JP2017125804A - 浮子軌跡取得システム、及び流速測定システム - Google Patents

浮子軌跡取得システム、及び流速測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】浮子の軌跡又は流速又は移動距離あるいは水位を測定する。
【解決手段】浮子を撮影して撮影角度を示す撮影角度情報と画像データとを生成する撮像装置と、画像データ中の所定領域に浮子の画像が位置するように撮影角度を制御する撮像制御装置と、電磁波を送信し、浮子からの反射波を受信することにより、浮子との間の直線距離を測定して距離情報を生成し、送信する電磁波の方向が、撮像装置の撮影角度に合わせて変更される距離測定装置と、複数の時点において距離測定装置が生成した距離情報を受信し、前記複数の時点において撮像装置が生成した撮影角度情報を受信し、受信した距離情報と撮影角度情報とに基づき、前記複数の時点の間に浮子が移動した軌跡を示す軌跡データを取得する処理装置と、を備えるよう浮子軌跡取得システムを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば河川等の流速等を測定する技術に関するものである。
従来、河川の流速測定においては、河川に浮子を流し、その浮子が予め設定された測定区間を通過する時間を人が目視で計測し、該計測した時間と通過した距離から流速を求めることが多い。この流速測定に用いる浮子は、水面と水底の水流の両方から影響を受けて流れるよう、鉛直方向に長い棒形状としている。しかし、このような方法では、人手が多く必要であり、また安全性を確保するのに多くの配慮が必要となる。
下記の特許文献1には、水面の漂流物体、あるいは人工的に糸ないし綱を介して固定された浮きを画像として取り込み、画像処理により流速を求める技術が開示されている。しかし、河川等においては、浮きが蛇行することも多く、蛇行した場合の距離を求めることは容易ではない。特許文献1の方法では、浮きが蛇行するような場合の対応方法を提示していない。
特開平8−43419号公報
本発明の目的は、例えば河川等の流水において、浮子の軌跡や流速を精度良く測定することのできる技術を提供することにある。
上記の課題を解決するための、本発明に係る浮子軌跡取得システムの代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
水面に浮かぶ浮子を撮影し、該撮影したときの撮影角度を示す撮影角度情報と、前記浮子を含む画像データとを生成する撮像装置と、
前記画像データと前記撮影角度情報とを前記撮像装置から受信し、前記画像データ中の所定領域に前記浮子の画像が位置するように、前記撮像装置の撮影角度を制御する撮像制御装置と、
電磁波を送信し、前記浮子からの反射波を受信することにより、前記浮子との間の直線距離を測定して、該測定した直線距離を示す距離情報を生成する距離測定装置であって、送信する電磁波の方向が、前記撮像装置の撮影角度に合わせて変更される距離測定装置と、
複数の時点において前記距離測定装置が生成した前記距離情報を前記距離測定装置から受信し、前記複数の時点において前記撮像装置が生成した前記撮影角度情報を、前記撮像装置又は前記撮像制御装置から受信し、前記受信した距離情報と撮影角度情報とに基づき、前記複数の時点の間に前記浮子が移動した軌跡を示す軌跡データを取得する処理装置と、
を備えることを特徴とする浮子軌跡取得システム。
また、上記の課題を解決するための、本発明に係る流速測定システムの代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
上記の浮子軌跡取得システムを用いた流速測定システムであって、
前記処理装置は、
前記軌跡データに基づき前記軌跡の長さを算出し、該算出した軌跡の長さと前記複数の時点の間の時間とに基づき、前記浮子が浮かぶ流水の流速を算出することを特徴とする流速測定システム。
また、上記の課題を解決するための、本発明に係る変動水位測定システムの代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
水面に浮かぶ浮子を撮影し、該撮影したときの撮影角度を示す撮影角度情報と、前記浮子を含む画像データとを生成する撮像装置と、
前記画像データと前記撮影角度情報とを前記撮像装置から受信し、前記画像データ中の所定領域に前記浮子の画像が位置するように、前記撮像装置の撮影角度を制御する撮像制御装置と、
電磁波を送信し、前記浮子からの反射波を受信することにより、前記浮子との間の直線距離を測定して、該測定した直線距離を示す距離情報を生成する距離測定装置であって、送信する電磁波の方向が、前記撮像装置の撮影角度に合わせて変更される距離測定装置と、
第1の時点から第2の時点までの間に前記浮子が上下方向に移動した移動距離を算出する処理装置と、を備える変動水位測定システムであって、
前記処理装置は、
前記第1の時点において前記距離測定装置が測定した直線距離である第1の距離と、前記第2の時点において前記距離測定装置が測定した直線距離である第2の距離とを、前記距離測定装置から取得し、前記第1の時点における前記撮像装置の撮影角度である第1の角度と、前記第2の時点における前記撮像装置の撮影角度である第2の角度とを、前記撮像装置又は前記撮像制御装置から取得し、前記第1の角度と前記第2の角度の角度差と、前記第1の距離と、前記第2の距離とに基づき、前記移動距離を算出することを特徴とする変動水位測定システム。
また、上記の課題を解決するための、本発明に係る水位測定システムの代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
上記の変動水位測定システムを用いた水位測定システムであって、
前記処理装置は、
前記第1の時点において前記浮子が浮かぶ水面の水位である第1の水位を記憶し、該第1の水位と前記移動距離とに基づき、前記第2の時点において前記浮子が浮かぶ水面の水位である第2の水位を算出することを特徴とする水位測定システム。
上述のように構成すると、浮子の軌跡や流速を測定することができる。
第1実施形態における流速測定システムの動作の概要を説明する図である。 第1実施形態における流速測定システムの構成図である。 第1実施形態における撮像装置の構成図である。 第1実施形態における撮像制御装置の構成図である。 第1実施形態における処理装置の構成図である。 第1実施形態における距離測定装置の構成図である。 第1実施形態における距離測定動作を説明する図である。 第1実施形態における距離測定動作を説明する図である。 第1実施形態における軌跡長算出動作を説明する図である。 第1実施形態における軌跡長算出動作で用いられる撮影角度/距離/経過時間データを説明する図である。 第2実施形態における水位測定システムの動作の概要を説明する図である。 第2実施形態における処理装置の構成図である。
(第1実施形態)
第1実施形態では、浮子軌跡取得システムと、浮子軌跡取得システムを用いる流速測定システムについて説明する。図1は、本発明の第1実施形態における流速測定システムの動作の概要を説明する図であり、河川3を上から見た図である。図1において、2は、河川3に投入された浮子である。浮子2は、背景技術で述べたように、水面と水底の水流の両方から影響を受けて流れるよう、鉛直方向に長い(例えば長さが3〜4m)棒形状としている。浮子2の水面上の部分には、後述する距離測定装置10から発射された電磁波を反射するための反射体が設けられる。反射体は、例えば、金属製であり反射面を平板状や円柱状、球状とする。また、反射体もしくは浮子2のどこかにLED等の発光部を設けても良い。これにより夜間や天候に係わらず画像処理が容易になり、後述する浮子2の自動追尾の精度が向上する。
20は、水面に浮かぶ浮子2を撮影するカメラ(撮像装置)である。カメラ20は、浮子2を含む画像データを生成する。また、カメラ20は、後述する撮像制御装置30により、浮子2を自動追尾するように(つまり、カメラ20の撮影した画像データ中において、浮子2の画像が予め定めた所定の領域に位置するように)、上下方向又は左右方向に旋回させられて、その撮影角度が制御される。
10は、距離測定用の電磁波を発射して送信し、浮子2からの反射波を受信して、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離を測定する距離測定装置である。距離測定装置10は、固定用金具等を用いてカメラ20に固定されており、カメラ20と同一の回転機構により旋回する。そのため、カメラ20が旋回すると、カメラ20と同方向へ同角度だけ旋回する。つまり、距離測定装置10は、送信する電磁波の方向を、カメラ20の撮影角度に合わせて変更するよう構成されている。このように、距離測定装置10がカメラ20に固定されているので、距離測定装置10が送信する電磁波の方向が、カメラ20の撮影角度に合わせて変更されることを、容易に実現できる。
こうして、カメラ20の撮影した画像データ中において、浮子2の画像が所定の領域に位置している状態において、カメラ20が浮子2を撮影する撮影タイミングと同じタイミングで、距離測定装置10からの電磁波が、浮子2の反射体に照射され、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離dが測定される。
河川3の流速測定の概要を説明する。
図1において、例えば人の手で橋の上等から浮子2が河川3に投入されると、浮子2は、出発点SPから河川3の水流に乗り、到達点GPに到達する。このとき、図1の例では、浮子2は、曲線を含む軌跡Lを描く。また、このとき、カメラ20の視線(撮影方向)は、浮子2を追尾して、徐々にk1からknに変わる。つまり、カメラ20の撮影角度は、直線k1と直線knの内角の大きさの範囲内で徐々に変更される。
また、浮子2が河川3に投入されるとき、又は投入前後に、カメラ20と距離測定装置10に対し、後述の処理装置40から、撮影動作や距離測定動作の開始を指示する動作開始指示情報が送信される。カメラ20は、動作開始指示情報を受信すると、浮子2を撮影し、その後、少なくとも浮子2がGPに到達するまでの間、例えば所定時間tb毎に、浮子2を撮影する。距離測定装置10は、動作開始指示情報を受信すると、カメラ20が浮子2を撮影する撮影タイミングと同じタイミングで、例えば所定時間tb毎に、浮子2との間の直線距離dを測定する。
スタート位置(SP)とゴール位置(GP)は予め決定されており、毎回同じ区間(SP〜GP)で浮子2の測定がなされる。例えば流速測定システムが固定式の場合、スタート位置とゴール位置が固定されているので、処理装置40はスタート位置とゴール位置の撮影角度を予め保持している。また、河川の付近にスタート位置とゴール位置を認識するための印を設置しておき、流速測定システムがスタート位置とゴール位置を認識するように構成しておけば、流速測定システムは可搬式であってもよい。
こうして、浮子2がSPからGPに到達するまでの間、複数回に亘り、直線距離dと、該直線距離dに対応するカメラ20の撮影角度とが取得される。そして、複数の直線距離dと撮影角度とに基づき、図1に示す浮子2の軌跡Lが取得される。また、軌跡Lの長さと、浮子2がSPからGPに到達するまでの経過時間とに基づき、河川3の流速が算出される。なお、算出した流速と河川の水位情報に基づく河川断面積とに基づいて河川流量を算出してもよい。
図2は、本発明の第1実施形態における流速測定システムの構成図である。第1実施形態における流速測定システムは、距離測定装置10と、カメラ20と、撮像制御装置30と、軌跡Lを取得し流速を算出する処理装置40と、各種情報を表示する表示装置50とを含むように構成される。
図2に示すように、距離測定装置10は、処理装置40と信号接続され、カメラ20は、撮像制御装置30と信号接続され、撮像制御装置30は、処理装置40と信号接続され、処理装置40は、表示装置50と信号接続される。本実施形態では、上記各装置間はLAN(Local Area Network)で接続される。
上述したように、浮子2が河川3に投入されるとき、又は投入前後に、カメラ20に対し、処理装置40から撮像制御装置30を介して、動作開始指示情報が送信される。カメラ20は、例えばGPS受信機を備えてGPSによる時計機能を有し、動作開始指示情報を受信すると、浮子2がGPに到達するまでの間(詳しくは、処理装置40からの動作終了指示情報を受信するまでの間)、所定時間tb毎(例えば数ms毎)に浮子2を撮影し、浮子2を含む画像データを生成して撮像制御装置30へ送信する。
また、カメラ20は、各撮影タイミングにおけるカメラ20の撮影角度を示す撮影角度情報を生成し、撮影したときの経過時間を示す(つまり特定できる)撮影時間情報とともに、撮影角度/経過時間情報22bとして、上記画像データと対応付けて、撮像制御装置30へ送信する。撮影時間情報とは、所定の第1の時刻、例えば、動作開始指示情報により撮影開始した時刻である撮影開始時刻、あるいはSPにおける撮影時刻から、各撮影時刻までの経過時間である撮影経過時間を特定できる情報である。あるいは、上記第1の時刻を、動作開始指示情報を受信した時刻とし、撮影時間情報を、動作開始指示情報を受信した時刻から、各撮影時刻までの経過時間を特定できる情報としてもよい。本実施形態では、撮影時間情報は、撮影経過時間そのものである。
撮影時間情報は、撮影経過時間や撮影時刻を特定できる情報であればよく、本実施形態のように撮影経過時間そのものであってもよいし、撮影時の時刻情報であってもよい。また、処理装置40から基準クロック信号を受信して、該基準クロック信号に基づき各撮影タイミングを決定するような例では、撮影時間情報は、基準クロック信号のカウント値であってもよい。
撮像制御装置30は、カメラ20から、画像データと、該画像データに対応する撮影角度情報と撮影時間情報とを受信し、画像データ中の所定の領域(例えば画像データの中央領域)に、浮子2の画像が位置するように、カメラ20の撮影角度を制御する。また、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した画像データ中の所定の領域に、浮子2の画像が位置している場合に、その画像データに対応する撮影角度/経過時間情報22bを、撮影角度/経過時間情報32cとして、処理装置40へ送信する。なお、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した画像データ中の所定の領域に、浮子2の画像が位置していない場合は、その画像データに対応する撮影角度/経過時間情報22bを、処理装置40へ送信しない。
距離測定装置10は、例えばGPS受信機を備えてGPSによる時計機能を有し、処理装置40からの動作開始指示情報を受信すると、カメラ20の撮影タイミングに合うタイミングで、所定時間tb毎(例えば数ms毎)に、浮子2との間の直線距離dを測定する。そして、距離測定装置10は、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離dを示す直線距離情報を、測定する毎に、該測定したときの経過時間を示す(つまり特定できる)距離測定時間情報とともに、距離/経過時間情報19aとして、処理装置40へ送信する。距離測定時間情報とは、上記第1の時刻、例えば、撮影開始時刻(つまり、距離測定開始時刻)あるいはSPにおける撮影時刻から、各測定時刻までの経過時間である距離測定経過時間を特定できる情報である。本実施形態では、距離測定時間情報は、距離測定経過時間そのものである。浮子2が河川3において同じ位置にあるときの、距離測定経過時間と撮影経過時間は同じになるようにしている。例えば、浮子2が位置P1にあるときの距離測定経過時間と撮影経過時間は同じである。
距離測定時間情報は、距離測定経過時間や距離測定時刻を特定できる情報であればよく、本実施形態のように距離測定経過時間そのものであってもよいし、距離測定時の時刻情報であってもよい。また、処理装置40から基準クロック信号を受信して、該基準クロック信号に基づき各距離測定タイミングを決定するような例では、距離測定時間情報は、基準クロック信号のカウント値であってもよい。
処理装置40は、距離測定装置10から距離/経過時間情報19aを受信し、撮像制御装置30からの撮影角度/経過時間情報32cを受信すると、距離/経過時間情報19aに含まれる距離測定時間情報と、撮影角度/経過時間情報32cに含まれる撮影時間情報とが示す経過時間に対応付けて、直線距離情報と撮影角度情報を記憶する。つまり、距離測定経過時間と撮影経過時間が示す同一の経過時間に対応付けて、直線距離情報と撮影角度情報を記憶する。こうして、本実施形態では、処理装置40は、複数の経過時間に対応付けて、複数の直線距離情報と撮影角度情報を、撮影角度/距離/経過時間情報42aとして生成し記憶する。
そして、処理装置40は、撮影角度/距離/経過時間情報42aに基づき、浮子2の軌跡Lを示す浮子軌跡データ42bを取得する。このように、処理装置40は、複数の時点において距離測定装置10が生成した距離情報を距離測定装置10から受信し、複数の時点においてカメラ20が生成した撮影角度情報を撮像制御装置30から受信し、該受信した距離情報と撮影角度情報とに基づき、複数の時点の間に浮子2が移動した軌跡Lを示す浮子軌跡データ42bを取得する。なお、処理装置40が、撮影角度情報をカメラ20から直接受信するよう構成してもよい。
詳しくは、処理装置40は、距離情報と該距離情報に対応する距離測定時間情報とを距離測定装置10から受信し、撮影角度情報と該撮影角度情報に対応する撮影時間情報とを撮像制御装置30から受信して、撮影時間情報が示す撮影経過時間(あるいは撮影時刻)と、距離測定時間情報が示す距離測定経過時間(あるいは距離測定時刻)とが一致する場合の、撮影角度情報と距離情報とに基づき、浮子軌跡データ42bを取得する。なお、処理装置40が、撮影時間情報が示す撮影時刻と、距離測定時間情報が示す距離測定時刻とが一致する場合の、撮影角度情報と距離情報とに基づき、浮子軌跡データ42bを取得するように構成してもよい。また、処理装置40が、撮影角度情報と該撮影角度情報に対応する撮影時間情報とを、カメラ20から直接受信するよう構成してもよい。
また、処理装置40は、浮子2の軌跡Lの長さと、上記経過時間情報(詳しくは、SPからGPに到達するまでの経過時間)とに基づき、河川3の流速を算出する。表示装置50は、処理装置40から浮子軌跡データ42bや流速データを受信し、これらに基づき、軌跡Lや流速や流量を表示する。なお、本発明において表示装置50は必須の構成ではなく無くてもよい。
なお、距離測定装置10とカメラ20と撮像制御装置30と処理装置40と表示装置50は、それらの間を専用通信回線により信号接続してもよいし、あるいは、インターネット等のネットワークにより信号接続してもよい。また、上記信号接続する信号線において、必要に応じ適宜、LANコンバータや信号を符号化するエンコーダや信号を復号化するデコーダを設置してもよい。
図3は、本発明の第1実施形態における撮像装置の構成図である。
図3に示すように、撮像装置(カメラ)20は、カメラ20を構成する各部の制御を行うカメラ制御部(撮像装置制御部)21と、各種情報を記憶するカメラ記憶部(撮像装置記憶部)22と、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子等で構成され、光信号を電気信号に変換する撮像部23と、撮像制御装置30との間で各種情報を送受信するためのインタフェースであるネットワークI/F(インタフェース)24とを含むように構成される。
カメラ制御部21は、画像データ生成部21aと、撮影角度変更部21bとを含むように構成される。
画像データ生成部21aは、所定時間tb毎に撮像部23で撮影され電気信号に変換された信号にデジタル変換処理を施し、画像データ22aを生成する。そして、該画像データ22aを、カメラ20が撮影したときの撮影角度情報及び経過時間情報と対応付けて、カメラ記憶部22に記憶させ、また、画像データ22aと撮影角度情報と経過時間情報を、ネットワークI/F24を介して、撮像制御装置30へ送信する。
撮影角度変更部21bは、撮像制御装置30からの指示に基づき、カメラ20を上下方向又は左右方向に旋回することにより、カメラ20の撮影方向、つまり撮影角度を変更する。
カメラ記憶部22は、画像データ22aと、撮影角度/経過時間情報22bとを含むように構成される。上述したように、画像データ22aは、撮像制御部21でデジタル変換処理された画像データであり、カメラ20が撮影したときの経過時間情報と対応付けられている。撮影角度/経過時間情報22bは、カメラ20が撮影したときの撮影角度情報と、そのときの経過時間情報とを示す情報である。
こうして、カメラ制御部21は、画像データ作成の都度、該作成した画像データと、該画像データを撮影したときの撮影角度情報と、該画像データを撮影したときの経過時間情報とを、ネットワークI/F24を介して、撮像制御装置30へ送信する。
なお、カメラ制御部21が、画像データと撮影角度情報と経過時間情報とを、カメラ記憶部22に記憶させることなく、画像データ作成の都度、撮像制御装置30へ送信するよう構成することも可能である。
図4は、本発明の第1実施形態における撮像制御装置の構成図である。
図4に示すように、撮像制御装置30は、撮像制御装置30を構成する各部の制御を行う撮像制御部(撮像制御装置制御部)31と、各種情報を記憶する撮像制御記憶部(撮像制御装置記憶部)32と、カメラ20及び処理装置40との間で各種情報を送受信するためのインタフェースであるネットワークI/F33とを含むように構成される。
撮像制御記憶部32は、画像データ32aと、浮子基準データ32bと、撮影角度/経過時間情報32cとを含むように構成される。画像データ32aは、カメラ20から受信した画像データ22aである。
浮子基準データ32bは、カメラ20から受信した画像データ22aにおいて、浮子2の画像データを識別し特定するための基準データである。例えば、浮子基準データ32bは、浮子2の長さ(例えば反射体の長さ)、幅等の形状や、色などのデータである。浮子基準データ32bは、例えば、撮像制御装置30の操作部(不図示)から操作者により入力してもよいし、あるいは、処理装置40から受信するようにしてもよい。
撮影角度/経過時間情報32cは、後述するように、カメラ20から受信した撮影角度/経過時間情報22bのうち、浮子2の位置が所定の位置にある画像データ22aに対応するものを抽出した情報である。
撮像制御部31は、浮子識別部31aと撮影角度制御部31bとを含むように構成される。浮子識別部31aは、カメラ20から受信した画像データ22aを、画像データ32aとして、撮像制御記憶部32に記憶させる。
また、浮子識別部31aは、浮子基準データ32aに基づき、カメラ20から受信した画像データ22aにおいて浮子2の画像データを特定し、該画像データ中の浮子2の画像の位置する領域を特定して、浮子2の画像の位置する領域が予め定めた所定の位置(例えば、画像の中央位置)であるか否かを判定する。
例えば、浮子識別部31aは、画像データ22aを縦横それぞれ50の領域に分割し、計2500の領域に分割する。そして、該画像データ22a中において、浮子2の画像の位置が、縦方向に上から10番目、横方向に左から15番目の領域にあることを認識した場合は、この位置が、予め定めた所定の位置(画像の中央位置)でないと判定する。
撮影角度制御部31bは、画像データ22a中の所定の領域に浮子2の画像が位置してないと判定された場合は、浮子2の画像の位置が所定の位置になるように、カメラ20を旋回させる指示、つまり、カメラ20の撮影角度を変更する指示(撮影角度変更指示)を、ネットワークI/F33を介して、カメラ20へ送信する。
例えば、撮影角度制御部31bは、浮子2の所定の位置が画像の中央位置、例えば、縦方向に上から25番目、横方向に左から25番目の領域であり、浮子識別部31aにより浮子2の位置(縦方向に上から10番目、横方向に左から15番目)が所定の位置(画像の中央位置)でないと判定された場合は、上記所定の領域に浮子2の画像が位置するように、下方向に15領域分、右方向に10領域分だけ撮影角度を変更する撮影角度変更指示を、カメラ20へ送信する。撮影角度変更指示を受信したカメラ20は、その撮影角度変更指示に従って旋回し、指示された角度だけ下方向及び右方向に撮影角度を変更する。
また、撮影角度制御部31bは、ネットワークI/F33を介してカメラ20から受信した画像データ22a中において、浮子2の画像の位置する領域が所定の位置であると浮子識別部31aで判定されたときは、そのときの撮影角度/経過時間情報22bを、撮影角度/経過時間情報32cとして、撮像制御記憶部32に記憶させ、また、ネットワークI/F33を介して処理装置40へ送信する。また、撮影角度制御部31bは、画像データ22a中において、浮子2の画像の位置する領域が所定の位置でないと浮子識別部31aで判定されたときは、そのときの撮影角度/経過時間情報22bを、撮影角度/経過時間情報32cとして、撮像制御記憶部32に記憶させず、また、処理装置40へ送信しない。
このように、処理装置40へ送信する撮影角度/経過時間情報32cは、カメラ20から受信した撮影角度/経過時間情報22bのうち、浮子2の位置が所定の位置である画像データ22aに対応するものを抽出した情報である。
なお、撮像制御部31が、カメラ20から受信した画像データ22aを、撮像制御記憶部32に記憶させないよう構成することも可能である。また、撮像制御部31が、撮影角度/経過時間情報32cを、撮像制御記憶部32に記憶させることなく、処理装置40へ送信するよう構成することも可能である。
図5は、本発明の第1実施形態における処理装置の構成図である。
図5に示すように、処理装置40は、処理装置40を構成する各部の制御を行う処理制御部41と、各種情報を記憶する処理記憶部42と、操作者からの各種入力を受け付ける操作部43と、距離測定装置10及び撮像制御装置30並びに表示装置50との間で各種情報を送受信するためのインタフェースであるネットワークI/F44とを含むように構成される。
処理記憶部42は、撮影角度/距離/経過時間情報42aと、浮子軌跡データ42bとを含むように構成される。
撮影角度/距離/経過時間情報42aは、ネットワークI/F44を介して撮像制御装置30から受信した撮影角度/経過時間情報32cと、ネットワークI/F44を介して距離測定装置10から受信した距離/経過時間情報19aとを、まとめた情報である。詳しくは、後述の図10に示すように、同じ経過時間に対応する撮影角度情報と距離情報とを、複数、経過時間の昇順に並べたものである。
浮子軌跡データ42bは、撮影角度/距離/経過時間情報42aに基づき処理制御部41により算出された、浮子2の軌跡を示すデータであり、例えば、河川3における浮子2の水平方向の軌跡が、2次元のXY座標上で、複数の点により示される。浮子軌跡データ42bを、ネットワークI/F44を介して表示装置50へ送信することにより、浮子2の軌跡を表示装置50に表示可能となる。
処理制御部41は、軌跡長算出部41aと、流速算出部41bと、浮子軌跡生成部41cと、動作開始/終了部41dとを含むように構成される。
軌跡長算出部41aは、ネットワークI/F44を介して撮像制御装置30から受信した撮影角度/経過時間情報32cと、ネットワークI/F44を介して距離測定装置10から受信した距離/経過時間情報19aとに基づき、撮影角度/距離/経過時間情報42aを生成する。
詳しくは、軌跡長算出部41aは、複数の距離/経過時間情報19aのうち、撮影角度/経過時間情報32cに含まれる経過時間と同じ経過時間である距離情報を抽出し、同じ経過時間に対応する撮影角度情報と距離情報とを、複数、経過時間の昇順に並べ、図10に示す撮影角度/距離/経過時間情報42aを生成する。
図10において、経過時間t1,t2,t3・・・は、撮影角度/経過時間情報32cに含まれる経過時間である。これらの経過時間は、上述したように、浮子2が画像データ中で所定の位置にあるときの経過時間である。距離測定装置10から受信した複数の距離/経過時間情報19aに、例えば、経過時間t1とt2の間に、経過時間t(1‐1)である距離/経過時間情報19aが含まれる場合、経過時間t(1‐1)においては、浮子2が画像データ中で所定の位置にないため、経過時間t(1‐1)における距離情報は、撮影角度/距離/経過時間情報42aに取り込まれない。
また、軌跡長算出部41aは、撮影角度/距離/経過時間情報42a中の、撮影角度情報と距離情報とに基づき、出発点SPと到達点GPとの間の浮子2の軌跡の長さLaを算出する。軌跡の長さLaの算出方法の詳細は後述する。
流速算出部41bは、浮子2の軌跡の長さLaを、出発点SPから到達点GPに至る経過時間で割ることにより、出発点SPと到達点GPとの間の河川3の流速を算出する。図10の例では、軌跡の長さLaは、Ln〜Ln−1の合計として求められ、このLaを、出発点SPと到達点GPとの間の経過時間(tn−t1)で除算することで流速が算出される。
浮子軌跡生成部41cは、図10に示す経過時間t1〜tnの各時点における、直線距離(距離)dと撮影角度(カメラ角度)aとに基づき、出発点SPと到達点GPとの間における浮子2の軌跡を示す軌跡データを生成し、処理記憶部42に記憶させる。例えば、2次元のXY座標に置き換えた軌跡データを生成する。
動作開始/終了部41dは、操作者からの撮影及び距離測定開始指示を操作部43で受け付けると、撮影動作及び距離測定動作を開始させるための動作開始指示情報を、ネットワークI/F44を介して、撮像制御装置30と距離測定装置10へ送信する。
また、動作開始/終了部41dは、撮影角度/距離/経過時間情報42a中の撮影角度a、つまり、カメラ20から受信した撮影角度aが、予め設定された所定の撮影終了角度に達したか否かを判定し、撮影終了角度に達したときは、撮影動作及び距離測定動作を終了させるための動作終了指示情報を、ネットワークI/F44を介して、撮像制御装置30と距離測定装置10へ送信する。このように、所定の撮影終了角度に達したときに動作終了させるので、任意の撮影角度範囲において浮子の軌跡を取得することができる。
なお、動作開始/終了部41dは、撮影終了角度に達したときに、動作終了指示情報を撮像制御装置30と距離測定装置10へ送信するのではなく、動作開始指示情報の送信から所定時間後に、動作終了指示情報を撮像制御装置30と距離測定装置10へ送信するようにしてもよい。このようにすると、任意の時間範囲において浮子の軌跡を取得することができる。
図6は、本発明の第1実施形態における距離測定装置の構成図である。
距離測定装置10は、距離測定装置10の各構成部を制御し、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離算出を行う距離測定制御部11と、距離測定用信号を生成する発振部12と、距離測定用信号を無線送信する送信部13と、浮子2で反射された距離測定用信号を受信信号として受信する受信部15と、受信部15で受信した受信信号から距離データを抽出する距離データ抽出部18と、各種情報を記憶する距離測定記憶部19と、処理装置40との間で各種情報を送受信するためのインタフェースであるネットワークI/F17を含むように構成される。
距離測定記憶部19は、距離/経過時間情報19aを含むように構成される。距離/経過時間情報19aは、前述したように、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離dを示す直線距離情報と、直線距離dを測定したときの経過時間情報とを対応付けた情報である。距離/経過時間情報19aは、直線距離dを測定する毎に、最新情報に更新される。
発振部12は、PLL(Phase Locked Loop)発振器を含むように構成され、距離測定制御部11からの信号11sにより、距離測定用信号を出力するように制御される。発振部12の出力周波数は、後述する図7に示すような三角波形(時間対周波数特性が三角形)となる。つまり、一定周期で周波数が連続的に変動する距離測定用信号を生成する。発振部12は、例えば1ms程度のパルス幅の三角波形を、周期的(例えば数ms毎)に出力する。
送信部13は、発振部12からの出力信号を、送信増幅器13cとダウンコンバータ15cに分配する分配器13a、分配器13aの出力信号を増幅する送信増幅器13c、送信アンテナ13dを含むように構成される。
受信部15は、受信アンテナ15a、受信アンテナ15aの出力信号を増幅する受信増幅器15b、受信増幅器15bの出力信号に含まれる距離測定用信号を除去するダウンコンバータ15cを含むように構成される。
送信部13と受信部15とを含むように、無線送受信部が構成される。無線送受信部は、距離測定装置10と浮子2との間の距離を測定するための無線送受信を行う。
距離データ抽出部18は、距離データ抽出に必要な周波数以外の周波数成分を除去する低域IFフィルタ18a、低域IFフィルタ18aの出力信号を増幅する低域IF増幅器18b、さらに余分な周波数成分を除去する低域IFフィルタ18c、アナログ信号をデジタル化するA/D変換器(アナログデジタル変換器)18dを含むように構成される。
距離測定制御部11は、受信部15で受信した受信信号から距離データ抽出部18で抽出された距離データに基づき、距離測定装置10と浮子2との間の距離を算出する。また、距離測定制御部11は、時計機能を含み、上述したように、ネットワークI/F17を介して処理装置40からの動作開始指示情報を受信すると、例えば所定時間tb毎に、浮子2との間の直線距離dを測定し、距離/経過時間情報19aを、ネットワークI/F17を介して処理装置40へ送信する。
次に、距離測定のための送信動作を説明する。
距離測定制御部11において距離測定動作が開始されると、距離測定制御部11から、“H”レベルの信号11sが出力される。信号11sにより、発振部12には“H”レベルの情報が伝達される。“H”レベルの情報を受けると、発振部12は、周波数が一定の間隔で掃引される搬送波信号(図7のft参照)を、周期的に生成する。例えば、約1ms幅の搬送波信号を、数ms毎に生成する。生成された掃引周波数信号は、分配器13aに入力され、その出力は二つの回路系統に分けられる。一方の掃引周波数信号は、送信増幅器13cに入力され、送信増幅器13cで所定の値まで増幅された後、送信アンテナ13dから輻射される。この一連の動作が距離測定のための送信動作となる。
次に、距離測定のための受信動作を説明する。
浮子2で反射された電波は、受信アンテナ15aにて受信され、受信増幅器15bで所定の値まで増幅された後、ダウンコンバータ15cに入力される。ダウンコンバータ15cにおいて、分配器13aから出力された信号(他方の掃引周波数信号)と混合され、低域IFフィルタ18aに入力される。低域IFフィルタ18aに入力された受信信号は、必要な帯域成分のみに整形された後、低域IF増幅器18bで所定のレベルまで増幅される。低域IF増幅器18bで増幅された受信信号は、低域IFフィルタ18cで余分な周波数成分を取り除かれ、A/D変換器18dにてデジタル化される。A/D変換器18dの出力に基づき、距離測定制御部11において、浮子2と距離測定装置10との間の距離が算出される。
詳しくは、距離測定制御部11において、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理が行われ、距離測定制御部11への入力信号の周波数成分と、該周波数成分に対応する受信レベルが算出され取得される。本例の場合は、送信波(上記掃引周波数信号)と浮子2からの反射波の周波数の差である差分周波数frを含む周波数成分と、frを含む周波数成分に対応する受信レベル(つまり反射波レベル)が取得される。
そして、距離測定制御部11において、差分周波数frに基づき、差分周波数frに対応する距離が算出される。差分周波数frに対応する距離を算出する処理の詳細は、図7と図8を用いて説明する。
図7は、第1実施形態における距離測定動作を説明する図であり、浮子2の停止時における距離測定処理を説明する図である。
図7(a)は、浮子2が停止した状態において、距離測定装置10から無線送信される信号の送信周波数ftと、周波数ftの送信信号が浮子2で反射された後、距離測定装置10で受信されるときの受信周波数frとを示す。縦軸は周波数、横軸は時間の推移である。図7(a)に示すように、周波数ftの送信信号を送信後、周波数frの受信信号を受信するまでに時間差があるので、送信周波数ftと受信周波数frとの間に差分(ビート)周波数fbが生じる。
図7(b)は、差分周波数fbの時間推移を示す。縦軸は差分周波数fbの大きさ、横軸は時間の推移である。図7(b)に示すように、浮子2が停止した状態において、差分周波数fbは、図7(a)で送信周波数ftと受信周波数frとが交わる点において周期的に減少するものの、それ以外の点においては、一定の大きさを維持する。したがって、例えば、図中の81と82における差分周波数fbの大きさは、同じである。
また、差分周波数fbの大きさは、周波数ftの送信信号を送信後、周波数frの受信信号を受信するまでの時間に比例する。すなわち、差分周波数の大きさは、浮子2と距離測定装置10の間の距離に比例する。したがって、差分周波数の大きさに基づき、浮子2と距離測定装置10の間の距離を算出することができる。周波数差fbと、浮子2と距離測定装置10の間の距離との対応関係は、予め測定して求めておく。
本実施形態では、パルス幅が例えば1ms程度の送信波を、周期的(例えば数ms毎)に送信部13から送信する。この送信波には、図7(a)に示す三角波の少なくとも半周期分が含まれる。こうして、送信波と浮子2からの反射波との差分周波数frが取得され、差分周波数frの周波数の大きさに基づき、浮子2と距離測定装置10の間の距離が算出される。
図8は、本発明の第1実施形態における距離測定動作を説明する図であり、浮子2の移動中における距離測定処理を説明する図である。
図8(a)は、浮子2が移動中の状態において、距離測定装置10から無線送信される信号の送信周波数ftと、周波数ftの送信信号が浮子2で反射された後、距離測定装置10で受信されるときの受信周波数frとを示す。縦軸は周波数、横軸は時間の推移である。図8(a)に示すように、送信周波数ftの送信信号を送信後、周波数frの受信信号を受信するまでに時間差があることに起因する周波数差fbと、浮子2が距離測定装置10に接近するときのドップラー効果に起因する周波数差fd(ドップラーシフト周波数)とにより、送信周波数ftと受信周波数frとの差分周波数が生じる。
図8(b)は、差分周波数の時間推移を示す。縦軸は差分周波数の大きさ、横軸は時間の推移である。図8(b)に示すように、浮子2が移動中の状態において、差分周波数は、送信周波数の三角波形の上昇部分では小さく、下降部分では大きい。したがって、例えば、図中の91と92における差分周波数の大きさは、異なる。
また、前述したように、差分周波数の大きさに基づき、浮子2と距離測定装置10の間の距離を算出することができる。浮子2が移動中の状態では、例えば、図8(b)の91と92における差分周波数の大きさを加算した後、2等分することにより、時間差があることに起因する周波数差fbを得ることができる。この周波数差fbに基づき、浮子2と距離測定装置10の間の距離を得ることができる。
なお、図8では、浮子2が距離測定装置10に接近するときの受信周波数frを示したが、浮子2が距離測定装置10から遠ざかるときの受信周波数frは、ドップラーシフト周波数fdだけ、送信周波数ftよりも低くなる。この場合も、上述したように、図8(b)の91と92における差分周波数の大きさを加算した後、2等分することにより、時間差があることに起因する周波数差fbを得ることができる。
なお、距離測定制御部11、カメラ制御部21、撮像制御部31、処理制御部41は、それぞれ、ハードウエア構成としては、CPU(Central Processing Unit)と各制御部の動作プログラム等を格納するメモリを備えており、CPUは、この動作プログラムに従って動作する。
次に、浮子2の軌跡の長さLaを算出する動作を、図9と図10を用いて詳しく説明する。図9は、本発明の第1実施形態における軌跡長算出動作を説明する図である。図10は、第1実施形態における軌跡長算出動作で用いられる撮影角度/距離/経過時間データを説明する図である。図9は、図1と同様に、河川3を上から見た図であり、図9において、浮子2は、河川3の水面を出発点P1の上流側から到達点Pnまで流される。出発点P1と到達点Pnは、それぞれ、図1のSPとGPである。
まず、カメラ20は、処理装置40から動作開始指示情報を受信すると、受信から所定時間tc後に、浮子2の撮影を開始する。tcはゼロであってもよい。処理装置40は、操作者からの動作開始指示を操作部43で受け付けると、動作開始指示情報を送信する。こうして、カメラ20は、浮子2が到達点Pnに到達するまでの間、所定時間おき、本実施形態では一定時間tb毎に、浮子2を撮影する。なお、カメラ20が浮子2を撮影する間隔は、一定時間tbでなく、予め定められたルールに従って変化するものであってもよい。
また、距離測定装置10は、処理装置40から動作開始指示情報を受信すると、受信から所定時間tc後に、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離dの測定を開始する。このように、距離測定装置10が動作開始指示情報を受信した後、直線距離dの測定を開始するまでの時間tcと、カメラ20が動作開始指示情報を受信した後、浮子2の撮影を開始するまでの時間tcは、同一に設定される。
まず、カメラ20は、最初に、P1の上流側の位置P(0)において、浮子2を撮影し、該撮影した画像データ22aと、そのときの撮影角度a(0)と、そのときの経過時間t(0)とを、撮像制御装置30へ送信する。経過時間t(0)は、撮影開始からの経過時間であり、ゼロである。なお、P(0)、a(0)、t(0)、後述のd(0)は図示を省略している。
また、距離測定装置10は、カメラ20の撮影タイミングに合わせて、つまり、最初に位置P(0)において、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離d(0)を測定し、直線距離d(0)と、そのときの経過時間t(0)とを、処理装置40へ送信する。
撮像制御装置30は、画像データ22aと、該画像データ22aに対応する撮影角度a(0)とを、カメラ20から受信すると、該画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているか否かを判定する。画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置している場合は、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度と、そのときの経過時間とを、撮影角度/経過時間情報32cとして、処理装置40へ送信する。
画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置していない場合は、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度と、そのときの経過時間とを、処理装置40へ送信しない。そして、撮像制御装置30は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置するように、カメラ20の撮影角度を制御する。例えば、数度、浮子2の進行方向(例えば画像の左方向)に、カメラ20の撮影方向を変更する。ある領域に位置している浮子2の画像を所定の領域に位置させるための変更角度は、計算により求めてもよいし、あるいは、予め実験を行って求めてもよい。
位置P(0)においては、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置していないので、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度a(0)と、そのときの経過時間t(0)とを、処理装置40へ送信しない。そして、撮像制御装置30は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置するように、カメラ20の撮影角度を制御する。
処理装置40は、経過時間t(0)における距離/経過時間情報19aを距離測定装置10から受信するが、経過時間t(0)における撮影角度/経過時間情報32cを撮像制御装置30から受信していないので、経過時間t(0)における撮影角度/距離/経過時間情報42aを生成せず、処理記憶部42に記憶しない。
次に、所定時間tbが経過すると、カメラ20は、浮子2を撮影し、該撮影した画像データ22aと、そのときの撮影角度a1と、そのときの経過時間t1とを、撮像制御装置30へ送信する。経過時間t1は、撮影開始からの経過時間である。経過時間t1において、浮子2は位置P1に到達している。
また、距離測定装置10は、所定時間tbが経過すると、位置P1において、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離d1を測定し、直線距離d1と、そのときの経過時間t1とを、距離/経過時間情報19aとして、処理装置40へ送信する。
撮像制御装置30は、画像データ22aと、該画像データ22aに対応する撮影角度a1とを、カメラ20から受信すると、該画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているか否かを判定する。この場合は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているので、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度a1と、そのときの経過時間t1とを、撮影角度/経過時間情報32cとして、処理装置40へ送信する。
処理装置40は、撮像制御装置30から受信した撮影角度/経過時間情報32cと、距離測定装置10から受信した距離/経過時間情報19aとに基づき、経過時間t1における撮影角度a1と直線距離d1を、撮影角度/距離/経過時間情報42aとして記憶する。こうして、図10に示すように、経過時間t1と撮影角度a1と直線距離d1とが対応付けられて記憶される。
次に、所定時間tbが経過すると、P1とP2の間の位置P(1‐1)において、カメラ20は、浮子2を撮影し、該撮影した画像データ22aと、そのときの撮影角度a(1‐1)と、そのときの経過時間t(1‐1)とを、撮像制御装置30へ送信する。経過時間t(1‐1)は、撮影開始からの経過時間である。なお、P(1‐1)、a(1‐1)、t(1‐1)、後述のd(1‐1)は図示を省略している。
また、距離測定装置10は、所定時間tbが経過すると、位置P(1‐1)において、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離d(1‐1)を測定し、直線距離d(1‐1)と、そのときの経過時間t(1‐1)とを、処理装置40へ送信する。
撮像制御装置30は、画像データ22aと、該画像データ22aに対応する撮影角度a(1‐1)とを、カメラ20から受信すると、該画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているか否かを判定する。この場合は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置していないので、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度a(1‐1)と、そのときの経過時間t(1‐1)とを、処理装置40へ送信しない。そして、撮像制御装置30は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置するように、カメラ20の撮影角度を制御する。
処理装置40は、経過時間t(1‐1)における距離/経過時間情報19aを距離測定装置10から受信するが、経過時間t(1‐1)における撮影角度/経過時間情報32cを撮像制御装置30から受信していないので、経過時間t(1‐1)における撮影角度/距離/経過時間情報42aを生成せず、処理記憶部42に記憶しない。
次に、所定時間tbが経過すると、カメラ20は、浮子2を撮影し、該撮影した画像データと、そのときの撮影角度a2と、そのときの経過時間t2とを、撮像制御装置30へ送信する。経過時間t2は、撮影開始からの経過時間である。経過時間t2において、浮子2は位置P2に到達している。つまり、カメラ20は、位置P2において、経過時間t2における撮影角度a2を取得し、撮像制御装置30へ送信する。
また、距離測定装置10は、所定時間tbが経過すると、位置P2において、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離d2を測定し、直線距離d2と、そのときの経過時間t2とを、処理装置40へ送信する。
撮像制御装置30は、画像データ22aと、該画像データ22aに対応する撮影角度a2とを、カメラ20から受信すると、該画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているか否かを判定する。この場合は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているので、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度a2と、そのときの経過時間t2とを、撮影角度/経過時間情報32cとして、処理装置40へ送信する。
処理装置40は、カメラ20から受信した撮影角度a2及び経過時間t2と、距離測定装置10から受信した直線距離d2及び経過時間t2とに基づき、経過時間t2における撮影角度a2と直線距離d2とを、撮影角度/距離/経過時間情報42aとして記憶する。こうして、図10に示すように、経過時間t2と撮影角度a2と直線距離d2とが対応付けられて記憶される。
また、処理装置40は、撮影角度a1とa2の角度差と、直線距離d1と、直線距離d2とに基づき、位置P1と位置P2との間の距離を取得し記憶する。位置P1と位置P2との間の距離は、撮影角度a1とa2との角度差が小さいので、位置P1と位置P2との間の浮子2の軌跡の長さL1にほぼ等しい。こうして、処理装置40は、位置P1と位置P2との間における浮子2の軌跡の長さL1を取得する。そして、図10に示すように、経過時間t2と撮影角度a2と直線距離d2と軌跡の長さL1とが対応付けられて記憶される。
次に、所定時間tbが経過すると、P2とP3の間の位置P(2‐1)において、カメラ20は、浮子2を撮影し、該撮影した画像データ22aと、そのときの撮影角度a(2‐1)と、そのときの経過時間t(2‐1)とを、撮像制御装置30へ送信する。経過時間t(2‐1)は、撮影開始からの経過時間である。
また、距離測定装置10は、所定時間tbが経過すると、位置P(2‐1)において、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離d(2‐1)を測定し、直線距離d(2‐1)と、そのときの経過時間t(2‐1)とを、処理装置40へ送信する。なお、P(2‐1)、a(2‐1)、t(2‐1)、d(2‐1)は図示を省略している。
撮像制御装置30は、画像データ22aと、該画像データ22aに対応する撮影角度a(2‐1)とを、カメラ20から受信すると、該画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているか否かを判定する。この場合は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置していないので、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度a(2‐1)と、そのときの経過時間t(2‐1)とを、処理装置40へ送信しない。そして、撮像制御装置30は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置するように、カメラ20の撮影角度を制御する。
処理装置40は、経過時間t(2‐1)における距離/経過時間情報19aを距離測定装置10から受信するが、経過時間t(2‐1)における撮影角度/経過時間情報32cを撮像制御装置30から受信していないので、経過時間t(2‐1)における撮影角度/距離/経過時間情報42aを生成せず、処理記憶部42に記憶しない。
次に、所定時間tbが経過すると、P2とP3の間の位置P(2‐2)において、カメラ20は、浮子2を撮影し、該撮影した画像データ22aと、そのときの撮影角度a(2‐2)と、そのときの経過時間t(2‐2)とを、撮像制御装置30へ送信する。経過時間t(2‐2)は、撮影開始からの経過時間である。
また、距離測定装置10は、所定時間tbが経過すると、位置P(2‐2)において、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離d(2‐2)を測定し、直線距離d(2‐2)と、そのときの経過時間t(2‐2)とを、処理装置40へ送信する。なお、P(2‐2)、a(2‐2)、t(2‐2)、d(2‐2)は図示を省略している。
撮像制御装置30は、画像データ22aと、該画像データ22aに対応する撮影角度a(2‐2)とを、カメラ20から受信すると、該画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているか否かを判定する。この場合は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置していないので、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度a(2‐2)と、そのときの経過時間t(2‐2)とを、処理装置40へ送信しない。そして、撮像制御装置30は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置するように、カメラ20の撮影角度を制御する。
処理装置40は、経過時間t(2‐2)における距離/経過時間情報19aを距離測定装置10から受信するが、経過時間t(2‐2)における撮影角度/経過時間情報32cを撮像制御装置30から受信していないので、経過時間t(2‐2)における撮影角度/距離/経過時間情報42aを生成せず、処理記憶部42に記憶しない。
次に、所定時間tbが経過すると、カメラ20は、浮子2を撮影し、該撮影した画像データ22aと、そのときの撮影角度a3と、そのときの経過時間t3とを、撮像制御装置30へ送信する。経過時間t3は、撮影開始からの経過時間である。経過時間t3において、浮子2は、位置(2‐2)から流されて位置P3に到達している。つまり、カメラ20は、位置P3において、経過時間t3における撮影角度a3を取得し、撮像制御装置30へ送信する。
また、距離測定装置10は、所定時間tbが経過すると、位置P3において、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離d3を測定し、直線距離d3と、そのときの経過時間t3とを、処理装置40へ送信する。
撮像制御装置30は、画像データ22aと、該画像データ22aに対応する撮影角度a3とを、カメラ20から受信すると、該画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているか否かを判定する。この場合は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているので、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度a3と、そのときの経過時間t3とを、撮影角度/経過時間情報32cとして、処理装置40へ送信する。
処理装置40は、カメラ20から受信した撮影角度a3及び経過時間t3と、距離測定装置10から受信した直線距離d3及び経過時間t3とに基づき、経過時間t3における撮影角度a3と直線距離d3とを記憶する。そして、処理装置40は、撮影角度a2とa3の角度差と、直線距離d2と、直線距離d3とに基づき、位置P2と位置P3との間の距離を取得し、該取得した距離を、位置P2と位置P3との間の浮子2の軌跡の長さL2として記憶する。そして、図10に示すように、経過時間t3と撮影角度a3と直線距離d3と軌跡の長さL2とが対応付けられて記憶される。
このように、処理装置40は、第1の時点(位置P1の時点)において距離測定装置10が測定した第1の距離と、第2の時点(位置P2の時点)において距離測定装置10が測定した第2の距離と、第1の時点におけるカメラ20の撮影角度である第1の角度と第2の時点における撮影角度である第2の角度との差である第1の角度差とに基づき、浮子2が第1の時点から第2の時点までに移動した第1の軌跡の長さL1を算出し、次に、第2の距離と、第3の時点(位置P3の時点)において距離測定装置10が測定した第3の距離と、第2の角度と第3の時点における撮影角度である第3の角度との差である第2の角度差とに基づき、浮子2が第2の時点から第3の時点までに移動した第2の軌跡の長さL2を算出し、L1とL2を加算したものを、浮子2が第1の時点から第3の時点までに移動した軌跡の長さとする。
こうして、撮影角度が所定の角度anになるまで、同様の動作が、所定の時間tb毎に繰り返し行われる。撮影角度が所定の角度an以上になったときにおいて、初めて、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置したときの浮子2の位置が、到達点Pnである。また、撮影角度が角度an未満において、最後に、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置したときの浮子2の位置が、Pn−1であり、そのとき測定された直線距離がd(n−1)である。
位置Pnにおいて、カメラ20は、浮子2を撮影し、該撮影した画像データと、そのときの撮影角度anと、そのときの経過時間tnとを、撮像制御装置30へ送信する。経過時間tnは、撮影開始からの経過時間である。また、距離測定装置10は、位置Pnにおいて、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離dnを測定し、直線距離dnと、そのときの経過時間tnとを、処理装置40へ送信する。
撮像制御装置30は、画像データと、該画像データに対応する撮影角度anとを、カメラ20から受信すると、該画像データ中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているか否かを判定する。この場合は、画像データ22a中の浮子2の画像が所定の領域に位置しているので、撮像制御装置30は、カメラ20から受信した撮影角度anと、そのときの経過時間tnとを、撮影角度/経過時間情報32cとして、処理装置40へ送信する。
処理装置40は、カメラ20から受信した撮影角度an及び経過時間tnと、距離測定装置10から受信した直線距離dn及び経過時間tnとに基づき、経過時間tnにおける撮影角度anと直線距離dnとを、撮影角度/距離/経過時間情報42aとして記憶する。そして、処理装置40は、撮影角度a(n−1)とanの角度差と、直線距離d(n−1)と、直線距離dnとに基づき、位置Pn−1と位置Pnとの間の距離を取得し、該取得した距離を、位置Pn−1と位置Pnとの間の浮子2の軌跡の長さLn−1として記憶する。こうして、図10に示すように、経過時間tnと撮影角度anと直線距離dnと軌跡の長さLn−1とが対応付けられて記憶される。
また、処理装置40は、カメラ20から受信した撮影角度anが、予め設定された所定の撮影終了角度に達したと判定すると、撮像制御装置30と距離測定装置10へ、動作終了指示情報を送信する。撮像制御装置30は、処理装置40から受信した動作終了指示情報を、カメラ20へ送信する。
距離測定装置10は、処理装置40からの動作終了指示情報を受信すると、距離測定動作を終了する。カメラ20は、処理装置40からの動作終了指示情報を撮像制御装置30を介して受信すると、撮像動作を終了する。撮像制御装置30は、処理装置40からの動作終了指示情報を受信すると、撮影角度制御動作を終了する。
こうして、処理装置40は、L1、L2、・・・Ln−1の合計の長さを、位置P1と位置Pnとの間の浮子2の軌跡の長さLaとして取得する。また、処理装置40は、軌跡の長さLaを、位置P1と位置Pnとの間の経過時間(tn−t1)で除算することで、河川3の流速を算出する。
第1実施形態によれば、少なくとも次の効果を得ることができる。
(A1)水面に浮かぶ浮子を撮影し、撮影角度を示す撮影角度情報と浮子を含む画像データとを生成する撮像装置と、画像データ中の所定領域に浮子の画像が位置するように、撮像装置の撮影角度を制御する撮像制御装置と、撮像装置が浮子を撮影する撮影タイミングと同じタイミングで電磁波を送信し、浮子からの反射波を受信することにより浮子との間の直線距離を測定し、送信する電磁波の方向が、撮像装置の撮影角度に合わせて変更される距離測定装置と、複数の時点において距離測定装置が生成した距離情報と、複数の時点において撮像装置が生成した撮影角度情報とに基づき、複数の時点の間に浮子が移動した軌跡を示す軌跡データを取得する処理装置とを備えるようにしたので、浮子の軌跡を容易に取得することができる。
(A2)撮像装置は、さらに、所定の第1の時刻から前記複数の時点において浮子を撮影するまでの撮影経過時間を特定できる撮影時間情報を生成し、撮像制御装置は、画像データ中の所定領域に浮子の画像が位置する場合は、そのときの撮影角度情報と撮影時間情報とを処理装置へ送信し、画像データ中の所定領域に浮子の画像が位置していない場合は、そのときの撮影角度情報と撮影時間情報とを処理装置へ送信せず、距離測定装置は、さらに、第1の時刻から前記複数の時点において浮子との間の直線距離を測定するまでの距離測定経過時間を特定できる距離測定時間情報を生成し、処理装置は、距離情報と該距離情報に対応する距離測定時間情報と、撮影角度情報と該撮影角度情報に対応する撮影時間情報とを受信して、撮影時間情報が示す撮影経過時間と、距離測定時間情報が示す距離測定経過時間とが一致する場合の、撮影角度情報と距離情報とに基づき、軌跡データを取得するようにしたので、より正確な浮子の軌跡を取得することができる。
(A3)処理装置は、撮影角度が予め定めた所定の角度に到達すると、撮像装置と距離測定装置の動作を停止させる動作停止指示を送信するようにしたので、任意の撮影角度範囲において浮子の軌跡を取得することができる。
(A4)処理装置は、撮像装置と距離測定装置の動作を開始させる動作開始指示を送信し、該動作開始指示の送信から所定時間後に、撮像装置と距離測定装置の動作を停止させる動作停止指示を送信するようにしたので、任意の時間範囲において浮子の軌跡を取得することができる。
(A5)距離測定装置が撮像装置に固定されているようにしたので、距離測定装置が送信する電磁波の方向が、撮像装置の撮影角度に合わせて変更されることを、容易に実現できる。
(A6)処理装置は、軌跡データに基づき軌跡の長さを算出し、該算出した軌跡の長さと複数の時点の間の時間とに基づき、浮子が浮かぶ流水の流速を算出するようにしたので、浮子が蛇行するような場合においても、より正確に浮子の流速を測定することができる。
(A7)処理装置は、第1の時点において距離測定装置が測定した第1の距離と、第2の時点において測定した第2の距離と、第1の時点における撮影角度である第1の角度と第2の時点における撮影角度である第2の角度との差である第1の角度差とに基づき、浮子が第1の時点から第2の時点までに移動した第1の軌跡の長さを算出し、第2の距離と、第3の時点において測定した第3の距離と、第2の角度と第3の時点における撮影角度である第3の角度との差である第2の角度差とに基づき、浮子が第2の時点から第3の時点までに移動した第2の軌跡の長さを算出し、第1の軌跡の長さと第2の軌跡の長さを加算したものを、浮子が第1の時点から第3の時点までに移動した軌跡の長さとするようにしたので、より正確に軌跡の長さを測定することができる。
(第2実施形態)
図11は、本発明の第2実施形態における水位測定システムの動作の概要を説明する図であり、河川3を水平方向から見た図である。第2実施形態では、浮子2の上下方向(鉛直方向)における位置の変動量を測定することにより、河川3の水位を取得する。すなわち、第1実施形態では、浮子2の水平方向における位置の変動量を測定したが、第2実施形態では、浮子2の上下方向における位置の変動量(浮子2の移動距離)を測定する。
図11の例では、既知である通常時の水面の高さh1に対し、高水時の水面の変動量hdを測定することにより、高水時の水面の高さh2を算出する。図2において、浮子2が通常時の水面にあるとき、カメラ20の撮影角度はa1であり、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離はd1である。また、浮子2が高水時の水面にあるとき、カメラ20の撮影角度はa2であり、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離はd2である。
したがって、直線距離d1と、直線距離d2と、撮影角度a1とa2の角度差とに基づき、図11に示す高水時の水面の高さh2と通常時の水面の高さh1との差hdが算出される。そして、hdと既知である通常時の水面の高さh1とに基づき、高水時の水面の高さh2が算出される。
第2実施形態においても、システム構成、距離測定装置10、カメラ20、撮像制御装置30は、第1実施形態と同様の構成、つまり、それぞれ、図2、図6、図3、図4と同じ構成である。また、第2実施形態の浮子2も、第1実施形態の浮子2と同様の構成である。また、第2実施形態の処理装置60は、後述するように、その一部が第1実施形態の処理装置40と異なる。
第2実施形態のカメラ20は、第1実施形態と同様に動作し、撮像制御装置30により、浮子2を自動追尾するように(つまり、カメラ20の撮影した画像データ22a中において、浮子2の画像が予め定めた所定の位置になるように)、その撮影角度が制御され変更される。ただし、第1実施形態と異なり、カメラ20の撮影角度は、ほぼ上下方向に変更される。
また、第2実施形態の撮像制御装置30は、第1実施形態と同様に動作して、カメラ20の撮影角度を制御する。また、第2実施形態の撮像制御装置30は、カメラ20から受信した画像データ22a中において浮子2の画像の位置する領域が所定の位置であるか否かを判定し、浮子2の画像の位置する領域が所定の位置であると判定したときは、そのときの撮影角度/経過時間情報22bを、撮影角度/経過時間情報32cとして、処理装置60へ送信する。
また、第2実施形態の距離測定装置10は、第1実施形態と同様に動作し、距離測定用の電磁波を発射し、浮子2からの反射波を受信して、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離を測定する。距離測定装置10は、第1実施形態と同様に、カメラ20に固定されており、カメラ20が上下方向に旋回すると、カメラ20と同方向へ同角度だけ旋回する。つまり、距離測定装置10は、送信する電磁波の方向を、カメラ20の撮影角度に合わせて変更する。
こうして、第1実施形態と同様に、カメラ20の撮影した画像データ22a中で浮子2の画像が所定の位置にある状態において、距離測定装置10からの電磁波が、浮子2の反射体に照射され、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離dが測定される。
図12は、第2実施形態における処理装置の構成図である。
図12に示すように、第2実施形態の処理装置60は、処理装置60を構成する各部の制御を行う処理制御部61と、各種情報を記憶する処理記憶部62と、操作者からの各種入力を受け付ける操作部63と、距離測定装置10及び撮像制御装置30並びに表示装置50との間で各種情報を送受信するためのインタフェースであるネットワークI/F64とを含むように構成される。
処理制御部61は、移動距離算出部61aと、水位算出部61bと、浮子軌跡生成部61cと、動作開始/終了部61dとを含むように構成される。
移動距離算出部61aは、第1実施形態の軌跡長算出部41aと同様に、撮像制御装置30から受信した撮影角度/経過時間情報32cと、距離測定装置10から受信した距離/経過時間情報19aとに基づき、撮影角度/距離/経過時間情報62aを生成する。撮影角度/距離/経過時間情報62aの内容は、第1実施形態の撮影角度/距離/経過時間情報42aと同様である。そして、撮影角度/距離/経過時間情報62a中の、撮影角度情報と距離情報とに基づき、通常時の水面の高さh1からの移動距離(変動量)hdを算出する。
図11の例では、移動距離算出部61aは、通常時の撮影角度/経過時間情報32cと距離/経過時間情報19aとに基づき、通常時の撮影角度/距離/経過時間情報62aを生成する。通常時の撮影角度/距離/経過時間情報62aは、経過時間t1における撮影角度a1と距離d1とを含む。
また、移動距離算出部61aは、高水時の撮影角度/経過時間情報32cと距離/経過時間情報19aとに基づき、高水時の撮影角度/距離/経過時間情報62aを生成する。高水時の撮影角度/距離/経過時間情報62aは、経過時間t2における撮影角度a2と距離d2とを含む。
そして、移動距離算出部61aは、距離d1と、距離d2と、撮影角度a1とa2との角度差とに基づき、h2とh1の差hd(浮子2の移動距離)を算出する。
このように、移動距離算出部61aは、第1の時点において距離測定装置10が測定した第1の距離d1と、第2の時点において距離測定装置10が測定した第2の距離d2とを、距離測定装置10から取得し、第1の時点におけるカメラ20の撮影角度である第1の角度と、第2の時点におけるカメラ20の撮影角度である第2の角度とを、撮像制御装置30から取得し、第1の角度と第2の角度の角度差と、第1の距離d1と、第2の距離d2とに基づき、浮子2の移動距離hdを算出する。なお、移動距離算出部61aが第1の角度と第2の角度をカメラ20から取得するように構成してもよい。
水位算出部61bは、h2とh1の差hdと、既知である通常時の水面の高さh1とに基づき、高水時の水面の高さh2を算出する。
このように、水位算出部61bは、第1の時点において浮子2が浮かぶ水面の水位である第1の水位h1と、移動距離hdとに基づき、第2の時点において浮子2が浮かぶ水面の水位である第2の水位h2を算出する。第1の水位h1は、後述の水位基準データ62bとして、処理記憶部62に記憶していたものである。
浮子軌跡生成部61cは、撮影動作及び距離測定動作の開始から終了までの各時点における、直線距離dと撮影角度aとに基づき、撮影動作及び距離測定動作の開始から終了までの間における浮子2の軌跡を示す軌跡データを生成し、水位軌跡データ62cとして、処理記憶部62に記憶させる。
動作開始/終了部61dは、操作者からの撮影及び距離測定開始指示を操作部63で受け付けると、撮影動作及び距離測定動作を開始させるための動作開始指示情報を、撮像制御装置30と距離測定装置10へ送信する。また、動作開始/終了部61dは、操作者からの撮影及び距離測定終了指示を操作部63で受け付けると、撮影動作及び距離測定動作を終了させるための動作終了指示情報を、撮像制御装置30と距離測定装置10へ送信する。撮像制御装置30は、第1実施形態と同様に、処理装置60から受信した動作開始指示情報や動作終了指示情報を、カメラ20へ送信する。
処理記憶部62は、撮影角度/距離/経過時間情報62aと、水位基準データ62bと、水位軌跡データ62cとを含むように構成される。
撮影角度/距離/経過時間情報62aは、第1実施形態の撮影角度/距離/経過時間情報42aと同様に、撮像制御装置30から受信した撮影角度/経過時間情報32cと、距離測定装置10から受信した距離/経過時間情報19aとを、まとめた情報である。
水位基準データ62bは、水位を比較するための基準データであり、通常時のある時点における、水位h1、カメラ20の撮影角度a1、浮子2と距離測定装置10との間の直線距離d1の情報を含む。
水位軌跡データ62cは、撮影角度/距離/経過時間情報62aに基づき処理制御部61により算出された、浮子2の軌跡、つまり水位の軌跡を示すデータであり、例えば、河川3における浮子2の上下方向における軌跡が、1次元の座標上で、複数の点により示される。水位軌跡データ62cを、ネットワークI/F64を介して、表示装置50に送信することにより、水位の軌跡を表示装置50に表示可能となる。
第2実施形態によれば、少なくとも次の効果を得ることができる。
(B1)水面に浮かぶ浮子を撮影し、撮影角度を示す撮影角度情報と浮子を含む画像データとを生成する撮像装置と、画像データ中の所定領域に浮子の画像が位置するように、撮像装置の撮影角度を制御する撮像制御装置と、撮像装置が浮子を撮影する撮影タイミングと同じタイミングで電磁波を送信し、浮子からの反射波を受信することにより浮子との間の直線距離を測定し、送信する電磁波の方向が、撮像装置の撮影角度に合わせて変更される距離測定装置と、第1の時点から第2の時点までの間に浮子が上下方向に移動した移動距離を算出する処理装置とを備え、処理装置は、第1の時点において距離測定装置が測定した第1の距離と、第2の時点において測定した第2の距離と、第1の時点における撮影角度である第1の角度と第2の時点における撮影角度である第2の角度の角度差とに基づき、移動距離を算出するようにしたので、変動水位を測定することができる。
(B2)処理装置は、第1の時点において浮子が浮かぶ水面の水位である第1の水位を記憶し、該第1の水位と移動距離とに基づき、第2の時点において浮子が浮かぶ水面の水位である第2の水位を算出するようにしたので、任意の時点における水位を測定することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能である。
上述の第1実施形態では、撮影動作や距離測定動作の開始を指示する動作開始指示情報を、処理装置40から距離測定装置10へ送信し、また、処理装置40から撮像制御装置30を介してカメラ20へ送信するよう構成したが、処理装置40から距離測定装置10へ送信し、距離測定装置10からカメラ20へ送信するように構成してもよい。あるいは、動作開始指示情報を、処理装置40から撮像制御装置30を介してカメラ20へ送信し、カメラ20から距離測定装置10へ送信するように構成してもよい。また、動作開始指示情報を、撮像制御装置30を介さずに、処理装置40からカメラ20へ直接送信するよう構成してもよい。第2実施形態も同様である。
また、上述の第1実施形態では、距離測定装置10とカメラ20は、動作開始指示情報を受信した後、一定時間tb毎に撮影と距離測定を行うよう構成したが、動作開始指示情報を契機に撮影と距離測定を開始するのではなく、処理装置40から距離測定装置10とカメラ20へ、所定時間おきに動作タイミング信号を送信し、この動作タイミング信号に基づき、距離測定装置10とカメラ20で、撮影と距離測定を行うように構成してもよい。第2実施形態も同様である。
この場合、例えば、カメラ20の撮影タイミングを指示する動作タイミング信号を、所定時間おきに処理装置40からカメラ20へ送信し、カメラ20から距離測定装置10へ送信し、この動作タイミング信号に基づき、撮影と距離測定を行うように構成してもよい。あるいは、逆に、距離測定装置10の距離測定タイミングを指示する動作タイミング信号を、所定時間おきに処理装置40から距離測定装置10へ送信し、距離測定装置10からカメラ20へ送信し、この動作タイミング信号に基づき、撮影と距離測定を行うように構成してもよい。第2実施形態も同様である。
また、距離測定装置10とカメラ20の一方が、動作開始指示情報を受信した後、所定時間おきに動作タイミング信号を生成して他方へ送信し、この動作タイミング信号に基づき、距離測定装置10とカメラ20で、撮影と距離測定を行うように構成してもよい。第2実施形態も同様である。
また、カメラ20は所定フレームレートで動画を撮影し、動画の各フレームの撮影角度情報に各フレームの撮影時刻である撮影時間情報を付加して処理装置40に送信し、距離測定装置10も連続的に距離測定を行い、各距離測定結果にそれぞれの距離測定時刻である距離測定時間情報を付加して処理装置40に送信し、処理装置40が、撮影時間情報が示す撮影経過時間と、距離測定時間情報が示す距離測定経過時間とが一致する場合(つまり、撮影時刻と距離測定時刻とが一致する場合)の撮影角度と距離測定結果とに基づいて軌跡を算出、つまり、同一時刻の撮影角度と距離測定結果とに基づいて軌跡を算出してもよい。第2実施形態も同様である。
また、カメラ20が浮子2を撮影する時間間隔と、距離測定装置10が浮子2との間の直線距離dを測定する時間間隔とは、異なっていてもよい。例えば、カメラ20が動画を撮影するときのフレームレートが、距離測定装置10が連続的に距離測定を行うときの時間間隔の2倍以上であってもよい。要は、撮影時間情報が示す撮影経過時間と、距離測定時間情報が示す距離測定経過時間とが一致するタイミングの数が、本発明を実行できる程度にあればよい。また、撮影時間情報が示すタイミングと距離測定経過時間が示すタイミングは、完全に一致している必要はなく、本発明を実行できる程度に同じであればよい。
また、上述した実施形態では、距離測定装置10及び撮影装置20のそれぞれが時計機能を有する場合を例にあげたが、処理装置40のみが時計機能を有するよう構成してもよい。例えば、処理装置40が基準クロックと基準時刻を有する。これら機能はGPS受信機によって実現されてもよい。そして、距離測定装置10、撮影装置20、及び撮影制御装置30は、処理装置40から供給される基準クロックに基づいて動作し、基準クロックのカウント値を経過時間情報とする。さらに、処理装置40は、距離測定装置10から受信した測定結果に、基準時刻に基づく距離測定時間情報を生成し対応付け、撮影制御装置30から受信した画像データや撮影角度情報に基準時刻に基づく撮影時間情報を生成し対応付けてもよい。これにより、GPS受信機等の時計機能が一つで良くなるとともに、各機能部の動作同期精度や時間情報の同期精度が向上する。
また、上述した第1実施形態では、第1の時刻からの経過時間を撮影時間情報や距離測定時間情報とした。しかし、本発明はこれに限定されない。上述したように、撮影時間情報や距離測定時間情報は、経過時間を特定できる情報であればよく、経過時間そのものの情報ではなく、時計機能に基づく時刻情報であってもよい。つまり、撮影装置20は撮影した時刻を撮影時間情報として出力し、距離測定装置10は距離を測定した時刻を距離測定時間情報として出力し、処理装置40は、同一時刻の撮影角度情報と距離情報とに基づいて軌跡データを取得する。これによっても上述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。第2実施形態も同様である。
また、上述の第1実施形態では、浮子2の2つの位置における直線距離dと撮影角度aとに基づき、上記2つの位置の間における浮子2の軌跡の長さを算出し、これを複数回繰り返すことにより、出発点P1と到達点Pnとの間の浮子2の軌跡の長さLaを取得するよう構成したが、出発点P1と到達点Pnとの間の複数の位置(P1、P2.・・・Pn)における直線距離dと撮影角度aとに基づき、浮子2の軌跡を生成し、該生成した軌跡に基づき、軌跡の長さLaを取得するよう構成してもよい。
また、上述の第1実施形態では、撮影開始した後、撮影角度が所定の角度になるまで、浮子2の軌跡を生成したが、撮影開始した後、所定時間が経過すると、動作終了指示情報を処理装置40から距離測定装置10とカメラ20へ送信し、上記所定時間が経過するまで、浮子2の軌跡を生成するよう構成してもよい。
また、上述の第1実施形態では、撮像制御装置30において、画像データにおける浮子2の位置が所定の位置であるか否かを判定し、浮子2の位置が所定の位置である場合に、撮影角度/経過時間情報を処理装置40へ送信するよう構成したが、カメラ20において、画像データにおける浮子2の位置が所定の位置であるか否かを判定し、浮子2の位置が所定の位置である場合に、撮影角度/経過時間情報を、撮像制御装置30を介して処理装置40へ送信するよう構成してもよい。第2実施形態も同様である。
あるいは、カメラ20において、画像データにおける浮子2の位置が所定の位置であるか否かを判定し、浮子2の位置が所定の位置である場合に、撮影角度/経過時間情報を、撮像制御装置30を介さず、処理装置40へ直接送信するよう構成してもよい。第2実施形態も同様である。
あるいは、撮像制御装置30において、画像における浮子2の位置が所定の位置であるか否かを判定することなく、画像データと撮影角度/経過時間情報を全て処理装置40へ送信し、処理装置40において、画像データにおける浮子2の位置が所定の位置であるか否かを判定し、浮子2の位置が所定の位置である場合の撮影角度/経過時間情報を、撮影角度/距離/経過時間情報42aとして取り込むよう構成してもよい。第2実施形態も同様である。
また、上述の第1実施形態では、カメラ20と撮像制御装置30を別な装置としたが、それらを一体化した装置として構成してもよい。また、カメラ20と撮像制御装置30と距離測定装置10を一体化した装置として構成してもよい。また、カメラ20と撮像制御装置30と距離測定装置10と処理装置40を一体化した装置として構成してもよい。また、撮影制御装置30と処理装置40を一体化した装置として構成してもよい。第2実施形態も同様である。
また、上述の第1実施形態では、撮像部23と撮影角度を変更する雲台などの撮影角度変更部21b及び撮影角度情報を生成する機能部が、撮像装置20に含まれる場合を例にあげた。しかし、撮像部23と撮影角度を変更する雲台などの撮影角度変更部21b及び撮影角度情報を生成する機能部は、一体で構成される必要はない。また、撮像制御装置30がこれら機能の少なくとも一部を実現してもよい。
また、上述の第1実施形態では、距離測定装置10をカメラ20に固定することにより、距離測定装置10が送信する電磁波の方向が、カメラ20の撮影角度に合わせて変更されるよう構成したが、他の方法、例えば、カメラ20の動きに合わせて距離測定装置10が動くような、カメラ20と距離測定装置10の連動装置を用いてもよい。第2実施形態も同様である。
上述の第1実施形態では河川の流速を算出し、第2実施形態では河川の水位を算出したが、流速や水位の算出対象は、河川に限られず、浮子が浮かぶ水塊であればよい。
2…浮子、3…河川、10…距離測定装置、11…距離測定制御部、12…発振部、13…送信部、13a…分配器、13c…送信増幅器、13d…送信アンテナ、15…受信部、15a…受信アンテナ、15b…受信増幅器、15c…ダウンコンバータ、18…距離データ抽出部、18a…低域IFフィルタ、18b…低域IF増幅器、18c…低域IFフィルタ、18d…A/D変換器、19…距離測定記憶部、19a…距離/経過時間情報、20…カメラ(撮像装置)、21…カメラ制御部、21a…画像データ生成部、21b…撮影角度変更部、22…カメラ記憶部、22a…画像データ、22b…撮影角度/経過時間情報、23…撮像部、24…ネットワークI/F、30…撮像制御装置、31…撮像制御部、31a…浮子識別部、31b…撮影角度制御部、32…撮像制御記憶部、32a…画像データ、32b…浮子基準データ、32c…撮影角度/経過時間情報、33…ネットワークI/F、40…処理装置、41…処理制御部、41a…軌跡長算出部、41b…流速算出部、41c…浮子軌跡生成部、41d…動作開始/終了部、42…処理記憶部、42a…撮影角度/距離/経過時間情報、42b…浮子軌跡データ、43…操作部、44…ネットワークI/F、50…表示装置、60…処理装置、61…処理制御部、61a…移動距離算出部、61b…水位算出部、61c…浮子軌跡生成部、61d…動作開始/終了部、62…処理記憶部、62a…撮影角度/距離/経過時間情報、62b…水位基準データ、62c…水位軌跡データ、63…操作部、64…ネットワークI/F。

Claims (8)

  1. 水面に浮かぶ浮子を撮影し、該撮影したときの撮影角度を示す撮影角度情報と、前記浮子を含む画像データとを生成する撮像装置と、
    前記画像データと前記撮影角度情報とを前記撮像装置から受信し、前記画像データ中の所定領域に前記浮子の画像が位置するように、前記撮像装置の撮影角度を制御する撮像制御装置と、
    電磁波を送信し、前記浮子からの反射波を受信することにより、前記浮子との間の直線距離を測定して、該測定した直線距離を示す距離情報を生成する距離測定装置であって、送信する電磁波の方向が、前記撮像装置の撮影角度に合わせて変更される距離測定装置と、
    複数の時点において前記距離測定装置が生成した前記距離情報を前記距離測定装置から受信し、前記複数の時点において前記撮像装置が生成した前記撮影角度情報を、前記撮像装置又は前記撮像制御装置から受信し、前記受信した距離情報と撮影角度情報とに基づき、前記複数の時点の間に前記浮子が移動した軌跡を示す軌跡データを取得する処理装置と、
    を備えることを特徴とする浮子軌跡取得システム。
  2. 請求項1に記載された浮子軌跡取得システムであって、
    前記撮像装置は、さらに、当該撮像装置が前記複数の時点において前記浮子を撮影した撮影時間を示す撮影時間情報を生成し、
    前記撮像制御装置は、さらに、前記撮影時間情報を前記撮像装置から受信し、前記画像データ中の所定領域に前記浮子の画像が位置する場合は、そのときの撮影角度情報と前記撮影時間情報とを前記処理装置へ送信し、
    前記距離測定装置は、さらに、当該距離測定装置が前記複数の時点において前記浮子との間の直線距離を測定した距離測定時間を示す距離測定時間情報を生成し、
    前記処理装置は、前記距離情報と該距離情報に対応する前記距離測定時間情報とを前記距離測定装置から受信し、前記撮影角度情報と該撮影角度情報に対応する前記撮影時間情報とを前記撮像装置又は前記撮像制御装置から受信して、前記撮影時間情報が示す前記撮影時間と、前記距離測定時間情報が示す前記距離測定時間とが一致する場合の、前記撮影角度情報と前記距離情報とに基づき、前記軌跡データを取得することを特徴とする浮子軌跡取得システム。
  3. 請求項2に記載された浮子軌跡取得システムであって、
    前記撮影時間情報は、所定の第1の時刻から当該撮像装置が前記複数の時点において前記浮子を撮影するまでの経過時間である撮影経過時間を特定できる情報であり、前記距離測定時間情報は、前記第1の時刻から当該距離測定装置が前記複数の時点において前記浮子との間の直線距離を測定するまでの経過時間である距離測定経過時間を特定できる情報であることを特徴とする浮子軌跡取得システム。
  4. 請求項1に記載された浮子軌跡取得システムであって、
    前記処理装置は、
    前記撮影角度が予め定めた所定の角度に到達すると、前記撮像装置と前記距離測定装置の動作を停止させる動作停止指示を送信することを特徴とする浮子軌跡取得システム。
  5. 請求項1に記載された浮子軌跡取得システムであって、
    前記処理装置は、前記撮像装置と前記距離測定装置の動作を開始させる動作開始指示を送信し、該動作開始指示の送信から所定時間後に、前記撮像装置と前記距離測定装置の動作を停止させる動作停止指示を送信することを特徴とする浮子軌跡取得システム。
  6. 請求項1に記載された浮子軌跡取得システムであって、
    前記距離測定装置が前記撮像装置に固定されていることを特徴とする浮子軌跡取得システム。
  7. 請求項1の浮子軌跡取得システムを用いた流速測定システムであって、
    前記処理装置は、
    前記軌跡データに基づき前記軌跡の長さを算出し、該算出した軌跡の長さと前記複数の時点の間の時間とに基づき、前記浮子が浮かぶ流水の流速を算出することを特徴とする流速測定システム。
  8. 請求項7に記載された流速測定システムであって、
    前記処理装置は、
    第1の時点において前記距離測定装置が測定した直線距離である第1の距離と、第2の時点において前記距離測定装置が測定した直線距離である第2の距離と、前記第1の時点における前記撮像装置の撮影角度である第1の角度と前記第2の時点における前記撮像装置の撮影角度である第2の角度との差である第1の角度差とに基づき、前記浮子が前記第1の時点から前記第2の時点までに移動した第1の軌跡の長さを算出し、
    前記第2の距離と、第3の時点において前記距離測定装置が測定した直線距離である第3の距離と、前記第2の角度と前記第3の時点における前記撮影角度である第3の角度との差である第2の角度差とに基づき、前記浮子が前記第2の時点から前記第3の時点までに移動した第2の軌跡の長さを算出し、
    前記第1の軌跡の長さと前記第2の軌跡の長さを加算したものを、前記浮子が前記第1の時点から前記第3の時点までに移動した軌跡の長さとすることを特徴とする流速測定システム。
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