JP2017136005A - 分析用チップの処理装置および処理方法 - Google Patents

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北村 義之
Yoshiyuki Kitamura
義之 北村
黒田 俊彦
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Abstract

【課題】
アレイ部が多数ある分析用チップで、各アレイ部ごとの個別の洗浄が、洗浄液が無効に消費されることなく必要最小液量で可能であること、異なる種類の洗浄液による洗浄を切替ロスなく順次行えること、さらには多数のアレイ部に正確な液量の洗浄液を短い時間で供給可能とすること、を実現して、高効率、高速、均質の分析用チップの洗浄が可能となる、分析用チップの洗浄装置および洗浄方法を提供する。
【解決手段】
分析用チップの検出面を下向きに分析用チップを保持する保持部と、下向きの検出面に所定間隔で対面する複数の処理面内に上向きに洗浄液を供給する供給口が設けられた処理ヘッドと、最下部に処理ヘッドの供給口に洗浄液を供給可能な貫通孔が設けられた洗浄液タンクと、処理ヘッドの各供給口から洗浄液を供給および吸引することが、独立して行うことが可能な洗浄液供給・吸引手段と、を少なくとも備える分析用チップの処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、分析用チップのアレイ部の洗浄を、ハイブリダイゼーションや蛍光標識反応後に行なう分析用チップの処理装置および処理方法に関する。
分析用チップは、被検物質と選択的に結合する物質である選択結合性物質(核酸、タンパク質、脂質、糖など)がガラス、金属、樹脂製の基板上に固定化された検出部を多数備えて区画したアレイ部からなるものである。このアレイ部内の選択結合性物質と被検物質を通常溶液中でハイブリダイゼーション反応させて、その反応結果から被検物質(サンプル)に含まれる物質の、存在の有無、状態または量などを分析することが行われる。
分析用チップの一態様として、たとえば数十〜数万という多数の遺伝子発現を同時に測定することを目的として、基板上にDNA、蛋白質、糖鎖などの分子を高密度に配置した、マイクロアレイと呼ばれるものがある。マイクロアレイを使用することによって、例えば各種疾患動物モデルや細胞生物学現象における体系的かつ網羅的な遺伝子発現解析を行うことができる。そのような遺伝子発現解析が行なえるように一つのアレイ部を構成し、これを同じあるいは異なる解析が行なえる複数のアレイ部を一枚の基板上に備えたものがマルチマイクロアレイであり、多サンプルに対する同一遺伝子発現解析や、多種の遺伝子発現解析を効率的に行うのに用いられている。
そのような分析用チップのうち、DNAマイクロアレイ(DNAチップ)は、核酸/核酸間ハイブリダイゼーション反応に基づく核酸の検出・定量等に用いられる。DNAチップとして、例えば多数のDNA断片が、ガラス基板の表面や、樹脂基板の凹型くぼみ内に多数配置した柱状物の頂上面に、高密度に整列固定化されたものが用いられている。このようなDNAチップに、対象細胞の発現遺伝子等を蛍光色素等で標識したサンプルを平面基板上でハイブリダイゼーションさせることで、互いに相補的な核酸(DNA又はRNA)同士が結合する。そして、その結合箇所での蛍光レベルを光学的に高解像度検出装置(スキャナー)で高速に読み取ったり、電気化学反応にもとづく電流値等で検出することにより、サンプル中の各遺伝子を検出し、かつその量を測定することができる。
このようなDNAチップで、蛍光レベルをスキャナーで効率的に高いSN比で読み取るには、実際にDNA断片が固定化されて蛍光レベル検出が行なわれる検出部を多数備えるアレイ部から、ハイブリダイゼーション後の洗浄によってノイズ成分を除去することが必要となる。
ところで、蛍光色素をサンプル(検体)に標識するのに、ハイブリダイゼーションによって互いに相補的な核酸(DNA又はRNA)同士を結合させてから染色によって行なう方法もある。この場合は、汚れや非結合の核酸に含まれる余剰の蛍光色素等の不要物(「汚れ粒子」と総称)を、ハイブリダイゼーション後と染色による蛍光標識反応後の洗浄によって、アレイ部から排除することで、スキャナー読み取り時のノイズ成分を除去することができる。しかしながら、いかなる場合であっても洗浄が過度に行なわれると、DNAチップから、結合した核酸や標識されている蛍光色素も除去されるので、常に適切に洗浄が行える手段が求められている。
このような適切な洗浄を実現するために、様々な洗浄手段が試みられている。(例えば特許文献1と2)特許文献1の手段では、DNAチップを専用のホルダーに縦向きに装着し、ホルダーとDNAチップ間に形成される空間に洗浄液を充填して洗浄を行い、その後に洗浄液を回収して洗浄を完了させている。洗浄液の供給については、複数の洗浄液ボトルから異なった組成の洗浄液を選択し、選択した洗浄液を注入ノズルから、各チップごとに形成されている空間に供給している。それに対し特許文献2の手段では、スライド上にDNA断片を固定化した多数の検出部のあるアレイ部だけを密閉化するチャンバーをアレイ部ごとに個別に形成し、このチャンバーの片側端部から反対側端部に向けてスライド面と平行して洗浄液や不活性ガスを流して、アレイ部内だけの洗浄と洗浄液の除去を行なわせている。洗浄液の供給については、個別容器入りの3種の洗浄液のうち一種を選択し、それを1つの供給ポンプで吸い上げてから、次々分岐していくインレットラインを介して、複数のチャンバーに供給している。
特開2006−3349号公報 特開2006−84459号公報
特許文献1と2に記載されている洗浄装置では、洗浄液ボトルや容器から離れている注入ノズルや供給ポンプを通じて、チャンバーに直接あるいは配管(インレットライン)を介して洗浄液を供給している。そのために、洗浄液ボトルや容器からチャンバーに至る配管内に、洗浄には使用されない無効となる量(無効量)の洗浄液が貯えられる。すなわち、洗浄に必要な洗浄液量に加えて、この無効量の洗浄液を必ず消費してしまうことになる。また途中で別の洗浄液ボトルや容器にある異なる洗浄液を使用する場合、先に使用した第1の洗浄液を新たな第2の洗浄液で押し流すことになるが、両者の境界面で混ざり合うことが起こるので、完全に第2の洗浄液に更新するには、上記の無効量以上の液量が必要で、これまた洗浄液の消費量が増大してしまう。
さらに特許文献1の洗浄装置では、1つの注入ノズルで1つのチップの空間に洗浄液を充填するので、各チップ空間に正確な量の洗浄液が供給されるが、チップの数が多いと洗浄液供給のために非常に時間がかかるという難点がある。それに対して特許文献2の洗浄装置では、インレットラインをチャンバーの数だけ分岐して、同時に各チャンバーに供給ポンプから洗浄液を供給できるので、供給時間は非常に小さくなる。しかし分岐したラインごとに配管圧損が異なるために、各チャンバーに供給される洗浄液量が大きくばらつき、正確な量の洗浄液を供給できない。
上記より、従来の分析用チップの洗浄装置は、(1)洗浄に必要な液量よりもはるかに多い液量の洗浄液を、途中配管の充填等洗浄とは関係のない無効となるものに消費してコストアップが避けられない構成になっている、(2)異なる種類の洗浄液を使用して洗浄しようとすると、洗浄液の切替え時にさらに無効となる液量の洗浄液を消費して、洗浄液の切替ロスが発生する構成になっている、(3)多数のチャンバーに、正確な液量の洗浄液を、短い時間で供給できる構成になっていない、等の問題があるのが実状である。
本発明は、上記課題を解決するもので、その目的とするところは、アレイ部が多数ある分析用チップで、各アレイ部ごとの個別の洗浄が、洗浄液を無効に消費することなく洗浄に必要な最小液量の洗浄液を供給するだけで実際に行えることと、異なる種類の洗浄液を順次使用する場合にもその切替ロスが全く発生させないことと、さらには多数のアレイ部に正確な液量の洗浄液を短い時間で供給可能とすることと、を実現して、高効率、高速、均質の分析用チップの洗浄が可能となる、分析用チップの洗浄装置および洗浄方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の分析用チップの処理装置は、基板の片側の一平面内に区画された複数のアレイ部を有し、該アレイ部内に被検物質と結合する選択結合物質が複数の検出面に多数固定化された検出部を備える分析用チップを処理する分析用チップの処理装置であって、上記検出部の検出面を下向きにした上記分析用チップを保持する保持部と、下向きにした上記検出部の検出面に所定間隔をもって対面する複数の処理面を備え、該処理面内に上向きに洗浄液を供給可能な供給口が少なくとも設けられた処理ヘッドと、洗浄液を密閉貯蔵可能な構造物の最下部に、上記処理ヘッドの供給口に下向きに洗浄液を供給可能な貫通孔が設けられた洗浄液タンクと、上記処理ヘッドの各供給口から洗浄液を供給および吸引することが、上記各供給口ごとに独立して行うことが可能な洗浄液供給・吸引手段と、を少なくとも備えることを特徴とする。
ここで、さらに、上記処理ヘッドの各処理面上に残存する洗浄液を除去する洗浄液除去手段を備えること、が好ましい。
本発明の分析用チップの処理方法は、上記の分析用チップの処理装置を用いた分析用チップの処理方法であって、(a)上記洗浄液タンク内の洗浄液を、最接近させた上記洗浄液タンクの最下部の貫通孔と上記処理ヘッドの供給口とを介して、上記洗浄液供給・吸引手段で一定量吸引して、上記供給口から上記洗浄液供給・吸引手段に連なるライン内に一時保管する工程、(b)上記処理ヘッドの処理面を、上記分析用チップの検出面に一定間隔をもって近接させて両者間に対面空間を形成する工程、(c)上記一時保管した洗浄液を、上記洗浄液供給・吸引手段で、上記処理ヘッドの供給口から上記対面空間に一定量供給して貯液し、一定時間維持する工程、(d)上記一時保管した洗浄液を、上記洗浄液供給・吸引手段で、さらに上記処理ヘッドの供給口から供給して、上記対面空間に貯液した洗浄液を排出する工程、を含むことを特徴とする。
ここで、さらに、(e)上記対面空間に貯液した洗浄液を、上記処理ヘッドの供給口から、上記洗浄液供給・吸引手段で吸引して回収する工程、を含むこと、さらに、(f)上記対面空間に貯液した洗浄液を、上記処理ヘッドの供給口から、上記洗浄液供給・吸引手段で一定量吸引して、上記対面空間の貯液量を減ずる工程、を含むこと、さらに、(g)上記処理ヘッドの処理面上に残存する洗浄液を、上記洗浄液除去手段で除去する工程、を含むこと、が好ましい。
本発明の分析用チップの処理装置および処理方法を用いれば、洗浄液タンクから直接に処理面が上向きとなっている処理ヘッドの供給口に供給して、供給量分だけ供給口から洗浄液供給・吸引手段に連なるライン内に一時保管できるとともに、保管した液量の洗浄液をそのまま全量洗浄に用いることができる。この結果、洗浄以外のことに無効に消費される洗浄液が全くなくなる。すなわち、分析用チップで、各アレイ部ごとの個別の洗浄が、洗浄液を無効に消費することなく洗浄に必要な最小液量の洗浄液を用意して供給するだけで、実際に行うことができる。
さらに異なる種類の洗浄液を順次使用して洗浄する場合でも、最初に処理ヘッドに供給した第1の洗浄液を全量洗浄に使用して、処理ヘッド内に残液がない状態で、次の第2の洗浄液を処理ヘッドに供給して、これまた洗浄に全量使用できるので、洗浄液の切替ロスが全く発生しない。
さらにまた、多数あるアレイ部と同数の処理ヘッドの各供給口から洗浄液を供給および吸引することを、各供給口ごとに独立して洗浄液供給・吸引手段を設けて、行うようにした。洗浄液供給・吸引手段に計量性の高いシリンジポンプ等を用いることによって、多数のアレイ部に正確な液量の洗浄液を同時に供給できるようになり、非常に短い時間で洗浄液の供給を完了することができる。
以上により、本発明の分析用チップの処理装置と処理方法を用いれば、(1)洗浄液を、途中配管の充填等洗浄とは関係のない無効となるものに消費されることがないので、100%そのまま洗浄に使用することができる。したがって、洗浄液を高効率で活用した洗浄を行うことができる、(2)異なる種類の洗浄液を順次使用して洗浄する時でも、洗浄液の切替ロスが全く発生せず、高効率である、(3)洗浄するアレイ部が多数あっても、同時に正確な液量の洗浄液を供給できるので、短い時間での洗浄が全く同じ条件下で行うことが可能となる。その結果、高速で、アレイ部ごとに差異のない均質な洗浄を行うことができる、
すなわち、高効率、高速、均質の分析用チップの洗浄が可能となる。
本発明になる処理装置1の概略正面断面図である。 分析用チップの概略図である 処理ヘッド4の概略斜視図である。 処理ヘッド4と分析用チップ2との洗浄液の付着状況を示す説明面である。 本発明になる処理方法で、処理ヘッドに洗浄液を供給する工程をステップ的に示す説明図である。 本発明になる処理方法で、処理ヘッドにより洗浄する工程をステップ的に示す説明図である 本発明になる処理方法で、処理ヘッドに残存する洗浄液を除去する工程をステップ的に示す説明図である 本発明になる処理方法で、処理ヘッドで洗浄液を回収する工程の一例をステップ的に示す説明図である。
本発明を図1〜3を参照しながら説明する。図1は、本発明になる処理装置1の概略正面断面図、図2は分析用チップ2の概略図、図3は処理ヘッド4の概略斜視図、である。
まず図1を参照すると、本発明になる処理装置1が示されている。処理装置1は、分析用チップ2を処理する分析用チップの処理装置であり、処理ヘッド4により、分析用チップ2の洗浄等を行うものである。図1では、わかりやすくするために、処理ヘッド4のみ断面部分をハッチングしている。処理装置1は、処理ヘッド4と、分析用チップ2の検出面である頂上面25を下向きにして、処理ヘッド4の処理面43と対面するように分析用チップ2を保持するチップ保持部3と、処理ヘッド4を支持して上下方向(Z方向)と水平方向(X方向)に移動させるヘッド支持移動部5と、2種類の洗浄液を個別に貯蔵するとともに処理ヘッド4に直に供給する洗浄液貯蔵・供給部9と、処理ヘッド4の供給口42に洗浄液を供給するとともに、供給口42から洗浄液を回収する洗浄液供給・回収部8と、処理ヘッド4の処理面43から排出される洗浄液を回収する排出洗浄液回収部6と、処理ヘッド4の洗浄液を除去して初期化する処理ヘッド初期化部7と、から構成されている。そして、洗浄等の動作は、図示されていないコンピュータからなる制御装置により制御される。
なお分析用チップ2の詳細は図2に示されている。図2(a)は分析用チップ2の正面断面図、図2(b)は分析用チップを下側から見た平面図である。図2(b)で、分析用チップ2には、スライドガラスと同様な板状の基板である本体20の片側となる一平面の上面21に、4個に区画された領域であるアレイ部22がある。図2(a)を見るとアレイ部22は、本体20の上面21で開口している凹形形状のくぼみになっている。それぞれのアレイ部22の底面23には15個の柱状体24が備えられている。すなわち分析用チップ2は、基板である本体20の片側の一平面内に区画された複数のアレイ部22を有している。柱状体24の最下部となる頂上面25には、被検物質と結合する選択結合性物質が多数固定化されている。この頂上面25に固定化された選択結合性物質に被検物質がハイブリダイゼーションによって結合すると、被検物質に標識された蛍光色素も同時に結合するので、頂上面25がスキャナーで蛍光色素を検出できる検出面となる。そして検出面を備える柱状体24のすべてで、検出部を構成する。すなわち、分析用チップ2はアレイ部22内に被検物質と結合する選択結合物質が複数の検出面である頂上面25に多数固定化された検出部を備えている。
次に、処理装置1を構成する各部分の詳細について、順に説明する。
再び図1を見ると、分析用チップ2を保持するチップ保持部3は、分析用チップ2の4隅でX方向とY方向に位置決めしながら、上下方向であるZ方向に分析用チップ2を支持する位置決め支持体31と、位置決め支持体31を支持するフレーム32と、から構成される。この構成によりチップ保持部3は、検出部の検出面である頂上面25を下向きにした分析用チップ2を保持する保持部となる。そしてフレーム32は紙面に垂直なY方向に紙面の奥側まで延びていて、一点鎖線で示す共通ベース上にある図示されていないブラケットに保持されている。この構成によって、フレーム32の下を、上下方向に下限位置にある時の処理ヘッド4はX方向に通過できる。
次に分析用チップ2の下には、処理ヘッド4が配置されている。処理ヘッド4の処理面43は、分析用チップ2の下向きにした検出面である頂上面25に、すきま量Cだけ離れて対面する位置に配置されており、アレイ部22とおなじく4個ある。そして検出部となる全ての頂上面25を含むアレイ部22と、処理面43の対面により囲まれる空間が対面空間Sとなる。なお真上から見て、処理面43は分析用チップ2のアレイ部22にほぼ重なる位置に配置されている。すなわち処理ヘッド4は、下向きにした検出部の検出面である頂上面25に所定間隔であるすきま量Cもって対面する複数の処理面43を備えている。その他、処理ヘッド4の詳細については、図3を用いて説明する。図3で、処理ヘッド4は、処理面43を備えた柱状本体40が、分析用チップ2のアレイ部22と同じ4個だけ、ベース板41上に林立する構成をしている。4個ある柱状本体40の配置位置は、上記したように分析用チップ2のアレイ部22に対応させている。そして直方体形状の柱状本体40の頂上面が、処理面43になっている。この処理面43には、右側端部近傍に排出口45が設けられ、左側端部近傍に上向きに洗浄液を供給可能な供給口42が設けられている。すなわち、処理ヘッド4には、処理面43内に上向きに洗浄液を供給可能な供給口42が少なくとも設けられている。ここで供給口42は、処理面43からベース板41の底面44まで上下方向に延びて貫通している貫通孔46(破線で表示)が、処理面43で開口したものである。一方排出口45も同様に、処理面43からベース板41の底面44まで上下方向に延びて貫通している排出貫通孔47(破線で表示)が、処理面43で開口したものである。さらに排出貫通孔47の底面44での開口には、排出配管48が接続されている。また供給口42内および貫通孔46内には、保持案内部材10が挿入されている。保持案内部材10は、厚さ(Y方向寸法)がTで、Y方向に見て長方形の板状物となっており、そのZ方向長さの1/3が長さLとなって処理面43より上にある。そしてZ方向長さの2/3が処理面43より下、すなわち供給口42および貫通孔46の内部にある。保持案内部材10のX方向両端にある線状の端部である線状端部11L、11Rは、貫通孔46の内面と接することで固定化されている。なお洗浄端部11L、11Rは、いわゆる一筆書きができる連続形状であることが好ましい。また長方形の面である板面12A、12Bと貫通孔46の内面との間には十分なすきまがあるので、そのすきまを洗浄液が通過することができる。また板面12A、12Bは、上下方向であるZ方向に洗浄液を案内する面である案内面となる。線状端部11L、11Rの処理面43より上側にある長さLは、処理面43と分析用チップ2の頂上面25との間のすきま量Cの、好ましくは30%以上、90%以下にする。処理面43上に洗浄液がある場合は、線状端部11L、11Rの処理面43より上側にある部分が洗浄液と接し、洗浄液の表面張力により、洗浄液の塊が供給口42から離れていかないように洗浄液を保持する。
再び図1を見ると、処理ヘッド4は、ヘッド支持移動部5に支持されている。ヘッド支持移動部5は、処理ヘッド4の底面44をその支持面53で支持する門型フレーム52と、門型フレーム52を支持固定する昇降台51と、昇降台51の中央部を支持板153で支持して、ピストン151の伸縮により昇降台51を自在に昇降させるエアーシリンダー50と、エアーシリンダー50のシリンダー本体152が支持固定されている台座54と、台座54をガイド55を介して支持し、かつガイド55をX方向に自在に案内するレール56と、から構成されている。なおレール56は一点鎖線で示される共通ベース上に固定されている。上記の構成により台座54は、図示されていないリニアモータで駆動されて、X方向に破線で示す位置まで移動可能である。このような構成のヘッド支持移動部5に支持されている処理ヘッド4は、自在にZ方向の往復動である昇降とX方向の往復動を行うことができる。これによって、処理ヘッド4の処理面43を分析用チップ2の頂上面25の直下に移動させて、両面間のすきま量Cを自在に調整できる。
次に排出洗浄液回収部6は、昇降台51に中央部で支持固定されているトレイ63と、同じ昇降台51の周囲部で支持固定されている周囲トレイ61と、処理ヘッド4の処理面43からあふれて柱状本体40の側面を伝わって落下してくる洗浄液を周囲トレイ61に案内する排出案内板62と、より構成されている。なお排出案内板62は、門型フレーム52の支持面53の端部に固定されている。トレイ63には、処理ヘッド4の処理面43から、排出口45、排出貫通孔47、排出配管48を通過して排出される洗浄液が回収される。また周囲トレイ61は、上側から見ると「回」の字形状(すなわち、2重矩形)をしていて、図1に示される2箇所ある液溜め部は連通している。すなわち、周囲トレイ61の液溜め部が、処理ヘッド4とそれを支持する門型フレーム52との周囲を取り囲む構成となっている。
次に洗浄液供給・回収部8は、処理ヘッド4のそれぞれの供給口42に個別に流体的に連通する供給回収ライン80より構成される。すなわち、分析用チップ2のアレイ部22が4個あるのにあわせて、処理ヘッド4の供給口42も独立して4個あるが、それに対応して独立した供給回収ライン80も4本ある。1本の供給回収ライン80は、シリンジポンプ81と、シリンジポンプ81と処理ヘッド4の貫通孔46の底面44での開口とを流体的に連結する配管82と、より構成されている。供給回収ライン80はこの構成によって、供給口42から洗浄液を一定量吸引して、それを供給口42からそのまま吐出するということが、各々の供給口42で独立して個別に行うことができる。すなわち洗浄液供給・回収部8は、処理ヘッド4の各供給口42から洗浄液を供給および吸引することが、各供給口42ごとに独立して行うことが可能な洗浄液供給・吸引手段である。さらに密閉性と計量精度の高いシリンジポンプ81を使用しているので、各々の供給口42で全く同一で正確な量の洗浄液を吸引/吐出することができる。さらに4個のシリンジポンプ81を並行して同時に動作させることもできるので、逐次的に動作させる場合に比べれば、はるかに短い時間で各供給口42からの洗浄液の供給、吸引を行うことができる。
次に処理ヘッド初期化部7は、Y方向に延びるブラシ71と、ブラシ71の上側を保持する昇降保持具72と、より構成される。昇降保持具72も紙面に垂直な方向であるY方向に延びていて、紙面の奥側で図示されていないブラケットに上下方向に移動可能に保持されている。そして図示されていない駆動装置により昇降保持具72が昇降することにより、昇降保持具72に保持されているブラシ71は、実線で示される位置(待機位置)と破線で示される位置(作動位置)との間を自在に往復動できる。そしてブラシ71が待機位置にある時は、その下側を、上下方向の下限位置にある時の処理ヘッド4はX方向に自在に通過できる。なお図示されていないブラケットは、一点鎖線で示す共通ベースに固定されている。さらにブラシ71のY方向長さは、処理ヘッド4のすべての処理面43をY方向に含むことができる長さよりも大きい。すなわち、ブラシ71が作動位置にある時には、その毛先が全ての処理面43に接触して、処理面43上の残液を掃き落とすことができる。これによって処理ヘッド4の初期化が行える。すなわち処理ヘッド初期化部7は、処理ヘッド4のすべての処理面43上に残存する洗浄液を掃き落として除去する洗浄液除去手段となる。
次に、洗浄液貯蔵・供給部9は、洗浄液を密閉貯蔵可能な構造物である貯蔵タンク90、貯蔵タンク90がL型材98を介して上下方向に支持固定されているタンク保持板99、貯蔵タンク90の上部91を突き抜けて接続されている接続配管92、接続配管92の途中で接続されている大気バルブ93、貯蔵タンク90の最下部である底部94に設けられている供給貫通孔95を下側からふたをする下ふた97、供給貫通孔95の周囲で底部94に埋め込まれていて、下ふた97と供給貫通孔95とのシールとなるOリング96、とより構成されている。なおタンク保持板99は、紙面に垂直な方向であるY方向に延びていて、紙面の奥側で、一点鎖線で示す共通ベース上に立つ図示されていないブラケットに保持されている。またエアーシリンダー50を下降させて、処理ヘッド4が上下方向に最下限の位置にある時、下ふた97の下側を処理ヘッド4は干渉せずにX方向に自在に通過することができる。
以上の構成で、大気バルブ93が開であるなら、貯蔵タンク90の内部には大気圧が作用し、大気バルブ93が閉であるなら、貯蔵タンク90の内部は密閉化される。さらに下ふた97はY方向(紙面に垂直な方向)に移動自在であり、紙面の奥側の方へ移動して退避することにより、全ての供給貫通孔95が下側から見て露見する。すなわちふたがとれた状態になる。なお供給貫通孔95は、分析用チップ2のアレイ部22に対応して、1個の貯蔵タンク90で4個設けられている。そして4個の供給貫通孔95は、処理ヘッド4の4個の供給口42に対応した位置に配置されている。さらに供給貫通孔95の直径は、処理ヘッド4の供給口42の直径よりも少し大きくしている。したがって下ふた97が退避し、全ての供給貫通孔95と処理ヘッド4の供給口42とを位置合わせした状態で、処理ヘッド4を上昇して処理面43をOリング96に押し当てれば、シールされた状態で、貯蔵タンク90内の洗浄液を、供給貫通孔95と供給口42を介して、下向きに処理ヘッド4の内部に供給することができる。すなわち、貯蔵タンク90は、洗浄液を密閉貯蔵可能な構造物の最下部である底部94に、処理ヘッド4の供給口42に下向きに洗浄液を供給可能な貫通孔である供給貫通孔95が設けられた洗浄液タンクである。
なお図1では、2種類の洗浄液にあわせて、貯蔵タンク90等、全く同じものが2セット示されている。
次に図4を参照しながら、洗浄のために、処理ヘッド4から洗浄液を小さな対面空間Sに供給して個別に洗浄液を保持して貯液させる状況について説明する。
図4(a)は、対面空間Sに洗浄液を充満させて分析用チップ2の上側から透視してみた透視平面図、図4(b)は同じ状況をY方向に見た正面断面図である。図4(a)、(b)ともに、細い破線は分析用チップ2を、細い実線は処理ヘッド4を表している。また太い破線は、対面空間Sに洗浄液が充満して、その容積が最大限に拡張する時の境界位置を示し、太い実線はその容積が逆に最小限に縮小する時の境界位置を示している。
まず図4(b)を見て、各々の供給回収ライン80のシリンジポンプ81を駆動して、洗浄液を一定量だけ処理ヘッド4の供給口42に供給すると、供給口42から洗浄液が吐出される。吐出された洗浄液で、処理面43上を左側に向かうものと、紙面に直交する方向(Y方向)に向かうものは、処理面43の縁部で表面張力の作用により一旦停止する。その間に処理面43上を洗浄液が積みあがって、分析用チップ2の頂上面25と底面23を含むアレイ部22全体に洗浄液が接触し、対面空間Sの供給口42の周囲部分の領域で、一旦洗浄液が充満した状態になる。供給口42から吐出された洗浄液で、処理上面43上を排出口45のある右側に向かうものにあわせて、漸次充満領域が右側に拡大していき、処理面43の右側縁部辺りまで拡大する。その時の境界位置が処理面43の右側の太い破線で示される。この時供給口42の左側では、処理面43の左側縁部で表面張力により維持できるまで洗浄液の充満が拡大し、その境界位置が処理面43の左側の太い破線で示される。四方の縁部で洗浄液の充満拡大境界位置が制限される処理面43に対して、分析用チップ2の上面21にはそのように制約されるものがないため、分析用チップ2での充満拡大境界位置は処理面43よりも広がっているところにある。さて処理面43上で、漸次洗浄液の充満領域が右側に拡大していく時、洗浄液が排出口45の直上にきてから、洗浄液を排出貫通孔47に沿って落下させて排出することが始まる。通常は洗浄液が右側に移動する速度が、排出口45からの排出速度よりも高いので、対面空間Sに充満している洗浄液は、一旦太い破線の位置まで右側に拡大する。供給口42からの洗浄液の供給(吐出)が終了すると、排出口45からの洗浄液の排出だけが行われることになるので、排出口45の直上位置に洗浄液がなくなるまで排出が続き、それに伴い洗浄液の充満領域が拡大時とは逆方向に縮小していく。そして最終的に太い破線よりも内側にある太い実線の位置を境界として、洗浄液は対面空間S内で充満した状態で保持される。すなわち貯液される。処理面43の右側にある太い実線で示す境界位置は、ほぼ排出口45の左側端部位置となる。処理面43の左側縁部でも、左側の洗浄液境界位置は、太い破線から太い実線と、供給口42に向かう方向に縮小(拡大の反対方向に移動)している。図4(a)を見ると洗浄液が広がる最大限の境界位置を示す太い破線は、X方向だけではなくY方向にも拡大し、処理面43のY方向縁部より拡張した位置にある。そして洗浄液の排出が進むと、洗浄液が保持される境界位置も太い破線から太い実線へと、容積が縮小する方向に移っていく。なお図4(a)で示される太い破線と太い実線の位置は、対面空間Sで充満している洗浄液が分析用チップ2上で接する境界位置を示している。この時、太い実線で示す境界位置は、Y方向には処理面43のY方向縁部よりもやや外側となり、太い破線で示す位置よりも、X方向同様に内側となる。このように対面空間S内で洗浄液が貯液される時には、分析用チップ2のアレイ部22が洗浄液に接していることが好ましい。そのために図4(a)で、アレイ部22のY方向長さLCyに対して、処理面43のY方向長さLyは、好ましくは±1mm以下、より好ましくは±0.5mmの以下の相違となるように設定する。同様にアレイ部22のX方向長さLCxに対して、処理面43の左側縁部から、排出口45の左側端部までのX方向長さLxは、好ましくは±1mm以下、より好ましくは±0.5mmの以下の相違となるように設定する。
以上のように本発明の処理ヘッド4を用い、処理面43の大きさ設定と、排出口45の処理面43上の配置を適切に行えば、4個の処理面43とアレイ部22に対応して形成される4個の対面空間Sのそれぞれで、個別に、相互干渉することなく、洗浄液を充満して保持し、貯液することができる。
さてこのように対面空間Sで洗浄液を貯液して、しばらく放置すると、アレイ部22にある汚れが洗浄液の方に拡散し、貯液している洗浄液に汚れが含まれることになる。この状態で供給口42から洗浄液を供給すると、貯液されていた洗浄液は右側に押し流されて、排出口45から排出され、汚れも一緒に排出される。そして最終的には対面空間Sの洗浄液を新たな洗浄液に完全に更新する。以上の対面空間S内での貯液と、洗浄液の排出/更新、を繰り返すことにより、洗浄が行われることになる。対面空間Sの容積が小さいので、そこで洗浄に使用される洗浄液量も小さくなる。
なお図4の、太い破線で示される洗浄液が広がる最大限の境界位置は、供給口42からの洗浄液の供給速度、供給量と排出口45での洗浄液の排出速度とのバランスで定まる。なお排出速度は、処理面43から排出配管48の下側位置までのZ方向長さLzがヘッド差となり、これに比例して定まる。以上、隣り合う対面空間Sで太い破線の位置が重ならないように、供給口42からの洗浄液の供給速度と供給量、並びに排出速度に関わるZ方向長さLzを適切に設定することが好ましい。
次に、図5〜7を参照して、本発明の分析用チップの処理方法について説明する。図5は、処理ヘッド4に洗浄液を供給する工程をステップ的に示す説明図、図6は、処理ヘッド4により洗浄する工程をステップ的に示す説明図、図7は、処理ヘッド4に残存する洗浄液を除去する工程をステップ的に示す説明図である。本発明の分析用チップの処理方法は、分析用チップの処理装置である処理装置1を用いたもので、処理ヘッド4に洗浄液を供給する工程(洗浄液供給工程)、分析用チップ2を洗浄する工程(洗浄工程)、処理ヘッド4に残存する洗浄液を除去して初期化する工程(初期化工程)よりなる。洗浄液供給工程はステップSP0〜SP2で示され、これが図5(a)〜(c)に対応している。なお図5(a)〜(c)には、処理装置1の、貯蔵タンク90と処理ヘッド4とその周囲を取り出して拡大して示す正面断面図(Y方向に見た図)が配置されている。
次の洗浄工程はステップSW0〜SW5で示され、これが図6(a)〜(f)に対応している。図6(a)〜(f)には、図1で示される処理装置1の、処理ヘッド4と分析用チップ2の一部とその周囲を取り出して拡大して示す正面断面図が配置されている。
最後の初期化工程はステップSI0〜SI3で示され、それぞれが図7(a)〜(d)に対応している。図7(a)〜(d)には、ブラシ71と処理ヘッド4とその周囲を取り出して拡大して示す正面断面図が配置されている。
なお図5〜7のいずれでも、それぞれのステップの時の状況や各部の動作の結果が、示されている。ステップは数字の大きい方が時間的に後になる。さらに図6(b1)、(b2)のように、アルファベットに数字が付加されている場合、数字の大きい方が時間的に後になる。図5にその実行状況が示されるステップSPと、図6にその実行状況が示されるステップSWを実施することによって、(a)洗浄液タンクである貯蔵タンク90内の洗浄液を、最接近させた貯蔵タンク90の最下部の貫通孔である供給貫通孔95と処理ヘッド4の供給口42とを介して、洗浄液供給・吸引手段である洗浄液供給・回収部8で一定量吸引して、供給口42から洗浄液供給・回収部8に連なるライン内に一時保管する工程、(b)処理ヘッド4の処理面43を、分析用チップ2の検出面である頂上面25に一定間隔をもって近接させて両者間に対面空間Sを形成する工程、(c)一時保管した洗浄液を、洗浄液供給・回収部8で、処理ヘッド4の供給口42から対面空間Sに一定量供給して貯液し、一定時間維持する工程、(d)一時保管した洗浄液を、洗浄液供給・回収部8で、さらに処理ヘッド4の供給口42から供給して、対面空間Sに貯液した洗浄液を排出する工程、を含む分析用チップの処理方法を実行することになる。それに加えて、さらに、(e)対面空間Sに貯液した洗浄液を、処理ヘッド4の供給口42から、洗浄液供給・回収部8で吸引して回収する工程、を含む分析用チップの処理方法も実行する。また図7にその実行状況が示されるステップSIを実施することによって、(g)処理ヘッド4の処理面43上に残存する洗浄液を、洗浄液除去手段である処理ヘッド初期化部7で除去する工程、を含む分析用チップの処理方法を実行することになる。
それでは最初に実行する洗浄液供給工程について、図5に状況が示されるステップSPを、順をたどって説明する。
(ステップSP0)(図5(a1)、(a2)の状況)
処理ヘッド4に洗浄液を供給する準備ステップである。処理ヘッド4と各供給回収ライン80は初期状態にある。すなわち、処理ヘッド4の供給口42からシリンジポンプ81までは、すべて空気が充満しており、液体物は存在しない。そしてシリンジポンプ81は、いつでも吸引側に駆動できる状態にある。次に上下方向(Z方向)の下限位置にある処理ヘッド4を、図示されていないリニアモータを駆動して台座54をX方向に移動させることで、使用する洗浄液が貯蔵されている貯蔵タンク90の直下に位置させる。より具体的には、貯蔵タンク90の供給貫通孔95の直下に、対応する処理ヘッド4の供給口42が位置するように、処理ヘッド4を移動させて位置決めする(図5(a1)で示される状態)。続いて大気バルブ93を閉にして、貯蔵タンク90の内部を密閉状態にしてから、下ふた97を紙面の直交する方向で奥側に移動して退避させ、供給貫通孔95を露見させる(図5(a2)で示される状態)。下ふたが退避して、洗浄液が共通貫通孔95内で下方向に少しだけ移動した時点で、貯蔵タンク90内の洗浄液には負圧が作用するので、共通貫通孔95から洗浄液がもれ出すことはない。
(ステップSP1)(図5(b1)、(b2)の状況)
処理ヘッド4に洗浄液を供給するステップである。まずエアーシリンダー50を駆動して昇降台51を上昇させることで、処理ヘッド4の処理面43を貯蔵タンク90のOリング96に押し付け、各供給回収ライン80を個別に密閉状態にする(図5(b1)で示される状態)。続いて大気バルブ93を開にして、貯蔵タンク90内の洗浄液に大気圧を作用させてから、必要な液量(容積)の洗浄液を吸引できるようにシリンジポンプ81を吸引側に動作させる。これによって、洗浄液が処理ヘッド4に供給され、処理ヘッド4の貫通孔46や供給回収ライン80の配管82に洗浄液が充満する(図5(b2)で示される状態)。
(ステップSP2)(図5(c1)、(c2)の状況)
終了ステップである。まず大気バルブ93を閉にして、再び貯蔵タンク90内を密閉状態にする(図5(c1)で示される状態)。つづいてエアーシリンダー50を逆方向に駆動して、昇降台51を下降させることで、処理ヘッド4を下限位置まで移動させる。つづいて、退避していた下ふた97を貯蔵タンク90直下の位置にもどして、すべての供給貫通孔95をシールする(図5(c2)で示される状態)。
以上説明した洗浄液供給工程に続いて実行する洗浄工程について、図6に状況が示されるステップSWを、順をたどって説明する。
(ステップSW0)(図6(a1)、(a2)の状況)
分析用チップ2のアレイ部22の洗浄の準備ステップである。ハイブリダイゼーションを終了して、アレイ部22に汚れDiが付着している分析用チップ2は、検出部である頂上面25を下向きにして、チップ保持部3の位置決め支持体31に取付けて、位置決めされる。貯蔵タンク90の直下で、洗浄液が供給されて待機している処理ヘッド4を、図示されていないリニアモータを駆動して台座54をX方向に移動させることで、分析用チップ2の直下の位置まで移動させる。より具体的には、分析用チップ2の各アレイ部22の直下に、対応する処理ヘッド4の処理面43が位置するようにする(図6(a1)で示される状態)。続いてエアーシリンダー50を駆動し、昇降台51を上昇させることで、処理ヘッド4を分析用チップ2に近接するように移動する。そして、処理ヘッド4の処理面43と頂上面25との間の間隔がすきま量Cとなる位置で、昇降台51を停止させる。これによって、処理面43と頂上面25を含むアレイ部22との間に、対面空間Sが形成される(図6(a2)で示される状態)。
(ステップSW1)(図6(b1)、(b2)の状況)
対面空間Sに洗浄液を充填(供給)するステップである。シリンジポンプ81を吐出する側に駆動し、洗浄液を所定流量Q1(単位時間当たりの液量=供給速度)にて一定の液量V1(容積)だけ、処理ヘッド4の供給口42から洗浄液を供給する。供給された洗浄液で対面空間Sは充満し、かつ左右の最大境界位置まで拡張する(図6(b1)で示される状態)。供給口42からの洗浄液の供給が終了した時点で、排出口45での洗浄液の排出により、対面空間Sに充満している洗浄液は供給口42に向かって縮小しはじめる。そして対面空間S内に充満している洗浄液の右側の境界位置が、排出口45の左端の位置に来た時に洗浄液の排出も終了する。それにともなってその位置で、対面空間S内に充満した洗浄液が、表面張力の作用によって位置保持されて、貯液される(図6(b2)で示される状態)。なお排出口45から排出された洗浄液は、排出貫通孔47、排出配管48を経て、トレイ63に回収される。
(ステップSW2)(図6(c)の状況)
洗浄ステップ1(汚れDiの頂上面25を含むアレイ部22からの分離)である。シリンジポンプ81を停止させていると、対面空間Sで洗浄液が充満して貯液されている状態が維持される。この洗浄液充満状態(貯液)を、時間t1だけ維持する。この時間t1の間に、洗浄液に接触している汚れDiには、(1)液体状の汚れDiは洗浄液に混ざりこんで薄められる(洗浄液に含有される)、(2)乾燥固化物となっている汚れDiは、溶解して洗浄液中に含まれる、(3)乾燥固化物となっている汚れDiで、完全に溶解しないが頂上面25やその他のアレイ部22の部分への付着は解かれて、洗浄液中に浮遊する、ということが起こる。すなわち、何らかの形態で、汚れDiのアレイ部22からの分離が行われる。
(ステップSW3)(図6(d1)、(d2)の状況)
洗浄ステップ2(アレイ部22から分離した汚れDiの除去)である。再びシリンジポンプ81を吐出側に駆動し、所定流量Q2にて一定の液量V2だけ洗浄液を、供給口42から対面空間S内の洗浄液に供給する。この供給を一定時間間隔でN回繰り返す。このような洗浄液の間欠供給を行うのは、排出口45からの洗浄液排出能力が、処理面43から排出配管48の下端までのZ方向長さLzで定まるヘッド差に依存して、あまり高くできないことによる。すなわち、連続して洗浄液を供給口42から供給すると、排出口45からの洗浄液排出量が追い付かなくて、対面空間S内の洗浄液は、XとY方向に広がって行き、ついには隣の対面空間Sから拡張してきた洗浄液と接触して、分離できなくなってしまう。よって、連続供給は好ましくない。それに対して間欠供給であると、1回の液量V2の供給が終了した時点が、対面空間S内の洗浄液の容積拡大終了時点となる。それ以降の供給停止時には、排出口45での洗浄液の排出により、対面空間S内の洗浄液の容積は減少する。したがって液量V2を適切に設定しておれば、対面空間S内の洗浄液が拡大しつづけて、隣の対面空間Sの洗浄液と接するということは、間欠供給では起こらない。以上の供給口42からの間欠供給を繰り返すことにより、汚れDiを含む洗浄液は、供給液量V2だけ毎回排出口45から排出されて、対面空間Sからは排除される。すなわち、対面空間Sに充満していた汚れDiを含む洗浄液は、新たに送液された洗浄液に確実に置きかえられる。この対面空間Sから排出された汚れDiを含む洗浄液は、排出口45から、排出貫通孔47、排出配管48を経て、トレイ63に回収される。以上の結果として、汚れDiがアレイ部22を含む対面空間Sから除去される(図6(d1)で示される状態)。供給口42からの洗浄液の間欠供給を終了してからも、更新された洗浄液の排出口45からの排出は少しつづき、対面空間S内で更新されて充満している洗浄液の右側の境界位置が排出口45の左端の位置まで縮小した時に、排出は終了する。これに伴い、更新された洗浄液はその位置で保持され、対面空間Sに更新された洗浄液が貯液される((図6(d2)で示される状態)。
(ステップSW4)(図6(e1)、(e2)の状況)
洗浄液の回収ステップである。シリンジポンプ81を吸引側に駆動し、所定流量Q3にて一定の液量V3だけ、供給口42から、対面空間S内の洗浄液を吸引する。これによって、対面空間S内の洗浄液は、処理面43とアレイ部22に接触しながら供給口42の方に移動し、対面空間S内で占める容積を次第に小さくしていく(図6(e1)で示される状態)。液体量V3だけ洗浄液を吸引することが完了することで、対面空間Sに充満していた洗浄液がすべて回収される。同時に分析用チップのアレイ部22からも洗浄液は除去される。なお、回収された洗浄液は、貫通孔46と供給回収ライン80に、一時的に貯えられる(図6(e2)で示される状態)。なお液量V3は、対面空間Sに充満した洗浄液を全量回収できるように、適切に設定することが好ましい。また保持案内部材10は、処理面43より上側にある線状端部11L、11Rが、洗浄液を供給口42の内側で保持するので、洗浄液の供給口42からの吸引を手助けする。
(ステップSW5)(図6(f)の状況)
終了ステップである。対面空間Sから全ての洗浄液を回収し、処理ヘッド4内と供給回収ライン80に回収分の洗浄液を一時保管した状態で、エアーシリンダー50を逆側に駆動し昇降台51を下降させて、処理ヘッド4をZ方向の下限位置に移動させる。
以上説明した洗浄工程を終了すれば、分析用チップ2の洗浄そのものは終了するが、次の分析用チップ2の洗浄を引き続いて行えるようにするために、必要な初期化工程を実行する。初期化とは、1番目の分析用チップ2の洗浄を開始する時の状態に、処理ヘッド4と供給回収ライン80を戻すことである。すなわち、処理ヘッド4の内部と供給回収ライン80には空気しかなく、処理面43上にも液体はない状態である。この状態を実現するために、処理ヘッド4内と供給回収ライン80内に一時保管している洗浄液を放出する等を行う初期化工程について、図7に状況が示されるステップSIを、順をたどって説明する。
(ステップSI0)(図7(a1)、(a2)の状況)
初期化を行うための準備ステップである。図示されていないリニアモータを駆動して台座54をX方向に移動させ、処理ヘッド4を上限位置にあるブラシ71の直下よりも右側に少し離れた位置(初期化開始X位置)に位置させる。この位置に処理ヘッド4がある時は、一番左側にある柱状本体40の左側面でも、ブラシ71の直下よりも少し右側に離れている(図7(a1)で示される状態)。次に昇降保持具72を下降させてブラシ71を上下方向の下限位置まで移動させる。それから、エアーシリンダー50を駆動して昇降台51を上昇させ、処理ヘッド4の処理面43がブラシ71の毛先(一番低い位置にある)よりも0.5〜2mmだけ高い位置にくるように、図示されていないストッパーを昇降台51の一部に押し当てて停止させる(図7(a2)で示される状態)。
(ステップSI1)(図7(b)の状況)
初期化ステップ1である。シリンジポンプ81を吐出側に動作させて、処理ヘッド4の貫通孔46と供給回収ライン80に残存している洗浄液を、供給口42から全量吐出する。なおこの時点で貫通孔46と供給回収ライン80に残存している洗浄液は、洗浄工程のステップSW4で対面空間Sから回収した洗浄液と、貯蔵タンク90から最初に吸引して未使用(供給口42から吐出していない)の洗浄液である。残存している洗浄液の全量吐出は、シリンジポンプ81で液体を移動させるピストンを、貯蔵タンク90から洗浄液を吸引開始する前の位置に戻せば、実施できる。残存している洗浄液の全量吐出によって、処理ヘッド4の内部と供給回収ライン80には空気しかない状態となるが、処理面43に供給口42から吐出された洗浄液の一部が残る(図7(b)で示される状態)。なお供給口42から吐出された洗浄液で、処理面43上を移動して排出口45に達するものは、排出口45から排出されて、排出貫通孔47、排出配管48を経て、トレイ63に落下して回収される。また処理面43の四方の縁部からあふれて落下する洗浄液は、柱状本体40の側面、排出案内板62に沿って流れて、周囲トレイ61に回収される。
(ステップSI2)(図7(c1)、(c2)の状況)
初期化ステップ2である。再び図示していないリニアモータを駆動し、台座54をX方向に速度Uxで移動させて、処理ヘッド4を左側に移動させる。そして最初に、一番左側にある柱状本体40の左側面とブラシ71の毛先近傍が接触する(図7(c1)で示される状態)。柱状本体40の左側面とブラシ71の接触に関係なく、処理ヘッド4を左側に速度Uxで移動させ続ける。ブラシの毛先が処理面43と接触する位置に来ると、処理面43上の洗浄液はブラシ71で右側の方に移動させられる。そしてブラシ71の毛先が処理面43の右側縁部を通過する時には、処理面43上の洗浄液はブラシ71で掃き落とされる。ブラシ71が別の処理面43を通過するごとに、次から次へと処理面43上の洗浄液が掃き落とされる。そして、処理ヘッド4をブラシ71の直下よりも左側に少し離れた位置(初期化終了X位置)で停止させる(図7(c2)で示される状態)。この位置に処理ヘッド4がある時は、一番右側にある柱状本体40の右側面でも、ブラシ71の直下よりも少し左側に離れている。以上の動作を実行することで、処理面43上に残存していた洗浄液は除去され、初期化が完了する。なお、ブラシ71で処理面43から掃き落とされた洗浄液は、柱状本体40の側面、排出案内板62に沿って流れて、周囲トレイ61に回収される。
(ステップSI3)(図7(d)の状況)
終了ステップである。ここでは、処理ヘッド4の内部と供給回収ライン80には空気しかなく、処理面43上にも洗浄液はないという処理ヘッド4の初期化が完了している状態である。初期化が完了しているので、エアーシリンダー50を逆側に駆動して、昇降台51を下降させ、初期化された処理ヘッド4を上下方向の下限位置に移動し、そこで待機させる。それから昇降保持具72を上昇させて、ブラシ71を上下方向の上限位置に移動させる。
以降続いて別の分析用チップ2を処理する場合は、洗浄済みの分析用チップ2を、ハイブリダイゼーション後で未洗浄の分析用チップ2に入れ替えてから、ステップSP0から同じステップを繰り返す。
なお上記の実施態様例は、洗浄液が1種の場合である。洗浄液がWa1とWa2のように複数ある場合でも、洗浄液Wa1でステップSP0〜SP2、SW0〜SW5、SI0〜I3を実行してから、洗浄液Wa2で同じステップSP0〜SP2、S0〜S5、SI0〜I3を実行してもよい。この場合、洗浄液Wa1での洗浄が終了した時点で、分析用チップ2のアレイ部22から洗浄液が除去された状態になっている。したがって、洗浄液Wa1の洗浄終了後、洗浄液Wa2の洗浄を開始するまでの間は、分析用チップ2のアレイ部には洗浄液がない乾燥した状態が維持される。
洗浄液Wa1の洗浄終了後、洗浄液Wa2の洗浄を開始するまでの間に、洗浄液Wa1をアレイ部に残して、検出部であるすべての頂上面25を乾燥しないように保護する場合は、洗浄工程のステップSW4と、SW5のかわりに、下記に記載しているステップSW4’とSW5’を実行すればよい。ステップSW4’ とSW5’については、その状況を図8に示している。図8は、処理ヘッド4で洗浄液を回収する工程の一例をステップ的に示す説明図である。ステップSW4’ とSW5’を実施することにより、さらに、(f)対面空間Sに貯液した洗浄液を、処理ヘッド4の供給口42から、洗浄液供給・回収部8で一定量吸引して、対面空間Sの貯液量を減ずる工程、を含む分析用チップの処理方法を実行することになる。
(ステップSW4’)(図8(e1)、(e2)の状況)
洗浄液を一部残存させる回収ステップである。シリンジポンプ81を吸引側に駆動し、所定流量Q4にて一定の液量V4だけ、供給口42から、対面空間S内の洗浄液を吸引する。液量V4については、対面空間S内に残留させたい洗浄液量から選定する。対面空間S内の洗浄液は、処理面43とアレイ部22に接触しながら供給口42の方に移動し、対面空間S内で占める容積を次第に小さくしていく(図8(e1)で示される状態)。液体量V4だけ洗浄液を吸引することが完了することで、対面空間Sには少量で充満している洗浄液が残される。この時点でアレイ部22の大部分は洗浄液で覆われていて、頂上面25等も洗浄液で保護されている。なお、回収された洗浄液は、貫通孔46と供給回収ライン80に、一時的に貯えられる(図8(e2)で示される状態)。
(ステップSW5’)(図8(f)の状況)
終了ステップである。対面空間Sに洗浄液が残存している状態で、エアーシリンダー50を逆側に駆動し昇降台51を下降させて、処理ヘッド4をZ方向の下限位置に移動させる。この時、対面空間Sに残存していた洗浄液は上下に分裂し、分析用チップのアレイ部22と、処理ヘッド4の処理面43上に残存する(図8(f)で示される状態)。この時分析用チップ2側に残存した洗浄液は、アレイ部22全体に広がり、結果としてアレイ部22全体が洗浄液で覆われて保護された状態になる。処理ヘッド4については、次の初期化工程を実行する。
上記の洗浄液供給工程と洗浄工程では、実際に洗浄が行われる対面空間Sに洗浄液を供給する処理ヘッド4の供給口42から、貯蔵タンク90内の洗浄液を一定量直接吸引して処理ヘッド4内やそれに連なる供給回収ライン80に一時保管し、洗浄時には一時保管した量の洗浄液をそのまま全量供給口42から対面空間Sに供給できるようにした。これによって貯蔵タンク90内の洗浄液を、途中に無効に消費することなく、100%そのまま対面空間S内での洗浄に用いることができ、非常に高効率の洗浄が行える。異なる種類の洗浄液を用いて順次洗浄する場合でも、先の洗浄液を処理ヘッド4の内部から排出して初期化した状態で次の洗浄液の処理ヘッド4内への供給とそれに続く洗浄が行えるので、洗浄液の切替えロスが全くない。
また対面空間Sの容積も小さく、汚れや汚れを含んだ洗浄液を容易に対面空間Sの外に排出することができるので、使用する洗浄液量が非常に少なく、かつ高品質の洗浄を行うことができる。
さらに、アレイ部22に対応してそれと同数備えた処理ヘッド4の供給口42から、洗浄液を供給および吸引することを、各供給口42ごとに独立して行うことができるように、供給口42と1対1で供給回収ライン80を設けた。そして、供給回収ライン80での実際に洗浄液を供給、吸引する手段として計量性の高いシリンジポンプ81を使用するようにした。これによって、洗浄が行われる対面空間Sごとに、正確な液量の洗浄液を供給することと、吸引(回収)することが、同時に短い時間で行えるようになった。その結果、各アレイ部22で、洗浄液量等全く同じ条件での洗浄が同時に行えるので、アレイ部22ごとに差異のない均質な洗浄を高速で行うことができる。
なお以上の説明で、洗浄工程については、ステップSW2(汚れDiの分離)とステップSW3(分離した汚れDiの除去と洗浄液の更新)を適宜繰り返してよい。例えば2回繰り返す場合は具体的に、ステップSW0→SW1→SW2→SW3→SW2→SW3→SW4→SW5、のようにステップを実行する。これによって溶解しにくくて分離に時間がかかる汚れDiも分離することが可能となり、より洗浄性が向上する。また、ステップSW3を省略して、ステップSW0→SW1→SW2→SW4→WS5のようにしてもよい。この場合、アレイ部22から分離した汚れDiは、供給口42から処理ヘッド4内部と供給回収ライン80に吸引されて、そこで一時的に保持されることになる。そして次の初期化工程で、分離した汚れDiは供給口42から吐出されて、最終的にトレイ63と周囲トレイ61に回収されることになる。
さらに洗浄液については、汚れDiを溶解したり、アレイ部22から分離できるもので、DNAに影響を与えないものが好ましく、食塩水、水等に、表面活性剤を付加したものが好適に用いられる。処理ヘッド4の材質については、洗浄液に塩が含まれることが多いので、それへの耐性を有するものであることが好ましく、合成樹脂、セラミックス、ステンレス鋼(SUS316)等が好適に用いられる。
また、処理ヘッド4の処理面43とアレイ部22の頂上面25との間の間隔であるすきま量Cについては、好ましくは0.1mm以上〜2mm以下、より好ましくは0.3mm以上〜1mm以下にする。この範囲であれば、供給口42から洗浄液が供給される時に、洗浄液は貯液空間S内で容易に充満することができる。また充満させた状態(貯液された状態)を安定して保持することもできる。
なお、洗浄液を供給、吸引(回収)する洗浄液供給・回収部8のシリンジポンプ81については、密閉性があって計量性が高いとともに、少量の間欠供給が容易に行えるものならいかなるものでもよいが、シリンジポンプの他に、ダイヤフラムポンプ、ベロフラムポンプ等の間欠型定量ポンプが好適に適用できる。
また使用する洗浄液量が多く、処理ヘッド4内部と供給回収ライン80では洗浄液の一時保管量が不足する場合は、供給回収ライン80の途中で洗浄液を蓄える中間タンクを個別に設けることが好ましい。
さらに、処理面43上に残存する洗浄液の除去手段としてブラシを用いたが、樹脂製や金属製のブレードを処理面43に接触させて、洗浄液を除去してもよい。また、エアーで処理面43上の洗浄液を吹き飛ばして除去するエアーノズルを用いてもよい。
本発明の処理装置および処理方法は、DNAチップ等の分析用チップのハイブリダイゼーションや蛍光標識反応後の洗浄と洗浄液の除去に利用することができる。高効率、高品質、均質な処理によって、高いSN比での蛍光レベル検出がどのDNAチップでも同様に可能となる結果、本発明は、臨床現場や検査センターにおける迅速な疾患の診断・診察等に有益に利用することができる。
1 処理装置
2 分析用チップ
3 チップ保持部
4 処理ヘッド
5 ヘッド支持移動部
6 排出洗浄液回収部
7 処理ヘッド初期化部
8 洗浄液供給・回収部
9 洗浄液貯蔵・供給部
10 保持案内部材
11L、11R 線状端部
12A、11B 板面
20 本体
21 上面
22 アレイ部
23 底面
24 柱状体
25 頂上面
31 位置決め支持体
32 フレーム
40 柱状本体
41 ベース板
42 供給口
43 処理面
44 底面
45 排出口
46 貫通孔
47 排出貫通孔
48 排出配管
50 エアーシリンダー
51 昇降台
52 門型フレーム
53 支持面
54 台座
55 ガイド
56 レール
61 周囲トレイ
62 排出案内板
63 トレイ
71 ブラシ
72 昇降保持具
80 供給回収ライン
81 シリンジポンプ
82 配管
90 貯蔵タンク
91 上部
92 接続配管
93 大気バルブ
94 底部
95 供給貫通孔
96 Oリング
97 下ふた
98 L型材
99 タンク保持板
151 ピストン
152 シリンダー本体
153 支持板
C すきま量
Di 汚れ
S 対面空間

Claims (6)

  1. 基板の片側の一平面内に区画された複数のアレイ部を有し、該アレイ部内に被検物質と結合する選択結合物質が複数の検出面に多数固定化された検出部を備える分析用チップを処理する分析用チップの処理装置であって、前記検出部の検出面を下向きにした前記分析用チップを保持する保持部と、下向きにした前記検出部の検出面に所定間隔をもって対面する複数の処理面を備え、該処理面内に上向きに洗浄液を供給可能な供給口が少なくとも設けられた処理ヘッドと、洗浄液を密閉貯蔵可能な構造物の最下部に、前記処理ヘッドの供給口に下向きに洗浄液を供給可能な貫通孔が設けられた洗浄液タンクと、前記処理ヘッドの各供給口から洗浄液を供給および吸引することが、前記各供給口ごとに独立して行うことが可能な洗浄液供給・吸引手段と、を少なくとも備えることを特徴とする分析用チップの処理装置。
  2. さらに、前記処理ヘッドの各処理面上に残存する洗浄液を除去する洗浄液除去手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の分析用チップの処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の分析用チップの処理装置を用いた分析用チップの処理方法であって、(a)前記洗浄液タンク内の洗浄液を、最接近させた前記洗浄液タンクの最下部の貫通孔と前記処理ヘッドの供給口とを介して、前記洗浄液供給・吸引手段で一定量吸引して、前記供給口から前記洗浄液供給・吸引手段に連なるライン内に一時保管する工程、(b)前記処理ヘッドの処理面を、前記分析用チップの検出面に一定間隔をもって近接させて両者間に対面空間を形成する工程、(c)前記一時保管した洗浄液を、前記洗浄液供給・吸引手段で、前記処理ヘッドの供給口から前記対面空間に一定量供給して貯液し、一定時間維持する工程、(d)前記一時保管した洗浄液を、前記洗浄液供給・吸引手段で、さらに前記処理ヘッドの供給口から供給して、前記対面空間に貯液した洗浄液を排出する工程、を含むことを特徴とする分析用チップの処理方法。
  4. さらに、(e)前記対面空間に貯液した洗浄液を、前記処理ヘッドの供給口から、前記洗浄液供給・吸引手段で吸引して回収する工程、を含むことを特徴とする請求項3に記載の分析用チップの処理方法。
  5. さらに、(f)前記対面空間に貯液した洗浄液を、前記処理ヘッドの供給口から、前記洗浄液供給・吸引手段で一定量吸引して、前記対面空間の貯液量を減ずる工程、を含むことを特徴とする請求項3に記載の分析用チップの処理方法。
  6. さらに、(g)前記処理ヘッドの処理面上に残存する洗浄液を、前記洗浄液除去手段で除去する工程、を含むことを特徴とする請求項3〜5にいずれか記載の分析用チップの処理方法。
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