JP2017134416A - 液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示装置の薄型化に対応可能であり、且つ虹状の色斑による視認性の悪化が発生しない、液晶表示装置用偏光子保護フィルムを提供する
【解決手段】リタデーションが3000〜30000nmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水性ポリエステル樹脂(A)と水溶性チタンキレート化合物、水溶性チタンアシレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物、及び水溶性ジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される1種以上(B)とを主たる構成成分とする水系塗布液から形成される塗布層が積層された、連続的な発光スペクトルを有する白色光源をバックライト光源とする液晶表示装置用偏光子保護フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】リタデーションが3000〜30000nmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水性ポリエステル樹脂(A)と水溶性チタンキレート化合物、水溶性チタンアシレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物、及び水溶性ジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される1種以上(B)とを主たる構成成分とする水系塗布液から形成される塗布層が積層された、連続的な発光スペクトルを有する白色光源をバックライト光源とする液晶表示装置用偏光子保護フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルムに関する。詳しくは、視認性が良好で、薄型化に適した液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルムに関する。
液晶表示装置(LCD)に使用される偏光板は、通常ポリビニルアルコール(PVA)などにヨウ素を染着させた偏光子を2枚の偏光子保護フィルムで挟んだ構成となっていて、偏光子保護フィルムとしては通常トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられている。近年、LCDの薄型化に伴い、偏光板の薄層化が求められるようになっている。しかし、このために保護フィルムとして用いられているTACフィルムの厚みを薄くすると、充分な機械強度を得ることが出来ず、また透湿性が高くなり偏光子が劣化しやすくなる。また、TACフィルムは非常に高価であり、安価な代替素材が強く求められている。
そこで、偏光板の薄層化のため、偏光子保護フィルムとして厚みが薄くても高い耐久性が保持できるよう、TACフィルムの代わりにポリエステルフィルムを用いることが提案されている(特許文献1〜3)。
ポリエステルフィルムは、TACフィルムに比べ耐久性に優れるが、TACフィルムと異なり複屈折性を有するため、これを偏光子保護フィルムとして用いた場合、光学的歪みにより画質が低下するという問題があった。すなわち、複屈折性を有するポリエステルフィルムは所定の光学異方性(リタデーション)を有することから、偏光子保護フィルムとして用いた場合、斜め方向から観察すると虹状の色斑が生じ、画質が低下する。そのため、特許文献1〜3では、ポリエステルとして共重合ポリエステルを用いることで、リタデーションを小さくする対策がなされている。しかし、その場合であっても虹状の色斑を完全になくすことはできなかった。
本発明は、かかる課題を解決するためのものであり、その目的は、液晶表示装置の薄型化に対応可能(即ち、十分な機械的強度を有する)であり、且つ虹状の色斑による視認性の悪化が発生しない、液晶表示装置および偏光子保護フィルムを提供することである。また、本発明は、蛍光灯下での虹彩状色彩を抑制し、かつ、ハードコート層との密着性、特に高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れる偏光子保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、特定のリタデーションを有するポリエステルフィルム上に、水性ポリエステル樹脂(A)と水溶性チタンキレート化合物、水溶性チタンアシレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物、及び水溶性ジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される1種以上(B)とを主たる構
成成分とする塗布層を設けた積層フィルムを偏光子保護フィルムとして利用し、これを特定のバックライト光源と組み合せて用いることにより、上記問題を解決できることを見出した。より詳細には、本発明者らは、塗布層の屈折率に着目し、基材のポリエステルフィルムと塗布層との屈折率差、塗布層とハードコート層の屈折率差がそれぞれ小さくなるように、塗布層を構成する樹脂と添加剤の種類と含有量で塗布層の屈折率を制御することにより、ハードコート層との密着性、及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)を維持しながら、蛍光灯下での虹彩状色彩を抑制できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成した発明である。
成成分とする塗布層を設けた積層フィルムを偏光子保護フィルムとして利用し、これを特定のバックライト光源と組み合せて用いることにより、上記問題を解決できることを見出した。より詳細には、本発明者らは、塗布層の屈折率に着目し、基材のポリエステルフィルムと塗布層との屈折率差、塗布層とハードコート層の屈折率差がそれぞれ小さくなるように、塗布層を構成する樹脂と添加剤の種類と含有量で塗布層の屈折率を制御することにより、ハードコート層との密着性、及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)を維持しながら、蛍光灯下での虹彩状色彩を抑制できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成した発明である。
即ち、代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.
リタデーションが3000〜30000nmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水性ポリエステル樹脂(A)と水溶性チタンキレート化合物、水溶性チタンアシレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物、及び水溶性ジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される1種以上(B)とを主たる構成成分とする水系塗布液から形成される塗布層が積層された、連続的な発光スペクトルを有する白色光源をバックライト光源とする液晶表示装置用偏光子保護フィルム。
項2.
前記(A)と(B)との混合比(A/B)が、質量換算で、10/90〜95/5である、項1に記載の偏光子保護フィルム。
項3.
水性ポリエステル樹脂(A)が、スルホン酸金属塩基を含有する芳香族ジカルボン酸成分をポリエステルの全ジカルボン酸成分に対し1〜10モル%含有する共重合ポリエステル樹脂である、項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
項4.
水性ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が40℃以上である、項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項5.
ポリエステルフィルムのリタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が0.2以上である、項1〜4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項6.
ポリエステルフィルムが3層以上からなり、その最外層以外の層に紫外線吸収剤を含有し、380nmの光線透過率が20%以下である、項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項7.
塗布層上に電子線若しくは紫外線硬化型アクリル樹脂又はシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層が更に積層された、項1〜6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項8.
塗布層上に防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層及び帯電防止層からなる群より選択される1種以上の層を有する、項1〜6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項9.
偏光子の少なくとも片側に項1〜8のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層された、連続的な発光スペクトルを有する白色光源をバックライト光源とする液晶表示装置用偏光板。
項10.
偏光子保護フィルムが、紫外線硬化型、電子線硬化型又は熱硬化型の接着剤を介して偏光子に積層されている、項9に記載の液晶表示装置用偏光板。
項11.
バックライト光源が連続的な発光スペクトルを有する白色光源であり、項9又は10に記載の偏光板を有する、液晶表示装置。
項12.
液晶に対して射出光側に配される偏光板が項9又は10に記載の偏光板である、項11に記載の液晶表示装置。
項13.
前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、項11又は12に記載の液晶表示装置。
項1.
リタデーションが3000〜30000nmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水性ポリエステル樹脂(A)と水溶性チタンキレート化合物、水溶性チタンアシレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物、及び水溶性ジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される1種以上(B)とを主たる構成成分とする水系塗布液から形成される塗布層が積層された、連続的な発光スペクトルを有する白色光源をバックライト光源とする液晶表示装置用偏光子保護フィルム。
項2.
前記(A)と(B)との混合比(A/B)が、質量換算で、10/90〜95/5である、項1に記載の偏光子保護フィルム。
項3.
水性ポリエステル樹脂(A)が、スルホン酸金属塩基を含有する芳香族ジカルボン酸成分をポリエステルの全ジカルボン酸成分に対し1〜10モル%含有する共重合ポリエステル樹脂である、項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
項4.
水性ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が40℃以上である、項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項5.
ポリエステルフィルムのリタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が0.2以上である、項1〜4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項6.
ポリエステルフィルムが3層以上からなり、その最外層以外の層に紫外線吸収剤を含有し、380nmの光線透過率が20%以下である、項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項7.
塗布層上に電子線若しくは紫外線硬化型アクリル樹脂又はシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層が更に積層された、項1〜6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項8.
塗布層上に防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層及び帯電防止層からなる群より選択される1種以上の層を有する、項1〜6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項9.
偏光子の少なくとも片側に項1〜8のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層された、連続的な発光スペクトルを有する白色光源をバックライト光源とする液晶表示装置用偏光板。
項10.
偏光子保護フィルムが、紫外線硬化型、電子線硬化型又は熱硬化型の接着剤を介して偏光子に積層されている、項9に記載の液晶表示装置用偏光板。
項11.
バックライト光源が連続的な発光スペクトルを有する白色光源であり、項9又は10に記載の偏光板を有する、液晶表示装置。
項12.
液晶に対して射出光側に配される偏光板が項9又は10に記載の偏光板である、項11に記載の液晶表示装置。
項13.
前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、項11又は12に記載の液晶表示装置。
本発明の液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルムは、いずれの観察角度においても、顕著な虹状の色斑が見られない良好な視認性を有する。また、本発明の偏光子保護フィルムは、その塗布層上にハードコート層を積層した際の外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性に優れ、かつハードコート層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れる。好適な一実施形態において、本発明の偏光子保護フィルムは、薄膜化に適した機械的強度を備えている。
一般に、液晶パネルは、バックライト光源側から画像を表示する側(視認側又は射出光側)に向かう順に、後面モジュール、液晶セルおよび前面モジュールを有する。後面モジュールおよび前面モジュールは、一般に、透明基板と、その液晶セル側表面に形成された透明導電膜と、その反対側に配置された偏光板とから構成されている。ここで、偏光板は、後面モジュールでは、バックライト光源側に配置され、前面モジュールでは、画像を表示する側(視認側又は射出光側)に配置されている。
本発明の液晶表示装置は少なくとも、バックライト光源と、2つの偏光板の間に配された液晶セルとを構成部材とする。また、これら以外の他の構成、例えばカラーフィルター、レンズフィルム、拡散シート、反射防止フィルムなどを適宜有しても構わない。
バックライト光源の構成としては、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式であっても、直下型方式であっても構わないが、本発明では、液晶表示装置のバックライト光源として連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を用いることが好ましい。ここで、連続的で幅広い発光スペクトルとは、少なくとも450nm〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領域において光の強度がゼロになる波長が存在しない発光スペクトルを意味する。このような連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源としては、例えば、白色発光ダイオード(白色LED)を挙げることができる。白色LEDには
、蛍光体方式、すなわち化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子や、有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等が含まれる。蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体やテルビウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体等がある。白色LEDの中でも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有しているとともに発光効率にも優れるため、本発明のバックライト光源として好適である。また、本発明の方法は、消費電力の小さい白色LED等の光源を使用することで省エネルギー化にも有効である。
、蛍光体方式、すなわち化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子や、有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等が含まれる。蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体やテルビウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体等がある。白色LEDの中でも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有しているとともに発光効率にも優れるため、本発明のバックライト光源として好適である。また、本発明の方法は、消費電力の小さい白色LED等の光源を使用することで省エネルギー化にも有効である。
従来からバックライト光源として広く用いられている冷陰極管や熱陰極管等の蛍光管は、発光スペクトルが特定波長にピークを有する不連続な発光スペクトルしか有していないことから、上記のような本発明の効果を得ることは困難である。
偏光板は、PVAなどにヨウ素を染着させた偏光子の両側を2枚の偏光子保護フィルムで挟んだ構成を有するが、本発明では、偏光板を構成する偏光子保護フィルムの少なくとも一つとして、特定範囲のリタデーションを有するポリエステルフィルムを用いることを特徴とする。
上記態様により虹状の色斑の発生が抑制される機構としては、次のように考えている。偏光子の片側に複屈折性を有するポリエステルフィルムを配した場合、偏光子から出射した直線偏光はポリエステルフィルムを通過する際に乱れが生じる。透過した光はポリエステルフィルムの複屈折と厚さの積であるリタデーションに特有の干渉色を示す。そのため、光源として冷陰極管や熱陰極管など不連続な発光スペクトルを用いると、波長によって異なる透過光強度を示し、虹状の色斑が生じる(参照:第15回マイクロオプティカルカンファレンス予稿集、第30〜31項)。
これに対して、白色発光ダイオードでは、通常、少なくとも450nm〜650nmの波長領域、好ましくは可視光領域において連続的で幅広い発光スペクトルを有する。そして、複屈折体を透過した透過光による干渉色スペクトルは包絡線形状となるため、ポリエステルフィルムのリタデーションを制御することで、光源の発光スペクトルと相似なスペクトルを得ることが可能となる。このように、光源の発光スペクトルと複屈折体を透過した透過光による干渉色スペクトルの包絡線形状とを相似形とすることで、虹状の色斑が発生せずに、視認性が顕著に改善すると考えられる。
以上の原理から、本発明では幅広い発光スペクトルを有する白色発光ダイオードを光源に用いることで、比較的簡便な構成のみで透過光のスペクトルの包絡線形状を光源の発光スペクトルに近似させ、結果として液晶ディスプレイ上の虹斑を抑制することが可能になると考えられる。
(ポリエステルフィルム:基材フィルム)
本発明の偏光子保護フィルムの基材フィルムとして用いられるポリエステルフィルムは、3000〜30000nmのリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムであることが好ましい。リタデーションが3000nm未満では、偏光子保護フィルムとして用いた場合、斜め方向から観察した時に強い干渉色を呈するため、包絡線形状が光源の発光スペクトルと相違し、良好な視認性を確保することができない。好ましいリタデーションの下限値は4500nm以上、次に好ましくは5000nm以上、より好ましくは6000nm以上、更に好ましくは8000nm以上、より更に好ましくは10000nm以上である。
本発明の偏光子保護フィルムの基材フィルムとして用いられるポリエステルフィルムは、3000〜30000nmのリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムであることが好ましい。リタデーションが3000nm未満では、偏光子保護フィルムとして用いた場合、斜め方向から観察した時に強い干渉色を呈するため、包絡線形状が光源の発光スペクトルと相違し、良好な視認性を確保することができない。好ましいリタデーションの下限値は4500nm以上、次に好ましくは5000nm以上、より好ましくは6000nm以上、更に好ましくは8000nm以上、より更に好ましくは10000nm以上である。
一方、リタデーションの上限は30000nmである。それ以上のリタデーションを有するポリエステルフィルムを用いたとしても更なる視認性の改善効果は実質的に得られないばかりか、フィルムの厚みも相当に厚くなり、工業材料としての取り扱い性が低下するので好ましくない。
ポリエステルフィルムのリタデーションは、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることもできるし、KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社)等の市販の自動複屈折測定装置を用いて求めることもできる。本書において、リタデーションとは面内のリタデーションを意味する。
本発明では、偏光子保護フィルムの少なくとも一つが上記特定のリタデーションを有する偏光子保護フィルムであることを特徴とする。当該特定のリタデーションを有する偏光子保護フィルムの配置は特に限定されないが、液晶表示装置の入射光側に配される偏光板
の入射光側の偏光子保護フィルム、もしくは射出光側に配される偏光板の射出光側の偏光子保護フィルムが当該特定のリタデーションを有するポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムであることが好ましい。特に好ましい態様は、射出光側に配される偏光板の射出光側の偏光子保護フィルムを当該特定のリタデーションを有するポリエステルフィルムとする態様である。上記以外の位置にポリエステルフィルムを配する場合は、液晶セルの偏光特性を変化させてしまう場合がある。
の入射光側の偏光子保護フィルム、もしくは射出光側に配される偏光板の射出光側の偏光子保護フィルムが当該特定のリタデーションを有するポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムであることが好ましい。特に好ましい態様は、射出光側に配される偏光板の射出光側の偏光子保護フィルムを当該特定のリタデーションを有するポリエステルフィルムとする態様である。上記以外の位置にポリエステルフィルムを配する場合は、液晶セルの偏光特性を変化させてしまう場合がある。
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)などにヨウ素を染着させた偏光子の両側を2枚の偏光子保護フィルムで挟んだ構造を有し、いずれかの偏光子保護フィルムが上記特定のリタデーションを有する偏光板保護フィルムであることを特徴とする。他方の偏光子保護フィルムには、TACフィルムやアクリルフィルム、ノルボルネン系フィルムに代表されるような複屈折が無いフィルムを用いることが好ましい。
ポリエステルフィルムは、ジカルボン酸とジオールとを縮合させて得ることができる。ポリエステルフィルムの製造に使用可能なジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等が挙げられる。
ポリエステルフィルムの製造に使用可能なジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
ポリエステルフィルムを構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いても良い。ポリエステルフィルムを構成する具体的なポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートである。これらの樹脂は透明性に優れるとともに、熱的、機械的特性にも優れており、延伸加工によって容易にリタデーションを制御することができる。特に、ポリエチレンテレフタレートは固有複屈折が大きく、フィルムの厚みが薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られるので、最も好適な素材である。
また、ヨウ素色素などの光学機能性色素の劣化を抑制するために、本発明の保護フィルムは、波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。380nmの光線透過率は15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。前記光線透過率が20%以下であれば、光学機能性色素の紫外線による変質を抑制することができる。なお、本発明における透過率は、フィルムの平面に対して垂直方法に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U−3500型)を用いて測定することができる。
本発明の保護フィルムの波長380nmの透過率を20%以下にすることは、フィルム中に紫外線吸収剤を添加すること、紫外線吸収剤を含有した塗布液をフィルム表面に塗布すること、紫外線吸収剤の種類、濃度、及びフィルムの厚みを適宜調節すること等によって達成できるが望ましい。本発明で使用される紫外線吸収剤は公知の物質である。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性の観点から有機系紫外線吸収剤が好ましい。
有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、環状イミノエステル系等、及びその組み合わせが挙げられるが本発明の規定する吸光度の範囲であれば特に限定されない。耐久性の観点からはベンゾトアゾール系、環状イミノエステル系が特に好ましい。2種以上の紫外線吸収剤を併用した場合には、別々の波長の紫外線を同時に吸収させることができるので、より紫外線吸収効果を改善することができる。ポリエステルフィルムに紫外線吸収剤を配合する場合、ポリエステルフィルムを3層以上の構成とし、その最外層以外の層(即ち、中間層)に紫外線吸収剤を配合することが好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びアクリロニトリル系紫外線吸収剤としては、例えば、2−[2'−ヒドロキシ−5' −(メタクリロ
イルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'
,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(
5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5
−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,2'−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールなどが挙げられる。環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンなどが挙げられる。しかし特にこれらに限定されるものではない。
イルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'
,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(
5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5
−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,2'−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールなどが挙げられる。環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンなどが挙げられる。しかし特にこれらに限定されるものではない。
また、紫外線吸収剤以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を含有させることも好ましい様態である。添加剤として、例えば、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためにはポリエステルフィルムに実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に重量で50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
(塗布層)
本発明の偏光子保護フィルムは、少なくともその片面に、水性ポリエステル樹脂(A)と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、及び水溶性のジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される少なくとも1種(B)とを主たる構成成分とする樹脂組成物からなる塗布層を有する。当該組成物は、(A)/(B)の混合比(質量比)が10/90〜95/5であることが好ましい。
本発明の偏光子保護フィルムは、少なくともその片面に、水性ポリエステル樹脂(A)と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、及び水溶性のジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される少なくとも1種(B)とを主たる構成成分とする樹脂組成物からなる塗布層を有する。当該組成物は、(A)/(B)の混合比(質量比)が10/90〜95/5であることが好ましい。
この樹脂組成物は基材フィルムの延伸工程中の熱で加熱することにより、チタンキレート化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、又はジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)が、ポリエステル樹脂との架橋反応により均一な膜を生成する。すなわち、前記の金属キレート化合物または金属アシレート化合物は加熱処理することにより分解するため、塗布層中には塗布液に添加した状態では存在しない。
そこで、熱処理後の塗布層中の金属元素(TiまたはZr)の含有量から、塗布液中の金属キレート化合物または金属アシレート化合物の含有量は、以下のように算出する。
(1)まず、塗布層中のキレートまたはアシレートの残渣から塗布液中に含有させたキレートまたはアシレートの種類を同定する。
(2)次いで、塗布層中の金属元素(TiまたはZr)の含有量から、塗布液中の前記の金属キレート化合物または金属アシレート化合物の含有量を算出する。
(1)まず、塗布層中のキレートまたはアシレートの残渣から塗布液中に含有させたキレートまたはアシレートの種類を同定する。
(2)次いで、塗布層中の金属元素(TiまたはZr)の含有量から、塗布液中の前記の金属キレート化合物または金属アシレート化合物の含有量を算出する。
塗布層の屈折率は、チタンキレート化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、またはジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)の組成比を大きくすることにより、ポリエステル樹脂(A)単独の場合よりも高くすることができる。
塗布層の屈折率を高くすることは、金属微粒子を含有させることでも達成することができるが、金属微粒子を含有させることにより塗布層の延伸性およびハードコート層と基材フィルム間の密着性は低下する。
本発明で使用するポリエステル樹脂(A)は、その分子鎖に水酸基やカルボキシル基等の活性部位を導入してもよいが、特に導入しなくとも高温でエステル結合部位が可逆反応を起こすため、任意の場所で架橋反応が起こり、結果として緻密な膜が得られる。
また、アクリル樹脂で同様な架橋性を持たせるためには、架橋性官能基を導入する必要がある。しかしながら、アクリル樹脂自体の屈折率が低いために、チタンキレート化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、またはジルコニウムアシレート化合物を併用しても、本発明の塗布層と同様な屈折率に制御することは困難である。
さらに、塗布層の構成成分であるポリエステル樹脂(A)は、基材ポリエステルフィルムとの密着性に関与する。即ち、水性ポリエステル樹脂(A)と前記化合物(B)との組成比(A/B)が質量換算で10/90未満の場合、基材フィルムとの密着性が低下し、かつ塗布層としての延伸性が低下し、延伸時に均一にならない。そのため、光学用途に必要な透明性が低下し、塗布層の上に形成させるハードコート層との密着性が問題となる。
一方、水性ポリエステル樹脂(A)と前記化合物(B)との組成比(A/B)が質量換算で95/5を越える場合、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物(B)による架橋が乏しくなるとともに、屈折率も低下する。そのため、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)が低下し、かつ蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となる。
本発明の水性ポリエステル樹脂(A)とは、水又は水溶性の有機溶剤(例えば、アルコール、アルキルセロソルブ、ケトン系、エーテル系を50質量%未満含む水溶液)に対して溶解又は分散することが可能なポリエステル樹脂を意味する。ポリエステル樹脂に水性を付与することは、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、エーテル基等の親水性基をポリエステル樹脂の分子鎖に導入することで可能である。前記の親水性基のなかでも、塗膜物性及び密着性の点からスルホン酸基が好ましい。
スルホン酸基をポリエステルに導入する場合、スルホン酸化合物は、ポリエステルの全酸成分中のうち、1〜10モル%とすることがより好ましい。スルホン酸基量が1モル%未満の場合、ポリエステル樹脂が水性を示さなくなり、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)との相溶性も低下するため、均一かつ透明な塗布層が得られにくくなる。また、スルホン酸基量が10モル%を超える場合には、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に劣り易くなる。
さらに、前記の水性ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は40℃以上であることが好ましい。そのため、ポリエステル樹脂(A)の酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系を主成分とすることが好ましい。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロパングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の比較的炭素数の少ないグリコール、またはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の芳香族系が好ましい。また、ポリエステル樹脂(A)の原料として、ビフェニル等の剛直な成分、又は臭素、イオウ等の屈折率の高い原子を有するジカルボン酸成分又はジオール成分をフィルムの物性が低下しない範囲で使用してもよい。ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が40℃未満であると、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)が不十分となりやすくなる。さらに、ポリエステル樹脂(A)の屈折率も低下するために塗布層の屈折率も低下する。その結果、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制が不十分となり易くなる。
塗布層の他の主成分は、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、又は水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)である。前記の水溶性とは、水又は水溶性の有機溶剤を50質量%未満含む水溶液に対して溶解することを意味する。
水溶性のチタンキレート化合物としては、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンのアンモニウム塩、チタンベロキソクエン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
また、水溶性のチタンアシレート化合物としては、オキソチタンビス(モノアンモニウムオキサレート)等が、また水溶性のジルコニウム化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムアセテート等が挙げられる。
前記の塗布層には、前記の主成分以外の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコールなどのビニル樹脂、を本発明の効果に影響を与えない範囲で併用してもかまわない。また、架橋剤の併用も本発明の効果に影響を与えない範囲で特に限定されない。使用できる架橋剤としては、尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどとホルムアルデヒドとの付加物、これらの付加物と炭素原子数が1〜6のアルコールからなるアルキルエーテル化合物などのアミノ樹脂、多官能性エポキシ化合物、多官能性イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、多官能性アジリジン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
本発明において、塗布層形成のために使用する塗布液は、水性ポリエステル樹脂(A)と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、及び水溶性のジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される少なくとも1種(B)と、水系溶剤から主としてなる水系塗布液である。上記水系塗布液をポリエステルフィルム表面に塗布する際には、フィルムへの濡れ性を向上させ、
塗布液を均一にコートするために、公知のアニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を適量添加することが好ましい。
塗布液を均一にコートするために、公知のアニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を適量添加することが好ましい。
また、水系塗布液中には、ハンドリング性、帯電防止性、抗菌性など、他の機能性をフィルムに付与するために、無機及び/または耐熱性高分子粒子、帯電防止剤、紫外線吸収剤、有機潤滑剤、抗菌剤、光酸化触媒などの添加剤を含有させることができる。
塗布液に用いる溶剤は、水以外にエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類を、全塗布液に対し50質量%未満の範囲で混合しても良い。さらに、10質量%未満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範囲で混合してもよい。但し、塗布液中のアルコール類とその他の有機溶剤との合計量は、50質量%未満とすることが好ましい。
好適な一実施形態において、偏光子保護フィルムは、前記塗布層の少なくとも片面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を有する。
電子線または紫外線により硬化する樹脂として、アクリレート系の官能基を有するものであり、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を含有するものが使用できる。
紫外線硬化型樹脂の場合には、前記の樹脂中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチラウムモノサルファイド、チオキサントン類、また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
このフィルム製造工程の任意の段階で、ポリエステルフィルム(例えば、PETフィルム)の少なくとも片面に、前記の水系塗布液を塗布する。水系塗布液中の樹脂組成物の固形分濃度は、2〜35質量%であることが好ましく、特に好ましくは4〜15質量%である。
この水系塗布液をPETフィルムに塗布するための方法は、公知の任意の方法を用いることができる。例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、などが挙げられ、これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて塗工する。
本発明においては、塗布層は、未延伸あるいは一軸延伸後のPETフィルムに前記水系塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を行って形成させることが好ましい。前記塗布液が塗布されたフィルムは、横延伸及び熱処理のためにテ
ンターに導かれ、加熱される。その際、キレート化合物またはアシレート化合物は、熱架橋反応により安定な架橋塗布層を形成することができる。それに対して、二軸延伸PETフィルムに前記塗布液を塗布、乾燥させて得た塗布層の場合には、熱処理による基材フィルムの透明性の悪化、物性の変動を小さくするため、熱量を抑制せざるを得ない。そのため、熱架橋反応を行うのに熱量が不足し、均一な架橋塗布層を形成することができない。
ンターに導かれ、加熱される。その際、キレート化合物またはアシレート化合物は、熱架橋反応により安定な架橋塗布層を形成することができる。それに対して、二軸延伸PETフィルムに前記塗布液を塗布、乾燥させて得た塗布層の場合には、熱処理による基材フィルムの透明性の悪化、物性の変動を小さくするため、熱量を抑制せざるを得ない。そのため、熱架橋反応を行うのに熱量が不足し、均一な架橋塗布層を形成することができない。
本発明において、最終的に得られる塗布層の塗布量は、0.02〜0.5g/m2 であることが好ましい。塗布層の塗布量が0.02g/m2 未満であると、接着性に対する効果がほとんどなくなるばかりでなく、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。一方、塗布量が0.5g/m2 を越える場合も、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。
(ハードコート層が積層された偏光子保護フィルムの製造)
偏光子保護フィルムの少なくとも片面の塗布層に、ハードコート層を積層して用いることができる。ハードコート層は特に限定されないが、乾燥、熱、化学反応、もしくは電子線、放射線、紫外線のいずれかを照射することによって重合、および/または反応する樹
脂化合物を用いることができる。このような硬化性樹脂としては、メラミン系、アクリル系、シリコン系、ポリビニルアルコール系の硬化性樹脂が挙げられる。これらのハードコート層は、前記の電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂を含むハードコート層形成用塗布液を塗布して得ることができる。塗布液は特に希釈する必要はないが、塗布液の粘度、濡れ性、塗布層の厚み等に応じて、有機溶剤により希釈してもよい。ハードコート層は、前記の偏光子保護フィルムの少なくとも片面の塗布層上にハードコート層形成用塗布液を塗布後、必要に応じて乾燥させた後、硬化型樹脂の硬化条件に合わせて、電子線または紫外線を照射し、及び加熱することにより塗布層を硬化させることにより、ハードコート層を形成する。
偏光子保護フィルムの少なくとも片面の塗布層に、ハードコート層を積層して用いることができる。ハードコート層は特に限定されないが、乾燥、熱、化学反応、もしくは電子線、放射線、紫外線のいずれかを照射することによって重合、および/または反応する樹
脂化合物を用いることができる。このような硬化性樹脂としては、メラミン系、アクリル系、シリコン系、ポリビニルアルコール系の硬化性樹脂が挙げられる。これらのハードコート層は、前記の電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂を含むハードコート層形成用塗布液を塗布して得ることができる。塗布液は特に希釈する必要はないが、塗布液の粘度、濡れ性、塗布層の厚み等に応じて、有機溶剤により希釈してもよい。ハードコート層は、前記の偏光子保護フィルムの少なくとも片面の塗布層上にハードコート層形成用塗布液を塗布後、必要に応じて乾燥させた後、硬化型樹脂の硬化条件に合わせて、電子線または紫外線を照射し、及び加熱することにより塗布層を硬化させることにより、ハードコート層を形成する。
本発明において、ハードコート層の厚みは、1〜15μmであることが好ましい。ハードコート層の厚みが1μm未満であると、ハードコート層としての耐薬品性、耐擦傷性、防汚性等に対する効果が殆どなくなる。一方、厚みが15μmを越えるとハードコート層のフレキシブル性が低下し、亀裂等が発生する可能性が増加する。
本発明で得られたハードコート層が積層された偏光子保護フィルムは、特にさらにハードコート層の上に反射防止層を形成することにより、良好な反射防止フィルムとすることができる。このような反射防止層の形成には、高屈折率のZnO、TiO2 、CeO2 、SnO2 、ZrO2 等または低屈折率のMgF2 、SiO2 等の無機質材料や、金属材料を単層または多層設けることにより行われる。これらの層は、蒸着、スパッタリング、プラズマCVD等か、高屈折率または低屈折率の無機質材料や金属材料等を含有する樹脂組成物からなる塗布層を、単層または多層で形成される。
上記のハードコート層は、外光を散乱させる防眩機能(アンチグレア機能)を有していてもよい。防眩機能(アンチグレア機能)は、ハードコート層の表面に凹凸を形成させることにより得られる。このとき、フィルムのヘーズは、2〜50%であえることが好ましく、より好ましくは2〜40%、特に好ましくは2〜30%である。
本発明に用いられる塗布層(水性ポリエステル樹脂(A)と水溶性チタンキレート化合物、水溶性チタンアシレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物、及び水溶性ジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される1種以上(B)とを主たる構成成分とする水系塗布液から形成される塗布層)は、ハードコート層だけでなく、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層又は帯電防止層等との接着性にも優れる。これらの層も、乾燥、熱、化学反応、もしくは電子線、放射線、紫外線のいずれか
を照射することによって重合、および/または反応する硬化性樹脂からなるものが多数であるからである。LCDやタッチパネル等の外光からの映りこみ防止の観点から、塗布層上
に、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層及び反射防止防眩層からなる群から選択される1種以上の層を積層することも本発明の好ましい態様である。また、帯電防止の観点から帯電防止層を積層することも本発明の好ましい態様である。前記ハードコート層、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層及び帯電防止層のうち、1種のみがポリエステルフィルム上に設けられていてもよく、必要に応じて2種以上を組み合わせて積層されてもよい。例えば、防眩層と帯電防止層の2種を順に積層してもよいし、防眩層に帯電防止機能を付与し、1層で防眩機能及び帯電防止機能を兼ね備える構成であってもよい。これらの層を設けることで偏光板に起因する虹状色斑を軽減する効果も期待できる。なお、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層及び帯電防止層としては、公知のものを使用することができる。帯電防止層としては、公知の帯電防止剤を含有した層である他、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子を含有した層からなるものであってもよい。
を照射することによって重合、および/または反応する硬化性樹脂からなるものが多数であるからである。LCDやタッチパネル等の外光からの映りこみ防止の観点から、塗布層上
に、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層及び反射防止防眩層からなる群から選択される1種以上の層を積層することも本発明の好ましい態様である。また、帯電防止の観点から帯電防止層を積層することも本発明の好ましい態様である。前記ハードコート層、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層及び帯電防止層のうち、1種のみがポリエステルフィルム上に設けられていてもよく、必要に応じて2種以上を組み合わせて積層されてもよい。例えば、防眩層と帯電防止層の2種を順に積層してもよいし、防眩層に帯電防止機能を付与し、1層で防眩機能及び帯電防止機能を兼ね備える構成であってもよい。これらの層を設けることで偏光板に起因する虹状色斑を軽減する効果も期待できる。なお、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層及び帯電防止層としては、公知のものを使用することができる。帯電防止層としては、公知の帯電防止剤を含有した層である他、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子を含有した層からなるものであってもよい。
さらに、本発明のポリエステルフィルムには、偏光子との接着性を良好にするためにコロナ処理、コーティング処理や火炎処理等を施すことも可能である。
(偏光子との易接着層)
本発明の偏光子保護フィルムである配向ポリエステルフィルムは、偏光子との接着性の改良のために、上記塗布層が設けられる面とは反対側の面に、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂またはポリアクリル樹脂の少なくとも1種類を主成分とする易接着層を有することが好ましい。ここで、「主成分」とは易接着層を構成する固形成分のうち50質量%以上である成分をいう。易接着層の形成に用いる塗布液は、水溶性又は水分散性の共重合ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂の内、少なくとも1種を含む水性塗布液が好ましい。これらの塗布液としては、例えば、特許第3567927号公報、特許第3589232号公報、特許第3589233号公報、特許第3900191号公報、特許第4150982号公報等に開示された水溶性又は水分散性共重合ポリエステル樹脂溶液、アクリル樹脂溶液、ポリウレタン樹脂溶液等が挙げられる。
本発明の偏光子保護フィルムである配向ポリエステルフィルムは、偏光子との接着性の改良のために、上記塗布層が設けられる面とは反対側の面に、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂またはポリアクリル樹脂の少なくとも1種類を主成分とする易接着層を有することが好ましい。ここで、「主成分」とは易接着層を構成する固形成分のうち50質量%以上である成分をいう。易接着層の形成に用いる塗布液は、水溶性又は水分散性の共重合ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂の内、少なくとも1種を含む水性塗布液が好ましい。これらの塗布液としては、例えば、特許第3567927号公報、特許第3589232号公報、特許第3589233号公報、特許第3900191号公報、特許第4150982号公報等に開示された水溶性又は水分散性共重合ポリエステル樹脂溶液、アクリル樹脂溶液、ポリウレタン樹脂溶液等が挙げられる。
また、上記態様のほかに、本発明の偏光子保護フィルムの上記塗布層が設けられた面に紫外線硬化型、電子線硬化型、熱硬化型の接着剤を介して偏光子を積層させることも好ましい態様である。前述したとおり、本発明の偏光子保護フィルムの塗布層は硬化性樹脂との接着性に優れ、紫外線硬化型、電子線硬化型、熱硬化型等の接着剤との接着性にも優れるためである。紫外線硬化型、電子線硬化型、熱硬化型の接着剤としては、偏光板の製造で用いる接着剤として従来公知のものを使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、特開2011−219548、特開2011−186481、特開2011−175273、特開2011−127013等で開示された硬化型樹脂を用いることができる。
易接着層は、前記塗布液を未延伸又は縦方向の1軸延伸フィルムの片面または両面に塗布した後、100〜150℃で乾燥し、さらに横方向に延伸して得ることができる。最終的な易接着層の塗布量は、0.05〜0.20g/m2に管理することが好ましい。塗布量が0.05g/m2未満であると、得られる偏光子との接着性が不十分となる場合がある。一方、塗布量が0.20g/m2を超えると、耐ブロッキング性が低下する場合がある。
易接着層には易滑性を付与するために粒子を添加することが好ましい。微粒子の平均粒径は2μm以下であることが好ましい。粒子の平均粒径が2μmを超えると、粒子が易接着層から脱落しやすくなる。易接着層に含有させる粒子としては、例えば、酸化チタン、
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、リン酸カルシウム、雲母、ヘクトライト、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等の無機粒子や、スチレン系、アクリル系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、シリコーン系等の有機ポリマー系粒子等が挙げられる。これらは、単独で易接着層に添加されてもよく、2種以上を組合せて添加することもできる。
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、リン酸カルシウム、雲母、ヘクトライト、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等の無機粒子や、スチレン系、アクリル系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、シリコーン系等の有機ポリマー系粒子等が挙げられる。これらは、単独で易接着層に添加されてもよく、2種以上を組合せて添加することもできる。
また、塗布液を塗布する方法としては、上記の塗布層と同様に公知の方法を用いることができる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、などが挙げられ、これらの方法を単独であるいは組み合わせて行うことができる。
なお、上記の粒子の平均粒径の測定は次の記方法により行うことができる。粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。
本発明の偏光子保護フィルムであるポリエステルフィルムは、一般的なポリエステルフィルムの製造方法に従って製造することができる。例えば、ポリエステル樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルをガラス転移温度以上の温度において、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施す方法が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムは一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであってもかまわないが、二軸延伸フィルムを偏光子保護フィルムとして用いた場合、フィルム面の真上から観察しても虹状の色斑が見られないが、斜め方向から観察した時に虹状の色斑が観察される場合があるので注意が必要である。
この現象は、二軸延伸フィルムが、走行方向、幅方向、厚さ方向で異なる屈折率を有する屈折率楕円体からなり、フィルム内部での光の透過方向によりリタデーションがゼロになる(屈折率楕円体が真円に見える)方向が存在するためである。従って、液晶表示画面を斜め方向の特定の方向から観察すると、リタデーションがゼロになる点を生じる場合があり、その点を中心として虹状の色斑が同心円状に生じることとなる。そして、フィルム面の真上(法線方向)から虹状の色斑が見える位置までの角度をθとすると、この角度θは、フィルム面内の複屈折が大きいほど大きくなり、虹状の色斑は見え難くなる。二軸延伸フィルムでは角度θが小さくなる傾向があるため、一軸延伸フィルムのほうが虹状の色斑は見え難くなり好ましい。
しかしながら、完全な1軸性(1軸対称性)フィルムでは配向方向と直交する方向の機械的強度が著しく低下するので好ましくない。本発明は、実質的に虹状の色斑を生じない範囲、または液晶表示画面に求められる視野角範囲において虹状の色斑を生じない範囲で、2軸性(2軸対称性)を有していることが好ましい。
本発明者等は、保護フィルムの機械的強度を保持しつつ、虹斑の発生を抑制する手段として、保護フィルムのリタデーション(面内リタデーション)と厚さ方向のリタデーション(Rth)との比が特定の範囲に収まるように制御することを見出した。厚さ方向位相差は、フィルムを厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz、△Nyzにそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られる位相差の平均を意味する。面内リタデーションと厚さ方向リタデーションの差が小さいほど、観察角度による複屈折の作用は等方性を増すため、観察角度によるリタデーションの変化が小さくなる。そのため、観察角度による虹状の
色斑が発生し難くなると考えられる。
色斑が発生し難くなると考えられる。
本発明のポリエステルフィルムのリタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)は、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上である。上記リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が大きいほど、複屈折の作用は等方性を増し、観察角度による虹状の色斑の発生が生じ難くなる。そして、完全な1軸性(1軸対称性)フィルムでは上記リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)は2なる。しかし、前述のように完全な1軸性(1軸対称性)フィルムに近づくにつれ配向方向と直交する方向の機械的強度が著しく低下する。
一方、本発明のポリエステルフィルムのリタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)は、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.0以下である。観察角度による虹状の色斑発生を完全に抑制するためには、上記リタデーションと厚さ方向位相差の比(Re/Rth)が2である必要は無く、1.2以下で十分である。また、上記比率が1.0以下であっても、液晶表示装置に求められる視野角特性(左右180°、上下120°程度)を満足することは十分可能である。
本発明のポリエステルフィルムの製膜条件を具体的に説明すると、縦延伸温度、横延伸温度は80〜130℃が好ましく、特に好ましくは90〜120℃である。縦延伸倍率は1.0〜3.5倍が好ましく、特に好ましくは1.0倍〜3.0倍である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、特に好ましくは3.0〜5.5倍である。リタデーションを上記範囲に制御するためには、縦延伸倍率と横延伸倍率の比率を制御することが好ましい。縦横の延伸倍率の差が小さすぎるとリタデーション高くすることが難しくなり好ましくない。また、延伸温度を低く設定することもリタデーションを高くする上では好ましい対応である。続く熱処理においては、処理温度は100〜250℃が好ましく、特に好ましくは180〜245℃である。
リタデーションの変動を抑制する為には、フィルムの厚み斑が小さいことが好ましい。延伸温度、延伸倍率はフィルムの厚み斑に大きな影響を与えることから、厚み斑の観点からも製膜条件の最適化を行う必要がある。特にリタデーションを高くするために縦延伸倍率を低くすると、縦厚み斑の値が高くなることがある。縦厚み斑の値は延伸倍率のある特定の範囲で非常に高くなる領域があることから、この範囲を外したところで製膜条件を設定することが望ましい。
本発明のフィルムの厚み斑は5.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがさらに好ましく、4.0%以下であることがよりさらに好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。フィルムの厚み斑は、任意の手段で測定することが出来るが、例えば、フィルムの流れ方向に連続したテープ状サンプル(長さ3m)を採取し、(株)セイコー・イーエム製電子マイクロメータ(ミリトロン1240)等の測定機を用いて、1cmピッチで100点の厚みを測定し、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出することができる。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
前述のように、フィルムのリタデーションを特定範囲に制御することは、延伸倍率や延伸温度、フィルムの厚みを適宜設定することにより行なうことができる。例えば、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が高いほど、延伸温度が低いほど、フィルムの厚みが厚いほど高いリタデーションを得やすくなる。逆に、縦延伸と横延伸の延伸倍率差が低いほど、延伸温度が高いほど、フィルムの厚みが薄いほど低いリタデーションを得やすくなる。また、延伸温度が高いほど、トータル延伸倍率が低いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーシ
ョンの比(Re/Rth)が低いフィルムが得やすくなる。逆に延伸温度が低いほど、トータル延伸倍率が高いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が高いフィルムが得やすくなる。最終的な製膜条件は、リタデーションの制御に加えて、加工に必要な物性等を勘案して設定する必要がある。
ョンの比(Re/Rth)が低いフィルムが得やすくなる。逆に延伸温度が低いほど、トータル延伸倍率が高いほど、リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が高いフィルムが得やすくなる。最終的な製膜条件は、リタデーションの制御に加えて、加工に必要な物性等を勘案して設定する必要がある。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは任意であるが、15〜300μmの範囲が好ましく、より好ましくは15〜200μmの範囲である。15μmを下回る厚みのフィルムでも、原理的には3000nm以上のリタデーションを得ることは可能である。しかし、その場合にはフィルムの力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下する。特に好ましい厚みの下限は25μmである。一方、偏光子保護フィルムの厚みの上限は、300μmを超えると偏光板の厚みが厚くなりすぎてしまい好ましくない。偏光子保護フィルムとしての実用性の観点からは厚みの上限は200μmが好ましい。特に好ましい厚みの上限は一般的なTACフィルムと同等程度の100μmである。上記厚み範囲においてもリタデーションを本発明の範囲に制御するために、フィルム基材として用いるポリエステルはポリエチレンテレフタレートが好適である。
また、本発明におけるポリエステルフィルムに紫外線吸収剤を配合する方法としては、公知の方法を組み合わせて採用し得るが、例えば予め混練押出機を用い、乾燥させた紫外線吸収剤とポリマー原料とをブレンドしマスターバッチを作製しておき、フィルム製膜時に所定の該マスターバッチとポリマー原料を混合する方法などによって配合することができる。フィルム中に添加する紫外線吸収剤の添加重量は、好ましくは0.3〜1.5%であり、より好ましくは0.4〜1.0%である。
この時マスターバッチの紫外線吸収剤濃度は紫外線吸収剤を均一に分散させ、且つ経済的に配合するために5〜30質量%の濃度にするのが好ましい。マスターバッチを作製する条件としては混練押出機を用い、押し出し温度はポリエステル原料の融点以上、290℃以下の温度で1〜15分間で押し出すのが好ましい。290℃以上では紫外線吸収剤の減量が大きく、また、マスターバッチの粘度低下が大きくなる。滞留時間1分以下では紫外線吸収剤の均一な混合が困難となる。この時、必要に応じて安定剤、色調調整剤、帯電防止剤を添加しても良い。
また、本発明ではフィルムを少なくとも3層以上の多層構造とし、フィルムの中間層に紫外線吸収剤を添加することが好ましい。中間層に紫外線吸収剤を含む3層構造のフィルムは、具体的には次のように作製することができる。外層用としてポリエステルのペレット単独、中間層用として紫外線吸収剤を含有したマスターバッチとポリエステルのペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化して未延伸フィルムを作る。すなわち、2台以上の押出機、3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば、角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、両外層を構成するフィルム層、中間層を構成するフィルム層を積層し、口金から3層のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。なお、発明では、光学欠点の原因となる、原料のポリエステル中に含まれている異物を除去するため、溶融押し出しの際に高精度濾過を行うことが好ましい。溶融樹脂の高精度濾過に用いる濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は、15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μmを超えると、20μm以上の異物の除去が不十分となりやすい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施す
ることも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
ることも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
(1)リタデーション(Re)
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|Nx−Ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性、異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|Nx−Ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性、異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
(2)厚さ方向リタデーション(Rth)
厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|Nx−Nz|)、△Nyz(=|Ny−Nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるリタデーションの平均を示すパラメーターである。リタデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)と(△Nyz×d)との平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|Nx−Nz|)、△Nyz(=|Ny−Nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるリタデーションの平均を示すパラメーターである。リタデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)と(△Nyz×d)との平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
(3)波長380nmにおける光線透過率
分光光度計(日立製作所製、U−3500型)を用い、空気層を標準として各フィルムの波長300〜500nm領域の光線透過率を測定し、波長380nmにおける光線透過率を求めた。
分光光度計(日立製作所製、U−3500型)を用い、空気層を標準として各フィルムの波長300〜500nm領域の光線透過率を測定し、波長380nmにおける光線透過率を求めた。
(4)虹斑観察
PVAとヨウ素からなる偏光子の片側に後述する方法で作成したポリエステルフィルムを偏光子の吸収軸とフィルムの配向主軸が垂直になるように貼り付け、その反対の面にTACフィルム(富士フイルム(株)社製、厚み80μm)を貼り付けて偏光板を作成した。得られた偏光板を、青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色LEDを光源(日亜化学、NSPW500CS)とする液晶表示装置の出射光側にポリエステルフィルムが視認側(又は射出光側)になるように設置した。この液晶表示装置は、液晶セルの入射光側に2枚のTACフィルムを偏光子保護フィルムとする偏光板を有する。液晶表示装置の偏光板の正面、及び斜め方向から目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。なお、比較例3では白色LEDの代わりに冷陰極管を光源とするバックライト光源を用いた。
◎ : いずれの方向からも虹斑の発生無し。
○ : 斜め方向から観察した時に、一部極薄い虹斑が観察できる。
× : 斜め方向から観察した時に、明確に虹斑が観察できる。
PVAとヨウ素からなる偏光子の片側に後述する方法で作成したポリエステルフィルムを偏光子の吸収軸とフィルムの配向主軸が垂直になるように貼り付け、その反対の面にTACフィルム(富士フイルム(株)社製、厚み80μm)を貼り付けて偏光板を作成した。得られた偏光板を、青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色LEDを光源(日亜化学、NSPW500CS)とする液晶表示装置の出射光側にポリエステルフィルムが視認側(又は射出光側)になるように設置した。この液晶表示装置は、液晶セルの入射光側に2枚のTACフィルムを偏光子保護フィルムとする偏光板を有する。液晶表示装置の偏光板の正面、及び斜め方向から目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。なお、比較例3では白色LEDの代わりに冷陰極管を光源とするバックライト光源を用いた。
◎ : いずれの方向からも虹斑の発生無し。
○ : 斜め方向から観察した時に、一部極薄い虹斑が観察できる。
× : 斜め方向から観察した時に、明確に虹斑が観察できる。
(5)引裂き強度
東洋精機製作所製エレメンドルフ引裂試験機を用いて、JIS P−8116に従い、各フィルムの引裂き強度を測定した。引裂き方向はフィルムの配向主軸方向と平行となるように行ない、以下のように判定した。なお、配向軸方向の測定は分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)で測定した。
○:引裂き強度が50mN以上
×:引裂き強度が50mN未満
東洋精機製作所製エレメンドルフ引裂試験機を用いて、JIS P−8116に従い、各フィルムの引裂き強度を測定した。引裂き方向はフィルムの配向主軸方向と平行となるように行ない、以下のように判定した。なお、配向軸方向の測定は分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)で測定した。
○:引裂き強度が50mN以上
×:引裂き強度が50mN未満
(6)ガラス転移温度
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、25〜300℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、25〜300℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
(7)密着性
ハードコート積層偏光子保護フィルムをJIS−K5400の8.5.1の記載に準拠し、ハードコート層と基材フィルムとの密着性を求める。
ハードコート積層偏光子保護フィルムをJIS−K5400の8.5.1の記載に準拠し、ハードコート層と基材フィルムとの密着性を求める。
具体的には、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、ハードコート層を貫通して基材フィルムに達する100個のマス目状の切り傷をハードコート層面につける。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン製、405番;24mm幅)をマス目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に付着させる。その後、垂直にセロハン粘着テープをハードコート積層偏光子保護フィルムのハードコート層面から引き剥がして、ハードコート積層偏光子保護フィルムのハードコート層面から剥がれたマス目の数を目視で数え、下記の式からハードコート層と基材フィルムとの密着性を求める。なお、マス目の中で部分的に剥離しているものも剥がれたマス目として数える。
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
(8)耐湿熱性
前記のハードコート積層偏光子保護フィルムを、高温高湿槽中で60℃、95RH%の環境下500時間放置し、次いで、ハードコート積層偏光子保護フィルムを取りだし、室温で12時間放置した。その後、前記(7)と同様の方法でハードコート層と基材フィルムとの密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%
○:96%以上100%未満
△:80%以上96%未満
×:80%未満
前記のハードコート積層偏光子保護フィルムを、高温高湿槽中で60℃、95RH%の環境下500時間放置し、次いで、ハードコート積層偏光子保護フィルムを取りだし、室温で12時間放置した。その後、前記(7)と同様の方法でハードコート層と基材フィルムとの密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%
○:96%以上100%未満
△:80%以上96%未満
×:80%未満
(9)干渉縞改善性(虹彩状色彩)
前記のハードコート積層偏光子保護フィルムを10cm(フィルム幅方向)×15cm(フィルム長手方向)の面積に切り出し、試料フィルムを作成した。得られた試料フィルムのハードコート層面とは反対面に、黒色光沢テープ(日東電工株式会社製、ビニルテープ No21;黒)を貼り合わせた。この試料フィルムのハードコート面を上面にして、3波長形昼白色(ナショナル パルック、F.L 15EX-N 15W)を光源として、斜め上から目視でもっとも反射が強く見える位置関係(光源からの距離40〜60cm、15〜45°の角度)で観察した。
前記のハードコート積層偏光子保護フィルムを10cm(フィルム幅方向)×15cm(フィルム長手方向)の面積に切り出し、試料フィルムを作成した。得られた試料フィルムのハードコート層面とは反対面に、黒色光沢テープ(日東電工株式会社製、ビニルテープ No21;黒)を貼り合わせた。この試料フィルムのハードコート面を上面にして、3波長形昼白色(ナショナル パルック、F.L 15EX-N 15W)を光源として、斜め上から目視でもっとも反射が強く見える位置関係(光源からの距離40〜60cm、15〜45°の角度)で観察した。
目視で観察した結果を、下記の基準でランク分けをする。なお、観察は該評価に精通した5名で行ない、最も多いランクを評価ランクとする。仮に、2つのランクで同数となった場合には、3つに分かれたランクの中心を採用した。例えば、◎と○が各2名で△が1名の場合は○を、◎が1名で○と△が各2名の場合には○を、◎と△が各2名で○が1名の場合には○を、それぞれ採用する。
◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が見られない
○:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が見られる
△:僅かに虹彩状色彩が観察される
×:はっきりとした虹彩状色彩が観察される
◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が見られない
○:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が見られる
△:僅かに虹彩状色彩が観察される
×:はっきりとした虹彩状色彩が観察される
(製造例1−ポリエステルA)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチ
ル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチ
ル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(A)と略す。)
(製造例2−ポリエステルB)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(A)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を得た。(以後、PET(B)と略す。)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(A)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を得た。(以後、PET(B)と略す。)
(製造例3−偏光子との易接着層形成用塗布液の調製)
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、偏光子との易接着層形成用塗布液を得た。
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、偏光子との易接着層形成用塗布液を得た。
(製造例4−塗布層用ポリエステル樹脂の製造)
撹拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート186質量部、ジメチルイソフタレート186質量部、ジメチル 5−ナトリウムスルホイソフタレート23.7部、ネオペンチルグリコール137質量部、エチレングリコール191質量部、およびテトラ−n−ブチルチタネート0.5質量部を仕込み、160℃から220℃まで、4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、29Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(A−1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。
撹拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート186質量部、ジメチルイソフタレート186質量部、ジメチル 5−ナトリウムスルホイソフタレート23.7部、ネオペンチルグリコール137質量部、エチレングリコール191質量部、およびテトラ−n−ブチルチタネート0.5質量部を仕込み、160℃から220℃まで、4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、29Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(A−1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。
同様の方法で、別の組成の共重合ポリエステル樹脂(A−2、A−3、A−4)を得た。これらの共重合ポリエステル樹脂に対し、NMRで測定した組成および重量平均分子量
の結果を表1に示す。
の結果を表1に示す。
(製造例5−塗布層用ポリエステル樹脂分散液及び塗布液の製造)
撹拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、上記で製造したポリエステル樹脂(A−1)20質量部、エチレングリコールモノブチルエーテル15質量部を入れ、100℃で加熱、撹拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水65質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分20質量%の乳白色のポリエステルの水分散液(B−1)を作成した。同様にポリエステル樹脂(A−1)の代わりにポリエステル樹脂(A−2)〜(A−4)を使用して、水分散液を作成し、それぞれ水分散液(B−2)〜(B−4)とした。
撹拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、上記で製造したポリエステル樹脂(A−1)20質量部、エチレングリコールモノブチルエーテル15質量部を入れ、100℃で加熱、撹拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水65質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分20質量%の乳白色のポリエステルの水分散液(B−1)を作成した。同様にポリエステル樹脂(A−1)の代わりにポリエステル樹脂(A−2)〜(A−4)を使用して、水分散液を作成し、それぞれ水分散液(B−2)〜(B−4)とした。
得られたポリエステル水分散液(B−1)40質量部、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)18質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%
、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−1)と略記する)。
、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−1)と略記する)。
(実施例1)
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(A)を常法により乾燥して押出機1(外層I層および外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(A)を常法により乾燥して押出機1(外層I層および外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
次いで、リバースロール法によりこの未延伸PETフィルムに、片面が上記偏光子との易接着層形成用塗布液、もう一方の面が、上記塗布液(C−1)になるように両面に易接着塗布層を塗布し、80℃で20秒間乾燥した。なお、最終(延伸後)の乾燥後の塗布量が0.15g/m2になるように調整した。
この易接着層を形成した未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に4.0倍に延伸した。乾燥後、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約50μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。
得られた偏光子保護フィルムの塗布液(C−1)で形成した塗布面に、ハードコート剤(大日精化製、セイカビームEXF01(B);固形分100質量%)5質量部にメチルエチルケトン5質量部を加えた溶液を、#8ワイヤバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムを送り速度5m/分で走行させながら、高圧水銀灯を用いて照射エネルギー200mJ/cm2 、照射距離15cmの条件下で、ハードコート層面に紫外線を照射し、厚み3μmのハードコート層を有するハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例2)
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約100μmとすること以外は実施例1と同様にして一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約100μmとすること以外は実施例1と同様にして一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1と同様の方法により作製された未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に1.5倍延伸した後、実施例1と同様の方法で幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約50μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法により作製された未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に1.5倍延伸した後、実施例1と同様の方法で幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約50μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例3と同様の方法で、走行方向に2.0倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約50μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例3と同様の方法で、走行方向に2.0倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約50μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.3倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約75μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.3倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約75μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1と同様の方法で、中間層に紫外線吸収剤を含有するPET樹脂(B)を用いずに、フィルム厚み50μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムは虹状の色斑は解消されたが、380nmの光線透過率が高く、光学機
能性色素を劣化させる懸念がある。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で、中間層に紫外線吸収剤を含有するPET樹脂(B)を用いずに、フィルム厚み50μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムは虹状の色斑は解消されたが、380nmの光線透過率が高く、光学機
能性色素を劣化させる懸念がある。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例3と同様の方法で、走行方向に4.0倍、幅方向に1.0倍延伸して、フィルム厚み約100μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはReが3000nm以上で視認性は良好であるが、機械強度はやや劣っていた。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例3と同様の方法で、走行方向に4.0倍、幅方向に1.0倍延伸して、フィルム厚み約100μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはReが3000nm以上で視認性は良好であるが、機械強度はやや劣っていた。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.5倍、幅方向に3.7倍延伸して、フィルム厚み約250μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはReが4500nm以上であるが、Re/Rth比が0.2を下回ったため、斜め方向での極薄い虹斑が認められた。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.5倍、幅方向に3.7倍延伸して、フィルム厚み約250μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはReが4500nm以上であるが、Re/Rth比が0.2を下回ったため、斜め方向での極薄い虹斑が認められた。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1と同様の方法で、走行方向に1.0倍、幅方向に3.5倍延伸して、フィルム厚み約75μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で、走行方向に1.0倍、幅方向に3.5倍延伸して、フィルム厚み約75μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約275μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約275μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例11)
ポリエステル水分散液(B−2)48質量部、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)15質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイ
ダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−2)と略記する)。この塗布液(C−2)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ポリエステル水分散液(B−2)48質量部、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)15質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイ
ダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−2)と略記する)。この塗布液(C−2)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例12)
ポリエステル水分散液(B−3)12質量部、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタンの80質量%溶液(松本製薬(株)製、TC400)17質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に
対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製
した(以下、塗布液(C−3)と略記する)。この塗布液(C−3)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ポリエステル水分散液(B−3)12質量部、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタンの80質量%溶液(松本製薬(株)製、TC400)17質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に
対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製
した(以下、塗布液(C−3)と略記する)。この塗布液(C−3)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例13)
ポリエステル水分散液(B−4)24質量部、ジイソプロポキシビス(アセチルアセナト)チタンの11質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6F
パウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−4)と略記する)。この塗布液(C−4)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ポリエステル水分散液(B−4)24質量部、ジイソプロポキシビス(アセチルアセナト)チタンの11質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6F
パウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−4)と略記する)。この塗布液(C−4)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例14)
ポリエステル水分散液(B−4)32質量部、ジルコニウムアセテート10質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液
に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−5)と略記する)。この塗布液(C−5)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ポリエステル水分散液(B−4)32質量部、ジルコニウムアセテート10質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液
に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−5)と略記する)。この塗布液(C−5)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例15)
液晶表示装置の光源を有機発光ダイオード(OLED)として虹斑観察を行ったこと、及びハードコート層に粒子を添加して表面に凹凸を付与して防眩層に変えて評価を行ったこと以外は、実施例1と同様にした。
液晶表示装置の光源を有機発光ダイオード(OLED)として虹斑観察を行ったこと、及びハードコート層に粒子を添加して表面に凹凸を付与して防眩層に変えて評価を行ったこと以外は、実施例1と同様にした。
(比較例1)
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.6倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約38μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはリタデーションが低く、斜め方向から観察した時に虹状の色斑が観察された。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.6倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約38μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはリタデーションが低く、斜め方向から観察した時に虹状の色斑が観察された。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約10μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムは非常に裂けやすく、コシ感が無いので偏光子保護フィルムとして用いることが出来なかった。また、リタデーションも低く、虹状の色斑が観察された。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約10μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムは非常に裂けやすく、コシ感が無いので偏光子保護フィルムとして用いることが出来なかった。また、リタデーションも低く、虹状の色斑が観察された。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
液晶表示装置の光源を冷陰極管として虹斑観察を行った以外は、実施例1と同様にした
。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
液晶表示装置の光源を冷陰極管として虹斑観察を行った以外は、実施例1と同様にした
。得られた偏光子保護フィルムに、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリエステル水分散液(B−1)80質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダルシリカ微
粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−6)と略記する)。この塗布液(C−6)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ポリエステル水分散液(B−1)80質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダルシリカ微
粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−6)と略記する)。この塗布液(C−6)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例5)
ポリエステル水分散液(B−1)64質量部、ブロックイソシアネート基を有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製、エラストロンH−3)10質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製、Cat64)1質量部、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロ
イダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−7)と略記する)。この塗布液(C−7)を用いた以外は実施例1と同様にして、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ポリエステル水分散液(B−1)64質量部、ブロックイソシアネート基を有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製、エラストロンH−3)10質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製、Cat64)1質量部、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロ
イダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−7)と略記する)。この塗布液(C−7)を用いた以外は実施例1と同様にして、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例6)
ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)40質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)
をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−8)と略記する)。この塗布液(C−8)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)40質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)
をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−8)と略記する)。この塗布液(C−8)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例7)
ポリエステル水分散液(B−2)32質量部、ブロックイソシアネート基を有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製、エラストロンH−3)5質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製、Cat64)0.5質量部、酸化ニオブゾル10質量%水溶液(多木化学(株)製、SAM−0)64質量部、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダ
ルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−9)と略記する)。この塗布液(C−9)を用いた以外は実施例1と同様にして、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
ポリエステル水分散液(B−2)32質量部、ブロックイソシアネート基を有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製、エラストロンH−3)5質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製、Cat64)0.5質量部、酸化ニオブゾル10質量%水溶液(多木化学(株)製、SAM−0)64質量部、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダ
ルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−9)と略記する)。この塗布液(C−9)を用いた以外は実施例1と同様にして、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例8)
固形分濃度20質量%のアクリル樹脂エマルジョン(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=60/40/2/4;質量比)80質量部、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン3.2質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布
液に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−10)と略記する)。この塗布液(C−10)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設けハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
固形分濃度20質量%のアクリル樹脂エマルジョン(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=60/40/2/4;質量比)80質量部、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン3.2質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)をそれぞれ塗布
液に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−10)と略記する)。この塗布液(C−10)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設けハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例9)
固形分濃度20質量%のアクリル樹脂エマルジョン(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=25/75/4/2:質量比)48質量部、チタン変性水性樹脂(松本製薬(株)製、オルガチックスWS680)6.4質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)を
それぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−11)と略記する)。この塗布液(C−11)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設けハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
固形分濃度20質量%のアクリル樹脂エマルジョン(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=25/75/4/2:質量比)48質量部、チタン変性水性樹脂(松本製薬(株)製、オルガチックスWS680)6.4質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)を
それぞれ塗布液に対し1質量%、コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−11)と略記する)。この塗布液(C−11)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、塗布層を有する一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設けハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例10)
塗布層形成用塗布液を用いない以外は実施例1と同様にして未コートの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。この偏光子保護フィルムの片面に、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
塗布層形成用塗布液を用いない以外は実施例1と同様にして未コートの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。この偏光子保護フィルムの片面に、実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート積層偏光子保護フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例11)
電子顕微鏡で観察した粒子径(幅/長さ)が0.01−0.02μm/0.05−0.1μmである、酸化チタン超微粒子(石原産業製、TTO−S−1)10質量部に水90質量部を加えて、分散器(AUTO CELL MASTER CM−200)で5000rpm、30分間分散し、濃度が10質量%の酸化チタン粒子の水分散液Aを作成した。次いで、ポリエステル水分散液(B−4)30質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)を塗布液に対し1質量%添加し、ポリエステルの水性分散液Bを調整した。前記で調整した酸化チタン粒子の水分散液Aを、ポリエステルの水性分散液Bに対し30質量部添加し、塗布液を調整した。しかしながら、前記塗布液中で酸化チタン微粒子がゲル状になって沈降したため、基材フィルムへの塗布を止めた。
電子顕微鏡で観察した粒子径(幅/長さ)が0.01−0.02μm/0.05−0.1μmである、酸化チタン超微粒子(石原産業製、TTO−S−1)10質量部に水90質量部を加えて、分散器(AUTO CELL MASTER CM−200)で5000rpm、30分間分散し、濃度が10質量%の酸化チタン粒子の水分散液Aを作成した。次いで、ポリエステル水分散液(B−4)30質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー)を塗布液に対し1質量%添加し、ポリエステルの水性分散液Bを調整した。前記で調整した酸化チタン粒子の水分散液Aを、ポリエステルの水性分散液Bに対し30質量部添加し、塗布液を調整した。しかしながら、前記塗布液中で酸化チタン微粒子がゲル状になって沈降したため、基材フィルムへの塗布を止めた。
Claims (1)
- ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、及びポリエチレンナフタレートフィルムから成る群より選択され、リタデーションが3000〜30000nmであるフィルムの少なくとも片面に、水性ポリエステル樹脂(A)と水溶性チタンキレート化合物、水溶性チタンアシレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物、及び水溶性ジルコニウムアシレート化合物から成る群より選択される1種以上(B)とを主たる構成成分とする水系塗布液から形成される塗布層が積層された偏光子保護フィルムが偏光子の少なくとも片側に積層された偏光板、及び、連続的な発光スペクトルを有する白色光源を備えた液晶表示装置。
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