JP2017126615A - 高分子圧電材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性に優れ、高温条件での耐湿熱性が改良された高分子圧電材料を提供する。【解決手段】重量平均分子量が5万〜100万で光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)と、多官能エポキシ化合物であり、重量平均分子量が300〜60000の安定化剤(B)と、を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、前記脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して前記安定化剤(B)が0.01質量部〜10質量部含まれる、高分子圧電材料。【選択図】なし

Description

本発明は、高分子圧電材料に関する。
圧電材料としては、従来、セラミックス材料であるPZT(PbZrO−PbTiO系固溶体)が多く用いられてきたが、PZTは、鉛を含有することから、環境負荷が低く、また柔軟性に富む高分子圧電材料が用いられるようになってきている。
現在知られている高分子圧電材料は、ナイロン11、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ尿素、ポリフッ化ビニリデン(β型)(PVDF)と、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体(P(VDF−TrFE))(75/25)などがある。しかしながら、高分子圧電材料は、圧電性においてPZTに及ばず、圧電性の向上が要求されている。そのため、種々の観点から高分子圧電材料の圧電性を向上することが試みられている。
例えば、強誘電性高分子であるPVDF、及びP(VDF−TrFE)は、高分子の中でも優れた圧電性を有し、圧電定数d31が20pC/N以上である。PVDF、及びP(VDF−TrFE)から形成されるフィルム材料は、延伸操作により、延伸方向に高分子鎖を配向させた後に、コロナ放電などでフィルムの表裏に異種の電荷を付与することで、フィルム面垂直方向に電界を発生させ、高分子鎖の側鎖にあるフッ素を含む永久双極子を、電界方向に平行に配向させ、圧電性を付与する。しかし、分極したフィルム表面には、配向を打ち消す方向に、空気中の水やイオンのような異種電荷が付着しやすく、分極処理で揃えた永久双極子の配向が緩和し、経時的に圧電性が顕著に低下するといった実用上の課題があった。
PVDFは、上記の高分子圧電材料の中で最も圧電性の高い材料ではあるが、誘電率が高分子圧電材料の中では比較的高く、13であるため、圧電d定数を誘電率で割った値の圧電g定数(単位応力当たりの開放電圧)は小さくなる。また、PVDFは、電気から音響への変換効率は良いものの、音響から電気への変換効率については、改善が期待されていた。
近年、上記の高分子圧電材料以外に、ポリ乳酸等の光学活性を有する脂肪族系ポリエステルを用いることが着目されている。ポリ乳酸系高分子は、機械的な延伸操作のみで圧電性が発現することが知られている。
光学活性を有する高分子の中でも、ポリ乳酸のような高分子結晶の圧電性は、螺旋軸方向に存在するC=O結合の永久双極子に起因する。特にポリ乳酸は、主鎖に対する側鎖の体積分率が小さく、体積あたりの永久双極子の割合が大きく、ヘリカルキラリティをもつ高分子の中でも理想的な高分子といえる。
延伸処理のみで圧電性を発現するポリ乳酸は、ポーリング処理が不要で、圧電率は数年にわたり減少しないことが知られている。
以上のように、ポリ乳酸には種々の圧電特性があるため、種々のポリ乳酸を用いた高分子圧電材料が報告されている。
例えば、ポリ乳酸の成型物を延伸処理することで、常温で、10pC/N程度の圧電率を示す高分子圧電材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリ乳酸結晶を高配向にするために、鍛造法と呼ばれる特殊な配向方法により18pC/N程度の高い圧電性を出すことも報告されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−152638号公報 特開2005−213376号公報 特許第5259026号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に示される圧電材料は、いずれも透明性において不十分である。さらに、ポリ乳酸など脂肪族系ポリエステルは加水分解性があるため大気中の水分など加水分解を生じる環境下での圧電素子として用いた場合、信頼性が低いという問題があった。
一方、脂肪族系ポリエステルにカルボジイミド等の安定化剤を添加することによって、耐湿熱性が改良された高分子圧電材料が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、特許文献3に示される高分子圧電材料には、信頼性をより向上させる観点から、より高温条件にて、耐湿熱性をさらに改良することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑み、透明性に優れ、高温条件での耐湿熱性が改良された高分子圧電材料を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
[1] 重量平均分子量が5万〜100万で光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)と、
多官能エポキシ化合物であり、重量平均分子量が300〜60000の安定化剤(B)と、
を含み、
DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、
前記脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して前記安定化剤(B)が0.01質量部〜10質量部含まれる、高分子圧電材料。
[2] 前記多官能エポキシ化合物のエポキシ当量が、200g/mоl〜500g/mоlである、[1]に記載の高分子圧電材料。
[3] 前記安定化剤(B)が、グリシジル(メタ)アクリレート単位を含む多官能エポキシ化合物である、[1]又は[2]に記載の高分子圧電材料。
[4] 可視光線に対する内部ヘイズが40%以下であり、かつ、25℃において変位法で測定した圧電定数d14が1pm/V以上である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の高分子圧電材料。
[5] 前記内部ヘイズが5%以下である、[4]に記載の高分子圧電材料。
[6] マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が40〜700である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の高分子圧電材料。
[7] 前記脂肪族系ポリエステル(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の高分子圧電材料。
[8] 前記脂肪族系ポリエステル(A)は、光学純度が95.00%ee以上である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の高分子圧電材料。
[9] 前記脂肪族系ポリエステル(A)の含有量が80質量%以上である、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の高分子圧電材料。
[10] 主面の面積が5mm以上である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の高分子圧電材料。
本発明によれば、透明性に優れ、高温条件での耐湿熱性が改良された高分子圧電材料を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、高分子圧電材料の「主面」とは、高分子圧電材料の厚さ方向に直交する面を意味する。
また、本明細書では、「主面」を、単に「面」と称することがある。
また、本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているものだけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているものをも包含する概念である。
本実施形態の高分子圧電材料は、重量平均分子量が5万〜100万で光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)(以下、単に「脂肪族系ポリエステル(A)」と称することがある)と、
多官能エポキシ化合物であり、重量平均分子量が300〜60000の安定化剤(B)と、
を含み、
DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、
前記脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して前記安定化剤(B)が0.01質量部〜10質量部含まれる。
ここで、本実施形態における多官能エポキシ化合物とは、一分子内にエポキシ基を2以上有する化合物を意味する。
「エポキシ基」は、グリシジル基の構造中に含まれるエポキシ基を包含する概念である。
本実施形態の高分子圧電材料によれば、透明性に優れ、高温条件での耐湿熱性が改良された高分子圧電材料が得られる。
より詳細には、本実施形態の高分子圧電材料は、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%である脂肪族系ポリエステル(A)を有することにより、圧電性が発現されている。その上で、本実施形態の高分子圧電材料は、上記安定化剤(B)を、脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部含んでいる。
本実施形態の高分子圧電材料は、上記安定化剤(B)を特定の割合で含有することにより、高温条件(例えば121℃)にて耐湿熱性が向上する。さらに透明性にも優れる。
本実施形態の効果が得られる理由は以下のように推察される。
本発明者らは、安定化剤(B)として多官能エポキシ化合物を用い、この多官能エポキシ化合物と、脂肪族系ポリエステル(A)とを特定の割合で混合することにより、混合物の透明性が向上することを見出した。
これは、脂肪族系ポリエステル(A)中に多官能エポキシ化合物(安定化剤(B))が均一に分散していることに起因する。なお、脂肪族系ポリエステル(A)と多官能エポキシ化合物との混合物は、高分子圧電材料の原料となる。
従って、例えば、高分子圧電材料の原料である上記混合物から得たシート(例えば予備結晶化シート)を延伸することで、高分子圧電材料が配向性を有した際にも、多官能エポキシ化合物の分散状態は保持されると考えられる。即ち、延伸後の高分子圧電材料中においても、多官能エポキシ化合物は均一に分散された状態で存在していると考えられる。
本実施形態の高分子圧電材料では、この高分子圧電材料中に均一に分散されている多官能エポキシ化合物、即ち、安定化剤(B)が、本実施形態の高分子圧電材料の耐熱性、耐湿熱性、及び透明性の向上に寄与していると考えられる。
以下、本実施形態の高分子圧電材料の好ましい態様について説明する。
本実施形態の高分子圧電材料において、多官能エポキシ化合物のエポキシ当量は、200g/mоl〜500g/mоlであることが好ましい。
本実施形態におけるエポキシ当量とは、JIS K−7236(2009)に準じて測定した値である。
多官能エポキシ化合物のエポキシ当量が、200g/mоl以上であることにより、透明性がより高く維持できる
また、多官能エポキシ化合物のエポキシ当量が、500g/mоl以下であることにより、高温条件での耐湿熱性をより高めることができる。
従って、多官能エポキシ化合物のエポキシ当量を上記範囲とすることにより、高分子圧電材料の透明性、及び高温条件での耐湿熱性が向上する。
本実施形態の高分子圧電材料において、安定化剤(B)は、グリシジル(メタ)アクリレート単位を含む多官能エポキシ化合物であることが好ましい。
これにより、高分子圧電材料中における多官能エポキシ化合物の分散性が高まり、高分子圧電材料の透明性が向上する。
本実施形態の高分子圧電材料において、高分子圧電材料の透明性の観点、及び圧電性の観点から、可視光線に対する内部ヘイズは40%以下であり、かつ、25℃において変位法で測定した圧電定数d14は1pm/V以上であることが好ましい。
本実施形態の高分子圧電材料において、内部ヘイズは、高分子圧電材料の透明性の観点から、5%以下であることが好ましい。
本実施形態の高分子圧電材料において、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積は40〜700であることが好ましい。
上記積が40以上であると、高分子圧電材料の圧電性がより高く維持される。
上記積が700以下であると、高分子圧電材料の透明性がより高く維持される。
本実施形態の高分子圧電材料において、脂肪族系ポリエステル(A)は、圧電性をより向上させる観点から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子であることが好ましい。

本実施形態の高分子圧電材料において、脂肪族系ポリエステル(A)は、圧電性をより向上させる観点から、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましい。
本実施形態の高分子圧電材料において、脂肪族系ポリエステル(A)の含有量は、圧電性をより向上させる観点から、80質量%以上であることが好ましい。
本実施形態の高分子圧電材料において、主面の面積は5mm以上であることが好ましい。
<脂肪族系ポリエステル(A)>
本実施形態の高分子圧電材料は、脂肪族系ポリエステル(A)を含有する。
本実施形態における脂肪族系ポリエステル(A)は、重量平均分子量が5万〜100万であり光学活性を有する脂肪族系ポリエステルである。
ここで、「光学活性を有する脂肪族系ポリエステル」とは、分子構造が螺旋構造であり分子光学活性を有する高分子を指す。
本実施形態における脂肪族系ポリエステル(A)は、上記の「光学活性を有する脂肪族系ポリエステル」のうち、重量平均分子量が5万〜100万である高分子である。
脂肪族系ポリエステル(A)としては、例えば、ポリ乳酸系高分子、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等を挙げることができる。また、脂肪族系ポリエステル(A)としては、圧電性を増加させやすいヘリカルキラル高分子であることが好ましい。
脂肪族系ポリエステル(A)は、高分子圧電材料の圧電性を向上する観点から、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましく、96.00%ee以上であることがより好ましく、99.00%ee以上であることがさらに好ましく、99.99%ee以上であることがさらにより好ましい。望ましくは100.00%eeである。脂肪族系ポリエステル(A)の光学純度を上記範囲とすることで、圧電性を発現する高分子結晶のパッキング性が高くなり、その結果、圧電性が高くなるものと考えられる。
ここで、脂肪族系ポリエステル(A)の光学純度は、下記式にて算出した値である。
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
すなわち、脂肪族系ポリエステル(A)の光学純度は、
『「脂肪族系ポリエステル(A)のL体の量〔質量%〕と脂肪族系ポリエステル(A)のD体の量〔質量%〕との量差(絶対値)」を「脂肪族系ポリエステル(A)のL体の量〔質量%〕と脂肪族系ポリエステル(A)のD体の量〔質量%〕との合計量」で割った(除した)数値』に、『100』をかけた(乗じた)値である。
なお、脂肪族系ポリエステル(A)のL体の量〔質量%〕と脂肪族系ポリエステル(A)のD体の量〔質量%〕は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法により得られる値を用いる。測定方法は以下のとおりである。
50mLの三角フラスコに1.0gのサンプル(高分子圧電材料)を秤り込み、IPA(イソプロピルアルコール)2.5mLと、5.0mol/L水酸化ナトリウム溶液5mLとを加える。次に、サンプル溶液が入った前記三角フラスコを、温度40℃の水浴に入れ、脂肪族系ポリエステル(A)が完全に加水分解するまで、約5時間攪拌する。
前記サンプル溶液を室温まで冷却後、1.0mol/L塩酸溶液を20mL加えて中和し、三角フラスコを密栓してよくかき混ぜる。サンプル溶液の1.0mLを25mLのメスフラスコに取り分け、移動相で25mLとしてHPLC試料溶液1を調製する。HPLC試料溶液1を、HPLC装置に5μL注入し、下記HPLC条件で、脂肪族系ポリエステル(A)のD/L体ピーク面積を求め、L体の量とD体の量を算出する。
−HPLC測定条件−
・カラム
光学分割カラム、(株)住化分析センター製 SUMICHIRAL OA5000・測定装置
日本分光社製 液体クロマトグラフィ
・カラム温度
25℃
・移動相
1.0mM−硫酸銅(II)緩衝液/IPA=98/2(V/V)
硫酸銅(II)/IPA/水=156.4mg/20mL/980mL
・移動相流量
1.0ml/分
・検出器
紫外線検出器(UV254nm)
上記脂肪族系ポリエステル(A)としては、光学純度を上げ、圧電性を向上させる観点から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有する化合物が好ましい。

前記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする化合物の中でも、ポリ乳酸系高分子が好ましい。
ここで、ポリ乳酸系高分子とは、「ポリ乳酸(L−乳酸及びD−乳酸から選ばれるモノマー由来の繰り返し単位のみからなる高分子)」、「L−乳酸またはD−乳酸と、該L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」、又は、両者の混合物をいう。
ポリ乳酸系高分子の中でも、ポリ乳酸が好ましく、L−乳酸のホモポリマー(PLLA)またはD−乳酸のホモポリマー(PDLA)が最も好ましい。
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった高分子である。
ポリ乳酸は、ラクチドを経由するラクチド法;溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させる直接重合法;などによって製造できることが知られている。
ポリ乳酸としては、L−乳酸のホモポリマー、D−乳酸のホモポリマー、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むブロックコポリマー、及び、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むグラフトコポリマーが挙げられる。
上記「L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物」としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸;グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸及びこれらの無水物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール;セルロース等の多糖類;α−アミノ酸等のアミノカルボン酸;等を挙げることができる。
上記「L−乳酸またはD−乳酸と、該L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」としては、らせん結晶を生成可能なポリ乳酸シーケンスを有する、ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーが挙げられる。
また、脂肪族系ポリエステル(A)中におけるコポリマー成分に由来する構造の濃度は20mol%以下であることが好ましい。
例えば、脂肪族系ポリエステル(A)がポリ乳酸系高分子である場合、ポリ乳酸系高分子中における、乳酸に由来する構造と、乳酸と共重合可能な化合物(コポリマー成分)に由来する構造と、のモル数の合計に対して、コポリマー成分に由来する構造の濃度が20mol%以下であることが好ましい。
ポリ乳酸系高分子は、例えば、特開昭59−096123号公報、及び特開平7−033861号公報に記載されている乳酸を直接脱水縮合して得る方法;米国特許2,668,182号及び4,057,357号等に記載されている乳酸の環状二量体であるラクチドを用いて開環重合させる方法;などにより製造することができる。
さらに、上記各製造方法により得られたポリ乳酸系高分子は、光学純度を95.00%ee以上とするために、例えば、ポリ乳酸をラクチド法で製造する場合、晶析操作により光学純度を95.00%ee以上の光学純度に向上させたラクチドを、重合することが好ましい。
−重量平均分子量−
脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量(Mw)は、前述のとおり、5万〜100万である。
脂肪族系ポリエステル(A)のMwが5万以上であることにより、高分子圧電材料の機械的強度が向上する。上記Mwは、10万以上であることが好ましく、20万以上であることがさらに好ましい。
一方、脂肪族系ポリエステル(A)のMwが100万以下であることにより、成形(例えば押出成形)によって高分子圧電材料を得る際の成形性が向上する。上記Mwは、80万以下であることが好ましく、30万以下であることがさらに好ましい。
また、脂肪族系ポリエステル(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、高分子圧電材料の強度の観点から、1.1〜5であることが好ましく、1.2〜4であることがより好ましい。さらに1.4〜3であることが好ましい。
なお、脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量Mw及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて測定された値を指す。ここでMnは、脂肪族系ポリエステル(A)の数平均分子量である。
以下、GPCによる脂肪族系ポリエステル(A)のMw及びMw/Mnの測定方法の一例を示す。
−GPC測定装置−
Waters社製GPC−100
−カラム−
昭和電工社製、Shodex LF−804
−サンプルの調製−
高分子圧電材料を40℃で溶媒(例えば、クロロホルム)へ溶解させ、濃度1mg/mlのサンプル溶液を準備する。
−測定条件−
サンプル溶液0.1mlを溶媒〔クロロホルム〕、温度40℃、1ml/分の流速でカラムに導入する。
カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定する。
ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を算出する。
脂肪族系ポリエステル(A)の例であるポリ乳酸系高分子は、市販のポリ乳酸を用いることができる。
市販品としては、例えば、PURAC社製のPURASORB(PD、PL)、三井化学社製のLACEA(H−100、H−400)、NatureWorks LLC社製のIngeoTM biopolymer、等が挙げられる。
脂肪族系ポリエステル(A)としてポリ乳酸系高分子を用いるときに、ポリ乳酸系高分子の重量平均分子量(Mw)を5万以上とするためには、ラクチド法、または直接重合法によりポリ乳酸系高分子を製造することが好ましい。
本実施形態の高分子圧電材料は、前述した脂肪族系ポリエステル(A)を、1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
本実施形態の高分子圧電材料中における脂肪族系ポリエステル(A)の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、高分子圧電材料の全量に対し、80質量%以上が好ましい。
<安定化剤(B)>
本実施形態の高分子圧電材料は、安定化剤(B)を含有する。
安定化剤(B)は、多官能エポキシ化合物であり、多官能エポキシ化合物の重量平均分子量は、300〜60000である。
(多官能エポキシ化合物)
多官能エポキシ化合物(安定化剤(B))は、一分子内にエポキシ基を2以上有する化合物である。多官能エポキシ化合物としては特に限定はないが、透明性を向上する観点、及び高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、下記一般式(b1)で表される単位(以下、「b1単位」ともいう)を含む化合物であることが好ましい。なお、前述したグリシジル(メタ)アクリレート単位は、下記一般式(b1)において、Rが水素原子又はメチル基である単位である。
−b1単位−
b1単位は、下記一般式(b1)で表される単位である。
一般式(b1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
一般式(b1)中、Rで表されるアルキル基は、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。Rが表すアルキル基は、直鎖であっても分枝であっても環状であってもよい。
一般式(b1)中、Rが表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が好ましい。中でも、透明性を向上する観点から、メチル基とすることがより好ましい。
一般式(b1)中、Rが表すアルキル基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基は特に制限されることはなく、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)等の置換基、上記のアルキル基を例示することができる。なお、Rが表すアルキル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。
b1単位の中でも、透明性を向上する観点、及び高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、グリシジル(メタ)アクリレート単位であることが好ましい。
多官能エポキシ化合物を構成する全構成単位に対するb1単位の割合は、透明性を向上する観点、及び高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、好ましくは10mol%〜100mol%であり、より好ましくは10mol%〜90mol%であり、更に好ましくは30mol%〜70mol%である。
b1単位は、多官能エポキシ化合物中に、単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
−b2単位−
多官能エポキシ化合物(安定化剤(B))は、高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、上記b1単位に加えて、下記一般式(b2)で表される単位(以下、「b2単位」ともいう)を含む化合物であってもよい。なお、前述したスチレン単位は、下記一般式(b2)において、R、R、及びR41〜R45が水素原子である単位である。
b2単位は、下記一般式(b2)で表される単位である。
一般式(b2)中、R、R、及びR41〜R45は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
一般式(b2)中、R、R、及びR41〜R45は、一般式(b1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
b2単位の中でも、高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、スチレン単位であることが好ましい。
多官能エポキシ化合物がb2単位を含む場合、多官能エポキシ化合物を構成する全構成単位に対するb2単位の割合は、高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、好ましくは5mol%〜70mol%であり、より好ましくは10mol%〜50mol%である。
b2単位は、多官能エポキシ化合物中に、単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
b1単位、及びb2単位を含む多官能エポキシ化合物の具体的な態様としては、b1単位の数x、及びb2単位の数yが、それぞれ独立して、1〜35であることが好ましい。
上記態様の場合、特に、b1単位の数xは、高分子圧電材料の透明性を向上する観点から、より好ましくは2〜30であり、更に好ましくは4〜25である。
また、b1単位の数x、及びb2単位の数yの合計(x+y)は、好ましくは10〜70であり、より好ましくは15〜60である。
−b3単位−
また、多官能エポキシ化合物(安定化剤(B))は、透明性をより向上する観点、及び高温条件での耐湿熱性をより改良する観点から、上記b1単位に加えて、下記一般式(b3)で表される単位(以下、「b3単位」ともいう)を含む化合物であってもよく、上記b1単位及び上記b2単位に加えて、b3単位を含む化合物であってもよい。なお、前述したアルキル(メタ)アクリレート単位は、下記一般式(b3)において、Rが水素原子又はメチル基であり、Rが、炭素数1〜12のアルキル基である単位である。
一般式(b3)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。一般式(b3)中、Rは、アルキル基を表す。
一般式(b3)中、Rは、一般式(b1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。特に、一般式(b3)中、Rが表すアルキル基としては、透明性を向上する観点から、メチル基であることがより好ましい。
一般式(b3)中、Rは、一般式(b1)におけるRが表すアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。特に、一般式(b3)中、Rが表すアルキル基としては、透明性を向上する観点から、メチル基であることがより好ましい。
b3単位の中でも、透明性を向上する観点、及び高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、アルキル(メタ)アクリレート単位であることが好ましい。
多官能エポキシ化合物がb3単位を含む場合、多官能エポキシ化合物を構成する全構成単位に対するb3単位の割合は、透明性を向上する観点、及び高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、好ましくは10mol%〜90mol%であり、より好ましくは20mol%〜70mol%である。
b3単位は、多官能エポキシ化合物中に、単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
また、b1単位、b2単位、及びb3単位を含む多官能エポキシ化合物の具体的な態様としては、b1単位の数x、b2単位の数y、及びb3単位の数zは、それぞれ独立して、1〜20であることが好ましい。
上記態様の場合、特に、b1単位の数xは、高分子圧電材料の透明性をより向上する観点から、より好ましくは2〜20であり、更に好ましくは3〜10である。
さらに、b2単位の数y、及びb3単位の数zの合計(y+z)は、10より大きく、60以下であることが好ましい。
さらに上記態様の場合、一般式(b1)中のRがメチル基であり、かつ一般式(b3)中のRがメチル基であることが好ましい。一般式(b1)中のR、及び一般式(b3)中のRを共にメチル基にすることにより、多官能エポキシ化合物及び脂肪族系ポリエステル(A)の混合物から得られる成形体(高分子圧電材料)の透明性がより向上する。
本実施形態における多官能エポキシ化合物は、合成したものであっても、市販品であってもよい。
市販品としては、例えば、BASF社製「Joncryl ADR」(商品名)が挙げられる。
−多官能エポキシ化合物のエポキシ当量−
多官能エポキシ化合物のエポキシ当量は、前述のとおり、200g/mоl〜500g/mоlが好ましく、220g/mоl〜480g/mоlがより好ましく、250g/mоl〜450g/mоlがさらに好ましい。
多官能エポキシ化合物のエポキシ当量を上記範囲とすることにより、高分子圧電材料中における多官能エポキシ化合物の分散性が高まる。これにより、高分子圧電材料の透明性が向上する。
更に、多官能エポキシ化合物の上記分散状態は、高分子圧電材料の耐湿熱性の向上に寄与すると考えられる。従って、多官能エポキシ化合物のエポキシ当量を上記範囲とすることにより、高分子圧電材料の耐湿熱性も向上する。
−重量平均分子量(Mw)−
安定化剤(B)の重量平均分子量(Mw)、即ち、多官能エポキシ化合物の重量平均分子量は、前述のとおり、300〜60000であり、300〜40000であることが好ましく、300〜20000であることがより好ましく、300〜10000であることが更に好ましい。
安定化剤(B)の重量平均分子量を上記範囲内とすることにより、安定化剤(B)の揮発が抑制され、高分子圧電材料中に多官能エポキシ化合物(安定化剤(B))を低添加量で分散させることができる。
なお、安定化剤(B)の重量平均分子量(Mw)は、いずれも、脂肪族系ポリエステル(A)の項にて記載したゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いた測定方法や、GC−MS,FAB−MS,ESI−MS,TOF−MSなどの測定方法でも測定することができる。
安定化剤(B)の含有量は、透明性を向上する観点、及び高温条件での耐湿熱性を改良する観点から、前述のとおり、脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部であり、0.1質量部〜10質量部であることが好ましく、1.0質量部〜10質量部であることがより好ましい。
なお、上記含有量は、安定化剤(B)を2種以上併用する場合、それらの総量を示す。
<安定化剤(C)>
本実施形態の高分子圧電材料は、本発明の効果を損なわない限度において、上記安定化剤(B)以外の安定化剤として、さらに安定化剤(C)を有してもよい。
本実施形態における安定化剤(C)としては、一分子中に、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、重量平均分子量が200〜60000である化合物が好ましい。但し、一分子中にエポキシ基を2以上有する化合物は除く。
本実施形態における安定化剤(C)としては、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0039〜0055に記載された「安定化剤(B)」を用いることができる。
(カルボジイミド化合物)
安定化剤(C)として用い得る、一分子中にカルボジイミド基を含む化合物(カルボジイミド化合物)としては、モノカルボジイミド化合物、ポリカルボジイミド化合物、環状カルボジイミド化合物が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、等が好適である。
また、ポリカルボジイミド化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができる。従来のポリカルボジイミドの製造方法(例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review 1981,Vol.81 No.4、p619−621)により、製造されたものを用いることができる。具体的には特許4084953号公報に記載のカルボジイミド化合物を用いることもできる。
ポリカルボジイミド化合物としては、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド、等が挙げられる。
環状カルボジイミド化合物は、特開2011−256337号公報に記載の方法などに基づいて合成することができる。
カルボジイミド化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、東京化成製、B2756(商品名)、日清紡ケミカル社製、カルボジライトLA−1、ラインケミー社製、Stabaxol P、Stabaxol P400、Stabaxol I(いずれも商品名)等が挙げられる。
(イソシアネート化合物)
安定化剤(C)として用い得る、一分子中にイソシアネート基を含む化合物(イソシアネート化合物)としては、イソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、等が挙げられる。
(エポキシ化合物)
安定化剤(C)として用い得る、一分子中にエポキシ基を含む化合物としては、フェニルグリシジルエーテル等の単官能エポキシ化合物等が挙げられる。
安定化剤(C)の重量平均分子量は、200〜60000であることが好ましいが、200〜30000がより好ましく、300〜18000がさらに好ましい。
なお、安定化剤(C)の重量平均分子量は、上述した安定化剤(B)の重量平均分子量と同様の測定方法で測定することができる。
本実施形態の高分子圧電材料が安定化剤(C)を含有する場合、上記高分子圧電材料は、安定化剤(C)を1種のみ含有してもよいし、2種以上含有してもよい。
本実施形態の高分子圧電材料が安定化剤(C)を含む場合、安定化剤(C)の含有量は、脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対し、0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.01質量部〜5質量部であることが好ましく、0.1質量部〜3質量部であることがより好ましく、0.5質量部〜2質量部であることが特に好ましい。
安定化剤(C)の好ましい態様としては、カルボジイミド基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有し、かつ、重量平均分子量が200〜900の安定化剤(C−1)と、カルボジイミド基、及びイソシアネート基からなる群よりばれる1種類以上の官能基を1分子内に2以上有し、かつ、重量平均分子量が1000〜60000の安定化剤(C−2)とを併用するという態様が挙げられる。
安定化剤として安定化剤(C−1)と安定化剤(C−2)とを併用する場合、安定化剤(C−1)を多く含むことが透明性向上の観点から好ましい。
具体的には、安定化剤(C−1)100質量部に対して、安定化剤(C−2)が10質量部〜150質量部の範囲であることが、透明性と耐湿熱性の両立という観点から好ましく、50質量部〜100質量部の範囲であることがより好ましい。
以下、安定化剤(C)の具体例(安定化剤C−1〜C−3)を示す。

以下、上記安定化剤C−1〜C−3について、化合物名、市販品等を示す。
・安定化剤C−1 … 化合物名は、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドである。重量平均分子量は、363である。市販品としては、ラインケミー社製「Stabaxol I」、東京化成社製「B2756」が挙げられる。
・安定化剤C−2 … 化合物名は、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)である。市販品としては、重量平均分子量約2000のものとして、日清紡ケミカル社製「カルボジライトLA−1」が挙げられる。
・安定化剤C−3 … 化合物名は、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)である。市販品としては、重量平均分子量約3000のものとして、ラインケミー社製「Stabaxol P」が挙げられる。また、重量平均分子量20000のものとして、ラインケミー社製「Stabaxol P400」が挙げられる。
<その他の成分>
本実施形態の高分子圧電材料は、必要に応じ、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等の酸化防止剤;ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の公知の樹脂;シリカ、ヒドロキシアパタイト、モンモリロナイト等の公知の無機フィラー;フタロシアニン等の公知の結晶核剤;等が挙げられる。
無機フィラー及び結晶核剤としては、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0057〜0058に記載された成分を挙げることもできる。
また、前述したとおり、本発明の効果をより効果的に発揮する観点からは、本実施形態の高分子圧電材料中における脂肪族系ポリエステル(A)の含有量が、高分子圧電材料の全量に対し、80質量%以上であることが好ましい。
<高分子圧電材料の物性>
(透明性(内部ヘイズ))
本実施形態の高分子圧電材料は、可視光線に対する内部ヘイズ(以下、単に「内部ヘイズ」ともいう)が、40%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましく、13%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。なお、高分子圧電材料の内部ヘイズは、低ければ低いほどよいが、圧電定数などとのバランスの観点からは、0.01%〜13%であることがより好ましく、0.01%〜5%であることがさらに好ましい。
本実施形態において、「内部ヘイズ」とは、高分子圧電材料の外表面の形状によるヘイズを除外したヘイズを指す。
また、ここでいう「内部ヘイズ」は、高分子圧電材料に対して、JIS−K7105に準拠して、25℃で測定したときの値である。
内部ヘイズの測定方法の例については、実施例において後述する。
(圧電定数d14(変位法))
高分子圧電材料の圧電性は、例えば、高分子圧電材料の圧電定数d14を測定することによって評価することができる。
本実施形態において、「圧電定数d14」は、25℃において変位法で測定した圧電定数d14を指す。
以下、変位法による圧電定数d14の測定方法の一例について説明する。
高分子圧電材料を、分子配向に沿った方向(延伸方向)に40mm、分子配向に沿った方向に対して直交する方向に40mmでそれぞれカットして、矩形の試験片を作製する。次に、アルバック社製スパッタ薄膜形成装置JSP−8000の試験台に、得られた試験片をセットし、ロータリーポンプによりコータチャンバー内を真空状態(例えば、10−3Pa以下)にする。その後、Ag(銀)ターゲットを用い、印加電圧280V、スパッタリング電流0.4Aの条件で、試験片の一方の面に500秒間スパッタリング処理し、一方の面にAgの導電層を形成する。次いで、試験片の他方の面にも同様の条件で500秒間スパッタリング処理し、他方の面にもAgの導電層を形成する。
両面にAgの導電層が形成された40mm×40mmの試験片を、高分子圧電材料の分子配向に沿った方向(延伸方向)に対して45°なす方向に32mm、45°なす方向に直交する方向に5mmにカットして、32mm×5mmの矩形のフィルムを切り出す。これを、圧電定数測定用サンプルとする。
上記圧電定数測定用サンプルに対し、10Hz、300Vppの正弦波の交流電圧を印加したときの、フィルムの変位の最大値と最小値の差分距離を、キーエンス社製レーザ分光干渉型変位計SI−1000により計測する。
計測された変位量(mp−p)を、フィルムの基準長30mmで割った値を歪量とし、この歪量をフィルムに印加した電界強度((印加電圧(V))/(フィルム厚))で割った値に2を乗じた値を圧電定数d14とする。
圧電定数d14は高ければ高いほど、高分子圧電材料に印加される電圧に対する高分子圧電材料の変位が大きくなり、また、高分子圧電材料に印加される力に対して発生する電圧が大きくなり、高分子圧電材料として有用である。
具体的には、本実施形態の高分子圧電材料の圧電定数d14(即ち、25℃における変位法で測定した圧電定数d14)は、1.0pm/V以上であることが好ましく、3.0pm/V以上であることがより好ましく、4.0pm/V以上であることがさらに好ましく、6.0pm/V以上であることがさらに好ましい。
また、圧電定数d14の上限は特に限定されないが、透明性などのバランスの観点からは、脂肪族系ポリエステル(A)を用いた高分子圧電材料では50pm/V以下が好ましく、30pm/V以下がより好ましい。
ここで、本実施形態の高分子圧電材料は、可視光線に対する内部ヘイズが40%以下であり、かつ、25℃において変位法で測定した圧電定数d14が1pm/V以上であることが好ましい。なお、可視光線に対する内部ヘイズ、及び25℃において変位法で測定した圧電定数d14のそれぞれの好ましい範囲は前述のとおりである。
(規格化分子配向MORc)
本実施形態の高分子圧電材料は、規格化分子配向MORcが2.0〜15.0であることが好ましく、3.0〜10.0であることが好ましく、4.0〜8.0であることがより好ましい。
規格化分子配向MORcは、脂肪族系ポリエステル(A)の配向の度合いを示す指標である「分子配向度MOR」に基づいて定められる値である。
規格化分子配向MORcが2.0〜15.0の範囲にあれば、延伸方向に配列する脂肪族系ポリエステル(A)の分子鎖が多く、その結果、配向結晶の生成する率が高くなり、高い圧電性を発現することが可能となる。
ここで、分子配向度MOR(Molecular Orientation Ratio)は、以下のようなマイクロ波測定法により測定される。すなわち、高分子圧電材料を、周知のマイクロ波透過型分子配向計(マイクロ波分子配向度測定装置ともいう)のマイクロ波共振導波管中に、マイクロ波の進行方向に高分子圧電材料の面(フィルム面)が垂直になるように配置する。そして、振動方向が一方向に偏ったマイクロ波を試料に連続的に照射した状態で、高分子圧電材料をマイクロ波の進行方向と垂直な面内で0〜360°回転させて、試料を透過したマイクロ波強度を測定することにより分子配向度MORを求める。
規格化分子配向MORcは、基準厚さtcを50μmとしたときの分子配向度MORであって、下記式により求めることができる。
MORc=(tc/t)×(MOR−1)+1
(tc:補正したい基準厚さ、t:高分子圧電材料の厚さ)
規格化分子配向MORcは、公知の分子配向計、例えば王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−2012AやMOA−6000等により、4GHzもしくは12GHz近傍の共振周波数で測定することができる。
規格化分子配向MORcは、例えば、高分子圧電材料が延伸フィルムである場合には、延伸前の加熱処理条件(加熱温度及び加熱時間)、延伸条件(延伸温度及び延伸速度)等によって制御されうる。
なお、規格化分子配向MORcは、位相差量(レターデーション)をフィルムの厚さで除した複屈折率Δnに変換することもできる。具体的には、レターデーションは大塚電子株式会社製RETS100を用いて測定することができる。またMORcとΔnとは大凡、直線的な比例関係にあり、かつΔnが0の場合、MORcは1になる。
例えば、脂肪族系ポリエステル(A)がポリ乳酸系高分子であり、かつ、高分子圧電材料の複屈折率Δnを測定波長550nmで測定した場合、規格化分子配向MORcが2.0であれば、複屈折率Δn 0.005に変換でき、規格化分子配向MORcが4.0であれば、複屈折率Δn 0.01に変換できる。
(結晶化度)
本実施形態の高分子圧電材料の結晶化度は、DSC法によって求められるものであり、高分子圧電材料の結晶化度は20%〜80%であり、好ましくは20%〜70%、さらに好ましくは20%〜50%が好ましい。前記範囲に結晶化度があれば、高分子圧電材料の圧電性、透明性のバランスがよく、また高分子圧電材料を延伸するときに、白化や破断がおきにくく製造しやすい。
(規格化分子配向MORcと結晶化度の積)
本実施形態の高分子圧電材料は、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcとDSC法で得られる結晶化度との積が好ましくは40〜700、より好ましくは75〜680、さらに好ましくは90〜660、さらに好ましくは100〜650、さらに好ましくは100〜350である。前記規格化分子配向MORcと、DSC法で得られる結晶化度との積が40〜700の範囲にあれば、高分子圧電材料の圧電性と透明性とのバランスが良好であり、かつ寸法安定性も高く、後述する圧電素子として好適に用いることができる。
<高分子圧電材料の用途等>
本実施形態の高分子圧電材料は、透明性に優れ、高温条件での耐湿熱性が改良された高分子圧電材料であるので、スピーカー、ヘッドホン、タッチパネル、リモートコントローラー、マイクロホン、水中マイクロホン、超音波トランスデューサ、超音波応用計測器、圧電振動子、機械的フィルター、圧電トランス、遅延装置、センサー、加速度センサー、衝撃センサー、振動センサー、感圧センサー、触覚センサー、電界センサー、音圧センサー、ディスプレイ、ファン、ポンプ、可変焦点ミラー、遮音材料、防音材料、キーボード、音響機器、情報処理機、計測機器、医用機器などの種々の分野で利用することができる。
このとき、本実施形態の高分子圧電材料は、少なくとも2つの面を有し、当該面には電極が備えられた圧電素子として用いられることが好ましい。電極は、高分子圧電材料の少なくとも2つの面に備えられていればよい。前記電極としては、特に制限されないが、例えば、ITO、ZnO、IZO(登録商標)、導電性ポリマー等が用いられる。
また、本実施形態の高分子圧電材料と電極を繰り返し重ねて積層圧電素子として用いることもできる。例としては電極と高分子圧電材料のユニットを繰り返し重ね、最後に電極で覆われていない高分子圧電材料の主面を電極で覆ったものが挙げられる。具体的にはユニットの繰り返しが2回のものは、電極、高分子圧電材料、電極、高分子圧電材料、電極をこの順で重ねた積層圧電素子である。積層圧電素子に用いられる高分子圧電材料はそのうち1層の高分子圧電材料が本実施形態の高分子圧電材料であればよく、その他の層は本実施形態の高分子圧電材料でなくてもよい。
また積層圧電素子に複数の本実施形態の高分子圧電材料が含まれる場合は、ある層の高分子圧電材料に含まれる脂肪族系ポリエステル(A)の光学活性がL体ならば、他の層の高分子圧電材料に含まれる脂肪族系ポリエステル(A)はL体であってもD体であってもよい。高分子圧電材料の配置は圧電素子の用途に応じて適宜調整することができる。
例えば、L体の脂肪族系ポリエステル(A)を主たる成分として含む高分子圧電材料の第1の層が電極を介してL体の脂肪族系ポリエステル(A)を主たる成分として含む第2の高分子圧電材料と積層される場合は、第1の高分子圧電材料の一軸延伸方向(主たる延伸方向)を、第2の高分子圧電材料の一軸延伸方向(主たる延伸方向)と交差、好ましくは直交させると、第1の高分子圧電材料と第2の高分子圧電材料の変位の向きを揃えることができ、積層圧電素子全体としての圧電性が高まるので好ましい。
一方、L体の脂肪族系ポリエステル(A)を主たる成分として含む高分子圧電材料の第1の層が電極を介してD体の脂肪族系ポリエステル(A)を主たる成分として含む第2の高分子圧電材料と積層される場合は、第1の高分子圧電材料の一軸延伸方向(主たる延伸方向)を、第2の高分子圧電材料の一軸延伸方向(主たる延伸方向)と略平行となるように配置すると第1の高分子圧電材料と第2の高分子圧電材料の変位の向きを揃えることができ、積層圧電素子全体としての圧電性が高まるので好ましい。
特に高分子圧電材料の主面に電極を備える場合には、透明性のある電極を備えることが好ましい。ここで、電極について、透明性があるとは、具体的には、内部ヘイズが40%以下(全光線透過率が60%以上)であることをいう。
本実施形態の高分子圧電材料を用いた前記圧電素子は、スピーカーやタッチパネル等、上述の種々の圧電デバイスに応用することができる。特に、透明性のある電極を備えた圧電素子は、スピーカー、タッチパネル、アクチュエータ等への応用に好適である。
次に、本実施形態の高分子圧電材料の製造方法の好ましい態様について説明する。
<高分子圧電材料の製造方法>
本実施形態の高分子圧電材料の原料は、既述のポリ乳酸系高分子などの脂肪族系ポリエステル(A)と、安定化剤(B)と、必要に応じて他の成分(安定化剤(C)等)を混合して、混合物とすることにより得られる。混合物は溶融混練をしてもよい。具体的には、混合する脂肪族系ポリエステル(A)と安定化剤(B)と必要に応じて用いられる他の成分とを、溶融混練機〔東洋精機社製、ラボプラストミル〕を用い、ミキサー回転数30rpm〜70rpm、180℃〜250℃の条件で、5分〜20分間溶融混練することで、脂肪族系ポリエステル(A)と安定化剤(B)とのブレンド体、複数種の脂肪族系ポリエステル(A)と安定化剤(B)とのブレンド体や、脂肪族系ポリエステル(A)と安定化剤(B)と無機フィラーなどの他の成分とのブレンド体、を得ることができる。
本実施形態の高分子圧電材料は、例えば、脂肪族系ポリエステル(A)と安定化剤(B)とを含む非晶状態のシートを結晶化して予備結晶化シート(結晶化原反ともいう)を得る第一の工程と、前記予備結晶化シートを主として1軸方向に延伸する第二の工程と、を含む、製造方法によって製造されうる。
一般的に延伸時にフィルムにかける力を増やすことで、脂肪族系ポリエステル(A)の配向が促進され圧電定数も大きくなり、結晶化が進み、結晶サイズが大きくなることでヘイズが大きくなる傾向にある。また内部応力の増加により寸法変形率も増加する傾向がある。単純にフィルムに力をかけた場合、球晶のように配向していない結晶が形成される。球晶のような配向が低い結晶は、ヘイズを上げるものの圧電定数の増加には寄与しにくい。よって、圧電定数が高く、ヘイズ及び寸法変形率が低いフィルムを形成するためには、圧電定数に寄与する配向結晶を、ヘイズを増大させない程度の微小サイズで効率よく形成する必要がある。
本実施形態の高分子圧電材料の製造方法においては、例えば延伸の前にシート内を予備結晶化させ微細な結晶を形成した後に延伸する。これにより、延伸時にフィルムにかけた力を微結晶と微結晶の間の結晶性が低い高分子部分に効率よくかけることができるようになり、脂肪族系ポリエステル(A)を主な延伸方向に効率よく配向させることができる。具体的には、微結晶と微結晶の間の結晶性が低い高分子部分内に、微細な配向結晶が生成すると同時に、予備結晶化によって生成された球晶がくずれ、球晶を構成しているラメラ晶が、タイ分子鎖につながれた数珠繋ぎ状に延伸方向に配向することで、所望の値のMORcを得ることができる。このため、圧電定数を大きく低下させることなく、ヘイズ及び寸法変形率の値が低いシートを得ることができる。
規格化分子配向MORcを制御するには、第一の工程の加熱処理時間および加熱処理温度になどによる結晶化原反の結晶化度の調整、および第二の工程の延伸速度および延伸温度の調整が重要である。前述のとおり、脂肪族系ポリエステル(A)は、分子光学活性を有する高分子である。脂肪族系ポリエステル(A)と安定化剤(B)とを含む非晶状態のシートは、市場から入手可能なものでもよく、押出成形などの公知のフィルム成形手段で作製されてもよい。非晶状態のシートは単層であっても、多層であっても構わない。
(第一の工程(予備結晶化工程))
予備結晶化シートは、脂肪族系ポリエステル(A)と安定化剤(B)とを含む非晶状態のシートを加熱処理して結晶化させることで得ることができる。また、押出成形法などで脂肪族系ポリエステル(A)と安定化剤(B)とを含む原料を、脂肪族系ポリエステル(A)のガラス転移温度よりも高い温度に加熱しシート状に押出成形した後、キャスターで押し出されたシートを急冷することで、所定の結晶化度を有する予備結晶化シートを得ることもできる。
また1)予め結晶化した予備結晶化シートを、後述する延伸工程(第二の工程)に送り、延伸装置にセットして延伸してもよいし(オフラインによる加熱処理)、2)加熱処理により結晶化されていない非晶状態のシートを、延伸装置にセットして、延伸装置にて加熱して予備結晶化し、その後、連続して延伸工程(第二の工程)に送って、延伸してもよい(インラインによる加熱処理)。
非晶状態の脂肪族系ポリエステル(A)を含むシートを予備結晶化するための加熱温度Tは特に限定されないが、本製造方法で製造される高分子圧電材料の圧電性や透明性など高める点で、脂肪族系ポリエステル(A)のガラス転移温度Tgと以下の式の関係を満たし、DSC法で得られる結晶化度が3%〜70%になるように設定されるのが好ましい。
Tg−40℃≦T≦Tg+40℃
(Tgは、前記脂肪族系ポリエステル(A)のガラス転移温度を表す)
予備結晶化するための加熱時間またはシート状に押出成形するときに結晶化する場合の加熱時間は、所望の結晶化度を満たし、かつ延伸後(第二工程後)の高分子圧電材料の規格化分子配向MORcと延伸後の高分子圧電材料のDSC法で得られる結晶化度の積が好ましくは40〜700、より好ましくは75〜680、さらに好ましくは90〜660になるように調整されればよい。加熱時間が長くなると、延伸後の結晶化度も高くなり、延伸後の規格化分子配向MORcも高くなる。加熱時間が短くなると、延伸後の結晶化度も低くなり、延伸後の規格化分子配向MORcも低くなる傾向がある。
延伸前の予備結晶化シートの結晶化度が高くなると、シートが硬くなってより大きな延伸応力がシートにかかるので、前記シート中の結晶性が比較的低い部分も配向が強くなり、延伸後の規格化分子配向MORcも高くなる。逆に、延伸前の予備結晶化シートの結晶化度が低くなると、シートが柔らかくなって延伸応力がよりシートにかかりにくくなるので、前記シート中の結晶性が比較的低い部分も配向が弱くなり、延伸後の規格化分子配向MORcも低くなると考えられる。
加熱時間は、加熱温度、シートの厚み、シートを構成する樹脂の分子量、添加剤などの種類または量によって異なる。また、シートを結晶化させる実質的な加熱時間は、後述する延伸工程(第二工程)の前に行なってもよい予熱において、非晶状態のシートが結晶化する温度で予熱した場合、前記予熱時間と、予熱前の予備結晶化工程における加熱時間の和に相当する。
非晶状態のシートの加熱時間またはシート状に押出成形するときに結晶化する場合の加熱時間は、通常は5秒〜60分であり、製造条件の安定化という観点からは1分〜30分でもよい。例えば、脂肪族系ポリエステル(A)としてポリ乳酸系高分子を含む非晶状態のシートを予備結晶化する場合は、20℃〜170℃で、5秒〜60分加熱することが好ましく、1分〜30分でもよい。
延伸後のシートに効率的に圧電性、透明性、高寸法安定性を付与するには、延伸前の予備結晶化シートの結晶化度を調整することが重要である。すなわち、延伸により圧電性や寸法安定性が向上する理由は、延伸による応力が、球晶状態にあると推測される予備結晶化シート中の結晶性が比較的高い部分に集中し、球晶が破壊されつつ配向することで圧電性d14が向上する一方、球晶を介して延伸応力が結晶性の比較的低い部分にもかかり、配向を促し、圧電性d14を向上させるからと考えられるからである。
延伸後のシートの結晶化度、または後述するアニール処理を行う場合はアニール処理後の結晶化度は、20%〜80%、好ましくは20%〜70%になるように設定される。そのため、予備結晶化シートの延伸直前の結晶化度は3%〜70%、好ましくは10%〜60%、さらに好ましくは15%〜50%になるように設定される。
予備結晶化シートの結晶化度は、延伸後の本実施形態の高分子圧電材料の結晶化度の測定と同様に行なえばよい。
予備結晶化シートの厚みは、第二の工程の延伸により得ようとする高分子圧電材料の厚みと延伸倍率によって主に決められるが、好ましくは50μm〜1000μmであり、より好ましくは200μm〜800μm程度である。
(第二の工程(延伸工程))
第二の工程である、延伸工程における延伸方法は特に制限されず、1軸延伸、2軸延伸、後述する固相延伸などの種々の延伸方法を用いることができる。高分子圧電材料を延伸することにより、主面の面積が大きな高分子圧電材料を得ることができる。
ここで、「主面」とは、高分子圧電材料の表面の中で、最も面積の大きい面をいう。本実施形態の高分子圧電材料は、主面を2つ以上有してもよい。例えば、高分子圧電材料が、10mm×0.3mm四方の面Aと、3mm×0.3mm四方の面Bと、10mm×3mm四方の面Cとをそれぞれ2面ずつ有する板状体である場合、当該高分子圧電材料の主面は面Cであり、2つの主面を有する。
本実施形態において、主面の面積が大きいとは、高分子圧電材料の主面の面積が5mm以上であることをいう。また主面の面積は、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましい。
また、「固相延伸」とは、『高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、高分子圧電材料の融点Tmより低い温度下、かつ5MPa〜10,000MPaの圧縮応力下での延伸』をいい、高分子圧電材料の圧電性をより向上させ、また透明性及び弾力性を向上し得る。
高分子圧電材料を固相延伸または主に一方向に延伸することで、高分子圧電材料に含まれる脂肪族系ポリエステル(A)の分子鎖を、一方向に配向させ、かつ高密度に整列させることができ、より高い圧電性が得られると推測される。
ここで、高分子圧電材料のガラス転移温度Tg〔℃〕および高分子圧電材料の融点Tm〔℃〕は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、高分子圧電材料に対して、昇温速度10℃/分の条件で温度を上昇させたときの融解吸熱曲線から、曲線の屈曲点として得られるガラス転移温度(Tg)と、吸熱反応のピーク値として確認される温度(Tm)である。
高分子圧電材料の延伸温度は、1軸延伸方法や2軸延伸方法等のように、引張力のみで高分子圧電材料を延伸する場合は、高分子圧電材料のガラス転移温度より10℃〜20℃程度高い温度範囲であることが好ましい。
固相延伸法の場合は、圧縮応力は、50MPa〜5000MPaが好ましく、100MPa〜3000MPaであることがより好ましい。
延伸処理における延伸倍率は、3倍〜30倍が好ましく、3倍〜15倍がより好ましく、4倍〜15倍の範囲で延伸することが更に好ましい。
予備結晶化シートの固相延伸は、高分子圧電材料を、例えば、ロールまたはビュレットに挟んで圧力を負荷することにより行なわれる。
予備結晶化シートの延伸を行なうときは、延伸直前にシートを延伸しやすくするために予熱を行なってもよい。この予熱は、一般的には延伸前のシートを軟らかくし延伸しやすくするために行なわれるものであるため、前記延伸前のシートを結晶化してシートを硬くすることがない条件で行なわれるのが通常である。しかし、上述したように本実施形態においては、延伸前に予備結晶化を行なう場合があるため、前記予熱を、予備結晶化を兼ねて行なってもよい。具体的には、上述した予備結晶化工程における加熱温度や加熱処理時間に合わせて、予熱を通常行なわれる温度よりも高い温度や長い時間行なうことで、予熱と予備結晶化を兼ねることができる。
(アニール処理工程)
圧電定数を向上させる観点から、延伸処理を施した後(前記第二の工程の後)の高分子圧電材料を、一定の熱処理(以下「アニール処理」とも称する)することが好ましい。なおアニール処理により主に結晶化する場合は、前述の予備結晶化工程で行う予備結晶化を省略できる場合がある。
アニール処理の温度は、概ね80℃〜160℃であることが好ましく、100℃〜155℃あることがさらに好ましい。
アニール処理の温度印加方法は、特に限定されないが、熱風ヒータや赤外線ヒータを用いて直接加熱する方法、加熱したシリコーンオイルなど、加熱した液体に高分子圧電材料を浸漬して加熱する方法等が挙げられる。
このとき、線膨張により高分子圧電材料が変形すると、実用上平坦なフィルムを得ることが困難になるため、高分子圧電材料に一定の引張応力(例えば、0.01MPa〜100Mpa)を印加し、高分子圧電材料がたるまないようにしながら温度を印加することが好ましい。
アニール処理の温度印加時間は、1秒〜60分であることが好ましく、1秒〜300秒であることがより好ましく、1秒から60秒の範囲で加熱することがさらに好ましい。60分を超えてアニールをすると、高分子圧電材料のガラス転移温度より高い温度で、非晶部分の分子鎖から球晶が成長することにより配向度が低下する場合があり、その結果、圧電性や透明性が低下する場合がある。
上記のようにしてアニール処理された高分子圧電材料は、アニール処理した後に急冷することが好ましい。アニール処理において、「急冷する」とは、アニール処理した高分子圧電材料を、アニール処理直後に、例えば氷水中等に浸漬して、少なくともガラス転移点Tg以下に冷やすことをいい、アニール処理と氷水中等への浸漬との間に他の処理が含まれないことをいう。
急冷の方法は、水、氷水、エタノール、ドライアイスを入れたエタノールやメタノール、液体窒素などの冷媒に、アニール処理した高分子圧電材料を浸漬する方法や、蒸気圧の低い液体スプレーを吹き付け、蒸発潜熱により冷却したりする方法が挙げられる。連続的に高分子圧電材料を冷却するには、高分子圧電材料のガラス転移温度Tg以下の温度に管理された金属ロールと、高分子圧電材料とを接触させるなどして、急冷することが可能である。また、冷却の回数は、1回のみであっても、2回以上であってもよく、さらには、アニールと冷却とを交互に繰り返し行なうことも可能である。
本実施形態の高分子圧電材料の製造方法は、脂肪族系ポリエステル(A)と前記安定化剤(B)を含むシートを主として1軸方向に延伸する工程と、アニール処理をする工程と、をこの順で含むものであってもよい。該延伸する工程及びアニール処理をする工程は、上述と同様の工程とすることができる。また、本製造方法においては、上述の予備結晶化工程を実施しなくともよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り、「部」は質量部を表す。
〔実施例1〕
<圧電フィルム(高分子圧電材料)の作製>
脂肪族系ポリエステル(A)としてのNatureWorks LLC社製ポリ乳酸(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D、Mw:20万)100質量部に対して、安定化剤(B)として多官能エポキシ化合物(安定化剤(B−1)、BASF社製「Joncryl ADR 4300S」(グリシジル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、Mw=5500)を4質量部添加し、東洋精機社製ラボプラストミルにて220℃で5分間溶融混練し、混合固体を得た。
乾燥した混合固体に対し、205℃で熱プレスを1分間行った後に、20℃に設定したプレス機でプレスすることにより、急冷フィルムを得た(成形工程)。
得られた急冷フィルムの対向する2辺をクリップで固定し、固定した2辺と直交する方向に、70℃に加熱しながら3.5倍まで延伸方向に一軸延伸した後、130℃で5分間加熱することにより、一軸延伸フィルムである圧電フィルム(高分子圧電材料)を得た。
得られた圧電フィルムの厚さは92μmであった。
<ポリ乳酸の光学純度の測定>
前述した脂肪族系ポリエステル(A)の光学純度の測定方法に従い、ポリ乳酸の光学純度を測定した。
結果は、L体が主成分であり、光学純度が97.00%eeであった。
<ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)>
前述したMwの測定方法の一例に従い、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、圧電フィルムに含まれるポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)を測定した。
結果は、Mwが23万であった。なお、このポリ乳酸の重量平均分子量(Mw=23万)は、後述のPCT試験後の分子量保持率を算出する際の「試験前Mw」に相当する。
<圧電フィルムの物性測定及び評価>
上記圧電フィルムについて、以下の物性測定及び評価を行った。
結果を下記表2に示す。
−内部ヘイズ−
以下の方法により、上記圧電フィルムの内部ヘイズ(以下、内部ヘイズ(H1)ともいう)を得た。
まず、予めガラス板2枚の間に、シリコンオイル(信越化学工業株式会社製信越シリコーン(商標)、型番:KF96−100CS)のみを挟んでヘイズ(H2)(%)を測定した。次に、シリコンオイルで表面を均一に塗らした上記圧電フィルムを上記のガラス板2枚で挟んでヘイズ(H3)(%)を測定した。
次に、下記式のようにこれらの差をとることで、上記圧電フィルムの内部ヘイズ(H1)(%)を得た。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
ヘイズ(H2)及びヘイズ(H3)(いずれも単位は%)は、それぞれ、下記測定条件下で下記装置を用いて測定した。
測定装置:東京電色社製、HAZE METER TC−HIIIDPK
試料サイズ:幅30mm×長さ30mm
測定条件:JIS−K7136(2000)に準拠
測定温度:室温(25℃)
−規格化分子配向MORc−
王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA6000を用い、上記圧電フィルムの規格化分子配向MORcを測定した。基準厚さtcは、50μmに設定した。
−結晶化度Xc−
上記圧電フィルムを10mg正確に秤量し、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定し、融解吸熱曲線を得た。得られた融解吸熱曲線から、結晶化度Xc(%)を得た。
−XcとMORcとの積の算出−
上記で測定されたXcと、上記で測定されたMORcと、の積(以下、「Xc*MORc」ともいう)を算出した。
−圧電定数d14(変位法)−
前述した変位法による圧電定数d14の測定方法の一例に従い、上記圧電フィルムの圧電定数d14(変位法)を測定した。
−耐湿熱性評価(プレッシャークッカー試験(PCT試験))−
上記圧電フィルムを、10mm×50mmの長方形にカットし、試験片を作製した。試験片をプレッシャークッカー試験機(平山製作所製 PC242HS−A)内に設置し、121℃、相対湿度100%の条件で8時間保持し(PCT試験)、次いでこのプレッシャークッカー試験機から取り出した。
取出した試験片の重量平均分子量Mwを、試験前に測定したポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)と同様の方法で測定し、得られた値を「PCT試験後Mw」とした。
上記で得られた試験前Mw及びPCT試験後Mwから、以下に示す評価基準に従って、耐湿熱性を評価した。PCT試験後の分子量保持率(PCT試験後Mw/試験前Mw)が大きいほど、圧電フィルムの耐湿熱性が優れていることを示す。
−−耐湿熱性評価基準−−
A : PCT試験後Mw/試験前Mw = 0.7以上
B : PCT試験後Mw/試験前Mw = 0.4以上0.7未満
C : PCT試験後Mw/試験前Mw = 0.1以上0.4未満
D : PCT試験後Mw/試験前Mw = 0.1未満
〔実施例2〕
実施例1において、安定化剤(B)の種類を安定化剤(B−2)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、安定化剤(B)の代わりに、比較例用安定化剤(B−a)を使用し、比較例用安定化剤(B−a)の添加量を2質量部としたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、安定化剤(B)を使用しないこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
−表1の説明−
・安定化剤B−1、B−2及びB−aは以下のとおりである。安定化剤B−1及びB−2は、それぞれ安定化剤(B)の例であり、安定化剤B−aは、比較例用安定化剤である。
・安定化剤B−1:BASF社製「Joncryl ADR 4300S」(グリシジル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体;JIS K−7236(2009)に基づくエポキシ当量445g/mol、重量平均分子量Mw=5500)
・安定化剤B−2:BASF社製「Joncryl ADR 4368C」(グリシジル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体;JIS K−7236(2009)に基づくエポキシ当量285g/mol、重量平均分子量Mw=6800)
・安定化剤B−a:日本触媒社製「エポミン SP−006」(ポリエチレンイミン;重量平均分子量Mw=600)
表2に示すように、安定化剤(B)を含有する各実施例の圧電フィルムは、透明性に優れ、かつPCT試験において、Mw保持率が高く、圧電フィルムの耐湿熱性が向上していることがわかった。
一方、安定化剤(B)の代わりに安定化剤(B−a)を含有する比較例1は、圧電フィルムの作製工程において、安定化剤(B−a)の分散性が悪く、熱プレスを行うときに、フィルムに細かな穴が開いてしまった。即ち、比較例1は、一軸延伸を行うことができず、PCT試験を行うことができなかった(延伸工程までいかなかった)。
また、安定化剤(B)を含有しない比較例2は、耐湿熱性が低いためPCT試験によってフィルムが完全に崩壊し、Mw保持率を計算することができなかった。

Claims (10)

  1. 重量平均分子量が5万〜100万で光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)と、
    多官能エポキシ化合物であり、重量平均分子量が300〜60000の安定化剤(B)と、
    を含み、
    DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、
    前記脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して前記安定化剤(B)が0.01質量部〜10質量部含まれる、高分子圧電材料。
  2. 前記多官能エポキシ化合物のエポキシ当量が、200g/mоl〜500g/mоlである、請求項1に記載の高分子圧電材料。
  3. 前記安定化剤(B)が、グリシジル(メタ)アクリレート単位を含む多官能エポキシ化合物である、請求項1又は請求項2に記載の高分子圧電材料。
  4. 可視光線に対する内部ヘイズが40%以下であり、かつ、25℃において変位法で測定した圧電定数d14が1pm/V以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  5. 前記内部ヘイズが5%以下である、請求項4に記載の高分子圧電材料。
  6. マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が40〜700である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  7. 前記脂肪族系ポリエステル(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  8. 前記脂肪族系ポリエステル(A)は、光学純度が95.00%ee以上である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  9. 前記脂肪族系ポリエステル(A)の含有量が80質量%以上である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  10. 主面の面積が5mm以上である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
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