体内における長期的または永久的な留置によりパッチまたはプロテーゼの性能を犠牲にすることなく、パッチまたは他のプロテーゼを展開するのに適した構造補強を提供することができる展開装置が必要とされている。患者の体内に永久に埋め込まれる異物を少なくする展開装置も必要とされている。本発明は、本明細書を読めば当業者によって理解される他の望ましい特性を有することに加えて、上記および他の必要性に対処するためのさらなる解決法に関する。
本発明の例示的な一実施形態によれば、展開装置は、展開された構成で総外周領域を有するほぼ平坦な形態で構成され、かつ独立して放射状の展開力を加えて展開された構成を達成するように構成された柔軟な支持構造体を含む。柔軟な支持構造体内の分離線は、柔軟な支持構造体の中心部から柔軟な支持構造体の周囲まで一般に渦巻き状に延在している。柔軟な支持構造体の中心部にある分離線の最内端には貫通切断部が配置されている。第1のストラップは、中心部において貫通切断部の近位で柔軟な支持構造体に結合されている。第2のストラップは、中心部において第1のストラップよりも貫通切断部から遠位で柔軟な支持構造体に結合されている。第1のストラップに加えられた引張力により、貫通切断部で始まる分離線に沿った分離を開始することができる。第2のストラップは、第2のストラップに加えられた引張力により分離線に沿って貫通切断部で始まる分離を開始せず、それにより第2のストラップを柔軟な支持構造体を位置決めするための有用な位置決めツールにするように構成および配置されている。
本発明の態様によれば、柔軟な支持構造体は、展開された構成にある場合に柔軟な支持構造体によって占有される総外周領域よりも小さい総外周領域を有するプロテーゼの開口部から取り外されるように構成することができる。本展開装置は分離線を含むことができ、本展開装置は、柔軟な支持構造体の分離線を跨る部分を連結する取り外し可能な連結部材をさらに含むことができる。取り外し可能な連結部材を取り外すために、さらなるストラップを取り外し可能な連結部材に結合することができる。
本発明の態様によれば、本展開装置は分離線を含むことができ、この分離線は、複数の貫通穴または連続ストリップ状の材料を含む。本展開装置は、柔軟な支持構造体内に分離線を含むことができる。上記分離線は、第1の厚さを有する内側部分および第2の厚さを有する外側部分を含むことができ、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい。
本発明の態様によれば、第1のストラップおよび第2のストラップを、柔軟な支持構造体に対して近位側の端部で互いに結合することができる。第1のストラップおよび第2のストラップは、連続する細長いストラップであってもよい。第1のストラップおよび第2のストラップは、本装置を位置決めするのに適した位置決めツールを形成する柔軟な支持構造体に対して遠位側の端部で互いに係止するように構成することができる。第1のストラップおよび第2のストラップは、柔軟な支持構造体から遠位側の位置で互いに係止するように構成することができ、係止された構成にある場合は、本装置を位置決めするための位置決めツールを形成し、係止されていない構成にある場合は、第1のストラップに加えられた引張力により分離線に沿って貫通切断部で始まる分離を開始することができる取り外しツールを形成する。
本発明の態様によれば、展開された構成でほぼ平坦な形態に構成された柔軟な支持構造体の総外周領域は、本装置が、それが配置されるプロテーゼ内に嵌合し、これを完全に拡張および展開させるように大きさ決めおよび寸法決めすることができ、上記プロテーゼは、互いに結合された最上層および最下層を含み、かつ本装置がその中に配置されるように構成されたエンクロージャをその間に形成している。分離線に沿った分離は、柔軟な支持構造体の外周によって形成されたリング構成で終了することができる。強化リップを分離線に沿って配置することができる。
本発明の一実施形態によれば、システムは、互いに結合され、かつその間にエンクロージャを形成する最上層および最下層を含むプロテーゼを含み、最上層は、エンクロージャへの開口部を有し、上記開口部の外周領域は、上記開口部が配置されている最上層の外周領域よりも小さい。展開装置は、エンクロージャ内に取り外し可能に配置されている。本展開装置は、展開された構成で総外周領域を有するほぼ平坦な形態で構成され、かつプロテーゼのエンクロージャ内に配置されている場合は、独立して放射状の展開力を加えて展開された構成を達成するように構成された柔軟な支持構造体を含む。柔軟な支持構造体内の分離線は、柔軟な支持構造体の中心部から柔軟な支持構造体の周囲まで一般に渦巻き状に延在している。中心部において柔軟な支持構造体に結合された第1のストラップは、開口部からプロテーゼの外側に延在している。中心部において柔軟な支持構造体に結合された第2のストラップは、開口部からプロテーゼの外側に延在している。第1のストラップに加えらた引張力により分離線に沿った分離を開始することができる。第2のストラップは、第2のストラップに加えらた引張力により分離線に沿った分離を開始しないように配置することができる。引張力が第1のストラップに加えられると、分離線に沿った分離が生じ、柔軟な支持構造体は、ほぼ平坦な形態から細長い連続ストリップに再構成され、連続的な引張力により、柔軟な支持構造体が最終的にプロテーゼから取り外されるように、細長い連続ストリップを開口部に通過させる。
本発明の態様によれば、貫通切断部を、柔軟な支持構造体の中心部において分離線の最内端に配置することができる。第1のストラップは、貫通切断部の近位に配置することができる。第2のストラップは、第1のストラップよりも貫通切断部から遠位に配置することができる。
本発明の態様によれば、柔軟な支持構造体の分離線に沿った部分は、取り外し前に互いに連結することができ、本展開装置をプロテーゼから取り外すために分離するように構成されている。本展開装置は分離線を含むことができ、この分離線は、複数の貫通穴または連続ストリップ状の材料を含むことができる。本展開装置は、分離線の内端に近接した柔軟な支持構造体の中にそこを貫通して位置する応力緩和孔または開口部をさらに含むことができる。
本発明の態様によれば、分離線は、第1の厚さを有する内側部分および第2の厚さを有する外側部分を含むことができ、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい。第1のストラップおよび第2のストラップは、位置決めツールを形成する係止された構成および展開装置取り外しツールを形成する係止されていない構成をなすように構成することができる。第1のストラップおよび第2のストラップは、柔軟な支持構造体に対して近位側の端部で互いに結合することができる。第1のストラップおよび第2のストラップは、連続する細長いストラップであってもよい。
本発明の態様によれば、柔軟な支持構造体は、プロテーゼを展開されていない構成から展開された構成にするのに十分な力を生じさせる弾性を有することができる。展開された構成でほぼ平坦な形態に構成された柔軟な支持構造体の総外周領域は、この構造体がプロテーゼ内に嵌合し、かつこれを完全に拡張および展開させるように大きさ決めおよび寸法決めすることができる。分離線に沿った分離は、柔軟な支持構造体の外周によって形成されたリング構成で終了することができる。強化リップを分離線に沿って配置することができる。
本発明の一実施形態によれば、キットは、互いに結合され、かつその間にエンクロージャを形成する最上層および最下層を含むプロテーゼを含み、最上層は、エンクロージャへの開口部を有し、開口部の外周領域は、開口部が配置されている最上層の外周領域よりも小さい。キット内に提供されている展開装置は、展開された構成で総外周領域を有するほぼ平坦な形態で構成され、かつプロテーゼのエンクロージャ内に配置されている場合は、独立して放射状の展開力を加えて展開された構成を達成するように構成された柔軟な支持構造体を含むことができる。柔軟な支持構造体内の分離線は、柔軟な支持構造体の中心部から柔軟な支持構造体の周囲まで一般に渦巻き状に延在している。第1のストラップは、中心部において柔軟な支持構造体に結合されている。第2のストラップは、中心部において柔軟な支持構造体に結合されている。第1のストラップに加えらた引張力により、分離線に沿った分離が開始する。第2のストラップは、第2のストラップに加えられた引張力により分離線に沿った分離を開始しないように配置することができる。引張力が第1のストラップに加えられると分離線に沿った分離が生じ得、柔軟な支持構造体は、ほぼ平坦な形態から、プロテーゼの開口部を通過することができる細長い連続ストリップに再構成される。
本発明の例示的な一実施形態によれば、プロテーゼは、実質的に等しい領域を有する第1、第2、第3および第4の四分円に図式的に成分解析可能である。プロテーゼは、第1、第2、第3および第4の四分円のうちの少なくとも2つの中に少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼの周囲まで延在するエンクロージャを含むことができる。柔軟な支持構造体は、少なくとも部分的にエンクロージャ内に取り外し可能に配置することができ、総外周領域を占有することができる。柔軟な支持構造体は、プロテーゼを展開されていない構成から展開された構成にするのに十分な力を生じさせる弾性を有することができる。タブは、柔軟な支持構造体に接合させることができ、エンクロージャの外側に延在することができる。プロテーゼが展開された構成にある場合にタブをプロテーゼから遠ざかる方向に引くと、柔軟な支持構造体によって占有される総外周領域よりも小さい総外周領域を有するプロテーゼの開口部に柔軟な支持構造体を通過させるのに十分な柔軟な支持構造体の再構成が生じ、それにより、柔軟な支持構造体をエンクロージャから取り外すことができるように、柔軟な支持構造体を構成することができる。
本発明の態様によれば、柔軟な支持構造体は、少なくとも1つの柔軟なシート部材を含むことができる。柔軟なシート部材は、実施形態に応じて、展開した状態で重なり合うか重なり合わない2つ以上の部分を含むことができる。柔軟な支持構造体は、そこを貫通して配置された1つ以上のスリットまたは開口部を有する柔軟なシート部材を含むことができる。1つ以上のスリットまたは開口部により、柔軟な支持構造体を取り外す間に、柔軟な支持構造体を、減少した有効直径を描く周囲縁部を有する異なる形状に再構成することができる。柔軟な支持構造体を取り外す間に柔軟な支持構造体が再構成されることにより、柔軟な支持構造体の長さの減少、柔軟な支持構造体の幅の減少、または柔軟な支持構造体の有効直径の減少のうちの少なくとも1つが生じ得る。柔軟な支持構造体は、柔軟な骨組みであってもよい。柔軟な支持構造体は、エンクロージャの半径方向最外面に対して一般に半径方向に外向きの力を加えるように構成することができる。
本発明の態様によれば、タブは、プロテーゼの開口部を通って延在することができる。さらに、プロテーゼの開口部は、中心開口部がエンクロージャへのアクセスを提供するように、プロテーゼの層または表面の中にそこを貫通して配置することができる。プロテーゼの開口部は、エンクロージャの外面にそこを完全に貫通して配置された外側開口部であってもよい。タブは、エンクロージャの外面の外側開口部を通って延在することができる。タブは、1つ以上の細長いストラップを含むことができる。
本発明の態様によれば、柔軟な支持構造体は、柔軟な支持構造体の中心部から柔軟な支持構造体の周囲まで一般に渦巻き状に延在する分離線をさらに含むことができる。渦巻き状の分離線は、連続ストリップ状の材料に沿って辿ることができる。渦巻き状の分離線は、複数の貫通穴を含むことができる。柔軟な支持構造体は、分離線の内端に位置する応力緩和孔をさらに含むことができる。タブは、1つ以上のストラップを含むことができ、柔軟な支持構造体は、1つ以上のストラップを受け入れるための2つ以上のスロットをさらに含むことができる。
縁部は、柔軟な支持構造体の中心部から柔軟な支持構造体の周囲まで、一般に渦巻き状に延在することができる。取り外し可能な連結部材を柔軟な支持構造体に結合することができ、取り外し可能な連結部材により、柔軟な支持構造体の縁部に沿って互いに隣接している部分を確実に連結することができる。取り外し可能な連結部材は、中心部と、中心部に結合された1つ以上の細長い部分とを含むことができ、柔軟な支持構造体は、1つ以上の細長い部分を受け入れるための複数のスリットをさらに含むことができる。タブは1つ以上のストラップを含むことができ、柔軟な支持構造体は、1つ以上のストラップを受け入れるための2つ以上のスロットをさらに含むことができる。応力緩和孔は、縁部の内端に位置づけることができる。
本発明の例示的な一実施形態によれば、埋め込み可能なプロテーゼ展開装置は、埋め込み可能なプロテーゼのエンクロージャ内に少なくとも部分的に取外し可能に挿入するための柔軟な支持構造体を含むことができる。柔軟な支持構造体は、総外周領域を占有することができ、かつ、プロテーゼ内に配置されている場合および展開されていない構成に屈曲された後に、プロテーゼを展開された構成にするのに十分な力を生成するのに十分な弾性を有することができる。タブは、柔軟な支持構造体に接合させることができ、柔軟な支持構造体がプロテーゼ内で展開された構成にある場合に、エンクロージャの外側に延在するのに十分な長さを有することができる。柔軟な支持構造体がプロテーゼ内に挿入されている場合にタブをプロテーゼから遠ざかる方向に引くと、プロテーゼが展開された構成にある場合に柔軟な支持構造体によって占有される総外周領域よりも小さい総外周領域を有するプロテーゼの開口部に柔軟な支持構造体を通過させるのに十分な柔軟な支持構造体の再構成が生じ、それにより、柔軟な支持構造体をエンクロージャから取り外すことができるように、柔軟な支持構造体を構成することができる。
本発明の態様によれば、柔軟な支持構造体は、少なくとも1つの柔軟なシート部材を含むことができる。柔軟なシート部材は、実施形態に応じて、展開した状態で重なり合うか重なり合わない2つ以上の部分を含むことができる。柔軟な支持構造体は、そこを貫通して配置された1つ以上のスリットまたは開口部を有する柔軟なシート部材を含むことができる。1つ以上のスリットまたは開口部により、柔軟な支持構造体を取り外す間に、柔軟な支持構造体を、減少した有効直径を描く周囲縁部を有する異なる形状に再構成することができる。柔軟な支持構造体を取り外す間の柔軟な支持構造体の再構成により、柔軟な支持構造体の断面長さの減少、柔軟な支持構造体の断面幅の減少、またはその両方が生じ得る。柔軟な支持構造体は柔軟な骨組みを含む。柔軟な支持構造体は、エンクロージャの半径方向最外面に対して一般に半径方向に外向きの力を加えるように構成することができる。
本発明の態様によれば、タブは、プロテーゼの開口部を通って延在することができ、開口部は、中心開口部がエンクロージャへのアクセスを提供するように、プロテーゼの層または表面にそこを貫通して配置することができる。開口部は、エンクロージャの外面にそこを完全に貫通して配置された外側開口部を含むことができる。タブは、エンクロージャの外面の外側開口部を通って延在することができる。タブは、1つ以上の細長いストラップを含むことができる。
本発明の態様によれば、柔軟な支持構造体は、柔軟な支持構造体の中心部から柔軟な支持構造体の周囲まで一般に渦巻き状に延在する分離線をさらに含むことができる。渦巻き状の分離線は、連続ストリップ状の材料に沿って辿ることができる。渦巻き状の分離線は、複数の貫通穴を含むことができる。柔軟な支持構造体は、分離線の内端に位置する応力緩和孔をさらに含む。タブは、1つ以上のストラップを含むことができ、柔軟な支持構造体は、1つ以上のストラップを受け入れるための2つ以上のスロットをさらに含むことができる。
本発明の態様によれば、縁部は、柔軟な支持構造体の中心部から柔軟な支持構造体の周囲まで一般に渦巻き状に延在することができる。取り外し可能な連結部材により、柔軟な支持構造体の縁部に沿った部分を互いに連結することができる。取り外し可能な連結部材は、中心部と、中心部に結合された1つ以上の細長い部分とを含み、柔軟な支持構造体は、1つ以上の細長い部分を受け入れるための複数のスリットをさらに含む。タブは、1つ以上のストラップを含むことができ、柔軟な支持構造体は、1つ以上のストラップを受け入れるための2つ以上のスロットをさらに含むことができる。応力緩和孔は、縁部の内端に位置づけることができる。
本発明の例示的な一実施形態によれば、キットは、実質的に等しい領域を有する第1、第2、第3および第4の四分円に図式的に成分解析可能なプロテーゼを含むことができる。プロテーゼは、第1、第2、第3および第4の四分円のうちの少なくとも2つの中に少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼの周囲まで延在するエンクロージャを含むことができる。本キットは、エンクロージャ内に少なくとも部分的に取外し可能に挿入するための柔軟な支持構造体を含むことができる。柔軟な支持構造体は、展開された構成にある場合に総外周領域を占有することができ、柔軟な支持構造体は、プロテーゼ内に配置されている場合にプロテーゼを展開された構成にするのに十分な硬さを有することができる。タブは、柔軟な支持構造体に接合させることができ、柔軟な支持構造体がプロテーゼ内で展開された構成にある場合にエンクロージャの外側に延在するのに十分な長さを有することができる。柔軟な支持構造体がプロテーゼ内に挿入されている場合にタブをプロテーゼから遠ざかる方向に引くと、プロテーゼが展開された構成にある場合に柔軟な支持構造体によって占有される総外周領域よりも小さい総外周領域を有するプロテーゼの開口部に柔軟な支持構造体を通過させるのに十分な柔軟な支持構造体の再構成が生じ、それにより、柔軟な支持構造体をエンクロージャから取り外すことができるように、柔軟な支持構造体を構成することができる。
本発明の例示的な一実施形態によれば、システムは、展開装置およびプロテーゼを含むことができる。プロテーゼは、エンクロージャを形成する第1の層および第2の層を含むことができる。本展開装置は、シートとして構成され、かつエンクロージャ内に少なくとも部分的に取り外し可能に位置づけられた柔軟な支持構造体を含むことができる。柔軟な支持構造体は、総外周領域を占有することができ、プロテーゼを独立して展開された構成にするのに十分な弾性を有することができる。縁部または引裂き線は、柔軟な支持構造体の中心部から柔軟な支持構造体の周囲まで一般に渦巻き状に延在することができる。ストラップは、柔軟な支持構造体からエンクロージャの外側に延在することができる。柔軟な支持構造体の縁部に沿った部分または引裂き線は、取り外し前に互いに連結することができ、かつ本展開装置をプロテーゼから取り外すために分離するように構成することができる。
本発明の態様によれば、柔軟な支持構造体は、プロテーゼが展開された構成にある場合に柔軟な支持構造体によって占有される総外周領域よりも小さい総外周領域を有するプロテーゼの開口部から取り外されるように構成することができる。本展開装置は縁部を含むことができ、本展開装置は、柔軟な支持構造体の縁部に沿った部分を連結する取り外し可能な連結部材をさらに含むことができる。取り外し可能な連結部材を取り外すために、さらなるストラップを取り外し可能な連結部材に結合することができる。本展開装置は引裂き線を含むことができ、引裂き線は、複数の貫通穴または連続ストリップ状の材料を含むことができる。応力緩和孔または開口部は、縁部または引裂き線の内端に近接した柔軟な支持構造体の中にそこを貫通して位置づけることができる。縁部または引裂き線は、互いに連結され、かつそれぞれが柔軟な支持構造体上の少なくとも1つの位置で終了する1つ以上の分岐部を含むことができる。
本発明の態様によれば、本展開装置は、柔軟な支持構造体内に分離線を含むことができる。分離線は、第1の厚さを有する内側部分および第2の厚さを有する外側部分を含むことができ、第1の厚さは第2の厚さよりも大きくすることができる。渦巻き状の貫通切断部は、柔軟な支持構造体内に位置づけることができ、柔軟な支持構造体の内側部分から分離線の内縁まで延在することができる。ストラップは、位置決めツールを形成する係止された構成および展開装置取り外しツールを形成する係止されていない構成をなすように構成された2つのストラップ付属物を含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、展開装置をプロテーゼから取り外す方法は、プロテーゼのエンクロージャ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配置された展開装置を形成し、かつ総外周領域を占有する柔軟な支持構造体であって、プロテーゼを展開されていない構成から展開された構成にするのに十分な力を生じさせる弾性を有する柔軟な支持構造体を掴む工程を含む。次いで、使用者は、柔軟な支持構造体のタブをプロテーゼから遠ざかる方向に引き、それにより、プロテーゼが展開された構成にある場合に柔軟な支持構造体によって占有される総外周領域よりも小さい総外周領域を有するプロテーゼの開口部に柔軟な支持構造体を通過させることができるように、柔軟な支持構造体を再構成する。引き続けることにより、柔軟な支持構造体のタブを、開口部を介してエンクロージャから取り出す。
本発明のこれらおよび他の特性は、添付の図面と共に以下の詳細な記載を参照することでより完全に理解されるであろう。
本発明の例示的な実施形態は、他の従来の展開装置よりも上品かつ効率的な設計を有する、ヘルニアパッチなどのプロテーゼを展開することができる展開装置に関する。本展開装置は、その周縁部で接合された2つの積層によって形成されたプロテーゼの1つ以上のポケットなどのプロテーゼのエンクロージャ内に少なくとも部分的に嵌合する柔軟な支持構造体を含む。柔軟な支持構造体は、プロテーゼを埋め込み後に展開させる(例えば、プロテーゼを丸めたかそれ以外の方法で変形させた構成で埋め込んだ後に独立して展開させ、例えば、ほぼ平坦な形状にする)のに十分な弾性と、屈曲されたか折り畳まれたか、プロテーゼから取り外すためにそれ以外の方法で圧潰されたか歪められた構成をなすことができる十分な柔軟性を有する。特に、柔軟な支持構造体は、本展開装置の総外周領域よりも小さい総外周領域を有するプロテーゼの開口部に柔軟な支持構造体を通過させるのに十分な柔軟性を有することができる。本展開装置は、エンクロージャの外側に延在し、かつ、プロテーゼから遠ざかる方向に引いた場合に、柔軟な支持構造体の取り外しに十分であるように柔軟な支持構造体を再構成させるタブをさらに含むことができる。
従って、本発明の例示的な実施形態に係る展開装置は、プロテーゼが、(例えば、埋め込みのために)何らかの方法で圧潰または圧縮されたか歪められた後でさえ、標的部位において展開された(例えば、一般に平坦で圧潰されていない)構成をなすのに十分な弾性と、プロテーゼから取り外されるのに十分な柔軟性とを有することができる。
本明細書で使用する「柔軟性」という用語は、対象物の柔軟性または対象物が屈曲できる程度という、当該技術分野におけるその従来の意味を採用する。従って、柔軟性は、例えば、弾性変形、塑性変形などの異なる種類の変形による屈曲を含む。
「弾性」という用語は一般に、当該技術分野でよく知られているように、対象物が応力下で可逆的に変形する能力を指す。従って、対象物の変形を生じさせた応力(例えば、1つ以上の外力)の除去後に、弾性により対象物はその元の形状に戻ることができる。弾性は、対象物が拡張(例えば、伸長)によって生じた変形および(例えば、対象物における折り畳み、屈曲などによって引き起こされるような)圧縮によって生じた変形後にある形状に戻る能力を包含する。
図1〜図31B(ここでは、同様の部分は、全体を通して同様の符号で表されている)は、本発明に係る展開装置の例示的な実施形態を示す。図に示されている例示的な実施形態を参照しながら本発明について記載するが、多くの他の形態により本発明を実施できることを理解されたい。当業者であれば、本発明の趣旨および範囲をなお維持するように、要素または材料の大きさ、形状または種類などの開示されている実施形態のパラメータを変更するための多くの異なる方法を知っている。
図1Aは、本発明に係る展開装置100の例示的な実施形態の斜視図である。図1Bは、例示的な展開装置100を上面図によりさらに示し、図1Cは、その側面図をさらに示す。本展開装置100は、柔軟な支持構造体102および1つ以上のタブ104を含む。柔軟な支持構造体102は、多種多様な異なる形状、形態、部分および部材のうちのいずれかを含むことができる。図1Aの例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102は、ほぼ円形状であり、2つの部分106を有する実質的に平坦なシート部材を形成している。2つの部分106はそれぞれ、半径方向遠位端108および半径方向近位端110を含む。2つの部分106は、半径方向近位端110において接合されている。あるいは、2つ(以上)の部分106を、他の位置またはその端部において接合することができる。柔軟な支持構造体102および1つ以上のタブ104はどちらも、実質的に均一な厚さを有していても、その上の異なる位置にわたって変化する厚さを有していてもよい。
1つ以上のタブ104は、任意の突出部もしくは突出部材であってもよい。例示的で非限定的な例として、1つ以上のタブ104は、細長いストラップ、フラップ、ストリップ状の材料、付属物、突起部、任意の他の突出部もしくは突出部材、それらの部分、またはそれらの組み合わせを含むことができる。図1Aに示すように、第1の例示的な実施形態のタブ104は、近位端110またはその近くで柔軟な支持構造体102に接合された2つの細長いストラップを含む。本明細書を読めば当業者によって理解されるように、柔軟な支持構造体102およびタブ104は、押し出しポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、他のプラスチック材料、モノフィラメント材料、シート材料または任意の他の好適な生分解性もしくは非生分解性材料で作製することができる。
図2Aは、例示的なプロテーゼ112の分解図である。例示的なプロテーゼ112は、図2Bでは斜視図により、図2Cでは断面側面図によりさらに示されている。例示的なプロテーゼ112は、2つ以上の積層で形成することができる。2つ以上の積層は、第1の層(例えば、最上層)114および第2の層(例えば、最下層)116を含むことができる。第1の層114および第2の層116はそれぞれ、柔軟なシートメッシュであってもよい。非限定的な例として、上記メッシュは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、他の好適なフルオロポリマー材料または任意の他の好適な材料で作製することができる。第1の層114および第2の層116を、綴じ目(例えば、第1の層114の外周118)において、接合(例えば、取り付け、連結、接着、締結、縫い付け、縫合またはそれ以外の方法で互いに結合)することができる。本明細書に示されている例示的な実施形態では、(図2A〜図2Cの例示的な実施形態に示されているように)実質的に第1の層114の外周118まで、実質的に第2の層116の外周120まで、あるいはその両方まで延在するエンクロージャ124の形成を可能にするために、第1の層114および第2の層116を、第1の層114の外周118またはその近くで接合することができる。
プロテーゼ112は、例えば腹腔鏡下修復術における固定中にプロテーゼ112を縫合するためのフラップとして機能させるために、第1の層114の外周と第2の層116の外周との間に部分126を含むことができる。あるいは、例えば切開によるヘルニア修復術中に第1の層114を取り付けること(鋲止め、縫合など)により、固定を行うことができる。一般に、本発明は、任意の特定の固定処置に限定されない。それどころか、当業者であれば、特定の種類の外科手術に応じたプロテーゼ112の多種多様な取り付け方法を知っている。
さらに、当然のことながら、図2A〜図2Cの例示的なプロテーゼ112は、本発明の実施形態を限定するものではない。従って、本明細書に記載されている例示的な実施形態は、図の例示的なプロテーゼ(例えば、ヘルニアパッチ)について繰り返し述べているが、本明細書を読めば当業者によって理解されるように、本発明の実施形態は、任意の従来のプロテーゼ、公知のプロテーゼまたはそれ以外の好適なプロテーゼのために構成し、かつそれらにおいて利用することができる。
第1の層114は、例えばエンクロージャ124へのアクセスを可能にするための、その中に、あるいはそこを貫通して配置された開口部122を含むことができる。開口部122は、プロテーゼ112上に内周134を形成することができる。図2A〜図2Cに示すように、開口部122は、第1の層114の中、すなわち、第1の層114の外周118の中に全体が含まれている内側開口部として構成することができる。さらに、開口部122は、中心開口部であってもよく、すなわち、実質的に第1の層114の中心にあってもよい。あるいは、開口部122は、第1の層114または第2の層116上の他の場所に位置していてもよく、かつ/またはその縁部まで延在することができる。開口部122は、ほぼ円形状として示されているが、開口部122は、(非限定的な例として)長楕円形、多角形、楕円形、星形、三角形、矩形、五角形、六角形などの一般的な形状を含む任意の所望の形状を有していてもよい。さらに、開口部122は、柔軟な支持構造体102の形状を模倣するか柔軟な支持構造体102の1つ以上の部分を模倣するように成形することができる。あるいは、本明細書を読めば当業者によって理解されるように、プロテーゼ112の配置直前に、外科医によって開口部122を、(例えば、柔軟な支持構造体102の形状を模倣するように)調整および/または整形してもよい。
図3Aは、図2A〜図2Cのプロテーゼ112と、プロテーゼ112の中に挿入された図1A〜図1Cの展開装置100とを含む例示的なシステムを示す。エンクロージャ124の外側に延在するタブ104は、例えば、エンクロージャ124の外側縁部を超えて突出している。柔軟な支持構造体102は、実質的にプロテーゼ112の外周まで延在している(この場合、実質的に第1の層114の外周118および第2の層116の外周120の両方まで延在している)。いくつかの実施形態では、柔軟な支持構造体102は、柔軟な支持構造体102が展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に、エンクロージャ124の半径方向最外面125までそこに接触して延在している。従って、柔軟な支持構造体102は、展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に、エンクロージャ124の半径方向最外面125に対して一般に半径方向に外向きの力を加えるように構成することができる。
図3Aに示すように、展開装置100は、プロテーゼ112内で展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成をなすことができる。より具体的には、図3Aの例示的な実施形態では、展開装置100の展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成は、柔軟な支持構造体102内に折り目、しわ、屈曲部、座屈部などが存在しないことを特徴とする。展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成により、プロテーゼ112は同様に展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成をなすことができる。例えば、柔軟な支持構造体102の大きさおよび/または形状は、柔軟な支持構造体102が展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に、プロテーゼ112を展開させるのに十分なものであればよい。
さらに、図3Bは、展開装置100およびプロテーゼ112を含む図3Aのシステムの上面図である。明確性のために、タブ104は図示していない。図3Bは、プロテーゼ112を実質的に等しい領域の4つの四分円すなわち四分円I、四分円II、四分円IIIおよび四分円IVに図式的に成分解析することができることを示している。4つの四分円I、II、IIIおよびIVは、プロテーゼ112の中心点132を通る水平軸130および垂直軸128によって分割されている。例示的な実施形態では、エンクロージャ124(図3Bの上面図では確認できない)を、4つの四分円I、II、IIIおよびIVのうちの少なくとも2つに少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼ112の周囲(例えば、第1の層114の外周118または第2の層116の外周120)まで延在するように形成することができる。さらに、エンクロージャ124は、四分円I、II、IIIおよびIVのうちの少なくとも1つ、少なくとも3つまたは4つ全てに少なくとも1回でプロテーゼ112の周囲まで延在することができる。エンクロージャ124は、中心点132の周りに閉ループを形成することができ、図3A〜図3Cの例示的な実施形態に示されているように、例えば、開口部122によって形成された内周134の周りに延在することができる。
さらに、柔軟な支持構造体102は、四分円I、II、IIIおよびIVのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたは4つ全てにおいて、エンクロージャ124の中に延在することができる。例示的な実施形態では、図3Bに示すように、柔軟な支持構造体102は、4つの四分円I、II、IIIおよびIVのうちの少なくとも2つの中に少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼ112の外周(例えば、外周118および/または外周120)まで延在している。さらなる例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102は、4つの四分円I、II、IIIおよびIVのうちの少なくとも3つの中に少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼ112の外周(例えば、外周118および/または外周120)まで延在している。なおさらなる例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102は、4つの四分円I、II、IIIおよびIVのうちの4つ全ての中に少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼ112の外周(例えば、外周118および/または外周120)まで延在している。
図3Aを続けて参照すると、タブ104は、エンクロージャ124の外側に延在することができる。例えば、図示のように、展開装置100がプロテーゼ112内に位置している場合、タブ104の両方が開口部122の外に延在している(あるいは、図10Bを参照しながら示される後の実施形態に記載されているように、タブ104を開口部の下に延在するように構成することができる)。タブ104が開口部122の外に延在しているそのような実施形態では、タブ104は、例えば図3Aに示すように、平坦でない構成をなすことができる。但し、タブ104は、図3Dの例示的な実施形態に示されているように、平坦な構成をなすように構成することもできる。例えば、タブ104をヒンジによって柔軟な支持構造体102に結合させたり、それ以外の方法で柔軟な支持構造体102に対して回転または回動させたりすることができる。これにより、展開装置100は、展開装置100を販売するために必要な包装の大きさを小さくするのに有用であり得る実質的に平坦な構成をなすことができるようになる。従って、タブ104が平坦な構成で包装されているそのような実施形態では、包装から取り出した後に、タブ104をより使用に適した(例えば、図3Aに示すような)平坦でない構成になるように後で移動させることができる。
展開装置100がプロテーゼ112内に配置されている場合にプロテーゼ112の外科医による手術中の操作を容易にするために、タブ104を、硬い(例えば、柔軟な支持構造体102よりも硬い)材料で作製することができる。あるいは、タブ104を、柔軟な支持構造体102よりも柔軟な材料で作製することができる。一般に、当業者であれば、タブ104を作製する際に利用することができる多種多様な好適な材料を知っている。
柔軟な支持構造体102は、例えば、展開装置100を取り扱う外科医または他の操作者により加えられる外部からの圧潰力が存在しない状態で、柔軟な支持構造体102が独立して展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成をなすのに十分な弾性を有する材料で形成することができる。例えば、柔軟な支持構造体102の材料の弾性は、柔軟な支持構造体102が、患者の体内への挿入のために丸められた後などに独立して展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成に戻るのに十分であればよい。従って、柔軟な支持構造体102を(例えば、丸められたか折り畳まれた構成で)プロテーゼ112の中に挿入し、かつプロテーゼ112の中に埋め込んだ後に、柔軟な支持構造体102の弾性により、柔軟な支持構造体102およびプロテーゼ112は、展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成に戻る(あるいは、そうでなければそのような形態をなす)ことができる。
柔軟な支持構造体102には、所望の値の柔軟性および弾性が得られる特定の厚さおよび材料の種類を付与することができる。例えば、切開によるヘルニア修復のために埋め込まれる本発明のいくつかの実施形態では、柔軟な支持構造体102は、約0.0075インチ〜約0.010インチの実質的に均一な厚さを有する押し出しポリエステルまたはポリプロピレンで作製されている。当業者であれば、この厚さの値は、永久リングもしくはフレーム部材を利用する既存の先行技術の展開装置よりも実質的に薄い装置を表していることが分かる。
さらに、柔軟な支持構造体102の柔軟性は、展開装置100をプロテーゼ112から取り外す間、例えば、プロテーゼ112が適所に保持されている間に、柔軟な支持構造体102を圧潰された(例えば、折り畳まれたか屈曲された)構成にするのに十分に高い柔軟性であればよい。例えば、取り付けられたプロテーゼ112から遠ざかる方向にタブ104を引くことにより柔軟な支持構造体102に対して外科医によって与えられる上方への引張力により、柔軟な支持構造体102をプロテーゼ112のエンクロージャ124から解放するのに必要な屈曲、折り畳み、圧潰または柔軟な支持構造体102の形状における他の再構成を開始することができる。これは、プロテーゼ112から取り外す間の図3Aの展開装置100を示す図3Cに示されている。
一例として、(例えば、プロテーゼを、組織、筋肉壁などに対して適所に固定するために縫合または鋲止めを用いて)プロテーゼ112を固定された位置に保持し、かつ同時にタブ104を上向き140(図3Cを参照)などのプロテーゼ112から遠ざかる方向に引くことにより、展開装置100を取り外すことができる。そのようなプロセスの間、柔軟な支持構造体102は、タブ104が柔軟な支持構造体102に接合されている位置で上向きの力を受ける。上向きの力により、柔軟な支持構造体102は、第2の層116から離れるように押し上げられ、第1の層114に接触する。持ち上げる動きにより、第1の層114が柔軟な支持構造体102との接触に応答して同様に持ち上げられるにつれて、エンクロージャ124の高さは拡大することができる。上方に引き続けると、第1の層114と接触している柔軟な支持構造体の部分102は、上方への動きに抵抗する下方への力を受けるようになるが、第1の層114によって覆われていない他の部分(例えば、開口部122の真下に位置する部分)は、そのような抵抗を受けない。加えられる力の差により、柔軟な支持構造体102に、柔軟な支持構造体102がその有効断領域を減少させてプロテーゼ112の開口部122を通過することができる十分な再構成(例えば、形状、向きまたはその両方における変形)が生じる。例えば、柔軟な支持構造体102の再構成は、屈曲、折り畳み、しわの形成、座屈または他の圧潰動作もしくは状態のうちの少なくとも1つを含むことができる。
柔軟な支持構造体102の大きさおよび/または向きは、開口部122の形状および/または大きさとは異なってもよい。例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102は、大きさ(例えば、1つ以上の寸法、領域、占有される体積、有効断領域など)が開口部112よりも大きい。例えば、柔軟な支持構造体102がほぼ円形の頂部輪郭形状を有する実施形態では、柔軟な支持構造体102は、開口部122の直径よりも大きな有効直径を有することができる。柔軟な支持構造体102が一般に非円形の頂部輪郭形状を有する実施形態では、柔軟な支持構造体102は、開口部122の長さまたは幅よりも大きな長さまたは幅を有することができる。別の言い方をすると、柔軟な支持構造体102は、展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成でプロテーゼ112内に配置されている場合、一般に開口部112の頂部輪郭形状を超えて延在する頂部輪郭形状を有することができる。
さらに、開口部122は、プロテーゼ112および柔軟な支持構造体102が(図3Aに示すような)展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合、柔軟な支持構造体102によって占有される総外周領域よりも小さい総外周領域を有することができる。さらなる実施形態では、開口部122は、プロテーゼ112および柔軟な支持構造体102が展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合、柔軟な支持構造体102によって占有される総外周領域よりも実質的に小さい総外周領域を有することができる。なおさらなる実施形態では、開口部122は、プロテーゼ112および柔軟な支持構造体102が展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合、柔軟な支持構造体102によって占有される総外周領域よりも著しく小さい総外周領域を有することができる。いくつかの例として、プロテーゼ112の特定の形状に応じて、柔軟な支持構造体102(プロテーゼ112内で展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合)は、開口部122によって占有される総外周領域よりも、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約100%以上、約105%以上、約110%以上、約115%以上、約120%以上、約125%以上、約130%以上、約135%以上、約140%以上、約145%以上、約150%以上、約155%以上、約160%以上、約165%以上、約170%以上、約175%以上、約180%以上、約185%以上、約190%以上、約195%以上、約200%以上または約200%超(あるいはそれらの間にあるいくつかの中間値)大きい総外周領域を有することができる。
柔軟な支持構造体102の総外周領域は一般に、真上から見た場合に(例えば、図3Bの上面図)、その周囲の上または中に柔軟な支持構造体102の輪郭全体を完全に含むように描くことができる最小の理論上の円の領域として定めることができる。例えば、図4Aは、異なる長さを有し得る複数の接合された付属物136を有する柔軟な支持構造体102の別の例を示す。各付属物136は、遠位端108および近位端110を含む。上から見た場合、理論上の円138は、柔軟な支持構造体102の輪郭全体を囲む太い破線で示されている。理論上の円138は、(その周囲の中または上に)柔軟な支持構造体102の輪郭全体を含み、かつ柔軟な支持構造体102の周囲が理論上の円138の上の少なくとも3つ位置で交差しているため、理論上の円138は、プロテーゼ102の周りに描くことができる可能な限り最小の理論上の円である。従って、図4Bは、(その周囲の中または上に)図1A〜図1Cの柔軟な支持構造体102の上面図の輪郭全体を含んでいる最小の理論上の円138を示す。同様に、開口部122の総外周領域もこのように決定することができる。
従って、取り外しの間、柔軟な支持構造体102は、例えば、展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある柔軟な支持構造体102の高さと比べて柔軟な支持構造体102の高さが増加した再構成をなすことができる。さらに、取り外しの間、柔軟な支持構造体102は、総外周領域の減少を特徴とする再構成をなすことができる。例えば、これは図3Cに示されており、図3Cは、取り外しの間の、図3Aに示されている展開された(例えば、ほぼ平坦な)柔軟な支持構造体102の部分106を形成するシート部材の高さよりも大きな高さを有するほぼ円錐体のような3次元形状を有する柔軟な支持構造体102を示す。例えば、切開によるヘルニア修復のために構成された例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102を、約2.6インチの直径を有するほぼ連続する平坦な円から約0.5インチの直径を有する円形の開口部領域内に嵌合するのに適した構成に変えることができる。当業者であれば、これらの値は例示であって、本発明を限定するものではないことが分かる。
例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102は、プロテーゼ112のエンクロージャ124内に配置することができ、例えば、図3Aに示すように、プロテーゼ112を展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にするように、その中の総外周領域を占有することができる。
図1A〜図1Cは、例示的な柔軟な支持構造体102を2つの部分106のみを有するものとして示しているが、柔軟な支持構造体102は、それ以上またはそれ以下のそのような部分を有することができる。例えば、図5Aは、4つのそのような部分106からなる展開装置100の別の例示的な実施形態を示す。4つの部分106は、実質的に等しい領域に分割されており、実質的に同様の形状および寸法を有する。他の実施形態では、各種部分106の形状、領域および寸法は、例えば、柔軟な支持構造体102が嵌合するプロテーゼ112の形状によって異なり得る。スリット142などの薄く細長い開口部によって、部分106の一部または全てを互いに分離することができる。スリット142により、柔軟な支持構造体102を、プロテーゼ112から取り外す間に、減少した直径または有効直径、すなわち、プロテーゼ112内で展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に柔軟な支持構造体102の周縁部の直径よりも小さい直径を呈する周縁部を有する異なる形状に再構成させることができる。図5Bは、展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成でプロテーゼ112内に配置された展開装置100を示し、図5Cは、プロテーゼ112から取り外す間の展開装置100をさらに示す。
展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合、例えば、図3Aおよび図5Bに示すように、1つ以上の部分106は重なり合っていなくてもよい。あるいは、1つ以上の部分106は重なりあっていてもよい。例えば、図6Aは、それぞれがその2つの隣接する部分と重なり合っている3つの部分106a、106bおよび106cを含む別の例示的な実施形態を示す。これは図6Bに示されており、図6Bは、3つの部分106a、106bおよび106cを分解図により示す。部分106bは、展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に部分106aによって覆われているフラップ144bを含む。同様に、部分106cは、展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に部分106bによって覆われているフラップ144cを含む。さらに、部分106aは、展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に部分106cによって覆われているフラップ144aを含む。図6Cは、プロテーゼ112内に配置された図6Aの展開装置をさらに示す。
柔軟な支持構造体102の部分106は一般に、多種多様な他の形状、相対寸法および/または大きさを有することができる。例えば、図7A〜図7Fは、柔軟な支持構造体102のさらなる実施形態を示す。当業者であれば、これらの例は、さらなる例示のために提供されており、本発明を限定するものではないことが分かる。それどころか、さらに他の形状、大きさ、相対寸法および/または向きならびにそれらの組み合わせを有する多種多様な異なる柔軟な支持構造体102および開口部122が可能であり、本発明によって意図されている。
図7Aは、それぞれがほぼ歪んだ矩形のような形に成形された6つの重なり合う部分106を含む、本発明の例示的な一実施形態に係る柔軟な支持構造体102を示す。図7Bは、それぞれが一般に円のような形に成形された6つの重なり合う部分106を含む本発明の別の例示的な実施形態に係る柔軟な支持構造体102を示す。図7Cは、それぞれが一般に歪んだ三角形のような形に成形された6つの重なり合う部分106を含む、本発明のさらに別の例示的な実施形態に係る柔軟な支持構造体102を示す。
さらに、本明細書に提供されている実施形態は、一般にシート部材で形成された柔軟な支持構造体102を含むが、異なる形状および形態を有する他の実施形態が可能である。例えば、柔軟な支持構造体102は、図7D〜図7Fの例示的な実施形態に示されているように、骨組みの形態をなすことができる。より具体的には、図7Dは、近位リング146によって接合された3つの部分106を有する骨組みを形成する本発明の別の例示的な実施形態に係る柔軟な支持構造体102を示す。図7Eは、中心部106によって接合された4つの付属物136を有する骨組みを形成する本発明の別の例示的な実施形態に係る柔軟な支持構造体102を示す。図7Fは、例えばプロテーゼ112上のエンクロージャ124の縁部の形状を模倣した、それぞれが一般に半円として成形された2つの部分106を有する骨組みを形成する本発明の別の例示的な実施形態に係る柔軟な支持構造体102を示す。1つ以上の付属物136を結合する部分のさらに他の種類および配置が可能である。
本明細書に示されている柔軟な支持構造体102の例示的な実施形態は一般に、柔軟な支持構造体102上で互いに結合されている各種部分106を含むが、柔軟な支持構造体102の他の実施形態は、柔軟な支持構造体上で結合されていない2つ以上の部分106を含むことができる。例えば、図8は、タブ104によって操作上互いに結合された2つの部分106を含む展開装置100の他の実施形態の側面図である。特に、タブ104は、柔軟な支持構造体102から遠ざかるように延在するU字形の細長いストラップを形成し、その遠位端148で折り曲げられている。タブ104は、部分106のそれぞれと結合されており、例えば、それらと一体化されて形成されているか、それらに取り付けられているか、それらに縫い付けられているか、それらに縫合されているか、それらに連結されているか、それらに締結されているか、それらに接着されているか、あるいはそれ以外の方法でそれらに結合されている。
図1A〜図8の例示的な実施形態は、ほぼ円形に成形されたプロテーゼ112のために構成されている。但し、他の(例えば、非円形の)形状を有するプロテーゼ112のための本発明の実施形態を、代わりに実施することができる。そのような他の実施形態では、展開装置100は、例えば、第1の層114の外周118、第2の層116の外周120またはその両方の形状を模倣した外周を有するように調整された、図1A〜図8のうちのいずれかの柔軟な支持構造体102を含むことができる。
例えば、図9は、第1の層114および第2の層116がどちらも一般に、矩形(より具体的には、丸みのある角を有する矩形)として成形されたプロテーゼ112のさらなる例示的な実施形態を示す。第1の層114および第2の層116は接合されており、図2A〜図2Cの例示的なプロテーゼ112と同様に、その間にエンクロージャ124の形成を可能にする。図10Aは、図10Aのプロテーゼ112のために構成された展開装置100の例示的な実施形態を示す。図示のように、展開装置102は、ほぼ矩形の形状(例えば、ほぼ湾曲した矩形の形状または丸みのある縁部を有するほぼ矩形の形状)を有する骨組みを含む。タブ104は、柔軟な支持構造体102の片側から柔軟な支持構造体102の別の(例えば、対向)端に向かって延在する突出フラップである。タブ102は、取り外しのためにタブ102を掴んで引くことができる十分な長さを有することができる。
図10Bは、図9のプロテーゼ112内に配置された図10Aの展開装置100を示す。図1A〜図8の例示的な実施形態と同様に、1つ以上のタブ104は、エンクロージャ124の外側に延在することができる(例えば、エンクロージャ124の外側縁部を超えて突出することができる)。さらに、柔軟な支持構造体102は、プロテーゼ112をそのように図式的に成分解析することができる、実質的に等しい領域の四分円I、II、IIIおよびIVのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたは4つ全てにおいてエンクロージャ124の中に延在している。さらに、例示的な実施形態では、図10Bに示すように、柔軟な支持構造体102は、4つの四分円I、II、IIIおよびIVのうちの少なくとも2つの中に少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼ112の外周(例えば、外周118および/または外周120)まで延在している。さらなる例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102は、4つの四分円I、II、IIIおよびIVのうちの少なくとも3つの中に少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼ112の外周(例えば、外周118および/または外周120)まで延在している。なおさらなる例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102は、4つの四分円I、II、IIIおよびIVのうちの4つ全ての中に少なくとも1回だけ実質的にプロテーゼ112の外周(例えば、外周118および/または外周120)まで延在している。
図10Bに示すように、タブ104は、柔軟な支持構造体102の長さ152を2つの等しい半分に分割する柔軟な支持構造体102上の位置に配置することができる。あるいは、タブ104を柔軟な支持構造体102上の他の場所に配置することができる。タブ104は、開口部122の長さ150のある割合にわたって延在することができる。実例として、タブ104は、開口部122の長さ150の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約100%にわたって、あるいは、例えば、展開装置100をプロテーゼ112から取り外すためにタブ104を掴むことができる十分な別の量にわたって延在することができる。
さらに、本明細書に記載および図示されている特定の実施形態は、1つ以上のタブ104が開口部112を貫通するかその下に突出していることを示しているが、タブ104は、代わりまたは追加として、プロテーゼ112の他の部分の中にそこを貫通して配置された異なる開口部を通って突出するように構成することができる。例えば、図11Aは、柔軟な支持構造体102に接合されている2つのタブ104を含み、かつ柔軟な支持構造体102の中心点から遠ざかるように外向きに1つ以上の結合点から延在し、例えば、柔軟な支持構造体102の外側縁部を超えて延在する展開装置100の他の実施形態を示す。図11Aの例示的な実施形態における2つのタブ104はそれぞれ、柔軟な支持構造体102のほぼ矩形の形状(非限定的な例として、ほぼ湾曲した矩形の形状または丸みのある縁部を有するほぼ矩形の形状)から逸脱し、そこを超えて延在する突出部を含む。図11Bは、プロテーゼ112の中に配置された展開装置100を示す。図11Bから分かるように、タブ104は、プロテーゼ112の外側縁部を超えて横方向に延在している。
従って、タブ104は、プロテーゼ112の側面にそこを貫通して配置された開口部154を通って延在することができる。開口部154は図11Bの斜視図では確認することができないが、明確性のために、開口部154の位置に参照符号が付されている。単に非限定的な一例として、プロテーゼ112の開口部154は、第1の層114および第2の層116を結合する縫合により形成することができる。図11Bに示すように、タブ104は、第2の層116を超え、開口部154を通り、第2の層116の外周120を超えて(例えば、プロテーゼ112の周囲を超えて)延在することができる。開口部154は、図11Cの側面図によりさらに示されている。
図1A〜図8の例示的な実施形態に関して先に記載したように、柔軟な支持構造体102の大きさおよび/または向きは、1つ以上のタブ104がそこを通って延在する開口部154の形状および/または大きさとは異なっていてもよい。例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102の大きさ(例えば、1つ以上の寸法、領域、占有される体積など)は、開口部154よりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、柔軟な支持構造体102は、開口部154の長さ158よりも大きい長さ152を有する。別の例として、柔軟な支持構造体102は、プロテーゼ112内に配置され、かつその中で展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に、開口部112の対応する輪郭と重なり合わない(上から見た場合)少なくとも1つの部分を含む輪郭(上から見た場合、例えば、図3Bの上面図)を有することができる。
さらに、開口部112は、プロテーゼ112および柔軟な支持構造体102が(図3Aに示すように)展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に、柔軟な支持構造体102によって占有される総外周領域よりも小さい総外周領域を有することができる。さらなる実施形態では、開口部154は、プロテーゼ112および柔軟な支持構造体102が展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に、柔軟な支持構造体102によって占有される総外周領域よりも実質的に小さい総外周領域を有することができる。なおさらなる実施形態では、開口部154は、プロテーゼ112および柔軟な支持構造体102が展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に、柔軟な支持構造体102によって占有される総外周領域よりも著しく小さい総外周領域を有することができる。いくつかの例として、プロテーゼ112の特定の形状に応じて、柔軟な支持構造体102(プロテーゼ112内で展開された、例えばほぼ平坦な構成にある場合)は、開口部122によって占有される総外周領域よりも約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約100%以上、約105%以上、約110%以上、約115%以上、約120%以上、約125%以上、約130%以上、約135%以上、約140%以上、約145%以上、約150%以上、約155%以上、約160%以上、約165%以上、約170%以上、約175%以上、約180%以上、約185%以上、約190%以上、約195%以上、約200%以上または約200%超(あるいは、その間にある中間値)大きい総外周領域を有することができる。
図11Dは、開口部154を介してプロテーゼ112から取り外す間の図11A〜11Cの展開装置100を示す。図示のように、柔軟な支持構造体102は、例えば、屈曲、折り畳みまたは他の圧潰された状態のうちの少なくとも1つを含む圧潰された構成をなすことができる。圧潰された構成により、柔軟な支持構造体102は開口部154を通過することができ、それによりエンクロージャ124から引き抜くことができる。図1A〜図8の実施形態と同様に、展開装置100の取り外しにより、タブ104の一方または両方をプロテーゼ112から遠ざかる方向に引くことにより生じさせることができるエンクロージャ124の拡張が生じ得る。非限定的な例として、柔軟な支持構造体102の(例えば、形状、向きまたはその両方における)再構成は、例示的な方向140a、140b、140cのうちの任意の一方向またはプロテーゼ112から遠ざかる別の方向にタブ104のうちの1つを引くことにより生じさせることができる。
さらに他の実施形態が可能である。例えば、タブ104は、挿入装置、位置決め装置または別の装置もしくは構成要素などの1つ以上のさらなる構成要素を含むことができる。図12Aは、タブ104が、突出部164および挿入装置160を含む本発明のさらなる実施形態に係る展開装置100示す。例えば、挿入装置160は、その中に柔軟な支持構造体102(および突出部164)を移動可能に配置することができる細長い一般に管状の中空ロッドであってもよい。挿入装置160は、(例えば、タブ104、柔軟な支持構造体のある部分、または挿入装置160内に残っているさらなる遊びなどにおいて)展開装置100に結合させるかそれ以外の方法で接合させることができる。挿入装置160は、金属、プラスチックまたは任意の他の好適な材料で作製することができる。
図12Bに示すように、挿入装置160は、例えば、その中に含まれているが開放した遠位端162で露出していない柔軟な支持構造体102と共に、開口部154からプロテーゼ112の中に挿入することができる。適当に(例えば、少なくとも開口部122の幅全体にわたって)配置されると、挿入装置160を、もはやプロテーゼ112内に配置されないように開口部154をから取り出すことができ、それにより、図12Cの例示的な展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成に示されているように、柔軟な支持構造体102を展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にすることができる。プロテーゼ112を解剖学的欠損部である標的部位に好適に取り付けるか埋め込んだら、タブ104(例えば、挿入装置160および/または突出部164)をプロテーゼ112から遠ざかる方向に引くことができ、これにより、柔軟なプロテーゼ102の再構成および展開装置100の取り外しが可能となる。
あるいは、挿入装置160を展開装置100に結合せず、最初にそこから分離することができる。例えば、展開装置100をその中に配置する前に、挿入装置160をプロテーゼ112の中に挿入することができる。挿入装置160を挿入し、かつプロテーゼ112内に適切に配置したら、展開装置100を取り扱う外科医または他の操作者は、挿入装置160の管状長さを通して開放した遠位端162の外に移動するように、挿入装置160を通して展開装置100を「送り込む」ことができる。同時またはその後に、挿入装置160をプロテーゼ112から遠ざけるように引いて、そこから取り出すことができ、それにより柔軟な支持構造体102を露出させ、かつそれを展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にすることができる。取り外す準備が整ったら、埋め込まれたプロテーゼ112のエンクロージャ124から引き出すために、タブ104の突出部164を使用して展開装置100を再構成させることができる。
さらに、挿入装置160は、追加として、プロテーゼ112を挿入するための道具として機能することもできる。例えば、図12Bに示すように(例えば、柔軟な支持構造体102が挿入装置160の中に含まれた状態で)挿入装置160を配置したら、プロテーゼ112を挿入装置160の周りに巻き付けることができる。次に、挿入装置160を、その周りに巻き付けられたプロテーゼ112と共に、解剖学的欠損部である標的部位において体内に挿入することができる。図12Cに示すように、プロテーゼ112を標的部位において広げることができ、挿入装置160をプロテーゼ112から遠ざけるように引いてそこから取り出すことができる。場合によっては、柔軟な支持構造体102を展開する間、挿入装置160をエンクロージャ124の周囲においてプロテーゼ112の中に残すことができる。これは、柔軟な支持構造体102を、確実にプロテーゼ112の中で完全に展開させるのに有利であり得る。
従って、これらおよび他の実施形態のために、柔軟な支持構造体102はさらに、例えば、挿入、位置決めもしくは他の装置を用いて体内に挿入するのに十分に圧潰された構成にするのに十分に柔軟なものにすることができる。
さらに、本明細書に記載および図示されている実施形態に係るプロテーゼおよび展開装置は、キットとして包装および販売することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態に係るキットはそれぞれ、例えば、丸められたかそれ以外の方法で圧潰された構成または圧潰されていない構成でプロテーゼの中にそれぞれ挿入される1つ以上の展開装置を含む。本発明の他の実施形態では、本キットはそれぞれ、1つ以上のプロテーゼと、1つ以上のプロテーゼの中に挿入されていない1つ以上の展開装置とを含むことができる。例えば、そのようなキット200が図13に示されている。当業者であれば、キット200に含まれる展開装置100およびプロテーゼ112の数に制限がないことが分かる。例えば、キット200は、第1のプロテーゼ1121、第2のプロテーゼ1122...第nのプロテーゼ112nを含むことができる。同様に、キット200は、第1の展開装置1001、第2の展開装置1002...第nの展開装置100nを含むことができる。キット200内のプロテーゼ112および展開装置100の数は同じである必要はない。さらに、代わりとして、プロテーゼ112および展開装置102のうちの一方または両方を別々に包装および/または販売することができる。
さらに他の実施形態が可能である。図14は、渦巻き状の構成を有する柔軟な支持構造体102の例示的な実施形態を示す。特に、柔軟な支持構造体102は、渦巻き状の縁部172を含む。本明細書中の「渦巻き状の縁部」とは、柔軟な支持構造体102の内側(例えば、中心)部分から柔軟な支持構造体102の周囲上の1つ以上の位置まで延在する1つ以上の連結された縁部の配置を指す。例示的な実施形態では、渦巻き状の縁部172は、(例えば、少なくとも1つの完全な回転をなして)完全に360°1周している。さらに、例示的な実施形態では、渦巻き状の縁部172は螺旋状の縁部である。図14に示すように、渦巻き状の縁部172は、柔軟な支持構造体102の中心に近接した内端と、柔軟な支持構造体102の周囲上の位置にある外端とを含む。柔軟な支持構造体102の渦巻き状の縁部172に沿って隣接している部分は、渦巻き状の縁部172に沿って連続しておらず、物理的に連結されていない。渦巻き状の縁部172によって形成された連続していない物理的に連結されていない部分は、取り外し可能な連結部材により適所に保持される。
例えば、図15は、中心部171で接合され、かつ十字形の形状をなしている4つの細長い矩形部分170を含む、そのような取り外し可能な連結部材168の例示的な実施形態を示す。いくつかの実施形態では、取り外し可能な連結部材168は、鋲止めまたは縫合により容易に貫通しない保護膜を含む。例えば、保護膜は、取り外し可能な連結部材168から独立し、かつ柔軟な支持構造体102への挿入前に、取り外し可能な連結部材168の上を滑動する構成要素であってもよい。これは、望ましくない位置(例えば、展開装置100および/または患者の内臓の上)での外科医による意図しない固定を防止するのに役立つ保護対策を提供するのに有用であり得る。保護膜は、ストラップスロット174を有する位置合わせされた(横並びに配置された)2つのスリットを含むことができる。従って、ストラップ176およびさらなるストラップ182の両方が保護膜を貫通できるように、保護膜をストラップ176およびさらなるストラップ182の上に配置する(例えば、その上で滑動させる)ことができる。
図14の例示的な実施形態を続けて参照すると、柔軟な支持構造体102は、例えば糸を通すように(上下に繰り返し糸を通すように)、取り外し可能な連結部材168を受け入れるための複数のスリット166(例えば、比較的細い開口部)をその表面に含むことができる。従って、スリット166は、取り外し可能な連結部材168をそこから容易に取り外すことができるように、図14に示すように直線に配置することができる。
当業者であれば、取り外し可能な連結部材168を(例えば、取り外し可能に)受け入れるために、スリット166以外の他の受入機構を含めることができることが分かっている。例えば、スリット166への追加またはその代わりとして、柔軟な支持構造体102は、ループ、ストラップ、大きな開口部および任意の他の好適な受入機構を含むことができる。さらに、スリット166または他の受入機構を、図14に示す直線以外の他の形状および構成で配置することができる。いくつかの実施形態では、図14に示す複数のスリットではなく、たった1つのそのようなスリット166すなわち受入機構が含められている。さらに、当業者であれば、細長い部分170の代わりまたは追加として、異なる形状を有する他の機構を含め得ることが容易に分かる。さらに、取り外し可能な連結部材168に含められる細長い部分170または同等の機構の数は、図15に示す実施形態とは異なってもよい。例えば、取り外し可能な連結部材168は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つなどの付属物すなわち別個に成形された部分を含むことができる。本明細書を読めば、当業者にはさらに他の代替物が分かる。本発明は、本明細書に提供されている実例に限定されない。全ての他の形態および修正形態が、本発明の範囲に含まれるものとする。
柔軟な支持構造体102および取り外し可能な連結部材168はそれぞれ、1つ以上のストラップ構成要素を嵌合させることができる1つ以上のストラップスロット174を含むことができる。図14の例示的な実施形態では、柔軟な支持構造体102および取り外し可能な連結部材168はそれぞれ、2つのそのようなストラップスロット174を含む。但し、それ以上またはそれ以下のストラップスロット174をその中に含めることができる。ストラップスロット174は、1つ以上のストラップを受け入れるように寸法決めされた任意の好適な開口部であってもよい。取り外し可能な連結部材168を柔軟な支持構造体102の上に配置し、かつ取り外し可能な連結部材168と柔軟な支持構造体102の中心点を位置合わせすることにより、例えば、貫通開口部を形成するように位置合わせされたストラップスロット174も得られるように、ストラップスロット174を、柔軟な支持構造体102および取り外し可能な連結部材168の両方の上に配置することができる。従って、このように、柔軟な支持構造体102上のストラップスロット174は、柔軟な支持構造体102上に、取り外し可能な連結部材168上のストラップスロット174と同じ位置を有することができる。
図16Aおよび図16Bはそれぞれ、図14の柔軟な支持構造体102のスリット166内に装着された図15の取り外し可能な連結部材168の上面図および底面図である。図示のように、細長い部分170は、スリット166を連続的に通過し、それにより、柔軟な支持構造体102の両側に目視可能な交互のパターンが形成される。取り外し可能な連結部材168は、柔軟な支持構造体102の渦巻き状の縁部172に沿って隣接している部分の位置を維持する(例えば、隣接している部分の折り畳みおよび重なりを防ぐ)のに十分な硬さを有し、それにより、柔軟な支持構造体102を構造的に強化し、かつ好適な展開特性をそれに付与する。図15の例示的な実施形態では、取り外し可能な連結部材168は、柔軟な支持構造体102により受け入れられ、かつそこから取り外すことができるように、取り外し可能な連結部材168を屈曲させるのに十分な柔軟性をさらに有する。
また、図16Aおよび図16Bは、取り外し可能な連結部材168が柔軟な支持構造体102により受け入れられた場合に、柔軟な支持構造体102および取り外し可能な連結部材168のストラップスロット174が位置合わせされることを示している。言い換えると、柔軟な支持構造体102のストラップスロット174は、取り外し可能な連結部材168のストラップスロット174と重なり合っている。従って、1つ以上のストラップは、図16Aおよび図16Bの重なり合っているストラップスロット174を容易に通過することができ、それにより、柔軟な支持構造体102および取り外し可能な連結部材168の両方を通過することができる。
例えば、図17は、2つのストラップ付属物178およびストラップ基部180を含むストラップ176を示す。ストラップ付属物178は、柔軟な支持構造体102および取り外し可能な連結部材168のストラップスロット174に嵌合するように寸法決めされている。柔軟な支持構造体102および取り外し可能な連結部材168のストラップスロット174によって受け入られると、ストラップ基部180は、柔軟な支持構造体102の中心部の下に位置する。従って、柔軟な支持構造体102を図2A〜図2Cのプロテーゼ112などのプロテーゼから容易に取り外すために、ストラップ付属物178が含まれている。本明細書に先に記載した方法と同様に、プロテーゼ112から遠ざかる方向にストラップ176を引く(例えば、ストラップ付属物178を引く)と、ストラップ基部180が柔軟な支持構造体102の中心に抗する上向きの力を生成し、それにより、柔軟な支持構造体102を、開口部122の口縁に接触させ、かつ開口部122を通過できる形状に再構成させて、取り外すことができる。
柔軟な支持構造体102をプロテーゼ112の開口部122に通過させるのに適した形状に再構成させるためには、取り外し可能な連結部材168を最初に取り外さなければらない。従って、ストラップ176に加えて、1つ以上のさらなるストラップを取り外し可能な連結部材168に結合するか、それにより受け入れることにより、取り外し可能な連結部材168の取り外しを容易にすることができる。例えば、図18は、第1のストラップスロット174を通過し、取り外し可能な連結部材168の中心部171の下を通過し、かつ第2のストラップスロット174を通過する連続する(例えば、一体成形の材料で形成された)細長い部材を含むさらなるストラップ182を示す。さらなるストラップ182が取り外し可能な連結部材168のストラップスロット174を通過する図18に示すような実施形態では、さらなるストラップ182は、柔軟な支持構造体102のストラップスロット174を通過しない。言い換えると、取り外し可能な連結部材168を柔軟な支持構造体102から取り外すためのさらなるストラップ182は、柔軟な支持構造体102によって受け入れられない。従って、各端部でさらなるストラップ182を掴んで上方に引くことにより、取り外し可能な連結部材168をスリット166から引き抜き、それを柔軟な支持構造体102から取り外すことができるように屈曲させる。
取り外し可能な連結部材168を取り外す作業は、柔軟な支持構造体102をプロテーゼ112から取り外すことなく行われる。これは、取り外し可能な連結部材168に好適な弾性および柔軟性が与えられているという理由と、さらなるストラップ182が柔軟な支持構造体102によって受け入れられないという理由による。また、取り外し可能な連結部材168および柔軟な支持構造体102はそれぞれ、低い摩擦係数を有する材料で作製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、取り外し可能な連結部材168および柔軟な支持構造体102はどちらも、例えば、滑らかな表面仕上げを含む押し出しポリエステル、ポリエチレンまたはポリプロピレンで作製されている。
取り外し可能な連結部材168の中心部171の下を通過する図18のさらなるストラップ182の部分を、(例えば、接着剤、縫合などにより)取り外し可能な連結部材168の下側に取り付けることができる。あるいは、さらなるストラップ182は、取り外し可能な連結部材168のストラップスロット174の中を滑動可能にすることができる。他の実施形態では、さらなるストラップ182は、ストラップスロット174から取り外し可能な連結部材168に接合されておらず、ストラップスロット174を通過しない。その代わり、そのような他の実施形態では、取り外し可能な連結部材168を(例えば、2つの別個のストラップ付属物として)、取り外し可能な連結部材168の上面に取り付けることができる。さらに別の実施形態では、さらなるストラップ182は、その中心で取り外し可能な連結部材に接合された単一のストラップ付属物を含む。当業者であれば、さらなるストラップ182を取り外し可能な連結部材168に接合する多種多様な他の好適な方法および位置を知っている。本発明は、本明細書に記載されている実例に限定されない。それどころか、全てのそのような他の形態および修正形態は、本発明の範囲に含まれるものとする。
図19Aおよび図19Bはそれぞれ、図14〜図18に示す構成要素を含む展開装置100の斜視図および底面図である。具体的には、図19Aおよび図19Bの展開装置100は、(a)図14の柔軟な支持構造体102、(b)(図16Aおよび図16Bに示すような)スリットに装着される図15の取り外し可能な連結部材168、(c)柔軟な支持構造体102および取り外し可能な連結部材168の両方のストラップスロット174内に受け入れられる図17のストラップ176、および(d)取り外し可能な連結部材168のストラップスロット174によって受け入れられる(柔軟な支持構造体102のストラップスロット174によって受け入れられない)図18のさらなるストラップ182を含む。そのような実施形態では、ストラップ176はタブ104を形成する。従って、タブ104は、柔軟な支持構造体102に取り付けられるのではなく柔軟な支持構造体102によって受け入れられる。但し、当然のことながら、図19Aおよび図19Bの例示的な実施形態において、ストラップ176の他の形態を、柔軟な支持構造体102に取り付けることができる。
図20は、図2A〜図2Cのプロテーゼ112内に位置する図19Aおよび図19Bの展開装置100の斜視図である。明確性のために、渦巻き状の分離線173は図示していない。図20の実施形態では、本発明の先の例示的な実施形態と同様に、展開装置100の柔軟な支持構造体102は、プロテーゼ112の周囲まで延在し、柔軟な支持構造体102は、接着剤または縫合などの取り付け機構を全く必要とすることなく、プロテーゼ112の中に確実に位置することができる。例えば、図20に示すように、柔軟な支持構造体102は、実質的に第1の層114の外周118および/または第2の層116の外周120まで延在することができる。いくつかの実施形態では、柔軟な支持構造体102は、図2Cを参照しながら本明細書に先に図示および記載したように、柔軟な支持構造体102が展開された(例えば、ほぼ平坦な)構成にある場合に、エンクロージャ124の半径方向最外面125まで延在し、かつそこに接触している。最初にさらなるストラップ182を引いて、取り外し可能な連結部材168を取り外し、次いで、ストラップ176(タブ104を形成している)を引いて、柔軟な支持構造体102を取り外すことにより、図20の展開装置100をプロテーゼ112から段階的に取り外す。
図20から分かるように、さらなるストラップ182は、ストラップ176の中に配置されている。従って、外科医は、さらなるストラップ182を上方に引くことで、取り外し可能な連結部材168を取り外すことができる。外科医はさらに、ストラップ176を上方に引くことで、柔軟な支持構造体102を取り外すことができる。外科医が柔軟な支持構造体102を取り外すことができるだけでなく、外科医がプロテーゼ112を位置決めするのを支援するために、ストラップ176を使用することもできる。例えば、図20に示すシステムでは、取り外し可能な連結部材168を柔軟な支持構造体102から解放する前にストラップ176を操作することにより、柔軟な支持構造体102およびプロテーゼ112を一緒に移動させる。従って、ストラップ176は、展開装置100の使用中に外科医にさらなる取り扱い補助を提供することができる。
いくつかの実施形態では、取り外し可能な連結部材168が含まれていない。例えば、図21は、柔軟な支持構造体102が渦巻き状の分離線173を含む展開装置100のさらなる実施形態を示す。本明細書中の「渦巻き状の分離線」とは、柔軟な支持構造体102の内側(例えば中心)部分から柔軟な支持構造体102の周囲上の1つ以上の位置まで延在する1つ以上の連結された分離線の配置を指す。「渦巻き状」という用語は、直線、ギザギザ線、曲線などを含むことができる。本明細書で使用する「分離線」とは一般に、(例えば、分離線から離れている1つ以上の材料内の隣接している部分を分離することなく)裂かれるように構成された1つ以上の材料の中に位置する任意の真っ直ぐな経路、曲がった経路、ギザギザの経路などの経路を指す。分離線は、1つの材料または複数の異なる材料にわたって延在することができ、1種または複数種の対象物にわたって延在することができる。例示的な実施形態では、渦巻き状の分離線173は、その内側終点に対していくらかの角距離を移動する(例えば、直線を辿らない)。さらなる例示的な実施形態では、渦巻き状の分離線173は、(例えば、少なくとも1つの完全な回転をなして)少なくとも360°の角距離を移動する。さらに、例示的な実施形態では、渦巻き状の分離線173は、螺旋状の分離線である。渦巻き状の分離線173は、一連の貫通穴、薄い材料または弱い材料あるいは任意の他の種類の分離線を含むことができ、それらによって実施することができる。当業者であれば、渦巻き状の分離線173のためのさらに他の材料、実施方法、形状などを知っている。全てのそのような他の形態が本発明の範囲に含まれるものとする。
図21Aの例示的な実施形態では、渦巻き状の分離線173は、柔軟な支持構造体の全体を通して延在する一連の貫通穴184で形成されている。従って、一連の貫通穴184を渦巻き状の分離線173に沿って分離すると、柔軟な支持構造体102の渦巻き状の分離線173に沿って隣接している部分は解放され、渦巻き状の縁部172が形成される(図21Bを参照されたく、図25Bも参照されたい)。図22は、その中心部における展開装置100の拡大図である。一連の貫通穴184(破線で表されている)は、渦巻き状の分離線173に沿って隣接している部分間の幾分制限された構造補強を維持するように寸法決めおよび離間されており、最小の空所を有するほぼ連続する表面を創り出しているが、例えば、使用者によるストラップ176の引き上げに応答して、分離経路を創り出すようにも設計されている。例えば、渦巻き状の分離線173は、渦巻き状のパターンで柔軟な支持構造体102内に一連の穿孔を形成することにより作製することができる。従って、一連の貫通穴184および渦巻き状の分離線173は、柔軟な支持構造体102の中心部から柔軟な支持構造体102の周囲上のある位置まで延在している。渦巻き状の縁部172(渦巻き状の分離線173を分離することにより形成されている)と同様に、渦巻き状の分離線173は、柔軟な支持構造体102の中心に近接した内端と、柔軟な支持構造体102の周囲上の位置にある外端とを含む。
さらに、展開装置100は、応力緩和孔186を含むことができる。図23の例示的な実施形態に示されているように、応力緩和孔186は、渦巻き状の分離線173の最内端(例えば、渦巻き状の分離線173に分離を形成するための開始点)に配置された貫通穴である。図23の例示的な実施形態では、応力緩和孔186はほぼ円形であり、柔軟な支持構造体102の中心近くに位置している。機能上、応力緩和孔186は、この区域に応力を有効に分散させ、それにより、渦巻き状の分離線173から離れた孔のない位置で柔軟な支持構造体102に(例えば、ストラップ176の急激な引張により生じ得るような)意図しない分離の伝播が生じる可能性を低下させるために、渦巻き状の分離線173の開始点に位置する孔である。このように、応力緩和孔186は、渦巻き状のストラップ176に対する引張力に応じて、渦巻き状の分離線173における分離の開始を支援することができる。その結果、ストラップ176に対する急激な引張およびその後の一定の引張力により、一連の貫通穴184が渦巻き状の分離線173に沿って分離する。このように、渦巻き状の縁部172が形成され、渦巻き状の分離線173に沿って隣接している部分は、互いに連結されていない状態となり、展開装置100をプロテーゼ112(例えば、図2A〜図2Cのプロテーゼ)から取り外す間に、それらを圧潰する(すなわち、折り畳んで変形させる)ことができる。
図23の例示的な実施形態では、渦巻き状の縁部172内の一連の貫通穴184に沿って分離させるために使用されるストラップ176は、ストラップスロット174のうちの一方、柔軟な支持構造体102の中心部の下、そしてストラップスロット174の他方を通る単一の連続する細長い部材であってもよい(例えば、一体成形の材料で形成されてもよい)。本明細書に提供されている全ての他のストラップと同様に、ストラップ176は一般に、柔軟であっても剛体(例えば、展開および/または固定の間に位置決め装置または取り扱い装置として使用することを可能にするもの)であってもよい。
柔軟な支持構造体102の渦巻き状の分離線173に沿って隣接している部分間に一連の貫通穴184を設ける代わりに、あるいはそれに加えて、比較的弱い(例えば、比較的薄い)ストリップ状の材料を、渦巻き状の分離線173を形成するために、柔軟な支持構造体102に沿って渦巻き状に連続的に配置することができる。例えば、図24は、渦巻き状の分離線173を形成するそのような連続ストリップ188状の材料の例示的な一実施形態を示す。連続ストリップ188状の材料は、柔軟な支持構造体102の残りの部分に対してより弱く(例えば、より薄く)することができる。例えば、柔軟な支持構造体102に(例えば、特定の電力レベルの)レーザーを方向付け、かつレーザーを渦巻き状の経路内に移動させ(または柔軟な支持構造体102をレーザーに対して渦巻き状の経路内に移動させ)、それにより、レーザーと接触している位置において柔軟な支持構造体102の材料を薄くすること(一般に「キスカット」と称される技術)により、渦巻き状の分離線173に沿った連続ストリップ188状の材料を形成することができる。本明細書を読めば当業者によって理解されるように、例えば、使用されている材料の材料特性(密度など)、材料の大きさ(厚さなど)などに応じて、渦巻き状の分離線173に沿って容易に分離できるように、切断深さを選択することができる。また、柔軟な支持構造体102の圧縮/折り畳み中の破損に抵抗するのに十分な厚さにし、さらに、渦巻き状の分離線173に沿った容易な分離/取り外しを可能にする十分な薄さになるように最適化するように、レーザー切断を実施することができる。レーザー切断の代わりに、当業者によって理解されるように、鋼尺ダイを用いてシート素材を「キスカット」して、連続ストリップ188状の材料を形成することができる。また、微小成形、射出成形および他の代わりとなる製造方法などの連続ストリップ188状の材料を製造するための任意の他の好適な方法を使用してもよい。
いくつかの実施形態では、渦巻き状の分離線173のいくつかの区域が他の区域よりも分離が難しくなるように、様々な厚さでキスカットを行うことができる。例えば、より浅いキスカットを用いて柔軟な支持構造体102の中心部に渦巻き状の分離線173を形成することにより、渦巻き状の分離線173を、手術中のプロテーゼ112の位置決めおよび操作のための硬い取手としてのストラップ178の使用にとって十分な強さおよび耐久性を有するものにすることができる。さらに、柔軟な支持構造体102の外側部分に、より深いキスカットの渦巻き状の分離線173を形成することにより、プロテーゼ112から取り外す間に渦巻き状の分離線173をより容易に裂くことができる。また、柔軟な支持構造体102の圧縮/折り畳みの間の破損に抵抗するのに十分な厚さにし、さらに、渦巻き状の分離線173に沿った容易な分離/取り外しを可能にするのに十分な薄さになるように最適化するように、キスカットを実施することができる。
図24に示す展開装置100の例示的な実施形態では、渦巻き状の分離線173は、約4回半の回転をなしている。但し、当然のことながら、意図した医学的用途および展開装置100の特定の実施内容に応じて(例えば、展開装置100の大きさ、柔軟な支持構造体102の厚さなどに応じて)、それ以上またはそれ以下の回転を含めることができる。柔軟な支持構造体102が、柔軟な支持構造体102を再構成させ、かつプロテーゼ112の開口部122を通過させることができる十分な柔軟性を有することができるように、渦巻き状の分離線173によって形成される特定の回転数を選択することができる。
さらに、本発明は、柔軟な支持構造体102の密度、厚さなどのいかなる特定の値にも限定されない。例えば、柔軟な支持構造体120は、低密度ポリエチレン、低密度ポリプロピレンなどで作製することができる。それどころか、再構成してプロテーゼ112の開口部122を通過するのに十分な柔軟性を柔軟な支持構造体102に与えるために、特定の材料と構造的特性(例えば、渦巻き状の分離線173の回転数など)との多種多様な組み合わせを選択することができる。図25Aは、図2A〜図2Cのプロテーゼ112内に位置する図24の展開装置100を示す。ストラップ176に対して急激な引きを与えて、応力緩和孔186において連続ストリップ188状の材料の分離を開始し、次いで、ストラップ176をプロテーゼ112から遠ざかる上方向に着実に引いて、応力緩和孔186から外に延在する連続ストリップ188状の材料の残りの部分を徐々に分離することにより、展開装置100を取り外す。このように、柔軟な支持構造体102の連続ストリップ188状の材料に沿って隣接している部分は、連結されていない状態となり、例えば、螺旋または従来の螺旋階段のような再構成された形状(例えば、屈曲された形状、折り畳まれた形状、座屈した形状、重なり合った形状など)をなすように、上方に解放させることができる。再構成された形状により、展開された(例えば、ほぼ平坦な)状態で柔軟な支持構造体102の総外周領域よりも小さい総外周領域を有する開口部122に柔軟な支持構造体102を通過させることができる。例えば、柔軟な支持構造体102は、図25Bでは螺旋構成で示されている。具体的には、図25Bは、外科医190が柔軟な支持構造体102を人工の筋肉壁194内の穴または欠損部192から取り外している斜視図を示す。図25Bに示す工程は、プロテーゼ(図25Bでは確認できない)を穴または欠損部192から埋め込み、それを人工の筋肉壁194に、(例えば、鋲止めまたは縫合により)取り付けた後に行う。柔軟な支持構造体102の螺旋形状に再構成する能力により、展開装置100に大きな汎用性が与えられる。例えば、展開装置100をほぼあらゆる大きさの欠損部または開口部から抜き出すことができるように再構成できるという理由から、この特徴は特に有利である。
なお、構造体の取り外しを可能するように再構成される柔軟な支持構造体102により生じる連続ストリップ188は、ループもしくはリング構成で終了する連続ストリップ188を含むことができる。具体的には、再び図21Bを参照すると、ループまたはリング181により、渦巻き状の分離線に沿って構造体を分離することにより再構成された後の柔軟な支持構造体102が示されている。図示および構成されているように、元の柔軟な支持構造体102の最外側の周囲によりリング181が形成されている。柔軟な支持構造体をプロテーゼから取り外すと、(外科医が、リング181がプロテーゼから出るを見ると)柔軟な支持構造体102全体がプロテーゼから取り外されたことを外科医に合図で知らせるために、リング181は細長い連続ストリップ188の端部に維持される。当業者であれば、リング181またはいくつかの他の構造変形、本装置の端部を示す色もしくはラベルインジケータまたは他の視覚的表示を含む、プロテーゼから取り外された柔軟な支持構造体102の最後の残りの部分についての合図または表示を使用者に与えるための他の方法を知っている。
本発明のいくつかの実施形態では、柔軟な支持構造体102は、渦巻き状の分離線173の経路のそばに(例えば、それに隣接および/または連続して)位置する1つ以上の強化リップを含む。例えば、図26A、図26Bおよび図26Cはそれぞれ、柔軟な支持構造体102内に形成することができる2つのそのような強化リップ204a、204bの断面の斜視図、側面図および拡大図である。図26A〜図26Cに示すように、柔軟な支持構造体102は、直立(垂直)に示されている。図26A〜図26Cの例示的な実施形態では、強化リップ204a、204bは、渦巻き状の分離線173の両側に形成されている。各強化リップ204a、204bは、そのそれぞれの側面で渦巻き状の分離線173と連続している。図26A〜図26Cの例示的な実施形態の渦巻き状の分離線173は、柔軟な支持構造体102の材料の中のより薄い区域によって画定されており、例えば、柔軟な支持構造体102内の窪みとして形成されている。各強化リップ204a、204bは、渦巻き状の分離線173を形成する窪みの片側に小隆起部すなわち壁を形成している。強化リップ204aは、分離線173の内側に分離線173の経路に沿って続いている。強化リップ204bは、分離線173の外側に分離線173の経路に沿って続いている。但し、他の実施形態では、強化リップ204a、204bは含まれていない。
例示的な一実施形態では、図26A〜図26Cの柔軟な支持構造体102は、低密度ポリエチレンで作製されており、約0.020インチの厚さ、約0.92g/cm3の密度、約1.8g/10分のメルトフローインデックス(MFI)、および例えば、縦方向(MD)が約400gで横方向(TD)が約280gの各種機械的試験により決定されるエルメンドルフ分離強度を有する。当業者であれば、これらの寸法および材料特性は、決して本発明の範囲を限定するものではないことが分かる。それどころか、本明細書に提供されている寸法および材料特性は例示的なものであり、単に例示のために記載されている。本明細書を読めば当業者によって理解されるように、本発明の実施形態は、多種多様な大きさ、寸法、形状、材料特性などを呈することができる。具体的な値は、意図した用途(例えば、意図した標的部位、意図した医学的用途など)に応じて選択することができる。
図27Aおよび図27Bはそれぞれ、図26A〜図26Cの柔軟な支持構造体102を斜視図および底面図によりさらに示す。図示のように、渦巻き状の分離線173および強化リップ204a、204bは一緒になって、柔軟な支持構造体102上の内側位置から柔軟な支持構造体102の外側位置(例えば、その周囲上)まで回転しながら延在する渦巻き状の経路を形成している。
本明細書において先に記載したように、渦巻き状の分離線173は、異なる厚さを特徴とする複数の区域を含むことができる。例えば、図28は、渦巻き状の線173が、内側部分173a(緑色の線によって図に示されている)および外側部分173b(赤色の線によって図に示されている)を含む展開装置100のさらなる実施形態を示す。例えば、外側部分173bに沿ったより容易な分離/解放(例えば、外科医が本当に展開装置100の取り外しを意図している場合)、および内側部分173aに沿ったより難しい分離/解放(例えば、外科医がストラップ176を位置決め/取り扱い機構として操作することを可能にするより高い耐久性を提供するため)を促進するために、内側部分173aは、外側部分173bの厚さよりも大きい厚さを有する。図28の例示的な実施形態に示すように、渦巻き状の分離線の内側部分173aおよび渦巻き状の分離線の外側部分173bは互いに連続していてもよい。
さらに、図28に示すように、渦巻き状の貫通切断部196は、その最内端において渦巻き状の分離線173よりも前にあり得る。渦巻き状の貫通切断部196は、柔軟な支持構造体102内に位置し、そこを完全に貫通している(すなわち、柔軟な支持構造体102の上面から柔軟な支持構造体102の底面まで通っている)スリット状またはスロット状の開口部であってもよい。渦巻き状の貫通切断部196は、渦巻き状の分離線173がその後に続く渦巻き状の経路の推定をなす経路を辿ることができる。従って、貫通切断部196を有効に含めることにより、上方に引かれると渦巻き状の分離線173の解放を開始するフラップが形成される。最内端では、渦巻き状の貫通切断部196は、応力緩和孔186で終了することができる。最外端では、渦巻き状の貫通切断部196は、渦巻き状の貫通切断部196と渦巻き状の分離線173の最内端との間の柔軟な支持構造体102上の間隙202状の材料で終了することができる。例えば、間隙202は、柔軟な支持構造体102の大部分の厚さと実質的に等しい厚さを有することができる(例えば、強化壁204a、204bを有する渦巻き状の分離線173の回転間に位置する部分の厚さに等しい厚さを有することができる)。
図28の例示的な実施形態では、ストラップスロット174a、174bは、渦巻き状の貫通切断部196への近接さによって区別することができる。従って、ストラップ176の端部177a、177bは同様に、どちらのストラップスロット174a、174bをそれぞれ通過し、かつどちらから延在しているかによって区別することができる。図28の例示的な実施形態では、渦巻き状の貫通切断部196を柔軟な支持構造体102の中心からずらした位置に設けることにより、2つのストラップ端177a、177bを、手術中の取り扱いおよび操作中の外科医による異なる機能のために使用することができる。貫通切断部196により近接し、かつより厚い内側部分173aにより近接していないストラップ端177aは、間隙202状の材料をより有効に破壊し、外科医による適度な引きに応答して、分離線173の解放を開始する。別の言い方をすると、ストラップ端177aを上方に引くことにより、貫通切断部196により形成された半円形のフラップを上方に持ち上げ、最終的に間隙202に対して張力を十分に分散させて間隙202を分離し、それにより、螺旋状の分離線173の解放を開始する。他方、貫通切断部196により近接していない(すなわち貫通切断部196からより遠位にあり)、かつより厚い内側部分173aにより近接したストラップ端177bは、分離線173の解放を開始することなく引くことにより、引張力をより良好に分散させることができる位置決めツールとしてより有効に機能する。
なお、渦巻き状の分離線173および渦巻き状の縁部172は、図に示されている例示的な滑らかなに湾曲した渦巻き体および螺旋体以外の他の種類の渦巻き形状をなすことができる。例えば、渦巻き状の分離線173および/または渦巻き状の縁部172は、四角形の渦巻き体/螺旋体、他の形状の渦巻き体/螺旋体またはそれらの組み合わせとして成形することができる。なおさらなる例として、図29Aおよび図29Bは、本発明の実施形態に係る他の渦巻き状の分離線173を有する柔軟な支持構造体102を示す。図29Aおよび図29Bに示すように、渦巻き状の分離線173は、それぞれが柔軟な支持構造体102上の1つ以上の位置で終了し、かつ互いに連続し、かつ連結されている複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つなど)の分岐部179を含むことができる。図29Aおよび図29Bに示すように、渦巻き状の分離線173の分岐部179は、柔軟な支持構造体102の周囲から内側の位置で終了することができる。
図30は、本発明のさらなる例示的な実施形態に係るストラップ176を示す。先に記載したように、ストラップ176が含まれているそのような実施形態では、ストラップ176は、タブ104を形成することができる。中間部分208は、ストラップ176の中心から僅かにずれている。従って、中間部分208は、ストラップ176を(互いに対して)長い方の付属物178aおよび短い方の付属物178bに分割する。図30に示すように、ストラップ176は、付属物178a、178bが同一平面に沿って一直線になるように、組み立てられていない形態で示されている。ストラップ176を組み立てるために、付属物178a、178bは、付属物178a、178bが垂直かつ直立になるように中間部分208の外側縁部で屈曲される。指サポートリング206は、使用者の指を受け入れるように構成されており、長い方の付属物178aの端部177aに位置している。基部180は、図30の例示的な実施形態のストラップ176には含まれていない。各付属物178a、178bは、そこから延在している1つ以上の掛止機構214を含み、ストラップスロット174内を滑動すると、付属物178a、178bがストラップスロット174内をいずれかの方向に滑動するのを防止する機械的停止部として機能する。スリット210は、指サポートリング206の僅かに内側であって長い方の付属物178aの端部177aにそこを貫通して位置している。スリット210は、付属物178bの端部177bに形成された突起部212を受け入れるように大きさ決め、成形および寸法決めされている。突起部212は、スリット210を通過し、その後に回転により適所に係止するように大きさ決め、成形および寸法決めされている。突起部212は、反対方向に回転することにより解放されて、係止が解除される。例示的な実施形態では、ストラップ176は、ポリプロピレン、PETG(ポリエチレンテレフタラート共重合体)または任意の他の好適な(例えば、医学等級)材料で形成されている。当業者であれば、ストラップ176を形成するために使用することができる本明細書中の様々な他の材料を知っている。全てのそのような他の形態および修正形態が本発明の範囲に含まれるものとする。
図31Aは、図28に示されている展開装置100の柔軟な支持構造体102に結合された図30のストラップ176を示す。展開装置100は、図2A〜図2Cのプロテーゼ112内に位置している。長い方の付属物178aは、渦巻き状の貫通切断部196によって形成された半円形のフラップ上で柔軟な支持構造体102に取り付けられるように構成されている。短い方の付属物178bは、渦巻き状の貫通切断部196によって形成された半円形のフラップ上ではない位置に取り付けられるように構成されている。ストラップ176の中間部分208は、掛止機構214がストラップスロット174を通って下行して、柔軟な支持構造体102上に固定的に掛止するように、柔軟な支持構造体102の上に位置している。図31Aに示すように、ストラップ176は、係止された構成にある。図28を参照して本明細書に先に記載したように、図31Aの係止された構成にある場合、ストラップ176は位置決めツールを形成して、位置決めツールとして機能する。具体的には、長さの違いにより、短い方の付属物178bはピンと張っているが、長い方の付属物178aは屈曲され、いくらかの遊びを含む。従って、指サポートリング206上の力は、ストラップ176が係止された構成にある場合には、短い方の付属物178bに沿って分散される。付属物178bが渦巻き状の貫通切断部196によって形成された半円形のフラップ上に取り付けられていない場合には、指サポートリング206に対する力は、ストラップ176が係止された構成にある場合に渦巻き状の分離線173の解放を開始するのを回避しやすいように、柔軟な支持構造体102にわたってより均一に分散される。
図31Bは、係止されていない構成にあるストラップ176を示す。係止されていない構成では、指サポートリング206に対する力は、長い方の付属物178aに沿って分散される。従って、柔軟な支持構造体102に対して生じる引張力は、渦巻き状の貫通切断部196により形成された半円形のフラップ上で分散される。渦巻き状の貫通切断部196によって形成された半円形のフラップに対する引張力のこのような集中により、間隙202を分離し、かつ渦巻き状の分離線173の分離を開始するように、半円形のフラップを持ち上げることができる。従って、ストラップ176が係止された構成にある場合、ストラップ176は位置決め装置として有効に機能するが、ストラップ176が係止されていない構成にある場合、ストラップ176は、展開装置100をプロテーゼ112から取り外すためのタブ104として有効に機能する。
本発明の実施形態に係る展開装置100は、埋め込み中および埋め込み後にプロテーゼを位置決めするプロセスを容易にして、外科医のためにプロテーゼの展開を著しく改善することができる。さらに、本発明の実施形態に係る展開装置100は、ワイヤフレームをプロテーゼに固定するために使用される縫合針または他の固定装置の必要性をなくすことができる。これにより、展開装置100を取り外すための著しくより容易な機構が提供されると共に、手術時間および手術室時間を著しく減少させることができる。プロテーゼの周囲で縫合糸を切断したり除去したりするのではなく、タブ104(例えば、本明細書に記載されているストラップ、突出部および任意の他のタブ)を単に引くだけで、展開装置100を容易かつ直接に取り外すことができる。従って、本発明の実施形態により、切断装置などにより生じる患者に対する危害のリスクがなくなる。
さらに、固いシートまた比較的固いシート状の材料を形成する柔軟な支持構造体102を利用する展開装置100により、外科医が鋲止めまたは縫合によりプロテーゼを取り付ける間に、患者に対するさらなる保護が得られる。固いシート層は、縫合針または鋲がその中に不適切に配置されるのを防ぎ、これにより、外科医が誤って臓器に穴を開けるのを回避することができる。例えば、縫合針または鋲をプロテーゼ上の望ましくない周囲位置に誤って置いてしまうと、外科医は、視界から隠れたプロテーゼ112の下の臓器を意図せずに穿刺してしまうことがある。本発明の特定の実施形態は、取り外すことができ、よって、周囲組織などに取り付ける必要のない展開装置100を提供することにより、そのようなリスクを克服する。
渦巻き状の分離線173(例えば、連続ストリップ188状の材料で形成されている)を含む図24〜図31Bに示す実施形態は、特定の医学的用途にとって特に有利であり得る。例えば、連続ストリップ188状の材料を有する実施形態は、任意の開口部または間隙を全体的かつ完全に含むことができない固視誘導のための表面を創り出し、それにより、渦巻き状の分離線173に沿って分離する前に、滑らかで連続的な固視誘導のための表面が得られる。さらに、そのような連続ストリップ188状の材料により、分離線173に沿った分離の間または後に材料が展開装置100から離脱するリスクが少なくなる。また、一連の貫通穴184とは異なり、連続ストリップ188状の材料の分離により、取り外しの間に擦り傷または引っ掻き傷を潜在的に生じさせ得る鋭いまたはギザギザした縁部は形成されず、特定の用途では、これは有利であり得る。
取り外し可能な展開装置を提供することで、本発明の実施形態は、先行技術の装置に現在使用されている永久リングもしくはフレーム部材によって引き起こされる危険な術後合併症およびプロテーゼの故障を大きく低下させることができる展開装置100を達成する。本発明の実施形態では、展開装置100の完全な取り外しにより、任意のさらなるリングもしくはフレーム部材をその中に永久に残存させることなく、プロテーゼを体内に配置することができる。これにより、プロテーゼ内に滑らかな表面を作り出し、これにより、不全症や患者の不快感を引き起こし得るプロテーゼ内の望ましくない表面張力を排除する。体内に残留する異物を少なくすることで、免疫学的な合併症も最小に抑えることができる。
さらに、展開装置100は、メッシュからなる下層または下に位置する内臓組織(例えば、腸など)と固定要素(例えば、縫合針、鋲など)との望ましくない接触を防ぐための障壁としても機能する。展開装置100の滑らかな連続した表面にわたって、例示的な実施形態ではプロテーゼ112の内部全体に及ぶ空隙が存在しないことで、外科手術中の周囲組織との不注意による手術上の接触という潜在的な問題に対する解決法を提供することができる。
注目すべきことは、本発明の実施形態に係る展開装置100は、ヘルニアパッチ展開装置などの既存のプロテーゼ展開装置よりも高い費用効果を達成することである。例えば、各種構成要素(例えば、柔軟な支持構造体102を含む)は、平板状の材料から切り出して製造することができる。従って、本発明の実施形態により、製造をさらに簡素化することができ、それにより大きなコストの節約を達成することができる。当業者であれば、本明細書を読めば、本明細書中に具体的に述べられていないなおさらなる利点が分かる。
本発明の数多くの修正形態および他の実施形態は、上記記載を考慮すれば当業者には明らかである。従って、上記記載は単に例示として解釈されるべきであり、本発明を実施するための最良の形態を当業者に教示するためのものである。本構造体の詳細は、本発明の趣旨から逸脱することなく実質的に変更可能であり、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての修正形態の排他的使用も想定されている。本明細書中の実施形態は、明確かつ簡潔な明細書を記載することができる方法で記載されているが、本発明から逸脱することなく、実施形態を様々に組み合わせたり分離したりし得ることが意図されており、そのことは理解されるであろう。本発明は、添付の特許請求の範囲および法律の適用可能な規則によって必要とされている程度にのみ限定されるものとする。
また、当然のことながら、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載されている本発明の全ての一般的かつ具体的な特徴ならびに言語上その行間に含まれると言える本発明の範囲の全ての記載を包含する。