JP2017124536A - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】共通液室に貯留される液体に混入した気泡を効果的に排出する。【解決手段】複数のノズルに供給される液体を貯留する第1方向に長尺な共通液室と、前記共通液室の壁面を構成する可撓性の吸振体と、前記共通液室に前記液体を導入する導入口とを具備し、前記共通液室は、前記第1方向における第1位置での深さが、前記第1位置と比較して前記導入口に近い第2位置における深さよりも浅い液体噴射ヘッド。【選択図】図5

Description

本発明は、インク等の液体を噴射する技術に関する。
インク等の液体を複数のノズルから噴射する液体噴射ヘッドが従来から提案されている。例えば特許文献1には、液体容器から導入路を介してリザーバー(共通液室)に供給および貯留される液体を複数の圧力発生室に分配し、圧電素子等の圧力発生素子により各圧力発生室内の液体を加圧することでノズルから噴射する液体噴射ヘッドが開示されている。
特開2007−301736号公報
特許文献1の技術のようにリザーバーに貯留された液体を複数のノズルに供給する構成では、リザーバー内の液体に混入した気泡を排出することが、例えば印刷品質の確保等の観点から重要である。以上の事情を考慮して、本発明は、共通液室に貯留される液体に混入した気泡を効果的に排出することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の液体噴射ヘッドは、複数のノズルに供給される液体を貯留する第1方向に長尺な共通液室と、共通液室の壁面を構成する可撓性の吸振体と、共通液室に液体を導入する導入口とを具備し、共通液室は、第1方向における第1位置での深さが、第1位置と比較して導入口に近い第2位置における深さよりも浅い。以上の態様では、第1方向における第1位置での共通液室の深さが、第1位置と比較して導入口に近い第2位置における共通液室の深さよりも浅い。すなわち、第1位置では第2位置と比較して流路面積が縮小されて液体の流速が増加する。したがって、共通液室の端部付近に滞留し易い気泡を効果的に移動させて排出できるという利点がある。
本発明の好適な態様において、共通液室は、導入口に連通する第1空間と、第1空間の下流側に位置するとともに内壁面が第1空間の底面に交差する第2空間とを含み、共通液室のうち第1空間において、第1位置での深さが第2位置での深さよりも浅い。以上の態様では、導入口に連通する第1空間と、内壁面が第1空間の底面に交差する第2空間とを共通液室が含むから、例えば第1空間および第2空間の一方のみで共通液室が形成される構成と比較して共通液室を大容量化することが可能である。
本発明の好適な態様において、第1空間の底面は、導入口から遠い位置ほど深さが浅くなる傾斜領域を含む。傾斜領域は、例えば第1方向における共通液室の端部に位置する。以上の態様では、傾斜領域が共通液室の端部に位置するから、共通液室の端部付近に特に滞留し易い気泡を効果的に排出できるという格別の効果が実現される。
本発明の好適な態様において、第1空間の底面は、導入口側の第1領域と、第1領域からみて第2空間側の第2領域とを含み、第2領域は第1領域と比較して浅い。以上の態様では、第1空間内を導入口から第2空間に向けて流動する液体の流路面積が第1領域から第2領域にかけて縮小するから、第1空間のうち第2領域内の液体の流速は第1領域内の液体の流速を上回る。したがって、第1空間内の液体に混入した気泡を効果的に排出できるという利点がある。
本発明の好適な態様において、第1空間の底面は、導入口側の第3領域と、第3領域からみて共通液室の端部側の第4領域とを含み、第4領域は第3領域と比較して浅い。以上の態様では、導入口から第1空間の端部側に流動する液体の流路面積が第3領域から第4領域にかけて縮小するから、第1空間のうち第4領域内の液体の流速は第3領域内の液体の流速を上回る。したがって、第1空間内の液体に混入した気泡を効果的に排出することが可能である。
本発明の好適な態様において、第2空間の内壁面間には、第1方向に交差する方向の梁状部が設置される。以上の態様では、第2空間の内壁面間に梁状部が設置されるから、梁状部を設置しない構成と比較して液体噴射ヘッドの機械的な強度を向上することが可能である。
本発明の好適な態様に係る液体噴射ヘッドは、共通液室から供給される液体に圧力を付与する複数の圧力室を具備し、第1空間の少なくとも一部は平面視で複数の圧力室に重なる。以上の態様では、第1空間の少なくとも一部が平面視で複数の圧力室に重なるから、第1空間が圧力室と重ならない構成と比較して、共通液室の容量を充分に確保しながら液体噴射ヘッドを小型化できるという利点がある。
本発明の好適な態様に係る液体噴射ヘッドは、共通液室が形成された筐体部を具備し、筐体部のうち導入口が形成される表面に吸振体が設置される。以上の態様では、筐体部のうち導入口が形成される表面に吸振体が設置されるから、共通液室内の液体の圧力変動を効果的に抑制することが可能である。すなわち、共通液室内の圧力変動の抑制と共通液室内の気泡の効果的な排出とを両立することが可能である。
本発明の好適な態様に係る液体噴射装置は、以上に例示した各態様に係る液体噴射ヘッドを具備する。液体噴射装置の好例は、インクを噴射する印刷装置であるが、本発明に係る液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。
本発明の第1実施形態に係る液体噴射装置の構成図である。 液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 液体噴射ヘッドの断面図(図2のIII-III線の断面図)である。 筐体部の平面図である。 第1区間の断面図(図4のV-V線の断面図)である。 対比例の構成図である。 第2実施形態における液体噴射ヘッドの断面図である。 第3実施形態における筐体部の断面図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体噴射装置100を例示する構成図である。第1実施形態の液体噴射装置100は、液体の例示であるインクを媒体12に噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体12は、典型的には印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の印刷対象が媒体12として利用され得る。図1に例示される通り、液体噴射装置100には、インクを貯留する液体容器14が固定される。例えば液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、またはインクを補充可能なインクタンクが液体容器14として利用される。色彩が相違する複数種のインクが液体容器14には貯留される。
図1に例示される通り、液体噴射装置100は、制御装置20と搬送機構22と移動機構24と複数の液体噴射ヘッド26とを具備する。制御装置20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリ等の記憶回路とを包含し、液体噴射装置100の各要素を統括的に制御する。搬送機構22は、制御装置20による制御のもとで媒体12をY方向に搬送する。
移動機構24は、制御装置20による制御のもとで複数の液体噴射ヘッド26をX方向に往復させる。X方向は、媒体12が搬送されるY方向に交差(典型的には直交)する方向である。第1実施形態の移動機構24は、複数の液体噴射ヘッド26を収容する略箱型の搬送体(キャリッジ)242と、搬送体242が固定されたX方向の無端ベルト244とを具備する。なお、液体容器14を液体噴射ヘッド26とともに搬送体242に搭載することも可能である。
複数の液体噴射ヘッド26の各々は、液体容器14から供給されるインクを制御装置20による制御のもとで複数のノズル(噴射孔)から媒体12に噴射する。例えば各液体噴射ヘッド26は相異なる色彩のインクを噴射する。搬送機構22による媒体12の搬送と搬送体242の反復的な往復とに並行して各液体噴射ヘッド26が媒体12にインクを噴射することで媒体12の表面に所望の画像が形成される。なお、X-Y平面(例えば媒体12の表面に平行な平面)に垂直な方向を以下ではZ方向と表記する。各液体噴射ヘッド26によるインクの噴射方向(典型的には鉛直方向)がZ方向に相当する。
図2は、任意の1個の液体噴射ヘッド26の分解斜視図であり、図3は、図2におけるIII−III線の断面図である。図2に例示される通り、液体噴射ヘッド26は、Y方向に沿って配列された複数のノズルNを具備する。第1実施形態の複数のノズルNは、第1列L1と第2列L2とに区分される。第1列L1と第2列L2との間でノズルNのY方向の位置は相違する。すなわち、複数のノズルNが千鳥配列(スタガ配列)される。図2から理解される通り、第1実施形態の液体噴射ヘッド26は、第1列L1の複数のノズルNに関連する要素と第2列L2の複数のノズルNに関連する要素とが略線対称に配置された構造である。そこで、以下の説明では、第1列L1の各ノズルNに関連する要素に便宜的に着目し、第2列L2の各ノズルNに関連する要素については説明を適宜に省略する。
図2および図3に例示される通り、第1実施形態の液体噴射ヘッド26は流路基板32を具備する。流路基板32は、第1面F1と第2面F2とを含む板状部材である。第1面F1はZ方向の負側の表面であり、第2面F2は第1面F1とは反対側(Z方向の正側)の表面である。流路基板32の第1面F1の面上には、圧力室基板34と振動部36と複数の圧電素子37と保護部材38と筐体部40とが設置され、第2面F2の面上にはノズル板52と吸振体54とが設置される。液体噴射ヘッド26の各要素は、概略的には流路基板32と同様にY方向に長尺な板状部材であり、例えば接着剤を利用して相互に接合される。
ノズル板52は、複数のノズルNが形成された板状部材であり、例えば接着剤を利用して流路基板32の第2面F2に設置される。各ノズルNはインクが通過する貫通孔である。第1実施形態のノズル板52は、半導体製造技術(例えばエッチング)を利用してシリコン(Si)の単結晶基板を加工することで製造される。ただし、ノズル板52の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
流路基板32は、インクの流路を形成するための板状部材である。図2および図3に例示される通り、第1実施形態の流路基板32には、開口部320と複数の供給流路322と複数の連通流路324とが形成される。開口部320は、平面視で(すなわちZ方向からみて)Y方向に沿う長尺状に形成された開口であり、供給流路322および連通流路324は、ノズルN毎に形成された貫通孔である。複数の供給流路322はY方向に配列され、複数の連通流路324も同様にY方向に配列される。また、図3に例示される通り、流路基板32の第2面F2には、複数の供給流路322にわたる連結流路326が形成される。連結流路326は、開口部320と複数の供給流路322とを連結する流路である。他方、連通流路324はノズルNに連通する。
図2および図3に例示される通り、圧力室基板34は、複数の圧力室空間342がY方向に沿って配列された板状部材であり、例えば接着剤を利用して流路基板32の第1面F1に設置される。圧力室空間342は、ノズルN毎に形成されて平面視でX方向に沿う長尺状の貫通孔である。図3に例示される通り、任意の1個の圧力室空間342のうちX方向の負側の端部は、流路基板32の1個の連通流路324に平面視で重なる。したがって、圧力室空間342とノズルNとは連通流路324を介して相互に連通する。他方、圧力室空間342のうちX方向の正側の端部は、流路基板32の1個の供給流路322に平面視で重なる。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の供給流路322は、開口部320と圧力室空間342とを所定の流路抵抗で連通させる絞り流路として機能する。
流路基板32および圧力室基板34は、前述のノズル板52と同様に、例えば半導体製造技術を利用してシリコン(Si)の単結晶基板を加工することで製造される。ただし、流路基板32および圧力室基板34の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
図2および図3に例示される通り、圧力室基板34のうち流路基板32とは反対側の表面には振動部36が設置される。第1実施形態の振動部36は、弾性的に振動可能な板状部材(振動板)である。なお、図2および図3では、圧力室基板34とは別体の振動部36を圧力室基板34に固定した構成を例示したが、所定の板厚の板状部材のうち圧力室空間342に対応する領域について板厚方向の一部を選択的に除去することで、圧力室基板34と振動部36とを一体に形成することも可能である。
図3から理解される通り、流路基板32の第1面F1と振動部36とは、各圧力室空間342の内側で相互に間隔をあけて対向する。圧力室空間342の内側で流路基板32の第1面F1と振動部36との間に位置する空間は、当該空間に充填されたインクに圧力を付与するための圧力室Cとして機能する。圧力室CはノズルN毎に個別に形成される。
図2および図3に例示される通り、振動部36のうち圧力室Cとは反対側の面上には、相異なるノズルNに対応する複数の圧電素子37が設置される。圧電素子37は、駆動信号の供給により振動する受動素子である。複数の圧電素子37は、各圧力室Cに対応するようにY方向に配列する。第1実施形態の圧電素子37は、相互に対向する一対の電極と電極間に積層された圧電体層とで構成される。図2および図3の保護部材38は、複数の圧電素子37を保護するための構造体であり、振動部36の表面に例えば接着剤で固定される。保護部材38のうち振動部36との対向面に形成された空間(凹部)の内側に複数の圧電素子37が収容される。
筐体部40は、複数の圧力室C(さらには複数のノズルN)に供給されるインクを貯留するためのケースである。筐体部40のうちZ方向の正側の表面が例えば接着剤で流路基板32の第1面F1に固定される。第1実施形態の筐体部40は、流路基板32や圧力室基板34とは別個の材料で形成される。例えば樹脂材料の射出成形で筐体部40を製造することが可能である。ただし、筐体部40の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
図4は、Z方向の負側(図2および図3の上方)からみた筐体部40の平面図である。図3および図4に例示される通り、筐体部40は、平面視でY方向(第1方向の例示)に長尺な共通液室Rが内部に形成された構造体である。共通液室Rは、複数のノズルNにわたる液室(リザーバー)であり、流路基板32の開口部320に連通する。筐体部40のうち流路基板32とは反対側の表面(以下「上面」という)415には、液体容器14から供給されるインクを共通液室Rに導入するための導入口43が形成される。導入口43は、筐体部40の共通液室Rと筐体部40の外部とを連通させる管状部分である。液体容器14から供給されるインクは導入口43を経由して共通液室Rに貯留される。図4に例示される通り、第1実施形態の導入口43は、平面視でY方向における共通液室Rの中央部に位置する。
図3および図4に例示される通り、第1実施形態の共通液室Rは、第1空間R1と第2空間R2とを包含する。第1空間R1および第2空間R2は、Y方向に長尺な空間である。第1空間R1は導入口43に連通する。第2空間R2は、第1空間R1の下流側(すなわち、液体噴射ヘッド26の内部の流路における圧力室CまたはノズルN側)に位置し、流路基板32の開口部320に連通する。
図3から理解される通り、第1空間R1の少なくとも一部は平面視で複数の圧力室Cに重なる。したがって、第1空間R1が圧力室Cと重ならない構成と比較して、共通液室Rの容量を充分に確保しながら液体噴射ヘッド26を小型化(X-Y平面方向のサイズの縮小)できるという利点がある。他方、第2空間R2は、筐体部40のうちX方向に沿って相互に対向する内壁面411と内壁面412との間の空間である。図3から理解される通り、第1空間R1の底面42と第2空間R2の内壁面411とは相互に交差(具体的には直交)する。以上の例示の通り、第1実施形態では、共通液室Rが第1空間R1と第2空間R2とを包含するから、共通液室Rを第1空間R1および第2空間R2の一方のみで形成した構成と比較して、共通液室Rを大容量化することが可能である。
図3および図4に例示される通り、共通液室Rには複数の梁状部48が設置される。梁状部48は、第2空間R2の内壁面411と内壁面412とにわたる梁状ないし桟状の部分である。具体的には、梁状部48は、内壁面411および内壁面412の一方からX方向に突出して他方に到達する形状に形成される。以上の構成によれば、梁状部48による補強で筐体部40の機械的な強度を維持できるという利点がある。第1実施形態では、梁状部48のうちZ方向の負側の表面(鉛直方向の上面)が第1空間R1の底面42に同一平面内で連続する。ただし、梁状部48のZ方向の位置は適宜に変更され得る。なお、梁状部48の個数は任意である。
複数の梁状部48は、Y方向に相互に間隔をあけて共通液室R(第2空間R2)に設置される。図4に例示される通り、Y方向に相互に隣合う2個の梁状部48の間隔W(W1,W2)は、Y方向における共通液室Rの端部に近付くほど減少する。具体的には、共通液室Rの端部側に位置する間隔W1は、当該間隔W1と比較して導入口43側(上流側)に位置する間隔W2を下回る(W1<W2)。以上の例示のように共通液室Rの端部側ほど間隔Wを狭くした構成によれば、共通液室Rの端部側ほど間隔W内の流速が増加するから、共通液室Rの端部付近に滞留し易い気泡を効果的に排出することが可能である。
以上の構成において、液体容器14から導入口43に供給されたインクは、図3に破線の矢印で図示した通り、共通液室Rの第1空間R1内でX-Y平面に略平行な方向(例えば水平方向)に流動し、各梁状部48の間隔Wを通過して第2空間R2に進入するとともに、第2空間R2内ではZ方向の正側(例えば鉛直方向の下方)に流動する。そして、共通液室Rに貯留されたインクは、連結流路326から複数の供給流路322にに分岐して各圧力室Cに並列に供給および充填され、振動部36の振動に応じた圧力変動により圧力室Cから連通流路324とノズルNとを通過して外部に噴射される。以上の説明から理解される通り、共通液室Rは、複数のノズルNに供給されるインクを貯留する空間として機能する。
図2および図3に例示される通り、流路基板32の第2面F2には吸振体54が設置される。吸振体54は、共通液室R内のインクの圧力変動を吸収する可撓性のフィルム(コンプライアンス基板)である。図3に例示される通り、吸振体54は、流路基板32の空間R1と連結流路326と複数の連通流路324とを閉塞するように流路基板32の第2面F2に設置されて共通液室Rの底面を構成する。
他方、図2および図3に例示される通り、第1実施形態の筐体部40には開口部44が形成される。開口部44は、共通液室Rに重なるようにY方向に長尺に形成された開口である。図2および図3に例示される通り、筐体部40の上面415には吸振体46が設置される。吸振体46は、共通液室R内のインクの圧力変動を吸収するコンプライアンス基板として機能する可撓性のフィルムであり、開口部44を閉塞するように筐体部40の上面415に設置されて共通液室Rの壁面(具体的には天井面)を構成する。筐体部40の上面415には充分な面積を確保し易いから、当該上面415に吸振体46を設置した第1実施形態によれば、吸振体54のみを設置した構成と比較して、共通液室R内の圧力変動を効果的に吸収できるという利点がある。
図5は、図4におけるV-V線の断面図である。図5に例示される通り、第1実施形態における第1空間R1の底面42は、供給領域420と傾斜領域421と傾斜領域422とを包含する。供給領域420は、X-Y平面に略平行な領域である。傾斜領域421は供給領域420からみてY方向の正側に位置し、傾斜領域422は供給領域420からみてY方向の負側に位置する。すなわち、傾斜領域421および傾斜領域422は、平面視で共通液室Rの両端部に位置する。
傾斜領域421および傾斜領域422の各々は、導入口43から遠い位置ほど深さが浅くなるように表面が傾斜した領域である。具体的には、共通液室RのうちY方向の正側の端部に位置する傾斜領域421は、Y方向の正側(導入口43とは反対側)の位置ほど高くなるように傾斜した領域であり、共通液室RのうちY方向の負側の端部に位置する傾斜領域422は、Y方向の負側(導入口43とは反対側)の位置ほど高くなるように傾斜した領域である。
したがって、第1実施形態の共通液室Rは、Y方向における位置y1(第1位置の例示)での深さDA1が、位置y1と比較して導入口43に近い位置y2(第2位置の例示)における深さDA2よりも浅い空間(DA1<DA2)であると表現できる。以上の構成では、共通液室Rの第1空間R1におけるY方向の端部側ほど、流路面積が縮小することでインクの流速が増加する。したがって、共通液室R内のインクに混入した気泡を効果的に移動させて外部に排出できるという利点がある。第1実施形態では、傾斜領域422が共通液室Rの端部に位置するから、共通液室Rの端部付近に特に滞留し易い気泡を効果的に排出できるという格別の効果が実現される。
ところで、共通液室Rの端部側ほど流路面積を縮小させる構成としては、例えば図6に例示した構成(以下「対比例」という)も想定される。対比例の構成では、図6に例示される通り、天井部429を含む筐体部40aが第1実施形態の筐体部40に代替され、天井部429の内壁面(共通液室Rの天井面)の高さをY方向に沿って変化させることで共通液室Rの流路面積を端部側ほど縮小させる。しかし、対比例の構成では、吸振体54を設置するスペースの確保が困難であるから、共通液室R内の圧力変動を吸収する機能を充分に確保できない可能性がある。第1実施形態では、共通液室Rの底面42に傾斜領域421および傾斜領域422を形成した構成により、共通液室Rの流路面積を端部側ほど縮小させるから、筐体部40の上面415には、大面積の吸振体46を設置できるスペースを確保できる。以上の説明から理解される通り、第1実施形態によれば、吸振体54の大型化により共通液室R内の圧力変動を抑制する機能を充分に確保しながら、共通液室Rの端部側ほど流路面積を縮小させて気泡を効果的に排出できる、という格別の効果が実現される。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図7は、第2実施形態における液体噴射ヘッド26の断面図であり、前掲の図3と同様の断面が図示されている。第1空間R1の底面42が共通液室Rの端部の傾斜領域421と傾斜領域422とを含む構成は第1実施形態と同様である。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
図7に例示される通り、第2実施形態における第1空間R1の底面42は、Y方向からみて供給領域Q1と狭窄領域Q2と中間領域Q3とを包含する。供給領域Q1は、X方向における導入口43側の領域(第1領域の例示)である。狭窄領域Q2は、供給領域Q1からみて第2空間R2側に位置する領域(第2領域の例示)である。すなわち、第1空間R1の底面42の狭窄領域Q2と第2空間R2の内壁面411とが相互に交差する。中間領域Q3は、供給領域Q1と狭窄領域Q2との間の領域である。
図7から理解される通り、狭窄領域Q2は供給領域Q1と比較して浅い。具体的には、狭窄領域Q2における第1空間R1の深さDB2は、供給領域Q1における第1空間R1の深さDB1を下回る(DB2<DB1)。中間領域Q3は、供給領域Q1と狭窄領域Q2とを連結する傾斜面である。以上の説明から理解される通り、第1空間R1内を導入口43から第2空間R2に向けて流動するインクの流路面積は、供給領域Q1から狭窄領域Q2にかけて連続的に縮小する。すなわち、狭窄領域Q2は、第1空間R1内のインクの絞り流路として機能し、第1空間R1の狭窄領域Q2内のインクの流速は供給領域Q1内のインクの流速を上回る。したがって、第2実施形態によれば、第1空間R1内のインクに混入した気泡を効果的に排出できるという利点がある。
なお、図7の中間領域Q3を省略することも可能である。ただし、中間領域Q3を省略した構成では、供給領域Q1と狭窄領域Q2との間の段差部分に気泡が滞留し得る。したがって、第1空間R1内のインクを円滑に流動させて気泡を効果的に排出するという観点からは、供給領域Q1と狭窄領域Q2とを中間領域Q3で連結した図7の構成が好適である。
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態における液体噴射ヘッド26の第1空間R1の説明図であり、前掲の図5と同様の断面(Y-Z平面に平行な断面)が図示されている。図8に例示される通り、第3実施形態における第1空間R1の底面42は、供給領域420と傾斜領域421と傾斜領域422と狭窄領域424と狭窄領域425とを包含する。供給領域420(第3領域の例示)は、導入口43側に位置する領域(具体的には導入口43に対向する領域)である。狭窄領域424および狭窄領域425は、供給領域420からみて共通液室R(第1空間R1)の端部側に位置する領域(第4領域の例示)である。具体的には、狭窄領域424は供給領域420からみてY方向の正側に位置し、狭窄領域424は供給領域420からみてY方向の負側に位置する。
図8から理解される通り、狭窄領域424および狭窄領域425は供給領域420と比較して浅い。具体的には、狭窄領域424および狭窄領域425の各々における第1空間R1の深さDC2は、供給領域420における第1空間R1の深さDC1を下回る(DC2<DC1)。傾斜領域421は、供給領域420と狭窄領域424とを連結する傾斜面であり、傾斜領域422は、供給領域420と狭窄領域425とを連結する傾斜面である。
以上の説明から理解される通り、導入口43から供給されてX方向における第1空間R1の各端部側に流動するインクの流路面積は、供給領域420から狭窄領域424および狭窄領域425にかけて連続的に縮小する。すなわち、狭窄領域424および狭窄領域425は、第1空間R1内のインクの絞り流路として機能し、狭窄領域424および狭窄領域425内を流動するインクの流速は供給領域420内のインクの流速を上回る。したがって、第3実施形態によれば、第1空間R1内のインクに混入した気泡を効果的に排出できるという利点がある。なお、第1空間R1の底面42が傾斜領域421と傾斜領域422とを含む構成は第1実施形態と同様であるから、第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
なお、図8の傾斜領域421および傾斜領域422を省略することも可能である。ただし、傾斜領域421および傾斜領域422を省略した構成では、供給領域420と狭窄領域424または狭窄領域425との間の段差部分に気泡が滞留し得るから、第1空間R1内のインクを円滑に流動させて気泡を効果的に排出するという観点からは、傾斜領域421および傾斜領域422を形成した構成が好適である。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)前述の各形態では、吸振体46および吸振体54の双方を設置した構成を例示したが、例えば共通液室R内の圧力変動が特段の問題とならない場合には、吸振体46および吸振体54の一方または双方を省略することも可能である。
(2)前述の各形態では、梁状部48を筐体部40と一体に形成したが、筐体部40とは別体の梁状部48を筐体部40に固定した構成も採用され得る。また、梁状部48を省略することも可能である。
(3)圧力室Cの内部に圧力を付与する要素(駆動素子)は、前述の各形態で例示した圧電素子37に限定されない。例えば、加熱により圧力室Cの内部に気泡を発生させて圧力を変動させる発熱素子を駆動素子として利用することも可能である。以上の例示から理解される通り、駆動素子は、液体を噴射するための要素(典型的には圧力室Cの内部に圧力を付与する要素)として包括的に表現され、動作方式(圧電方式/熱方式)や具体的な構成の如何は不問である。
(4)前述の各形態では、液体噴射ヘッド26を搭載した搬送体242をX方向に往復させるシリアル方式の液体噴射装置100を例示したが、液体噴射ヘッド26の複数のノズルNが媒体12の全幅にわたり分布するライン方式の液体噴射装置にも本発明を適用することが可能である。
(5)前述の各形態で例示した液体噴射装置100は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
100…液体噴射装置、12…媒体、14…液体容器、20…制御装置、22…搬送機構、24…移動機構、242…搬送体、244…無端ベルト、26…液体噴射ヘッド、32…流路基板、322…供給流路、324…連通流路、326…連結流路、34…圧力室基板、342…圧力室空間、36…振動部、37…圧電素子、38…保護部材、40…筐体部、43…導入口、46…吸振体、48…梁状部、52…ノズル板、54…吸振体、R…共通液室、C…圧力室、N…ノズル。

Claims (10)

  1. 複数のノズルに供給される液体を貯留する第1方向に長尺な共通液室と、
    前記共通液室の壁面を構成する可撓性の吸振体と、
    前記共通液室に前記液体を導入する導入口とを具備し、
    前記共通液室は、前記第1方向における第1位置での深さが、前記第1位置と比較して前記導入口に近い第2位置における深さよりも浅い
    液体噴射ヘッド。
  2. 前記共通液室は、前記導入口に連通する第1空間と、前記第1空間の下流側に位置するとともに内壁面が前記第1空間の底面に交差する第2空間とを含み、
    前記共通液室のうち前記第1空間において、前記第1位置での深さが前記第2位置での深さよりも浅い
    請求項1の液体噴射ヘッド。
  3. 前記第1空間の底面は、前記導入口から遠い位置ほど深さが浅くなる傾斜領域を含む
    請求項2の液体噴射ヘッド。
  4. 前記傾斜領域は、前記第1方向における前記共通液室の端部に位置する
    請求項3の液体噴射ヘッド。
  5. 前記第1空間の底面は、前記導入口側の第1領域と、前記第1領域からみて前記第2空間側の第2領域とを含み、前記第2領域は前記第1領域と比較して浅い
    請求項2から請求項4の何れかの液体噴射ヘッド。
  6. 前記第1空間の底面は、前記導入口側の第3領域と、前記第3領域からみて前記共通液室の端部側の第4領域とを含み、前記第4領域は前記第3領域と比較して浅い
    請求項2の液体噴射ヘッド。
  7. 前記第2空間の内壁面間には、前記第1方向に交差する方向の梁状部が設置される
    請求項2から請求項6の何れかの液体噴射ヘッド。
  8. 前記共通液室から供給される前記液体に圧力を付与する複数の圧力室を具備し、
    前記第1空間の少なくとも一部は平面視で前記複数の圧力室に重なる
    請求項1から請求項7の何れかの液体噴射ヘッド。
  9. 前記共通液室が形成された筐体部を具備し、
    前記筐体部のうち前記導入口が形成される表面に前記吸振体が設置される
    請求項1から請求項8の何れかの液体噴射ヘッド。
  10. 請求項1から請求項9の何れかの液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置。
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