以下、本発明に係るパチンコ遊技機の好適な実施形態を、図面に基づいて説明する。
[遊技機の構成]
パチンコ遊技機の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図、図2は同パチンコ遊技機10の遊技盤の構成を示す正面図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面扉11、木枠12、ベース扉13、遊技盤14、皿ユニット21などから構成されている。また、図示はしないが、遊技盤14の裏側のベース扉13には、遊技球を発射する発射装置、各種の制御基板を含む基板ユニット、賞球としての遊技球を払出す払出装置などが設けられている。なお、以下の説明においては、遊技盤14以外の各種の部品については、理解を容易にするために説明を簡略化する
ベース扉13は木枠12の前方に軸着され、前面扉11は、ベース扉13に対して開閉自在に軸着されている。この前面扉11の中央には、開口部11aが形成されており、その開口部11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。この保護ガラス19を透過して背後に設置された遊技盤14が遊技者に視認可能な構成としている。また、前面扉11の両端の左右下方には、2個のスピーカ46が配設されている。
皿ユニット21は、前面扉11の下方のベース扉13に配設されている。皿ユニット21には、その上方に上皿20が、その下方に下皿22が設けられている。そして、上皿20には遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための上部払出口20aが形成されており、上皿20への遊技球の貯留が満杯になった場合は、下皿22に形成された下部払出口22aより遊技球が排出され、下皿22に貯留されることになる。また、上皿20は、後述する遊技領域15に遊技球を発射させるための遊技球貯留部として機能する。
発射ハンドル26は、皿ユニット21の右側のベース扉13に回動自在に配設されている。発射ハンドル26の後方には発射装置(図示せず)が配設されている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。そして、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることにより遊技球が遊技盤14に発射されパチンコ遊技を行うことができる。この発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータ(図示せず)に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射されてパチンコ遊技を行うことができる。
遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベース扉13の前方に配設されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。遊技者による発射ハンドル26操作により発射された遊技球は、遊技盤14に設けられたガイドレール30で形成された遊技球誘導路31に誘導されて遊技盤14の上部に移動する。
遊技球誘導路31の終端には遊技球戻防止バネ17が設けられている。遊技球戻防止バネ17は、遊技領域15に発射された遊技球が、遊技盤14の遊技領域15に稙設された複数の遊技釘16と衝突して遊技球誘導路31の終端から遊技球誘導路31に戻る(逆流する)ことを防ぐためのものである。
遊技球誘導路31の終端である遊技盤14の上部から遊技領域15に発射された遊技球は、遊技領域15に設けられた複数の遊技釘16との衝突によりその流下方向を変えながら遊技盤14の下端中央のアウト口58に向かって落下する。なお、遊技盤14の遊技領域15には、遊技領域15を流下転動してゆく遊技球の流下経路を決定する複数の遊技釘16が稙設されているが、図2では、遊技盤14の各種構成が理解し易いように大方の遊技釘16は図示せず省略している。
遊技盤14の前面中央には、第1始動入賞口51、第2始動入賞口52、大入賞口56などが設けられている。この第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52は、遊技球が入球したことを条件として、遊技者に有利な大当たり遊技(特別遊技)への移行判定(本実施形態における抽せん手段)が実行される。すなわち、第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52は、遊技者に有利な特別遊技へ移行するか否かの抽せんを行う抽せん手段が実行される契機となる始動入賞口である。
また、詳しくは後述するが、この特別図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な特別遊技(以下、大当たり遊技という)となる。この大当たり遊技となった場合には、大入賞口56の前面に設けられたシャッタ57が開放状態に制御され、大入賞口56に遊技球が受け入れ容易な開放状態となる。
また、遊技盤14の前面中央には、液晶表示装置40の表示領域41が視認可能に配設されている。この液晶表示装置40は、本実施形態における表示手段として機能する。液晶表示装置40は、遊技に関する画像を表示するための表示領域41を有している。この液晶表示装置40における表示領域41には、特別図柄表示器33における特別図柄の可変表示に合わせて、演出用の複数(3個)の識別情報が変動表示及び停止表示される。この3個の識別情報の変動表示が行われ、特別図柄表示器33における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、変動表示された3個の識別情報の組合せが特定の組合せで停止表示されて、遊技状態を遊技者に有利な大当たり遊技に移行することが遊技者に報知されることとなる。また、3個の識別情報以外にも、表示領域41において、連続演出回数、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する演出画像が所定の態様で表示される。
また、遊技盤14の液晶表示装置40の表示領域41の下方には、特別図柄表示器33が配設されている。この特別図柄表示器33は、例えば、一個のセブンセグメントディスプレイ(以下、7セグメントという)からなり、後述の特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示器33における特別図柄は、一桁の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄である。
特別図柄表示器33において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当たり遊技に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様になった場合には、大当たり遊技に移行しない。
特別図柄表示器33の左側方には、特別図柄ゲームにおける保留数を表示する特別図柄保留表示器34が設けられている。この特別図柄保留表示器34は4個のLED(Light Emitting Diode)からなり、第1始動入賞口51、第2始動入賞口52に遊技球が入賞した個数を最大4個まで記憶可能としている。すなわち、特別図柄保留表示器34は、後述の保留数記憶手段において記憶された保留数を表示するものである。
特別図柄表示器33の右側には、本実施形態における連続演出回数を表示する連続演出回数表示器36が設けられている。この連続演出回数表示器36は、特別図柄表示器33と同様に一個の7セグメントからなり、後述の連続演出決定処理において決定された連続演出の実行回数を表示するものである。
続演出回数表示器36の右側には、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示器35が設けられている。また、普通図柄表示器35の右側方には、普通図柄における保留数を表示する普通図柄保留表示器37が設けられている。この普通図柄保留表示器37は4個のLEDからなり、後述の球通過検出器54a、54bを遊技球が通過した個数を最大4個まで記憶可能としている。
遊技盤14の液晶表示装置40の左右側方には、2個の球通過検出器54a、54bが設けられている。この球通過検出器54a、54bの近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示器35における普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止される。
普通図柄表示器35は、左右2個のLEDで構成されており、所定のパターン(例えば、左LED消灯及び右LED点灯)で停止表示されたときには、後述する第2始動入賞口52の左右の両側に設けられている羽根部材53(以下、普通電動役物又は普通電役と称することがある)が閉鎖状態から開放状態となり、第2始動入賞口52に遊技球が入り易くなる。また、羽根部材53を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材53を閉鎖状態として、第2始動入賞口52に遊技球が入り難くなるようにする。つまり、第2始動入賞口52への遊技球に入賞は、羽根部材53を開放状態とした場合のみ入賞可能となる構成としている。
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、4か所の遊技球の入賞口55a〜55dが設けられている。そして、遊技盤14の遊技領域15内の最下端には、アウト口58が設けられている。上述したように、上皿20に貯留され、遊技者による発射ハンドル26の操作により遊技領域15に発射された遊技球は、遊技領域15を複数の遊技釘16により転動して流下する。そして、遊技領域15に設けられた各種入賞口(第1始動入賞口51、第2始動入賞口52、大入賞口56。入賞口55a〜55dなど)に入賞しなかった遊技球は、最終的にアウト口58からパチンコ遊技機10の外部に排出される。
第2始動入賞口52の下方に設けられた大入賞口56には、大入賞口56に対して開閉自在なシャッタ57が設けられている。上述したように、大当たり遊技に移行された場合には、このシャッタ57が遊技球を受け入れ易い開放状態となるように駆動される。
また、この大入賞口56に遊技球が所定個数通過するか、又は、所定時間が経過するまでシャッタ57が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口56への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口56を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ57は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。
大入賞口56の上方には、第2始動入賞口52が設けられ、さらにその上方には第1始動入賞口51が設けられている。この第1始動入賞口51又は第2始動入賞口52に遊技球が入賞した場合に、大当たり遊技への移行抽せんが行われるとともに特別図柄表示器33において特別図柄の変動表示が開始される。そして、所定時間経過後に大当たり遊技への移行抽せんの結果が、所定の数字の特別図柄として特別図柄表示器33において停止表示される。特別図柄表示器33における特別図柄の変動表示の開始条件としては、本実施形態においては、第1始動入賞口51又は第2始動入賞口52に遊技球が入賞したことを主な条件とする。
すなわち、本実施形態においては、第1始動入賞口51又は第2始動入賞口52に遊技球が入賞したことを契機として、本実施形態における抽せん手段である大当たり遊技への抽せん処理を実行して、その抽せん結果を所定時間経過後の特別図柄の変動停止表示によって遊技者に報知する構成としている。
尚、本実施形態においては、第1始動入賞口51又は第2始動入賞口52に遊技球が入賞したこと等を所定の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
また、特別図柄表示器33における特別図柄の可変表示中に遊技球が第1始動入賞口51又は第2始動入賞口52へ入賞した場合には、可変表示中の特別図柄が抽せん結果に応じて停止表示されるまで、その第1始動入賞口51又は第2始動入賞口52への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示が保留される。特別図柄の可変表示が保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示が開始される。
普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の可変表示が保留されることがあり、その普通図柄の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示器37は、その保留数を表示することとなる。
尚、本実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、4回以外の複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。
尚、本実施形態において、画像を表示する表示手段として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置40を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、EL(Electro Luminescence)、プラズマ等からなるものであってもよい。
[遊技機の電気的構成]
以下、図3を参照して本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
主制御回路100は、メインCPU101、メインROM102(読み出し専用メモリ)、メインRAM103(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU101には、メインROM102、メインRAM103等が接続されており、このメインROM102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM102には、メインCPU101によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブルなどが記憶されている。
メインRAM103は、メインCPU101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、本実施形態においては、メインCPU101の一時記憶領域としてメインRAM103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路100は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば、1ミリ秒)毎にクロックパルスを発生するクロックパルス発生回路104、大当たり遊技への移行抽せん用の乱数を発生する乱数発生回路105、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信I/F(InterFace)106を備えている。
また、主制御回路100には、各種の装置が接続されている。主制御回路100からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器33、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留数を表示する特別図柄保留表示器34、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示器35、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留数を表示する普通図柄保留表示器37、羽根部材53を開放状態又は閉鎖状態とする電動役物ソレノイド118、シャッタ57を駆動させ、大入賞口56を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド120、連続演出の回数を表示する連続演出回数表示器36が接続されている。
また、例えば、大入賞口56における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する大入賞口カウントセンサ117、各入賞口55a〜55dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する入賞球口センサ110、111、112、113、球通過検出器54a、54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する通過球センサ114、115、第1始動入賞口51へ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第1始動入賞口センサ116、第2始動入賞口52へ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第2始動入賞口センサ119などが接続されている。
また、主制御回路100には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、本実施形態における発射手段である遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路100から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射装置130に内蔵されている図示しない発射モータに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
更には、シリアル通信I/F106には、副制御回路200のサブシリアル通信I/F206が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置40における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ251(図3参照)などの制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路100から副制御回路200に対してコマンドを供給するようにしているが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路100に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、サブCPU201、サブROM202、サブRAM203、液晶表示装置40における表示制御を行うための表示装置制御回路240、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行うスピーカ制御回路230、装飾ランプ251などの制御を行う装飾ランプ制御回路250から構成されている。副制御回路200は、主制御回路100からの指令に応じて、遊技の進行に連動した各種演出を、液晶表示装置40、スピーカ46及び装飾ランプ251を用いて実行する。
サブCPU201は、このサブROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU201は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
サブROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM102、サブROM202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、サブRAM203等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
サブRAM203は、サブCPU201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。尚、本実施形態においては、サブCPU201の一時記憶領域としてサブRAM203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示装置制御回路240は、液晶表示装置40の表示制御を行う回路であり、表示装置制御回路240は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、液晶表示装置40に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示装置制御回路240は、サブCPU201から供給される画像表示命令に応じて、識別情報を示す識別情報図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置40に表示させるための遊技に関する画像を表示させる制御を行う。
また、スピーカ制御回路230は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。スピーカ制御回路230は、サブCPU201から供給される音声発生命令に応じて、遊技に関する音声をスピーカ46から発生させる。
装飾ランプ制御回路250は、ランプやLEDなどから構成される装飾ランプ251の制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類の点滅パターンが記憶されているデータROMなどから構成されており、遊技に関する各種装飾ランプの点灯及び消灯を制御する。
また、本実施形態においては、主制御回路100と副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、副制御回路200と主制御回路100とをワンボードに構成してもよい。
[遊技機の遊技状態]
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技状態について簡潔に説明する。本実施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技状態は、大別して通常遊技(大当たり遊技への移行抽せんを行いながら遊技球を消費する遊技であり、大当たり遊技に比べて遊技者には相対的に不利な遊技状態)と大当たり遊技(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な遊技状態)とに分かれる。
さらに、本実施形態における大当たり遊技は、後述の特別図柄制御処理において抽せんされた、特別図柄表示器33に停止表示される特定の数字図柄により、「16R確変大当たり」、「2R確変大当たり(所謂「突確」と呼ばれる大当たり)」、「7R確変大当たり」又は「7R通常大当たり」の4種類の大当たり遊技が決定される。そして、この4種類の大当たり遊技は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図7参照)において、大当たり抽せんテーブル(図示せず)を参照し、通常遊技の通常モード又は確変モードに応じてそれぞれ異なる抽せん確率で抽せんされる。
このとき、上記4種類の大当たり遊技に当せんすると、特別図柄表示器33(図2参照)に停止表示される特別図柄は、例えば、16R確変大当たりの場合は“7”の特別図柄、7R確変大当たりの場合は“3”の特別図柄、2R確変大当たりの場合は“1”の特別図柄、また、7R通常大当たりの場合は“5”の特別図柄が停止表示される。
さらに、4種類の大当たり遊技のいずれか一つに当せんした場合に、特別図柄表示器33(図2参照)に特別図柄が停止表示されるのと同じタイミングで、液晶表示装置40の表示領域41においても、演出用の3個の識別情報によって、例えば、16R確変大当たりの場合は “777”又は“333”の識別情報の組合せ、7R確変大当たりの場合は“111”、“555”、“999”の識別情報の組合せ、2R確変大当たりの場合は “357”の識別情報の組合せ、また、7R通常大当たりの場合は“444”などの識別情報の組合せが停止表示される。
また、4種類の大当たり遊技のいずれかが実行されると、4種類の大当たり遊技にそれぞれ応じた所定の回数(2R確変大当たりでは2回、16R確変大当たりでは16回、7R確変大当たり及び7R通常大当たりでは7回)を上限として、大入賞口56に付設されたシャッタ57(図2参照)が、所定時間(例えば、2R確変大当たりでは0.2秒、それ以外の大当たりでは30秒、)の開放及び閉鎖を繰り返すことにより、遊技領域15に発射された遊技球の大入賞口56への入賞が容易となり、遊技者は短時間で大量の賞球を獲得することが可能となる。かかる大当たり遊技への移行(大当たり遊技への当せん)は、一般の遊技者の最大の目的であり、パチンコ遊技の醍醐味ともいえる。
また、本実施形態では、大当たり遊技の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、16ラウンド、7ラウンド、2ラウンドとしているが、大当たり遊技の最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽せん処理(後述するメインCPU101を含む主制御回路100(図3参照))を設け、この抽せん処理により、“1”ラウンドから“16”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数であって構わない。
また、本実施形態における通常遊技は、通常モード(通常低確率遊技状態)、確変モード(特別高確率遊技状態)、時短モード(時間短縮遊技状態)の3種類の遊技モードで実行される。ここで、この3種類の遊技モード(通常モード、確変モード、時短モード)の推移及びそれぞれの特徴を、以下に簡単に説明する。
通常モードは、パチンコ遊技機10における基本モードであり、パチンコ遊技機10に電源を投入すると、この通常モードから遊技が開始される。なお、この通常モードは、後述の確変モードにおける大当たり遊技への当せん確率よりも低確率に設定される通常低確率遊技状態である。
確変モードは、通常遊技において、上記4種類の大当たり遊技のうち16R確変大当たり、7R確変大当たり又は2R確変大当たりに当せんすると、当該大当たり遊技の終了後に移行する特別高確率遊技状態である。この確変モードでは通常モードにおける大当たり遊技への当せん確率よりも確変モードにおける大当たり遊技への当せん確率の方が高確率に設定される。具体的にいうと、例えば、通常モードにおける大当たり遊技への当せん確率は「1/400」であるのに対して、確変モードにおける大当たり遊技への当せん確率は「1/40」と10倍の当せん確率が設定されている。
つまり、確変モードでは通常モードと比較して、10倍の頻度で大当たり遊技が発生することになるので遊技者にとって有利な遊技状態であり、特に、16R確変大当たりは、ラウンドゲームが最大16ラウンド継続されるため、獲得できる賞球の最も数が多く、当該大当たり遊技後には確変モードが設定されるため、遊技者にとって最も有利な遊技といえる。一方、2R確変大当たりは、ラウンドゲームが2ラウンドしかなく、大当たり遊技の継続時間が大当たり遊技の中では相対的に最も短い遊技となっているため、大当たり遊技終了後の通常遊技が確変モードになるとはいえ、遊技者にとっては、16R確変大当たりと比べると、好ましい大当たり遊技であるとは言えない。
最後に、時短モードは、上記4種類の大当たり遊技のいずれに当せんした場合でも、当該大当たり遊技の終了後に設定される遊技モードである。この時短モードとは、特別図柄及び普通図柄が変動表示を開始して停止表示されるまでの変動時間が、通常モードよりも短く設定される時間短縮遊技状態である。さらに、普通図柄の抽せんに当せんした場合(つまり、左右2個のLEDが所定のパターンである、左LED消灯及び右LED点灯で停止表示された場合)、第2始動入賞口52に付設された羽根部材53の開放時間が通常モードよりも長く設定される。このように、羽根部材53が長く開放されると、第2始動入賞口52に遊技球が入賞し易くなるので、単位時間当たりの大当たり抽せん回数が通常モードに比べて著しく増加し、かつ第2始動入賞口52への入賞に対する賞球の払い出しも増加するため、遊技球の目減りが少なく(所謂「球持ち」がよい状態となる)、遊技者にとって有利な状態といえる。
また、この時短モードは、上記4種類の大当たり遊技に対応して、継続期間が定められる。大当たり遊技が7R通常大当たりの場合は、当該大当たり遊技終了後に、特別図柄の変動回数(例えば、50回又は100回)が継続期間として設定される。一方、大当たり遊技が16R確変大当たり、7R確変大当たり又は2R確変大当たりの場合は、当該大当たり遊技終了後、次回の大当たり遊技へ当せんするまでこの時短モードは継続する。
以上説明したように、本実施形態においては、「通常モード」、「確変モード」、「通常モード+時短モード」及び「確変モード+時短モード」の4つの遊技モードの下で通常遊技が行われることになり、パチンコ遊技機10の上記4種類の大当たり遊技の発生に応じて遊技状態が推移してゆくことになる。
以下、上述した遊技状態の変化に合わせてパチンコ遊技機10で実行される処理を図4〜図12に示す。
[メイン処理]
図4に示すように、最初に、主制御回路100のメインCPU101は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図6を用いて後述するが、特別図柄表示器33に表示される特別図柄、液晶表示装置40において、第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52に対応した3個の識別情報による演出表示に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。そして、詳しくは、図9を用いて後述するが、普通図柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12〜ステップS13の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU101は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。クロックパルス発生回路104から所定の周期(例えば、1ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図5を用いて説明する。
図5に示すように、最初に、メインCPU101は、大当たり抽せん用乱数値等の各抽せん値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。この乱数更新処理では、乱数発生回路105で生成された所定の数値(例えば、0〜65535の数値の中からランダムに発生する数値)を取得して新しい乱数としてメインRAM103の所定領域に記憶(更新)する。そして、メインCPU101は、第1始動入賞口51等の各種入賞口への遊技球の入賞を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU101は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM103の所定領域に記憶することとなる。
さらに、この入力検出処理(ステップS22)において、メインCPU101は、第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52への遊技球の入賞を検出すると、前記乱数更新処理(ステップS21)において更新された乱数値を読み出して、保留数の上限値(例えば、4個)までメインRAM103の所定の領域に記憶する。この処理が本実施形態における保留数記憶手段として機能する。そして、ここでメインRAM103の所定の領域に記憶された遊技球の保留数と乱数値は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図7参照)の大当たり抽せん処理(ステップS64)において参照されることとなる。そして、この処理が終了するとステップS23へ処理を移す。なお、保留数の上限は4個に限定されるものではなく、例えば、8個等適宜変更可能である。
ステップS23においては、タイマ更新処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、主制御回路100と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たり遊技が発生した際に開放する大入賞口56の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。そして、この処理が終了するとステップS24へ処理を移す。
ステップS24においては出力処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の領域に記憶されている各種の出力要求に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する。すなわち、後述する各処理において、メインCPU101は、各種駆動遊技部材(遊技盤14に配設されており、なおかつ遊技状態に応じて、その形態を変化させる遊技部材)に対する信号出力要求がメインRAM103の所定領域に記憶された場合は、それに応じた信号を出力する。例えば、第2始動入賞口52に付設されている羽根部材53を開放又は閉鎖するための電動役物ソレノイド118、大入賞口56に付設されているシャッタ57を開放又は閉鎖するための大入賞口ソレノイド120などの各ソレノイドの駆動要求があった場合、制御信号を出力して、各種駆動遊技部材を駆動させる処理を行なう。
さらに、この出力処理において、メインCPU101は、遊技領域15に設けられている各種表示器類(特別図柄表示器33、特別図柄保留表示器34、普通図柄表示器35、連続演出回数表示器36、普通図柄保留表示器37など)のそれぞれに対応した図柄の変動要求又は停止要求、或いはランプの点灯要求又は消灯要求がメインRAM103の所定の領域に記憶されていた場合は、それに対応した各種表示器類の、図柄の変動又は停止、或いはランプの点灯又は消灯を制御する。そして、この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、各種のコマンド信号を副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンド信号としては、例えば、液晶表示装置40に導出表示されるデモ表示コマンド、第2始動入賞口52に対応した識別情報の種類を指定する導出図柄指定コマンド、本実施形態の特徴である連続演出を実行するための連続演出コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
そして、ステップS26の処理において、メインCPU101は、賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理では、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを契機として、予め定められた数の賞球払出を行うための賞球制御コマンド信号を払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図4のステップS12において実行される特別図柄制御処理について、図6を用いて説明する。
最初に、ステップS31の処理において、メインCPU101は、特別図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU101は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
ステップS32においては、メインCPU101は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留数を調べ、保留数がある場合に、“大当たり遊技”への移行抽せん、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS34においては、メインCPU101は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。すなわち、ステップS35において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU101は、ステップS36へ処理を移す。
ステップS36においては、メインCPU101は、特別図柄停止処理を行なう。この特別図柄停止処理では、メインCPU101は、第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52に対応して変動表示中の特別図柄の変動停止要求を、メインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、この処理でメインRAM103の所定の領域に記憶された特別図柄の変動停止要求は、前述したシステムタイマ割込処理の出力処理(図5、ステップS24)において特別図柄表示器33(図2参照)へ出力され、第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52に対応して変動表示中の特別図柄が変動停止される。この処理が終了するとステップS37へ処理を移す。
そして、メインCPU101は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否かを判断し、大当たりでなければステップS39に処理を移す。一方、大当たりであった場合は、ステップS38の大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、メインCPU101は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして本サブルーチンを終了する。
ステップS39においては、メインCPU101は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
ステップS40においては、メインCPU101は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS43に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まず、メインCPU101は、ステップS41で大入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42で大入賞口開放処理を行う。この大入賞口開放処理では、メインCPU101は、まず大入賞口56の開放をセット(メインRAM103の所定の領域に、シャッタ57による大入賞口ソレノイド120の開放指示を記憶する)し、次に大入賞口開放タイマに大入賞口56の開放時間(例えば、2R確変大当たりでは0.2秒、2R確変大当たり以外の大当たりでは約30秒)をセットする。そして、特別図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
ステップS43においては、メインCPU101は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS49に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行う。大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU101は、ステップS44で大入賞口開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか、又は、大入賞口56へ規定の個数(例えば、10個)の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大入賞口開放タイマがタイムアップしておらず、同時に、大入賞口56へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして、入賞口開放タイマのタイムアップ、又は、大入賞口56へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS45へ処理を移行する。
ステップS45においては、メインCPU101は、大入賞口閉鎖処理(メインRAM103の所定の領域に、シャッタ57による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS46へ処理を移す。
ステップS46においては、メインCPU101は、大入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(7R通常大当たりでは7回、16R確変大当たりでは16回、2R確変大当たりでは2回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS48で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。また、メインCPU101はステップS47において、大入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、ステップS47において、メインCPU101は、大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに再度大入賞口56の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS49においては、メインCPU101は、大当たり終了処理を行う。大当たり終了処理では、大当たり図柄が16R確変大当たり、7R確変大当たり又は2R確変大当たりの場合は、通常遊技を「確変モード+時短モード」とするとともに、時短モードの継続期間は次回の大当たりまで継続する旨をメインRAM103の所定の領域に記憶する。一方、大当たり図柄が7R通常大当たりの場合には、通常遊技を「通常モード+時短モード」とするとともに、所定の特別図柄の変動回数(例えば、100回)を、メインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、最後にメインCPU101は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図6のステップS33において実行される特別図柄記憶チェック処理について図7を用いて説明する。
最初に、メインCPU101は、ステップS61において、第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52に遊技球が入賞した場合に保留された特別図柄の保留数が“0”であるか否かを判断し、特別図柄の保留数が“0”の場合には、ステップS62に処理を移し、特別図柄の保留数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動要求がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
ステップS62においては、メインCPU101は、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンド信号を送る。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS63においては、メインCPU101は、特別図柄制御フラグに特別図柄変動時間管理を要求する値(01)をセットし、ステップS64に処理を移す。
ステップS64においては、大当たり抽せん処理を実行する。この大当たり抽せん処理は、本実施形態における遊技領域15に設けられた始動入賞口(第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52)への遊技球の入球を契機として遊技者に有利な大当たり遊技(特別遊技)へ移行するか否かの抽せんを行う抽せん手段として機能する。
ステップS64における大当たり抽せん処理において、メインCPU101は、パチンコ遊技機10の現在の遊技モード(通常モード、確変モード)に基づいて、第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52へ遊技球が入賞した時に抽出された大当たり抽せん用乱数値と、大当たり抽せんテーブル(図示せず)を参照し、大当たり遊技への移行抽せんが行われる。そして、大当たりに遊技に当せんした場合は、大当たり遊技振分テーブル(図13参照)を参照して、16R確変大当たり、7R確変大当たり、2R確変大当たり、7R通常大当たり又は“はずれ”のうちのいずれかの大当たり遊技に振り分けられて大当たり遊技の種別が決定される。この大当たり抽せん処理が本実施形態における抽せん手段に相当する。
ステップS64の大当たり抽せん処理が終了すると、メインCPU101は処理をステップS65に移す。ステップS65においては、メインCPU101は、特別図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、ステップS64で決定された大当たりの種別のそれぞれの大当たり遊技に対応して特別図柄は決定される。そして、決定された特別図柄は、メインRAM103の所定の領域に記憶される。これによって、特別図柄表示器33において、大当たりに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。
また、大当たり遊技に当せんしていない場合は、はずれ図柄の決定処理を実行する。ステップS65の処理において、メインCPU101は、はずれ図柄に対応した特別図柄(例えば“0”等の数字)を決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。これによって、特別図柄表示器33において、はずれに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS66に処理を移す。
メインCPU101は、ステップS66において、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メインCPU101は、現在の通常遊技が、通常モードであるか否か判断し、現在の通常遊技が通常モードの場合は、通常モードの特別図柄変動時間(例えば10秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM103の所定の領域に記憶する。
一方、メインCPU101は、通常モードではない(つまり、確変モード又は時短モード)の場合は、特別図柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば5秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM103の所定の領域に記憶する。また、このステップS66の処理において、メインCPU101は、時短モードの継続期間としてメインRAM103の所定の領域に記憶された特別図柄の変動回数(例えば、50回)を「−1」減算して記憶更新する。そして、特別図柄の変動回数が“0”になった場合、つまり、時短モードの継続期間が終了した場合は、時短モードをリセット(メインRAM103の所定の領域に記憶された時短モードのフラグをクリア)して、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS67においては、メインCPU101は、液晶表示装置40の表示領域41に演出表示される識別情報や演出時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS65で記憶された“大当たり”又は“はずれ”のデータ、そしてステップS65で記憶された特別図柄変動時間等のデータに基づいて、液晶表示装置40の表示領域41に演出表示される識別情報や演出時間を決定し、メインRAM103の所定の領域に記憶する。
ステップS67の処理で記憶された液晶表示装置40の表示領域41に演出表示される識別情報や演出時間は、図5のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、大当たり遊技の種別に対応した識別情報が液晶表示装置40の表示領域41に導出表示されるとともに、識別情報の変動時間も決定される。つまり、特別図柄表示器33で導出表示される特別図柄の変動時間と、液晶表示装置40に導出表示される識別情報の変動時間は、同期して行われることとなる。
ステップS68においては、メインCPU101は、本実施形態における連続演出回数決定手段である連続演出決定処理を行う。この処理において、詳細は後述するが、メインCPU101は、メインRAM103の所定の領域に記憶された遊技球の保留数や、ステップS65で記憶された“大当たり”又は“はずれ”のデータに基づいて、液晶表示装置40の表示領域41に演出表示される連続演出回数、連続演出パターンや演出時間を決定し、メインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、この処理が終了すると本サブルーチンを終了する。
ステップS68の処理で記憶された液晶表示装置40の表示領域41に演出表示される連続演出回数、連続演出パターンや演出時間は、図5のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に連続演出コマンドとして送信される。これによって、副制御回路200において、連続演出決定処理で決定された連続演出回数が液晶表示装置40の表示領域41に導出表示されるとともに、決定された連続演出回数に応じた連続演出が実行されることとなる。
[普通図柄制御処理]
図4のステップS13において実行されるサブルーチンについて図8を用いて説明する。
最初に、メインCPU101は、ステップS101において、普通図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102においては、メインCPU101は、普通図柄制御フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)であるか否か判断し、普通図柄制御フラグが(00)でない場合はステップS104へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(00)の場合は、ステップS103の普通図柄記憶チェック処理を行う。この普通図柄記憶チェック処理では、詳しくは図9を用いて説明するが、メインCPU101は、普通図柄の保留数を調べ、保留数がある場合に、普通図柄の当り判定、普通図柄の変動開始、普通図柄の変動タイマのセット等を行い、普通図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS104においては、メインCPU101は、普通図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合は、ステップS105において、普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアップしていなかった場合は処理を終了する。一方、普通図柄変動タイマがタイムアップした場合は、メインCPU101は、ステップS106において、普通図柄停止処理を行なう。この普通図柄停止処理においては、メインCPU101は、普通図柄表示器35に対して変動を停止する要求をセットし、メインRAM103の所定の領域に記憶する。これにより、普通図柄表示器35において、前記普通図柄記憶チェック処理で判定された、普通図柄の“当り”又は“はずれ”の判定結果が表示されることとなる。この処理が終了すると、メインRAM103の所定の領域に記憶されている普通図柄保留数を“1”減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
ステップS107においては、メインCPU101は、普通図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU101は、普通図柄が当りであると判断した場合は、ステップS109の普通電動役物開放処理に処理を移す。一方、メインCPU101は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS110において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU101は、普通電動役物である羽根部材53の開放処理(メインRAM103の所定の領域に普通電動役物の開放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物(羽根部材53)の開放時間(例えば、遊技モードが時短モードの場合は3秒、確変モード又は通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(03)をセットして処理を終了する。
ステップS111においては、メインCPU101は、普通図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、普通図柄制御フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
一方、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、メインCPU101は、ステップS112へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、ステップS113の普通電動役物閉鎖処理において、普通電動役物である羽根部材53を閉鎖状態(メインRAM103の所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御フラグに(00)をセットして処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図8のステップS103において実行されるサブルーチンについて図9を用いて説明する。
最初に、ステップS121において、メインCPU101は、普通図柄保留数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄保留数が“0”であると判断した場合には、普通図柄記憶チェック処理を終了する。尚、この普通図柄保留数はメインRAM103の所定の領域に記憶され、球通過検出器54a、54bを遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算して記憶更新される。
一方、メインCPU101は、普通図柄の保留数が“0”でないと判断した場合には、ステップS122において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値“01”をセットし、普通図柄当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、球通過検出器54a、54bを遊技球が通過することによって抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM102に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU101は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄の停止パターン(例えば、、左右2個のLEDが左LED消灯及び右LED点灯で停止表示するパターン)を示すデータをメインRAM103の所定の領域に記憶する。一方、メインCPU101は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれ図柄の停止パターンを示すデータをメインRAM103の所定の領域に記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、普通図柄表示器35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示器35は、普通図柄の変動表示(例えば、2個のLEDを交互に点滅させる)を開始する。この後、ステップS123に処理を移す。
ステップS123においては、メインCPU101は、通常遊技が時短モードであるか否かを判断し、通常遊技が時短モードであった場合は、通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。一方、遊技モードが時短モードでない(つまり、確変モード又は通常モード)場合は、時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。
[連続演出決定処理]
図7(特別図柄記憶チェック処理)のステップS68において実行されるサブルーチンについて図10を用いて説明する。
最初に、メインCPU101は、ステップS151において、連続演出回数決定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の領域に記憶された保留数に基づいて、連続演出回数決定テーブル(図14参照)を参照して、最小0回(連続演出なし)〜最大7回の連続演出回数を決定する。この連続演出回数決定処理が本実施形態における連続演出回数決定手段として機能する。
また、ここで決定された連続演出回数は、メインRAM103の所定の領域に記憶されるとともに、後述の液晶表示装置40の表示領域41において、遊技者が決定された連続演出回数を視認可能なように表示(図16参照)される。また、上述したように、一個の7セグメントで構成された連続演出回数表示器36(図2参照)にも連続演出回数が表示される。連続演出回数表示器36に表示される連続演出回数は、液晶表示装置40の表示領域41において実行される連続演出の回数に応じてカウントダウン(残り回数の表示)してもよいし、連続演出が終了するまで最大値を表示することもできる。
すなわち、本実施形態においては、図14の連続演出回数決定テーブルに示すように、メインRAM103の所定の領域に記憶された保留数の多寡で、連続演出を実行する回数(連続演出回数)が異なる。具体的に説明すると、保留数が1個以下の場合は、0〜2回の連続演出回数が決定される確率が20%であるのに対して、3〜6回の連続演出回数が決定される確率は78%である。また、保留数が2個以上(2個〜最大4個)の場合は、0〜2回の連続演出回数が決定される確率が60%であるのに対して、3〜6回の連続演出回数が決定される確率は38%である。
このように、保留数が少ない場合に、連続演出回数が多く決定される確率を高くすることで、始動入賞口(第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52)への遊技球の入球が少ない場合でも、表示手段においてより多い回数の識別情報の変動表示及び停止表示による連続演出(所謂、疑似連続演出)が実行されるため、始動入賞口への遊技球の入球が少ない場合でも遊技者の遊技意欲が低下することを防ぐことができる。
また、最大回数(つまり、7回)の連続演出回数が決定される確率は、保留数の多寡に限らず最小(2%)としている。これは、最大回数の連続演出回数は、本実施形態においては最も決定される確率を低くするためであり、これにより、最大回数の連続演出回数をプレミア演出として位置付けている。このように、連続演出においてもプレミア演出を設けることにより、遊技者の連続演出に対する関心を高めることができ、さらに、多様な演出を楽しませることを可能としている。
次に、メインCPU101は、ステップS152において連続演出パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、ステップS151で決定された連続演出回数や大当たり遊技に当せんしているか否かに基づいて、連続演出パターン決定テーブル(図15参照)を参照して連続演出回数に応じた連続演出パターンを決定する。
図15の連続演出パターン決定テーブルに示すように、メインRAM103の所定の領域に記憶された連続演出回数や大当たり遊技に当せんしているか否かに基づいて、連続演出パターンが決定される。この連続演出パターンでは、詳細は後述するが、まず、液晶表示装置40の表示領域41において、連続演出回数が表示され(図16参照)、次に、決定された連続演出回数に応じて複数(3個)の識別情報の変動表示及び停止表示(図17〜図19参照)が実行される。そして連続演出回数の最終回数で、大当たり遊技に当せんしているか否かに基づいて3個の識別情報が大当たり遊技を示唆する態様又はハズレを示唆する態様で停止表示される。
図15の連続演出パターン決定テーブルに示すように、本実施形態では複数の異なる演出パターンの組合せで連続演出が実行される。連続演出パターン決定テーブルは、リーチ非成立(3つの識別情報がバラバラの図柄のまま変動表示し、その後、バラバラの図柄で停止表示する演出)、ノーマルリーチ(3つの識別情報が変動表示した後、左右の識別情報が同じ図柄で停止した状態で真ん中の図柄のみ変動表示して、その後、真ん中の図柄が停止表示する演出)、弱SP(スペシャル)リーチ(ノーマルリーチの状態で、キャラクタ画像を用いて大当たりに当せんの可能性が相対的に低いことを示唆する演出)、強SPリーチ(ノーマルリーチの状態で、キャラクタ画像を用いて大当たりに当せんの可能性が相対的に高いことを示唆する演出)、特殊リーチ(3つの識別情報が同じ図柄で変動表示する大当たりに当せんの可能性が最も高いことを示唆する演出)等の複数の異なる演出パターンで構成されている。なお、この演出パターンの組合せは任意であり、例えば、連続演出回数に応じて、弱SPリーチ、強SPリーチ等を連続で実行してもよいし、また、リーチ非成立、ノーマルリーチ等を連続で実行してもよい。
また、本実施形態においては、上述した大当たり抽せん処理(図7、ステップS64)により遊技者に有利な大当たり遊技へ移行することが決定されていることを条件として、連続演出回数決定処理(ステップS151)で決定された連続演出回数の最大回数の途中でも、遊技者に有利な大当たり遊技へ移行することを遊技者に報知して、連続演出を途中で終了する場合がある。つまり、図15の連続演出パターン決定テーブルの最下段に示すように、連続演出回数の最大回数である7回が決定されていた場合でも、実質4回目の連続演出で特殊リーチを実行して、大当たり遊技へ移行することを遊技者に報知する3個の識別情報を同じ数字図柄で停止表示させて連続演出を途中で終了することもできる。
このように、連続演出回数の最大回数の途中でも連続演出を途中で終了することで、遊技者に意外感を与えることができ、連続演出の途中でも3個の識別情報の停止表示態様に遊技者の関心を高めることができる新たな演出を備えた遊技機を提供することが可能となる。
なお、図15に示す連続演出パターン決定テーブルは一例であり、本実施御形態においては、決定された連続演出回数(1回〜7回)に応じて複数の連続演出パターン決定テーブルが予めメインROM102の所定領域に記憶されており、連続演出回数や大当たり遊技に当せんしているか否かに基づいて最適な連続演出パターン決定テーブルが選択され連続演出のパターンが決定される。また、連続演出パターンについても、図15に示す連続演出パターン決定テーブルだけではなく、より多様な演出パターンが設定されている演出パターン決定テーブルが予めメインROM102の所定領域に記憶されている。
最後に、メインCPU101は、ステップS153において、連続演出開始処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、上述したステップS151で決定された連続演出回数、ステップS152で決定された連続演出パターン、連続演出パターンの実行時間をメインRAM103の所定の領域に記憶する。
なお、上述した連続演出決定処理においては、連続演出回数決定テーブルを参照して、最小1回〜最大7回までの連続演出回数が所定の確率で決定されるようにしたが、これに限らず、例えば、始動入賞口(第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52)への遊技球の入賞を契機として取得された乱数値を利用して、大当たり抽せん処理(図7、ステップS64)と同様に、連続回数抽せんテーブル(図示せず)を参照し、連続演出回数の抽せん処理を行ってもよい。また、決定される連続演出回数を最小1回〜最大7回としたが、これに限定されるものではなく、連続演出回数の最小及び最大回数等の数値は任意に変更可能である。また、連続演出パターンの種類等も適宜変更可能である。
そして、ここでメインRAM103の所定の領域に記憶された連続演出回数、連続演出パターン及び連続演出パターンの実行時間は、後述のコマンド出力処理(図5のステップS25)により、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に連続演出コマンドとして送信される。これによって、副制御回路200において、本実施形態における連続演出が液晶表示装置40の表示領域41において実行されることになる。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図11を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS201において、サブCPU201は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU201は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU201は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU201は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU201は、サブRAM203の所定領域に位置付けられた各種の乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU201は、コマンド解析処理を実行する。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100のメインCPU101から送られてきた各種コマンド(例えば、導出図柄指定コマンド等)を解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU201は、表示制御処理を実行する。この処理において、サブCPU201は、前記コマンド解析処理において、主制御回路100のメインCPU101からの導出図柄指定コマンドを受信した場合に、その導出図柄指定コマンドに応じた3個の識別情報等の画像表示制御を、液晶表示装置40の表示領域41において行うこととなる。
そして、サブCPU201は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種の装飾ランプ251の発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド解析処理]
図11のコマンド解析処理(ステップS203)について図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、サブCPU201は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、受信コマンドがあるか否かを判断する(ステップS311)。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU201は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出す(ステップS312)。これ以降の処理については以下に詳しく説明する。
受信コマンドがあると判別した場合には、サブCPU201は、読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS313)。サブCPU201は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、3個の識別情報の変動パターン(つまり、リーチパターン)、背景画像を表示する画像演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する(ステップS316)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、読み出したコマンドデータに基づいて、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS314)。サブCPU201は、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、導出図柄指定コマンドに基づいて、液晶表示装置40の表示領域41において導出表示させる3個の識別情報を決定する導出図柄決定処理を実行(ステップS317)して、本サブルーチンを終了する。一方、導出図柄指定コマンドを受信していないと判断した場合は、ステップS315に処理を移す。
サブCPU201は、ステップS315において、連続演出コマンドを受信したか否かを判断する。サブCPU201は、発射制御コマンドを受信したと判別した場合には、連続演出コマンドに対応する連続演出実行処理(ステップS318)を実行して、本サブルーチンを終了する。つまり、この連続演出実行処理の結果、上述した連続演出決定処理において決定された連続演出が液晶表示装置40の表示領域41において実行(図16〜図19参照)されることになる。
一方、サブCPU201は、発射制御コマンドを受信していないと判別した場合には、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし(ステップS319)、本サブルーチンを終了する。
[連続演出の実施例]
以下、上述した連続演出決定処理(図10参照)において決定され、液晶表示装置40の表示領域41において実行される連続演出の実施例を、図16〜19を参照して説明する。なお、以下の説明では、連続演出回数が1回、3回、7回が決定された場合を一例として説明する。
最初に、図16に示すように、1回以上の連続演出回数が決定されると液晶表示装置40の表示領域41において、連続演出の決定(演出保留決定)を示唆する画像を表示した後、連続演出回数が数字図柄42で表示される。決定された連続演出回数が1回の場合は「1」、3回の場合は「3」、7回の場合は「7」の数字図柄42が、表示領域41の中央に大きく表示される。これにより、遊技者は、表示された回数の連続演出が開始することを視認することができる。
次に、図17に示すように、決定された連続演出回数が1回の場合は1個、3回の場合は3個、7回の場合は7個の演出用の保留図柄43が、表示領域41の全面に大きく表示される。これにより、遊技者は連続演出回数に応じた演出用の保留数を認識することができる。この保留図柄43は、例えば、星形、キャラクタ等の図柄が好適に用いられる。
この後、表示された保留図柄の回数分、3個の識別情報である数字図柄45の変動表示及び停止表示を実行する。消化する保留図柄43が複数ある場合は、消化中の保留図柄43は、消化中を示すために保留図柄43aとして色を変更して表示している。そして、1回の数字図柄45の変動表示及び停止表示が終了する毎に、1個の保留図柄43が表示領域41から消滅する。
最後に、図17〜図19に示すように、決定された連続演出回数を全て消化すると、連側演出の保留結果が、大当たり遊技に当せんしていた場合は、3個の識別情報である数字図柄45が同じ数字の数字図柄45で停止表示されて遊技者に大当たりへ当せんしたことを報知する。また、大当たり遊技に当せんしていなかった場合は、3個の識別情報である数字図柄45のうちの全ての数字図柄45又は少なくとも一つの数字図柄45が異なる数字の数字図柄45で停止表示され、遊技者にはずれであることを報知する。
上述したように、連続演出において連続演出回数が最大回数(つまり、7回)の場合に、保留図柄43をキャラクタによる図柄とし、その他は星形の保留図柄43としている。すなわち、本実施形態においては、連続演出回数が最大回数の時に限り、特殊な連続演出を実行するようにしている。これは、連続演出回数が最大回数に振り分けられる確率は、保留数の多寡に限らず最小(図14参照)の確率であり、最大回数の連続演出回数をプレミア演出として位置付けて、遊技者に対して異なる回数の連続演出を提供するだけではなく、通常とは異なる特徴のある連続演出を提供するためである。
なお、上述した連続演出の説明においては、3個の識別情報である数字図柄45の変動表示及び停止表示を連続演出の1回としたが、連続演出は数字図柄45の変動表示及び停止表示だけではなく、キャラクタ図柄等を数字図柄45の変動表示中に表示領域41に表示して、その表示されたキャラクタ図柄の種類により大当たり遊技への当せんの可能性を示唆することもできる。
また、上述したように、連続演出においては、連続演出回数の最大回数に到達する前に、大当たり遊技に当せんしていることを条件として、連続演出を途中で終了させることもできる。なお、この連続演出の途中終了は、大当たり遊技に当せんしていない場合でも、例えば、保留数が最大数(4個)となったことを条件として途中で終了させることもできる。
[演出時間決定処理]
以下、上述した連続演出決定処理の変形例である演出時間決定処理を、図20〜図22を用いて説明する。なお、以下の演出時間決定処理では、連続演出の演出時間を決定し、決定した演出時間に応じて実行する連続演出回数が決定される。なお、この処理は、図7(特別図柄記憶チェック処理)のステップS68において実行される連続演出決定処理の代わりに実行される処理である。
最初に、メインCPU101は、ステップS401において、演出時間決定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の領域に記憶された保留数に基づいて、演出時間決定テーブル(図21参照)を参照して、最小10秒〜最大80秒の演出時間を決定する。ここで決定された演出時間は、メインRAM103の所定の領域に記憶される。この処理は演出時間決定手段として機能する。
演出時間決定処理においては、図21の演出時間決定テーブルに示すように、メインRAM103の所定の領域に記憶された保留数の多寡に基づいて異なる演出時間が決定される。具体的に説明すると、保留数が1個以下の場合は、演出時間が短い10秒〜30秒の演出時間が選択される確率が20%であるのに対して、40秒〜70秒の演出時間が選択される確率は78%である。また、保留数が2個以上(2個〜最大4個)の場合は、10秒〜30秒の演出時間が選択される確率が60%であるのに対して、40秒〜70秒の連続演出回数が選択される確率は38%である。
このように、保留数が少ない場合に、連続演出を実行する演出時間を多くすることで、始動入賞口(第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52)への遊技球の入球が少ない場合でも、表示手段においてより多い回数の識別情報の変動表示及び停止表示による連続演出(所謂、疑似連続演出)が実行することができ、始動入賞口への遊技球の入球が少ない場合でも遊技者の遊技意欲が低下することを防ぐことができる。
また、演出時間として最大時間(つまり、80秒)が選択される確率は、保留数の多寡に限らず最小(2%)としている。これは、連続演出を実行するための最長の演出時間は、本実施形態においては最も選択される確率を低くするためであり、これにより、最長の演出時間による演出をプレミア演出として位置付けている。このように、演出時間においてもプレミア演出を設けることにより、遊技者の演出時間の長短に対する関心を高めることができ、さらに、多様な演出を楽しませることを可能としている。
次に、メインCPU101は、ステップS402において、演出時間に応じた連続演出パターン及び連続演出回数の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、ステップS401で決定された演出時間や大当たり遊技に当せんしているか否かに基づいて、演出時間に応じた連続演出パターン決定テーブル(図22参照)を参照して連続演出パターン及び連続演出回数を決定する。ここで決定された連続演出回数は、まず、液晶表示装置40の表示領域41において、連続演出回数が表示され(図16参照)、次に、決定された連続演出回数に応じて複数(3個)の識別情報の変動表示及び停止表示(図17〜図19参照)が実行される。そして連続演出回数の最終回数で、大当たり遊技に当せんしているか否かに基づいて3個の識別情報が大当たり遊技を示唆する態様又はハズレを示唆する態様で停止表示される。
図22の演出時間に応じた連続演出パターン決定テーブルに示すように、本実施形態では、予め定められた実行時間の異なる複数の演出パターンを備えている。この実行時間の異なる複数の演出パターンは、連続演出回数表示(5秒)、リーチ非成立(5秒)、ノーマルリーチ(10秒)、弱SP(スペシャル)リーチ(15秒)、強SPリーチ(15秒)、特殊リーチ(30秒)等で構成されている。
そして、決定された演出時間や大当たり遊技の抽せん結果に応じて、連続演出回数及び演出パターンが決定される。また、図22に示すように、同じ演出時間においても回数の異なる連続演出回数が決定される場合がある。ここで決定された連続演出回数は、液晶表示装置40の表示領域41において、遊技者が決定された連続演出回数を視認可能なように表示(図16参照)されるとともに、上述したように、一個の7セグメントで構成された連続演出回数表示器36(図2参照)にも表示される。
また、上述した大当たり抽せん処理(図7、ステップS64)により遊技者に有利な大当たり遊技へ移行することが決定されていることを条件として、演出時間決定処理で決定された演出時間の途中でも、遊技者に有利な大当たり遊技へ移行することを遊技者に報知する場合がある。つまり、図22の演出時間に応じた連続演出パターン決定テーブルの最下段に示すように、演出時間の最大時間である80秒が決定されていた場合でも、実質40秒で大当たり遊技へ移行することを遊技者に報知する3個の識別情報を同じ数字図柄で停止表示させて演出時間の途中でも連続演出を終了することもできる。
このように、演出時間の途中でも連続演出を終了することで、遊技者に意外感を与えることができ、決定された演出時間の途中でも3個の識別情報の停止表示態様に遊技者の関心を高めることができる新たな演出を備えた遊技機を提供することが可能となる。
最後に、メインCPU101は、ステップS403において、連続演出開始処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、上述したステップS401で決定された演出時間、ステップS402で決定された連続演出パターン及び連続演出回数の実行時間をメインRAM103の所定の領域に記憶する。
そして、ここでメインRAM103の所定の領域に記憶された連続演出回数、連続演出パターン及び演出時間は、コマンド出力処理(図5のステップS25)により、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に連続演出コマンドとして送信される。これによって、副制御回路200において、本実施形態における連続演出が液晶表示装置40の表示領域41において実行されることになる。
なお、上述した演出時間決定処理においては、演出時間決定テーブルを参照して、最短10秒〜最長80秒の演出時間が決定されるようにしたが、これに限らず、例えば、始動入賞口(第1始動入賞口51及び第2始動入賞口52)への遊技球の入賞を契機として取得された乱数値を利用して、大当たり抽せん処理(図7、ステップS64)と同様に、演出時間抽せんテーブル(図示せず)を参照して演出時間の抽せん処理を行ってもよい。また、決定される演出時間を最短10秒〜最長80秒としたが、これに限定されるものではなく、演出時間の最短及び最長時間等の数値は任意に変更可能である。
以上、上記実施例を通して本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施例に記載されたものに限定されるものではない。