JP2017129154A - 圧力容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性能の低下を防止する。
【解決手段】合成樹脂製のライナー10は、胴部11と、胴部11の軸線方向端部から径方向内側へ張り出したドーム部12と、ドーム部12の内周縁部から軸線方向外方へ突出した筒部13と、ドーム部12の内周縁部を構成し、筒部13の軸線Aを含む断面の形状が曲線状をなし、筒部13の基端部に滑らかに連なる湾曲部18とを有する。圧力容器は、筒部13の外周に取り付けられた口金40と、口金40の内周面と筒部13の外周面との隙間をシールするシールリング47とを備える。筒部13のうちシールリング47が密着するシール部19から湾曲部18との境界近傍に至る領域は、ドーム部12のうち湾曲部18より外周側の肉厚部22に比べて肉厚の薄い肉薄部21となっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧力容器に関するものである。
特許文献1には、合成樹脂製のライナーと、口金と、金属製の筒状部材とを備えた圧力容器が開示されている。ライナーは、胴部と、胴部の端部に連なるドーム部と、ドーム部の頂部から突出した筒部とを有する。口金は、筒部の外周に同軸状に取り付けられ、口金の内周には、筒部の外周との隙間をシールするシールリングが取り付けられている。筒状部材は、シールリングと対応するように筒部に固着されている。筒状部材は、筒部のうちシールリングの接触領域が口金の内周から遠ざかるように変位することを防止するための補強手段として機能する。この筒状部材の補強により、シールリングによるシール性能の向上が図られている。
特開2013−137092号公報
筒状部材は筒部の突出端部内に埋設されているため、筒部のうち筒状部材が埋設されている突出端側領域の肉厚は、筒状部材のうち筒状部材が埋設されていない基端側領域の肉厚に比べると薄くなっている。筒状部材はシール性能向上のための補強手段であるから、筒状部材の埋設領域はシールリングの近傍のみである。そのため、筒部のうち肉厚の厚い基端側部分がシールリングの近傍に位置している。
ところで、圧力容器の内圧は筒部の内周面にも作用し、筒部は、内圧が高くなるほど、径方向の圧縮量が増大して肉薄となる。この圧縮量は、圧縮前の肉厚寸法にも比例する。そのため、シールリングの近傍に肉厚部分が存在しているものでは、肉厚部分の圧縮の影響が、シールリングと接触する肉薄部分にまで及ぶ虞がある。このようになると、筒部のうちシールリングと接触する肉薄領域の肉厚が不足し、シール性能が低下することが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シール性能の低下を防止することを目的とする。
本発明の圧力容器は、
合成樹脂製のライナーと、
前記ライナーを構成する胴部と、
前記ライナーを構成し、前記胴部の軸線方向端部から径方向内側へ張り出したドーム部と、
前記ライナーを構成し、前記ドーム部の内周縁部から軸線方向外方へ突出した筒部と、
前記ドーム部の内周縁部を構成し、前記筒部の軸線を含む断面の形状が曲線状をなし、前記筒部の基端部に滑らかに連なる湾曲部と、
前記筒部の外周に取り付けられた口金と、
前面口金の内周面と前記筒部の外周面との隙間をシールするシールリングとを備え、
前記筒部のうち前記シールリングが密着するシール部から前記湾曲部との境界近傍に至る領域は、前記ドーム部のうち前記湾曲部よりも外周側の肉厚部に比べて肉厚の薄い肉薄部となっているところに特徴を有する。
肉薄部の形成領域は、筒部のうちシールリングが密着するシール部から湾曲部との境界近傍に至る範囲を含んでおり、ドーム部の肉厚部はシールリングから遠い位置に存在している。したがって、肉厚部の圧縮の影響は、筒部のうちシールリングが密着するシール部にまで及ぶ虞がなく、これにより、シール性能の低下を防止できる。
実施例1の圧力容器の断面図 図1の部分拡大断面図 図2の部分拡大断面図 筒状部材の斜視図
本発明の圧力容器は、前記筒部の内周のうち少なくとも前記シール部に当接する筒状部材を備えていてもよい。この構成によれば、筒部が内周側へ変位することを確実に防止できるので、シール性能が向上する。
本発明の圧力容器は、前記肉薄部の形成領域が前記湾曲部の少なくとも一部を含んでおり、前記筒状部材には、前記湾曲部の内周面のうち前記肉薄部の形成領域に当接する張出部が形成されていてもよい。この構成によれば、筒状部材が筒部に対して軸方向突出端側に位置ずれしようとしても、張出部が、湾曲部のうち肉薄部の形成領域に当接しているので、筒状部材の位置ずれを防止できる。
本発明の圧力容器は、前記口金には、前記ドーム部の外周に当接するフランジ部が形成され、前記口金の内周には雌ネジ部が形成され、前記筒状部材の外周には、前記雌ネジ部にねじ込み可能な雄ネジ部が形成されていてもよい。この構成によれば、雌ネジ部を雄ネジ部にねじ込むことにより、口金のフランジ部をドーム部の外周面に密着させることができる。
本発明の圧力容器は、筒状部材には、前記ライナーに食い込むことにより前記ライナーと前記筒状部材との相対回転を規制する回り止め部が形成されていてもよい。この構成によれば、筒状部材に口金をねじ込む際に、筒部が、筒状部材に対して相対回転しながら口金と連れ回りするように変形する、という事態を回避できる。
本発明の圧力容器は、前記筒部の内周のうち前記シール部よりも突出端側には、前記肉薄部の内周面に対して相対的に突出して前記筒状部材を軸線方向に当接させる引掛け部が形成されていてもよい。この構成によれば、引掛け部を形成したことにより、筒状部材が筒部に対して突出端側へ相対変位することを防止できる。
本発明の圧力容器は、前記肉薄部が、前記肉厚部に対して内周面を凹ませた形態であってもよい。この構成によれば、肉薄部は、筒部の内周面を凹ませた形態であるから、肉薄部が筒部の外周面を凹ませた形態である場合に比べると、筒部の最大外径と最小内径との寸法差が小さい。これにより、筒部の最大外径を小さく抑えることが可能である。
本発明の圧力容器は、前記肉薄部は、その肉厚が前記シールリングから遠ざかるほど薄くなるように変化した形態であってもよい。この構成によれば、肉薄部に圧力容器の内圧が作用したときの応力集中を回避できる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図4を参照して説明する。実施例1の圧力容器は、合成樹脂製のライナー10と、筒状部材30と、口金40と、シールリング47と、繊維強化樹脂層50とを備えて構成されている。圧力容器Aは、燃料電池自動車や天然ガス自動車に搭載され、高圧の水素ガスや天然ガスの充填容器として用いられるものである。
<ライナー10>
ライナー10は、図1に示すように、径寸法が全長に亘ってほぼ一定の円筒状をなす胴部11と、胴部11の軸線方向における一方(図1における上側)の端部に連なるドーム部12と、ドーム部12の内周縁部に連なる筒部13と、胴部11の軸線方向における他方の端部に連なる閉塞端部14とを備えた単一部品である。ライナー10の内部は、流体(水素ガスや天然ガス等)を貯留するための貯留空間15となっている。ライナー10は、ブロー成形によって所定形状に成形されている。ライナー10の材料としては、高密度ポリエチレン(HDPE)とエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)の混合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂等が用いられている。
ドーム部12は、胴部11の図1における上側の端部から径方向内側へ、胴部11と同心状に張り出した形態である。ドーム部12は、胴部11の軸線A(図2を参照)と略直角をなす平板状の肩部16と、肩部16の外周縁と胴部11の端部とを繋ぐ球面状の繋ぎ部17と、ドーム部12の内周縁部を構成する湾曲部18とを有する。図2に示すように、胴部11の軸線Aを含む断面における湾曲部18の形状は、略四半円弧形(即ち、曲線状)をなしている。この断面形状において、湾曲部18の外周側端部は、肩部16の内周縁部に対し接線状に連なっている。湾曲部18は、内周側が次第に上方(圧力容器の外面側)を向くように湾曲している。
筒部13は、胴部11と同心の円筒形をなし、ライナー10の外面側へ突出した形態である。筒部13の軸線Aと胴部11の軸線Aは合致する。筒部13の基端部(図1〜3における下端部)は、湾曲部18の内周縁部に対して接線状に連なっている。筒部13のうち、軸線方向における略中央部分はシール部19として機能し、シール部19の外周面は、後述するシールリング47と接触するシール面となっている。筒部13の突出端部(図1〜3における上端部)の内周には、全周に亘って引掛け部20が形成されている。引掛け部20の厚さ寸法は、肩部16、繋ぎ部17及び胴部11とほぼ同じ寸法である。以下、この厚さをライナー10の「基準厚さ」という。ドーム部12のうち湾曲部18よりも外周側の領域(肩部16と繋ぎ部17)の肉厚部22も、基準厚さである。
筒部13のうち引掛け部20よりも基端側の領域と、湾曲部18のうち筒部13に連なる内周側の領域は、全周に亘って肉薄部21となっている。筒部13と湾曲部18との境界部分は、肉薄部21に含まれる。また、シールリング47が密着するシール部19も、肉薄部21の範囲内に含まれる。肉薄部21の厚さは、基準厚さよりも薄くなっている。肉薄部21は、湾曲部18の内周面と筒部13の内周面を、引掛け部20に対して相対的に凹ませた形態である。この肉薄部21の凹み形態により、引掛け部20は、肉薄部21の内周面に対し相対的に突出している。また、筒部13の外周面と湾曲部18の外周面は、接線状に滑らかに連続している。
肉薄部21の肉厚は、全領域に亘って均一ではない、具体的には、肉薄部21のうち筒部13を構成する領域(引掛け部20の下端から、湾曲部18との境界に至る領域)の厚さTaは、その全領域に亘ってほぼ一定寸法である。また、肉薄部21のうち湾曲部18を構成する領域に関しては、湾曲部18の内周端(筒部13との境界)の厚さTaが最も大きく、肉薄部21の外周端の厚さTbが最も小さい。つまり、肉薄部21のうち湾曲部18を構成する領域は、厚さが、シールリング47から遠ざかるほど薄くなっている。
<筒状部材30>
筒状部材30は、金属製であり、全体として円筒形をなす。筒状部材30は、筒部13及び湾曲部18の内周に対し接触した状態で取り付けられている。筒状部材30の上端部は、上面が筒部13の軸線Aと略直角をなす受け部31となっている。筒状部材30の上端部外周には、雄ネジ部32が形成されている。筒状部材30の外周のうち雄ネジ部32の下方(筒部13における基端側)に隣接する領域は、凹んだ形態となっている。この凹んだ部分の下端部は、段差状の係止部33となっている。
筒状部材30の下端部には、下方に向かって同心状に拡径した形態の張出部34が形成されている。張出部34は、湾曲部18のうち肉薄部21の形成領域の内面に当接している。張出部34には、その外周縁から径方向内方へ延びる複数の溝部35が、周方向に間隔を空けて形成されている。張出部34には、溝部35によって周方向に分割された複数の回り止め部36が形成されている。たま、筒状部材30の内周には、バルブ38(図1を参照)を固定するためのバルブ用第1ネジ部37が形成されている。
<ライナー10の成形工程>
筒状部材30は、ライナー10をブロー成形する過程で、ライナー10と一体化されている。ライナー10の成形工程では、ブロー成形機(図示省略)から略円筒形のパリソン(図示省略)が軸線を上下方向に向けて下向きに押し出され、押し出されたパリソン内に、筒状部材30を保持するロッド(図示省略)が収容される。そして、一対の金型(図示省略)が型締めされ、ロッドを通してパリソン内に加圧エアが供給される。すると、パリソンが金型のキャビティ内面に押し付けられて胴部11とドーム部12が成形される。
また、パリソンの一部が、金型によって筒状部材30の外周に押し付けられることにより、筒部13の全体と湾曲部18の一部が成形される。このとき、肉薄部21が、その全領域を筒状部材30の外周面に密着させた状態で肉薄に成形されるとともに、引掛け部20も成形される。成形された引掛け部20は、筒状部材30の係止部33に対し突出端側すら係止した形態で密着する。
また、パリソンの一部が金型によって筒状部材30の外周に押し付けられると、パリソンの一部が湾曲部18の内周面から突出して溝部35に入り込む。パリソンのうち溝部35に入り込んだ部分は、回り止め部36に対し周方向への相対変位を規制された状態となる。これにより、筒状部材30が、筒部13の内周面全領域と湾曲部18の内周面の一部とに密着した状態で、ライナー10と一体化される。
また、シール部19を含む肉薄部21は、金型と筒状部材30との間で径方向に挟み付けられるので、厚さ寸法の精度が高い。しかも、合成樹脂製のライナー10が成形後の冷却過程でヒケを生じる際の収縮量は、収縮前の厚さに比例することから、肉薄部21の冷却過程における収縮量が小さく抑えられる。このことも、シール部19の寸法精度が向上する要因となっている。上記の金型による成形後、パリソンが硬化すれば、ライナー10の成形工程が完了する。
<口金40>
口金40は、軸線方向に貫通した円筒状をなす本体部41と、本体部41の軸線方向両端部のうち基端部(図1〜3における下端部)から径方向外方へ張り出したフランジ部42とを備えた単一部品である。本体部41の内周の先端部には、バルブ38を取り付けるためのバルブ用第2ネジ部43が形成されている。口金40は、筒部13の外周面の全領域を殆ど隙間なく覆うとともに、ドーム部12のうち肩部16と湾曲部18の外周面を殆ど隙間なく覆うような形態でライナー10に取り付けられている。
口金40の本体部41の内周には、段差状をなし、下面が筒部13の軸線Aと略直角をなす当接部44が形成されている。本体部41の内周のうち当接部44の下方に隣接する領域には、雌ネジ部45が形成されている。また、本体部41の基端部には、その内周面を凹ませた形態のシール溝46が形成されている。シール溝46には、シールリング47が取り付けられている。
口金40は、その雌ネジ部45を筒状部材30の雄ネジ部32にねじ込むことにより、筒状部材30とライナー10に組み付けられている。雌ネジ部45を雄ネジ部32にねじ込むのに伴い、口金40は、筒状部材30に対し相対的に基端側へ軸線方向に変位する。このとき、筒部13には、口金40の内周面との間の摩擦により基端側への押圧力が作用するのであるが、筒部13の突出端部の引掛け部20が、筒状部材30の係止部33に対し突出端側から係止しているので、筒部13が基端側へ変位するような変形を生じる虞はない。
また、口金40を筒状部材30にねじ込む際には、筒状部材30は、ロッドに固定されることにより回転規制状態に保持される。一方、筒部13の外周には、シールリング47との間の摩擦により、口金40の回転力が作用する。そのため、筒部13が、筒状部材30に対し相対回転しながら口金40と連れ回りするように変形することが懸念される。しかし、筒部13と筒状部材30は、回り止め部36の係止作用により周方向への相対変位を規制されているので、筒部13が連れ回りする虞はない。
口金40が正規の組付け位置に到達すると、口金40の当接部44が筒状部材30の受け部31に対し軸線方向に当接する。この当接により、口金40のそれ以上のねじ込みが規制され、口金40が、軸線方向において筒状部材30とライナー10に対して位置決めされる。口金40が筒状部材30とライナー10に正しく組み付けられた状態では、シールリング47がシール部19の外周面に対し弾性接触する。このシールリング47により、筒部13の外周面と口金40の内周面との隙間が気密状にシールされる。また、フランジ部42の内面が肩部16と湾曲部18の外面に当接する。
<繊維強化樹脂層50>
繊維強化樹脂層50は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスッチック等からなる。繊維強化樹脂層50は、胴部11の外周の全領域、ドーム部12のうち口金40よりも外周側の繋ぎ部17、閉塞端部14外周面、口金40の外周面を覆うように形成されている。繊維強化樹脂層50は、フィラメントワインディング法、即ち、胴部11の軸線Aを中心として回転するライナー10及び口金40の外面に、繊維束(図示省略)に液状の熱硬化性樹脂を含浸させたもの、又は繊維束に含浸した熱硬化性樹脂を半硬化状態にしたもの(プリプレグ繊維)を巻き付けることによって形成されている。繊維束は、炭素繊維、ガラス繊維、ケプラ繊維等からなる糸状の繊維を束ねたものである。
<実施例の作用及び効果>
本実施例の圧力容器は、合成樹脂製のライナー10を備えている。ライナー10は、胴部11と、胴部11の軸線方向端部から径方向内側へ張り出したドーム部12と、ドーム部12の内周縁部から軸線方向外方へ突出した筒部13とを備えて構成されている。ドーム部12は、その内周縁部を構成する湾曲部18を備えている。湾曲部18は、筒部13の軸線Aを含む断面の形状が曲線状をなし、筒部13の基端部に滑らかに連なっている。また、圧力容器は、筒部13の外周に取り付けられた口金40と、口金40の内周面と筒部13の外周面との隙間をシールするシールリング47とを備えている。そして、筒部13のうちシールリング47が密着するシール部19から湾曲部18との境界近傍に至る領域は、ドーム部12のうち湾曲部18よりも外周側の肉厚部22に比べて肉厚の薄い肉薄部21となっている。
圧力容器の貯留空間15に貯留されている流体の圧力(内圧)は、筒状部材30の外周面とライナー10の内周面との界面にも作用する。そのため、筒部13と湾曲部18の内周面には径方向外向きの押圧力が作用し、この押圧力によって、筒部13と湾曲部18が径方向に圧縮される。内圧が高くなるほど、筒部13と湾曲部18は、圧縮量が増大して、より肉薄となる。この圧縮量は、圧縮前の肉厚寸法に比例する。そのため、シールリング47の近傍に肉厚の領域が存在していると、肉厚領域の圧縮の影響が、シールリング47と接触するシール部19にまで及ぶ虞がある。このようになると、シール部19の肉厚が不足して、シール性能の低下を来すことが懸念される。
しかし、本実施例の圧力容器では、圧縮量の比較的小さい肉薄部21にシール部19が含まれるようにし、さらに肉薄部21の形成領域を、筒部13のうちシールリング47が密着するシール部19から、湾曲部18との境界近傍に至る範囲を含むように設定した。これにより、ドーム部12の肉厚部22が、シールリング47から遠い位置に存在するようになったので、肉厚部22の圧縮の影響がシール部19にまで及ぶ虞はない。しかも、シール部19を含む肉薄部21は、内圧の上昇に起因する圧縮量が小さくことから、内圧が高くなってもシール部19の外周面と内周面の形状が安定している。したがって、本実施例の圧力容器は、シール性能が高い。
また、本実施例の圧力容器は、ライナー10の他に、筒部13の内周面のうち少なくともシール部19に当接する金属製の筒状部材30を備えている。そして、筒部13の内周には、筒状部材30を軸線方向に当接させる突起状の引掛け部20が形成されている。引掛け部20は、筒部13の内周のうちシール部19よりも突出端側に形成されており、肉薄部21の内周面に対して相対的に突出した形態である。換言すると、筒部13のうち引掛け部20よりも基端側の領域は、引掛け部20に対して内周面を相対的に凹ませた形態の肉薄部21となっている。肉薄部21の厚さは、筒部13のうち引掛け部20の形成されている突出端部よりも薄い。
この構成の技術的意義は、次の通りである。筒部13の内周のうち少なくともシール部19に当接する金属製の筒状部材30を設け、この筒状部材30により、筒部13が内周側へ変位することを確実に防止したので、シール性能が向上する。また、引掛け部20を形成したことにより、筒状部材30が筒状部材30に対して突出端側へ相対変位することを防止した。これにより、筒状部材30とシールリング47との軸線方向の位置関係が適正となるので、シール性能に優れている。
また、上述のように肉薄部21では、内圧の上昇に起因する肉厚の変化が比較的小さく抑えられているので、筒部13の内周面の形状が安定する。これにより、筒部13の内周面が筒状部材30の外周面に確実に当接するので、シール部19の外周形状と外径寸法も安定し、シールリング47によるシール性能が向上する。さらに、肉薄部21は筒部13の内周面を凹ませた形態であるから、肉薄部21が筒部13の外周面を凹ませた形態である場合に比べると、筒部13の最大外径と最小内径との寸法差が小さい。したがって、筒部13の最大外径を小さく抑えることができる。また、肉薄部21は、その肉厚がシールリング47から遠ざかるほど薄くなるように変化した形態であるから、肉薄部21に、圧力容器の内圧が作用したときの応力集中を回避できる。
また、ドーム部12は、その内周縁部を構成する湾曲部18を有する。湾曲部18は、筒部13の軸線Aを含む断面の形状が曲線状をなしており、筒部13の基端部に滑らかに連なっている。湾曲部18の少なくとも一部は、肉薄部21の形成範囲に含まれている。また、筒状部材30には、湾曲部18の内周面のうち肉薄部21の形成領域に当接する張出部34が形成されている。この構成によれば、口金40を筒状部材30にねじ込む際に、筒状部材30が筒部13に対して軸方向突出端側に位置ずれしようとしても、張出部34が、湾曲部18に当接しているので、筒状部材30の位置ずれを防止できる。
また、本実施例の圧力容器は、ライナー10の他に、筒部13の外周に同軸状に組み付けられた口金40と、口金40の内周に取り付けられて口金40の内周面と筒部13の外周面との隙間をシールするシールリング47とを備えている。口金40の内周には、雌ネジ部45と当接部44とが形成されている。圧力容器は、更に、筒部13の内周面に固着された金属製の筒状部材30を備えている。筒状部材30には、雌ネジ部45にねじ込み可能な雄ネジ部32が形成されている。同じく筒状部材30には、当接部44を当接させることで口金40が筒状部材30に対して軸線方向へ相対変位することを規制する受け部31が形成されている。
この構成によれば、口金40は、雌ネジ部45を雄ネジ部32にねじ込むことによって筒部13の外周に組み付けられる。また、口金40が正規の組付位置に到達すると、当接部44が受け部31に当接し、口金40が筒状部材30に対して軸線方向に位置決めされ、筒状部材30とシールリング47が径方向に対応する適正な位置関係となる。したがって、シールリング47が筒状部材30に対して位置ずれすることに起因するシール性能の低下を防止できる。
また、筒状部材30には、ライナー10に食い込むことによりライナー10と筒状部材30との相対回転を規制する回り止め部36が形成されている。この構成によれば、筒状部材30に口金40をねじ込む際に、筒部13が、筒状部材30に対して相対回転しながら口金40と連れ回りするように変形する、という事態を回避できる。また、口金40には、ドーム部12の外周に当接するフランジ部42が形成されているのであるが、雌ネジ部45を雄ネジ部32にねじ込むことにより、口金40のフランジ部42をドーム部12の外周面に密着させることができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、筒状部材に、湾曲部のうち肉薄部の形成領域に当接する張出部を形成したが、筒状部材は張出部を有しない形態でもよい。
(2)上記実施例では、肉薄部の形成領域が湾曲部の一部を含んでいるが、肉薄部の形成領域は、湾曲部を全く含まなくてもよく、湾曲部の全体を含んでいてもよい。
(3)上記実施例では、筒部の内周面のうち少なくともシール部に当接する筒状部材を設けたが、筒状部材を設けない形態としてもよい。
(4)上記実施例では、口金に、ドーム部の外周面に密着するフランジ部を形成したが、口金はフランジ部を形成しない形態であってもよい。
(5)上記実施例では、口金と筒状部材をねじ込みによって固着したが、口金と筒状部材は、互いに非接触であってもよい。
(6)上記実施例では、肉薄部が筒部の内周面を凹ませた形態であるが、肉薄部は、筒部の外周面を凹ませた形態であってもよい。
(7)上記実施例では、筒部に引掛け部を形成したが、筒部は、引掛け部を形成しない形態であってもよい。
(8)上記実施例では、回り止め部を張出部に形成したが、回り止め部は、筒状部材のうち張出部以外の部分に形成してもよい。
(9)上記実施例では、筒状部材に回り止め部を形成したが、筒状部材は、回り止め部を有しない形態であってもよい。
(10)上記実施例では、肉薄部は、その肉厚がシールリングから遠ざかるほどが薄くなるように変化した形態であるが、肉薄部の肉厚は、シールリングから遠ざかるほど厚くなるように変化した形態でもよく、シールリングからの距離に拘わらず一定であってもよい。
A…筒部の軸線
10…ライナー
11…胴部
12…ドーム部
13…筒部
18…湾曲部
19…シール部
20…引掛け部
21…肉薄部
22…肉厚部
30…筒状部材
32…雄ネジ部
34…張出部
36…回り止め部
40…口金
42…フランジ部
45…雌ネジ部
47…シールリング

Claims (8)

  1. 合成樹脂製のライナーと、
    前記ライナーを構成する胴部と、
    前記ライナーを構成し、前記胴部の軸線方向端部から径方向内側へ張り出したドーム部と、
    前記ライナーを構成し、前記ドーム部の内周縁部から軸線方向外方へ突出した筒部と、
    前記ドーム部の内周縁部を構成し、前記筒部の軸線を含む断面の形状が曲線状をなし、前記筒部の基端部に滑らかに連なる湾曲部と、
    前記筒部の外周に取り付けられた口金と、
    前面口金の内周面と前記筒部の外周面との隙間をシールするシールリングとを備え、
    前記筒部のうち前記シールリングが密着するシール部から前記湾曲部との境界近傍に至る領域は、前記ドーム部のうち前記湾曲部よりも外周側の肉厚部に比べて肉厚の薄い肉薄部となっていることを特徴とする圧力容器。
  2. 前記筒部の内周のうち少なくとも前記シール部に当接する筒状部材を備えていることを特徴とする請求項1記載の圧力容器。
  3. 前記肉薄部の形成領域が前記湾曲部の少なくとも一部を含んでおり、
    前記筒状部材には、前記湾曲部の内周面のうち前記肉薄部の形成領域に当接する張出部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の圧力容器。
  4. 前記口金には、前記ドーム部の外周に当接するフランジ部が形成され、
    前記口金の内周には雌ネジ部が形成され、
    前記筒状部材の外周には、前記雌ネジ部にねじ込み可能な雄ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の圧力容器。
  5. 筒状部材には、前記ライナーに食い込むことにより前記ライナーと前記筒状部材との相対回転を規制する回り止め部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の圧力容器。
  6. 前記筒部の内周のうち前記シール部よりも突出端側には、前記肉薄部の内周面に対して相対的に突出して前記筒状部材を軸線方向に当接させる引掛け部が形成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の圧力容器。
  7. 前記肉薄部が、前記肉厚部に対して内周面を凹ませた形態であることを特徴とする請求項6記載の圧力容器。
  8. 前記肉薄部は、その肉厚が前記シールリングから遠ざかるほど薄くなるように変化した形態であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の圧力容器。
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