JP2017124556A - 接合方法 - Google Patents

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Ryuta Someya
竜太 染谷
岡本 徹志
Tetsushi Okamoto
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Abstract

【課題】接合部品の強度を高めることができる接合方法を提供する。【解決手段】本発明による接合方法は、熱可塑性樹脂21と充填材22とを含む、光透過性を有する樹脂膜11と、金属または無機材料を含み、表面の少なくとも一部に穴部13を具備してなる支持体12とを圧着させる工程と、樹脂膜11または支持体12の、樹脂膜11と支持体12との接触界面14の近傍部分を加熱して、樹脂膜11を軟化させ、穴部13内に樹脂膜11の一部を導入しつつ、樹脂膜11と支持体12とを接合する工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、接合方法に関する。
樹脂と繊維とを複合させた繊維強化プラスチック(FRP)は、高強度かつ軽量であることから、航空機、自動車、電気・電子機器、建築資材などあらゆる分野で広く使用されている。近年では、蒸気タービンやガスタービンなどの発電設備または航空機などに用いられる金属などで構成されている構造部材にも、構造部材の軽量化を図るため、金属の代替品としてFRPを用いることが検討されており、FRPと金属またはセラミックスとを接合して一体化させた構造部材の開発が進められている。
FRPと金属またはセラミックスとを接合して一体化させた構造部材として、例えば、FRPで形成したノズル板や動翼の一部に、耐エロージョン特性の高い材料によって形成されたノズル板や動翼を接合させてノズルまたは複合翼を形成し、エロージョンによる侵食を緩和して、ノズルまたは複合翼の長寿命化を図る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−213427号公報
しかしながら、発電設備または航空機などのように衝撃あるいは振動が加わる機器の構造部材の材料に、金属の代替品としてFRPを使用すると、FRP中の樹脂と繊維との間で剥離が生じ、FRPが本来有する高強度などの特性を発揮できず、十分な強度を保持できない可能性がある。そこで、金属またはセラミックスで形成された支持体の表面に、FRPなどで形成された樹脂膜を形成した複合部品を構造部材として用いる方法が検討されている。
このような複合部品を発電設備などで長期間安定して使用するためには、樹脂膜と支持体との接合強度を高め、複合部品の強度を高める必要がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、複合部品の強度を高めることができる接合方法を提供することにある。
一の実施形態による接合方法は、熱可塑性樹脂と充填材とを含む、光透過性を有する樹脂膜と、金属または無機材料を含み、表面の少なくとも一部に穴部を具備してなる支持体とを圧着させる工程と、前記樹脂膜または前記支持体の、前記樹脂膜と前記支持体との接触界面の近傍部分を加熱して、前記樹脂膜を軟化させ、前記穴部内に前記樹脂膜の一部を導入しつつ、前記樹脂膜と前記支持体とを接合する工程と、を含む。
本発明によれば、樹脂膜と金属成形体との接合強度を向上させることにより、接合部品の強度を高めることができる。
第1の実施形態による接合方法の一工程を示す図である。 第1の実施形態による接合方法の他の一工程を示す図である。 第1の実施形態による接合方法の他の一例の工程を示す図である。 第1の実施形態による接合方法の他の一例の工程を示す図である。 第2の実施形態による接合方法の一工程を示す図である。 第2の実施形態による接合方法の他の一工程を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態による接合方法について、図面を参照して説明する。なお、理解の容易のため、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。積層構造などの説明の便宜上、下記に示す例においては、支持体を下に配置した図と共に説明がなされるが、本発明は、必ずしもこの配置で製造または使用などがなされるわけではない。また、以下の説明において、支持体の厚み方向の一方を上または上方といい、支持体の厚み方向の他方を下または下方という場合がある。
(第1の実施形態)
第1の実施形態による接合方法について、図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態による接合方法の一工程を示す図であり、図2は、第1の実施形態による接合方法の他の一工程を示す図である。図1に示すように、樹脂膜11と支持体12とを圧着させる。支持体12の樹脂膜11側の表面には、複数の穴部13が形成されている。そして、樹脂膜11と支持体12との接触界面14の近傍部分にレーザー光15の焦点が位置するように、樹脂膜11の表面側からレーザー光15を照射して、接触界面14の近傍部分を加熱する。この結果、樹脂膜11はレーザー光15で直接加熱されると共に、加熱された支持体12の熱が樹脂膜11に伝播して樹脂膜11が加熱される。接触界面14の近傍部分に位置する樹脂膜11が加熱されて軟化すると、図2に示すように、支持体12の穴部13の内部に樹脂膜11の一部を導入させつつ、樹脂膜11と支持体12とが接合される。このとき、樹脂膜11と支持体11とが圧着されていると、樹脂膜11が完全に軟化しない場合でも樹脂膜11が穴部13に導入される。これにより、樹脂膜11と支持体12とが接合して一体化させた複合部品16が製造される。
なお、近傍部分とは、接触界面14を含み、接触界面14から樹脂膜11または支持体12側に、例えば、500μm以下の範囲をいう。本実施形態においては、樹脂膜11と支持体12とを加圧して接触させているが、樹脂膜11の自重などにより支持体12の表面上に樹脂膜11が設置できれば、樹脂膜11と支持体12とを加圧せずに接触させるようにしてもよい。また、本実施形態においては、樹脂膜11を加熱して軟化させているが、樹脂膜11がさらに溶融するまで加熱してもよい。また、本実施形態において、穴部13とは、溝を意味するが、単なる窪みまたは貫通孔であってもよい。
樹脂膜11は、熱可塑性樹脂21と充填材22とを含み、光透過性を有することが好ましい。なお、本明細書において、光透過性を有するとは、支持体12を加熱するために入射した光の一部が透過することを意味し、入射した光がその樹脂膜11を透過する割合が80%以上であることが好ましく、さらに好ましくは90%以上である。
本発明で用いる熱可塑性樹脂21としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PENp)、液晶ポリエステルなどのポリエステル系樹脂や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンなどのポリオレフィン系樹脂や、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂およびフェノキシ樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性樹脂21は、上記の樹脂の共重合体や変性体および/または2種類以上組み合わせた樹脂などであってもよい。樹脂膜11の強度および耐衝撃性の観点から、ポリアミド(PA)とポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。また、耐熱性および耐薬品性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく用いられる。樹脂膜11の外観および寸法安定性の観点から、ポリカーボネート(PC)やスチレン系樹脂が好ましく用いられる。成形性および軽量性の観点から、ポリプロピレン樹脂などポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。樹脂膜11の強度の観点から、ポリアミド樹脂が好ましく用いられる。熱可塑性樹脂21の1種または2種以上は、樹脂膜11中に60質量%以上含まれることが好ましい。熱可塑性樹脂21のメルトフローレート(MFR)や密度については、樹脂膜11として求められる性能によって適宜選択して使用することができる。また、熱可塑性樹脂21が官能基を有しない樹脂で構成されている場合には、この接触界面14に対してUVオゾン処理やプラズマ処理などの一般的な表面改質処理を行ってもよい。
樹脂膜11の厚さは、特に限定されるものではなく、適宜任意の厚さに調整することができる。
充填材22としては、炭素繊維、ガラス繊維、炭素粒子、およびシリカからなる群から選択される一種以上を用いることができる。特に、樹脂膜11の強度向上を図るから、炭素繊維またはガラス繊維を用いることが好ましい。樹脂膜11は、充填材22として炭素繊維またはガラス繊維を用いている場合、繊維強化プラスチック(FRP)といい、特に、充填材22として炭素繊維を用いている場合、樹脂膜11は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)といい、充填材22としてガラス繊維を用いている場合、樹脂膜11は、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)という。
充填材22の形状は、特に限定されるものではなく、繊維状、粒子状、板状など適宜任意の形状とすることができる。
充填材22の最大長さは、樹脂膜11の厚さ、支持体12の種類、複合部品16の用途などに応じて適宜調整されるが、充填材22の最大長さが短すぎると、充填材22が小さすぎるため、熱可塑性樹脂21の補強効果が不十分である。そのため、樹脂膜11の軟化時に穴部13に樹脂膜11が入り込んでも、穴部13に入り込んだ樹脂膜11の強度が弱いため、樹脂膜11と支持体12との接合強度の向上が図れない可能性がある。また、充填材22の最大長さが長すぎると、樹脂膜11の形成時に熱可塑性樹脂21の流れ方向に配向がかかってしまい、充填材22が支持体12側の表面付近に十分に分散されずに固定化されてしまう可能性がある。そのため、樹脂膜11の軟化時に穴部13に樹脂膜11が入り込んでも、充填材22は穴部13に入らないため、穴部13に入り込んだ樹脂膜11の強度が弱くなり、樹脂膜11と支持体12との接合強度の向上が図れない可能性がある。本実施形態では、充填材22の最大長さを樹脂膜11の厚さ、支持体12の種類、複合部品16の用途などに応じて適宜調整する。これにより、樹脂膜11の形成時に充填材22が熱可塑性樹脂21中を容易に動くことができるため、樹脂膜11全体に充填材22を一定の割合で存在させることができると共に、樹脂膜11の軟化時に穴部13に樹脂膜11が入り込んだ際、充填材22も穴部13に入り込むことができ、強固な接合強度を持たせることができる。
なお、充填材22の長さは、樹脂膜11から熱可塑性樹脂21を除去し、残った充填材22を走査型電子顕微鏡で測定することにより求められる。ここで、充填材22の最大長さとは、充填材22の形状が長方形状である場合、3辺の内で最大の長さであり、充填材22の形状が円筒形状である場合、円の長軸側の直径長さと円筒の高さとで長い方の長さであり、球状または回転楕円体形状である場合、あらゆる断面の長軸側の直径長さをとった時のもっとも長い直径の長さである。また、充填材22が2種類以上用いられる場合、全ての種類の充填材22をまとめて上記のような方法で最大長さを求める。
なお、充填材22は、熱可塑性樹脂21と混練する前の段階では最大長さが10μm以上であってもよく、混練中および成形中に切断、粉砕されることで、最大長さが上記範囲に入ったものであってもよい。
充填材22の含有量は、樹脂膜11に対して、20wt%以下であることが好ましい。充填材22の含有量が20wt%を超えると、接触界面14にレーザー光15が十分到達できず、接触界面14に位置する熱可塑性樹脂21の軟化が十分できない可能性がある。また、熱可塑性樹脂21の流動性が極度に低下し、樹脂膜11の成形性に影響を与える可能性がある。
また、樹脂膜11は、種々の機能を付与する目的で配合剤を含んでもよい。配合剤としては、耐候剤、分散剤、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、あるいは、カップリング剤などが挙げられる。
支持体12は、金属または無機材料を用いて形成することができる。
金属としては、鉄、アルミニウム、マグネシウム、銅、金、ニッケル、チタン、またはこれらの合金などを挙げることができる。レーザー光15の照射によって支持体12を加熱して、伝熱によって樹脂膜11と接合するため、支持体12には、銅やアルミニウムなどの熱伝導性の高い金属を使用することが好ましい。また、銅は、レーザー光15が近赤外域の波長である場合、レーザー光15の反射率が高いため、穴部13にレーザー光15を照射することで、光吸収効率を高めることができる。
無機材料としては、SiCなど熱伝導性を有するセラミックスを用いることができる。なお、熱伝導性は、例えば200W/(m・K)以上であることが好ましい。
支持体12の樹脂膜11側の表面に形成されている穴部13の大きさは、特に限定されず、穴部13の幅、深さ、またはアスペクト比は、樹脂膜11の厚さ、支持体12の種類、複合部品16の用途などに応じて適宜調整される。なお、穴部13の大きさまたは穴部13の幅は、穴部13の内径の大きさまたは幅をいう。
穴部13同士の間隔は、樹脂膜11の厚さ、支持体12の種類、複合部品16の用途などに応じて適宜調整される。穴部13同士の間隔が上記範囲内であれば、樹脂膜11が穴部13に入り込む箇所が増えるため、樹脂膜11と支持体12との接合強度を高くすることができる。
穴部13の断面形状は、凹状としているが、これに限定されず他の形状であってもよい。
支持体12の厚さは、用途によって適宜調整される。支持体12の接触界面14側には、プラズマ処理などの表面改質処理を施してもよい。
レーザー光15は、接触界面14の近傍部分を加熱するためのエネルギーとして用いられ、レーザー照射装置23より樹脂膜11の表面側から照射され、接触界面14の近傍部分に供給される。レーザー照射装置23は、支持体12の長手方向または短手方向に沿って移動可能に構成されている。レーザー照射装置23は、半導体レーザー、YAGレーザー、ファイバーレーザー、色素レーザー、ガスレーザーなどを光源として用いることができる。レーザー光15の光源は、一つに限定されず、複数使用してもよい。また、レーザー光15の接触界面14に対する入射角度は、約90°としているが、特に限定されず適宜任意の角度に調整することができる。レーザー光15の波長は、支持体12の材料の種類に応じて、光源の種類を変えることによってレーザー光15の波長を適宜任意に変更することができる。レーザー光15の波長を変更することによって、支持体12の材料の種類に応じて、樹脂膜11と支持体12との接合を効果的に行うことができる。
レーザー光15を用いた樹脂膜11と支持体12との接合及び溶着条件は、材料のレーザー照射波長における吸収率、熱伝導率を考慮した上で、レーザー光15の焦点のスポットサイズ、出力、照射時間、光源の走査速度、加圧力などを適宜決定する。なお、レーザー光15の焦点のスポットサイズは、数mm以下であり、樹脂膜11の厚さ、支持体12の種類、穴部13の大きさ、穴部13の深さ、または複合部品16の用途などに応じて適宜調整される。
レーザー光15は、その焦点が接触界面14の近傍部分となるように照射されている。レーザー光15の焦点の位置を上記のように調整することにより、接触界面14の近傍部分に位置する樹脂膜11が直接加熱され、樹脂膜11を軟化させることができる。また、接触界面14の近傍部分に位置する支持体12も加熱され、加熱された支持体12から伝播する熱によって樹脂膜11を軟化させることができる。一方、レーザー光15の焦点の位置が樹脂膜11の内部に寄りすぎると、接触界面14の近傍部分に位置する熱可塑性樹脂21の軟化が十分できない可能性がある。また、レーザー光15の焦点の位置が支持体12の内部に寄りすぎると、支持体12の加熱が優先され、接触界面14の近傍部分に位置する熱可塑性樹脂21の軟化が十分できない可能性がある。
このように、レーザー照射装置23から照射されたレーザー光15は、樹脂膜11を透過し、接触界面14の近傍部分に照射されることにより、接触界面14の近傍部分の樹脂膜11および支持体12にレーザー光15の光エネルギーが吸収されて熱エネルギーを生じさせ、樹脂膜11を加熱する。この熱によって、樹脂膜11の接触界面14の近傍部分の熱可塑性樹脂21は軟化し、軟化した熱可塑性樹脂21は、支持体12の表面の穴部13に入り込む。その後、レーザー光15の照射による接触界面14の近傍部分の加熱が終わると、熱可塑性樹脂21が冷却され、熱可塑性樹脂21は穴部13の内部に留まる。これにより、樹脂膜11と支持体12とは、接触界面14の表面の他に、穴部13内の表面とも接合させることができるため、樹脂膜11と支持体12との接合面積を大きくして、樹脂膜11と支持体12とを接合させることができる。
よって、本実施形態によれば、樹脂膜11と支持体12との接合面積を大きくして樹脂膜11と支持体12とを接合させることにより、樹脂膜11と支持体12との接合強度を向上させることができるため、複合部品16の強度を高めることができる。
また、樹脂膜11と支持体12との接合を金型を用いて射出成形する方法があるが、この場合、金型が必要であり、曲面などが多く存在する部材などでは、樹脂膜11と支持体12とを安定して接合できない可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、レーザー光15を用いて樹脂膜11と支持体12とを接合しているため、金型が必要なく、曲面などが多く存在する部材などに対しても樹脂膜11と支持体12とを安定して容易に接合することができる。
したがって、本実施形態によれば、発電設備または航空機などのように衝撃あるいは振動が加わる機器の構造部材の材料として有効に用いることができる。発電設備としては、例えば、発電用蒸気タービン、発電用ガスタービン、発電用風力タービンなどが挙げられる。航空機用としては、例えば、航空機推進用ガスタービンなどが挙げられる。
また、本実施形態によれば、樹脂膜11と支持体12とが接触する接触界面14のうち、接触界面14の任意の範囲にレーザー光15を照射することにより、接触界面14を局所的に急速に加熱させているため、樹脂膜11あるいは支持体12に影響を与えることなく樹脂膜11と支持体12とを接合させることができる。
また、本実施形態においては、熱可塑性樹脂21を効率よく軟化させるための部材を樹脂膜11に含んでもよい。例えば、図3に示すように、樹脂膜11に吸光材31を含んでもよい。吸光材31を樹脂膜11に含めることで、レーザー光15が照射された際、接触界面14でレーザー光15の光エネルギーが吸収されて熱エネルギーを生じさせると共に、吸光材31においてもレーザー光15の光エネルギーが吸収されて熱エネルギーを生じさせることができる。よって、接触界面14および吸光材31でレーザー光15の光エネルギーを熱エネルギーに変換して樹脂膜11に伝熱させることができるため、樹脂膜11の軟化効率を向上させることができる。このため、樹脂膜11と支持体12との接合をより安定して効率良く行うことができる。
吸光材31としては、例えば、銅合金などが用いられる。吸光材31は、樹脂膜11に、20wt%以下の範囲内で含まれることが好ましい。吸光材31の含有量が少なすぎると、レーザー光15の吸収効率が十分でなく、吸光材31の含有量が多すぎると、レーザー光15が接触界面14に十分照射できず、接触界面14およびの近傍部分の支持体12を加熱することができなくなる。
また、本実施形態においては、図3に示す吸光材31以外に、図4に示すように、樹脂膜11に光反射材32を含んでもよい。レーザー光15が接触界面14に照射された際、支持体12から樹脂膜11側へ反射したレーザー光15を光反射材32によって再度反射させて、接触界面14に照射させることができる。よって、接触界面14の近傍部分の樹脂膜11および支持体12に、レーザー光15の光エネルギーを効率良く吸収させて熱エネルギーを生じさせることができるため、樹脂膜11を効率良く加熱させることができる。これにより、樹脂膜11の軟化効率を向上させることができるため、樹脂膜11と支持体12との接合をより効率良く行うことができる。
光反射材32としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO)、硫酸バリウム(BaSO)およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。光反射材32は、樹脂膜11に、20wt%以下の範囲内で含まれることが好ましい。光反射材32の含有量が少なすぎると、接触界面14で反射したレーザー光15の反射が十分でなく、光反射材32の含有量が多すぎると、レーザー光15が接触界面14に十分照射できず、接触界面14の近傍部分の支持体12を加熱することができなくなる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態による接合方法について、図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。本実施形態による接合方法では、樹脂膜と支持体との接触界面の近傍部分を加熱する装置として、第1の実施形態による接合方法で用いたレーザー光照射装置に代えて高周波誘導装置を用いている。
図5は、第2の実施形態による接合方法の一工程を示す図であり、図6は、第2の実施形態による接合方法の他の一工程を示す図である。図5に示すように、樹脂膜11と支持体12とを重ね合わせ、樹脂膜11上に高周波誘導装置41を配置する。その後、高周波誘導装置41から高周波を樹脂膜11に向けて照射し、高周波による誘電加熱によって、接触界面14の近傍部分に位置する支持体12が加熱され、加熱された支持体12から伝播する熱によって樹脂膜11が軟化される。樹脂膜11が加熱されて軟化すると、図6に示すように、支持体12の穴部13の内部に樹脂膜11の一部を導入させつつ、樹脂膜11と支持体12とが接合される。これにより、樹脂膜11と支持体12とが接合して一体化させた複合部品16が製造される。
なお、高周波誘導装置41としては、例えば、数十MHz程度の高周波を発生させるものを使用することができる。また、本明細書において、高周波とは、国際電気通信連合(ITU)により電波をエネルギー源として産業・科学・医療に利用するために指定された周波数帯のISMバンド(Industry−Science−Medical)内の10KHz〜30GHzの範囲をいう。
よって、本実施形態によれば、高周波による誘電加熱を用いても、樹脂膜11を穴部13の内部に入り込ませることができるため、接触界面14の表面の他に、穴部13内の表面とも接合させることができる。これにより、樹脂膜11と支持体12との接合面積を大きくして樹脂膜11と支持体12とを接合させることができるため、樹脂膜11と支持体12との接合強度を高くすることができ、複合部品16の強度を高めることができる。
以上の通り、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11 樹脂膜
12 支持体
13 穴部
14 接触界面
15 レーザー光
16 複合部品
21 熱可塑性樹脂
22 充填材
23 レーザー照射装置
31 吸光材
32 光反射材
41 高周波誘導装置

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂と充填材とを含む、光透過性を有する樹脂膜と、金属または無機材料を含み、表面の少なくとも一部に穴部を具備してなる支持体とを圧着させる工程と、
    前記樹脂膜または前記支持体の、前記樹脂膜と前記支持体との接触界面の近傍部分を加熱して、前記樹脂膜を軟化させ、前記穴部内に前記樹脂膜の一部を導入しつつ、前記樹脂膜と前記支持体とを接合する工程と、
    を含むことを特徴とする接合方法。
  2. 前記近傍部分を加熱するためのエネルギーが、前記樹脂膜の表面側から供給される、請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記近傍部分を、レーザー光、または高周波による誘電加熱を用いて加熱する、請求項1または2に記載の接合方法。
  4. 前記近傍部分を加熱して、加熱された前記支持体から伝播する熱によって前記樹脂膜を軟化させる、請求項1〜3の何れか一項に記載の接合方法。
  5. 前記近傍部分を加熱して前記樹脂膜を直接加熱し、前記樹脂膜を軟化させる、請求項1〜4の何れか一項に記載の接合方法。
  6. 前記近傍部分にレーザー光の焦点が位置するようにレーザー光を用いて前記近傍部分を加熱する、請求項1〜5の何れか一項に記載の接合方法。
  7. 前記充填材が、炭素繊維、ガラス繊維、炭素粒子、およびシリカからなる群から選択される一種以上である、請求項1〜6の何れか一項に記載の接合方法。
  8. 前記金属が、鉄、アルミニウム、マグネシウム、銅、チタン、およびこれらの合金からなる群から選択される一種以上である、請求項1〜7の何れか一項に記載の接合方法。
  9. 前記樹脂膜が、吸光材または光反射材をさらに含み、
    前記近傍部分をレーザー光を用いて加熱する、請求項1〜8の何れか一項に記載の接合方法。
  10. 発電設備、または航空機の構成部材の材料に用いる、請求項1〜9の何れか一項に記載の接合方法。
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