンイリド類を反応させる事で、一般式(B8)
Figure 2017141191
(式中、Rb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbは、一般式(B5)中のRb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbと同じ意味を表し、Rb3は一般式(B7)中のRb3と同じ意味を表す。)で表される化合物を得た後、該一般式(B8)で表される化合物を遷移金属触媒を用いて接触水素還元反応する事で、目的とする一般式(B9)
Figure 2017141191
(式中、Rb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbは、一般式(B5)で表されるRb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbと同じ意味を表し、Rb3は一般式(B7)で表されるRb3と同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する事が出来る。
一般式(B7)で表される化合物からリンイリド類を調製する際には、塩基としてカリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ナトリウムアミド、カリウムアミド又はリチウムジイソプロピルアミドを用いる事が好ましく、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドが更に好ましい。一般式(B8)で表される化合物を接触水素還元反応させる際に使用する遷移金属触媒としては、パラジウム担持触媒、スポンジ状ニッケル、ニッケル担持触媒、ルテニウム担持触媒が好ましく、パラジウム炭素、スポンジ状ニッケルが更に好ましい。
一般式(B1)で表される化合物のうち、mbが1又は2を表す化合物を製造する際には、Xb5が塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す一般式(B4)で表される化合物を、遷移金属触媒存在下塩基性条件にて一般式(B10)
Figure 2017141191
(式中、Xb3、Xb4及びRb2は一般式(B1)で表されるXb3、Xb4及びRb2と同じ意味を表し、Wは
Figure 2017141191
(式中、Rb4及びRb5はそれぞれ独立して水素原子又は直鎖若しくは分岐していても良い炭素数1から5のアルキル基を表し、
Eは基中に存在する一つ以上の水素原子が各々独立してメチル基に置換されていても良い−(CH−を表し、
pは2、3又は4を表し、
mb1は1又は2を表す。)で表される化合物を反応させる事で、目的とする一般式(B1)で表される化合物を製造する事が出来る。
使用する遷移金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)であることが更に好ましい。 本発明の液晶組成物において一般式(A)で表される化合物の含有量が少ないとその効果が現れないため、組成物中に下限値として、1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、2%以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが更に好ましい。又、含有量が多いと析出等の問題を引き起こすため、上限値としては、70%以下含有することが好ましく、60%以下含有することがより好ましく、50%以下含有することが更に好ましく、40%以下含有することが特に好ましい。一般式(A)で表される化合物は1種のみで使用することもできるが、2種以上の化合物を同時に使用してもよい。
液晶組成物の物性値を調整するために一般式(A)で表される化合物以外の化合物を使用してもよく、液晶相を持つ化合物以外にも必要に応じて液晶相を持たない化合物を添加することもできる。
このように、一般式(A)で表される化合物と混合して使用することのできる化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第一成分として一般式(A)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第二から第四成分から少なくとも1種含有することが好ましい。
即ち、第二成分は誘電率異方性が正のいわゆるp型液晶化合物であって、以下の一般式(LC1)及び一般式(LC2)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2017141191
(式中、RLC11及びRLC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、ALC11、及びALC21はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
Figure 2017141191
(該構造中、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、−CF又は−OCFで置換されていてもよい。)を表し、XLC11、XLC12、XLC21〜XLC23はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF又は−OCFを表し、YLC11及びYLC21はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、−CF、−OCHF、−OCHF又は−OCFを表し、ZLC11及びZLC21はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表し、mLC11及びmLC21はそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、ALC11、ALC21、ZLC11及びZLC21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
LC11及びRLC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましく、直鎖状であることが更に好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましい。
Figure 2017141191
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC11及びALC21はそれぞれ独立して下記の構造が好ましい。
Figure 2017141191
LC11及びYLC21はそれぞれ独立してフッ素原子、シアノ基、−CF又は−OCFが好ましく、フッ素原子又は−OCFが好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
LC11及びZLC21は単結合、−CHCH−、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−が好ましく、単結合、−CHCH−、−OCH−、−OCF−又は−CFO−が好ましく、単結合、−OCH−又は−CFO−がより好ましい。
LC11及びmLC21は1、2又は3が好ましく、低温での保存安定性、応答速度を重視する場合には1又は2が好ましく、ネマチック相上限温度の上限値を改善するには2又は3が好ましい。
一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−a)から一般式(LC1−c)
Figure 2017141191
(式中、RLC11、YLC11、XLC11及びXLC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるRLC11、YLC11、XLC11及びXLC12と同じ意味を表し、ALC1a1、ALC1a2及びALC1b1は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、XLC1b1、XLC1b2、XLC1c1〜XLC1c4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF又は−OCFを表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
LC11〜XLC1c4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましい。
LC11はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF又は−OCFが好ましい。
また、一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−d)から一般式(LC1−m)
Figure 2017141191
(式中、RLC11、YLC11、XLC11及びXLC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるRLC11、YLC11、XLC11及びXLC12と同じ意味を表し、ALC1d1、ALC1f1、ALC1g1、ALC1j1、ALC1k1、ALC1k2、ALC1m1〜ALC1m3は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、XLC1d1、XLC1d2、XLC1f1、XLC1f2、XLC1g1、XLC1g2、XLC1h1、XLC1h2、XLC1i1、XLC1i2、XLC1j1〜XLC1j4、XLC1k1、XLC1k2、XLC1m1及びXLC1m2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF又は−OCFを表し、ZLC1d1、ZLC1e1、ZLC1j1、ZLC1k1、ZLC1m1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
LC11〜XLC1m2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましい。
LC11はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF又は−OCFが好ましい。
LC1d1〜ZLC1m1はそれぞれ独立して−CFO−、−OCH−が好ましい。
一般式(LC2)は、下記一般式(LC2−a)から一般式(LC2−g)
Figure 2017141191
(式中、RLC21、YLC21、XLC21〜XLC23はそれぞれ独立して前記一般式(LC2)におけるRLC21、YLC21、XLC21〜XLC23と同じ意味を表し、XLC2d1〜XLC2d4、XLC2e1〜XLC2e4、XLC2f1〜XLC2f4及びXLC2g1〜XLC2g4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF又は−OCFを表し、ZLC2a1、ZLC2b1、ZLC2c1、ZLC2d1、ZLC2e1、ZLC2f1及びZLC2g1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
LC21〜XLC2g4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましく、
LC21はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF又は−OCFが好ましい。
LC2a1〜ZLC2g4はそれぞれ独立して−CFO−、−OCH−が好ましい。
第三成分は誘電率異方性が負のいわゆるn型液晶化合物であって、以下の一般式(LC3)〜一般式(LC5)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2017141191
(式中、RLC31、RLC32、RLC41、RLC42、RLC51及びRLC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、ALC31、ALC32、ALC41、ALC42、ALC51及びALC52はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
Figure 2017141191
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、−CF又は−OCFで置換されていてもよい。)のいずれかを表し、ZLC31、ZLC32、ZLC41、ZLC42、ZLC51及びZLC51はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、Zは−CH−又は酸素原子を表し、XLC41は水素原子又はフッ素原子を表し、mLC31、mLC32、mLC41、mLC42、mLC51及びmLC52はそれぞれ独立して0〜3を表し、mLC31+mLC32、mLC41+mLC42及びmLC51+mLC52は1、2又は3であり、ALC31〜ALC52、ZLC31〜ZLC52が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
LC31〜RLC52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
Figure 2017141191
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC31〜ALC52はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
Figure 2017141191
LC31〜ZLC51はそれぞれ独立して単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CFO−、−OCF−又は−OCH−が好ましい。
一般式(LC3)は、下記一般式(LC3−a)及び一般式(LC3−b)
Figure 2017141191
(式中、RLC31、RLC32、ALC31及びZLC31はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31、RLC32、ALC31及びZLC31と同じ意味を表し、XLC3b1〜XLC3b6は水素原子又はフッ素原子を表すが、XLC3b1及びXLC3b2又はXLC3b3及びXLC3b4のうちの少なくとも一方の組み合わせは共にフッ素原子を表し、mLC3a1は1、2又は3であり、mLC3b1は0又は1を表し、ALC31及びZLC31が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。ただし、一般式(LC3−a)において一般式(LC3−b)で表される群より選ばれる化合物を除く。)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC31及びRLC32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
LC31は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すことが好ましく、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すことがより好ましい。
LC31は単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CHCH−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
一般式(LC3−a)としては、下記一般式(LC3−a1)〜一般式(LC3−a4)を表すことが好ましい。
Figure 2017141191
(式中、RLC31及びRLC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31及びRLC32と同じ意味を表す。)
LC31及びRLC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、RLC31が炭素原子数1〜7のアルキル基を表し、RLC32が炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
一般式(LC3−b)としては、下記一般式(LC3−b1)〜一般式(LC3−b12)を表すことが好ましく、一般式(LC3−b1)、一般式(LC3−b6)、一般式(LC3−b8)、一般式(LC3−b11)を表すことがより好ましく、一般式(LC3−b1)及び一般式(LC3−b6)を表すことがさらに好ましく、一般式(LC3−b1)を表すことが最も好ましい。
Figure 2017141191
(式中、RLC31及びRLC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31及びRLC32と同じ意味を表す。)
LC31及びRLC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、RLC31が炭素原子数2又は3のアルキル基を表し、RLC32が炭素原子数2のアルキル基を表すことがより好ましい。
一般式(LC4)は下記一般式(LC4−a)から一般式(LC4−c)、一般式(LC5)は下記一般式(LC5−a)から一般式(LC5−c)
Figure 2017141191
(式中、RLC41、RLC42及びXLC41はそれぞれ独立して前記一般式(LC4)におけるRLC41、RLC42及びXLC41と同じ意味を表し、RLC51及びRLC52はそれぞれ独立して前記一般式(LC5)におけるRLC51及びRLC52と同じ意味を表し、ZLC4a1、ZLC4b1、ZLC4c1、ZLC5a1、ZLC5b1及びZLC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
LC41、RLC42、RLC51及びRLC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
LC4a1〜ZLC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CHCH−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
第四成分は誘電率異方性が0程度である、いわゆる非極性液晶化合物であり、以下の一般式(LC6)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2017141191
(式中、RLC61及びRLC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、ALC61〜ALC63はそれぞれ独立して下記
Figure 2017141191
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CHCH−は−CH=CH−、−CFO−、−OCF−で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、ZLC61及びZLC62はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、miii1は0〜3を表す。ただし、一般式(LC1)〜一般式(LC6)で表される化合物、及び一般式(1)を除く。)
LC61及びRLC62は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
Figure 2017141191
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC61〜ALC63はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
Figure 2017141191
LC61及びZLC62はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−が好ましい。
一般式(LC6)は、一般式(LC6−a)から一般式(LC6−m)
Figure 2017141191
(式中、RLC61及びRLC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
本発明の化合物を含有する液晶組成物を用いた液晶表示素子は、高速応答と表示不良の抑制を両立させた有用なものであり、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VAモード、PSVAモード、PSAモード、IPSモード、FFSモード又はECBモード用等の種々のモードの液晶表示素子に適用できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る液晶表示装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、互いに対向する二つの基板と、前記基板間に設けられたシール材と、前記シール材に囲まれた封止領域に封入された液晶とを備えている液晶表示素子を示す断面図である。
具体的には、基板a100上に、TFT層102、画素電極103を設け、その上からパッシベーション膜104及び配向膜a105を設けたバックプレーンと、基板b200上に、ブラックマトリックス202、カラーフィルタ203、平坦化膜(オーバーコート層)201、透明電極204を設け、その上から配向膜b205を設け、前記バックプレーンと対向させたフロントプレーンと、前記基板間に設けられたシール材301と、前記シール材に囲まれた封止領域に封入された液晶層303とを備え、前記シール材301が接する基板面には突起304が設けられている液晶表示素子の具体的態様を示している。
前記基板a又は前記基板bは、実質的に透明であれば材質に特に限定はなく、ガラス、セラミックス、プラスチック等を使用することができる。プラスチック基板としてはセルロ−ス、トリアセチルセルロ−ス、ジアセチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリシクロオレフィン誘導体、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ−ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、更にガラス繊維−エポキシ樹脂、ガラス繊維−アクリル樹脂などの無機−有機複合材料などを用いることができる。
なおプラスチック基板を使用する際には、バリア膜を設けることが好ましい。バリア膜の機能は、プラスチック基板が有する透湿性を低下させ、液晶表示素子の電気特性の信頼性を向上することにある。バリア膜としては、それぞれ、透明性が高く水蒸気透過性が小さいものであれば特に限定されず、一般的には酸化ケイ素などの無機材料を用いて蒸着やスパッタリング、ケミカルベーパーデポジション法(CVD法)によって形成した薄膜を使用する。
本発明においては、前記基板a又は前記基板bとして同素材を使用しても異素材を使用してもよく特に限定はない。ガラス基板を用いれば耐熱性や寸法安定性の優れた液晶表示素子を作製することができて好ましい。またプラスチック基板であれば、ロールツウロール法による製造方法に適し且つ軽量化あるいはフレキシブル化に適しており好ましい。また、平坦性及び耐熱性付与を目的とするならば、プラスチック基板とガラス基板とを組み合わせると良い結果を得ることができる。
バックプレーンには、基板a100上に、TFT層102及び画素電極103を設けている。これらは通常のアレイ工程にて製造される。この上にパッシベーション膜104及び配向膜a105を設けてバックプレーンが得られる。
パッシベーション膜104(無機保護膜ともいう)はTFT層を保護するための膜で、通常は窒化膜(SiNx)、酸化膜(SiOx)等を化学的気相成長(CVD)技術等により形成する。
また、配向膜a105は、液晶を配向させる機能を有する膜であり、通常ポリイミドのような高分子材料が用いられることが多い。塗布液には、高分子材料と溶剤からなる配向剤溶液が使われる。配向膜はシール材との接着力を阻害する可能性があるため、封止領域内にパターン塗布する。塗布にはフレキソ印刷法のような印刷法、インクジェットのような液滴吐出法が用いられる。塗布された配向剤溶液は仮乾燥により溶剤が蒸発した後、ベーキングにより架橋硬化される。この後、配向機能を出すために、配向処理を行う。
配向処理は通常ラビング法にて行われる。前述のように形成された高分子膜上を、レーヨンのような繊維から成るラビング布を用いて一方向にこすることにより液晶配向能が生じる。
また、光配向法を用いることもある。光配向法は、光感受性を有する有機材料を含む配向膜上に偏光を照射することにより配向能を発生させる方法であり、ラビング法による基板の傷や埃の発生が生じない。光配向法における有機材料の例としては二色性染料を含有する材料がある。二色性染料としては、光二色性に起因するワイゲルト効果による分子の配向誘起もしくは異性化反応(例:アゾベンゼン基)、二量化反応(例:シンナモイル基)、光架橋反応(例:ベンゾフェノン基)、あるいは光分解反応(例:ポリイミド基)のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じる基(以下、光配向性基と略す)を有するものを用いることができる。塗布された配向剤溶液は仮乾燥により溶剤が蒸発した後、任意の偏向を有する光(偏光)を照射することで、任意の方向に配向能を有する配向膜を得ることができる。
一方のフロントプレーンは、基板b200上に、ブラックマトリックス202、カラーフィルタ203、平坦化膜201、透明電極204、配向膜b205を設けている。
ブラックマトリックス202は、例えば、顔料分散法にて作製する。具体的にはバリア膜201を設けた基板b200上に、ブラックマトリックス形成用に黒色の着色剤を均一分散させたカラーレジン液を塗布し、着色層を形成する。続いて、着色層をベーキングして硬化する。この上にフォトレジストを塗布し、これをプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に、現像を行って着色層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、着色層をベーキングしてブラックマトリックス202が完成する。
あるいは、フォトレジスト型の顔料分散液を使用してもよい。この場合は、フォトレジスト型の顔料分散液を塗布し、プリベークしたのち、マスクパターンを通して露光した後に、現像を行って着色層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、着色層をベーキングしてブラックマトリックス202が完成する。
カラーフィルタ203は、顔料分散法、電着法、印刷法あるいは染色法等にて作成する。顔料分散法を例にとると、(例えば赤色の)顔料を均一分散させたカラーレジン液を基板b200上に塗布し、ベーキング硬化後、該上にフォトレジストを塗布しプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に現像を行い、パターニングする。この後フォトレジスト層を剥離し、再度ベーキングすることで、(赤色の)カラーフィルタ203が完成する。作成する色順序に特に限定はない。同様にして、緑カラーフィルタ203、青カラーフィルタ203を形成する。
透明電極204は、前記カラーフィルタ203上に(必要に応じて前記カラーフィルタ203上に表面平坦化のためにオーバーコート層(201)を設けてもよい。)設ける。透明電極204は透過率が高い方が好ましく、電気抵抗が小さいほうが好ましい。透明電極204はITOなどの酸化膜をスパッタリング法などによって形成する。
また、前記透明電極204を保護する目的で、透明電極204の上にパッシベーション膜を設ける場合もある。
配向膜b205は、前述の配向膜a105と同じものである。
以上本発明で使用する前記バックプレーン及び前記フロントプレーンについての具体的態様を述べたが、本願においては該具体的態様に限定されることはなく、所望される液晶表示素子に応じた態様の変更は自由である。
前記柱状スペーサーの形状は特に限定されず、その水平断面を円形、四角形などの多角形など様々な形状にすることができるが、工程時のミスアラインマージンを考慮して、水平断面を円形または正多角形にすることが特に好ましい。また該突起形状は、円錐台または角錐台であることが好ましい。
前記柱状スペーサーの材質は、シール材もしくはシール材に使用する有機溶剤、あるいは液晶に溶解しない材質であれば特に限定されないが、加工及び軽量化の面から合成樹脂(硬化性樹脂)であることが好ましい。一方、前記突起は、フォトリソグラフィによる方法や液滴吐出法により、第一の基板上のシール材が接する面に設けることが可能である。このような理由から、フォトリソグラフィによる方法や液滴吐出法に適した、光硬化性樹脂を使用することが好ましい。
例として、前面柱状スペーサーをフォトリソグラフィ法によって得る場合について説明する。
前記フロントプレーンの透明電極204上に、柱状スペーサー形成用の(着色剤を含まない)レジン液を塗布する。続いて、このレジン層をベーキングして硬化する。この上にフォトレジストを塗布し、これをプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に、現像を行ってレジン層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、レジン層をベーキングして柱状スペーサーが完成する。
柱状スペーサーの形成位置はマスクパターンによって所望の位置に決めることができる。従って、液晶表示素子の封止領域内と封止領域外(シール材塗布部分)との両方を同時に作成することができる。また柱状スペーサーは封止領域の品質が低下することがないように、ブラックマトリックスの上に位置するように形成させることが好ましい。このようにフォトリソグラフィ法によって作製された柱状スペーサーのことを、カラムスペーサ又はフォトスペーサと呼ぶことがある。
前記スペーサーの材質は、PVA−スチルバゾ感光性樹脂などのネガ型水溶性樹脂や多官能アクリル系モノマー、アクリル酸共重合体、トリアゾール系開始剤などの混合物が使用される。あるいはポリイミド樹脂に着色剤を分散させたカラーレジンを使う方法もある。本発明においては特に限定はなく、使用する液晶やシール材との相性に従い公知の材質でスペーサーを得ることができる。
このようにして、フロントプレーン上の封止領域となる面に柱状スペーサーを設けた後、該バックプレーンのシール材が接する面にシール材(図1における301)を塗布する。
シール材の材質は特に限定はなく、エポキシ系やアクリル系の光硬化性、熱硬化性、光熱併用硬化性の樹脂に重合開始剤を添加した硬化性樹脂組成物が使用される。また、透湿性や弾性率、粘度などを制御するために、無機物や有機物よりなるフィラー類を添加することがある。これらフィラー類の形状は特に限定されず、球形、繊維状、無定形などがある。さらに、セルギャップを良好に制御するために単分散径を有する球形や繊維状のギャップ材を混合したり、基板との接着力をより強化するために、基板上突起と絡まりやすい繊維状物質を混合しても良い。このとき使用する繊維状物質の直径はセルギャップの1/5〜1/10以下程度が望ましく、繊維状物質の長さはシール塗布幅よりも短いことが望ましい。
また、繊維状物質の材質は所定の形状が得られるものであれば特に限定されず、セルロース、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維やガラス、炭素などの無機材料を適宜選ぶことが可能である。
シール材を塗布する方法としては、印刷法やディスペンス法があるが、シール材の使用量が少ないディスペンス法が望ましい。シール材の塗布位置は封止領域に悪影響を及ぼさないように通常ブラックマトリックス上とする。次工程の液晶滴下領域を形成するため(液晶が漏れないように)、シール材塗布形状は閉ループ形状とする。
前記シール材を塗布したフロントプレーンの閉ループ形状(封止領域)に液晶を滴下する。通常はディスペンサーを使用する。滴下する液晶量は液晶セル容積と一致させるため、柱状スペーサーの高さとシール塗布面積とを掛け合わせた体積と同量を基本とする。しかし、セル貼り合わせ工程における液晶漏れや表示特性の最適化のために、滴下する液晶量を適宜調整することもあれば、液晶滴下位置を分散させることもある。
次に、前記シール材を塗布し液晶を滴下したフロントプレーンに、バックプレーンを貼り合わせる。具体的には、静電チャックのような基板を吸着させる機構を有するステージに前記フロントプレーンと前記バックプレーンとを吸着させ、フロントプレーンの配向膜bとバックプレーンの配向膜aとが向きあい、シール材ともう一方の基板が接しない位置(距離)に配置する。この状態で系内を減圧する。減圧終了後、フロントプレーンとバックプレーンとの貼り合せ位置を確認しながら両基板位置を調整する(アライメント操作)。貼り合せ位置の調整が終了したら、フロントプレーン上のシール材とバックプレーンとが接する位置まで基板を接近させる。この状態で系内に不活性ガスを充填させ、徐々に減圧を開放しながら常圧に戻す。このとき、大気圧によりフロントプレーンとバックプレーンが貼り合わされ、柱状スペーサーの高さ位置でセルギャップが形成される。この状態でシール材に紫外線を照射してシール材を硬化することによって液晶セルを形成する。この後、場合によって加熱工程を加え、シール材硬化を促進する。シール材の接着力強化や電気特性信頼性の向上のために、加熱工程を加えることが多い。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。相転移温度の測定は温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を併用して行った。
n−iはネマチック相−等方相の転移温度を表す。
化合物記載に下記の略号を使用する。
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:n−プロピル基、Bu:n−ブチル基
(実施例1)1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンの製造
Figure 2017141191
(1−1)乾燥窒素下、1−ヒドロキシ−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタン(13g)を濃硫酸(65mL)に溶解させ、−10℃に冷却した。冷却下、1−エトキシ−2,3−ジフルオロベンゼン(24.4g)をゆっくりと加えた後、引き続き0℃にて1時間撹拌した。反応液を撹拌しながら氷(300g)に注ぎ込んだ後、トルエン(150mL)を加えて分液した。有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムをろかにより除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、複数回再結晶(メタノール及びヘキサン)する事で7.1gの1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンを白色固体として得た。
相転移温度: Cr 87.4 Iso
MS m/z:308[M
HNMR(400MHz、CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=6.80(1H,dt,J=2.4Hz,J=8.6Hz),6.61(1H,dt,J=1.9Hz,J=8.7Hz),4.08(2H,q,J=7.1Hz),1.88−1.83(6H,m),1.51−1.38(9H,m),1.28−1.18(2H,m),1.11−1.07(2H,m),0.88(3H,t,J=7.4Hz)
(実施例2)1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタンの製造
Figure 2017141191
(2−1)乾燥窒素下、1−ヒドロキシ−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン(22g)を濃硫酸(110mL)に溶解させ、−10℃に冷却した。冷却下、1−エトキシ−2,3−ジフルオロベンゼン(49.6g)をゆっくりと加えた後、引き続き0℃にて1時間撹拌した。反応液を撹拌しながら氷(500g)に注ぎ込んだ後、トルエン(200mL)を加えて分液した。有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムをろかにより除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、複数回再結晶(メタノール及びヘキサン)する事で24.9gの1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタンを白色固体として得た。
相転移温度: Cr 90.6 Iso
MS m/z:280[M
HNMR(400MHz、CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=6.81(1H,dt,J=2.4Hz,J=8.6Hz),6.62(1H,dt,J=1.9Hz,J=8.5Hz),4.08(2H,q,J=7.0Hz),1.88−1.84(6H,m),1.50−1.41(9H,m),0.83(3H,s)
(実施例3)1−(4−メチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンの製造
Figure 2017141191
(3−1)乾燥窒素下、1−ヒドロキシ−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタン(21g)を濃硫酸(65mL)に溶解させ、−10℃に冷却した。冷却下、ブロモベンゼン(39.2g)をゆっくりと加えた後、引き続き0℃にて1時間撹拌した。反応液を撹拌しながら氷(300g)に注ぎ込んだ後、トルエン(200mL)を加えて分液した。有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムをろかにより除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、再結晶(エタノール、アセトン混合溶媒)する事で36.7gの1−(4−ブロモフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンを白色固体として得た。
(3−2)乾燥窒素下、工程(3−1)で得られた1−(4−ブロモフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタン(53.8g)をTHF(450mL)に溶解させ、-60℃に冷却した。冷却下、1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(130mL)をゆっくりと加え、-60℃にてさらに1時間撹拌した。冷却下、DMF(38.4g)をゆっくり加え、10℃まで徐々に昇温させた。-10℃に冷却し、10%塩酸(400mL)を加え、トルエン(300mL)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸トリウムをろ過により除去した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で48.1gの4−(4−プロピル−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)ベンズアルデヒドを白色固体として得た。
(3−3)乾燥窒素下、工程(3−2)で得られた4−(4−プロピル−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)ベンズアルデヒド(19.2g)、ヒドラジン1水和物(13.1g)及びトリエチレングリコール(100mL)に混合し、110℃に加熱し30分間撹拌した。145℃にてさらに1時間撹拌し、生成する水などをディーンスターク装置を用いて捕集した。145℃にて水酸化カリウム(16.8g)をゆっくり加えた後、200℃に昇温し、10分間撹拌した。放冷した後、水(150mL)及びトルエン(100mL)を加えて分液し、有機層を10%塩酸、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過により除去した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに複数回再結晶(メタノール)する事で、13.5gの1−(4−メチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンを白色固体として得た。
相転移温度: Cr 58.0 Iso
MS m/z:242[M
HNMR(400MHz、CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=7.21(2H,d,J=8.2Hz),7.10(2H,d,J=8.5Hz),2.30(3H,s),1.81−1.76(6H,m),1.53−1.45(6H,m),1.28−1.18(2H,m),1.12−1.07(2H,m),0.89(3H,t,J=7.0Hz)
(比較例1)トルエンへの直接アルキル化による、1−(4−メチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンの製造
Figure 2017141191
Figure 2017141191
(比1−1) 乾燥窒素下、1−ヒドロキシ−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタン(20g)を濃硫酸(70mL)に溶解させ、−10℃に冷却した。冷却下、トルエン(22.0g)をゆっくりと加えた後、引き続き0℃にて1時間撹拌した。反応液を撹拌しながら氷(300g)に注ぎ込んだ後、トルエン(200mL)を加えて分液した。有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。粗製物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ(数値は面積比)、目的化合物が50%、位置異性体が15%、二置換体が(27%)含まれていた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、再結晶(メタノール)を行ったが、目的化合物を単離する事は出来なかった。
比較例1ではトルエンに対してビシクロ[2.2.2]オクタニル基を直接導入させるFriedel−Crafts反応を検討したが、副生成物生成量が多く目的化合物を単離することが出来なかった。位置異性体が多く生成した理由として、トルエンのメチル基は比較的立体障害が小さく、オルト位への置換を抑制する効果が低いことが考えられる。二置換体が多く生成した理由として、一つ目のビシクロ[2.2.2]オクタニル基(電子供与性基)が導入されることで、芳香環の電子密度が増大し、二置換体の生成速度が上昇した為であると考えられる。一方、実施例3で示した経路では、ブロモベンゼンとの反応を経由する事で目的化合物を単離する事に成功した。この理由として、ブロモ基はメチル基等に比べて十分に立体的に大きな基であるため、その立体障害によりオルト位への置換を強く阻害している事、及びブロモ基が弱い電子求引性基であるためビシクロ[2.2.2]オクタニル基が一つ置換しても芳香環の電子密度が上がりすぎず、二置換体生成速度が比較的遅いためであると考えられる。他方、実施例1で示した化合物については、エトキシ基に対して片方のオルト位がフルオロ基により既に置換されている事、及びエトキシ基が比較的大きな立体障害を有する事から位置異性体が生成しにくいことが考えられる。さらに、電子求引性基であるフルオロ基が二つ芳香環に置換していることから、ビシクロ[2.2.2]オクタニル基が一つ置換しても芳香環の電子密度が上がりすぎず、二置換体の生成速度が遅くなったためであると考えられる。
(実施例4)1−(4−エチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンの製造
Figure 2017141191
(4−1) 乾燥窒素下、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(41.7g)をTHF(60mL)に懸濁させ、氷冷した。冷却下、カリウムtert−ブトキシド(13.1g)を加え、氷冷下30分間撹拌した。冷却下、工程(3−2)で得られた4−(4−プロピル−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)ベンズアルデヒド(23.0g)のTHF(100mL)溶液をゆっくりと加え、氷冷下さらに2時間撹拌した。水2(20mL)を加えた後濃縮し、ヘキサン(100mL)、メタノール(100mL)、水(50mL)及び70%tert−ブチルヒドロペルオキシド(10g)を加えて室温にて1時間撹拌した。分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過により除去し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で、21.2gの1−(4−ビニルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンを白色固体として得た。
(4−2)工程(4−1)で得られた1−(4−ビニルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタン(21.2g)及び5%パラジウム炭素(50%含水品、1.1g)をTHF(200mL)に懸濁させ、耐圧容器内にて水素雰囲気下(0.3MPa)室温にて2時間撹拌した。パラジウム炭素をろ過により除去した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、複数回再結晶(メタノール及びヘキサン)する事で、9.0gの1−(4−エチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンを白色固体として得た。
相転移温度: Cr 53.7 Iso
MS m/z:256[M
HNMR(400MHz、CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=7.24(2H,d,J=8.2Hz),7.12(2H,d,J=8.2Hz),2.61(2H,q,J=7.6Hz),1.81−1.77(6H,m),1.49−1.45(6H,m),1.27−1.18(5H,m),1.12−1.07(2H,m),0.89(3H,t,J=7.1Hz)
(実施例5)1−(2’,3’−ジフルオロ−4’−メトキシビフェニル−4−イル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタンの製造
Figure 2017141191
(5−1)乾燥窒素下、1−ヒドロキシ−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン(20.0g)を濃硫酸(100mL)に溶解させ、−10℃に冷却した。冷却下、ブロモベンゼン(44.8g)をゆっくりと加えた後、引き続き0℃にて1時間撹拌した。反応液を撹拌しながら氷(300g)に注ぎ込んだ後、トルエン(150mL)を加えて分液した。有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムをろかにより除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、再結晶(エタノール、アセトン混合溶媒)する事で28.0gの1−(4−ブロモフェニル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタンを白色固体として得た。
(5−2)乾燥窒素下、工程(5−1)で得られた1−(4−ブロモフェニル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン(25g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.1g)、THF(100mL)及び2mol/L炭酸カリウム水溶液(90mL)を混合し、60℃に加熱した。加熱下、2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニルボロン酸(18.5g)をTHF(80mL)に溶解させた溶液をゆっくりと加え、60℃にてさらに30分撹拌した。室温まで冷却した後、水(300mL)及びトルエン(200mL)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過により除去した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、複数回再結晶(アセトン)する事で、19.6gの1−(2’,3’−ジフルオロ−4’−メトキシビフェニル−4−イル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタンを白色固体として得た。
相転移温度: Cr 129.7 Iso
MS m/z:342[M
HNMR(400MHz、CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=7.42(4H,q,J=10.8Hz),7.11(1H,dt,J=2.4Hz,J=7.6Hz),6.80(1H,dt,J=1.7Hz,J=7.4Hz),3.93(3H,s),1.86−1.82(6H,m),1.53−1.49(6H,m),0.85(3H,s)
(実施例6)液晶組成物の調製−1
以下のTn−i、Δε、Δn及びγの値(いずれも実測値)を示すホスト液晶組成物(H)を調整した。
n−i:73.8℃
Δε :−2.79
Δn :0.101
γ :112
この母体液晶(H)85%と、実施例1で得られた1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタン15%からなる液晶組成物(M−A)を調製した。この組成物(M−A)より、実施例1で得られた1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンの外挿Tn−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γの値は以下のとおりである。
外挿Tn−i:38.7℃
外挿Δε:−7.15
外挿Δn:0.0967
外挿γ:270mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−A)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
さらに、液晶組成物(M−A)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(実施例7)液晶組成物の調製―2
母体液晶(H)85%と、実施例2で得られた1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン15%からなる液晶組成物(M−B)を調製した。この組成物(M−B)より、実施例2で得られた1−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタンの外挿Tn−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γの値は以下のとおりである。
外挿Tn−i:−66.2℃
外挿Δε:−5.13
外挿Δn:0.0461
外挿γ:79mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−B)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
さらに、液晶組成物(M−B)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(実施例8)液晶組成物の調製―3
母体液晶(H)85%と、実施例3で得られた1−(4−メチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタン15%からなる液晶組成物(M−C)を調製した。この組成物(M−C)より、実施例3で得られた1−(4−メチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンの外挿Tn−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γの値は以下のとおりである。
外挿Tn−i:3.2℃
外挿Δε:−0.21
外挿Δn:0.0751
外挿γ:45mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−C)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
さらに、液晶組成物(M−C)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(実施例9)液晶組成物の調製―4
母体液晶(H)85%と、実施例4で得られた1−(4−エチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタン15%からなる液晶組成物(M−D)を調製した。この組成物(M−D)より、実施例4で得られた1−(4−エチルフェニル)−4−プロピルビシクロ[2.2.2]オクタンの外挿Tn−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γの値は以下のとおりである。
外挿Tn−i:−25.5℃
外挿Δε:−0.08
外挿Δn:0.0532
外挿γ:10mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−D)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
さらに、液晶組成物(M−D)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(実施例10)液晶組成物の調製―5
母体液晶(H)90%と、実施例5で得られた1−(2’,3’−ジフルオロ−4’−メトキシビフェニル−4−イル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン10%からなる液晶組成物(M−E)を調製した。この組成物(M−E)より、実施例5で得られた1−(2’,3’−ジフルオロ−4’−メトキシビフェニル−4−イル)−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタンの外挿Tn−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γの値は以下のとおりである。
外挿Tn−i:88.8℃
外挿Δε:−5.59
外挿Δn:0.1664
外挿γ:442mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−E)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
さらに、液晶組成物(M−E)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(比較例2)液晶組成物の調製―6
母体液晶(H)85%と、1−エトキシ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2,3−ジフルオロベンゼン15%からなる液晶組成物(M−F)を調製した。この組成物(M−F)より、1−エトキシ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2,3−ジフルオロベンゼンの外挿Tn−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿γの値は以下のとおりである。
外挿Tn−i:−4.2℃
外挿Δε:−6.84
外挿Δn:0.0730
外挿γ:76mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−F)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
実施例6及び比較例2の外挿Tn−iと外挿γを比較すると、本願化合物は比較例2の化合物と比べて十分に高いTn−iを示し、γの上昇を比較的抑えることが出来たことがわかる。このことから、本願化合物はTn−iを上昇させながら、γ1を上昇させにくい特徴を有することが明らかとなった。

Claims (11)

  1. 一般式(B2)
    Figure 2017141191
    (式中、Rb1は炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良く、
    b1
    (a)1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられても良い。)
    (b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い。)
    (c)1,4−シクロヘキセニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、また、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い。)
    からなる群より選ばれる基であり、
    b1は、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し、
    nbは0、1又は2を表すが、nbが2であってAb1及びZb1が複数存在する場合、Ab1及びZb1は同一であっても異なっていても良い。
    )で表される化合物と、一般式(B3)
    Figure 2017141191
    (式中、Xb1及びXb2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Xb5は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い、を表す。)
    で表される化合物を反応させて一般式(B4)
    Figure 2017141191
    (式中、Rb1、Ab1、Zb1及びnbは、一般式(B2)中のRb1、Ab1、Zb1及びnbと同じ意味を表し、Xb1、Xb2及びXb5は一般式(B3)中のXb1、Xb2及びXb5と同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する工程、
    及び一般式(B4)で表される化合物を用いて一般式(B1)
    Figure 2017141191
    (式中、Rb1、Ab1、Zb1、nb、Xb1及びXb2は、一般式(B4)中のRb1、Ab1、Zb1、nb、Xb1及びXb2と同じ意味を表し、
    b3及びXb4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、
    b2は炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良く、
    mbは0、1又は2を表すが、mbが2であってXb3及びXb4が複数存在する場合、Xb3及びXb4は同一であっても異なっていても良く、nb+mbは0、1又は2を表す。)
    で表される化合物を製造する工程を有する製造方法。
  2. 更に、Xb5が塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す一般式(B4)で表される化合物を用いて一般式(B5)
    Figure 2017141191
    (式中、Rb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbは、一般式(B4)中のRb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbと同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する工程を有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 一般式(B4)で表される化合物を用いて一般式(B6)
    Figure 2017141191
    (式中、Rb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbは、一般式(B4)中のRb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbと同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する請求項2に記載の製造方法。
  4. 一般式(B5)で表される化合物と一般式(B7)
    Figure 2017141191
    (式中、Rb3は水素原子又は炭素原子数1から13のアルキル基を表し、Yは塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンを表す。)で表される化合物を用いて一般式(B8)
    Figure 2017141191
    (式中、Rb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbは、一般式(B5)中のRb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbと同じ意味を表し、Rb3は一般式(B7)中のRb3と同じ意味を表す。)で表される化合物を得た後、該一般式(B8)で表される化合物から一般式(B9)
    Figure 2017141191
    (式中、Rb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbは、一般式(B5)で表されるRb1、Ab1、Zb1、Xb1、Xb2及びnbと同じ意味を表し、Rb3は一般式(B7)で表されるRb3と同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する請求項2に記載の製造方法。
  5. 更に、一般式(B4)で表される化合物を、触媒存在下一般式(B10)
    Figure 2017141191
    (式中、Xb3、Xb4及びRb2は一般式(B1)で表されるXb3、Xb4及びRb2と同じ意味を表し、Wは
    Figure 2017141191
    (式中、Rb4及びRb5はそれぞれ独立して水素原子又は直鎖若しくは分岐していても良い炭素数1から5のアルキル基を表し、
    Eは基中に存在する一つ以上の水素原子が各々独立してメチル基に置換されていても良い−(CH−を表し、
    pは2、3又は4を表し、
    mb1は1又は2を表す。)で表される化合物と反応させる工程を有する請求項1に記載の製造方法。
  6. 請求項1記載の一般式(B2)で表される化合物と請求項1記載の一般式(B3)で表される化合物を用いて、請求項1記載の一般式(B4)で表される化合物を得る製造方法。
  7. 請求項1記載の一般式(B4)で表される化合物を用いて請求項1記載の一般式(B1)で表される化合物を得る製造方法。
  8. 一般式(A)
    Figure 2017141191
    (式中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立して炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−C≡C−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良く、
    a1及びAa2はそれぞれ独立して
    (a)1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−又は−S−に置き換えられても良い。)
    (b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い。)
    (c)1,4−シクロヘキセニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、また、これらの基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されても良い。)
    からなる群より選ばれる基であり、
    a1及びZa2はそれぞれ独立して、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し、
    na及びmaはそれぞれ独立しては0、1又は2を表し、na+maは1、2又は3を表すが、naが2であってAa1及びZa1が複数存在する場合、Aa1及びZa1は同一であっても異なっていても良く、maが2であってAa2及びZa2が複数存在する場合、Aa2及びZa2は同一であっても異なっていても良い。)
    で表される化合物。
  9. 一般式(A)において、Aa1又はAa2の内少なくとも一つが2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を表す請求項8に記載の化合物。
  10. 請求項8又は9に記載の化合物を一種又は二種以上含有する組成物。
  11. 請求項10記載の組成物を使用した液晶表示素子。
JP2016023695A 2016-02-10 2016-02-10 液晶化合物の製造方法及びその化合物 Expired - Fee Related JP6728738B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016023695A JP6728738B2 (ja) 2016-02-10 2016-02-10 液晶化合物の製造方法及びその化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016023695A JP6728738B2 (ja) 2016-02-10 2016-02-10 液晶化合物の製造方法及びその化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017141191A true JP2017141191A (ja) 2017-08-17
JP6728738B2 JP6728738B2 (ja) 2020-07-22

Family

ID=59628299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016023695A Expired - Fee Related JP6728738B2 (ja) 2016-02-10 2016-02-10 液晶化合物の製造方法及びその化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6728738B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109825310A (zh) * 2019-03-08 2019-05-31 江苏锦润光电有限公司 一种快速响应的液晶介质

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109825310A (zh) * 2019-03-08 2019-05-31 江苏锦润光电有限公司 一种快速响应的液晶介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP6728738B2 (ja) 2020-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5862996B2 (ja) アルケニルエーテル化合物及びこれを用いた液晶組成物
JP2014162751A (ja) 化合物、液晶組成物、及び表示装置
WO2015098659A1 (ja) 液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子
JP5741987B1 (ja) 2,6−ジフルオロフェニルエーテル構造を持つ液晶性化合物及びその液晶組成物
JP5741986B1 (ja) 2,6−ジフルオロフェニルエーテル構造を持つ液晶性化合物及びその液晶組成物
WO2015025361A1 (ja) 液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
JPWO2014155480A1 (ja) 液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子
JP5376094B1 (ja) ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子
WO2014102960A1 (ja) フルオロビフェニル含有組成物
WO2014122766A1 (ja) 液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
JP6728738B2 (ja) 液晶化合物の製造方法及びその化合物
JP5454743B1 (ja) ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子
JP5598616B1 (ja) 液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
TW201702360A (zh) 液晶化合物及包含它的液晶組成物
JP6048782B1 (ja) エタン結合を有する液晶化合物
JP7472607B2 (ja) 液晶組成物及び液晶表示素子
JP6123750B2 (ja) 液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
TWI491714B (zh) 液晶組成物、液晶顯示元件及液晶顯示器
TWI629344B (zh) 液晶組成物及使用其之液晶顯示元件
TWI472599B (zh) 含氟聯苯之組成物
TW201425544A (zh) 液晶組成物、液晶顯示元件及液晶顯示器
TW201435059A (zh) 液晶組成物、液晶顯示元件及液晶顯示器
TW201425281A (zh) 含氟聯苯之組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20180220

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181221

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200615

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6728738

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees