実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、この実施の形態では、演出表示装置9の表示領域において左中右の3つの演出図柄の表示領域が設けられている。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄や第2特別図柄、演出図柄の変動開始時における第1保留記憶数または第2保留記憶数を表示する保留記憶数表示領域91が設けられている。保留記憶数表示領域91には、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が行なわれるときには、変動開始時における第1保留記憶数が表示される。また、保留記憶数表示領域91には、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が行なわれるときには、変動開始時における第2保留記憶数が表示される。なお、保留記憶数表示領域91を演出表示装置9とは別の液晶表示装置を用いて実現してもよいし、7セグメントLEDなどの小型表示器を用いて実現してもよい。
また、この実施の形態では、略円形に形成された演出表示装置9の周囲には、竜などの形状を模した装飾部材92や、装飾用のランプ93a〜93cが配置された装飾部材93が設けられている。なお、装飾部材92,93を可動可能に構成してもよい。この場合、例えば、演出表示装置9において行われる演出図柄の変動表示や大当り表示などの各演出に応じて装飾部材92,93を可動する演出を行うようにしてもよい。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに「1」〜「9」の数字と「−」の記号)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、単色のLEDと7セグメントLEDとの組み合わせによって構成されていていもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示の実行条件である第1始動条件、または第2特別図柄の可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技および小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、この実施の形態において、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄の変動表示を実行し、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄の変動表示を実行するようにしている。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
また、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、設けられていなくてもよい。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる表示として2つのLEDがともに点灯されたままになる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて突然確変大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて突然確変大当りを想起させる表示として上側のLEDのみが点灯されたままになる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて小当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて小当りを想起させる表示として下側のLEDのみが点灯されたままになる。また、第1特別図柄表示器8aにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいてはずれを想起させる表示として2つのLEDがともに消灯されたままになる。
また、この実施の形態では、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる表示として2つのLEDがともに点灯されたままになる。また、第2特別図柄表示器8bにおいて小当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて小当りを想起させる表示として下側のLEDのみが点灯されたままになる。また、第2特別図柄表示器8bにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいてはずれを想起させる表示として2つのLEDがともに消灯されたままになる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aにおいてのみ突然確変大当り図柄が停止表示される場合を示すが、第2特別図柄表示器8bにおいても突然確変大当り図柄が停止表示されるようにしてもよい。この場合、第2特別図柄表示器8bにおいて突然確変大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて突然確変大当りを想起させる表示として上側のLEDのみが点灯されたままになるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、所定条件が成立したときにソレノイド16によって開放状態とされる。この実施の形態では、後述するように、普通図柄の可変表示結果が当りとなったときに、可変入賞球装置15が所定時間開放状態とされる。なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(確率変動状態)または時短状態(時間短縮状態)であるときには、通常状態であるときと比較して可変入賞球装置15が長い時間開放状態とされる。可変入賞球装置15が開放状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開放状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
図1には示していないが、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示領域という)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示領域が設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示領域が設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に(所定条件が成立したときに)、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。なお、普通図柄の可変表示結果が当りとなった場合に限らず、例えば、遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて所定条件が成立したと判断して、可変入賞球装置15を開放状態に制御するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示を行うことなく、直ちに可変入賞球装置15を開放状態に制御するようにしてもよい。また、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示は行うものの、普通図柄の可変表示結果を当りとするか否かを判定することなく、無条件に可変入賞球装置15を開放状態に制御するようにしてもよい。この場合、普通図柄の当りを示す当りフラグを格納する領域が不要となり、RAM容量を削減することができる。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
さらに、通常状態および時短状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、通常状態と比較して可変入賞球装置15の開放期間が延長された状態は、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められた状態を意味する。確変状態または時短状態であるときに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数のいずれも高める必要はなく、可変入賞球装置15の開放時間のみを長くするようにしてもよく、開放回数のみを増やしてもよい。
この実施の形態では、確変状態において特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態および時短状態よりも高いことを除いて、確変状態と時短状態とは同じように制御される。すなわち、確変状態および時短状態のいずれの状態においても、特別図柄の可変表示時間が短縮され、普通図柄の可変表示結果の当りとなる確率が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放延長が行われる。このように、この実施の形態では、確変状態においても特別図柄の可変表示時間が短縮されるので、この実施の形態における確変状態を確変時短状態といってもよい。なお、確変状態と時短状態とで異なる制御を行うようにしてもよい。例えば、時短状態のときにのみ、特別図柄の可変表示時間を短縮するようにしてもよい。
なお、確変状態や時短状態のときのように、普通図柄の可変表示結果の当りとなる確率が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放延長が行われている遊技状態を高ベース状態といい、通常状態のときのように高ベース状態でない遊技状態を低ベース状態という。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
また、打球供給皿(上皿)3の上面には、遊技中に遊技者が操作するための操作ボタン120が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、大当りの種別および小当りについて説明する。
特別図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になると、大当り遊技状態(以下、確変大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。なお、特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの非確変図柄になると、大当り遊技状態(以下、非確変大当りまたは通常大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。この実施の形態では、停止図柄が非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときも、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞球装置20が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞球装置20が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、演出表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、特別図柄の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞球装置20が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
次に、遊技状態の遷移について説明する。
(1)通常状態または時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景(背景画像および背景色のいずれか一方または双方)が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(2)確変状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(3)通常状態または時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
(4)確変状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
(5)通常状態または時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常状態であったときは通常状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、演出表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(6)確変状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、演出表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(7)通常状態、時短状態または確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常状態、時短状態または確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
なお、この実施の形態では、演出図柄の確変図柄を「1」「3」「5」「7」のいずれかの奇数の同一図柄が揃った組み合わせとし、非確変図柄を「2」「4」「6」「8」のいずれかの偶数の同一図柄が揃った組み合わせとしているが、例えば、演出図柄の確変図柄を「3」「5」「7」のいずれかの奇数の同一図柄が揃った組み合わせとし、非確変図柄を「4」「6」「8」のいずれかの偶数の同一図柄が揃った組み合わせとし、「1」「2」のいずれかの同一図柄が揃った組み合わせを確変図柄でも非確変図柄でもない大当り図柄(確変か否かを認識できない大当り図柄)としてもよい。この場合、通常大当りおよび確変大当りが決定されたときに所定の割合(例えば乱数抽選等により決定する)で大当り図柄を、確変図柄でなく非確変図柄でもない大当り図柄(「1」または「2」)とすることにより、遊技状態が時短状態に移行されたか確変状態に移行されたかをわからなくすることができる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が接続されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数値を抽出するための条件が成立すると、乱数回路503から乱数値を読み出す。乱数回路503は、所定周波数のクロック信号を計数するカウンタであり、カウンタのカウント値が乱数値になる。乱数回路503に供給されている所定周波数のクロック信号は、監視回路(ウォッチドッグタイマ(WDT))のクリア端子に入力されている。監視回路は、クリア端子に入力されるクロック信号の周波数よりも高い周波数のクロック信号を計数するカウンタであるが、クリア端子に入力されるクロック信号が例えばハイレベルになるとカウント値がリセットされる。よって、クリア端子に入力されるクロック信号が何らかの理由で停止した場合には、監視回路はカウントアップする。監視回路がカウントアップしたということは、乱数回路503にクロック信号が供給されていないことを示す。監視回路は、カウントアップすると、乱数回路503が正常に動作していないことを示す乱数エラー信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値、遊技状態を示すフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン120からの検出信号を入力したことにもとづいて、操作ボタン120が操作されたこと(押されたこと)を認識する。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、操作ボタン120からの検出信号を入力ポートを介して入力し、入力した検出信号にもとづいて所定の遊技演出を行う。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。なお、ルーチンとは、プログラムにおいて、特定の処理を実行するための命令(コード)の集まりのことである。ある処理を行うための一連の命令を手順として記述したプロシージャや、与えられた情報に演算処理を加えて処理の結果を返す機能であるファンクション(関数)などがルーチンに分類される。特に個別のプログラムコードとして独立していなくても、ある分量のコードが特定の処理のために集中して配置されていれば、その部分はルーチンであるとみなすことができる。ルーチンはプログラム内での立場によって大きく2つに分けられ、プログラムを開始する際に最初に呼び出され、プログラム全体の進行を管理するルーチンを「メインルーチン」、プログラムの実行中に他のルーチンから呼び出されて動作するルーチンを「サブルーチン」と呼ぶ。
遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、合算保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値など)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧に関するコマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。ここで、停電復旧に関するコマンドとしては、停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンド、停電発生時の遊技状態を指定する停電時遊技状態指定コマンド、停電発生時の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドが設けられている。なお、合算保留記憶数指定コマンドを送信する代わりに、第1保留記憶数をカウントする第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第1保留記憶数を指定するコマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を送信し、第2保留記憶数をカウントする第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第2保留記憶数を指定するコマンド(第2保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。また、第1保留記憶数カウンタの値や第2保留記憶数カウンタの値が0のときは、それらのコマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り種別決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、異常入賞(正規の時期以外の時期において大入賞口や始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合)などの各種異常状態を検出した場合に異常報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)MR1:第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)MR2:大当りを発生させるときの大当りの種別(「通常」、「確変」、「突確」)を決定する(大当り種別決定用)
(3)MR3:演出図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)MR4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)MR5:MR4の初期値を決定する(MR4初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り種別決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。例えば、大当り種別決定用乱数の初期値を決定するためのMR2初期値用乱数を設けてもよい。そして、MR4初期値用乱数に加えてMR2初期値用乱数もステップS18,S25の初期値用乱数更新処理で更新するようにしてもよい。そのようにすれば、大当り決定時の大当り種別(特別図柄の大当り図柄)をよりランダムに決定することができ、特に確変図柄(例えば、「7」)や突然確変図柄(例えば、「5」)をよりランダムに発生させることができる。そのため、確変大当りをよりランダムに発生させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。なお、乱数回路503を遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵させずに、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは別の回路であってもよい(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外付けであってもよい)。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図6に示された乱数(特に、MR1,MR2,MR3)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、後述する変動パターン設定処理でセットされる開始フラグや特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(この実施の形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(この実施の形態では4)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
なお、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタを確認し、第1特別図柄と第2特別図柄のうち特別図柄ポインタが示す特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を切り替えるようにしてもよい。例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、例えば、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に対応した値(例えば1)となると、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に対応した値(例えば2)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、大当り判定テーブルおよび大当り種別決定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、0〜65535の数値範囲内で更新されるランダムR(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値および小当り判定値が設定されているテーブルである(図7(A)(B))。大当り判定テーブルには、通常状態または時短状態において用いられる通常時大当り判定テーブル(図7(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図7(B)参照)とがある。図7(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値および小当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値と大当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。また、CPU56は、ランダムRの値と小当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの小当り判定値と一致すると、小当りとすることに決定する。
また、大当り種別決定テーブルとは、大当り種別決定用乱数(MR2)と比較される各大当り種別(「通常」、「確変」、「突確」)に割り振られる判定値が設定されているテーブルである(図7(C))。ランダムRにもとづいて大当りとすることに決定された場合には、大当り種別決定用乱数にもとづいて大当り種別が決定される。
ここで、「通常」は、図柄の変動停止時に非確変図柄(カス図柄)が導出表示されることにより発生する通常大当り(非確変大当り)を意味する。「確変」は、図柄の変動停止時に確変図柄が導出表示されることにより発生する確変大当り(確変大当り)を意味する。「突確」は2ラウンドの突然確変大当りを意味する。
大当り種別と特別図柄の大当り図柄とは対応している。具体的には、大当り種別として「通常大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「3」となる。大当り種別として「確変大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「7」となる。大当り種別として「突然確変大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「5」となる。なお、この実施の形態では、図7(C)に示すように、第1特別図柄用の大当り種別決定テーブルと、第2特別図柄用の大当り種別決定テーブルとは別々に設け、第2特別図柄用の大当り種別決定テーブルには、大当り種別「突確」に判定値が割り振られていない。したがって、第2始動入賞が発生にもとづき大当りが発生したときは、大当り種別として「突確」が決定されないことになる。ただし、第2始動入賞が発生にもとづき大当りが発生したときも、大当り種別として「突確」が決定されるように判定値を割り振るようにしてもよい。また、第1特別図柄用のテーブルと第2特別図柄用のテーブルに分けずに、一つの大当り種別決定テーブルを用いて第1特別図柄および第2特別図柄の大当り種別を決定するようにしもよい。
なお、ランダムRにもとづいて小当りとすることに決定された場合には、自動的に(大当り種別決定用乱数を用いることなく)特別図柄の停止図柄は「1」と決定される。また、ランダムRにもとづいてはずれとすることに決定された場合には、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて特別図柄の停止図柄として「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれかが決定される。
なお、飾り図柄の停止図柄の表示状態は、2つのLEDの両方が点灯状態となったときが大当り図柄(通常大当り、確変大当り共通の図柄)の表示であり、2つのLEDの両方が消灯状態となったときがはずれ図柄の表示である。また、2つのLEDのうち上側のLEDのみが点灯状態となったときが突然確変大当り図柄の表示であり、下側のLEDのみが点灯状態となったときが小当り図柄の表示である。また、演出図柄の停止図柄は、CPU56にて決定された表示結果(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、はずれ)を指定する表示結果特定コマンドにもとづいて演出制御用CPU101によって決定される。
このように、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果として、確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当りまたははずれのいずれかに決定される。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値または小当り判定値に一致すると、第1特別図柄および第2特別図柄に関して大当りまたは小当りとすることに決定する。
図8〜図10は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。このうち、図8は、特別図柄の停止図柄が「大当り図柄」となる場合に用いられる変動パターンを含む大当り用変動パターン判定テーブルを示している。また、図9は、特別図柄の停止図柄が「はずれ図柄」となる場合に用いられる変動パターンを含むはずれ用変動パターン判定テーブルを示している。また、図10は、特別図柄の停止図柄が「突然確変大当り図柄」および「小当り図柄」となる場合に用いられる変動パターンを示している。図8〜図10において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図8に示すように、この実施の形態では、大当りの変動パターンとして、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターン(変動パターン#13)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(変動パターン#14)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(変動パターン#15)と、擬似連続変動演出を伴う変動パターン(変動パターン#1〜#12)とが設けられている。なお、この実施の形態では、後述するように、保留記憶数(第1保留記憶数、第2保留記憶数)に応じて3種類のはずれ用変動パターン判定テーブルが用意されているのであるが、大当りである場合には、保留記憶数にかかわらず、図8に示す共通の大当り用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。
擬似連続変動演出について説明する。擬似連続変動演出は、特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を行うときに、演出表示装置9における演出図柄の1回の変動中に擬似的に恰も演出図柄が複数回変動するように見せる演出である。具体的には、演出図柄の変動表示を行う際に、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に、演出図柄を仮停止(例えば、仮停止図柄を表示)した後に演出図柄を再変動させる演出を行う。この場合、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に、1回だけ演出図柄を仮停止して再変動させてもよいし、複数回演出図柄を仮停止して再変動させてもよい。この実施の形態では、大当りの変動パターンのうち、変動パターン#1〜#3を用いる場合には、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に、1回だけ演出図柄を仮停止して再変動させる演出が行われる。また、変動パターン#4〜#6を用いる場合には、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に、2回演出図柄を仮停止して再変動させる演出が行われる。また、変動パターン#7〜#9を用いる場合には、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に、3回演出図柄を仮停止して再変動させる演出が行われる。また、変動パターン#10〜#12を用いる場合には、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に、4回演出図柄を仮停止して再変動させる演出が行われる。
図11は、擬似連続変動演出の演出態様の例を示す説明図である。なお、図11では、一例として、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に、1回だけ演出図柄を仮停止して再変動させる場合(変動パターン#1〜#3を用いる場合)が示されている。擬似連続変動演出を伴う変動パターンにもとづいて演出図柄の変動表示を行う場合、まず、図11(A),(B)に示すように、演出表示装置9において演出図柄9A,9B,9Cの変動表示が開始される。
次いで、演出図柄の仮停止図柄の仮停止時間が到来すると、図11(C)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の仮停止図柄9D,9E,9Fを仮停止させる。ただし、この場合、図11(C)に示すように、演出表示装置9において各仮停止図柄9D,9E,9Fを揺れ変動させる(例えば、遊技者からは一見して動いているか否か認識できない程度の微少揺れ)ことによって、演出図柄を完全には停止表示させないようにする。また、仮停止図柄9D,9E,9Fを仮停止させると、例えば、図11(C)に示すように、スピーカ27から所定の効果音を出力することによって、演出図柄の再変動が始まることを示唆するような演出を行う。なお、例えば、所定のランプ表示を行うことによって、演出図柄の再変動が始まることを示唆するような演出を行ってもよい。また、例えば、演出表示装置9の周囲に設けられた装飾部材92,93を可動可能に構成した場合には、装飾部材92,93を可動させる(例えば、竜の形状を模した可動部材92を演出表示装置9の表示画面に重なるように可動したり、装飾部材93を振動させる)ことによって演出図柄の再変動が始まることを示唆するような演出を行ってもよい。
次いで、演出図柄の再変動の開始時間が到来すると、図11(D)に示すように、演出図柄の再変動を開始する。なお、例えば、演出表示装置9の周囲に設けられた装飾部材92,93を可動可能に構成した場合には、再変動にあわせて装飾部材92,93を可動させる(例えば、竜の形状を模した可動部材92を演出表示装置9の表示画面に重なるように可動したり、装飾部材93を振動させる)演出を行ってもよい。また、例えば、装飾部材93に設けられた各ランプ93a〜93cにおいて、再変動回数に応じた数のランプを点灯させる演出を行ってもよい。
次いで、この実施の形態では、擬似連続変動演出が実行される場合に、図11(E)に示すように、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に実行される最後の再変動において、演出図柄の左右図柄9G,9Hのみが揃った状態となりリーチ演出(ノーマルリーチ、スーパーリーチAまたはスーパーリーチBのいずれか)が実行される。
なお、図11に示す例では、演出図柄の変動開始から最終停止までの間に1回だけ再変動させる場合を示したが、複数回再変動を行う場合も同様の演出が行われる。例えば、図11(C)および図11(D)と同様の態様で仮停止および再変動の演出を繰り返し実行し、最後の再変動において図11(E)と同様の態様でリーチ演出が実行される。
また、図11に示すように、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面に設けられた保留記憶数表示領域91において、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が行なわれるときには、変動開始時における第1保留記憶数が表示され、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が行なわれるときには、変動開始時における第2保留記憶数が表示される。図11に示す例では、保留記憶数表示領域91に変動開始時の保留記憶数「2」が演出図柄が最終停止するまで継続して表示される。例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aや第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数の表示は、変動開始後の保留記憶数の増減に応じて随時変更されてしまうため、一般に、遊技者は変動開始時の保留記憶数を正確に認識することはできない。この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面に保留記憶数表示領域91が設けられているので、保留記憶数表示領域91の表示内容を確認することによって、遊技者は変動開始時の保留記憶数を認識することができる。
また、図9に示すように、この実施の形態では、はずれの変動パターンとして、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターン(変動パターン#16,#23,#33)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(変動パターン#17,#24,#34)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(変動パターン#18,#25,#35)と、擬似連続変動演出を伴う変動パターン(変動パターン#19〜#21,#26〜#31,#36〜#44)と、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(変動パターン#22,#32,#45)とが設けられている。
また、この実施の形態では、変動開始時の保留記憶数に応じて3種類のはずれ用変動パターン判定テーブルが用意されている。具体的には、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が0または1である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が0または1である場合には、図9に示す変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。また、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が2である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が2である場合には、図9に示す変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。また、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が3または4である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が3または4である場合には、図9に示す変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。
この実施の形態では、図9に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、保留記憶数に応じて再変動の実行回数が相互に異なる変動パターンの選択割合を異ならせることができる。そのため、擬似連続変動演出中における再変動の実行回数に対する大当りの信頼度を変化させることができる。したがって、擬似連続変動演出を行う場合に、演出図柄の変動表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
例えば、変動開始時の保留記憶数が3または4である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図9に示す変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれである場合における再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#39〜#41は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#36〜#38よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、はずれである場合における再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#39〜#41は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#36〜#38や再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#39〜#41よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回または2回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、変動開始時の保留記憶数が3または4である場合には、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。
また、例えば、変動開始時の保留記憶数が2である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図9に示す変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれである場合における再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#29〜#31は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#26〜#28よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、変動開始時の保留記憶数が2である場合には、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンおよび再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンおよび再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。したがって、変動開始時の保留記憶数が2である場合には、変動開始時の保留記憶数が3または4であるときと比較して、再変動回数が4回の擬似連続変動演出が実行される場合に加えて、再変動回数が3回の擬似連続変動演出が実行される場合にも、100パーセントの確率で大当りを期待することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、例えば、変動開始時の保留記憶数が0または1である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図9に示す変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が2回〜4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が2回〜4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。したがって、変動開始時の保留記憶数が0または1である場合には、変動開始時の保留記憶数が2〜4であるときと比較して、再変動回数が3回や4回の擬似連続変動演出が実行される場合に加えて、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合にも、100パーセントの確率で大当りを期待することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、この実施の形態では、変動開示時の保留記憶数に応じて、擬似連続変動演出の再変動の回数の選択割合を異ならせたり、100パーセントの確率で大当りとなる擬似連続変動演出の再変動の回数の種類を異ならせることができるので、擬似連続変動演出の再変動の回数に対する大当りの信頼度を変化させることができる。したがって、擬似連続変動演出を行う場合に、演出図柄の変動表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、はずれとなる場合において実行される擬似連続変動演出の態様は、図11に示した擬似連続変動演出の態様と同様である。また、この実施の形態では、上記に説明したように変動開始時の保留記憶数によって大当りの信頼度が異なるので、遊技者に対して変動開始時の保留記憶数に対する興味をもたせることができる。この実施の形態では、図11に示したように、演出表示装置9の表示画面に設けられた保留記憶数表示領域91において変動開始時の保留記憶数を表示可能に構成されているので、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始された後に、遊技者に対して変動表示の開始時における保留記憶数を認識させることができる。そのため、遊技者が保留記憶数と再変動の実行回数との関係をより確実に認識できるようにすることができ、さらなる遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図9に示す例では、はずれとする場合に、1つの変動パターン決定用乱数を用いて各判定値と合致するか否かを判定することにより、リーチとするか否かとリーチとする場合のリーチ種類とを同時に決定する場合を示しているが、リーチとするか否かを決定する場合とリーチ種類を決定する場合とで、別々の乱数および判定値を用いてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、はずれとする場合に、後述する変動パターン設定処理のステップS102,S103の処理で、まず、リーチ決定用乱数を用いてリーチとするか否かを決定する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、リーチと決定した場合には、リーチ種類決定用乱数を用いて、リーチの種類をノーマルリーチ、スーパーリーチAおよびスーパーリーチBのいずれにするかを決定する。
また、図10に示すように、この実施の形態では、突然確変大当りの変動パターンとして、突然確変用の特別変動の変動パターン(変動パターン#46)のみ設けられている。また、小当り専用の変動パターンとして、小当り用の特別変動の変動パターン(変動パターン#47)のみ設けられている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図12は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図13に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号(取り込みの指示信号)に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図13に示された極性と逆極性であってもよい。
図14および図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当り、小当りまたははずれのいずれとするか、および大当り遊技の種類(大当りの種別)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合と、第2特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合とで共通の図柄確定指定コマンドを送信する場合を示すが、第1特別図柄に対応する変動表示を停止する場合と第2特別図柄に対応する変動表示を終了する場合とで別々の図柄確定指定コマンド(例えば、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される、初期画面を表示することを指定する演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される、停電復旧画面を表示することを指定する演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
なお、CPU56は、停電から復旧したときに電源バックアップされている遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグなど)を確認し、遊技状態に応じて異なる停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンドを送信するようにしてもよい。具体的には、停電から復旧したときの遊技状態が通常状態であればコマンド9200(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が確変状態であればコマンド9201(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が時短状態であればコマンド9202(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態がチャンスモード状態であればコマンド9203(H)が送信されるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、CPU56からの停電復旧指定コマンドにもとづいて遊技状態に応じて異なる停電復旧画面を演出表示装置9に表示する。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、遊技状態がチャンスモード状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(チャンスモード状態背景指定コマンド)である。なお、コマンド9500(H)〜9503(H)を背景指定コマンドという。
なお、CPU56がチャンスモード状態であるか否かを管理しない場合には、CPU56は遊技状態がチャンスモード状態であることを示すチャンスモード状態背景指定コマンド(9503(H))を送信する必要がない。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図15に示す例において、コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技(または小当り遊技)の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始4指定コマンドがある。なお、このうち、大当り開始1指定コマンドA001(H)は、通常大当り(非確変大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始2指定コマンドA002(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始3指定コマンドA003(H)は、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始4指定コマンドA004(H)は、突然確変大当り(2ラウンド大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、非確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、突然確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、小当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドを設けていないが、そのようなコマンドを設けてもよい。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。なお、この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドコマンドC2XX(H)が遊技制御の実行中のみならず停電復旧時にも送信される(ステップS43参照)。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)は、特別図柄や演出図柄の変動開始時における保留記憶数(第1保留記憶数、第2保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(変動開始時保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC4XX(H)における「XX」が、保留記憶数(第1保留記憶数、第2保留記憶数)を示す。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示に応じて演出図柄の変動表示が実行される場合には、変動開始時の第1保留記憶数を指定する変動開始時保留記憶数指定コマンドが送信される。また、第2特別図柄の変動表示に応じて演出図柄の変動表示が実行される場合には、変動開始時の第2保留記憶数を指定する変動開始時保留記憶数指定コマンドが送信される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図14および図15に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1飾り図柄表示器9aでの識別情報の可変表示と第2飾り図柄表示器9bでの識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図16は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図16(A)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図16(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄変動指定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドを送信して変動表示を開始するときに変動開始時保留記憶数指定コマンドも送信される。
なお、これらのコマンドを送信する順序は図16(A)(B)に示す順序に限られるわけではなく、適宜変更することが可能である。
図17は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8a,8bや大入賞口を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13(図1参照)に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14(図1参照)に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。具体的には、スイッチオンバッファのデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードする(ステップS321)。そして、ロードした内容(ロードしたデータ)とC0(H)とのビット毎の論理積演算を行い演算結果が0でない場合には(ステップS322)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS1323)。そして、ステップS300〜S311のうちのいずれかの処理を行う。また、C0(H)は、スイッチオンバッファの第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号の入力ビットに対応する値である。
なお、この実施の形態では、スイッチ処理(ステップS21)で入力ポートの内容をセットしたスイッチオンバッファの内容をロードする場合を示しているが、入力ポートの内容を直接ロードするようにしてもよい。また、ノイズによる誤判定を防止するため、RAM55の所定領域に入力ポートの内容が複数回のタイマ割込みに亘って設定されたときにスイッチオンとするフラグをセットし、そのフラグがセットされたときに始動口スイッチ通過処理を実行するようにしてもよい。また、ステップS322の処理を、ロードした内容(ロードしたデータ)のビットをマスク(0にすること)した後、00(H)との排他的論理和をとる演算に代えてもよい。
その後、ステップS300〜S311のいずれかの処理を実行する。ステップS300〜S311の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、タイマ(停止時間タイマ)によって特別図柄の停止図柄を停止させる時間(図柄停止時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開放状態にして大入賞口を開放する処理や、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。具体的には、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理や大当り遊技状態中のインターバル表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う。また、大入賞口の閉成条件が成立したときには、大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を閉状態にして大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS311に対応した値(この例では11(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図18および図19は、ステップS323の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS322に示されたようにスイッチオンバッファからロードした内容(ロードされたデータ)とC0(H)との論理積演算を行い演算結果が0でない場合に、すなわち第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、ロードされたデータのビット7が1であるか否か確認する(ステップS210)。この実施の形態では、第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合には、後述するスイッチ処理のステップS338で、スイッチオンバッファのビット7に値1が格納されている。ステップS210では、CPU56は、スイッチオンバッファのビット7に格納された値が1であるか否かを確認する。
また、ロードされたデータのビット7が1でないということは、入力ポート0のビット6の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。
CPU56は、スイッチオンバッファのビット7が1でない場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータを設定し(ステップS211)、ステップS213以降の処理を実行する。また、CPU56は、スイッチオンバッファのビット7が1である場合には、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS210のY)、始動口ポインタに「第2」を示すデータを設定し(ステップS212)、ステップS213以降の処理を実行する。
この実施の形態では、第1保留記憶数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタ)と、第2保留記憶数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第2保留記憶数カウンタ)とが設けられている。そして、始動口ポインタには、第1保留記憶数カウンタのアドレスまたは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示すデータが設定される。すなわち、始動口ポインタに設定される「第1」を示すデータは第1保留記憶数カウンタのアドレスを示し、「第2」を示すデータは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示す。始動口ポインタはRAM55に形成されている。また、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタもRAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、始動口ポインタの代わりに、遊技制御用マイクロコンピュータ560内部のレジスタに「第1」または「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS213)。保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS215)。
また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする(ステップS216)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータをセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータをセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には(「第1」を示すデータも「第2」を示すデータもセットされていない場合には)、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。なお、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータ(アドレスデータ)に対応するデータをセットするようにしてもよい。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータに対応するデータとして01(H)をセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータに対応するデータとして02(H)をセットする。
図20(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図20(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図20(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図20(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
なお、第2特別図柄の変動表示を常に第1特別図柄の変動表示に優先して実行するようにする場合には、第2保留記憶が1つでもあれば第1保留記憶の有無にかかわらず常に第2特別図柄の変動表示を実行し、第2保留記憶がなく第1保留記憶のみがあるときに限って第1特別図柄の変動表示を実行するように制御するのであるから、第1始動入賞口13単独の入賞順と第2始動入賞口14単独の入賞順さえ特定できれば、必ずしも第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定する必要はない。そのため、第2特別図柄の変動表示を常に優先して実行する場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を設けないようにしてもよい。
図20(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図20(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとのうちの始動口ポインタが示す方の保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS217)。具体的には、CPU56は、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第1保留記憶バッファの第1保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第2保留記憶バッファの第2保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。
なお、第1保留記憶数バッファにおいて、第1保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされ、また、第2保留記憶数バッファにおいても、第2保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされている。この場合、CPU56は、始動口ポインタが示すデータによって保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)の先頭アドレスを認識する。そして、1つの保留記憶あたりのデータ数(各乱数の数)に保留記憶数(保留記憶数カウンタが示す値)を乗算した値をオフセット値として保存領域にソフトウェア乱数およびランダムRを格納する。
なお、ステップS217では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてMR1〜MR4の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、図20(A)に例示された保留特定領域における第1〜第8の領域のそれぞれに、さらに、抽出した乱数値を格納する2つの保存領域(第1保留記憶に対応する保存領域と第2保留記憶に対応する保存領域)を形成してもよい。そのように構成した場合には、CPU56は、ステップS217の処理では、合算保留記憶数カウンタの値を確認し、そのカウント値(合算保留記憶数)に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する(始動口ポインタのデータに対応する)保存領域に乱数値を保存する。または、合算保留記憶数カウンタを設けずに、ステップS217の処理の実行ごとに、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせ、その合計値に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する保存領域に乱数値を保存する。合算保留記憶数カウンタを設ける構成では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせる処理(演算処理)が不要となり、処理数を削減することができ、合算保留記憶数カウンタを設けない構成では、RAM55の容量を削減することができる。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には第1始動入賞指定コマンドを送信し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には第2始動入賞指定コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS219)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータには合算保留記憶数カウンタの値が設定される。
なお、ステップS219では、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されているが、このような構成に限られず、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、始動口ポインタが「第2」を示している場合(ステップS221のY)、CPU56は、ロードされたデータのビット6が1であるか否か確認する(ステップS222)。ロードされたデータのビット6が1である場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータをセットし(ステップS223)、ステップS213に移行する。ステップS221〜S223の処理によって、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合、すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、ビット7に対応する第2始動口スイッチ14aについてステップS213〜S219の処理が実行された後、直ちに、ビット6に対応する第1始動口スイッチ13aについてステップS213〜S219の処理が実行されることになる。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、2ms内で実行される処理によって、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづく処理が実行される。2ms内(1タイマ割込処理内)で、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづくステップS213〜S219の処理が完了するので、ソフトウェア乱数の値が1増えないうちに乱数が抽出される。そのため、入賞タイミングに対応した正確なソフトウェア乱数の値を抽出することができる。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合(ステップS221のN)、または始動口ポインタが「第2」を示しているがロードされたデータのビット6が1でない場合(ステップS222のN)には、ステップS231に移行する。
ステップS231では、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1であるか否か確認する。ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合には、始動口ポインタをクリアして(ステップS239)、処理を終了する。つまり、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になっていた場合にはステップS232以降の処理を実行しない。すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態であるということは、特定処理(いずれの始動入賞口13,14への入賞が生じたのかを特定する処理)において誤判定されたという事態は生じないのであるから、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合しているか否かの確認処理(ステップS232〜S238)を行うことなく、始動口ポインタをクリアして処理を終了する。
ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1でない場合(ビット6とビット7とのうちの一方のみが1である場合)には、CPU56は、始動口ポインタが「第2」を示しているか否か確認する(ステップS232)。始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力されているスイッチオンバッファのビット7が1であるか否か確認する(ステップS233)。ステップS210,S212の処理で、スイッチオンバッファのビット7が1であるときに始動口ポインタに「第2」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、スイッチオンバッファのビット7が1であるはずである。スイッチオンバッファのビット7が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であったと判断し、ステップS239に移行する。
スイッチオンバッファのビット7が1でない場合には、ステップS210における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS210の判定処理を実行し直すために、始動口ポインタをクリアし(ステップS237)、スイッチオンバッファのデータを読み出して(ステップS238)、ステップS210に移行する。なお、ステップS214で第2保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第2保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS234)。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合すなわち「第1」を示している場合には、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力されているスイッチオンバッファのビット6が1であるか否か確認する(ステップS235)。ステップS210,S211の処理で、スイッチオンバッファのビット6が1であるときに始動口ポインタに「第1」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、スイッチオンバッファのビット6が1であるはずである。スイッチオンバッファのビット6が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であったと判断し、ステップS239に移行する。
スイッチオンバッファのビット6が1でない場合には、ステップS210における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS210の判定処理を実行し直すためにステップS237,S238の処理を実行し、ステップS210に移行する。なお、ステップS214で第1保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第1保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS236)。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、スイッチオンバッファの内容(すなわち、入力ポート0に入力された検出信号)にもとづいて特定処理(いずれの始動口への入賞が生じたのかを特定する処理)を実行した後、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合していないときには、再度特定処理を実行するので、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定される。例えば、第1保留記憶数が上限値である4であるときに第1始動口13への入賞が生じた場合には、その入賞は有効な始動入賞とは見なされないが、その第1始動口13への入賞が誤って第2始動口14への入賞であると判定された場合には、第2保留記憶数の値が増やされる(第2保留記憶数が上限値である4でない場合)。つまり、有効な始動入賞とされるべきではないのに、有効な始動入賞とされてしまう。この実施の形態では、そのような状況が生ずる可能性が低減する。
ただし、再度特定処理を実行するように構成しなくてもよい。そのように構成する場合に、ステップS231〜S238の処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、プログラム容量が、再度特定処理を実行する場合に比べて削減される。なお、再度特定処理を実行しないように構成する場合には、図19におけるステップS231に移行する処理に代えてステップS239に移行するようにプログラムを構成する。
また、特定処理を際限なく繰り返し実行してしまう事態を防止するため、特定処理を所定回数(例えば2回)繰り返し実行した後には、ステップS231〜S238の処理を実行せずに、保留記憶特定情報記憶領域に記憶したデータや、保留記憶数バッファに格納した乱数値をクリアして、始動口スイッチ通過処理を終了するようにしてもよい。そのようにすれば、ノイズなどの影響によって特定処理を際限なく繰り返し実行してしまい、遊技機が動作しなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、ステップS231〜S238の処理を実行した後に、再度特定処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、ステップS238の処理を実行したら始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容は、以後にステップS214,S216の処理が実行されるときに新たに抽出された乱数値で上書きされるが、ステップS238の処理を実行して始動口スイッチ通過処理を終了する場合に(この実施の形態のようにステップS238の処理を実行してステップS210に移行する場合も同様)、念のため、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容をクリアするようにしてもよい。
なお、再度ステップS210以降の処理が実行される場合に、再びステップS218,S219の処理が実行されと、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが二重に送信されることになる。そのような状況になることを避けるには、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定された時点で(すなわち、ステップS233でYと判定されたときに、またはステップS235でYと判定されたとき)、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信するように構成すればよい。
また、この実施の形態では、ステップS321,S322の処理の実行後にステップS323のサブルーチンを実行するように構成したが、ステップS323のサブルーチンを実行するのではなく、ステップS321,S322の処理に続けて、ステップS322でN(すなわち、始動入賞あり)と判定したときに特別図柄プロセス処理内においてステップS210〜S239の処理を実行するように構成してもよい。
始動口スイッチ通過処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが始動口ポインタに設定される。そして、以降の処理では、始動口ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。例えば、ステップS214の処理を例にすると、具体的には、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとをRAM55において連続アドレスに形成しておき、ステップS214の処理の最初で第1保留記憶数カウンタのアドレスをレジスタに設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値(例えば、「第1」を示すデータが「0」で、「第2」を示すデータが「1」)を加算し、加算後のレジスタの値をRAM55のアドレスとして、そのアドレスのデータに1を加算する処理を行う。そのような処理によれば、加算処理の対象は、始動口ポインタに「第1」を示すデータが設定されているときには第1保留記憶数カウンタであり、始動口ポインタに「第2」を示すデータが設定されているときには第2保留記憶数カウンタである。つまり、一の加算処理で、自動的に、オン状態になった始動入賞口に対応する保留記憶数カウンタの値が+1される。換言すれば、双方の始動入賞口についての処理が共通化されている。
なお、ここでは、ステップS214の処理を例にしたが、ステップS216およびステップS218の処理についても処理を共通化できる。例えばレジスタに第1始動入賞口に対応するデータ(第1保留記憶数バッファのアドレスや第1始動入賞指定コマンドのコマンド送信テーブルのアドレス)を設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値をオフセットとして加算し、加算後のレジスタの値にもとづいてデータをセットする処理(ステップS216の場合)やコマンド送信テーブルのアドレスの指定(ステップS218の場合)を行うことによって、一の処理で、データをセットする処理やコマンド送信テーブルのアドレスの指定を行うことができる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図21は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図21に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS214で始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やし、ステップS215で合算保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS216の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする処理を実行する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを毎回加算して求めてもよい)にもとづいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの位置を更新することによって、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。
共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭を特定する場合、例えば、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、図21に示す例では、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域との2つのデータ格納領域が設けられている。そのため、合算保留記憶数を2倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、合算保留記憶数が3である場合には、図21に示すように、オフセット値+7(合算保留記憶数3を2倍して1を加えた値)に対応する保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。この場合、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットする。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り種別決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新するようにすればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を共通保留記憶数バッファの1つ目の領域(図21に示す保留記憶1用の保留記憶特定情報保存領域)とする場合には、CPU56は、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。例えば、図21に示す例では、合算保留記憶数を2倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。そして、CPU56は、ポインタの位置を初期位置からオフセット値の分だけ移動した位置とすることによって、ポインタを更新するように制御してもよい。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り種別決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにすればよい。
また、CPU56は、ステップS217の処理に代えて、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。具体的には、CPU56は、保留記憶特定情報保存領域にデータをセットした後に、アドレスを指定するポインタの位置を1つ更新して、更新後のポインタが指すアドレスの乱数値保存領域に乱数値を格納する。なお、CPU56は、格納する乱数値の種類の数分だけ同様の処理を行ってもよい。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値(具体的には「0」)となっている場合、つまり、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でも小当り中でもない場合)には(ステップS51)、合算保留記憶数を確認する(ステップS52)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
合計保留記憶数が「0」でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多いか否かを確認する(ステップS53A)。具体的には、CPU56は、まず、第1保留記憶数カウンタの値および第2保留記憶数カウンタの値がともに1以上であるか否かを確認し、ともに1以上であれば、第2保留記憶数カウンタの値が第1保留記憶数カウンタの値よりも多いか否かを確認する。第2保留記憶数が第1保留記憶数より多ければ、CPU56は、ステップS53Eに移行する。第2保留記憶数が第1保留記憶数より多くなければ、CPU56は、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いか否かを確認する(ステップS53B)。具体的には、CPU56は、まず、第1保留記憶数カウンタの値および第2保留記憶数カウンタの値がともに1以上であるか否かを確認し、ともに1以上であれば、第1保留記憶数カウンタの値が第2保留記憶数カウンタの値よりも多いか否かを確認する。第1保留記憶数が第2保留記憶数よりも多ければ、CPU56は、ステップS53Dに移行する。
なお、ステップS53A,S53Bにおいて、第1保留記憶数または第2保留記憶数のいずれか一方が0である場合には、CPU56は、0でない方の保留記憶数に対応する特別図柄の変動表示を実行するように制御する。例えば、第1保留記憶数が1以上であるとともに第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する。また、第2保留記憶数が1以上であるとともに第1保留記憶数が0であれば、CPU56は、第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する。
第1保留記憶数が第2保留記憶数よりも多くなければ(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが等しければ)、CPU56は、保留特定領域(図20(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS53C)。
第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合(ステップS53BのY)、または保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS53CのY)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53D)。
第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合(ステップS53AのY)、または保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS53CのN)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS53E)。
以上のように、ステップS53A〜S53Eの処理が実行されることによって、CPU56は、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する。また、CPU56は、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する。そのように、保留記憶数が多い方の特別図柄の変動表示を優先して実行するように制御することによって、無効な始動入賞が発生する事態を低減している。
なお、例えば、遊技状態が通常状態である場合に第1始動入賞口13が始動入賞しやすく、遊技状態が確変状態や時短状態であるときに第2始動入賞口14が始動入賞しやすく構成されている場合には、合計保留記憶数が0でないと判定したときに、確変状態であることを示す確変フラグや時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、第2保留記憶数が0でないことを条件にステップS53Eに移行し、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する用にしてもよい。また、確変フラグや時短フラグがセットされていなければ、第1保留記憶数が0でないことを条件にステップS53Dに移行し、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態に応じて保留記憶が溜まりやすい方の特別図柄の変動表示を優先して実行することができ、無効な始動入賞が発生する事態を低減することができる。
また、例えば、第2保留記憶数が0でないことを条件に常に第2特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよいし、第1保留記憶数が0でないことを条件に常に第1特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS54)、保留記憶数の値(特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタの値)を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)=n−1に対応する保存領域に格納する。また、合算保留記憶数カウンタの値を1減らす(ステップS56)。なお、上述したように、保留記憶数(合算保留記憶数)に対応した保存領域には、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」を示すデータが保存(格納)されている。CPU56は、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」を示すデータにもとづいて、今回の特別図柄の変動が「第1始動入賞」にもとづく第1特別図柄の変動であるか、「第2始動入賞」にもとづく第2特別図柄の変動であるかを認識可能である。
次に、CPU56は、現在の遊技状態(遊技状態が通常遊技状態、確変状態または時短状態であるか、チャンスモードに移行されているかなど)を確認し、遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS57)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図7(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態または時短状態(すなわち非確変状態)であるときには、図7(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄または第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り種別決定用乱数にもとづいて、図7(C)に示す大当り種別決定テーブルを用いて大当り種別(「通常」、「確変」、「突確」)を決定する(ステップS73)。なお、大当り種別決定テーブルは第1特別図柄用のテーブルと第2特別図柄用のテーブルに分けられているので、CPU56は、ステップS73の処理を実行する前に、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」であるか「第2」であるかを確認し、大当り種別を決定するテーブルを選択する。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りであることを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS74,S75)。また、特別図柄の停止図柄を確変図柄(「7」)に決定する(ステップS76)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
また、突然確変大当りに決定された場合には、CPU56は、突然確変大当りであることを示す突然確変大当りフラグをセットする(ステップS77,S78)。また、特別図柄の停止図柄を突然確変図柄(「5」)に決定する(ステップS79)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
また、突然確変大当りにも決定されていない場合(すなわち、通常大当りとすることに決定された場合)には、CPU56は、特別図柄の停止図柄を非確変図柄(「3」)に決定する(ステップS80)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
大当りとしない場合において(ステップS63のN)、小当りとすることに決定された場合には、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(ステップS81,S82)。また、特別図柄の停止図柄を小当り図柄(「1」)に決定する(ステップS83)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
小当りとしない場合には(ステップS81のN)、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS84)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS85)。この場合には、はずれ図柄(「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれか)を決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り種別決定用乱数にもとづいて所定の大当り種別(すなわち、非確変大当り、確変大当り、突然確変大当りの種別)を決定しているが、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしてもよい。
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS91)。大当りフラグがセットされていれば(ステップS91のY)、CPU56は、突然確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS92)。突然確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS92のY)、CPU56は、突然確変大当り用の変動パターン(図10に示す変動パターン#46)を用いることに決定する(ステップS93)。そして、ステップS104に移行する。突然確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS92のN)、CPU56は、変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルとして大当り用変動パターン判定テーブル(図8参照)をセットする(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS91のN)、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS95のY)、CPU56は、小当り用の変動パターン(図10に示す変動パターン#47)を用いることに決定する(ステップS96)。そして、ステップS104に移行する。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)が0または1であるか否かを確認する(ステップS97)。特別図柄ポインタが示す保留記憶数が0または1であれば(ステップS97のY)、CPU56は、保留記憶数が0または1である場合に応じたはずれ用変動パターン判定テーブル(図9に示す変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)をセットする(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
特別図柄ポインタが示す保留記憶数が0または1でなければ(ステップS97のN)、CPU56は、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)が2であるか否かを確認する(ステップS99)。特別図柄ポインタが示す保留記憶数が2であれば(ステップS99のY)、CPU56は、保留記憶数が2である場合に応じたはずれ用変動パターン判定テーブル(図9に示す変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)をセットする(ステップS100)。そして、ステップS102に移行する。
特別図柄ポインタが示す保留記憶数が2でもなければ(ステップS99のN)、CPU56は、保留記憶数が3または4である場合に応じたはずれ用変動パターン判定テーブル(図9に示す変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)をセットする(ステップS101)。そして、ステップS102に移行する。
ステップS102では、CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用の乱数値MR3(変動パターン決定用乱数値)を読み出す。そして、ステップS102にて読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3の値に基づき、ステップS94,S98,S100,S101のいずれかにてセットしたテーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS103)。
ステップS104では、CPU56は、特別図柄の変動を示す図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、保存領域に「第1始動入賞」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信し、保存領域に「第2始動入賞」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する。
また、CPU56は、ステップS93,S96,S103で決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS105)。なお、ステップS93,S96,S103の処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)に応じた変動開始時保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
なお、ステップS104〜S106の処理を実行する順番は、この実施の形態で示した順番に限られない。つまり、この実施の形態では、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンドおよび変動開始時保留記憶数指定コマンドの順に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する場合を示したが、この実施の形態で示した順番以外の順番でこれらのコマンドを送信するようにしてもよい。
そして、特別図柄ポインタの設定に応じて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS33の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみにもとづいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS107において、CPU56は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。なお、第1特別図柄の変動が実行される場合も、第2特別図柄の変動が実行される場合も、変動時間が設定される領域(変動時間タイマ)は共通である。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、ステップS107において、CPU56は、保存領域に「第1始動入賞」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を開始し、保存領域に「第2始動入賞」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を開始する。
この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。よって、ROM54において特別図柄プロセス処理のプログラムを格納する領域も節減されている。また、例えば、ステップS108で設定される変動時間タイマ(RAM55に形成されている)は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されるので、RAM55の容量節減にもつながる。
図25は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されているはずれ・大当り・小当り、または大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図14参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS116)、小当りフラグもセットされていなければ、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。また、小当りフラグがセットされているときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。また、確変大当りフラグがセットされておらず、突然確変大当りフラグもセットされていないときは、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。突然確変大当りフラグがセットされているときは、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
次いで、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、停止時間タイマに図柄停止時間(特別図柄の停止図柄の停止時間;例えば1秒)をセットしスタートさせる(ステップS123)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS124)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS130)。なお、保存領域に「第1始動入賞」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄の変動を終了させ、保存領域に「第2始動入賞」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄の変動を終了させる。
次いで、CPU56は、図柄確定指定コマンドを送信済みであることを示す図柄確定指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131A)。セットされていれば、ステップS132Aに移行する。セットされていなければ、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS131B)とともに、図柄確定指定コマンド送信済フラグをセットする(ステップS131C)。そして、ステップS132Aに移行する。
なお、図柄確定指定コマンドは第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの停止を指定する場合にも用いる共通のコマンドとされているが、第1特別図柄の停止(確定)を指定する第1図柄確定指定コマンドと第2特別図柄の停止(確定)を指定する第2図柄確定指定コマンドを設けてもよい。この場合、例えば、ステップS131AでNのときに、保存領域に「第1始動入賞」を示すデータが設定されているか「第2始動入賞」を示すデータが設定されているかを特定し、対応する図柄確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、停止時間タイマの値を1減算し(ステップS132A)、停止時間タイマの値が0になったか(タイムアウトしたか)どうか確認する(ステップS132B)。停止時間タイマの値が0になっていないとき(タイムアウトしていないとき)は、そのまま処理を終了する。停止時間タイマの値が0になったときは、ステップS133A以降の処理を実行する。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133A)。セットされていれば、大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133B)。次いで、CPU56は、入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS133C)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS133C)。
小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133D)。セットされていれば、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り4指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、ラウンド開始前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。なお、大当り表示時間は、15ラウンドの大当りの場合と2ラウンドの大当りの場合とで異なる時間とされている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
大当りフラグもセットされていない場合には(ステップS133DのN)、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS139A)。セットされていれば、そのままステップS140に移行する。セットされていなければ、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS139B)。セットされていれば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動表示の回数をカウントするための時短回数カウンタを1減算し(ステップS139C)、減算後の時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS139D)。時短回数カウンタの値が0であれば、時短フラグをリセットする(ステップS139E)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行されてから100回の特別図柄の変動が終了するまで時短状態が継続される。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS140)。
なお、ステップS133A〜S133Dの処理をステップS140の処理の直前にて実行するようにしてもよい。このような構成によれば、時短回数を正確にカウント(減算)することができる。すなわち、この実施の形態では、小当りが発生してから小当り遊技が終了した場合であっても、遊技状態が変更されない。従って、小当りが発生したときの遊技状態が時短状態であれば、小当り遊技の終了後の遊技状態も時短状態になる。そして、仮に、小当り遊技の終了後における時短状態が継続可能な変動回数を、小当りが発生する前の時短状態の残り変動回数であるとすると、図27に示す構成では、小当りが発生したときの変動において時短回数を減算する処理が行われないことになってしまう。しかし、ステップS133A〜S133Dの処理をステップS140の処理の直前にて実行するようにすれば、小当りが発生したときの変動において時短回数を減算する処理が行われることになり、時短回数を正確に減算することができる。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了3指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、図28に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。例えば、遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでに最長1.0秒かかるとすると、カウントスイッチ検出時間は1.0秒よりも長い時間である。そのため、特別可変入賞球装置20が物理的に閉鎖された後に所定のインターバル期間(例えば1秒)を設けることができる。そのようにすることによって、特別可変入賞球装置20が閉鎖される直前に大入賞口に入賞した遊技球が過って異常入賞と判定されてしまう事態を防止することができる。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS156)。
確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS157)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS159)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS156のN)、突然確変大当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS161)。突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(突然確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS162)、チャンスモードフラグをセットしてチャンスモード状態に移行させる(ステップS163)。また、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS164)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
突然確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS161のN)、CPU56は、時短回数カウンタに所定値(この実施の形態では100)をセットする(ステップS165)。また、時短フラグをセットする(ステップS159)。すなわち、この実施の形態では、通常大当り遊技状態を終了後に、所定回数(例えば100回)の変動表示が終了するまで、遊技状態が時短状態に制御される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
図29は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS311)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットする(ステップS171)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、図29に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、チャンスモードフラグをセットしてチャンスモード状態に移行させる(ステップS176)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS177)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図30は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示領域の表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、図柄や演出などを決定するための各乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知(例えば、異常入賞などの異常報知)を行う報知制御処理を実行する(ステップS710)。その後、ステップS702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、共通の飾り図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した図柄変動指定コマンドにもとづいて第1飾り図柄または第2飾り図柄いずれの変動であるかを特定し、特定した飾り図柄に対応する飾り図柄表示器9a,9bに表示信号を出力するように制御する。
図31は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14および図15参照)であるのか解析する。
図32〜図34は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが、演出表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS614のY)、演出制御用CPU101は、背景指定コマンドの内容に応じた背景表示状態フラグをセットする(ステップS615)。具体的には、背景指定コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば通常状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば確変状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば時短状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドがチャンスモード状態背景指定コマンドであればチャンスモード状態のときの背景表示状態フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS617)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS630)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS631)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1〜3指定コマンドのいずれかであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれかをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS654)。なお、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信することなく、同じ合算保留記憶数指定コマンドを2回受信した場合には、1回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドを破棄し(例えば、合算保留記憶数保存領域を一旦クリアし)、2回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータを合算保留記憶数保存領域に格納するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS658)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドが変動開始時保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、その変動開始時保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を変動開始時保留記憶数保存領域に格納する(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS663)。そして、ステップS611に移行する。
なお、図18のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するように構成されている場合は、ステップS654において、その保留記憶数指定コマンドを所定の保存領域(保留記憶数保存領域)に格納する処理が行われる。
また、図18のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理を行わないように構成された場合には、ステップS651のNの場合にステップS655の処理に移行する。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)の内容にもとづいて第1始動入賞が発生したか第2始動入賞が発生したかを認識し(ステップS655、S657)、第1始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新(現在の合算保留記憶数を示す値に対応するデータに更新)するとともに、第1始動入賞カウンタの値を+1する。また、第2始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新するとともに、第2始動入賞カウンタの値を+1する。このような構成によれば、合算保留記憶数指定コマンドの送信が不要となり、コマンド数を削減することができるとともに、CPU56および演出制御用CPU101の処理負担を軽減することが可能となる。
図35は、図30に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知(小当りの発生の報知も含む)するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図36は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS823)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS824)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS825)。その後、ステップS828に移行する。
第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているはずである。そこで、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS826A)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS826B)とともに、第2保留記憶数を1減算することを示す第2保留記憶数減算フラグをセットする(ステップS826C)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS827)。その後、ステップS828に移行する。
ステップS828では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果特定コマンドの内容、変動パターンコマンドの内容などにもとづいて、変動停止時に導出表示する演出図柄の停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出制御パターン(変動パターン)に応じたプロセステーブル(演出表示装置9の表示制御を実行する表示制御実行データ、ランプの点灯制御を実行するランプ制御実行データ、スピーカ27の音声出力を制御する音番号データ、各制御を実行する時間が設定されたプロセスタイマ設定値からなるプロセスデータが複数定義されたテーブル)を選択する(ステップS831)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ(プロセステーブルを構成するデータ)におけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマにセットしてプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、ステップS833では、演出制御用CPU101は、擬似連続変動演出を伴う変動パターン(図8に示す変動パターン#1〜#12、図9に示す変動パターン#19〜#21,#26〜#31,#36〜#44)に応じたプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を行う場合には、演出表示装置9において擬似連続変動演出を伴う演出図柄の変動表示(図11参照)を開始する。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、変動開始時保留記憶数保存領域から変動開始時保留記憶数指定コマンドを読み出し、変動開始時保留記憶数指定コマンドに示される保留記憶数を演出表示装置9の保留記憶数表示領域91に重畳表示する(ステップS834)。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
図38は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843のY)、プロセスデータの切替を行う(ステップS844)。このとき、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。また、演出制御用CPU101は、次のプロセスタイマをスタートさせる(ステップS845)。そして、演出制御用CPU101は、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS847)。
なお、ステップS847では、演出制御用CPU101は、擬似連続変動演出を伴う変動パターン(図8に示す変動パターン#1〜#12、図9に示す変動パターン#19〜#21,#26〜#31,#36〜#44)に応じたプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を行う場合には、演出表示装置9において擬似連続変動演出を伴う演出図柄の変動表示(図11参照)を実行する。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS848)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS849)、ステップS850に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図39は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の保留記憶数表示領域91に重畳表示されている保留記憶数を消去する制御を行なう(ステップS854)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄変動終了フラグをセットする(ステップS855)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS856)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS857)。
大当りとも小当りともしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS858)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄および演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄および演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図40は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、小当り遊技の開始を報知する画面と突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは同じ画面であるものとする。
図41は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、小当りである場合には、大当り終了指定コマンドを受信しないので、演出制御用CPU101は、ステップS881,S882を実行することなく、そのまま大当り終了演出タイマに小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883参照)、演出表示装置9に、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884参照)。そして、小当り終了表示の演出期間が経過したことにもとづいて、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新されることになる(ステップS894参照)。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ(ステップS886のN)、処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合には(ステップS886のY)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
図42は、図30に示された演出制御メイン処理におけるステップS706の第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS781)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、ステップS785に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS782)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS783)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(ステップS784)。
ステップS785では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(ステップS786)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(ステップS791)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(ステップS792)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(ステップS787)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(ステップS788)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(ステップS789)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(ステップS790)。なお、ステップS825,S827では、飾り図柄切替タイマに0.5秒に相当する値を再設定する処理を実行しなくてもよい。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
なお、第1飾り図柄表示制御処理(ステップS706)と第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)を共通の処理としてもよい。この場合、第1飾り図柄変動中フラグ等のフラグをリセットする処理(ステップS781〜S784,S786)については、第1飾り図柄用の処理と第2飾り図柄用の処理とを別々に設ける必要があるが、ステップS785,S787〜S792の処理は共通にすることが可能である。例えば、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか、第2飾り図柄変動中フラグがセットされているかによって、対応するLED(第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9b)に表示制御信号を出力する制御を実行する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りと決定されたときに、大当り用変動パターン判定テーブルにもとづいていずれか1つの変動パターンを選択する。また、はずれと決定されたときに、保留記憶数(第1保留記憶数、第2保留記憶数)に対応するあらかじめ定められたはずれ用変動パターン判定テーブルにもとづいていずれか1つの変動パターンを選択する。また、保留記憶数に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルは、可変表示を開始するときの保留記憶数が0,1であることに対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルと、可変表示を開始するときの保留記憶数が2であることに対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルと、可変表示を開始するときの保留記憶数が3,4であることに対応する変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルとを含む。また、各はずれ用変動パターン判定テーブルは、再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンや、再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン、再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンが選択される割合が異なるように設定されている。そのため、保留記憶数に応じて再変動の実行回数の選択割合を異ならせることができ、再変動の実行回数に対する大当りとなる信頼度を変化させることができる。したがって、特別図柄や演出図柄の可変表示中に擬似連続変動演出を行う場合に、可変表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
例えば、一般に、遊技機において擬似連続変動演出を伴う演出図柄の変動表示を行なう場合、演出図柄の仮停止および再変動が行われる回数が多くなるに従って大当りとなる確率が高くなるような演出が行われる。そして、演出図柄の仮停止および再変動の回数が所定回数に達すると(例えば、演出図柄の仮停止および再変動が4回行われると)、100パーセントの確率で大当りとなるような演出が行われることが多い。この場合、演出図柄の仮停止および再変動の回数が少ない段階(例えば、1回目や2回目の仮停止および再変動)では、遊技者に対して大当りに対する期待感を高揚させることができず、十分に遊技に対する興趣を向上させることはできない。また、ある程度多くの演出図柄の仮停止および再変動が行われた場合であっても(例えば、演出図柄の仮停止および再変動が3回行われた場合)はずれとなる場合もあり、擬似連続変動演出によって大当りに対する期待感が高まっていたにもかかわらず、却って遊技に対する興趣を減退させてしまうおそれもある。この実施の形態によれば、保留記憶数が少ない場合には、演出図柄の仮停止および再変動の回数が少なくても、高い確率で大当りとなるような演出が行われるので、演出図柄の仮停止および再変動の回数が少ない段階であっても、遊技者に対して大当りに対する期待感を高めることができる。したがって、可変表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンが、保留記憶数が0,1であることに対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択不可能に設定され、保留記憶数が2であることに対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブル、および保留記憶数が3,4であることに対応する変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択可能に設定されている。そのため、保留記憶数によって(本例では、保留記憶数が0,1である場合)、大当りと決定された場合にのみ、再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンを選択する場合を設けることができる。したがって、保留記憶数および再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行されたことにもとづいて、遊技者に対して大当りとなることを確信させる場合を設けることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンが、保留記憶数が0,1であることに対応する変動パターン#16〜#22、および保留記憶数が2であることに対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択不可能に設定され、保留記憶数が3,4であることに対応する変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択可能に設定されている。そのため、保留記憶数によって(本例では、保留記憶数が0〜2である場合)、大当りと決定された場合にのみ、再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンを選択する場合を設けることができる。したがって、保留記憶数および再変動回数が3回の擬似連続変動演出が実行されたことにもとづいて、遊技者に対して大当りとなることを確信させる場合を設けることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連続変動演出を伴う変動パターンに従って演出図柄の可変表示を実行しているときに、可変表示の開始時において保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ)によって記憶されていた保留記憶数を、演出表示装置9に設けられた保留記憶数表示領域91に表示する。そのため、可変表示が開始された後に、遊技者に対して可変表示の開始時における保留記憶数を認識させることができる。そのため、遊技者が保留記憶数と再変動の実行回数との関係をより確実に認識できるようにすることができ、さらなる遊技に対する興趣を向上させることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、はずれと決定した場合に、保留記憶数が少なくなるに従って再変動回数が少ない擬似連続変動演出を伴う変動パターンのみ選択可能とし、保留記憶数が多くなるに従って再変動回数が多い擬似連続変動演出を伴う変動パターンも選択可能とするはずれ用変動パターン判定テーブルを用いることによって、保留記憶数に応じて再変動の実行回数の選択割合を異ならせる場合を示したが、再変動の実行回数の選択割合を異ならせるように構成したはずれ用変動パターン判定テーブルは、第1の実施の形態で示したものに限られない。例えば、はずれと決定した場合に、保留記憶数が多くなるに従って再変動回数が少ない擬似連続変動演出を伴う変動パターンのみ選択可能とし、保留記憶数が少なくなるに従って再変動回数が多い擬似連続変動演出を伴う変動パターンも選択可能とするはずれ用変動パターン判定テーブルを用いることによって、保留記憶数に応じて再変動の実行回数の選択割合を異ならせるようにしてもよい。以下、はずれと決定した場合に、保留記憶数が多くなるに従って再変動回数が少ない擬似連続変動演出を伴う変動パターンのみ選択可能とし、保留記憶数が少なくなるに従って再変動回数が多い擬似連続変動演出を伴う変動パターンも選択可能とするはずれ用変動パターン判定テーブルを用いる第2の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図43は、第2の実施の形態におけるはずれ用変動パターン判定テーブルの例を示す説明図である。なお、大当り用変動パターン判定テーブルについては、第1の実施の形態で示したテーブル(図8参照)と同様である。また、特別図柄の停止図柄が「突然確変大当り図柄」および「小当り図柄」となる場合に用いられる変動パターンについても、第1の実施の形態で示した変動パターン(図10参照)と同様である。また、この実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り用変動パターン判定テーブルやはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理については、第1の実施の形態で示した処理と同様である(図24の変動パターン設定処理参照)。
図43に示すように、この実施の形態では、はずれの変動パターンとして、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターン(変動パターン#16,#29,#39)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(変動パターン#17,#30,#40)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(変動パターン#18,#31,#41)と、擬似連続変動演出を伴う変動パターン(変動パターン#19〜#27,#32〜#37,#42〜#44)と、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(変動パターン#28,#38,#45)とが設けられている。
また、この実施の形態では、変動開始時の保留記憶数に応じて3種類のはずれ用変動パターン判定テーブルが用意されている。具体的には、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が0または1である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が0または1である場合には、図43に示す変動パターン#16〜#28を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。また、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が2である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が2である場合には、図43に示す変動パターン#29〜#38を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。また、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が3または4である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が3または4である場合には、図43に示す変動パターン#39〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。
この実施の形態では、図43に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、保留記憶数に応じて再変動の実行回数が相互に異なる変動パターンの選択割合を異ならせることができる。そのため、擬似連続変動演出中における再変動の実行回数に対する大当りの信頼度を変化させることができる。したがって、擬似連続変動演出を行う場合に、演出図柄の変動表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
例えば、変動開始時の保留記憶数が0または1である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図43に示す変動パターン#16〜#28を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれである場合における再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#22〜#24は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#19〜#21よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、はずれである場合における再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#25〜#27は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#19〜#21や再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#22〜#24よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回または2回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、変動開始時の保留記憶数が0または1である場合には、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。
また、例えば、変動開始時の保留記憶数が2である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図43に示す変動パターン#29〜#38を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれである場合における再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#35〜#37は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#32〜#34よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、変動開始時の保留記憶数が2である場合には、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンおよび再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンおよび再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。したがって、変動開始時の保留記憶数が2である場合には、変動開始時の保留記憶数が0または1であるときと比較して、再変動回数が4回の擬似連続変動演出が実行される場合に加えて、再変動回数が3回の擬似連続変動演出が実行される場合にも、100パーセントの確率で大当りを期待することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、例えば、変動開始時の保留記憶数が3または4である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図43に示す変動パターン#39〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が2回〜4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が2回〜4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。したがって、変動開始時の保留記憶数が3または4である場合には、変動開始時の保留記憶数が0〜2であるときと比較して、再変動回数が3回や4回の擬似連続変動演出が実行される場合に加えて、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合にも、100パーセントの確率で大当りを期待することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、変動開示時の保留記憶数に応じて、擬似連続変動演出の再変動の回数の選択割合を異ならせたり、100パーセントの確率で大当りとなる擬似連続変動演出の再変動の回数の種類を異ならせることができるので、擬似連続変動演出の再変動の回数に対する大当りの信頼度を変化させることができる。したがって、擬似連続変動演出を行う場合に、演出図柄の変動表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、はずれと決定した場合に、保留記憶数が多くなるに従って再変動回数が少ない擬似連続変動演出を伴う変動パターンのみ選択可能とし、保留記憶数が少なくなるに従って再変動回数が多い擬似連続変動演出を伴う変動パターンも選択可能とするはずれ用変動パターン判定テーブルを用いるので、保留記憶数が多いときには再変動回数が少なく変動時間が短い変動パターンが選択される割合を高くすることができる。そのため、無効な保留記憶数を低減することができる。
実施の形態3.
はずれ用変動パターン判定テーブルとして、保留記憶数と同数の再変動回数の擬似連続変動演出が選択される割合が低く設定されたはずれ用変動パターン判定テーブルを用いることによって、保留記憶数に応じて再変動の実行回数の選択割合を異ならせるようにしてもよい。以下、保留記憶数と同数の再変動回数の擬似連続変動演出が選択される割合が低く設定されたはずれ用変動パターン判定テーブルを用いる第3の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図44は、第3の実施の形態におけるはずれ用変動パターン判定テーブルの例を示す説明図である。なお、大当り用変動パターン判定テーブルについては、第1の実施の形態で示したテーブル(図8参照)と同様である。また、特別図柄の停止図柄が「突然確変大当り図柄」および「小当り図柄」となる場合に用いられる変動パターンについても、第1の実施の形態で示した変動パターン(図10参照)と同様である。また、この実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り用変動パターン判定テーブルやはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理については、第1の実施の形態で示した処理と同様である(図24の変動パターン設定処理参照)。
図44に示すように、この実施の形態では、はずれの変動パターンとして、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターン(変動パターン#16,#27,#35)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(変動パターン#17,#28,#36)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(変動パターン#18,#29,#37)と、擬似連続変動演出を伴う変動パターン(変動パターン#19〜#26,#30〜#33,#38〜#44)と、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(変動パターン#26,#34,#45)とが設けられている。
また、この実施の形態では、変動開始時の保留記憶数に応じて3種類のはずれ用変動パターン判定テーブルが用意されている。具体的には、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が0または1である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が0または1である場合には、図44に示す変動パターン#16〜#26を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。また、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が2である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が2である場合には、図44に示す変動パターン#27〜#34を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。また、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第1保留記憶数が3または4である場合、および第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行するときに変動開始時の第2保留記憶数が3または4である場合には、図44に示す変動パターン#35〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。
この実施の形態では、図44に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、保留記憶数と同数の再変動回数の擬似連続変動演出を伴う変動パターンが、保留記憶数と異なる再変動回数の擬似連続変動演出を伴う変動パターンよりも選択割合が低く設定されているので、大当りと決定された場合には、擬似連続変動演出中の再変動の実行回数として、保留記憶数と同数の実行回数が選択される割合を低くすることができる。そのため、保留記憶数と同数の再変動が実行された場合には、大当りとすると決定されている割合を高めることができる。したがって、保留記憶数と同数の再変動が実行される場合の大当りに対する信頼度を高めることができ、遊技者に対して保留記憶数と再変動の実行回数との関係により一層の関心をもたせるようにして、遊技に対する興趣を向上させることができる。
例えば、変動開始時の保留記憶数が1である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図44に示す変動パターン#16〜#26を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#19は、はずれである場合における再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#20〜#22や再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#23〜#25よりも選択割合が低いのであるから、保留記憶数と同数である再変動回数が1回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が2回や3回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。
また、例えば、変動開始時の保留記憶数が2である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図44に示す変動パターン#27〜#34を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれ用変動パターン判定テーブルには再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、保留記憶数と同数である再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、100パーセントの確率で大当りとなる。
また、例えば、変動開始時の保留記憶数が3である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図44に示す変動パターン#35〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれである場合における再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#44は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#38〜#40や再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#41〜#43よりも選択割合が低いのであるから、保留記憶数と同数である再変動回数が3回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回や2回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、はずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、保留記憶数と同数の再変動回数の擬似連続変動演出を伴う変動パターンが、保留記憶数と異なる再変動回数の擬似連続変動演出を伴う変動パターンよりも選択割合が低く設定されているので、大当りと決定された場合には、擬似連続変動演出中の再変動の実行回数として、保留記憶数と同数の実行回数が選択される割合を低くすることができる。そのため、保留記憶数と同数の再変動が実行された場合には、大当りとすると決定されている割合を高めることができる。したがって、保留記憶数と同数の再変動が実行される場合の大当りに対する信頼度を高めることができ、遊技者に対して保留記憶数と再変動の実行回数との関係により一層の関心をもたせるようにして、遊技に対する興趣を向上させることができる。
実施の形態4.
上記に示した各実施の形態では、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じて、擬似連続変動演出の再変動の回数の選択割合を異ならせたり、100パーセントの確率で大当りとなる擬似連続変動演出の再変動の回数の種類を異ならせる場合を示したが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数に応じて、擬似連続変動演出の再変動の回数の選択割合を異ならせたり、100パーセントの確率で大当りとなる擬似連続変動演出の再変動の回数の種類を異ならせるようにしてもよい。以下、合算保留記憶数に応じて、擬似連続変動演出の再変動の回数の選択割合を異ならせたり、100パーセントの確率で大当りとなる擬似連続変動演出の再変動の回数の種類を異ならせる第4の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図45は、第4の実施の形態におけるはずれ用変動パターン判定テーブルの例を示す説明図である。なお、大当り用変動パターン判定テーブルについては、第1の実施の形態で示したテーブル(図8参照)と同様である。また、特別図柄の停止図柄が「突然確変大当り図柄」および「小当り図柄」となる場合に用いられる変動パターンについても、第1の実施の形態で示した変動パターン(図10参照)と同様である。
また、図45に示すように、この実施の形態では、はずれの変動パターンとして、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターン(変動パターン#16,#23,#33)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(変動パターン#17,#24,#34)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(変動パターン#18,#25,#35)と、擬似連続変動演出を伴う変動パターン(変動パターン#19〜#21,#26〜#31,#36〜#44)と、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(変動パターン#22,#32,#45)とが設けられている。
また、この実施の形態では、変動開始時の合算保留記憶数に応じて3種類のはずれ用変動パターン判定テーブルが用意されている。具体的には、変動開始時の合算保留記憶数が0〜3のいずれかである場合には、図45に示す変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。また、変動開始時の合算保留記憶数が4または5である場合には、図45に示す変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。また、変動開始時の合算保留記憶数が6〜8のいずれかである場合には、図45に示す変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。
この実施の形態では、図45に示すように、はずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、合算保留記憶数に応じて再変動の実行回数が相互に異なる変動パターンの選択割合を異ならせることができる。そのため、擬似連続変動演出中における再変動の実行回数に対する大当りの信頼度を変化させることができる。したがって、擬似連続変動演出を行う場合に、演出図柄の変動表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
例えば、変動開始時の合算保留記憶数が6〜8のいずれかである場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図45に示す変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれである場合における再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#39〜#41は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#36〜#38よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、はずれである場合における再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#39〜#41は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#36〜#38や再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#39〜#41よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回または2回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、変動開始時の合算保留記憶数が6〜8のいずれかである場合には、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。
また、例えば、変動開始時の合算保留記憶数が4または5である場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図45に示す変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれである場合における再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#29〜#31は、はずれである場合における再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン#26〜#28よりも選択割合が低いのであるから、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合には、再変動回数が1回の擬似連続変動演出が実行されるときよりも大当りの確率が高くなる。また、変動開始時の合算保留記憶数が4または5である場合には、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンおよび再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンおよび再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。したがって、変動開始時の合算保留記憶数が4または5である場合には、変動開始時の合算保留記憶数が6〜8のいずれかであるときと比較して、再変動回数が4回の擬似連続変動演出が実行される場合に加えて、再変動回数が3回の擬似連続変動演出が実行される場合にも、100パーセントの確率で大当りを期待することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、例えば、変動開始時の合算保留記憶数が0〜3のいずれかである場合には、大当りであるかはずれであるかに応じて、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(変動パターン#1〜#15)または図45に示す変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが決定される。この場合、はずれ用変動パターン判定テーブルに再変動回数が2回〜4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは含まれないのであるから(再変動回数が2回〜4回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンは大当り用変動パターン判定テーブルにしか含まれないのであるから)、100パーセントの確率で大当りとなる。したがって、変動開始時の合算保留記憶数が0〜3のいずれかである場合には、変動開始時の合算保留記憶数が4〜8のいずれかであるときと比較して、再変動回数が3回や4回の擬似連続変動演出が実行される場合に加えて、再変動回数が2回の擬似連続変動演出が実行される場合にも、100パーセントの確率で大当りを期待することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、この実施の形態では、変動開示時の合算保留記憶数に応じて、擬似連続変動演出の再変動の回数の選択割合を異ならせたり、100パーセントの確率で大当りとなる擬似連続変動演出の再変動の回数の種類を異ならせることができるので、擬似連続変動演出の再変動の回数に対する大当りの信頼度を変化させることができる。したがって、擬似連続変動演出を行う場合に、演出図柄の変動表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図46は、第4の実施の形態における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、図46に示すように、第1の実施の形態で示した変動開始時保留記憶数指定コマンド(コマンドC4XX(H))に代えて、コマンドC5XX(H)を用いる。
コマンドC5XX(H)は、特別図柄や演出図柄の変動開始時における合算保留記憶数を指定する演出制御コマンド(変動開始時合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC5XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。
なお、変動開始時合算保留記憶数指定コマンド以外の演出制御コマンドについては、第1の実施の形態で示した各演出制御コマンドと同様である。
図47は、第4の実施の形態における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS91〜S96は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS95で小当りフラグもセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が0〜3のいずれかであるか否かを確認する(ステップS97A)。合算保留記憶数が0〜3のいずれかであれば(ステップS97AのY)、CPU56は、合算保留記憶数が0〜3のいずれかである場合に応じたはずれ用変動パターン判定テーブル(図45に示す変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)をセットする(ステップS98A)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が0〜3のいずれでもなければ(ステップS97AのN)、CPU56は、合算保留記憶数が4または5であるか否かを確認する(ステップS99A)。合算保留記憶数が4または5であれば(ステップS99AのY)、CPU56は、合算保留記憶数が4または5である場合に応じたはずれ用変動パターン判定テーブル(図45に示す変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)をセットする(ステップS100A)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が4または5のいずれでもなければ(ステップS99AのN)、CPU56は、合算保留記憶数が6〜8のいずれかである場合に応じたはずれ用変動パターン判定テーブル(図45に示す変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)をセットする(ステップS101A)。そして、ステップS102に移行する。
ステップS102〜S105の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、CPU56は、合算保留記憶数に応じた変動開始時合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106A)。
また、ステップS107〜S109の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図48は、第4の実施の形態におけるコマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS611〜S659の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
受信した演出制御コマンドが変動開始時合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS661A)、演出制御用CPU101は、その変動開始時合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を変動開始時合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS662A)。
なお、ステップS663の処理は、第1の実施の形態で示した処理と同様である。
図49は、第4の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS821〜S833の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、変動開始時合算保留記憶数保存領域から変動開始時合算保留記憶数指定コマンドを読み出し、変動開始時合算保留記憶数指定コマンドに示される合算保留記憶数を演出表示装置9の保留記憶数表示領域91に重畳表示する(ステップS834A)。
この実施の形態では、既に説明したように変動開始時の合算保留記憶数によって大当りの信頼度が異なるので、遊技者に対して変動開始時の合算保留記憶数に対する興味をもたせることができる。この実施の形態では、ステップS834Aの処理が実行されるので、演出表示装置9の表示画面に設けられた保留記憶数表示領域91において変動開始時の合算保留記憶数を表示可能に構成される。そのため、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始された後に、遊技者に対して変動表示の開始時における合算保留記憶数を認識させることができる。したがって、遊技者が合算保留記憶数と再変動の実行回数との関係をより確実に認識できるようにすることができ、さらなる遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、ステップS836,S837の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図50は、第4の実施の形態における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS851〜S853の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の保留記憶数表示領域91に重畳表示されている合算保留記憶数を消去する制御を行なう(ステップS854A)。また、ステップS855〜S858の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りと決定されたときに、大当り用変動パターン判定テーブルにもとづいていずれか1つの変動パターンを選択する。また、はずれと決定されたときに、合算保留記憶数に対応するあらかじめ定められたはずれ用変動パターン判定テーブルにもとづいていずれか1つの変動パターンを選択する。また、合算保留記憶数に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜3のいずれかであることに対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が4または5であることに対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が6〜8のいずれかであることに対応する変動パターン#33〜#45を含むはずれ用変動パターン判定テーブルとを含む。また、各はずれ用変動パターン判定テーブルは、再変動回数が1回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンや、再変動回数が2回の擬似連続変動演出を伴う変動パターン、再変動回数が3回の擬似連続変動演出を伴う変動パターンが選択される割合が異なるように設定されている。そのため、合算保留記憶数に応じて再変動の実行回数の選択割合を異ならせることができ、再変動の実行回数に対する大当りとなる信頼度を変化させることができる。したがって、特別図柄や演出図柄の可変表示中に擬似連続変動演出を行う場合に、可変表示中における再変動の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、はずれと決定した場合に、合算保留記憶数が少なくなるに従って再変動回数が少ない擬似連続変動演出を伴う変動パターンのみ選択可能とし、合算保留記憶数が多くなるに従って再変動回数が多い擬似連続変動演出を伴う変動パターンも選択可能とするはずれ用変動パターン判定テーブルを用いることによって、合算保留記憶数に応じて再変動の実行回数の選択割合を異ならせる場合を示したが、再変動の実行回数の選択割合を異ならせるように構成したはずれ用変動パターン判定テーブルは、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、はずれと決定した場合に、合算保留記憶数が多くなるに従って再変動回数が少ない擬似連続変動演出を伴う変動パターンのみ選択可能とし、合算保留記憶数が少なくなるに従って再変動回数が多い擬似連続変動演出を伴う変動パターンも選択可能とするはずれ用変動パターン判定テーブルを用いることによって、合算保留記憶数に応じて再変動の実行回数の選択割合を異ならせるようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数に応じて、特定の再変動回数の擬似連続変動演出が選択される割合が、他の再変動回数の擬似連続変動演出が選択される割合よりも低く設定されたはずれ用変動パターン判定テーブルを用いることによって、合算保留記憶数に応じて再変動の実行回数の選択割合を異ならせるようにしてもよい。
また、本発明による遊技機は、以下に示すようにも構成されうる。
本発明による遊技機は、始動条件が成立(例えば、遊技球が始動入賞口13,14に入賞したこと)した後に実行条件が成立(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていないこと)したことにもとづいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、演出図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する複数の可変表示部(例えば、演出表示装置9における各演出図柄の表示領域)を備え、該可変表示部に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、可変表示部に導出表示される表示結果を特定表示結果とするか否かを表示結果の導出表示以前に決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS62,S63を実行する部分)と、実行条件が成立していないときに始動条件が成立した場合、始動条件の成立を保留記憶(例えば、第1保留記憶数、第2保留記憶数)として所定数(例えば、上限値4)まで記憶する保留記憶手段(例えば、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ)と、事前決定手段の決定にもとづいてあらかじめ定められた複数種類の識別情報の可変表示パターン(例えば、変動パターン)の中から1つの可変表示パターンを選択する可変表示パターン選択手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560における図24に示すステップS91〜S103を実行する部分)と、可変表示パターン選択手段において選択された可変表示パターンにもとづいて識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における図37に示すステップS831〜S837、図38に示すS841〜S850、およびステップS853を実行する部分)とを備え、あらかじめ定められた複数種類の識別情報の可変表示パターンには、可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、全ての可変表示部の識別情報を仮停止させた後に全ての可変表示部の識別情報の可変表示を再開させる再可変態様(例えば、再変動)を第1回数(例えば、2回)実行する第1再可変表示パターン(例えば、再変動回数が2回の擬似連続演出を伴う変動パターン#4〜#6,#29〜#31,#39〜#41(図8、図9参照))と、第2回数(例えば、1回)実行する第2再可変表示パターン(例えば、再変動回数が1回の擬似連続演出を伴う変動パターン#1〜#3,#19〜#21,#26〜#28,#36〜#38(図8、図9参照))とが含まれ、可変表示パターン選択手段は、事前決定手段によって特定表示結果とすると決定されたときに、特定表示時選択用データ(例えば、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル)にもとづいていずれか1つの可変表示パターンを選択し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS94,S102,S103を実行する部分)、事前決定手段によって特定表示結果としないと決定されたときに、可変表示を開始するときの保留記憶の保留数(例えば、第1保留記憶数、第2保留記憶数)に対応するあらかじめ定められた非特定表示時選択用データ(例えば、図9に示すはずれ用変動パターン判定テーブル)にもとづいていずれか1つの可変表示パターンを選択し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS97でYと判定したときにステップS98で選択した保留記憶数0,1に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルを用いてステップS102,S103を実行し、ステップS99でYと判定したときにステップS100で選択した保留記憶数2に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルを用いてステップS102,S103を実行し、ステップS99でNと判定したときにステップS101で選択した保留記憶数3,4に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルを用いてステップS102,S103を実行する)、保留数に対応する非特定表示時選択用データは、可変表示を開始するときの保留数が第1保留数(例えば、0または1)であることに対応する第1非特定表示時選択用データ(例えば、図9に示す保留記憶数0,1に対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)と、可変表示を開始するときの保留数が第2保留数(例えば、2)であることに対応する第2非特定表示時選択用データ(例えば、図9に示す保留記憶数2に対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)とを含み、第1非特定表示時選択用データと第2非特定表示時選択用データとは、特定表示時選択用データに選択可能に設定されている第1再可変表示パターンおよび第2再可変表示パターンが選択される割合が異なるように設定されている(例えば、図9に示すように、保留記憶数2に対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルは、保留記憶数0,1に対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルよりも、再変動回数1回の擬似連続演出を伴う変動パターンの選択割合が多く設定されている。また、例えば、再変動回数2回の擬似連続演出を伴う変動パターンは、保留記憶数2に対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択可能に設定され、保留記憶数0,1に対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択不可能に設定されている)ことを特徴とする。
第1再可変表示パターンは、第1非特定表示時選択用データまたは第2非特定表示時選択用データのいずれか一方では選択不可能に設定され、他方では選択可能に設定されている(例えば、図9に示すように、再変動回数2回の擬似連続演出を伴う変動パターンは、保留記憶数2に対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択可能に設定され、保留記憶数0,1に対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択不可能に設定されている)ように構成されていてもよい。
第1非特定表示時選択用データは、第1保留数と同じ回数再可変態様を実行する第1可変表示パターンが、第1保留数と異なる回数再可変態様を実行する第2可変表示パターンよりも選択割合が低く設定されている(例えば、図44に示すように、保留記憶数1である場合には、保留記憶数と同じ1回再変動する擬似連続演出を伴う変動パターン#19の選択割合が、再変動回数2回や3回の擬似連続演出を伴う変動パターン#20〜#25の選択割合よりも低く設定されている。また、例えば、図44に示すように、保留記憶数2である場合には、保留記憶数と同じ2回再変動する擬似連続演出を伴う変動パターンを選択不可能に設定されている。また、例えば、図44に示すように、保留記憶数3である場合には、保留記憶数と同じ3回再変動する擬似連続演出を伴う変動パターン#44の選択割合が、再変動回数1回や2回の擬似連続演出を伴う変動パターン#38〜#43の選択割合よりも低く設定されている。)ように構成されていてもよい。
可変表示実行手段が第1再可変表示パターンに従って識別情報の可変表示を実行しているときに、識別情報の可変表示の開始時において保留記憶手段によって記憶されていた保留数を表示する可変表示開始時成立数表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS834を実行する部分。具体的には、図11に示すように、演出表示装置9に設けられた保留記憶数表示領域91に変動開始時の保留記憶数が表示される。)を備えるように構成されていてもよい。
本発明による遊技機の他の態様は、第1の始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後に第1の実行条件が成立(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていないこと)したことにもとづいて各々を識別可能な複数種類の第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する第1可変表示部(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、第2の始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後に第2の実行条件が成立(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていないこと)したことにもとづいて各々を識別可能な複数種類の第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する第2可変表示部(例えば、第2特別図柄表示器8b)とを備え、第1可変表示部または第2可変表示部に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、第1可変表示部および第2可変表示部における識別情報の可変表示に対応して、複数種類の演出用識別情報(例えば、演出図柄)の可変表示を実行する複数の可変表示部(例えば、演出表示装置9における各演出図柄の表示領域)を含む演出用可変表示装置(例えば、演出表示装置9)と、第1可変表示部および第2可変表示部に導出表示される表示結果を特定表示結果とするか否かを表示結果の導出表示以前に決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS62,S63を実行する部分)と、第1の実行条件が成立していないときに第1の始動条件が成立した場合、第1の始動条件の成立を保留記憶(例えば、第1保留記憶数)として所定数(例えば、上限値4)まで記憶する第1保留記憶手段(例えば、第1保留記憶数カウンタ)と、第2の実行条件が成立していないときに第2の始動条件が成立した場合、第2の始動条件の成立を保留記憶(例えば、第2保留記憶数)として所定数(例えば、上限値4)まで記憶する第2保留記憶手段(例えば、第2保留記憶数カウンタ)と、第1保留記憶手段が記憶する保留記憶と第2保留記憶手段が記憶する保留記憶との合計である合計保留数(例えば、合算保留記憶数)を判定する判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS97A,S99Aを実行する部分)と、事前決定手段の決定にもとづいてあらかじめ定められた複数種類の演出用識別情報の可変表示パターン(例えば、変動パターン)の中から1つの可変表示パターンを選択する可変表示パターン選択手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560における図47に示すステップS91〜S103を実行する部分)と、可変表示パターン選択手段において選択された可変表示パターンにもとづいて演出用識別情報の可変表示を実行する演出用可変表示実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における図49に示すステップS831〜S837、図50に示すステップS841〜S850、およびステップS853を実行する部分)とを備え、あらかじめ定められた複数種類の演出用識別情報の可変表示パターンには、可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、全ての可変表示部の演出用識別情報を仮停止させた後に全ての可変表示部の演出用識別情報の可変表示を再開させる再可変態様(例えば、再変動)を第1回数(例えば、2回)実行する第1再可変表示パターン(例えば、再変動回数が2回の擬似連続演出を伴う変動パターン#4〜#6,#29〜#31,#39〜#41(図8、図45参照))と、第2回数(例えば、1回)実行する第2再可変表示パターン(例えば、再変動回数が1回の擬似連続演出を伴う変動パターン#1〜#3,#19〜#21,#26〜#28,#36〜#38(図8、図45参照))とが含まれ、可変表示パターン選択手段は、事前決定手段によって特定表示結果とすると決定されたときに、特定表示時選択用データ(例えば、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル)にもとづいていずれか1つの可変表示パターンを選択し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS94,S102,S103を実行する部分)、事前決定手段によって特定表示結果としないと決定されたときに、可変表示を開始するときの判定手段にて判定された合計保留数(例えば、合算保留記憶数)に対応するあらかじめ定められた非特定表示時選択用データ(例えば、図45に示すはずれ用変動パターン判定テーブル)にもとづいていずれか1つの可変表示パターンを選択し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS97AでYと判定したときにステップS98Aで選択した合算保留記憶数0〜3に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルを用いてステップS102,S103を実行し、ステップS99AでYと判定したときにステップS100Aで選択した合算保留記憶数4,5に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルを用いてステップS102,S103を実行し、ステップS99AでNと判定したときにステップS101Aで選択した合算保留記憶数6〜8に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルを用いてステップS102,S103を実行する)、合計保留数に対応する非特定表示時選択用データは、判定手段にて判定された合計保留数が第1保留数(例えば、0〜3のいずれか)であることに対応する第1非特定表示時選択用データ(例えば、図45に示す合算保留記憶数0〜3に対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)と、判定手段にて判定された合計保留数が第2保留数(例えば、4または5)であることに対応する第2非特定表示時選択用データ(例えば、図45に示す合算保留記憶数4,5に対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブル)とを含み、第1非特定表示時選択用データと第2非特定表示時選択用データとは、特定表示時選択用データに選択可能に設定されている第1再可変表示パターンおよび第2再可変表示パターンが選択される割合が異なるように設定されている(例えば、図45に示すように、合算保留記憶数4,5に対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数0〜3に対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルよりも、再変動回数1回の擬似連続演出を伴う変動パターンの選択割合が多く設定されている。また、例えば、再変動回数2回の擬似連続演出を伴う変動パターンは、合算保留記憶数4,5に対応する変動パターン#23〜#32を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択可能に設定され、合算保留記憶数0〜3に対応する変動パターン#16〜#22を含むはずれ用変動パターン判定テーブルでは選択不可能に設定されている)ことを特徴とする。
可変表示パターン選択手段が、事前決定手段によって特定表示結果とすると決定されたときに、特定表示時選択用データにもとづいていずれか1つの可変表示パターンを選択し、事前決定手段によって特定表示結果としないと決定されたときに、可変表示を開始するときの保留記憶の保留数に対応するあらかじめ定められた非特定表示時選択用データにもとづいていずれか1つの可変表示パターンを選択し、保留数に対応する非特定表示時選択用データは、可変表示を開始するときの保留数が第1保留数であることに対応する第1非特定表示時選択用データと、可変表示を開始するときの保留数が第2保留数であることに対応する第2非特定表示時選択用データとを含み、第1非特定表示時選択用データと第2非特定表示時選択用データとは、特定表示時選択用データに選択可能に設定されている第1再可変態様パターンおよび第2再可変態様パターンが選択される割合が異なるように設定されているように構成されることによって、保留数に応じて再可変態様の実行回数の選択割合を異ならせることができ、再可変態様の実行回数に対する特定表示結果となる信頼度を変化させることができる。したがって、識別情報の可変表示中に再可変態様を行う場合に、可変表示中における再可変態様の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。
第1再可変態様パターンが、第1非特定表示時選択用データまたは第2非特定表示時選択用データのいずれか一方では選択不可能に設定され、他方では選択可能に設定されているように構成されることによって、保留数によって、事前決定手段によって特定表示結果とすると決定された場合にのみ、第1再可変態様パターンを選択する場合を設けることができる。したがって、保留数および第1再可変態様パターンにもとづく再可変態様が実行されたことにもとづいて、遊技者に対して特定表示結果となることを確信させる場合を設けることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
第1非特定表示時選択用データが、第1保留数と同じ回数再可変態様を実行する第1可変表示パターンが、第1保留数と異なる回数再可変態様を実行する第2可変表示パターンよりも選択割合が低く設定されているように構成されることによって、事前決定手段によって特定表示結果としないと決定された場合には、再可変態様の実行回数として、保留数と同数の実行回数が選択される割合を低くすることができる。そのため、保留数と同数の再可変態様が実行された場合には、事前決定手段によって特定表示結果とすると決定されている割合を高めることができる。したがって、保留数と同数の再可変態様が実行される場合の特定表示結果に対する信頼度を高めることができ、遊技者に対して保留数と再変動表示の実行回数との関係により一層の関心をもたせるようにして、遊技に対する興趣を向上させることができる。
可変表示実行手段が第1再可変表示パターンに従って識別情報の可変表示を実行しているときに、識別情報の可変表示の開始時において保留記憶手段によって記憶されていた保留数を表示する可変表示開始時成立数表示手段を備えることによって、識別情報の可変表示が開始された後に、遊技者に対して可変表示の開始時における保留数を認識させることができる。そのため、遊技者が保留数と再可変態様の実行回数との関係をより確実に認識できるようにすることができ、さらなる遊技に対する興趣を向上させることができる。
可変表示パターン選択手段が、事前決定手段によって特定表示結果とすると決定されたときに、特定表示時選択用データにもとづいていずれか1つの可変表示パターンを選択し、事前決定手段によって特定表示結果としないと決定されたときに、可変表示を開始するときの判定手段にて判定された合計保留数に対応するあらかじめ定められた非特定表示時選択用データにもとづいていずれか1つの可変表示パターンを選択し、合計保留数に対応する非特定表示時選択用データは、判定手段にて判定された合計保留数が第1保留数であることに対応する第1非特定表示時選択用データと、判定手段にて判定された合計保留数が第2保留数であることに対応する第2非特定表示時選択用データとを含み、第1非特定表示時選択用データと第2非特定表示時選択用データとは、特定表示時選択用データに選択可能に設定されている第1再可変表示パターンおよび第2再可変表示パターンが選択される割合が異なるように設定されているように構成されることによって、複数の可変表示部を備える場合に合計保留数に応じて再可変態様の実行回数の選択割合を異ならせることができ、再可変態様の実行回数に対する特定表示結果にとなる信頼度を変化させることができる。したがって、識別情報の可変表示中に再可変態様を行う場合に、可変表示中における再可変態様の実行回数にかかわらず、遊技に対する興趣を向上させることができる。