JP2017126431A - コンタクトスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】ストロークが短く小型化及び薄型化が可能な上に明瞭なクリック感を生じ、さらにスイッチキーとベースシートとが高強度に接合され、製造が簡易で大量生産に適したコンタクトスイッチを提供する。【解決手段】コンタクトスイッチ10は、ベースシート40に開けられた孔42に対向した導電接触部32を有しつつ孔42を覆っている弾性のドーム体30を、覆いながらベースシート40に接合しているスイッチキー20が、下端をドーム体30の頂部に対向させている押圧部21と、そこから延び押圧部21への押圧に応じて導電接触部32を押し込んで孔42で回路基板50の両電極51に接触させる脚部23とを、有しているものである。【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や家電製品に実装されるもので電子機器の電気的信号入力操作に用いられるコンタクトスイッチに関するものである。
コンタクトスイッチは、自動車や家電製品のコントロールパネルのような電子機器に実装されるもので、その操作パネル内部に設置された基板に載せられて、この電子機器を操作する際の電気的信号入力に用いられる。コンタクトスイッチは、その上面に操作ボタンや表示板等を有する操作パネルが取り付けられて使用される。
このようなコンタクトスイッチとして、従来から知られている押ボタンスイッチ70は、その分解斜視図である図8に示すように、電極71a及び回路基板に電気的に接続される端子71bを有するケース71と、電極71aに向かって凹んだドーム形状をなしており金属製で弾性を有する導電接触薄板72と、この導電接触薄板72を押圧するボタン73と、ケース71の内空に収容された導電接触薄板72及びボタン73を位置決めしているカバー74とを、有している。電極71aに導電接触薄板72が接触することにより、電子機器の電源等のオンオフが切り替えられるというものである。
操作者によって、ボタン73が押圧されると、導電接触薄板72の頂部に押圧力が加わる。すると導電接触薄板72は、電極71aに向かって押し下げられて次第に撓む。さらに押圧され続けると、導電接触薄板72は撓みに耐えられなくなり遂には凹んで、カチッというクリック音とともに急激にボタン73が押し込まれてクリック感を生じる。それによって導電接触薄板72が電極71aに接触し、電子機器のオンオフ切替のような電気的信号入力が行われると同時に、その動作が完全に行われたことを、操作者に感知させる。
従来の押ボタンスイッチ70は、導電接触薄板72が反転することによって明瞭なクリック感を生じるものの、複数の部材を組立てた後に、端子71bを回路基板に半田付けして固定しなければならないので、工程が煩雑であり、構成部品が多数であるため、電子機器の生産性を向上させるのに適さない。また複数の部材を組立てる必要があるので、小型化したり、薄型化したりすることが困難である。
一方特許文献1に、絶縁性樹脂シートとその上に形成された電気接点とからなるベースシート(メンブレン)の電気接点を覆うように、ゴム製でドーム形状のスイッチキー(ラバーキャップ)が、接着剤又は粘着剤によって絶縁性樹脂シートに直接固定されたコンタクトスイッチが開示されている。スイッチキーのドーム内壁上面に導通電極が設けられている。このコンタクトスイッチは、スイッチキーが操作者によって押圧されると、ゴムの弾性によってドームが撓み、押圧の荷重に耐えられなくなると遂には折り返されて潰れ、電気接点と導通電極とが接触して電気的操作が行われるとともに、クリック感を操作者に感知させることができるというものである。
このコンタクトスイッチによれば、スイッチキーをベースシートに接着剤や粘着剤で固定するだけで済み、従来の押ボタンスイッチ70のような煩雑な組立工程を要しないので、簡便に生産することができる。しかし、このメンブレンスイッチのクリック感は、スイッチキーの弾性によってのみ生じるものであるので、従来の押ボタンスイッチ70のような明瞭なクリック感が得られない。
また、接着剤によって、スイッチキーを直接ベースシートに固定すると、余剰の接着剤が回路上にはみ出し、微細な回路配置がなされている回路基板に不良品を頻出させる原因になってしまう。一方、両面テープのような粘着材によってスイッチキーを固定すると、粘着力の弱い粘着材中の粘着剤の分子間力で接合されただけである。そのため、特に車載用電子機器のように高温下、振動に長時間曝されると、スイッチキーが基板から容易に剥離してしまう。
さらに、ゴムの弾性のみによってクリック感を生じさせるため、スイッチキーは、十分に撓んだ後に急激に折り返されるだけの高さを要する。そのため操作者によってコンタクトスイッチが押圧され始めてからスイッチキーの導通電極とベースシートの電気接点とが接触するまでの移動距離、すなわちストロークが長くなり、従来の押ボタンスイッチ70と同様に、スイッチの小型化や薄型化が困難である。このことは、外装表面の凹凸が少なく意匠性に富んだデザインや、小さくかつ多くの操作ボタンを限られたスペースに配列することが要求されるカーオーディオのような電子機器の設計上の大きな制約となっている。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、ストロークが短く小型化及び薄型化が可能な上に明瞭なクリック感を生じ、さらにスイッチキーとベースシートとが高強度に接合され、製造が簡易で大量生産に適したコンタクトスイッチを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、本発明のコンタクトスイッチは、ベースシートに開けられた孔に対向した導電接触部を有しつつ前記孔を覆っている弾性のドーム体を、覆いながら前記ベースシートに接合している弾性のスイッチキーが、下端を前記ドーム体の頂部に対向させ又は接触させている押圧部と、前記押圧部から延び前記押圧部への押圧に応じて前記導電接触部を押し込んで前記孔で基板の両電極に接触させる脚部とを、有しているものである。
コンタクトスイッチは、前記スイッチキーに向いた表面で酸化物、硫化物及び/又は窒化物を露出させており非ガラス素材で形成された前記ベースシートと、シリコーンゴムを含んで形成された前記スイッチキーとが、前記酸化物、前記硫化物及び/又は前記窒化物の表面の反応性官能基と前記スイッチキーの表面の反応性官能基との直接的な結合によって、接合されていることが好ましい。
コンタクトスイッチは、前記ベースシートと前記スイッチキーの前記脚部の末端のフランジ部とが、共有結合を介して接合していてもよい。
コンタクトスイッチは、前記ドーム体の少なくとも一部が粘着テープで覆われて前記ベースシートに貼り付けられていてもよい。
コンタクトスイッチは、前記ドーム体の下端部が前記ベースシートと前記スイッチキーの前記脚部の末端のフランジ部との間に挟まれていることにより固定されているものであってもよい。
コンタクトスイッチは、例えば、前記ベースシートが、表面酸化物層、表面硫化物層及び/又は表面窒化物層を有し、若しくは基材素材に前記酸化物、前記硫化物及び/又は前記窒化物を含有するものが挙げられる。
コンタクトスイッチは、前記表面酸化物層が、シリカ膜、アルミナ膜、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、及び硫化亜鉛−シリカ膜から選ばれる少なくとも何れかであり、前記表面硫化物層が硫化ケイ素膜、硫化アルミニウム膜、硫化チタン膜、硫化ジルコニウム膜、及び硫化亜鉛膜から選ばれる少なくとも何れかであり、前記表面窒化物層が、窒化ケイ素膜、窒化アルミニウム膜、窒化チタン膜、窒化ジルコニウム、及び窒化亜鉛から選ばれる少なくとも何れかであってもよい。
コンタクトスイッチは、前記表面酸化物層、前記表面硫化物層及び/又は前記表面窒化物層が、蒸着膜、スパッター膜、イオンプレティング膜、及び/又は化学気相沈積膜であることが好ましい。
コンタクトスイッチは、前記シリコーンゴムが、パーオキサイド架橋型シリコーンゴム、付加架橋型シリコーンゴム、縮合架橋型シリコーンゴム、電磁波架橋型シリコーンゴム、これらの少なくとも何れかとオレフィン系ゴムとの共ブレンド物であることが好ましい。電磁波架橋型シリコーンゴムは、例えば、エキシマ架橋型を包含する紫外線架橋型シリコーンゴム、電子線架橋型やγ線架橋型やX線架橋型を包含する放射線架橋型シリコーンゴムである。
コンタクトスイッチは、前記非ガラス素材が、金属、高分子樹脂、架橋ゴム、セラミックスであってもよい。
コンタクトスイッチは、前記スイッチキーの表面と、前記ベースシートの前記スイッチキーに向いた表面とが、コロナ放電処理表面、プラズマ処理表面、紫外線処理表面、及び/又はエキシマ処理表面であることが好ましい。
コンタクトスイッチは、前記ベースシートと、前記非ガラス素材と同種素材又は異種素材で形成された前記ドーム体とが、前記酸化物、前記硫化物、及び/又は前記窒化物の表面の反応性官能基と前記ドーム体の表面の反応性官能基との直接的な結合によって、接合されているものであってもよい。
本発明のコンタクトスイッチは、導電接触部を有するドーム体、これを覆っている弾性のスイッチキー、及びこれが接合されたベースシートという一体化した簡素な構成であるので、複雑な組み立て工程を経ずとも、簡易な製造工程で大量に、均質に、かつ効率良くスイッチキーを生産できる。しかも、スイッチキーがドーム体を覆っていることによって、スイッチキーのストロークを短くできるとともに、明瞭なクリック音とクリック感とを生じることができる。さらに小型化・薄型化が可能であるので、電子機器等の意匠性や設計の自由度を向上させることができる。さらに、多数のスイッチキー群を有しつつ効率良く生産することも可能であり、スイッチキー群を電気基板に直に一挙に実装できるので簡便である。
コンタクトスイッチは、ベースシートと、スイッチキーとが反応性官能基同士の直接的な結合によって接合されているものであると、両者が化学的な結合によって強固に接合しているので、高い耐熱性と耐震性とを発現できる。それによって、高温下で長期間の振動に曝される例えばカーオーディオのような電子機器の部品として好適に用いることができる。しかも接着剤や粘着剤が不要であるので、それらがスイッチキーとベースシートとの接合界面ではみ出したり、剥離したりしない。
コンタクトスイッチは、ベースシートとドーム体とが、化学的な結合によって接合しているものであると、より一層高い耐熱性と耐震性とを、発揮できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のコンタクトスイッチの一形態の模式断面図を図1に示す。コンタクトスイッチ10は、スイッチキー20とドーム体30とがベースシート40に接合されているものである。スイッチキー20は、シリコーンゴムで成形されていることによって、弾性を有している。ドーム体30は、弾性と可撓性とを有する1枚の金属薄板である。
スイッチキー20は、略円柱形の押圧部21と、それの下端面で凸状に出っ張った当接部22と、押圧部21の下方で水平方向に延びた水平部23a、その先で下方へ向かって直角に折れ曲がった曲折部23b、及びそこから垂直に延びた垂直部23cからなる脚部23と、脚部23の垂直部23cの先に繋がっているフランジ部24とが、一体成形されているものである。脚部23が、水平部23a、曲折部23b、及び水平部23cを有していることによって、スイッチキー20は、ベースシート40の孔42に被さるようにそれを覆っている。当接部22、脚部23、及びフランジ部24で囲まれた空間は、空洞のキー内空Kである。
可撓性のドーム体30はステンレス製で、当接部22に向かって緩やかに膨らんだ一定の曲率を有する形状をなしている。ドーム体30は、キー内空K内でベースシート40の孔42を覆いつつ、粘着テープ31によって、ベースシート40に貼付されて位置決めされている。ドーム体30で囲まれた空間は、空洞のドーム内空Dである。ドーム体30は、スイッチキー20の押圧部21が押圧されると、当接部22による押圧の荷重がかかり、撓んだ後、ドーム内空D側に向かって凹み、クリック感及びカチッというクリック音を発生させるものである。これと同時に、ドーム体30の内壁の一部である導電接触部32が、両電極51に接触して電子機器等に電気的信号が入力される(図4参照)。
ベースシート40は、スイッチキー20及びドーム体30と別体に成形されており、孔42が開けられているものである。回路基板50の両電極51が、孔42で露出しており、導電接触部32に対向している。ベースシート40の素材は、高分子樹脂素材のような非ガラス素材である。さらにベースシート40は、スイッチキー20に向いた上面41の表面に酸化物層を有しており、それによって酸化物分子又は粒子を露出させている。
スイッチキー20のフランジ部24の下端面に予めコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、又はエキシマ処理のような表面活性化処理が施され、またベースシート40の上面41に予めコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、又はエキシマ処理のような表面活性化処理が施される。それによって、それらの接合面にヒドロキシ基が反応性官能基として新たに生成されて増幅されつつ露出し、フランジ部24の下端面の少なくとも一部の表面部位に存在するヒドロキシ基と酸化物層の酸化物の露出分子又は粒子上のヒドロキシ基との脱水反応による直接的なエーテル結合が形成されている。その結果、接着剤や粘着剤のように物理的なアンカー効果や分子間力による接合とは異なり、化学的な結合である共有結合によって、スイッチキー20とベースシート40とが強固に接合しているので、長期間に渡り、高温条件下で振動に曝されても両者の界面で剥離しない。そのため、このコンタクトスイッチ10は、高い耐久性と信頼性とを有している。
上面41はその表面に、酸化物層に代えて、硫化物層や窒化物層やこれら層の混合層を有していてもよい。
またコンタクトスイッチ10は、一体に成形されたスイッチキー20と、薄板状のドーム体30と、ベースシート40とが組み合わされているだけの簡素な構成であるので、小型化及び薄型化が可能であり、かつ短いストロークであっても明瞭なクリック音及びクリック感を生じることができる。それにより、小型で薄い厚さの電子機器等に実装することができ、かつ明瞭なクリック音とクリック感とによって、操作者にコンタクトスイッチ10が確実に操作されたことの安心感を与えることができる。
スイッチキー20の素材のシリコーンゴムは、例えば三次元化シリコーンゴム弾性体であり、具体的には、主としてパーオキサイド架橋型シリコーンゴム、付加架橋型シリコーンゴム、縮合架橋型シリコーンゴム、紫外線架橋型シリコーンゴム、電子線架橋型シリコーンゴムで例示されるシリコーンゴム、これらのシリコーンゴムとオレフィン系ゴムとの共ブレンド物を、成形金型等に入れて、架橋させることにより、製造された立体的なシリコーンゴム弾性体である。
スイッチキー20の素材のパーオキサイド架橋型シリコーンゴムは、パーオキサイド系架橋剤で架橋できるシリコーン原料化合物を用いて合成されたものであれば特に限定されないが、具体的には、ポリジメチルシロキサン(分子量:50万〜90万)、ビニルメチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:50万〜90万)、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:1万〜20万)、ビニル末端ジフェニルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜10万)、ビニル末端ジエチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜5万)、ビニル末端トリフロロプロピルメチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜10万)、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン(分子量:0.1万〜1万)、ビニルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサン/ジフェニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサン/ジトリフロロプロピルメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ポリビニルメチルシロキサン、メタアクリロキシプロピル基末端ポリジメチルシロキサン、アクリロキシプロピル基末端ポリジメチルシロキサン、(メタアクリロキシプロピル)メチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、(アクリロキシプロピル)メチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマーが挙げられる。
パーオキサイド系架橋剤として、例えばケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類が挙げられ、より具体的には、ケトンパーオキサイド、ペルオキシケタール、ヒドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ペルオキシカルボナート、ペルオキシエステル、過酸化ベンゾイル、ジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ(ジシクロベンゾイル)パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン、ベンゾフェノン、ミヒラアーケトン、ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ベンゾインエチルエーテルが挙げられる。
パーオキサイド系架橋剤の使用量は、得られるシリコーンゴムの種類や、そのシリコーンゴムで成形されたスイッチキー20に接合するベースシート40の素材の性質や性能に応じて適宜選択されるが、シリコーンゴム100部に対し、0.01〜10部、好ましくは0.1〜2部用いられることが好ましい。この範囲よりも少ないと、架橋度が低すぎてシリコーンゴムとして使用できない。一方、この範囲よりも多いと、架橋度が高すぎてシリコーンゴムの弾性が低減してしまう
スイッチキー20の素材の付加型シリコーンゴムは、Pt触媒存在下で合成したビニルメチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:50万〜90万)、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:1万〜20万)、ビニル末端ジフェニルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜10万)、ビニル末端ジエチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜5万)、ビニル末端トリフロロプロピルメチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜10万)、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン(分子量:0.1万〜1万)、ビニルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサン/ジフェニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサン/ジトリフロロプロピルメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ポリビニルメチルシロキサンなどのビニル基含有ポリシロキサンと、H末端ポリシロキサン(分子量:0.05万〜10万)、メチルHシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、ポリメチルHシロキサン、ポリエチルHシロキサン、H末端ポリフェニル(ジメチルHシロキシ)シロキサン、メチルHシロキサン/フェニルメチルシロキサンコポリマー、メチルHシロキサン/オクチルメチルシロキサンコポリマーのようなH基含有ポリシロキサンの組成物、
アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、アミノプロピルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノイソブチルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノプロピルメトキシシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルアミノ末端ポリジメチルシロキサンのようなアミノ基含有ポリシロキサンと、エポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、(エポキシシクロヘキシルエチル)メチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマーのようなエポキシ基含有ポリシロキサン、琥珀酸無水物末端ポリジメチルシロキサンのような酸無水物基含有ポリシロキサン及びトルイルジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートなどのイソシアナート基含有化合物との組成物から得られるものである。
アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、アミノプロピルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノイソブチルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノプロピルメトキシシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルアミノ末端ポリジメチルシロキサンのようなアミノ基含有ポリシロキサンと、エポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、(エポキシシクロヘキシルエチル)メチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマーのようなエポキシ基含有ポリシロキサン、琥珀酸無水物末端ポリジメチルシロキサンのような酸無水物基含有ポリシロキサン及びトルイルジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートなどのイソシアナート基含有化合物との組成物から得られるものである。
これらの組成物から付加型シリコーンゴムを調製する加工条件は、付加反応の種類及び特性によって異なるので一義的には決められないが、一般には0〜200℃で、1分〜24時間加熱するというものである。これによりシリコーンゴム接合基材として付加型シリコーンゴムが得られる。低温の加工条件の方が、シリコーンゴムの物性が良い場合には、反応時間が長くなる。物性よりも素早い生産性が要求される場合には、高温で短時間の加工条件で行われる。生産過程や作業環境によって、一定の時間内に加工しなければならない場合には、所望の加工時間に合わせ、加工温度を前記範囲内の比較的高い温度に設定して、行われる。
スイッチキー20の素材の付加型シリコーンゴムは、Pt触媒存在下で合成したビニルメチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:50万〜90万)、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:1万〜20万)、ビニル末端ジフェニルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜10万)、ビニル末端ジエチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜5万)、ビニル末端トリフロロプロピルメチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜10万)、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン(分子量:0.1万〜1万)、ビニルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサン/ジフェニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサン/ジトリフロロプロピルメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ポリビニルメチルシロキサンなどのビニル基含有ポリシロキサンと、H末端ポリシロキサン(分子量:0.05万〜10万)、メチルHシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、ポリメチルHシロキサン、ポリエチルHシロキサン、H末端ポリフェニル(ジメチルHシロキシ)シロキサン、メチルHシロキサン/フェニルメチルシロキサンコポリマー、メチルHシロキサン/オクチルメチルシロキサンコポリマーのようなH基含有ポリシロキサンの組成物、
アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、アミノプロピルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノイソブチルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノプロピルメトキシシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルアミノ末端ポリジメチルシロキサンのようなアミノ基含有ポリシロキサンと、エポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、(エポキシシクロヘキシルエチル)メチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマーのようなエポキシ基含有ポリシロキサン、琥珀酸無水物末端ポリジメチルシロキサンのような酸無水物基含有ポリシロキサン及びトルイルジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートなどのイソシアナート基含有化合物との組成物から得られるものである。
アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、アミノプロピルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノイソブチルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノプロピルメトキシシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルアミノ末端ポリジメチルシロキサンのようなアミノ基含有ポリシロキサンと、エポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、(エポキシシクロヘキシルエチル)メチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマーのようなエポキシ基含有ポリシロキサン、琥珀酸無水物末端ポリジメチルシロキサンのような酸無水物基含有ポリシロキサン及びトルイルジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートなどのイソシアナート基含有化合物との組成物から得られるものである。
これらの組成物から付加型シリコーンゴムを調製する加工条件は、付加反応の種類及び特性によって異なるので一義的には決められないが、一般には0〜200℃で、1分〜24時間加熱するというものである。これによりシリコーンゴム接合基材として付加型シリコーンゴムが得られる。低温の加工条件の方が、シリコーンゴムの物性が良い場合には、反応時間が長くなる。物性よりも素早い生産性が要求される場合には、高温で短時間の加工条件で行われる。生産過程や作業環境によって、一定の時間内に加工しなければならない場合には、所望の加工時間に合わせ、加工温度を前記範囲内の比較的高い温度に設定して、行われる。
縮合型シリコーンゴムは、スズ系触媒又は亜鉛系触媒の存在下で合成されたシラノール末端ポリジメチルシロキサン(分子量:0.05万〜20万)、シラノール末端ポリジフェニルシロキサン、シラノール末端ポリトリフロロメチルシロキサン、シラノール末端ジフェニルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマーのようなシラノール基末端ポリシロキサンからなる単独縮合成分の組成物;これらのシラノール基末端ポリシロキサンと、テトラアセトキシシラン、トリアセトキシメチルシラン、ジt−ブトキシジアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエノキシメチルシラン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、テトラ−n−プロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン、ビニルトリイソプロペノイキシシラン、トリアセトキシメチルシラン、トリ(エチルメチル)オキシムメチルシラン、ビス(N−メチルベンゾアミド)エトキシメチルシラン、トリス(シクロヘキシルアミノ)メチルシラン、トリアセトアミドメチルシラン、トリジメチルアミノメチルシランのような架橋剤との組成物;これらのシラノール基末端ポリシロキサンと、クロル末端ポリジメチルシロキサン、ジアセトキシメチル末端ポリジメチルシロキサン、末端ポリシロキサンのような末端ブロックポリシロキサンの組成物から得られるものである。
これらの組成物からシリコーンゴム接合基材を調製する加工条件は、縮合反応の種類及び特性によって異なるので一義的には決められないが、一般には0〜200℃で、10分〜24時間加熱するというものである。これによりシリコーンゴム接合基材として縮合型シリコーンゴムが得られる。低温の加工条件の方が、シリコーンゴムの物性が良い場合には、反応時間が長くなる。物性よりも素早い生産性が要求される場合には、高温で短時間の加工条件で行われる。生産過程や作業環境によって、一定の時間内に加工しなければならない場合には、所望の加工時間に合わせ、加工温度を前記範囲内の比較的高い温度に設定して、行われる。
スイッチキー20の素材のシリコーンゴムとオレフィン系ゴムとの共ブレンド物に用いられるオレフィン系ゴムは、1,4−シスブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリブテンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、塩素化エチレンプロピレンゴム、塩素化ブチルゴムが挙げられる。
スイッチキー20は、弾性体としての補強性、絶縁性、熱伝導性、耐摩耗性、耐紫外線、耐放射線、耐熱性、耐候性、柔軟性、抗菌性などの機能を高めるために機能性添加剤を添加したり、増量させたりするために機能性充填剤が添加されていてもよい。またスイッチキー20は、これらのシリコーンゴムを含む素材で形成されていてもよい。
一方、ベースシート40の素材の高分子樹脂素材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート;ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、およびシリコーン(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル樹脂;前記と同様な付加架橋型シリコーン;ビニルメチルシリコーン(VMQ)、メチルフェニルシリコーン(PVMQ)、フルオロメチルシリコーン(FVMQ)、及びジメチルシリコーン(MQ)のようなシリコーン、パーオキサイド架橋型シリコーン、縮合架橋型シリコーン、紫外線架橋型シリコーン、電子線架橋型シリコーンゴムで例示されるシリコーン、これらのシリコーンとオレフィンとの共ブレンド物が挙げられる。
ベースシート40の素材は、上記のような高分子樹脂素材の他、金属、架橋ゴム、セラミックスであってもよい。ベースシート40の素材が金属のような導電性を有する素材である場合、ベースシート40と同形状の絶縁シートを、ベースシート40と回路基板50との間に、絶縁性のシートを介在させたり、回路基板50に向いた面に絶縁処理を施したりすることによって、ベースシート40と回路基板50との導通を避けることができる。さらにこの場合、ドーム体30を、絶縁性の素材で形成するとともに、導電接触部材37を用いて導電接触部32を設けることが好ましい(図6(b)参照)。
ベースシート40の素材の金属として、例えば、金属分類上で通常の金属、機能性金属、アモロファス金属、繊維強化金属ブロック、形状記憶合金、超弾性合金が挙げられる。具体的に、周期律表上で、チタン、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛が挙げられる。また合金組成上で、鉄合金(鋼(スチール)、炭素鋼、鋳鉄)、銅合金(りん青銅、黄銅、キュプロニッケル、ベリリウム銅、チタン銅)、アルミニウム合金(銅、マンガン、珪素、マグネシウム、亜鉛、ニッケル合金など)、マグネシウム合金(Mg/Zn合金、Mg/Ca合金など)、亜鉛合金、スズ及びスズ合金、ニッケル合金、金合金、銀合金、白金合金、パラジウム合金、鉛合金、チタン合金(α型、β型及びα+β型合金)、カドミウム、ジルコニウム合金、コバルト合金、クロム合金、モリブデン合金、タングステン合金、マンガン合金、フェライト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス、オースチナイト系ステンレス、析出強化型ステンレス、ニッケル−チタン合金、鉄−マンガン−チタン合金、及び超弾性合金(ニッケル−チタン合金)が挙げられる。
ベースシート40の素材の架橋ゴムとして、天然ゴム、1,4−シスブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリクロロプレン、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、水素添加アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、ポリブテンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレンオキサイド−エピクロロヒドリン共重合体ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロルスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロルスルフォン化ポリエチレンゴム、クロロプレンゴム、塩素化アクリルゴム、臭素化アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンとその共重合ゴム、塩素化エチレンプロピレンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレンなどの単独重合体ゴム及びこれらの二元及び三元共重合体ゴム、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合ゴム、プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合ゴム、エチレンアクリルゴム、エポキシゴム、ウレタンゴムが挙げられる。
ベースシート40の素材のセラミックスとして、陶磁器、ガラス、セメント、石膏及びほうろうなど高温で固めたものであり、組成上は元素系(ダイヤモンド、C)、酸化物系(アルミナ、Al2O3)、ジルコニア系、水酸化物系(ハイドロキシアパタイト)、炭化物系(炭化ケイ素、SiC)、炭酸塩系、窒化物系(窒化ケイ素)(7ハロゲン化物系(蛍石)、リン酸塩系(アパタイト)も含み、具体的にはチタン酸バリウム、Bi2Sr2Ca2Cu3O10、高温超伝導セラミックス、窒化ホウ素、フェライト、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ステアタイト(MgOSiO2)、YBa2Cu3O7−δ、高温超伝導セラミックス、酸化亜鉛、チッ化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、チッ化ケイ素(Si3N4)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、ステアタイト(MgO・SiO2)、コーディエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、サイアロン(Si3N4・Al2O3)、マシナブルセラミックス、ジルコン(ZrO2・SiO2)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、フェライト(M2O・Fe2O3)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)などが挙げられ、繊維強化セラミックス及び炭素繊維強化炭素などの複合材料も含まれる。
ベースシート40は、素材中に、金属酸化物又は半金属酸化物である酸化物や、金属硫化物又は半金属硫化物である硫化物や、金属窒化物又は半金属窒化物である窒化物を含有していることにより、これら酸化物や硫化物や窒化物の分子又は粒子が接合側表面に露出したものであってもよい。またベースシート40は、その上面41に、金属酸化物層、半金属酸化物層、及び金属酸化物・半金属酸化物混合物層のような酸化物層;金属硫化物層、半金属硫化物層、及び金属硫化物・半金属硫化物混合物層のような硫化物層;金属窒化物層、半金属窒化物層、及び金属窒化物・半金属窒化物混合物層のような窒化物層を有するものであってもよい。このような酸化物層として、金属酸化物アルミナ、チタニア、ジルコニアが挙げられ、半金属酸化物として、シリカが挙げられる。Al2O3とSiO2及びZnSとSiO2との混合物からなる酸化物層であってもよい。
スイッチキー20とベースシート40とは、ベースシート40自体に酸化物や硫化物や窒化物が含有され、又はベースシート40の上面41の表面に酸化物層や硫化物層や窒化物層が付されていることによって酸化物や硫化物や窒化物が露出していると、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、又はエキシマ処理のような表面活性化処理が施されることによって、それらの接合側表面にヒドロキシ基が反応性官能基として新たに生成及び増幅することが容易に可能であるから、酸化物や硫化物や窒化物が無い場合よりも生産性が高く、簡素な工程で精密に大量生産が可能である。
ベースシート40自体に酸化物や硫化物や窒化物が含有されている場合、酸化物や硫化物や窒化物として、銀、銅、鉄、コバルト、シリコーン、鉛、マンガン、タングステン、タンタル、白金、カドミウム、スズ、パラジウム、ニッケル、クロム、インジウム、チタン、亜鉛、カルシウム、バリウム、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどの金属の酸化物や硫化物や窒化物;ケイ素のような半金属の酸化物や硫化物や窒化物;それら金属の窒化物又は半金属の窒化物と同一又は異なる金属の酸化物又は半金属の酸化物との混合物;それら金属の硫化物又は半金属の硫化物と同一又は異なる金属の酸化物又は半金属との混合物が挙げられる。より好ましい具体例は、シリカ膜としてSiO2膜、アルミナ膜としてAl2O3膜、酸化チタン膜としてTiO2膜、酸化ジルコニウム膜としてZrO2膜、硫化亜鉛−シリカ膜としてZnS−SiO2膜、硫化ケイ素膜としてSiS膜やSiS2膜、硫化アルミニウム膜としてAl2S3膜、硫化チタン膜としてTi2S膜やTiS膜やTi2S3膜やTiS2膜やTiS3膜、硫化ジルコニウム膜としてZrS2膜、硫化亜鉛膜としてZnS膜、窒化ケイ素膜としてSi2N3膜やSiN膜やSi3N4膜、窒化アルミニウム膜としてAlN膜、窒化チタン膜としてTiN膜やTi3N4膜、窒化ジルコニウムとしてZrN膜やZr3N2膜、及び窒化亜鉛としてZn3N2膜で表わされるものが挙げられる。
ベースシート40の素材として、上面41の表面に酸化物層を有するものは、例えば、SiO2(シリカ)蒸着、Al2O3(アルミナ)蒸着、ZrO2蒸着、又はZnS−SiO2蒸着した市販の非ガラス素材である。より具体的には、高分子樹脂、架橋ゴム、セラミックスの基板上に、これらシリカ蒸着又はアルミナ蒸着等をしたものが挙げられる。より具体的には、ベースフィルムであるPETフィルムやポリアミドフィルムにシリカ蒸着膜を形成したテックバリア(三菱樹脂株式会社製、商品名)例えばテックバリアVX(ベースフィルムがPETフィルム)やテックバリアAX(ベースフィルムがPETフィルム)、PETフィルムやポリアミドフィルムにシリカ蒸着膜(CVD)を形成したIBフィルム(大日本印刷株式会社製、商品名)、ポリエステルフィルムにセラミック(シリカ/アルミナ)蒸着膜を形成したエコシアール(東洋紡株式会社製、商品名)、ポリエステルにシリカ/アルミナ蒸着膜を形成したエコシアールVE706(東洋紡株式会社製、商品名)、ベースフィルムがPET,ONYであるGLフィルム(凸版印刷株式会社、商品名)、シリカ/アルミナ蒸着膜を形成した透明蒸着バリアフィルムMOS(尾池工業株式会社製、商品名)、透明蒸着フィルムファインバリヤー(株式会社麗光社製、商品名)が挙げられる。
ベースシート40の上面41の表面に、酸化物層や硫化物層や窒化物層を蒸着する場合、CVD法(Chemical Vapor Deposition、化学蒸着法)や、PE−CVD法(Plasma enhanced CVD)が用いられる。例えば、石英などで出来た反応管内で加熱した基板上に、目的とする薄膜の成分を含む原料ガスを供給し、基板表面あるいは気相での化学反応により膜を堆積する方法である。熱CVD−熱による分解反応や化学反応を利用する方式や、プラズマCVD−プラズマを用いて原料ガスの原子や分子を励起・反応させる方式であってもよい。このような蒸着法は、高真空を必要としないため、製膜速度や処理面積に比して装置規模を小さくでき経済的であるというメリットがある。しかも、製膜速度が速く、処理面積も大きくできる。このため大量生産に向いており、凹凸のある表面でも満遍なく製膜できるばかりか、基板表面と供給する気相の化学種を選ぶことで、基板表面の特定の部位にだけ選択的に成長することが可能であるという特長を有している。
上面41の表面に、酸化物層や硫化物層や窒化物層を蒸着する別な方法として、気相中で物質の表面に物理的手法により目的とする物質の薄膜を堆積する方法であるPVD法(Physical Vapor Deposition、物理蒸着法)が挙げられる。具体的には、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法が挙げられる。
酸化物層や硫化物層や窒化物層は、蒸着膜の他、前記の金属の酸化物層や硫化物層や窒化物層又は半金属の酸化物層や硫化物層や窒化物層として、スパッター膜、イオンプレティング膜、化学気相沈積膜であってもよい。
ドーム体30の素材の一例としてステンレスを挙げたが、薄板のドーム形状に加工でき、可撓性を有する素材であれば特に限定されない。具体的にドーム体30の素材は、スイッチキー20の素材として挙げたシリコーンゴム、並びにベースシート40の素材として挙げた高分子樹脂、金属、架橋ゴム、及びセラミックスであってもよい。またこれらを基材とし、導電性を有する金属が、電解めっきや無電解めっきによって基材の表面に付されたものであってもよい。ドーム体30を低導電性や絶縁性の素材で形成する場合、カーボン、導電性ポリマー、及び導電性金属酸化物のような導電材を、導電接触部32として設ける。この導電材は、ドーム体30の内壁面の一部に貼付、めっき、埋め込み、又は嵌め込みによってドーム体30に設けることができる。
ドーム体30の位置決めをしている粘着テープ31は、基材であるフィルムの片面に粘着剤が付されているものである。この基材の素材は、ベースシート40の素材として挙げた高分子樹脂素材であることが好ましい。また粘着剤は、特に限定されないが、例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリビニール系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、及びそれらの何れかの複合材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよく複数組み合わせて用いてもよい。粘着テープ31は、ドーム体30に接着されていることにより、クリック時に生じるドーム体30のクリック音を適度に吸収する。そのため、粘着テープ31の基材や粘着剤を適宜に組み合わせることにより、クリック音の音量を調整することができる。
コンタクトスイッチ10は、次のようにして製造される。スイッチキー20の素材であるシリコーンゴムのプリフォームを、圧縮成形機にセットされた高温の金型上に置く。このプリフォームを高温条件下、加硫しつつ高圧で圧縮成形してスイッチキー20を成形する。この際、1回の圧縮成形当たり多数個のスイッチキー20を成形してもよい。ベースシート40も同様の方法によって成形する。
なお、スイッチキー20及びベースシート40は、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴムを熱成形したり、シリコーンゴム原材料やモノマーを金型内で加硫したり高分子量化したりして架橋させて成形されてもよい。例えば金型内で、射出成形、トランスファー成形、液状シリコーンゴム射出成形(LIMS)、又は押し出し成形によって成形されてもよい。押し出し成形による場合、ベースシート40は、電子線が照射されて架橋させることによって成形されてもよい。孔42は、打抜きやレーザー加工によって形成されてもよい。この場合、ベースシート40は、コンタクトスイッチ10の製造時や、実装時の取扱性の観点から、タイプAデュロメータ硬さ(JIS K 6253準拠)が10〜90の範囲であるエラストマーであることが好ましい。またベースシート40の厚さは、130〜150μmであることが好ましい。硬さや厚さの値がこれらの範囲未満であると、ベースシート40の硬さや厚さが不足し、取扱性が劣化するだけでなく、裂け易くなったり、耐熱性が低下したりする。一方、硬さや厚さの値がこれらの範囲を超えると、コンタクトスイッチ10の薄型化が困難になってしまう。
所定の直径を有する円形にステンレス板を打ち抜いた後、ドーム形状を模った金型に置いてプレスし、ドーム体30を成形する。必要に応じてドーム体30のエッジを研磨してばりを取り除いてもよい。
ドーム体30を、孔42を覆うようにベースシート40の上面41に置き、その上から粘着テープ31を、上面41とドーム体30とに渡るように貼付して、ドーム体30を位置決めしつつ仮止めする。
スイッチキー20のフランジ部24の下端面とベースシート40の上面41とに、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理又はエキシマ処理のような表面活性処理を施して、両者の接合面にヒドロキシ基を反応性官能基として新たに生成、増幅、及び露出させる。フランジ部24の下端面と上面41とを接触させて、それらを高温下で、プレスして圧着する。それにより、ヒドロキシ基同士が脱水により直接的なエーテル結合を形成し、フランジ部24の下端面と上面41とを化学的に結合させて、スイッチキー20とベースシート40とを接合する。それによってコンタクトスイッチ10が得られる。得られたコンタクトスイッチ10を、電子機器に組み込む工場へ搬送し、電子機器に実装する。
スイッチキー20とベースシート40とをより強固に接合させる場合、両者の接合表面上に十分な濃度の反応性官能基であるヒドロキシ基を生成させたり、僅かに生成したヒドロキシ基を利用して他方のヒドロキシ基との反応性基濃度を増幅させたりする必要がある。特に、両方の有機基結合性ヒドロキシ基と反応する官能基を導入してもよい。
スイッチキー20やベースシート40の接合表面であるフランジ部24の下端面や上面41に、十分な濃度の反応性官能基を生成させるため、例えば、両者の少なくとも一方に、コロナ放電処理やプラズマ処理や紫外線照射処理やエキシマ処理のような表面活性化処理を施すと、その接合表面で、有機又は無機材料上に、高反応性の反応性基、例えばヒドロキシ基を生成して、元来のヒドロキシ基と新たに形成されたヒドロキシ基とが露出して点在する点在ヒドロキシ基を、接合面に有することとなる。必要に応じスイッチキー20及びベースシート40の接合表面の両方に表面活性化処理を施すと、その接合表面で、有機基又は無機分子が高反応性の反応性基、例えばヒドロキシ基を生成する結果、元来のヒドロキシ基と新たに形成されたヒドロキシ基とが点在して露出したヒドロキシ基を、接合表面に有することになる。両者を当接させると、それらシロキサン化合物が共有結合によって、スイッチキー20とベースシート40とを、直接のエーテル結合を介して接合させるので、両者の接合強度を向上させることができる。
スイッチキー20とベースシート40とを接合する際、両者の接合面がコロナ放電処理やプラズマ処理や紫外線照射処理やエキシマ処理のような表面活性化処理されて、常圧で重ねられた後、常圧下のまま共有結合させてもよいが、減圧下又は加圧下で共有結合させてもよい。スイッチキー20とベースシート40とのヒドロキシ基のような反応活性基の接近は、減圧乃至真空条件下、例えば50torr以下、より具体的には50〜10torrの減圧条件、又は10torr未満、より具体的には、10torr未満〜1×10−3torr、好ましくは10torr未満〜1×10−2torrの真空条件下で、その接触界面の気体媒体を除去することによって、又はその接触界面に応力(荷重)、例えば10〜200kgfを加えることによって、さらに接触界面を加熱することによって、促進される。
スイッチキー20とベースシート40との接合表面に施す処理は、例えばコロナ放電処理が挙げられる。コロナ放電処理としては、例えば大気圧コロナ表面改質装置(信光電気計測株式会社製、製品名:コロナマスター)を用いて、例えば、電源:AC100V、出力電圧:0〜20kV、発振周波数:0〜40kHzで0.1〜60秒、温度0〜60℃の条件で行われる。このようなコロナ放電処理は、水、アルコール類、アセトン類、エステル類等で濡れている状態で、行われてもよい。
スイッチキー20とベースシート40との接合表面を活性化させるのに施す処理は、大気圧プラズマ処理及び/又は紫外線照射処理(UV照射によりオゾンを生成させるような一般的なUV処理やエキシマUV処理)であってもよい。
大気圧プラズマ処理としては、例えば、大気圧プラズマ発生装置(パナソニック株式会社製、製品名:Aiplasma)を用いて、例えば、プラズマ処理速度10〜100mm/s,電源:200又は220V AC(30A)、圧縮エア:0.5MPa(1NL/min)、10kHz/300W〜5GHz、電力:100W〜400W、照射時間:0.1〜60秒の条件で行われる。
紫外線照射処理としては、エキシマランプ光源(浜松ホトニクス株式会社製、製品名:L11751−01)を用いて、例えば、積算光量:50〜1500mJ/cm2で行われる。
コンタクトスイッチ10は、次のように実装して使用される。図2に示すように、コンタクトスイッチ10は、回路基板50上に載置される。ベースシート40は、孔42の他に、回路基板50上に配置されたタクタイルスイッチ53のような部材を通す部材孔43を有している。ベースシート40は、それの周縁及び部材孔43の周縁で抉れた凹部44を有している。この凹部44が回路基板50の周縁で出っ張った突起52に嵌められることによって、コンタクトスイッチ10は、回路基板50に位置決めされつつ載置される。それにより孔42に両電極51が取り囲まれ、導電接触部32(図1参照)は、両電極51と正確に対向する。コンタクトスイッチ10は、その上に操作ボタン54が嵌められた操作パネル55が重ねられて電子機器等に取付けて実装される。
コンタクトスイッチ10は、螺子止めされて回路基板50に固定されてもよい。
図3に、コンタクトスイッチ10と、それに重ねられた操作ボタン54及び操作パネル55との一部模式断面図を示す。操作ボタン54は、押圧部21に載置されている。操作ボタン54は樹脂製のため軽いので、スイッチキー20の脚部23は、操作ボタン54の重さによって撓まない。操作ボタン54の上端面は、操作パネル55の上端面で出っ張っており、指先61で押圧して操作することができる。操作ボタン54の形状は、図2及び3に示すような略円柱形状に限られず、任意の形状とすることができる。
コンタクトスイッチ10は、以下のように動作する。操作ボタン54が指先61によって押圧されると、スイッチキー20の脚部23が撓むことで当接部22がドーム体30の頂部に貼付されている粘着テープ31に当接する。さらに操作ボタン54が押圧されて押圧部21に掛かる荷重が増すと、当接部22を介した押圧の荷重によってドーム体30がドーム内空Dに向かって凹んで導電接触部32と両電極51とが接触し、電気的に導通し、電子機器へ電気的信号が入力される。指先61からの押圧を開放すると、ドーム体30内に蓄積された弾性エネルギーに基く復元力によりドーム体30と脚部23とが元の形状及び位置に復元し、導電接触部32と両電極51とが離反して電気的に非導通となり、電子機器へ電気的信号が遮断される。
なお、コンタクトスイッチ10は、顔料を含有する材料で成形されていたり、塗装によって着色されていたりすることによって、所望の色彩を有していてもよい。例えば白色とすることにより、回路基板50上で電気的に接続された発光ダイオード(不図示)が発する光を反射させて、操作ボタン54と操作パネル55との隙間56を、操作ボタン54を縁取るイルミネーションのように光らせることができる。一方黒色として遮光性を持たせることにより、操作パネル55内で乱反射した発光ダイオードの光がベースシート40を導光して外周端面から光漏れしてしまうのを、防止することができる。
図4を参照しながらスイッチキー20の押圧時、及び押圧の解放時における挙動を詳細に説明する。同図は、スイッチキー20への荷重とそのストロークとの相関関係であるF−S特性のグラフ、及びグラフ中の各点におけるコンタクトスイッチ10の挙動を示す断面図である。グラフ中、縦軸は押圧部21への押圧の荷重(N)を示し、横軸は荷重0(N)時点の荷重を基準とした押圧部21のストロークを示している。また太線は押圧時、細線は押圧の解放時を示している。F−S特性のグラフは、自動荷重試験機の圧子62で、押圧部21を押圧し、そのときの荷重及びストロークをロードセルで検知することにより測定されたものである。
荷重を掛けて押圧部21が押圧されると、脚部23は、押圧の荷重の大きさに応じて曲折部23bで屈曲し、図4(0)から同図(S1)の形状へ変化する。当接部22がドーム体30の頂部を押圧する。このときの曲折部23bの屈曲量に応じたストロークが、ストロークAの範囲である。引き続き押圧部21が押圧されることにより、ドーム体30に、押圧部21に加えられた押圧の荷重に抵抗する応力が生じ、ドーム体30は徐々に潰されて若干撓む。さらに押圧部21が押圧されると、押圧の荷重がドーム体30の閾荷重を超える。その時の閾荷重はピーク荷重と呼ばれ、同図のグラフ中、F0の値である。
ピーク荷重F0を超えると、図4(S3)に示すように、ドーム体30の応力は押圧の荷重に耐えられなくなり、ドーム体30は急激にドーム内空Dに向かって凹み、カチッというクリクック音を生じつつ導電接触部32が両電極51に接触する。ピーク荷重F0を超えた瞬間に操作者は、クリック音とともに、それまで指先61(図3参照)で感知していた応力を、突如として感知できなくなるクリック感と、導電接触部32が電極51に接触したこととを感知する。それによって操作者は、スイッチキー20がクリックされて、コンタクトスイッチ10が確実に操作されたことを認識できる。押圧の荷重によるドーム体30の撓み及び凹みに応じたストロークが、ストロークBの範囲である。また導電接触部32と電極51との接触直後の荷重が、FBである。
押圧部21はさらに押圧されると、図4(S0)に示すように導電接触部32が電極51に強く押し付けられて歪み、横方向に膨らむ。ピーク荷重F0の1.5倍の荷重を押圧部21に加えた時のストロークの値は、オーバーストロークS0と呼ばれる。
その後、押圧の荷重が徐々に解放されると、押圧部21は、図4(S3)のように歪みが解消され始める。さらに導電接触部32が電極51から離反した後、同図(S1)のようにドーム体30の凹みが完全に解消され、高々曲折部23bの屈曲の応力を検知する程度となるので、操作者はクリックが解除されたことを認識できるようになる。このとき同図のグラフ中、細線で示すように、スイッチキー20は、ヒステリシスによって押圧時と異なる曲線を描いて、同図(S3)・(S1)を経て、同図(0)の形状に戻る。
F−S特性は、導電接触部32が電極51に丁度接触した時点の押圧部21の移動量であるボトムストロークS3(mm)、クリック率(%)、及びピーク荷重F0(N)によって、主に評価される。クリック率は、(F0−FB)/F0×100(%)によって求められる。コンタクトスイッチ10が、30〜60%のクリック率を有していると、操作者が明瞭にかつ確実にクリックを感知することができる。
例えば、スイッチキー20のピーク荷重F0を2〜3N、クリック率を30〜40%、ボトムストロークS3を0.6〜0.8mmとする場合、直径3〜10mm、ドーム内空Dの高さ0.15〜0.6mmでステンレス製(SUS304)のドーム体30の肉厚を、0.05〜0.2mmとすることが好ましい。このようにドーム体30の素材、直径、及び肉厚、並びにドーム内空Dの高さを特定することによって、ストロークBの範囲、及びピーク荷重F0を設定し、所望のF−S特性を有するコンタクトスイッチ10を得ることができる。このとき、ドーム体30の素材が硬く、また肉厚が厚いほど、ピーク荷重F0は大きくなる。一方、ドーム内空Dの高さを低く設定するほどストロークBの範囲は狭くなり、スイッチキー20のストロークを短くすることができる。
スイッチキー20の素材は、タイプAデュロメータ硬さ(JIS K 6253準拠)が10〜90の範囲であるシリコーンゴムであることが好ましい。このシリコーンゴムを用いて、脚部23の厚さを薄くし、かつ垂直部23cの長さを短くすることによって、ストロークAの範囲を狭くし、スイッチキー20のストロークを短くすることができる。また当接部22とドーム体30の頂部との距離を短くすることによっても、ストロークAの範囲を狭くすることができる。なお当接部22は、凸形状をなしていなくてもよく、図4(0)に示す状態でドーム体30の頂部に貼付された粘着テープ31に当接していてもよい。
またベースシート40がシリコーンゴム、ポリエステル、及びポリイミドのような高分子樹脂素材で形成されている場合、その厚さは、130〜150μmであることが好ましい。ベースシート40がこの範囲よりも薄いと、表面活性化処理や回路基板50への載置の際のハンドリングに劣る。一方この範囲よりも厚いと、コンタクトスイッチ10を薄型化できない。
図5に、本発明のコンタクトスイッチの別な実施形態の模式断面図を示す。同図に示すコンタクトスイッチ10は、ベースシート40の回路基板50側の面で、キー内空K及びドーム内空Dと外界とを連通させているチャネル45を有している。チャネル45は、一端がドーム内空Dキーに繋がっている連通チャネル45aと、この連通チャネル45aに合流しつつキー内空Kに連通した合流チャネル45bと、連通チャネル45aと外界とを繋いでいる開放チャネル45cとを有している。連通チャネル45aは、ベースシート40の回路基板50との接触面側で凹んでいる。
スイッチキー20が押圧された際に、キー内空K及びドーム内空Dに溜まった空気は、図5のチャネル45中の矢印に示されるように、チャネル45を流れて外界へと排出する。一方、スイッチキー20の押圧が解除された際、キー内空K及びドーム内空Dに、外界の空気が同図に示される矢印とは逆方向にチャネル45を流れ、キー内空K及びドーム内空Dに取り込まれる。このようにこのコンタクトスイッチ10は、スイッチキー20の動作に応じてキー内空K及びドーム内空Dの空気を出し入れできるので、スイッチキー20がスムーズに動作する。
図6にコンタクトスイッチ10に用いられるドーム体30の別な例を示す。同図(a)のドーム体30は、それの周縁であるエッジでドーム体30の頂部から離反するように水平方向に突き出た鍔33と、この鍔33から一定の傾斜角度でドーム体30の曲率半径方向の内側に向かって上昇している傾斜部34とを、有しているものである。それによって、ベースシート40の上面41とドーム体30とが面接触するので、広い接触面積を確保できる。また傾斜部34を有していることにより、ドーム体30の高さを適切に調節できるので、極小径のドーム体30であっても、曲率半径を変更することなく、一定のストロークを保ったまま、極めて小径のコンタクトスイッチ10を作製できる。この場合、粘着テープ31を用いることなく、鍔33の下端面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理又はエキシマ処理のような表面活性処理を施して、上面41と鍔33の下端面とにヒドロキシ基を反応性官能基として新たに生成、増幅、及び露出させてから、両者を接触させることにより、ヒドロキシ基同士を脱水させて直接的なエーテル結合を形成する。それにより、ドーム体30とベースシート40とを化学的な結合によって接合することができる。
図6(b)に示すドーム体30は、その周縁であるエッジに数か所で出っ張った凸部36を有しているものである。この場合、例えば脚部23や押圧部21の下端に、キー内空Kの中心に向かって迫出した爪部(不図示)を設けて、この爪部を凸部36に係合させることにより、ドーム体30をキー内空K内に嵌め込むことができる。それにより、ドーム体30とベースシート40とを接着又は接合させることなく、コンタクトスイッチ10を製造することができる。また、ドーム体30が絶縁性の素材で形成されている場合、貫通孔35がドーム体30の頂部に開いていることによって、例えば同図(b)に示すように、この貫通孔35の径に丁度嵌まる括れ部を有し、導電性の素材で形成された導電接触部材37を嵌め込むことができる。導電接触部材37の下端面は、導電接触部32である。
図6(c)に示すドーム体30は、略半球形のドーム形状のエッジが四方で、頂部に向かって抉れた抉れ部38を有している。それにより、キー内空Kとドーム内空Dとが、連通するので、図5に示すような合流チャネル45bを設けずとも、キー内空K内の空気がドーム内空Dを通って外界に排出される。
図7に本発明のコンタクトスイッチの別な実施形態の模式断面図を示す。同図に示すコンタクトスイッチ10のドーム体30は、図6(a)に示したものと同一の形状をなしている。ベースシート40の孔42の周縁に、上面41よりもドーム体30の鍔33の厚さ分だけ下がった段差部46が設けられている。鍔33が段差部46に嵌り、かつフランジ部24に挟まれていることによって、ドーム体30は、位置決めされつつコンタクトスイッチ10内に固定されている。この実施形態によれば、粘着テープ31を用いずとも、ドーム体30の位置決め及び固定をすることができる。なお鍔33の下端表面と、フランジ部24の下端表面及び/又は段差部46の表面とに反応性官能基が露出しており、それらによってドーム体30とスイッチキー20及び/又はベースシート40とが直接的な結合を介して接合されていてもよい。
以下に、本発明を適用するコンタクトスイッチを作製し、評価した実施例を示す。
(実施例1)
まず、100質量部のミラブル型シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製、製品名:KE−961U)と、加硫剤である0.5質量部の2,5−ジメチル−2,5−ジヘキサン(信越化学工業株式会社製、製品名:C−8A)とを、二本ロールに投入し、均一に混合するまで混練した後、取り出した。これを、金型上に置ける大きさの円柱形状に切り揃え、シリコーンゴムのプリフォームを調製した。
まず、100質量部のミラブル型シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製、製品名:KE−961U)と、加硫剤である0.5質量部の2,5−ジメチル−2,5−ジヘキサン(信越化学工業株式会社製、製品名:C−8A)とを、二本ロールに投入し、均一に混合するまで混練した後、取り出した。これを、金型上に置ける大きさの円柱形状に切り揃え、シリコーンゴムのプリフォームを調製した。
次いで圧縮成形機にスイッチキー20の上下金型をセットし、上下金型の表面温度を、加硫温度である170℃に予め設定した。雌型である下金型の上に、円柱形状のプリフォームを置いた。圧縮成形機を起動させて上金型と下金型とを合わせ、10〜20MPaで10分間圧縮成形した。圧縮成形終了後、下金型からスイッチキー20を取り出し、手仕上にてばりを除去した。その後、スイッチキー20に200℃で4時間の二次加硫を施した。それにより、スイッチキー20を作製した。
シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂株式会社製、テックバリアVX(登録商標)、t=12μm)/2液硬化型ウレタン接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族イソシアネート)/絶縁PETフィルム(三菱樹脂株式会社製、ダイアホイル(登録商標)、t=85μm)であるベースシート40(シリカ蒸着PETフィルム)を用いた。これを所定の外形に切出し、孔42を打抜きによって開け、約100μm厚のベースシート40を作製した。
スイッチキー20及びベースシート40の接合すべき面に、夫々コロナ放電処理を施し、それらの面にヒドロキシ基を生成させた。直径5.6mm、肉厚0.28mmで3N仕様のステンレス製ドーム体(True Tone Industries Ltd 製、製品名:5.6-RNN-300)を、ベースシート40に開けた孔42を覆うように上面41に置き、粘着テープを貼付してずれないように位置決めした。スイッチキー20及びベースシート40の接合面同士を当接させつつ、圧縮治具で挟んだ。80℃で圧縮治具内を脱気し、減圧条件下で、各接着面のヒドロキシ基同士を脱水反応させ、スイッチキー20とベースシート40とを、接合した。それによって、コンタクトスイッチ10を得た。
得られたコンタクトスイッチ10について、自動荷重試験機(日本計測システム株式会社製、製品名:MAX−1KN−H−1、ロードセル10N仕様)を用いて、コンタクトスイッチ10のピーク荷重F0を測定した。押圧部21の上端面を、20mm/分の押圧速度にて圧子62で押圧し、このときのピーク荷重F0(N)、及びストローク(mm)を記録した。測定を3回行い、夫々のクリック率を算出した。結果を表1に示す。
表1から分かるように、実施例1のコンタクトスイッチ10は、ストロークが短くても30%以上という高いクリック率を示し、さらに押圧回数に対するクリック率及びストロークのばらつきが極めて小さいものであった。
本発明のコンタクトスイッチは、自動車、航空機、船舶、産業機械、及び家電製品のような各種電子機器を搭載する製品の電気的信号入力に用いられる。
10はコンタクトスイッチ、20はスイッチキー、21は押圧部、22は当接部、23は脚部、23aは水平部、23bは曲折部、23cは垂直部、24はフランジ部、30はドーム体、31は粘着テープ、32は導電接触部、33は鍔、34は傾斜部、35は貫通孔、36は凸部、37は導電接触部材、38は抉れ部、40はベースシート、41は上面、42は孔、43は部材孔、44は凹部、45はチャネル、45aは連通チャネル、45bは合流チャネル、45cは開放チャネル、46は段差部、50は回路基板、51は電極、52は突起、53はタクタイルスイッチ、54は操作ボタン、55は操作パネル、56は隙間、61は指先、62は圧子、70は押ボタンスイッチ、71はケース、71aは電極、71bは端子、72は導電接触薄板、73はボタン、74はカバー、Dはドーム内空、Kはキー内空である。
Claims (12)
- ベースシートに開けられた孔に対向した導電接触部を有しつつ前記孔を覆っている弾性のドーム体を、覆いながら前記ベースシートに接合している弾性のスイッチキーが、下端を前記ドーム体の頂部に対向させ又は接触させている押圧部と、前記押圧部から延び前記押圧部への押圧に応じて前記導電接触部を押し込んで前記孔で基板の両電極に接触させる脚部とを、有していることを特徴とするコンタクトスイッチ。
- 前記スイッチキーに向いた表面で酸化物、硫化物及び/又は窒化物を露出させており非ガラス素材で形成された前記ベースシートと、シリコーンゴムを含んで形成された前記スイッチキーとが、前記酸化物、前記硫化物及び/又は前記窒化物の表面の反応性官能基と前記スイッチキーの表面の反応性官能基との直接的な結合によって、接合されていることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記ベースシートと前記スイッチキーの前記脚部の末端のフランジ部とが、共有結合を介して接合していることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記ドーム体の少なくとも一部が粘着テープで覆われて前記ベースシートに貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記ドーム体の下端部が前記ベースシートと前記スイッチキーの前記脚部の末端のフランジ部との間に挟まれていることにより固定されていることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記ベースシートが、表面酸化物層、表面硫化物層及び/又は表面窒化物層を有し、若しくは基材素材に前記酸化物、前記硫化物及び/又は前記窒化物を含有するものであることを特徴とする請求項2に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記表面酸化物層が、シリカ膜、アルミナ膜、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、及び硫化亜鉛−シリカ膜から選ばれる少なくとも何れかであり、前記表面硫化物層が硫化ケイ素膜、硫化アルミニウム膜、硫化チタン膜、硫化ジルコニウム膜、及び硫化亜鉛膜から選ばれる少なくとも何れかであり、前記表面窒化物層が、窒化ケイ素膜、窒化アルミニウム膜、窒化チタン膜、窒化ジルコニウム、及び窒化亜鉛から選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項6に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記表面酸化物層、前記表面硫化物層及び/又は前記表面窒化物層が、蒸着膜、スパッター膜、イオンプレティング膜、及び/又は化学気相沈積膜であることを特徴とする請求項6に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記シリコーンゴムが、パーオキサイド架橋型シリコーンゴム、付加架橋型シリコーンゴム、縮合架橋型シリコーンゴム、電磁波架橋型シリコーンゴム、これらの少なくとも何れかとオレフィン系ゴムとの共ブレンド物であることを特徴とする請求項2に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記非ガラス素材が、金属、高分子樹脂、架橋ゴム、セラミックスであることを特徴とする請求項2に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記スイッチキーの表面と、前記ベースシートの前記スイッチキーに向いた表面とが、コロナ放電処理表面、プラズマ処理表面、紫外線処理表面、及び/又はエキシマ処理表面であることを特徴とする請求項2に記載のコンタクトスイッチ。
- 前記ベースシートと、前記非ガラス素材と同種素材又は異種素材で形成された前記ドーム体とが、前記酸化物、前記硫化物及び/又は前記窒化物の表面の反応性官能基と前記ドーム体の表面の反応性官能基との直接的な結合によって、接合されていることを特徴とする請求項2に記載のコンタクトスイッチ。
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Cited By (2)
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WO2022195842A1 (ja) * | 2021-03-19 | 2022-09-22 | InstaChord株式会社 | 操作入力装置、及び、電子楽器 |
WO2024001736A1 (zh) * | 2022-06-28 | 2024-01-04 | 华为技术有限公司 | 一种电子设备的键盘及电子设备 |
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2016
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