JP2017129491A - タイヤ接地面解析装置、タイヤ接地面解析システム及びタイヤ接地面解析方法 - Google Patents

タイヤ接地面解析装置、タイヤ接地面解析システム及びタイヤ接地面解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接地領域を解析する際における解析誤差を低減すること。【解決手段】タイヤ接地面解析装置20は、試験タイヤ60の接地面61の画像を取得する接地面画像取得部32と、接地面画像取得部32で取得した接地面画像80から試験タイヤ60の溝65を抽出する溝抽出部33と、を備え、溝抽出部33は、接地面画像80に対して走査ライン70を設定する走査ライン設定部34と、走査ライン70の中心画素74の輝度と溝局所的輝度とを比較する輝度比較部35と、中心画素74の輝度が溝局所的輝度より小さい場合に、中心画素74から走査ライン70の長さ方向における両方向のそれぞれに所定の長さで接地面画像80を走査して輝度を抽出すると共に走査した両方向の範囲における最大輝度位置をそれぞれ求め、2箇所の最大輝度位置で囲まれた範囲を溝65として判定する判定部36と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤ接地面解析装置、タイヤ接地面解析システム及びタイヤ接地面解析方法に関する。
空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」と称する)は、車両などの移動体が対象面、例えば路面上を移動するために、この路面と接触し、この車両などに搭載されたエンジンなどの動力源からの動力を対象面に伝達する唯一のものである。従って、車両の運動性能には、タイヤの性能が多大な影響を与える。タイヤの性能としては、例えば騒音性能、摩擦性能、操縦安定性能、制動性能など評価項目があり、これらの評価項目は、タイヤ接地特性によって変化するものである。このタイヤ接地特性には、接地面積、負荷荷重と接地面積に基づく平均圧力、タイヤ周方向(接地長方向)の最大接地長、タイヤ幅方向(接地幅方向)の最大接地幅などがある。これらのタイヤ接地特性を精度良く求めるためには、タイヤが対象面と接触した際のタイヤ接地形状、特にタイヤが対象面と接触した際のタイヤの接地面を構成する輪郭線を求め、接地領域を精度良く求めることが重要である。
そこで、従来では、タイヤ接地画像データの画像解析を行い、タイヤ接地形状を求め、タイヤの接地特性を求める技術が提案されている。例えば、特許文献1には、タイヤ踏み跡の撮像画像を、輝度に対して設定される閾値に基づいて2値化し、2値化した画像に対して膨張処理と収縮処理を行うことにより、タイヤ接地形状を求める技術が記載されている。
特開平5−196557号公報
ここで、タイヤ接地形状を求めて接地領域の解析を行う場合、接地領域中の溝の形状も重要な要素になる。接地領域においてタイヤが実際に接地している位置と溝底に相当する位置とでは、接地画像の輝度が異なるため、溝の形状は、輝度に基づいて接地画像を2値化することによって抽出することができる。しかし、溝には開口部に面取りが施されていることがあり、面取り部分は溝底部分とは輝度が異なるため、単純に輝度に基づいて溝の形状を抽出した場合、面取り部分は、溝として抽出されない虞がある。この場合、抽出される溝の形状が実際の溝の形状とは異なることになるため、接地領域を解析する際の解析精度が低下するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、接地領域を解析する際における解析誤差を低減することのできるタイヤ接地面解析装置、タイヤ接地面解析システム及びタイヤ接地面解析方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤ接地面解析装置は、空気入りタイヤの接地面の画像を取得する接地面画像取得部と、前記接地面画像取得部で取得した接地面画像から前記空気入りタイヤの溝を抽出する溝抽出部と、を備え、前記溝抽出部は、前記接地面画像に対して走査ラインを設定する走査ライン設定部と、前記走査ラインが位置する領域における平均輝度を陸部局所的輝度とし、前記陸部局所的輝度から一定の値を引いたものを溝局所的輝度とした場合において、前記走査ラインの中心画素の輝度と前記溝局所的輝度とを比較する輝度比較部と、前記中心画素の輝度が前記溝局所的輝度より小さい場合に、前記中心画素から前記走査ラインの長さ方向における両方向のそれぞれに所定の長さで前記接地面画像を走査して輝度を抽出すると共に走査した両方向の範囲における最大輝度位置をそれぞれ求め、2箇所の前記最大輝度位置で囲まれた範囲を前記溝として判定する判定部と、を有することを特徴とする。
また、上記タイヤ接地面解析装置において、前記走査ライン設定部は、前記走査ラインとして、前記空気入りタイヤのタイヤ周方向に沿って延びる方向に設定される周方向走査ラインと、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向に沿って延びる方向に設定される幅方向走査ラインとを設定することが好ましい。
また、上記タイヤ接地面解析装置において、前記判定部は、2箇所の前記最大輝度位置の双方が、前記陸部局所的輝度に対して所定の輝度値を加えた輝度値以上の輝度を有する位置である場合に、2箇所の前記最大輝度位置で囲まれた範囲を前記溝として判定することが好ましい。
また、上記タイヤ接地面解析装置において、前記判定部は、2箇所の前記最大輝度位置のうち、一方の前記最大輝度位置のみが、前記陸部局所的輝度に対して所定の輝度値を加えた輝度値以上の輝度を有する位置である場合には、当該最大輝度位置と前記中心画素とで囲まれた範囲を前記溝の構成要素として判定することが好ましい。
また、上記タイヤ接地面解析装置において、前記接地面画像から総接地領域を求める総接地領域算出部と、前記総接地領域算出部で求めた前記総接地領域から、前記溝抽出部で抽出した前記溝を除去して実接地領域を求める実接地領域算出部と、を備えることが好ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤ接地面解析システムは、上記タイヤ接地面解析装置と、前記空気入りタイヤを押し付ける透明板と、前記透明板に押し付けられている前記接地面を照射する複数の光源と、前記透明板を介して前記接地面を撮影する撮影部と、を備えることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤ接地面解析方法は、空気入りタイヤの接地面の画像を取得するステップと、接地面画像から空気入りタイヤの溝を抽出するステップと、前記接地面画像に対して走査ラインを設定するステップと、前記走査ラインが位置する領域における平均輝度を陸部局所的輝度とし、前記陸部局所的輝度から一定の値を引いたものを溝局所的輝度とした場合において、前記走査ラインの中心画素の輝度と前記溝局所的輝度とを比較するステップと、前記中心画素の輝度が前記溝局所的輝度より小さい場合に、前記中心画素から前記走査ラインの長さ方向における両方向のそれぞれに所定の長さで前記接地面画像を走査して輝度を抽出すると共に走査した両方向の範囲における最大輝度位置をそれぞれ求め、2箇所の前記最大輝度位置で囲まれた範囲を前記溝として判定するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係るタイヤ接地面解析装置、タイヤ接地面解析システム及びタイヤ接地面解析方法は、接地領域を解析する際における解析誤差を低減することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係るタイヤ接地面解析システムを示す構成図である。 図2は、図1に示すタイヤ接地面解析装置の機能を示すブロック図である。 図3は、実施形態に係るタイヤ接地面解析装置で接地面の解析を行う際の処理手順を示すフロー図である。 図4は、接地面画像の説明図である。 図5は、溝の抽出の処理手順を示すフロー図である。 図6は、走査ラインについての説明図である。 図7は、溝の抽出処理を行う処理手順を示すフロー図である。 図8は、図6のA部詳細図である。 図9は、中心画素の説明図である。 図10は、局所的最大輝度と最大輝度位置についての説明図である。 図11は、陸部局所的輝度+αを用いないで判定する場合の説明図である。 図12は、図11のタイヤ周方向の位置と輝度との対応を示す図である。 図13Aは、走査ラインの進み方についての説明図である。 図13Bは、走査ラインの進み方についての説明図である。 図13Cは、走査ラインの進み方についての説明図である。 図13Dは、走査ラインの進み方についての説明図である。 図13Eは、走査ラインの進み方についての説明図である。 図14Aは、幅方向走査ラインの進み方についての説明図である。 図14Bは、幅方向走査ラインの進み方についての説明図である。 図14Cは、幅方向走査ラインの進み方についての説明図である。 図14Dは、幅方向走査ラインの進み方についての説明図である。 図14Eは、幅方向走査ラインの進み方についての説明図である。 図15は、溝画像の説明図である。 図16は、収縮処理の説明図である。 図17は、膨張処理の説明図である。 図18は、総接地領域画像の説明図である。 図19は、実接地領域画像の説明図である。 図20は、実施形態に係るタイヤ接地面解析装置で行う処理の変形例であり、ラグ溝と主溝とを異なる手法で抽出する場合の説明図である。
以下に、本発明に係るタイヤ接地面解析装置、タイヤ接地面解析システム及びタイヤ接地面解析方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係るタイヤ接地面解析システムを示す構成図である。図2は、図1に示すタイヤ接地面解析装置の機能を示すブロック図である。これらの図において、図1は、タイヤ接地面解析システムの全体構成を模式的に示し、図2は、タイヤ接地面解析装置の主たる機能を示している。
本実施形態に係るタイヤ接地面解析システム1は、空気入りタイヤの接地面61の画像を取得することにより、接地面61の解析を行うシステムに適用される。タイヤ接地面解析システム1は、タイヤ試験機2と、撮影装置10と、タイヤ接地面解析装置20とを備える(図1参照)。
タイヤ試験機2は、試験を行う空気入りタイヤである試験タイヤ60に試験条件を付与する装置である。図1の構成では、タイヤ試験機2は、支持装置3と、駆動装置5とを有する。支持装置3は、試験タイヤ60を回転可能に支持する装置であり、試験タイヤ60を装着するリム4を有する。駆動装置5は、試験タイヤ60に駆動力を付与する装置であり、試験タイヤ60を駆動するモータ6と、モータ6を駆動制御するモータ制御装置7とから構成される。
このタイヤ試験機2では、支持装置3が、試験タイヤ60をリム4に装着して支持し、試験タイヤ60を駆動装置5の透明板11の一主面である上面11Uに押圧して試験タイヤ60に荷重を付与する。また、支持装置3が、リム4を変位させて試験タイヤ60と透明板11との位置関係を調整することにより、試験タイヤ60にスリップ角又はアングル角を付与する。また、駆動装置5は、モータ制御装置7によりモータ6を駆動してリム4を所定角度回転させることができる。これにより、車両走行時におけるタイヤの転動状態が、透明板11の表面を路面として再現される。また、支持装置3及び駆動装置5が、荷重、回転速度、スリップ角、アングル角などを調整することにより、試験条件を変更できる。
透明板11は、光を透過する性質を有する光透過板である。透明板11は光を100%透過しなくてもよく、透明板11を介してタイヤの表面を撮影することができる光透過率を有していればよい。透明板11は、例えば、アクリル樹脂製の平面板又はガラス製の平面板である。試験タイヤ60と平面板との接触状態を撮影して画像解析するので、より現実に近いタイヤの接地状態を解析することができる。
撮影装置10は、試験タイヤ60を撮影する撮像部であるカメラ15と、光源である照明用ランプ16とを有する。カメラ15は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラにより構成される。カメラ15は、透明板11を介して試験タイヤ60を撮影することにより、透明板11に押し付けられている試験タイヤ60の接地面61を撮影する。詳しくは、カメラ15は、透明板11の他主面である下面11D側に、光軸が下面11D側に対して直交する向きで配設され、下面11D側から、透明板11を介して試験タイヤ60を撮影する。これにより、カメラ15は、少なくとも接地面61を含んで試験タイヤ60を撮影し、接地面61を含んだ試験タイヤ60のデジタル画像データを生成する。
照明用ランプ16は、カメラ15の撮影範囲を照らすランプであり、例えば、ハロゲンランプにより構成される。この照明用ランプ16は、複数が設けられており、透明板11に押し付けられている試験タイヤ60の接地面61を、透明板11の下面11D側から透明板11を介して、または透明板11の上面11U側と試験タイヤ60との間から照射する。複数の照明用ランプ16は、支持装置3によって試験タイヤ60が回転することに伴って移動する透明板11が移動する位置以外の位置に、それぞれ配設されている。
なお、これらの照明用ランプ16は、タイヤ試験機2での試験の条件に応じて数を異ならせてもよい。例えば、試験タイヤ60の溝に面取りが施されていない場合には、面取りを考慮して光を照射する必要がないため、照明用ランプ16は、比較的数が少なくてもよい。これに対し、試験タイヤ60の溝に面取りが施されている場合には、面取り部分とトレッド面との輝度を大きく異ならせる必要があるため、照明用ランプ16の数を増やして多くの方向から光を照射するのが好ましい。また、これらの照明用ランプ16は、常時点灯タイプであってもよく、フラッシュ点灯タイプであってもよい。
タイヤ接地面解析装置20は、例えば、所定の解析プログラムをインストールしたPC(Personal Computer)であり、撮影装置10から入力される試験タイヤ60の画像を処理して試験タイヤ60の接地面61を解析する処理を行う。試験タイヤ60の接地面61を解析する処理は、撮影した試験タイヤ60の画像に基づき、接地面61を算出する処理を含む。タイヤ接地面解析装置20は、接地面61を解析等の演算処理やデータの保存等を行う処理装置30と、オペレータがタイヤ接地面解析装置20への入力操作を行う入力部21と、解析結果や各種情報を表示する表示部22と、を有している。入力部21には、キーボードや、マウス等のポインティングデバイスが用いられており、表示部22には、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置が用いられている。入力部21と表示部22とは、処理装置30に電気的に接続されており、これによりタイヤ接地面解析装置20は、オペレータが表示部22を視認しながら入力部21で入力操作をすることが可能になっている。また、カメラ15は、タイヤ接地面解析装置20の処理装置30に接続されており、これによりタイヤ接地面解析装置20は、カメラ15で撮影した画像を取得することが可能になっている。
タイヤ接地面解析装置20が有する処理装置30は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部31や、RAM(Random Access Memory)等の記憶部50を備えて構成されている。このように構成される処理部31と記憶部50とは、同一筐体内に設けられていてもよく、異なる筐体内に設けられていてもよく、或いは、複数の記憶部50が双方の形態で設けられていてもよい。
処理装置30が有する処理部31は、接地面画像取得部32と、溝抽出部33と、総接地領域算出部38と、実接地領域算出部39と、を機能的に有している。このうち、接地面画像取得部32は、試験タイヤ60の接地面61の画像である接地面画像80(図4参照)を取得する。また、溝抽出部33は、接地面画像取得部32で取得した接地面画像80から試験タイヤ60の溝65(図4参照)を抽出することが可能になっている。また、総接地領域算出部38は、接地面画像から総接地領域85(図18参照)を求める。また、実接地領域算出部39は、総接地領域算出部38で求めた総接地領域85から、溝抽出部33で抽出した溝65を除去して実接地領域87(図19参照)を求める。
また、溝抽出部33は、走査ライン設定部34と、輝度比較部35と、判定部36と、溝画像生成部37と、を含んでいる。このうち、走査ライン設定部34は、接地面画像80に対して走査ライン70(図6、図14A参照)を設定する。また、輝度比較部35は、走査ライン70が位置する領域における平均輝度を陸部局所的輝度とし、陸部局所的輝度から一定の値を引いたものを溝局所的輝度とした場合において、走査ライン70の中心画素74(図9参照)の輝度と溝局所的輝度とを比較する。また、判定部36は、中心画素74の輝度が溝局所的輝度より小さい場合に、中心画素74から走査ライン70の長さ方向における両方向のそれぞれに所定の長さで接地面画像80を走査して輝度を抽出すると共に走査した両方向の範囲における最大輝度位置をそれぞれ求め、2箇所の最大輝度位置で囲まれた範囲を溝65として判定する。溝画像生成部37は、判定部36で溝65として判定された要素を合成することにより、接地面画像80から抽出した溝65の画像である溝画像(図15参照)を生成する。
タイヤ接地面解析装置20で用いられる解析プログラムは、予め記憶部50に記憶されており、試験タイヤ60の接地面61の解析を行う際には、記憶部50に記憶されているプログラムを処理部31で呼び出し、プログラムに沿った動作を処理部31で実行することにより、各機能を実行する。
本実施形態に係るタイヤ接地面解析システム1及びタイヤ接地面解析装置20は、以上のような構成からなり、以下、その作用について説明する。タイヤ接地面解析システム1によって試験タイヤ60の接地面61の解析を行う際には、試験タイヤ60をタイヤ試験機2の支持装置3に装着し、試験タイヤ60を透明板11に押し付けた状態で回転させながら、或いは停止させた状態で、カメラ15によって接地面61を撮影する。その際に、試験タイヤ60に対しては、複数の方向から複数の照明用ランプ16によって光を照射した状態で撮影する。このため、カメラ15は、接地面61と接地面61以外の部分とで、輝度差をつけて試験タイヤ60を撮影することができる。撮影した画像は、タイヤ接地面解析装置20で取得し、タイヤ接地面解析装置20は、取得した画像に基づいて、接地面61の解析を行う。
次に、タイヤ接地面解析装置20で接地面61の解析を行う場合の処理手順について説明する。図3は、実施形態に係るタイヤ接地面解析装置で接地面の解析を行う際の処理手順を示すフロー図である。図4は、接地面画像の説明図である。タイヤ接地面解析装置20で接地面61の解析を行う場合には、まず、試験タイヤ60の接地面61の画像である接地面画像80を取得する(ステップST11)。カメラ15は、透明板11に押し付けられている試験タイヤ60を透明板11を介して撮影するため、このカメラ15で撮影した画像をタイヤ接地面解析装置20で取得することにより、撮影した画像を接地面画像80として取得する。接地面画像80の取得は、処理装置30の処理部31が有する接地面画像取得部32で行う。
接地面画像取得部32で取得する接地面画像80は、単に試験タイヤ60を接地面61側から撮影したものになっているため、試験タイヤ60における接地面61以外の領域も含んだ画像になっている。この接地面画像80は、例えば、輝度が256階調で表される画像として接地面画像取得部32で取得する。また、試験タイヤ60を回転させながら接地面61の撮影を行う場合には、接地面画像取得部32は、取得した接地面画像80を記憶部50に伝送し、記憶部50で逐一保存する。
次に、接地面画像80から溝65を抽出する(ステップST12)。なお、この場合における溝65は、試験タイヤ60のトレッド部においてタイヤ平面から凹んでいる部分を、溝65と定義する。また、溝65には、タイヤ幅方向に延びるラグ溝66と、タイヤ周方向に延びる主溝67とが含まれる。接地面画像80からのこれらの溝65の抽出は、処理装置30の処理部31が有する溝抽出部33によって行う。
図5は、溝の抽出の処理手順を示すフロー図である。図6は、走査ラインについての説明図である。溝抽出部33によって接地面画像80から溝65の抽出を行う場合は、まず、接地面画像80に対して走査ライン70を設定する(ステップST21)。この設定は、溝抽出部33が有する走査ライン設定部34によって行う。走査ライン70としては、タイヤ周方向に延びてタイヤ周方向に走査する周方向走査ライン71と、タイヤ幅方向に延びてタイヤ幅方向に走査する幅方向走査ライン72(図14A参照)とがある。このうち、周方向走査ライン71は、ラグ溝66を抽出することが可能になっており、幅方向走査ライン72は、主溝67を抽出することが可能になっている。
これらの周方向走査ライン71と幅方向走査ライン72とは、共に長さが、抽出する溝65の最大の溝幅の2倍以上の長さになっており、幅は、接地面画像80の1画素の幅になっている。この場合における溝幅は、走査ライン70が延びる方向に対する溝65の幅になっており、タイヤ周方向やタイヤ幅方向への溝65の傾斜角度に関わらず、タイヤ周方向におけるラグ溝66の幅や、タイヤ幅方向における主溝67の幅になっている。周方向走査ライン71を用いたラグ溝66の抽出と、幅方向走査ライン72を用いた主溝67の抽出とは、同様の手法によって行われるが、以下の説明では、走査ライン70を用いた溝65の抽出の手法についての説明を、代表して周方向走査ライン71を用いて説明する。
周方向走査ライン71は、接地面画像80に対して、接地面画像80中の試験タイヤ60におけるタイヤ周方向に沿って延びる方向に設定される。その長さは、ラグ溝66の溝幅以上の長さになっており、例えば、接地面画像80が、縦1200画素×横1600画素からなる画像の場合には、周方向走査ライン71の長さは、150画素程度で設定される。周方向走査ライン71の幅は、1画素であるため、周方向走査ライン71は、タイヤ周方向に150画素の長さで延び、タイヤ幅方向における幅が1画素となる走査ライン70として、接地面画像80に対して設定される。
なお、走査ライン70は、画像上を一方向に移動しながら走査し、画像の一端から他端まで移動したら、隣り合う列に移動して再び一方向に移動しながら走査することを繰り返す、いわゆるラスタースキャンを行う。このため、走査ライン70によって溝65を抽出する場合、走査ライン70は、画像の角部付近を走査のスタート位置として走査しながら抽出する。従って、走査ライン設定部34で走査ライン70を設定する場合には、実際には接地面画像80における1つの角部付近に設定するが、走査ライン70を用いて溝65を抽出する手法を説明するために、以下の説明では、走査ライン70が溝65上に設定された状態のものを説明する。
接地面画像80に走査ライン70を設定したら、走査ライン70を用いて溝65の抽出処理を行う(ステップST22)。図7は、溝の抽出処理を行う処理手順を示すフロー図である。図8は、図6のA部詳細図である。接地面画像80上の溝65の抽出処理を行う場合は、まず、輝度算出ライン76を設定する(ステップST31)。輝度算出ライン76は、陸部局所的輝度を算出するためのラインになっている。また、陸部局所的輝度は、走査ライン70及びその近傍領域における平均輝度、即ち、走査ライン70が位置する領域における平均輝度であり、走査ライン70が位置する領域の陸部68の平均輝度になっている。輝度算出ライン76は、走査ライン70の長さと同じ長さで設定し、走査ライン70の幅方向の両側それぞれにおける、走査ライン70に対して走査ライン70から1画素ずらした位置と2画素ずらした位置とに設定する。即ち、輝度算出ライン76は、走査ライン70の幅方向における片側に2本ずつ設定し、合計で4本設定する。従って、周方向走査ライン71では、輝度算出ライン76は、タイヤ幅方向における周方向走査ライン71の片側に2本ずつ設定し、周方向走査ライン71のタイヤ幅方向における両側に、合計で4本設定する。走査ライン70の幅方向の両側に設定する4本の輝度算出ライン76が位置する領域は、走査ライン70の近傍領域77になっている。なお、輝度算出ライン76は、走査ライン70の片側に2本ずつ、合計で4本設定しているが、輝度算出ライン76は、これ以外の数で設定してもよい。
次に、接地面画像80からはみ出た走査ライン70、輝度算出ライン76はあるか否かを判定部36で判定する(ステップST32)。この判定により、接地面画像80からはみ出た走査ライン70または輝度算出ライン76があると判定された場合(ステップST32、Yes判定)には、溝65の抽出処理のフローから抜け出る。つまり、走査ライン70または輝度算出ライン76が接地面画像80からはみ出ている場合には、現在の走査ライン70の位置では、溝65の抽出処理は行わない。
これに対し、接地面画像80からはみ出た走査ライン70、輝度算出ライン76はないと判定された場合(ステップST32、No判定)には、陸部局所的輝度を算出する(ステップST33)。陸部局所的輝度は、接地面画像80上において走査ライン70が位置する領域であり、走査ライン70と近傍領域77とからなる領域である輝度算出領域78に位置する画素の輝度情報を用いて算出する。つまり、輝度算出領域78に位置する画素の平均値を算出し、その平均値を陸部局所的輝度とする。
なお、陸部局所的輝度は、陸部68の局所的な輝度であるため、陸部局所的輝度を算出する際には、接地面画像80上において溝65に相当する画素を除外して算出するのが好ましい。具体的には、溝65に相当する画素は輝度が低いため、輝度が所定の閾値よりも低い画素を除外することにより、溝65に相当する画素を除外して平均輝度の算出から除外する。例えば、輝度が256階調で表される場合には、輝度が40以下となる低輝度画素を平均輝度の算出から除外することにより、溝65に相当する画素を除外して平均輝度の算出から除外する。
また、非接地領域82(図6参照)の輝度は、接地領域81の輝度とは大きく異なるため、陸部局所的輝度を算出する際には、非接地領域82に相当する画素も除外して平均輝度を算出するのが好ましい。具体的には、非接地領域82に相当する画素は、接地領域81(図6参照)に相当する画素と比較して輝度が高いため、輝度が所定の閾値よりも高い画素を除外することにより、非接地領域82に相当する画素を除外して平均輝度の算出から除外する。例えば、輝度が256階調で表される場合には、輝度が160以上となる高輝度画素を平均輝度の算出から除外することにより、非接地領域82に相当する画素を除外して平均輝度の算出から除外する。
陸部局所的輝度を算出したら、次に、走査ライン70の中心画素74の輝度は、溝局所的輝度よりも小さいか否かを判定する(ステップST34)。図9は、中心画素の説明図である。走査ライン70の中心画素74は、走査ライン70の長さ方向における中心に位置する画素になっており、周方向走査ライン71においては、タイヤ周方向における周方向走査ライン71の中心に位置する画素になっている。また、溝局所的輝度は、陸部局所的輝度から一定の値を引いたものになっており、輝度が256階調で表される場合には、例えば、陸部局所的輝度から30を引いた輝度を、現在の走査ライン70の位置における溝局所的輝度とする。
溝抽出部33は、走査ライン70の中心画素74の輝度を抽出し、中心画素74の輝度と溝局所的輝度とを輝度比較部35で比較する。比較した結果、走査ライン70の中心画素74の輝度は、溝局所的輝度よりも小さくないと判定された場合(ステップST34、No判定)には、溝65の抽出処理のフローから抜け出る。つまり、中心画素74の輝度が溝局所的輝度よりも小さくない場合、現在の走査ライン70の位置における中心画素74は溝65に相当する位置ではないと判断することができるため、現在の走査ライン70の位置では溝65の抽出処理は行わない。
これに対し、走査ライン70の中心画素74の輝度は、溝局所的輝度よりも小さいと判定された場合(ステップST34、Yes判定)には、その中心画素74を溝65の構成要素として記憶部50で記憶すると共に、中心画素74を基点として走査ライン70の長さ方向における両方向に走査して局所的最大輝度を抽出し、最大輝度位置を求める(ステップST35)。
図10は、局所的最大輝度と最大輝度位置についての説明図である。中心画素74の輝度は溝局所的輝度よりも小さいと判定された場合には、中心画素74から、走査ライン70の長さ方向に所定の範囲で走査を行って輝度を抽出し、走査を行った範囲内における最大輝度を、局所的最大輝度として抽出する。局所的最大輝度は、中心画素74を基点とする走査ライン70の長さ方向における両方向のそれぞれで抽出する。さらに、走査ライン70の長さ方向において、局所的最大輝度となる画素が位置している位置を、最大輝度位置PA,PBとして求める。
局所的最大輝度を抽出する際における中心画素74を基点とする走査範囲は、走査ライン70を用いて抽出する溝65の最大の溝幅GWの半分程度であるのが好ましい。例えば、周方向走査ライン71では、タイヤ周方向におけるラグ溝66の最大の溝幅GWの半分程度に設定するが好ましい。本実施形態では、接地面画像80中におけるラグ溝66の最大の溝幅GWは、60画素程度であるため、中心画素74を基点とする走査範囲は、60画素の半分よりも5画素少ない25画素に設定する。即ち、局所的最大輝度は、走査ライン70の中心画素74を基点として走査ライン70の長さ方向にそれぞれ25画素ずつ走査して輝度を抽出し、その範囲内に位置する画素の最大輝度をそれぞれ抽出することによって、2箇所の位置の局所的最大輝度を抽出し、2箇所の最大輝度位置PA,PBを求める。走査範囲を、このようにラグ溝66の最大の溝幅GWの半分程度にすることにより、最大輝度位置PA,PBの誤検出を低減することができる。
次に、局所的最大輝度の少なくとも一方は、陸部局所的輝度+α以上であるか否かを判定する(ステップST36)。ここで、画素の輝度は、陸部68よりも溝65の方が輝度が小さくなっており、中心画素74は、輝度が溝局所的輝度よりも小さいことにより溝65の構成要素として判断された位置になっている。このため、走査ライン70の長さ方向に輝度を走査した際における局所的最大輝度が、陸部局所的輝度以上である場合には、最大輝度位置PA,PBは、溝65と陸部68との境界部分であると推定することができる。一方で、局所的最大輝度が陸部局所的輝度以上であっても、最大輝度位置PA,PBは陸部68と溝65との境界部分ではないこともあり、この場合、最大輝度位置PA,PBを溝65と陸部68との境界部分であると判定すると、誤判定となってしまう。
図11は、陸部局所的輝度+αを用いないで判定する場合の説明図である。図12は、図11のタイヤ周方向の位置と輝度との対応を示す図である。陸部68の輝度が比較的小さく、溝65と陸部68との輝度の差が大きくない場合でも、最大輝度位置PA,PBを求めることはできるが、この場合、最大輝度位置PA,PBは、溝65と陸部68との境界部分以外の位置に位置することもある。例えば、図11に示すように、最大輝度位置PBが、陸部68上に位置することもある。この場合、最大輝度位置PBは、実際の溝65と陸部68との境界位置PCとは異なる位置になるため、最大輝度位置PAと最大輝度位置PBとに囲まれる範囲を溝65として定義すると(図11:GWE)、実際の溝65(図11:GWC)とは異なってしまい、誤判定になってしまう。従って、この誤判定を防止するために、本実施形態では、最大輝度位置PA,PBが溝65と陸部68との境界部分であるか否かは、陸部局所的輝度に所定の値であるαを加えたものと、局所的最大輝度とを比較することによって判定する。なお、この場合におけるαは、予め一定値を設定してもよく、走査ライン70の複数の位置での輝度分布を調べて値を決定してもよい。本実施形態では、輝度が256階調で表される接地面画像80に対して、α=35を設定する。
これらのように設定される陸部局所的輝度+αと、2箇所の最大輝度位置PA,PBのそれぞれの局所的最大輝度とを比較し、少なくとも一方の局所的最大輝度は、陸部局所的輝度+α以上であるか否かを、判定部36で判定する。この判定により、いずれの局所的最大輝度も、陸部局所的輝度+α以上ではないと判定された場合(ステップST36、No判定)には、溝65の抽出処理のフローから抜け出る。つまり、いずれの局所的最大輝度も、陸部局所的輝度+α以上ではないと判定された場合には、走査範囲には溝65と陸部68との境界部分が位置しないか、輝度を適切に抽出することができていない状態であるため、この場合は、現在の走査ライン70の位置では溝65の抽出処理は行わない。
これに対し、局所的最大輝度の少なくとも一方は、陸部局所的輝度+α以上であると判定された場合(ステップST36、Yes判定)には、次に、局所的最大輝度は、2箇所とも陸部局所的輝度+α以上であるか否かを判定する(ステップST37)。この判定により、局所的最大輝度は2箇所とも陸部局所的輝度+α以上であると判定された場合(ステップST37、Yes判定)には、2箇所の最大輝度位置PA,PBで囲まれた範囲を溝65として判定する(ステップST38)。つまり、判定部36は、2箇所の最大輝度位置PA,PBの双方が、陸部局所的輝度に対して所定の輝度値αを加えた輝度値以上の輝度を有する位置である場合に、2箇所の最大輝度位置PA,PBで囲まれた範囲を溝65として判定する。この場合、最大輝度位置PAと最大輝度位置PBとで囲まれる、タイヤ周方向に1列に並んだ画素群を、溝65の構成要素として記憶部50に記憶する。
これに対し、局所的最大輝度は2箇所とも陸部局所的輝度+α以上ではないと判定された場合(ステップST37、No判定)には、一方の最大輝度位置と中心画素74とで囲まれた範囲を溝65の構成要素として判定する(ステップST39)。つまり、判定部36は、2箇所の最大輝度位置PA,PBのうち、一方の最大輝度位置のみが、陸部局所的輝度に対して所定の輝度値αを加えた輝度値以上の輝度を有する位置である場合には、当該最大輝度位置と中心画素74とで囲まれた範囲を溝65の構成要素として判定する。例えば、最大輝度位置PAのみが、局所的最大輝度が陸部局所的輝度+α以上であり、最大輝度位置PBは、局所的最大輝度が陸部局所的輝度+α以上ではない場合は、最大輝度位置PAと中心画素74とで囲まれる、タイヤ周方向に1列に並んだ画素群を、溝65の構成要素として記憶部50に記憶する。反対に、最大輝度位置PBのみが、局所的最大輝度が陸部局所的輝度+α以上であり、最大輝度位置PAは、局所的最大輝度が陸部局所的輝度+α以上ではない場合は、最大輝度位置PBと中心画素74とで囲まれる、タイヤ周方向に1列に並んだ画素群を、溝65の構成要素として記憶部50に記憶する。
これらのように溝65の抽出処理は、走査ライン70に沿って輝度を走査し、抽出した輝度に基づいて、溝65の構成要素の抽出を行う。輝度は、陸部68の表面に対する角度が大きく変化する部分で変化するため、溝65の開口部に面取りが施されている場合には、陸部68の表面と面取りとの境界部分で、輝度が変化する。このため、輝度に基づいて溝65の構成要素の抽出を行うことにより、溝65の開口部に面取りが施されている場合、面取り部分も溝65の構成要素として抽出することができる。
走査ライン70の1つの位置での溝65の抽出処理が完了したら、次に、走査ライン70の位置は終端位置であるか否かを判定する(ステップST23)。つまり、走査ライン70は、ラスタースキャンを行うため、走査ライン70の現在の位置は終端位置であるか否かを判定する。
図13A〜図13Eは、走査ラインの進み方についての説明図である。走査ライン70で走査を行う際における走査ライン70の進み方について、周方向走査ライン71を用いて説明すると、周方向走査ライン71は、ステップST21では、例えば、接地面画像80の最も左上に位置する部分に、左右方向に延びて設定される(図13A)。この位置で溝65の抽出処理を行ったら、周方向走査ライン71を右方向に1画素移動させ(図13B)、これらを繰り返すことにより、各位置で溝65の抽出を行いながら、周方向走査ライン71を右方向に移動させる。
これにより、周方向走査ライン71が接地面画像80の右端まで移動したら(図13C)、周方向走査ライン71を、画素における1つ下側の列の左端に、周方向走査ライン71を移動させる(図13D)。このように、周方向走査ライン71を順次右方向に1画素ずつ移動させ、右端まで移動したら、画素における1つ下側の列の左端に移動させることを繰り返すことにより、周方向走査ライン71を接地面画像80の最も右下に位置する部分まで移動させる(図13E)。この位置が、溝65の抽出を行いながら周方向走査ライン71を移動させる際における終端位置となる。
現在の走査ライン70の位置での溝65の抽出処理が完了した後、走査ライン70の位置は終端位置であるか否かを判定し(ステップST23)、走査ライン70の位置は終端位置ではないと判定された場合(ステップST23、No判定)には、走査ライン70を移動させる(ステップST24)。この場合、走査ライン70の現在の位置から、走査ライン70の長さ方向に1画素分移動させるか、隣りの列の端部の位置に移動させる。走査ライン70を移動させたら、ステップST22に戻り、再び溝65の抽出処理を行う。これらを繰り返すことにより、接地面画像80の全領域で溝65の抽出処理を行う。
なお、上記の説明では、周方向走査ライン71を用いてラグ溝66の抽出を行う場合について説明したが、幅方向走査ライン72を用いて主溝67を抽出する場合も、同様の手法で行う。即ち、幅方向走査ライン72の現在の位置での中心画素74の輝度が、溝局所的輝度よりも小さいと判定された場合には、局所的最大輝度と最大輝度位置PA,PBとを求め、主溝67の構成要素を抽出する。
また、幅方向走査ライン72は、試験タイヤ60のタイヤ幅方向に沿って延びる方向に設定され、周方向走査ライン71とは直交する向きで設けられるため、移動させる方向も、周方向走査ライン71の移動方向に対して直交する方向になる。図14A〜図14Eは、幅方向走査ラインの進み方についての説明図である。幅方向走査ライン72は、ステップST21では、例えば、接地面画像80の最も左上に位置する部分に、上下方向に延びて設定される(図14A)。この位置で主溝67の抽出処理を行ったら、幅方向走査ライン72を下方向に1画素移動させ(図14B)、これらを繰り返すことにより、各位置で主溝67の抽出を行いながら、幅方向走査ライン72を下方向に移動させる。
これにより、幅方向走査ライン72が接地面画像80の下端まで移動したら(図14C)、幅方向走査ライン72を、画素における1つ右側の列の上端に、幅方向走査ライン72を移動させる(図14D)。このように、幅方向走査ライン72を順次下方向に1画素ずつ移動させ、下端まで移動したら、画素における1つ右側の列の上端に移動させることを繰り返すことにより、幅方向走査ライン72を接地面画像80の最も右下に位置する部分まで移動させる(図14E)。この位置が、主溝67の抽出を行いながら幅方向走査ライン72を移動させる際における終端位置となる。
幅方向走査ライン72においても、現在の幅方向走査ライン72の位置での主溝67の抽出処理が完了した後、幅方向走査ライン72の位置は終端位置であるか否かを判定し(ステップST23)、幅方向走査ライン72の位置は終端位置ではないと判定された場合(ステップST23、No判定)には、幅方向走査ライン72を移動させる(ステップST24)。この場合、幅方向走査ライン72の現在の位置から、幅方向走査ライン72の長さ方向に1画素分移動させるか、隣りの列の端部の位置に移動させる。幅方向走査ライン72を移動させたら、ステップST22に戻り、再び主溝67の抽出処理を行う。これらを繰り返すことにより、接地面画像80の全領域で主溝67の抽出処理を行う。
周方向走査ライン71と幅方向走査ライン72との双方で、走査ライン70の位置は終端位置であると判定された場合(ステップST23、Yes判定)には、接地面画像80の全領域で溝65の抽出処理を行ったことになるため、溝65を抽出する処理から抜け出る。
図15は、溝画像の説明図である。溝65の抽出が完了したら、次に、溝画像83を生成する(ステップST13)。この溝画像83の生成は、溝抽出部33が有する溝画像生成部37によって行う。溝画像生成部37は、周方向走査ライン71を用いて抽出し、記憶部50に記憶されたラグ溝66の構成要素と、幅方向走査ライン72を用いて抽出し、記憶部50に記憶された主溝67の構成要素とを、全て黒画素として合成することにより、接地面画像80に含まれる全体の溝65の画像として、1つの溝画像83を生成する。つまり、例えばステップST39で、走査ライン70の長さ方向において中心画素74から見て溝65の構成要素として抽出されなかった部分も、走査ライン70が移動した際に溝65の構成要素として抽出されるため、これらを溝画像生成部37で繋ぎ合わせることにより、過不足のない溝画像83を得ることができる。
また、溝画像83を生成する場合は、収縮処理と膨張処理とを繰り返すことにより溝65の形を整え、さらに、溝画像83上の黒画素の小さな塊を除去する。これにより、溝65の抽出時に輝度ムラ等に起因して、溝65以外の部分が溝65の構成要素として抽出されることによって発生する、溝画像83上の小さなブツブツを取り除くことができ、溝65の見栄えが良くなるようにすることができる。
図16は、収縮処理の説明図である。図17は、膨張処理の説明図である。収縮処理は、例えば注目画素を黒画素とする場合に、図16に示すように、注目画素の周辺に1画素でも白画素があれば、注目画素を白画素に置き換える処理になっている。つまり、収縮処理は、黒画素をそれぞれ中心画素とし、その周辺の8画素(中心画素から最も近い左上、上、右上、右、右下、下、左下、左の各1画素)のうち1つでも白画素が存在すれば、その中心画素を白画素に置き換える処理になっている。反対に膨張処理は、図17に示すように、注目画素の周辺に1画素でも黒画素があれば、注目画素を黒画素に置き換える処理になっている。つまり、膨張処理は、白画素をそれぞれ中心画素とし、その周辺の8画素(中心画素から最も近い左上、上、右上、右、右下、下、左下、左の各1画素)のうち1つでも黒画素が存在すれば、その中心画素を黒画素に置き換える処理になっている。
本実施形態では、溝画像83を生成する際には、収縮処理を3回行った後、膨張処理を3回行い、その後、黒画素の小さな塊を除去するために、連続する黒画素が500画素以下となる黒画素の集合体を除去する。さらにその後、膨張処理を3回行い、収縮処理を3回行う。これにより、見栄えの良い溝画像83を得ることができる。なお、これらの収縮処理や膨張処理の回数や順番、黒画素の塊を除去する際の基準となる連続する黒画素の数は、試験タイヤ60のトレッドパターンや、試験の条件、画像の解像等に応じて適宜設定するのが好ましい。
次に、総接地領域85を求める(ステップST14)。図18は、総接地領域画像の説明図である。総接地領域85は、総接地領域算出部38によって接地面画像80から総接地領域画像84を生成することにより求める。総接地領域算出部38で接地面画像80から、総接地領域画像84を生成する際には、接地面画像80に対して二値化処理を行うことにより生成する。つまり、接地面画像80では、接地領域81は非接地領域82に対して輝度が低く、溝65の部分は、接地領域81における陸部68の部分に対して、さらに輝度が低いため、接地領域81の陸部68の部分と、非接地領域82とを切り分けることができる程度の閾値で、輝度を用いて二値化する。これにより、非接地領域82は白画素になり、接地領域81の部分では、陸部68も溝65も黒画素になるため、接地面画像80における接地領域81の部分が総接地領域85となる総接地領域画像84を生成することができる。
なお、本実施形態では、総接地領域85は、溝65の抽出を行った後に求める流れで説明しているが、接地面画像80から総接地領域85を求める処理は、溝65の抽出を行う前に行ってもよく、総接地領域85を求めることと溝65の抽出とを、平行して行ってもよい。
次に、実接地領域87を求める(ステップST15)。図19は、実接地領域画像の説明図である。実接地領域87は、総接地領域算出部38で求めた総接地領域85から、溝抽出部33で抽出した溝65を、実接地領域算出部39によって除去することにより求める。つまり、総接地領域85が黒画素となる二値画像の総接地領域画像84に対して、接地面画像80の溝65に該当する部分を白画素に置き換えることにより、溝65に相当する部分が白画素となった実接地領域87の画像である実接地領域画像86を生成する。
タイヤ接地面解析システム1は、1つの試験タイヤ60で接地面画像80を多数取得し、これらの接地面画像80に対して上述したタイヤ接地面解析方法で溝65の抽出を行うことにより、各接地面画像80において、精度の高い実接地領域画像86を容易に取得することができる。
以上の実施形態に係るタイヤ接地面解析装置20は、走査ライン70の中心画素74の輝度が溝局所的輝度より小さい場合に、中心画素74から走査ライン70の長さ方向における両方向で最大輝度位置PA,PBをそれぞれ求め、2箇所の最大輝度位置PA,PBで囲まれた範囲を溝65として判定するため、例えば、溝65に面取りが施されている場合でも、面取りの部分も含んで溝65と判定することができる。つまり、面取り部分は輝度が高くなり易くなっているため、最大輝度位置に基づいて溝65を抽出することにより、輝度が高い部分である面取り部分を含んだ領域を、溝65として抽出することができる。この結果、溝65の形状を適切に抽出することができ、接地領域を解析する際における解析誤差を低減することができる。
また、走査ライン70として、試験タイヤ60のタイヤ周方向に沿って延びる方向に設定される周方向走査ライン71と、試験タイヤ60のタイヤ幅方向に沿って延びる方向に設定される幅方向走査ライン72とが設定されるため、試験タイヤ60の溝65の方向に関わらず、周方向走査ライン71と幅方向走査ライン72とを用いて溝65を抽出することができる。これにより、タイヤ周方向とタイヤ幅方向とのいずれの方向に延びる溝65に面取りが施されている場合でも、面取りの部分も含んで、溝65の構成要素として抽出することができる。この結果、接地領域を解析する際における解析誤差を、より確実に低減することができる。
また、2箇所の最大輝度位置PA,PBの双方が、陸部局所的輝度に対して所定の輝度値αを加えた輝度値以上の輝度を有する位置である場合に、2箇所の最大輝度位置PA,PBで囲まれた範囲を溝65として判定するため、溝65の幅を、精度よく抽出することができる。この結果、接地領域を解析する際における解析誤差を、より確実に低減することができる。
また、2箇所の前記最大輝度位置PA,PBのうち、一方の最大輝度位置のみが、陸部局所的輝度に対して所定の輝度値αを加えた輝度値以上の輝度を有する位置である場合には、当該最大輝度位置と中心画素74とで囲まれた範囲を溝65の構成要素として判定するため、溝65の誤判定を抑制することができる。この結果、接地領域を解析する際における解析誤差を、より確実に低減することができる。
また、陸部局所的輝度を算出する際には、走査ライン70上の画素の輝度のみでなく、輝度算出ライン76を設定して輝度算出ライン76上の画素の輝度も用いているので、陸部局所的輝度を精度よく算出することができる。つまり、接地面画像80は、輝度ムラを有しているため、走査ライン70上の画素の輝度のみで陸部局所的輝度を算出した場合、高い精度で算出することが困難になるため、溝65の抽出精度も不安定になる。これに対し、陸部局所的輝度の算出に輝度算出ライン76も用いた場合には、より広い範囲の画素で輝度を算出することができるため、より高い精度で陸部局所的輝度を算出することができる。この結果、溝65の抽出精度を高めることができ、接地領域を解析する際における解析誤差を、より確実に低減することができる。
また、実施形態に係るタイヤ接地面解析システム1は、透明板11に押し付けられている試験タイヤ60の接地面61を複数の照明用ランプ16で照射した状態で、透明板11を介してカメラ15によって接地面61を撮影するため、接地面61と非接地面との輝度差をつけた状態で接地面61を撮影することができる。その際に、試験タイヤ60に対しては、複数の方向から複数の照明用ランプ16によって光を照射した状態で撮影するため、溝65と溝65以外の部分とで、輝度差を付けて撮影することができる。これにより、溝65の形状を、より確実に特定することができ、接地面画像80より、より確実に溝65を抽出することができる。この結果、接地領域を解析する際における解析誤差を、より確実に低減することができる。
また、実施形態に係るタイヤ接地面解析方法は、走査ライン70の中心画素74の輝度が溝局所的輝度より小さい場合に、中心画素74から走査ライン70の長さ方向における両方向で最大輝度位置PA,PBをそれぞれ求め、2箇所の最大輝度位置PA,PBで囲まれた範囲を溝65として判定するため、例えば、溝65に面取りが施されている場合でも、面取りの部分も含んで溝65と判定することができる。この結果、溝65の形状を適切に抽出することができ、接地領域を解析する際における解析誤差を低減することができる。
〔変形例〕
なお、上述した実施形態に係るタイヤ接地面解析装置20では、ラグ溝66と主溝67とを、共に走査ライン70を用いて抽出しているが、ラグ溝66と主溝67とは、異なる手法で抽出してもよい。図20は、実施形態に係るタイヤ接地面解析装置で行う処理の変形例であり、ラグ溝と主溝とを異なる手法で抽出する場合の説明図である。ラグ溝66と主溝67とを異なる手法で抽出する際には、例えば、ラグ溝66は、上述した実施形態における手法で抽出し、主溝67は、輪郭線89に基づいて抽出してもよい。輪郭線89に基づいて主溝67を抽出するための手法について説明すると、まず、接地面画像80を輝度に基づいて二値化する。接地面画像80の輝度分布について説明すると、接地面画像80では、接地領域81の輝度は、タイヤ周方向における接地領域81の両側2箇所に位置する非接地域90の輝度よりも低くなる。また、非接地域90に位置する主溝67は、非接地域90内の陸部の部分と比較して輝度が低くなり易くなっている。このため、接地面画像80を輝度に基づいて二値化した場合は、接地領域81と、非接地域90における主溝67の部分は、同じ色にすることができ、例えば、接地領域81と、非接地域90における主溝67とを、共に黒画素にすることができる。
その後、二値化した画像における輪郭線89を抽出することにより、輪郭線画像88を生成する。二値化した画像からの輪郭線89の抽出は、例えば、画像を走査することにより、階調差がある部分をエッジとして検出し、この走査を複数の方向から行うことにより輪郭を抽出するソーベルフィルタを用いて行う。これにより、二値化した画像中で黒画素によって構成される画像における、白画素との境界部分を輪郭線89として抽出し、輪郭線画像88を生成することができる。
なお、輪郭線89の抽出は、ソーベルフィルタを用いる抽出方法以外で行ってもよい。例えば、二値化した画像中の水平方向の隣り合う画素同士、または垂直方向の隣り合う画素同士の輝度差(絶対値)を計算し、その値を二値化した画像の画素ごとに出力することにより、輪郭線89を抽出してもよい。
輪郭線画像88を生成したら、輪郭線画像88中の非接地域90に主溝走査ライン95を設定する。主溝走査ライン95は、輪郭線画像88中の主溝67の輪郭線89に対して平行なラインになっており、タイヤ周方向に延びるラインになっている。なお、本変形例では、非接地域90は、タイヤ周方向における幅が、2箇所の非接地域90のそれぞれにおいて一定の幅として設定され、主溝走査ライン95は、この2箇所の非接地域90のそれぞれに対して設定する。2箇所の主溝走査ライン95は、タイヤ周方向における長さを、共にタイヤ周方向における非接地域90の幅と同じ長さにし、タイヤ幅方向における位置が同じ位置になるように設定する。
非接地域90に主溝走査ライン95を設定したら、主溝走査ライン95をタイヤ幅方向における一方の端部91から他方の端部91まで移動させながら、タイヤ幅方向における画素の幅を基準とする各位置において、主溝走査ライン95と重複する黒画素の総数を、位置ごとに求める。非接地域90におけるタイヤ幅方向の位置ごとの黒画素の総数を求めたら、タイヤ幅方向において黒画素の総数が最も多い位置から順番に黒画素の総数が多い位置を、主溝67の数に対応した数だけ選び出す。
つまり、黒画素の総数を求めた位置において、黒画素の総数が最も多い位置から黒画素の総数が少なくなる順番に、試験タイヤ60が有する主溝67の数の2倍の位置を抽出する。例えば、主溝67の本数が3本であるときには、主溝走査ライン95と重複した黒画素の総数が1番多いタイヤ幅方向における位置から、黒画素の総数が6番目に多いタイヤ幅方向における位置までの6箇所のタイヤ幅方向における位置を抽出する。
これらのように抽出した位置は、タイヤ幅方向において主溝67の輪郭線89が位置する位置であるため、抽出した位置に挟まれた部分を、主溝67が位置する部分として抽出する。なお、抽出した位置に挟まれた部分は、陸部が位置する部分も該当するが、主溝67と陸部とは、タイヤ幅方向における間隔やタイヤ幅方向における位置が異なるため、これらの要素も含めて判断することにより、タイヤ幅方向における主溝67の位置を抽出する。
これらのようにして抽出した主溝67と、上述した実施形態における手法で抽出したラグ溝66とを組み合わせることにより、ラグ溝66と主溝67とを異なる手法で抽出しても、1つの溝画像83を生成することができる。生成した溝画像83は、上述した実施形態と同様に、総接地領域画像84の総接地領域85から、溝画像83における溝65を除去することによって実接地領域87を求める際に、用いることができる。
1 タイヤ接地面解析システム
2 タイヤ試験機
3 支持装置
5 駆動装置
10 撮影装置
11 透明板
15 カメラ(撮影部)
16 照明用ランプ(光源)
20 タイヤ接地面解析装置
30 処理装置
31 処理部
32 接地面画像取得部
33 溝抽出部
34 走査ライン設定部
35 輝度比較部
36 判定部
37 溝画像生成部
38 総接地領域算出部
39 実接地領域算出部
50 記憶部
60 試験タイヤ(空気入りタイヤ)
61 接地面
65 溝
66 ラグ溝
67 主溝
68 陸部
70 走査ライン
71 周方向走査ライン
72 幅方向走査ライン
74 中心画素
76 輝度算出ライン
77 近傍領域
78 輝度算出領域
80 接地面画像
81 接地領域
82 非接地領域
83 溝画像
84 総接地領域画像
85 総接地領域
86 実接地領域画像
87 実接地領域

Claims (7)

  1. 空気入りタイヤの接地面の画像を取得する接地面画像取得部と、
    前記接地面画像取得部で取得した接地面画像から前記空気入りタイヤの溝を抽出する溝抽出部と、
    を備え、
    前記溝抽出部は、
    前記接地面画像に対して走査ラインを設定する走査ライン設定部と、
    前記走査ラインが位置する領域における平均輝度を陸部局所的輝度とし、前記陸部局所的輝度から一定の値を引いたものを溝局所的輝度とした場合において、前記走査ラインの中心画素の輝度と前記溝局所的輝度とを比較する輝度比較部と、
    前記中心画素の輝度が前記溝局所的輝度より小さい場合に、前記中心画素から前記走査ラインの長さ方向における両方向のそれぞれに所定の長さで前記接地面画像を走査して輝度を抽出すると共に走査した両方向の範囲における最大輝度位置をそれぞれ求め、2箇所の前記最大輝度位置で囲まれた範囲を前記溝として判定する判定部と、
    を有することを特徴とするタイヤ接地面解析装置。
  2. 前記走査ライン設定部は、前記走査ラインとして、前記空気入りタイヤのタイヤ周方向に沿って延びる方向に設定される周方向走査ラインと、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向に沿って延びる方向に設定される幅方向走査ラインとを設定する請求項1に記載のタイヤ接地面解析装置。
  3. 前記判定部は、2箇所の前記最大輝度位置の双方が、前記陸部局所的輝度に対して所定の輝度値を加えた輝度値以上の輝度を有する位置である場合に、2箇所の前記最大輝度位置で囲まれた範囲を前記溝として判定する請求項1または2に記載のタイヤ接地面解析装置。
  4. 前記判定部は、2箇所の前記最大輝度位置のうち、一方の前記最大輝度位置のみが、前記陸部局所的輝度に対して所定の輝度値を加えた輝度値以上の輝度を有する位置である場合には、当該最大輝度位置と前記中心画素とで囲まれた範囲を前記溝の構成要素として判定する請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ接地面解析装置。
  5. 前記接地面画像から総接地領域を求める総接地領域算出部と、
    前記総接地領域算出部で求めた前記総接地領域から、前記溝抽出部で抽出した前記溝を除去して実接地領域を求める実接地領域算出部と、
    を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ接地面解析装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ接地面解析装置と、
    前記空気入りタイヤを押し付ける透明板と、
    前記透明板に押し付けられている前記接地面を照射する複数の光源と、
    前記透明板を介して前記接地面を撮影する撮影部と、
    を備えることを特徴とするタイヤ接地面解析システム。
  7. 空気入りタイヤの接地面の画像を取得するステップと、
    接地面画像から空気入りタイヤの溝を抽出するステップと、
    前記接地面画像に対して走査ラインを設定するステップと、
    前記走査ラインが位置する領域における平均輝度を陸部局所的輝度とし、前記陸部局所的輝度から一定の値を引いたものを溝局所的輝度とした場合において、前記走査ラインの中心画素の輝度と前記溝局所的輝度とを比較するステップと、
    前記中心画素の輝度が前記溝局所的輝度より小さい場合に、前記中心画素から前記走査ラインの長さ方向における両方向のそれぞれに所定の長さで前記接地面画像を走査して輝度を抽出すると共に走査した両方向の範囲における最大輝度位置をそれぞれ求め、2箇所の前記最大輝度位置で囲まれた範囲を前記溝として判定するステップと、
    を含むことを特徴とするタイヤ接地面解析方法。
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