JP2017136058A - 種子の処理装置および処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬質の種皮と軟質の種子核とで構成される種子に対して、種皮を割るために必要な衝撃力を最小限に抑えながら、かつ確実に種皮のみを割砕し、内部の種子核へは衝撃が伝わらないような割砕処理機構を実現することで、種皮と種子核とを効率的に低コストで分離選別できる方法を提供する。【解決手段】平行で向かい合う二枚の側面円盤間の各円盤の外周付近に回転軸に平行に連結棒を配置し、この連結棒に対して内接する範囲で自由に可動できる中空円筒形状ハンマーが備え、回転軸を中心軸としてハンマーの回転軌跡に対して、種子の径よりも小さく種子核の径以上の距離に半円筒面形状で種子の径よりも少し小さいメッシュ間隔のメッシュ構造スクリーンが固定された機械装置で、ハンマーからの衝撃を種子外殻の種皮のみに与えつつ、ハンマーと種皮との摩擦を利用して種皮と種子核とをスクリーン上で分離し、それぞれがスクリーンを通過して下方に落下させる。【選択図】図1

Description

本発明は、工業的に植物種子を種皮(または外殻)と種子核(または仁)とに分離するための種子の処理装置および処理方法に関する。
食品加工業界で皮が付いた状態の全粒の豆類から種皮を除去する目的として、あるいは油脂加工業界で油糧種子を搾油する際に搾油効率を高めることや搾りかすの純度を高めることを狙って、前処理として種子を種皮と種子核とに分離することを目的としてなされる種子の処理装置および処理方法として、下記特許文献1および特許文献2に開示されたものが代表例として挙げられる。
公開特許公報 特開平10−28569
この従来技術は、表面が硬質素材からなり、その円周面に一定間隔で凹凸形状が設けられた低速回転体と、この低速回転体よりも小さな径で外周が弾性体で被覆された高速回転体とを、処理対象の種子1個の径よりやや狭い間隙の隣接部を保って配置し、両回転体の上面が隣接部に向かうようにそれぞれ反対方向に回転させることにより、硬質の低速回転体の表面と弾性を有する高速回転体の表面とに挟み込まれた種子が、回転体の凹凸形状とその回転速度差によって発生する摩擦力によりその種皮が破られ、種皮のみが剥離されて分離されるという内容であり、主に大豆を加工する際に、水で膨潤して軟らかくなった大豆皮を効率的に除去することを可能とするものである。
公開特許公報 特開2014−172996
この従来技術は、油糧種子であるヤトロファ種子を搾油して油を得る工程において、種子を予め割砕した後、主として比較的大きな胚乳(仁)片と種皮の一部を含む群Iと、主として種皮と比較的小さな胚乳(仁)片とを含む群IIとにそれぞれ分別するように風力選別装置で一次選別し、さらに群IIの材料を再度風力選別装置を用いて二次選別して種皮の大半を分離除去することで、油分を含まない種皮部位をできるだけ除去し、油分を含む胚乳(仁)部位の回収率を高め、その結果、搾油装置での油の回収率が高まるとともに、副産物搾りかすの純度を高めて付加価値を向上させることができるというものである。
前述の特許文献1に開示された従来技術では、水膨潤した大豆のような種皮が軟らかい状態の種子に対しては有効であるが、種皮が硬く中身の種子核(仁、または胚乳)が軟らかい状態の種子に対しては、二つの回転体の隣接部を種子が通過する際に、種皮が破れて回転体表面との間の摩擦力で種皮が飛ばされるときに、硬質の種皮片が軟質の種子核に衝突して種子核をも割砕してしまう、あるいは種子核の一部を割って種子核の小片が発生させてしまうことになり、種皮と種子核との分離精度を上げることが困難となるという問題点があった。
また、この従来技術のように一旦粉砕された種子核、または種子核の小片を発生させてしまうと、割れた種子部位とのサイズの差、比重の差が小さくなってしまうため、次工程で風力や振動等を使って種皮部位と種子核部位を選別を行うような場合でも、二者の分離に長時間の処理、または複数回の反復処理が必要となってしまい、選別処理が複雑になり、その結果処理コストも上がってしまうという問題点も残されていた。
前述の特許文献2に開示された従来技術では、風力選別装置を用いて種皮部位と種子核(胚乳)部位とを精度良く分離する方法とされているが、一般的に風力選別装置はその内部に均一流速の空気流を安定して発生させるために、空気流発生源の大型のブロアと、空気を繰り返し利用するための空気流循環通路をできるだけ大きな通路断面積で設ける必要があるため、商業規模で多量の種子を処理し、種皮部位と種子核部位との選別を行うような場合は、巨大な風力選別装置が必要不可欠となり、設備費用が高額になるとともに、大きな設備設置面積が必要となり、またさらに設備のサイズアップに伴って維持管理作業が増えてしまうという問題が避けられない。
トウダイグサ科のヤトロファ(Jatropha curcas.L)の種子には油分が30〜40%という高い含有率で含まれ、かつこの油には毒性を示す成分が含まれているため食用には向かず、それゆえ食糧用途との競合を起こさない有望な再生可能エネルギ資源として近年世界中で注目されているが、多量の種子を搾油する際には必然的に多量の種子絞りかすが発生し、これら絞りかすの有効利用や高付加価値化がヤトロファ油を安価に市場流通させるための鍵となっている。ヤトロファ種子をそのまま搾油原料として搾油機に投入して搾油した場合、得られる絞りかすのたんぱく質含有率は約30%程度と動物用の飼料原料としては低品位のものになってしまうため、絞りかす中のたんぱく質含有率を高めることが求められている。
ヤトロファ種子のたんぱく質は、硬質の種皮(殻)中の含有量はほぼゼロで種皮に被われた中身である軟質の種子核中にほぼすべてが含有されているため、搾油前の前処理として種子を種皮と種子核とにできるだけ精度良く分離してから、種子核のみを搾油原料として搾油機に投入して搾油できれば、たんぱく質含有率の高い絞りかすが得られることになるため、特にヤトロファ種子の処理については種皮と種子核との分離処理の低コスト化、処理効率の向上への要求が大きくなっていたが、この特許文献2の従来技術ではそれに十分応えることができないという現状があった。
以上述べてきたように、硬質の種皮と軟質の種子核(仁または胚乳)とで構成される種子を、種皮と種子核とに効率的に低コストで分離選別するという目的は、すでに開示されているような従来技術だけでは達成できなかったため、上記目的を達成可能とする新たな技術の開発が要求されていた。
そこで本発明は、硬質の種皮と軟質の種子核とで構成される種子に対して、種皮を割るために必要な衝撃力を最小限に抑えながら、かつ確実に種皮のみを割砕し、内部の種子核へは衝撃が伝わらないような割砕処理機構を実現することで、種皮と種子核とを効率的に低コストで分離選別できる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、平行で向かい合う二枚の側面円盤間の各円盤の外周付近に回転軸に平行に連結棒を配置し、この連結棒に対して内接する範囲で自由に可動できる中空円筒形状ハンマーが備えられ、以上の構成からなる回転構造体の下部に、回転軸と同心で側面円盤の半径より大きい半径を有する半円筒面メッシュ構造のスクリーンが固定された機械装置において、中空円筒形状ハンマーの個数を一つのみとすることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の処理装置および処理方法で種子が処理された材料を得た後、比重選別機を使った材料選別処理を行うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の処理装置および処理方法において、前記比重選別機の選別テーブルの上部に風洞を配置するとともに、当該風洞内の空気を吸引する装置を備えることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の処理装置および処理方法で種子が処理された材料を得た後、その材料を比重選別機に投入する前にふるい機による選別前処理を行うことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、上述の各発明に対して、トウダイグサ科のヤトロファ(Jatropha curcas.L)の種子を処理対象とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、硬質の種皮と軟質の種子核とで構成される種子であっても、設備費用が高く広大な設備設置面積が必要で、かつ設備の維持管理作業に多大な工数を要する風力選別装置および風力選別方式を用いることなく、種子を種皮部位と種子核部位とに精度高く効率よく分離選別することができる。これにより、特に商業規模で多量の種子処理を行うような場合に、その処理に関わるイニシャルコスト、ランニングコストを低く抑えることができる方法を市場に提供できるという効果を奏するものである。
また、油糧種子を対象にした処理を実施する場合には、油分を含まない種皮部位をできる限り除去したうえで搾油作業が行えるようになることから、油の回収率が改善され、さらに搾油作業の際に副生する搾りかすに対しても種皮の混入率を低下させた純度の高い搾りかすとすることができるため、搾りかすを動物向け飼料原料とする場合の品質を向上させることができる。つまり、油糧種子を原料として油と搾りかすと製造する場合に、その全体の処理コストを低減することで、結果的に製品価格を下げることにつながり、品質を高く保ちつつ低価格の油と搾りかすとを同時に市場に提供できるという効果も得られることになる。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第一実施形態]
図1は、種子の処理装置および処理方法の第一実施形態における構成を示す概略図であり、請求項1に記載の発明に対応する。図1において、二枚の側面円盤は四本の連結棒によって平行に向かい合う状態で固定されており、これら四本ある連結棒のうちの一本のみに中空円筒形状ハンマーが取り付けられている。この中空円筒形状ハンマーはその内壁と連結棒の外周とが接する範囲で、連結棒に対して自由に動くことができる構造をしている。上述の側面円盤、連結棒、中空円筒形状ハンマーとで構成される構成物は、駆動モーター、駆動ベルトを通じて回転軸を中心として回転することになるが、その回転構造体の下部に、回転構造体の下半分を覆うような半円筒面形状をしていてメッシュ部材で作られたメッシュ構造スクリーンを配置し、このメッシュ構造スクリーンの半円筒面の内半径は、上述回転軸と同心で側面円盤の半径よりも大きい半径となっており、それらの半径差は処理対象種子の径よりもやや小さくなるように位置調整されていて、さらにそのメッシュ間隔についても処理対象種子の径よりもやや小さい寸法のメッシュ部材が使われている。
次に図2を用いて、前述の構成からなる第一実施形態において、実際に種子が処理されていく仕組みを段階に分けて説明する。この図では処理の仕組みをわかりやすくするために、図面上処理対象の種子の数を一つにしているが、実際はここで説明するのと同じ現象が処理装置内の複数の場所で同時に発生していることになる。まず、処理対象の種子はこの処理装置の上方から投入され、メッシュ構造スクリーンによって受け止められる。この図では灰色部が種皮の外郭つまり種子の外形になり、破線部が種子内に含まれている種子核の形状を示している。
段階1では回転する側面円盤とともに中空円筒形状ハンマーが種子に向かって接近し、段階2でメッシュ構造スクリーン上にある種子の種皮に中空円筒形状ハンマーが衝突し、その衝撃で種皮表面に亀裂が発生する。次にさらに側面円盤が回転して段階3になると、中空円筒形状ハンマーが種皮を摩擦で引きずることで、割れた種皮の部位を回転方向に押し出す現象が発生する。このとき中空円筒形状ハンマーは逆に割れた種皮から反力を受けて回転軸中心方向に押戻されるため、中空円筒形状ハンマーが種子核に直接衝突することなく通過していくことになる。段階4になると、中空円筒形状ハンマーが割れた種皮の部位をさらに回転方向に押し出し、種皮と種子核とが分離された状態でメッシュ構造スクリーン上に載った状態になり、段階5ではメッシュ間隔よりも小さくなった種皮および種子核がメッシュ構造スクリーンを通過して下方に落下する。
この図2では、段階4の種皮と種子核とが分離されてから、中空円筒形状ハンマーが通過して種皮および種子核がメッシュ構造スクリーンを通り抜けて下方に落下し始める段階5までを、時間間隔を考えずに単に現象発生の順序の通りに示しているが、実際は分離された種皮と種子核は重力による自由落下でスクリーンを下方に通過していくため、段階4から段階5に至るまでは中空円筒形状ハンマーの移動時間と比べると長い時間を要し、この時間が十分取れないと、分離された種皮と種子核がスクリーン上にまだ残った状態で次の中空円筒形状ハンマーによる衝撃を受け、それぞれが小片にまで破砕されてしまうことに繋がる。このような理由により中空円筒形状ハンマーは一つのみにすることが重要となる。
上述のような第一実施形態であれば、硬質の種皮と軟質の種子核とで構成される種子であっても、種皮を割るために必要な衝撃力を最低限に抑えながら、かつ割実に種皮のみを割砕し、内部の種子核へは衝撃が伝わらないような割砕処理機構が実現でき、種子を種皮部位と種子核部位とに効率よく分離することができる。
[第二実施形態]
続いて図3は、本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第二実施形態における処理手順を示す概略図であり、請求項2に記載の発明に対応する。まず、最初に種子は前述した第一実施形態に代表される請求項1記載の種子処理装置によって処理され、種皮が割られて大きい形状の割砕種皮と、割れがほとんどない大きい形状のままの種子核が混合した材料となる。続いてこの材料を比重選別装置に投入して処理することで、種皮部位と種子核部位とに分離選別されることになる。
次に、この第二実施形態で備えられる比重選別装置に関連して、処理対象材料の条件と比重選別装置における選別精度との一般的な関係について、図4を用いて説明する。比重選別装置は傾斜をつけたメッシュ構造の選別テーブル上を処理対象材料を移動させる際、下方から上方に向けて処理対象材料を浮かせる方向に一定の空気流を作用させるとともに、選別テーブル全体に一定周期、一定方向の振動を与えることで、材料中の比重の大きい成分は浮力が作用しにくく、選別テーブルの振動方向に移動し、一方で材料中の比重の小さい成分は浮力が作用しやすく、選別テーブルの振動方向の影響は受けにくく、単に選別テーブルの傾斜の方向に移動するという現象を利用して、処理対象材料を比重の異なる成分に分離選別する装置であるが、比重選別装置による選別精度を高く保つには処理対象材料の状態が大きく影響する。
まず処理対象材料はメッシュ構造の選別テーブル上を下にこぼれ落ちることなく移動してゆく必要があるため、処置対象材料の粒の大きさはメッシュ間隔に対して大きいほど良いことになる。図4の左側の図はこの関係を示しており、処理対象材料の粒の大きさが小さい状態だと選別精度が極端に悪化する傾向があることがわかる。
次に処理対象材料中に含まれる選別したい材料間の比重差は大きいほど選別が容易であることは自明であり、選別したい材料間の比重差が小さい場合は多段処理をするなど、複雑かつ費用のかかる対応が必要になる。図4の右側の図はこの関係を示しており、処理対象材料中に含まれる選別したい材料間の比重差と選別精度とはほぼ比例の関係があり、材料間の比重差は大きいほど選別精度が高くなる傾向があることがわかる。
以上説明してきたように上述のような第二実施形態であれば、硬質の種皮と軟質の種子核とで構成される種子であっても、設備費用が高く広大な設備設置面積が必要で、かつ設備の維持管理作業に多大な工数を要する風力選別装置および風力選別方式を用いることなく、種子を種皮部位と種子核部位とに精度高く効率よく分離選別することができる。これにより、特に商業規模で多量の種子処理を行うような場合に、その処理に関わるイニシャルコスト、ランニングコストを低く抑えることができる方法を市場に提供できるという効果が期待できる。
[第三実施形態]
図5は、本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第三実施形態における機器配置を示す概略図であり、請求項3に記載の発明に対応する。図5において、上述したように比重選別装置は上部に傾斜した選別テーブルを有する構成になっており、この図5は前述の第二実施形態に代表される請求項2記載の種子処理装置における比重選別装置の部分のみを示している。選別テーブルのメッシュ部を下方から上方に向かって吹き上げられる空気流を周囲に拡散させることなく受け止めて集める形状をもった風洞が選別テーブル上部に配置され、その集められた空気流は通路を通って系外に吸い出す目的で設置された吸引ブロアによって吸引されることになる。この吸引ブロアの手前にサイクロンを設け、このサイクロン内を空気が流れることで空気に含まれる固体物を分離することができる構成になっている。
比重選別装置に投入される処理対象材料は、前述の第一実施形態に代表される請求項1記載の種子処理装置および処理方法によって得られるものであり、種皮が割られて大きい形状の割砕種皮と大きい形状の種子核とを主成分とする混合材料になるのであるが、種子の種類によっては種皮の内面あるいは種子核の外面に薄皮状の極軽比重の種皮部を有するものがあり、このような種子を処理した場合は、一定の割合でこの極軽比重の種皮部が発生することになり、これが比重選別装置の選別テーブル上で移動する際に、選別テーブルの吹き上げ空気流に乗って舞い上がり、比重選別装置の周囲に飛散し蓄積してゆく場合がある。この現象は種子処理をする作業環境が悪化するだけでなく、装置を連続運転した場合等に、周囲に飛散した材料が比重選別装置本体下部に設置されている吹き上げ空気流を生むためのブロアの吸気口を塞ぎ、この空気流を不安定にさせて結果として選別精度を低下させるという問題がたびたび発生していた。
上述のような第三実施形態であれば、極軽比重の種皮部を含む材料を比重選別装置で処理した場合でも、選別テーブルの吹き上げ空気流を乱すことなく、空気とともに極軽比重の種子部を系外に排出して一箇所に集めることができるため、種子処理をする作業環境が大幅に改善されるとともに、比重選別装置本体下部に設置されている吹き上げ空気流を生むためのブロアの吸気口を常にきれいに保つことが容易になり、その結果として種子を種皮部位と種子核部位とに分離選別する性能を安定化させることが可能となり、その処理に関わるイニシャルコスト、ランニングコストを更にいっそう低く抑えることができるようになる。
[第四実施形態]
図6は、本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第四実施形態における処理手順を示す概略図であり、請求項4に記載の発明に対応する。まず、最初に種子は前述した第一実施形態に代表される請求項1記載の種子処理装置によって処理され、種皮が割られて大きい形状の割砕種皮と、大きい形状の種子核が混合したものを主成分とする材料となるのだが、このとき少量ではあるが粉状の種皮部と種子核部、および種子に混入、付着していた砂、ほこり類も含んでいることが、実際にこれら装置を使用し作業をしていた経験から分かっている。
比重選別装置に投入される処理対象材料は、前述したようにメッシュ構造の選別テーブル上を下にこぼれ落ちることなく移動してゆく必要があるため、粉状の物質や砂等を含まないようにしなければ、比重選別装置での選別精度や処理能力を低下させる原因となってしまう。そこで図6のように、請求項1記載の処理装置による処理で得られた材料をふるい機に投入し、ここでの処理により少量含まれる粉状の種皮部と種子核部、および種子に混入、付着していた砂、ほこり類を分離除去し、残った材料を後段の比重選別装置に送る処理手順としている。
上述のような第四実施形態であれば、商業規模で多量の種子を集めて高速で処理するような場合でも、種子を種皮部位と種子核部位とに分離選別する性能を高く維持、安定化させることが可能となり、その処理に関わるイニシャルコスト、ランニングコストをより低くして経済性を向上させることができる。
[第五実施形態]
図7は、本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第五実施形態において、処理対象であるヤトロファ種子の種皮と種子核の構成比を説明する図であり、図8は、本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第五実施形態において、ヤトロファ種子から種皮を除去して種子核を取り出すことの必要性について説明する図である。以下、これらの図を用いて、本発明に係る種子の処理装置および処理方法の対象材料として、ヤトロファ種子を取り扱うことの利点について説明してゆく。
図7の左側の図は、ヤトロファ種子を構成する種皮部位と種子核部位それぞれの種子中の構成重量比を示したものであり、右側の図はヤトロファ種子に含まれる脂質(油分)がどの部位にどの程度存在しているのかの構成比を示したものである。これらの図から、種子中の種皮部位と種子核部位の重量比はおよそ4:6であり、脂質は種皮部位にはほとんど含まれず、ほぼすべてが種子核部位中に存在していることがわかる。この事実から、ヤトロファ種子を搾油してヤトロファ油を得る場合には、油分を含まない種皮部位を搾油機に投入しても動力ばかり必要で、搾油の効率が悪いことが示され、よってヤトロファ油を製造する面では、搾油前にヤトロファ種子から種子核のみを分離しておくことが好ましいことになる。
植物油脂を取り出す目的で栽培されている油糧作物は様々あり、なかでもパームは単位耕地面積あたりの油の年間生産量が突出して大きいため世界的な生産量も大きいが、パームは栽培可能地域が降水量が豊富で比較的肥沃な熱帯地方に限られていること、およびパーム油は食糧としての用途が可能なために燃料や工業用途として多量に使用することは近年世界的なコンセンサスが得にくい状況になってきていることから、パーム油を再生エネルギ資源として生産拡大してゆくことは困難になっている。一方、ヤトロファはパームに次ぐ高い油生産量を持ちながら、ヤトロファ油は毒性を有しているために食用とすることができず、それゆえパーム油のように食糧用途との競合を起こさず、さらにヤトロファはパームが栽培可能な多雨の熱帯地域はもちろんのこと、降水量が少なく乾燥していて食糧用の作物が育たない土地でも栽培が可能であるため、有望な再生エネルギ資源として世界中で注目されている。
一方で再生エネルギ、燃料としてヤトロファ油を利用するためには、一般的な食用油と比較してヤトロファ油の製造コストをより低くすることが必然的に求められる。ヤトロファ種子を搾油することにより、同時に搾油搾りかすが副産物的に大量発生するので、これを有効に活用すること、つまり絞りかすの付加価値を高めることは、ヤトロファ油を安価に市場に流通させるためには重要な課題となっている。搾油搾りかすは一般的に堆肥材料や動物向け飼料原料として利用されているが、飼料原料として使えれば堆肥材料の場合よりもより高い単価で取引できるため望ましい。
ここで図8によると、動物向け飼料として最も重要な成分であるたんぱく質含有率について、ヤトロファ種子をそのまま搾油した場合の絞りかすはおよそ30%に止まるのに対し、ヤトロファ種子から種子核を取り出してから搾油した場合の絞りかすでは60%以上となる。代表的なダイズミールが45%であることを考慮すれば、このヤトロファ種子核絞りかすは極めて高いたんぱく質含有率を有し、一般的なダイズミールよりも優れた飼料原料になりえることがわかる。
以上説明してきたように、とりわけヤトロファ種子を処理対象とする請求項1〜4に記載の種子の処理装置および処理方法である第五実施形態であれば、再生可能エネルギ資源(燃料)である油を大量生産したときの副産物である大量の絞りかすを、ダイズミール代替あるいはダイズミールより優れる飼料原料として高い付加価値を付けて市場に出すことができるようになり、その結果として、ヤトロファ栽培・油生産販売を事業とする際の事業収益性を大いに高めることができ、それにより再生可能エネルギ資源としてのヤトロファ油の市場価格をより安価なレベルに安定させる効果が期待できる。
本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第一実施形態における構成を示す概略図である。 本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第一実施形態に関して、種子が処理されていく仕組みを説明した図である。 本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第二実施形態における処理手順を示す概略図である。 本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第二実施形態において、処理対象材料の条件と比重選別装置における選別精度との関係を表す図である。 本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第三実施形態における構成を示す概略図である。 本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第四実施形態における処理手順を示す概略図である。 本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第五実施形態において、処理対象であるヤトロファ種子の種皮と種子核の構成比を説明する図である。 本発明に係る種子の処理装置および処理方法の第五実施形態において、ヤトロファ種子から種皮を除去して種子核を取り出すことの必要性について説明する図である。

Claims (5)

  1. 平行で向かい合う二枚の側面円盤間の各円盤の外周付近に回転軸に平行に連結棒を配置し、この連結棒に対して内接する範囲で自由に可動できる中空円筒形状ハンマーが備えられ、以上の構成からなる回転構造体の下部に、回転軸と同心で側面円盤の半径より大きい半径を有する半円筒面メッシュ構造のスクリーンが固定された機械装置において、中空円筒形状ハンマーの個数を一つのみとすることを特徴とする種子の処理装置および処理方法。
  2. 請求項1記載の処理装置および処理方法で種子が処理された材料を得た後、比重選別機を使った材料選別処理を行うことを特徴とする種子の処理装置および処理方法。
  3. 請求項2記載の処理装置および処理方法において、前記比重選別機の選別テーブルの上部に風洞を配置するとともに、当該風洞内の空気を吸引する装置を備えることを特徴とする種子の処理装置および処理方法。
  4. 請求項1記載の処理装置および処理方法で種子が処理された材料を得た後、その材料を比重選別機に投入する前にふるい機による選別前処理を行うことを特徴とする請求項2または請求項3記載の種子の処理装置および処理方法。
  5. トウダイグサ科のヤトロファ(Jatropha curcas.L)の種子を処理対象とすることを特徴とする請求項1〜4記載の種子の処理装置および処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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