JP2017126244A - 感染症情報提示装置及び感染症情報提示方法 - Google Patents

感染症情報提示装置及び感染症情報提示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 帰国者または入国者が罹患している可能性のある感染症の情報をユーザが効率よく確認できるように提示することが可能な感染症情報提示装置及び感染症情報提示方法を提供する。【解決手段】 電子カルテシステム1のサーバ30(感染症情報提示装置)は、患者の渡航歴を例えばクライアント端末20a、20bから取得し、感染症情報データベース11を検索して、渡航先の各国で発生した感染症について少なくとも潜伏期間及び有病期間の情報を取得する。サーバ30は、潜伏期間及び有病期間の情報と患者の渡航歴とに基づいて感染症に感染した可能性の度合いを示す罹患度を算出し、クライアント端末20a、20bに送信する。これにより、ユーザ(医師等)は患者が罹患している可能性が高い感染症についての罹患度を効率よく確認できる。よってユーザが重要な感染症情報を見落すリスクを低減できる。【選択図】図1

Description

本発明は、感染症情報提示装置及び感染症情報提示方法に関し、詳細には感染症の診断を支援する技術に関する。
医療施設に来院した患者に渡航歴がある場合、渡航先での感染症についても考慮されて診断が行われる。しかし、外国で発生した感染症については国内での症例が少なく、医師等が症状から病名や対処法を突き止めるまでに時間がかかるおそれがあった。そこで、例えば特許文献1には、患者の外国での生活履歴の情報を取得し、外国で発症する可能性のある病気の情報を保存したデータベースから生活履歴の情報をもとに病気の名称、症状、及び対処法等を検索し、表示する医用診断支援システム等が開示されている。
特開2010−250690号公報
しかしながら、上述の特許文献1の医用診断支援システムは、患者が生活した外国の病気情報を、例えば国別に表示するものであった。そのため、帰国して時間が経過し感染の可能性がなくなった病気についても詳しい情報が表示されるため情報量が多く、必要な情報へのアクセスに時間を要し、非効率であった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、外国から帰国または入国した患者が罹患している可能性のある感染症を効率よく確認できるように提示する感染症情報提示装置及び感染症情報提示方法を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、患者の渡航歴を取得する渡航歴取得部と、渡航先の各国で発生した感染症について少なくとも潜伏期間及び有病期間の情報を取得する情報取得部と、前記潜伏期間及び有病期間の情報と前記渡航歴とに基づいて前記感染症に感染した可能性の度合いを示す罹患度を算出する算出部と、算出した罹患度の情報を出力する情報出力部と、を備えることを特徴とする感染症情報提示装置である。
第2の発明は、コンピュータが、患者の渡航歴を取得するステップと、渡航先の各国で発生した感染症について少なくとも潜伏期間及び有病期間の情報を取得するステップと、前記潜伏期間及び有病期間の情報と前記渡航歴とに基づいて前記感染症に感染した可能性の度合いを示す罹患度を算出するステップと、算出した罹患度の情報を出力するステップと、を含む処理を行うことを特徴とする感染症情報提示方法である。
本発明により、外国から帰国または入国した患者が罹患している可能性のある感染症を効率よく確認できるように提示する感染症情報提示装置及び感染症情報提示方法を提供できる。
本発明に係る感染症情報提示装置を適用した電子カルテシステム1のシステム構成図 サーバ30(感染症情報提示装置)の内部構成を示す図 クライアント端末20a、20bの内部構成図 感染症情報管理装置10の内部構成図 感染症情報データベース11に記憶される感染症情報の例 感染症情報提示処理全体の流れを示すシーケンス図 渡航国名リスト51の一例 感染症名リスト53の一例 第1の実施の形態の感染症情報提示処理において表示される罹患度リスト54の一例 図6のステップS108の罹患度算出処理の流れを説明するフローチャート 各渡航国への入国日及び出国日が反映された渡航国名リスト55の一例 罹患度の算出例 罹患度調整処理の流れを説明するフローチャート 第2の実施の形態の罹患度算出処理の流れを説明するフローチャート 図14の罹患度算出処理による罹患度算出例 第3の実施の形態の罹患度算出処理の流れを説明するフローチャート 図16の罹患度算出処理による罹患度算出例 第4の実施の形態の感染症情報提示処理において利用される問診項目リスト61の例 第4の実施の形態の感染症情報提示処理において利用される症状データテーブル62の例 第4の実施の形態の感染症情報提示処理の流れを示すシーケンス図 第4の実施の形態の感染症情報提示処理において表示される感染症罹患度・類似度リスト65の例 感染症類似度算出処理の流れを説明するフローチャート 問診値と感染症症状値との比較結果によって各問診項目に付与されたスコアのリスト63を示す図 第5の実施の形態において表示される感染症情報64の例 第6の実施の形態において表示される感染症情報66の例 第7の実施の形態において感染症情報データベース11に記憶される感染症情報57の例 第7の実施の形態における感染可能度算出処理の流れを説明するフローチャート 第7の実施の形態における感染症情報表示画面7の一例
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態として、本発明に係る感染症情報提示装置を適用した電子カルテシステム1について説明する。電子カルテシステム1は、病院内のLAN(ローカルエリアネットワーク)41に接続されるサーバ30と、複数のクライアント端末20a、20b、…を備えて構成される。図1は、本発明に係る感染症情報提示装置の機能を電子カルテシステム1のサーバ30が有するものとする。
サーバ30(感染症情報提示装置)は、患者情報データベース(DB)31を有する。患者情報DB31は、患者IDを検索項目として、患者名、性別、年齢などの患者情報と、疾病名などの診断情報を含むデータを検索可能なデータベースである。また、サーバ30は電子カルテシステム1のサーバとしての機能の他、感染症情報提示装置としても機能するコンピュータである。
サーバ30(感染症情報提示装置)の内部構成を図2に示す。サーバ30として利用されるコンピュータは、制御部301、記憶部302、メディア入出力部303、周辺機器I/F部304、入力部305、表示部306、通信I/F307等が、バス309を介して接続される。但し、図2は一般的な例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
制御部301は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは、記憶部302、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス309を介して接続された各装置を駆動制御する。ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部302、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部301が各種処理を行うために使用するワークメモリ領域を備える。
記憶部302は、例えばHDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部301が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ等が格納される。プログラムに関しては、OSに相当する制御プログラムや、後述の各処理に相当する各アプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部301により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
メディア入出力部303は、例えば、光ディスク、磁気ディスク等の各種記録メディアを駆動するドライブ装置等であり、記録メディア(記録媒体)へのデータの書き込み及び読み出しを行う。
周辺機器I/F部304は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートである。
入力部305はデータの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有し、入力された信号を制御部301へ通知する。
表示部306は、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有し、制御部301から送出された表示情報をディスプレイ装置に表示する。
通信I/F(インタフェース)307は、通信制御装置、通信ポート等を有し、LAN41やネットワーク40との通信を媒介する通信インタフェースである。
バス309は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
クライアント端末20a、20bは診察室、受付等にそれぞれ設置されるコンピュータ等から構成される。図3はクライアント端末20a、20bとして利用されるコンピュータの内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、クライアント端末20a、20bとして利用されるコンピュータは、制御部201、記憶部202、メディア入出力部203、周辺機器I/F部204、入力部205、表示部206、通信I/F207等が、バス209を介して接続される。また、周辺機器I/F部204に、パスポート情報読取装置208が接続されるようにしてもよい。但し、図3の例は一般的な例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
パスポート情報読取装置208は、パスポートに記録された情報であるパスポート情報を例えば画像認識処理によって読み取り、制御部201へ入力する。患者が持参したパスポートをパスポート情報読取装置208にかざすと、パスポート情報読取装置208はパスポートの記録を読み取り、制御部201に入力する。診察室に設置されたクライアント端末20aはユーザー(医師)によって操作可能な端末である。診察室に設置されたクライアント端末20aは、受付に設置されたクライアント端末20bが取得したパスポート情報等を病院内のLAN41及びサーバ30を介して取り込むことが可能である。
電子カルテシステム1はLAN41及びルータ(図示省略)を介してインターネットなどの公衆回線を含むネットワーク40に接続する。また、電子カルテシステム1は、ネットワーク40とルータ(図示省略)を介して、感染症情報管理装置10に接続できる。
感染症情報管理装置10は、感染症情報を管理する例えばWebサイト等のサーバ装置である。感染症情報管理装置10は、所定の機関が収集した外国での感染症情報を集約し、感染症情報データベース(DB)11に記憶する。
感染症情報管理装置10として利用されるコンピュータは、図4に示すように、制御部101、記憶部102、メディア入出力部103、周辺機器I/F部104、入力部105、表示部106、通信I/F107等が、バス109を介して接続される。但し、図4の例は一般的な例であり、用途、目的に応じて様々な構成をとることが可能である。
感染症情報DB11は、図5に示すように、感染症の名称(感染症名)、国名、感染症に感染してから発症するまでの潜伏期間、感染症を発症してから完治・回復するまでの有病期間、症状、治療情報、感染症の流行期間等の他、感染症に関する各種の情報(以下、感染症情報という)を記憶するデータベースである。
医療施設のサーバ30及びクライアント端末20a、20bは、ネットワーク40を介して感染症情報管理装置10にアクセスし、感染症情報DB11に記憶されている感染症情報を検索することができる。また必要に応じて、感染症情報管理装置10へのアクセス権限を設け、予め申請のあった医療施設等に限定して情報を提示する等、機密漏洩の防止を図ることが望ましい。
なお、感染症情報管理装置10を医療施設内に設置しネットワーク40を介さずに病院内のLAN41に接続してもよい。また感染症情報DB11はサーバ30の記憶部302に記憶する構成としてもよい。
次に、図6を参照して感染症情報提示処理全体の流れについて説明する。なお、図6に示す処理の流れは、第1〜第3の実施の形態において共通とする。
外国人や渡航先から帰国した患者が、電子カルテシステム1が設置された医療施設に来院すると、例えば受付の病院スタッフは患者の渡航歴情報をクライアント端末20bに入力する(ステップS101)。渡航歴は、例えば口頭もしくは調査票等により患者に問い合わせればよい。病院スタッフは受付のクライアント端末20bに、問合せにより得た回答の内容(渡航歴情報)を入力する。
また、渡航歴はパスポート情報読取装置208によりパスポートから読み取った情報から抽出して取得するようにしてもよい。
ステップS101で入力する渡航歴の情報は、外国人の患者の場合は、どの国にいつの時点まで居住していたかを示す入出国の履歴情報(渡航国名、渡航国への入国日及び出国日等)である。また、居住している国から渡航先を経由して入国した外国人の患者の場合、入力する渡航歴の情報は、居住している国及び渡航先の国と各国での滞在期間を示す入出国の履歴情報である。帰国した患者の場合、渡航先の国と渡航先での滞在期間を示す入出国の履歴情報である。なお、外国とは当該電子カルテシステム1のサーバ30が設置される医療施設が属する国以外の国とする。
例えば、邦人が渡航して帰国した場合は、クライアント端末20bは、患者から渡航先の国名と、滞在期間(その国への入国年月日と出国年月日)を聞き取り、クライアント端末20aに入力する。
入力された渡航歴情報は、患者の識別情報(以下、患者IDと呼ぶ)とともにクライアント端末20aからサーバ30へ通知される。サーバ30は患者の渡航歴情報を患者IDと紐づけて記憶部302に保持する。
医師等が診察室にて患者の診察を行う際、診察室に設置されたクライアント端末20aが操作される。クライアント端末20aは医師等の操作に従って、サーバ30に対して患者の患者IDと、感染症に関する情報を取得するための要求(感染症情報取得要求)を送信する(ステップS102)。
サーバ30は、クライアント端末20aが送信した感染症情報取得要求を受信すると、ステップS101で取得した渡航歴情報に基づいて渡航国名リスト51を作成する(ステップS103)。渡航国名リスト51は、図7に示すように渡航先の国名のリストである。
次に、サーバ30は感染症情報管理装置10にアクセスし、ステップS103で作成した渡航国名リスト51と当該渡航国名リスト51に含まれる国で発生した感染症に関する情報を取得するための要求(感染症情報取得要求)を感染症情報管理装置10に送信する(ステップS104)。感染症情報管理装置10は、渡航国名リスト51及び感染症情報取得要求を受信すると、渡航国名リスト51に含まれる国名をキーとして感染症に関する情報を感染症情報DB11から検索する(ステップS105)。検索の結果に基づき、感染症情報管理装置10は渡航国毎の感染症名リスト53を作成する。感染症名リスト53の例を図8に示す。図8の例では患者の渡航先であるインドで発生した感染症名として「デング熱」と「マラリア」等が含まれている。
また感染症情報管理装置10は、ステップS105で作成された感染症名リスト53に含まれる感染症に関する情報(感染症情報)として、少なくとも潜伏期間及び有病期間の情報を感染症情報DB11から取得し、感染症名リスト53とともに要求元のサーバ30へ送信する(ステップS106)。サーバ30は、感染症情報管理装置10から送信された情報(感染症名リスト53、感染症情報、潜伏期間、有病期間)を受信する(ステップS107)。
次に、サーバ30は患者が感染症に罹患した可能性の度合いを示す感染症罹患度(以下、罹患度という)を算出する(ステップS108)。罹患度は、患者が渡航した国毎に、各感染症の潜伏期間と有病期間との和と、渡航歴の出国日時から現在までの期間とを比較することにより算出される。罹患度算出処理の詳細は後述する(図10参照)。
サーバ30は、ステップS102でクライアント端末20aから送信された感染症情報取得要求に対する応答として、ステップS107で受信した感染症情報及びステップS108で算出した罹患度を要求元のクライアント端末20aに送信する(ステップS109)。クライアント端末20aはサーバ30から罹患度及び感染症情報を受信すると、受信した感染症情報と罹患度を表示する。例えば、図9に示すような罹患度リスト54が要求元のクライアント端末20aにて表示される。
図9の罹患度リスト54では、感染症名、国名、罹患度が表示される。罹患度は例えば「高」、「中」、「低」のような複数段階のレベルで表示される。図9の例の場合、「デング熱」は国名「インド」、罹患度「高」のように表示され、「マラリア」については国名「インド」、罹患度「高」のように表示される。これにより、医師等は簡単に、患者が罹患している可能性のある感染症の名称や国名、罹患度を確認できる。
なお、感染症情報及び罹患度の表示は、罹患度が高いものから順に並べ替えられて表示されることが望ましい。また、該当国への入出国と現在の日付から罹患の可能性がない感染症については、表示が省略されることが望ましい。このような表示とすることで、必要な情報へのアクセスをより効率的に行えるようになる。
次に、図10を参照してサーバ30が実行する罹患度算出処理(図6のステップS108)について説明する。
図10のフローチャートに示すように、罹患度算出処理において、サーバ30はステップS103で作成した渡航国名リスト51を取得する(ステップS201)。また、ステップS101で入力された渡航歴情報に基づいて各渡航先の入国日及び出国日を取得する(ステップS202)。ステップS201〜ステップS202の処理により図11に示すような各渡航国についての入国日及び出国日の情報を含む渡航国名リスト55が作成され、サーバ30のRAMまたは記憶部302に保持される。
サーバ30は、ステップS202で作成した渡航国名リスト55のm番目の渡航国について(初回はm=1、2回目以降はm=m+1)、感染症名リスト53を取得する(ステップS203)。各渡航国の感染症名リスト53は、図6のステップS107において感染症情報管理装置10からサーバ30へ送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。
次にサーバ30はステップS203で取得した感染症名リスト53のn番目の感染症について(初回はn=1、2回目以降はn=n+1)、潜伏期間及び有病期間を取得する(ステップS204)。潜伏期間及び有病期間は図6のステップS107において感染症情報管理装置10から送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。
サーバ30は、潜伏期間と有病期間の和(T1)と、現在日時とm番目の渡航先の出国日時との差(T2)とを比較する(ステップS205)。現在日時とは、罹患度算出処理を実行している日(演算実行日)である。なお、現在日時に代えて、ユーザが指定した日付としてもよい。その場合は、現在の罹患度ではなく指定日付における罹患度が算出される。
ステップS205の比較において、
T1(潜伏期間+有病期間)≧T2(現在日時−出国日時)の場合(ステップS205;Yes)、罹患度を「高」とする(ステップS206)。
T1(潜伏期間+有病期間)<T2(現在日時−出国日時)の場合(ステップS205;No)、罹患度を「低」とする(ステップS207)。
ステップS206〜ステップS207で算出された罹患度はRAMに保持される。
次に、サーバ30は感染症名リスト53に含まれる全ての感染症についてステップS205の判定を行ったか否かを判定し、判定を行っていない感染症がある場合は(ステップS208;No)、ステップS204へ戻り、次の感染症(n=n+1)についてステップS204〜ステップS207の処理を繰り返す。
感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について罹患度の算出が終了した場合は(ステップS208;Yes)、ステップS209へ進む。ステップS209では、サーバ30は渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について罹患度の算出を行ったか否かを判定し、罹患度の算出を行っていない渡航国がある場合は(ステップS209;No)、ステップS203へ戻り、次の渡航国(m=m+1)についてステップS203〜ステップS208の処理を繰り返す。
渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての感染症について罹患度の算出が終了した場合は(ステップS209;Yes)、罹患度算出処理を終了する。
上述の罹患度算出処理の具体例を、図12を参照して説明する。
ある患者が日本を出国し、韓国、インドに順番に滞在後、日本に帰国したとする。また、韓国では感染症「MERS(中東呼吸器症候群)」が流行し、インドでは感染症「デング熱」が流行しているものとする。
図12の下段に示すように、感染症「MERS」の潜伏期間と有病期間の和T1(MERS)と、患者が韓国から出国してから現在までの期間T2(韓国)とを比較すると、T2(韓国)の方が長い。したがって感染症「MERS」の罹患度は「低」と算出される。
一方、図12の上段に示すように、感染症「デング熱」の潜伏期間と有病期間の和T1(デング熱)と、患者がインドから出国して現在の期間T2(インド)とを比較すると、T2(インド)の方が小さい。したがって、感染症「デング熱」の罹患度は「高」と判定される。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態では、帰国者または入国者である患者が罹患している可能性のある感染症の潜伏期間と有病期間とについて罹患度を算出し、一覧表示する。これにより、ユーザ(医師等)は罹患している可能性が高い感染症に関する情報(感染症情報)を効率よく確認できる。よってユーザ(医師等)が重要な感染症情報を見落すリスクを低減できる。
なお、必要な情報へのアクセスをより簡素にするために、渡航先での滞在中に感染症が流行していない場合には、算出した罹患度を下げるようにしてもよい。すなわち、流行期間(流行開始日及び流行終了日)の情報を感染症情報管理装置10から取得可能し、図10のステップS206またはステップS207の後に、図13に示す罹患度調整処理を追加してもよい。罹患度調整処理について図13を参照して説明する。
罹患度調整処理において、サーバ30はステップS206またはステップS207で算出した各感染症の罹患度を取得する(ステップS301)。またサーバ30は、感染症情報管理装置10に対し、各感染症の流行期間の検索要求を送信し、流行期間を取得する(ステップS302)。ステップS301で取得した罹患度が「高」でない場合(ステップS303;No)、罹患度の調整を行わずそのまま処理を終了する。ステップS301で取得した罹患度が「高」の場合(ステップS303;Yes)、入国日と感染症情報の流行終了日とを比較し、入国日の方が大きい(入国日の方が後の)場合は(ステップS304;Yes)、感染症の流行が終了した後の入国であるので罹患度を「低」に更新する(ステップS306)。また、入国日と感染症情報の流行終了日とを比較し、入国日の方が小さい(入国日の方が前の)場合は(ステップS304;No)、更に出国日と感染症情報の流行開始日とを比較する(ステップS305)。流行開始日の方が出国日より大きい(後の)場合は(ステップS305;Yes)、感染症が流行する前に出国したので、罹患度を「低」に更新する(ステップS306)。流行開始日が出国日より前の場合は(ステップS305;No)、図10の罹患度算出処理で算出した罹患度をそのまま変更しないものとする。
図13の罹患度調整処理により、罹患度が「高」と判定された感染症のうち、流行期間中の滞在でない場合は罹患度を下げるよう調整することが可能となる。これにより、より正確に罹患度を算出できるため医師等は確認すべき情報を選択しやすくなる。
[第2の実施の形態]
次に、図14〜図15を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
感染症の潜伏期間や有病期間等は一般に「x日間からy日間」のように幅のある期間で記録されている。また、調査機関や調査した時期等によって数値が異なることもある。そこで、第2の実施の形態では、サーバ30は感染症情報管理装置10(図1)の感染症情報DB11にて、感染症に対する潜伏期間及び有病期間の統計的データを検索可能とする。潜伏期間及び有病期間の統計的データとは、例えば潜伏期間の最大値、最小値、平均値、有病期間の最大値、最小値、平均値等である。
第2の実施の形態における感染症情報提示処理の流れは、図6(第1の実施の形態)と同様である。ただし、図6のステップS106の感染症情報管理装置10からサーバ30への情報送信ステップにおいて、感染症情報管理装置10は感染症情報DB11から感染症の潜伏期間及び有病期間の統計的データ(最大値、最小値、平均値)を検索し、感染症名リスト、感染症情報とともに潜伏期間及び有病期間の統計的データ(最大値、最小値、平均値)を送信する。サーバ30は、ステップS107において、渡航国名リスト51に含まれる各渡航国の感染症名リスト、感染症情報とともに潜伏期間及び有病期間の統計的データ(最大値、最小値、平均値)を受信する。
また、図10のステップS108の罹患度算出処理において、第2の実施の形態の感染症情報提示装置(サーバ30)は、図14に示す罹患度算出処理(2)を実行する。
以下、サーバ30が実行する罹患度算出処理(2)(図6のステップS108の別の例)について説明する。
図14のフローチャートに示すように、サーバ30はステップS103で作成した渡航国名リスト51を取得する(ステップS401)。また各渡航先の入国日、出国日を取得する(ステップS402)。ステップS401〜ステップS402の処理により図11に示すような各渡航国についての入国日及び出国日の情報を含む渡航国名リスト55が作成され、サーバ30のRAMまたは記憶部302に保持される。
サーバ30は、ステップS402で作成した渡航国名リスト55のm番目の渡航国について(初回はm=1、2回目以降はm=m+1)、感染症名リスト53を取得する(ステップS403)。各渡航国の感染症名リスト53は、図6のステップS107において感染症情報管理装置10から送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。
次にサーバ30はステップS403で取得した感染症名リスト53のn番目の感染症について(初回はn=1、2回目以降はn=n+1)、潜伏期間及び有病期間を取得する(ステップS404)。第2の実施の形態では、潜伏期間及び有病期間として、上述したように統計的データ(最大値、最小値、平均値)を取得する。
次にサーバ30は、潜伏期間及び有病期間の平均値の和(T1_avg=潜伏期間(平均値)+有病期間(平均値))を算出する(ステップS405)。
またサーバ30は、潜伏期間及び有病期間の最大値の和(T1_max=潜伏期間(最大値)+有病期間(最大値))を算出する(ステップS406)。
またサーバ30は、潜伏期間及び有病期間の平均値の和(T1_min=潜伏期間(最小値)+有病期間(最小値))を算出する(ステップS407)。
またサーバ30は、現在日時とm番目の渡航先の出国日との差(T2=現在日時−出国日時)を算出する(ステップS408)。現在日時は、当該罹患度算出処理を実行している日(演算実行日)である。なお、現在日時に代えてユーザが指定した日付としてもよい。その場合は、現在の罹患度ではなく指定日付における罹患度が算出される。
次にサーバ30は、潜伏期間と有病期間の和(T1_avg、T1_max、T1_min)と現在日時とm番目の渡航国の出国日時との差(T2)とを比較する。
T1_min(潜伏期間(最小値)+有病期間(最小値))≧T2(現在日時−出国日時)の場合(ステップS409;Yes)、罹患度を「高高」とする(ステップS410)。
T1_avg(潜伏期間(平均値)+有病期間(平均値))≧T2(現在日時−出国日時)の場合(ステップS411;Yes)、罹患度を「高」とする(ステップS412)。
T1_max(潜伏期間(最大値)+有病期間(最大値))≧T2(現在日時−出国日時)の場合(ステップS413;Yes)、罹患度を「中」とする(ステップS414)。
T1_min<T2、かつ、T1_avg<T2、かつ、T1_max<T2の場合は(ステップS409;No→ステップS411;No→ステップS413;No)、罹患度を「低」とする(ステップS415)。ステップS409〜ステップS415で算出された罹患度はRAMに保持される。
次に、サーバ30は感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について罹患度算出を行ったか否かを判定し、罹患度を算出していない感染症がある場合は(ステップS416;No)、ステップS404へ戻り、次の感染症(n=n+1)についてステップS404〜ステップS415の処理を繰り返す。
感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について罹患度の算出が行われると(ステップS416;Yes)、ステップS417へ進む。ステップS417では、サーバ30は渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について罹患度の算出を行ったか否かを判定し、罹患度の算出を行っていない渡航国がある場合は(ステップS417;No)、ステップS403へ戻り、次の渡航国(m=m+1)についてステップS403〜ステップS416の処理を繰り返す。
渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について罹患度の算出が終了した場合は(ステップS417;Yes)、罹患度算出処理(2)を終了する。
上述の罹患度算出処理(2)の具体例を、図15を参照して説明する。
ある患者が日本を出国し、韓国に滞在後、日本に帰国したとする。また、韓国では感染症「MERS」が流行しているものとする。図15に示すように、感染症「MERS」の潜伏期間と有病期間が例えば「3日〜5日」のように幅のある期間で感染症情報DB11に記憶されている場合、潜伏期間と有病期間の最大値の和T1_max、平均値の和T1_avg、最小値の和T1_minを求める。図15の例の場合、潜伏期間(最大値)と有病期間(最大値)の和(T1_max)と、患者が韓国から出国して日本に帰国してから現在日時までの期間T2とを比較すると、T1_avgより大きく、T2_maxより小さい。したがって罹患度は「中」と算出される。
以上説明したように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して罹患度をより詳細に算出できる。
なお、感染症の流行期間(流行開始日及び流行終了日)を感染症情報管理装置10から取得可能な場合は、ステップS410、ステップS412、ステップS414、またはステップS415の後に、図13に示す罹患度調整処理を追加して流行期間に基づいて罹患度を変更してもよい。罹患度調整処理では、サーバ30は罹患度が「高高」、「高」、「中」である感染症に対して、その感染症に該当する国への入国日と感染症の流行期間(流行終了日)、または出国日と感染症の流行期間(流行開始日)を比較する。流行期間外に該当国に滞在した場合は、罹患度を「低」に変更する。
[第3の実施の形態]
次に、図16〜図17を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、サーバ30は感染症情報管理装置10(図1)の感染症情報DB11から感染症に対する潜伏期間及び有病期間の統計的データを検索可能とする。潜伏期間及び有病期間の統計的データとは、第3の実施の形態では、潜伏期間の平均値及び分散値、有病期間の平均値及び分散値等である。
第3の実施の形態における感染症情報提示処理の流れは、図6(第1の実施の形態)と同様である。ただし、図6のステップS106の感染症情報管理装置10からサーバ30への情報送信ステップにおいて、感染症情報管理装置10は感染症情報DB11から感染症の潜伏期間及び有病期間の統計的データ(平均値及び分散値)を検索し、感染症名リスト、感染症情報とともに潜伏期間及び有病期間の統計的データ(平均値及び分散値)を送信する。サーバ30は、ステップS107において、渡航国名リスト51に含まれる各渡航国の感染症名リスト、感染症情報とともに潜伏期間及び有病期間の統計的データ(平均値及び分散値)を受信する。
また、図10のステップS108の罹患度算出処理において、第2の実施の形態の感染症情報提示装置(サーバ30)は、図16に示す罹患度算出処理(3)を実行する。
以下、サーバ30が実行する罹患度算出処理(3)(図6のステップS108の別の例)について説明する。
図16のフローチャートに示すように、サーバ30はステップS103で作成した渡航国名リスト51を取得する(ステップS501)。また各渡航先の入国日、出国日を取得する(ステップS502)。ステップS501〜ステップS502の処理により図11に示すような各渡航国についての入国日及び出国日の情報を含む渡航国名リスト55が作成され、サーバ30のRAMまたは記憶部302に保持される。
サーバ30は、ステップS502で作成した渡航国名リスト55のm番目の渡航国について(初回はm=1、2回目以降はm=m+1)、感染症名リスト53を取得する(ステップS503)。各渡航国の感染症名リスト53は図6のステップS107において感染症情報管理装置10から送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。
次に、サーバ30はステップS503で取得した感染症名リスト53のn番目の感染症について(初回はn=1、2回目以降はn=n+1)、潜伏期間及び有病期間を取得する(ステップS504)。第3の実施の形態では、潜伏期間及び有病期間として、上述したように統計的データ(平均値及び分散値)を取得する。
次にサーバ30は、潜伏期間及び有病期間の平均値の和(T1_avg=潜伏期間(平均値)+有病期間(平均値))を算出する(ステップS505)。
またサーバ30は、潜伏期間(分散値)と有病期間(分散値)の和の平方根(T1_std)を算出する(ステップS506)。
またサーバ30は、現在日時とm番目の渡航先の出国日時との差(T2=現在日時−出国日時)を算出する(ステップS507)。現在日時は、当該罹患度算出処理を実行している日(演算実行日)である。なお、現在日時に代えてユーザが指定した日付としてもよい。その場合は、現在の罹患度ではなく指定日付における罹患度が算出される。
更にサーバ30は、T1に対するT2の偏差値Dを算出する(ステップS508)。偏差値Dは、次の式(1)により求められる。
Figure 2017126244
次にサーバ30は、ステップS508で算出した偏差値Dの値に応じて罹患度を決定する(ステップS509)。
偏差値Dが63以上の場合は罹患度を「低低」としてステップS515へ進む。
偏差値Dが56以上63未満の場合は罹患度を「低」としてステップS515へ進む。
偏差値Dが45以上56未満の場合は罹患度を「中」としてステップS515へ進む。
偏差値Dが38以上45未満の場合は罹患度を「高」としてステップS515へ進む。
偏差値Dが38未満の場合は罹患度を「高高」としてステップS515へ進む。
なお、ここでは感染症情報の潜伏期間と有病期間が正規分布であると仮定して偏差値Dに基づいて罹患度を5段階のレベルに分類しているが、正規分布以外にも、二項分布、ポアソン分布等の確率分布等を用いてもよい。また罹患度の分類は5段階に限定せず、より大まかに分類してもよいし、より細かく分類してもよい。また求めた偏差値Dをそのまま提示してもよい。また、潜在期間及び有病期間の統計的データや出国日時と現在日時との差等から偏差値D以外の指標を算出して提示してもよい。
次に、サーバ30は感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について罹患度算出を行ったか否かを判定し、罹患度を算出していない感染症がある場合は(ステップS515;No)、ステップS504へ戻り、次の感染症(n=n+1)についてステップS504〜ステップS514の処理を繰り返す。
感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について罹患度の算出が行われると(ステップS515;Yes)、ステップS516へ進む。ステップS516では、サーバ30は渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について罹患度の算出を行ったか否かを判定し、罹患度の算出を行っていない渡航国がある場合は(ステップS516;No)、ステップS503へ戻り、次の渡航国(m=m+1)についてステップS503〜ステップS515の処理を繰り返す。
渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について罹患度の算出が終了した場合は(ステップS516;Yes)、罹患度算出処理(3)を終了する。
上述の罹患度算出処理(3)の具体例を、図17を参照して説明する。
ある患者が日本を出国し、韓国に滞在後、日本に帰国したとする。また、韓国では感染症「MERS」が流行しているものとする。図17に示すように患者が韓国から出国して日本に帰国してから現在の期間T2と、潜伏期間の平均値、分散値、有病期間の平均値、分散値から求めた偏差値Dが56以上63未満の場合、罹患度は「低」と判定される。
以上説明したように、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して罹患度をより詳細に算出できる。
なお、感染症の流行期間(流行開始日及び流行終了日)を感染症情報管理装置10から取得可能な場合は、ステップS510〜ステップS514の後に、図13に示す罹患度調整処理を追加して流行期間に基づいて罹患度を変更してもよい。罹患度調整処理では、サーバ30は罹患度が「高高」、「高」、「中」である感染症に対して、その感染症に該当する国への入国日と感染症情報の流行期間(流行終了日)または渡航歴情報の出国日と感染症情報の流行期間(流行開始日)を比較する。流行期間外に該当国に滞在した場合は、罹患度を「低」に変更してもよい。
[第4の実施の形態]
次に、図18〜図23を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態では、図1に示す電子カルテシステム1において、サーバ30は患者への問診の回答に基づいて感染症の症状に類似するか否かを示す類似度を算出する。
図18は問診項目リスト61の一例である。問診項目リスト61には、例えば、体温、頭痛、目窩痛、関節痛、筋肉痛、発疹等のいくつかの問診項目が含まれる。各問診項目のキーワード(以下、問診値という。)に対する回答が、クライアント端末20a、20bにおいて、体温「40度」、頭痛「激しい」、目窩痛「ある」、関節痛「ある」、筋肉痛「ある」、発疹「ある」のように入力される。
また、感染症情報管理装置10の感染症情報DB11は、各感染症について問診値と感染症症状値とを紐づけて格納した症状データテーブル62を記憶しているものとする。図19は症状データテーブル62の例を示す。症状データテーブル62には、問診項目リスト61に対応する各問診値について感染症に感染した場合に起こる典型的な症状である感染症症状値が定義されている。図19の例では、問診値「体温」に対する感染症症状値は「38度、39度、40度」、問診値「頭痛」に対する感染症症状値は「激しい」、問診値「目窩痛」に対する感染症症状値は「ある」、問診値「関節痛」に対する感染症症状値は「ある」、問診値「筋肉痛」に対する感染症症状値は「ある」、問診値「発疹」に対する感染症症状値は「ある」…というように、各問診値に対する感染症症状値が定義されている。症状データテーブル62は、感染症毎に作成され感染症情報DB11に記憶されているものとする。
次に図20を参照して、第4の実施の形態の感染症情報提示処理の流れについて説明する。
第4の実施の形態の感染症情報提示処理では、第1の実施の形態の感染症情報提示処理(図6)と比較して、クライアント端末20a、20bにおいて問診を行って患者の症状を入力する点(ステップS601)と、問診により得た患者の症状に基づきサーバ30が感染症類似度を算出して提示する点(ステップS610)が追加される。
図20に示すように、外国人や渡航先から帰国した患者が、電子カルテシステム1が設置された医療施設に来院すると、まず受付にて病院スタッフが問診項目リスト61に沿って問診を行い患者から回答を得る。問診項目の回答が病院スタッフによりクライアント端末20bに入力される(ステップS601)。また、病院スタッフは患者の渡航歴情報をクライアント端末20bに入力する(ステップS602)。渡航歴は、口頭もしくは調査票等により患者に問い合わせればよい。病院スタッフは、受付のクライアント端末20bに回答の内容(渡航歴情報)を入力する。
ステップS601及びステップS602でクライアント端末20a、20bから入力された問診情報や渡航歴情報は、患者の識別情報(以下、患者IDと呼ぶ)とともにサーバ30へ通知される。サーバ30は患者の問診情報や渡航歴情報を患者IDと紐づけて記憶部302に保持する。
医師等が診察室にて患者の診察を行う際、クライアント端末20aが操作される。クライアント端末20aは医師等の操作に従って、サーバ30に対して当該患者の患者IDと、感染症に関する情報を取得するための要求(感染症情報取得要求)を送信する(ステップS603)。
サーバ30は、クライアント端末20aが送信した感染症情報取得要求と問診情報、及び渡航歴情報を受信すると、受信した渡航歴情報に基づいて渡航国名リスト51を作成する(ステップS604)。渡航国名リスト51は、図7に示すように渡航先の国名のリストである。
次に、サーバ30は感染症情報管理装置10にアクセスし、ステップS604で作成した渡航国名リスト51と当該渡航国名リスト51に含まれる国で発生した感染症に関する情報を取得するための要求(感染症情報取得要求)を渡航国名リストとともに感染症情報管理装置10に送信する(ステップS605)。感染症情報管理装置10は、渡航国名リスト51と感染症情報取得要求を受信すると、渡航国名リスト51に含まれる国名をキーとして患者が罹患している可能性のある感染症を感染症情報DB11から検索する(ステップS606)。感染症情報管理装置10は、検索の結果に基づき渡航国毎の感染症名リスト53を作成する。
また、感染症情報管理装置10は、ステップS606で作成された感染症名リスト53に含まれる感染症に関する情報(感染症情報)として、少なくとも潜伏期間及び有病期間の情報を感染症情報DB11から取得し、感染症名リスト53とともに要求元のサーバ30へ送信する(ステップS607)。ここで、サーバ30へ送信される感染症情報には、感染症についての症状データテーブル62が含まれるものとする。
サーバ30は、感染症情報管理装置10から送信された情報(感染症名リスト53、感染症情報(症状データテーブル62を含む)、潜伏期間、有病期間)を受信する(ステップS608)。
次に、サーバ30は患者の渡航歴に基づき各感染症の罹患度を算出する(ステップS609)。罹患度は、第1〜第3の実施の形態のうちいずれかの手法で求めるものとする。
また、サーバ30はステップS603でクライアント端末20aから送信された問診情報とステップS608で受信した感染症情報等に基づき感染症類似度を算出する(ステップS610)。感染症類似度の算出処理の詳細については後述する。
サーバ30は、ステップS102でクライアント端末20aから送信された感染症情報取得要求に対する応答として、ステップS608で受信した感染症情報と、ステップS609で算出した罹患度と、ステップS610で算出した感染症類似度とを要求元のクライアント端末20aに送信する(ステップS611)。クライアント端末20aはサーバ30から感染症情報、罹患度、感染症類似度を受信すると、受信した感染症情報、罹患度、感染症類似度を表示する。例えば図21に示すような感染症罹患度・類似度リスト65を表示する。
罹患度や感染症類似度は、例えば「高高」、「高」、「中」、「低」、「低低」のような複数段階のレベルで求められる。図21に示す感染症罹患度・類似度リスト65には、感染症名と国名、罹患度レベル、感染症類似度レベルが表示され、例えば「デング熱」については国名「インド」、罹患度「高」、感染症類似度「高」のように表示され、「マラリア」については国名「インド」、罹患度「高」、感染症類似度「高」のように表示される。
次に、図22を参照して、サーバ30が実行する感染症類似度算出処理(図20のステップS610)について具体的に説明する。
図22に示すように、感染症類似度算出処理において、サーバ30はステップS604で作成した渡航国名リスト51を取得する(ステップS701)。また、渡航歴情報から各渡航国の入国日、出国日を取得する(ステップS702)。ステップS701〜ステップS702の処理により図11に示すような各渡航国についての入国日及び出国日の情報を含む渡航国名リスト55が作成され、サーバ30のRAMまたは記憶部302に保持される。
サーバ30は、ステップS702で作成した渡航国名リスト55のm番目の渡航国について(初回はm=1、2回目以降はm=m+1)、感染症名リスト53を取得する(ステップS703)。各渡航国の感染症名リスト53は図20のステップS607において感染症情報管理装置10からサーバ30へ送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。
次にサーバ30はステップS703で取得した感染症名リスト53のn番目の感染症について(初回はn=1、2回目以降はn=n+1)、症状データテーブル62と問診情報とを比較する(ステップS704)。症状データテーブル62は、図20のステップS607において感染症情報管理装置10からサーバ30に送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。問診情報は図20のステップS603においてクライアント端末20aから送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。
サーバ30は、問診項目リスト61のk番目の問診項目(初回はk=0、2回目以降はk=k+1)の問診値が症状データテーブル62の感染症症状値と一致するか否かを判定する(ステップS705)。例えば、図23の表63に示すように、問診項目リスト61の各項目の問診値(回答)が症状データテーブル62の感染症症状値とそれぞれ比較される。図23の問診値はステップS603でクライアント端末20aから取得した問診情報の回答の値であり、感染症症状値はステップS608で感染症情報管理装置10から取得した症状データテーブル62の感染症症状値である。
図23において、1番目の問診項目の問診値「体温」に対する回答値は「40度」であり、感染症症状値は「38度、39度、40度」である。回答値の「40度」は感染症症状値の「38度、39度、40度」に該当する(ステップS705;Yes)。この場合、サーバ30は類似度スコア「1」を加算する(ステップS706)。同様に、サーバ30は他の問診項目(頭痛、目窩痛、関節痛、筋肉痛、発疹、…)についても回答値と感染症症状値とを比較し、一致した場合に類似度スコアとして「1」を加算する。このように、問診値と感染症症状値とが一致した場合に(ステップS705;Yes)、類似度スコアを加算する。全ての問診項目についてステップS705の判定とステップS706の類似度スコアの付与を繰り返すことにより感染症類似度が算出される(ステップS707→ステップS705、ステップS706)。
次に、サーバ30は感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について感染症類似度の算出(ステップS705〜ステップS707)を行ったか否かを判定し、判定を行っていない感染症がある場合は(ステップS708;No)、ステップS704へ戻り、次の感染症(n=n+1)についてステップS704〜ステップS707の処理を繰り返す。
感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について感染症類似度の算出を行った場合は(ステップS708;Yes)、ステップS709へ進む。ステップS709では、サーバ30は渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について感染症類似度の算出を行ったか否かを判定し、感染症類似度の算出を行っていない感染症がある場合は(ステップS709;No)、ステップS703へ戻り、次の渡航国(m=m+1)についてステップS703〜ステップS708の処理を繰り返す。
渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について感染症類似度の算出が終了した場合は(ステップS709;Yes)、感染症類似度算出処理を終了する。
なお、感染症類似度算出処理において、図23の例では各問診項目について等しくスコア「1」を加算しているが、診断における重要度等を加味して問診項目毎に重み付けを行い、各問診項目で異なるスコアを付与するようにしてもよい。
以上説明したように、第4の実施の形態の感染症情報提示装置(サーバ30)によれば、罹患度に加え、感染症類似度を算出し提示できる。これにより、ユーザ(医師等)は簡単な問診の結果から、感染症の症状との類似度を知ることができ、その結果により迅速な対応を支援することも可能となる。
[第5の実施の形態]
次に、図24を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態では、感染症情報管理装置10(図1)の感染症情報DB11にて、感染症に対する感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の感染症の危険性に関する情報を取得可能とする。
ここで感染症類型とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する措置を定めた「感染症予防法」により定義される感染症の分類である。例えば「ペスト」は、感染力や罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点から、危険性が極めて高い感染症であり、「一類感染症」に分類される。感染力(感染率)は、例えば渡航先への渡航者が対象の感染症に感染する確率である。感染力(感染率)の値は対象の渡航先を訪れる全渡航者数を感染した渡航者の数で除算する等の方法で求めることができる。重篤度(致死率)は、例えば対象の感染症について、ある期間の患者数をある期間の対象の感染症の死亡者数で除算する等の方法で求めることができる。
第1〜第3の実施の形態の感染症情報提示処理(図6)において、感染症情報管理装置10は、感染症情報として感染症に対する感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の感染症の危険性に関する情報も感染症情報DB11から検索して取得し、サーバ30へ送信する(ステップS106)。サーバ30は、感染症情報管理装置10から送信された情報を受信する(ステップS107)。また、サーバ30は、感染症情報として感染症に対する感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の感染症の危険性に関する情報を感染症の罹患度とともにクライアント端末20aに送信する(ステップS109)。クライアント端末20aは感染症情報を表示するための応答として、サーバ30から感染症に対する感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の感染症の危険性に関する情報を感染症の罹患度とともに受信し(ステップS110)、受信した情報を図24に示すように一覧表示する(ステップS111)。
また、第4の実施の形態の感染症情報提示処理の流れ(図20)においても同様に、感染症情報管理装置10は、感染症情報として感染症に対する感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の感染症の危険性に関する情報も感染症情報DB11から検索して取得し、サーバ30へ送信する(ステップS607)。サーバ30は、感染症情報管理装置10から送信された情報を受信する(ステップS608)。サーバ30は、感染症情報として感染症に対する感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の感染症の危険性に関する情報を感染症の罹患度及び感染症類似度とともにクライアント端末20aに送信する(ステップS611)。クライアント端末20aは感染症情報を表示するための応答として、サーバ30から感染症に対する感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の感染症の危険性に関する情報を感染症の罹患度とともに受信し(ステップS612)、受信した情報を図24に示すように一覧表示する(ステップS613)。
図24はクライアント端末20aにおける感染症情報64の表示例である。
感染症情報64は、各感染症について、国名、罹患度、感染症類似度、感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の情報が一覧表示される。
第5の実施の形態によれば、患者の感染症の罹患度や感染症類似度とともに、感染症の危険性に関する情報が提示されるため、ユーザは罹患度とともに症状が重篤となる恐れが高い感染症に関する情報を容易に閲覧できる。これにより迅速な対応が可能となる。
[第6の実施の形態]
次に、図25を参照して本発明の第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態では、感染症に対する感染経路、感染経路別予防策等の感染予防に関する情報を取得可能とする。
感染経路とは、感染源に感染する経路のことである。主な経路としては、手指・食品・器具等を介して感染する接触感染や、咳、くしゃみ、会話等で感染する飛沫感染、感染源が空気中に浮遊し続けることで感染する空気感染等がある。
感染経路別予防策とは、感染経路に対応した感染予防策である。具体的には手洗い・うがいの励行、手袋・マスクを使用するといった標準予防策の他、それぞれの感染経路に対応した接触予防策飛沫予防策、空気予防策等がある。
第1〜第3の実施の形態の感染症情報提示処理の流れ(図6)において、感染症情報管理装置10は、感染症情報として感染症に対する感染経路、感染経路別予防策等の感染症の予防に関する情報も感染症情報DB11から検索して取得し、サーバ30へ送信する(ステップS106)。サーバ30は、感染症情報管理装置10から送信された情報を受信する(ステップS107)。また、サーバ30は、感染症情報として感染経路、感染経路別予防策等の感染症の予防に関する情報を感染症の罹患度とともにクライアント端末20aに送信する(ステップS109)。クライアント端末20aは感染症情報を表示するための応答として、罹患度とともに感染症に対する感染経路、感染経路別予防策等の感染症の予防に関する情報をサーバ30から受信する(ステップS110)。クライアント端末20aはサーバ30から受信した感染症情報を一覧表示する(ステップS111)。
また、第4の実施の形態の感染症情報提示処理の流れ(図20)においても同様に、感染症情報管理装置10は、感染症情報として感染症に対する感染経路、感染経路別予防策等の感染症の予防に関する情報も感染症情報DB11から検索して取得し、サーバ30へ送信する(ステップS607)。サーバ30は、感染症情報管理装置10から送信された情報を受信する(ステップS608)。また、サーバ30は、感染症情報として感染症に対する感染経路、感染経路別予防策等の感染症の予防に関する情報を感染症の罹患度及び感染症類似度とともにクライアント端末20aに送信する(ステップS611)。クライアント端末20aは感染症情報を表示するための応答として感染症の罹患度及び感染症類似度とともに感染症に対する感染経路、感染経路別予防策等の感染症の予防に関する情報をサーバ30から受信する(ステップS612)。クライアント端末20aは、受信した感染症情報を図25に示すように一覧表示する(ステップS613)。
図25はクライアント端末20aにおける感染症情報66の表示例である。
各感染症について、第5の実施の形態と同様に、国名、感染症罹患度、感染症類似度、感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)等の情報に加え、更に、感染経路、感染経路別予防策等の感染症の予防に関する情報が一覧表示される。
第6の実施の形態によれば、患者の感染症の罹患度や感染症類似度とともに、感染症の予防に関する情報が提示されるため、ユーザは罹患度とともに感染症の予防に関する情報を閲覧でき、患者に迅速に提案できる。特に、院内感染等に対して迅速な予防策を講じることが可能となる。
[第7の実施の形態]
次に、図26〜図28を参照して本発明の第7の実施の形態について説明する。
第7の実施の形態では、サーバ30(感染症情報提示装置)は、感染症に感染した患者が周囲の人に感染症を感染させてしまう可能性についての指標である感染可能度を、患者の渡航歴及び各感染症の感染可能期間に基づき算出する。
ここで感染可能期間とは、感染症に感染した患者が周囲の人に感染症を感染させてしまう期間である。感染症の中には、発症していない潜伏期間においても感染者が周囲の人に感染させてしまうものがある。感染可能期間は、感染症の潜伏期間の開始とともに開始するものとして定義される。
第7の実施の形態では、図26の感染症情報57に示すように、各感染症についての感染可能期間が、例えば第1の実施の形態の感染症情報管理装置10(図1)の感染症情報DB11に潜伏期間、有病期間とともに記憶されているものとする。
第7の実施の形態では、例えば図6に示す第1の実施の形態の処理の流れにおけるステップS108(罹患度算出ステップ)の後、もしくは例えば図20に示す第4の実施の形態の処理の流れにおけるステップS610(感染症類似度算出ステップ)の後等に、感染可能度算出処理を追加する。
以下、感染可能度算出処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
感染症類似度算出処理において、サーバ30はステップS103で作成した渡航国名リスト51を取得する(ステップS801)。また、渡航歴情報から各渡航国の入国日、出国日を取得する(ステップS802)。ステップS801〜ステップS802の処理により図11に示すような各渡航国についての入国日及び出国日の情報を含む渡航国名リスト55が作成され、サーバ30のRAMまたは記憶部302に保持される。
サーバ30は、ステップS802で作成した渡航国名リスト55のm番目の渡航国について(初回はm=1、2回目以降はm=m+1)、感染症名リスト53を取得する(ステップS803)。各渡航国の感染症名リスト53は図6のステップS107において感染症情報管理装置10からサーバ30へ送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。
次に、サーバ30はステップS803で取得した感染症名リスト53のn番目の感染症について(初回はn=1、2回目以降はn=n+1)、感染可能期間を取得する(ステップS804)。感染可能期間は、図6のステップS106において感染症情報管理装置10からサーバ30に送信され、サーバ30の記憶部302に記憶されている。
サーバ30は、現在日時とm番目の渡航先の出国日時との差(T2=現在日時−出国日時)を算出する(ステップS805)。現在日時は、当該感染可能期間算出処理を実行している日であるが、現在日時に代えてユーザが指定した日付としてもよい。その場合は、現在の感染可能度ではなく指定日付における感染可能度が算出される。
次にサーバ30は、ステップS804で取得した感染可能期間とステップS805で算出した現在日時とm番目の渡航先の出国日時との差(T2=現在日時−出国日時)とを比較する(ステップS806)。
感染可能期間≧T2(現在日時−出国日時)の場合(ステップS806;Yes)、感染可能度を「高」とする(ステップS807)。
感染可能期間<T2(現在日時−出国日時)の場合(ステップS806;No)、感染可能度を「低」とする(ステップS808)。
次に、サーバ30は感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について感染可能度の算出を行ったか否かを判定し、感染可能度を算出していない感染症がある場合は(ステップS809;No)、ステップS804へ戻り、次の感染症(n=n+1)についてステップS804〜ステップS808の処理を繰り返す。
感染症名リスト53に含まれる全ての感染症について感染可能度の算出が行われると(ステップS809;Yes)、ステップS810へ進む。ステップS810では、サーバ30は渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について感染可能度の算出を行ったか否かを判定し、感染可能度の算出を行っていない感染症がある場合は(ステップS810;No)、ステップS803へ戻り、次の渡航国(m=m+1)についてステップS803〜ステップS809の処理を繰り返す。
渡航国名リスト51(55)に含まれる全ての渡航国について感染可能度の算出が終了した場合は(ステップS810;Yes)、感染可能度算出処理を終了する。
以上説明したように、第7の実施の形態では、第1〜第6の実施の形態の効果に加え、感染予防に関する情報として感染可能度を求めて提示するので、感染の恐れのある感染症に関する情報を見落すリスクを更に低減することができる。
なお、感染可能度を算出する際は、感染可能期間として、第2の実施の形態と同様に感染可能期間の最大値、最小値、平均値を用いたり、第3の実施の形態と同様に感染可能期間の平均値、分散値を用いたりして、感染可能度をより細かいれレベルに分類して算出してもよい。
また、クライアント端末20aに各感染症の罹患度等を表示する際は、罹患度、感染症類似度、感染可能度に優先順位をつけたり、診断における重要度に応じた重み付けをしてスコアを算出し、優先順位の高い順またはスコアの大きい順に並べかえて表示してもよい。優先順位の高い順またはスコアの大きい順に並べかえて表示した場合は、ユーザは患者の症状が重篤となる恐れが高い感染症に関する情報や、院内感染する恐れのある感染症、または院内感染した場合に危険性の高い感染症に関する情報を更に効率よく確認できる。
図28は感染症情報表示画面7の一例を示す図である。図28に示すように、感染症情報表示画面7には、感染症情報として、渡航歴に基づいて検索された感染症情報がリスト表示エリア71に一覧表示される。図28の例では、リスト表示エリア71に、感染症名、国名、感染症罹患度、感染症類似度、感染症類型、感染力(感染率)、重篤度(致死率)、感染経路、感染経路別予防策、感染可能度等の情報が感染症毎に表示される。なお、リスト表示エリア71における表示順序は、罹患度、感染症類似度、感染力、重篤度、感染経路、感染可能度等の複数の指標値のうち、いずれか一つの指標の値に基づいて決定されてもよいし、複数の指標値を総合してスコアを算出し、スコア順に並べ替えてもよい。また詳細情報表示エリア72には、最も順位が高い感染症またはユーザが指定した感染症についての詳細情報が表示される。
これにより患者の症状が重篤となる恐れが高い感染症に関する情報や、院内感染する恐れのある感染症及び院内感染した場合に危険性の高い感染症に関する情報を更に効率的に確認することができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上述の各実施の形態では、電子カルテシステム1のサーバ30に感染症情報提示処理の機能を搭載し、感染症情報はネットワーク40を介してアクセス可能な感染症情報管理装置10から取得するものとしたが、このようなシステム構成に限定されず、電子カルテシステム1のサーバ30が感染症情報DB11を備えるようにしてもよい。また、画面の表示内容や操作の方法等は一例であり、各種の変更例を含むものとする。その他、当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1・・・・・・・・・・・・電子カルテシステム
10・・・・・・・・・・・感染症情報管理装置
11・・・・・・・・・・・感染症情報データベース
20a,20b・・・・・・クライアント端末
30・・・・・・・・・・・感染症情報提示装置
31・・・・・・・・・・・患者情報データベース
40・・・・・・・・・・・ネットワーク
41・・・・・・・・・・・LAN
51・・・・・・・・・・・渡航国名リスト
53・・・・・・・・・・・感染症名リスト
54・・・・・・・・・・・罹患度リスト
55・・・・・・・・・・・渡航国名リスト
57・・・・・・・・・・・感染症情報
61・・・・・・・・・・・問診項目リスト
62・・・・・・・・・・・症状データテーブル
64、66・・・・・・・・感染症情報
65・・・・・・・・・・・感染症罹患度・類似度リスト
7・・・・・・・・・・・・感染症情報表示画面
71・・・・・・・・・・・リスト表示エリア
72・・・・・・・・・・・詳細情報表示エリア

Claims (12)

  1. 患者の渡航歴を取得する渡航歴取得部と、
    渡航先の各国で発生した感染症について少なくとも潜伏期間及び有病期間の情報を取得する情報取得部と、
    前記潜伏期間及び有病期間の情報と前記渡航歴とに基づいて前記感染症に感染した可能性の度合いを示す罹患度を算出する算出部と、
    算出した罹患度の情報を出力する情報出力部と、
    を備えることを特徴とする感染症情報提示装置。
  2. 前記渡航歴取得部は、操作者の操作によりデータを入力する入力装置を介して入力された渡航歴の情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の感染症情報提示装置。
  3. 前記算出部は、前記潜伏期間及び有病期間の和と、渡航国からの出国日時から現在日時または所望の日時までの期間とを比較することにより前記罹患度を算出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の感染症情報提示装置。
  4. 前記情報取得部は各感染症の流行期間の情報を更に取得し、
    前記患者が前記感染症の該当国に滞在した期間が前記流行期間であるか否かを判定する流行判定部を更に備え、
    前記算出部は、前記流行判定部による判定結果に応じて前記罹患度の値を調整することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の感染症情報提示装置。
  5. 前記潜伏期間及び有病期間は、それぞれ最大値、最小値、平均値の情報として取得され、
    前記算出部は、前記潜伏期間及び有病期間の和の最大値、最小値、及び平均値と渡航先からの出国日時から現在日時または所望の日時までの期間とをそれぞれ比較することにより前記罹患度を算出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の感染症情報提示装置。
  6. 前記算出部は、前記罹患度を偏差値として求めることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の感染症情報提示装置。
  7. 患者の問診情報を取得する問診情報取得部を備え、
    前記情報取得部は、更に各感染症の症状に関する情報を取得し、
    前記算出部は、前記問診情報と前記各感染症の症状に関する情報とに基づいて感染症類似度を更に算出し、
    前記情報出力部は、前記感染症類似度を更に出力する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の感染症情報提示装置。
  8. 前記罹患度を算出した感染症について前記感染症の重篤度または感染症の予防に関する情報を検索する検索部を更に備え、
    前記情報出力部は前記罹患度とともに検索により得た感染症の重篤度または感染症の予防に関する情報を提示することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の感染症情報提示装置。
  9. 前記情報取得部は前記渡航先の各国で発生した感染症について、人に感染させるおそれがある期間である感染可能期間の情報を更に取得し、
    前記算出部は前記感染可能期間の情報と前記渡航歴とに基づいて更に感染可能度を算出し、
    前記情報出力部は、前記感染可能度を更に出力することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の感染症情報提示装置。
  10. ネットワークを介してクライアント端末と通信接続する通信部を更に備え、
    前記算出部はクライアント端末からの要求に応じて前記罹患度を算出し、
    前記情報提示部は、算出した罹患度を前記クライアント端末に送信し、表示させることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の感染症情報提示装置。
  11. 渡航先の各国で発生した感染症について少なくとも潜伏期間及び有病期間の情報を集約して記憶するデータベースがネットワーク上の記憶領域に設けられ、
    前記情報取得部は、前記渡航先の国で発生した感染症についての情報を前記データベースを検索して取得することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の感染症情報提示装置。
  12. コンピュータが、
    患者の渡航歴を取得するステップと、
    渡航先の各国で発生した感染症について少なくとも潜伏期間及び有病期間の情報を取得するステップと、
    前記潜伏期間及び有病期間の情報と前記渡航歴とに基づいて前記感染症に感染した可能性の度合いを示す罹患度を算出するステップと、
    算出した罹患度の情報を出力するステップと、
    を含む処理を行うことを特徴とする感染症情報提示方法。

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