JP2017127911A - チャックシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】保持機構が加工対象物に力を及ぼすタイミングを知ることのできるチャックシステムを提供する。【解決手段】チャックシステム100は、保持機構1と、力センサ2とを備える。保持機構1は、保持力を発生することにより、工作装置B1で加工される加工対象物A1を保持する。力センサ2は、保持機構1が加工対象物A1に及ぼす力を検知する。【選択図】図1
Description
本発明は、一般にチャックシステムに関し、より詳細には、保持機構により加工対象物を保持するチャックシステムに関する。
従来、工作物(加工対象物)を把持するチャック装置において、把持力(保持力)を制御する方法が知られており、たとえば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の制御方法は、チャック爪(保持機構)と、チャック爪の径方向の移動を行わせる油圧装置の圧力調整手段と、圧力調整手段に対し制御信号を送る制御部とを備えた装置を用いている。チャック爪は、主軸に取り付けられたチャック本体の径方向に移動して工作物を把持する。
この制御方法では、上記装置におけるチャック爪の把持力と制御信号との関係と、チャック爪に作用する遠心力と主軸の回転数との関係とを予め求め、これらの特性から主軸の回転数と制御信号との関係を求めて制御部に設定している。そして、この制御方法では、主軸の回転数に応じて制御信号の出力を変化させることでチャック爪の把持力の制御を行っている。
しかしながら、上記従来例では、保持機構の保持力の制御を行うことはできるが、保持機構の保持力を知ることができない。このため、上記従来例では、保持機構が加工対象物に力を及ぼすタイミングを知ることができないという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされており、保持機構が加工対象物に力を及ぼすタイミングを知ることのできるチャックシステムを提供することを目的とする。
第1の形態のチャックシステムは、保持力を発生することにより、工作装置で加工される加工対象物を保持する保持機構と、前記保持機構が前記加工対象物に及ぼす力を検知する力センサとを備えることを特徴とする。
第2の形態のチャックシステムは、第1の形態において、前記力センサの検知結果を含む検知信号を出力する出力部をさらに備え、前記出力部は、前記検知信号を前記工作装置に出力するように構成されていることが好ましい。
第3の形態のチャックシステムは、第1又は第2の形態において、前記力センサの検知結果に基づいて前記保持機構の動力源を制御することで、前記保持力を制御する制御部をさらに備えることが好ましい。
第4の形態のチャックシステムは、第1〜第3のいずれかの形態において、前記保持機構は、前記加工対象物に接触する接触部と、前記保持機構の動力源から与えられる推力を前記接触部に伝達する伝達部とを有し、前記力センサは、前記接触部と前記伝達部との間に配置されていることが好ましい。
第5の形態のチャックシステムは、第1〜第4のいずれかの形態において、前記保持機構の動力源は、油圧又は空圧であることが好ましい。
第6の形態のチャックシステムは、第1〜第5のいずれかの形態において、給電装置との間の電磁誘導又は磁気共鳴により前記力センサの動作電力を発生する受電コイルをさらに備えることが好ましい。
第7の形態のチャックシステムは、第1〜第5のいずれかの形態において、給電装置から電磁波を受けることで前記力センサの動作電力を発生するアンテナをさらに備えることが好ましい。
第8の形態のチャックシステムは、第1〜第5のいずれかの形態において、給電装置から光を受けることで前記力センサの動作電力を発生する光電池をさらに備えることが好ましい。
第9の形態のチャックシステムは、第1〜第8のいずれかの形態において、前記力センサの検知結果を含む検知信号を送信する通信部をさらに備え、前記通信部は、前記検知信号を無線により送信するように構成されていることが好ましい。
第10の形態のチャックシステムは、第1〜第8のいずれかの形態において、前記力センサの検知結果を含む検知信号を出力する通信部をさらに備え、前記通信部は、前記検知信号を電磁誘導又は磁気共鳴により送信するように構成されていることが好ましい。
第11の形態のチャックシステムは、第1〜第5のいずれかの形態において、前記力センサの動作電力を発生する電池をさらに備えることが好ましい。
第12の形態のチャックシステムは、第1〜第11のいずれかの形態において、前記力センサは、磁性体で形成され、前記保持機構が前記加工対象物に及ぼす力が掛かる位置に配置されるコアと、前記コアと磁気的に結合するコイルと、前記コイルのインダクタンスに応じて前記力センサの検知結果を含む検知信号を生成する処理回路とを備えることが好ましい。
本発明は、力センサにより、保持機構が加工対象物に及ぼす力を検知することができる。したがって、本発明は、力センサにより、保持機構が加工対象物に力を及ぼすタイミングを知ることができる。
以下、実施形態1,2、及び実施形態2の変形例に係るチャックシステムについて詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記の実施形態1,2、及び変形例に限定されることはない。つまり、以下に説明する構成は、実施形態1,2、及び変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
<実施形態1>
本発明の実施形態1に係るチャックシステム100は、図1、図2に示すように、保持機構1と、力センサ2とを備えている。保持機構1は、保持力を発生することにより、工作装置B1で加工される加工対象物(ワーク)A1を保持する。力センサ2は、保持機構1が加工対象物A1に及ぼす力を検知する。ここで、保持力とは、保持機構1が加工対象物A1を保持する力である。
本発明の実施形態1に係るチャックシステム100は、図1、図2に示すように、保持機構1と、力センサ2とを備えている。保持機構1は、保持力を発生することにより、工作装置B1で加工される加工対象物(ワーク)A1を保持する。力センサ2は、保持機構1が加工対象物A1に及ぼす力を検知する。ここで、保持力とは、保持機構1が加工対象物A1を保持する力である。
本実施形態のチャックシステム100は、図1、図2に示すように、保持機構1と、複数(ここでは、3つ)の力センサ2とを備えている。なお、図2では、複数の力センサ2のうち1つの力センサ2を図示している。また、本実施形態のチャックシステム100は、出力部(通信部)3と、制御部4と、動力源C1とをさらに備えている。本実施形態のチャックシステム100は、保持機構1により、工作装置B1で加工される加工対象物A1を保持する。本実施形態のチャックシステム100は、たとえばNC(Numeral Control)旋盤に用いられる。以下では、本実施形態のチャックシステム100をNC旋盤に用いた例について説明する。
保持機構1は、図1、図2に示すように、チャック本体10と、複数(ここでは、3つ)の保持部材11とを備えている。本実施形態では、複数の保持部材11は、それぞれ加工対象物A1を把持する爪であり、いわゆるトップジョーである。なお、図2では、複数の保持部材11のうち1つの保持部材11を図示している。
チャック本体10は、金属材料により円柱状に形成されている。チャック本体10の中央には、加工対象物A1の一部が挿通される挿通孔101が設けられている。チャック本体10は、NC旋盤の有する主軸の先端に取り付けられる。したがって、チャック本体10は、主軸と共に回転するようになっている。
複数の保持部材11は、それぞれチャック本体10の径方向に沿って移動可能な形で、チャック本体10の前面に取り付けられている。また、複数の保持部材11は、チャック本体10の周方向に沿って、等間隔(ここでは、120度ずつ)に配置されている。複数の保持部材11の先端(つまり、加工対象物A1と対向する部位)には、それぞれ力センサ2が取り付けられている。
複数の保持部材11は、それぞれ動力源C1から推力を受けることで、加工対象物A1に向かって移動するように構成されている。そして、複数の保持部材11は、複数の方向から加工対象物A1を押すことで、加工対象物A1を保持する。つまり、複数の保持部材11は、動力源C1から推力を受けることで、加工対象物A1を保持する保持力を発生し、加工対象物A1を保持する。言い換えれば、保持機構1は、保持力を発生することにより、加工対象物A1を保持する。
動力源C1は、たとえば油圧式シリンダやエアシリンダなどのアクチュエータである。本実施形態のチャックシステム100には、動力源C1が含まれているが、動力源C1はチャックシステム100に含まれていなくてもよい。
力センサ2は、図3A、図3Bに示すように、磁性体で形成されるコア21と、コア21と磁気的に結合するコイル22と、処理回路23と、第1挟み込み部材24と、第2挟み込み部材25と、弾性体26と、基板27とを備えている。コア21は、検知方向(図3Bにおける上下方向)に沿う向きに、第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25から掛かる荷重を受けるように構成されている。なお、図3Aは、力センサ2のうち、コア21と、コイル22と、処理回路23とを表している。
コア21は、たとえばNi(ニッケル)−Zn(亜鉛)フェライト等の磁性体により形成されている。また、コア21は平面視で円環状に形成されており、中空部211を有している。なお、コア21は、コア21に荷重が加わると逆磁歪効果を奏する磁性体で形成されていればよい。逆磁歪効果とは、磁化されたコア21が荷重を加えられることで歪んだ場合に、コア21の透磁率が変化する効果をいう。コア21は、一般的なフェライト材料で形成される場合でも、荷重が加えられると、殆ど無視できる程度の寸法変化で磁気特性(透磁率)が変化する。
コイル22は、コア21の中空部211と外側とを交互に通るように、導線をコア21の一部に巻き付けることで構成されている。なお、導線としては、絶縁材料で被覆した銅線(たとえば、エナメル線など)を用いるのが好ましい。ここで、コア21において導線が巻き付けられる部位は、検知方向において、コイル22の一部がコア21よりも突出しないような寸法で設計されている。このため、コア21に荷重が加わってもコイル22に荷重が加わらず、コイル22の断線を防止することができる。なお、コイル22が巻き付けられる部位を上記のように設計するか否かは任意である。
コア21の内部には、コイル22の通電時に生じる磁束が通る。このため、コア21には、中空部211の周方向に沿った磁路(磁気回路)が形成される。この磁路は、閉磁路である。したがって、力センサ2では、コア21から外部への磁束の漏れが生じ難いので、磁束の漏れを防ぐために強磁性体のケースを設ける必要がない。なお、コイル22は、導線をコア21の側面に周方向に沿って巻き付けることで構成されていてもよい。この構成では、コイル22の通電時に生じる磁束は、コア21の内側のみならずコア21の外側も通る磁路を形成する。つまり、この構成では、磁路は開磁路となる。
処理回路23は、たとえばマイクロコンピュータを主構成として構成される。処理回路23は、コイル22のインダクタンスに応じて検知信号を生成する。検知信号は、力センサ2の検知結果を含む信号である。処理回路23の動作については後述する。本実施形態の力センサ2では、処理回路23は、基板27に実装されている。基板27は、第1挟み込み部材24、第2挟み込み部材25、及び弾性体26で覆われる空間内に配置されている。もちろん、処理回路23は、基板27に実装されていなくてもよく、たとえば上記空間外に配置されていてもよい。この場合、基板27は不要である。
第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25は、いずれもたとえば金属材料で形成される板状の部材である。第1挟み込み部材24は、平面視で矩形状に形成されている。また、第2挟み込み部材25は、平面視で矩形状に形成されている。第1挟み込み部材24は、コア21の検知方向における第1面(図3Bにおける下面)に接するように配置されている。また、第2挟み込み部材25は、コア21の検知方向における第2面(図3Bにおける上面)に接するように配置されている。つまり、第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25は、検知方向の両側からコア21を挟むように配置されている。なお、第1挟み込み部材24とコア21との間、及び第2挟み込み部材25とコア21との間のそれぞれに隙間があってもよい。
なお、第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25の形状は、平面視で矩形状や円形状に限定されない。また、第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25は、想定される荷重に耐え得る強度を有していればよい。さらに、第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25は金属材料で形成されていなくてもよく、たとえばCFRP(Carbon-Fiber-Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)等の樹脂材料で形成されていてもよい。
弾性体26は、たとえばシリコーン樹脂を主成分とする接着剤である。弾性体26は、第1挟み込み部材24の一面(図3Bにおける上面)の外周縁と、第2挟み込み部材25の一面(図3Bにおける下面)の外周縁とに接着することで、第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25を互いに結合する。弾性体26は、接着剤に限定されず、コア21を形成する材料よりも弾性率の低い材料で形成されていればよい。
また、弾性体26は、第1挟み込み部材24の外周縁と第2挟み込み部材25の外周縁との間に設けられて両者に接合される構成であればよい。また、本実施形態の力センサ2では、弾性体26自体が接着剤であるが、たとえば弾性体26に両面テープなどの他の接着剤を設けることで、弾性体26が第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25の両者に接合される構成であってもよい。さらに、弾性体26は、第1挟み込み部材24の外周縁及び第2挟み込み部材25の外周縁の全周にわたって設けられている構成に限定されない。つまり、第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25の傾きが抑えられる程度に、弾性体26が第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25の両者に接合されていればよい。
以下、力センサ2の動作について簡単に説明する。まず、電源からコイル22に交流電流を供給することで、コア21が励磁され、磁路が形成される。
次に、第1挟み込み部材24に荷重(図3Bに示す上向きの矢印参照)が加わると、弾性体26が撓むことにより第1挟み込み部材24が押し上げられ、コア21に荷重が加わる。すると、逆磁歪効果により、荷重の大きさに応じてコア21の透磁率が変化するため、コイル22のインダクタンスが変化する。同様に、第2挟み込み部材25に荷重(図3Bに示す下向きの矢印参照)が加わると、弾性体26が撓むことにより第2挟み込み部材25が押し下げられ、コア21に荷重が加わる。この場合も、荷重の大きさに応じてコイル22のインダクタンスが変化する。
そして、処理回路23は、コイル22のインダクタンスに応じて電圧が変化するアナログ電圧信号(たとえば0.5V〜4.5V)を検知信号として生成する。つまり、処理回路23は、コア21に加わる荷重に応じて電圧が変化するアナログ電圧信号を生成する。
本実施形態では、後述するように、保持部材11(保持機構1)が加工対象物A1に及ぼす力がコア21に加わる。したがって、処理回路23は、上記力に応じて電圧が変化するアナログ電圧信号を検知信号として生成する。
本実施形態では、力センサ2の加工対象物A1と接触する部位は、加工対象物A1の曲面に合わせて半球状に形成されている。つまり、本実施形態では、力センサ2の第2挟み込み部材25は、加工対象物A1の曲面に合わせて半球状に形成されている。このため、力センサ2の加工対象物A1との接触面には、できるだけ均等に力が掛かるようになっている。なお、力センサ2の加工対象物A1と接触する部位は、加工対象物A1の形状に合わせて適宜変更されてもよい。たとえば、力センサ2が加工対象物A1に設けられたV字状の溝に接触する場合は、力センサ2の加工対象物A1と接触する部位は、V字状に突出した形状に形成されるのが好ましい。
出力部(通信部)3は、力センサ2の検知結果を含む検知信号を出力(送信)するように構成されている。出力部(通信部)3は、検知信号を工作装置B1や制御部4に出力(送信)する。また、出力部(通信部)3は、後述するように、無線で検知信号を出力(送信)するように構成されていてもよいし、電磁誘導又は磁気共鳴により検知信号を出力(送信)するように構成されていてもよい。
制御部4は、たとえばマイクロコンピュータを主構成とし、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより所望の機能を実現する。なお、プログラムは、予めメモリに書きこまれていてもよいが、メモリカードのような記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよい。
制御部4は、出力部(通信部)3から送信される検知信号を受信するように構成されている。そして、制御部4は、検知信号に基づいて、動力源C1を制御する。具体的には、制御部4は、検知信号に基づいて、保持機構1の保持力が目標値となるように、動力源C1が保持部材11に与える推力を負帰還制御する。つまり、制御部4は、保持機構1の動力源C1を制御することで、保持機構1の保持力を制御する。
工作装置B1は、たとえば加工対象物A1を切削する工具(バイト)などが複数取り付けられた刃物台である。その他、工作装置B1は、たとえば加工対象物A1に穴抜き、切削などの加工を施す装置であってもよい。また、工作装置B1は、たとえば加工対象物A1に対して、スタンプ、ねじの締結、塗装などの加工を施す装置であってもよい。つまり、工作装置B1は、加工対象物A1を加工する装置であればよい。本実施形態では、工作装置B1は、チャック本体10と共に回転する加工対象物A1に、切削などの加工を施す。
以下、本実施形態のチャックシステム100の動作の一例について説明する。まず、作業者は、加工対象物A1をチャック本体10に装着する。そして、作業者は、制御部4に加工対象物A1の保持(以下、「チャッキング」という)を開始させる。制御部4は、動力源C1を制御することにより、複数の保持部材11の各々に推力を与える。これにより、複数の保持部材11は、それぞれ加工対象物A1に向かって移動する。そして、複数の保持部材11は、それぞれ複数の力センサ2を介して加工対象物A1を押すことにより、加工対象物A1を保持する。
力センサ2には、加工対象物A1に接触するまでは力が掛からない。そして、力センサ2は、加工対象物A1に接触し、保持部材11と加工対象物A1とで挟まれることにより、力を検知する。つまり、力センサ2は、保持部材11が加工対象物A1に力を及ぼす力を検知する。
工作装置B1は、出力部(通信部)3を介して複数の力センサ2から送信される検知信号に基づいて、加工対象物A1の加工を開始するか否かを判定する。つまり、工作装置B1は、複数の保持部材11が加工対象物A1に力を及ぼすまでは、チャッキングが完了していないと判定する。そして、工作装置B1は、複数の保持部材11が加工対象物A1に力を及ぼし始めると、チャッキングが完了したと判定し、加工対象物A1の加工を開始する。
また、制御部4は、出力部(通信部)3を介して複数の力センサ2から送信される検知信号に基づいて、チャッキングが完了したと判定すると、複数の保持部材11に対して必要な推力を上回る推力を与えることがないように、動力源C1を制御する。このため、加工対象物A1は、過剰な力で保持されない。
ここで、特許文献1に記載されているようなチャック装置では、油圧装置を作動させてからどのタイミングでチャッキングが完了したかを知ることができない。このため、特許文献1に記載されているようなチャック装置を用いる場合、作業者(又は工作装置)は、油圧装置を作動させてから所定の時間が経過したことをもってチャッキングが完了したとみなし、工作を開始する。また、油圧装置に用いられる油は、温度によって粘性が変化する。このため、工作装置の起動直後と、工作装置の暖気完了時とでは油圧が異なるため、同じ制御信号の値であっても、保持力が異なる可能性がある。つまり、特許文献1に記載されているようなチャック装置では、保持力を正確に把握し難い。
これに対して、本実施形態のチャックシステム100は、保持機構1が加工対象物A1に及ぼす力を検知する力センサ2を備えている。したがって、本実施形態のチャックシステム100では、保持機構1が加工対象物A1を保持するとき、力センサ2は、保持機構1が加工対象物A1に及ぼす力を検知する。このため、本実施形態では、作業者(又は工作装置B1)は、チャッキングが完了したタイミングを知ることができる。このため、本実施形態では、動力源C1を作動させてからチャッキングが完了するまでの所定の時間(たとえば、3秒)を短縮することができるので、結果として加工対象物A1の加工に要する時間も短縮することが可能である。
また、本実施形態のチャックシステム100は、保持機構1が加工対象物A1に及ぼす力を検知できることから、保持機構1の保持力を把握し易い。このため、本実施形態のチャックシステム100は、保持機構1が加工対象物A1を正しく保持しているか否かを知ることができる。このため、本実施形態のチャックシステム100では、保持機構1が加工対象物A1を保持していないにも関わらず、保持機構1が加工対象物A1を保持していると作業者が誤って判断する可能性を低くすることができる。
また、本実施形態のチャックシステム100は、力センサ2の検知結果を含む検知信号を出力する出力部(通信部)3をさらに備えている。そして、出力部(通信部)3は、検知信号を工作装置B1に出力するように構成されている。このため、本実施形態では、チャッキングが完了したタイミングで工作装置B1を自動的に動作させることができるので、チャッキングの完了から工作装置B1の動作の開始までのタイムラグを低減することができる。なお、当該構成を採用するか否かは任意である。
また、本実施形態のチャックシステム100は、力センサ2の検知結果に基づいて保持機構1の動力源C1を制御することで、保持力を制御する制御部4をさらに備えている。このため、本実施形態のチャックシステム100は、保持機構1が実際に加工対象物A1に及ぼす力を監視しながら保持力を制御することが可能であるため、たとえば主軸の回転数をダイナミックに変化させるような制御も可能となる。また、本実施形態のチャックシステム100は、保持機構1が実際に加工対象物A1に及ぼす力を監視することができるので、たとえば油圧式シリンダの作動油の温度変化により保持力が変化しても、最適な保持力を維持し易い。なお、当該構成を備えるか否かは任意である。
本実施形態のチャックシステム100は、力センサ2の検知結果を工作装置B1や制御部4以外に用いてもよい。たとえば、本実施形態のチャックシステム100は、力センサ2の検知結果を表示灯に出力してもよい。表示灯は、力センサ2の検知結果に応じて点灯又は消灯する。この構成では、たとえば表示灯が点灯することによりチャッキングが完了したことを作業者に報知することができる。このため、作業者は、表示灯を確認することで、手動で工作を開始するタイミングを知ることができる。
ここで、本実施形態のチャックシステム100では、力センサ2は、加工対象物A1に接触するように保持部材11に取り付けられているが、他の構成であってもよい。たとえば保持部材11は、図4、図5に示すように、加工対象物A1に接触する接触部111と、動力源C1から与えられる推力を接触部111に伝達する伝達部112とを有して構成されていてもよい。そして、力センサ2は、接触部111と伝達部112との間に配置されていてもよい。
この構成では、接触部111は、伝達部112に向かって突出する棒状のシャフト113を一体に備えている。また、伝達部112は、シャフト113が挿通される挿通孔114を有している。そして、力センサ2は、シャフト113が挿通される挿通孔20を有している。つまり、この構成では、力センサ2の第1挟み込み部材24及び第2挟み込み部材25は、それぞれ検知方向に貫通する孔を有している。そして、これらの孔とコア21の中空部211とで挿通孔20を構成している。
また、保持部材11は、接触部111と伝達部112とを繋ぐ線115を備えている。線115は、伝達部112から接触部111が脱落するのを防止するために設けられている。なお、伝達部112から接触部111が脱落するのを防止するための機構は、線115以外の構成であってもよい。
伝達部112は、シャフト113の軸方向に沿って移動可能に構成されている。そして、伝達部112は、動力源C1から推力を受けることで、接触部111及び力センサ2に向かって移動する。そして、接触部111は、力センサ2を介して伝達部112から推力を与えられることにより、加工対象物A1に接触して加工対象物A1を押す。
ここで、伝達部112は、チャッキングをしていない状態では、力センサ2を介して接触部111に力を伝達していない。つまり、力センサ2には、チャッキングをしていない状態では、力が掛からない。一方、伝達部112は、チャッキングをしている状態では、力センサ2を介して接触部111に伝達する。つまり、力センサ2には、チャッキングをしている状態では、伝達部112に押され、接触部111と伝達部112とで挟まれることにより、力が掛かる。したがって、力センサ2は、チャッキングをしている状態において、保持部材11が加工対象物A1に及ぼす力を検知する。
つまり、本実施形態のチャックシステム100では、保持機構1は、加工対象物A1に接触する接触部111と、動力源C1から与えられる推力を接触部111に伝達する伝達部112とを有している。そして、力センサ2は、接触部111と伝達部112との間に配置されている。このため、本実施形態では、保持機構1が加工対象物A1を保持している状態において、加工対象物A1の形状やサイズに依らず、接触部111及び伝達部112と力センサ2とが面で接触するため、力センサ2に力が正しく伝達され易い。また、本実施形態では、加工対象物A1の形状が変更された場合には接触部111を交換すればよいので、種々の加工対象物A1に対して容易に対応することが可能である。なお、当該構成を採用するか否かは任意である。
また、本実施形態のチャックシステム100では、保持機構1の動力源C1は、油圧又は空圧である。つまり、本実施形態のチャックシステム100は、たとえば油圧シリンダ等の油圧式の動力源C1や、たとえばエアシリンダ等の空圧式の動力源C1のように、圧力を発生してからチャッキングが完了するまでに時間を要する動力源C1を用いる場合に好適である。なお、当該構成を採用するか否かは任意である。
ところで、本実施形態のチャックシステム100では、力センサ2は、保持部材11に取り付けられている。そして、保持部材11は、チャック本体10に取り付けられている。このため、力センサ2は、チャック本体10の回転に伴って回転する。したがって、本実施形態では、チャック本体10の外部に配置された外部電源から電源ケーブルを介して力センサ2に動作電力を供給する構成を採用することは難しい。
そこで、本実施形態のチャックシステム100は、たとえば図6に示すように、力センサ2に動作電力を供給する構成として、複数(ここでは、3つ)の発電コイル51を備えていてもよい。なお、図6では、複数の発電コイル51のうち、1つの発電コイル51を図示している。図6に示す構成では、保持部材11は、図4、図5に示す構成と同様に、接触部111と伝達部112とを有している。なお、図6では、線115の図示を省略している。また、力センサ2は、接触部111と伝達部112との間に配置されている。以下、図7〜図11に示す構成においても、保持部材11及び力センサ2の構成は同様である。
図6に示す構成において、複数の発電コイル51は、それぞれシート状に形成されたコイルであり、チャック本体10の側面に周方向に沿って取り付けられている。複数の発電コイル51は、それぞれケーブルを介して複数(ここでは、3つ)の電源回路5に電気的に接続されている。複数の電源回路5は、それぞれチャック本体10の前面(つまり、保持部材11及び力センサ2が設けられている面)に設けられている。
また、図6に示す構成では、チャック本体10の周囲には、複数(ここでは、4つ)の永久磁石6がチャック本体10の周方向に沿って等間隔(ここでは、90度ずつ)に配置されている。永久磁石6は、平面視で円弧状に形成されている。また、永久磁石6のチャック本体10の径方向に沿った両端には、それぞれ異なる磁極が形成されている。さらに、複数の永久磁石6は、チャック本体10の周方向に沿ってN極とS極とが交互に並ぶように配置されている。
図6に示す構成において、チャック本体10が回転すると、複数の発電コイル51には、それぞれ複数の永久磁石6との間の電磁誘導により誘導起電力が発生する。複数の電源回路5は、それぞれ発電コイル51で発生した誘導起電力を、整流回路などで動作電力に変換し、複数の力センサ2の各々に供給する。
この構成では、力センサ2に動作電力を供給するための電源ケーブルを用いずに、力センサ2を保持部材11に取り付けることが可能である。
また、本実施形態のチャックシステム100は、たとえば図7に示すように、力センサ2に動作電力を供給する構成として、受電コイル52を備えていてもよい。図7に示す構成において、受電コイル52は、導線をチャック本体10の側面に巻き付けることで構成されている。受電コイル52は、チャック本体10の前面に設けられた電源回路5にケーブルを介して電気的に接続されている。電源回路5は、複数の力センサ2の各々とケーブルにより電気的に接続されている。
図7に示す構成において、受電コイル52と磁気的に結合する給電コイルD2が、固定部D1に設けられている。固定部D1は、たとえばNC旋盤の本体の一部である。給電コイルD2は、受電コイル52と同様に、導線を固定部D1の側面に巻き付けることで構成されている。給電コイルD2は、チャック本体10の軸方向において、受電コイル52と対向するように配置されている。なお、給電コイルD2と受電コイル52との間隔は、可能な限り短くするのが好ましい。
図7に示す構成において、給電コイルD2に交流電流を流すと、電磁誘導又は磁気共鳴により受電コイル52に交流電力が発生する。電源回路5は、受電コイル52で発生した交流電力を、たとえば整流回路などにより動作電力に変換し、複数の力センサ2の各々に供給する。
つまり、本実施形態のチャックシステム100は、給電装置(給電コイルD2)との間の電磁誘導又は磁気共鳴により力センサ2の動作電力を発生する受電コイル52をさらに備えていてもよい。この構成でも、力センサ2に動作電力を供給するための電源ケーブルを用いずに、力センサ2を回転体(チャック本体10)に取り付けることが可能である。また、この構成では、受電コイル52は、チャック本体10の回転の有無に関わらず、さらにはチャック本体10の回転速度に依らず、動作電力を発生することが可能である。なお、この構成では、受電コイル52はチャック本体10の側面に取り付けられているが、チャック本体10の他の面に取り付けられていてもよい。
また、本実施形態のチャックシステム100は、たとえば図8に示すように、力センサ2に動作電力を供給する構成として、複数(ここでは、3つ)のアンテナ53を備えていてもよい。図8に示す構成において、複数のアンテナ53は、それぞれたとえば無指向性の受電アンテナであり、棒状に形成されている。複数のアンテナ53は、それぞれ複数の力センサ2に取り付けられている。
図8に示す構成において、アンテナ53は、送信器D3から送信される電磁波(たとえば、2.4GHzのマイクロ波)を受波することにより、交流電力を発生する。力センサ2は、アンテナ53で発生した交流電力を、内蔵された整流回路などの回路により動作電力に変換して利用する。なお、当該回路は、力センサ2に内蔵されていなくてもよい。
つまり、本実施形態のチャックシステム100は、給電装置(送信器D3)から電磁波を受けることで力センサ2の動作電力を発生するアンテナ53をさらに備えていてもよい。この構成でも、力センサ2に動作電力を供給するための電源ケーブルを用いずに、力センサ2を回転体(チャック本体10)に取り付けることが可能である。また、この構成では、たとえば数m離れた位置にある送信器D3から力センサ2に給電することも可能である。
なお、この構成では、アンテナ53は、複数の力センサ2の各々に取り付けられているが、他の構成であってもよい。たとえば、アンテナ53は、チャック本体10の前面に設けられた電源回路5に取り付けられていてもよい。この場合、電源回路5は、アンテナ53で発生した交流電力を動作電力に変換し、複数の力センサ2の各々に供給する。
また、本実施形態のチャックシステム100は、たとえば図9に示すように、力センサ2に動作電力を供給する構成として、光電池54を備えていてもよい。図9に示す構成において、光電池54は、薄膜状のフレキシブルな太陽電池モジュールであり、チャック本体10の側面に周方向に沿って取り付けられている。また、光電池54は、チャック本体10の前面に設けられた電源回路5にケーブルを介して電気的に接続されている。電源回路5は、複数の力センサ2の各々とケーブルにより電気的に接続されている。
図9に示す構成において、光電池54は、発光装置D4から照射される光を受けることにより、光起電力を発生する。電源回路5は、光電池54で発生した光起電力を、昇圧回路や降圧回路などで動作電力に変換し、複数の力センサ2の各々に供給する。
つまり、本実施形態のチャックシステム100は、給電装置(発光装置D4)から光を受けることで力センサ2の動作電力を発生する光電池54をさらに備えていてもよい。この構成でも、力センサ2に動作電力を供給するための電源ケーブルを用いずに、力センサ2を回転体(チャック本体10)に取り付けることが可能である。また、この構成では、光電池54は、チャック本体10の回転の有無に関わらず、発光装置D4から光を受けることで動作電力を発生することが可能である。なお、この構成では、光電池54はチャック本体10の側面に取り付けられているが、チャック本体10の前面(つまり、力センサ2が取り付けられている面)に取り付けられていてもよい。
もちろん、本実施形態のチャックシステム100は、図10に示すように、電源回路5の代わりに電池7を備えていてもよい。この構成では、電池7は、チャック本体10の前面に取り付けられている。また、電池7は、複数の力センサ2の各々とケーブルにより電気的に接続されている。そして、電池7は、ケーブルを介して複数の力センサ2の各々に動作電力を供給する。電池7は、一次電池であってもよいし、二次電池であってもよい。
つまり、本実施形態のチャックシステム100は、力センサ2の動作電力を発生する電池7をさらに備えていてもよい。この構成でも、力センサ2に動作電力を供給するための電源ケーブルを用いずに、力センサ2を回転体(チャック本体10)に取り付けることが可能である。
ここで、本実施形態のチャックシステム100では、出力部(通信部)3は、力センサ2の検知結果を含む検知信号を工作装置B1や制御部4に出力(送信)している。しかしながら、出力部(通信部)3と、工作装置B1及び制御部4との間を信号ケーブルで接続することは難しい。出力部(通信部)3は、力センサ2と共にチャック本体10に取り付けられ、チャック本体10の回転に伴って回転するためである。
そこで、本実施形態のチャックシステム100では、出力部(通信部)3は、たとえば無線通信回路で構成されていてもよい。この場合、出力部(通信部)3は、たとえばBluetooth(登録商標)などの無線通信手段を介して工作装置B1や制御部4と無線により通信する。
つまり、本実施形態のチャックシステム100は、力センサ2の検知結果を含む検知信号を送信する通信部3をさらに備えていてもよい。そして、通信部3は、検知信号を無線により送信するように構成されていてもよい。この構成では、検知信号を送信するための信号ケーブルを用いずに、通信部3を回転体(チャック本体10)に取り付けることが可能である。
また、本実施形態のチャックシステム100では、たとえば図11に示すように、出力部(通信部)3は、送信コイル32と受信コイル33との間の電磁誘導により検知信号を出力するように構成されていてもよい。図11に示す構成において、出力部(通信部)3は、通信ユニット31と、送信コイル32と、受信コイル33とを備えている。
通信ユニット31は、チャック本体10の前面に設けられている。通信ユニット31は、複数の力センサ2の各々と電気的に接続されている。通信ユニット31は、複数の力センサ2の各々から検知信号を取得する。
送信コイル32は、導線をチャック本体10の側面に巻き付けることで構成されている。送信コイル32と磁気的に結合する受信コイル33は、固定部D1に設けられている。受信コイル33は、送信コイル32と同様に、導線を固定部D1の側面に巻き付けることで構成されている。受信コイル33は、チャック本体10の軸方向において、送信コイル32と対向するように配置されている。なお、受信コイル33と送信コイル32との間隔は、可能な限り短くするのが好ましい。
図11に示す構成において、通信ユニット31は、複数の力センサ2の各々から検知信号を取得し、シリアル信号である電流信号に変換して送信コイル32に送信する。そして、検知信号は、送信コイル32と受信コイル33との間の電磁誘導又は磁気共鳴により、受信コイル33に伝送される。
つまり、本実施形態のチャックシステム100は、力センサ2の検知結果を含む検知信号を送信する通信部3をさらに備えていてもよい。そして、通信部3は、検知信号を電磁誘導又は磁気共鳴により送信するように構成されていてもよい。この構成でも、検知信号を送信するための信号ケーブルを用いずに、通信部3を回転体(チャック本体10)に取り付けることが可能である。
なお、この構成では、通信ユニット31及び送信コイル32は、力センサ2とは別に設けられているが、力センサ2に内蔵されていてもよい。また、この構成において、送信コイル32及び受信コイル33は、それぞれ図7に示す構成における受電コイル52及び給電コイルD2と兼用してもよい。
<実施形態2>
以下、本発明の実施形態2のチャックシステム200について説明する。ただし、本実施形態のチャックシステム200において、実施形態1と共通する構成要素については適宜説明を省略する。
以下、本発明の実施形態2のチャックシステム200について説明する。ただし、本実施形態のチャックシステム200において、実施形態1と共通する構成要素については適宜説明を省略する。
本実施形態のチャックシステム200は、図12に示すように、保持機構1Aとしての複数(ここでは、2つ)の保持部材11Aと、複数(ここでは、2つ)の力センサ2Aとを備えている。本実施形態では、複数の保持部材11Aは、ベルトコンベアE1で図12に示す矢印の向きに運ばれてくる加工対象物A1を押さえつけることにより、加工対象物A1を保持するように構成されている。また、本実施形態では、工作装置B1は、複数の保持部材11Aに保持された加工対象物A1を加工する。本実施形態では、工作装置B1は、加工対象物A1を切削するドリルビットB11を備えている。なお、本実施形態では、加工対象物A1は板状であるが、加工対象物A1の形状は板状に限定されない。
保持部材11Aは、加工対象物A1に接触する接触部111Aと、保持機構1の動力源C1から与えられる推力を接触部111Aに伝達する伝達部112Aとを有している。本実施形態では、伝達部112Aは、コンプレッサ(動力源C1)により動作するエアシリンダである。伝達部112Aの先端には、動力源C1から与えられる推力により、接触部111Aに向かって移動する可動部112Bが設けられている。可動部112Bと接触部111Aとの間には、力センサ2Aが配置されている。つまり、力センサ2Aは、接触部111Aと伝達部112Aとの間に配置されている。力センサ2Aは、力センサ2と同様の構成である。
以下、本実施形態のチャックシステム200の動作の一例について説明する。ベルトコンベアE1により加工対象物A1が運ばれてくると、制御部4は、動力源C1を制御することにより、複数の保持部材11Aの伝達部112Aの各々に推力を与える。
伝達部112Aの可動部112Bは、動力源C1から推力を受けることで、接触部111A及び力センサ2Aに向かって移動する。そして、接触部111Aは、力センサ2Aを介して可動部112Bから推力を与えられることにより、加工対象物A1に接触して加工対象物A1を押す。そして、複数の保持部材11Aは、それぞれ加工対象物A1を押すことにより、加工対象物A1を保持する。
ここで、力センサ2Aには、チャッキングを完了していない状態では、力が掛からない。一方、力センサ2Aには、チャッキングを完了している状態では、可動部112Bに押され、接触部111Aと可動部112Bとで挟まれることにより、力が掛かる。したがって、力センサ2Aは、チャッキングを完了している状態において、保持部材11Aが加工対象物A1に及ぼす力を検知する。
工作装置B1は、出力部(通信部)3を介して複数の力センサ2Aから送信される検知信号に基づいて、加工対象物A1の加工を開始するか否かを判定する。つまり、工作装置B1は、複数の保持部材11Aが加工対象物A1に力を及ぼすまでは、チャッキングが完了していないと判定する。そして、工作装置B1は、複数の保持部材11Aが加工対象物A1に力を及ぼし始めると、チャッキングが完了したと判定し、加工対象物A1の加工を開始する。
また、制御部4は、出力部(通信部)3を介して複数の力センサ2Aから送信される検知信号に基づいて、チャッキングが完了したと判定すると、複数の保持部材11Aに対して必要以上の推力を与えることがないように、動力源C1を制御する。このため、加工対象物A1は、過剰な力で保持されない。
なお、仮に加工対象物A1がベルトコンベアE1で運ばれてこない場合には、複数の保持部材11Aが加工対象物A1を保持できないので、複数の力センサ2Aはいずれも力を検知しない。したがって、この場合、工作装置B1は、加工対象物A1の加工を開始しない。
上述のように、本実施形態のチャックシステム200では、複数の保持部材11A(保持機構1A)が加工対象物A1を保持するとき、力センサ2Aは、保持機構1Aが加工対象物A1に及ぼす力を検知する。このため、本実施形態では、工作装置B1は、チャッキングが完了したタイミングを知ることができる。本実施形態のチャックシステム200は、動力源C1の制御による伝達部112Aの動作の応答性が安定しない場合や、加工対象物A1の種類に応じて加工対象物A1の厚さが変わる場合などに、とくに有効である。
ところで、本実施形態のチャックシステム200では、力センサ2Aは回転体(チャック本体10)に取り付けられていない。このため、本実施形態では、力センサ2Aは、外部電源から電源ケーブルを介して動作電力を供給される構成であってもよい。もちろん、本実施形態のチャックシステム200は、実施形態1と同様に、力センサ2Aに非接触で動作電力を供給する構成であってもよい。
<変形例>
以下、実施形態2の変形例のチャックシステム300について説明する。ただし、本変形例のチャックシステム300において、実施形態2と共通する構成要素については適宜説明を省略する。
以下、実施形態2の変形例のチャックシステム300について説明する。ただし、本変形例のチャックシステム300において、実施形態2と共通する構成要素については適宜説明を省略する。
本変形例のチャックシステム300は、図13A、図13Bに示すように、保持部材11A(保持機構1A)の代わりである保持部材11B(保持機構1B)と、力センサ2Bとを備えている。保持機構1Bは、実施形態1,2のチャックシステム100,200のように加工対象物A1を押すことで加工対象物A1を保持するのではなく、加工対象物A1を吸引することで保持するように構成されている。
保持部材11Bは、加工対象物A1に接触する接触部13と、推力として吸引力を接触部13に伝達する伝達部14と、ばね部材15とを備えている。
接触部13は、空気を吸引するための吸引口131を有している。伝達部14は、保持部材11Bの長手方向(図13Aにおける上下方向)に長尺な筒体で構成されている。また、接触部13は、保持部材11Bの長手方向に長尺な筒体132を一体に有している。筒体132は、伝達部14の中空部141に挿通されている。そして、筒体132の中空部133は、伝達部14の中空部141と共に、吸引口131から吸引された空気が流れる流路となっている。
ばね部材15は、保持部材11Bの長手方向において、接触部13と伝達部14との間に配置されている。本変形例では、ばね部材15は、コイルばねである。ばね部材15は、その第1端が接触部13に固定され、第2端が伝達部14に固定されている。また、力センサ2Bは、ばね部材15の内側に位置するようにして、伝達部14の一端(図13Aにおける下端)に取り付けられている。力センサ2Bは、力センサ2と同様の構成である。
保持部材11Bは、真空ポンプ(動力源C1)により、図13A、図13Bに示す矢印の向きに空気を吸引されることで、負圧(吸引力)を発生する。そして、加工対象物A1は、図13Bに示すように、保持部材11Bに吸引されることで、接触部13に接触した状態で保持される。
ここで、加工対象物A1が接触部13に接触していない状態、つまりチャッキングをしていない状態では、吸引口131から空気が吸引されるだけであり、接触部13には力が掛からない。一方、加工対象物A1が接触部13に接触している状態、つまりチャッキングをしている状態では、吸引口131が加工対象物A1によって塞がれる。このため、接触部13は、負圧(吸引力)により、ばね部材15を圧縮しながら力センサ2Bに向かって移動する。そして、接触部13が力センサ2Bを押し込むことにより、力センサ2Bに力が掛かる。このため、力センサ2Bは、加工対象物A1が保持部材11Bにより吸引される力、つまり保持部材11B(保持機構1B)が加工対象物A1に及ぼす力を検知することができる。
ここで、実施形態1,2、及び変形例の力センサ2(2A,2B)は、既に説明したように、コア21と、コイル22と、処理回路23とを備えている。コア21は、磁性体で形成され、保持機構1(1A,1B)が加工対象物A1に及ぼす力が掛かる位置に配置される。コイル22は、コア21と磁気的に結合する。処理回路23は、コイル22のインダクタンスに応じて力センサ2の検知結果を含む検知信号を生成する。この構成では、力センサ2(2A,2B)の薄型化を図ることができ、かつ、力センサ2(2A,2B)の耐荷重を向上させることができる。また、磁性体で形成されたコア21は、寸法変化率が小さいことから変形し難い。このため、保持機構1(1A,1B)により加工対象物A1を強力に保持させた場合でも、加工対象物A1を安定して保持することができる。なお、当該構成を採用するか否かは任意である。たとえば、力センサ2(2A,2B)は、ロードセルで構成されていてもよい。
1,1A,1B 保持機構
111,111A,13 接触部
112,112A,14 伝達部
2,2A,2B 力センサ
21 コア
22 コイル
23 処理回路
3 出力部(通信部)
4 制御部
7 電池
100,200,300 チャックシステム
A1 加工対象物
B1 工作装置
C1 動力源
111,111A,13 接触部
112,112A,14 伝達部
2,2A,2B 力センサ
21 コア
22 コイル
23 処理回路
3 出力部(通信部)
4 制御部
7 電池
100,200,300 チャックシステム
A1 加工対象物
B1 工作装置
C1 動力源
Claims (12)
- 保持力を発生することにより、工作装置で加工される加工対象物を保持する保持機構と、
前記保持機構が前記加工対象物に及ぼす力を検知する力センサとを備えることを特徴とするチャックシステム。 - 前記力センサの検知結果を含む検知信号を出力する出力部をさらに備え、
前記出力部は、前記検知信号を前記工作装置に出力するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のチャックシステム。 - 前記力センサの検知結果に基づいて前記保持機構の動力源を制御することで、前記保持力を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載のチャックシステム。
- 前記保持機構は、
前記加工対象物に接触する接触部と、
前記保持機構の動力源から与えられる推力を前記接触部に伝達する伝達部とを有し、
前記力センサは、前記接触部と前記伝達部との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のチャックシステム。 - 前記保持機構の動力源は、油圧又は空圧であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のチャックシステム。
- 給電装置との間の電磁誘導又は磁気共鳴により前記力センサの動作電力を発生する受電コイルをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のチャックシステム。
- 給電装置から電磁波を受けることで前記力センサの動作電力を発生するアンテナをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のチャックシステム。
- 給電装置から光を受けることで前記力センサの動作電力を発生する光電池をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のチャックシステム。
- 前記力センサの検知結果を含む検知信号を送信する通信部をさらに備え、
前記通信部は、前記検知信号を無線により送信するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチャックシステム。 - 前記力センサの検知結果を含む検知信号を出力する通信部をさらに備え、
前記通信部は、前記検知信号を電磁誘導又は磁気共鳴により送信するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチャックシステム。 - 前記力センサの動作電力を発生する電池をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のチャックシステム。
- 前記力センサは、
磁性体で形成され、前記保持機構が前記加工対象物に及ぼす力が掛かる位置に配置されるコアと、
前記コアと磁気的に結合するコイルと、
前記コイルのインダクタンスに応じて前記力センサの検知結果を含む検知信号を生成する処理回路とを備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のチャックシステム。
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2016
- 2016-01-18 JP JP2016007254A patent/JP2017127911A/ja active Pending
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