JP2017131013A - 電力変換回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】大幅な回路規模の増大を招くことなく電流の相数の増大に対応することが可能な電力変換回路を提供する。【解決手段】電力変換回路は、環状のロータと、該ロータを挟むように配置される第1ステータ及び第2ステータとを備えるダブルステータ型回転機に供給される電力、或いは該ダブルステータ型回転機から供給される電力の変換を行うものであって、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線の全てに共通して設けられた1つの第1スイッチングレグと、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線に対応してそれぞれ設けられた複数の第2スイッチングレグと、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、電力変換回路に関する。
スイッチトリラクタンスモータ(以下、SRモータという)は、永久磁石や巻線が設けられていないロータと、巻線が巻回されたステータとを備えており、ステータに巻回された巻線(ステータ巻線)に流す電流を切り替えることでロータを回転させるモータである。このようなSRモータは、構造が簡単で堅牢である、高速回転域でも高効率が維持できる、ネオジム磁石等の高価な永久磁石が不要のため安価である等の特徴を有しており、実用化に向けての研究開発が進められている。
以下の特許文献1には、SRモータを駆動する従来の駆動回路が開示されている。この駆動回路は、基本的には直流電源から供給された直流電力を間欠状電力に変換する電力変換回路であり、H型ブリッジ回路をSRモータのステータ巻線に対応して設けたものである。例えば、以下の特許文献1の図13には、三相のSRモータに対応して、3つのH型ブリッジ回路(H型の非対称ブリッジ回路)を基本構成回路として備える駆動回路が開示されている。
ところで、SRモータにおいては、性能の向上を図るべく、複数のステータを備える構造(例えば、ダブルステータ構造)にすることが提案されている。例えば、環状のロータと、このロータの内側に配置されるインナーステータと、このロータの外側に配置されるアウターステータとを備えるダブルステータ型のSRモータが提案されている。このようなダブルステータ型のSRモータでは、インナーステータ及びアウターステータに巻回された巻線に流す電流を個別に切り替えることで、インナーステータとアウターステータとの間に配置された環状のロータを回転させている。
上述したダブルステータ型のSRモータは、ステータの各々に巻回されたステータ巻線に流す電流を個別に制御する必要があるため、ダブルステータ型のSRモータに供給される電流の相数は、シングルステータ型のSRモータ(ステータを1つのみ備えるSRモータ)に供給される電流の相数の2倍になる。このため、上述した特許文献1に開示された駆動回路をダブルステータ型のSRモータに適用しようとすると、回路規模が著しく増大してしまい、大型化するとともにコストも上昇してしまうという問題が考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大幅な回路規模の増大を招くことなく電流の相数の増大に対応することが可能な電力変換回路を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電力変換回路は、環状のロータ(11)と、該ロータを挟むように配置される第1ステータ(12a)及び第2ステータ(12b)とを備えるダブルステータ型回転機(10)に供給される電力、或いは該ダブルステータ型回転機から供給される電力の変換を行う電力変換回路(1)であって、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線(La〜Lf)の全てに共通して設けられた1つの第1スイッチングレグ(N)と、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線に対応してそれぞれ設けられた複数の第2スイッチングレグ(Ma〜Mf)と、を備える。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1スイッチングレグ及び第2スイッチングレグが、直列接続された少なくとも2つの半導体スイッチング素子を備えており、前記第1スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子(Q1、D1)の接続点(P1)は、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線の一端に接続されており、前記第2スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子(Qa、Da)の接続点(P2)は、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線のうちの対応する巻線(La)の他端に接続されている。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子の開放端、及び前記第2スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子の開放端は、直流電源(E)に接続されている。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、互いに異なるスイッチング周波数で駆動される。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、スイッチングの位相を互いにずらして駆動される。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、前記第1ステータの巻線に流れる電流と前記第2ステータの巻線に流れる電流とが互いに異なるように駆動される。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1ステータが、前記ロータの外側に配置されるアウターステータであり、前記第2ステータが、前記ロータの内側に配置されるインナーステータである。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1スイッチングレグ及び第2スイッチングレグが、直列接続された少なくとも2つの半導体スイッチング素子を備えており、前記第1スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子(Q1、D1)の接続点(P1)は、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線の一端に接続されており、前記第2スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子(Qa、Da)の接続点(P2)は、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線のうちの対応する巻線(La)の他端に接続されている。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子の開放端、及び前記第2スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子の開放端は、直流電源(E)に接続されている。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、互いに異なるスイッチング周波数で駆動される。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、スイッチングの位相を互いにずらして駆動される。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、前記第1ステータの巻線に流れる電流と前記第2ステータの巻線に流れる電流とが互いに異なるように駆動される。
また、本発明の電力変換回路は、前記第1ステータが、前記ロータの外側に配置されるアウターステータであり、前記第2ステータが、前記ロータの内側に配置されるインナーステータである。
本発明によれば、第1ステータ及び第2ステータの巻線の全てに共通して1つの第1スイッチングレグを設け、第1ステータ及び第2ステータの巻線に対応して複数の第2スイッチングレグをそれぞれ設けたため、大幅な回路規模の増大を招くことなく電流の相数の増大に対応することが可能であるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による電力変換回路について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による電力変換回路の構成を示す回路図である。図1に示す通り、本実施形態の電力変換回路1は、平滑コンデンサC、スイッチングレグN(第1スイッチングレグ)、及びスイッチングレグMa〜Mf(第2スイッチングレグ)を備えており、直流電源Eから供給される直流電力をパルス状の駆動電流に変換してSRモータ10(ダブルステータ型回転機)に供給する。
図1は、本発明の第1実施形態による電力変換回路の構成を示す回路図である。図1に示す通り、本実施形態の電力変換回路1は、平滑コンデンサC、スイッチングレグN(第1スイッチングレグ)、及びスイッチングレグMa〜Mf(第2スイッチングレグ)を備えており、直流電源Eから供給される直流電力をパルス状の駆動電流に変換してSRモータ10(ダブルステータ型回転機)に供給する。
ここで、直流電源Eは、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の充電可能な蓄電池を備える電圧源である。この直流電源Eは、正極が電力変換回路1の端子T1に接続されるとともに、負極が電力変換回路1の端子T2に接続されており、これら端子T1,T2を介して所定電圧の直流電力を電力変換回路1に供給する。尚、直流電源Eの電圧(出力電圧)は、電力変換回路1及びSRモータ10の特性を考慮して設定される。
また、SRモータ10は、図2に示す通り、ダブルステータ構造である。図2は、本発明の第1実施形態で用いられるSRモータの概略構成を示す断面図である。図2に示す通り、SRモータ10は、ロータ11及びステータ12を備える。ステータ12は、ロータ11の外側に配置されるアウターステータ12a(第1ステータ)と、ロータ11の内側に配置されるインナーステータ12b(第2ステータ)とを有する。
図2に示す通り、SRモータ10のステータ12(アウターステータ12a及びインナーステータ12b)の突極数は「6」であり、ロータ11の突極数は「4」である。また、アウターステータ12aの突極を構成するステータ巻線は3相(A相、B相、C相)であり、インナーステータ12bの突極を構成するステータ巻線は3相(D相、E相、F相)である。
尚、図2においては、アウターステータ12aのA相に対応する突極を「A」,「A′」と表記し、B相に対応する突極を「B」,「B′」と表記し、C相に対応する突極を「C」,「C′」と表記している。また、インナーステータ12bのD相に対応する突極を「D」,「D′」と表記し、E相に対応する突極を「E」,「E′」と表記し、F相に対応する突極を「F」,「F′」と表記している。
尚、図1中の巻線La,Lb,Lcは、アウターステータ12aのA相、B相、C相の巻線をそれぞれ示しており、巻線Ld,Le,Lfは、インナーステータ12bのD相、E相、F相の巻線をそれぞれ示している。アウターステータ12aの巻線La,Lb,Lcとインナーステータ12bの巻線Ld,Le,Lfとは仕様が同じであっても良く、異なっていても良い。
平滑コンデンサCは、直流電源Eに並列接続されており、直流電源Eから供給される直流電力の電圧変動を平滑化するために設けられる。具体的に、平滑コンデンサCは、一端が端子T1に接続されるとともに、他端が端子T2に接続されており、直流電源Eから供給された電荷を充放電することによって、直流電力の電圧変動を平滑化する。尚、平滑コンデンサCとしては、例えばフィルムコンデンサを用いることができる。
スイッチングレグN及びスイッチングレグMa〜Mfは、直流電源Eに並列接続されており、不図示の制御装置によって制御され、直流電源Eから端子T1,T2を介して供給された直流電力を、SRモータ10を駆動するための駆動電流に変換する。つまり、スイッチングレグN及びスイッチングレグMa〜Mfは、直流電源Eから供給される直流電力をパルス状の駆動電流に変換してSRモータ10に供給する。
スイッチングレグNは、ステータ12の巻線の全てに共通して設けられており、スイッチングレグMa〜Mfは、ステータ12の巻線に対応してそれぞれ設けられている。つまり、スイッチングレグNは、アウターステータ12aの巻線La,Lb,Lc及びインナーステータ12bの巻線Ld,Le,Lfの全てに共通して設けられており、スイッチングレグMa〜Mfは、アウターステータ12aの巻線La,Lb,Lc及びインナーステータ12bの巻線Ld,Le,Lfに対応してそれぞれ設けられている。
これらスイッチングレグNとスイッチングレグMa〜Mfとの組み合わせによって、ステータ12の巻線の各々に対応するH型ブリッジ回路が構成される。このように、スイッチングレグNをステータ12の巻線の全てに共通して設け、スイッチングレグNとスイッチングレグMa〜Mfとの組み合わせによってH型ブリッジ回路を構成するのは、大幅な回路規模の増大を招くことなく電流の相数の増大(SRモータ10のダブルステータ構造に起因するD相、E相、F相の増大)に対応するためである。
具体的に、スイッチングレグNとスイッチングレグMaとの組み合わせによって、アウターステータ12aの巻線Laに対応するH型ブリッジ回路が構成される。また、スイッチングレグNとスイッチングレグMbとの組み合わせによって、アウターステータ12aの巻線Lbに対応するH型ブリッジ回路が構成される。また、スイッチングレグNとスイッチングレグMcとの組み合わせによって、アウターステータ12aの巻線Lcに対応するH型ブリッジ回路が構成される。
同様に、スイッチングレグNとスイッチングレグMdとの組み合わせによって、インナーステータ12bの巻線Ldに対応するH型ブリッジ回路が構成される。また、スイッチングレグNとスイッチングレグMeとの組み合わせによって、インナーステータ12bの巻線Leに対応するH型ブリッジ回路が構成される。また、スイッチングレグNとスイッチングレグMfとの組み合わせによって、インナーステータ12bの巻線Lfに対応するH型ブリッジ回路が構成される。
図3は、本発明の第1実施形態におけるH型ブリッジ回路の詳細を示す回路図である。尚、上述したスイッチングレグNとスイッチングレグMa〜Mfとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路は互いに同様の構成であるため、図3では、スイッチングレグNとスイッチングレグMaとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路のみを図示している。また、図3では、図1中の平滑コンデンサCの図示を省略している。
図3に示す通り、スイッチングレグNとスイッチングレグMaとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路は、4つの半導体スイッチング素子を備える。具体的に、図3(a)に示すHブリッジ回路は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)Q1、ダイオードD1、ダイオードDa、及びIGBTQaを備える。
このような4つの半導体スイッチング素子のうち、IGBTQ1及びダイオードD1は直列接続されており、スイッチングレグNを構成している。IGBTQ1はスイッチングレグNの上アームUAを構成しており、ダイオードD1はスイッチングレグNの下アームLAを構成している。尚、スイッチングレグNを構成するIGBTQ1及びダイオードD1は、例えば半導体材料としてシリコンを用いて形成されたものである。
具体的に、IGBTQ1のエミッタとダイオードD1のカソードとが接続されており、その接続点P1(つまり、スイッチングレグNの出力端)は、SRモータ10のアウターステータ12aに設けられた巻線Laの一端に接続されている。ここで、接続点P1は、アウターステータ12aに設けられた巻線Laの一端に加えて、アウターステータ12aに設けられた巻線Lb,Lc及びインナーステータ12bに設けられた巻線Ld,Le,Lfの一端にも接続されている(図1参照)。また、スイッチングレグNの一方の開放端(且つ、入力端)であるIGBTQ1のコレクタは、端子T1に接続され、スイッチングレグNの他方の開放端(且つ、入力端)であるダイオードD1のアノードは、端子T2に接続されている。
上記の4つの半導体スイッチング素子のうち、残りのダイオードDa及びIGBTQaは直列接続されており、スイッチングレグMaを構成している。ダイオードDaはスイッチングレグMaの上アームUAを構成しており、IGBTQaはスイッチングレグMaの下アームLAを構成している。尚、スイッチングレグMaを構成するダイオードDa及びIGBTQaも、例えば半導体材料としてシリコンを用いて形成されたものである。
具体的に、IGBTQaのコレクタとダイオードDaのアノードとが接続されており、その接続点P2(つまり、スイッチングレグMaの出力端)は、SRモータ10のアウターステータ12aに設けられた巻線Laの他端に接続されている。ここで、接続点P2は、上述した接続点P1とは異なり、アウターステータ12aに設けられた巻線Laの他端のみに接続され、アウターステータ12aに設けられた巻線Lb,Lc及びインナーステータ12bに設けられた巻線Ld,Le,Lfの他端には接続されていない(図1参照)。また、スイッチングレグMaの一方の開放端(且つ、入力端)であるダイオードDaのカソードは、端子T1に接続され、スイッチングレグMaの他方の開放端(且つ、入力端)であるIGBTQaのエミッタは、端子T2に接続されている。
尚、図1に示す通り、スイッチングレグMbの出力端(IGBTQbのコレクタとダイオードDbのアノードとの接続点)は、アウターステータ12aに設けられた巻線Lbの他端に接続され、スイッチングレグMcの出力端(IGBTQcのコレクタとダイオードDcのアノードとの接続点)は、アウターステータ12aに設けられた巻線Lcの他端に接続されている。同様に、スイッチングレグMdの出力端(IGBTQdのコレクタとダイオードDdのアノードとの接続点)は、インナーステータ12bに設けられた巻線Ldの他端に接続され、スイッチングレグMeの出力端(IGBTQeのコレクタとダイオードDeのアノードとの接続点)は、インナーステータ12bに設けられた巻線Leの他端に接続され、スイッチングレグMfの出力端(IGBTQfのコレクタとダイオードDfのアノードとの接続点)は、インナーステータ12bに設けられた巻線Lfの他端に接続されている。
図3(a)に示すH型ブリッジ回路には、いくつかの変形例が考えられる。例えば、図3(b)に示す通り、H型ブリッジ回路に設けられる4つのスイッチング素子の全てがIGBTであっても良い。このような変形例では、スイッチングレグNの下アームLAをなすIGBTは、ゲートとエミッタとがショート(短絡)されてダイオードD1として使用され、スイッチングレグMaの上アームUAをなすIGBTは、ゲートとエミッタとがショートされてダイオードDaとして使用される。
また、図3(c)に示す通り、H型ブリッジ回路に設けられる4つのスイッチング素子の全てがMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)であっても良い。このような変形例において、MOSFETは、寄生ダイオードによって逆方向通電が可能であるため、スイッチングレグNの下アームLAをなすMOSFETがダイオードD1として使用され、スイッチングレグMaの上アームUAをなすMOSFETがダイオードDaとして使用される。尚、この変形例では、寄生ダイオードによる導通期間にゲートをオンとする同期整流駆動を行うことで、損失低減を図ることも可能である。
また、図示は省略するが、図3(a)〜(c)に示すH型ブリッジ回路において、スイッチングレグNの上アームUAを構成する半導体スイッチング素子と下アームLAを構成する半導体スイッチング素子とを入れ替え、且つスイッチングレグMaの上アームUAを構成する半導体スイッチング素子と下アームLAを構成する半導体スイッチング素子とを入れ替えた構成であっても良い。
このように、スイッチングレグNをステータ12の巻線の全てに共通して設けるとともに、スイッチングレグMa〜Mfをステータ12の巻線に対応してそれぞれ設けるようにしている。そして、スイッチングレグNとスイッチングレグMa〜Mfとの組み合わせによって、ステータ12の巻線の各々に対応するH型ブリッジ回路を構成するようにしている。このようにして構成されるH型ブリッジ回路は、ステータ12の巻線La〜Lf(SRモータ10のA相〜F相の巻線)に対応して互いに独立しており、互いに影響を及ぼすことはない。
次に、上述した電力変換回路1の動作について説明する。SRモータ10の駆動時における電力変換回路1の基本的な動作は、一般的なSRモータ駆動回路の動作と同様である。つまり、電力変換回路1は、不図示の制御装置から出力される制御信号(ゲート信号)に基づいて、A相〜C相の駆動電流(モータ電流Ia〜Ic)及びD相〜F相の駆動電流(モータ電流Id〜If)を順次生成してSRモータ10に供給する。
尚、A相の駆動電流(モータ電流Ia)は、スイッチングレグNとスイッチングレグMaとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路に供給されるゲート信号に基づいて生成される。B相の駆動電流(モータ電流Ib)は、スイッチングレグNとスイッチングレグMbとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路に供給されるゲート信号に基づいて生成される。C相の駆動電流(モータ電流Ic)は、スイッチングレグNとスイッチングレグMcとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路に供給されるゲート信号に基づいて生成される。
同様に、D相の駆動電流(モータ電流Id)は、スイッチングレグNとスイッチングレグMdとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路に供給されるゲート信号に基づいて生成される。E相の駆動電流(モータ電流Ie)は、スイッチングレグNとスイッチングレグMeとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路に供給されるゲート信号に基づいて生成される。F相の駆動電流(モータ電流If)は、スイッチングレグNとスイッチングレグMfとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路に供給されるゲート信号に基づいて生成される。
ここで、スイッチングレグNとスイッチングレグMa〜Mfとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路の動作は、動作タイミングを無視してしまえば基本的に同じである。このため、以下では、スイッチングレグNとスイッチングレグMaとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路の動作について詳細に説明し、その他のH型ブリッジ回路の動作については詳細な説明を省略する。
図4は、本発明の第1実施形態におけるH型ブリッジ回路の動作を説明するための波形図である。図4中の「Q1ゲート信号」は、不図示の制御装置によって生成されるIGBTQ1に対する制御信号であり、「Qaゲート信号」は、不図示の制御装置によって生成されるIGBTQaに対する制御信号である。また、「モータ電圧Va」は、SRモータ10のA相の巻線Laに印加される電圧であり、「モータ電流Ia」は、SRモータ10のA相の巻線Laに流れる電流である。
スイッチングレグNをなすIGBTQ1は、図4中の「Q1ゲート信号」に基づいてオン状態又はオフ状態になり、スイッチングレグMaをなすIGBTQaは、図4中の「Qaゲート信号」に基づいてオン状態又はオフ状態になる。これにより、SRモータ10のA相の巻線Laには、図4に示す「モータ電圧Va」が印加されるとともに、図4に示す「モータ電流Ia」が流れる。
ここで、図4に示す通り、「Q1ゲート信号」及び「Qaゲート信号」は何れも、ロータ11の回転角がθonになると立ち上がる。すると、IGBTQ1及びIGBTQaがオン状態になって、H型ブリッジ回路の動作モードがモード1(正電圧モード)になる。これにより、モータ電圧Vaは正の電圧(+VE)になり、直流電源Eの正極から、IGBTQ1、SRモータ10のA相の巻線La、及びIGBTQaを順に介して直流電源Eの負極に至るモータ電流Iaが流れる。尚、モータ電流Iaは、図4に示す通り、徐々に上昇する。
次に、「Q1ゲート信号」は立ち上がったままであるが「Qaゲート信号」が立ち下がる。すると、IGBTQ1のオン状態が維持されたままIGBTQaがオフ状態になって、H型ブリッジ回路の動作モードがモード2(還流モード)になる。これにより、モータ電圧Vaは零になり、モータ電流IaがダイオードDa及びIGBTQ1を順に介して巻線Laに還流される。尚、モータ電流Iaは、巻線La、ダイオードDa、及びIGBTQ1からなる回路の損失によって、図4に示す通り、徐々に減少する。
図4に示す通り、「Q1ゲート信号」は、ロータ11の回転角がθoffになるまで立ち上がったままであるが、「Qaゲート信号」は、ロータ11の回転角がθoffになるまで立ち上がりと立ち下がりが繰り繰り返される。これにより、ロータ11の回転角がθoffになるまで、IGBTQ1のオン状態が維持されたまま、IGBTQaのオン状態とオフ状態とが交互に繰り返される。つまり、上述したモード1(正電圧モード)とモード2(還流モード)とが交互に繰り返される。これにより、モータ電流Iaが、目標電流Irefに維持される。
そして、図4に示す通り、「Q1ゲート信号」及び「Qaゲート信号」は何れも、ロータ11の回転角がθoffになると立ち下がる。すると、IGBTQ1及びIGBTQaがオフ状態になって、H型ブリッジ回路の動作モードがモード3(負電圧モード)になる。これにより、モータ電圧Vaは負の電圧(−VE)になり、モータ電流IaがダイオードD1,Daを介して直流電源Eに回生される。尚、モータ電流Iaは、図4に示す通り、徐々に減少する。
このように、スイッチングレグNとスイッチングレグMaとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路は、最初にモード1(正電圧モード)になってSRモータ10の巻線Laを励磁し、次にモード2(還流モード)とモード1とを繰り返してSRモータ10の巻線Laに流れる電流を制御し、最後にモード3(負電圧モード)になってSRモータ10の巻線Laを消磁する。尚、動作タイミングは異なるものの、以上説明した動作と同様の動作が、その他のH型ブリッジ回路(スイッチングレグNとスイッチングレグMb〜Mfとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路)でも行われる。
図5は、本発明の第1実施形態による電力変換回路の動作を説明するための波形図である。図5中の「Q1ゲート信号」は、不図示の制御装置によって生成されるIGBTQ1に対する制御信号であり、「Qaゲート信号」〜「Qfゲート信号」は、それぞれ不図示の制御装置によって生成されるIGBTQa〜IGBTQfに対する制御信号である。また、「モータ電流Ia」〜「モータ電流If」は、それぞれSRモータ10のA相の巻線La〜F相の巻線Lfに流れる電流である。尚、ここでは説明を簡単にするために、巻線La〜Lfの仕様は全て同じであるとする。
図5に示す通り、スイッチングレグMaをなすIGBTQaに対して生成される「Qaゲート信号」と、スイッチングレグMdをなすIGBTQdに対して生成される「Qdゲート信号」とは同じである。これは、図2に示す通り、アウターステータ12aのA相に対応する突極(「A」,「A′」)と、インナーステータ12bのD相に対応する突極(「D」,「D′」)とが対向するように配置されており、仕様が同じA相の巻線LaとD相の巻線Ldとを同時に励磁するためである。
また、スイッチングレグMbをなすIGBTQbに対して生成される「Qbゲート信号」と、スイッチングレグMeをなすIGBTQeに対して生成される「Qeゲート信号」とは同じである。これは、図2に示す通り、アウターステータ12aのB相に対応する突極(「B」,「B′」)と、インナーステータ12bのE相に対応する突極(「E」,「E′」)とが対向するように配置されており、仕様が同じB相の巻線LbとE相の巻線Leとを同時に励磁するためである。
同様に、スイッチングレグMcをなすIGBTQcに対して生成される「Qcゲート信号」と、スイッチングレグMfをなすIGBTQfに対して生成される「Qfゲート信号」とは同じである。これは、図2に示す通り、アウターステータ12aのC相に対応する突極(「C」,「C′」)と、インナーステータ12bのF相に対応する突極(「F」,「F′」)とが対向するように配置されており、仕様が同じC相の巻線LcとF相の巻線Lfとを同時に励磁するためである。
スイッチングレグNをなすIGBTQ1は、図5中の「Q1ゲート信号」に基づいてオン状態又はオフ状態になる。また、スイッチングレグMa,MdをなすIGBTQa,Qdは、図5中の「Qa,Qdゲート信号」に基づいてオン状態又はオフ状態になり、スイッチングレグMb,MeをなすIGBTQb,Qeは、図5中の「Qb,Qeゲート信号」に基づいてオン状態又はオフ状態になり、スイッチングレグMc,MfをなすIGBTQc,Qfは、図5中の「Qc,Qfゲート信号」に基づいてオン状態又はオフ状態になる。これにより、SRモータ10のA相の巻線La及びD相の巻線Ldには、図5に示す「モータ電流Ia,Id」が流れ、SRモータ10のB相の巻線Lb及びE相の巻線Leには、図5に示す「モータ電流Ib,Ie」が流れ、SRモータ10のC相の巻線Lc及びF相の巻線Lfには、図5に示す「モータ電流Ic,If」が流れる。
図5に示す通り、モータ電流Iaは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQaがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Iaは、IGBTQaのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Irefに維持される。そして、モータ電流Iaは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQaがオフ状態になることによって立ち下がる。
同様に、モータ電流Idは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQdがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Idは、IGBTQdのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Irefに維持される。そして、モータ電流Idは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQdがオフ状態になることによって立ち下がる。
また、図5に示す通り、モータ電流Ibは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQbがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Ibは、IGBTQbのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Irefに維持される。そして、モータ電流Ibは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQbがオフ状態になることによって立ち下がる。
同様に、モータ電流Ieは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQeがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Ieは、IGBTQeのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Irefに維持される。そして、モータ電流Ieは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQeがオフ状態になることによって立ち下がる。
また、図5に示す通り、モータ電流Icは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQcがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Icは、IGBTQcのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Irefに維持される。そして、モータ電流Icは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQcがオフ状態になることによって立ち下がる。
同様に、モータ電流Ifは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQfがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Ifは、IGBTQfのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Irefに維持される。そして、モータ電流Ifは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQfがオフ状態になることによって立ち下がる。
このように、本実施形態では、スイッチングレグNをステータ12の巻線La〜Lfの全てに共通して設けるとともに、スイッチングレグMa〜Mfをステータ12の巻線La〜Lfに対応してそれぞれ設けるようにしている。そして、スイッチングレグNとスイッチングレグMa〜Mfとの組み合わせを変えて、ステータ12の巻線La〜Lfの各々に対応するH型ブリッジ回路を構成するようにしている。これにより、大幅な回路規模の増大を招くことなく電流の相数の増大(SRモータ10のダブルステータ構造に起因するD相、E相、F相の増大)に対応することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態による電力変換回路は、図1に示す電力変換回路1と同様の構成であるが、SRモータ10の駆動方法が第1実施形態とは異なる。具体的に、本実施形態では、アウターステータ12aの巻線La〜Lcに対応して設けられたスイッチングレグMa〜Mcと、インナーステータ12bの巻線Ld〜Lfに対応して設けられたスイッチングレグMd〜Mfとを、互いに異なるスイッチング周波数で駆動している。また、スイッチングレグMa〜Mc、及びスイッチングレグMd〜Mfを、アウターステータ12aの巻線La〜Lcに流れる電流と、インナーステータ12bの巻線Ld〜Lfに流れる電流とが互いに異なるように駆動している。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態による電力変換回路は、図1に示す電力変換回路1と同様の構成であるが、SRモータ10の駆動方法が第1実施形態とは異なる。具体的に、本実施形態では、アウターステータ12aの巻線La〜Lcに対応して設けられたスイッチングレグMa〜Mcと、インナーステータ12bの巻線Ld〜Lfに対応して設けられたスイッチングレグMd〜Mfとを、互いに異なるスイッチング周波数で駆動している。また、スイッチングレグMa〜Mc、及びスイッチングレグMd〜Mfを、アウターステータ12aの巻線La〜Lcに流れる電流と、インナーステータ12bの巻線Ld〜Lfに流れる電流とが互いに異なるように駆動している。
前述した第1実施形態では、説明を簡単にするために、ステータ12に設けられた巻線La〜Lfの仕様は全て同じであるとした。そして、図5に示す通り、スイッチングレグMa,Mdに対する制御信号(「Qaゲート信号」、「Qdゲート信号」)を同じにし、スイッチングレグMb,Meに対する制御信号(「Qbゲート信号」、「Qeゲート信号」)を同じにし、スイッチングレグMc,Mfに対する制御信号(「Qcゲート信号」、「Qfゲート信号」)を同じにした。また、モータ電流Ia〜Ifの目標電流を、全て目標電流Irefにした。
これに対し、本実施形態では、アウターステータ12aの巻線La,Lb,Lcとインナーステータ12bの巻線Ld,Le,Lfとは仕様が異なっている。具体的には、アウターステータ12aの巻線La,Lb,Lcに比べてインナーステータ12bの巻線Ld,Le,Lfのインダクタンスを小さくしている。スイッチングレグMa〜Mc及びスイッチングレグMd〜Mfの周波数、並びに、巻線La〜Lc及び巻線Ld〜Lfに流れる電流の目標電流は、巻線La,Lb,Lcと巻線Ld,Le,Lfとの仕様の相違に応じて設定される。
図6は、本発明の第2実施形態による電力変換回路の動作を説明するための波形図である。尚、図6においては、スイッチングレグNとスイッチングレグMaとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路、及び、スイッチングレグNとスイッチングレグMdとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路に係る波形のみを図示している。つまり、図6では、図5中の符号X1を付した部分に相当する部分の波形のみ図示しており、符号X2,X3を付した部分に相当する部分の波形は省略している。
図6中の「Q1ゲート信号」は、スイッチングレグNをなすIGBTQ1に対する制御信号である。また、図6中の「Qaゲート信号」は、スイッチングレグMaをなすIGBTQaに対する制御信号であり、「Qdゲート信号」は、スイッチングレグMdをなすIGBTQdに対する制御信号である。また、「モータ電流Ia」は、SRモータ10のA相の巻線Laに流れる電流であり、「モータ電流Id」は、SRモータ10のD相の巻線Ldに流れる電流である。
図6に示す通り、「モータ電流Ia」に対する目標電流は、Iref_aに設定されており、「モータ電流Id」に対する目標電流は、Iref_dに設定されている。また、「Qdゲート信号」は、「Qaゲート信号」よりも高いスイッチング周波数に設定されている。このような設定を行うのは、インダクタンスが相対的に小さな巻線に対応するスイッチングレグのスイッチング周波数を高くした方が有利な場合があるからである。
図6に示す通り、モータ電流Iaは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQaがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Iaは、IGBTQaのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Iref_aに維持される。そして、モータ電流Iaは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQaがオフ状態になることによって立ち下がる。
同様に、モータ電流Idは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQdがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Idは、IGBTQdのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Iref_dに維持される。ここで、図6に示す通り、「Qdゲート信号」は、「Qaゲート信号」よりも高いスイッチング周波数に設定されていることから、IGBTQdはIGBTQaよりも短い周期でオン状態とオフ状態とが繰り返される。そして、モータ電流Idは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQdがオフ状態になることによって立ち下がる。
このように、本実施形態では、スイッチングレグMa〜McとスイッチングレグMd〜Mfとのスイッチング周波数が異なり、巻線La〜Lcと巻線Ld〜Lfとの目標電流が異なるものの、第1実施形態と同様に、スイッチングレグNをステータ12の巻線La〜Lfの全てに共通して設けるとともに、スイッチングレグMa〜Mfをステータ12の巻線La〜Lfに対応してそれぞれ設けるようにしている。このため、本実施形態においても、大幅な回路規模の増大を招くことなく電流の相数の増大(SRモータ10のダブルステータ構造に起因するD相、E相、F相の増大)に対応することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態による電力変換回路も、図1に示す電力変換回路1と同様の構成であるが、SRモータ10の駆動方法が第1実施形態とは異なる。具体的に、本実施形態では、アウターステータ12aの巻線La〜Lcに対応して設けられたスイッチングレグMa〜Mcと、インナーステータ12bの巻線Ld〜Lfに対応して設けられたスイッチングレグMd〜Mfとを、スイッチングの位相を互いにずらして駆動している。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態による電力変換回路も、図1に示す電力変換回路1と同様の構成であるが、SRモータ10の駆動方法が第1実施形態とは異なる。具体的に、本実施形態では、アウターステータ12aの巻線La〜Lcに対応して設けられたスイッチングレグMa〜Mcと、インナーステータ12bの巻線Ld〜Lfに対応して設けられたスイッチングレグMd〜Mfとを、スイッチングの位相を互いにずらして駆動している。
また、本実施形態では、第2実施形態と同様に、スイッチングレグMa〜Mc、及びスイッチングレグMd〜Mfを、アウターステータ12aの巻線La〜Lcに流れる電流と、インナーステータ12bの巻線Ld〜Lfに流れる電流とが互いに異なるように駆動している。尚、本実施形態においても、第2実施形態と同用意、アウターステータ12aの巻線La,Lb,Lcとインナーステータ12bの巻線Ld,Le,Lfとは仕様が異なっているものとする。
図7は、本発明の第3実施形態による電力変換回路の動作を説明するための波形図である。尚、図7においては、図6と同様に、スイッチングレグNとスイッチングレグMaとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路、及び、スイッチングレグNとスイッチングレグMdとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路に係る波形のみ(図5中の符号X1を付した部分に相当する部分の波形のみ)を図示している。
図7に示す通り、「モータ電流Ia」に対する目標電流は、Iref_aに設定されており、「モータ電流Id」に対する目標電流は、Iref_dに設定されている。また、「Qdゲート信号」と「Qaゲート信号」とは、位相(前述したモード2とモード1とが繰り返される部分の位相)が180°ずらされている。このように位相をずらすのは、アウターステータ12aの巻線La〜Lcの励磁により生ずるトルクリプルと、インナーステータ12bの巻線Ld〜Lfの励磁により生ずるトルクリプルとを逆位相にして、SRモータ10で生ずるトルクリプルを低減するためである。
図7に示す通り、モータ電流Iaは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQaがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Iaは、IGBTQaのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Iref_aに維持される。そして、モータ電流Iaは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQaがオフ状態になることによって立ち下がる。
同様に、モータ電流Idは、ロータ11の回転角がθonになると、IGBTQ1及びIGBTQdがオン状態になることによって立ち上がる。また、モータ電流Idは、IGBTQdのオン状態とオフ状態とが繰り返されることによって目標電流Iref_dに維持される。ここで、図7に示す通り、「Qdゲート信号」は、「Qaゲート信号」に対して位相(前述したモード2とモード1とが繰り返される部分の位相)が180°ずれているため、モータ電流Idの増減とモータ電流Iaの増減とは逆になる。そして、モータ電流Idは、ロータ11の回転角がθoffになると、IGBTQ1及びIGBTQdがオフ状態になることによって立ち下がる。
このように、本実施形態では、スイッチングレグMa〜McとスイッチングレグMd〜Mfとがスイッチングの位相を互いにずらして駆動されるものの、第1実施形態と同様に、スイッチングレグNをステータ12の巻線La〜Lfの全てに共通して設けるとともに、スイッチングレグMa〜Mfをステータ12の巻線La〜Lfに対応してそれぞれ設けるようにしている。このため、本実施形態においても、大幅な回路規模の増大を招くことなく電流の相数の増大(SRモータ10のダブルステータ構造に起因するD相、E相、F相の増大)に対応することができる。
以上、本発明の実施形態による電力変換回路について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、電力変換回路1が、直流電源Eから供給される直流電力をパルス状の駆動電流に変換してSRモータ10に供給するインバータとして機能する例について説明した。しかしながら、電力変換回路1は、モータによる発電電力を直流電力に変換するコンバータとして用いることも可能である。
また、上述した実施形態では、スイッチングレグN及びスイッチングレグMa〜Mfの上アームUA及び下アームLAが単一の半導体スイッチング素子で構成される例について説明した。しかしながら、スイッチングレグN及びスイッチングレグMa〜Mfの上アームUA及び下アームLAの少なくとも一方を複数の半導体スイッチング素子で構成してもよい。
例えば、図3(a)に示したスイッチングレグNの上アームUAを、直列接続、並列接続、或いは直並列接続された複数のIGBTで構成し、下アームLAを直列接続、並列接続、或いは直並列接続された複数のダイオードで構成することができる。同様に、図3(a)に示したスイッチングレグMaの下アームLAを、直列接続、並列接続、或いは直並列接続された複数のIGBTで構成し、上アームUAを直列接続、並列接続、或いは直並列接続された複数のダイオードで構成することができる。このような構成を採用することにより、スイッチングレグN及びスイッチングレグMa〜Mfの上アームUA及び下アームLAの耐圧及び電流容量の少なくとも一方を増大させることができる。
また、上述した実施形態では、スイッチングレグNとスイッチングレグMa〜Mfとの組み合わせによって構成されるH型ブリッジ回路をなす4つの半導体スイッチング素子がシリコンを用いて形成されたものであるとして説明した。しかしながら、炭化ケイ素、窒化ガリウム、等の化合物半導体を用いて形成されたものを用いても良い。
1…電力変換回路、10…SRモータ、11…ロータ、12a…アウターステータ、12b…インナーステータ、D1,Da…ダイオード、E…直流電源、La〜Lf…巻線、Ma〜Mf…スイッチングレグ、N…スイッチングレグ、P1,P2…接続点、Q1,Qa…IGBT
Claims (7)
- 環状のロータと、該ロータを挟むように配置される第1ステータ及び第2ステータとを備えるダブルステータ型回転機に供給される電力、或いは該ダブルステータ型回転機から供給される電力の変換を行う電力変換回路であって、
前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線の全てに共通して設けられた1つの第1スイッチングレグと、
前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線に対応してそれぞれ設けられた複数の第2スイッチングレグと、
を備える電力変換回路。 - 前記第1スイッチングレグ及び第2スイッチングレグは、直列接続された少なくとも2つの半導体スイッチング素子を備えており、
前記第1スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子の接続点は、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線の一端に接続されており、
前記第2スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子の接続点は、前記第1ステータ及び前記第2ステータの巻線のうちの対応する巻線の他端に接続されている、
請求項1記載の電力変換回路。 - 前記第1スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子の開放端、及び前記第2スイッチングレグが備える前記半導体スイッチング素子の開放端は、直流電源に接続されている、請求項2記載の電力変換回路。
- 前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、互いに異なるスイッチング周波数で駆動される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電力変換回路。
- 前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、スイッチングの位相を互いにずらして駆動される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電力変換回路。
- 前記第1ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグ、及び前記第2ステータの巻線に対応して設けられた前記第2スイッチングレグは、前記第1ステータの巻線に流れる電流と前記第2ステータの巻線に流れる電流とが互いに異なるように駆動される、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の電力変換回路。
- 前記第1ステータは、前記ロータの外側に配置されるアウターステータであり、
前記第2ステータは、前記ロータの内側に配置されるインナーステータである、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の電力変換回路。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112436704A (zh) * | 2020-11-30 | 2021-03-02 | 江苏大学 | 一种电动汽车用径向双绕组开关磁阻电机及其功率变换器 |
JP7408628B2 (ja) | 2018-08-07 | 2024-01-05 | タウ モーターズ,インコーポレイテッド | 電動機 |
-
2016
- 2016-01-19 JP JP2016007804A patent/JP2017131013A/ja active Pending
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