JP2017137579A - 鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】深絞り性と耐二次加工脆性の優れた鋼板の提供。【解決手段】C:0.0002〜0.020%、Si:1.0%以下、Mn:0.01〜3.0%、P:0.20%以下、S:0.020%以下、Al:0.001〜1.0%、N:0.01%以下、B:0.0002〜0.0040%を含有し、更に、Nb:0.003〜0.24%及びTi:0.003〜0.24%のうちの1種又は2種を含有し、sol.(Nb+(93/48)Ti)=[Nb]+A−(93/12)[C]、但しA=(93/48)[Ti]−(93/14)[N]−(93/32)[S]で定義するsol.(Nb+(93/48)Ti)が0.002〜0.150%であり、かつ、NbとTiの粒界偏析量の和が2原子%以下であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼板。【選択図】なし

Description

本発明は、IF鋼板に関し、特に、プレス成形等の加工が施される自動車用鋼板等に有用な鋼板に関するものである。
近年、自動車分野では、低燃費化やCO2排出量の削減のため、車体を軽量化することや、衝突安全性の向上のため、車体部材を高強度化することが求められている。これらの要求を満たすためには、車体部材や各種部品等に高強度鋼板を使用することが有効である。
一方、車体部材や各種部品の多くはプレス加工により成形されるため、高強度鋼板には、優れた深絞り性や延性を有することが求められる。例えば、深絞り成形を多用して製造される自動車のボディーパネル、中でもサイドフレームアウター等の素材となる冷延鋼板には、優れた深絞り性が求められる。この深絞り性の評価指標としては、ランクフォード値(以下、「r値」という)が知れられており、平均r値≧1.2という高r値の冷延鋼板が求められている。
冷延鋼板の深絞り性向上のためには、鋼中のC及びN等の侵入型元素の含有量を極力低減させることが有効である。これにより、冷間圧延後の焼鈍工程において、深絞り性に有利なND//<111>再結晶集合組織が発達する。なお、NDは、板面垂直方向(Normal Direction)を示す。
しかしながら、現在の製造設備で経済的に達成できるC及びNの低減には限界がある。そこで、製鋼段階で除去しきれなかったC及びNをTi又はNb等の炭窒化物として析出固定し、固溶状態で残存しているC及びNの量をほぼゼロにした深絞り用冷延鋼板、いわゆるIF鋼板がある。
IF鋼板は、結晶粒界に固溶状態で残存しているCやNがほぼ存在しないため、粒界強度が著しく低下し、耐二次加工脆性に劣るという問題を有する。そのため、厳しい絞り成形が施される部材の成形では、IF鋼板の適用が困難となる場合がある。
そこで、IF鋼板にBを添加して、耐二次加工脆性を向上させる技術が知られている。しかしながら、Bは粒界に偏析し、再結晶が抑制され、深絞り性が低下する問題が生じることが知られている。
このような状況において、特許文献1には、冷延鋼板の連続焼鈍において、特定の温度域の加熱速度を急速化することで、再結晶集合組織を制御し、優れた深絞り性を有する冷延鋼板を製造する技術が開示されている。
また、特許文献2には、冷延鋼板を、700℃までの平均昇温速度を15℃/s以上とし、700℃から焼鈍温度(800℃以上950℃以下)まで平均昇温速度を0.1〜2℃/sとして焼鈍することで、優れた深絞り性を有する鋼板を製造する技術が開示されている。
特開平08−170123号公報 特開2008−174825号公報
特許文献1に開示の技術では、十分な再結晶核が生成しないことがあり、十分な深絞り性を有する集合組織が形成されないことがあった。
また、特許文献2に開示の技術では、十分な再結晶核が生成しないことがあり、また、700℃以上での昇温速度を遅くするものであるため、粒成長速度が遅く、再結晶が進み難いため、十分な深絞り性を有する集合組織が形成されないことがあった。
本発明は、このような実情に鑑み、深絞り性と耐二次加工脆性の優れた鋼板を提供することを課題とする。
本発明者らは、IF鋼板にBを添加して耐二次加工脆性を向上させる技術を基礎として、上記課題を解決するための方法について鋭意検討した。その結果、Bが粒界に偏析し、該BとNb、該BとTiとの引力的相互作用が生じ、NbとTiが粒界に偏析することで、再結晶界面の移動を妨げ、再結晶を抑制することが判明した。Nb原子1個とTi原子1個の再結晶を抑制する効果は等しい。
そこで、冷延鋼板の焼鈍工程の昇温速度を調整し、NbとTiの粒界偏析量の和を2原子%以下に減少させたところ、深絞り性に優れる再結晶組織が形成されることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、
C :0.0002〜0.020%、
Si:1.0%以下、
Mn:0.01〜3.0%、
P :0.20%以下、
S :0.020%以下、
Al:0.001〜1.0%、
N :0.01%以下、及び、
B :0.0002〜0.0040%を含有し、
更に、Nb0.003〜0.24%及びTi0.003〜0.24%のうちの1種又は2種を含有し、
下記(1)式で定義するsol.(Nb+(93/48)Ti)が0.002〜0.150%であり、かつ、NbとTiの粒界偏析量の和が2原子%以下であり、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼板。
sol.(Nb+(93/48)Ti)=[Nb]+A−(93/12)[C]・・・(1)
ここで、A=(93/48)[Ti]−(93/14)[N]−(93/32)[S]
但し、Aが0以下の場合は、0とみなす。
ここで、[X]は元素Xの含有量(質量%)であり、含有量が0のときは0を代入する。
(2)前記Feの一部に代えて、Cr、Mo、W、及びNiの1種又は2種以上を合計で3.0%以下含有する前記(1)に記載の鋼板。
(3)質量%で、
C :0.0002〜0.020%、
Si:1.0%以下、
Mn:0.01〜3.0%、
P :0.20%以下、
S :0.020%以下、
Al:0.001〜1.0%、
N :0.01%以下、
B :0.0002〜0.0040%を含有し、
更に、Nb:0.003〜0.24%、Ti:0.003〜0.20%のうちの1種又は2種を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる冷延鋼板を次の焼鈍条件の順に焼鈍して鋼板を製造する方法。
(焼鈍条件1)室温〜650℃の間を30〜100℃/秒の平均昇温速度で加熱
(焼鈍条件2)650〜700℃の間を0.5〜2.0℃/秒の平均昇温速度で加熱、
(焼鈍条件3)700〜Ac3変態点未満最高焼鈍温度(800℃以上950℃以下)の間を50〜100℃/秒の平均昇温速度で加熱
(4)冷延鋼板が、前記Feの一部に代えて、Cr、Mo、W、及びNiの1種または2種以上を合計で3.0%以下含有する前記(3)に記載の鋼板を製造する方法。
本発明によれば、B添加IF鋼において、NbとTiの粒界偏析量の和を2原子%以下にしたので、鋼板の深絞り性と耐二次加工脆性を向上させることができる。
本発明の深絞り性と耐二次加工脆性に優れた鋼板(以下、「本発明の鋼板」という)は、C、Si、Mn、P、S、Al、N、Nb、及び、Bを含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼板において、成分組成、NbとTiの固溶原子の質量%及びNbとTiの粒界偏析量の和を特定したものである。
そして、それにより、深絞り性と耐二次加工脆性の優れた鋼板とするものである。
以下、本発明の鋼板に至った検討の経緯について説明する。なお、特段の断りの無い限り、成分組成の「%」は「質量%」を示す。
C、Si、Mn、P、S、Al、N、及び、NbとTiの少なくとも一方を含有するIF鋼板にBを添加して耐二次加工脆性を向上させる技術において、深絞り性と耐二次加工脆性を向上させることを検討した。まず、再結晶を抑制する粒界に偏析する元素について、粒界偏析量を3次元アトムプローブ法(以下、「3DAP法」という)により測定した。その結果、Bの粒界偏析量の増加とともに、NbとTiの粒界偏析量が増加することが確認された。そこで、第一原理計算によりBとNbとTiの関係を計算したところ、BとNb、BとTiの間に引力的な相互作用が働くことが判明し、B添加がNbとTiの粒界偏析量増に結び付くことが判明した。
これより、B添加によりNbとTiの粒界偏析量が増加し、再結晶界面の移動が妨げられ、再結晶が抑制されている。そうすると、NbとTiの粒界偏析量を低減するために、NbとTiの添加量を減少させることが考えられるが、それにより、製鋼段階で除去しきれなかったC、N及びSをTi炭窒化物と硫化物として、あるいはCをNbの炭化物として、析出固定することができなくなる。
そこで、再結晶の抑制に対して許容されるNbとTiの粒界偏析量の和の上限と、C、N及びSを炭窒化物として固定するために必要なNb量とTi量とを検討したところ、NbとTiの粒界偏析量を2原子%以下とするともに、下記(1)式で定義されるsol.(Nb+(93/48)Ti)を0.002〜0.150質量%とすることで、深絞り性に有利なND//<111>再結晶集合組織が発達することを見出した。sol.(Nb+(93/48)Ti)はNbの含有量と、Tiの含有量のNb当量との和から、含有するC、N及びSと化合物を形成するのに必要なNbとTiの量を減算したもので、実現象では化合物を形成しないNbとTiが存在することから、固溶状態で残存するC、N及びSを十分に低減させるために、sol.(Nb+(93/48)Ti)は理論上は0質量%以上必要である。但し、実際は完全に均一にはならないため、sol.(Nb+(93/48)Ti)は0.002質量%以上が望ましい。一方、sol.(Nb+(93/48)Ti)が0.150質量%を超えると、NbとTiの粒界偏析量が多くなり、再結晶粒の成長が遅くなる。
A=(93/48)[Ti]−(93/14)[N]−(93/32)[S]
但し、Aが0以下の場合は、0とみなす。
sol.(Nb+(93/48)Ti)=[Nb]+A−(93/12)[C]・・・(1)
ここで、[X]は元素Xの含有量(質量%)であり、含有量が0のときは0を代入する。
Nbは、Cと炭化物を形成し、N及びSとは化合物を形成しないため、NとSはsol.Nb量に影響しない。一方、Tiは、C、N及びSと化合物を形成する。Tiは炭化物より窒化物、硫化物が優先して生成される。Aは、NとSと化合物を形成しないTiのNb当量を意味する。Aが0以下ということは、全てのTiがNとSと化合物を形成することを意味する。(1)式はNb量とA(NとSと化合物を形成しないTiのNb当量)からCと炭化物を形成する分を除いた、固溶Nbと固溶TiのNb当量を意味する。
本発明は、以上のような検討過程を経て上記(1)に記載の発明に至ったものであり、そのような本発明について、更に、必要な要件や好ましい要件について順次説明する。
次に、本発明の鋼板の成分組成及びその限定理由について説明する。
(C:0.0002〜0.020%)
Cは、延性及び深絞り性を低下させる作用を有する。深絞り性を高める集合組織の発達を阻害することもあるので、C含有量は0.020%以下とする。好ましくは0.010%以下であり、さらに好ましくは0.005%以下である。C含有量は少なければ少ないほど好ましいが、0.0002%未満に低減すると、製造コストの上昇を招くので、実用上、0.0002%が実質的な下限である。
(Si:1.0%以下)
Siは、延性の低下を抑制しつつ高強度化を可能にする固溶強化元素である。それにより、良好な強度−延性バランスを確保しつつ、鋼板の高強度化が可能となる。しかし、Si含有量が過剰になると、鋼板の表面処理性の劣化が著しくなる。このため、Si含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.80%以下であり、さらに好ましくは0.50%以下である。また、深絞り性の観点から、強度が低い方が好ましいので、好ましくは0.10%以下、さらに好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.03%以下である。一方、Siによる高強度化を目的とする場合には、Si含有量は0.10%を超えることが好ましい。深絞り性の観点からは、Si含有量は少ないほど好ましいが、Si含有量の過剰な低減は著しい製造コストの上昇をもたらすので、好ましくは0.001%以上、さらに好ましくは0.005%以上である。
(Mn:0.01〜3.0%)
Mnは、固溶強化により鋼の強度を高める作用を有する。また、SをMnSとして固定し、FeS生成による鋼の赤熱脆性を抑制する作用を有する。さらにまた、オーステナイトからフェライトへの変態温度を低下させる作用を有するため、熱間圧延の仕上温度の低下を可能にし、これによって、熱延鋼板の結晶粒の微細化を促進させることができる。しかし、Mn含有量が過剰になると、延性の劣化が著しくなるため、Mn含有量は3.0%以下とする。好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。また、Mnは深絞り性を低下させる作用を有するので、深絞り性の観点から、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.2%以下である。鋼の赤熱脆性を抑制する観点から、Mn含有量を0.01%以上とする。好ましくは0.1%以上とする。一方、Mnによる高強度化を目的とする場合には、Mn含有量は、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.65%以上である。
(P:0.20%以下)
Pは、r値の低下を抑制しつつ高強度化を可能にする固溶強化元素としての有用性も有する。それにより良好な強度−深絞り性バランスを確保しつつ高強度化を可能にする。しかし、P含有量が過剰になると耐二次加工脆性が劣化するので、P含有量を0.20%以下とする。好ましくは0.04%未満である。Pによる固溶強化を要しない場合には、耐二次加工脆性の観点からP含有量は低いほど有利であり、好ましくは0.025%以下、さらに好ましくは0.02%以下である。P含有量の下限は特に限定する必要はないが、P含有量の過剰な低減は著しい製造コストの上昇をもたらすので、P含有量は0.001%以上とすることが好ましい。なお、Pによる固溶強化を確実に得るには、Pは0.025%を超えて含有させることが好ましい。
(S:0.020%以下)
Sは、延性及び深絞り性を低下させる作用を有する。このため、S含有量は0.020%以下とする。好ましくは0.010%以下であり、さらにこの好ましくは0.008%以下、より好ましくは0.005%未満である。S含有量の下限は特に限定する必要はないが、S含有量の過剰な低減は著しい製造コストの上昇をもたらすので、S含有量は0.0003%以上とすることが好ましい。
(Al:0.001〜1.0%)
Alは、溶鋼を脱酸する作用を有する。この効果を得るためにAl含有量を0.001%以上とする。好ましくは0.005%以上、さらに好ましくは0.010%以上、より好ましくは0.030%以上である。一方、Al含有量が過剰になると介在物が増加して延性の低下が著しくなるため、Al含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.080%以下、さらに好ましくは0.050%以下、より好ましくは0.040%以下である。
(N:0.01%以下)
Nは、延性及び深絞り性を低下させる作用を有する。このため、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.005%以下であり、さらに好ましくは0.004%以下、より好ましくは0.003%以下である。N含有量の下限は特に規定する必要はないが、N含有量の過剰な低減は著しい製造コストの上昇をもたらすので、好ましくは0.0003%以上、さらに好ましくは0.001%以上である。
(B:0.0002〜0.0040%)
Bは、粒界に偏析することにより、粒界強度を高め、耐二次加工脆性を向上させる作用を有する。このため、B含有量は0.0002%以上とする。好ましくは0.0005%以上、さらに好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.002%以上である。一方0.0040%を超えてBを含有させると、添加効果が飽和するだけでなく、再結晶温度を高め、高温焼鈍が必要となるため、製造コストの上昇を招き、更には加工性を劣化させる。このため、B含有量は0.0040%以下とする。好ましくは0.0035%以下、さらに好ましくは0.0030%以下、より好ましくは0.0025%以下である。
(Nb:0.003〜0.24%)
Nbは、炭化物を形成することによって、固溶状態で残存しているCを低減し、深絞り性及び延性を向上させる作用を有する。また、Nbは、オーステナイトの再結晶を抑制による細粒化とフェライト変態時のsolute drag効果による細粒化により、深絞り性と耐二次加工脆性を改善する作用を有する。
このため、前述したようにsol.(Nb+(93/48)Ti)は0.002質量%以上とする。したがって、本発明の成分組成(C含有量)においては、Nb含有量は0.003%以上とする必要がある。好ましくは0.005%以上、さらに好ましくは0.015%以上、より好ましくは0.025%以上である。一方、前述したようにsol.(Nb+(93/48)Ti)は0.150質量%を超えると、Nb粒界偏析量が多くなり、再結晶粒の成長が遅くなる。したがって、本発明の成分組成(C含有量)においては、Nb含有量は0.24%以下とする必要がある。好ましくは0.10%以下、さらに好ましくは0.075%以下、より好ましくは0.050%以下である。
(Ti:0.003〜0.24%)
Tiは、NやSと化合物を形成することによって、固溶状態で残存しているN及びS
を低減し、深絞り性及び延性を向上させる作用を有する。このため、Ti含有量は0.003%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.010%以上である。一方、0.24%を超えるTiを含有させると、再結晶温度の著しい上昇を招き、所要の性能を得るために必要な焼鈍温度が高温となり、焼鈍設備の損傷や製造コストの上昇を招く。したがって、Ti含有量は0.24%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは0.050%以下、より好ましくは0.015%以下である。
以上を、本発明の鋼板の基本成分とし、残部Fe及び不可避的不純物よりなるものとし、更に、機械特性等を向上させる目的で、必要に応じて、下記の元素を1種又は2種以上を含有させることができる。
(Cr、Mo、W、及び、Niの1種又は2種以上を合計で3.0%以下)
Cr、Mo、W、及び、Niは、鋼板を強化する作用を有する。このため、これら元素の1種又は2種以上の合計含有量を3.0%以下としてもよい。一方、これらの元素の含有量を3.0%超とすると上記作用による効果が飽和し、製造コストの上昇を招く。したがって、合計含有量3.0%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.0%以下である。また、上記作用による効果をより確実に得るには、合計含有量を0.01%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは0.1%以上とすることが好ましい。
次に、NbとTiの粒界偏析量及びsol.(Nb+(93/48)Ti)について説明する。
NbとTiの粒界偏析量が増加すると、再結晶界面の移動が妨げられ、再結晶が抑制される。このため、Nbの粒界偏析量は2原子%以下にする。好ましくは、1原子%以下、さらに好ましくは0.5原子%以下とする。Nb原子1個とTi原子1個の再結晶を抑制する効果は等しい。NbとTiの粒界偏析量は少なければ少ないほど好ましいが、実用上、0.001原子%が実質的な下限である。
Nbの粒界偏析量は、3次元アトムプローブ(3DAP)によって測定することができる。3DAPは、電界イオン顕微鏡(FIM)に、位置敏感型の質量分析器を取り付けたものである。このような構成により、原子を同定すると共に位置を特定できる。
3DAPによる測定では、まず、鋼板の粒界を含む部位を試料として採取し、集束イオンビーム法(FIB)によって、針試料(10μm×10μm×100μm)に加工する。3DAPにより、針試料に電圧を印加し、その際に放出されるNbイオンとTiイオンを座標検出機で分析し、粒界幅1nmとして粒界でのNb濃度とTi濃度を算出する。このNb濃度とTi濃度を5つ以上の粒界において算出し、これらの平均値をNbとTiの粒界偏析量とする。3DAPによる測定の条件は、電圧をDCのパルス(パルス比20%以上)とし、試料温度を70K以下とする。
sol.(Nb+(93/48)Ti)は、酸可溶性のNb量(質量%)の値と、同じく酸可溶性のTi量をNb質量に換算した値との和のことである。本発明の鋼板では、深絞り性及び延性を向上させるため、上記(1)式で定義されるsol.(Nb+(93/48)Ti)を0.002〜0.150%とする。
次に、本発明の深絞り性と耐二次加工脆性に優れた鋼板の製造方法(以下、「本発明の製法」という)について説明する。
本発明の製法は、上述した化学成分を有する鋼スラブを、熱間圧延、冷間圧延した後に焼鈍する方法である。そして、焼鈍において、650℃から最高焼鈍温度(℃)までの昇温速度を特定した点に特徴を有する。
本発明の製法では、製鋼工程、熱間圧延工程、及び、冷間圧延工程は、特に限定されるものでない。
製鋼工程では、例えば、転炉等の製鋼炉で粗脱炭した後、RH脱ガス装置等の真空脱ガス装置で真空脱炭処理を行い、上述した化学成分の鋼を溶製し、周知の方法により精錬する。そして、精錬された溶鋼を連続鋳造法により鋼スラブにする。
熱間圧延工程では、連続鋳造によって得られた鋼スラブを再加熱するか、又は、連続鋳造後の高温の鋼スラブをそのまま、もしくは補助加熱し、熱間圧延を行う。例えば、鋼スラブをAc3変態点以上の温度(930〜1150℃)に加熱後、圧延を行う。仕上げ圧延では、オーステナイト低温域、例えば、Ar3変態点+100℃以下の温度域で仕上げ圧延を行って、熱延鋼板の結晶粒を微細化し、焼鈍時に深絞り性に優れた再結晶集合組織を発達させる。仕上げ圧延の温度としては、890℃以上920℃未満が例示される。
熱間圧延後、鋼板を冷却してコイル状に巻取り熱延鋼板を得る。巻取り温度が過度に高いと組織が巻き取り中に粗大化して、細粒化効果が失われることがあり、750℃以下で巻取ることが好ましい。一方、巻取り後にNbやTi等の炭窒化物を十分に析出させ、深絞り性に優れた再結晶集合組織を発達させるために、巻取り温度を610℃以上とすることが好ましい。
冷間圧延工程では、上記のように得られた熱延鋼板を酸洗等により脱スケールした後に、50%以上の圧下率で冷間圧延を施すとよい。圧下率を50%未満にすると、十分な冷延集合組織が発達しないことがある。冷間圧延後に行われる焼鈍によって深絞り性の優れた再結晶集合組織を発達させるために、圧下率を70%以上とすることが好ましい。一方、圧下率が過度に高くなると、冷間圧延設備への負荷が高まり、生産性の低下を招くため、圧下率は90%以下とするとよい。好ましくは、85%以下である。
焼鈍工程では、上記のように得られた冷延鋼板に、必要に応じて公知の方法に従って脱脂等の処理を施し、焼鈍する。
本発明の製法において、焼鈍における平均昇温速度は重要である。
室温〜650℃の間を、平均昇温速度30〜100℃/秒、更に、望ましくは、50〜100℃/秒で加熱する。室温〜650℃の間の平均温度を30℃/秒未満とすると、回復が進行することによって、再結晶の核生成が抑制される。また、生産性も低下する。一方、100℃/秒超とすると、温度制御が困難になる。
続く、650〜700℃の間を0.5〜2.0℃/秒の平均昇温速度で加熱する。650〜700℃の間は、再結晶核が生成する温度であり、この温度域の平均昇温速度を0.5℃/秒未満とすると、温度制御が難しく、また、2.0℃/秒超とすると、再結晶核の生成が充分ではなく、再結晶の進行が大きく妨げられて充分な深絞り性が得られない。
続く、700〜最高焼鈍温度(℃)の間を50〜100℃/秒の平均昇温速度で加熱する。最高焼鈍温度は、冷延鋼板の組織や成分組成等に応じて決まるもので、700℃超、オーステナイト単相への変態点Ac3点未満の温度であり、750〜880℃が例示される。Ac3変態点以上となると、深絞り性に好ましい再結晶集合組織が変態により減少するので、最高焼鈍温度はAc3変態点未満である。
700〜最高焼鈍温度(℃)の間は、NbとTiが拡散し易い温度であり、この温度域の平均昇温速度を50℃/秒未満とすると、NbとTiが粒内から拡散し、粒界に偏析し、粒界偏析量を2原子%以下に抑えることができない。また、100℃/秒超とすると、温度制御が困難になる。
焼鈍での保定温度は、特に限定されるものでなく、700℃超、Ac3変態点未満の温度である。保定温度は、最高焼鈍温度と同じであっても、異なっていてもよい。つまり、最高焼鈍温度に加熱後、該温度を保持しても、該温度より低くして保持してもよい。ただし、700℃付近の温度では、再結晶粒の成長速度が遅いため、深絞り性に優れた再結晶組織を得るために、750℃以上とすることが好ましい。一方、Ac3変態点付近の温度に制御することは困難であり、880℃とすることが好ましい。
保定時間は、特に限定されるものでなく、20〜300秒が例示される。20秒未満とすると、再結晶集合組織の発達が十分促進されないことがあり、また、300秒超とすると、結晶粒が粗大化し、十分な強度が得られないことがある。
保定温度で再結晶が完了した鋼板は、その後、冷却されるが、冷却工程は、特に限定されるものでない。例えば、保定温度から500℃以下の冷却終了温度(例えば、400〜450℃)まで、平均冷却速度1〜100℃/秒で冷却するとよい。
また、本発明の製法よって得られる鋼板を母材として、メッキや塗装等してもよい。
このような本発明の製法により、本発明の鋼板が得られる理由は、次のように考えられる。
再結晶は、再結晶核の生成、成長の順に起こり、再結晶核の生成は650〜700℃の温度域で起こる。深絞り性に優れた再結晶集合組織を形成するためには、再結晶核の核生成が起こる前記温度域の滞在時間を長くする必要があり、0.5〜2.0℃/秒の平均昇温速度で加熱する。
その後の再結晶粒成長の温度域(700〜最高焼鈍温度(℃))において、平均昇温速度を速くすると(50〜100℃/秒にすると)、短時間で最高焼鈍温度になり、Fe原子の自己拡散係数で決まる粒成長速度が速く、粒内に固溶していたNb原子とTi原子は粒界の移動に追いつけず、取り残される。その結果、NbとTiの偏析が少ない粒界が形成され、その後の粒界移動速度が速くなり、再結晶が急速に進み、深絞り性能の優れた再結晶集合組織が形成される。
一方、再結晶粒成長の温度域において、平均昇温速度が遅いとき(50℃/秒未満のとき)には、該温度域の低温側で粒成長が進むため、粒成長速度が遅く、粒内に固溶していたNb原子とTi原子は粒界に捕捉される確率が高くなる。その結果、再結晶時にNbとTiの偏析が多い粒界が形成され、その粒界の移動速度は遅く、再結晶が進まず、深絞り性能の劣る再結晶集合組織が形成される。なお、NbとTiの粒界偏析は、熱間圧延時に粒界偏析したBとの引力的相互作用によって促進されている。
このように、焼鈍における650℃から最高焼鈍温度までの平均昇温速度を特定することで、B添加による優れた耐二次加工脆性を有したまま、NbとTiの粒界偏析量の低減による優れた深絞り性能を有する鋼板を得ることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
鋼材を溶製し、精錬された溶鋼を連続鋳造法により鋼スラブにした。表1に、Nbを含む鋼スラブの化学成分(残部:Fe及び不可避不純物)を示す。この鋼スラブを1150℃に加熱後、熱間圧延を行った。なお、熱間圧延の仕上温度を890℃として、巻取り温度を700℃とした。次いで、熱延鋼板に対して、酸洗した後、圧下率85%で冷間圧延を行い、1.2mmの冷延鋼板とした。次いで、表2に示す焼鈍の平均昇温速度にて加熱して、保定温度を試験番号1〜35は820℃、試験番号36は850℃、試験番号37は780℃、試験番号38は820℃で、40秒間焼鈍し、冷延鋼板(製品)とした。
このようにして得られた冷延鋼板について、NbとTiの粒界偏析、引張特性、深絞り性、及び、耐二次加工脆性の評価をした。
NbとTiの粒界偏析については、冷延鋼板から粒界を含む部位を試料として採取し、針試料(10μm×10μm×100μm)に加工し、上述の3DAPによって、5つの粒界においてNb濃度とTi濃度を求め、これらの平均値をNbとTiの粒界偏析量とした。このとき、電圧をDCパルス(パルス比20%)とし、試料温度を70Kとした。
引張特性については、引張り方向が圧延方向と並行になるように、冷延鋼板からJIS5号試験片を採取して、引張試験を行い、引張強度(TS)、降伏強度(YP)、及び、伸び(El)を求めて評価した。
深絞り性については、平均r値を求めて評価した。まず、圧延方向に平行方向、45°方向、及び、直角方向の3方向について、冷延鋼板からJIS5号引張試験片を採取して、r値を求めた。圧延方向に平行なr値をr0、45°方向のr値をr45、直角方向のr値をr90とし、下記(2)式で定義される平均r値を求めた。また、平均r値が1.5以上を合格とした。
平均r値=(r0+2r45+r90)/4 ・・・(2)
耐二次加工脆性については、耐二次加工脆性温度を求めて評価した。まず、直径95mmの試験片を冷延鋼板から採取し、外径50mmのポンチで円筒絞りを行って、円筒状カップを作製した。円筒状カップを先端角度60度の円錐台状の金型に底面を上にしてかぶせ、種々の温度条件の下で、その上方1mの位置から質量5kgのおもり落下させて、円筒状カップに割れが発生しない最低の温度(耐二次加工脆性温度)を求めた。また、耐二次加工脆性温度は、−50℃以下を合格とした。
Figure 2017137579
Figure 2017137579
試験番号2〜4、7、8、10〜14、16〜18、25、36及び37は、いずれも、本発明で規定する構成を有する鋼板であるため、優れた深絞り性及び耐二次加工脆性を有するものであった。
それに対して、試験番号1は、B含有量が本発明で規定するB含有量より少ない鋼板であるため、耐二次加工脆性が劣るものであった。
試験番号5は、B含有量が本発明で規定するB含有量より多い鋼板であるため、深絞り性が劣るものであった。
試験番号6は、sol.(Nb+(93/48)Ti)が本発明で規定する数値範囲外の鋼板であるため、深絞り性が劣るものであった。
試験番号9は、sol.(Nb+(93/48)Ti)及びNb粒界偏析量が本発明で規定するsol.(Nb+(93/48)Ti)及びNb粒界偏析量より多い鋼板であるため、再結晶が遅延し、深絞り性が劣るものであった。
試験番号15は、Nb粒界偏析量が本発明で規定するNb粒界偏析量より多い鋼板であるため、再結晶が進まず、深絞り性が劣るものであった。
試験番号19〜24、26〜35は、Nb(26については、NbとTi)粒界偏析量が本発明で規定するNb(26については、NbとTi)粒界偏析量より多い鋼板であるため、再結晶が遅延し、深絞り性が劣るものであった。
試験番号38は、室温から650℃までの昇温速度が遅いために、回復が進行し、再結晶の核生成が抑制され、深絞り性が劣るものであった。
(実施例2)
鋼材を溶製し、精錬された溶鋼を連続鋳造法によりTiを含む鋼スラブにした。表3に、鋼スラブの化学成分(残部:Fe及び不可避不純物)を示す。この鋼スラブを1150℃に加熱後、熱間圧延を行った。なお、熱間圧延の仕上温度を890℃として、巻取り温度を700℃とした。次いで、熱延鋼板に対して、酸洗した後、圧下率85%で冷間圧延を行い、1.2mmの冷延鋼板とした。次いで、表4に示す焼鈍の平均昇温速度にて加熱して、保定温度を試験番号101〜135は820℃、試験番号136は850℃、試験番号137は780℃、試験番号138は820℃で、40秒間焼鈍し、冷延鋼板(製品)とした。
このようにして得られた冷延鋼板について、実施例1と同様に、Ti及びNbの粒界偏析、引張特性、深絞り性、及び、耐二次加工脆性の評価をした。
試験番号102〜104、107、108、110〜114、116〜118、125、136及び137は、いずれも、本発明で規定する構成を有する鋼板であるため、優れた深絞り性及び耐二次加工脆性を有するものであった。
それに対して、試験番号101は、B含有量が本発明で規定するB含有量より少ない鋼板であるため、耐二次加工脆性が劣るものであった。
試験番号105は、B含有量が本発明で規定するB含有量より多い鋼板であるため、深絞り性が劣るものであった。
試験番号106は、sol.(Nb+(93/48)Ti)が本発明で規定する数値範囲外の鋼板であるため、深絞り性が劣るものであった。
試験番号109は、sol.(Nb+(93/48)Ti)及びTi粒界偏析量が本発明で規定するsol.(Nb+(93/48)Ti)及びTi粒界偏析量より多い鋼板であるため、再結晶が遅延し、深絞り性が劣るものであった。
試験番号115は、Ti粒界偏析量が本発明で規定するTi粒界偏析量より多い鋼板であるため、再結晶が進まず、深絞り性が劣るものであった。
試験番号119〜124、126〜135は、Ti(126と131についてはTi及びNb)粒界偏析量が本発明で規定するTi(126と131についてはTi及びNb)粒界偏析量より多い鋼板であるため、再結晶が遅延し、深絞り性が劣るものであった。
試験番号138は、室温から650℃までの昇温速度が遅いために、回復が進行し、再結晶の核生成が抑制され、深絞り性が劣るものであった。
Figure 2017137579
Figure 2017137579
本発明によれば、B添加IF鋼において、NbとTiの粒界偏析量の和を2原子%以下にしたので、薄鋼板の深絞り性と耐二次加工脆性を向上させることができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.0002〜0.020%、
    Si:1.0%以下、
    Mn:0.01〜3.0%、
    P:0.20%以下、
    S:0.020%以下、
    Al:0.001〜1.0%、
    N:0.01%以下、
    B:0.0002〜0.0040%を含有し、
    更に、
    Nb:0.003〜0.24%及び
    Ti:0.003〜0.24%のうちの1種又は2種を含有し、
    下記(1)式で定義するsol.(Nb+(93/48)Ti)が0.002〜0.150%であり、かつ、NbとTiの粒界偏析量の和が2原子%以下であり、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼板。
    sol.(Nb+(93/48)Ti)=[Nb]+A−(93/12)[C]・・・(1)
    ここで、A=(93/48)[Ti]−(93/14)[N]−(93/32)[S]
    但し、Aが0以下の場合は、0とみなす。
    ここで、[X]は元素Xの含有量(質量%)であり、含有量が0のときは0を代入する。
  2. 前記Feの一部に代えて、Cr、Mo、W、及びNiの1種または2種以上を合計で3.0%以下含有する請求項1に記載の鋼板。
  3. 質量%で、
    C :0.0002〜0.020%、
    Si:1.0%以下、
    Mn:0.01〜3.0%、
    P :0.20%以下、
    S :0.020%以下、
    Al:0.001〜1.0%、
    N :0.01%以下、
    B :0.0002〜0.0015%を含有し、
    更に、
    Nb:0.003〜0.24%及び
    Ti:0.003〜0.24%、の1種又は2種を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる冷延鋼板を次の焼鈍条件の順に焼鈍して鋼板を製造する方法。
    (焼鈍条件1)室温〜650℃の間を30〜100℃/秒の平均昇温速度で加熱
    (焼鈍条件2)650〜700℃の間を0.5〜2.0℃/秒の平均昇温速度で加熱
    (焼鈍条件3)700〜Ac3変態点未満最高焼鈍温度(800℃以上950℃以下)の間を50〜100℃/秒の平均昇温速度で加熱。
  4. 冷延鋼板が、前記Feの一部に代えて、Cr、Mo、W、及びNiの1種または2種以上を合計で3.0%以下含有する請求項3に記載の鋼板を製造する方法。
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