JP2017140317A - 容器 - Google Patents

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Shigeo Imai
茂雄 今井
雅夫 筒井
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雅夫 筒井
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Abstract

【課題】簡易な構造で内部の貯留物を効率良く吸引可能な容器を提供する。【解決手段】貯留物を内部に貯留するための容器であるカートリッジ50において、カートリッジ50の内部の底面100は、底面100の中央付近に向かって低くなるように傾斜した第1傾斜領域104と、第1傾斜領域104よりも外側において底面100の中央付近に向かって低くなるように傾斜した第2傾斜領域106とを少なくとも含む。第1傾斜領域104における最大傾斜角は、第2傾斜領域106における最大傾斜角よりも大きい。【選択図】図25

Description

本発明は、貯留物を内部に貯留するための容器に関する。
従来より、ポータブルトイレ、簡易水洗式トイレのような便器装置が提案されている。このような便器装置は、水道インフラが整備されていない新興国、地域のような、下水道が使えない環境下での使用に適したものとして用いられている。
たとえば、特許文献1には、弾性変形可能な封止筒を用いた簡易水洗便器が開示されている。封止筒は便器の排便口の直下に取り付けられ、封止筒内に貯まる汚物の重量によって排便口を開閉可能な構造をもつ。これにより、便器の排便口より奥側にある便槽からの臭気の逆流が防止できる。
実公平2−13588号公報
ところで、ポータブルトイレや簡易水洗式トイレが使用される環境下では、下水道の他に上水道も使えない場合が多い。このような環境下での使い勝手をよくするうえでは、簡易な構造で、溜まった汚物を容易に廃棄することが可能な容器の提案が望まれる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、簡易な構造で内部の貯留物を効率良く吸引可能な容器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の容器は、貯留物を内部に貯留するための容器であって、容器の内部の底面は、底面の中央付近に向かって低くなるように傾斜した第1傾斜領域と、第1傾斜領域よりも外側において底面の中央付近に向かって低くなるように傾斜した第2傾斜領域とを少なくとも含む。第1傾斜領域における最大傾斜角は、第2傾斜領域における最大傾斜角よりも大きい。
この態様によると、容器の内部に貯留している貯留物が底面の中央付近に集まりやすくなるので、貯留物をノズルなどにより効率良く吸引することができる。
本発明によれば簡易な構造で内部の貯留物を効率良く吸引可能な容器を提供できる。
実施形態に係る便器装置の斜視図である。 実施形態に係る便器装置の側面図である。 実施形態に係る便器装置の分解図である。 実施形態に係る便器装置の使用状態の一例を示す図である。 実施形態に係る便器装置の分解図である。 実施形態に係るカートリッジの側面図である。 実施形態に係るカートリッジを斜め上から見た斜視図である。 実施形態に係るカートリッジを斜め下から見た斜視図である。 実施形態に係るカートリッジがハウジングに取り付けられる状態を示す図である。 実施形態に係るカートリッジがハウジングに取り付けられる状態を示す図である。 実施形態に係るカートリッジを積み上げた状態を示す図である。 実施形態に係るカートリッジの上面部を斜め下から見た斜視図である。 実施形態に係るカートリッジに弁を取り付けるための機構を概略的に示す。 実施形態に係るカートリッジに弁を取り付けるための機構を概略的に示す図である。 実施形態に係るカートリッジに弁を取り付けるための別の機構を概略的に示す図である。 実施形態に係るカートリッジに弁を取り付けるための別の機構を概略的に示す図である。 実施形態に係るカートリッジに弁を取り付けるための更に別の機構を概略的に示す図である。 実施形態に係るカートリッジに弁を取り付けるための更に別の機構を概略的に示す図である。 実施形態に係る弁の構成を概略的に示す図である。 図20(a)は弁の底部内に汚物として大便が貯まった状態を示す図であり、図20(b)は大便の他に小便が貯まった状態を示す図である。 実施形態に係る弁の別の例の構造を概略的に示す図である。 図22(a)(b)(c)(d)は、実施形態に係る弁の別の例の構造を概略的に示す図である。 図21に示した実施形態に係る弁の一例の参考写真である。 図24(a)(b)は、実施形態に係るカートリッジ内に汚物が貯留したときの様子を示す概略断面図である。 実施形態に係るカートリッジ及び便器装置の断面図である。 実施形態に係るカートリッジ及び便器装置の断面図である。 実施形態に係るカートリッジ及び便器装置の分解図である。 図26に示した便器装置の斜視図である。 実施形態に係るカートリッジの更に別の例を示す図である。 図29に示したカートリッジを斜め下から見た斜視図である。 図30に示したカートリッジの底面を示す図である。 カートリッジの底面の構造について更に説明するための図である。 図29に示したカートリッジの反対側の側面を斜め上から見た斜視図である。 実施形態に係る弁を構成するシール壁の構造を示す図である。 図34に示した弁がカートリッジに設置される様子を示す図である。 図34に示した弁の側面図である。 図34に示した弁がカートリッジに設置された様子を概略的に示す図である。 図34に示した弁がカートリッジに設置された様子を概略的に示す図である。
本発明の弁の一例として、モバイルトイレの便器と汚物を貯留するためのカートリッジとの間に設置される弁について説明する。まず、モバイルトイレとして使用可能な便器装置の詳細について説明し、つづいて、その便器装置に設置される弁の詳細について説明する。
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略する。
[便器装置]
図1は実施形態に係る便器装置10の斜視図である。図2は便器装置10の側面図であり、図3は便器装置10の分解図である。
便器装置10は、使用者が用便の際に座るための便座16と汚物を受けるための便鉢20とが一体成形された便器12(図3参照)と、便器12を支持するハウジング14とを備える。便鉢20には、使用者が排泄した汚物が投入される汚物投入口が上部に形成されるとともに、汚物を排出するための汚物排出孔が底部に形成される。汚物排出孔が汚物投入口よりも小さくなるように構成される。ハウジング14の内部には、汚物を貯留するためのカートリッジ50が、ハウジング14に対して着脱可能に設けられる。ハウジング14には、便器装置10を持ち運ぶための取っ手15が設けられているが、後述するように、カートリッジ50に貯留された汚物を廃棄する際には、カートリッジ50のみを取り外して持ち運ぶことができるので、便器装置10全体を持ち運ぶ必要はない。このような構成とすることにより、便器装置10を浴室などに設置する場合であっても、内部のカートリッジ50を水分や汚れなどから保護することができ、貯留された汚物を廃棄するためにカートリッジ50を運搬する際に、カートリッジ50の表面から使用者の体や衣服に水分や汚れなどが付着することを防ぐことができる。また、汚物の廃棄のためにカートリッジ50を運搬している間も、別のカートリッジ50を装着することにより、便器装置10を使用することができる。
便器12の開口又はカートリッジ50の開口には、汚物や洗浄水などの通過物が投入されたときには開いて通過物を通過させ、それ以外のときには閉じて内容物や臭気が外部に排出されないようにするための弁が設けられる。そのため、図1〜3においては、便器12の上部に、便器12の開口を閉じるための蓋が設けられていないが、別の例においては、便器12の開口に蓋が設けられてもよい。弁の詳細については後述する。
図3に示すように、ハウジング14は、底面が角丸長方形又は楕円形である錐台状の形状を有し、胴部14aと底面部14bとに分割可能である。これにより、便器装置10を製造地から使用地に運搬する際や、災害時などのために倉庫などに保管しておく際に、胴部14aと底面部14bとを別々に積み上げることができるので、必要なスペースを小さくすることができる。また、ハウジング14を胴部14aと底面部14bに分割すると、それぞれを自立させることができるので、胴部14aと底面部bを安定的に積み上げることができる。胴部14aの上方に便器12が乗せられた状態で、それらの組み合わせが積み上げられてもよいし、胴部14aと便器12とが別々に積み上げられてもよい。また、取っ手15がハウジング14に取り付けられた状態で積み上げられてもよいし、取っ手15はハウジング14から外され、別途保管又は運搬されてもよい。胴部14aと底面部14bとの境界線が、便器装置10の下方の目立たない位置にあるので、美感の面でも好ましい。別の例においては、ハウジング14は更に多くの部分に分割可能であってもよい。便器12の開口又はカートリッジ50の開口に弁が設けられ、カートリッジ50内に貯留される汚物や臭気の漏洩が防止されるので、ハウジング14を密封構造とする必要はない。したがって、複数に分割された部分の境界は、密封構造でなくてもよい。
図4は便器装置10の使用状態の一例を示す図である。
便器装置10はハウジング14を床面上に載せた状態で用いられる。使用者は便座16上に座った状態で用便する。使用者が排泄した汚物は便器12(不図示)により受けられ、便器12内を通してハウジング14内のカートリッジに排出され、カートリッジ内に貯められる。便器12内への洗浄水の供給は使用者の手作業で行う。使用者は、ボトル、ホース等から便器12内に洗浄水を投入することで便器12内を洗浄する。なお、ここでの汚物には、小水と大便の両方が含まれる。
便座16の上面には、汚物を通すための開口と、使用者が左右に跨いで座るための着座面16eとが形成される。上面は、図示しないが平面視において、一方向(図4の紙面左右方向。以下、前後方向という)の寸法が長く、一方向と直交する他方向(図4の紙面奥行き方向。以下、左右方向という)の寸法が短くなるような、楕円形の環状を呈して形成される。
上面は、上向きに凸となるような曲面状に形成される。上面は、左右方向の中央側から両外側に向かうにつれて、着座面16eに下向きの緩やかな勾配が設けられるように形成される。これにより、使用者は着座面16eに左右に跨がったうえで便座16の左右両側に両脚を置いた姿勢で座り易くなる。なお、このような観点からは、上向きに凸となるように形成されていればよい。
外周面部16dは、上面部16bの外周端縁、つまり、上面部16bの外周部から下側に延びるように形成され、筒状を呈している。外周面部16dは、図示しないが平面視において、前後方向の寸法が長く、左右方向の寸法が短くなるような、楕円形の環状を呈して形成される。
上面は、前後方向の両側の面部分よりも、左右方向の両側の面部分の方が下側に位置するように形成される。これにより、使用者が着座面16eに座って用便するとき、使用者の局部を前後方向の面部分により隠しやすくなり、いわゆる金隠しの効果を得やすくなる。
外周面部16dの左右方向両側の面部分16daは、図4に示すように、使用者が着座面16eに座ったとき、使用者の両脚(特に、大腿部)を当てることができる脚当て部となる。使用者は、便座16の着座面16eに左右に跨がるように座ったとき、両脚の足裏を床面につけた状態で、このような外周面部16dの脚当て部16daを両脚(特に、大腿部)の内側で挟み込むことができる。これにより、便器装置10の鉛直軸周りの向きを使用者の両脚で保持可能になる。このため、使用者が両脚の足裏を床面にしっかりとつけて両脚の位置を保持できれば、便器装置10全体が鉛直軸周りに揺れ動くように変位し難くなり、使用者が便座16の着座面16eに安定して座った状態で用便できるようになる。このような作用効果を得るうえで、少なくとも、外周面部16dは脚当て部16daを備えていればよい。つまり、外周面部16dの前後方向両側の面部分16dbはなくともよい。
この脚当て部16daは、下側に向かうにつれて、左右方向の両外側に広がるように形成されている。これにより、使用者の両脚を当てやすくなり、使用者の両脚の内側で脚当て部16daをしっかりと挟み込み易くなる。
以上の便座16を含む便器装置10の使い方の一例を説明する。
従来の洋風大便器の場合、使用者は、まず、便器装置の前側で便器装置に対して背中を向けた状態で立った姿勢になる。この後、使用者は、この状態のまま後方に向かって歩いて便器装置に近づいた後、便座に腰を下ろして着座する。このように、便座に着座するためには、使用者は後ろ歩きする必要がある。
本実施形態に係る便器装置10の場合、使用者は、まず、便器装置10の後側(図4の右側)で便器装置10に対して正面を向けた状態で立った姿勢になる。この後、使用者は、前方(図4の左側)に向かって歩いて便器装置10に近づいた後、便座16の着座面16eに左右に跨がるように両脚を配置し、便座16の着座面16eに腰を下ろして着座する。このように、本実施形態に係る便器装置10では、便座16に着座するために、使用者は後ろ歩きする必要がなくなる。このとき、使用者は、自らの両脚を便座16の脚当て部16daに当てた状態で座り、便座16に馬乗りしたような姿勢となる。なお、使用者は、用便が済んだ後、便器装置10の着座面16eから離れるように腰を上げて立ち上がった後に、便器装置10から前側に離れるように移動する。
このような使い方を実現するうえで、便座16や便器装置10は、使用者が着座面16eに座ったとき、使用者の前後両側に干渉物のない構造となっている。別の観点からいうと、便座16や便器装置10は、使用者が着座面16eから腰を上げたとき、使用者の前後の何れにも移動可能となるように干渉物のない構造となっている。ここでの干渉物とは、便座16や便器装置10から上側に突き出るような部分をいう。
なお、以上の脚当て部16daは、例えば、上面部16bの外周部から下端部までの高さ寸法を10cm以上に設定してもよい。この長さの上限値は床面に当たらない程度に設定すればよいが、たとえば、50cm以下に設定してもよい。また、脚当て部16daは、上面の左右方向の両側の面部分の左右寸法より、高さ寸法が長くなるように設定される。いずれも脚当て部16daに使用者の両脚を当て易くする観点からの構成である。
また、ハウジング14は、下側に向かうにつれて、左右方向の両側及び前後方向の両側に広がるような台形状に形成されている。よって、ハウジング14を安定した状態で床面に載せ易くなり、ハウジング14により支持される便座16の着座面16eに使用者が安定した状態で座り易くなる。また、使用者がハウジング14も両脚で挟み込みやすくなる効果もある。
図5は便器装置10の分解図である。
便器12は、便座と、側面と、便鉢とが、例えばポリエチレン等の合成樹脂などの素材により一体成形されている。便鉢20の下部には、汚物をカートリッジへ排出するための開口が設けられる。本図の例においては、開口は便座の略中央に設けられるが、別の例においては、開口は使用者が便座に座ったときの前方又は後方に寄せて配置されてもよい。
図6はカートリッジ50の側面図である。
カートリッジ50と、便器12及びハウジング14との位置関係を示すために、便器12及びハウジング14を破線で示す。カートリッジ50は、内部に汚物を貯留することが可能な本体52と、カートリッジ50を持ち運ぶ際に使用者が把持することが可能な取っ手54と、本体52の開口を閉じるための蓋56とを備える。使用時には、蓋56が開いた状態でカートリッジ50がハウジング14に取り付けられる。カートリッジ50の底部に設けられた取付凸部60が、ハウジング14の内側の底面に設けられた取付凹部62に嵌め込まれることにより、カートリッジ50がハウジング14に取り付けられる。取付凸部60は設けられなくてもよく、この場合、本体52が取付凹部62に嵌め込まれることにより、カートリッジ50がハウジング14に取り付けられてもよい。図5に示すように、便器12の内側は空洞になっているが、蓋56は、図6に示すように、開かれた状態において約100°〜160°程度の角度でヒンジなどによって斜めに固定されるように構成されているので、ちょうど便器12の内側の空洞に収納できる。また、便器12をハウジング14に取り付ける際に、便器12が正常な位置に取り付けられず、傾いた状態で取り付けられた場合などには、便器12に蓋56が引っかかるので、便器12の取り付け位置が誤っていることを使用者に気づかせることができる。開かれた状態における蓋56の角度は、例えば、便鉢20と略平行となる角度であってもよい。取っ手54も同様に、便器12の内側の空洞に収納されるように構成されている。また、取っ手54及び蓋56は、蓋56が開かれたときに蓋56と取っ手54とが互いに干渉しないような位置に設けられる。別の例では、蓋56がヒンジなどによってカートリッジ50の上面に固定されず、蓋56とカートリッジ50が独立した構成とされてもよい。この場合、蓋56を取り外したときに蓋56を収納するためのポケットが、便器12、ハウジング14、又はカートリッジ50などに設けられてもよい。例えば、カートリッジ50の側面にポケットが設けられてもよい。これにより、蓋56と便器12との干渉を避けることができ、便器12をハウジング14に取り付ける際に便器12が蓋56に引っかかって蓋56が壊れてしまうのを防ぐことができる。
図7はカートリッジ50を斜め上から見た斜視図である。
取っ手54は、本体52の上面において、角丸長方形の円弧部分に沿って設けられている。取っ手54は、後述するように、カートリッジ50の上面の上に別のカートリッジ50を積み上げたときに、上下のカートリッジ50の相対位置がずれないように固定するための固定部としても機能する。
図8はカートリッジ50を斜め下から見た斜視図である。
取付凸部60は、本体52の下面において、外周に沿って設けられている。取付凸部60は、本体52の下面の外周よりもやや内側に設けられており、ハウジング14に取り付けられる際には、取付凹部62の内側に取付凸部60が差し込まれ、取付凹部62の上面が本体52の下面の周縁部分を支持することになる。
図9及び図10はカートリッジ50がハウジング14に取り付けられる状態を示す図である。なお、図9及び10においては、蓋56を省略している。
カートリッジ50の本体52の底部には、外周の形状が他の部分よりも小さくなるように形成された取付凸部60が設けられ、ハウジング14の内側の底面において取付凸部60の形状に合わせて設けられた取付凹部62に差し込まれることにより、カートリッジ50がハウジング14に取り付けられる。取付凸部60は、本体52の底面から突出するように構成されているとみることもできるし、本体52の底面の外周部分が除かれたように構成されているとみることもできる。取付凹部62は、図示されるように、取付凹部62の外周に壁面を構成する部材が形成されることにより構成されてもよいし、ハウジング14の内側の底面に凹みとして構成されてもよい。
ハウジング14の頂部の開口は、カートリッジ50の本体52の側面の頂部の形状に合わせて形成される。これにより、カートリッジ50は、底部と頂部の双方においてハウジング14により支持され、安定的に位置決めされるので、使用中にカートリッジ50の位置がずれることを防ぐことができる。また、本図の例においては、カートリッジ50の本体52の外周は底部に近づくほどやや小さくなるように構成されるので、カートリッジ50をハウジング14の開口に挿入しやすくすることができるとともに、深く挿入していくとハウジング14の開口により徐々にカートリッジ50が正しい位置に位置決めされていくので、取付凸部60を取付凹部62に嵌め込みやすくすることができる。
カートリッジ50をハウジング14から取り出す場合、使用者は、取っ手54を把持してカートリッジ50を上方に引き上げればよい。後述するように、カートリッジ50の開口には弁が設けられているので、カートリッジ50を取り出す際にも、内部に貯留された汚物や臭気などは外部へ排出されにくい。カートリッジ50を取り出した後は、蓋56を閉じることにより、開口を閉じることができる。
図11はカートリッジ50を積み上げた状態を示す図である。
前述したように、取っ手54は、本体52の上面の外周に沿って設けられているが、本体52の側面は底部に近づくほどやや小さくなる、すなわち若干すぼまるように構成されており、本体52の底部は、ちょうど取っ手54の内周と形状が合うように構成されている。したがって、カートリッジ50aとカートリッジ50bを上下に積み重ねたとき、下側のカートリッジ50aの2つの取っ手54aの間に、上側のカートリッジ50bの本体52bの底部がちょうど入って係合され、カートリッジ間の水平方向の相対位置がずれないように固定される。すなわち、取っ手54aは、別のカートリッジ50bの本体52bの下部に係合可能な構造とされる。これにより、カートリッジ50を運搬する際に、複数のカートリッジ50を安定的に積み重ねて運搬することができる。
図12はカートリッジ50の上面部64を斜め下から見た斜視図である。
上面部64は、本体52に対して着脱可能に構成されており、上面部64の略中央に配置された開口に沿って、弁28を取り付けるための弁取付部66が設けられる。弁28を取り付ける際には、弁28の上側の開口で弁取付部66を外側から覆うように取り付け、弁28の外側から環状の締付部材で弁28を内側の弁取付部66に締め付けて固定する。
図13及び図14はカートリッジ50に弁28を取り付けるための機構を概略的に示す。
図13は、弁取付部66の近傍の概略垂直断面図である。カートリッジ50の上部の開口は便鉢20の開口よりも大きく、上方から見てカートリッジ50の上面が見えないように便鉢20とカートリッジ50が設置される。また、便鉢20の開口部分の下端がカートリッジ50の開口部分の上端よりも低くなるように、便鉢20の開口がカートリッジ50の開口に差し込まれるように便鉢20とカートリッジ50が設置される。これにより、便鉢20からカートリッジ50の内部に投入される汚物によりカートリッジ50の上面が汚れないようにすることができる。弁28は、カートリッジ50の上面部の下側に設けられた弁取付部66の外側から固定部材67により締め付けられて、弁取付部66に固定される。図14に示すように、弁取付部66に、弁28の上端を係止するための係止部65が設けられ、弁28の上端が係止部65に係止されてもよい。
図15はカートリッジ50に弁28を取り付けるための別の機構を概略的に示す。
本図の例では、弁28の上端の内側に、ゴムバンド又はバネなどにより構成された固定部材67が取り付けられ、弁28は、カートリッジ50の上面部の下側に設けられた弁取付部66の係止部65の外側から固定部材67により内向きに締め付けられて、弁取付部66に固定される。この場合、弁28に固定部材67を取り付けたものを交換用品として供給し、弁28と固定部材67とを同時に交換可能としてもよい。
図16はカートリッジ50に弁28を取り付けるための別の機構を概略的に示す。
本図の例では、カートリッジ50の上面部の上側に、弁28を係止するための弁取付部68が設けられ、弁取付部68に弁28の上端が係止される。これにより、カートリッジ50の上面部を取り外さなくても弁28を着脱することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。また、便鉢20とカートリッジ50の上面部との間に弁28が設けられるので、便鉢20とカートリッジ50の間の隙間から汚物などがカートリッジ50の上面に漏れ出すことを防ぐことができる。
図17はカートリッジ50に弁28を取り付けるための更に別の機構を概略的に示す。
本図の例では、図16の例と同様に、カートリッジ50の上面部の上側に設けられた弁取付部68に弁28の上端が係止されるが、カートリッジ50の開口の周縁の折り返し面51を垂直ではなく便鉢20と平行にする。これにより、便鉢20とカートリッジ50の間の隙間を更に狭くすることができるので、小水や洗浄水などの液体が跳ね返って便鉢20とカートリッジ50の間の隙間に入り込み、カートリッジ50の上面などが汚れてしまうことを防ぐことができる。また、カートリッジ50の上面部を取り外さなくても弁28を着脱することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
図18はカートリッジ50に弁28を取り付けるための更に別の機構を概略的に示す。
本図の例では、図17の例と同様に、カートリッジ50の開口の周縁の折り返し面51を垂直ではなく便鉢20と平行にするが、カートリッジ50の開口の周縁の上面と折り返し面51に弁28の上端を合わせた後、開口の形状に合わせられた固定部材69により上から弁28の上端をカートリッジ50の上面及び折り返し面51に押さえ付けることにより、弁28をカートリッジ50の上面に固定する。これによっても、便鉢20とカートリッジ50の間の隙間を更に狭くすることができるので、小水や洗浄水などの液体が跳ね返って便鉢20とカートリッジ50の間の隙間に入り込み、カートリッジ50の上面などが汚れてしまうことを防ぐことができる。また、カートリッジ50の上面部を取り外さなくても弁28を着脱することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
上記の例では、弁28をカートリッジ50に取り付けるものとして説明したが、弁28を便鉢20に取り付ける場合や、後述するように、弁28を便器装置以外の容器等の開口に取り付ける場合にも、上記の例のように弁28を開口に取り付けることができる。
図19は弁28の構成を概略的に示す図である。
弁28は互いの内側面が左右に対向して配置される一対のシール壁32a及び32b(両者を総称してシール壁32という)により構成される。各シール壁32は、可とう性及び伸縮性をもつ素材により形成される。本実施形態では、可とう性をもつ素材としてシリコンゴムが用いられる。シリコンゴムは、汚物による汚れに対する耐久性や親水性をもつ素材でもある。各シール壁32は両側端の上部の接着部70において接着されており、最上部は弁取付部66に取り付けられる被支持部72を構成する。被支持部72として、弁取付部66の形状に合わせて合成樹脂などにより形成された部材が弁28に接着されていてもよい。これにより、弁28を弁取付部66に取り付けやすくすることができる。各シール壁32の下部は接着されずに離れており、その内部にはスリット状の汚物排出孔26が形成される。
各シール壁32の下部は互いに接着されていないが、便器装置10の使用時には、汚物としての小水や洗浄水などが弁28の内側を通過することになるので、各シール壁32の下部により形成される汚物排出孔26において、水の表面張力によりそれらの内側面同士が密着する。これにより、汚物排出孔26を閉じた状態にすることができるので、カートリッジ50内の汚物による臭いが、汚物排出孔26から外部に漏れるのを防止することができる。また、汚物排出孔26を閉状態にすることにより、汚物排出孔26より奥側にあるカートリッジ50内を便器12の開口から見えないようにすることができ、使用者が快適に便器装置10を利用することができる。
図20は弁28の動作を説明するための図である。図20(a)は弁28の底部内に汚物として大便Paが貯まった状態を示し、図20(b)は大便Paの他に小便Pbが貯まった状態を示す。
図20(a)に示すように、便器12の便鉢20内に汚物が投入されると、汚物は、便鉢20の底部にある開口からカートリッジ50の上部にある開口を通過して、汚物排出孔26の入口26a近くまで自重や水流により誘導される。汚物排出孔26の入口26a周りの内底面上に汚物が貯まると、一対のシール壁32には、汚物の重量により汚物排出孔26を押し広げるような押し広げ力Faが付与される。この押し広げ力Faは弁28の底部内に貯まる汚物が増えるほど増大する。この押し広げ力Faが大きくなると、一対のシール壁32は、図20(b)に示すように、汚物排出孔26の内幅寸法を広げるように弾性変形する。これにより、汚物排出孔26が開状態になり、弁28の底部内に貯められる汚物が汚物排出孔26を通してカートリッジ50の本体52の内部に排出される。
一対のシール壁32には、シール壁32間の水による表面張力や、自らの弾性反発力によって、汚物排出孔26を閉じるような閉じ力Fbが付与されている。弁28の底部内の汚物が排出されると、この閉じ力Fbにより、一対のシール壁32は汚物排出孔26の内幅寸法を狭めるように形状が復元し、汚物排出孔26が閉状態になる。このように一対のシール壁32が構成する弁構造は、弁28の底部内に貯められる物体の重量により汚物排出孔26を開くことができる。
前述のように便器装置10を使用する場合、汚物の重量が十分な場合、汚物のみの重量によって一対のシール壁32が開いて汚物を排出できる。しかしながら、汚物の重量が不十分な場合もある。このため、この場合は、ボトル等から直接に洗浄水を投入することで、汚物を排出してもよい。このように洗浄水を投入することで汚物を排出する場合、洗浄水の使用量を抑える観点から、一対のシール壁32は、10g〜100gの洗浄水が投入されたときに開くように構成されてもよい。このように構成するうえでは、各シール壁32の厚み、硬さ等を調整すればよい。例えば、シール壁32として、硬度が0〜20°、より好ましくは硬度が0〜10°であるシリコンゴムを用いてもよい。
図19に示した弁28は、シール壁32の下部が接着されていないので、シール壁32の下部まで接着される場合に比べて汚物排出孔26が開きやすい。これにより、汚物が投入されたときに汚物排出孔26が開かずに汚物が詰まってしまう事態を低減させることができる。しかし、逆に、シール壁32の下部が接着されていないことから、汚物が汚物排出孔26を通過した後に、汚物排出孔26が閉じなくなってしまい、その後ずっと開放状態になってしまう事態が生じる懸念がある。本発明者らは、このような事態を低減させるという課題を解決するために、シール壁32の好適な構造を模索して実験を重ねた結果、図21に示すような構造の弁に想到した。
図21及び図22は弁80の別の例の構造を概略的に示す図である。
本図に示す弁80においては、シール壁32の両端の接着部70の吊り上げ位置82において、シール壁32の両端がそれぞれ上方に吊り上げられ、吊り上げられた状態を保持したままカートリッジ50に取り付けられる。簡易な構成でこの状態を実現するために、図21に示す弁80においては、シール壁32の両端の吊り上げ位置82において、シール壁32を同じ側からたくし上げるようにして、縦方向でシール壁32の内側面が当接するように折り曲げてつまんでいる。この状態を保持するために、例えば、クリップなどによりシール壁32をつまんでもよいし、つまんだ状態でステープルなどにより固定してもよい。各シール壁32は、両端が上方に吊り上げられるが、中央付近は自重によりたわむので、下端の汚物排出孔26は、両端が高く中央付近が低い曲線状に湾曲する。
図22(a)は、図19に示した弁28の側面図であり、図22(b)は、図21に示した弁80の側面図である。弁28においては、各シール壁32は鉛直面に平行な平面を構成するが、弁80においては、吊り上げ位置82において各シール壁32が上方に引っ張り上げられるので、吊り上げ位置82よりも下方のシール壁32が、つままれた方とは逆側に湾曲し、側面視において、つままれた方に凸な曲線となり、下端の汚物排出孔26は、やや上方に引き上げられた状態になる。
図22(c)は、図19に示した弁28を下から見た平面図であり、図22(d)は、図21に示した弁80を下から見た平面図である。弁28においては、各シール壁32は、弁28がカートリッジ50に取り付けられたときの平面視において、カートリッジ50の開口の長軸に平行な直線となるが、弁80においては、前述したように、吊り上げ位置82よりも下方のシール壁32が、つままれた方とは逆側に湾曲し、この湾曲の程度は、つままれた位置、すなわち両端の方が中央付近よりも大きくなるので、各シール壁32は、弁28がカートリッジ50に取り付けられたときの平面視において、つままれた方に凸な曲線となる。
このように、各シール壁32が、少なくとも下端を含む吊り上げ位置82の下方の領域において、つままれた側の水平方向又は斜め下方向に凸な曲面の形状となる結果、弁80において、各シール壁32同士が密着して閉じる力が弁28よりも大きく働くので、汚物などが通過して開かれた後も各シール壁32同士が密着して閉じやすくなり、汚物排出孔26が閉じずに開放され続ける事態を低減させることができる。
図21においては、一対のシール壁32の双方がつままれて吊り上げられる例を示したが、別の例においては、一方のシール壁32のみが吊り上げられてもよい。この場合も、吊り上げられた方のシール壁32aが、つままれた側の水平方向又は斜め下方向に凸な曲面の形状となる結果、他方のシール壁32bもシール壁32aに押されて同様の形状となり、シール壁32aと密着しやすい形状とすることができる。
図23は、図21に示した弁80の一例の参考写真である。図23において、シール壁32の上部の両端の紙面手前側がつまみ上げられており、シール壁32の下部はつままれた紙面手前側の斜め下方向に凸な曲面の形状になっている。シール壁32の下端は、両端が高く中央付近が低い曲線状の形状になっている。
図24はカートリッジ50内に汚物が貯留したときの様子を示す概略断面図である。便器装置10を使用するとき、通常は、図24(a)に示すように、小水や洗浄水などの液体の方が固体よりも多いので、液体中に一部の固体が浮き、一部の固体が沈んでいる状態となる。液面が弁28の下端に達すると、図24(b)に示すように、液面によりシール壁32が押し上げられ、汚物排出孔26が開きにくくなる。この状態のまま使用し続けると、弁28内に汚物排出孔26を通過できなかった汚物が溜まり、臭気がカートリッジ50の開口から漏れてくる。したがって、カートリッジ50内の汚物の貯留状態が上限に達し、汚物を廃棄するか空のカートリッジ50を交換する必要があることを使用者に気づかせるための仕組みが必要となる。
例えば、可視光の少なくとも一部を透過させる透明又は半透明の素材によりシール壁32を構成し、色の変化により汚物の貯留状態が分かるようにしてもよい。また、シール壁32の内側又は外側の、シール壁32が汚物により押し上げられたときに上方から視認可能となる位置に、汚物の貯留状態が上限に達したことを示すマークや画像などが設けられてもよい。このマークがシール壁32の内側に設けられる場合は、シール壁32は不透明な材質により構成されてもよい。このマークがシール壁32の外側に設けられる場合は、シール壁32は透明又は半透明の素材により構成される。
図24(b)に示すように、カートリッジ50内に汚物が貯留され、シール壁32が汚物により押し上げられた状態になると、シール壁32の下端がもともとやや上方に引き上げられていたこととも相まって、汚物排出孔26は常時閉じられた状態となる。これにより、汚物を廃棄するためにカートリッジ50を運搬する間、カートリッジ50が揺れたり倒れたりしたとしても、カートリッジ50内の汚物が外部に漏れ出さないようにすることができる。また、便器装置10の使用中に、洪水や漏水などにより便器装置10の内部に大量の水が入り込んでしまうような事態になったとしても、カートリッジ50内に水が溜まってシール壁32が押し上げられると汚物排出孔26が閉じられるので、カートリッジ50内に貯留されていた汚物が外部へ排出される事態を防ぐことができる。
以上の便器装置10の効果を説明する。
前述のように、弁80は可とう性をもっているため、以下の利点がある。弁80内に投入された汚物が、底部にある汚物排出孔26の入口まで誘導されずに途中の一部分の内面上で止まった場合を考える。本実施形態によれば、この場合でも、弁80の他部分で汚物を受けたときに、その他部分がたわみ変形することで、汚物が載っている一部分も追従して変形し易くなる。これにより、弁80の一部分に止まった汚物が動き易くなり、その汚物を弁80の底部に誘導し易くなる。
また、弁80の内面に大便が付着しても、弁80が引っ張られるように変形することで、大便が付着位置から剥がれ易くなり、この点からも、弁80の底部に汚物を誘導し易くなる。
また、弁80が可とう性をもっているため、便鉢20内に洗浄水等を投入して汚物を流すときや、便器装置10の便座16から立ち上がったときに、弁80全体を振動させることができる。特に、弁80は、カートリッジ50に対してぶら下がった状態になっていることから、弁80全体を特に振動させ易くなっている。この振動により、弁80内の汚物が動き易くなり、この点からも汚物を弁80の底部に誘導し易くなる。
これらの結果、弁80の底部の汚物排出孔26から弁80内の汚物を排出し易くなる。
また、このように弁80の底部に汚物を誘導し易くなるため、弁80内に汚物が残りにくくなる結果、弁80の内面を洗浄するための洗浄水の使用量を抑えられる。よって、上水道が使えない環境下での使用に適した便器装置10を提供できる。
また、弁80が可とう性をもっているため、汚物、特に小便を弁80が受けたときにはね返りにくくなる。よって、汚物がはね返って周囲に飛散したり、使用者に当たることを防止できる。
また、弁80は、互いの内側面が接離することにより汚物排出孔26を開閉する一対のシール壁32により構成されるため、弁80を簡易な構造により実現でき、製造コストの削減を図ることができる。
本実施形態では一対のシール壁32が各々が分離したシート体により構成されるため、一対のシール壁32が互いに動きを拘束することなく大きく動くことができる。よって、一対のシール壁32が開くときの開度を大きくでき、多量の汚物を早期に排出できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
シール壁32はシリコンゴムを素材とする例を説明したが、可とう性をもつ素材であればよく、たとえば、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂等の合成樹脂が用いられてもよい。
実施形態では、ハウジング14は便器12を支持する支持体の一例として説明した。支持体は、ハウジング14のような便器12と一体に持ち運び可能なものでなくともよい。たとえば、支持体は、汲み取り式トイレの床のような固定構造物でもよい。
実施形態では、弁80はカートリッジ50に対して着脱可能に装着される例を説明した。弁80は、便器12又はハウジング14に対して着脱可能に装着されてもよい。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。
前述の課題を解決するための手段に記載の態様の弁では、一対のシール壁のうちの少なくとも一方が、一対のシール壁の両端付近において、縦方向で前記シール壁の内側面が当接するように折り曲げて同じ側につまんだ状態で固定されてもよい。
この態様によれば、弁を簡易な構造により実現でき、製造コストの削減を図ることができる。
前述の態様の弁では、一対のシール壁のうちの少なくとも一方が、両端が互いに接着された位置において、上方に吊り上げられてもよい。
この態様によれば、弁の内部で物体が詰まりにくく、かつ、物体が通過した後は下端が密着しやすい構造とすることができる。
前述の態様の弁では、一対のシール壁の上端は、開口された状態で固定されてもよい。
この態様によれば、上端が常時開口された状態で使用される弁であっても、下端が密着しやすい構造とすることができる。
前述の態様の弁では、一対のシール壁は、可とう性をもつものであってもよい。
この態様によれば、弁の内部を物体が通過するときに、シール壁が弾性変形しやすいので、弁の内部を物体が速やかに通過しやすくすることができる。
前述の態様の弁では、一対のシール壁は、硬度が0〜20°であるシリコンゴムにより構成されてもよい。
この態様によれば、耐久性に優れたシリコンゴムを用いつつ、シール壁が弾性変形しやすくすることができ、弁の内部を物体が速やかに通過しやすくすることができる。
カートリッジ及び弁の別の例について更に説明する。
図25及び図26は、カートリッジ50及び便器装置10の断面図であり、図27は、カートリッジ50及び便器装置10の分解図である。図25は、カートリッジ50の上面の長手方向に平行な平面で切断した断面図であり、図26は、カートリッジ50の上面の短手方向に平行な平面で切断した断面図である。
カートリッジ50の底面100は、底面100の中央(重心又は中心)付近を含む平らな平面領域102と、平面領域102とカートリッジ50の側面との間の傾斜した第1傾斜領域104及び第2傾斜領域106とを少なくとも含む。第1傾斜領域104及び第2傾斜領域106においては、中央付近に向かって低くなるように傾斜がつけられており、内側、すなわち平面領域102に近い方の第1傾斜領域104における傾斜角は、外側、すなわちカートリッジ50の側面に近い方の第2傾斜領域106における傾斜角よりも大きい。これにより、底面100に沈んだ汚物が傾斜を転がって中央付近に集まりやすくなるので、カートリッジ50にノズルなどを差し込んでカートリッジ50から汚物を吸引する際に、ノズルの位置を移動させなくても効率良く汚物を吸引することができる。また、第2傾斜領域106における傾斜角を第1傾斜領域104における傾斜角よりも小さくすることにより、そうでない場合よりも、カートリッジ50の内部の容量を大きくすることができる。
第1傾斜領域104における傾斜角は一定であってもよいし、内側の方が傾斜角が大きく又は小さくなるように変化されてもよい。第2傾斜領域106における傾斜角も、同様に、一定であってもよいし、内側の方が傾斜角が大きく又は小さくなるように変化されてもよい。第1傾斜領域104と第2傾斜領域106との間は、傾斜角が連続的に変化するように滑らかに接続されてもよいし、傾斜角が不連続的に変化するように接続されてもよい。第1傾斜領域104と平面領域102との間も、同様に、傾斜角が連続的に変化するように滑らかに接続されてもよいし、傾斜角が不連続的に変化するように接続されてもよい。
第1傾斜領域104の外周の形状は、平面視において、円形であってもよいし、カートリッジ50の上面と相似でカートリッジ50の上面よりも小さい形状であってもよいし、カートリッジ50の上面の長手方向を長軸とする角丸長方形又は楕円形であってもよい。また、第1傾斜領域104の外周の形状は、平面視において、正方形、長方形、又は台形などの多角形であってもよい。平面領域102の外周の形状も、同様に、平面視において、円形、多角形、角丸長方形、楕円形などであってもよい。第1傾斜領域104及び平面領域102が、すり鉢状に形成されてもよいし、溝状に形成されてもよい。なお、平面領域102は形成されなくてもよく、この場合、第1傾斜領域104は、底面100の中央付近を含む球面、扁球面、長球面などの曲面状に形成されてもよい。
第1傾斜領域104及び第2傾斜領域106における傾斜角は等方的であってもよいし、異方的であってもよい。例えば、第1傾斜領域104が平面視において円形に形成される場合、第1傾斜領域104及び第2傾斜領域106に等方的に傾斜角をつけて、両者をすり鉢状に形成してもよい。また、第1傾斜領域104が平面視において角丸長方形、長方形、又は楕円形に形成される場合、長手方向と短手方向とで異なる傾斜角がつけられてもよい。例えば、第2傾斜領域106においては短手方向の傾斜角を長手方向の傾斜角よりも大きくし、第1傾斜領域104においては長手方向の傾斜角を短手方向の傾斜角よりも大きくしてもよい。第1傾斜領域104又は第2傾斜領域106における傾斜角が異邦的である場合は、第1傾斜領域104における最大傾斜角が第2傾斜領域106における最大傾斜角よりも大きければよい。
カートリッジ50は、例えば、専用の洗浄ステーションなどにおいて、貯留された汚物を抜き取られ、内部を洗浄されて再利用されるが、このとき、カートリッジ50の内部に少量の液体110が投入されてもよい。これにより、カートリッジ50を便器装置10に設置した直後であっても、汚物がカートリッジ50の底面に直接付着してしまうのを防ぐことができる。液体110には、例えば、抗菌剤、消臭剤、芳香剤などが含まれていてもよく、これにより、菌の繁殖及び臭気を抑えることができる。本図に示したカートリッジ50では、第1傾斜領域104を設けることにより、汚物が落ちやすい中央付近の平面領域102に液体110を集中させることができるので、上記の効果を維持しつつ、必要な液体110の量を少なくすることができ、カートリッジ50の容量を有効に利用することができる。
便器装置10のハウジング14の底面部14bには、カートリッジ50の底面が当接する位置に、衝撃を緩和するための緩衝材120が設けられる。これにより、カートリッジ50をハウジング14内に設置する際に、衝撃によりハウジング14の底面やカートリッジ50の底面が破損するのを防ぐことができる。また、カートリッジ50をハウジング14内に設置したときの安定性を向上させることができる。
ハウジング14の胴部14aの上部にも、カートリッジ50の上部が当接する位置に、緩衝材122が設けられる。これにより、カートリッジ50をハウジング14内に設置したときの安定性を向上させることができるとともに、がたつきによる音の発生を抑えることができる。
なお、図1に示した便器装置10においては、図3にも示すように、取っ手15がハウジング14に着脱自在に設けられていたが、本図の便器装置10においては、取っ手15はハウジング14の外面の一部としてハウジング14と一体的に設けられている。
図6に示したカートリッジ50においては、蓋56がヒンジなどによってカートリッジ50の上面に固定されていたが、本図に示すカートリッジ50には、側面に蓋56を収納するための収納部130が設けられており、カートリッジ50をハウジング14に設置した後、カートリッジ50の蓋56を取り外して収納部130に収納することができる。なお、図6や図13〜18にも示されるように、便器12がハウジング14の上に設置されたとき、便鉢20の開口部分の下端がカートリッジ50の開口部分の上端よりも低くなるように構成されているので、蓋56が閉まったままの状態では便器12をハウジング14の上に設置することができないようになっている。これにより、誤って蓋56が閉まったまま便器12が設置され、便器装置10が使用されてしまうのを防ぐことができる。
図27に示した例では、カートリッジ50の底面100の平面領域102及び第1傾斜領域104は、平面視において角丸長方形の形状をしており、全体として溝状に形成されている。
図28は、図26に示した便器装置10の斜視図である。
カートリッジ50をハウジング14に設置すると、カートリッジ50の収納部130の凹みとハウジング14との間にポケットが形成され、蓋56を収納することができる。蓋56をポケットに容易に挿脱することができるように、ポケットの開口が蓋56の側面よりもやや大きくなるように、収納部130が設けられる。また、ポケットの深さが蓋56の短手方向の長さよりもやや浅くなるように、収納部130が設けられる。これにより、本図に示すように、蓋56の一部がややポケットからはみ出るように蓋56がポケットに収納されるので、蓋56をポケットから抜き取る際に、はみ出た部分を容易に掴むことができる。
図29は、カートリッジ50の更に別の例を示す。
本図に示すカートリッジ50においても、図25〜27に示したカートリッジ50と同様に、底面100に傾斜がつけられている。本図に示すカートリッジ50には、底面100の外周付近に脚140が設けられている。これにより、底面100の平面領域102の面積が底面100の全体の面積に比べてかなり小さい場合であっても、カートリッジ50を自立させることができるので、未使用のカートリッジ50を保管するときや、カートリッジ50に貯留された汚物を廃棄するためにカートリッジ50をハウジング14から取り出したときなどの利便性を向上させることができる。本図の例では、底面100の外周を構成する角丸長方形の円弧部分に2本の脚140が設けられているが、図7及び8に示したカートリッジ50の取付凸部60と同様に、底面100の外周全体に沿って1本の脚が設けられてもよいし、底面100の四隅に4本の脚が設けられてもよい。
本図に示すカートリッジ50も、図11に示したカートリッジ50と同様に、脚140が、ちょうど取っ手54の内周と形状が合うように構成されており、カートリッジ50aとカートリッジ50bを上下に積み重ねたとき、下側のカートリッジ50aの2つの取っ手54aの間に、上側のカートリッジ50bの本体52bの底部がちょうど入って係合され、カートリッジ間の水平方向の相対位置がずれないように固定される。これにより、カートリッジ50を運搬する際に、複数のカートリッジ50を安定的に積み重ねて運搬することができる。
図30は、図29に示したカートリッジ50を斜め下から見た斜視図である。また、図31は、図30に示したカートリッジ50の底面100を示す。
カートリッジ50の底面100は、平面領域102、第1傾斜領域104、及び第2傾斜領域106を含み、平面領域102及び第1傾斜領域104の外周は、平面視において、略円形となるように形成されている。すなわち、平面領域102及び第1傾斜領域104は、上下方向に反転された円錐台を構成する。本発明者らによる実験により、カートリッジ50の底面をこのように形成すると、カートリッジ50の中央付近にノズルなどを差し込んでカートリッジ50から汚物を吸引する際に、汚物が傾斜を転がって中央付近に集まりやすくなり、非常に効率良く汚物を吸引することができることが分かっている。第1傾斜領域104の外周の直径は、ノズルの直径よりも大きい方が好ましい。これにより、ノズルを第1傾斜領域104により形成される円錐台の内部まで差し込んで汚物を吸引することができる。また、第1傾斜領域104の外周は、弁28の端部の直下、又は、それよりも外側であることが好ましい。これにより、弁28から落下した汚物が第1傾斜領域104を転がって平面領域102に集まりやすくなる。平面領域102の外周の直径は、ノズルの直径よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
図32は、カートリッジ50の底面100の構造について更に説明するための図である。
底面100の第2傾斜領域106において、長軸の端部付近の位置Aは、短軸の端部付近の位置Bよりも、中央付近の第1傾斜領域104及び平面領域102から遠い。したがって、平面領域102付近にノズルを差し込んで汚物を吸引する場合、第2傾斜領域106の傾斜を等方的にしておくと、第2傾斜領域106に乗っている固形物のうち、位置B付近のものは優先的に平面領域102へ落下して吸引されるが、位置A付近のものは液面が低下しても第1傾斜領域104まで落下せずに取り残されてしまうことが考えられる。このような課題を解決するために、位置Aと第1傾斜領域104の長軸の端部付近の位置A’との間の傾斜角を、位置Bと第1傾斜領域104の短軸の端部付近の位置B’との間の傾斜角よりも大きくする。また、位置Bが位置Aよりも低くなるように底面100の第2傾斜領域106を構成する。これにより、平面領域102付近にノズルを差し込んで汚物を吸引する際、液面が位置Aの高さ付近になったときに、第1傾斜領域104から遠い位置A付近にある固形物が位置A’に向けて傾斜を転がって落下しやすくすることができるとともに、液面が位置Bの高さ付近になるまでは、第1傾斜領域104から近い位置B付近にある固形物が位置B’に向けて落下せず、その場に滞留しやすくすることができるので、位置A付近に固形物が取り残される事態を低減することができる。第1傾斜領域104においては、長軸方向においても短軸方向においても、第2傾斜領域106よりも傾斜角を大きくしているので、液中に浮遊せずに沈んでいる固形物を、吸引に伴って効率良く平面領域102に落下させることができる。それぞれの位置における傾斜角は、B’≧A’>A>Bであってもよい。なお、前述したように、弁の長軸方向の長さは、カートリッジ50の底面100の長軸方向の長さよりも短いので、弁を通過した固形物は位置A付近には落下しない。したがって、液面が位置Aの高さよりも低いときに位置A付近に固形物が到達する事態を、弁の構造により抑制することができる。以上の構成により、汚物を吸引する際に、液体及び固体の汚物が平面領域102に吸い寄せられやすくすることができるので、底面100に汚物が取り残される事態を著しく低減させることができる。
図33は、図29に示したカートリッジ50の反対側の側面を斜め上から見た斜視図である。
本図に示すカートリッジ50も、図25〜27に示したカートリッジ50と同様に、本体52の上部に蓋56を収納するための収納部130が設けられるが、本図に示すカートリッジ50は、更に、収納部130に収納された蓋56を支持するための支持部132を備える。これにより、カートリッジ50をハウジング14から取り出した状態であっても、蓋56を収納部130に収納して保持することができるので、カートリッジ50に貯留された汚物を吸引してカートリッジ50を洗浄する際に、蓋56を紛失しないように収納することができる。この場合、支持部132がカートリッジ50の本体52よりも外側に張り出すので、カートリッジ50をハウジング14に設置するときに支持部132が当たる位置には緩衝材122を設けなくてもよいし、支持部132が当たらないように緩衝材122を設けてもよい。
図34は、弁を構成するシール壁の構造を示す。
図19に示した弁28、及び、図21に示した弁80は、平面状の1対のシール壁32を貼り合わせて構成されていたが、本図に示す弁150は、カートリッジ50の開口に合わせて立体的に形成された1対のシール壁152を貼り合わせて構成される。シール壁152も、シール壁32と同様に、シリコンゴムにより形成される。シール壁152の上端には、カートリッジ50の開口に設けられた弁取付部160に弁150を係止するための係止部154が設けられる。シール壁152の左右の端には、2枚のシール壁152を互いに接着するための接着部156が設けられ、接着剤などにより接着部156を接着することにより弁150が形成される。
図35は、図34に示した弁がカートリッジに設置される様子を示す。
カートリッジ50の開口には、弁取付部160が設けられており、弁150の係止部154を弁取付部160に係止させることにより、弁150がカートリッジ50に取り付けられる。弁取付部160のうち、カートリッジ50の開口の長軸の端部に切り欠き162が設けられており、弁150が弁取付部160に係止されるときに、接着部156の上端が切り欠き162に差し込まれる。これにより、弁150がずれないように固定することができる。
図36は、図34に示した弁の側面図である。
弁150を構成するシール壁152は、カートリッジ50の開口から下方に向かって徐々にすぼまるように立体的に形成された第1領域170と、第1領域170の下方にシール壁152の下端を含んで形成された平面状の第2領域172とを含む。第2領域172は、中央付近の第2a領域174と、両端付近の第2b領域176とを含む。第1領域170におけるシール壁152の厚みは、第2領域172におけるシール壁152の厚みよりも厚い。これにより、弁150の上部においては、汚物の落下に耐えうる強度を確保し、形態安定性を維持しつつ、弁150の下部においては、可とう性を高くし、汚物が通過する際に開きやすくするとともに、汚物が通過した後は互いに密着しやすくすることができる。第1領域170と第2領域172とは一体的に形成されてもよい。例えば、シール壁152は、金型などを用いて一体的に成形されてもよい。
第1領域170及び第2a領域174においては、シリコンゴムの表面にシボ加工を施すことにより細かい凹凸をつけ、第2b領域176においては、表面にシボ加工を施さない。これにより、汚物が主に通過する中央付近の第1領域170及び第2a領域174においては、シール壁152同士が接着する面積を小さくすることにより、弁150が開きやすくすることができ、汚物があまり通過しない端付近の第2b領域176においては、シール壁152同士が接着する面積を大きくすることにより、弁150が密着しやすくすることができる。これにより、汚物が通過するときには容易に開き、汚物が通過しないときには閉じて確実に密着する弁を実現することができるので、臭気が外部に漏れるのをより一層防ぐことができる。また、汚物が主に通過する中央付近の第1領域170及び第2a領域174において、シール壁152と汚物とが接着する面積を小さくすることにより、汚物がシール壁152に付着するのを防ぐことができる。
シール壁152の表面は、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))などの摩擦係数の小さい化学物質によりコーティングされてもよい。これにより、シール壁152の表面と汚物との間に生じる静止摩擦力及び動摩擦力を小さくし、汚物が弁を通過しやすくすることができる。第1領域170において、シール壁152の表面にコーティング加工を施してもよい。これにより、第2領域172におけるシール壁152同士の密着性を高く維持しつつ、第1領域170における汚物の排出性を高めることができる。
図37は、図34に示した弁がカートリッジに設置された様子を概略的に示す。
弁150がカートリッジ50に設置される際に、弁150の下部において弁150が閉じる方向に応力がかかるように、弁150が設置されるのが好ましい。本発明者らの実験により、図21に示したように、シール壁32の両端の接着部70の吊り上げ位置82において、シール壁32の両端をそれぞれ上方に吊り上げる場合だけでなく、本図に示すように、シール壁152の上端において、両端の方が中央付近よりも高くなるように弁150を設置すると、シール壁152の自重により生じる張力により、シール壁152の下方において、弁150が閉じる方向に応力がかかることが明らかになっている。これにより、より確実に弁150を閉じることができるので、汚物が通過した後に弁150が開いたまま閉じない事態を低減させることができるとともに、臭気の漏れを防ぐことができる。このような状態を実現するために、本図に示すように、カートリッジ50の開口を、長軸の端部164で高く、短軸の端部166で低くなるように傾斜して設け、弁150を長軸の端部164付近のみでカートリッジ50の開口に係止してもよい。また、本図に示すように、カートリッジ50の開口の長軸の端部164を、開口の中央に向かって傾斜するように設けてもよい。これにより、シール壁152の下部にかかる応力をより大きくすることができる。
図38は、図34に示した弁がカートリッジに設置された様子を概略的に示す。
シール壁152の上端には、内側に向かって突出した突起158が設けられる。便器12がハウジング14の上に設置されると、便鉢20の下部と突起158とが密着する。これにより、便鉢20と弁150との密着性を高め、便鉢20と弁150の間の隙間から汚物がカートリッジ50の上面に漏れるのを防ぐことができる。また、便器12及び弁150のずれを防ぐことができる。更に、便器12を設置したときに便鉢20が弁150に当たって弁150が破損してしまうのを防ぐことができる。
以上のように、本実施の形態の技術によれば、シリコンゴムを用いた簡易で安価な構成により、通過物を通過させる必要があるときには容易に開いて通過物を通過させ、必要のないときには容易に閉じて密着し、臭気などを逆流させない画期的な弁を提供することができる。このような弁をモバイルトイレに用いると、汚物が容易に弁を通過するので、使用後の洗浄水の量を非常に少なくすることができることが本発明者らの実験により分かっている。したがって、上下水道が整備されていない地域において使用されるモバイルトイレのみならず、くみ取り式のトイレ、電車などの移動体に設置されるトイレ、イベント等において設置される簡易公衆トイレなどに設置することにより、少ない洗浄水で臭気を抑えた衛生的なトイレを提供することができる。更に、これらのトイレ以外にも、水洗トイレ、風呂、洗面所、台所などの配水管に設置することにより、トラップを設置することなく、臭気や虫などが下水管から上がってくるのを防ぐことができる。また、本実施の形態の弁は、内部に食品、飲料、薬品などの貯留物を貯留するための容器の開口や、気体、液体、固体を通過させるための配管などにおいて、貯留物や通過物を一方向に通過させ、逆流を防止すべき場合に広く利用可能である。
本実施の形態では、カートリッジ及び弁の様々な例について説明したが、これらの例は任意に組み合わせて実施されてもよい。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。
前述の課題を解決するための手段に記載の態様の容器では、第1傾斜領域の外周は、平面視において円形又は楕円形であってもよい。
この態様によれば、より一層内部の貯留物を中央付近に集まりやすくすることができ、貯留物を効率良く吸引することができる。
前述の態様の容器では、第1傾斜領域よりも内側の平らな平面領域を更に含んでもよい。
この態様によっても、内部の貯留物を中央付近の平面領域に集まりやすくすることができるので、貯留物を効率良く吸引することができる。
前述の態様の容器では、第1傾斜領域及び平面領域の外周は、平面視において円形であり、第1傾斜領域及び平面領域は、円錐台を構成してもよい。
この態様によっても、内部の貯留物をより一層中央付近の平面領域に集まりやすくすることができるので、貯留物を効率良く吸引することができる。
前述の態様の容器では、容器の開口を閉じるための蓋と、容器の外側の側面に設けられた、蓋を収納するための収納部と、を備えてもよい。
この態様によれば、容器の内部の貯留物を吸引している間、蓋を収納部に収納することができるので、蓋が紛失してしまうのを防ぐことができる。
10…便器装置、12…便器、16…便座、20…便鉢、26…汚物排出孔、32…シール壁、50…カートリッジ、80…弁、130…収納部、132…支持部、140…脚、150…弁、152…シール壁、154…係止部、156…接着部、158…突起、160…弁取付部。

Claims (5)

  1. 貯留物を内部に貯留するための容器であって、
    前記容器の内部の底面は、前記底面の中央付近に向かって低くなるように傾斜した第1傾斜領域と、前記第1傾斜領域よりも外側において前記底面の中央付近に向かって低くなるように傾斜した第2傾斜領域とを少なくとも含み、
    前記第1傾斜領域における最大傾斜角は、前記第2傾斜領域における最大傾斜角よりも大きい
    ことを特徴とする容器。
  2. 前記第1傾斜領域の外周は、平面視において円形又は楕円形であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記第1傾斜領域よりも内側の平らな平面領域を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
  4. 前記第1傾斜領域及び前記平面領域の外周は、平面視において円形であり、前記第1傾斜領域及び前記平面領域は、円錐台を構成することを特徴とする請求項3に記載の容器。
  5. 前記容器の開口を閉じるための蓋と、
    前記容器の外側の側面に設けられた、前記蓋を収納するための収納部と、
    を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の容器。
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