以下,適宜図面を参照し,本発明の様々な実施形態を説明する。なお,図面において共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
図1は,本発明の一実施形態におけるゲームシステムのアーキテクチャを概略的に示すブロック図である。図1に示すように,本発明の一実施形態において,オンラインゲーム用サーバ装置10(以下,単に「サーバ装置10」ということがある。)は,インターネット等の通信網20を介して,通信機能を備える複数の端末装置30-1,30-2,・・・,30-N(以下,「端末装置30」と総称することがある。)と通信可能に接続されている。サーバ装置10は,本発明の一実施形態に係るゲームシステムの一例である。
サーバ装置10は,図示のとおり,CPU11と,メインメモリ12と,ユーザI/F13と,通信I/F14と,外部メモリ15と,ディスクドライブ16とを含み,これらの各構成要素がバス17を介して互いに電気的に接続されている。CPU11は,外部メモリ15からオペレーティングシステムやオンラインゲームの進行を制御する様々なプログラムをメインメモリ12にロードし,ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ12は,CPU11が実行するプログラムを格納するために用いられ,例えば,DRAMによって構成される。
ユーザI/F13は,例えば,オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と,CPU11の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置とを含む。通信I/F14は,ハードウェア,ファームウェア,又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され,通信網20を介して端末装置30と通信可能に構成される。
外部メモリ15は,例えば磁気ディスクドライブで構成され,端末装置30においてオンラインゲームを実行するためのゲームプログラムやオンラインゲームの進行を制御するための制御用プログラム等の様々なプログラムを記憶する。ゲームプログラムは,例えば,アドビシステムズ社が開発した動画やゲームなどを扱うフォーマットであるAdobe Flash(登録商標)を用いて作成される。Adobe Flashにより作成されたゲームプログラムは,SWF形式のファイルとして外部メモリ15に格納される。ゲームプログラムについては後述する。ディスクドライブ16は,CD-ROM,DVD-ROM,DVD-R等の各種の記憶メディアに格納されたデータを読み込み,又は,これらの記憶メディアにデータを書き込む。例えば,記憶メディアに格納されたゲームプログラム等のデータは,ディスクドライブ16により読み込まれ,外部メモリ15にインストールされる。
端末装置30は,サーバ装置10に記憶され,ウェブブラウザ上で表示されたゲームを実行し,操作可能な任意の情報処理装置であり,例えば,携帯電話機,スマートフォン,ゲーム用コンソール,パーソナルコンピュータ,タッチパッド,及び電子書籍リーダーを含むがこれらには限られない。また,端末装置30は,サーバ装置10から後述する通信I/F34を介してゲームプログラムを受信して,ゲームを実行することも可能である。
このような様々な端末装置30のアーキテクチャについて図2を参照して説明する。図2は,本発明の一実施形態に係る端末装置30のアーキテクチャを概念的に示すブロック図である。端末装置30は,図示のとおり,CPU31と,メインメモリ32と,ユーザI/F33と,通信I/F34と,外部メモリ35と,を含み,これらの各構成要素がバス36を介して互いに電気的に接続されている。
CPU31は,外部メモリ35からオペレーティングシステム等の様々なプログラムをメインメモリ32にロードし,ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ32は,CPU31が実行するプログラムを格納するために用いられ,例えば,DRAMによって構成される。
ユーザI/F33は,例えば,プレイヤ(ユーザ)の入力を受け付けるタッチパネル,キーボード,ボタンやマウス等の情報入力装置と,CPU31の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置とを含む。通信I/F34は,ハードウェア,ファームウェア,又は,TCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され,通信網20を介してサーバ装置10と通信可能に構成される。
外部メモリ35は,例えば磁気ディスクドライブやフラッシュメモリ等により構成され,オペレーティングシステム等の様々なプログラムを記憶する。また,外部メモリ35は,サーバ装置10から通信I/F34を介してゲームプログラムを受信した場合には,この受信したゲームプログラムを記憶する。
このようなアーキテクチャを有する端末装置30は,例えば,HTML形式のファイルを解釈して画面表示するためのブラウザソフトウェアと,当該ブラウザソフトウェアに組み込まれるプラグインソフト(例えば,アドビシステムズ社から提供されているFlash Player)を備えており,HTMLファイルに埋め込まれたSWF形式のファイルをサーバ装置10から取得し,当該SWF形式のファイルをブラウザソフトウェア及びプラグインソフトを用いて実行することで,端末装置30のユーザすなわちゲームのプレイヤにゲーム機能を提供することができる。
次に,図1及び図2を参照して,ゲームプログラムについて説明する。ゲームプログラムは様々な形式でサーバ装置10の外部メモリ15に格納される。例えば,ゲームプログラムは,様々なアプリケーション実行用プラットフォーム上で実行されるアプリケーションソフトウェアとして提供することができる。プレイヤは,端末装置30を通じて,ゲームアプリケーションを実行又は操作することができる。
サーバ装置10の外部メモリ15は,端末装置30で実行又は操作可能な様々なゲームを実行又は操作するためのゲームプログラムを記憶する。このゲームプログラムは,例えば,ActionScript,JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語や,Objective-C,Java(登録商標)等のオブジェクト指向プログラミング言語で作成することができる。これらのゲームプログラムは,端末装置30に実装されたプラットフォーム上で実行及び/又は操作される。また,外部メモリ15に記憶されるゲームプログラムは,HTML5等のマークアップ言語で作成されたウェブページをCSS3等のスタイルシートで修飾したものであってもよい。このようなマークアップ言語で作成されたウェブページは,端末装置30に実装されたブラウザソフトウェアにより実行又は操作される。また,サーバ装置10は,外部メモリ15に,任意の数のゲームプログラムを格納することができ,端末装置30によって選択されたゲームを実行及び/又は操作するためのゲームプログラムを,CPU11の制御に従って,通信I/F14を介して任意の数の端末装置30に提供することもできる。端末装置30では,サーバ装置10により送信されたゲームプログラムが,CPU31の制御に従って,通信I/F34を介して外部メモリ35に送信され記憶される。
端末装置30は,このゲームを実行又は操作することにより,アクションゲーム,ロールプレイングゲーム,野球対戦ゲーム,カードゲーム等の様々なゲームをプレイすることができる。ゲームプログラムによって実現されるゲームは,本明細書において明示されたものに限られない。ゲームが実行されると,例えば,プログラムにより指示されたアニメーションや操作用アイコンが端末装置30の画面に表示される。プレイヤは,端末装置30の入力インタフェース(例えば,タッチスクリーンやボタン)を用いてゲームを進行させるための指示を入力することができる。プレイヤから入力された指示は,端末装置30のブラウザやNgCore(商標)等のプラットフォームの機能を通じてサーバ装置10に伝達される。端末装置30は,ゲームで用いられる各種のパラメータを示す情報(ゲームポイントの獲得数や獲得したアイテムに関する情報等)やステータスを示す情報(達成したミッションを特定する情報等)を適宜サーバ装置10に送信する。サーバ装置10は,複数の端末装置30から受信した指示,パラメータを示す情報,ステータスを示す情報等に基づいて,プレイヤの各々についてゲームの進行を管理する。これにより,プレイヤは,サーバ装置10が保持しているゲームの進行に関する情報に基づいて,中断したゲームを中断直前の状態から再開することができる。
次に,図1に示した各構成要素によって実現されるサーバ装置10の機能について,図3を参照して説明する。図3は,本発明の一実施形態に係るサーバ装置10の機能を示すブロック図である。図3に示すように,本実施形態に係るサーバ装置10は,ゲームプログラム記憶部51と,ゲーム媒体識別情報記憶部52と,出品要求受付部53と,プレイヤ特定情報記憶部54と,出品データ生成部55と,第1表示制御部56と,入札要求受付部57と,入札データ生成部58と,第2表示制御部59と,交換確定要求受付部60と,ゲーム媒体識別情報更新部61と,グループ管理部62と,グループ更新部63と,プレイヤ管理部64とを含む。
ゲームプログラム記憶部51は,上述のように,端末装置30において実行又は操作可能な様々なゲームを実行又は操作するためのゲームプログラムを記憶する。端末装置30のユーザは,ゲームプログラム51に記憶されているゲームプログラムを取得し,取得したゲームプログラムを端末装置30で実行させることにより,当該端末装置30を用いてゲームをプレイすることができる。上述のように,端末装置30においては,様々なゲームが実行される。端末装置30において実行されるゲームにおいては,電子的なカード,アイテム,ゲーム内で利用可能な仮想通貨等の様々なゲーム媒体が用いられる。
ゲーム媒体は,ゲームの進行のためにプレイヤによって用いられる電子データの総称であり,例えば,カード,アイテム,アバタ,及び仮想通貨を含む。本発明の一態様において,ゲーム媒体は,ゲームの進行に応じ,プレイヤによって,ゲーム内で,取得,保有,使用,管理,交換,合成,強化,売却,廃棄,及び/又は贈与等され得るが,ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものには限られない。ゲーム内でカードを売却する場合には,現実の通貨ではなく,ゲーム内で使用される仮想通貨がカードを売却する対価としてプレイヤに支払われる。ゲーム媒体であるカードには,例えば,ゲームの進行に必要なパラメータ(例えば「属性」,「レベル」,「攻撃力」,「防御力」等)が設定される。これらのパラメータはゲームの進行に伴って更新され得る。プレイヤは,更新されたパラメータを有するカードを用いてゲームを進行させることができる。カードをゲーム媒体の一つとして用いるゲームは,カードゲームと呼ばれることがある。カードゲームにおいて,プレイヤは,カードを用いてミッションを攻略したり,カードを用いて他のプレイヤやノンプレイヤキャラクタと対戦することによりゲームを進行させることができる。本出願人は,Mobage(登録商標)プラットフォーム上において,様々なカードゲームを提供している。
ゲームプログラム記憶部51に記憶されているゲームのプレイヤは,ゲームの進行に応じて,様々なゲームカードを取得し,保有することができる。ゲーム媒体識別情報記憶部52は,各プレイヤが保有するゲーム媒体のゲーム媒体識別情報を,当該ゲーム媒体を保有するプレイヤに固有のプレイヤ識別情報と対応づけて,ゲーム媒体識別情報テーブルに記憶する。ゲーム媒体識別情報記憶部52は,プレイヤが新たにゲーム媒体を取得したときに,そのゲーム媒体を識別するゲーム媒体識別情報を,当該ゲーム媒体を取得したプレイヤのプレイヤ識別情報と対応づけて記憶することにより,ゲーム媒体識別情報テーブルを更新する。
「プレイヤ識別情報」は,ゲームのプレイヤを識別する識別コードであり,例えば,10進数6桁の数字で構成される。プレイヤ識別情報のコード体系は,本明細書で明示されるものに限られず,任意のコード体系をプレイヤ識別情報として用いることができる。例えば,プレイヤ識別情報は,アルファベットを含むこともできる。プレイヤ識別情報は,例えば,プレイヤがゲームに初めてログインする際に,そのプレイヤに割り当てられ,再ログイン時にも同じプレイヤ識別情報を使い続けることが通常である。このように,プレイヤ識別情報は,ゲームにおいて各プレイヤを識別するための,各プレイヤに固有の識別情報である。
「ゲーム媒体識別情報」は,プレイヤが保有するゲーム媒体を識別する識別コードであり,例えば,10進数8桁の数字で構成される。ゲーム媒体識別情報のコード体系は,本明細書で明示されるものに限られず,任意のコード体系をゲーム媒体識別情報として用いることができる。例えば,ゲーム媒体識別情報は,アルファベットを含むこともできる。ゲーム媒体識別情報は,例えば,プレイヤがゲームをプレイしてカードやアイテム等のゲーム媒体を取得したときに,そのゲーム媒体を一意に識別するために生成され,当該ゲーム媒体を取得したプレイヤのプレイヤ識別情報と対応づけて,ゲーム媒体識別情報テーブルに記憶される。
図4は,ゲーム媒体識別情報記憶部52に格納されたゲーム媒体識別情報テーブルの一例を示す。図示のとおり,本発明の一実施形態に係るゲームシステムに備えられたゲーム媒体識別情報テーブルは,ゲーム媒体識別情報1〜ゲーム媒体識別情報50を,プレイヤ識別情報と対応づけて記憶することができる。各プレイヤが保有できるゲーム媒体の数には上限を定めることができ,図4においては,各プレイヤが50個までゲーム媒体を保有できる例を示している。図4において,プレイヤ識別番号「000001」で識別されるプレイヤ(以下,「プレイヤ1」と称することがある。)は,ゲーム媒体識別情報「00000001」,「00000125」,・・・「20300209」でそれぞれ表される50個のゲーム媒体を保有している。図4に示したゲーム媒体識別情報テーブルは一例に過ぎず,本発明においては,様々に変形されたゲーム媒体識別情報テーブルを用いることができる。また,ゲーム媒体識別情報記憶部52は,必ずしもゲーム媒体識別情報テーブルを記憶する必要はなく,当業者に明らかな任意の手法により,ゲームで用いられる多数のゲーム媒体のゲーム媒体識別情報をそのゲーム媒体を保有するプレイヤのプレイヤ識別情報と対応づけて管理することができる。
ゲーム媒体は,ゲームの進行に応じて随時プレイヤに取得されるものであるから,必ずしも全てのプレイヤが上限に相当する数のゲーム媒体を有しているとは限らない。例えば,プレイヤ識別番号「000005」で識別されるプレイヤ(以下,「プレイヤ5」と称する。)は,ゲーム媒体識別情報「10000031」で識別されるゲーム媒体を一つだけ保有している。プレイヤ5がゲームにおいて新たなゲーム媒体を取得すると,その取得したゲーム媒体を識別するゲーム媒体識別情報が新たに生成され,生成されたゲーム媒体識別情報が,プレイヤ識別番号「000005」と対応づけられて,「ゲーム媒体識別情報2」のレコードとして記憶される。
また,各プレイヤは,保有するゲーム媒体を廃棄,売却等の方法で処分することができる。例えば,プレイヤ1は,ゲーム媒体識別情報「20300209」で識別されるゲーム媒体を廃棄することができる。ゲーム媒体識別情報「20300209」で識別されるゲーム媒体の廃棄が指示されると,プレイヤ1の「ゲーム媒体識別情報50」から,ゲーム媒体識別情報「20300209」を示すデータが削除される。「20300209」で識別されるゲーム媒体の廃棄後にプレイヤ1によって新たにゲーム媒体が取得されると,その新たに取得したゲーム媒体を識別するゲーム媒体識別情報が,プレイヤ識別番号「000001」と対応づけられて,「ゲーム媒体識別情報50」のレコードとして記憶される。
このように,ゲーム媒体識別情報記憶部52は,ゲーム媒体に固有のゲーム媒体識別情報を,そのゲーム媒体を保有するプレイヤに固有のプレイヤ識別情報と対応づけて記憶することができる。上述のように,ゲーム媒体識別情報とプレイヤ識別情報との対応は,プレイヤによるゲーム媒体の取得,売却,廃棄等によって随時変更され得る。ゲーム媒体識別情報記憶部52は,ゲーム媒体の保有者の変更を反映させるために,ゲーム媒体に固有のゲーム媒体識別情報を,プレイヤに固有のプレイヤ識別情報と「動的に」対応づけて記憶することができる。つまり,ゲーム媒体の保有プレイヤが変更された場合には,当該ゲーム媒体のゲーム媒体識別情報とプレイヤ識別情報との対応関係を,保有プレイヤの変更を反映させるように変更することができる。一例として,プレイヤ同士でゲーム媒体を交換することができる。この場合にも,ゲーム媒体識別情報記憶部52におけるゲーム媒体識別情報とプレイヤ識別情報との対応は,その交換による保有プレイヤの変更を反映するように変更される。
ゲーム内でのプレイヤ間におけるゲーム媒体の交換方法の一例を説明する。プレイヤは,ゲームにおいて保有しているゲーム媒体を他のプレイヤが保有しているゲーム媒体と交換する場合には,そのゲームを実行している端末装置30を操作して,自らが保有するゲーム媒体を他のプレイヤのゲーム媒体と交換するための出品要求をサーバ装置10に送信する。
出品要求には,出品要求を行うプレイヤ(以下,「出品者プレイヤ」と称することがある。)のプレイヤ識別情報,交換対象として出品するゲーム媒体(以下,「出品ゲーム媒体」と称することがある。)のゲーム媒体識別情報,及びその出品ゲーム媒体と交換で入手を希望するゲーム媒体についての希望条件等の様々な情報が含まれうる。例えば,プレイヤ1は,保有するゲーム媒体のうち,ゲーム媒体識別情報「00000125」で識別されるゲーム媒体を,他のゲーム媒体と交換するために出品することができる。この場合,プレイヤ1は,端末装置30によって提供されるユーザインタフェースを用いて,ゲーム媒体識別情報「00000125」に相当するゲーム媒体を特定した出品要求をサーバ装置10に送信することができる。この場合,出品要求には,例えば,出品者プレイヤであるプレイヤ1のプレイヤ識別情報「000001」と,出品ゲーム媒体のゲーム媒体識別情報「00000125」と含めることができる。また,入手を希望するゲーム媒体に関する希望条件を出品要求に含めることもできる。例えば,カードやアイテムの種類や数量,カードに設定された攻撃力等の属性,及び仮想通貨の額等のゲーム媒体の属性を示す様々な情報の少なくとも一部を希望条件として設定することができる。一実施形態において,希望条件は,出品者プレイヤによって自由に入力される。例えば,交換を希望するゲーム媒体の個数を希望条件として設定する場合には,出品者プレイヤは,127個等の任意の個数を入力できる。他の実施形態において,希望条件は,ゲームによって提示される有限個の選択肢の中から選択される。例えば,ゲーム媒体の個数を希望条件として入力する場合に,「10」,「20」・・・「200」という10から200までの10刻みの選択肢が提示され,出品者プレイヤは,この有限個の選択肢の中から,希望の条件に近いものを選択する。
端末装置30から送信された出品要求は,サーバ装置10によって受信される。受信された出品要求は,出品要求受付部53によって受け付けられる。一実施形態において,出品要求受付部53は,出品要求を受け付けると,当該出品要求に固有の出品要求識別情報を生成し,出品要求に含まれる情報の少なくとも一部を当該出品要求識別情報と対応づけて記憶する。
図5は,出品要求受付部53によって作成,更新,及び管理される出品要求管理テーブルの一例を示す。図示のように,出品要求管理テーブルは,出品要求受付要求部53によって受け付けられた出品要求ごとに,出品者プレイヤのプレイヤ識別情報,出品ゲーム媒体のゲーム媒体識別情報,複数の希望条件,及びその出品の継続期間を示す出品期間を記憶することができる。図5に示した例では,プレイヤ1から出品要求を受信したときに,出品要求識別情報「A000001」が生成され,当該出品要求識別情報「A000001」と対応づけて,プレイヤ1のプレイヤ識別情報「000001」,受信した出品要求に含まれていたゲーム媒体識別情報「00000125」,希望条件「MS12」及び「001」,及びその出品ゲーム媒体の出品が終了する「4月9日 9:00」を表す情報が記憶されている。例えば,出品者プレイヤから出品要求を受け付けた24時間後の時刻が出品期間として設定される。
上述のように,入手を希望するゲーム媒体に関する様々な条件が,出品者プレイヤによって希望条件として設定され得る。図5の例では,入手を希望するゲーム媒体の種類を示す「MS12」が希望条件1として設定され,入手を希望するゲーム媒体の個数を示す「001」が希望条件2として設定されている。つまり,出品要求識別情報「A000001」で識別される出品要求によって,プレイヤ識別情報「000001」で識別されるプレイヤ1が,「MS12」で特定される種類のゲーム媒体を,1個,入手しようとしていることが表されている。希望条件の設定は任意であり,希望条件は設定されなくともよい。例えば,出品要求識別情報「A000004」は,出品者プレイヤによって希望条件が設定されていなかった出品要求に基づいて作成されたレコードの例であり,希望条件1及び希望条件2の欄に希望条件を示すデータが入力されていない。
サーバ装置10は,ゲーム媒体に関する情報以外にも,ゲームの進行のために様々な情報を記憶している。例えば,プレイヤ特定情報記憶部54は,ゲームのプレイヤごとに,そのプレイヤを特定可能なプレイヤ特定情報を記憶する。「プレイヤ特定情報」は,プレイヤの個性や特徴を表す任意の情報であり,他のプレイヤへの提示によってプレイヤの特定が可能な情報である。ゲームにおいては,プレイヤ特定情報に基づいて各プレイヤを表す表示画像が生成され,その表示画像が他のプレイヤのゲーム画面に表示されることにより,当該プレイヤの個性や特徴が他のプレイヤに対して伝達される。プレイヤを表す表示画像に各プレイヤの個性が表れることにより,ゲームを通じたプレイヤ間の交流が促進される。
このプレイヤ特定情報には,例えば,プレイヤを特徴付けるためにプレイヤによって設定されるプレイヤ名やアバタ等のプレイヤ属性情報が含まれ得る。プレイヤ名は,各プレイヤによって自由に定められるため,複数のプレイヤが同じプレイヤ名を使用することがある。したがって,プレイヤ名は,プレイヤを一意に特定するものではないが,ゲームにおいて交流するプレイヤの数は時間的制約などによって限定されるため,実際には,プレイヤ名は,他のプレイヤを特定するための標識として機能する。したがって,本明細書において,プレイヤ名は,プレイヤを特定可能なプレイヤ特定情報に含まれる。アバタについても,同様の理由により,プレイヤ特定情報に含められる。つまり,ゲームのプレイヤは,個性を表現するために,個性的な外観を持ったアバタを利用してゲームをプレイすることが多く,このようなプレイヤのニーズを支援するために,ゲームやゲーム用のプラットフォームの機能として,アバタを装飾するための様々なアイテムが提供されている。したがって,アバタは,必ずしもプレイヤを一意に特定できないが,プレイヤを特定するために機能し得る。
プレイヤ特定情報記憶部54は,例えば,図6に例示されるプレイヤ特定情報テーブルを生成及び管理することができる。図6のプレイヤ特定情報テーブルは,各プレイヤのプレイヤ識別情報と対応づけて,プレイヤ名やアバタ等の様々なプレイヤ特定情報を管理している。アバタは,例えば,サーバ装置10内にJPEG形式で画像として保存されており,プレイヤ特定情報テーブルにおいては,当該画像の格納位置をURLとして管理することができる。
ユーザ名やアバタ等のプレイヤによって任意に設定されるプレイヤ属性情報以外にも,ゲームの進行に応じて生成される様々な情報がプレイヤ特定情報に含まれ得る。例えば,出品要求に基づいて生成される出品要求識別情報を特定することにより出品者プレイヤを一意に特定できるため,出品要求識別情報もプレイヤ特定情報に含められる。また,プレイヤ識別情報を知ることによりプレイヤを特定可能であるから,プレイヤ識別情報自体もプレイヤ特定情報に含まれうる。
サーバ装置10における出品要求の処理について更に説明する。出品データ生成部55は,出品要求管理テーブルを参照し,出品要求受付部53によって受け付けられた出品要求の各々について,出品ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報を含む出品データを生成する。出品データには,当該出品ゲーム媒体を識別するゲーム媒体識別情報が含まれても良い。生成された出品データは,後述するように,端末装置30でゲームをプレイする際に,そのゲーム画面の一部として端末装置30の表示スクリーンに表示されて,そのゲームのプレイヤに対して伝達される。ゲーム媒体に関する「ゲーム媒体情報」には,当該ゲーム媒体を表す画像,当該ゲーム媒体の名称,及び当該ゲーム媒体に設定されたレベルや攻撃力など様々なパラメータが含まれる。ゲーム媒体情報は,本明細書で明示されたものに限定されず,むしろゲーム媒体の特徴や属性を示す様々な情報がゲーム媒体情報に含まれ得る。出品データ生成部55は,例えば,プレイヤからの出品データの表示要求や,特定の条件に合致する出品ゲーム媒体の検索要求に応じて出品データを生成する。生成された出品データは,後述する第1表示制御部56の制御により,各プレイヤに対して提示される。
例えば,出品データ生成部55は,図5の出品要求管理テーブルに格納された出品要求識別情報「A000001」で識別される出品要求について出品データを生成する。出品要求識別情報「A000001」についての出品データは,出品要求識別情報「A000001」に対応づけられているゲーム媒体識別情報「00000125」で識別される出品ゲーム媒体を表す画像や当該出品ゲーム媒体に設定されたパラメータ等のゲーム媒体情報,及び,ゲーム媒体識別情報「00000125」を含むことができる。
一実施形態において,出品データ生成部55は,プレイヤ特定情報を含まないように出品データを生成する。図5の出品管理テーブルには,出品者プレイヤのプレイヤ識別情報や出品要求識別情報等のプレイヤ特定情報が格納され得るが,一実施形態において,出品データ生成部55は,このようなプレイヤ特定情報を含まないように出品データを生成する。一実施形態において,出品データ生成部55は,出品管理テーブル以外で管理されている,プレイヤ名,アバタ,プレイヤ識別情報等のプレイヤ特定情報についても,出品データに含まれないようにする。
第1表示制御部56は,プレイヤからの要求に基づいて,出品データ生成部55によって生成された出品データを提供する。各プレイヤは,ゲーム実行中に,そのゲームを実行している端末装置30の操作を通じ,出品データの表示要求をサーバ装置10に送信することができる。第1表示制御部56は,要求を送信した端末装置30で実行されているゲームに対して出品データを送信し,当該出品データに基づいて生成される出品画面を,例えばゲームの表示画面の一部として表示させる。
出品データの表示要求についてさらに説明する。プレイヤは,例えば,ゲームをプレイしている間に,当該ゲームの機能として提供される出品ゲーム媒体を検索する検索機能を利用して,出品データの表示を要求することができる。図7は,ゲームの機能の一部として提供されるゲーム媒体を検索するための検索用画面の表示例である。ゲームのプレイヤは,ゲームをプレイ中に,例えば,ゲーム画面に表示された「出品カード検索」というリンクや操作ボタンを操作することにより,図7に示されている表示画面を,ゲームを実行している携帯端末30の表示スクリーンに表示させることができる。
図示のとおり,検索用表示画面70は,検索条件を指定するためのプルダウンボックス71,72と,数値範囲を設定するための入力ボックス73と,プレイヤから検索タームの入力を受け付ける入力ボックス74と,検索の実行を指示するための検索実行ボタン75とを含む。プレイヤは,ゲームプレイ中に表示させた表示画面70において,プルダウンボックス71,72を操作してプリセットされた検索条件を選択したり,入力ボックス73,74に数値範囲や検索タームを入力した後に,検索実行ボタン75を操作することにより,設定した検索条件に応じた検索要求を,端末装置30の通信機能を利用して,サーバ装置10に送信することができる。例えば,プルダウンボックス71は,「マシン」,「ビークル」,「キャラクタ」などのゲーム媒体の種類を表す選択肢を提供し,プルダウンボックス72は,「攻撃力」,「防御力」,「機動力」等のゲーム媒体に設定されたパラメータを表す選択肢を提供する。入力ボックス73は,所定データ量以下である限りプレイヤの自由な入力を許容してもよいし(この場合,プレイヤは「1231」等の任意の数字やテキストを入力することができる。),有限個の選択肢(例えば,「10」,「20」,「200」という10から200までの10刻みの選択肢)を提供してもよい。
プレイヤは,例えば,プルダウンボックス71から「マシン」を選択し,プルダウンボックス82から「機動力」を選択し,さらに入力ボックス73に「100〜200」と入力し(又は入力ボックス73から与えられた選択肢から「100〜200」の範囲を選択し),その後に検索実行ボタン75を操作することにより,「機動力が「100〜200」の範囲に設定された「マシン」の種類に属するゲーム媒体」を検索するための検索要求を,サーバ装置10に送信することができる。検索要求を受信したサーバ装置10は,出品要求管理テーブル等を参照し,出品中のカードの中から,検索要求で指定された検索条件に合致する出品ゲーム媒体を特定する。第1表示制御部56は,特定された出品ゲーム媒体について作成された出品データを出品データ生成部55から入手し,入手した出品データを含む検索結果情報を,検索要求を行った端末装置30に返信する。
図8は,サーバ装置10から返信された検索結果情報の表示例である。具体的には,図8は,図5の出品要求管理テーブルを参照して,「機動力が「100〜200」の範囲に設定された「マシン」の種類に属するゲーム媒体」を検索するための検索要求に対する検索結果の表示例を示している。第1表示制御部56は,出品要求管理テーブルを参照することにより,「機動力が「100〜200」の範囲に設定された「マシン」の種類に属するゲーム媒体」という検索条件に合致する出品ゲーム媒体として,出品要求識別情報が「A000001」の出品ゲーム媒体及び「A000002」の出品ゲーム媒体を特定する。第1表示制御部56は,「A000001」の出品ゲーム媒体及び「A000002」の出品ゲーム媒体についてそれぞれ生成された出品データを出品データ生成部55から取得し,各出品データを含む検索結果情報を生成して,検索要求を行った端末装置30に送信する。
端末装置30は,ゲームを実行中に第1表示制御部56から一又は複数の出品データを含む検索結果情報を受信すると,受信した検索結果情報にレンダリング等の描画処理を行い,当該検索結果情報に基づいて表示画面を生成する。本明細書においては,出品データを含む情報に基づいて生成された表示画面を,「出品画面」と称することがある。生成された出品画面は,端末装置30の表示スクリーンに表示される。つまり,図8に示されている表示画面80は,出品画面の一例である。
図8に示されているように,端末装置30の表示画面80には,それぞれ出品データを表す出品データ表示画像81及び出品データ表示画像82が表示されている。出品データ表示画像81は,検索結果情報に含まれていた出品要求識別情報が「A000001」で識別される出品ゲーム媒体の出品データの表示例であり,出品データ表示画像82は,出品要求識別情報が「A000002」で識別される出品ゲーム媒体の出品データの表示例である。図示のとおり,出品データ表示画像81は,「名称」のパラメータが「マシンA」,「攻撃力」のパラメータが「28」,「防御力」のパラメータが「49」,「機動力」のパラメータが「124」,「レベル」のパラメータが「1」,経験値のパラメータが「12%」に設定された出品ゲーム媒体を表している。出品データ表示画像82も,同様にして各種パラメータが設定された出品ゲーム媒体を表している。
出品データ表示画像には,出品ゲーム媒体のパラメータ以外にも,出品データに基づいて様々な情報が表示される。例えば,出品要求識別情報「A000001」には,希望条件として「MS12」「001」が設定されているので,出品要求識別情報「A000001」に対応する出品データ表示画像81には,希望条件の表示領域に,「MS12」に対応する「マシンC」の表示,及び,「001」に対応する「1台」の表示が含まれている。また,図5の出品要求管理テーブルに含まれている出品期間を含むように出品データを生成することにより,当該出品期間を出品データ表示画像の一部として表示することができる。例えば,出品要求識別情報「A000001」には,出品期間として「4月9日 9:00」が対応づけられているため,出品データ表示画像81の出品期間の表示領域には,「4月9日9:00まで」と表示される。
一実施形態において,出品要求管理テーブルから読み出したデータは,読み出した情報の内容を変更した上で,出品データ表示画像として表示されてもよい。例えば,希望条件は,出品者プレイヤによって自由に入力が可能であるため,不自然な情報が設定された希望条件の表示が,出品者プレイヤを識別するための符牒として悪用される恐れがある。図5の出品要求識別情報「A000003」の希望条件2に「131」と設定されているのが一例である。そこで,一実施形態において,出品データ生成部55は,希望条件等の出品プレイヤによって自由に入力された入力情報に少なくとも部分的に基づいて出品データを生成する際に,当該入力情報を丸め処理により変更し,当該変更後の情報を用いて出品データを生成することにより,入力情報の符牒としての機能を失わせることができる。例えば,希望条件2に「131」と設定されている場合には,50刻みで丸め処理を行い「150」へ変更することができ,100刻みで丸め処理を行い「100」へ変更することもできる。「50」刻みで丸め処理が行われた場合には,出品データ表示画像の希望条件の表示領域には,「131」ではなく「150」と表示されるので,希望条件が符牒として機能することを防止できる。
また,出品要求管理テーブルから読み出した出品期間を同様に丸め処理により変更し,変更後の出品期間を用いて出品データを生成することにより,希望条件の場合と同様に,出品期間の表示に基づく出品者プレイヤの特定を防ぐことができる。例えば,図5の出品要求識別情報「A000003」には,出品期間として「4月9日 14:51」が設定されているため,「4月9日 14:51」をそのまま表示すると,「4月9日 14:51」を出品者プレイヤから他のプレイヤに伝達することにより,出品者プレイヤを特定することが可能となるが,この出品期間を例えば「4月9日 15:00」という区切りの良い時刻に変更することにより,出品期間に基づく出品者プレイヤの特定を防止することができる。
図8に示すような出品画面を見たプレイヤは,端末装置30を操作して,出品画面の中から所望のゲーム媒体を表す出品データ表示画像を選択し,その選択したゲーム媒体と自らが保有するゲーム媒体との交換を要求する入札要求をサーバ装置10に送信することができる。例えば,出品データ表示画像81の一部として表示されている「交換希望」の表示を含む操作ボタン83を操作することにより,ゲームプログラム及び端末装置30の機能によって,出品データ表示画像81に対応するゲーム媒体に入札するための入札要求がサーバ装置10に送信される。本明細書において,出品画面の表示に基づいて入札要求を送信するための操作を行うプレイヤを,「入札者プレイヤ」と称することがある。入札者プレイヤは,出品データ表示画像82に対応する出品ゲーム媒体との交換を希望する場合には,操作ボタン83の代わりに操作ボタン84を操作すればよい。
入札要求には,交換を希望する出品ゲーム媒体を識別する第1ゲーム媒体識別情報と,入札者プレイヤが所有する交換用のゲーム媒体(本明細書において「入札ゲーム媒体」と称することがある。)を識別する第2ゲーム媒体識別情報と,が含まれ得る。入札要求には,これらの情報に加えて,入札者プレイヤのプレイヤ識別情報が含まれ得る。例えば,プレイヤ5が,出品画面に含まれている出品データ表示画像81が表す出品ゲーム媒体と,ゲーム媒体識別情報「10000031」で識別される自らのゲーム媒体とを交換する場合には,入札要求に,出品データ表示画像81を識別するゲーム媒体識別情報「00000125」と,交換用のゲーム媒体のゲーム媒体識別情報「10000031」と,プレイヤ5のプレイヤ識別情報「000005」とが含まれ得る。出品データ表示画像81のゲーム媒体識別情報は,例えば,出品データ表示画像81の一部として「交換希望」と表示された操作ボタン83を選択することにより,端末装置30に実装されたソフトウェアの機能により,自動的に入札要求に含めることができる。
入札者プレイヤに入札ゲーム媒体の選択を促すために,端末装置30は,ゲームプログラムの指示に従って,例えば,図9に示すような入札ゲーム媒体の選択画面90を表示することができる。この選択画面90は,例えば,図8の操作ボタン83の操作を契機として,端末装置30に表示される。選択画面90は,入札プレイヤが保有するゲーム媒体を表す入札ゲーム媒体表示画像91を含む。図9には,入札ゲーム媒体表示画像91が一つのみ表示される例が示されているが,入札者プレイヤが保有するゲーム媒体の数に応じた数の入札ゲーム媒体表示画像が表示され得る。入札ゲーム媒体表示画像91には,「入札確認」と表示された操作ボタン92が含まれている。入札者プレイヤは,操作ボタン92を操作することにより,ゲームプログラム及び端末装置30の機能によって,入札ゲーム媒体表示画像91に対応するゲーム媒体を第2ゲーム媒体識別情報として自動的に入札要求に含めることができる。
図8から明らかなように,出品画面を表す表示画面80には,出品者プレイヤを特定するためのプレイヤ特定情報が含まれておらず,入札者プレイヤは,表示画面80に基づいて,出品ゲーム媒体に関する情報を入手できるが,出品者を特定するための情報は入手することができない。なお,入札者プレイヤではなく,出品者プレイヤに対して出品画面を表示する場合には,その出品画面に出品者プレイヤを特定するためのプレイヤ特定情報を含めることができる。つまり,出品者プレイヤを特定するプレイヤ特定情報は,出品者プレイヤ以外の入札者プレイヤ又は潜在的な入札者プレイヤに対して秘匿されている。
入札者プレイヤの端末装置30から送信された入札要求は,サーバ装置10において受信される。受信された入札要求は,サーバ装置10の入札要求受付部57によって受け付けられる。
入札データ生成部58は,入札要求受付部57によって受け付けられた入札要求に基づいて,入札データを生成する。具体的には,入札データ生成部58は,受け付けられた入札要求に含まれる第2ゲーム媒体識別情報を抽出し,当該第2ゲーム媒体識別情報で識別される入札ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報を含むように入札データを生成する。出品データに関して既に説明したように,ゲーム媒体情報には,ゲーム媒体に対応づけられた画像,当該ゲーム媒体の名称,及び当該ゲーム媒体に設定されたレベルや攻撃力などのパラメータ等のゲーム媒体の特徴を表す様々な情報が含まれうる。
一実施形態において,入札データ生成部58は,入札者プレイヤの特定に繋がるプレイヤ特定情報を含まないように入札データを生成する。入札データ生成部58は,出品データ生成部55と同様の方法で,プレイヤ特定情報を含まないようにデータを生成することができる。
第2表示制御部59は,出品者プレイヤの要求に基づいて,出品者プレイヤに対し,入札データ生成部58によって生成された入札データを提供する。出品者プレイヤは,端末装置30を用いてゲームをプレイしているときに,そのゲームの機能を利用して,入札データの表示要求をサーバ装置10に送信することができる。例えば,出品者プレイヤは,ゲーム画面中に表示される「出品中カードの確認」という操作ボタン又はリンクを選択することにより,サーバ装置10に対して入札データの表示を要求することができる。第2表示制御部59は,かかる要求に基づいて,端末装置30で実行されているゲームに対して入札データを送信し,当該入札データに基づいて生成される入札画面を,例えばゲームの表示画面の一部として表示させる。
図10は,出品者プレイヤの端末装置30における入札画面の表示例である。図示のとおり,出品者プレイヤの端末装置30は,受信した入札データをレンダリングして表示画面100を生成し,生成した表示画面100を端末装置30の表示スクリーンにゲームの画面の一部として表示する。表示画面100は,入札画面の表示例である。図示のとおり,表示画面100は,入札者プレイヤが特定した入札ゲーム媒体を表す入札ゲーム媒体表示画像101と,出品者プレイヤが出品した出品ゲーム媒体を表す出品データ表示画像102とを含む。出品者プレイヤは,表示画面100により,出品データ表示画像102で表される出品ゲーム媒体の交換対象として,他のプレイヤ(入札者プレイヤ)から,入札ゲーム媒体表示画像101で表されるゲーム媒体との交換を申し込まれたことを理解できる。出品者プレイヤは,入札ゲーム媒体表示画像101の一部として表示されている操作ボタン103を選択することにより,入札ゲーム媒体表示画像101に対応する入札ゲーム媒体と自らの出品ゲーム媒体とを交換することができる。具体的には,操作ボタン103が操作されると,ゲームプログラム及び端末装置30の機能により,交換確定要求が生成され,生成された交換確定要求がサーバ装置10に送信される。交換確定要求は,交換されるゲーム媒体(入札ゲーム媒体表示画像101に対応する入札ゲーム媒体と出品データ表示画像102に対応する出品ゲーム媒体)のそれぞれのゲーム媒体識別情報を含み得る。
この交換確定要求は,サーバ装置10によって受信される。受信された交換確定要求は,交換確定要求受付部60によって受け付けられる。
ゲーム媒体識別情報更新部61は,交換確定要求受付部60によって受け付けられた交換確定要求に基づいて,ゲーム媒体識別情報記憶部52に記憶されているゲーム媒体識別情報テーブルを更新する。具体的には,交換された出品ゲーム媒体と入札ゲーム媒体を,交換確定要求に基づいて特定し,ゲーム媒体識別情報テーブルにおける出品ゲーム媒体とプレイヤ識別情報との対応,及び,入札ゲーム媒体とプレイヤ識別情報との対応を更新する。例えば,ゲーム媒体識別情報「00000125」で表されるプレイヤ1の出品ゲーム媒体と,ゲーム媒体識別情報「10000031」で表されるプレイヤ5の入札ゲーム媒体とが交換された場合には,プレイヤ1のプレイヤ識別情報「000001」に対応づけられたゲーム媒体識別情報2の項目から,交換の確定により保有しなくなった出品ゲーム媒体に対応するゲーム媒体識別情報「00000125」を削除し,その代わりに,交換によって入手した入札ゲーム媒体に対応するゲーム媒体識別情報「10000031」を格納する。一方,プレイヤ5のプレイヤ識別情報「000005」に対応づけられたゲーム媒体識別情報1の項目から,交換の確定により保有しなくなった入札ゲーム媒体に対応するゲーム媒体識別情報「10000031」を削除し,その代わりに,交換によって入手した出品ゲーム媒体に対応するゲーム媒体識別情報「00000125」を格納する。
これにより,元々プレイヤ5によって保有されていた入札ゲーム媒体がプレイヤ1のプレイヤ識別情報と対応づけて記憶され,また,元々プレイヤ1によって保有されていた出品ゲーム媒体がプレイヤ5のプレイヤ識別情報と対応づけて記憶されるように,ゲーム媒体識別情報テーブルが更新される。更新後のゲーム媒体識別情報テーブルを図11に示す。以上により,プレイヤ1の出品ゲーム媒体とプレイヤ5の入札ゲーム媒体との交換が完了する。以後,プレイヤ1は,ゲーム媒体識別情報「10000031」で表されるゲーム媒体を用いてゲームをプレイすることができ,プレイヤ5は,ゲーム媒体識別情報「00000125」で表されるゲーム媒体を用いてゲームをプレイすることができる。
以上述べたように,本発明の一実施形態においては,プレイヤ間でゲーム媒体を交換する際に,入札者プレイヤに対しては,出品者プレイヤを特定可能なプレイヤ特定情報を含まないように,出品者プレイヤの出品ゲーム媒体に関する情報が提示される。これにより,ゲーム内においてゲーム媒体を交換する一連のプロセスにおいて,入札者プレイヤは,出品者プレイヤを特定することができない。オンラインゲームにおいては,同一又は類似のゲーム媒体が多数のプレイヤから出品されるという事情があるため,事前にゲーム外でゲーム媒体の交換の対価として現実の通貨の授受を約束していたとしても,ゲーム内でプレイヤ特定情報が秘匿されている場合にはそのゲーム外で取引した相手をゲーム内で特定することができない。このように,ゲーム媒体の交換相手の特定を妨げる機能をゲームシステムに実装することにより,当該機能は,現実世界における取引の履行に対する障害となる。よって,本発明の一実施形態に係るゲームシステムによって,リアルマネートレードを技術的な側面から抑制できる。
また,本発明の他の実施形態においては,プレイヤ間でゲーム媒体を交換する際に,出品者プレイヤに対しては,入札者プレイヤを特定可能なプレイヤ特定情報を含まないように,入札者プレイヤの入札ゲーム媒体に関する情報が提示される。これにより,出品者プレイヤは,入札者プレイヤをゲーム内で特定することができない。したがって,上述した出品者プレイヤの特定を妨げる例と同様に,現実世界における取引の履行に対する障害を設けることができる。このように,本発明の他の実施形態に係るゲームシステムによっても,リアルマネートレードを技術的な側面から抑制できる。
本発明のさらに他の実施形態においては,プレイヤ間でゲーム媒体を交換する際に,入札者プレイヤに対しては,出品者プレイヤを特定可能なプレイヤ特定情報を含まないように,出品者プレイヤの出品ゲーム媒体に関する情報を提示するとともに,出品者プレイヤに対しては,入札者プレイヤを特定可能なプレイヤ特定情報を含まないように,入札者プレイヤの入札ゲーム媒体に関する情報を提示することもできる。この場合,ゲーム内におけるゲームカードの交換相手の特定が一層困難になり,リアルマネートレードの抑止効果が大きい。
本発明の他の実施形態において,サーバ装置10は,グループ管理部62をさらに備えることができる。グループ管理部62は,ゲームのプレイヤを,複数のグループにランダムに所属させる。グループ管理部62は,例えば,図12に示すグループ管理テーブルにより,プレイヤが所属するグループを管理する。図12は,ゲームのプレイヤが所属するグループを管理するグループ管理テーブルの一例である。図12(a)においては,プレイヤ1,プレイヤ3,及びプレイヤ5がグループ識別情報「01」で表される第1グループに所属しており,プレイヤ2及びプレイヤ4がグループ識別情報「02」で表される第2グループに所属している。
グループ更新部63は,プレイヤのグループ分けを,定期的に又は不定期に,所定のアルゴリズムに基づいて変更する。図12(b)は,グループ分け変更後のグループ管理テーブルの一例である。図12(b)においては,プレイヤ1及びプレイヤ2がグループ識別情報「01」で表される第1グループに所属しており,プレイヤ3,プレイヤ4,及びプレイヤ5がグループ識別情報「02」で表される第2グループに所属している。
本実施形態においては,第1表示制御部56は,出品者プレイヤと同じグループに属するプレイヤに対してのみ,出品画面を表示させる。例えば,図12(a)に示すグループ分けがなされているときに,プレイヤ1がゲーム媒体を出品すると,そのプレイヤ1の出品ゲーム媒体に関する出品画面は,プレイヤ3及びプレイヤ5の要求に応じて,プレイヤ3がプレイしているゲーム画面及びプレイヤ5がプレイしているゲーム画面に表示されるが,プレイヤ2がプレイするゲーム及びプレイヤ4がプレイするゲームにおいては表示されない。例えば,プレイヤ2が実行した検索条件に合致するゲーム媒体をプレイヤ1が出品していたとしても,プレイヤ1の出品ゲーム媒体の情報はプレイヤ2のゲームにおいては表示されない。
また,グループ管理部62は,ゲームのプレイヤが所属する複数のグループの各々を互いに関連付けて記憶する。例えば、ゲーム管理部62は,図13に例示するグループ分類テーブルにより,複数のグループを関連付ける。このグループ同士の関連付けは,例えば,出品データを入手,参照,又は閲覧することができるプレイヤを制限するためになされる。例えば,図13(a)に示す対応付けの例においては,グループ1が,グループ1,グループ5,及びグループ21のそれぞれと対応づけられている。この場合,グループ1に所属するプレイヤが出品したゲーム媒体に関する出品データは,対応づけられているグループ1,グループ5,及びグループ21に所属するプレイヤによって取得・参照可能であるが,それ以外のグループに所属するプレイヤに対しては取得・参照を許可しない。本明細書においては,特定のグループに所属するプレイヤから出品された出品データの取得・参照が許可されるグループを参照可能グループと称することがある。第1表示制御部56は,出品者プレイヤが所属するグループに対して参照可能グループとして対応づけられているグループに所属するプレイヤに対してのみ,当該出品者プレイヤから出品された出品ゲーム媒体に関する出品画面を表示させる。例えば,出品者プレイヤがグループ1に所属している場合には,グループ1,グループ5,及びグループ21のいずれかのグループに所属しているプレイヤに対してのみ出品画面を表示させる。
グループ更新部63は,グループの対応付けを,定期的に又は不定期に,所定のアルゴリズムに基づいて変更することができる。図13(b)は,対応付けを変更した後のグループ分類テーブルの一例である。図13(b)に示す例においては,参照可能グループ1は変更されていないが,参照可能グループ2及び参照グループ3が変更される場合の例を示す。このように,参照可能グループは,部分的に変更されてもよい。図13から明らかなように,本発明の一態様においては,特定のグループと同一のグループを参照可能グループとして固定することもできる。つまり,グループ1の参照可能グループとして,グループ1を固定的に設定することができる。このように,特定のグループと同一のグループを参照可能グループとして固定することにより,同一グループに所属するプレイヤに対して出品画面を提供できるようになる。出品者プレイヤと同じグループに属するプレイヤに対してのみ出品画面を表示させるという制御を図12を参照して説明したが,その図12に示した例は,図13に示した実施例において,特定のグループと同一のグループを参照可能グループとして設定した場合の例と考えることができる。
これにより,現実世界において,ゲーム媒体の交換に伴う現実の通貨の授受を約束したとしても,その取引の当事者がゲームにおいて同じグループに所属していない限り,ゲーム内においてゲーム媒体の交換を行うことはできない。このグループ分けは,所定のアルゴリズムに従ってランダムに行われるため,現実世界における取引相手が同じグループに所属しているか否かは,プレイヤには判断できない。このように,プレイヤをランダムにグループ分けし,同じグループに所属するプレイヤ間でのみゲーム媒体の交換を行わせることで,現実世界における取引の履行を阻害し,リアルマネートレードを抑制することができる。
また,プレイヤのグループ分けを変更することにより,仮にプレイヤの所属グループがプレイヤに特定されたとしても,グループ分け変更後には,再び所属グループを不明とすることができる。また、参照可能なグループを変更することにより、変更後には、参照可能なグループを不明とすることができる。これにより,リアルマネートレードをより効果的に抑制することができる。
本発明の他の実施形態において,サーバ装置10は,プレイヤ管理部64をさらに備えることができる。プレイヤ管理部64は,例えば,図14に示すプレイヤ管理テーブルにより,ゲームのプレイヤのプレイヤ識別情報を,他のプレイヤのプレイヤ識別情報と動的に対応づけて記憶することができる。例えば,各プレイヤは,他のプレイヤを「仲間」として登録することができる。「仲間」として登録されたプレイヤ同士は,例えば,ゲームの進行を協力して行うことができる。「仲間」は,一方のプレイヤから他方のプレイヤに申し込みを行い,その申し込みが承認されることで設定される。また,いずれかのプレイヤが「仲間」設定を解除する処理を行うことにより,「仲間」の設定は解除される。
本実施形態において,第1表示制御部56は,出品者プレイヤに対して「仲間」として登録されているプレイヤに対してのみ,出品画面を表示させる。例えば,図14に示すように「仲間」の登録がなされている状態でプレイヤ1がゲーム媒体を出品すると,そのプレイヤ1の出品ゲーム媒体に関する出品画面は,プレイヤ1と仲間であるプレイヤ2がプレイするゲーム及びプレイヤ5がプレイするゲームにおいてのみ表示される。一方,プレイヤ3がプレイするゲーム及びプレイヤ5がプレイするゲームにおいてはプレイヤ1の出品ゲーム媒体に関する出品画面は表示されない。
これにより,現実世界において,ゲーム媒体の交換に伴う現実の通貨の授受を約束したとしても,その取引の当事者がゲームにおいて「仲間」として登録されていない限り,ゲーム内においてゲーム媒体の交換を行うことはできない。設定可能な「仲間」の数には上限が設けられることが多く,ゲーム媒体の取引のみを目的として「仲間」の設定を行うことは発生しづらいと考えられる。このように,「仲間」として登録されたプレイヤ間でのみゲーム媒体の交換を行わせることで,現実世界における取引の履行を阻害し,リアルマネートレードを抑制することができる。
本明細書で説明される処理及び手順は,実施形態中で明示的に説明されたもの以外にも,ソフトウェア,ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。より具体的には,本明細書で説明される処理及び手順は,集積回路,揮発性メモリ,不揮発性メモリ,磁気ディスク,光ストレージ等の媒体に,当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また,本明細書で説明される処理及び手順は,それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し,各種のコンピュータに実行させることが可能である。
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置,ソフトウェア,コンポーネント,モジュールによって実行される旨が説明されたとしても,そのような処理または手順は複数の装置,複数のソフトウェア,複数のコンポーネント,及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また,本明細書中で説明されるデータ,テーブル,又はデータベースが単一のメモリに格納される旨説明されたとしても,そのようなデータ,テーブル,又はデータベースは,単一の装置に備えられた複数のメモリまたは複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納され得る。さらに,本明細書において説明されるソフトウェアおよびハードウェアの要素は,それらをより少ない構成要素に統合して,またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。