JP2017129192A - 動力伝達装置の制御装置 - Google Patents

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太一 鷲尾
拓郎 嶋津
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Abstract

【課題】エンジンの出力軸に連結される入力軸が無段変速機のプライマリシーブに直結された動力伝達装置において、エンジン始動時のショック発生を抑制する。
【解決手段】エンジン始動時には、そのエンジン始動時制御開始からベルト式無段変速機のベルトが最Low変速比に対応する位置に戻るまでの間は、プライマリシーブの指示油圧をゼロに設定する。このような制御により、エンジン始動時がベルト滑り状態(ベルト戻り不良状態)であったとしても、ベルト滑りが急激に止まることがなくなり、ショック発生を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両等に搭載される動力伝達装置の制御装置に関する。
車両に搭載される動力伝達装置としては、エンジン(駆動力源)からの動力を伝達する動力伝達経路として、ギヤの噛み合いにより動力伝達を行う第1動力伝達経路と、ベルト式無段変速機(以下、単に「無段変速機」ともいう)により動力伝達を行う第2動力伝達経路とが並列に設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−105708号公報
上記したギヤの噛み合いにより動力伝達を行う第1動力伝達経路と、無段変速機による第2動力伝達経路とが並列に設けられた動力伝達装置にあっては、エンジンの出力軸に連結される入力軸(動力伝達装置の入力軸)が、無段変速機のプライマリシーブに直結されている。このため、エンジン始動時にプライマリシーブが回転してしまう。
ここで、エンジン始動時に無段変速機の変速比が最Low(γmax)まで戻っている場合は、プライマリシーブのシーブ反力及びセカンダリシーブのリターンスプリングによる反力によって必要なベルト推力を確保できるのでベルト滑りを抑制することができる。
これに対し、無段変速機の変速比が最Lowまで戻っていない状態(ベルトが最Low変速比に対応する位置まで戻っていないベルト戻り不良状態)でのエンジン始動の場合、プライマリシーブには所定値の油圧が入力されているが、エンジンから無段変速機に入力される入力トルクがプライマリシーブ推力よりも大きくなってしまうため、ベルト滑りが発生する。このような状態でプライマリシーブ油圧を上昇させると、ベルト滑りが急激に止まるためショックが発生する。
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、エンジンの出力軸に連結される入力軸が無段変速機のプライマリシーブに直結された動力伝達装置において、エンジン始動時のショック発生を抑制することが可能な制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、プライマリシーブ及びセカンダリシーブを有するベルト式無段変速機を備え、エンジンの出力軸に連結される入力軸が前記ベルト式無段変速機のプライマリシーブに直結された動力伝達装置に適用される制御装置を前提としており、このような動力伝達装置の制御装置において、エンジン始動時に当該エンジン始動時の制御開始から所定時間が経過するまでは前記プライマリシーブの指示油圧をゼロとするエンジン始動時制御が実行可能であり、前記所定時間は、前記ベルト式無段変速機にベルト滑りが生じている場合においてベルトが最Low変速比に対応する位置に戻るまでの時間であることを特徴としている。
本発明によれば、エンジン始動時制御開始からベルト式無段変速機のベルトが最Low変速比に対応する位置に戻るまでの間は、プライマリシーブの指示油圧をゼロに設定するので、エンジン始動時がベルト滑り状態(ベルト戻り不良状態)であったとしても、ベルト滑りが急激に止まることがなくなり、ショック発生を抑制することができる。
本発明によれば、エンジンの出力軸に連結される入力軸が無段変速機のプライマリシーブに直結された動力伝達装置において、エンジン始動時のショック発生を抑制することができる。
本発明の制御装置を適用する動力伝達装置の概略構成を示す骨子図である。 動力伝達装置及びエンジンの制御系の構成を示すブロック図である。 エンジン始動時制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両に搭載された動力伝達装置に本発明を適用した場合について説明する。
−動力伝達装置の概略構成−
図1に示すように、動力伝達装置1は、走行用の駆動力源であるエンジン2からのトルク(動力)を駆動輪7L,7Rに伝達する装置であって、入力軸11、トルクコンバータ3、前後進切換装置4、ベルト式無段変速機5(以下、単に「無段変速機5」という)、ギヤ機構6、出力ギヤ81が設けられた出力軸8、デファレンシャル装置9などを備えている。
動力伝達装置1は、ギヤの噛み合いにより動力伝達を行う第1動力伝達経路と、無段変速機5により動力伝達を行う第2動力伝達経路とが並列に設けられている。具体的に、第1動力伝達経路では、エンジン2から出力されたトルクがトルクコンバータ3を経由して入力軸11に入力され、このトルクが入力軸11から前後進切換装置4及びギヤ機構6を経由して出力軸8に伝達される。一方、第2動力伝達経路では、入力軸11に入力されたトルクが無段変速機5を経由して出力軸8に伝達される。そして、車両の走行状態に応じて、動力伝達経路を第1動力伝達経路と第2動力伝達経路との間で切り替えるようになっている。動力伝達経路切り替えのための構成については後述する。
動力伝達装置1の入力軸11は、後述する前後進切換装置4のキャリヤ42及び無段変速機5の変速機入力軸51(プライマリシーブ52b)に連結されている。したがって、本実施形態では、動力伝達装置1の入力軸11(エンジン2のクランク軸21(エンジンの出力軸)に連結される入力軸)が、無段変速機5のプライマリシーブ52bに直結(一体回転可能に連結)されている。
−エンジン−
エンジン2は、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関によって構成されている。エンジン2の出力軸であるクランク軸21はトルクコンバータ3を介して入力軸11に連結されている。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ3は、エンジン2のクランク軸21に連結されたポンプ翼車32、及び、タービン軸31を介して前後進切換装置4に連結されたタービン翼車33を備えている。また、ポンプ翼車32及びタービン翼車33の間にはロックアップクラッチ34が設けられている。このロックアップクラッチ34が完全係合することによってポンプ翼車32とタービン翼車33とが一体回転する。
−前後進切換装置−
前後進切換装置4は、前進用クラッチ(ギヤ伝達用クラッチ)C1、後進用ブレーキB1、ダブルピニオン型の遊星歯車装置41を備えている。遊星歯車装置41のキャリヤ42が入力軸11(タービン軸31)及び無段変速機5の変速機入力軸51に一体的に連結され、リングギヤ43が後進用ブレーキB1を介してハウジング12に選択的に連結され、サンギヤ44がプラネタリ出力軸45を介して小径ギヤ61に連結されている。また、サンギヤ44とキャリヤ42とは、前進用クラッチC1を介して選択的に連結される。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は、いずれも、湿式クラッチであって、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合要素である。
−ギヤ機構−
ギヤ機構6は、小径ギヤ61と、この小径ギヤ61に噛み合い、かつ第1カウンタ軸62に相対回転不能に設けられた大径ギヤ63とを備えている。第1カウンタ軸62と同じ回転軸心まわりには、アイドラギヤ64が第1カウンタ軸62に対して相対回転可能に設けられている。また、第1カウンタ軸62とアイドラギヤ64との間には、これらを選択的に断接する噛合クラッチ(ドグクラッチ)D1が設けられている。この噛合クラッチD1は、第1カウンタ軸62に形成されている第1ギヤ65と、アイドラギヤ64に形成されている第2ギヤ66と、これら第1ギヤ65及び第2ギヤ66と噛合可能なスプライン歯が形成されたハブスリーブ67とを備えている。ハブスリーブ67がこれら第1ギヤ65及び第2ギヤ66と嵌合することで、第1カウンタ軸62とアイドラギヤ64とが接続される。また、噛合クラッチD1は、ハブスリーブ67が両ギヤ65,66と嵌合する際に回転を同期させるシンクロメッシュ機構(図示せず)を備えている。
アイドラギヤ64は、そのアイドラギヤ64よりも大径の入力ギヤ68と噛み合わされている。この入力ギヤ68は、無段変速機5のセカンダリプーリ53の回転軸心と共通の回転軸心上に配置されている出力軸8に対して相対回転不能に設けられている。出力軸8は、回転軸心まわりに回転可能に配置されており、入力ギヤ68及び出力ギヤ81が相対回転不能に設けられている。前進用クラッチC1及び噛合クラッチD1が共に係合され、かつ後述するベルト走行用クラッチC2が解放されることで、エンジン2のトルクが、入力軸11、前後進切換装置4及びギヤ機構6を経由して出力軸8に伝達される第1動力伝達経路が形成される。
−無段変速機−
無段変速機5は、入力軸11と出力軸8との間の動力伝達経路上に設けられている。無段変速機5は、入力側部材であるプライマリプーリ52と、出力側部材であるセカンダリプーリ53と、これら一対のプーリ52,53の間に巻き掛けられたベルト54とを備えており、一対のプーリ52,53とベルト54との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。
プライマリプーリ52は、変速機入力軸51に固定された固定シーブ52aと、可動シーブであるプライマリシーブ52bと、プライマリ側油圧アクチュエータ52cとを備えている。プライマリシーブ52bは、固定シーブ52aに対して軸まわりの相対回転が不能かつ軸方向の移動が可能に設けられている。プライマリ側油圧アクチュエータ52cは、上記一対のシーブ52a,52b間のV溝幅を変更するために、プライマリシーブ(可動シーブ)52bを移動させる推力を発生する。
セカンダリプーリ53は、固定シーブ53aと、可動シーブであるセカンダリシーブ53bと、セカンダリ側油圧アクチュエータ53cとを備えている。セカンダリシーブ53bは、固定シーブ53aに対して軸まわりの相対回転が不能かつ軸方向の移動が可能に設けられている。セカンダリ側油圧アクチュエータ53cは、上記一対のシーブ53a,53b間のV溝幅を変更するために、セカンダリシーブ(可動シーブ)53bを移動させる推力を発生する。
以上の構造の無段変速機5において、一対のプーリ52,53のV溝幅が変化してベルト54の掛かり径(有効径)が変更されることで、変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が連続的に変更可能となっている。
また、無段変速機5と出力軸8との間には、これらの間を選択的に断接するベルト走行用クラッチC2が設けられている。このベルト走行用クラッチC2は、湿式クラッチであって、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合要素である。このベルト走行用クラッチC2が係合され、かつ前進用クラッチC1が解放されることで、エンジン2のトルクが、変速機入力軸51及び無段変速機5を経由して出力軸8に伝達される第2動力伝達経路が形成される。
−出力ギヤ−
出力ギヤ81は、第2カウンタ軸91に固定されている大径ギヤ92と噛み合わされている。第2カウンタ軸91には、デファレンシャル装置9のデフリングギヤ93と噛み合う小径ギヤ94が設けられている。デファレンシャル装置9は、周知の差動機構によって構成されている。
そして、以上のように構成された動力伝達装置1において、前進用クラッチC1が係合されることで(ベルト走行用クラッチC2及び後進用ブレーキB1は解放)、前後進切換装置4を構成する遊星歯車装置41が一体回転する。これにより、小径ギヤ61が入力軸11(タービン軸31)と同じ回転速度で回転する。また、噛合クラッチD1が係合されることで、第1カウンタ軸62とアイドラギヤ64とが接続されて一体的に回転する。したがって、前進用クラッチC1及び噛合クラッチD1が係合されることで、第1動力伝達経路が成立し、エンジン2のトルクが、トルクコンバータ3、入力軸11(タービン軸31)、前後進切換装置4、ギヤ機構6、アイドラギヤ64及び入力ギヤ68を経由して出力軸8及び出力ギヤ81に伝達される。さらに、出力ギヤ81に伝達されたトルクは、大径ギヤ92、小径ギヤ94、及びデファレンシャル装置9を経由して左右の駆動輪7L,7Rに伝達される。
一方、ベルト走行用クラッチC2が係合されることで(前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1及び噛合クラッチD1は解放)、セカンダリプーリ53と出力軸8とが接続するので、セカンダリプーリ53と出力軸8及び出力ギヤ81とが一体回転する。したがって、ベルト走行用クラッチC2が接続されると、第2動力伝達経路が成立し、エンジン2のトルクが、トルクコンバータ3、入力軸11(タービン軸31)、無段変速機5の変速機入力軸51及び無段変速機5を経由して出力軸8及び出力ギヤ81に伝達される。さらに、出力ギヤ81に伝達されたトルクは、大径ギヤ92、小径ギヤ94及びデファレンシャル装置9を経由して左右の駆動輪7L,7Rに伝達される。
ここで、上記ギヤ走行は低車速領域において選択される。第1動力伝達経路によって動力伝達が行われている際のギヤ比(タービン軸31の回転速度Nt/出力軸8の回転速度Nout)は、無段変速機5の最大変速比γmaxよりも大きな値に設定されている。すなわち、この第1動力伝達経路でのギヤ比(1st)は、無段変速機5では成立しない値に設定されている。なお、無段変速機5では2nd以上のギヤ比が設定される。
−シフト操作装置−
本実施形態の動力伝達装置1にはシフト操作装置(図示せず)が設けられている。シフト操作装置にはシフトレバーが変位可能に設けられている。シフト操作装置には、駐車時に用いるパーキングレンジ(Pレンジ)、中立のニュートラルレンジ(Nレンジ)、前進走行用のドライブレンジ(Dレンジ)、後進走行用のリバースレンジ(Rレンジ)などが設定されており、ドライバが所望のレンジへシフトレバーを変位させることが可能となっている。これらPレンジ、Nレンジ、Dレンジ、Rレンジなどの各位置は、シフトポジションセンサ117によって検出される。シフトポジションセンサ117の出力信号はECU100に入力される。なお、Pレンジ及びNレンジであるときには、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放される。
−制御系−
図2は、動力伝達装置1及びエンジン2の制御系の構成を示すブロック図である。ECU100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを含んで構成されている。
ECU100は、エンジン2の出力制御、無段変速機5の変速比制御及びベルト挟圧力制御、動力伝達装置1の動力伝達経路を切り替える制御等を実行するようになっている。また、後述するように、ECU100は、エンジン始動時制御(エンジン始動時の油圧制御)も実行する。
ECU100には、エンジン回転速度センサ110により検出されたクランク軸21の回転角度(位置)Acr及びエンジン2の回転速度(エンジン回転速度)Neを表す信号、タービン回転速度センサ111により検出されたタービン軸31の回転速度(タービン回転速度)Ntを表す信号、入力軸回転速度センサ112により検出された無段変速機5の変速機入力軸51の回転速度である入力軸回転速度Ninを表す信号、出力軸回転速度センサ113により検出された車速Vに対応する出力軸8の回転速度である出力軸回転速度Noutを表す信号、スロットルセンサ114により検出された電子スロットル弁のスロットル開度θthを表す信号、アクセル開度センサ115により検出された運転者の加速要求量としてのアクセルペダルの操作量であるアクセル開度Accを表す信号、フットブレーキスイッチ116により検出された常用ブレーキであるフットブレーキが操作された状態を示すブレーキオンBonを表す信号、シフトポジションセンサ117により検出されたシフトレバーのシフトポジション(操作位置)Pshを表す信号、プラネタリ出力軸回転速度センサ118により検出されたプラネタリ出力軸45の回転速度Nc1(つまり、前進用クラッチC1の出力側の回転速度)を表す信号、油温センサ119により検出された油圧制御回路120内の作動油の油温などが、それぞれ供給される。また、ECU100は、例えば、出力軸回転速度Noutと入力軸回転速度Ninとに基づいて無段変速機5の変速比γ(=Nin/Nout)を逐次算出する。
また、ECU100からは、エンジン2の出力制御のためのエンジン出力制御指令信号Se、無段変速機5の油圧制御のための油圧制御指令信号Scvt、動力伝達装置1の動力伝達経路の切り替えに関連する前後進切換装置4(前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1)、ベルト走行用クラッチC2、噛合クラッチD1への油圧制御指令信号Sswt等が、それぞれ出力される。
具体的には、エンジン出力制御指令信号Seとして、エンジン2のスロットルバルブの開閉を制御するためのスロットル信号や、インジェクタから噴射される燃料の量を制御するための噴射信号や、点火プラグの点火時期を制御するための点火時期信号などが出力される。
また、油圧制御指令信号Scvtとして、プライマリ側油圧アクチュエータ52cに供給する油圧(プライマリシーブ52bの油圧)を調圧するSLPソレノイドバルブ(図示せず)を駆動するための指令信号(指示油圧の指令信号)、セカンダリ側油圧アクチュエータ53cに供給する油圧(セカンダリシーブ53bの油圧)を調圧するSLSソレノイドバルブ(図示せず)を駆動するための指令信号(指示油圧の指令信号)などが油圧制御回路120へ出力される。そのプライマリシーブ52bの指令信号に従ってSLPソレノイドバルブが作動し、セカンダリシーブ53bの指令信号に従ってSLSソレノイドバルブが作動する。
また、油圧制御指令信号Sswtとして、前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1、ベルト走行用クラッチC2、噛合クラッチD1及びシンクロ機構それぞれの油圧アクチュエータに供給される油圧を制御する各リニアソレノイドバルブを駆動するための指令信号(指示油圧の指令信号)などが油圧制御回路120へ出力される。
リニアソレノイドバルブとしては、前進用クラッチC1の係合、半係合、解放を切り替えるための油圧調整を行うSL1ソレノイドバルブ(図示せず)、及び、前記ベルト走行用クラッチC2の係合、半係合、解放を切り替えるための油圧調整を行うSL2ソレノイドバルブ(図示せず)が備えられている。
−エンジン始動時制御−
次に、ECU100が実行するエンジン始動時制御について説明する。
まず、上記した構造の動力伝達装置1にあっては、エンジン2の出力軸であるクランク軸21に連結される入力軸11(動力伝達装置1の入力軸)が無段変速機5のプライマリシーブ52bに直結されている。このため、エンジン始動時にプライマリシーブ52bが回転してしまう。
ここで、エンジン始動時に無段変速機5の変速比が最Low(γmax)まで戻っている場合は、プライマリシーブ52bのシーブ反力及びセカンダリシーブ53bのリターンスプリングによる反力によって必要なベルト推力を確保できるのでベルト滑りを抑制することができる。
これに対し、無段変速機5の変速比が最Lowまで戻っていない状態(ベルト54が最Low変速比に対応する位置まで戻っていないベルト戻り不良状態)でのエンジン始動の場合、プライマリシーブ52bには所定値の油圧が入力されているが、エンジン2から無段変速機5に入力される入力トルクがプライマリシーブ推力よりも大きくなってしまうため、ベルト滑りが発生する。こうした状態でプライマリシーブ52bの油圧を上昇させると、ベルト滑りが急激に止まるためショックが発生する。
このような点を解消するために、本実施形態では、エンジン始動時には、そのエンジン始動時制御開始から所定時間が経過するまでの間はプライマリシーブ52bの指示油圧をゼロとするエンジン始動時制御(エンジン始動時の油圧制御)を実行する。その具体的な制御の一例について図3のフローチャートを参照して説明する。図3に示す制御ルーチンはECU100において実行される。
図3の制御ルーチンが開始されると、ECU100はタイマにて計時(制御開始からの経過時間の計時)を開始し、ステップST101において下記の条件Ja1及び条件Ja2の全てが成立しているか否かを判定する。
条件Ja1:エンジン始動時
条件Ja2:PレンジorNレンジ
ステップST101の判定結果が否定判定(NO)である場合は処理を終了する。ステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、エンジン始動時であり、かつ現在のシフトポジション(シフトポジションセンサ117にて検出)がPレンジまたはNレンジである場合はステップST102に進む。
ステップST102では、無段変速機5のベルト54を最Low変速比に対応する位置に戻すためのプライマリシーブ52bの指示油圧(Priシーブ指示油圧)及びセカンダリシーブ53bの指示油圧(Secシーブ指示油圧)を設定する。
具体的には、Priシーブ指示油圧を最低圧(Priシーブ指示油圧=0MPa(ゼロ))に設定する。また、Secシーブ指示油圧については所定値(Priシーブ指示油圧がゼロに設定されている状態で、戻り不良状態のベルト54を最Low変速比に対応する位置に戻すのに必要な油圧)に設定する。なお、Secシーブ指示油圧の所定値は実験またはシミュレーションによって予め設定されている。また、そのSecシーブ指示油圧の所定値は油温センサ119にて検出される油温に応じて可変に設定される(油温が低いほどSecシーブ指示油圧は高く設定される)。
次に、ステップST103において、シフトポジションセンサ117の出力信号に基づいてガレージ操作有りか否かを判定する。ガレージ操作とは、シフトレバーの操作位置がPレンジまたはNレンジからDレンジまたはRレンジに変更される操作のことであり、このステップST103の判定結果が否定判定(NO)である場合(ガレージ操作がない場合)はステップST105に進む。ステップST103の判定結果が肯定判定(YES)である場合(ガレージ操作有りの場合)はステップST104に進む。
ステップST104ではガレージ油圧制御を待機状態とする。ガレージ油圧制御とは、PレンジまたはNレンジ状態のときに、前進クラッチC1または後進ブレーキB1を滑らかに係合させる油圧制御のことである。なお、このガレージ油圧制御の待機は本制御ルーチンが終了するまで継続され、本制御ルーチンが終了した後にガレージ油圧制御が実行される。
そして、ステップST105では、上記タイマによる計時値(制御開始からの経過時間)、及び、シフトポジションセンサ117にて検出される現在のシフトポジション等に基づいて、下記の条件Jb1及び条件Jb2の全てが成立しているか否かを判定する。
条件Jb1:制御開始から所定時間が経過
条件Jb2:下記の条件Jb2a及び条件Jb2bの何れかが成立
・Jb2a:PレンジandNレンジ以外
・Jb2b:エンジン始動時でない
上記条件Jb1において制御開始からの時間に対して設定される所定時間は、エンジン始動時にベルト(戻り不良状態のベルト)54が最Low変速比に対応する位置に戻るまでの時間(より具体的には、エンジン始動時にベルト滑り量(ベルト戻り不良量)が最大である場合において、上記ステップST102での油圧設定により、ベルト54が最Low変速比に対応する位置に戻るまでの時間)であって、実験またはシミュレーションによって予め設定されている。また、この所定時間は、油温センサ119にて検出される油温に応じて、その油温が低いほど長い値に設定される。
上記ステップST105の判定結果が否定判定(NO)である場合は、ステップST102に戻り、以後、ステップST102〜ステップST105の処理が順次繰り返して実行され、当該ステップST105の判定結果が肯定判定(YES)となった時点で本制御ルーチン(エンジン始動時制御ルーチン)を終了する。そして、ステップST105の判定結果が肯定判定(YES)となった後(エンジン始動時制御開始からベルト54が最Low変速比に対応する位置に戻るまでの時間が経過した後)に、プライマリシーブ52bの指示油圧を上昇させる。
なお、以上のステップST101〜ステップST105がECU100によって実行されることにより、本発明の「エンジン始動時制御」が実現される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、エンジン始動時には、そのエンジン始動時制御開始から無段変速機5のベルト54が最Low変速比に対応する位置に戻るまでの間は、プライマリシーブ52bの指示油圧をゼロに設定するので、エンジン始動時がベルト滑り状態(ベルト戻り不良状態)であったとしても、ベルト滑りが急激に止まることがなくなり、ショック発生を抑制することができる。
しかも、本実施形態では、エンジン始動時制御中にガレージ操作があった場合には、ガレージ油圧制御を、エンジン始動時制御が終了するまで待機させるので、ベルト滑りの増大を防止することができる。すなわち、本実施形態では、エンジン始動時制御中はプライマリシーブ52bの指示油圧をゼロ(0MPa)に設定しているため、ガレージ油圧制御により、前進クラッチC1または後進ブレーキB1が係合されて無段変速機5のプライマリシーブ52bに動力が伝達されてしまうと、ベルト滑りが余計に助長されてしまうが、エンジン始動時制御が終了するまでガレージ油圧制御を待機させることにより、そのような不具合(ベルト滑りの増大)を解消することができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の実施形態では、エンジンからの動力を伝達する動力伝達経路として、ギヤの噛み合いにより動力伝達を行う第1動力伝達経路と、ベルト式無段変速機により動力伝達を行う第2動力伝達経路とが並列に設けられた動力伝達装置の制御に本発明を適用しているが、本発明はこれに限られることなく、エンジンの出力軸に連結される入力軸がベルト式無段変速機のプライマリシーブに直結された構成のものであれば、他の動力伝達装置の制御にも適用可能である。
本発明は、エンジンの出力軸に連結される入力軸が無段変速機のプライマリシーブに直結された動力伝達装置の制御装置に有効に利用することができる。
1 動力伝達装置
11 入力軸
2 エンジン
21 クランク軸(エンジンの出力軸)
5 ベルト式無段変速機(無段変速機)
52 プライマリプーリ
52b プライマリシーブ
53 セカンダリプーリ
53b セカンダリシーブ
54 ベルト
100 ECU
117 シフトポジションセンサ
119 油温センサ
120 油圧制御回路

Claims (1)

  1. プライマリシーブ及びセカンダリシーブを有するベルト式無段変速機を備え、エンジンの出力軸に連結される入力軸が前記ベルト式無段変速機のプライマリシーブに直結された動力伝達装置に適用される制御装置であって、
    エンジン始動時に当該エンジン始動時の制御開始から所定時間が経過するまでは前記プライマリシーブの指示油圧をゼロとするエンジン始動時制御が実行可能であり、
    前記所定時間は、前記ベルト式無段変速機にベルト滑りが生じている場合においてベルトが最Low変速比に対応する位置に戻るまでの時間であることを特徴とする動力伝達装置の制御装置。
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