JP2017133936A - 衝撃弾性波法に用いる打撃装置 - Google Patents

衝撃弾性波法に用いる打撃装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017133936A
JP2017133936A JP2016013955A JP2016013955A JP2017133936A JP 2017133936 A JP2017133936 A JP 2017133936A JP 2016013955 A JP2016013955 A JP 2016013955A JP 2016013955 A JP2016013955 A JP 2016013955A JP 2017133936 A JP2017133936 A JP 2017133936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
elastic wave
steel ball
frequency
end surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016013955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6688619B2 (ja
Inventor
正道 手塚
Masamichi Tezuka
正道 手塚
聖晃 安田
Masaaki Yasuda
聖晃 安田
健太郎 山下
Kentaro Yamashita
健太郎 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyokeisoku Res Co Ltd
Toyokeisoku Research Co Ltd
Oriental Shiraishi Corp
Original Assignee
Toyokeisoku Res Co Ltd
Toyokeisoku Research Co Ltd
Oriental Shiraishi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyokeisoku Res Co Ltd, Toyokeisoku Research Co Ltd, Oriental Shiraishi Corp filed Critical Toyokeisoku Res Co Ltd
Priority to JP2016013955A priority Critical patent/JP6688619B2/ja
Publication of JP2017133936A publication Critical patent/JP2017133936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6688619B2 publication Critical patent/JP6688619B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】衝撃弾性波法に用いる打撃装置に関して、検査対象物(主としてコンクリート)の状態の影響を受けることなく、一定の周波数の弾性波を安定的に検査対象物に与えられるようにした打撃装置を提供する。【解決手段】全長に亘り一定の断面積で製作された所定長さの鋼棒であって、検査対象物に衝突させる先端面10aは球冠状を成し、上端面10bは平面状を成しているプランジャー10と、前記プランジャー10の上端面に衝突させる所定径の鋼球11とからなる。前記プランジャー10によって検査対象物に与える弾性波の周波数f(Hz)と、前記プランジャーの長さL(m)とは、f=Cp(鋼棒の縦弾性波速度)/2Lの関係式に基づいて決定する。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートなどの内部に存在する欠陥等を非破壊で検査するための衝撃弾性波法に用いる打撃装置に関する。
従来より、建築又は土木コンクリート構造物等では、経年変化によって表面剥離や表面劣化が発生し、このコンクリート部分が剥落を起こして大事故に至ることが問題となっている。
このような事故を起こさないためには、定期的な維持管理において、構造物を壊さずに内部欠陥の有無を調査することが重要となっている。現在、コンクリートの内部欠陥を非破壊で検査するための手法の一つとして、衝撃弾性波法が知られている。国土交通省においても、「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領」(平成24年3月)を発表し、衝撃弾性波法によるコンクリート構造物の非破壊調査を推進している。
これまでに前記衝撃弾性波法によるコンクリートの内部欠陥の調査方法が幾つか提案されている。
例えば、下記特許文献1では、健全性診断装置はコンクリート系構造物の表面に衝撃を与える打撃ハンマーと、この打撃ハンマーの打撃部に設けられた加速度センサと、この加速度センサと信号電送可能に接続された解析処理装置とからなり、前記コンクリート系構造物の表面を前記打撃ハンマーで叩打し、測定された時刻歴加速度a(t)を前記解析処理装置に取込み、前記解析処理装置において、前記時刻歴加速度a(t)を時間積分することにより前記打撃ハンマーの打撃初速度V0を算出し、構造物表面に発生した時刻歴打撃力F(t)(=M(ハンマー質量)×a(t))を前記打撃ハンマーの打撃初速度V0で除した値Z(t)を接触インピーダンスZ(t)とし、この接触インピーダンスZ(t)をもって前記コンクリート系構造物表面の健全度を評価するコンクリート系構造物の健全性診断方法が開示されている。
また、下記特許文献2には、信号の強さと信号の経過時間の関係についてフーリエ変換することにより、信号の強さと振動数の関係に置き換えてスペクトル化し、センサによって検知したサンプリングデータによってしきい値を設定し、しきい値と測定データとを比較することによりコンクリート構造物の良否を判別するようにしたコンクリート構造物の非破壊診断方法が開示されている。
更に、下記特許文献3には、コンクリート構造物のコンクリート内部に剥離部が存在すると、たわみによるたわみ振動が発生し、コンクリート内部が健全な場合は縦弾性波やレイリー波が発生し、たわみ振動は、縦弾性波やレイリー波と比較して振幅値が大きい特性を利用するコンクリート内部の剥離探査方法であって、コンクリート表面に打撃力を加えて、この打撃により発生する振動波形を測定して記録し、この測定波形を振幅値の最大値の共通化により標準化し、この標準化した測定波形の振幅値の絶対値を算出し、一定時間内での上記絶対値を加算して振幅加算値を算出し、この振幅加算値を基準値と比較して、この振幅加算値が基準値より大きくなる場合に剥離があると評価するコンクリート内部の剥離探査方法が開示されている。
特開2004−144586号公報 特開2008−20425号公報 特開2014−211333号公報
前述した特許文献1〜3のいずれにおいても、衝撃弾性波法では、検査対象となるコンクリート表面を直接打撃してコンクリート内に弾性波を発生させるようにしている。この弾性波を発生させる打撃装置としては、前記特許文献1〜3のいずれの文献でも、手で把持するタイプのハンマーであって、打撃部が鋼球とされるものが使用されている。
しかしながら、この種の把持型の鋼球ハンマーの場合は、コンクリート表面の強度、劣化の度合い、骨材の分布などの様々な要素によって、安定して一定の周波数の信号を入力することは困難であった。そのため、コンクリートの表面を掃引(所定間隔で同じ条件で探査していく方法)して測定・検査するような事例では、測定点ごとに発生する弾性波信号の入力周波数が微妙に異なり、解析結果の精度が低下するという問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、衝撃弾性波法に用いる打撃装置に関して、検査対象物(主としてコンクリート)の状態の影響を受けることなく、一定の周波数の弾性波を安定的に検査対象物に与えられるようにした打撃装置を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、全長に亘り一定の断面積で製作された所定長さの鋼棒であって、検査対象物に衝突させる先端面は球冠状を成し、上端面は平面状を成しているプランジャーと、前記プランジャーの上端面に衝突させる所定径の鋼球とからなることを特徴とする衝撃弾性波法に用いる打撃装置が提供される。
上記請求項1記載の発明では、鋼球によって検査対象物を直接的に打撃するのではなく、所定径の鋼球によって上記構造条件のプランジャー(1次元棒)を介して、検査対象物に対して弾性波を与えるようにしている。このような間接打撃とすることによって、打撃力は鋼球がプランジャー上端面に衝突することによって発生し、検査対象物に接触しているプランジャーの先端面を介して検査対象物に伝達される。これらは弾性係数の安定した材料(鋼)であることから、鋼球とプランジャーとの接触時間は常に一定となり、安定して一定の周波数の波動を与えることが可能となる。
また、規定の長さを持つプランジャーでは、鋼棒の長さと共振する特定の周波数が発生することがわかっているため(弾性波の多重反射理論)、打撃による周波数とプランジャーの共振周波数とをある程度の範囲内で一致させることによって、プランジャー内に、プランジャー長に応じた共振周波数の弾性波が生成されることになり、これが検査対象物に対して伝達される。
従って、順次、検査対象点を移動させながら、同一径、同一質量の鋼球で同一材料のプランジャーを打撃した場合、一定の周波数の弾性波を安定的に検査対象物に対して与えることが可能となる。
請求項2に係る本発明として、前記プランジャーによって検査対象物に与える弾性波の周波数f(Hz)と、前記プランジャーの長さL(m)とは下式(1)の関係式に基づいて決定する請求項1記載の衝撃弾性波法に用いる打撃装置が提供される。
Figure 2017133936
ここに、Cp:鋼棒の縦弾性波速度(m/s)
上記請求項2記載の発明では、前記プランジャーの衝突によって検査対象物に与える弾性波の周波数f(Hz)と、前記プランジャーの長さL(m)との関係式に基づいて両者を決定するようにしたものである。
鋼球をプランジャーの上端面に衝突させると、その波動は一次元の棒と見なし得るプランジャー内で多重反射する。弾性波の多重反射理論によるとプランジャーの長さの2倍を周期とする定在波が発生する。従って、鋼球打撃によって生成される周波数の弾性波を、プランジャーの共振周波数にある程度の範囲で一致させることによって、減衰はするが正弦波とみなし得る単一周波数を生成させることができるようになる。この時、前記プランジャーによって検査対象物に与える弾性波の周波数f(Hz)と、前記プランジャーの長さL(m)とは上式(1)によって示される関係にあるため、この(1)式に基づいてプランジャーの長さL(m)との関係で、検査対象物に与える弾性波の周波数(Hz)を設定することが可能となる。
請求項3に係る本発明として、前記プランジャーの球冠状先端面の半径と、前記鋼球の半径とを一致させている請求項1、2いずれかに記載の衝撃打撃法に用いる打撃装置が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記プランジャーの球冠状先端面の半径と、前記鋼球の半径とを一致させるようにしている。コンクリート等の検査対象物を接触するプランジャーの先端では、検査対象物に対してある程度の弾性変形を与える必要があるため、プランジャーの先端は球冠状とし、この球冠の半径は使用する鋼球の半径と一致させることが望ましい。
請求項4に係る本発明として、前記プランジャーは、円筒形状のホルダーの挿通孔内に易変形性の弾性体を介して保持されており、前記ホルダーの先端面をプランジャーの先端面よりも1〜2mmだけ突出させており、前記ホルダーに応答弾性波を計測する弾性波センサを一体的に備えている請求項1〜3いずれかに記載の衝撃弾性波法に用いる打撃装置が提供される。
上記請求項4記載の発明は、応答弾性波を計測する弾性波センサを打撃装置に対して一体的に設ける場合の第1態様を示したものである。先ず、前記プランジャーは、円筒形状のホルダーの挿通孔内に易変形性の弾性体を介して保持されている構造とするとともに、前記ホルダーの先端面をプランジャーの先端面よりも1〜2mmだけ突出させるようにし、前記ホルダーに応答弾性波を計測する弾性波センサを一体的に設けるようにする。
従って、プランジャーの先端を検査対象物に押し付けた際、前記ホルダーの先端面が検査対象物に強く接触させることが可能となるため、応答弾性波が前記ホルダーに効率よく伝達され、この応答弾性波を弾性波センサによって精度良く計測することが可能となる。
本打撃装置に対して、応答弾性波を検出する弾性波センサを一体的に備えることによって、ハンドリング性が良好となり、計測作業を効率的に行えるようになる。
請求項5に係る本発明として、前記プランジャーの外面に、応答弾性波を計測する歪みゲージを貼付している請求項1〜3いずれかに記載の衝撃弾性波法に用いる打撃装置が提供される。
請求項5記載の発明は、応答弾性波を計測する弾性波センサを打撃装置に対して一体的に設ける場合の第2態様を示したものである。具体的には、前記プランジャーの外面に、応答弾性波を計測する歪みゲージを貼付するようにしたものである。打撃を与えるプランジャー自体に応答弾性波を計測する歪みゲージを設けるようにしたため、応答弾性波が前記プランジャーに効率よく伝達され、この応答弾性波を歪みゲージ(弾性波センサ)によって精度良く計測することが可能となる。
以上詳説のとおり本発明によれば、衝撃弾性波法に用いる打撃装置に関して、コンクリートの状態の影響を受けることなく、一定の周波数の弾性波を安定的に検査対象物に与えることが可能となる。
衝撃弾性波法に用いる本発明打撃装置1の第1形態例を示す側面図である。 鋼球11の衝突方法の第1例を示す概略図である。 鋼球11の衝突方法の第2例を示す概略図である。 本発明打撃装置1の第2形態例を示す側面図である。 図5のV部拡大図である。 本発明打撃装置1の第3形態例を示す側面図である。 本発明に係る打撃装置1(第2形態例)をPC鋼材のシース管内のグラウト充填度検査に適用した場合の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔第1形態例〕
本発明に係る衝撃弾性波法による計測装置は、図1に示されるように、打撃装置1と、検査対象物からの応答弾性波を計測する弾性波センサ2と、波形収録装置3と、この波形収録装置3に接続された評価装置4とから構成されている。
前記打撃装置1は、全長に亘り一定の断面積で製作された所定長さの鋼棒であって、検査対象物に衝突させる先端面は球冠状を成し、上端面は平面状を成しているプランジャー10と、前記プランジャー10の上端面に衝突させる所定径の鋼球11とから構成されている。
以下、更に具体的に詳述する。
前記プランジャー10は、鋼材によって製作された、全長に亘って一定の断面積の鋼棒である。鋼棒の断面形状は、円形状としても良いし、矩形若しくは多角形状としてもよい。通常は鋼球11の平面形状に合わせて円形状とするのが望ましい。
前記プランジャー10の先端面10aは、検査対象物(主としてコンクリート)の表面にある程度の弾性変形を与える必要があるため球冠状とするのが望ましい。また、プランジャー10の上端面10bは鋼球11を衝突させるために平面状を成していることが望ましい。前記プランジャー先端の球冠の半径r1と、前記鋼球11の半径r2とは一致させることが望ましい。
前記鋼球11は、文字通り材質は鋼材からなり、前記プランジャー10の長さに合わせた直径のものを使用するのが望ましい。鋼球11をプランジャー10の上端面に衝突させた際に発生する振動周波数は、鋼球11とプランジャー10の接触時間に依存し、接触時間は鋼球11の質量の1/3乗に比例する。すなわち、鋼球11の質量は言い換えれば、鋼球の直径に比例することになる。
鋼球11を衝突させた際にプランジャー10に伝わる振動周波数をプランジャー10の共振周波数に合わせるようにすれば、鋼球11によって与えた振動が速やかに前記共振周波数に移行するようになり、この共振周波数の振動が検査対象物に伝達されるようになるため、前記鋼球11の直径(質量)は、衝突時にプランジャー10に与える振動周波数がプランジャー10の共振周波数に近くなるように設定するのが望ましい。
前記鋼球11で打撃力を与える際には、衝突速度が速くなると接触時間が短くなる。このため、鋼球11とプランジャー先端の衝突速度は、ある程度の範囲で制御される必要がある。従って、鋼球11をプランジャー10の上端面10bに衝突させる方法としては、例えば図2に示されるように、プランジャー10の上部に鋼球発射器具5を備え、鋼球11をスプリングの弾発力によってプランジャー10の上端面10bに衝突させるようにする。前記鋼球発射器具5は、内部にスプリング21を備えたガイド管20と、磁石により鋼球11を吸着保持し得る発射板22とからなり、図2(A)に示されるように、発射板22を奥側に移動させることによってスプリング21を縮こまらせ、弾発エネルギーを溜め込んだ状態として、図2(B)に示されるように、発射板22をスプリング21の弾発力により急激に押し出すと、発射台22が停止位置になった時に、鋼球11が慣性力によってプランジャー10の上端面10bに向けて発射される機構とした器具や、例えば図3に示されるように、ガイド筒24内に弱いスプリング25によって鋼球11を吊持し、プランジャー10の上端部に設けたソレノイド23に通電し磁化することにより、前記鋼球11を急速に引き寄せてプランジャー10の上端面10bに衝突させる機構とした器具などを採用することができる。
前記弾性波センサ2は、検査対象物の表面に接触させ、前記打撃装置1によって検査対象物に与えた波動の応答弾性波を計測する。この弾性波センサ2としては、例えば、加速度センサ、AEセンサ、振動センサなどを使用することができる。
前記弾性波センサ2によって計測された振動は、A/D変換器(図示せず)によりアナログ・デジタル変換された後、前記波形収録装置3に入力される。
前記波形収録装置3は、前記弾性波センサ2によって測定された波動の電気信号を記録するための装置である。この波形収録装置3は、電気信号を記憶するためのサーバー、ハードディスク等のストレージ、CD、DVD等の記録媒体、メモリ等で構成されている。波形収録装置3は、弾性波センサ2から信号を受信してこれらを時系列的に記憶することができる。
前記評価装置4は、例えばPC(パーソナルコンピューター)やスマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等の電子機器で構成されている。この評価装置4は、波形収録装置3内に記憶されている波形を解析することにより、コンクリート等の検査対象物の内部欠陥の有無を評価する。この評価装置4は、記録された波形に対して、例えばFFT(Fast Fourier Transform)を施すことにより、時間軸の波形データを周波数軸のスペクトラムデータに変換する。或いは、ウェーブレット変換を施すことにより、時間−周波数軸のスプクトラムデータに変換する。これにより、評価装置4は、所望の周波数領域におけるスペクトラムの有無を介して、コンクリート等の検査対象物の内部欠陥の有無の判断を行う。
この評価装置4は、例えば図示しないディスプレイ等からなる表示部を介して各データを表示することができる。また、評価装置4は、これら各データをストレージ内に記録し、ユーザによる命令に基づいてこれらデータを表示部に表示し、又は携帯型メモリにこれらデータを書き込むことができる。ユーザは、この携帯型メモリを評価装置4から取り出して自由に持ち運びすることが可能となる。更に、評価装置4は、これら各データを公衆通信網を介して他の電子機器へ転送することも可能となる。
〔打撃装置1の原理〕
本打撃装置1は、鋼球11によって検査対象物(コンクリート等)を直接的に打撃するのではなく、所定径の鋼球11によって上記構造条件のプランジャー10(1次元棒)を介して、検査対象物に対して弾性波を与えるようにしている。このような間接打撃とすることによって、打撃力は鋼球11と、プランジャー先端の衝突によって発生し、これらは弾性係数の安定した材料(鋼)であることから、鋼球11とプランジャー10との接触時間は常に一定となり、安定した周波数が発生する。
弾性波の多重反射理論によると、規定の長さを持つプランジャー10では、鋼棒の長さと共振する特定の周波数が発生することがわかっている。鋼球11がプランジャー10の上端面に衝突した特に発生する波動は、接触時間を1周期とする波長を持つ。この波動が1次元の棒とみなし得るプランジャー10内を多重反射すると、プランジャー10の長さLの2倍の周期とする定在波が発生する。従って、鋼球打撃による周波数と、プランジャー10の共振周波数の周波数を合わせることによって、プランジャー10内に安定した振動周波数が生成される。コンクリート面の打撃装置として使用する場合は、プランジャー10の先端をコンクリート表面に接触させる必要があり、伝達時に僅かに周波数が低下する可能性はあるものの、ほぼ正弦波とみなし得る単一周波数を生成することができる。
前記プランジャー10によって検査対象物に与える弾性波の周波数f(Hz)(プランジャー10内に生成される波動の周波数)と、前記プランジャー10の長さL(m)とは下式(1)の関係式にある。
Figure 2017133936
ここに、Cp:鋼棒の縦弾性波速度(m/s)[5120(m/s)]
プランジャー10内に生成される波動の周波数(共振周波数)と、プランジャー10の長さLと、プランジャー10の共振周波数に近い周波数を打撃によって与え得る鋼球11の直径(mm)との組み合わせ例を示せば、下表1のとおりである。
Figure 2017133936
なお、直径の異なる鋼球によって鋼材を打撃した際に発生する波動周波数は実際の計測によって測定することが可能であるが、鋼球をプランジャーに衝突させた際に発生する波動周波数は、鋼球とプランジャーの接触時間に依存し、接触時間は鋼球の質量の1/3乗に比例することが分かっている。前記鋼球の質量は、換言すれば鋼球の直径に比例するということができる。従って、鋼球の直径によって発生する波動周波数は概ね予想することが可能である。
また、鋼球11の打撃によって生じた波動周波数をプランジャー内の多重反射によって共振周波数に速やかに移行させるためには、プランジャー10の共振周波数の周波数に近い周波数を打撃によって与え得る鋼球11の直径を選定することが重要である。しかし、鋼球11を衝突させた際に発生する波動周波数をプランジャー10の共振周波数に完全に一致させることは難しいため、概ねその±15%範囲内、好ましくは±10%範囲内とするのが望ましい。
以上のように、プランジャー10の長さを特定し、かつ鋼球11の直径を特定することにより、プランジャー10を介して検査対象物に与える波動の周波数を一定にでき、解析結果の精度を向上できるようになる。
また、表1に示されるように、本打撃装置1では、プランジャー10の長さを特定することにより、検査対象物に与える周波数を任意に設定することが可能となる。一般的には、相対的比較で周波数が高いほど検出精度が高まる傾向にあるが、内部欠陥の深さが深い場合には、高周波数の場合、コンクリート内で振動の減衰が大きく検査精度が低下する傾向にある。従って、内部欠陥が深い位置にある場合は相対的に低い周波数を選択することにより減衰を抑え検出精度を向上させることが可能となる。
〔第2形態例〕
次に、本打撃装置1の第2形態例について、図4及び図5に基づいて詳述する。本打撃装置1は、応答弾性波を計測する弾性波センサを打撃装置1に対して一体的に設ける場合の第1態様を示したものである。
前記打撃装置1は、全長に亘り一定の断面積で製作された所定長さの鋼棒であって、検査対象物に衝突させる先端面は球冠状を成し、上端面は平面状を成しているプランジャー10と、前記プランジャー10の上端面に衝突させる所定径の鋼球11と、前記プランジャー10を保持する円筒形状のホルダー12と、このホルダー12に一体的に備えられた弾性波センサ2とから構成されている。
前記プランジャー10及び前記鋼球11については前記第1形態例で説明済みであるため省略し、前記ホルダー12及び弾性波センサ2について説明する。
前記プランジャー10は、円筒形状のホルダー12の挿通孔内に、ゴムや柔らかい樹脂などの易変形性の弾性体13を介して保持されており、図5に示されるように、前記ホルダー12の先端面はプランジャー10の先端面10aよりも1〜2mmだけ突出させている(符号A寸法)。また、前記ホルダー12の上端部には、フランジ状の水平板部12aを有し、この上面に弾性波センサ2が一体的に設けられている。
従って、プランジャー10を検査対象物側に押し付けると、前記弾性体13の変形によってプランジャー10の先端は検査対象物に接触するとともに、前記前記ホルダー12の先端面が検査対象物に強く接触されるようになるため、応答弾性波が前記ホルダー12に効率よく伝達され、この応答弾性波を前記弾性波センサ2によって精度良く計測することが可能となる。
〔第3形態例〕
本打撃装置1の第3形態例について、図6に基づいて詳述する。本打撃装置1は、応答弾性波を計測する弾性波センサを打撃装置1に対して一体的に設ける場合の第2態様を示したものである。
本形態例では、プランジャー10の先端近傍位置であってその外面に、180度方向の2箇所或いは90度方向の4箇所に対して、応答弾性波を計測するための歪みゲージ6を貼付したものである。打撃を与えるプランジャー10自体に応答弾性波を計測する歪みゲージ6を設けるようにしたため、応答弾性波が前記プランジャー10に効率よく伝達され、この応答弾性波を前記歪みゲージ6(弾性波センサ)によって精度良く計測することが可能となる。
〔打撃装置1の応用適用例〕
本打撃装置1は、衝撃弾性波法によるコンクリートの内部欠陥の検出に主として使用されるものであるが、その構造は、前述したように、長細い形状を成しており、この構造利点を利用して、後述するようなPC構造物におけるPC鋼材のシース管内のグラウト充填度の評価方法に対しても好適に適用することが可能である。
橋梁や高架橋、建築物等のPC構造物におけるPC鋼材のシース管内にはグラウトが充填される。このようなPC鋼材のシース管内においてグラウトの充填不良が生じた場合には、これに起因するPC鋼材の腐食、破断事故が生じる可能性がある。そのため、現在、PC鋼材のシース管内のグラウト充填度を衝撃弾性波法によって調査することが行われている。
最近、前記グラウト充填度の調査方法として、PC構造物の表面から上記シース管の外表面に連続する孔を削孔し、削孔された上記孔を介して上記シース管の表面に波動を直接印加し、上記シース管へ加えられた波動の伝搬挙動を検出し、検出された波動の伝搬挙動に基づいて上記シース管内へのグラウトの充填度を評価する方法が提案されているが、前記孔内に挿入してシース管に波動を与える打撃装置として、本打撃装置1を好適に適用することができる。
図7に示されるように、PC構造物30の表面から上記シース管31の外表面に連続する孔30aを形成する際には、躯体損傷度を考慮すると、なるべく小さな径の孔とすることが望ましい。従来より打撃装置として用いられているハンマータイプの鋼球では孔内でシース管31に対して打撃を与えることはできない。
そこで、同図に示すように、細長い形状を成す本打撃装置1(第2形態例を図示)をコンクリート表面からシース管31まで形成した孔30a内に挿入して、シース管31に対して直接的に打撃を与えることが可能となる。
1…打撃装置、2…弾性波センサ、3…波形収録装置、4…評価装置、5…鋼球発射器具、6…歪みゲージ、10…プランジャー、10a…先端面、10b…上端面、11…鋼球、12…ホルダー、13…易変形性の弾性体

Claims (5)

  1. 全長に亘り一定の断面積で製作された所定長さの鋼棒であって、検査対象物に衝突させる先端面は球冠状を成し、上端面は平面状を成しているプランジャーと、前記プランジャーの上端面に衝突させる所定径の鋼球とからなることを特徴とする衝撃弾性波法に用いる打撃装置。
  2. 前記プランジャーによって検査対象物に与える弾性波の周波数f(Hz)と、前記プランジャーの長さL(m)とは下式(1)の関係式に基づいて決定されている請求項1記載の衝撃弾性波法に用いる打撃装置。
    Figure 2017133936
    ここに、Cp:鋼棒の縦弾性波速度(m/s)
  3. 前記プランジャー先端の球冠の半径と、前記鋼球の半径とを一致させている請求項1、2いずれかに記載の衝撃打撃法に用いる打撃装置。
  4. 前記プランジャーは、円筒形状のホルダーの挿通孔内に易変形性の弾性体を介して保持されており、前記ホルダーの先端面をプランジャーの先端面よりも1〜2mmだけ突出させており、前記ホルダーに応答弾性波を計測する弾性波センサを一体的に備えている請求項1〜3いずれかに記載の衝撃弾性波法に用いる打撃装置。
  5. 前記プランジャーの外面に、応答弾性波を計測する歪みゲージを貼付している請求項1〜3いずれかに記載の衝撃弾性波法に用いる打撃装置。
JP2016013955A 2016-01-28 2016-01-28 衝撃弾性波法に用いる打撃装置 Active JP6688619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016013955A JP6688619B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 衝撃弾性波法に用いる打撃装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016013955A JP6688619B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 衝撃弾性波法に用いる打撃装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017133936A true JP2017133936A (ja) 2017-08-03
JP6688619B2 JP6688619B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=59504810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016013955A Active JP6688619B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 衝撃弾性波法に用いる打撃装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6688619B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200095642A (ko) * 2019-01-31 2020-08-11 공주대학교 산학협력단 개선된 충격반향기법 비파괴 검사방법 및 이에 사용되는 현장 적응형 일체형 타격장치
JP2020139837A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 株式会社オンガエンジニアリング 非破壊試験用打撃装置及びその制御方法
CN112557500A (zh) * 2020-11-05 2021-03-26 中国水利水电科学研究院 水下弹性波全波场无损检测系统及方法
CN113009408A (zh) * 2021-02-09 2021-06-22 上海交通大学 一种基于弹性波共振调控的水中目标声标识装置
CN117268899A (zh) * 2023-10-07 2023-12-22 聊城冠县尚敖超硬材料有限公司 一种人造金刚石性能检测设备

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0278951A (ja) * 1988-09-15 1990-03-19 Toshiba Corp 弾性定数測定装置
JPH04113256A (ja) * 1990-09-04 1992-04-14 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 打撃式構造変化検出装置
JPH09292375A (ja) * 1996-04-30 1997-11-11 Takenaka Komuten Co Ltd 杭の非破壊試験方法、及び、建造物
JPH1090234A (ja) * 1996-09-17 1998-04-10 Sato Kogyo Co Ltd 構造物の内部欠陥の検知方法
JP2004150946A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Central Giken:Kk ボール打撃によるコンクリート剛性の非破壊測定装置および方法
US6880403B1 (en) * 2000-08-28 2005-04-19 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Structure inspection device
JP2006349628A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Rik Co Ltd コンクリート構造物の品質評価装置およびコンクリート構造物の品質評価方法
JP2008128846A (ja) * 2006-11-21 2008-06-05 Taiheiyo Cement Corp アルカリ骨材反応判定方法
JP2011191202A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Tobishima Corp 非破壊検出システムおよび非破壊検出方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0278951A (ja) * 1988-09-15 1990-03-19 Toshiba Corp 弾性定数測定装置
JPH04113256A (ja) * 1990-09-04 1992-04-14 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 打撃式構造変化検出装置
JPH09292375A (ja) * 1996-04-30 1997-11-11 Takenaka Komuten Co Ltd 杭の非破壊試験方法、及び、建造物
JPH1090234A (ja) * 1996-09-17 1998-04-10 Sato Kogyo Co Ltd 構造物の内部欠陥の検知方法
US6880403B1 (en) * 2000-08-28 2005-04-19 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Structure inspection device
JP2004150946A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Central Giken:Kk ボール打撃によるコンクリート剛性の非破壊測定装置および方法
JP2006349628A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Rik Co Ltd コンクリート構造物の品質評価装置およびコンクリート構造物の品質評価方法
JP2008128846A (ja) * 2006-11-21 2008-06-05 Taiheiyo Cement Corp アルカリ骨材反応判定方法
JP2011191202A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Tobishima Corp 非破壊検出システムおよび非破壊検出方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200095642A (ko) * 2019-01-31 2020-08-11 공주대학교 산학협력단 개선된 충격반향기법 비파괴 검사방법 및 이에 사용되는 현장 적응형 일체형 타격장치
KR102214561B1 (ko) * 2019-01-31 2021-02-10 공주대학교 산학협력단 개선된 충격반향기법 비파괴 검사 장치
JP2020139837A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 株式会社オンガエンジニアリング 非破壊試験用打撃装置及びその制御方法
JP7229521B2 (ja) 2019-02-28 2023-02-28 株式会社オンガエンジニアリング 非破壊試験用打撃装置及びその制御方法
CN112557500A (zh) * 2020-11-05 2021-03-26 中国水利水电科学研究院 水下弹性波全波场无损检测系统及方法
CN112557500B (zh) * 2020-11-05 2022-01-28 中国水利水电科学研究院 水下弹性波全波场无损检测系统及方法
CN113009408A (zh) * 2021-02-09 2021-06-22 上海交通大学 一种基于弹性波共振调控的水中目标声标识装置
CN117268899A (zh) * 2023-10-07 2023-12-22 聊城冠县尚敖超硬材料有限公司 一种人造金刚石性能检测设备
CN117268899B (zh) * 2023-10-07 2024-04-30 聊城冠县尚敖超硬材料有限公司 一种人造金刚石性能检测设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP6688619B2 (ja) 2020-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6688619B2 (ja) 衝撃弾性波法に用いる打撃装置
JP7029303B2 (ja) Pcグラウト充填状態の非破壊診断方法
EP1236996A1 (en) Structure inspection device
JP2008185426A (ja) コンクリート杭の健全性評価支援装置、健全性評価支援方法及び健全性評価支援プログラム
CN107703161B (zh) 一种冲击应力波检测系统
JP2004150946A (ja) ボール打撃によるコンクリート剛性の非破壊測定装置および方法
JP6241927B2 (ja) コンクリート構造物の診断方法
Jennett et al. High resolution measurement of dynamic (nano) indentation impact energy: a step towards the determination of indentation fracture resistance
JP2010271116A (ja) 健全性診断用打撃ハンマ及びこれを用いたコンクリート構造物の健全性診断方法
CN104198586A (zh) 轴应力下基于波速的岩石损伤变量的确定方法
CN103868992A (zh) 具有单一可测面混凝土结构的无损检测方法
JP2009063438A (ja) 測定物の表面状態試験方法及びその表面状態試験装置
CN105092709A (zh) 一种混凝土结构的无损检测方法
JP2007139454A (ja) 杭の性能評価装置
Grishchenko et al. Experimental investigation of the acoustic anisotropy field in the sample with a stress concentrator
Sajid et al. Robustness of resonant frequency test for strength estimation of concrete
KR20100045283A (ko) 숏크리트 접착상태 평가 방법
KR102020260B1 (ko) 충격량을 이용한 비파괴 강도 현장측정 장치 및 방법
Emms et al. A novel technique for non-damaging measurement of sound speed in seedlings
JP2004317217A (ja) 測定物の表面状態試験法およびその試験装置
JP4726242B2 (ja) 性状評価装置及び性状評価方法
JP2011257307A (ja) 打音検査システム
JP7209803B2 (ja) Pcグラウト充填状態の非破壊診断方法
Feroz et al. Defect Detection in rods using PZT sensors
JP6861969B2 (ja) 弾性波送受信プローブ、これを用いた測定装置及び測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6688619

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250