JP2017130306A - 燃料電池のシミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間で高精度に燃料電池の触媒層の性能を予測することが可能なシミュレーション方法を提供する。【解決手段】燃料電池の触媒層の性能を予測するシミュレーション方法であって、燃料電池の触媒層をマルチブロック化し、各ブロック内の物質輸送に関する物質輸送のパラメータの実効値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定する第1のステップと、第1のステップで得られた各ブロック内の物質輸送のパラメータの実効値を基に、燃料電池の触媒層の性能を予測する第2のステップと、を備えた、燃料電池のシミュレーション方法とする。【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池のシミュレーション方法に関するものであり、詳しくは、燃料電池の触媒層の構造決定、及び燃料電池の性能予測を行うシミュレーション技術に関するものである。
エネファームやFCVの更なる市場拡大を目指して、燃料電池の低コスト化と性能向上に関係各社が注力している。そのような状況の中にあって、燃料電池システムの心臓部であるスタック/MEA(電解質膜−電極接合体)の中核を担う触媒層の構造設計がかねてより望まれており、短時間で高精度に触媒層の性能を予測することが可能なシミュレーション技術の発明が強く期待されている。
触媒層の設計においてシミュレーションの目的は、触媒層のミクロ〜メソスコピックな構造からマクロスコピックな性能、つまりは触媒層の能力を算出することであり、更にはその触媒層を電池に組み込んだときの燃料電池の正確な性能予測することである。
上記の触媒層のシミュレーションにおいては、実際の触媒層の構造をSEMやTEMで観測した画像からボリュームレンダリングで構造を再現したり、触媒層の代表的なパラメータを抽出し、そこから仮想的な触媒構造を作成したりすることでシミュレーションに必要な解析構造を決定し、物質輸送と電気化学反応を連立することで触媒層の能力を算出することが行われている。
また、燃料電池の性能予測に関しては、触媒層の能力を決定した後に、市販ツールのAnsys Fluent(登録商標)のプラットフォーム化などにより、電池性能の予測が可能となることが報告されている。
このような中、短時間で高精度に触媒層の性能を予測することが可能なシミュレーション技術として、実際の触媒層の構造をSEMやTEMで観測した画像からボリュームレンダリングで構造を再現し、触媒層の代表的なパラメータを抽出し、そこから仮想的な触媒層構造を作成することでシミュレーションに必要な解析構造を決定し、物質輸送と電気化学反応を連立することで触媒層の能力の予測することが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
また、短時間で触媒層のシミュレーションが可能となるように、模擬触媒層を粒子径相当でシミュレーション領域のマルチブロック化で粗視化し、触媒層の各ブロックの不均一構造を実効拡散係数、実効プロトン伝導度、実効電気伝導度を導入することで模擬している。そして、各種の実効パラメータは細孔径、屈曲度、空隙率に基づき算出することを行っている(例えば、非特許文献1参照)。
これらの工夫により、短時間で触媒層の性能を引き出すシミュレーションが行なわれている。
特許第4924460号公報
日本機械学会2011 年度年次大会 S053012 PEFC触媒層内のカーボン凝集および電解質被覆モデリングと反応分布評価
しかしながら特許文献1の手法では、触媒層がサブミクロンサイズの微細空隙構造から構成されることが厳密には考慮されておらず、連続体近似の方程式系で記述されており、燃料電池を構成する部材の細孔径とガスの平均自由行程が同程度であること考えると、この近似が適切ではないことが容易に予測される。
更に、この手法では性能の予測精度がメッシュサイズに依存してしまい、精度を求める場合には結果として大規模な計算が必要とされる可能性が高い。
また、非特許文献1においては物質輸送の実効パラメータを決定する際に、各ブロック内の屈曲度を最初に決定し、その屈曲度の値でバルクの物質輸送のパラメータを除することでブロック内の実効値としている。
しかしながら、屈曲度はブロック内で一意に定義できるものではなく、また、この屈曲度で除す補正では、数ミリボルトの精度が要求される触媒層の性能予測を高精度に行なうことは困難である。
また、非特許文献1で採用されるフィック様の実効拡散の方程式は、自己拡散と壁面との衝突が支配的となるクヌーセン領域で用いられる近似手法であり、燃料電池の触媒層の微小細孔がサブミクロンのサイズで、相互拡散に関係する異種間の原子・分子の衝突を無視できるサイズではなく、拡散に関係する物質輸送モデルの精度に課題がある。
例えば、限界電流に近い状況であれば、電解質膜近傍で酸素が欠乏し、滞留窒素による酸素の散乱が無視できなくなり、非特許文献1のフィック様モデルの前提条件が崩れることも想定される。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、短時間で高精度に触媒層の性能を予測することが可能なシミュレーション技術を提供することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池のシミュレーション方法は、燃料電池の触媒層の性能を予測するシミュレーション方法であって、燃料電池の触媒層をマルチブロック化し、各ブロック内の物質輸送に関する物質輸送のパラメータの実効値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定する第1のステップと、第1のステップで得られた各ブロック内の物質輸送のパラメータの実効値を基に、燃料電池の触媒層の性能を予測する第2のステップと、を備えている。
なお、上記の遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法とは、格子ボルツマン法、格子ガス法のことを意味している。
これにより、計算規模を大幅に低下させることが可能となり、また各ブロック内の物質輸送に関する物質輸送のパラメータの実効値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定することにより、各ブロック内の物質輸送のパラメータの実効値を正確に決定することが可能
となり、燃料電池の触媒層の性能を短時間で高精度に予測することが可能となる。
燃料電池の触媒層をマルチブロック化することで、計算規模を低下させることが可能となり大幅に計算時間を削減することが出来るようになる。
また、各ブロック内の物質輸送に関する物質輸送のパラメータの実効値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定することにより、各ブロック内の物質輸送のパラメータの実効値を正確に決定することが可能となり、燃料電池の触媒層の性能を高精度に予測することが出来るようになり、高性能な燃料電池を提供することができる。
本発明の実施の形態1の燃料電池のシミュレーション方法における触媒層のシミュレーション領域とそれをマルチブロック化したイメージ図 本発明の実施の形態1の燃料電池のシミュレーション方法における各ブロックにおける実効的な相互拡散係数を決定するシミュレーションの概念図 本発明の実施の形態1の燃料電池のシミュレーション方法における各ブロックにおけるガスの拡散状況を決定するシミュレーションの概念図 本発明の実施の形態1の燃料電池のシミュレーション方法における各ブロックにおける実効的なガスの浸透係数、電子およびプロトン電導性、熱の伝導度を算出するシミュレーションの概念図 本発明の実施の形態1の燃料電池のシミュレーション方法における触媒層の性能を予測するシミュレーションのフローチャート 本発明の実施の形態1の燃料電池のシミュレーション方法における各ブロックにおける実効的な相互拡散を算出するフローチャート
第1の発明は、燃料電池の触媒層の性能を予測するシミュレーション方法であって、燃料電池の触媒層をマルチブロック化し、各ブロック内の物質輸送に関する物質輸送のパラメータの実効値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定する第1のステップと、前記第1のステップで得られた各ブロック内の物質輸送のパラメータの実効値を基に、燃料電池の触媒層の性能を予測する第2のステップと、を備えた、燃料電池のシミュレーション方法である。
これにより、燃料電池の触媒層をマルチブロック化することで、計算規模を低下させることが可能となり大幅に計算時間を削減することが出来るようになり、また各ブロック内の物質輸送に関する物質輸送のパラメータの実効値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定することにより、各ブロック内の物質輸送のパラメータの実効値を正確に決定することが可能となり、燃料電池の触媒層の性能を高精度に予測することが出来るようになる。
第2の発明は、特に第1の発明における、物質輸送のパラメータに、実効的なガスの浸透係数を含むものである。
これにより、各ブロック内のガスの浸透係数の値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定することが可能となり、燃料電池の触媒層の実効的なガスの浸透係数を高精度に予測することが出来るようになり、触媒層内のガスの流れを正確に知ることが可能となる。
第3の発明は、特に第1の発明における、物質輸送のパラメータに、実効的な電子およびプロトンの電導度を含むものである。
これにより、各ブロック内の電子およびプロトンの電導度の値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定することが可能となり、燃料電池の触媒層の実効的な電子およびプロトンの電導度を高精度に予測することが出来るようになり、触媒層内の荷電の流れを正確に知ることが可能となる。
第4の発明は、特に第1の発明における、物質輸送のパラメータに、実効的な熱の伝導度を含むものである。
これにより、各ブロック内の熱の伝導度の値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定することが可能となり、燃料電池の触媒層の実効的な熱の伝導度を高精度に予測することが出来るようになり、触媒層内の熱の流れを正確に知ることが可能となる。
第5の発明は、特に第1の発明における、物質輸送のパラメータに、実効的なガスの相互拡散係数を含むものである。
これにより、各ブロック内のガスの相互拡散係数の値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定することが可能となり、燃料電池の触媒層の実効的なガスの相互拡散係数を高精度に予測することが出来るようになり、触媒層内のガスの拡散を正確に知ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の燃料電池のシミュレーション方法における触媒層のシミュレーション領域とそれをマルチブロック化したイメージ図であり、図2は各ブロックにおける実効的なガスの浸透係数、電子およびプロトン電導性、熱の伝導度を算出するシミュレーションの概念図であり、図3は各ブロックにおけるガスの拡散状況を決定するシミュレーションの概念図であり、図4は各ブロックにおける実効的な相互拡散係数を決定するシミュレーションの概念図であり、図5は触媒層の性能を予測するシミュレーションのフローチャートであり、図6は各ブロックにおける実効的な相互拡散を算出するフローチャートである。
また、(数1)は離散化されたボルツマン方程式を表す数式であり、(数2)は実効的な浸透係数を含むダルシーの法則を表す数式であり、(数3)は実効的な電気電導度を含むオームの法則を表す数式であり、(数4)は実効的な熱伝導係数を含むフーリエの法則を表す数式であり、(数5)は実効的な相互拡散係数を含むステファン−マクスウェルの法則を表す数式であり、(表1)は(数1)〜(数5)中の変数を示す表である。
図1は、シミュレーションの対象となる触媒層のシミュレーションの全領域101、全領域をマルチブロック化したイメージ102を示している。
図2は、マルチブロック化されたブロック201、ブロック201の実効的なガスの浸透係数、電子およびプロトン電導性、熱の伝導度を算出するシミュレーションの境界条件を設定する基準面202、ブロック201の実効的なガスの浸透係数、電子およびプロトン電導性、熱の伝導度を算出するシミュレーションの境界条件を設定するもう一方の基準面203を示している。
図3は、遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づき、各ブロックにおけるガスの拡散状況を決定するシミュレーションのガス(1)の軌跡301、ガス(2)の軌跡302、ガス(1)のモル分率の参照面303、実効的な相互拡散係数を算出することを目的とした触媒層のブロック304を示している。
図4は、実効的な相互拡散係数を含むステファン−マクスウェルの法則に基づき、各ブロックにおけるガスの拡散状況を決定するシミュレーションのガス(1)の軌跡401、ガス(2)の軌跡402、ガス(1)のモル分率の参照面403、一定の実効的な相互拡散係数を持つ仮想のポーラス領域404を示している。
次に図5の触媒層の性能を予測するシミュレーションのフローチャートに沿い、触媒層の性能を予測する方法を述べる。
まずS101でシミュレーションを開始し、S102で対象となる触媒層構造の読み込みを行ない、S103で解析領域をマルチブロック化し、S104でブロック毎に実効的な物質輸送のパラメータを決定し、S105でブロックを結合し、解析領域を再構築し、S106で触媒層の性能を予測し、S107で終了とする。
ここで、S103における解析領域のマルチブロック化のイメージは図1に示される。触媒層のシミュレーションの全領域101に対し、マルチブロック化したイメージ102のように全領域を分割する。
その際、分割を細かくしすぎると、シミュレーションの精度は高くなるが、計算負荷が大きくなることから、適切なサイズで領域を分割することが重要である。
分割された全てのブロックに対して、(数2)の実効的な浸透係数、(数3)の実効的な電気電導度、(数4)の実効的な熱伝導係数、(数5)の実効的な相互拡散係数を算出する。
次に、S104におけるブロック毎に実効的な物質輸送のパラメータを決定する方法について述べる。対象とする物質輸送のパラメータは(数2)の実効的な浸透係数、(数3)の実効的な電気電導度、(数4)の実効的な熱伝導係数、(数5)の実効的な相互拡散係数であるが、実効的な浸透係数、電気伝導度、熱伝導係数については同様の手法で算出することが可能であることから、ここでは実効的な浸透係数と相互拡散係数の算出に関してのみ詳しく述べることとする。
各ブロックの実効的な浸透係数を算出するには、まずボルツマン方程式の考え方に基づいたシミュレーション手法により、各ブロックにおけるガスの流動状況を決定する。それには、図2のブロック201の各々に対し、基準面202にガスの平均流速を設定し、基準面203に圧力を設定した条件の下で、(数1)の離散化されたボルツマン方程式を解くことで定常解を求める。
この定常解には基準面202の圧力も情報として含まれていることから、当該ブロックの差圧と平均流速の関係を知ることができ、これを(数2)に代入することで実効的な浸透係数を算出する。
実効的な電気電導度、熱伝導係数に関しても前記と同様で、実効的な浸透係数における差圧とガスの平均流速との関係に変わり、実効的な電気伝導度に関しては電位差と平均電流密度、実効的な熱伝導係数に関しては温度差と平均熱流束の関係を求めることで物質輸送の各実効的なパラメータを算出する。
実効的な物質輸送のパラメータのうち、(数5)に示される実効的な相互拡散係数だけは物質輸送のパラメータの中で異質であり、各ブロックの実効値を求めるのに工夫を要することから、図6の各ブロックにおける実効的な相互拡散を算出するフローチャートに沿い、実効的な相互拡散係数の算出方法を説明する。
図6の各ブロックにおける実効的な相互拡散係数を算出するフローチャートにおいて、まずS201でシミュレーションを開始し、S202で分割領域の触媒層構造の読み込みを行い、S203で図3の構成で、(1)のガス濃度分布を正確に算出し、S204で図4の構成で、S203の結果と一致するよう実効値を決定し、S205で当該領域の実効的な相互拡散係数に設定し、S207で終了とする。
ここで、S203における(1)のガス濃度分布を正確に算出する方法を、図3を用いて説明する。シミュレーション条件としては、マルチブロック化されたブロックを実効的な相互拡散係数を算出することを目的とした触媒層のブロック304に配置し、そのブロック304を2本のガス流路で挟み、一方のガス流路にガス(1)を入口から供給し、同時にもう一方のガス流路にガス(2)をもう一方の入口から供給する。
この条件の下、(数1)の離散化されたボルツマン方程式を解くことで定常解を求め、参照面303のモル分率を算出することを行う。このとき、供給するガスの流速は、実際の燃料電池の触媒層の中を流れるガスの平均的な流速に設定する。
次に、S204の図4の構成で、S203の結果と一致するよう実効値を決定する方法を説明する。
シミュレーション条件としては、仮想のポーラス領域404に既出の実効的な浸透係数と仮の相互拡散係数が設定され、図3と同一形状の仮想多孔質片を一定の実効的な相互拡散係数を持つ仮想のポーラス領域404に配置し、その仮想のポーラス領域404を図3と同一形状の2本のガス流路で挟み、一方のガス流路にガス(1)を入口から供給し、同時にもう一方のガス流路にガス(2)をもう一方の入口から供給する。
この条件の下、(数5)の仮の相互拡散係数を含むステファン−マクスウェルの法則を解くことで定常解を求め、参照面403のモル分率を算出することを行う。この参照面403のモル分率が参照面303のモル分率と一致するときの仮の相互拡散係数を決定することを行なう。そして、その値をS205にて当ブロックの実効的な相互拡散係数に設定する。
S204において、仮の相互拡散係数が小さい場合には、参照面403のモル分率も小さく、仮の相互拡散係数が大きい場合には、参照面403のモル分率は大きくなる。このことと、二分法の考え方を併せ用いれば、参照面403のモル分率が参照面303の値と一致する相互拡散係数を決定することはそれほど困難ではない。
しかしながら、実施の観点からは、小さめと大きめの仮の相互拡散係数に対応するそれぞれの参照面403のモル分率をまず計算しておき、参照面303のモル分率と一致する実効的な相互拡散を内挿補間により決定することが最も実効性が高いものと考えられる。
以上で、S104のブロック毎に実効的な物質輸送のパラメータを設定する方法の説明を終える。
次に再度、図5の触媒層の性能を予測するシミュレーションのフローチャートのS105から説明する。
まず、S105における各ブロックを結合し、解析領域を再構築する方法について説明を行なう。これまでの手続きにより、触媒層のシミュレーション領域をマルチブロック化し、各ブロックにおける実効的な物質輸送のパラメータの算出を行なった。
実効的な物質輸送のパラメータが算出された後は、各ブロックは離散化された最小の体積素片(コントロールボリューム)として処理することが可能となるので、各ブロックを一つのコントロールボリュームと見なして、ボリューム間の隣接関係を維持するようにセル番号を割り振り直し、解析領域の再構築を完了させる。
最後に、S106における触媒層の性能を予測する方法についての説明を行なう。S105で再構築された解析領域は、非常に少ないメッシュ数で、空間的に不均一な輸送パラメータを持つ(数2)〜(数5)のマクロな連続体近似で記述される物理空間となっている。
この空間の規模は数万メッシュ程度の規模であり、物理変数は複数あるものの数値的に
解を求めることは容易であることから、適切な境界条件を設定し、不足緩和法などのアルゴリズムを適用して、定常解を求める。
以上のように、触媒層のシミュレーションの全領域のマルチブロック化により、計算規模を大幅に低下させることを可能とし、また各ブロック内の物質輸送に関する物質輸送のパラメータの実効値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して正確に決定することにより、各ブロック内の物質輸送のパラメータの実効値を正確に決定することができる。
これによって燃料電池の触媒層の性能を短時間で高精度に予測することが可能となり、燃料電池の触媒層の性能を予測するシミュレーションにおける計算精度と計算負荷のトレードオフを解消することが可能となる。
本発明の燃料電池のシミュレーション方法により、燃料電池の触媒層の性能を高精度に短時間に予測することが出来るので、電解質膜の両主面に触媒層を配置した燃料電池の触媒層の性能向上、コスト削減、開発期間の削減が求められる用途に有用である。
101 シミュレーションの対象となる触媒層のシミュレーションの全領域
102 全領域をマルチブロック化したイメージ
201 マルチブロック化されたブロック
202 ブロック201の実効的な物質輸送パラメータを算出する境界条件を設定する基準面
203 ブロック201の実効的な物質輸送パラメータを算出する境界条件を設定するもう一方の基準面
301 離散化されたボルツマン方程式に基づくガス(1)の軌跡
302 離散化されたボルツマン方程式に基づくガス(2)の軌跡
303 離散化されたボルツマン方程式に基づくガス(1)のモル分率の参照面
304 実効的な相互拡散係数を算出することを目的とした触媒層のブロック
401 実効的なステファン−マクスウェルの法則に基づくガス(1)の軌跡
402 実効的なステファン−マクスウェルの法則に基づくガス(2)の軌跡
403 実効的なステファン−マクスウェルの法則に基づくガス(1)のモル分率の参照面
404 一定の実効的な相互拡散係数を持つ仮想のポーラス領域

Claims (5)

  1. 燃料電池の触媒層の性能を予測するシミュレーション方法であって、
    燃料電池の触媒層をマルチブロック化し、各ブロック内の物質輸送に関する物質輸送のパラメータの実効値を遷移領域〜クヌーセン領域がシミュレーション可能なボルツマン方程式の考え方に基づくシミュレーション手法を適用して決定する第1のステップと、
    前記第1のステップで得られた各ブロック内の物質輸送のパラメータの実効値を基に、燃料電池の触媒層の性能を予測する第2のステップと、を備えた、
    燃料電池のシミュレーション方法。
  2. 前記物質輸送のパラメータは、実効的なガスの浸透係数を含む、請求項1に記載の燃料電池のシミュレーション方法。
  3. 前記物質輸送のパラメータは、実効的な電子およびプロトンの電導度を含む、請求項1に記載の燃料電池のシミュレーション方法。
  4. 前記物質輸送のパラメータは、実効的な熱の伝導度を含む、請求項1に記載の燃料電池のシミュレーション方法。
  5. 前記物質輸送のパラメータは、実効的なガスの相互拡散係数を含む、請求項1に記載の燃料電池のシミュレーション方法。
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