JP2017133850A - 有価金属含有量判定方法および有価金属含有量判定装置 - Google Patents

有価金属含有量判定方法および有価金属含有量判定装置 Download PDF

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【課題】電子基板に含まれる有価金属の量を非破壊で効率よく判定することができる有価金属含有量判定方法および有価金属含有量判定装置を提供する。【解決手段】電子基板の有価金属含有量判定方法は、電子基板の光学画像およびX線透視像に基づいて、電子基板に搭載される電子部品の位置および構造を特定するステップと、蛍光X線分析によって位置が特定された電子部品を構成する材料を特定するステップと、特定された電子部品の構造および特定された電子部品を構成する材料に基づいて、電子基板の有価金属含有量を判定するステップとを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、有価金属含有量判定方法および有価金属含有量判定装置に関し、特に、家電機器や情報機器に代表される電気製品に搭載されている電子基板などの判定対象物に含まれる有価金属量を判定する方法および装置に関するものである。
家電製品および情報機器に代表される電気製品には電子基板が搭載されている。電子基板には半導体素子などを内包する電子部品が搭載されている。電子部品中には相対重量比として小さくない量の金、銀、白金などの高価な有価金属が用いられている。樹脂封止部品を例に挙げると、リードフレームと半導体素子との間は、金ボンディングワイヤを介して導通がなされている。このように、電子基板には有価金属および銅が相当量含まれているので、廃棄された電子基板は「都市鉱山」と呼ばれ、天然資源に乏しい我が国においては貴重な資源供給源として積極的な回収および再資源化が期待されている。
しかしながら、電子部品が多数搭載された電子基板全体に含まれる有価金属の種類と量とを算出する技術は、過去には有価金属価格が現状ほど高騰していなかったことと、鉱山からの可採年数がまだ十分であったことなどの理由により、十分に検討がなされてこなかった。そのため、これまで寿命を全うした電気製品からマテリアルリサイクルを目的として電子基板を摘出して売買する場合には、基板価値を客観的に定量することができず、適正価格での売買がなされない例が数多く存在していたと考えている。仮に、電子基板自身が実際に含有する有価金属の種類と量、および銅の量を簡便に算出することができれば、適正価格での売買が可能となり、結果的に電子基板中の有価金属等の国内循環量の増大および省資源化につながることが期待できる。
他方、電子部品に使用されている有価金属の中の一部は、基板表面に露出している。すなわち、それらは、他の電子基板との導通を確保することを主目的として形成された接続端子表面に存在している。しかしながら、電子部品に使用されている有価金属の中の多くは、樹脂や金属パッケージ等に半導体素子とともに封止されている。そのような封止されている有価金属の含有量を判定するためには、部品を微粉末状に粉砕した後に含有量の判定を実施する方法(例えば特許文献1を参照)や、不要な成分を強酸や有機溶剤を用いて除去し、残渣物を回収して判定する方法(例えば特許文献2を参照)がある。
電子基板に搭載されている電子部品の材料情報を非破壊で取得する方法として蛍光X線分析が挙げられる。蛍光X線分析は、外部から照射されたX線により測定対象物が励起され、材料固有のエネルギーを有する蛍光X線が放射される原理に基づく分析方法である。本技術を用いて分析対象に用いられている材料情報を定性評価または定量評価する方法が、例えば特許文献3および特許文献4に記載されている。特許文献3のX線透視装置は、X線透視機構と光学カメラと蛍光X線検出器とを備える。このX線透視装置は、X線透視による部品内部の観察と材料分析を同一装置内で測定することができる。また、特許文献4のX線分析装置は、照射用X線源と蛍光X線検出器と透過X線検出器を備える。このX線分析装置は、蛍光X線分析中に照射用X線の試料面内強度分布を測定することによって、検出される蛍光X線の強度分布と照合することにより、試料内での元素分布をより高精度に取得する。
特開2003−106962号公報 特開2009−041047号公報 特開2009−031182号公報 特開2014−038034号公報
特許文献1および2に記載されている方法では、電子基板の粉砕には微粉末状に粉砕するために時間を要するし、不要成分の溶解除去には有害な薬剤を使用することから簡便な方法とは言い難い。
これに対して、特許文献3および4の装置は、非破壊で有価金属の含有量を判定することができるので、工数削減によるマテリアルリサイクルの低コスト化が期待できる。特許文献3および4の装置は、電子基板の構成材料を定性・定量評価するために蛍光X線を用いている。
しかしながら、構成物質の分布が均質ではない測定対象から放射される蛍光X線の強度は、同一濃度の測定対象物質が含まれていたとしても、測定対象を構成する他の材料との組み合わせにより変動する可能性がある。
たとえば、樹脂により封止されたボンディングワイヤやリードフレームの定量評価を実施する場合、封止樹脂中に混練されている難燃剤やフィラーといった添加剤の量や混合比によって、樹脂のX線吸収率が変動する。その結果、ボンディングワイヤやリードフレームの量の検出値のばらつきが大きく、評価に用いることができない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子基板に含まれる有価金属の量を非破壊で高精度に判定することができる有価金属含有量判定方法および有価金属含有量判定装置を提供することである。
本発明の電子基板の有価金属含有量判定方法は、電子基板の光学画像およびX線透視像に基づいて、電子基板に搭載される電子部品の位置および構造を特定するステップと、蛍光X線分析によって位置が特定された電子部品を構成する材料を特定するステップと、特定された電子部品の構造および特定された電子部品を構成する材料に基づいて、電子基板の有価金属含有量を判定するステップとを備える。
本発明の電子基板の有価金属含有量判定方法は、蛍光X線分析結果だけを用いるのではなく、電子基板の光学画像およびX線透視像に基づいて特定された電子基板に搭載される電子部品の位置および構造と、蛍光X線分析の結果の両方を用いる。これによって、電子基板に含まれる有価金属含有量を非破壊で、かつ従来よりも高精度で判定することができる。
(a)は、封止樹脂の成分として臭素を含有しない樹脂封止電子部品Aの蛍光X線スペクトルを表わす図である。(b)は、樹脂封止電子部品Aと同じ寸法で、封止樹脂の成分として臭素を含有する樹脂封止電子部品Bの蛍光X線スペクトルを表わす図である。 (a)は、臭素を含有しない電子部品AのX線透視像を表わす図である。(b)は、臭素を含有する電子部品BのX線透視像を表わす図である。 X線透視像の輝度分布(ヒストグラム)を示す図である。 本発明の実施形態における有価金属量判定装置の構成を表わす図である。 有価金属量の判定手順の全体を表わすフローチャートである。 図5のステップS102の詳細な手順を表わすフローチャートである。 図6のステップS202の詳細な手順を表わすフローチャートである。 図6のステップS103の詳細な手順を表わすフローチャートである。 図6のステップS103の詳細な手順を表わすフローチャートである。 (a)は、図2(a)の臭素を含有しない電子部品AのX線透視像から特定された領域Bを表わす図である。(b)は、図2(b)の臭素を含有する電子部品BのX線透視像から特定された領域Bを表わす図である。 図2(b)に示される臭素を含有する電子部品BのX線透視像を拡大した画像を表わす図である。 図11に示したX線透視像の拡大画像のヒストグラムのうち、部品の内部構造体に該当する輝度分布を拡大した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[実験内容]
本願発明者らは、上記の目的を達成すべく蛍光X線分析およびX線透視観察による検討実験を試みた。
図1(a)は、封止樹脂の成分として臭素を含有しない樹脂封止電子部品Aの蛍光X線スペクトルを表わす図である。図1(b)は、樹脂封止電子部品Aと同じ寸法で、封止樹脂の成分として臭素を含有する樹脂封止電子部品Bの蛍光Xスペクトルを表わす図である。図1(a)、(b)の蛍光X線スペクトルにおいて、横軸は材料から放射される蛍光X線エネルギー成分を示し、縦軸は各蛍光X線エネルギー成分の強度を表わす。また、電子部品Aと電子部品Bは、金を同等量含む。
図1(a)に示すように、臭素を含有しない電子部品Aでは、蛍光X線エネルギー成分が9.71 keVのときに強度がピークとなる。このピークは、金のLα1線(AuLa1)に由来する。
図1(b)に示すように、臭素を含有する電子部品Bでは、蛍光X線エネルギー成分が11.92 keVのときに強度がピークとなる。このピークは、臭素のKα1線(BrKa)に由来する。臭素を含有する電子部品Bでは、金のLα1線(AuLa1)に由来する蛍光X線ピークは、検出はされるものの、臭素を含有しない電子部品Aの場合ほど明瞭ではない。
以上の結果より、蛍光X線分析では、着目した元素が同等量含まれている材料系においても、測定対象全体を構成する材料の組み合わせにより、検出された蛍光X線の強度が変動するという特徴があることがわかる。また、着目した元素の蛍光X線エネルギーの強度は、測定対象全体を構成する材料の組み合わせにより左右されるため、蛍光X線エネルギーの強度のみを用いて、着目した元素の量を判定することができないということがわかる。
次に、同試料のX線透視観察結果について説明する。
図2(a)は、臭素を含有しない電子部品AのX線透視像を表わす図である。図2(b)は、臭素を含有する電子部品BのX線透視像を表わす図である。X線透視像は、X線カメラ2の各素子に対して入射した透過X線の強度に応じて発生する電気信号の強度を各画素の輝度とする。つまり、画素の輝度が明るければ試料によるX線吸収が小さいことを示し、画素の輝度が暗ければ試料によるX線吸収が大きいことを示す。
図3は、X線透視像の輝度分布(ヒストグラム)を示す図である。
図3において、横軸はX線透視像の輝度(画素値)を表わし、縦軸は各輝度の画素数を表わす。元となるX線透視像中に明るい部分が多ければ、ヒストグラムのピークは、高輝度側に含まれる。元となるX線透視像中に暗い部分が多ければ、ヒストグラムのピークは、低輝度側に含まれる。
図3において、ヒストグラム中に大きく3つのピークが確認できる。
最も高輝度側のピークP1、P1′は、試料を透過せず、直接、X線カメラ2に到達したX線によるピークである。中央部のピークP2、P2′は、封止樹脂のみを透過してきたX線によるピークである。最も低輝度側のピークP3、P3′は、封止樹脂と金属リードフレームやボンディングワイヤなどを透過してきたX線によるピークである。
ピークP1、P1′は、試料を透過しなかったX線によるものである。試料を透過しなかったX線によって、臭素の有無にかかわらず同一輝度にピークをもたらし、かつ試料寸法が同じであることからピーク形状もよく一致している。
しかし、ピークP2、P2′およびP3、P3′に示すように、臭素を含有する試料の輝度のピークが臭素を含有しない試料の輝度のピークと比較して、低輝度側にシフトしている。これは、樹脂中に分散している臭素がX線を吸収するために、試料を透過してくるX線の強度が相対的に小さいことに起因している。一方で、ピークP2(P2′)、P3(P3′)に関して、臭素の有無にかかわらずオーバーラップすることなく、明確に分離していることが読み取れる。すなわち、蛍光X線分析では臭素の有無でスペクトルに大きな差が表れたが、X線透過像では部品部分の輝度に差は見られたものの、樹脂部分と金属部品のコントラスト差は十分に分離可能である。よって、蛍光X線分析によって、臭素の有無に係らず、樹脂部分と金属部品を分離して検出することができる。
以上の評価結果から、本願発明者らは、X線透過像から部品内部の構造体、特に、有価金属が用いられているボンディングワイヤの量を、画像処理により簡便に判別可能であることを知見し、本発明を完成するに至った。
図4は、本発明の実施形態における有価金属量判定装置の構成を表わす図である。
有価金属量判定装置100は、装置筐体8と、照射用X線源1と、X線カメラ2と、光学カメラ3と、蛍光X線検出器5と、演算部9と、試料ステージ6とを備える。
装置筐体8は、装置外部へのX線漏洩を防止するためにX線吸収係数の高い材質、例えば鉛を含む板材により構成されている。
試料ステージ6の上面に電子基板7が載せられる。
照射用X線源1およびX線カメラ2が、試料ステージ6を挟む形で設置される。
光学カメラ3が、最低拡大率条件下で試料ステージ6上の全体が視野入る位置に設置される。光学カメラ3の光軸は、直接、試料ステージ6の方向を向いていても良いし、ミラーを介して試料ステージ6を向いても良いが、X線カメラ2の光軸と一致していることが好ましい。
蛍光X線検出器5が試料ステージ6よりも上側に設置される。これにより、蛍光X線検出器5は、試料ステージ6上に載せた電子基板7に実装された部品からの蛍光X線信号を検出する。
以下に、各構成要素の詳細を説明する。
照射用X線源1は、X線透視像の取得と蛍光X線の分析とを実施するに十分なエネルギーのX線を照射する能力を有していることが好ましい。さらに好ましくは、照射用X線源1は、タングステンターゲットを用いて、X線管電圧として90kV以上の白色X線を照射できることが好ましい。
X線カメラ2には、照射用X線源1から放射され、電子基板7を透過したX線が入射する。X線カメラ2は、X線イメージインテンシファイアないしはX線フラットパネルディテクタ、X線CCD(Charge Coupled Device)カメラであることが好ましい。X線カメラ2は、画素分解能や色諧調が優れていることが好ましいが、電子部品のX線透過像において、最も微細な構造体は、直径30μmのボンディングワイヤであることから、画像処理時にボンディングワイヤを識別するだけの性能を有していれば十分である。すなわち、5μm/pixel程度以上の画素分解能を有していることが必要である。また、階調は8bit以上であることが必要である。
光学カメラ3は、X線カメラ2と同様に、高画素数であることが好ましく、有効画素数が、少なくとも100万画素であることが必要である。
蛍光X線検出器5は、照射用X線源1から放射されたX線が電子基板7に照射された際に発生する蛍光X線を検出する。蛍光X線検出器5は、エネルギー分散型(所謂EDX: Energy Dispersive X-ray spectroscopy)の半導体検出器であることが好ましい。筐体または試料ステージ6に固定されたX軸、Y軸、およびZ軸のいずれをも含む少なくとも3軸以上の自由度を有するアームないしはレールにより蛍光X線検出器5自体が移動できる機構を有していればより好ましい。
試料ステージ6は、X軸、Y軸、Z軸のいずれをも含む3軸以上の自由度を有する。試料ステージ6は、さらに、照射用X線源1から放射され電子基板7を透過したX線が、X線カメラ2に到達する間に存在している必要があることから、X線吸収の小さな素材、例えば炭素素材やグラスファイバーで構成されている必要がある。試料ステージ6は、さらに、X線透視像の視野を広くとるために、ステージ駆動軸やレールがX線カメラ2の視野内に入らないことが望ましい。
装置筐体8は、照射用X線源1とX線カメラ2と光学カメラ3と蛍光X線検出器5と試料ステージ6の各構造体を内部に設置することができるサイズを有する。装置筐体8は、装置筐体8の内部の構造体のそれぞれが演算部9との通信を確保するための手段(図示せず)、例えば通信ケーブルコネクタを有する。装置筐体8は、電子基板7を試料ステージ6に設置するために設けられたドア(図示せず)を有する。装置筐体8は、照射用X線源1から放射されたX線の外部漏洩を防ぐ目的で、鉛に代表されるX線吸収係数の大きな部材を用いた筐体壁を有するか、またはそれらの部材が貼付された筐体壁を有する。
演算部9は、X線カメラ2および光学カメラ3から供給された画像から、電子基板7上に実装された電子部品の位置を特定する工程と、電子部品実装部の高倍率のX線透過像から、電子部品内部の構造を特定する工程とを提供する。さらに、演算部9は、照射用X線源1とX線カメラ2と光学カメラ3と蛍光X線検出器5と試料ステージ6とを制御する機能を有する。
図5〜図9は、有価金属量の判定手順を表わすフローチャートである。
図5は、有価金属量の判定手順の全体を表わすフローチャートである。
図5を参照して、ステップS101において、試料ステージ6上に電子基板7を載置し、装置筐体のドア(図示せず)を閉鎖する。
ステップS102において、電子基板7の光学画像およびX線透視像に基づいて、電子基板7上の電子部品の位置および構造を特定する。
図6は、図5のステップS102の詳細な手順を表わすフローチャートである。
図6を参照して、ステップS201において、光学カメラ3およびX線カメラ2が電子基板7全体の光学画像およびX線透視像を生成する。具体的には、光学カメラ3が電子基板7の全体が視野に入るような光学画像を生成する。この際、電子基板7全体が視野に入りきらない場合には、試料ステージ6を駆動することにより、光学カメラ3が複数の光学画像を生成することによって、電子基板7の全体が特定できるようにしてもよい。さらに、照射用X線源1からX線を電子基板7に照射し、X線カメラ2がX線透視像を取得する。前述の光学画像の生成時と同様に、電子基板7の全体がX線カメラ2の視野に納まりきれない場合には、試料ステージ6を駆動して、X線カメラ2が複数のX線透視像を生成することによって、電子基板7の全体を特定することにしてもよい。なお、光学画像の生成を先に実施するとして説明したが、光学画像の生成に先立ち、X線透視像を先に生成する手順でもよい。
ステップS202において、演算部9が、光学画像の画素の色彩と、X線透視像のヒストグラムに基づいて、電子基板7上の電子部品の実装位置を特定する。
図7は、図6のステップS202の詳細な手順を表わすフローチャートである。
図7を参照して、ステップS301において、演算部9が、光学画像において、黒色または白色の画素からなる領域Aを特定する。領域Aの特定方法として、たとえば、演算部9が、市販の画像処理ソフトウェアなどを用いることで容易に実施することができる。このように黒色または白色の画素からなる領域Aを特定するのは、電子基板7上に実装されている電子部品において、高付加価値部品のほとんどが樹脂封止電子部品であり、その封止樹脂の色が黒色か白色であるためである。
ステップS302において、演算部9が、X線透視像の複数の画素のうち、ある閾値TH以下の輝度(画素値)かなる画素からなる領域Bを特定する。
閾値THは照射用X線源やXカメラの性能により変動するため任意であるが、例えば照射X線エネルギーが80kVのときであれば、X線透過像のヒストグラムを表示したときに、最大輝度値と最小輝度値の間を均等に3分割したうちの、輝度値の低い領域(封止樹脂と金属リードフレームやボンディングワイヤなどを透過してきたX線によるピークが含まれる領域)に該当する箇所を抽出するように設定すればよい。
図10(a)は、図2(a)の臭素を含有しない電子部品AのX線透視像から特定された領域Bを表わす図である。図10(b)は、図2(b)の臭素を含有する電子部品BのX線透視像から特定された領域Bを表わす図である。図10(a)および(b)において、黒色の部分が領域Aを表わす。
ステップS303において、演算部9が、領域Aと領域Bとが重なる領域Cを電子部品の位置として特定する。
再び、図6を参照して、ステップS203において、X線カメラ2が、ステップS202で特定した電子部品の実装箇所のX線透視像の拡大画像(拡大X線透視像)を生成する。拡大X線透視像は、X線カメラ2に備え付けられたズーム機能を用いたり、試料ステージ6を照射用X線源1に近づける方向に動かすことによって生成することができる。拡大倍率は、カメラ視野に領域Cが丁度収まるか、あるいは、ボンディングワイヤが認識できる程度であればよい。好ましくは電子部品の一部が視野から若干はみ出る状況、すなわち、X線カメラ2に入射するX線のうち、電子部品を透過した透過X線の成分が、透過画像の90%以上、さらに好ましくは95%以上を占める状況であればよい。
図11は、図2(b)に示される臭素を含有する電子部品BのX線透視像を拡大した画像を表わす図である。X線カメラ2の視野に電子部品のほとんどが含まれ、かつボンディングワイヤが明瞭に映っていることがわかる。
ステップS204において、演算部9が、拡大X線透視像のヒストグラムを生成し、被ストグラムから1個以上のピークを抽出する。具体的には、演算部9が、ピストグラムの曲線を予め定められた適当な関数で1回以上フィッティングすることによって、ヒストグラムに含まれる1個以上のピークを分離し、抽出する。
図12は、図11に示したX線透視像の拡大画像のヒストグラムのうち、部品の内部構造体に該当する輝度分布を拡大した図である。この例では、ヒストグラムの曲線CLを適当な関数としてのガウス関数で5回フィッティングすることによって、ピークA〜Eが分離されて、抽出されている。
ステップS205において、演算部9が、抽出した各ピークの頻度値〔画素数)に基づいて、電子基板7において抽出した各ピークに対応する材料で構成される領域の面積を表わす面積情報を生成する。より、具体的には、演算部9は、抽出したピークの頻度値〔画素数)と、X線透視像の1画素に対応する被写体の面積とを乗算することによって、抽出したピークに対応する材料で構成される領域の面積を特定する。この段階では、抽出したピークには、何らかの材料に対応していることがわかるだけで、具体的にどの材料に対応するのは、特定されない。
再び、図5を参照して、ステップS103において、蛍光X線分析に基づいて、位置が特定された電子部品を構成する材料を特定する。
図8は、図6のステップS103の詳細な手順を表わすフローチャートである。
ステップS401において、演算部9が、特定された電子部品の位置から放射される蛍光X線に基づいて、蛍光X線スペクトルを生成する。照射用X線源1から照射されたX線が電子部品に照射され、電子部品から放出される蛍光X線を蛍光X線検出器5が検出する。演算部9が、蛍光X線検出器5で検出されたX線に基づいて、蛍光X線スペクトルを生成する。蛍光X線検出器5は、測定の対象となる電子部品に正対していることが好ましい。さらに好ましくは、電子部品からの蛍光X線を検出する際は、蛍光X線検出器5自体を照射用X線源1から照射されるX線を遮らない範囲で部品直近まで接近させることが好ましい。得られた蛍光X線スペクトルのピーク解析の手段は選ばないが、市販の蛍光X線に付属するソフトウェアを用いることができる。
ステップS402において、演算部9が、蛍光X線スペクトルの1個以上のピークを抽出する。
ステップS403において、演算部9が、抽出した1個以上のピークの蛍光X線エネルギー成分に対応する1個以上の材料を電子部品に含まれる材料として特定する。たとえば、抽出された複数個のピークの蛍光X線エネルギー成分が、9.7 KeV付近(金のLα線)、11.5 KeV付近(金のLβ線)、13.4 KeV付近(金のLγ線)、8.0 KeV付近(銅のKα線)、8.9 KeV付近(銅のKβ線)、6.40keV付近(鉄のKα線)、7.05keV付近(鉄のKβ線)、11.92 keV付近(臭素のKα1)のときに、演算部9は、電子部品に含まれる材料が金、銅、鉄、臭素であると特定する。
再び、図5を参照して、ステップS104において、ステップS102において特定した電子部品の構造およびステップS103で特定した電子部品を構成する材料に基づいて、電子基板7の有価金属含有量を判定する。
図9は、図6のステップS103の詳細な手順を表わすフローチャートである。
ステップS501において、演算部9が、ステップS204で生成された拡大X線透視像のヒストグラムの各ピークの輝度と、ステップS205で特定された各材料とを対応づける。対応づける際には、演算部9は、ピークの輝度が小さいほど、X線吸収係数が大きい材料に対応するように対応づける。
ステップS502において、演算部9が、ステップS205で特定された1個以上の材料の中から有価金属を選択する。演算部9が、ステップS501の対応づけにしたがって、選択された有価金属に対応する拡大X線透視像のヒストグラムのピークの輝度を特定する。ここで、有価金属には、たとえば、金、銀、銅、コバルト、ニッケルなどが含まれものとし、有価金属以外の金属には、たとえば、マンガン、鉄、アルミニウムなどが含まれるものとすることができるが、ある金属がどちらに含まれるかは、ユーザが任意に設定することができるものとしてもよい。ここでは、電子部品に含まれる材料が金、銅、鉄、臭素である場合に、演算部9は、金を有価金属して選択する。
ステップS503において、演算部9が、ステップS205において生成した面積情報を参照して、電子基板7において、ステップS502で特定した選択した有価金属に対応する拡大X線透視像のヒストグラムのピークの輝度に対応する材料で構成される領域の面積Rを求める。
ステップS504において、演算部9が、ステップS503で求めた面積Rと、選択された有価金属に対して予め定められた厚みとを乗算することによって、電子基板7に含まれる選択した有価金属の体積を算出する。ここで、選択した有価金属が金の場合には、演算部9は、電子基板7において金がボンディングワイヤに含まれることと、ボンディングワイヤのワイヤ径を事前に指示されることによって、金の厚みをボンディングワイヤのワイヤ径の1.0倍とすることができる。
以上の工程を経ることにより、電子基板上に搭載されている有価金属量を非破壊で判定することができる。
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明には、たとえば、以下のような変形例も含まれる。
(1)有価金属含有量
上記の実施形態では、演算部は、有価金属の含有量として、電子基板に含まれる有価金属の体積を求めたが、これに限定するものではない。演算部は、電子基板に含まれる有価金属の体積と、単位体積当たりの有価金属の重量とを乗算することによって、電子基板に含まれる有価金属の重量を求めることとしてもよい。
また、演算部は、電子基板に含まれる有価金属の体積または重量と、有価金属の単位体積または単位重量当たりの価格とを乗算することによって、電子基板に含まれる有価金属の価格を求めることとしてもよい。
(2)有価金属の有無の判定
上記の実施形態では、有価金属量を判定したが、これに限定するものではない。電子基板に金などの貴金属が含まれるかどうかのみを検出するものとしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 照射用X線源、2 X線カメラ、3 光学カメラ、5 蛍光X線検出器、6 試料ステージ、7 電子基板、8 装置筐体、9 演算部、100 有価金属量判定装置。

Claims (10)

  1. 電子基板の有価金属含有量判定方法であって、
    前記電子基板の光学画像およびX線透視像に基づいて、前記電子基板に搭載される電子部品の位置および構造を特定するステップと、
    蛍光X線分析によって前記位置が特定された電子部品を構成する材料を特定するステップと、
    前記特定された電子部品の構造および前記特定された電子部品を構成する材料に基づいて、前記電子基板の有価金属の含有量を判定するステップとを備える、電子基板の有価金属含有量判定方法。
  2. 前記位置および構造を特定するステップは、
    前記電子基板全体の前記光学画像および前記X線透視像を生成するステップと、
    前記光学画像の画素の色彩と、前記X線透視像のヒストグラムとに基づいて、前記電子基板上の前記電子部品の位置を特定するステップとを含む、請求項1に記載の有価金属含有量判定方法。
  3. 前記電子部品の位置を特定するステップは、
    前記光学画像において、黒色または白色の画素からなる領域を特定するステップを含む、請求項2記載の有価金属含有量判定方法。
  4. 前記電子部品の位置を特定するステップは、
    前記X線透視像の複数の画素のうち閾値以下の輝度を有する画素からなる領域を特定するステップを含む、請求項3記載の有価金属含有量判定方法。
  5. 前記電子部品の位置を特定するステップは、
    前記光学画像における前記特定した領域と、前記X線透視像における前記特定した領域とが重なる領域を前記電子部品の位置として特定するステップを含む、請求項4記載の有価金属含有量判定方法。
  6. 前記位置および構造を特定するステップは、さらに、
    前記特定された電子部品の位置の拡大X線透視像を生成するステップと、
    前記拡大X線透視像のヒストグラムから1個以上のピークを抽出するステップと、
    前記抽出した各ピークの頻度値に基づいて、前記電子基板において、前記各ピークの輝度に対応する材料で構成される領域の面積を表わす面積情報を生成するステップを含む、請求項2記載の有価金属含有量判定方法。
  7. 前記ピークを抽出するステップは、前記ピストグラムの曲線を予め定められた関数で1回以上フィッティングすることによって、前記ヒストグラムに含まれる1個以上のピークを分離して抽出するステップを含む、請求項6記載の有価金属含有量判定方法。
  8. 前記材料を特定するステップは、
    前記特定された電子部品の位置から放射される蛍光X線を検出することによって、蛍光X線スペクトルを生成するステップと、
    前記蛍光X線スペクトルの1個以上のピークを抽出するステップと、
    前記1個以上のピークの蛍光X線エネルギー成分に対応する1個以上の材料を前記電子部品に含まれる材料として特定するステップとを含む、請求項6記載の有価金属含有量判定方法。
  9. 前記有価金属の含有量を判定するステップは、
    前記拡大X線透視像のヒストグラムの各ピークの輝度と、前記特定された各材料とを対応づけるステップと、
    前記特定された1個以上の材料の中から有価金属を選択して、前記対応づけに基づいて、前記選択された有価金属に対応する前記拡大X線透視像のヒストグラムのピークの輝度を特定するステップと、
    前記面積情報を参照して、前記電子基板において、前記特定したピークの輝度に対応する材料で構成される領域の面積を求めるステップと、
    前記求めた面積と、前記選択した有価金属に対して予め定められた厚みに基づいて、前記電子基板に含まれる前記有価金属の体積を求めるステップとを含み、
    前記対応づけるステップは、前記ピークの輝度が小さいほど、X線吸収係数が大きい材料に対応するように対応づけるステップを含む、請求項8記載の有価金属含有量判定方法。
  10. 電子基板の有価金属量判定装置であって、
    照射用X線源と、
    前記照射用X線源から放射され、前記電子基板を透過したX線が入射するX線センサと、
    前記電子基板を光学撮影する光学センサと、
    演算部とを備え、
    前記演算部は、前記光学センサで生成される光学画像および前記X線センサで生成されるX線透視像に基づいて、電子部品の位置および構造を特定し、
    蛍光X線分析によって前記位置が特定された電子部品を構成する材料を特定し、
    前記特定された電子部品の構造および前記特定された電子部品を構成する材料に基づいて、前記電子基板の有価金属含有量を判定する、電子基板の有価金属含有量判定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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