JP2017129557A - 押込試験装置および押込試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な押込試験装置を提供することを目的とする。【解決手段】試料に圧子を押込む押込試験装置において、試料に押し込まれる圧子と、圧子を支持し押し込み力を与えるバネと、バネの押し込み力に抗して押し込まれた圧子の試料への押込量に基づいて、試料のヤング率を表示するヤング率表示部とを有する。ヤング率表示部は、圧子の押込量を測定する押込量測定部と、予め与えられたバネのバネ定数および材料のポアソン比、並びに、押込量測定部で測定された押込量に基づいて試料のヤング率を算出するヤング率算出部とを有してもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、被試験物のやわらかさを測定する新規な押込試験方法に関する。また、本発明は、前記の押込試験方法を用いる、新規な押込試験装置に関する。
金属材料の変形などの弾性的な特性を調べるため用いられる引張試験は、客観性を有する評価方法として一般的であるが、試料などから試験片を切り出す必要性があり、この侵襲性の高さから、製品であるため切り出すことができない素材や生きたままの生体組織への適用が困難である。
一方、同様に材料の硬さ計測で一般に使用されている押込試験は、試験片を切り出す必要がないことなどから低侵襲計測が可能となる。バネで支持された圧子が試料へ押し込まれた際の関係から試料の変形特性を調べる方法としては、圧子の移動量xに対して成立するHookeの法則
Figure 2017129557
が有する線形性を利用して、圧子の移動量xが0のとき「硬さ0」、圧子の許される最大移動量xmaxのとき「硬さ100」として、移動量xについて線形な次の関係を有する硬さHを指示する方法がある。
Figure 2017129557
また、押込試験は、金属材料に対してはHertzの弾性接触理論が高い信頼性を持っている事が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、押込試験は生体軟組織のような大変形を伴う軟材料の弾性計測に使用される例がいくつかある(例えば、非特許文献2〜5参照)。押込試験による生体軟組織のような大変形を伴う軟材料の構成関係の計測においても、Hertzの弾性接触理論の高信頼性が示されている。
また本願発明者らによって、半無限体を仮定するHertzの弾性接触理論を用いた厚さの影響を考慮した方法の有効性が示されている(例えば、非特許文献6、7、特許文献1参照)。しかしながら、本願発明者らが示した厚さの影響を考慮した計測方法では、厚さの影響を考慮する弾性接触理論の評価において、コンピューターなど演算装置を必要とする上に、球圧子を押込む駆動部についてもデジタル制御などによる正確な制御が必要となるため高価な駆動装置を要し、装置全体が複雑で大型になり、また高価になるという問題がある。そのため、このような課題を解決する、簡単で小型、しかも安価な新規な押込試験方法および押込試験装置の開発が望まれている。
T. Sawa, Practical Material Mechanics, (2007), pp.258-279, Nikkei Business Publications, Inc.(in Japanese) O. Takatani, T. Akatsuka, The Clinical Measurement Method of Hardness of Organism, Journal of the Society of Instrument and Control Engineers, Vol.14, No.3, (1975), pp.281-291. (in Japanese) Y. Arima, T. Yano, Basic Study on Objectification of Palpation, Japanese Journal of Medical Electronics and Biological Engineering, Vol.36, No.4, (1998), pp.321-336. (in Japanese) N. E. Waters, The Indentation of Thin Rubber Sheets by Spherical indentors, British Journal of Applied Physics, Vol.16, Issue 4, (1965), pp.557-563. T. Ishibashi, S. Shimoda, T Furukawa, I. Nitta and H. Yoshida, The Measuring Method about Young's Modulus of Plastics Using the Indenting Hardness Test by a Spherical Indenter, Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers, Series A, Vol.53, No.495, (1987), pp.2193-2202. (in Japanese) M. Tani, A. Sakuma, M. Ogasawara, M. Shinomiya, Minimally Invasive Evaluation of Mechanical Behavior of Biological Soft Tissue using Indentation Testing, No.08-53, (2009), pp.183-184. M. Tani, A. Sakuma, Measurement of Thickness and Young's Modulus of Soft Materials by using Spherical Indentation Testing,No.58, (2009), pp.365-366.
特許第4967181号
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡単で小型、しかも安価な新規な押込試験方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記の押込試験方法を用いる新規な押込試験装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様においては、試料に圧子を押込む押込試験装置において、試料に押し込まれる圧子と、圧子を支持し押し込み力を与えるバネと、バネの押し込み力に抗して押し込まれた圧子の試料への押込量に基づいて、試料のヤング率を表示するヤング率表示部とを有する。
本発明の第2の態様においては、試料に圧子を押込む押込試験方法において、試料に圧子を押し込み、圧子に接続されたバネの押し込み力に抗して押し込まれた圧子の試料への押込量を測定し、予め与えられた圧子の形状データ、バネのバネ定数および材料のポアソン比、並びに、押込量測定部で測定された押込量に基づいて、試料のヤング率を算出する。
本発明によれば、簡単で小型、しかも安価な新規な押込試験方法および押込試験装置を提供することができる。
押込みユニット10の模式図である。 ストロークとヤング率との関係を示す特性曲線図である。 押込試験装置40の斜視図である。 押込試験装置40のブロック図である。 ヤング率算出方法の動作フローチャートである。 バネに初期押付荷重を与えた押込みユニット20の模式図である。 図6で説明した押込みユニット20の動作時の説明図である。 初期押付荷重F0と構成ストロークdPとの関係の説明図である。 試料が薄い時の押込みユニット10の動作時の説明図である。 押込みユニット10が傾いている場合の動作時の説明図である。 押込みユニット10の傾きで生じる弾性係数Eへの影響を示す。 押込試験装置50の斜視図である。 押込試験装置30の斜視図である。
以下、押込試験方法および押込試験装置にかかる第1の発明を実施するための形態について説明する。
(第1実施形態)
押込試験方法は、試料に圧子を押込む押込試験方法において、バネで支持された圧子が試料へ押し込まれた際に、この押込み量とバネの移動量との関係からHertzの弾性接触理論に基づいて試料のヤング率を算出する方法である。押込試験装置は、試料に圧子を押込む押込試験装置において、圧子を押込むバネと、球圧子の移動量を表示する部分を有し、この表示が押込み量とバネの移動量との関係からHertzの弾性接触理論に基づいて試料のヤング率を測定する装置である。
図1は、押込みユニット10の模式図である。押込みユニット10を用いて、有限体試料の接触変形について説明する。1はケースであり、バネ2、圧子3を収納している。非測定状態ではバネ2のバネ力によりケース1の下端12から圧子3がdだけ押し出された状態で釣り合っている。なお、バネ2はコイルばねでもよいし、他の形式のバネでもよい。半無限体試料4に対して十分に硬い球圧子3を押込むとき、Hertz の弾性接触理論を用いると、図1に示す押込荷重Fと減少したストローク量δ、すなわちケース1の下端12が試料4に接するまで圧子3が試料4に押し込まれたときの圧子3の試料4への押込量δの関係が以下のように表現される。
Figure 2017129557
Figure 2017129557
ここで、dは圧子3がケース1の下端12より突出している量(以後、ストロークと言う)、φは圧子の球直径、Eは半無限体試料4のヤング率、νは半無限体試料4の材料により決まるポアソン比である。以下、同様の機能を有する部分は同じ数字を付与して説明する。
一方、非測定状態である初期に圧子3がケース1よりストローク量dだけ出ている場合には、半無限体試料4に球圧子3を押込んだとき押込量をδとすれば、バネ2の変形量は(d−δ)(ストロークの変化量と言う)であるので、バネ2のバネ定数をkとすると次式が成立する。
Figure 2017129557
さらに,上記2つの式を連立させることによって弾性係数Eの関係とすると、まとめた係数Cを用いて分数関数形の次式を得る。
Figure 2017129557
Figure 2017129557
この式は,模式的に図2に示すように押込量δについて非線形な関係を持っている。
図2は、ストロークd=2.5mm、圧子直径φ=3mm、ポアソン比ν=0.45の場合において、バネ定数kをパラメータにした時のストロークδに対するヤング率Eを表している。点線がバネ定数k=100N/m、破線がバネ定数k=10000N/m、実線がバネ定数k=1000000N/m時の関係である。ここで示されるように、押込によって減少したストローク量δによって圧子が押し込まれた試料のヤング率を求めることができる。図2より、測定精度の観点から、ヤング率Eが大きい時はバネは大きいバネ定数kが好ましく、ヤング率Eが小さい時は小さいバネ定数kが好ましい。また、同様にヤング率Eが大きい時は小さい圧子直径φが好ましく、ヤング率Eが小さい時は大きい圧子直径φが好ましい。
図3は、押込試験装置40斜視図であり、図4は押込試験装置40の構成例のブロック図である。押込試験装置40は、押込みユニット10と、減少したストローク量δを測定する押込量測定部6と、ストローク量δから、上式を使用してヤング率Eを算出するヤング率算出部7とを有する。上記押込量測定部6およびヤング率算出部7は押込試験装置40に内蔵されている。
押込試験装置40は、さらに、液晶等の表示部で構成され、ヤング率算出部7で算出されたヤング率Eを表示するヤング率表示部42と、ヤング率算出部7の計算に用いられたポアソン比νを予め印刷等で表示したポアソン比表示部36とを有する。押込試験装置40は、全体として手のひらに収まる程度の大きさである。つまり、簡単で小型、しかも安価な押込試験装置である。
図5は、試料のヤング率の測定手順を示すフローチャートである。押込試験装置40においては、押込試験装置40による測定開始(ステップSP1)し、押込試験装置40を試料4に押し付ける(ステップSP2)。押込量測定部6は球圧子3の押込み量δを計測する( ステップSP3 )。ヤング率算出部7は対応する押込量δと係数Cから試料4のヤング率Eを算出する( ステップSP4 )。この場合に、ヤング率算出部7は予めメモリ等に格納されたストロークd、圧子の球直径φ、バネ定数kおよびポアソン比νを用いてヤング率Eを算出する。これに代えて、テンキー等の入力手段を設けてストロークd、圧子の球直径φ、バネ定数kおよびポアソン比νのいずれかをユーザが入力できるようにしてもよく、ポアソン比νをユーザが入力できるようにした場合には、ポアソン比表示部36は印刷ではなく、ヤング率表示部42と同様に液晶等で構成され、入力されたポアソン比νが表示されるようにしてもよい。
(第2実施形態)
図6は他の押込みユニット20の模式図である。押込みユニット20において、動作安定のために初期押付荷重をバネ2に与える、バネ2の側に固着して設けられた押付部5と、ケース1の側に設けられ押付部5が押し付けられる押付壁22が設置されている。つまり、バネ2を非測定状態である初期に自由の状態にしておくと動作が不安定になり試料4と圧子3の初期接触も不安定になるので、バネ2に初期押付荷重F0を与えて姿勢と動作を安定にする。初期押付荷重F0が存在する場合、圧子3の初期押付量d0が発生し、全体の荷重Fは初期押付荷重F0とストロークの減少量(d−δ)による力の和になり次式が成立する。
Figure 2017129557
この関係から、弾性係数Eは減少したストローク量δについて非線形な関係を有する次式で表すことができることとなる。
Figure 2017129557
ここで、この初期押付荷重F0の存在から、計測には、初期押付荷重 F0 より大きな押込荷重が必要となる。このとき、計測に必要な最低荷重Fminは次式となる。
Figure 2017129557
したがって、ばねによる初期押付荷重F0が存在する場合、次式によって評価できるヤング率の最小値Eminが求められる。
Figure 2017129557
つまり、測定したいヤング率Eに対して上式が成立するように、ポアソン比νを考慮した上で、初期押付荷重F0、圧子3の直径φ、ストロークdを選択する。上記の関係を示すヤング率計測の様子を図7に示す。
そして、存在する初期押付荷重F0を、圧子3の初期押込み量である構成ストロークdPを与えた際に計測できる荷重FPから次式によって評価することにより求められる。この場合に図8に示すように、下端12を壁24に突き当てた状態で、圧子3に当接板26を当接させて荷重を測りながら徐々に荷重を強くして圧子3を移動させ、このときのストロークdPと荷重FPからと初期押付荷重F0を評価する。
Figure 2017129557
この結果、構成ストロークdPを与えた際に計測できる荷重FPから、評価できるヤング率の最小値Eminが次式によって求められる。
Figure 2017129557
(第3実施形態)
また、図9に示すヤング率Eを測定する試料4が薄い場合、Hertzの弾性接触理論による計算式を精度良く適用できなくなる。この場合、特許文献1記載の薄さ係数Bを含んだ荷重Fに関する次式を考える。つまり、次式の適用により、押込荷重Fと減少したストローク量δとの関係を精度良く表現することができる。
Figure 2017129557
ここでBは、試料の薄さが荷重へ与える影響を表す係数であり、厚みの薄い試料でも、上述したと同様に、押込荷重Fと減少したストローク量δとの測定結果より荷重への影響を表す係数Bを求め、ヤング率Eを求めることができる。
この関係から、弾性係数(ヤング率)Eは減少したストローク量δについて非線形な関係を有する次式で表すことができることとなる。
Figure 2017129557
Figure 2017129557
ここで、図9は上記のヤング率計測の様子である。
(第4実施形態)
図10は、押込みユニット10が傾いている場合の動作時の説明図である。図10に示すヤング率Eを測定する試料4の測定面が傾いている場合、プローブの質量による影響を考慮しないと、Hertzの弾性接触理論による計算式を精度良く適用できなくなる。この場合、プローブに作用する重力の影響を考慮した次式の適用により、押込荷重Fと減少したストローク量δとの関係を精度良く表現することができる。
Figure 2017129557
ここでmはプローブの質量であり、gは重力加速度、θは試料および押込みユニット10の傾きである。厚みの薄い試料でも、上述したと同様に、押込荷重Fと減少したストローク量δとの測定結果より荷重への影響を表す係数Bを求め、ヤング率Eを求めることができる。
この関係から、弾性係数(ヤング率)Eはプローブに作用する重力の影響を考慮した次式で表すことができることとなる。
Figure 2017129557
図11には、押込みユニット10の傾きで生じる弾性係数(ヤング率)Eの式の影響について、傾き角度0°および90°の場合についてしらべた結果である。ここでは、バネ定数1000N/m、ストロークは2.5mm、圧子径は10mm、バネ下重量は0.1kg、重力加速度は9.80665m/s2としている。
実線が角度0°であって重力項の影響がある場合、破線が角度90°で重力項が影響しない場合である。ここ図11の結果から、弾性係数(ヤング率)Eの式においてプローブに作用する重力の影響を考慮することにより、精度を良くすることができることが分かる。
またこの結果は、角度0°においても、重力項の影響を考慮するか否かによって、精度に影響することを示している。
図12は、他の押込試験装置50の斜視図である。押込試験装置50は、ケーブル52を有する点が押込試験装置40と異なる。ケーブル52はケース1と本体部分とに接続されており、圧子3の押込量δを本体部分に伝える。押込量δはケーブル52の内部に収容されたワイヤで物理的に伝えてもよいし、ケース1の側に押込量測定部6が内蔵されており、計測結果を信号またはデータの形で伝えてもよい。この押込試験装置50は更に測定部を小型にできるので、ケーブル52を介してケース1を人体の内部等に挿入することで、内視鏡的に使うことができる。
図13は、さらに他の押込試験装置30の斜視図である。押込試験装置30は、デュロメータ等で用いられている既知の、押込量δに比例した角度で表示針34が回転する構成を有する。ただし、押込試験装置30の表示板32のヤング率の目盛は等間隔ではなく、上記式9、12、18等で表される押込量δとヤング率Eとの関係になるように付されている。よって、押込試験装置30によれば、当該装置自体は何ら計算をすることなく、押込量δに比例して回転した表示針34が、押込量δに対応するヤング率Eの数値を指すことで、ユーザがヤング率Eを読み取ることができる。
なお、本発明の押込試験方法および押込試験装置の対象となる試料としては、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンゴム、天然ゴム、軟質ビニールを含む高分子材料、皮膚や筋肉を含む生体組織、ゼリーやゼラチンを含む食品などを採用することができる。
試料のヤング率Eは100Pa〜100MPaの範囲内にあることが好ましい。試料のヤング率Eが100Pa以下であると、試料が押込みに伴って崩れたり破壊したりする場合があるが、試料のヤング率Eが100Pa以上であると、試料が押込みに伴って崩れたり破壊したりしないという利点がある。試料のヤング率Eが100MPa以下であると、軟らかめの圧子材料も利用でき圧子材料の選択肢が多くなるという利点がある。
ここで、球圧子の材質としては、金属および/あるいは樹脂材料などを採用することができる。
本発明の押込試験方法および押込試験装置の対象としては、初期押付荷重のあることが望ましい。初期押付荷重のあることにより、圧子の位置および動作が安定する利点がある。また、初期押付荷重のあることにより、評価できるヤング率の最低値を保証できる利点がある。
球圧子の直径は1×10-8 〜1 mの範囲内にあることが好ましい。試料の厚さが球圧子の直径より大きいと、高精度な結果を得られるという利点がある。
圧子を指示するバネのバネ定数は1〜1×109N/mの範囲内にあることが好ましい。バネ定数が1N/m以上であると、プリンなど破壊し易い試料を測れるという利点がある。バネ定数が1×109N/m以下であると、金属など硬い試料を測れるという利点がある。
押込試験装置40には、その位置や角度を同定できる機能が備えられていることが好ましい。位置を同定できる機能が備えられていると、弾性係数の分布を求められるという利点がある。角度を同定できる機能が備えられていると、測定面の向きの同定やプローブに作用する重力の影響を考慮できる利点がある。
球圧子の押込みは、手動もしくは自動制御で行うことができる。球圧子の押込みが手動であると、計測機が安価に開発できるという利点がある。球圧子の押込みが自動制御であると、計測精度が安定するという利点がある。
球圧子の押込み試験の結果は、アナログ表示もしくは備えられたデジタル処理する機能によってデジタル表示できることができる。球圧子の押込み試験の結果がアナログ表示であると、計測機が安価に開発できるという利点がある。球圧子の押込み試験の結果がデジタル表示であると、結果の数値データが判別し易いという利点がある。また球圧子の押込み試験の結果をデジタル処理できる機能を有すると、計測結果をコンピューターで処理し易いという利点がある。
球圧子の押込み速度は0.00001〜10 m/sの範囲内にあることが好ましい。球圧子の押込み速度が0.00001 m/s以上であると、計測に時間がかからないという利点がある。球圧子の押込み速度が10 m/s以下であると、装置を安全に稼働できるという利点がある。
球圧子直径に対する球圧子押込量の比率は1以下であることが好ましい。比率が1以下であると、圧子の埋没を考慮しなくてよいという利点がある。
球圧子と試料の接触面での粘着を低減する方法としては、試料接触面にタルク粉を塗布する方法、油を塗布する方法などを採用することができる。なお、球圧子と試料の接触面での粘着性が小さい場合は、これらの処理を省略することができる。
なお、圧子の形状としては球圧子について説明したが、これに限定されるものではない。このほか圧子の形状としては、円柱、円筒、および立方体などの形状を採用することができる。
またバネとしてはバネ定数kの線形バネについて説明したが、これに限定されるものではない。このほかバネとしては、荷重Fと移動量xとの関係が非線形な非線形バネを採用することができる。
また情報やり取りのためケースと本体とを接続する形態としては曲線状のケーブルを図示したが、これに限定されるものではない。このほかの接続としては、直線的なスティックの形態ワイヤレスの形態を採用することができる。
またやわらかさの評価形態としてはヤング率を測定する方法を説明したが、これに限定されるものではない。このほかの評価形態としては、装置が評価できるヤング率の最小値を閾値として、この値との上下関係で評価する方法を採用することができる。
本発明の押込試験方法および押込試験装置では、試料厚さの同定を行っている。試料厚さを同定する利点としては、ヒトの診療に際して求められる非侵襲性を満足しつつ皮膚や筋肉などの状態を計測できることなどを挙げることができる。
いずれの実施形態においても、ケース1の下端12に被測定部との接触を検知する接触センサを配してもよい。この場合に当該接触センサの出力に基づいて、下端12が試料4に接したことをユーザに知らせてもよいし、ヤング率算出部7がヤング率を算出するときの押込量δを確定してもよい。
なお、本発明は上述の発明を実施するための形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである
1 ケース、2 バネ、3 圧子、4 試料、5 押付部、6 押込量測定部、7 ヤング率算出部、10 押込みユニット、12 下端、20 押込みユニット、22 押付壁、24 壁、26 当接板、30 押込試験装置、32 表示板、34 表示針、36 ポアソン比表示部、40 押込試験装置、42 ヤング率表示部、50 押込試験装置、52 ケーブル

Claims (15)

  1. 試料に圧子を押込む押込試験装置において、
    前記試料に押し込まれる圧子と、
    前記圧子を支持し押し込み力を与えるバネと、
    前記バネの押し込み力に抗して押し込まれた前記圧子の前記試料への押込量に基づいて、前記試料のヤング率を表示するヤング率表示部と
    を有する押込試験装置。
  2. 前記圧子の前記押込量を測定する押込量測定部と、
    予め与えられた前記バネのバネ定数および前記材料のポアソン比、並びに、前記押込量測定部で測定された前記押込量に基づいて前記試料のヤング率を算出するヤング率算出部と
    をさらに有する請求項1に記載の押込試験装置。
  3. 前記圧子は、少なくとも球状の接触部を有する球圧子であることを特徴とする請求項2に記載の押込試験装置。
  4. 前記球圧子の直径をφ、前記バネのバネ定数をk、前記試料のポアソン比をν、前記球圧子の押し込み前の押し出し量をdとした時、前記ヤング率算出部は、前記圧子の押込量δの測定から、下式を使用して、
    前記試料のヤング率Eを算出することを特徴とする請求項3に記載の押込試験装置。
    Figure 2017129557
    Figure 2017129557
  5. 前記圧子には初期押付荷重が存在することを特徴とする請求項3に記載の押込試験装置。
  6. 前記初期押付荷重をF、前記球圧子の直径をφ、前記試料のポアソン比をν、前記球圧子の押し込み前の押し出し量をdとした時、
    前記ヤング率算出部により算出されるヤング率は、下記の式によって算出されるヤング率の最低値Eminよりも大きな値となることを特徴とする請求項5に記載の押込試験装置。
    Figure 2017129557
  7. 薄さ係数B、前記球圧子の直径をφ、前記バネのバネ定数をk、前記試料のポアソン比をν、前記球圧子の押し込み前の押し出し量をdとした時、前記ヤング率算出部は、前記圧子の押込量δの測定から、下式を使用して、
    前記試料のヤング率Eを算出することを特徴とする請求項3に記載の押込試験装置。
    Figure 2017129557
    Figure 2017129557
  8. 試料に圧子を押込む押込試験方法において、
    前記試料に圧子を押し込み、
    前記圧子に接続されたバネの押し込み力に抗して押し込まれた前記圧子の前記試料への押込量を測定し、
    予め与えられた前記圧子の形状データ、前記バネのバネ定数および前記材料のポアソン比、並びに、前記押込量測定部で測定された前記押込量に基づいて、前記試料のヤング率を算出する
    押込試験方法。
  9. 前記圧子は、少なくとも球状の接触部を有する球圧子であることを特徴とする請求項8に記載の押込試験方法。
  10. 前記球圧子の直径をφ、前記バネのバネ定数をk、前記試料のポアソン比をν、前記球圧子の押し込み前の押し出し量をdとした時、前記圧子の押込量δの測定から、下式を使用して、
    前記試料のヤング率Eを算出することを特徴とする請求項9に記載の押込試験方法。
    Figure 2017129557
    Figure 2017129557
  11. 前記圧子には初期押付荷重が存在することを特徴とする請求項9に記載の押込試験方法。
  12. 前記初期押付荷重をF、前記球圧子の直径をφ、前記試料のポアソン比をν、前記球圧子の押し込み前の押し出し量をdとした時、
    算出されるヤング率は、下記の式によって算出されるヤング率の最低値Eminよりも大きな値となることを特徴とする請求項11に記載の押込試験装置。
    Figure 2017129557
  13. 薄さ係数B、前記球圧子の直径をφ、前記バネのバネ定数をk、前記試料のポアソン比をν、前記球圧子の押し込み前の押し出し量をdとした時、前記圧子の押込量δの測定から、下式を使用して、
    前記試料のヤング率Eを算出することを特徴とする請求項9に記載の押込試験方法。
    Figure 2017129557
    Figure 2017129557
  14. 前記球圧子の直径をφ、前記バネのバネ定数をk、前記試料のポアソン比をν、前記球圧子の押し込み前の押し出し量をd、プローブの質量をm、重力加速度をg、試料および押込みユニット10の傾きをθとした時、前記ヤング率算出部は、前記圧子の押込量δの測定から、下式を使用して、
    前記試料のヤング率Eを算出することを特徴とする請求項3に記載の押込試験装置。
    Figure 2017129557
    Figure 2017129557
  15. 前記球圧子の直径をφ、前記バネのバネ定数をk、前記試料のポアソン比をν、前記球圧子の押し込み前の押し出し量をd、プローブの質量をm、重力加速度をg、試料および押込みユニット10の傾きをθとした時、前記ヤング率算出部は、前記圧子の押込量δの測定から、下式を使用して、
    前記試料のヤング率Eを算出することを特徴とする請求項9に記載の押込試験方法。
    Figure 2017129557
    Figure 2017129557
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