JP2017128458A - 酸窒化物微粒子、水分解用光触媒、水素・酸素生成用光触媒電極、水素・酸素生成用光触媒モジュールおよび酸窒化物微粒子の製造方法 - Google Patents

酸窒化物微粒子、水分解用光触媒、水素・酸素生成用光触媒電極、水素・酸素生成用光触媒モジュールおよび酸窒化物微粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、優れた光触媒性能を示す酸窒化物微粒子およびその製造方法、ならびに、酸窒化物微粒子を用いた水分解用光触媒、水素・酸素生成用光触媒電極および水素・酸素生成用光触媒モジュールを提供すること課題とする。【解決手段】複数の金属元素を有する酸窒化物微粒子であって、La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aと、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bとを有し、X線光電子分光法により金属元素Aおよび金属元素Bの原子数比(A/B)を測定し、下記式(1)から算出されるxと、エネルギー分散型蛍光X線分析法により金属元素Aと金属元素Bとの原子数比(A/B)を測定し、下記式(2)から算出されるyとが、下記式(3)を満たす、酸窒化物微粒子。式(1):A/B=x/(1−x)式(2):A/B=y/(1−y)式(3):0≦y−x≦0.05【選択図】なし

Description

本発明は、酸窒化物微粒子およびその製造方法、ならびに、酸窒化物微粒子を用いた水分解用光触媒、水素・酸素生成用光触媒電極および水素・酸素生成用光触媒モジュールに関する。
炭酸ガス排出削減、エネルギーのクリーン化の観点から、太陽エネルギーを利用して、光触媒により水を分解して、水素や酸素を製造する技術に注目が集まっている。
例えば、特許文献1には、「(ZnO)(GaN)1−X、ここでXは0.03≦X≦0.3の範囲であるZnOとGaNとの固溶体からなる光水分解触媒。」が記載されている([請求項1])。
また、特許文献2には、「光半導体、酸化反応助触媒および還元反応助触媒を備え、光半導体に酸化反応助触媒および還元反応助触媒が担持されてなる光水分解反応用光触媒であって、光半導体が、可視光領域の光を利用するものである光水分解反応用光触媒。」が記載されており([請求項1])、光半導体として、GaN:ZnO、CaNbONなどが記載されている([請求項5])。
また、このような光触媒に関して、非特許文献1には、GaNとZnOとの固溶体である光触媒(Ga1−xZn)(N1−x)の表面組成について記載されており、また、非特許文献2には、光触媒作用を高める観点から表面変質層を除去した光触媒(LaTiO2N)が記載されている。
特開2005−144210号公報 特開2011−173102号公報
Kazuhiko Maeda et al, J. Phys. Chem. B 2005, 109, 20504-2510 MichinoriMatsukawa et al, Nano Lett. 2014, 14, 1038-1041
本発明者らは、特許文献1および2ならびに非特許文献1および2に記載された光触媒について検討したところ、これらの文献に開示された方法で調製した光触媒粒子について、表面組成と内部組成との差が比較的大きい場合には、光触媒の水素を発生する光触媒性能が劣ることを明らかした。
そこで、本発明は、優れた光触媒性能を示す酸窒化物微粒子およびその製造方法、ならびに、酸窒化物微粒子を用いた水分解用光触媒、水素・酸素生成用光触媒電極および水素・酸素生成用光触媒モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、光触媒粒子に種々の表面改質を施すことで、所定の2種の金属元素を含み、X線光電子分光法により測定される各金属元素の原子数比(すなわち粒子表面付近の原子数比)と、エネルギー分散型蛍光X線分析法により測定される各金属元素の原子数比(すなわち粒子内部と表面付近の原子数比の平均値)とが所定の関係を満たす酸窒化物微粒子が優れた光触媒性能を示すことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 複数の金属元素を有する酸窒化物微粒子であって、
La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aと、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bとを有し、
X線光電子分光法により金属元素Aおよび金属元素Bの原子数比(A/B)を測定し、下記式(1)から算出されるxと、エネルギー分散型蛍光X線分析法により金属元素Aと金属元素Bとの原子数比(A/B)を測定し、下記式(2)から算出されるyとが、下記式(3)を満たす、酸窒化物微粒子。
式(1): A/B=x/(1−x)
式(2): A/B=y/(1−y)
式(3): 0≦y−x≦0.05
[2] 金属元素AがZnであり、金属元素BがGaである、[1]または[2]に記載の酸窒化物微粒子。
[3] 式(1)から算出されるxと、式(2)から算出されるyとが、下記式(4)を満たす、[1]または[2]に記載の酸窒化物微粒子。
式(4): 0≦y−x≦0.03
[4] 式(1)から算出されるxと、式(2)から算出されるyとが、下記式(5)を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の酸窒化物微粒子。
式(5): 0≦y−x≦0.015
[5] 酸化コバルト、酸化イリジウムおよび酸化マンガンからなる群から選択される少なくとも1種の助触媒と、白金、金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、クロム、酸化ニッケル、酸化ロジウム、酸化ルテニウムおよび酸化クロムからなる群から選択される少なくとも1種の助触媒とを担持させてなる、[1]〜[4]のいずれかに記載の酸窒化物微粒子。
[6] [5]に記載の酸窒化物微粒子からなる水分解用光触媒。
[7] [1]〜[5]のいずれかに記載の酸窒化物微粒子または[6]に記載の水分解用光触媒を用いた、水素・酸素生成用光触媒電極。
[8] [1]〜[5]のいずれかに記載の酸窒化物微粒子または[6]に記載の水分解用光触媒を用いた、水素・酸素生成用光触媒モジュール。
[9] [1]に記載の酸窒化物微粒子を調製する酸窒化物微粒子の製造方法であって、
La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aを含む金属酸化物または金属炭酸塩と、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bを含む金属酸化物とを混合し、混合物を調製する混合工程と、
混合物をアンモニア雰囲気中で850℃以上1000℃以下の温度で焼成することにより、酸窒化物前駆体を調製する窒化焼成工程と、
酸窒化物前駆体に熱処理および/または化学処理を施すことにより、X線光電子分光法により金属元素Aおよび金属元素Bの原子数比(A/B)を測定して下記式(1)から算出されるxと、エネルギー分散型蛍光X線分析法により金属元素Aと金属元素Bとの原子数比(A/B)を測定して下記式(2)から算出されるyとが下記式(3)を満たす酸窒化物微粒子に改質する改質工程とを有する、酸窒化物微粒子の製造方法。
式(1): A/B=x/(1−x)
式(2): A/B=y/(1−y)
式(3): 0≦y−x≦0.05
[10] 熱処理が、アンモニア雰囲気中、大気圧下において500℃以上750℃以下の温度で加熱する処理である、[9]に記載の酸窒化物微粒子の製造方法。
[11] 化学処理が、無機酸の水溶液中に浸漬させる処理である、[9]または[10]に記載の酸窒化物微粒子の製造方法。
[12] 熱処理および化学処理をいずれも施す、[9]〜[11]のいずれかに記載の酸窒化物微粒子の製造方法。
本発明によれば、優れた光触媒性能を示す酸窒化物微粒子およびその製造方法、ならびに、酸窒化物微粒子を用いた水分解用光触媒、水素・酸素生成用光触媒電極および水素・酸素生成用光触媒モジュールを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[酸窒化物微粒子]
本発明の酸窒化物微粒子は、複数の金属元素を有する酸窒化物微粒子であって、La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aと、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bとを有する。
また、本発明の酸窒化物微粒子は、X線光電子分光法〔X-ray Photoelectron Spectroscopy(以下、「XPS」ともいう。)〕により金属元素Aおよび金属元素Bの原子数比(A/B)を測定し、下記式(1)から算出されるxと、エネルギー分散型蛍光X線分析法〔Energy Dispersive X-ray Spectroscopy(以下、「EDX」ともいう。)〕により金属元素Aと金属元素Bとの原子数比(A/B)を測定し、下記式(2)から算出されるyとが、下記式(3)を満たす、酸窒化物微粒子である。
式(1): A/B=x/(1−x)
式(2): A/B=y/(1−y)
式(3): 0≦y−x≦0.05
ここで、XPSによる測定は、以下の手順により行う。
まず、以下の測定条件により観測された金属元素Aおよび金属元素Bの各ピークについて、ピーク面積を測定する。
次いで、測定した各ピークのピーク面積を相対感度係数で補正し、補正後の各ピーク面積の比率(金属元素Aのピーク面積/金属元素Bのピーク面積)から金属元素Aおよび金属元素Bの原子数比(A/B)を算出する。相対感度係数は組成既知の標準サンプルについて後述する測定元素(測定軌道)を測定することで求められる(Journal of Surface Analysis Vol.12 No.3 頁357(2005年))。
また、XPS測定は、酸窒化物微粒子の粉末をペレット状に固め、試料ホルダーに載せた状態で行う。
<測定条件>
・測定装置:Ulvac−PHI社製Quantera SXM型XPS
・X線源:Al−Kα線(分析径100μm、25W、15kV)
・光電子取出角度:45°
・測定範囲:300μm×300μm
・補正:電子銃・低速イオン銃併用による帯電補正
・測定元素(測定軌道):La(3d)、Sr(3d)、Ca(3d)、Ba(3d5/2)、Ti(2p)、Ta(4f)、Nb(3d)、Ga(2p3/2)、Zn(2p3/2)
また、EDXによる測定は、以下の手順により行う。
まず、以下の測定条件により観測された金属元素Aおよび金属元素Bの各ピークについて、ピーク面積を測定する。
次いで、測定した各ピークのピーク面積を相対感度係数で補正し、補正後の各ピーク面積の比率(金属元素Aのピーク面積/金属元素Bのピーク面積)から金属元素Aおよび金属元素Bの原子数比(A/B)を算出する。
また、EDX測定は、試料台に貼り付けた導電性テープ上に酸窒化物微粒子の粉末を固定させて行う。
<測定条件>
・測定装置:卓上顕微鏡〔Miniscope(登録商標) TM3030Plus〕
・測定倍率:2000倍
本発明においては、XPS測定の原子数比(A/B)から上記式(1)で算出されるxと、EDX測定の原子数比(A/B)から上記式(2)で算出されるyとが上記式(3)を満たす酸窒化物微粒子が、優れた光触媒性能を示す。
このように光触媒性能が良好となる理由は、詳細には明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
すなわち、上記式(3)を満たすことは、XPS測定の原子数比(A/B)とEDX測定の原子数比(A/B)とが近い値であることを示しており、また、XPSおよびEDXの測定領域を考慮すると、粒子の表面付近(深さ数nmの領域)の組成と、粒子の表面および内部(深さ数μmの領域)を含んだ平均の組成とが近いことを示していると考えられる。
ここで、La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aと、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bとを有する酸窒化物微粒子は、概して、金属元素Aは金属元素Bに比べて蒸気圧が高い(すなわち揮発しやすい)性質をもっている。したがって、酸窒化物微粒子の製造工程(例えば、窒化焼成工程など)において、金属元素Aが粒子表面から揮発し、結果として、表面における金属元素の比率(A/B)が、粒子内部における金属元素の比率(A/B)に比べて小さくなること、すなわち、表面変質層が生じることが推定され、実際に、発明者らの検証により確認されている。また、この傾向は、結晶系(例えば、六方晶、ペロブスカイト型構造など)によらないことも確認されている。
そして、上述した表面変質層が存在することで、電子および正孔の粒子表面への移動が妨げられることにより、光触媒特性が抑制されていると考えられる。
また、上述した表面変質層が存在すれば、後述する実施例に示すZnおよびGaの組み合わせ以外の組合せにおいても、後述する改質工程を施し、上記式(3)を満たすことにより、光触媒特性を向上させることが可能である。
以上のことから、上述した金属元素AおよびBの各組み合わせにおいて、上記式(3)を満たすことにより、水分解反応において、電子および正孔の酸窒化物微粒子内部から表面への移動が容易となり、助触媒に辿り着きやすくなることで、酸化還元反応が進行し易くなると考えられる。
本発明においては、光触媒性能がより良好となる理由から、上記式(1)から算出されるxと、上記式(2)から算出されるyとが、下記式(4)を満たすことが好ましく、下記式(5)を満たすことがより好ましい。
式(4): 0≦y−x≦0.03
式(5): 0≦y−x≦0.015
<金属元素>
本発明の酸窒化物微粒子は、La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aと、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bとを有する。
これらの金属元素うち、溶解性の観点から、金属元素Aの中でも無機酸等の水溶液に対して溶解性の低いZnが好ましく、原子半径等の観点から、金属元素Bの中でもZnと容易に酸窒化物を形成するGaが好ましい。
<平均粒子径>
本発明の酸窒化物微粒子の平均粒子径は特に限定されないが、10nm以上5μm以下であることが好ましく、100nm〜2μmであることがより好ましい。
ここで、平均粒子径の測定は、本発明の技術分野で知られた方法により行うことができ、例えば、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)などにより測定できる。なお、粒子径分布が広い場合には、視野内に入った粒子が全粒子を代表しているか否かに注意を払う必要がある。
本発明においては、平均粒子径とは、倍率10万倍のTEM画像から、任意の50個の微粒子を選択し、各微粒子の粒子径(直径)を測定し、それらを算術平均した値をいう。
<助触媒>
本発明の酸窒化物微粒子は、水分解用光触媒として有用に利用できる理由から、助触媒を担持しているのが好ましい。
ここで、助触媒を担持した酸窒化物微粒子は、光照射によって酸窒化物内で励起された電子と正孔が、助触媒の存在により表面に速やかに移動するため、再結合の抑制と高効率な酸化・還元反応を可能にするため、より効率良く水素および酸素を生成することができる。
上記助触媒としては、酸素生成用の助触媒および水素生成用の助触媒を併用するのが好ましい。
酸素生成用の助触媒としては、例えば、酸化コバルト、酸化イリジウムおよび酸化マンガンからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
また、水素生成用の助触媒としては、例えば、白金、金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、クロム、酸化ニッケル、酸化ロジウム、酸化ルテニウムおよび酸化クロムからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
上記助触媒を担持する場合、その担持方法は特に限定されないが、例えば、含浸法、光電着法、無電解メッキ等を用いる手法が挙げられる。
これらのうち、任意の助触媒を比較的容易に担持することができる含浸法が好ましい。
含浸法においては、助触媒の原料として水溶性の原料を用いることが好ましく、その具体例としては、硝酸コバルト、硝酸マンガン、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム、ヘキサクロロ白金(IV)酸ナトリウム、テトラクロロ金(III)酸ナトリウム、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウム、硝酸クロム、クロム酸カリウム、硝酸ニッケル、塩化ルテニウム等が好適に挙げられる。
また、酸素生成用助触媒の最適な担持条件と、水素生成用助触媒の最適な担持条件とが異なるため、それぞれの助触媒担持工程を別々に行なうことが好ましい。
酸素生成用助触媒担持においては、助触媒を酸化状態にすることが好ましく、水溶液に浸漬させ溶媒を蒸発乾固させた後、大気中300℃〜500℃で1時間以上加熱することが好ましい。
水素生成用の助触媒は、加熱すると特性が下がってしまう観点から、酸素生成用助触媒担持の後に施すことが好ましい。水素生成用助触媒担持においては、助触媒が還元状態であることが好ましく、水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させるだけで充分であり、特に加熱処理を施さないことが好ましい。
[水分解用光触媒]
本発明の水分解用光触媒は、上述した酸素生成用の助触媒および水素生成用の助触媒を担持した本発明の酸窒化物微粒子からなる光触媒である。
本発明の水分解用光触媒は、上述した通り、上記式(3)を満たす酸窒化物微粒子であり、また、所定の助触媒を有しているため、光触媒性能が良好となる。
[水素・酸素生成用光触媒電極]
本発明の水素・酸素生成用光触媒電極は、上述した本発明の酸窒化物微粒子または水分解用光触媒を用いた水素・酸素生成用光触媒電極である。
このような電極としては、例えば、本発明の酸窒化物微粒子または水分解用光触媒を透明導電性基板上に塗布あるいは接着してなる光触媒電極等が挙げられる。
[水素・酸素生成光触媒モジュール]
本発明の水素・酸素生成光触媒モジュールは、上述した本発明の酸窒化物微粒子または水分解用光触媒を用いた水素・酸素生成光触媒モジュールである。
このようなモジュールとしては、例えば、本発明の水分解用光触媒を基板に塗布してなる水素・酸素製造用薄膜(具体的には、人工光合成フィルムなど);本発明の水分解用光触媒を酸素生成光触媒として用い、これと水素生成電極(例えば、白金、金、チタン酸ストロンチウムなど)と組み合わせた光触媒装置;等が挙げられる。
[酸窒化物微粒子の製造方法]
本発明の酸窒化物微粒子の製造方法は、La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aを含む金属酸化物または金属炭酸塩と、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bを含む金属酸化物とを混合し、混合物を調製する混合工程を有する。
また、本発明の酸窒化物微粒子の製造方法は、上記混合工程で調製した混合物をアンモニア雰囲気中で850℃以上1000℃以下の温度で焼成することにより、酸窒化物前駆体を調製する窒化焼成工程を有する。
また、本発明の酸窒化物微粒子の製造方法は、上記酸窒化物前駆体に熱処理および/または化学処理を施すことにより、X線光電子分光法により金属元素Aおよび金属元素Bの原子数比(A/B)を測定して下記式(1)から算出されるxと、エネルギー分散型蛍光X線分析法により金属元素Aと金属元素Bとの原子数比(A/B)を測定して下記式(2)から算出されるyとが下記式(3)を満たす酸窒化物微粒子に改質する改質工程を有する。
式(1): A/B=x/(1−x)
式(2): A/B=y/(1−y)
式(3): 0≦y−x≦0.05
ここで、X線光電子分光法およびエネルギー分散型蛍光X線分析法による金属元素Aおよび金属元素Bの原子数比(A/B)の測定方法は、いずれも、上述した本発明の酸窒化物微粒子において説明したものと同様である。
以下に、本発明の酸窒化物微粒子の製造方法が有する混合工程、窒化焼成工程および改質工程について説明する。
<混合工程>
上記混合工程は、La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aを含む金属酸化物と、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素であって金属元素Aと異なる金属元素Bを含む金属酸化物とを混合する工程である。
(金属酸化物等)
金属元素Aを含む金属酸化物としては、具体的には、例えば、La、SrO、CaO、BaO、ZnO等が挙げられる。また、金属元素Aを含む金属炭酸塩としては、具体的には、例えば、SrCO、CaCO、BaCO等が挙げられる。
金属元素Bを含む金属酸化物としては、具体的には、例えば、TiO、Ta、Nb、Ga等が挙げられる。
(混合方法)
上述した金属元素Aを含む金属酸化物および金属元素Bを含む金属酸化物を混合する方法は特に限定されず、例えば、これらの金属酸化物を粉末状態で混合する方法、これらの金属酸化物を含む溶液を混合する方法、所定の溶媒にこれらの金属酸化物を添加して撹拌する方法などが挙げられる。
また、これらの金属酸化物を混合する際の各金属元素に由来するモル量の比率は特に限定されないが、例えば、ZnOとGaとを混合させる場合、ZnOに由来するZr元素のモル量(Zrモル量)とGaに由来するGa元素のモル量(Gaモル量)との比率(Zrモル量/Gaモル量)は、4/1〜1/4となる範囲に調整されることが好ましく、3/1〜1/3となる範囲に調整されることがより好ましい。
<窒化焼成工程>
上記窒化焼成工程は、上記混合工程で調製した混合物をアンモニア雰囲気中で850℃以上1000℃以下の温度で焼成することにより、酸窒化物前駆体を調製する工程である。
焼成温度は、固相反応を促し、また、調製される酸窒化物前駆体から窒素が抜けるのを抑制する観点から、850℃以上950℃以下であることが好ましい。
また、焼成時間は、5〜80時間が好ましく、10〜70時間がより好ましく、20〜60時間がさらに好ましい。
また、上記窒化焼成工程は、反応を十分に進行させ単相の固溶体を得る観点から、必要に応じて複数回行っていてもよい。
<改質工程>
上記改質工程は、上記窒化焼成工程で調製した酸窒化物前駆体に熱処理および/または化学処理を施すことにより、上記式(3)を満たす酸窒化物微粒子に改質する工程である。
本発明においては、熱処理および/または化学処理を施すことにより、酸窒化物前駆体の表面付近に存在していると考えられる表面変質層(例えば、金属元素Aが揮発した部分など)が改質または除去されるため、上記式(3)を満たす酸窒化物微粒子とすることができる。具体的には、熱処理を施すことにより、酸窒化物前駆体の内部の原子拡散が促され、酸窒化物前駆体の表面と内部の組成が近づくと考えられ、また、化学処理を施すことにより、酸窒化物前駆体の表面変質層の少なくとも一部が除去され、酸窒化物前駆体の表面と内部の組成が近づくと考えられる。酸窒化物前駆体表面からの金属元素の溶出を抑える観点で、化学処理よりも熱処理を用いることが好ましい。
なお、化学処理に関しては、非特許文献2(LaTiON)において、粒子表面の異相やアモルファス層の除去のため、王水処理を用いているが、表面組成と内部組成との差は比較的大きい状態であった。これに対し、本発明は、Zn,Ga系をモデル材料として、酸窒化物前駆体に最適な化学処理を施すことによって、表面組成と内部組成の差が小さくなると、光触媒特性が高特性となることを新たに知見している。また、この知見は、表面組成と内部組成との間に差が生じうる全ての複合金属酸窒化物に適用できると考えられる。
以上のことから、上述した金属元素AおよびBの各組み合わせにおいて、酸窒化物前駆体に対して改質工程を施し、表面組成を内部組成に近づけ、光触媒特性を向上させることが可能である。
本発明においては、酸窒化物前駆体における金属原料の揮発を抑制しつつ、内部の原子拡散を促進させる理由から、上記熱処理が、アンモニア雰囲気中、大気圧下において500℃以上750℃以下の温度で加熱する処理であることが好ましい。
ここで、大気圧は、一般的には1気圧(約0.1MPa)をいうが、本発明において、「大気圧下」とは、大気圧近傍を含む0.09〜0.12MPaの範囲である。
本発明においては、光触媒特性がより良好となる理由から、上記化学処理が、無機酸の水溶液中に浸漬させる処理であることが好ましい。
ここで、無機酸としては、具体的には、例えば、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、塩酸、硝酸、王水等が挙げられ、中でも、王水であることが好ましい。
また、浸漬条件は特に限定されないが、無機酸の水溶液の液温は5〜40℃であることが好ましく、15〜30℃であることがより好ましい。また、浸漬時間は、5〜60秒間であることが好ましく、10〜30秒間であることがより好ましい。
本発明においては、光触媒性能がより良好となる理由から、上記改質工程において、上述した熱処理および化学処理をいずれも施すことが好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
ZnO粉末とGa粉末とを、ZnOに由来するZr元素のモル量(Zrモル量)とGaに由来するGa元素のモル量(Gaモル量)との比率(以下、実施例において「Zr/Ga比」と略す。)が3/1となるよう混合し、混合物を調製した。
次いで、調製した混合物を、アンモニア雰囲気中、850度で20時間焼成し、酸窒化物前駆体を調製した。
次いで、調製した酸窒化物前駆体を、アンモニア雰囲気中、700度で5時間加熱し、酸窒化物微粒子を調製した。
調製した酸窒化物微粒子について、上述した方法でXPSおよびEDXによって原子数比(Zn/Ga)を測定し、上記式(1)からxが0.21と算出され、上記式(2)からyが0.25と算出され、上記式(3)を満たすことが分かった。
また、調製した酸窒化物微粒子を、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、大気中、400℃で1時間加熱し、酸素生成用の助触媒を担持させた。その後、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウムおよび硝酸ニッケルの水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、水素生成用の助触媒を担持させた。
<実施例2>
ZnO粉末とGa粉末とをZn/Ga比が3/1となるよう混合し、混合物を調製した。
次いで、調製した混合物を、アンモニア雰囲気中、850度で20時間焼成し、酸窒化物前駆体を調製した。
次いで、調製した酸窒化物前駆体を、王水に15秒間浸漬させた後、純粋で希釈し、洗浄し、乾燥させることにより、酸窒化物微粒子を調製した。
調製した酸窒化物微粒子について、上述した方法でXPSおよびEDXによって原子数比(Zn/Ga)を測定し、上記式(1)からxが0.22と算出され、上記式(2)からyが0.25と算出され、上記式(3)を満たすことが分かった。
また、調製した酸窒化物微粒子を、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、大気中、400℃で1時間加熱し、酸素生成用の助触媒を担持させた。その後、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウムおよび硝酸ニッケルの水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、水素生成用の助触媒を担持させた。
<実施例3>
ZnO粉末とGa粉末とをZn/Ga比が3/1となるよう混合し、混合物を調製した。
次いで、調製した混合物を、アンモニア雰囲気中、850度で20時間焼成し、酸窒化物前駆体を調製した。
次いで、調製した酸窒化物前駆体を、アンモニア雰囲気中、700度で5時間加熱した。次いで、加熱処理後の粉末を王水に15秒間浸漬させた後、純粋で希釈し、洗浄し、乾燥させることにより、酸窒化物微粒子を調製した。
調製した酸窒化物微粒子について、上述した方法でXPSおよびEDXによって原子数比(Zn/Ga)を測定し、上記式(1)からxが0.24と算出され、上記式(2)からyが0.25と算出され、上記式(3)を満たすことが分かった。
また、調製した酸窒化物微粒子を、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、大気中、400℃で1時間加熱し、酸素生成用の助触媒を担持させた。その後、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウムおよび硝酸ニッケルの水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、水素生成用の助触媒を担持させた。
<比較例1>
アンモニア雰囲気中、700度で5時間加熱する処理を施さなかった以外は、実施例1と同様の方法で、酸窒化物微粒子を調製した。すなわち、比較例1においては、実施例1と同様の方法で調製した酸窒化物前駆体を用いた。
調製した酸窒化物微粒子(酸窒化物前駆体)について、上述した方法でXPSおよびEDXによって原子数比(Zn/Ga)を測定し、上記式(1)からxが0.16と算出され、上記式(2)からyが0.25と算出され、上記式(3)を満たさないことが分かった。
また、調製した酸窒化物微粒子(酸窒化物前駆体)を、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、大気中、400℃で1時間加熱し、酸素生成用の助触媒を担持させた。その後、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウムおよび硝酸ニッケルの水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、水素生成用の助触媒を担持させた。
<実施例4>
ZnO粉末とGa粉末とをZn/Ga比が1/3となるよう混合し、混合物を調製した。
次いで、調製した混合物を、アンモニア雰囲気中、850度で30時間焼成し、酸窒化物前駆体を調製した。
次いで、調製した酸窒化物前駆体を、アンモニア雰囲気中、700度で5時間加熱し、酸窒化物微粒子を調製した。
調製した酸窒化物微粒子について、上述した方法でXPSおよびEDXによって原子数比(Zn/Ga)を測定し、上記式(1)からxが0.06と算出され、上記式(2)からyが0.10と算出され、上記式(3)を満たすことが分かった。
また、調製した酸窒化物微粒子を、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、大気中、400℃で1時間加熱し、酸素生成用の助触媒を担持させた。その後、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウムおよび硝酸ニッケルの水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、水素生成用の助触媒を担持させた。
<実施例5>
ZnO粉末とGa粉末とをZn/Ga比が1/3となるよう混合し、混合物を調製した。
次いで、調製した混合物を、アンモニア雰囲気中、850度で30時間焼成し、酸窒化物前駆体を調製した。
次いで、調製した酸窒化物前駆体を、アンモニア雰囲気中、700度で5時間加熱した。次いで、加熱処理後の粉末を王水に15秒間浸漬させた後、純粋で希釈し、洗浄し、乾燥させることにより、酸窒化物微粒子を調製した。
調製した酸窒化物微粒子について、上述した方法でXPSおよびEDXによって原子数比(Zn/Ga)を測定し、上記式(1)からxが0.09と算出され、上記式(2)からyが0.10と算出され、上記式(3)を満たすことが分かった。
また、調製した酸窒化物微粒子を、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、大気中、400℃で1時間加熱し、酸素生成用の助触媒を担持させた。その後、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウムおよび硝酸ニッケルの水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、水素生成用の助触媒を担持させた。
<比較例2>
アンモニア雰囲気中、700度で5時間加熱する処理、および、王水への浸漬処理を施さなかった以外は、実施例5と同様の方法で、酸窒化物微粒子を調製した。すなわち、比較例2においては、実施例5と同様の方法で調製した酸窒化物前駆体を用いた。
調製した酸窒化物微粒子(酸窒化物前駆体)について、上述した方法でXPSおよびEDXによって原子数比(Zn/Ga)を測定し、上記式(1)からxが0.04と算出され、上記式(2)からyが0.10と算出され、上記式(3)を満たさないことが分かった。
また、調製した酸窒化物微粒子(酸窒化物前駆体)を、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、大気中、400℃で1時間加熱し、酸素生成用の助触媒を担持させた。その後、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウムおよび硝酸ニッケルの水溶液に浸漬させた後、溶媒を蒸発乾固させ、水素生成用の助触媒を担持させた。
<光触媒能>
ガラス製反応容器(光信理化学)中の水100mlに、助触媒を担持した各酸窒化物微粒子0.1gを添加して懸濁させた後、水酸化カリウムを用いて懸濁液のpHを11に調整した。
その後、上記反応容器をガラス製ガス配管に接続した。なお、ガス配管はガスクロマトグラフィー装置(島津製作所、GC2014)に接続されており、ガス成分分析、デジタルマノメータによる圧力測定、真空引き、エア充填などが可能である。
次いで、反応槽をスターラーで攪拌しながら、真空ポンプによる真空引きを行ない、デジタルマノメータの表示が3kPa以下になるまで継続した。その後、アルゴン充填と真空引きを3回繰り返し、混入酸素量が2000ppm以下になるまで前処理を行なった。
その後、撹拌を継続しながら、キセノンランプ(イーグルエンジニアリング)を電流表示1.5Aとなる強度で全光照射し、光触媒反応を開始した。反応後、30分、60分、90分、120分経過後にガスクロマトグラフィー装置にて気体を2.5mlサンプリングし、水素・酸素量を計測した。
その結果、水素発生量が8μmol/h以上のものを「AA」と評価し、7μmol/h以上8μmol/h未満のものを「A」と評価し、4μmol/h以上7μmol/h未満のものを「B」と評価し、4μmol/h未満のものを「C」と評価した。
なお、上述する光触媒能の評価は、犠牲剤無しの条件下で行なっており、実用に近い条件を想定した評価である。
表1に示す結果から、窒化焼成工程後に改質工程を行わなかった酸窒化物微粒子(酸窒化物前駆体)は、上記式(3)で表されるyとxとの差が0.05より大きくなり、水素発生量が低く、光触媒性能が劣ることが分かった(比較例1および2)。
これに対し、窒化焼成工程後に改質工程を行った酸窒化物微粒子は、上記式(3)で表されるyとxとの差が0.05以下となり、水素発生量が多く、光触媒性能が良好であることが分かった(実施例1〜5)。
また、実施例1〜3の対比結果および実施例4〜5の対比結果から、上記式(3)で表されるyとxとの差が小さくなるほど、水素発生量が多くなり、光触媒性能がより向上することが分かった。また、これらの対比結果から、窒化焼成工程後の改質工程として熱処理および化学処理を併用することが望ましいことが分かった(実施例3および5)。

Claims (12)

  1. 複数の金属元素を有する酸窒化物微粒子であって、
    La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aと、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bとを有し、
    X線光電子分光法により前記金属元素Aおよび前記金属元素Bの原子数比(A/B)を測定し、下記式(1)から算出されるxと、エネルギー分散型蛍光X線分析法により前記金属元素Aと前記金属元素Bとの原子数比(A/B)を測定し、下記式(2)から算出されるyとが、下記式(3)を満たす、酸窒化物微粒子。
    式(1): A/B=x/(1−x)
    式(2): A/B=y/(1−y)
    式(3): 0≦y−x≦0.05
  2. 前記金属元素AがZnであり、前記金属元素BがGaである、請求項1または2に記載の酸窒化物微粒子。
  3. 前記式(1)から算出されるxと、前記式(2)から算出されるyとが、下記式(4)を満たす、請求項1または2に記載の酸窒化物微粒子。
    式(4): 0≦y−x≦0.03
  4. 前記式(1)から算出されるxと、前記式(2)から算出されるyとが、下記式(5)を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸窒化物微粒子。
    式(5): 0≦y−x≦0.015
  5. 酸化コバルト、酸化イリジウムおよび酸化マンガンからなる群から選択される少なくとも1種の助触媒と、白金、金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、クロム、酸化ニッケル、酸化ロジウム、酸化ルテニウムおよび酸化クロムからなる群から選択される少なくとも1種の助触媒とを担持させてなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸窒化物微粒子。
  6. 請求項5に記載の酸窒化物微粒子からなる水分解用光触媒。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸窒化物微粒子または請求項6に記載の水分解用光触媒を用いた、水素・酸素生成用光触媒電極。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸窒化物微粒子または請求項6に記載の水分解用光触媒を用いた、水素・酸素生成用光触媒モジュール。
  9. 請求項1に記載の酸窒化物微粒子を調製する酸窒化物微粒子の製造方法であって、
    La、Sr、Ca、BaおよびZnからなる群から選択される1種の金属元素Aを含む金属酸化物または金属炭酸塩と、Ti、Ta、NbおよびGaからなる群から選択される1種の金属元素Bを含む金属酸化物とを混合し、混合物を調製する混合工程と、
    前記混合物をアンモニア雰囲気中で850℃以上1000℃以下の温度で焼成することにより、酸窒化物前駆体を調製する窒化焼成工程と、
    前記酸窒化物前駆体に熱処理および/または化学処理を施すことにより、X線光電子分光法により前記金属元素Aおよび前記金属元素Bの原子数比(A/B)を測定して下記式(1)から算出されるxと、エネルギー分散型蛍光X線分析法により前記金属元素Aと前記金属元素Bとの原子数比(A/B)を測定して下記式(2)から算出されるyとが下記式(3)を満たす酸窒化物微粒子に改質する改質工程とを有する、酸窒化物微粒子の製造方法。
    式(1): A/B=x/(1−x)
    式(2): A/B=y/(1−y)
    式(3): 0≦y−x≦0.05
  10. 前記熱処理が、アンモニア雰囲気中、大気圧下において500℃以上750℃以下の温度で加熱する処理である、請求項9に記載の酸窒化物微粒子の製造方法。
  11. 前記化学処理が、無機酸の水溶液中に浸漬させる処理である、請求項9または10に記載の酸窒化物微粒子の製造方法。
  12. 前記熱処理および前記化学処理をいずれも施す、請求項9〜11のいずれか1項に記載の酸窒化物微粒子の製造方法。
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