JP2017137658A - 急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造でトンネル線形が急曲線となる円周トンネルを施工でき、工期やコストの低減が図れ、掘進時の姿勢制御が容易になり、補助工法を用いることなく地盤の安定性を持続・保持できる。【解決手段】曲線内周10a側が曲線外周10b側よりも前後方向の長さが小さい形状で一体形成された筒状のスキンプレート20を有するシールド機本体2が設けられ、シールド機本体2には、スキンプレート20の長さ方向の中間に設けられた本体リング23と、スキンプレート20の先端に設けられ、切羽とスキンプレート20内とを隔離する隔壁21とが備えられ、本体リング23には、推進ジャッキ24が設けられ、推進ジャッキ24の伸長ストロークが曲線内周10a側が曲線外周10b側よりも短くなるように配置され、カッタの中心軸線は本体リング23の中心軸線に対して曲線内周10a側に傾斜している構成の急曲線シールド掘削機を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法に関する。
従来、大断面の道路トンネル等では、シールドトンネルからなる本線トンネルとランプトンネルの分岐合流部には大断面地下空間が構築されている。このような大断面地下空間の施工方法として、例えば特許文献1に示されるように、地中を掘削して大断面地下空間をなす地中空洞を施工するに際して、地中空洞の掘削予定位置の外側に、予め複数のルーフシールドトンネルを所定間隔で配列した状態で施工することにより、それらルーフシールドトンネルによって掘削予定位置を取り囲むシールドルーフ先受工を構築する方法が知られている。
そして、特許文献1には、本線トンネル及びランプトンネル同士の分岐合流部の外側にその輪郭に沿うようにしてルーフシールドトンネルを掘削するための外殻シールド機の発進部に地中発進坑を設ける方法について記載されている。この地中発進坑は、本線トンネル及びランプトンネルの上方及び下方の位置にほぼ直線に延在する小断面の作業用シールドトンネルを掘削し、この作業用シールドトンネルの周囲を地盤改良したうえで拡幅することにより施工されている。そして、地中発進坑から複数の外殻シールド機を順次発進させて前記分岐合流部を取り囲むシールドルーフ先受工を構築している。
特許第4958035号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示すような従来の大断面地下空間の施工方法では、ルーフシールド先受工を構築する際に外殻シールド機を発進させるための地中発進坑を設ける方法として、以下のような問題があった。
すなわち、地中発進坑は、小断面の作業用シールドトンネルを施工した後に、さらにその周囲を拡幅している。そのため、作業用シールドトンネルのセグメントを解体しながらそのトンネル周囲の地盤を補助工法を用いて露出し、在来工法により掘削する必要があることから、施工効率が低下して工期及び工費が増大するという問題があった。
さらに、このように地盤を露出して大空間を切り広げた施工を行う場合には、補助工法を用いることのみで地盤の安定性を確保している。しかし、補助工法のみで地盤の安定性を持続し保持することが難しい場合が多く、その点で改善の余地があった。
また、本線トンネル及びランプトンネルの外側に円周方向に沿って地中発進坑を設ける場合において、例えば、矩形断面の専用のシールド掘削機を使用する方法が検討されるが、特殊な構造となるため複雑な構造で製造コストがかかるうえ、矩形断面となるので掘進時の姿勢制御が難しいという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構造のシールド掘削機によりトンネル線形が急曲線となる円形断面の円周トンネルを施工でき、工期やコストの低減を図ることができるうえ、掘進時の姿勢制御を容易に行うことができる急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、補助工法を用いることなく、地盤の安定性を持続・保持した状態で施工できる急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る急曲線シールド掘削機では、掘削面にカッタを備えてトンネル線形が一定の曲線を描くように掘進する円形断面の急曲線シールド掘削機であって、曲線内周側が曲線外周側よりも前後方向の長さが小さい形状で一体形成された筒状の鋼殻を有するシールド機本体が設けられ、該シールド機本体には、前記鋼殻の長さ方向の中間に設けられた本体リングと、前記鋼殻の先端に設けられ切羽と前記鋼殻内とを隔離する隔壁と、が備えられ、前記本体リングには、推進ジャッキが設けられ、該推進ジャッキの伸長ストロークが曲線内周側が曲線外周側よりも短くなるように配置され、前記カッタの中心軸線は前記本体リングの中心軸線に対して曲線内周側に傾斜していることを特徴としている。
また、本発明に係る円周トンネルの施工方法は、上述した急曲線シールド掘削機を用いて、先行して構築された既設トンネルの外側に前記既設トンネルのトンネル軸方向に平行な軸線を中心とする円周方向に掘削することで円周トンネルを施工する円周トンネルの施工方法であって、前記既設トンネルの一部を拡幅して円周トンネル発進坑を施工する工程と、前記円周トンネル発進坑において、所定の曲線からなるトンネル線形の曲線と前記鋼殻の曲線を合わせるようにして前記急曲線シールド掘削機を配置する工程と、前記円周トンネル発進坑から前記急曲線シールド掘削機を発進し、前記既設トンネルの外側に円周方向に掘進させて前記円周トンネルを構築する工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、トンネル線形に沿って曲線内周側が曲線外周側よりも前後方向の長さを小さくした一定の曲線形状からなる鋼殻とし、さらに曲線内周側に配置される推進ジャッキの伸長ストロークが曲線外周側の推進ジャッキよりも短くなっているので、従来のような急曲線対応の中折れ機構が不要となり、シールド掘削機全体の機長を短縮することができ、一定の曲線を描く円周トンネルを掘削することができる。そして、一定の曲線を描くトンネル線形に合わせた曲線を有する鋼殻となっているので、急曲線シールド掘削機における掘進時の旋回性を高めることができる。
このように、従来の円形断面のシールド掘削機を使用することができ、矩形断面のような複雑な構造のシールド掘削機に比べて、簡単な構造になりシールド機自体のコストの増大を抑えることができ、施工効率の低下も抑制できることから、工期や工費の低減を図ることができる。しかも、本発明の急曲線シールド掘削機は円形断面であるので、機体のローリングの影響を受け易く一般的に制御が難しい矩形断面のシール掘削機に比べて、難しい姿勢制御が不要となる利点がある。
さらに、本発明では、機長が短くなるので、鋼殻内で組み立てられるセグメントと切羽との距離も短縮され、早期にセグメントと地盤との間に裏込材を充填することが可能となる。したがって、円周トンネルがより早い段階で安定することになり、掘進中のシールド掘削機における姿勢制御の安定性を高めることができる。
さらにまた、本発明では、急曲線シールド掘削機を用いたシールド工法による施工となるので、在来工法により円周トンネルを掘削する場合のような補助工法を用いることなく、掘削直後のシールド機本体内でセグメントを組み立てることで掘削地盤を安定させることができ、地盤の安定性を持続・保持した状態で施工することができる。
また、本発明では、既設トンネルの外側に円周トンネルを施工する場合には、既設トンネルの一部を拡幅して構築された円周トンネル発進坑において、円周トンネルのトンネル線形の曲線と鋼殻の曲線を合わせるようにして急曲線シールド掘削機を配置した後に、急曲線シールド掘削機を発進させることで、円周方向に沿って延在する円周トンネルを構築することができる。
また、本発明に係る急曲線シールド掘削機は、前記本体リングにおけるトンネル径方向の中心部から後方に向けて延びる旋回軸部と、該旋回軸部の後端側に配置されトンネル周方向に回転される旋回フレームと、該旋回フレームに支持されセグメントを組み立てるためのエレクタ装置と、が設けられ、前記エレクタ装置は、前記旋回フレームと前記本体リングとの間で前後方向に沿って移動可能に設けられていることが好ましい。
本発明の急曲線シールド掘削機によれば、エレクタ装置を旋回させるための旋回フレームがエレクタ装置よりも後方に配置されているため、エレクタ装置を本体リングに近づけることが可能となり、エレクタ装置によるセグメントの組立位置と掘進機先端までの距離を短縮することができる。これにより、急曲線シールド掘削機の機長をさらに短くすることができ、前述したようにシールド掘削機の旋回性や姿勢制御の安定性をより高めることができる。
また、本発明に係る急曲線シールド掘削機は、前記推進ジャッキは、伸縮ロッドが前記本体リングから後方に向けて突出可能となるように前記本体リングの内部に収容されていることが好ましい。
この場合には、本体リングの直後にセグメントを組み立てることが可能となり、急曲線シールド掘削機の機長をさらに短くすることができる。これにより、前述したようにシールド掘削機の旋回性や姿勢制御の安定性をより高めることができる。
また、本発明に係る急曲線シールド掘削機は、前記鋼殻の前部には、曲線外周部においてトンネル径方向の外側に向けて突出可能なソリ装置が設けられていることが好ましい。
この場合には、ソリ装置を曲線外周側におけるトンネル径方向の外側に向けて突出させた状態で急曲線シールド掘削機を掘進させることで、急曲線シールド掘削機が曲線外周側に向かう力を押えて掘進中の姿勢を安定させることができ、姿勢制御がし易くなる。
本発明の急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法によれば、簡単な構造のシールド掘削機によりトンネル線形が急曲線となる円形断面の円周トンネルを施工でき、工期やコストの低減を図ることができるうえ、掘進時の姿勢制御を容易に行うことができる。
また、本発明では、補助工法を用いることなく、地盤の安定性を持続・保持した状態で施工できる効果を奏する。
本発明の実施の形態による大断面トンネルの施工状態を示す斜視図である。 急曲線シールド掘削機を使用して円周トンネルを施工する状態を示す斜視図であって、円周トンネルの一部を破断した図である。 円周トンネルの施工状態を示した図であって、本線トンネルのトンネル軸線方向から見た断面図である。 急曲線シールド掘削機の構成を示す側面図である。 図4に示す急曲線シールド掘削機を後方から見た図であって、エレクタ装置の構成を示す正面図である。 セグメント搬送システムの構成を示す図であって、前後方向の一方から見た正面図である。 図6に示すA−A線断面図である。 セグメント搬送供給装置のチェーンコンベヤの構成を示す図であって、トンネル周方向から見た側断面図である。 円周トンネル発進坑の施工状態を上方から見た平面図である。 エレクタ装置にセグメント搬送供給装置のセグメントを供給する状態を示す側面図であって、急曲線シールド掘削機の掘進方向を図4の掘進方向と反対方向に向けた図である。 図10に示すセグメントの供給状態を後方から見た正面図であって、図5に対応する図である。
以下、本発明の実施の形態による急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による急曲線シールド掘削機は、例えば大断面の道路トンネルにおいて、地中に施工される本線トンネル11(既設トンネル)に対してランプトンネル12(既設トンネル)が合流、分岐する箇所に地中拡幅部を構築する施工に適用されている。
地中拡幅部は、予め施工された本線トンネル11及びランプトンネル12の外側に複数の外殻トンネル13を施工し、それら外殻トンネル13によって構成される外殻部を構築し、本線トンネル11及びランプトンネル12を取り囲む外殻部の内側を掘削することにより構築される。外殻トンネル13は、外殻シールド機14を掘進させることにより施工される。なお、本実施の形態では、本線トンネル11及びランプトンネル12は、周知のシールド工法により施工されている。
外殻シールド機14は、本線トンネル11及びランプトンネル12の外側に、本線トンネル11のトンネル軸方向Xに平行な軸線を中心とする円周方向Eに沿ってリング状に形成される地中発進坑15から掘進される。
地中発進坑15は、2本の円周トンネル10(10A、10B)と、これら円周トンネル10A、10B同士をトンネル軸方向Xに接続する複数の連絡坑102と、により構成されている。なお、円周トンネル10の径寸法は、外殻シールド機14が発進可能な寸法に設定されている。また、地中発進坑15のうち外殻シールド機14の発進部分の壁面151(切羽)は、円周トンネル10の施工時にはセグメント103により外壁が形成されているが、適宜なタイミングで一般的なシールド工法と同様に切削カッタで切削可能な例えば炭素繊維入りコンクリート等の材料により施工しておく。なお、カッタで切削可能な材料からなる壁面151が組み込まれているセグメント103を使用することも可能である。
急曲線シールド掘削機1は、図2及び図3に示すように、外殻シールド機14を発進させる地中発進坑15をなす円周トンネル10を掘削する際に使用され、掘削面にカッタを備えてトンネル線形が一定の曲線を描くように掘進するためのものである。そして、急曲線シールド掘削機1の後方には、筒状に組み立てられるセグメント103がトンネル掘進方向に連結され、円周トンネル10が順次延長されて構築される。
また、図4は、急曲線シールド掘削機1の詳細な構成を示しており、急曲線シールド掘削機1及び円周トンネル10における曲線内周10aを図4の紙面下側、曲線外周10bを紙面上側にした側面図である。
図4に示すように、急曲線シールド掘削機1は、外殻を形成する円筒状のスキンプレート20(鋼殻)を有するシールド機本体2と、シールド機本体2の前側に設けられ複数のカッタビットを有するカッタヘッド3と、を備えている。
なお、とくに図示しないが、本実施の形態の急曲線シールド掘削機1には、排泥管等の排土機構や、カッタヘッド3内のチャンバーに泥水を注入する泥水機構等が適宜な位置に配設されている。
ここで、円周トンネル10(10A、10B)の断面中心を通る中心軸線をトンネル中心軸Oといい、カッタヘッド3の中心を通る中心軸線を第1中心軸O1といい、シールド機本体2の中心を通る中心軸線を第2中心軸O2といい、第1中心軸O1と第2中心軸O2とは所定の傾斜角で交差している。トンネル中心軸Oに沿う方向を前後方向L(図7、図8参照)といい、前後方向Lに沿って、切羽側を前側、前方といい、その反対側(発進側)を後側、後方という。また、前後方向L方向から見た平面視において、前後方向Lに直交する方向をトンネル径方向といい、前後方向L回りに周回する方向をトンネル周方向Fという。なお、本実施の形態では、円周方向Eと前後方向Lとは一致しており、以下の説明に応じて適宜使い分けている。
シールド機本体2は、筒状の前記スキンプレート20と、スキンプレート20の前方に設けられる隔壁21と、隔壁21に設けられるカッタリング22と、スキンプレート20の長さ方向の中間に設けられ隔壁21の後方に配置されるリング状の本体リング23と、本体リング23にトンネル周方向Fに間隔をあけて設けられる複数の推進ジャッキ24と、本体リング23のトンネル径方向の中心部に旋回軸部27(後述)を介して設けられるエレクタ装置25と、を備えている。
スキンプレート20は、カッタヘッド3と略同径をなす筒状体であって、前部20Aが後部20Bに対して所定の傾斜角で屈折され、曲線内周10a側が曲線外周10b側よりも前後方向の長さが小さい形状で一体形成されている。スキンプレート20の内側には、エレクタ装置25によってセグメント103がリング状に組み立てられることになる。スキンプレート20の後部内周側には、組み立てられたセグメント103の外周面との間隙Sをシールするワイヤブラシからなるテールシール20aが全周にわたって取り付けられている。ここでは、テールシール20aは、スキンプレート20の長さ方向(前後方向)に3段で配設されている。
なお、本実施の形態の急曲線シールド掘削機1では、曲線外周10bの間隙Sが曲線内周10aよりも大きい寸法になる。そのため、テールシール20aのブラシ長は、少なくとも曲線外周10b側の間隙に対応する寸法に設定されている。
隔壁21は、切羽の水や土砂がシールド機本体2の内側(スキンプレート20の内側)に流入しないように切羽側とシールド機内側を隔離する区画壁を形成している。この隔壁21は、トンネル径方向の外周側にリング状に形成された外周隔壁21Aと、外周隔壁21Aのトンネル径方向の内側にカッタリング22を挟んで円盤状に形成された内周隔壁21Bと、から構成されている。外周隔壁21Aと内周隔壁21Bは、それぞれ第1中心軸O1において同軸に設けられている。
外周隔壁21Aは、その外周面の位置において、曲線外周10b側の前後方向の長さが曲線内周10a側よりも長くなるように形成されている。内周隔壁21Bのトンネル径方向の中心には、カッタヘッド3のセンターカッタ31が固定されている。
カッタリング22は、内周隔壁21Bの外周後端部21bに、内周隔壁21Bと同軸に配置されるとともに環状に形成されている。カッタリング22は、外周面に形成されたリングギアが外周隔壁21Aの内周部21aにトンネル周方向Fに間隔をあけて配置されている複数のカッタ駆動モータ26のそれぞれの回転軸26aに噛合して回転可能に設けられている。
外周隔壁21Aにおける曲線外周10bの部分には、トンネル径方向の外側に向けて突出可能な可動ソリ211(ソリ装置)が設けられている。可動ソリ211は、突出端面211aが前方から後方に向かうに従い漸次、トンネル径方向の外側に突出する傾斜面に形成されている。この可動ソリ211は、突出端面211aを突出させて掘削した地山に押し付けた状態で急曲線シールド掘削機1を掘進させることで、その急曲線シールド掘削機1が曲線の外側に向かおうとする力の反力を地山に取りながら掘進することができる。
カッタヘッド3の第1中心軸O1は、本体リング23の第2中心軸O2に対して曲線内周10a側に向けて傾斜している。カッタヘッド3は、回転中心となるセンターカッタ31と、センターカッタ31からトンネル径方向に放射状に延びてトンネル周方向Fに間隔をあけて配置される複数のスポーク32と、を備えている。センターカッタ31の前面にはカッタビットが設けられ、スポーク32の前面には長さ方向に沿って多数のカッタビットが取り付けられている。複数のスポーク32のうち一部には、スポーク先端から径方向に向けて出没可能なコピーカッタ33が装備されている。コピーカッタ33は、曲線外周10bにおいてカッタ径方向に所定の突出量だけ張り出して、急曲線シールド掘削機1の外径より大きく掘削する際に使用される。
そして、センターカッタ31の後端には、カッタリング22に支持されたロータリージョイント34が設けられている。
本体リング23に対してトンネル周方向Fに複数配置される推進ジャッキ24は、伸縮ロッドが本体リング23より後方に向けて突出可能となるように、この本体リング23に固定されている。つまり、推進ジャッキ24の基端部は、本体リング23と隔壁21との間のチャンバーコーン内部空間側に配置された状態で本体リング23に格納されている。
そして、推進ジャッキ24は、伸長ストロークが曲線内周10a側が曲線外周10b側よりも短くなるように設定されている。推進ジャッキ24の伸縮ロッドを伸張させることで、スキンプレート20の内側に順次組み立てられていくセグメント103を押圧して推進力を得て急曲線シールド掘削機1を掘進させることができる。
また、図4及び図5に示すように、本体リング23には、トンネル径方向の中心部に後方に向けて延びる旋回軸部27と、旋回軸部27の後端側に配置されトンネル周方向Fに回転される旋回フレーム28と、が設けられている。そして、エレクタ装置25は、旋回フレーム28に支持されている。
旋回軸部27は、円筒状に形成され、その円筒軸が第2中心軸O2に一致している。旋回軸部27の後端側の外周面にはトンネル周方向Fに間隔をあけて複数のガイドローラ271が取り付けられている。これらガイドローラ271は、回転中心を第2中心軸O2に向けて配設されている。
旋回フレーム28は、リング状に形成され、内周側で旋回軸部27の複数のガイドローラ271、271、…の回転により旋回軸部27と同軸に回転するように構成されている。旋回フレーム28の前側には、連結部材281を介して第2中心軸O2で前後にスライド自在なエレクタ装置25が支持されている。
エレクタ装置25は、把持装置251と、把持装置251を支持するエレクタ本体252と、エレクタ本体252の左右両側に配置され連結部材281に摺動自在に支持された上下ロッド253と、連結部材281に固定され伸縮先端254aをエレクタ本体252に固定させた上下シリンダ254と、旋回フレーム28に固定され把持装置251をエレクタ本体252とともに前後方向にスライドさせるスライドジャッキ255(図10参照)と、を備えている。そしてエレクタ装置25は、旋回フレーム28よりも前方に位置し、前後方向で本体リング23に近接する位置に配置されている。
上下ロッド253は、上下シリンダ254の伸縮に連動して連結部材281に対して上下方向に摺動される。
把持装置251は、把持部251aを有し、この把持部251aによって図6に示すセグメント搬送供給装置4から供給されるセグメント103に設けられる被把持部(図示省略)を着脱自在に把持することが可能な構成となっている。把持部251aは、例えば上述したセグメント103の被把持部に着脱可能に係止することにより、セグメント103を把持できるようになっている。
図6及び図7に示すように、セグメント搬送供給装置4は、複数のセグメントピースを積載させた状態で円周トンネル10の発進側から当該円周トンネル10内の軌道(後述するガイドレール42)を走行して、上述した急曲線シールド掘削機1のエレクタ装置25に1ピースずつ供給するいわゆる搬送台車である。セグメント搬送供給装置4は、エレクタ装置25とトンネル内周面との間(図10に示す供給位置P2)に積載したセグメント103を進入させることを可能にしている。
そして、セグメント搬送供給装置4は、円周トンネル10の内側でセグメント103を搬送するためのセグメント搬送システム40として構成されている。また、セグメント搬送供給装置4は、円周トンネル10の曲線内周10a側及び曲線外周10b側の両方に走行可能に設けられている。なお、後述する図10では、曲線外周10b側で搬送されるセグメント搬送供給装置4を示している。
セグメント搬送システム40は、セグメント搬送供給装置4と、円周トンネル10の曲線内周10a側及び曲線外周10b側における内面にトンネル周方向Fに沿って配設されるラック41と、円周トンネル10の曲線内周10a側及び曲線外周10b側においてラック41に平行に配設されるガイドレール42と、を備えている。
ラック41はトンネル周方向Fに間隔をあけて一対で設けられ、ガイドレール42はトンネル周方向Fでラック41を挟んだ両側に配置されている。そして、ガイドレール42は、レール頭部42aにトンネル周方向Fの両側に向けて張り出すフランジ部42bを有している。
セグメント搬送供給装置4は、台車本体43と、台車本体43に設けられラック41に噛合して回転駆動されるピニオン44と、台車本体43に設けられガイドレール42に沿って離脱不能な状態で案内される車輪部45と、台車本体43上で、台車本体43の走行方向に移動可能に設けられ、セグメント103を離脱不能な状態で積載させることが可能なチェーンコンベヤ46(移送コンベヤ)と、を備えている。台車本体43は、複数(ここでは4ピース)のセグメント103をチェーンコンベヤ46上に積載させることができ、積載されるセグメント103の曲面方向がトンネル周方向Fに一致する向きに配置されている。
ピニオン44は、走行モータ441によって駆動される。車輪部45は、ガイドレール42のレール頭部42a上を転動する第1ローラ451と、左右両側のフランジ部42bのそれぞれの突出端面に接触して転動する第2ローラ452と、左右両側のフランジ部42bのそれぞれの裏面に接触して転動する第3ローラ453と、を備え、これらローラ451、452、453によってガイドレール42に対する脱落を防止できるように、走行可能に挟持している。これにより、案内ガイドレール42に沿って走行するセグメント搬送供給装置4がトンネル周方向Fに走行してもガイドレール42からの脱落が防止される。
チェーンコンベヤ46は、図8に示すように、幅方向(トンネル周方向F)の両端のそれぞれに近い部分に設けられ、台車本体43の前後方向Lに配設されるスプロケット461、461に巻き回されて周回可能に設けられている。なお、図8では、セグメント103の積載側のみが記載されている。チェーンコンベヤ46の積載面46aには、前後方向Lに所定間隔をあけて突出する送出し凸部462が設けられている。この送出し凸部462は、チェーンコンベヤ46上に積載されるセグメント103を送り出し方向の後端側から押し出す機能を有している。ここで、前後方向Lに隣り合う送出し凸部462同士の間隔としては、例えば使用するセグメント103のうち最大幅寸法のものを当該間隔の部分に積載することが可能な寸法に設定される。
台車本体43の積載側の上面には、図6に示すように、一対のチェーンコンベヤ46、46同士の間において、セグメント103を送り出すように回転するローラーコンベヤ47が設けられている。
また、台車本体43の下面には、組み立てられたセグメント103の内周面に対して着脱可能なクランプ48が設けられている。このクランプ48をセグメント103の内周面に固定した状態とすることで、セグメント搬送供給装置4がトンネル周方向Fの所定位置に保持される。
次に、上述した急曲線シールド掘削機1とセグメント搬送供給装置4とを用いて円周トンネル10を施工する方法について、図面に基づいて説明する。ここでは、2本の円周トンネル10A、10Bを平行にかつ互いに間隔をあけて施工し、両円周トンネル10A、10B同士を複数の連絡坑によって連通させる施工について説明する。
先ず、図1に示すように、ランプトンネル12の一部に円周トンネル10の発進基地(以下、「円周トンネル発進坑101」という)を設ける。そして、図9に示すように、円周トンネル発進坑101を施工するにあたって、この円周トンネル発進坑101の施工領域の周囲の地盤を凍結工法で凍結して地盤改良を行って凍土壁100を形成する。このときの凍結工法は、ランプトンネル12からこのランプトンネル12の径方向の外側に向けて推進工法により円形断面の掘削機(以下、推進機16という)を掘進させ、その際にその推進機16から複数の凍結管104を放射状に配設して凍土壁100を設ける。その後、この凍土壁100の内側の地盤を在来工法により掘削することで略長方箱型の領域を有する円周トンネル発進坑101を構築する。このとき、掘削とともに推進機16を撤去する。ここで、円周トンネル発進坑101の大きさは、図1及び図2に示すように、2本の円周トンネル10A、10Bのそれぞれを掘進する2基の急曲線シールド掘削機1、1が所定の離間をあけて配置可能な大きさに設定されている。
なお、推進機16から施工される地盤改良は、上述した凍結工法に限定されるものではなく、例えば推進機16の後方から目的の改良領域に向けて注入管を打設し、薬液を注入することによる薬液注入工等、他の地盤改良を採用することも可能である。
次に、円周トンネル発進坑101内において、急曲線シールド掘削機1を組み立てるとともに、反力受けや掘進に必要な後続設備なども設置して発進の準備を行う。このとき急曲線シールド掘削機1は、図10に示すカッタヘッド3の第1中心軸O1が円周トンネル10の中心軸線Oに一致するように設置される。
次いで、図1、図2及び図10に示すように、急曲線シールド掘削機1を発進させ、従来のシールド工法と同様に掘削とともにセグメント103を組み立て、そのセグメント103と地山との間に裏込め材を注入する作業を順次、繰り返し、本線トンネル11及びランプトンネル12の外側を円周方向Eに掘進させて再び円周トンネル発進坑101に到達させることで円周トンネル10を構築することができる。このようにして、1本目の円周トンネル10Aが設けられ、この施工された円周トンネル10Aに沿うようにして同様の手順により2本目の円周トンネル10Bを施工する。
そして、2本の円周トンネル10A、10B同士の間を凍結工法や薬液注入工法等により地盤改良を行った後、両円周トンネル10A、10B同士の間を掘削した連絡坑102によって接続する。連絡坑102は、外殻シールド機14の発進位置に対応して設けられ、円周方向Eに間隔をあけて複数配設されている。
急曲線シールド掘削機1による掘進は、図10に示すように、推進ジャッキ24が曲線内周10aと曲線外周10bとで伸縮ストロークがトンネル線形に合わせて異なり、曲線外周10b側が曲線内周10a側よりも長いストロークとなるので、トンネル線形に合わせて二つ折りに屈曲させたスキンプレート20が掘削した地山に接することなく推進させることができる。
さらに、隔壁21の外周部に設けられる可動ソリ211をトンネル径方向の外側に向けて突出させた状態で掘進することで、シールド機本体2が曲線外周10b側に向かおうとする力を抑制することができ、方向を制御しやすくなる。なお、このときの可動ソリ211の突出量は、掘進中の地山の硬さ、地質等の状態や、シールド機本体2の位置、向き等に応じてリアルタイムに変更されることが好ましい。
ここで、急曲線シールド掘削機1のエレクタ装置25において、セグメント103を供給して組み立てる方法について具体的に説明する。
本施工では、急曲線シールド掘削機1の掘進に伴って、組み立てたセグメント103の内面にラック41及びガイドレール42が延長される。図6及び図11に示すように、掘進中において、円周トンネル発進坑101でセグメント搬送供給装置4のチェーンコンベヤ46上に4ピースのセグメント103を積載し、それらセグメント103を落下防止装置49で固定する。そして、走行モータ441を駆動させることでピニオン44を回転させて、セグメント搬送供給装置4をラック41及びガイドレール42の切羽側の先端部まで走行させて停止させる。このときエレクタ装置25の下方の位置に、セグメント搬送供給装置4が進入した状態となる。そして、図10に示すスライドジャッキ255の駆動によって把持装置251を後退させて、把持部251aが最前部(供給位置P2)に積載されるセグメント103の直上の位置に移動させる。
その後、上下シリンダ254を伸張させて把持部251aを下降させてセグメント103の被把持部(図示省略)を係止することでセグメント103を把持する。このように把持部251aによるセグメント103の把持が完了した時点で、このセグメント103における落下防止装置49による固定を解除し、上下シリンダ254を収縮することでセグメント103を台車本体43から引き上げることで、セグメント103がセグメント搬送供給装置4から把持装置251に供給されることになる。そして、セグメント搬送供給装置4は、一端、後退させてから、エレクタ装置25を旋回軸部27回りに旋回し、エレクタ装置25の各部(上下シリンダ254、スライドジャッキ255等)を駆動することで、セグメント103を適宜な組み立て位置へ位置決めして組み立てる。
なお、この組立作業中に、セグメント搬送供給装置4では、台車本体43上に積載されている3つのセグメントをチェーンコンベヤ46を移動させることで前方に移動させておく。
続いて、把持部251aを組み立てたセグメント103から取り外し、把持装置251を所定の把持位置P1に移動させた後、再び、セグメント搬送供給装置4を把持部251aの直下の位置に移動させて、台車本体43上の供給位置P2に積載されるセグメント103を把持部251aで把持してエレクタ装置25に供給することができる。そして、そのセグメント103を上述と同様の手順により組み立てることができる。
次に、図1及び図2に示すように、施工した円周トンネル10を地中発進坑15として、複数の外殻シールド機14を円周方向Eに沿って所定の間隔で配置し、個別あるいは複数同時に掘進させることで複数の外殻トンネル13を施工する。なお、地中発進坑15は、2本の円周トンネル10A、10Bのうち連絡坑102に対して直線状に連通される空間となる。複数の外殻シールド機14を発進させることにより、複数の外殻トンネル13を施工し、本線トンネル11及びランプトンネル12の周囲に複数の外殻トンネル13からなる外殻体を構築する。そして、掘削土砂は地中発進坑15を介してランプトンネル12内に送り込まれて外部へ搬出し、掘進に必要なセグメント等の資材類はランプトンネル12内から地中発進坑15を介して外殻トンネル13内に搬入される。
その後、円周方向Eに隣り合う外殻トンネル13、13同士の間を、凍結工法、薬液注入工法等により地盤改良を行った後、切開き構造体として接続することにより一体化を図り、これにより支保機能、及び止水機能を有する外殻体を形成する。なお、外殻シールド機14は、外殻トンネル13を掘進し、分岐拡幅部の褄壁予定地点に到達させて解体、回収し、再び地中発進坑15で組み立てて発進させ、別の外殻トンネルを施工するように繰り返し使用するようにしても良い。
なお、本実施の形態では急曲線シールド掘削機1の直径が例えば8.4m程度、外殻シールド機14の外径が4.15m程度とされ、さらに2本の円周トンネル10A、10Bに共通する発進部となる円周トンネル発進坑101の大きさとして幅(トンネル軸方向Xの長さ)が21m程度、奥行きが11.5m程度、高さが9m程度とされる。
次に、上述した急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、本実施の形態では、トンネル線形に沿って曲線内周10a側が曲線外周10b側よりも前後方向の長さを小さくした一定の曲線形状からなるスキンプレート20とし、さらに曲線内周10a側に配置される推進ジャッキ24の伸長ストロークが曲線外周10b側の推進ジャッキ24よりも短くなっているので、従来のような急曲線対応の中折れ機構が不要となり、シールド掘削機全体の機長を短縮することができ、一定の曲線を描く円周トンネル10を掘削することができる。そして、一定の曲線を描くトンネル線形に合わせた曲線を有するスキンプレート20となっているので、急曲線シールド掘削機1における掘進時の旋回性を高めることができる。
このように、従来の円形断面のシールド掘削機を使用することができ、矩形断面のような複雑な構造のシールド掘削機に比べて、簡単な構造になりシールド機自体のコストの増大を抑えることができ、施工効率の低下も抑制できることから、工期や工費の低減を図ることができる。
しかも、急曲線シールド掘削機1は円形断面であるので、機体のローリングの影響を受け易く一般的に制御が難しい矩形断面のシール掘削機に比べて、難しい姿勢制御が不要となる利点がある。
さらに、本実施の形態では、機長が短くなるので、スキンプレート20内で組み立てられるセグメント103と切羽との距離も短縮され、早期にセグメント103と地山との間に裏込材を充填することが可能となる。したがって、円周トンネル10がより早い段階で安定することになり、掘進中の急曲線シールド掘削機1における姿勢制御の安定性を高めることができる。
さらにまた、本実施の形態では、急曲線シールド掘削機1を用いたシールド工法による施工となるので、在来工法により円周トンネルを掘削する場合のような補助工法を用いることなく、掘削直後のシールド機本体2内でセグメント103を組み立てることで掘削地盤を安定させることができ、地盤の安定性を持続・保持した状態で施工することができる。
また、本実施の形態のように本線トンネル11及びランプトンネル12の外側に円周トンネル10を施工する場合には、ランプトンネル12の一部を拡幅して構築された円周トンネル発進坑101において、円周トンネル10のトンネル線形の曲線とスキンプレート20の曲線を合わせるようにして急曲線シールド掘削機1を配置した後に、急曲線シールド掘削機1を発進させることで、円周方向Eに沿って延在する円周トンネル10を構築することができる。
さらに、本実施の形態では、エレクタ装置25を旋回させるための旋回フレーム28がエレクタ装置25よりも後方に配置されているため、エレクタ装置25を本体リング23に近づけることが可能となり、エレクタ装置25によるセグメントの組立位置と掘進機先端までの距離を短縮することができる。これにより、急曲線シールド掘削機1の機長をさらに短くすることができ、前述したように急曲線シールド掘削機1の旋回性や姿勢制御の安定性をより高めることができる。
さらにまた、本実施の形態では、推進ジャッキ24は伸縮ロッドが本体リング23から後方に向けて突出可能となるように本体リング23の内部に収容されているので、本体リング23の直後にセグメント103を組み立てることが可能となる。これにより、急曲線シールド掘削機1の機長をさらに短くすることができ、前述したようにシールド掘削機の旋回性や姿勢制御の安定性をより高めることができる。
また、本実施の形態では、可動ソリ211を曲線外周10b側におけるトンネル径方向の外側に向けて突出させた状態で急曲線シールド掘削機1を掘進させることで、急曲線シールド掘削機1が曲線外周10b側に向かう力を押えて掘進中の姿勢を安定させることができ、姿勢制御がし易くなる。
上述のように本実施の形態による急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法では、簡単な構造のシールド掘削機によりトンネル線形が急曲線となる円形断面の円周トンネル10を施工でき、工期やコストの低減を図ることができるうえ、掘進時の姿勢制御を容易に行うことができる。また、本実施の形態では、補助工法を用いることなく、地盤の安定性を持続・保持した状態で施工できる効果を奏する。
以上、本発明による急曲線シールド掘削機、および円周トンネルの施工方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、2本の円周トンネル10A、10Bを設けてそれぞれを複数の連絡坑102で接続した構成の地中発進坑15としているが、このような構成であることに限定されることはない。例えば円周トンネル10は1本のみであってもかまわない。
また、本実施の形態の急曲線シールド掘削機1では、本体リング23から後方に向けて延びる旋回軸部27と、その旋回軸部27の後端側に配置された旋回フレーム28と、が設けられ、エレクタ装置25が旋回フレーム28よりも前方に位置する構成としているが、このような構成に制限されることはない。
さらに、推進ジャッキ24についても、本実施の形態では伸縮ロッドが本体リング23から後方に向けて突出可能であり、本体リング23に収納されているが、これに限定されず、本体リング23の後端から方向に向けて張り出すようにして推進ジャッキ24が配置されていてもかまわない。
さらにまた、本実施の形態では、スキンプレート20の前部には、曲線外周10bにおいてトンネル径方向の外側に向けて突出可能な可動ソリ211が設けられているが、このようなソリ装置を省略することも可能であるし、また他の形状のソリ装置を適用してもよい。
また、急曲線シールド掘削機1の外径、スキンプレート20の屈曲部の傾斜角、前後方向の長さ寸法等は、円周トンネル10のトンネル線形、地中発進坑15の大きさ、外殻シールド機14の外径等の条件に応じて適宜、設定することができる。
さらに、円周トンネル10から構成される地中発進部15の位置、大きさ等は、本線トンネル11やランプトンネル12の外径、外殻シールド機14の外径や仕様、地山などの条件に応じて適宜、設定することが可能である。
さらにまた、本実施の形態では大断面の道路トンネルを施工する場合の適用例であるが、上述したような大断面地下空間を有する様々な規模、用途、形態のトンネルを施工する場合全般に広く適用できるものであるし、施工対象のトンネルにおける大断面地下空間の規模や形態に応じて、また周辺環境等の諸条件を考慮して様々な設計的変更が可能である。
また、円周トンネル10の発進部となる円周トンネル発進坑101の施工において、掘削前に施工する凍結工法などによる地盤改良部の範囲、形態やその施工方法、その他の各工程の細部についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で最適設計すれば良く、必要に応じて適宜の補助工法を採用しても勿論良い。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 急曲線シールド掘削機
2 シールド機本体
3 カッタヘッド
4 セグメント搬送供給装置
10、10A、10B 円周トンネル
10a 曲線内周
10b 曲線外周
11 本線トンネル(既設トンネル)
12 ランプトンネル(既設トンネル)
13 外殻トンネル
14 外殻シールド機
15 地中発進坑
16 推進機
20 スキンプレート(鋼殻)
21 隔壁
211 可動ソリ(ソリ装置)
23 本体リング
24 推進ジャッキ
25 エレクタ装置
251 把持装置
251a 把持部
252 エレクタ本体
27 旋回軸部
28 旋回フレーム
40 セグメント搬送システム
41 ラック
42 ガイドレール
43 台車本体
44 ピニオン
46 チェーンコンベヤ(移送コンベヤ)
47 ローラーコンベヤ
49 落下防止装置
101 円周トンネル発進坑
103 セグメント
E 円周方向
F トンネル周方向
L 前後方向
O1 第1中心軸
O2 第2中心軸
X トンネル軸方向

Claims (5)

  1. 掘削面にカッタを備えてトンネル線形が一定の曲線を描くように掘進する円形断面の急曲線シールド掘削機であって、
    曲線内周側が曲線外周側よりも前後方向の長さが小さい形状で一体形成された筒状の鋼殻を有するシールド機本体が設けられ、
    該シールド機本体には、前記鋼殻の長さ方向の中間に設けられた本体リングと、前記鋼殻の先端に設けられ切羽と前記鋼殻内とを隔離する隔壁と、が備えられ、
    前記本体リングには、推進ジャッキが設けられ、
    該推進ジャッキの伸長ストロークが曲線内周側が曲線外周側よりも短くなるように配置され、
    前記カッタの中心軸線は前記本体リングの中心軸線に対して曲線内周側に傾斜していることを特徴とする急曲線シールド掘削機。
  2. 前記本体リングにおけるトンネル径方向の中心部から後方に向けて延びる旋回軸部と、
    該旋回軸部の後端側に配置されトンネル周方向に回転される旋回フレームと、
    該旋回フレームに支持されセグメントを組み立てるためのエレクタ装置と、
    が設けられ、
    前記エレクタ装置は、前記旋回フレームと前記本体リングとの間で前後方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の急曲線シールド掘削機。
  3. 前記推進ジャッキは、伸縮ロッドが前記本体リングから後方に向けて突出可能となるように前記本体リングの内部に収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の急曲線シールド掘削機。
  4. 前記鋼殻の前部には、曲線外周部においてトンネル径方向の外側に向けて突出可能なソリ装置が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の急曲線シールド掘削機。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の急曲線シールド掘削機を用いて、先行して構築された既設トンネルの外側に前記既設トンネルのトンネル軸方向に平行な軸線を中心とする円周方向に掘削することで円周トンネルを施工する円周トンネルの施工方法であって、
    前記既設トンネルの一部を拡幅して円周トンネル発進坑を施工する工程と、
    前記円周トンネル発進坑において、所定の曲線からなるトンネル線形の曲線と前記鋼殻の曲線を合わせるようにして前記急曲線シールド掘削機を配置する工程と、
    前記円周トンネル発進坑から前記急曲線シールド掘削機を発進し、前記既設トンネルの外側に円周方向に掘進させて前記円周トンネルを構築する工程と、
    を有することを特徴とする円周トンネルの施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113638740A (zh) * 2021-08-27 2021-11-12 中国铁建重工集团股份有限公司 一种盾体直径可变的盾构机
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