JP2017139887A - 鉄線引留装置、及び鉄線引留方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力ケーブル線芯と、電力ケーブル線芯の外周を囲む複数の鉄線200からなる鉄線外装150と、を有するケーブル100の複数の鉄線200のそれぞれを引き留める鉄線引留装置10であって、ケーブル100を外周側から剥ぎ取ることで鉄線外装150が露出したケーブル100の外周を束ねるバインダ320と、バインダ320の位置を折り返し位置として、鉄線200の先端がケーブル100の延在側を向くように鉄線200が折り返された状態で、折り返された鉄線200とともにケーブル100の外周を囲むように配置される保護管400と、保護管400内に充填される樹脂500とを備え、樹脂500は、鉄線200が折り返された部分の内側に入り込んだ状態で硬化されることで、鉄線200が折り返された部分を係止する係止部520を形成している。
【選択図】図2
Description
電力ケーブル線芯と、前記電力ケーブル線芯の外周を囲む複数の鉄線からなる鉄線外装と、を有するケーブルの、前記複数の鉄線のそれぞれを引き留める鉄線引留装置であって、
前記ケーブルを外周側から剥ぎ取ることで前記鉄線外装が露出した前記ケーブルの外周を束ねるバインダと、
前記バインダの位置を折り返し位置として、前記鉄線の先端が前記ケーブルの延在側を向くように前記鉄線が折り返された状態で、折り返された前記鉄線とともに前記ケーブルの外周を囲むように配置される保護管と、
前記保護管内に充填される樹脂と、を備え、
前記樹脂は、前記鉄線が折り返された部分の内側に入り込んだ状態で硬化されることで、前記鉄線が折り返された部分を係止する係止部を形成している鉄線引留装置が提供される。
電力ケーブル線芯と、前記電力ケーブル線芯の外周を囲む複数の鉄線からなる鉄線外装と、を有するケーブルの、前記複数の鉄線のそれぞれを引き留める鉄線引留方法であって、
前記ケーブルを外周側から剥ぎ取ることで、前記鉄線外装を露出させる工程と、
前記鉄線外装が露出された前記ケーブルの外周をバインダで束ねる工程と、
前記バインダの位置を折り返し位置として、前記鉄線の先端が前記ケーブルの延在側を向くように前記鉄線を折り返す工程と、
折り返された前記鉄線とともに前記ケーブルの外周を囲むように保護管を配置する工程と、
前記保護管内に樹脂を充填する工程と、を備え、
前記樹脂を充填する工程では、
前記鉄線が折り返された部分の内側に前記樹脂が入り込んだ状態で前記樹脂を硬化させることで、前記鉄線が折り返された部分を前記樹脂に係止させる係止部を形成する鉄線引留方法が提供される。
まず、図6を用い、比較例として、従来の鉄線引留装置を用いた場合について説明する。
(1)鉄線引留装置
図1および図2を用い、本発明の第1実施形態に係る鉄線引留装置について説明する。図1は、本実施形態に係るケーブルの軸方向に直交する断面図である。図2は、本実施形態に係る鉄線引留装置を示す概略構成図である。なお、図2の一部は、断面図となっている。また、ケーブル100には、所定数の鉄線200が設けられているが、そのうちの2本の鉄線200のみを図示している。また、図2では、ケーブル100が横方向に沿うように図示されているが、実際に洋上のプラットフォーム上の設備にケーブル100の端末を接続する際には、ケーブル100が鉛直方向に立ち上げられた状態となる。これらの点は、後述する図4および図5も同様である。
図1に示すように、本実施形態において鉄線引留装置10が適用されるケーブル(外装ケーブル)100は、海底などの水底に布設されるケーブルとして構成され、例えば、中心側から外側に向けて、電力ケーブル線芯110と、介在120と、押さえテープ130と、座床テープ140と、鉄線外装(鎧装)150と、外被層160と、を備えている。
本実施形態の鉄線引留装置10は、ケーブル100の端末において、圧縮スリーブを用いなくても、複数の鉄線200を引き留めることができるよう構成されている。具体的には、鉄線引留装置10は、例えば、バインダ320と、保護管400と、樹脂500と、を備えている。
次に、図2を用い、本実施形態に係る鉄線引留方法について説明する。
まず、ケーブル100を、外周側から段階的に剥ぎ取る。これにより、ケーブル100の先端からケーブル100の延在側に向けて、電力ケーブル線芯110、座床テープ140、鉄線外装150を、この順で露出させる。また、鉄線外装150の鉄線200に防錆用のタールが塗布されている場合は、鉄線200が露出された部分のタールを除去し、清浄な状態とする。
次に、亜鉛メッキ鋼線からなるバインダ320を用意し、鉄線外装150が露出したケーブル100の外周を囲むようにバインダ320を巻回する。これにより、鉄線外装150が露出されたケーブル100の外周をバインダ320で束ねる。
次に、バインダ320の位置を折り返し位置として、鉄線200の先端がケーブル100の延在側を向くように、鉄線200を折り返す。このとき、鉄線折返部220の曲率半径を10mm以上50mm以下とする。また、鉄線200が折り返されてケーブル100の延在側に延在する方向とケーブル100の軸方向とのなす角度θを60°以下とする。
次に、予めケーブル100の所定位置に退避させておいた保護管400をケーブル100の先端側に移動させ、折り返された鉄線200とともにケーブル100の外周を囲むように保護管400を配置する。
次に、2液硬化型エポキシ樹脂の樹脂500を構成する主剤および硬化剤を混合する。そして、保護管400の開口460から保護管400内に樹脂500を充填して、硬化させる。このとき、折り返された鉄線200の間や周囲を埋めるように樹脂500を充填し、鉄線折返部220の内側に樹脂500を入り込ませる。これにより、鉄線折返部220の内側に、鉄線折返部220を係止するための樹脂500の係止部520を形成する。以上により、鉄線引留装置10が組み立てられる。
次に、例えば、プラットフォーム上の設備側に設けられた取付金具700に対してボルト等によって保護管400の底部420を取り付ける。これにより、プラットフォーム上の設備に鉄線引留装置10を固定する。そして、プラットフォーム上の設備に電力ケーブル線芯110を接続する。
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
図4を用い、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、本実施形態に係る鉄線引留装置を示す概略構成図である。
本実施形態の鉄線引留装置12は、バインダ320に加え、さらに先端側バインダ340を備えている。先端側バインダ340は、鉄線折返部220から鉄線200の先端までの間の少なくとも一部とともにケーブル100の外周を束ねるよう構成されている。具体的には、先端側バインダ340は、例えば、バインダ320と同じく亜鉛メッキ鋼線として構成され、鉄線折返部220から鉄線200の先端までの間の少なくとも一部とともにケーブル100の外周を囲むように巻回されている。これにより、先端側バインダ340は、鉄線200の折り返し形状を保持するようになっている。なお、先端側バインダ340には、ケーブル100の径方向に締め付ける力が付与されていることが好ましい。
(バインド工程)
それぞれ亜鉛メッキ鋼線からなるバインダ320および先端側バインダ340を用意する。そして、鉄線外装150が露出されたケーブル100の外周をバインダ320で束ねる。
次に、バインダ320の位置を折り返し位置として、鉄線200の先端がケーブル100の延在側を向くように、鉄線200を折り返す。このとき、鉄線折返部220から鉄線200の先端までの間の少なくとも一部とともにケーブル100の外周を囲むように先端側バインダ340を巻回する。これにより、折り返された鉄線200の少なくとも一部とともにケーブル100の外周を先端側バインダ340によって束ねる。
先端側バインダ340は、折り返された鉄線200の少なくとも一部をケーブル100の中心軸側に固定している。これにより、ケーブル100の延在側に鉄線200がすり抜けてしまうことを抑制することができる。また、鉄線200の折り返し形状を安定化させることができる。その結果、樹脂500の係止部520に鉄線折返部220を確実に係止させることができ、安定した引留力で鉄線200を引き留めることができる。
次に、上述の2つの実施形態の変形例について説明する。以下の変形例では、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、その説明を省略する。
図5(a)は、変形例1に係る鉄線引留装置を示す概略構成図である。
図5(a)に示すように、変形例1の鉄線引留装置14は、第1実施形態と同様の構成に加え、圧縮スリーブ600を備えている。圧縮スリーブ600は、保護管400内に配置された鉄線200の先端に取り付けられている。具体的には、圧縮スリーブ600は、金属製の筒状部材として構成され、複数の鉄線200のそれぞれの先端に被せられた状態で径方向に加締められることにより、鉄線200の先端に圧縮接続されている。
図5(b)は、変形例2に係る鉄線引留装置を示す概略構成図である。
図5(b)に示すように、変形例2の鉄線引留装置16は、第2実施形態と同様の構成に加え、圧縮スリーブ600を備えている。圧縮スリーブ600は、保護管400内に配置された鉄線200の先端に圧縮接続されている。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、
電力ケーブル線芯と、前記電力ケーブル線芯の外周を囲む複数の鉄線からなる鉄線外装と、を有するケーブルの、前記複数の鉄線のそれぞれを引き留める鉄線引留装置であって、
前記ケーブルを外周側から剥ぎ取ることで前記鉄線外装が露出した前記ケーブルの外周を束ねるバインダと、
前記バインダの位置を折り返し位置として、前記鉄線の先端が前記ケーブルの延在側を向くように前記鉄線が折り返された状態で、折り返された前記鉄線とともに前記ケーブルの外周を囲むように配置される保護管と、
前記保護管内に充填される樹脂と、を備え、
前記樹脂は、前記鉄線が折り返された部分の内側に入り込んだ状態で硬化されることで、前記鉄線が折り返された部分を係止する係止部を形成している鉄線引留装置が提供される。
好ましくは、付記1に記載の鉄線引留装置であって、
前記鉄線が折り返された部分から前記鉄線の先端までの間の少なくとも一部とともに前記ケーブルの外周を束ねる先端側バインダを有する。
好ましくは、付記1又は2に記載の鉄線引留装置であって、
前記保護管内に配置された前記鉄線の先端に圧縮スリーブが圧縮接続されている。
好ましくは、付記1〜3のいずれかに記載の鉄線引留装置であって、
前記鉄線が折り返されて前記ケーブルの延在側に延在する方向と前記ケーブルの軸方向とのなす角度は、0°以上60°以下である。
好ましくは、付記1〜4のいずれかに記載の鉄線引留装置であって、
前記鉄線が折り返された部分の曲率半径は、前記鉄線の直径以上前記鉄線の直径の10倍以下である。
本発明の他の態様によれば、
電力ケーブル線芯と、前記電力ケーブル線芯の外周を囲む複数の鉄線からなる鉄線外装と、を有するケーブルの、前記複数の鉄線のそれぞれを引き留める鉄線引留方法であって、
前記ケーブルを外周側から剥ぎ取ることで、前記鉄線外装を露出させる工程と、
前記鉄線外装が露出された前記ケーブルの外周をバインダで束ねる工程と、
前記バインダの位置を折り返し位置として、前記鉄線の先端が前記ケーブルの延在側を向くように前記鉄線を折り返す工程と、
折り返された前記鉄線とともに前記ケーブルの外周を囲むように保護管を配置する工程と、
前記保護管内に樹脂を充填する工程と、を備え、
前記樹脂を充填する工程では、
前記鉄線が折り返された部分の内側に前記樹脂が入り込んだ状態で前記樹脂を硬化させることで、前記鉄線が折り返された部分を前記樹脂に係止させる係止部を形成する鉄線引留方法が提供される。
100 ケーブル
110 電力ケーブル線芯
120 介在
130 押さえテープ
140 座床テープ
150 鉄線外装
160 外被層
200 鉄線
220 鉄線折返部
320 バインダ
340 先端側バインダ
400 保護管
420 底部
440 側壁部
460 開口
500 樹脂
520 係止部
600 圧縮スリーブ
700 取付金具
Claims (4)
- 電力ケーブル線芯と、前記電力ケーブル線芯の外周を囲む複数の鉄線からなる鉄線外装と、を有するケーブルの、前記複数の鉄線のそれぞれを引き留める鉄線引留装置であって、
前記ケーブルを外周側から剥ぎ取ることで前記鉄線外装が露出した前記ケーブルの外周を束ねるバインダと、
前記バインダの位置を折り返し位置として、前記鉄線の先端が前記ケーブルの延在側を向くように前記鉄線が折り返された状態で、折り返された前記鉄線とともに前記ケーブルの外周を囲むように配置される保護管と、
前記保護管内に充填される樹脂と、を備え、
前記樹脂は、前記鉄線が折り返された部分の内側に入り込んだ状態で硬化されることで、前記鉄線が折り返された部分を係止する係止部を形成している鉄線引留装置。 - 前記鉄線が折り返された部分から前記鉄線の先端までの間の少なくとも一部とともに前記ケーブルの外周を束ねる先端側バインダを有する請求項1に記載の鉄線引留装置。
- 前記保護管内に配置された前記鉄線の先端に圧縮スリーブが圧縮接続されている請求項1又は2に記載の鉄線引留装置。
- 電力ケーブル線芯と、前記電力ケーブル線芯の外周を囲む複数の鉄線からなる鉄線外装と、を有するケーブルの、前記複数の鉄線のそれぞれを引き留める鉄線引留方法であって、
前記ケーブルを外周側から剥ぎ取ることで、前記鉄線外装を露出させる工程と、
前記鉄線外装が露出された前記ケーブルの外周をバインダで束ねる工程と、
前記バインダの位置を折り返し位置として、前記鉄線の先端が前記ケーブルの延在側を向くように前記鉄線を折り返す工程と、
折り返された前記鉄線とともに前記ケーブルの外周を囲むように保護管を配置する工程と、
前記保護管内に樹脂を充填する工程と、を備え、
前記樹脂を充填する工程では、
前記鉄線が折り返された部分の内側に前記樹脂が入り込んだ状態で前記樹脂を硬化させることで、前記鉄線が折り返された部分を前記樹脂に係止させる係止部を形成する鉄線引留方法。
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JP2016019092A JP2017139887A (ja) | 2016-02-03 | 2016-02-03 | 鉄線引留装置、及び鉄線引留方法 |
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