以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。また、本実施形態では、特定の小役の成立をランプ等でナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、特定プレイ数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能であるRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
なお、以後の説明において、パチスロ1から遊技者に向かう側(方向)をパチスロ1の前側と称し、前側とは逆側を後側と称し、遊技者から見て右側及び左側をパチスロ1の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する。また、前側及び後側を含む方向は、前後方向と称し、右側及び左側を含む方向は、左右方向又は幅方向と称する。前後方向及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向と称する。
[パチスロの機能フロー]
図1に示したように、パチスロ1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー16が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU93)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ64(図4参照)によるスタートレバー16に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられるものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン17L、17C、17Rが押されると、リール停止制御手段(後述のメインCPU93)は、内部当籤役とストップボタン17L、17C、17Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン17L、17C、17Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインとしての入賞ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU93)は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の成立又は不成立を判定する。そして、入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン17L、17C、17Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの画像表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、回転役物の駆動、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロの構造]
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。なお、図2は、本実施形態のパチスロ1の外部構造を示す斜視図であり、図3は、パチスロ1の表示装置10の概要図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容する筐体としてのキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉自在に取付けられたフロントドア2bとを有している。キャビネット2aの両側面には、把手2cが設けられている(図2では一側面の把手2cのみを示す)。この把手2cは、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて表示された複数(本実施の形態では3つ)のリール3L、3C、3R(図3参照)が収容されている。以下、各リール3L、3C、3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、リール3Rという。各リール3L、3C、3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。上述の複数(例えば21個)の図柄は、前述のシート材の表面に描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、所定の演出を表示する表示装置10とを備えている。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉自在に取り付けられている。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。
また、フロントドア2bは、3つのリール3L、3C、3Rを視認させることが可能な表示窓4を有する。表示窓4は、3つのリール3L、3C、3Rに対応する3つの左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4Rによって構成されている。これら表示窓4L、4C、4Rは、正面(遊技者側)から見て、3つのリール3L、3C、3Rの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4L、4C、4Rを介して、表示窓4の背後に設けられた3つのリール3L、3C、3Rを視認することができる。
本実施の形態では、表示窓4L、4C、4Rは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4L、4C、4Rの枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施の形態では、左リール3Lの上段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの下段領域を結ぶラインを、入賞か否かの判定を行う入賞ラインとして定義する。
<表示装置10の概要>
続いて、表示装置10は、図3に示すように、液晶表示装置11と液晶表示装置11の前面(遊技者側)に設けられたパネル装置400とを備えている。本実施形態では、液晶表示装置11とパネル装置400とを連携させることで、表示装置10において遊技上の演出に係る画像や遊技に関する情報を表示する。
液晶表示装置11は、映像の表示による演出を実行する他、例えばパチスロ1のカスタマイズや遊技履歴等の遊技台情報(以下ではメニュー画面と呼ぶことがある)やパチスロ1においてエラーが発生した場合にエラー内容を遊技店の店員に伝えるためのエラー画面を表示することができる。なお、演出の実行に伴い液晶表示装置11に表示される画像を「演出画像」と呼ぶことがあり、メニュー画面やエラー画面のように演出とは関係なく液晶表示装置11に表示される画像を「非演出画像」と呼ぶことがある。
パネル装置400は、いわゆるイルミアレイ(登録商標)用のパネル装置であり、透明な導光板401と導光板401の側方に配置されるLED(Light Emitting Diode)403とによって構成される。導光板401は、アクリル素材等の透過性を有する透過パネルである。図3(b)に示すように、導光板401には、板面に沿った光を遊技者側に反射する反射面を有する凹部(反射凹部402a)が複数形成されており、これら複数の反射凹部402aによって図3(a)に示す潜像402が形成されている。
LED403は、導光板401の側方に配置され、導光板401の板面に沿って発光する。このようなLED403としては、多数のLEDを線状に設けたLEDアレイなどが好適に用いられる。図3(b)に示すように、LED403の発光に伴い導光板401の板面に沿って発射された光は、反射凹部402aにより前面(遊技者側)に反射し、反射凹部402aにより形成される潜像402が遊技者から視認可能になる。
このような表示装置10において、図3(a)に示すように、LED403が発光していない場合、遊技者からは潜像402を視認できない状態になり、遊技者は、導光板401を透明な板として認識することになる。その結果、表示装置10では、液晶表示装置11に表示された内容に応じて演出が行われることになる。
一方で、LED403が発光している場合には、複数の反射凹部402aが光を遊技者側に反射することにより、図3(c)に示すように潜像402が可視像化されて遊技者が視認可能になる。このような場合、表示装置10では、パネル装置400を用いた演出や、パネル装置400と液晶表示装置11とを連携した演出が行われることになる。
なお、本実施形態では、導光板401には「CHANCE!!」という文字を示す潜像402が描かれているが、潜像402は、このような文字に限られるものではなく、他の文字であってもよく、また、文字に限らずキャラクタの顔などの画像が描かれることとしてもよい。
図2に戻り、上述したリール3L、3C、3R及び表示装置10の前面側には、保護ガラス6が配設されている。これにより、リール3L、3C、3R及び表示装置10(液晶表示装置11やパネル装置400)を遊技者が直接触れることができないようになっている。
また、ドア本体9の前面側の上部には、保護ガラス6を取り囲むようにして装飾部材7が取り付けられている。装飾部材7は、パチスロ1の外装の一部を構成するとともに、上部外装部材7a、一対の側部外装部材7b及び下部外装部材7cを含んで構成されている。特に、上部外装部材7aは、液晶表示装置11の上方であって、後述する回転役物200の前方に配置されている。
ドア本体9の中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L、17C、17R、選択ボタン18、決定ボタン19)が設けられている。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。すなわち、メダル投入口13は、遊技者によってメダルが投入されるためのものである。メダル投入口13から投入されたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14及び1ベットボタン15は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、図2には示さないが、台座部12には、精算ボタンが設けられる。この精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。スタートレバー16は、遊技者の操作に応じて全てのリール(3L、3C、3R)の回転を開始させるためのものである。
ストップボタン17L、17C、17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応付けて設けられ、遊技者の操作に応じて対応する各リールの回転を停止させるためのものである。
また、これらストップボタン17L、17C、17Rは、液晶表示装置11に表示される情報に関する操作を行う際に用いられるようになっており、例えば液晶表示装置11の表示画面上における選択操作を行う際に用いられる。以下、ストップボタン17L、17C、17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
選択ボタン18及び決定ボタン19は、液晶表示装置11の表示画面上における各種操作(例えば、メニュー画面の呼び出しや、メニュー画面上の操作)を行う際に用いられる。また、台座部12には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器28が設けられている。この7セグ表示器28は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口21、メダル受皿22、スピーカ23L、23R等が設けられている。メダル払出口21は、後述のホッパー装置43の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿22は、メダル払出口21から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ23L、23Rは、演出内容に対応する効果音や曲等の音を出力する。
台座部12とメダル受皿22との間には腰部パネル29が設けられており、腰部パネル29は、パチスロ1の機種名や役構成等の各種の情報を表示する。
<パチスロ機の電気的構成>
次に、パチスロ1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチスロ1の電気的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、パチスロ1は、キャビネット2aに配設された主制御基板41と、フロントドア2bに配設された副制御基板42とを有している。主制御基板41には、リール中継端子板51と、設定用鍵型スイッチ52と、キャビネット側中継基板53と、ドア中継端子板54と、電源装置44の電源基板44bとが電気的に接続されている。
リール中継端子板51は、各リール3L、3C、3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板51は、各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板41からステッピングモータに出力される信号を中継する。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ1の設定を変更する際又はパチスロ1の設定を確認する際に使用する。キャビネット側中継基板53には、外部集中端子板56と、ホッパー装置43と、メダル補助収納庫スイッチ57とが電気的に接続されている。
このキャビネット側中継基板53は、主制御基板41から外部集中端子板56、ホッパー装置43、メダル補助収納庫スイッチ57に出力される信号を中継する。つまり、外部集中端子板56、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57は、キャビネット側中継基板53を介して主制御基板41に接続されている。
外部集中端子板56は、キャビネット2aに取り付けられており、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティ信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
メダル補助収納庫スイッチ57は、図示しないメダル補助収納庫を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫がメダルで満杯になっているか否かを検出する。電源装置44の電源基板44bには、電源スイッチ44aが接続されている。
この電源スイッチ44aは、ONである場合にパチスロ1の電源が投入され、電源装置44からパチスロ1に必要な電源が供給される。また、電源スイッチ44aがOFFである場合、パチスロ1の電源が切断され、電源装置44からパチスロ1への電源の供給が停止される。ドア中継端子板54には、メダルセンサ46、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66、選択スイッチ67、決定スイッチ68及び副中継基板69が接続されている。
つまり、メダルセンサ46、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66、選択スイッチ67、決定スイッチ68及び副中継基板69は、ドア中継端子板54を介して主制御基板41に接続されている。
メダルセンサ46は、メダルが図示しないセレクタ内を通過したことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。ドア開閉監視スイッチ61は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号をパチスロ1の外部へ出力する。BETスイッチ62は、MAXベットボタン14及び1ベットボタン15(図2参照)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
精算スイッチ63は、精算ボタン(不図示)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。スタートスイッチ64は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
ストップスイッチ基板65は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板65には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン17L、17C、17Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板66は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L、3C、3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器28に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板66には、7セグ表示器28とLED70が接続されている。LED70は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
選択スイッチ67は、選択ボタン18が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。決定スイッチ68は、決定ボタン19が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。そして、主制御基板41は、選択スイッチ67又は決定スイッチ68から出力された検出結果を、必要に応じて副制御基板42に出力する。
副中継基板69は、副制御基板42と主制御基板41とを接続する配線を中継する。また、副中継基板69は、副制御基板42と副制御基板42の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継する。すなわち、副中継基板69には、副制御基板42と、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、24hドア開閉監視ユニット74と、回転役物制御基板78とが電気的に接続されている。
副制御基板42は、ドア中継端子板54と副中継基板69を介して主制御基板41に接続されている。また、副制御基板42は、副中継基板69を介して、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、24hドア開閉監視ユニット74と、回転役物制御基板78とに電気的に接続されている。
サウンドI/O基板71は、スピーカ23L、23Rへの音声の出力を行う。LED基板72は、副制御回路101(図6参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示すLED群25を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、LED基板72は、腰部パネル29と装飾部材7とを照明するLED群25、及び回転役物200に設けられたLEDを制御する。
24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bを開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板42(副制御回路101)に出力する。
回転役物制御基板78は、副制御回路101(図6参照)の制御により実行される演出に応じて、回転役物200を駆動させる。回転役物200は、回転役物制御基板78によって駆動制御されることで後述する目玉部材205の回転駆動を行う。すなわち、本実施形態では、副制御回路101及び回転役物制御基板78は、役物制御手段を構成し、副制御回路101の制御により実行される演出に応じて、目玉部材205が回転役物制御基板78により駆動制御される。
副制御基板42には、ロムカートリッジ基板76と、液晶中継基板77と、パネル制御基板79とが接続されている。ロムカートリッジ基板76は、演出用の画像(映像)、音声、光(LED群25)、回転役物200の駆動及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板77は、副制御基板42と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
パネル制御基板79は、副制御基板42とパネル装置400を構成するLED403とを接続する配線を中継する基板であり、パネル装置400を用いて複数種類のイルミネーション表示を実行する。パネル制御基板79には、副制御基板42の副制御回路101(図6参照)からの発光態様の基となるデータを入力するドライブ回路が構成され、LED403にLED制御信号を出力することで、様々な態様で潜像402に応じた像をパネル装置400に表示する。
<主制御回路>
次に、主制御基板41により構成される主制御回路91について、図5を参照して説明する。図5は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、主制御部としての主制御回路91は、主制御基板41上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素とし、遊技の進行を制御するものである。
マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド信号)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L、3C、3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L、3C、3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施の形態では、基本的に滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときに表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板42により構成される副制御回路101について、図6を参照して説明する。図6は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、副制御部としての副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンド信号に基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行うとともに、液晶表示装置11、回転役物200、各種LED、スピーカ23L、23R等の周辺装置の制御を行うものである。
副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンド信号に応じて、ロムカートリッジ基板76に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力及び回転役物200の駆動の制御を行う。
ロムカートリッジ基板76は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。
例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11による映像の表示を制御する描画制御タスク、回転役物200を制御する役物制御タスク、LEDの光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ23L、23Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブRAM103は、ワークエリアとしてのDRAM(Dynamic RAM)とバックアップ用のSRAM(Static RAM)とを含んで構成され、電源投入時にはSRAMに記憶された各種データをDRAMにコピーすることで、副制御回路101で用いる各種情報を電源切断時の内容に復帰させる。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定された役物可動データに基づいて回転役物200を駆動する。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ23L、23Rにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLEDの点灯及び消灯を制御する。
<回転役物の構造>
次に、回転役物200について、図2及び図7〜図16を参照して説明する。なお、本実施の形態の回転役物200は、本発明の可動式役物を構成する。
図2に示すように、回転役物200は、表示装置10よりもパチスロ1の前面側に設けられている。回転役物200は、上下に開閉可能なカバー部材198を備えている。カバー部材198は、本発明の可動部を構成する。また、カバー部材198の手前には、回転役物200が遊技者によって直接触れられることがないように図示しない透明なレンズ199が設けられている。
カバー部材198が開放されると、図8に示すように、回転役物200の目玉本体203が露出する。また、カバー部材198が閉止されると、回転役物200の目玉本体203は、遊技者に対して視認不能になる。なお、回転役物200は、目を模した役物(ギミック)であり、カバー部材198は瞼に相当し、目玉本体203は目玉に相当する。また、カバー部材198は、図示しないモータ等のアクチュエータによって上下に開閉される。
図7〜図9において、回転役物200は、上側ベース202、目玉本体203及び下側ベース204を備えている。
目玉本体203は、パチスロ1の左右方向に延在する目玉部材205と、目玉部材205の延在方向一端部に設けられた左目尻部材206と、目玉部材205の延在方向他端部に設けられた右目尻部材207とを備えている。なお、目玉部材205の回転方向及び左右の向きは、遊技者から見た回転方向及び左右の向きである。
目玉部材205は、延在方向に沿った円弧面205Aを有する半球形状に形成されており、円弧面205Aには目玉を模した画像205aが形成されている。目玉部材205は、円弧面205Aに沿って左右方向に回転可能になっている。また、目玉部材205は、レンズから構成されている。
左目尻部材206及び右目尻部材207は、それぞれ目玉部材205と非係合であるときには、目玉部材205と左目尻部材206及び右目尻部材207とが重畳した位置に配されている。また、左目尻部材206及び右目尻部材207は、遊技者側から見て目玉部材205よりも後方に重なって設けられている。具体的には、左目尻部材206及び右目尻部材207の後端は、目玉部材205の幅方向の後端よりも後方に位置している。
左目尻部材206及び右目尻部材207の前端は、目玉部材205の延在方向の両端部側を覆うようにして目玉部材205の前方に設置されており、目玉部材205に対して相対回転可能となっている。左目尻部材206及び右目尻部材207の背面にはそれぞれ係合突起206A、207Aが形成されている。
図10、図11に示すように、目玉部材205の延在方向の一端部(左端部)には係合突起205Bが形成されている。係合突起205Bは、左目尻部材206の背面に形成された係合突起206Aに係合可能となっている。
目玉部材205の延在方向の他端部(右端部)には係合突起205Cが形成されている。係合突起205Cは、右目尻部材207の背面に形成された係合突起207Aに係合可
能となっている。
左目尻部材206の係合突起206Aは、目玉部材205の係合突起205Bに対して目玉部材205の延在方向内方に位置している。これにより、目玉部材205が回転方向の一方側である右方向に回転すると、係合突起205Bが係合突起206Aに係合することとなる。その後、目玉部材205がさらに右方向に回転すると、左目尻部材206が目玉部材205と共に右方向に可動する。
右目尻部材207の係合突起207Aは、目玉部材205の係合突起205Cに対して目玉部材205の延在方向内方に位置している。これにより、目玉部材205が回転方向の他方側である左方向に回転すると、係合突起205Cが係合突起207Aに係合することとなる。その後、目玉部材205がさらに左方向に回転すると、右目尻部材207が目
玉部材205と共に左方向に可動する。
図10に示すように、目玉部材205の背面には突出板208が設けられており、突出板208は、目玉部材205の背面から後方に突出している。突出板208の上面には3つのボス部208A(図10においては、中央のボス部208Aのみが図示されている)が立設されている。
ボス部208Aには、ブッシュ209Aがボス部208Aに対して回転自在に取り付けられている。ブッシュ209Aは、ワッシャ209Bを介してビス209Cによって、ボス部208Aに対して抜け止めされている。
図7に示すように、上側ベース202は、左右方向に延在するベース本体210と、ベース本体210から前方に突出する半円部211とを備えている。ベース本体210には左右方向に延在するガイド溝210Aが形成されており、ガイド溝210Aにはラック部材212が左右方向に移動自在に挿入されている。
ラック部材212の右端部にはラック歯212Aが形成されており、ラック歯212Aには中継ギヤ213が噛み合っている。中継ギヤ213は、ベース本体210に回転自在に支持されており、中継ギヤ213は、モータ214の出力ギヤ214Aに噛み合っている。なお、モータ214は、回転役物制御基板78によって駆動される。
モータ214は、ベース本体210に支持されており、出力ギヤ214Aを回転させる。出力ギヤ214Aが正逆回転すると、中継ギヤ213を介してラック部材212が左右方向に往復移動する。
ラック部材212にはガイド片212Bが設けられており、ガイド片212Bは、ラック部材212から前方に突出する。ガイド片212Bには前後方向に延びる長穴212bが形成されている。長穴212bには、突出板208の上面に形成された3つのボス部208Aのうちの中央に位置するボス部208Aに取り付けられたブッシュ209Aが摺動自在に嵌合するようになっている。
半円部211には目玉部材205の回転方向、換言すれば、円弧面205Aに沿った方向と同一方向に湾曲するガイド溝211Aが形成されている。ガイド溝211Aには上述の3つのブッシュ209Aが摺動自在に嵌合するようになっている。この3つのブッシュ209Aのうち中央のブッシュ209Aは、ガイド溝211Aを通してさらに長穴212bに嵌合されている。
これにより、ラック部材212が左右方向に移動した際には、中央のブッシュ209Aが長穴212b内を前後方向に移動しつつガイド溝211Aに沿って移動することで、目玉部材205が左右方向に回転する。
左目尻部材206及び右目尻部材207の上部にはそれぞれ係合片206B、207Bが形成されている。図7、図11〜図13に示すように、ベース本体210にはガイド溝210B、210Cが形成されており、ガイド溝210B、210Cは、目玉部材205の回転方向と同一方向に延在している。ガイド溝210B、210Cにはそれぞれ係合片206B、207Bが係合しており、左目尻部材206及び右目尻部材207は、ガイド溝210B、210Cにそれぞれ案内されて左右方向に回転する。
図7、図14〜図16に示すように、下側ベース204には、ガイド溝204A、204Bが形成されており、ガイド溝204A、204Bは、目玉部材205の回転方向と同一方向に延在している。
左目尻部材206の下部には一対のブッシュ215A、215Bが回転自在に設けられており、ブッシュ215A、215Bは、ガイド溝204Aに摺動自在に嵌合されている。右目尻部材207の下部には一対のブッシュ215C、215Dが回転自在に設けられており、ブッシュ215C、215Dは、ガイド溝204Bに摺動自在に嵌合されている。
これにより、係合片206B、207Bが上側ベース202のガイド溝210B、210Cに案内され、かつブッシュ215A、215B、215C及び215Dが下側ベース204のガイド溝204A、204Bに案内されることによって、左目尻部材206及び右目尻部材207が目玉部材205の回転方向に安定して可動される。
図7、図8において、下側ベース204には左目尻部材216及び右目尻部材217が固定されている。左目尻部材216及び右目尻部材217は、可動式の左目尻部材206及び右目尻部材207の前方に位置し、目玉部材205が中立位置に位置した状態において、左目尻部材206及び右目尻部材207の一部を前方から覆っている。なお、目玉部材205が中立位置に位置した状態とは、図8、図11、図14に示すように、目玉部材205の目玉を模した画像205aが正面を向いた状態のことである。
目玉部材205が中立位置に位置した状態において、左目尻部材216は、左目尻部材206の左側半分を覆っている。一方、左目尻部材206の右側半分は、左目尻部材216によって覆われておらず、前方から目視可能である。右目尻部材217は、右目尻部材207の右側半分を覆っている。一方、右目尻部材207の左側半分は、右目尻部材217によって覆われておらず、前方から目視可能である。
図7、図14において、左目尻部材206のブッシュ215Aにはワイヤ218の一端部が取付けられており、ワイヤ218の他端部は、コイルスプリング219の一端部に取付けられている。コイルスプリング219の他端部は、下側ベース204に取付けられており、コイルスプリング219は、左目尻部材206を目玉部材205の回転方向の他方向である左方向に付勢している。
コイルスプリング219と左目尻部材206との間には滑車220が設けられており、滑車220は、ワイヤ218に摺接し、コイルスプリング219が目玉部材205の延在方向一端部に対して側方(左側)に位置するようにワイヤ218を屈曲させている。
右目尻部材207のブッシュ215Cにはワイヤ221の一端部が取付けられており、ワイヤ221の他端部は、コイルスプリング222の一端部に取付けられている。コイルスプリング222の他端部は、下側ベース204に取付けられており、コイルスプリング222は、右目尻部材207を目玉部材205の回転方向の一方向である右方向に付勢している。
コイルスプリング222と右目尻部材207との間には滑車223が設けられており、滑車223は、ワイヤ221に摺接し、コイルスプリング222が目玉部材205の延在方向一端部に対して側方(右側)に位置するようにワイヤ221を屈曲させている。
ここで、回転役物200には、図示しない複数のLEDを備えた図示しないLED基板が設けられており、LED基板は、目玉部材205の後方に設けられている。目玉部材205は、LEDによって後方から照射され、目玉部材205に照明された光は、レンズ199を通してパチスロ1の前方に照射される。
本実施の形態の回転役物200において、図11に示すように、目玉部材205が中立位置に位置した状態からモータ214によって出力ギヤ214Aが反時計回転方向に回転すると、中継ギヤ213を介してラック部材212が右方向に移動する。このとき、図12に示すように、長穴212bに嵌合されている中央のブッシュ209A(図7参照)がガイド片212Bによって右方向に押圧される。
3つのブッシュ209Aは、半円部211に形成されたガイド溝211Aに摺動自在に嵌合されているので、中央のブッシュ209Aがガイド片212Bによって右方向に押圧されると、目玉部材205は、3つのブッシュ209Aを介してガイド溝211Aに沿って右方向に回転する。
ガイド溝211Aは、目玉部材205の回転方向と同一方向に湾曲しており、3つのブッシュ209Aは、湾曲したガイド溝211Aに沿って右方向に移動する。中央のブッシュ209Aは、ラック部材212のガイド片212Bの長穴212bに摺動自在に嵌合しており、長穴212bは、パチスロ1の前後方向に沿って延在しているので、3つのブッシュ209Aがガイド溝211Aに沿って右方向に移動するときに、中央のブッシュ209Aが長穴212bに沿って前後方向に摺動することで目玉部材205がガイド溝211Aに沿って円滑に回転する。
目玉部材205が右方向に移動するときには、目玉部材205の延在方向一端部に形成された係合突起205Bに左目尻部材206の係合突起206Aが係合することで(図12、図13参照)、目玉部材205の後方において左目尻部材206が目玉部材205の延在方向一端部と重なりながら目玉部材205と共に右方向に可動する。
左目尻部材206が右方向に可動すると、係合突起205Bが係合突起206Aに係合した瞬間(図15の状態)から図16に示すように、ワイヤ218がコイルスプリング219を引っ張ることにより、コイルスプリング219が伸長して、左目尻部材206を左方向側に付勢する。
左目尻部材206の係合突起206Aは、目玉部材205の係合突起205Bに対して目玉部材205の延在方向内方に位置しているので、左目尻部材206が目玉部材205と共に右方向に可動しても左目尻部材206がコイルスプリング219に引っ張られて左方向に引き戻されることがない。このようにして、目玉部材205は、右方向に移動する。図9、図13、図14は、目玉部材205が右方向の最大移動位置まで移動した状態を示している。
目玉部材205が右方向の最大移動位置まで移動した状態からモータ214によって出力ギヤ214Aが時計回転方向に回転すると、中継ギヤ213を介してラック部材212が左方向に移動する。このとき、中央のブッシュ209A(図7参照)がガイド片212Bによって左方向に押圧される。
中央のブッシュ209Aがガイド片212Bによって左方向に押圧されると、目玉部材205は、3つのブッシュ209Aを介してガイド溝211Aに沿って左方向に回転する。目玉部材205が中立位置に向かって左方向に回転すると、左目尻部材206は、コイルスプリング219に引っ張られることで、目玉部材205と共に左方向に可動する。目玉部材205が右方向の最大移動位置から中立位置まで回転すると、左目尻部材206は、初期位置に復帰する。なお、目玉部材205が右方向から中立位置に向かって移動する状態は、図13(図16)、図12(図15)、図11(図14)の順で示される。
目玉部材205が中立位置に位置した状態からモータ214によって出力ギヤ214Aが時計回転方向に回転すると、中継ギヤ213を介してラック部材212が左方向に移動する。このとき、長穴212bに嵌合されている中央のブッシュ209A(図7参照)がガイド片212Bによって左方向に押圧される。
中央のブッシュ209Aがガイド片212Bによって左方向に押圧されると、目玉部材205は、3つのブッシュ209Aを介してガイド溝211Aに沿って左方向に回転する。
3つのブッシュ209Aがガイド溝211Aに沿って左方向に移動するときに、中央のブッシュ209Aが長穴212bに沿って前後方向に摺動することで目玉部材205がガイド溝211Aに沿って円滑に回転する。
また、目玉部材205が左方向に移動するときには、目玉部材205の延在方向他端部に形成された係合突起205Cに右目尻部材207の係合突起207Aが係合することで、目玉部材205の後方において右目尻部材207が目玉部材205の延在方向他端部と重なりながら目玉部材205と共に左方向に可動する。
右目尻部材207が左方向に可動すると、ワイヤ221がコイルスプリング222を引っ張ることにより、コイルスプリング222が伸長して、右目尻部材207を右方向側に付勢する。右目尻部材207の係合突起207Aは、目玉部材205の係合突起205Cに対して目玉部材205の延在方向内方に位置しているので、右目尻部材207が目玉部材205と共に左方向に可動しても右目尻部材207がコイルスプリング222に引っ張られて右方向に引き戻されることがない。このようにして、目玉部材205は、左方向に移動する。
目玉部材205が左方向の最大移動位置まで移動した状態からモータ214によって出力ギヤ214Aが反時計回転方向に回転すると、中継ギヤ213を介してラック部材212が右方向に移動する。このとき、中央のブッシュ209A(図7参照)がガイド片212Bによって右方向に押圧される。
中央のブッシュ209Aがガイド片212Bによって右方向に押圧されると、目玉部材205は、3つのブッシュ209Aを介してガイド溝211Aに沿って右方向に回転する。目玉部材205が中立位置に向かって右方向に回転すると、右目尻部材207は、コイルスプリング219に引っ張られることで、目玉部材205と共に右方向に可動する。目玉部材205が左方向の最大移動位置から中立位置まで回転すると、右目尻部材207は、初期位置に復帰する。
このように目玉部材205は、中立位置を経て右方向と左方向との間で回転することで、あたかも目玉が左右方向に動くような演出を行うことができる。
[メイン側の遊技状態の遷移フロー]
次に、図17及び図18を参照しながら、本実施形態のパチスロ1の主制御回路91(メインCPU93)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
本実施形態では、主制御回路91は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する。図17に示すように、主制御回路91は、ボーナス(BB)の当籤/作動の有無に基づいて、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態を区別する。具体的には、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、フラグ間状態は、ボーナス当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
また、主制御回路91は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT5遊技状態の6種類の状態を設ける。なお、RT0遊技状態〜RT2遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT3遊技状態及びRT5遊技状態はリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、ボーナス非当籤状態の中で最も有利な遊技状態である。
主制御回路91は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づき区別されるボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態と、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率に基づき区別されるRT0遊技状態〜RT5遊技状態と、からパチスロ1におけるメイン側の遊技状態を管理する。より具体的には、主制御回路91は、パチスロ1における遊技状態として、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態、フラグ間状態のRT5遊技状態、ボーナス状態のRT0遊技状態、ボーナス状態のRT2遊技状態、ボーナス状態のRT4遊技状態、及びボーナス状態のRB遊技状態の10種類の状態を管理する。
なお、ボーナスの当籤の有無は、メインRAM95に設けられる内部当籤役格納領域(後述の図59参照)に格納されるデータに基づいて管理される。例えば、内部当籤役格納領域4のビット2にデータ1が格納されている場合には、ボーナスに当籤していることになる。また、ボーナスの作動の有無及びRT遊技状態は、メインRAM95に設けられる遊技状態フラグ格納領域(後述の図62参照)に格納されるデータに基づいて管理される。例えば、遊技状態フラグ格納領域のビット3とビット5にデータ1が格納されている場合には、ボーナス(BB遊技状態)が作動しており、かつ、RT4遊技状態であることになる。
ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域の全ビットのデータが0)は、ボーナス非当籤状態中の基本的な遊技状態の一つである。図17に示すように、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。
具体的には、図17及び図18に示すように、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において、(1)ベルこぼし目又はRT1移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する。なお、ベルこぼし目は、後述する押し順ベルが内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT1移行リプは、後述する押し順リプが内部当籤役として決定された場合に、押し順リプの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。
また、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において、(2)RT4移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行する。なお、RT4移行リプは、後述する押し順リプが内部当籤役として決定された場合に、押し順リプの種別毎に定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せ、又は、後述する「F_チャンスリプ2」若しくは「F_滑チャンスリプ2」が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せである。
また、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において、(3)RT3移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態に移行する。なお、RT3移行リプは、後述する「F_滑チャンスリプ1」又は「F_チェリーリプ」が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せである。
また、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。なお、BBに係る役とは、後述の「F_黒黒黒」「F_赤赤赤」「F_白白白」「F_赤赤白」「F_白白赤」のいずれかである。これらBBに係る役は、内部当籤役として決定されると対応する図柄の組合せが表示されるまでの間(すなわち、BBの作動が開始するまでの間)、内部当籤役として持ち越される、いわゆる持越役である。
続いて、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット0のデータが1)は、ボーナス非当籤状態中の基本的な遊技状態の一つである。図17に示すように、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図17及び図18に示すように、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態において、(4)固定ゲーム数(本実施形態では5ゲーム)が経過すると、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態に移行する。また、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。
また、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット1のデータが1)は、BBの作動が終了した後に移行する可能性のある遊技状態である。本実施形態では、ボーナス終了時には、ボーナス状態中のRT遊技状態が維持されたままボーナス非当籤状態に移行することになる。そのため、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態は、ボーナス状態が、ボーナス状態のRT2遊技状態で終了した場合に移行することになる。また、図17に示すように、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図17及び図18に示すように、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態において、(1)ベルこぼし目に係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する。また、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。
また、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット2のデータが1)は、パチスロ1の基本的な遊技状態であるRT0遊技状態に比べるとリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高い遊技状態である。図17に示すように、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図17及び図18に示すように、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態において、(4)固定ゲーム数(本実施形態では5ゲーム)が経過すると、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態に移行する。また、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。
また、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット3のデータが1)は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が最も高くメダルを減らすことなく遊技が可能な有利状態である。図17に示すように、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図17及び図18に示すように、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態において、(1)ベルこぼし目又はRT1移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する。また、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。
また、フラグ間状態のRT5遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のいずれかのデータが1、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット4のデータが1)は、BBに係る役が内部当籤役として持ち越されている、いわゆるBBフラグ間であり、内部当籤役として持ち越されているBBに応じた図柄の組合せが表示されるまで滞在する遊技状態である。図17に示すように、フラグ間状態のRT5遊技状態からは、ボーナス状態のRT0遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図17及び図18に示すように、フラグ間状態のRT5遊技状態において、(6)持ち越しているBBに応じた図柄の組合せが表示され、BBが作動すると、ボーナス状態のRT0遊技状態に移行する。
ボーナス状態のRT0遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット5のデータが1)は、BBが作動すると最初に滞在する遊技状態である。ボーナス状態中は、ボーナス状態のRT0遊技状態からスタートし、その他の遊技状態に移行することになる。図17に示すように、ボーナス状態のRT0遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、及びボーナス状態のRT4遊技状態に移行する可能性がある。
具体的には、図17及び図18に示すように、ボーナス状態のRT0遊技状態において、(10)BBの作動が終了すると、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態に移行する(ボーナス終了前後において、RT遊技状態は維持される)。なお、BBの作動は、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が59枚を超えると終了する。
また、ボーナス状態のRT0遊技状態において、(7)JACINに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナス状態のRT4遊技状態に移行する。なお、JACINに係る役とは、後述の「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」のいずれかである。ここで、後述の図37に示すように、ボーナス状態のRT0遊技状態では、JACINに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いため(約52%)、基本的にはBBの作動が終了する前にJACINに係る役が内部当籤役として決定され、ボーナス状態のRT4遊技状態に移行することになる。これらJACINに係る役は、内部当籤役として決定されると対応する図柄の組合せが表示されるまでの間(すなわち、RBの作動が開始するまでの間)、ボーナス状態中に限り内部当籤役として持ち越される、いわゆる持越役である。
また、ボーナス状態のRT4遊技状態(内部当籤役格納領域5のビット1〜3のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット3及びビット5のデータが1)は、JACINに係る役が内部当籤役として持ち越されている、ボーナス状態中のいわゆるRBフラグ間である。図17に示すように、ボーナス状態のRT4遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態、及びボーナス状態のRB遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図17及び図18に示すように、ボーナス状態のRT4遊技状態において、(10)BBの作動が終了すると、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行する(ボーナス終了前後において、RT遊技状態は維持される)。また、ボーナス状態のRT4遊技状態において、(8)持ち越しているJACINに応じた図柄の組合せが表示され、RBが作動すると、ボーナス状態のRB遊技状態に移行する。
また、ボーナス状態のRB遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0〜3のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット5及びビット6のデータが1)は、ボーナス状態中にRBの作動が開始すると移行する遊技状態である。なお、後述の図33に示すように、ボーナス状態のRB遊技状態では、内部当籤役として「はずれ」が決定される確率が高く(約65%)基本的に不利な状態であるため、本実施形態のパチスロ1では、ボーナス状態中は、持ち越しているJACINに応じた図柄の組合せ表示させることなく、ボーナス状態のRT4遊技状態を維持したまま遊技を行うことになる。
図17に示すように、ボーナス状態のRB遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、及びボーナス状態のRT2遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図17及び図18に示すように、ボーナス状態のRB遊技状態において、(10)BBの作動が終了すると、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態に移行する。また、ボーナス状態のRB遊技状態において、(9)RBの作動が終了すると、ボーナス状態のRT2遊技状態に移行する。なお、RBの作動は、ボーナス状態のRB遊技状態において「はずれ」以外の図柄の組合せが8回表示されること(8回の入賞)、ボーナス状態のRB遊技状態において12回の遊技が行われること、又はBBの作動が終了すること、のいずれかの条件を満たすと終了する。
また、ボーナス状態のRT2遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0〜3のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット1及びビット5のデータが1)は、ボーナス状態のRB遊技状態の後に移行する遊技状態である。図17に示すように、ボーナス状態のRT2遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、及びボーナス状態のRT4遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、ボーナス状態のRT2遊技状態において、(10)BBの作動が終了すると、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態に移行する(ボーナス終了前後において、RT遊技状態は維持される)。また、ボーナス状態のRT2遊技状態において、(7)JACINに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナス状態のRT4遊技状態に移行する。すなわち、本実施形態では、主制御回路91は、RT制御手段を構成し、決定された内部当籤役に基づいて、それぞれの移行条件に応じてRT0遊技状態〜RT5遊技状態の間でRT遊技状態を移行させる。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図19〜図37を参照して、メインROM94に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図19に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「白7」、「赤7」、「BAR」、「リプ1」、「リプ2」、「リプ3」、「チェリー1」、「チェリー2」、「スイカ」及び「ベル」を含んでいる。
図19に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3R毎に特定することができる。
<図柄コード表>
また、図19に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図19に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ1で用いる図柄は、上述のように「白7」、「赤7」、「BAR」、「リプ1」、「リプ2」、「リプ3」、「チェリー1」、「チェリー2」、「スイカ」及び「ベル」の10種類である。
図柄コード表では、「白7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「赤7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「BAR」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「リプ1」、「リプ2」、「リプ3」、「チェリー1」、「チェリー2」、「スイカ」及び「ベル」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図20〜図32を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM95に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、入賞ラインに沿って、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rに表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域(後述の表示役格納領域(図61参照)を指定するためのデータ)」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を45個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図20に示す「R_RT移行目A_01」は、表示役格納領域1のビット0に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、入賞ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図30を参照すると、コンビネーション「C_CDベル」が表示された場合には、10枚のメダルが払い出されることになる。
本実施形態では、図20〜図32に示す多数の図柄の組合せを、その役割に応じて複数の種類に分類する。図柄組合せテーブル中の役種別欄は、それぞれの図柄の組合せの役割を規定する。より具体的には、本実施形態では、多数の図柄の組合せを「RT移行目」「BB」「JACIN」「再遊技」「RT移行再遊技」及び「入賞」の6種類に分類する。
役種別「RT移行目」は、表示されるとRT遊技状態の移行が行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図20に示す「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目F_08」が該当する。これら「RT移行目」は、上述した押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せであり、上述の「ベルこぼし目」である。すなわち、押し順ベルが内部当籤役として決定され、押し順に不正解の場合、役種別「RT移行目」に対応する図柄の組合せのいずれかが表示される可能性がある。役種別「RT移行目」に対応する図柄の組合せが表示された場合、RT1遊技状態に移行する可能性がある。
役種別「BB」は、表示されるとBBの作動が行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図21に示す「C_BB1」〜「C_BB5_02」が該当する。役種別「BB」に対応する図柄の組合せが表示された場合、BBの作動が開始するとともに、RT0遊技状態に移行する。
役種別「JACIN」は、表示されるとRBの作動が行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図21に示す「C_JACIN1」〜「C_JACIN3」が該当する。役種別「JACIN」に対応する図柄の組合せが表示された場合、RBの作動が開始するとともに、RBの作動の終了後にRT2遊技状態に移行する。
役種別「再遊技」は、表示されると再遊技の作動が行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図21に示す「C_CU白」〜「C_KYリプ_09」が該当する。役種別「再遊技」に対応する図柄の組合せが表示された場合、再遊技の作動が行われる。なお、役種別「再遊技」に対応する図柄の組合せが表示された場合、RT遊技状態の移行は行われない。
役種別「RT移行再遊技」は、表示されると再遊技の作動とともにRT遊技状態の移行が行われる可能性のある図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図22〜図28に示す「C_CUリプ_01」〜「C_スイFKF_18」が該当する。役種別「RT移行再遊技」に対応する図柄の組合せが表示された場合、再遊技の作動が行われるとともに、図柄の組合せに応じて様々なRT遊技状態に移行する可能性がある。
例えば、図22に示す「C_CUリプ_01」〜「C_CUリプ_03」が表示された場合には、RT1遊技状態に移行する可能性がある。これら「C_CUリプ_01」〜「C_CUリプ_03」は、上述した押し順リプの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される可能性のある図柄の組合せであり、上述の「RT1移行リプ」である。すなわち、押し順リプが内部当籤役として決定され、押し順に不正解の場合、「C_CUリプ_01」〜「C_CUリプ_03」のいずれかが表示されることになる。
また、図22〜図24に示す「C_Cリプ01」〜「C_ベルFKC_12」が表示された場合には、RT4遊技状態に移行する可能性がある。これら「C_Cリプ01」〜「C_ベルFKC_12」は、上述の「RT4移行リプ」である。より具体的には、上述した押し順リプが内部当籤役として決定され、押し順に正解の場合、「C_CUリプ_01」〜「C_CUリプ_03」のいずれかが表示されることになる。また、上述した「F_チャンスリプ2」又は「F_滑チャンスリプ2」が内部当籤役として決定された場合、押し順に関係なく「C_Cリプ01」〜「C_ベルFKC_12」のいずれかが表示されることになる。
また、図25〜図28に示す「C_CDチェリプA_01」〜「C_スイFKF_18」が表示された場合には、RT3遊技状態に移行する可能性がある。これら「C_CDチェリプA_01」〜「C_スイFKF_18」は、上述の「RT3移行リプ」である。より具体的には、上述した「F_滑チャンスリプ1」又は「F_チェリーリプ」が内部当籤役として決定された場合、押し順に関係なく「C_CDチェリプA_01」〜「C_スイFKF_18」のいずれかが表示されることになる。
役種別「入賞」は、表示されるとメダルの払い出しが行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図29〜図32に示す「C_CDスイカ」〜「C_BベルBB_04」が該当する。役種別「入賞」に対応する図柄の組合せが表示された場合、図柄組合せテーブルの払出枚数欄に規定する枚数のメダルが払い出されることになる。なお、役種別「入賞」に対応する図柄の組合せが表示された場合、RT遊技状態の移行は行われない。
図30に示す「C_CDベル」は、上述した押し順ベルの種別毎に定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。また、役種別「入賞」に対応する図柄の組合せのうち、払い出し枚数「3枚」の図柄の組合せは、上述した押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される可能性のある図柄の組合せである。すなわち、押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときには、役種別「入賞」に対応する図柄の組合せのうちの払い出し枚数「3枚」の図柄の組合せ、又は役種別「RT移行目」に対応する図柄の組合せが表示されることになる。なお、パチスロ1では、停止操作の押し順として6通りの押し順が考えられるため、押し順に不正解の場合に表示する図柄組合せは、不正解の5通りの押し順の中から任意に設定することができる。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図33〜図37を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、当籤役に対応するデータポインタについての抽籤値の情報を規定する。上述のボーナス非当籤状態のRT0遊技状態では、内部抽籤テーブルの「RT0」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定され、同様にボーナス非当籤状態のRT1遊技状態〜ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態では、内部抽籤テーブルの「RT1」〜「RT4」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定される。また、フラグ間状態のRT5遊技状態では、内部抽籤テーブルの「RT5」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定される。また、ボーナス状態のRT0遊技状態では、内部抽籤テーブルの「BB中(RT0)」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定され、同様に、ボーナス状態のRT4遊技状態又はボーナス状態のRT2遊技状態では、内部抽籤テーブルの「BB中(RT4)」又は「BB中(RT2)」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定され、ボーナス状態のRB遊技状態では、内部抽籤テーブルの「BB中(RB)」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定される。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化し、ボーナス(BB又はRB)の作動の有無に応じて内部当籤役として決定される役(リプレイ及び持越役以外)の種別及び当籤確率が変化する。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、格納領域種別及び1バイトデータを決定するために用いられるデータである。データポインタは、複数の当籤番号の各々に対応して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが個別に規定されている。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、デークポインタ)が決定される確率が高い。すなわち、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
<内部当籤役と図柄組合せの比較表>
図38〜図56は、各内部当籤役において入賞ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された当籤役において、入賞ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。なお、当籤役において、入賞ライン上に表示不可能な図柄の組合せについては、対応表の図示を省略している(例えば、図38に示す当籤役「F_黒黒黒」などでは、図39以降に示す図柄の組合せは表示不可能なため、対応表の図示を省略している)。
図38を参照して、例えば、当籤役「F_黒黒黒」が内部当籤役である場合には、入賞ライン上にコンビネーション名「C_BB1」の図柄の組合せが停止表示可能となる。図21を参照すると、このコンビネーション名「C_BB1」は、入賞ラインに沿って「BAR−BAR−BAR」が表示される図柄の組合せである。なお、同図に示す対応表には、当籤役「はずれ」となる場合が規定されていないが、これは、図20〜図32に示した図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せの表示が許可されないことを示す。
パチスロ1では、主制御回路91は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の当籤役が内部当籤役として決定された場合に、図38〜図56に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図38〜図56に示す対応表では、当籤役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、主制御回路91による停止制御は、内部当籤役だけでなく現在の遊技状態に応じても異なるため、当籤役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、遊技状態によっては表示されないことがある。
<当籤役の概要>
この点、図57及び図58に示す当籤役の概要を参照しながら詳細に説明する。図57に示すように、内部当籤役として「はずれ」が決定された場合、図20〜図32に示した図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せの表示が許可されない。なお、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いRT4遊技状態では、リプレイに係る役の当籤確率の増加に伴い「はずれ」が内部当籤役として決定される確率が下がる。そこで、以下では、RT4遊技状態中における「はずれ」をレア役として用いる場合がある(いわゆる「純はずれ」として扱う)。
また、内部当籤役として「F_黒黒黒」「F_赤赤赤」「F_白白白」「F_赤赤白」「F_白白赤」のいずれかが決定された場合には、図38に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。なお、内部当籤役として「F_黒黒黒」「F_赤赤赤」「F_白白白」「F_赤赤白」「F_白白赤」のいずれかが決定された場合には、上述したように、遊技状態は、フラグ間状態のRT5遊技状態になる。
また、内部当籤役として「F_維持リプ1」「F_維持リプ2」のいずれかが決定された場合には、図39〜図43に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。なお、「F_維持リプ1」「F_維持リプ2」は、対応する図柄の組合せが表示されたとしても、RT遊技状態の移行は行われない。
また、「F_123リプ」〜「F_2ndリプ」は、上述の押し順リプであり、内部当籤役としてこれら押し順リプのいずれかが決定された場合には、図39〜図43に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。より具体的には、それぞれの押し順リプの種別毎に定められた押し順に正解のときには、図39〜図43に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のRT4移行リプ(図22〜図24参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可され、当該押し順に不正解のときには、図39〜図43に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のRT1移行リプ(図22参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。
なお、押し順リプとしての当籤役の名称は、正解となる押し順に基づいて定められている。例えば、「F_123リプ」という名称の「1」は停止操作が「左」であることを示し、「2」は停止操作が「中」であることを示し、「3」は停止操作が「右」であることを示している。そして、「123」は、正解となる押し順を示しており、「F_123リプ」の場合、第1停止操作が「左」、第2停止操作が「中」、第3停止操作が「右」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。同様に、「F_231リプ」の場合、第1停止操作が「中」、第2停止操作が「右」、第3停止操作が「左」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。また、「F_2ndリプ」は、第1停止操作が「中」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。
図57に戻り、「F_123上段7テン」〜「F_2ndクロス7揃」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、ボーナス非当籤状態においては、「F_123上段7テン」〜「F_2ndクロス7揃」は、上述の押し順リプであり、押し順に正解のときには、図39〜図43に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のRT4移行リプ(図22〜図24参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可され、押し順に不正解のときには、図39〜図43に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のRT1移行リプ(図22参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。
他方、ボーナス状態においては、「F_123上段7テン」〜「F_2ndクロス7揃」は、図21に示すコンビネーション名「C_CU白」〜「C_B白_02」の図柄の組合せのうち、「F_123上段7テン」〜「F_2ndクロス7揃」と対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。ここで、コンビネーション名「C_CU白」〜「C_B白_02」の図柄の組合せは、各リール3L、3C、3Rの上段、中段及び下段を直線状に結ぶラインのうち、入賞ライン以外の疑似的なラインに「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが3個又は2個表示される図柄の組合せである。以下において、「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが3個表示される図柄の組合せを「7揃いリプ」と呼ぶことがあり、また、「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが2個表示される図柄の組合せを「7煽りリプ」と呼ぶことがある。コンビネーション名「C_CU白」〜「C_B白_02」のうち、コンビネーション名に「FK(フェイク)」が付されていない図柄の組合せが「7揃いリプ」であり、コンビネーション名に「FK(フェイク)」が付された図柄の組合せが「7煽りリプ」である。また、各リール3L、3C、3Rの上段、中段及び下段を直線状に結ぶラインは、上段を結ぶトップライン、中段を結ぶセンターライン、下段を結ぶボトムライン、右下がりに結ぶクロスダウンライン、及び右上がりに結ぶクロスアップラインの5通りのラインがあるが、入賞ラインがクロスダウンラインであるため、「7揃いリプ」又は「7煽りリプ」は、クロスダウンライン以外の4つの疑似的なラインのいずれかに沿って、「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが3個又は2個表示されることになる。
図39に示す対応関係を参照すると、ボーナス状態においては、「F_123上段7テン」及び「F_132下段7テン」は、「7煽りリプ」の表示が許可されることになる。また、ボーナス状態においては、「F_312上段7揃」〜「F_2ndクロス7揃」は、「7揃いリプ」の表示が許可されることになる。
また、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、ボーナス非当籤状態においては、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、押し順に関わらず上述のRT4移行リプ(図22〜図24参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。なお、ボーナス非当籤状態において、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定されるため、ボーナス非当籤状態中では、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」が内部当籤役として決定されるとRT4遊技状態が維持されることになる。
他方、ボーナス状態においては、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、内部当籤役として持ち越しているJACINに係る役の種別に応じて停止制御が異なる。具体的には、ボーナス状態において、「F_JACIN1」が内部当籤役として持ち越されている場合(すなわち、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」又は「F_J1クロス7リプ」のいずれかと「F_JACIN1」との2つが内部当籤役として決定されている場合)、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、「7揃いリプ」であり、クロスダウンライン以外の4つの疑似的なラインのいずれかに沿って、「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが3個表示されることになる。
他方、ボーナス状態において、「F_JACIN2」又は「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている場合(すなわち、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」又は「F_J1クロス7リプ」のいずれかと「F_JACIN2」又は「F_JACIN3」のいずれかとの2つが内部当籤役として決定されている場合)、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、「ボーナス中の通常リプ」であり、図39〜図43に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「7揃いリプ」以外の図柄の組合せが表示される。
なお、「F_JACIN1」が内部当籤役として持ち越されている状態を「JAC1フラグ間」と呼ぶことがあり、同様に、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態を「JAC2フラグ間」、「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている状態を「JAC3フラグ間」と呼ぶことがある。
また、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、ボーナス非当籤状態においては、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、押し順に関わらず上述のRT4移行リプ(図22〜図24参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。なお、ボーナス非当籤状態において、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定されるため、ボーナス非当籤状態中では、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」が内部当籤役として決定されるとRT4遊技状態が維持されることになる。
他方、ボーナス状態においては、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、内部当籤役として持ち越しているJACINに係る役の種別に応じて停止制御が異なる。具体的には、ボーナス状態において、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている場合(すなわち、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」又は「F_J1クロス7リプ」のいずれかと「F_JACIN2」との2つが内部当籤役として決定されている場合)、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、「チャンスリプ」であり、図44〜図50に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_Bリプ01」〜「C_スイFKF_18」のいずれかの図柄の組合せの表示が許可される。
他方、ボーナス状態において、「F_JACIN1」又は「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている場合(すなわち、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」のいずれかと「F_JACIN1」又は「F_JACIN3」のいずれかとの2つが内部当籤役として決定されている場合)、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、「ボーナス中の通常リプ」であり、図44〜図50に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「チャンスリプ」以外の図柄の組合せが表示される。
また、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、ボーナス非当籤状態においては、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」は、押し順に関わらず上述のRT4移行リプ(図22〜図24参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。なお、ボーナス非当籤状態において、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」は、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定されるため、ボーナス非当籤状態中では、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」が内部当籤役として決定されるとRT4遊技状態が維持されることになる。
他方、ボーナス状態においては、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」内部当籤役として持ち越しているJACINに係る役の種別に関わらず、「チャンスリプ」であり、図44〜図50に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_Bリプ01」〜「C_スイFKF_18」のいずれかの図柄の組合せの表示が許可される。
また、内部当籤役として「F_チャンスリプ1」〜「F_共通ベル」のいずれかが決定された場合には、図44〜図56に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。なお、「F_チャンスリプ1」〜「F_共通ベル」を契機とするRT遊技状態の移行などの特徴は、図57に示す通りである。
続いて、図58を参照して、「F_123ベルA」〜「F_321ベルD」は、基本的には、上述の押し順ベルであり、内部当籤役としてこれら押し順ベルのいずれかが決定された場合には、図51〜図56に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。より具体的には、それぞれの押し順ベルの種別毎に定められた押し順に正解のときには、図51〜図56に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_CDベル(図30参照)」に応じた図柄の組合せの表示が許可される。他方、押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときには、図51〜図56に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のベルこぼし目(図20参照)に応じた図柄の組合せ、又は図柄組合せテーブルにおいて払出枚数が「3」の図柄の組合せ(図30〜図32参照)の表示が許可される。
なお、押し順ベルとしての当籤役の名称は、正解となる押し順に基づいて定められている。例えば、「F_123ベルA」という名称の「1」は停止操作が「左」であることを示し、「2」は停止操作が「中」であることを示し、「3」は停止操作が「右」であることを示している。そして、「123」は、正解となる押し順を示しており、「F_123ベルA」の場合、第1停止操作が「左」、第2停止操作が「中」、第3停止操作が「右」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。同様に、「F_231ベルA」の場合、第1停止操作が「中」、第2停止操作が「右」、第3停止操作が「左」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。
また、押し順ベルのうち「F_123ベルC」「F_123ベルD」「F_132ベルC」「F_132ベルD」「F_213ベルC」「F_213ベルD」「F_231ベルC」「F_231ベルD」「F_312ベルC」「F_312ベルD」「F_321ベルC」及び「F_321ベルD」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、非フラグ間(ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態〜RT4遊技状態)においては上述の押し順ベルであり、押し順に正解のときには、図51〜図56に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_CDベル(図30参照)」に応じた図柄の組合せの表示が許可され、押し順に不正解のときには、図51〜図56に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のベルこぼし目(図20参照)に応じた図柄の組合せ、又は図柄組合せテーブルにおいて払出枚数が「3」の図柄の組合せ(図30〜図32参照)の表示が許可される。
他方、フラグ間状態(フラグ間状態のRT5遊技状態)においては、「F_123ベルC」「F_123ベルD」「F_132ベルC」「F_132ベルD」「F_213ベルC」「F_213ベルD」「F_231ベルC」「F_231ベルD」「F_312ベルC」「F_312ベルD」「F_321ベルC」及び「F_321ベルD」は、押し順に関わらず、図51〜図56に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_CDベル(図30参照)」に応じた図柄の組合せの表示が許可される。
また、内部当籤役として「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」のいずれかが決定された場合には、図38に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。なお、内部当籤役として「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」のいずれかが決定された場合には、内部当籤役として決定された「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」は、対応する図柄の組合せが表示されるまで(ボーナス状態中に限り)、内部当籤役として持ち越されることになる。
また、内部当籤役として「F_RB役A」「F_RB役B」のいずれかが決定された場合には、図51〜図56に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。
[主制御側の各種の格納領域]
図59〜図65は、メインRAM95に格納される各種の格納領域の例を示す図である。
<内部当籤役格納領域>
図59に示した内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1〜45の45個の格納領域によって構成される。これらの内部当籤役格納領域1〜45の各々の格納領域の大きさは1バイトである。
したがって、内部当籤役格納領域1〜45の全体の大きさは45バイトである。内部当籤役格納領域1〜45には、内部当籤役に基づいて定まるデータ(内部当籤役に応じて停止可能な図柄の組合せを示すデータ)が格納される。図示した内部当籤役格納領域では、例えば内部当籤役格納領域4のビット2は、内部当籤役「F_黒黒黒」である場合に停止可能な図柄の組合せを示す「C_BB1」に対応している。
<持越役格納領域>
図60に示した持越役格納領域は、持越役格納領域1、2の2個の格納領域によって構成される、大きさが2バイトの格納領域である。持越役格納領域には、持越役に関するデータが格納される。
例えば、持越役格納領域1のビット2に「1」を格納することでコンビネーション名「C_BB1」を停止可能な「F_黒黒黒」に当籤している状態であることを判断できる。持越役格納領域1のビット2に「1」が格納された状態は、コンビネーション名「C_BB1」に対応する図柄の組合せが入賞ラインに表示されるまで保持される。
すなわち、「F_黒黒黒」に当籤したときには、これらのボーナスの図柄の組合せが表示役として入賞ラインに表示されるまでの少なくとも1回の単位遊技において、持越役格納領域1のビット2に「1」が格納された状態が保持される。ボーナスに当籤した単位遊技から入賞する単位遊技まで、ビット2に「1」を格納した状態を維持することを、いわゆる「持ち越し」と称する。また、持越役格納領域に格納されるデータ(図柄の組合せ)に対応する「F_黒黒黒」「F_赤赤赤」「F_白白白」「F_赤赤白」「F_白白赤」「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」を「持越役」と称する。
遊技者によって停止操作が行われ、リール3L、3C、3Rの回転のそれぞれが停止したときには、内部当籤役格納領域は初期化されるが、持越役格納領域は初期化されない。このようにすることで、「持ち越し」の状態を保つことができる。
<表示役格納領域>
図61に示した表示役格納領域は、表示役格納領域1〜45の45個の格納領域によって構成される。これらの表示役格納領域1〜45の各々の格納領域の大きさは1バイトである。
したがって、表示役格納領域1〜45の全体の大きさは45バイトである。表示役格納領域1〜45には、図20〜図32に示す各図柄組合せテーブルが規定するデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。表示役格納領域の値は、リール3L、3C、3Rの全てが停止した後に、メインCPU93が表示役を識別するために用いられる。
図示した表示役格納領域では、例えば表示役格納領域1のビット0〜ビット7は、それぞれ「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目C_01」に対応している。
<遊技状態フラグ格納領域>
図62に示した遊技状態フラグ格納領域は、主制御回路91が管理する遊技状態を識別するためのフラグを格納するものであり、大きさが1バイトである。
遊技状態フラグ格納領域のビット0〜ビット6は、それぞれ「RT1遊技状態」「RT2遊技状態」「RT3遊技状態」「RT4遊技状態」「RT5遊技状態」「BB遊技状態」「RB遊技状態」に対応している。
<作動ストップボタン格納領域>
図63に示した作動ストップボタン格納領域は、大きさが1バイトである。ビット4〜ビット6は、遊技者による停止操作を検出することが可能であるストップボタン17L、17C、17R、すなわち有効なストップボタン17L、17C、17Rを示す格納領域である。
ビット0〜ビット2は、有効なストップボタン17L、17C、17Rに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタン17L、17C、17Rを示す格納領域である。なお、本実施の形態では、ビット3及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが遊技者によって操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。ビット1は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが遊技者によって操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。ビット2は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが遊技者によって操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。ビット6は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。
本実施の形態で、ストップボタンが有効とは、停止操作を検出することが可能であることを意味する。また、定速回転中のリールに対応するストップボタン17L、17C、17Rであって、停止操作を検出することが可能なストップボタン17L、17C、17Rを有効ストップボタンと称する。
<押下順序格納領域>
図64に示した押下順序格納領域は、3つのストップボタン17L、17C、17Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。この押下順序格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0〜ビット5が使用され、ビット6及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」であるときにビット0に「1」が格納(オン)される。同様に、押下順序が「左→右→中」の場合にはビット1に「1」が格納(オン)され、押下順序が「中→左→右」の場合にはビット2に「1」が格納(オン)され、「中→右→左」の場合にはビット3に「1」が格納(オン)され、「右→左→中」の場合にはビット4に「1」が格納(オン)され、「右→中→左」の場合にはビット5に「1」が格納(オン)される。
<図柄コード格納領域>
図65に示した図柄コード格納領域は、図61に示した表示役格納領域と同様に構成される。したがって、詳細な説明は省略する。
図柄コード格納領域には、回転中のリールにおいて表示される可能性のある図柄の組合せを示すデータが格納される。例えば、リール3L、3C、3Rの全てが回転中の場合には、全ての図柄の組合せが表示される可能性があるため、図柄コード格納領域の対応するビットの全てに「1」が格納される。その後、左リール3Lが停止(リール3C、3Rは回転)した場合には、左リール3Lの停止に伴い表示不可能となった図柄の組合せに対応するビットが「0」に更新される。
[サブ側の遊技状態の遷移フロー]
次に、図66を参照しながら、本実施形態のパチスロ1の副制御回路101(サブCPU102)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
本実施形態では、副制御回路101は、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知するか否かなどに基づいて遊技状態を管理する。図66に示すように、副制御回路101は、一般遊技状態、ART遊技状態及びボーナス状態を区別する。ここで、一般遊技状態は、基本的には遊技者にとって不利な遊技状態であり、また、ボーナス状態は、基本的には遊技者にとって有利な遊技状態であり、また、ART遊技状態は、遊技者にとって最も有利な遊技状態である。本実施形態のパチスロ1では、遊技者は、一般遊技状態から(状況に応じてボーナス状態を挟みながら)、最も有利なART遊技状態に移行するように遊技を行っていくことになる。
一般遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT0〜RT4遊技状態(図17参照)に対応する遊技状態であり、かつ、サブ側のART抽籤に非当籤の遊技状態である。図66に示すように、一般遊技状態は、通常遊技状態、高確率遊技状態及びCZ(チャンスゾーン)により構成される。通常遊技状態、高確率遊技状態及びCZは、ART遊技状態への移行確率がそれぞれ異なる遊技状態であり、通常遊技状態がART遊技状態への移行確率が最も低く、高確率遊技状態及びCZは、通常遊技状態に比べるとART遊技状態への移行確率が高い遊技状態である。
通常遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT0〜RT4遊技状態(図17参照)に対応する遊技状態であり、かつ、サブ側のART抽籤に非当籤の遊技状態である。図66に示すように、通常遊技状態からは、ART遊技状態、CZ、高確率遊技状態、及びボーナス状態に移行する可能性がある。
具体的には、通常遊技状態では、ART及びCZへの移行抽籤(A)を行っており、この移行抽籤において、(A1)ARTへの移行が当籤すると、副制御回路101は、通常遊技状態からART遊技状態に遊技状態を移行させる。また、この移行抽籤において、(A2)CZへの移行が当籤すると、副制御回路101は、通常遊技状態からCZに遊技状態を移行させる。なお、通常遊技状態中の移行抽籤(A)の詳細については後述するが、通常遊技状態では、一遊技中のリール回転開始時及びリール停止時の二度のタイミングで、ART及びCZへの移行抽籤(A)を行う。
また、通常遊技状態では、高確率遊技状態への移行抽籤(B)も行っている。具体的には、通常遊技状態において、メイン側の遊技状態の制御でボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行すると、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態において高確率遊技状態への移行抽籤(B)が行われる。この移行抽籤(B)に当籤すると、副制御回路101は、通常遊技状態から高確率遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、通常遊技状態中の移行抽籤(B)の詳細については後述するが、この移行抽籤では、サブ側通常遊技状態であるボーナス非当籤状態のRT4遊技状態においてリプレイに係る役が内部当籤役として決定された回数に基づいて、移行抽籤(B)を行う。
また、通常遊技状態において、(6)持ち越しているBBに応じた図柄の組合せが表示され、BBが作動すると、副制御回路101は、通常遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。なお、ボーナス状態への移行に関しては、メイン側及びサブ側において共通であるため、以下、詳細な説明を省略する。
続いて、CZは、メイン側のボーナス非当籤状態のRT0〜RT4遊技状態(図17参照)に対応する遊技状態であり、かつ、サブ側のART抽籤に非当籤の遊技状態である。CZは、ART遊技状態に移行する確率の高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、最大で30ゲーム継続する。CZは、いわゆる完走型のチャンスゾーンであり、CZが最大の30ゲーム継続した場合には、ART移行が確定する。一方、CZ中は、ARTへの移行抽籤を行っており、この移行抽籤が「維持」された場合に、CZが終了する。ここで、移行抽籤が「維持」された場合であっても、移行抽籤に当籤している場合には、ARTへの移行が行われるが、CZが30ゲーム継続した場合には、より有利なART遊技状態に移行する可能性があるため、CZ中は、基本的には、移行抽籤を受けることなく遊技を行い、移行抽籤が行われてしまった場合には、移行抽籤が「無効」になるように遊技を行うことで、CZが終了することなく30ゲーム継続するように望むことになる。なお、CZ中の移行抽籤の「維持/無効」については、後述する。
図66に示すように、CZからは、通常遊技状態、ART遊技状態、及びボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、CZ中に行われるARTへの移行抽籤(C)に、(C1)当籤すると、副制御回路101は、CZからART遊技状態に遊技状態を移行させ、この移行抽籤に、(C2)非当籤すると、副制御回路101は、CZから通常遊技状態に遊技状態を移行させる。
続いて、高確率遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態(図17参照)に対応する遊技状態であるとともに、サブ側のART抽籤に非当籤の遊技状態であり、かつ、通常遊技状態中の高確率遊技状態への移行抽籤(B)に当籤した遊技状態である。図66に示すように、高確率遊技状態からは、通常遊技状態、ART遊技状態、及びボーナス状態に移行する可能性がある。
具体的には、高確率遊技状態では、ARTへの移行抽籤(D)を行っており、この移行抽籤において、(D1)ARTへの移行が当籤すると、副制御回路101は、高確率遊技状態からART遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、高確率遊技状態中の移行抽籤(D)の詳細については後述するが、基本的には、通常遊技状態中の移行抽籤(A)と同様に、一遊技中のリール回転開始時及びリール停止時の二度のタイミングで、ARTへの移行抽籤(D)を行う。高確率遊技状態中の移行抽籤(D)は、通常遊技状態中の移行抽籤(A)よりも、ARTへの移行が当籤する確率が高い。
また、高確率遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態(図17参照)に対応する遊技状態であり、メイン側の制御において、(E)RT4遊技状態からRT1遊技状態に移行する制御が行われると、副制御回路101は、高確率遊技状態から通常遊技状態(ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態)に遊技状態を移行させる。
ここで、上述したように、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT0遊技状態(サブ側の通常遊技状態)において押し順リプに正解した場合などに移行する遊技状態である。このように本実施形態のパチスロ1では、最も基本的な遊技状態(=遊技者にとって不利)である通常遊技状態において、押し順リプに正解した場合に、高確率遊技状態に移行させ、ARTへの移行を有利にする。言い換えると、本実施形態のパチスロ1では、遊技者の停止操作により偶然、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行することになった場合に、ARTの移行抽籤を行わないなどのペナルティを与えるのではなく、遊技者にとって有利な状態にしてしまう。これにより、パチスロ1では、ARTの移行抽籤に当籤していないボーナス非当籤状態のRT4遊技状態を、ART遊技状態への移行チャンス区間にすることができ、ARTという特典の付されていないボーナス非当籤状態のRT4遊技状態の興趣を高めることができる。
また、遊技者にとってみれば、通常遊技状態において押し順に正解した場合に、ART遊技状態への移行チャンス区間である高確率遊技状態に移行する可能性があるため、通常遊技状態における停止操作に対する戦略性が増し、通常遊技状態中の興趣も高めることができる。すなわち、遊技者の停止操作により偶然移行してしまった遊技状態をペナルティ区間とする遊技性では、通常遊技状態中の停止操作が単純(例えば、ペナルティを受けないように第1停止操作を左リールに対して行わなければならないなど)になってしまう。この点、本実施形態のパチスロ1のように、ペナルティを課さずにARTへの移行抽籤を行うことで、遊技者は、通常遊技状態中に自由に停止操作を行うことができ、通常遊技状態中の遊技性だけでなく操作性も高めることができる。
ところで、停止操作により偶然移行した遊技状態を、ペナルティ区間ではなくART遊技状態への移行チャンス区間とした場合、遊技者に過剰な利益を与えないように遊技者側の利益と遊技店側の利益とのバランスを調整する必要がある。バランスを調整する方法は、多数考えられ、例えば、ART遊技状態への移行チャンス区間としておきながら、通常遊技状態に比べて少しだけ移行抽籤に当籤し易いといった調整方法もあるが、このような調整方法では、移行チャンス区間である意味が薄れてしまう。本実施形態のパチスロ1では、この点、図17に示すように、ボーナス非当籤状態中のRT4遊技状態に移行することのない、固定ゲーム数のボーナス非当籤状態中のRT1遊技状態を設けることとしている。このような固定ゲーム数のボーナス非当籤状態中のRT1遊技状態を設けることで、停止操作により偶然移行する頻度を調整することができ、結果、遊技者側の利益と遊技店側の利益とのバランスを調整することができる。これにより、双方の利益バランスを調整する変数を更に多様化することができ、遊技性に富んだ遊技機を提供することができる。
続いて、ボーナス状態は、メイン側のボーナス状態のいずれか(図17参照)に対応する遊技状態である。図66に示すように、ボーナス状態からは、一般遊技状態(通常遊技状態)及びART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、ボーナス状態中に行われるARTへの移行抽籤(F)に、(F1)当籤するとBBの作動終了後に、副制御回路101は、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行させ、この移行抽籤に、(F2)非当籤するとBBの作動終了後に、副制御回路101は、ボーナス状態から一般遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、ボーナス状態中の移行抽籤(F)の詳細については後述するが、ボーナス状態中では、上述の「7揃いリプ」の図柄の組合せが表示可能な状態になるとARTに当籤し、また、BBの作動終了時に行われる所定の抽籤に当籤するとARTに当籤することになる。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、特定演出状態開始手段を構成し、通常遊技状態中の移行抽籤(A)でARTへの移行が当籤したとき(A1)、CZ中の移行抽籤(C)でARTへの移行が当籤したとき(C1)、高確率遊技状態中の移行抽籤(D)でARTへの移行が当籤したとき(D1),及びボーナス状態中の移行抽籤(F)でARTへの移行が当籤したとき(F1)に遊技状態をART遊技状態に移行させる。
続いて、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知する遊技状態であり、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態(図17参照)に対応し、かつ、サブ側のART抽籤に当籤した遊技状態である。ART遊技状態では、例えば、押し順ベルが内部当籤役として決定されたときに、払い出し枚数の多い図柄の組合せ(払い出し枚数10枚のC_CDベル)が表示されるように、当籤した押し順ベルに正解の押し順を報知する。また、ART遊技状態では、例えば、押し順リプが内部当籤役として決定されたときに、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率の高いRT4遊技状態を維持させる図柄の組合せ(例えば、RT4移行リプ)が表示されるように、当籤した押し順リプに正解の押し順を報知する。
また、本実施形態のパチスロ1では、ART遊技状態中に味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦(バトル)し、味方キャラクタが勝利した場合にART遊技状態を継続させ、敵キャラクタが勝利した場合にART遊技状態を終了させる。このような遊技性を持たせるため、ART遊技状態は、図66に示すように、敵決めART及びバトルARTにより構成される。
敵決めARTは、味方キャラクタと対戦する敵キャラクタの種別を決定する期間のART遊技状態である。図66に示すように、敵決めARTからは、バトルART及びボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、(G)敵決めARTにおいて、敵キャラクタが決定されると、副制御回路101は、敵決めARTからバトルARTに遊技状態を移行させる。なお、敵決めART中の敵キャラクタの決定方法については、後述する。
また、バトルARTは、敵決めARTにおいて決定した敵キャラクタと味方キャラクタとが対戦する期間のART遊技状態である。図66に示すように、バトルARTからは、敵決めART、一般遊技状態(通常遊技状態)及びボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、バトルART中のバトル(H)において、(H1)味方キャラクタが勝利すると、副制御回路101は、バトルARTから敵決めARTに遊技状態を移行させ、(H2)敵キャラクタが勝利すると、副制御回路101は、バトルARTから一般遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、バトルART中のバトル(H)の勝敗の決定方法は、後述する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、有利状態開始手段を構成し、移行抽籤に当籤したことに基づいて開始される、敵決めART及びバトルART中に、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率の高いRT4遊技状態を維持させるために必要な停止操作の態様(例えば、RT4移行リプに対応する図柄の組合せを表示させるための押し順)の報知を開始する。
[当籤役のメイン側/サブ側の対応関係]
図67は、メイン(主制御回路91)側で管理する当籤役の種別と、サブ(副制御回路101)側で管理する当籤役の略称との対応関係の一部を示す図である。サブ側では、メイン側の当籤役を図67の対応表に示す略称で管理する。なお、「はずれ」については、RT4遊技状態中のみ「純はずれ」とすることがある。また、当籤役のメイン側/サブ側の対応関係は、遊技状態に応じて異ならせることもできる。この点、図67に示す対応関係は、ボーナス状態以外の遊技状態における対応関係を示し、ボーナス状態における対応関係は、図96に示す。
[液晶表示装置11で行われる演出の概要]
図68は、液晶表示装置11の表示画面の一例を示す。なお、図68では、説明を簡易にするため、液晶表示装置11を第1表示領域111及び第2表示領域112の2つの領域に区分けするが、実際のパチスロ1では、それぞれの領域が混然一体となって形成されることになる。
第1表示領域111は、主な演出が行われる領域である。図68に示す例では、バトルART中の表示例が示されている。バトルART中は、図68に示すように、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦し、それぞれの攻撃/防御によりそれぞれの体力(HP)を減らしていくことで勝敗をつける演出が行われることになる。
第2表示領域112は、サブ(副制御回路101)側で行われる各種抽籤などに対して影響を与える黙示録113が表示される。黙示録113は、後述の演出玉をセットする5つの領域113A,113B,113C,113D,113Eを備える。領域113Aには、今回の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされ、領域113Bには、次遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされ、領域113Cには、2遊技先の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされ、領域113Dには、3遊技先の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされ、領域113Eには、4遊技先の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされる。すなわち、黙示録113には、今回の遊技を含む5回分の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされる。黙示録113にセットされた演出玉は、遊技の進行に合わせて、セットされる領域が更新される。黙示録113は、作動することで、何らかの演出玉(ブランク(空)を含む)がセットされ、非作動中の場合には演出玉がセットされない。
具体的には、通常遊技状態及び高確率遊技状態において、黙示録113は、作動する場合もあれば非作動の場合もあり、後述する作動抽籤に当籤することで作動する。通常遊技状態及び高確率遊技状態において黙示録113が作動すると、領域113A〜113Eには、図68に示すように、抽籤玉1、抽籤玉2、抽籤玉3、抽籤玉4、確定玉のいずれかの演出玉がセットされる。通常遊技状態及び高確率遊技状態において黙示録113にセットされた抽籤玉1〜確定玉は、上述の移行抽籤(A)(D)において影響を与える。より具体的には、領域113Aにセットされた抽籤玉1〜確定玉は、今回の遊技における上述の移行抽籤(A)(D)において影響を与える。
なお、上述の移行抽籤(A)(D)は、一遊技中のリール回転開始時及びリール停止時の二度のタイミングで行われる。このうち、リール回転開始時(スタート時)に行われる移行抽籤(A)(D)に対しては、領域113Aにセットされた抽籤玉1〜確定玉は、内部当籤役に関わらず抽籤結果に対して影響を与える。他方、リール停止時に行われる移行抽籤(A)(D)に対しては、領域113Aにセットされた抽籤玉1〜確定玉は、リール停止時に表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に限り、抽籤結果に対して影響を与える。なお、「ベル入賞」とは、押し順ベルにおいて押し順正解時の図柄の組合せが表示されること、又は共通ベルに応じた図柄の組合せが表示されることであり、「ベル入賞」以上とは、「ベル入賞」か、チャンリプ、強チェリー、弱チェリー、確定役、スイカ、及び純はずれ(図67参照)といったレア役のいずれかに応じた図柄の組合せが表示されること、のいずれかである。
抽籤玉1〜確定玉では、移行抽籤(A)(D)に対して与える影響がそれぞれ異なる。具体的には、図68に示すように、抽籤玉1は、CZ以上(CZ又はART)の当籤確率が低確率、抽籤玉2は、CZ以上の当籤確率が中確率、抽籤玉3は、CZ以上の当籤確率が高確率であり、また、抽籤玉4は、CZ以上の当籤が確定し、確定玉は、ARTの当籤が確定する。
続いて、CZにおいて、黙示録113は、常に作動する。CZにおいて黙示録113の領域113A〜113Eには、図57に示すように、発展玉、回避玉のいずれかの演出玉がセット、又は何らの演出玉もセットされないブランク(空)状態になる。CZにおいて黙示録113にセットされた発展玉、回避玉は、CZ中に行われる上述のARTへの移行抽籤(C)に対して影響を与える。より具体的には、領域113Aにセットされた発展玉、回避玉は、今回の遊技における上述のARTへの移行抽籤(C)において影響を与える。
具体的には、領域113Aに発展玉がセットされている場合に、押し順ベルが内部当籤役として決定されると、上述のARTへの移行抽籤(C)が行われることになる。そして、この遊技において停止操作が行われた場合に、この停止操作が、当籤した押し順ベルに対して定められた押し順に正解の停止操作である場合には、移行抽籤(C)の抽籤結果が「無効」になる。他方、この停止操作が、当籤した押し順ベルに対して定められた押し順に不正解の停止操作である場合には、移行抽籤(C)の抽籤結果が「維持」になる。上述したように、CZは、完走型のCZであり、完走前の途中の段階で行われる移行抽籤(C)が「維持」された場合にCZは終了する。そのため、領域113Aに発展玉がセットされている遊技では、遊技者は、押し順ベルが内部当籤役として決定されないことを望み(移行抽籤(C)自体が行われない)、また、仮に押し順ベルが内部当籤役として決定された場合には、押し順に正解していることを望む(移行抽籤(C)が無効になる)ことになる。
なお、上述の説明において、移行抽籤(C)の抽籤結果が「維持」されることとは、押し順ベルが内部当籤役として決定された遊技において、押し順に不正解の停止操作が行われた場合に表示される図柄の組合せ(ベルこぼし目)が表示されることと同義である。そのため、CZの終了条件は、移行抽籤(C)の抽籤結果が「維持」されることということもでき、また、押し順ベルが内部当籤役として決定された遊技において、ベルこぼし目が表示されることということもできる。
また、上述の説明では、ベルこぼし目が表示された場合には、移行抽籤(C)の抽籤結果が「無効」にすることとしているが、これに限られるものではない。押し順ベルの押し順正解時に移行抽籤(C)の抽籤結果を「無効」にしたのでは、仮に移行抽籤(C)に当籤していた場合に遊技者に対して不利益を与えてしまうことになる。この点、押し順ベルの押し順正解時に移行抽籤(C)の抽籤結果を「無効」にすることなく「維持」することで、遊技者に不利益を与えることなくCZを継続することができ、好適である。なお、押し順ベルの押し順正解時に移行抽籤(C)の抽籤結果を「維持」することとした場合には、CZの終了条件は、押し順ベルの押し順に不正解という条件を用いることが好ましい。これにより、CZを継続させつつ移行抽籤(C)の抽籤結果を「維持」することができる。また、CZを継続させつつ移行抽籤(C)の抽籤結果を「維持」するとは、例えば、移行抽籤(C)に当籤している場合に、ARTの権利(セット数)を抽籤結果に応じた数(1又は複数)付与することをいう。このようにCZ中に移行抽籤(C)の抽籤結果を「維持」することで、CZの途中の段階で行われる移行抽籤(第1権利付与抽籤)とCZ完走時に行われる移行抽籤(第2権利付与抽籤)との双方で付与されたARTの権利(セット数)を付与することができ、結果、CZ終了後に当該権利分のARTを実行することができる。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、権利回数管理手段及び有利状態制御手段を構成し、CZの途中の段階で行われる移行抽籤とCZ完走時に行われる移行抽籤との双方において付与されたARTの権利の合算回数を計数するとともに、CZ終了後に当該合算回数分のARTを実行する。
一方、回避玉及びブランク(空)は、押し順ベルが内部当籤役として決定されたとしても、上述のARTへの移行抽籤(C)を行わない演出玉である。遊技者からすると、回避玉及びブランク(空)がセットされている遊技では、安心して遊技を行うことができる。
続いて、敵決めARTにおいて、黙示録113は、常に作動する。敵決めARTにおいて黙示録113の領域113A〜113Eには、図68に示すように、ボス玉1〜ボス玉8、味方玉のいずれかの演出玉がセットされる。敵決めARTにおいて黙示録113にセットされたボス玉1〜ボス玉8、味方玉は、敵決めART中に行われる敵決めの抽籤に対して影響を与える。より具体的には、領域113Aにセットされたボス玉1〜ボス玉8、味方玉は、今回の遊技における敵決めの抽籤において影響を与える。
具体的には、領域113Aにボス玉1〜ボス玉8のいずれかがセットされている場合に、押し順ベル(共通ベルも含むこととしてもよい)が内部当籤役として決定されると、セットされているボス玉の種別に応じたボスがバトルARTにおける対戦相手として決定される。なお、ボス玉1〜ボス玉8に応じたボスは、それぞれ特徴の異なる敵キャラクタであり、詳しくは後述する。一方、領域113Aにボス玉1〜ボス玉8のいずれかがセットされている場合に、押し順ベル以外が内部当籤役として決定されると、対戦相手の敵キャラクタは決定されずに、敵決めARTが継続することになる。また、領域113Aにボス玉1〜ボス玉8のいずれかがセットされている場合に、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、又はチャンリプのいずれか(いわゆるレア役)が内部当籤役として決定されると、対戦相手は決定されずに、味方玉のストック抽籤が行われる。このストック抽籤に当籤し、味方玉をストックしている状況では、黙示録にセットされているボス玉1〜ボス玉8が味方玉に書き換えられることになる。
また、敵決めART中に領域113Aに味方玉がセットされている場合には、内部当籤役に基づいて味方キャラクタの体力(HP)を増加させる抽籤が行われる。この抽籤に当籤すると、味方キャラクタの体力が増加するため、その後のバトルARTにおいて味方キャラクタが勝利する期待度が上がることになる。
続いて、バトルARTにおいて、黙示録113は、常に作動する。バトルARTにおいて黙示録113の領域113A〜113Eには、図68に示すように、味方玉、敵玉、覚醒玉のいずれかの演出玉がセットされる。バトルARTにおいて黙示録113にセットされた味方玉、敵玉、覚醒玉は、バトルART中に行われる対戦の結果に対して影響を与える。より具体的には、領域113Aにセットされた味方玉、敵玉、覚醒玉は、今回又はその後の遊技における対戦に対して影響を与える。
具体的には、領域113Aに味方玉又は敵玉がセットされている場合に、押し順ベル又は共通ベルが内部当籤役として決定されると、セットされている演出玉の種別に応じたキャラクタが当該遊技において対戦相手に攻撃を仕掛ける。例えば、味方玉がセットされている場合には、味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を仕掛け、結果、敵キャラクタの体力(HP)が減少する。他方、敵玉がセットされている場合には、敵キャラクタが味方キャラクタに対して攻撃を仕掛け、結果、味方キャラクタの体力(HP)が減少する。
一方で、領域113Aに味方玉又は敵玉がセットされている場合に、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、又はチャンリプのいずれか(いわゆるレア役)が内部当籤役として決定されると、セットされている演出玉の種別に関係なく、味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を仕掛ける。この場合には、敵キャラクタの体力(HP)は、基本的には、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合よりも多く減少することになる。
また、領域113Aに覚醒玉がセットされている場合に、押し順ベル、共通ベル、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、又はチャンリプのいずれか内部当籤役として決定されると、味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を仕掛けるとともに、味方玉がストックされる。そして、味方玉がストックされると、ストックされた分だけ黙示録にセットされている敵玉が味方玉に書き換えられる。これにより、その後、味方キャラクタが攻撃を仕掛ける状況が増え、結果、バトルARTにおいて味方キャラクタが勝利する期待度が上がることになる。
[演出玉の管理方法]
続いて、図69を参照して、本実施形態のパチスロ1における演出玉の管理方法について説明する。パチスロ1において副制御回路101は、黙示録113にセットする演出玉に関する情報をサブRAM103の所定の格納領域に記憶する。上述したように黙示録113には領域113A〜113Eの5つの領域に対応して、それぞれ演出玉がセットされるため、サブRAM103に5個以上の演出玉が記憶される。この点、本実施形態では、サブRAM103には、図69に示すように、6個の演出玉が記憶される。
この6個の演出玉のうち、格納領域「1」に記憶される演出玉は領域113Aに対応してセットされ、格納領域「2」に記憶される演出玉は領域113Bに対応してセットされ、格納領域「3」に記憶される演出玉は領域113Cに対応してセットされ、格納領域「4」に記憶される演出玉は領域113Dに対応してセットされ、格納領域「5」に記憶される演出玉は領域113Eに対応してセットされ、格納領域「6」に記憶される演出玉は今遊技においてはセットされずに次遊技において領域113Eに対応してセットされる。
図69に示す例では、図69(a)の時点(今遊技)では、格納領域「1」〜「5」には、それぞれ抽籤玉1、抽籤玉2、抽籤玉3、抽籤玉4、確定玉が記憶され、その結果、黙示録113の領域113A〜113Eには、それぞれ抽籤玉1、抽籤玉2、抽籤玉3、抽籤玉4、確定玉がセットされている。一方、格納領域「6」には抽籤玉3が記憶されているものの、この格納領域「6」に記憶されている抽籤玉は、図69(a)の時点では黙示録113にセットされていない。
その後、次遊技になると、格納領域に記憶される演出玉が更新され、領域113A〜113Eにセットした演出玉が1つずつスライドする。具体的には、図69(b)に示すように、次遊技の格納領域「1」〜「5」には、図69(a)の時点(前遊技)で格納領域「2」〜「6」に記憶されていた演出玉がそれぞれ記憶され、次遊技の格納領域「6」には、新たな演出玉が抽籤により記憶される。その結果、黙示録113の領域113A〜113Eには、次遊技の格納領域「1」〜「5」に記憶されている抽籤玉2、抽籤玉3、抽籤玉4、確定玉、演出玉2がセットされることになる。
なお、それぞれの格納領域に記憶される演出玉は、黙示録113が作動することにより各領域にセットされる(すなわち、液晶表示装置11に表示される)。ここで、上述のように、通常遊技状態及び高確率遊技状態では、黙示録113は作動する場合もあれば非作動の場合もあるため、通常遊技状態及び高確率遊技状態では、格納領域に記憶される演出玉が黙示録113の各領域にセット(表示)されない場合もある。一方、CZ及びARTでは、黙示録113は常に作動するため、格納領域に記憶される演出玉は、常に黙示録113の各領域にセット(表示)される。すなわち、本実施形態では、サブRAM103は、演出情報記憶手段を構成し、副制御回路101の制御のもとに、黙示録113の領域113A〜113Eに対応する格納領域「1」〜「6」に演出玉を記憶する。また、液晶表示装置11は、表示手段を構成し、副制御回路101の制御のもとに、サブRAM103に記憶されている演出玉の一部(例えば、格納領域「1」〜「5」)を黙示録113の領域113A〜113Eに表示する。また、副制御回路101は、演出情報登録手段、第1演出情報登録手段、及び第2演出情報登録手段を構成し、それぞれの遊技状態(通常遊技状態、高確率遊技状態、CZ、ART遊技状態)において6ゲーム分の遊技(現遊技から所定回数先の遊技までの複数回の遊技)に対して登録する演出玉を抽籤し、抽籤により決定された演出玉(抽籤玉1〜4、確定玉、ボス玉1〜8、敵玉、味方玉など)を演出情報としてサブRAM103に登録する。
また、図68に示すように、通常遊技状態及び高確率遊技状態と、CZと、敵決めARTと、バトルARTとでは、それぞれ黙示録113にセットされる演出玉の種類が異なる。そのため、サブRAM103には、それぞれの状態に応じた格納領域が設けられることとしてもよい。なお、CZ、敵決めART及びバトルARTでは、それぞれの状態の開始時に演出玉の初期抽籤が行われ、また、それぞれの状態の終了時にサブRAM103に記憶している演出玉が全てクリアされる。そのため、CZ、敵決めART及びバトルARTについては、格納領域を使用するタイミングが重複することがないため、共通の格納領域を用いることとしてもよい。
一方、通常遊技状態及び高確率遊技状態では、黙示録113の作動/非作動に関わらず、サブRAM103に記憶している演出玉は維持される。すなわち、黙示録113が非作動になる直前にサブRAM103に記憶されている演出玉は、黙示録113の非作動中も維持され、次に黙示録113が作動した場合には、サブRAM103に維持されている演出玉が黙示録113の各領域にセットされる。なお、通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた格納領域は、遊技中は基本的に維持されるが、所定のタイミングでクリアされる。この通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた格納領域をクリアするタイミングについては、後に説明する。
[通常遊技状態及び高確率遊技状態中のART及びCZ抽籤]
続いて、図70〜図87を参照して、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に行われるART及びCZへの移行抽籤(A)(D)の詳細について説明する。図70は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に行われる移行抽籤(A)(D)の概要図であり、図71〜図87は、当該移行抽籤(A)(D)中に参照される各種のデータテーブルである。なお、各種のデータテーブルは、ロムカートリッジ基板76に記憶される。
<移行抽籤(A)(D)の概要>
図70を参照して、通常遊技状態及び高確率遊技状態において、開始操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、主制御回路91の制御に伴い内部当籤役が決定される。通常遊技状態及び高確率遊技状態では、内部当籤役が決定されると、まず、スタート時のART及びCZの移行抽籤(A)(D)が行われる。このスタート時の移行抽籤(A)(D)では、基本的には、遊技状態に応じてART又はCZの当籤確率が異なり、通常遊技状態よりも高確率遊技状態の方がART又はCZの当籤確率が高い。なお、スタート時の移行抽籤(A)(D)では、後述するように、遊技状態だけでなく、内部当籤役及び領域113Aにセットされている演出玉(抽籤玉1〜確定玉)によってもART又はCZの当籤確率が異なる。
また、通常遊技状態及び高確率遊技状態では、内部当籤役が決定されると、黙示録を作動させるか否かの黙示録抽籤を行う。この黙示録抽籤は、黙示録作動の当籤モードに応じて当籤確率が異なる。具体的には、黙示録作動の当籤モードには、低モード、高モード及び集中モード(それぞれにショート、ミドル、ロングという状態もある)があり、集中モードにおいて黙示録を作動させることに当籤し、低モード及び高モードでは黙示録を作動させることに当籤しない。通常遊技状態及び高確率遊技状態では、内部当籤役に基づいて黙示録作動の当籤モードを移行させ、集中モードまで昇格できた場合に黙示録が作動することになる。
その後、停止操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が停止すると、黙示録の作動の有無に応じて、リール停止時のART及びCZの移行抽籤(A)(D)が行われる。具体的には、黙示録が作動している場合には、領域113Aにセットされている演出玉(抽籤玉1〜確定玉)及び「ベル入賞」以上の図柄の組合せに基づいて、ART及びCZへの移行抽籤(A)(D)を行う。このリール停止時の移行抽籤(A)(D)は、領域113Aにセットされている演出玉に応じて、ART又はCZの当籤確率が異なる。
一方、黙示録が作動していない場合には、サブRAM103に記憶されている演出玉の昇格抽籤が行われる。なお、黙示録が作動していない場合には、サブRAM103に記憶されている演出玉は、黙示録にセットされない(言い換えると、液晶表示装置11に表示されない)。そのため、この昇格抽籤は、表に現れない隠れた情報に対して行われることになる。詳しくは後述するが、この昇格抽籤が行われる期間は、回転役物200が駆動するため、遊技者は、昇格抽籤が行われていることを把握することができる。
<移行抽籤(A)(D)において参照する各種のデータテーブル>
続いて、図70〜図87参照して、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に行われるART及びCZへの移行抽籤(A)(D)を具体的に説明する。
<スタート時ART抽籤テーブル>
図70〜図73は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中のスタート時の移行抽籤(A)(D)において参照されるスタート時ART抽籤テーブルを示す図である。スタート時ART抽籤テーブルは、現在の遊技状態、領域113Aにセットされている演出玉、及び内部当籤役毎に、抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。
本実施形態では、サブ(副制御回路101)側では、予め定められた数値の範囲「0〜32767」から抽出される演出用乱数値を、各抽籤結果に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって抽籤が行われる。
図70〜図73に示すスタート時ART抽籤テーブルを参照すると、通常遊技状態中は、領域113Aにセットされている演出玉に応じてCZ又はARTに当籤する確率が異なり、また、内部当籤役に応じてCZ又はARTに当籤する確率が異なることが分かる。また、図70〜図72に示すスタート時ART抽籤テーブルと、図73に示すスタート時ART抽籤テーブルとを比較すると、高確率遊技状態では、通常遊技状態よりも高い確率でARTに当籤し、また、高確率遊技状態では、全ての役においてARTに当籤する確率があるものの、通常遊技状態では、一部の役しかARTに当籤しないことが分かる。一部の役しかARTに当籤しないとは、一部の役しかARTへの移行抽籤を行わないことと同義であるため、通常遊技状態では、一部の役が内部当籤役として決定された場合にのみスタート時の移行抽籤(A)を行い、高確率遊技状態は、これら一部の役を含む複数の役が内部当籤役として決定された場合にスタート時の移行抽籤(A)を行うことになる。同様に、図73に示すスタート時ART抽籤テーブルを参照すると、高確率遊技状態では、CZに当籤することはないものの、ARTに当籤する確率が高いことが分かる。
<モード移行抽籤テーブル>
図74〜図78は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中の黙示録作動の当籤モードの移行抽籤において参照されるモード移行抽籤テーブルである。モード移行抽籤テーブルは、現在黙示録が作動中であるか否か、現在の黙示録作動の当籤モード、及び内部当籤役毎に、移行先の当籤モードに対する抽籤値の情報を規定する。なお、現在黙示録が作動中であるか否かは、黙示録フラグにより判別され、黙示録フラグが「0」である場合は黙示録非作動中を意味し、黙示録フラグが「1」である場合は黙示録作動中であることを意味する。
上述のように黙示録作動の当籤モードには、低モード、高モード及び集中モードがあり、それぞれのモードには、ショート、ミドル及びロングといった状態が設けられる。低モード、高モード及び集中モードは、上述のように黙示録を作動させるか否かの黙示録抽籤の当籤期待度が異なる当籤モードである。また、ショート、ミドル及びロングは、より有利な当籤モードに移行し易いか、又はより不利な当籤モードに移行し易いかを規定する状態である。具体的には、ショートは、より有利な当籤モードに最も移行し難い状態、かつ、より不利な当籤モードに最も移行し易い状態であり、ミドルは、より有利な当籤モードに次に移行し難い状態、かつ、より不利な当籤モードに次に移行し易い状態であり、ロングは、より有利な当籤モードに最も移行し易い状態かつ、より不利な当籤モードに最も移行し難い状態である。
図74〜図78に示すように、黙示録非作動中(黙示録フラグ0)の場合、当籤モードは、基本的には、低モード、高モード及び集中モードの順に上がっていき、一度集中モードまで上がると、黙示録が作動するまで低モード及び高モードに下がることがない。
<黙示録作動抽籤テーブル>
図79は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中の黙示録抽籤において参照される黙示録作動抽籤テーブルである。黙示録作動抽籤テーブルは、現在黙示録が作動中であるか否か、現在の黙示録作動の当籤モード、及び内部当籤役毎に、黙示録の作動に関する抽籤値の情報を規定する。ここで、黙示録の作動は、黙示録抽籤の結果、加減算される保証回数の遊技にわたり行われる。具体的には、黙示録抽籤の結果、「黙示録作動中_保障1加算」〜「黙示録作動中_保障5加算」が当籤した場合に対応する数だけ保証回数が加算され、「黙示録作動中_保障減算」が当籤した場合に保証回数が1減算される。そして、この加減算の結果、保証回数が0になると、黙示録の作動が終了(黙示録フラグが1から0になる)する。なお、黙示録フラグが0のときに保証回数が1以上加算されると、黙示録フラグが0から1に更新され、黙示録が作動する。
また、黙示録作動抽籤テーブルにおいて、「黙示録作動なし」とは、黙示録抽籤に非当籤を意味し、黙示録フラグが0のまま維持される。同様に、「黙示録作動中_維持」は、保証回数を加減算することなく黙示録の作動を維持することを意味し、黙示録フラグが1のまま維持される。
図79(A)(B)の黙示録作動抽籤テーブルを参照すると、現在黙示録が作動していない場合には、当籤モードが集中モードである場合に限り、黙示録の作動が開始する可能性があることが分かる。そこで、パチスロ1では、現在の当籤モードを示唆する演出を行うこととしてもよい。例えば、回転役物200を動かすことで現在の当籤モードを示唆することができる。具体的には、当籤モードに応じて回転役物200を動かす確率を異ならせ、例えば、集中モードに滞在している状況では、回転役物200を動かす確率を高くし、高モードや低モードに滞在している状況では、回転役物200を動かす確率を低くするといった態様が考えられる。同様に、黙示録抽籤において黙示録を作動することになる(保証回数が加算される)期待度を示唆する演出を行うこととしてもよい。特に、この期待度の示唆の演出を回転役物200とは異なるもので行うこととしてもよい。具体的には、パネル装置400において潜像402に応じた画像を期待度に応じた色で表示することとしてもよい。
<黙示録MAP抽籤テーブル>
図80及び図81は、通常遊技状態及び高確率遊技状態において、作動中の黙示録にセットする演出玉を決定するための黙示録MAPを抽籤するための黙示録MAP抽籤テーブルである。本実施形態のパチスロ1では、基本的には、MAP番号が大きいMAPほど遊技者にとって有利なものになっている。この点は、黙示録MAPに限らず、後述する他のMAPについても同様である。図80の黙示録MAP抽籤テーブルは、黙示録作動時(黙示録フラグが0から1に更新)に参照されるテーブルである。また、図81の黙示録MAP抽籤テーブルは、黙示録MAP毎に規定されたMAPデータが0のときに参照されるテーブルである。
黙示録MAP抽籤テーブルは、現在の黙示録MAP毎に移行先の黙示録MAPに対する抽籤値の情報を規定する。なお、電源投入時の初期時には、黙示録MAPとして「MAP0」がセットされるものとする。
<MAPデータ対応表>
黙示録MAPには、作動中の黙示録にセットする演出玉を決定するためのMAPデータが規定されている。図82は、それぞれの黙示録MAPに規定されているMAPデータの対応表を示す図である。図82に示すように、黙示録MAP1には、1ゲーム目にMAPデータ「1」が規定され、2ゲーム目にMAPデータ「0」が規定されている。なお、MAPデータ「0」が規定されている場合には、図81に示す、黙示録MAP抽籤テーブルを参照して、新たな黙示録MAPが抽籤されることになる。
<黙示録作動時演出玉抽籤テーブル>
図83は、通常遊技状態及び高確率遊技状態において、作動中の黙示録にセットする演出玉を決定するための黙示録作動時演出玉抽籤テーブルである。黙示録作動時演出玉抽籤テーブルは、MAPデータ毎にセットする演出玉についての抽籤値の情報を規定する。図83に示すように、MAPデータが大きいほど遊技者にとって有利な演出玉がセットされることになる。なお、図83では、確定玉が抽籤されることがない。この点、説明は省略するが、例えば、レア役の当籤時などにセットされている演出玉を昇格する抽籤を行うことで、抽籤玉1〜抽籤玉4から確定玉に格上げ可能にすることとしてもよい。
また、図83では、MAPデータ「0」に対しても演出玉に対する抽籤値の情報が規定されている。上述したようにMAPデータ「0」の場合には、新たな黙示録MAPが抽籤される。ここで、新たな黙示録MAPの抽籤とMAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤とはいずれを優先させることとしてもよい。この点、本実施形態のパチスロ1では、抽籤された黙示録MAPにおいて一度も演出玉の抽籤が行われない場合には、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤を優先し、抽籤された黙示録MAPにおいて一度でも演出玉の抽籤が行われた場合には、新たな黙示録MAPの抽籤を優先することにする。例えば、黙示録MAP「0」の場合、5ゲーム間の全てのMAPデータが「0」であるため(図82参照)、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤を一度行い、その後、新たな黙示録MAPを抽籤する。他方、黙示録MAP「1」の場合、1ゲーム目のMAPデータが「1」であり、2ゲーム目のMAPデータが「0」であるため(図82参照)、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤を行うことなく、MAPデータ「1」に基づく演出玉の抽籤後に新たな黙示録MAPを抽籤する。
この点は、後述する他のMAPにおいても同様のものとする。具体的には、MAPデータ「0」は、1ゲーム目に限り、MAPデータ「0」に基づく抽籤を行い、2ゲーム目移行の場合には、MAPデータ「0」に基づく抽籤を行うことなく、新たなMAPを抽籤する。このような制御を行う場合には、MAPの番号が「1」以上のMAPでは、MAPデータ「0」に基づく抽籤は行われないことになる。
<黙示録への演出玉のセットの流れ>
ここで、黙示録に演出玉をセットする際の流れについて具体的に説明する。黙示録抽籤に当籤し黙示録フラグが0から1に更新されると、黙示録が作動する。この黙示録の作動に合わせて、副制御回路101は、サブRAM103に記憶されている演出玉を黙示録にセットする。上述のように通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた格納領域は、遊技中は基本的に維持されるため、黙示録が作動する際は、維持されている演出玉が黙示録にセットされることになる。一方、通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた格納領域も、設定変更時や翌日営業開始時(電源が切断されてから再び電源が投入されるまで所定時間が経過している場合の電源投入時)などの所定のタイミングでクリアされる。そして、通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた格納領域がクリアされた場合には、当該格納領域に演出玉が初期設定(再抽籤)されることになる。以下では、通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた格納領域の初期設定の流れについて説明する。
通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた格納領域の初期設定では、まず、黙示録MAPが抽籤される。この初期設定では、初めに初期の黙示録MAPである黙示録MAP「0」がセットされる。この黙示録MAP「0」には、図82に示すように、1ゲーム目のMAPデータとして「0」が規定されている。そこで、副制御回路101は、1ゲーム目のMAPデータ「0」に基づいて1つ目の演出玉を抽籤する。その結果、図83に示す黙示録作動時演出玉抽籤テーブルを参照すると、1つ目の演出玉として「抽籤玉1」が決定される。
続いて、副制御回路101は、黙示録MAP「0」の2ゲーム目のMAPデータを参照する。図82に示すように、2ゲーム目のMAPデータは「0」であるため、副制御回路101は、演出玉の抽籤を行うことなく、新たな黙示録MAPを抽籤する。具体的には、図81に示すMAPデータ「0」時に参照される黙示録MAP抽籤テーブルを参照して、現在の黙示録MAP「0」から移行先の黙示録MAPを抽籤する。図81に示す例では、移行先の黙示録MAPとして黙示録MAP「1」が抽籤されることになる。この黙示録MAP「1」には、図82に示すように、1ゲーム目のMAPデータとして「1」、2ゲーム目のMAPデータとして「0」が規定されている。そこで、副制御回路101は、1ゲーム目のMAPデータ「1」に基づいて2つ目の演出玉を抽籤する。その結果、図83に示す黙示録作動時演出玉抽籤テーブルを参照すると、2つ目の演出玉として、例えば「抽籤玉2」が決定される。
続いて、副制御回路101は、黙示録MAP「1」の2ゲーム目のMAPデータを参照する。図82に示すように、2ゲーム目のMAPデータは「0」であるため、副制御回路101は、演出玉の抽籤を行うことなく、新たな黙示録MAPを抽籤する。具体的には、図81に示すMAPデータ「0」時に参照される黙示録MAP抽籤テーブルを参照して、現在の黙示録MAP「1」から移行先の黙示録MAPを抽籤する。図81を参照すると、移行先の黙示録MAPとして、例えば、黙示録MAP「2」が抽籤される。この黙示録MAP「2」には、図70に示すように、1ゲーム目のMAPデータとして「1」、2ゲーム目のMAPデータとして「0」が規定されている。そこで、副制御回路101は、1ゲーム目のMAPデータ「1」に基づいて3つ目の演出玉を抽籤する。その結果、図83に示す黙示録作動時演出玉抽籤テーブルを参照すると、3つ目の演出玉として、例えば「抽籤玉3」が決定される。
以下同様に繰り返し6つ分の演出玉を決定すると、副制御回路101は、演出玉の抽籤を終了し、決定した演出玉を順にサブRAM103に記憶する。なお、演出玉を決定する順序は任意であるが、例えば、副制御回路101は、黙示録113の各領域に応じた順序で演出玉を決定する。すなわち、副制御回路101は、黙示録113の領域113Aにセットする演出玉から順に決定する。
<演出玉の昇格>
続いて、図84を参照して、通常遊技状態及び高確率遊技状態中にサブRAM103に記憶されている演出玉を昇格する方法について説明する。図84は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に用いる演出玉の昇格方法の概要を示す図である。
図84(a)に示すように、通常遊技状態及び高確率遊技状態では、黙示録が非作動の状況であってもサブRAM103の格納領域には所定数分の演出玉が記憶されている。記憶されている演出玉は、黙示録が非作動の状況では図84(a)に示すように黙示録にセット(表示)されないものの、黙示録が作動すると図84(b)に示すように黙示録の対応する領域にセット(表示)される。
本実施形態のパチスロ1では、黙示録が非作動の状況においてサブRAM103に記憶されている演出玉(すなわち、非表示中の演出玉)の昇格抽籤が行われる。図84に示す例では、図84(a)において格納領域「1」に記憶されていた抽籤玉1が、昇格抽籤の結果、図84(c)に示すように抽籤玉3に昇格している。その後、黙示録が作動すると、図84(d)に示すように、サブRAM103に記憶されている演出玉が黙示録の対応する領域にセット(表示)されることになる。図84(b)(d)を比較すると、昇格抽籤の結果、領域113Aにセットされる演出玉が抽籤玉1から抽籤玉3に昇格していることが分かる。
このような昇格抽籤は、黙示録が非作動の状況において回転役物200が可動した場合に行われることになる。具体的には、パチスロ1では、目玉の役物である回転役物200の瞼に相当するカバー部材198が解放され、目玉に相当する目玉本体203が遊技者から視認可能になると、非表示中の演出玉の昇格抽籤が行われることになる。そのため、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に目玉本体203が現れた場合、ART抽籤に影響を与える演出玉の昇格抽籤が行われることになるため、遊技者は、目玉本体203が現れている期間、より有利な演出玉に昇格するように願って遊技を行うことになる。
<役物可動抽籤テーブル>
図85は、通常遊技状態及び高確率遊技状態の黙示録非作動中に、非表示中の演出玉の昇格抽籤を行うか否かを抽籤するための役物可動抽籤テーブルである。役物可動抽籤テーブルは、内部当籤役毎に回転役物200を可動することに関する抽籤値の情報を規定する。パチスロ1では、役物可動抽籤テーブルを用いた抽籤の結果、役物可動の保証が1以上になると、回転役物200を可動(カバー部材198が開放)させるために回転役物200の役物制御タスク(後述の図132参照)に可動要求を行う。なお、上述のように、回転役物200が可動している間は、非表示中の演出玉の昇格抽籤が行われることになるため、役物可動抽籤テーブルは、昇格抽籤を行う期間に移行するか否かの抽籤を行うためのテーブルであるといえる。
図85に示すように、役物可動の保証数は、基本的には、レア役が内部当籤役として決定されることで加算され、また、レア役以外の役が内部当籤役として決定されることで、減算又は維持される。役物可動の保証数が1以上になり回転役物200が可動した後に、役物可動の保証数が0になると回転役物200の可動が終了し、カバー部材198が閉止される。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、役物可動抽籤手段を構成し、役物可動抽籤テーブルを用いて昇格抽籤を行うか否かを抽籤して、抽籤結果で役物可動の保証数が1以上になると、回転役物200の可動要求を行う。
<演出玉昇格抽籤テーブル>
続いて、図86は、回転役物200が可動している状態(すなわち、役物可動の保証数が1以上である場合)において、非表示中の演出玉を昇格させるか否かを抽籤するための演出玉昇格抽籤テーブルである。演出玉昇格抽籤テーブルは、内部当籤役毎に演出玉の昇格数についての抽籤値の情報を規定する。通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた演出玉は、ART又はCZ当籤の期待度に応じて抽籤玉1、抽籤玉2、抽籤玉3、抽籤玉4、確定玉の順に設けられる。演出玉昇格抽籤テーブルにおいて規定する昇格数は、これら演出玉をより期待度の高い演出玉に昇格させる段階数を示す。例えば、「1段階昇格」は、抽籤玉1から抽籤玉2に昇格すること、抽籤玉2から抽籤玉3に昇格することなどを意味し、また、「2段階昇格」は、抽籤玉1から抽籤玉3に昇格すること、抽籤玉2から抽籤玉4に昇格することなどを意味する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、昇格抽籤手段を構成し、回転役物200が可動している状態において演出玉昇格抽籤テーブルを用いて非表示中の演出玉を昇格させるか否かを抽籤する。
上述したようにサブRAM103には、6個の演出玉が記憶されている。ここで、昇格抽籤において演出玉を昇格させることが決定した場合に昇格させる演出玉は任意である。例えば、昇格抽籤の結果に応じて6個の演出玉を全て一斉に昇格させることとしてもよく、また、昇格対象の1又は複数の演出玉のみを昇格抽籤の結果に応じて昇格させることとしてもよい。この場合において、昇格対象の1又は複数の演出玉の決定方法についても任意である。
例えば、6個の演出玉を順に昇格対象の演出玉として決定することが考えられる。具体的には、初めにサブRAM103の格納領域「1」に記憶されている演出玉を昇格対象の演出玉として決定し、次に、格納領域「2」に記憶されている演出玉を昇格対象の演出玉として決定する。この場合において、昇格対象の演出玉を更新するタイミングも任意である。例えば、所定回数の遊技が終了又は昇格対象の演出玉に対して昇格抽籤が所定回数(なお、「昇格なし」しか抽籤値が規定されていない場合については、昇格抽籤を行ったとしてもよく、また、昇格抽籤を行っていないとしてもよい)行われると昇格対象の演出玉を更新することとしてもよく、また、昇格対象の演出玉を1段階でも昇格できた場合に昇格対象の演出玉を更新することとしてもよく、また、昇格対象の演出玉が所定の演出玉(例えば、抽籤玉4)まで昇格できた場合に昇格対象の演出玉を更新することとしてもよい。また、昇格抽籤の結果、複数の段階数を昇格させることが決定された場合、この遊技において昇格対象であった演出玉のみを複数段階昇格させることとしてもよく、また、当該演出玉を1段階昇格させつつ、次の昇格対象の演出玉を1段階させるなどのように複数の演出玉を1段階ずつ昇格させることとしてもよく、また、昇格対象であった演出玉を2段階昇格させつつ、次の昇格対象の演出玉を1段階させるなどのように昇格対象であるか否かに応じて重みづけをしつつ複数の演出玉を昇格させることとしてもよい。
また、例えば、6個の演出玉のうち抽籤により決定された1又は複数の演出玉を昇格対象の演出玉として決定することも考えられる。なお、昇格対象の演出玉を決定するための抽籤は、所定の重みづけを行うこととしてもよい。重みづけの方法は任意であるが、例えば、期待度の低い演出玉ほど昇格対象の演出玉として抽籤され易くすることができ、また、昇格対象の演出玉として決定された回数が少ない演出玉ほど昇格対象の演出玉として抽籤され易くすることができる。この場合においても、昇格対象の演出玉は、任意のタイミングで更新することとしてよく、また、複数の段階数を昇格させることが決定された場合に、昇格対象の演出玉以外の演出玉についても昇格させることとしてもよい。
<昇格時の回転役物200の制御>
また、パチスロ1では、昇格抽籤の結果に基づいて回転役物200を制御することとしてもよい。上述したように、回転役物200には複数のLEDが設けられており、目玉本体203を裏側から照射する。昇格抽籤時は、回転役物200の可動により目玉本体203が現れているため、パチスロ1は、昇格抽籤の結果に応じてLEDを制御し、遊技者が視認可能な目玉本体203を様々な色で発光させることで、遊技者に対して昇格抽籤の結果が推測可能に報知することができる。例えば、LEDを制御し目玉本体203を白、青、黄、緑、赤、虹などの様々な色で発光することで、昇格抽籤の結果を報知する態様が考えられる。なお、回転役物200に設けられた複数のLEDは、後述のランプ制御タスクにより発光が制御されているため、例えば、目玉本体203の発光は、目玉本体203に対応したLEDの発光色と発光パターンをランプ制御タスクに要求することで実行される。
なお、パチスロ1では、サブRAM103に6個の演出玉を記憶するが、LEDの発光色と演出玉との関係性は任意に設定することができる。例えば、6個の演出玉の昇格数の総数に基づいてLEDの発光を制御することとしてもよい。一例として、6個の演出玉の昇格数の総数が「1」以下である場合にLEDを「白」で発光し、総数が「3」以下である場合にLEDを「青」で発光し、総数が「5」以下である場合にLEDを「黄」で発光する。
また、6個の演出玉うちのいずれか1又は複数の昇格後の演出玉の種類に基づいてLEDの発光を制御することとしてもよい。具体的には、昇格抽籤の結果、6個の演出玉のうち最も期待度の高い演出玉の種類に基づいて、例えば、最も期待度の高い演出玉が抽籤玉1である場合にLEDを「白」で発光し、最も期待度の高い演出玉が抽籤玉2である場合にLEDを「青」で発光し、最も期待度の高い演出玉が抽籤玉3である場合にLEDを「黄」で発光する。
後者の方法によれば、6個の演出玉うちのいずれか1又は複数の演出玉だけが期待度の高い演出玉に昇格し、その他の演出玉が期待度の低い演出玉のままであっても、LEDが赤、虹などの期待度の高い色で発光し、結果、目玉本体203が期待度の高い色で発光することになる。一方で、6個の演出玉が全体的にまんべんなく昇格し、6個の演出玉の全てが期待度の比較的低い演出玉である場合には、LEDは青、黄などの期待度の低い色で発光し、結果、目玉本体203が期待度の低い色で発光することになる。
一方、前者の方法によれば、6個の演出玉の昇格数の総数が少ない場合には、6個の演出玉うちのいずれかが期待度の高い演出玉に昇格したとしても、LEDは期待度の低い色で発光し、結果、目玉本体203が期待度の低い色で発光することになる。反対に、6個の演出玉の昇格数の総数が多い場合には、6個の演出玉の全てが期待度の比較的低い演出玉のままであったとしても、LEDは期待度の高い色で発光し、結果、目玉本体203が期待度の高い色で発光することになる。
また、前者の方法と後者の方法とを組み合わせてLEDの発光を制御することとしてもよい。具体的には、6個の演出玉の昇格数の総数が多いだけ、又は6個の演出玉うちのいずれか1又は複数が期待度の高い演出玉に昇格しただけでは、LEDを期待度の高い色では発光させず、個の演出玉うちのいずれか1又は複数が期待度の高い演出玉に昇格し、かつ、6個の演出玉の昇格数の総数が多い場合に、LEDを期待度の高い色で発光させることとしてもよい。
また、本実施形態のパチスロ1では、回転役物200の可動抽籤と演出玉の昇格抽籤との2つの抽籤を個別に行うこととしているが、回転役物200の可動抽籤は行わずに、演出玉の昇格抽籤のみを行うこととしてもよい。具体的には、演出玉の昇格抽籤の結果、演出玉を昇格することが決定された場合に、回転役物200を可動し、目玉本体203が表に現れることとしてもよい。
本実施形態のように回転役物200の可動抽籤と演出玉の昇格抽籤との2つの抽籤を個別に行うことで、演出玉を昇格させる遊技期間を作り出すことができる。遊技者からすると、この遊技期間中は演出玉を昇格させるチャンス期間になるため、目玉本体203が視認可能な期間中の興趣が向上する。
一方で、このようなチャンス期間であっても、個別に行われる昇格抽籤に非当籤の場合には、演出玉は昇格しないため、本実施形態のように2つの抽籤を個別に行う方法では、目玉本体203が視認可能になったとしても、演出玉が昇格していないこともある。この点、演出玉の昇格抽籤のみを行い、演出玉を昇格することが決定された場合に回転役物200を可動する方法では、目玉本体203が視認可能になると、演出玉が必ず昇格していることになるため、遊技者は、その後の遊技に対して期待を持つことができる。
<リール停止時ART抽籤テーブル>
図87は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中のリール停止時の移行抽籤(A)(D)において参照されるリール停止時ART抽籤テーブルを示す図である。リール停止時ART抽籤テーブルは、領域113Aにセットされている演出玉毎に、抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。ここで、上述したように、リール停止時の移行抽籤(A)(D)では、領域113Aにセットされた演出玉は、リール停止時に表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に限り、抽籤結果に対して影響を与える。そのため、図87に示すリール停止時ART抽籤テーブルは、領域113Aに演出玉がセットされ、かつ、リール停止時に表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に限り参照されるテーブルである。
図87に示すリール停止時ART抽籤テーブルを参照すると、領域113Aにセットされている演出玉に応じてCZ又はARTに当籤する確率が異なり、特に、抽籤玉4及び確定玉では、CZ又はARTが確実に当籤することが分かる。
[高確率遊技状態中の遊技]
続いて、図88及び図89を参照して、高確率遊技状態中の移行抽籤(D)以外の遊技の流れについて説明する。上述のように高確率遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態が該当し、メイン側においてボーナス非当籤状態のRT4遊技状態からボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行すると、高確率遊技状態も終了し、通常遊技状態に移行してしまう。なお、メイン側においてボーナス非当籤状態のRT4遊技状態からボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する場合とは、上述のように、押し順ベルや押し順リプに不正解の場合である。そのため、高確率遊技状態は、押し順ベルや押し順リプに不正解時に表示される図柄の組合せが表示されたことを、サブ側において把握したタイミングで終了する。ここで、通常遊技状態から高確率遊技状態に移行できたにも関わらず、すぐに高確率遊技状態が終了し通常遊技状態に移行してしまったのでは、興趣を損ねてしまう。そこで、本実施形態のパチスロ1では、高確率遊技状態では所定回数に限り、押し順ベルや押し順リプに正解の押し順を報知する。
図88は、高確率遊技状態中の遊技の流れの概要図であり、図89は、高確率遊技状態中に参照されるデータテーブルである。なお、図89に示すデータテーブルは、ロムカートリッジ基板76に記憶される。
<高確率遊技状態中の遊技の流れの概要>
図88を参照して、通常遊技状態のART移行抽籤に非当籤中に、RT4移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、メイン側においてボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行する。なお、この時点では、サブ側の遊技状態は、通常遊技状態(RT4遊技状態)である。この通常遊技状態(RT4遊技状態)において、開始操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、主制御回路91の制御に伴い内部当籤役が決定される。通常遊技状態(RT4遊技状態)では、内部当籤役が決定されると、決定された内部当籤役に基づいて回避ポイントの抽籤を行う。この抽籤において回避ポイントを獲得すると、副制御回路101は、初めて通常遊技状態から高確率遊技状態に遊技状態を移行させる。図66において上述した高確率遊技状態への移行抽籤(B)は、この回避ポイントの抽籤に相当する。
高確率遊技状態では、獲得した回避ポイントに基づいて、メイン側においてボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行してしまう状況を回避する。具体的には、高確率遊技状態において、開始操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、主制御回路91の制御に伴い内部当籤役が決定される。副制御回路101は、内部当籤役に基づいて、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する可能性がある否かを判断する。より具体的には、内部当籤役が押し順ベル又は押し順リプである場合に、副制御回路101は、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する可能性があると判断する。
ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する可能性がある場合、副制御回路101は、回避ポイントが残っている場合に限り、内部当籤役として決定された押し順ベル又は押し順リプに正解となる押し順を報知する。この報知を受けることで、遊技者は、正解の押し順で停止操作を行うことができ、高確率遊技状態が終了してしまうこと(すなわち、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行してしまうこと)を回避することができる。なお、回避ポイントがない場合には、遊技者自身が正解となる押し順を選択することになる。
その後、停止操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が停止すると、表示された図柄の組合せに基づいて、メイン側で遊技状態の移行が行われる。具体的には、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示された場合に、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行し、それ以外の場合には、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態が維持される。サブ側では、副制御回路101は、メイン側の遊技状態がボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行した場合には、高確率遊技状態を終了し、次ゲームから通常遊技状態を開始する。他方、副制御回路101は、メイン側の遊技状態がボーナス非当籤状態のRT4遊技状態を維持した場合には、高確率遊技状態を維持し、次ゲームも高確率遊技状態とする。
以上の流れが、高確率遊技状態中の遊技の流れである。
<回避ポイント抽籤テーブル>
図89は、通常遊技状態(RT4遊技状態)において参照される回避ポイント抽籤テーブルである。回避ポイント抽籤テーブルは、通常遊技状態(RT4遊技状態)中に内部当籤役として決定されたリプレイの回数、及び今回の遊技における内部当籤役毎に、加算する回避ポイントに対する抽籤値の情報を規定する。図89に示すように、通常遊技状態(RT4遊技状態)では、リプレイが内部当籤役として決定された回数に基づいて、異なる回避ポイント抽籤テーブルが参照される。なお、図89では、リプレイが内部当籤役として決定された回数が「0回」と「1回以上」とでテーブルを異ならせているが、テーブルを異ならせる回数はこれに限られるものではない。
図89に示す回避ポイント抽籤テーブルを参照すると、通常遊技状態(RT4遊技状態)ではリプレイが1回以上内部当籤役として決定されると、回避ポイントが付与される確率が上がり、特に、リプレイが1回以上内部当籤役して決定された後に内部当籤役として決定されたリプレイでは、回避ポイントが付与され易くなっている。なお、上述のようにRT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いため、通常遊技状態(RT4遊技状態)が数ゲーム継続した場合には、回避ポイントが付与されることになる。
[CZ中の遊技]
続いて、図90〜図95を参照して、CZ中の遊技の流れについて説明する。図90は、CZ中の遊技の流れの概要図であり、図91〜図95は、CZ中に参照されるデータテーブルである。なお、図91〜図95に示すデータテーブルは、ロムカートリッジ基板76に記憶される。
<CZ中の遊技の流れの概要>
上述したように、通常遊技状態や高確率遊技状態における移行抽籤(A)(D)において、CZに当籤すると、遊技状態がCZに移行する。すなわち、本実施形態では、副制御回路は、抽籤状態開始手段を構成し、移行抽籤においてCZに当籤すると、遊技状態をCZに移行させる。図90に示すように、CZ移行後の最初のゲームでは、開始操作に伴い全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、CZ_MAPの抽籤を行う。CZは、最大30ゲーム継続する完走型のチャンスゾーンである一方で、途中で行われるARTへの移行抽籤(C)が「維持」されると終了する。このCZの途中で行われるARTへの移行抽籤(C)は、CZが継続するほどARTの当籤確率が上がるようになっている。CZ_MAPは、CZの途中で行われるARTへの移行抽籤(C)においてARTの当籤確率が上がるゲーム数を設定するために用いられる。
CZ移行後の最初のゲームにおいてCZ_MAPが抽籤されると、続いて、無効ポイントの抽籤が行われる。この無効ポイントの抽籤には、CZ移行後の最初のゲームにおいて行う初期値の抽籤と、CZ中に毎ゲーム行われる上乗せの抽籤とがある。無効ポイントは、CZ途中で行われるARTへの移行抽籤(C)を「無効」にする回数を定める情報である。
続いて、黙示録にセットする演出玉の抽籤が行われる。その後、CZの30ゲーム目以外の遊技では、今回の遊技において発展玉がセットされているか否か、すなわち、領域113Aに発展玉がセットされている否かを判断する。今回の遊技において発展玉がセットされている場合には、CZ途中のARTへの移行抽籤(C)が行われる可能性があり、発展玉がセットされていない場合には、基本的には当該移行抽籤(C)は行われない。具体的には、発展玉がセットされ、無効ポイントが0であり、かつ、押し順ベルが内部当籤役として決定されている場合に、CZ途中のARTへの移行抽籤(C)が行われる。なお、CZ中の移行抽籤は、CZモードに応じてARTの当籤確率が異なり、CZモード1以上である場合にはARTに必ず当籤する。上述のCZ_MAPは、CZモードが0から1に上がるゲーム数を設定するMAPである(図92参照)。
ここで、今回の遊技において発展玉がセットされ、かつ、無効ポイントが1以上である場合、又は、今回の遊技において回避玉がセットされている場合、現在のCZモードを示唆する演出を行うこととしてもよい。具体的には、CZ_MAPには、CZモードが0から1に上がるゲーム数が設定されているため、現在のCZモードが1であることや、CZモードがあと何回の遊技で0から1に上がるかを、CZ_MAPから特定することができる。副制御回路101は、現在のCZモードが1である場合や、数回(例えば、2,3回)以内の遊技においてCZモードが0から1に上がる場合には、それら以外の場合と比べて異なる態様の演出を行うことで、現在のCZモードを示唆する演出を行うことができる。
なお、図90に示すように、CZの30ゲーム目の遊技では、ARTへの移行抽籤(C)が行われる。この場合には、必ずCZモード2に基づくARTへの移行抽籤(C)が行われ、チャンスゾーンを完走したとしてARTに当籤することになる。そして、上述のようにCZを完走した場合には、より有利なART遊技状態に移行することになる。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、有利状態抽籤手段を構成し、CZを完走(30ゲーム)した際にARTへの移行抽籤(C)を行う。
CZ中では、スタート時に発展玉に伴うARTへの移行抽籤(C)が行われていた場合、次のような処理が行われる。具体的には、その後、停止操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が停止すると、表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上か否か、すなわち、押し順ベルの押し順に正解したか否かを判断する。そして、押し順ベルの押し順に正解した場合には、発展玉に伴うARTへの移行抽籤(C)の抽籤結果が、ARTに当籤したか否かに関わらず無効にされ、CZが継続することになる。他方、押し順ベルの押し順に不正解の場合には、発展玉に伴うARTへの移行抽籤(C)の抽籤結果が維持され、その後、抽籤結果に応じた遊技状態に移行することになる。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、遊技状態制御手段を構成し、CZ中にARTの移行抽籤(C)を行い、その抽籤結果に応じて遊技状態をART遊技状態へ移行させる。
このようにCZ中では、CZ継続するほどARTへの移行抽籤(C)に当籤する確率が上がり、加えて、CZを完走した場合にはARTへの移行抽籤(C)に必ず当籤し、かつ、有利なART遊技状態に移行することになるため、CZが長く継続するほど遊技者にとって有利な状況になる。そのため、遊技者は、CZが継続するように遊技を行うことになる。ここで、CZの終了条件は、ARTへの移行抽籤(C)の抽籤結果が維持されることであるため、遊技者は、黙示録に発展玉がセットされないように、また、黙示録に発展玉がセットされている遊技では、押し順ベルが内部当籤役として決定されないように、また、黙示録に発展玉がセットされている遊技において押し順ベルが内部当籤役として決定されてしまった場合には、押し順に正解するように遊技を行うことになる。
<CZ_MAP抽籤テーブル>
図91は、CZ移行後の最初のゲームにおいて参照されるCZ_MAP抽籤テーブルである。CZ_MAP抽籤テーブルは、CZ_MAPの種別に対する抽籤値の情報を規定する。CZに移行すると、副制御回路101は、CZ_MAP抽籤テーブルを参照して、当該CZ中に用いるCZ_MAPを抽籤する。
<CZ_MAP対応表>
図92は、CZ_MAP抽籤テーブルにより抽籤されるCZ_MAPの内容を示すCZ_MAP対応表である。CZ_MAPのそれぞれには、CZ中の継続ゲーム数毎にCZモードが設定されている。CZモードは、上述のようにCZ中のARTへの移行抽籤(C)におけるARTの当籤確率を設定する情報であり、CZモードの数値が大きいほど、ARTの当籤確率が高くなるように設定されている。図92に示すように、CZ_MAPのそれぞれは、CZ中の継続ゲーム数が増す毎にCZモードが上がり、一度CZモードが上がると下がらないように設定されている。すなわち、それぞれのCZ_MAPは、CZモード0からCZモード1に上がるゲーム数が異なるように設定されている。また、全てのCZ_MAPにおいて、継続ゲーム数が30である場合、CZモードが2になるように設定されている。
なお、本実施形態では、CZモードとしてCZモード0,1,2の3種類のモードのみを設けているが、本発明は、CZ中の継続ゲーム数が増す毎にCZモードが上がり、一度CZモードが上がると下がらないように設定されていれば足り、CZモードの種類は3種類に限られるものではない。
<無効ポイント抽籤テーブル>
図93は、無効ポイント抽籤テーブルである。無効ポイント抽籤テーブルは、CZ中の発展玉がセットされている遊技において内部当籤役として押し順ベルが決定された場合に行われるARTへの移行抽籤(C)を無効にする無効ポイントを抽籤するために用いられる。無効ポイントが1以上である場合、発展玉がセットされている遊技において内部当籤役として押し順ベルが決定された場合に行われるARTへの移行抽籤(C)を無効にする。なお、無効ポイントが1以上である場合には、移行抽籤(C)を一度行った後に無効にすることとしてもよく、また、移行抽籤(C)をそもそも行わないこととしてもよい。
上述のように、無効ポイントの抽籤は、CZ移行後の最初のゲームにおいて行う初期値の抽籤と、CZ中に毎ゲーム行われる上乗せの抽籤とがある。図93の(A)は、初期値の抽籤に用いられる無効ポイント抽籤テーブルであり、初期値として決定される無効ポイントに対する抽籤値の情報を規定する。また、図93の(B)(C)は、上乗せの抽籤に用いられる無効ポイント抽籤テーブルであり、今回の遊技においてセットされている演出玉の種別及び内部当籤役毎に上乗せする無効ポイントに対する抽籤値の情報を規定する。
<演出玉抽籤テーブル>
図94は、CZ中に黙示録にセットする演出玉を抽籤する際に用いられる演出玉抽籤テーブルである。セット中の最終演出玉毎にセットする演出玉に対する抽籤値の情報を規定する。なお、セット中の最終演出玉とは、例えば、現在の遊技から最も離れた領域113Eにセットされた演出玉である。図94を参照すると、セット中の最終演出玉が発展玉である場合には、発展玉が抽籤されることはない。すなわち、CZ中は、黙示録の領域113A〜113Eに発展玉が2つ連続してセットされることはない。一方で、セット中の最終演出玉がその他(ブランク又は回避玉)である場合には、所定の確率で発展玉が抽籤されることになる。
なお、CZ中では、黙示録には発展玉及び回避玉のいずれかがセットされるが、演出玉抽籤テーブルに示すように、演出玉の抽籤では、発展玉かブランク(空)のみを抽籤し、回避玉は抽籤しない。ここで、回避玉は、無効ポイントが1以上であり、黙示録に発展玉がセットされている場合に、セットされている発展玉を書き換える形で黙示録にセットされることになる。なお、無効ポイントが1以上である場合に、発展玉を回避玉に書き換えるタイミングは任意である。例えば、領域113A〜領域113Eのうち、領域113Bに到達するまでは発展玉を回避玉に書き換えないことなどのようにしてもよく、もちろん、領域113Eの時点で発展玉を回避玉に書き換えることとしてもよく、また、領域113Aの時点でも発展玉のまま維持し、移行抽籤(C)自体を無効にすることで、CZの終了を回避することとしてもよい。
<CZ中ART抽籤テーブル>
図95は、CZ中のARTへの移行抽籤(C)において参照されるCZ中ART抽籤テーブルである。CZ中ART抽籤テーブルは、CZモード及びBBの当籤の有無毎に、移行抽籤(C)の抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブルを参照すると、BB非当籤時では、CZモードが0の場合はARTに当籤する確率が低く、CZモードが1以上の場合はARTに必ず当籤することがわかる。なお、CZモードは、移行抽籤(C)におけるARTの当籤確率やART当籤時のARTの有利度合が、数値が大きいほど遊技者に有利であれば足り、CZモード1、2においてARTに必ず当籤するように設定する必要はない。
[BB中の遊技]
続いて、図96〜図101を参照して、ボーナス状態中(「BB中」とも呼ぶ)の遊技の流れについて説明する。図96は、BB中におけるメイン(主制御回路91)側で管理する当籤役の種別と、サブ(副制御回路101)側で管理する当籤役の略称との対応関係の一部を示す図であり、図97は、BB中の遊技の流れの概要図であり、図98〜図101は、BB中に参照されるデータテーブルである。なお、図98〜図101に示すデータテーブルは、ロムカートリッジ基板76に記憶される。
<当籤役のメイン側/サブ側の対応関係>
図96は、BB中におけるメイン(主制御回路91)側で管理する当籤役の種別と、サブ(副制御回路101)側で管理する当籤役の略称との対応関係の一部を示す図である。サブ側では、メイン側の当籤役を図96の対応表に示す略称で管理する。なお、図96に示す当籤役以外の対応関係は、図67と同様である。
<BB中の遊技の流れの概要>
図97に示すように、BB中の遊技は、BBの作動を契機として行われる。BBの作動が行われると、BBモードが0にセットされる。ここで、BBモードは、BB中に行われるARTへの移行抽籤(F)におけるARTの当籤確率を設定する情報である。本実施形態のパチスロ1では、BBモードとしてBBモード0〜5を有し、BBモードの数値が大きいほどARTの当籤確率が高くなる。
続いて、BB中に開始操作に伴い全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、BB中のスタート時に行われるARTへの移行抽籤(F)が行われる。このスタート時の移行抽籤(F)は、上述のBBモードとは関係なく、内部当籤役としてサブ側の略称「7揃いリプ」が決定されている場合に、ARTに当籤し、その他の場合にARTに非当籤になる。
続いて、BB中の内部当籤役に基づいて、BBモードのモードアップ抽籤を行う。本実施形態のパチスロ1では、現在のBBモード毎にモードアップする可能性のある当籤役が定められている。詳細については後述するが、パチスロ1では、BBモードが上がるほど、モードアップする可能性のある当籤役の種類が少なくなるように設定されている。
その後、停止操作に応じてメダルの払い出しが行われると、BBの作動を終了するか否かを判定する。本実施形態のパチスロ1では、BB中に59枚を超えるメダルが払い出されるとBBの作動が終了する。未だ59枚を超えるメダルが払い出されていない場合には、BBの作動が継続する。他方、59枚を超えるメダルが払い出された場合には、BB終了時のARTへの移行抽籤(F)が行われる。この終了時の移行抽籤(F)は、BBモードに応じて行われる抽籤であり、BBモードの数値が大きいほどARTの当籤確率が高くなる。
ARTに当籤している状態でBBが終了すると、次ゲームからART(敵決めART)が開始する。ここで、図17に示したように、BB中には、JACINに係る役を内部当籤役として持ち越している状況で高RT状態(RT4遊技状態)に移行し、JACINに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると低RT状態(RT2遊技状態)に移行する。そして、BB終了後は、BB中のRT遊技状態が維持されるため、BB終了後は、BB中の遊技の結果に応じて高RT状態又は低RT状態になってしまう。
本実施形態のパチスロ1では、ARTに当籤している状態でBBが終了した場合、高RT状態に移行したタイミングでARTを実行することとしてもよく、また、RT遊技状態の種別に関係なく、ART(より詳細にはAT)を実行することとしてもよい。すなわち、低RT状態のままBBが終了した場合に、高RT状態への移行を待つことなく敵決めARTを開始することとしてもよい。この場合における敵決めARTは、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率は低いものの、押し順役に応じた正解の押し順を報知するとともに、敵決めART中の制御に従い、黙示録に演出玉がセットされる。後述するように、敵決めART中は、黙示録に味方玉がセットされる結果、味方キャラクタのHPが増加する可能性があり、味方キャラクタのHPが増加した場合には、その後のバトルARTに勝利(継続)する可能性が高まる。低RT状態のまま敵決めARTを開始したとしても、味方キャラクタのHPの増加(すなわち、ART遊技状態の継続期待度の増加)という利益を遊技者に与えることができるため、低RT状態のままBBを終了してしまった遊技者が受ける不利益を軽減することができる。
<BB中スタート時ART抽籤テーブル>
図98は、BB中のスタート時の移行抽籤(F)において参照されるBB中スタート時ART抽籤テーブルである。BB中スタート時ART抽籤テーブルは、サブ側の略称「7揃いリプ」が決定されている場合に参照され、ARTへの移行抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。図98に示すように、サブ側の略称「7揃いリプ」が決定されている場合には、スタート時の移行抽籤(F)において必ずARTに当籤することになる。
ここで、図96に示す当籤役の対応表を参照すると、JAC2フラグ間(JACIN2を内部当籤役として持ち越している状態)及びJAC3フラグ間(JACIN3を内部当籤役として持ち越している状態)では、メイン側の「F_312上段7揃」〜「F_2ndクロス7揃」の3つのみが「7揃いリプ」である。これに対して、JAC1フラグ間(JACIN1を内部当籤役として持ち越している状態)では、メイン側の「F_312上段7揃」〜「F_2ndクロス7揃」に「F_J1上段7リプ」〜「F_J1クロス7リプ」の3つを加えた計6つが「7揃いリプ」になっている。そのため、パチスロ1では、BB中に持ち越している持越役の種別に応じて、スタート時の移行抽籤(F)においてARTに当籤する確率が異なることになる。
<BB中モードアップ抽籤テーブル>
図99及び図100は、BBモードのモードアップ抽籤において参照されるBB中モードアップ抽籤テーブルである。BB中モードアップ抽籤テーブルは、現在のBBモード及び内部当籤役毎にモードアップ抽籤の抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定している。
BB中モードアップ抽籤テーブルを参照すると、現在のBBモードが0である場合、押し順ベル、共通ベル、スイカ、弱チェリー、強チェリー又はチャンリプのいずれかが内部当籤役として決定されると、BBモードが上がることになる。すなわち、BBモード0からモードアップする可能性のある当籤役の種類は6種類である。同様に、BBモード1からモードアップする可能性のある当籤役の種類は5種類であり、BBモード2からモードアップする可能性のある当籤役の種類は4種類であり、BBモード3からモードアップする可能性のある当籤役の種類は3種類であり、BBモード4からモードアップする可能性のある当籤役の種類は2種類である。
また、BBモード4からモードアップする可能性のある当籤役は、BBモード3においてモードアップする可能性のある当籤役に含まれ、同様に、BBモード3からモードアップする可能性のある当籤役は、BBモード2においてモードアップする可能性のある当籤役に含まれ、BBモード2からモードアップする可能性のある当籤役は、BBモード1においてモードアップする可能性のある当籤役に含まれ、BBモード1からモードアップする可能性のある当籤役は、BBモード0においてモードアップする可能性のある当籤役に含まれる。
このようにパチスロ1では、BBモードが上がるほど、モードアップする可能性のある当籤役の種類が少なくなるように設定され、かつ、BBモードが高い状態でモードアップする可能性のある当籤役は、BBモードが低い状態でもモードアップする可能性がある。
なお、図99及び図100に例示するBB中モードアップ抽籤テーブルでは、BBモードを一段階ずつではなく飛ばしてモードアップ可能にしている(例えば、BBモード0からBBモード1を経ることなくBBモード2以上にモードアップ可能にしている)。この点、BBモードは、必ず一段階ずつのみモードアップするようにBB中モードアップ抽籤テーブルを構成することとしてもよい。このような構成によれば、BBモードは一段階ずつしか上がらないため、それぞれのBBモードに滞在中の期待度が下がるため、BBモードを飛ばして上げることが可能な場合に比べて、BBモードが上がる期待度を高めるように設定することができる。その結果、BB中にある一定のBBモードまでは上がりやすくなるため、BBモードが徐々にモードアップしていく遊技形態を作りやすくなる。
ここで、図99及び図100に示すBB中モードアップ抽籤テーブルを参照すると、内部当籤役がチャンリプである場合、BBモードが上がりやすい。また、図96に示す当籤役の対応表を参照すると、JAC1フラグ間及びJAC3フラグ間では、メイン側の「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」の5つのみが「チャンリプ」である。これに対して、JAC2フラグ間では、メイン側の「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」に「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」の5つを加えた計10個が「チャンリプ」になっている。そのため、パチスロ1では、BB中に持ち越している持越役の種別に応じてBBモードを上げる確率が異なることになり、結果、BB中に持ち越している持越役の種別に応じてBB終了時の移行抽籤(F)においてARTに当籤する確率が異なることになる。
<BB終了時ART抽籤テーブル>
図101は、BB終了時の移行抽籤(F)において参照されるBB終了時ART抽籤テーブルである。BB終了時ART抽籤テーブルは、BB中の状態及びBBモード毎に、ARTへの移行抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。なお、図101の(A)のBB終了時ART抽籤テーブルは、メイン側の遊技状態「ボーナス状態のRB遊技状態」「ボーナス状態のRT4遊技状態」において参照され、図101の(B)のBB終了時ART抽籤テーブルは、メイン側の遊技状態「ボーナス状態のRT0遊技状態」「ボーナス状態のRT2遊技状態」において参照される(図17参照)。
[ART中の遊技]
続いて、図102〜図121を参照して、ART遊技状態中(「ART中」とも呼ぶ)の遊技の流れについて説明する。図102は、敵決めART中の遊技の流れの概要図であり、図103は、バトルART中の遊技の流れを示す概要図であり、また、図104〜図121は、ART中に参照されるデータテーブルである。なお、図104〜図121に示すデータテーブルは、ロムカートリッジ基板76に記憶される。
<ART中の遊技の流れの概要>
図102に示すように、一般遊技状態(通常遊技状態、高確率遊技状態、CZ)やボーナス状態においてARTへの移行抽籤に当籤すると、副制御回路101は、移行抽籤に当籤した状況に応じてART状態を抽籤する。ART状態は、ART遊技状態が継続することについての期待度が異なる状態であり、基本的には、数値の大きいART状態ほどARTが継続し易い(遊技者にとって有利)な状態となっている。ART状態が決定され、メイン側の遊技状態がボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行すると、敵決めARTが開始する。
敵決めART中に開始操作に伴い全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、黙示録にセットする演出玉の抽籤を行う。なお、敵決めARTでは、バトルART中に対戦する敵キャラクタを決定するためのボス玉1〜8や、味方キャラクタのHPを増加させるための味方玉といった演出玉が黙示録にセットされることになる。敵決めART開始前に決定したART状態は、演出玉の抽籤において参照され、数値の大きいART状態ほど黙示録に味方キャラクタが勝利し易いボス玉が多くセットされることになる。
この演出玉の抽籤は、後述するボスMAPに規定されるボスMAPデータとART状態とに基づいて行われることになる。敵決めART中は、最初にボスMAP「1」がセットされ、その後同一の敵決めARTが継続するほど数値の大きいボスMAPがセットされることになる。
なお、敵決めARTの開始後すぐに黙示録にボス玉をセットしてしまったのでは、敵決めARTが開始後すぐに終了してしまう可能性がある。そこで、敵決めART開始時には黙示録に演出玉をセットしない保証回数をセットすることとしてもよい。このようにすることで、最低限保証回数分は敵決めARTが継続するため、敵決めARTが開始後すぐに終了してしまうことを防止することができる。なお、保証回数は、予め定められた固定回数(例えば、5ゲームなど)であってもよく、また、敵決めARTの開始時に抽籤により決定することとしてもよい。また、ARTへの移行抽籤に当籤したことを契機に開始された敵決めART(いわゆる初当たり)と、ART遊技状態が継続したことを契機に開始された敵決めARTとで、保証回数を異ならせることとしてもよい。この場合においても、固定の保証回数を両ケースにおいて異ならせることとしてもよく、また、保証回数の抽籤確率を両ケースにおいて異ならせることとしてもよい。また、ART遊技状態が継続した場合には、継続時のバトルARTにおいて対戦した敵キャラクタの種別に応じて保証回数を異ならせることとしてもよい。この場合においても、継続時のバトルARTにおいて対戦した敵キャラクタの種別に応じて、固定の保証回数を異ならせることとしてもよく、また、保証回数の抽籤確率を異ならせることとしてもよい。
続いて、味方キャラクタのHPを決定する。ここで決定された味方キャラクタのHPが続くバトルARTにおいて用いられることになる。なお、味方キャラクタのHPは、敵決めARTの最初のゲームにおいて行われる初期決定と、黙示録に味方玉がセットされている場合に行われる後述の上乗せの抽籤とに基づき決定される。
初期決定は、現在の味方キャラクタのHPが初期値(HP50)未満であるか否かに応じて制御が異なり、副制御回路101は、初期値未満である場合には、味方キャラクタのHPを初期値に決定し、初期値以上である場合には、現在の味方キャラクタのHPをそのまま維持する。パチスロ1では、バトルARTにおいて味方キャラクタが勝利した場合には、再び敵決めARTを行う。このとき、継続したARTの結果に応じて味方キャラクタのHPは変動しているため(例えば、継続したARTの敵決めART中の味方玉(上乗せ抽籤)によるHP増加や、継続したARTのバトルART中の敵玉(敵攻撃)によるHP減少)、継続後の新たな敵決めARTでは、初期値からの変動に応じて味方キャラクタのHPをセットすることになる。
続いて、副制御回路101は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に応じた制御を行う。例えば、ボス玉がセットされている場合には、押し順ベル(共通ベルも含むこととしてもよい)が内部当籤役として決定されたか否かを判断し、押し順ベルが内部当籤役として決定されている場合には、今回の遊技において黙示録にセットされているボス玉の種類に応じたボスを、バトルARTにおける対戦相手として決定する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、対戦相手決定手段を構成し、今回の遊技において黙示録にセットされているボス玉1〜8に応じて、バトルARTにおける対戦相手を決定する。
このようにしてバトルARTの対戦相手を決定すると、対戦相手となる敵キャラクタのHPを決定する。敵キャラクタのHPの決定は、対戦相手を決定した次の遊技の内部当籤役に基づいて行われ、例えば、レア役が内部当籤役として決定された場合には、敵キャラクタのHPが少なくなるように決定される。敵決めARTにおいて対戦相手が決定され(ボス玉時の押し順ベル当籤)、かつ、敵キャラクタのHPが決定されると(次遊技の内部当籤役)、敵決めARTが終了し、次遊技からバトルARTが開始することになる。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、第2有利状態開始手段を構成し、敵決めART中にセットされたボス玉に基づいて対戦相手及び当該対戦相手の敵キャラクタのHPを決定すると、敵決めARTを終了し、次遊技からバトルARTを開始する。
一方で、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉である場合には、副制御回路101は、味方キャラクタのHPの上乗せ抽籤を行う。この上乗せ抽籤では、内部当籤役に基づいて味方キャラクタのHPを増加(上乗せ)する。具体的には、今回の遊技において黙示録に味方玉がセットされている場合に「ベル当籤」以上で上乗せ抽籤に当籤し、味方キャラクタのHPが増加することになる。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、数値加算手段を構成し、黙示録に味方玉がセットされている場合に内部当籤役に基づいて味方キャラクタのHPの上乗せ抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて味方キャラクタのHPの増加(加算)を行う。なお、「ベル当籤」とは、押し順ベル又は共通ベルが内部当籤役として決定されることであり、「ベル当籤」以上とは、「ベル当籤」か、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、及びチャンリプといったレア役のいずれかが内部当籤役として決定されること、のいずれかである。
図102に示すように、敵決めARTは、対戦相手が決定されるまで繰り返して行われる。一方、敵決めARTにおいて対戦相手が決定され、かつ、敵キャラクタのHPが決定されると敵決めARTが終了し、次遊技からバトルARTが開始する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、第1有利状態制御手段を構成し、バトルART中に対戦する敵キャラクタの決定、味方キャラクタのHPの決定、及びARTが継続した場合の上乗せ抽籤などを行う。
図103に示すように、バトルART中に開始操作に伴い全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、黙示録にセットする演出玉の抽籤を行う。なお、バトルARTでは、攻撃するキャラクタを決定するための味方玉、敵玉、覚醒玉といった演出玉が黙示録にセットされることになる。後述するように、それぞれの敵キャラクタには、攻撃力、防御力及びスピードというパラメータが設定されており、演出玉の抽籤は、敵キャラクタのスピードに応じて行われることになる。具体的には、スピードが速い敵キャラクタほど敵玉が抽籤される確率が高く、スピードが遅い敵キャラクタほど味方玉が抽籤される確率が高くなっている。
続いて、バトルART中は、内部当籤役及び黙示録にセットされている演出玉に基づいて、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦が行われる。具体的には、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉又は覚醒玉である場合には、「ベル当籤」以上で味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃し、敵キャラクタのHPが減少する。なお、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が覚醒玉であり、「ベル当籤」以上の場合には、味方玉がストックされ、ストックされた分だけ黙示録にセットされている敵玉が味方玉に書き換えられる。
他方、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が敵玉である場合には、「ベル当籤」で敵キャラクタが味方キャラクタに対して攻撃し、味方キャラクタのHPが減少し、「レア役当籤」で味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃し、敵キャラクタのHPが減少する。なお、「レア役当籤」とは、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、及びチャンリプといったレア役のいずれかが内部当籤役として決定されることである。
ここで、敵キャラクタ攻撃時の味方キャラクタのHPの減少量は、敵キャラクタに設定された攻撃力に応じて異なり、攻撃力が高い敵キャラクタほど味方キャラクタのHPの減少量が大きく、攻撃力が低い敵キャラクタほど味方キャラクタのHPの減少量が小さい。同様に、味方キャラクタ攻撃時の敵キャラクタのHPの減少量は、敵キャラクタに設定された防御力に応じて異なり、防御力が高い敵キャラクタほど敵キャラクタのHPの減少量が小さく、防御力が低い敵キャラクタほど敵キャラクタのHPの減少量が大きい。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、数値減算手段を構成し、バトルART中に黙示録にセットされている演出玉が敵玉(第3演出情報)の場合に味方キャラクタのHPを減少(減算)し、味方玉(第4演出情報)の場合に敵キャラクタのHPを減少(減算)する。
図103に示すように、バトルARTでは、対戦の結果、味方キャラクタ又は敵キャラクタのいずれかのHPが0になると終了する。具体的には、味方キャラクタのHPが0になった場合には、バトルARTが終了するとともに、一セット分のART遊技状態が終了する。他方、敵キャラクタのHPが0になった場合には、ART遊技状態のセット数は変わらないまま、バトルARTが終了する。そして、バトルART終了時にART遊技状態のセット数が残っている場合には、ART遊技状態が継続し、バトルARTから新たな敵決めARTに移行する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、第2有利状態制御手段及び有利状態制御手段を構成し、バトルART中に敵キャラクタが攻撃する演出玉の黙示録へのセット、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦、対戦の結果に基づくART遊技状態の終了又はART遊技状態の継続による敵決めARTへの移行の制御を行う。また、本実施形態では、副制御回路101は、継続制御手段を構成し、対戦の結果、敵キャラクタのHPが0になった場合や、味方キャラクタのHPが0になったもののART遊技状態のセット数が残っている場合などに、ART遊技状態を継続し、バトルARTから敵決めARTに遊技状態を移行させる。
<ART状態抽籤テーブル>
図104は、ARTへの移行抽籤に当籤時にART状態を抽籤するために参照されるART状態抽籤テーブルである。ART状態抽籤テーブルは、ARTへの移行抽籤に当籤した際の状況毎に、ART状態に対する抽籤値の情報を規定する。例えば、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に行われるARTへの移行抽籤(A)(D)において当籤した場合には、「通常遊技状態、高確率遊技状態」欄のART状態抽籤テーブルを参照して、ART状態が抽籤される。同様に、CZ中のARTへの移行抽籤(C)において当籤した場合には、CZ中のCZモードに応じたART状態抽籤テーブルを参照して、ART状態が抽籤される。また、ボーナス状態中のARTへの移行抽籤(F)において当籤した場合には、「ボーナス状態欄」のART状態抽籤テーブルを参照して、ART状態が抽籤される。
図104を参照すると、CZモード2において移行抽籤に当籤した場合には、CZモード0,1において移行抽籤に当籤した場合やその他の場合に比べて、数値の大きいART状態が抽籤されることになる。ここで、CZモード2はCZに完走した場合のCZモードであり、また、ART状態は、数値が大きいほどARTが遊技者にとって有利な状態(ARTが継続し易い状態)であるため、CZに完走した場合には、単にART移行するだけなく、遊技者にとってより有利な状態になることが分かる。
<敵決めART中に参照する各種のデータテーブル>
続いて、図105〜図111を参照して、敵決めART中に参照される各種のデータテーブルについて説明する。
<ボスMAP抽籤テーブル>
図105は、敵決めARTにおいて黙示録にセットする演出玉を決定するためのボスMAPを抽籤するためのボスMAP抽籤テーブルである。敵決めART中は、最初にボスMAP「1」がセットされ、その後、ボスMAP毎に規定されたボスMAPデータが0のときに新たなボスMAPが抽籤される。図105のボスMAP抽籤テーブルは、ボスMAPデータが0のときに新たなボスMAPを抽籤するために参照されるテーブルである。
図105に示すボスMAP抽籤テーブルを参照すると、パチスロ1では、ボスMAPが抽籤されるたびに数値の大きいボスMAPが抽籤され易くなることが分かる。具体的には、ボスMAP「1」からはボスMAP「3」が抽籤され易く、同様にボスMAP「3」からはボスMAP「5」が抽籤され易い。一方で、ボスMAP「1」からボスMAP「4」が抽籤された場合には、ボスMAP「4」からはボスMAP「3」が抽籤され易いため、ボスMAPの数値は一度小さくなってしまうものの、その後のボスMAP「3」からは、ボスMAP「5」が抽籤されることになるため、結果、ボスMAPが抽籤されるたびに数値の大きいボスMAPが抽籤されることになる。
また、図105に示すボスMAP抽籤テーブルを参照すると、ボスMAPの抽籤が繰り返された結果、ボスMAPがボスMAP「52」まで更新された場合には、その後、ボスMAP「52」又はボスMAP「53」のいずれかのみが抽籤され、その他のボスMAPが抽籤されないことが分かる。詳しくは後述するが、これらボスMAP「52」「53」がボスMAPとしてセットされている場合、遊技者にとって有利な演出玉が黙示録にセットする演出玉として決定される。そのため、ボスMAPの抽籤が繰り返された結果セットされるボスMAP「52」「53」は、ボスMAPの天井であるといえ、ボスMAPの天井に到達した場合には、遊技者にとって有利な演出玉が黙示録にセットされることになる。
<ボスMAPデータ対応表>
ボスMAPには、黙示録にセットする演出玉を決定するためのボスMAPデータが規定されている。図106は、それぞれのボスMAPに規定されているボスMAPデータの対応表を示す図である。図106に示すように、ボスMAP1には、1〜4ゲーム目までボスMAPデータ「1」が規定され、5ゲーム目にボスMAPデータ「0」が規定されている。なお、ボスMAPデータ「0」が規定されている場合には、図105に示す、ボスMAP抽籤テーブルを参照して、新たなボスMAPが抽籤されることになる。
<敵決めART中演出玉抽籤テーブル>
図107及び図108は、敵決めARTにおいて黙示録にセットする演出玉を決定するための敵決めART中演出玉抽籤テーブルである。ART中演出玉抽籤テーブルは、ボスMAPデータ及びART状態毎にセットする演出玉についての抽籤値の情報を規定する。なお、図107の(A)では、ボスMAPデータ「0」に対しても演出玉に対する抽籤値の情報が規定されているが、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤よりも新たなボスMAPの抽籤を優先する場合には、利用されることはない。
図107及び図108を参照すると、ボスMAPデータが「1」「2」「4」である場合、抽籤される演出玉は、ART状態に関わらず概ね一定である一方で、ボスMAPデータ「3」である場合には、ART状態に応じて抽籤される演出玉が大きく異なる。例えば、ボスMAPデータ「3」の場合のART状態「28」以上を参照すると、演出玉としてボス玉7、8のいずれかが決定されることが分かる。なお、ボス玉7,8は、対戦相手として決定された場合にバトルARTの継続が確定する演出玉である(図68参照)。また、図106に示すボスMAPデータ対応表を参照すると、ボスMAPデータ「3」は、多くのボスMAPに規定されていることが分かり、多くの場合にボスMAPデータ「3」に基づき演出玉が抽籤されることが分かる。
このことから、ART状態の数値が大きいほど、遊技者にとって有利なARTになることが分かり、また、CZ完走時にはART状態として「28」以上が抽籤されるため(図104参照)、CZ完走時に移行するARTは継続し易いことが分かる。
また、図106及び図107を参照すると、ボスMAPが「52」である場合には、ボスMAPデータとして「4」が規定され、バトルARTの継続が確定するボス玉7,8のいずれかが演出玉として決定されることが分かる。同様に、ボスMAPが「53」である場合には、ボスMAPデータとして「2」が規定され、味方キャラクタの体力(HP)を増加させる味方玉が演出玉として決定されることが分かる。
図105で上述したように、ボスMAP「52」「53」は、ボスMAPの抽籤が繰り返されるとセットされるボスMAPの天井である。そして、ボスMAPの天井に到達した場合には、継続が確定するボス玉7,8又は味方キャラクタのHPを増加させる味方玉のみが黙示録にセットされることになり、その後のARTが継続し易くなることが分かる。すなわち、本実施形態では、ロムカートリッジ基板76に記憶されるボスMAP抽籤テーブルは、敵決めART中に黙示録にセットする演出玉を決定するためのボスMAPデータ(抽籤値の情報)を規定するボスMAP(抽籤情報)を複数記憶する抽籤情報記憶手段を構成する。また、本実施形態では、副制御回路101は、抽籤情報決定手段を構成し、ボスMAP抽籤テーブルを参照してボスMAPを決定するとともに、このボスMAPに基づいて黙示録にセットする演出玉を決定すると、当該ボスMAPから他のボスMAPに更新する。
<敵決めART中演出玉格上げ抽籤テーブル>
図109は、敵決めART中に黙示録にセットされた敵玉を味方玉に書き換えるために参照される敵決めART中演出玉格上げ抽籤テーブルである。敵決めART中演出玉格上げ抽籤テーブルは、内部当籤役毎に味方玉のストック数に対する抽籤値の情報を規定する。この抽籤により1以上の味方玉のストックが決定されると、ストック数に応じた分だけ、ボス玉を味方玉に書き換える。なお、ボス玉を味方玉に書き換えるタイミングは任意である。図109を参照すると、敵決めART中にレア役(純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、チャンリプ)が内部当籤役として決定されると、味方玉がストックされる。
(味方玉への書き換え)
ここで、図155を参照して、ボス玉を味方玉に書き換える際の動作例について説明する。図155は、敵決めART中にボス玉を味方玉に書き換える際の動作の概要を示す図である。
図155(a)に示すように、今遊技においてサブRAM103には、格納領域「1」にボス玉1、格納領域「2」にボス玉2、格納領域「3」にボス玉1、格納領域「4」にボス玉4、格納領域「5」に味方玉、格納領域「6」にボス玉3が記憶されている。なお、上述したように、サブRAM103の格納領域「1」〜「5」に記憶されている演出玉は、黙示録にセットされ(表示)、サブRAM103の格納領域「6」に記憶されている演出玉は、黙示録にセットされない(非表示)。
味方玉への書き換えが行われない場合(味方玉のストックが「0」)、図155(a)に示すように、サブRAM103の格納領域に記憶されている演出玉がスライドし、結果、次遊技の格納領域「1」〜「5」には、今遊技の格納領域「2」〜「6」に記憶されていた演出玉が記憶され、また、次遊技の格納領域「6」には抽籤された演出玉が新たに記憶される。
一方で、味方玉のストックがある場合には、サブRAM103に記憶されているボス玉を味方玉に書き換える。図155(b)は、味方玉のストックが「2」である場合のボス玉の書き換え例である。味方玉のストックが「2」である場合、2個のボス玉が味方玉に書き換えられる。今遊技の格納領域「1」に記憶されている演出玉は、次遊技には存在しないため、図155(b)に示す例では、今遊技の格納領域「2」「3」に記憶されている2個のボス玉が、次遊技には味方玉に書き換えられている。
なお、図155(b)に示す例では、手前側(格納領域「1」〜「6」のうち格納領域「1」側)のボス玉から順に味方玉に書き換えることとしているが、書き換える対象のボス玉の決定方法は任意である。例えば、ボス玉1〜8に対して優先順位をつけておき、優先順位に応じて書き換える対象のボス玉を決定することとしてもよい。この優先順位を、例えば、バトルARTの継続期待度に基づいて設定することも好適である。すなわち、ボス玉1〜8のそれぞれに対してバトルARTの継続期待度を設定しておき、継続期待度が低い(又は高い)ボス玉から順に書き換える対象のボス玉として決定することとしてもよい。
また、優先順位を味方玉のストック数に基づいて設定することも好適である。例えば、味方玉のストック数が所定数(例えば、「1」)である場合には、ボス玉1〜8に対して設定した第1の優先順位に基づいて書き換える対象のボス玉を決定し、味方玉のストック数が特定数(例えば、「2」)である場合には、ボス玉1〜8に対して設定した第2の優先順位に基づいて書き換える対象のボス玉を決定する。
また、優先順位を味方玉をストックした際の内部当籤役に基づいて設定することも好適である。例えば、所定役(例えば、スイカ)が内部当籤役として決定されたことを契機に味方玉のストックが行われた場合には、ボス玉1〜8に対して設定した第1の優先順位に基づいて書き換える対象のボス玉を決定し、特定役(例えば、チャンスリプ)が内部当籤役として決定されたことを契機に味方玉のストックが行われた場合には、ボス玉1〜8に対して設定した第2の優先順位に基づいて書き換える対象のボス玉を決定する。
味方玉のストックに応じて、ボス玉が味方玉に書き換えられることにより、味方キャラクタのHPが増加し、バトルARTにおいて味方キャラクタのHPが「0」になり難くなる結果、バトルARTが継続し易くなる。ここで、上述したようにボス玉7,8は、バトルARTの継続が確定するボス玉であり、味方玉に書き換えてしまったのでは却ってバトルARTが継続し難くなってしまう。そこで、ボス玉7,8については、味方玉に書き換えることなく維持することとしてもよい。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、特定役書換手段を構成し、レア役が内部当籤するとサブRAM103に記憶されているボス玉を味方玉に書き換えるとともに、対象のボス玉がボス玉7,8である場合には味方玉に書き換えることなく維持する。また、副制御回路101は、所定役が内部当籤したことに基づいて第1の優先順位で書き換える対象のボス玉を決定し、特定役が内部当籤したことに基づいて第2の優先順位で書き換える対象のボス玉を決定する。
図155(c)は、サブRAM103の格納領域にボス玉7又はボス玉8が記憶されている場合の、ボス玉の書き換え例を示す図である。図155(c)において、味方玉のストックは「2」であり、今遊技の格納領域「1」〜「6」には、それぞれボス玉1、ボス玉7、ボス玉1、ボス玉4、味方玉、ボス玉3が記憶されている。手前側のボス玉から順に味方玉に書き換える場合、格納領域「2」「3」に記憶されているボス玉7、ボス玉1が書き換える対象のボス玉として決定される。この場合、ボス玉1については味方玉に書き換える一方で、ボス玉7については味方玉に書き換えることなく維持する。
図155(c)に示す例では、書き換える対象のボス玉7については、その手前側に味方玉を挿入しつつボス玉7を維持する。その結果、次遊技の格納領域「1」には、書き換える対象のボス玉7の手前側に挿入された味方玉が記憶され、次遊技の格納領域「2」には、ボス玉7がそのまま維持される。そして、次遊技の格納領域「3」には、ボス玉1から書き換えられた味方玉が記憶され、次遊技の格納領域「4」〜「6」には、今遊技の格納領域「4」〜「6」と同じ内容の演出玉が記憶される。
なお、図155(c)に示す例では、書き換える対象のボス玉としてボス玉7を決定しつつ、その手前側に味方玉を挿入することで、バトルARTの継続が確定するボス玉7,8を維持することとしているが、そもそも書き換える対象のボス玉としてボス玉7,8を決定しないこととしてもよい。
継続が確定するボス玉が味方玉に書き換えられてしまうのは、遊技者にとって不利益であるため、このようなボス玉を書き換えることなく維持することで、遊技者に不満を与えることがなく、好適である。なお、格納領域「6」に記憶されている演出玉は、黙示録にセットされておらず、非表示中であるため、仮に継続が確定するボス玉であったとしても味方玉に書き換えることとしてもよい。このような非表示中の演出玉は、遊技者が把握することはできないため、継続が確定するボス玉を味方玉に書き換えたとしても遊技者が不満を感じることがないためである。
<敵決めART中味方パワー上乗せ抽籤テーブル>
図110は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉である場合に行われる味方キャラクタのHPの上乗せ抽籤時に参照される敵決めART中味方パワー上乗せ抽籤テーブルである。敵決めART中味方パワー上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役毎に味方キャラクタのHPの上乗せ量を規定する。図110参照すると、今回の遊技において黙示録に味方玉がセットされている場合、「ベル当籤」以上で味方キャラクタのHPが増加することが分かる。
<敵決めART中ボスパワー抽籤テーブル>
図111は、対戦相手の敵キャラクタを決定した次の遊技において、当該敵キャラクタのHPを決定する際に参照される敵決めART中ボスパワー抽籤テーブルである。敵決めART中ボスパワー抽籤テーブルは、内部当籤役毎に敵キャラクタのHPに対する抽籤値の情報を規定する。図111を参照すると、純はずれ以外のレア役に当籤している場合には、敵キャラクタのHPが少なくなるように決定されることが分かる。なお、敵決めART中ボスパワー抽籤テーブルは、対戦相手となる全ての敵キャラクタに対して共通のテーブルであってもよく、また、それぞれの敵キャラクタ毎に異なるテーブルを設けることとしてもよい。敵キャラクタ毎に異なるテーブルを設けることで、敵キャラクタの個性に応じたHPを決定することができる。
<バトルART中に参照する各種のデータテーブル>
続いて、図113〜図121を参照して、バトルART中に参照される各種のデータテーブルについて説明するが、これらデータテーブルの説明に先立ち、それぞれの敵キャラクタの特徴について説明する。
<ボスステータス対応表>
図112は、ボスステータス対応表である。対戦相手の敵キャラクタであるボス1〜ボス8には、それぞれ攻撃力、防御力及びスピードといったステータスが設定されている。例えば、ボス1は攻撃型であり、攻撃力が高い一方でスピードが遅い。これに対して、ボス5はスピード型であり、攻撃力は低いもののスピードが速い。バトルART中は、このような敵キャラクタの特徴に応じて味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦が行われることになる。
なお、ボス7,8は、対戦相手として決定された時点でART遊技状態の継続が確定する敵キャラクタである。上述のようにART遊技状態は、味方キャラクタのHPが0になる前に敵キャラクタのHPが0になった場合、又は味方キャラクタのHPが0になったとしてもART遊技状態のセット数が残っている場合に継続する。ボス7,8決定時にART遊技状態が継続する態様は、任意であり、例えば、ボス7,8が敵キャラクタとして決定された場合には、必ず味方キャラクタよりも敵キャラクタのHPが先に0になるようにしてもよく、また、ボス7,8が敵キャラクタとして決定された場合には、ART遊技状態のセット数が必ず1以上になる(例えば、ボス7,8が敵キャラクタとして決定された場合にART遊技状態のセット数を1加算、又は味方キャラクタのHPが0になったとしてもART遊技状態のセット数を減算しない)ようにしてもよい。この点、本実施形態では、ボス7,8が敵キャラクタとして決定された場合には、ART遊技状態のセット数を1加算することで、味方キャラクタのHPが0になったとしてもART遊技状態のセット数が必ず残るようにすることで、ボス7,8決定時にART遊技状態を継続させることとしている。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態においてボス7,8のHPを0にできた場合には、いわゆる上乗せ特化ゾーンに移行することとしてもよい。上乗せ特化ゾーンの種別は任意であるが、本実施形態の場合には上乗せ特化ゾーンとして、ART遊技状態のセット数を上乗せすることや、味方キャラクタのHPを上乗せすることが考えられる。
<バトルMAP抽籤テーブル>
図113〜図115は、バトルARTにおいて黙示録にセットする演出玉を決定するためのバトルMAPを抽籤するためのバトルMAP抽籤テーブルである。バトルMAP抽籤テーブルは、対戦相手となる敵キャラクタの種別毎に設けられ、移行元のバトルMAP毎に移行先のバトルMAPに対する抽籤値の情報を規定する。図113は、ボス1に対応するバトルMAP抽籤テーブルであり、図114は、ボス2に対応するバトルMAP抽籤テーブルであり、図115は、ボス5に対応するバトルMAP抽籤テーブルである。後述するように、バトルMAP抽籤テーブルに規定される抽籤値の情報は、敵キャラクタに設定されたスピードに依存する。
<バトルMAPデータ対応表>
バトルMAPには、黙示録にセットする演出玉を決定するためのバトルMAPデータが規定されている。図116は、それぞれのバトルMAPに規定されているバトルMAPデータの対応表を示す図である。
<バトルART中演出玉抽籤テーブル>
図117は、バトルARTにおいて黙示録にセットする演出玉を決定するためのバトルART中演出玉抽籤テーブルである。バトル中演出玉抽籤テーブルは、バトルMAPデータ毎にセットする演出玉についての抽籤値の情報を規定する。なお、図117の(A)では、バトルMAPデータ「0」に対しても演出玉に対する抽籤値の情報が規定されているが、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤よりも新たなボスMAPの抽籤を優先する場合には、利用されることはない。
図117を参照すると、バトルMAPデータ「1」は敵玉が抽籤されやすい一方で、バトルMAPデータ「2」「3」は味方玉や覚醒玉が必ず抽籤される。また、図116に示すバトルMAPデータ対比表を参照すると、バトルMAPは7個が一セットになっていることが分かる。具体的には、バトルMAP「1」〜「7」を参照すると、バトルMAPデータは「1」が5個続いた後「2」「3」と続き、バトルMAP「8」〜「14」、バトルMAP「15」〜「21」及びバトルMAP「22」〜「28」も同様であることが分かる。
なお、バトルMAP「4」「11」「18」「25」は、実際には抽籤されることのないバトルMAPである(図113〜図115に示すように抽籤値が0である)。そのため、パチスロ1では、敵玉が抽籤され易いバトルMAPデータ「1」が規定されるバトルMAP4個(1個は抽籤されない)と、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPデータ「2」「3」が規定されるバトルMAP2個との6個が一セットになっている。
ここで、図113〜図115のバトルMAP抽籤テーブルに戻る。バトルMAP抽籤テーブルでは、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPデータ「2」「3」が規定されるバトルMAP「6」「7」「13」「14」「20」「21」「27」「28」を強調して表示している。バトルMAP抽籤テーブルを参照すると、バトルMAPは、基本的には、一セット内で一つずつ数値の大きいバトルMAPに移行するか、又は、一セット内の味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPに移行することが分かる。具体的には、バトルMAP「1」からは、数値が1つ大きいバトルMAP「2」か、同じセット内の味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAP「6」が抽籤され易いことが分かる。
バトルMAPやバトルMAPデータをこのように構成することで、パチスロ1では、敵キャラクタが連続して攻撃する回数を所定回数(本実施形態では4回)に抑えることとしている。すなわち、バトルMAPの移行が所定回数を超えて(本実施形態では5回)行われた場合には、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPに少なくとも1回は移行することになる。なお、バトルMAP「1」からは、バトルMAP「9」などにも移行するが、バトルMAP「9」などは同じセット内の2つ目の数値のバトルMAPであるため、バトルMAPの移行が所定回数を超えた場合、味方玉などが必ず抽籤されるバトルMAPに少なくとも1回は移行することになる。
また、図113〜図115のバトルMAP抽籤テーブルを比較すると、対戦相手の敵キャラクタの種類によって、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPに移行する確率が異なることが分かる。例えば、攻撃型でスピードが遅いボス1(図112参照)が敵キャラクタである場合、図113のバトルMAP抽籤テーブルを参照すると、味方玉などが必ず抽籤されるバトルMAP「6」「7」に比較的移行し易いことが分かる。また、防御型でスピードが普通のボス2(図112参照)が敵キャラクタである場合、図114のバトルMAP抽籤テーブルを参照すると、ボス1に比べて味方玉などが必ず抽籤されるバトルMAP「6」「7」に移行し難いことが分かり、同様に、スピード型のボス5(図112参照)が敵キャラクタである場合、図115のバトルMAP抽籤テーブルを参照すると、味方玉などが必ず抽籤されるバトルMAP「6」「7」に移行し難く、基本的には、バトルMAP「1」から順に数値の大きいバトルMAPに移行することになることが分かる。
このようにバトルMAP抽籤テーブルは、敵キャラクタに設定されたスピードに基づいて抽籤値の情報が規定されている。これにより、バトルART中では、敵キャラクタに設定されたスピードに基づいて演出玉がセットされ、スピードの速い敵ほど敵玉が多くセットされ、スピードの遅い敵ほど味方玉が多くセットされることになる。
<バトルART中ダメージ抽籤テーブル>
図118及び図119は、バトルARTにおいて敵キャラクタや味方キャラクタのHPを減少する際に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルである。バトルART中ダメージ抽籤テーブルは、対戦相手となる敵キャラクタの種別、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉の種別、及び内部当籤役毎に敵キャラクタや味方キャラクタのHPを減少量についての抽籤値の情報を規定する。
図118は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が敵玉である場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルである。図118では、敵キャラクタのステータス(攻撃力)による差を比較可能にするため、攻撃力の高いボス1(図112参照)が敵キャラクタである場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルを図118の(A)に示し、攻撃力の低いボス5(図112参照)が敵キャラクタである場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルを図118の(B)に示す。図118のバトルART中ダメージ抽籤テーブルを比較すると、内部当籤役として押し順ベルが決定されている場合、対戦相手がボス1のときは味方キャラクタのHPの減少量として「15」が決定され易い一方で、対戦相手がボス5のときは味方キャラクタのHPの減少量として「5」が決定され易いことが分かる。
また、図118を参照すると、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が敵玉であっても、純はずれ以外のレア役に当籤している場合には、味方キャラクタではなく敵キャラクタのHPが減少することになる。バトルART中ダメージ抽籤テーブルをこのように構成することで、遊技者は、バトルART中にレア役が内部当籤役として決定されることについて期待することになり、ART中の興趣を高めることができる。
また、図119は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉又は覚醒玉である場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルである。図119では、敵キャラクタのステータス(防御力)による差を比較可能にするため、防御力の高いボス1(図112参照)が敵キャラクタである場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルを図119の(A)に示し、防御力の低いボス5(図112参照)が敵キャラクタである場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルを図119の(B)に示す。図119のバトルART中ダメージ抽籤テーブルを比較すると、対戦相手がボス1のときは敵キャラクタのHPの減少量として「5」などが決定され易い一方で、対戦相手がボス5のときは敵キャラクタのHPの減少量として「10」などが決定され易いことが分かる。
このように対戦相手となる敵キャラクタの種別に応じてバトルART中ダメージ抽籤テーブルを設けることで、敵キャラクタのステータス(攻撃力及び防御力)を反映することができ、バトルART中の遊技を多様化することができる。
<ART状態抽籤テーブル>
図120及び図121は、バトルARTにおいてARTに継続することが決定された場合に新たなART状態を抽籤するためのART状態抽籤テーブルである。ART状態抽籤テーブルは、対戦相手の敵キャラクタの種別、ARTの継続回数、及び移行元のART状態毎に移行先のART状態に対する抽籤値の情報を規定する。なお、図120及び図121では、対戦相手の敵キャラクタがボス1〜6のいずれかの場合に参照されるART状態抽籤テーブルを示している。対戦相手の敵キャラクタがボス1〜6のいずれかの場合、移行元のART状態が「31」〜「33」のときは同一のART状態が移行先のART状態として決定されることになる。一方、対戦相手の敵キャラクタがボス7,8のいずれかの場合に、移行元のART状態が「31」〜「33」のときは、図示しないものの、異なるART状態(例えば、ART状態「3」など)が移行先のART状態として決定されることになる。
また、図120及び図121を参照すると、ARTの継続回数が5回を超えると、数値の大きいART状態に移行し易くなることが分かる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図122〜図127を参照して、主制御回路91のメインCPU93が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理]
まず、メインCPU93の制御で行うパチスロ1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図122に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ1に電源が投入されると、メインCPU93は、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたか等が判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
次いで、メインCPU93は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM95における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)毎にデータの消去が必要な格納領域である。
次いで、メインCPU93は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ(不図示)やスタートスイッチ64の入力のチェック等が行われる。
次いで、メインCPU93は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU93は、内部当籤役抽籤用の乱数値(0〜65535)を抽出し、該抽出した乱数値をメインRAM95に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。
次いで、メインCPU93は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、S4で抽出した内部当籤役抽籤用の乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。なお、内部抽籤処理の詳細については、後述の図123を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU93は、リール停止初期設定処理を行う(S6)。この処理では、S5で決定した内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM95に格納され、S11のリール停止制御処理において用いられる。
次いで、メインCPU93は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、メインCPU93は、副制御回路101に送信するスタートコマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存されたスタートコマンドは、後述の図127で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役等の演出に必要な各種の情報が含まれる。
次いで、メインCPU93は、ウェイト処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU93は、前回の遊技開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)を経過していない場合に、当該ウェイト時間が経過するまで待機する。
次いで、メインCPU93は、リール回転開始処理を行う(S9)。この処理において、メインCPU93は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される後述の割込処理(後述の図127参照)により、3つのステッピングモータの駆動が制御され、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転が開始される。このとき、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
次いで、メインCPU93は、リール回転開始コマンド生成格納処理を行う(S10)。この処理では、メインCPU93は、副制御回路101に送信するリール回転開始コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。なお、通信データ格納領域に保存されたリール回転開始コマンドは、後述の図127で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。この処理により、副制御回路101では、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次いで、メインCPU93は、リール停止制御処理を行う(S11)。この処理では、S6で決定したリール停止制御情報を用いて、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
次いで、メインCPU93は、入賞検索処理を行う(S12)。この処理では、メインCPU93は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rが全て停止した後に入賞ラインに表示された図柄の組合せと、図柄組合せテーブル(図20〜図32参照)とを照合する。そして、メインCPU93は、図柄組合せテーブルが規定する図柄の組合せ(コンビネーション)が入賞ラインに表示されたか否かを判定し、その判定結果を表示役格納領域に格納する。
次いで、メインCPU93は、メダル払出処理を行う(S13)。この処理では、S12において決定された図柄の組合せの払出枚数に基づいて、ホッパー33の駆動やクレジット枚数の更新が行われ、メダルの払い出しが行われる。また、この処理では、遊技状態フラグ格納領域のBB遊技状態フラグがオンの場合には、ボーナス終了枚数カウンタから払出枚数を減算する。すなわち、本実施形態では、主制御回路91は、計数手段を構成し、ボーナス状態中に表示された図柄の組合せに応じて決定される払出枚数に基づいてボーナス終了枚数カウンタを更新(減算)する。
次いで、メインCPU93は、入賞作動コマンド生成格納処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU93は、副制御回路101に送信する入賞作動コマンドのデータを生成し、付加データ(表示された図柄の組合せ、払出枚数及びボーナス終了枚数カウンタの値など)とともにメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存された入賞作動コマンドは、後述の図127で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。この処理により、副制御回路101では、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次いで、メインCPU93は、ボーナス終了チェック処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU93は、メインRAM95に設けられたボーナスゲームの終了契機を管理するための各種カウンタ(不図示)を参照して、ボーナスゲームの作動を終了するか否かをチェックする。なお、ボーナス終了チェック処理の詳細については、後述の図124を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU93は、ボーナス作動チェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU93は、ボーナスゲームの作動を開始するか否か、及び、再遊技を行うか否かをチェックする。なお、ボーナス作動チェック処理の詳細については、後述の図125を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU93は、RTチェック処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU93は、表示された図柄の組合せに基づいてRT遊技状態を更新する。なお、RTチェック処理は、ボーナス非作動状態におけるRT遊技状態を更新する処理であり、ボーナス状態やフラグ間状態では、省略される。また、RTチェック処理の詳細については、後述の図126を参照しながら後で説明する。
[内部抽籤処理]
次に、図123を参照して、メインフロー(図122参照)中のS5で行う内部抽籤処理について説明する。
まず、メインCPU93は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S31)。すなわち、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)を参照して現在の遊技状態を把握し、把握した遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図33〜図37参照)をセットする。
次いで、メインCPU93は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(S32)。そして、メインCPU93は、当籤番号の初期値として「1」をセットする。
次いで、メインCPU93は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(S33)。なお、当籤番号とは、内部抽籤テーブルにおいて抽籤される可能性のある当籤役に対して1つずつ付された情報である。例えば、遊技状態がボーナス非当籤中のRT0遊技状態である場合、「はずれ」に対して当籤番号「1」が付され、「F_黒黒黒」に対して当籤番号「2」が付されている(図33参照)。また、遊技状態がボーナス状態中のRT0遊技状態である場合、「F_維持リプ」に対して当籤番号「1」が付され、「F_123リプ」に対して当籤番号「2」が付されている(図35参照)。
次いで、メインCPU93は、S33での演算結果が0未満(負の値)であるか否かを判別する(S34)。
S34において、メインCPU93が、演算結果が0未満でないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、乱数値及び当籤番号を更新する(S35)。具体的には、演算結果の値を乱数値にして、当籤番号を1加算する。
次いで、メインCPU93は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(S36)。S36において、メインCPU93が全ての当籤番号をチェックしていないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、処理をS33に戻し、S33以降の処理を繰り返す。
一方、S36において、メインCPU93が全ての当籤番号をチェックしたと判別したとき(YES)、メインCPU93は、データポインタとして「0」をセットする(S37)。すなわち、メインCPU93は、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタとして「0」をセットする。
ここで、再度S34の処理の説明に戻って、S34において、メインCPU93が、演算結果が0未満(負の値)である判別したとき(YES)、メインCPU93は、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S38)。
そして、S37又はS38の処理後、メインCPU93は、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S39)。
次いで、メインCPU93は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S40)。
次いで、メインCPU93は、持越役格納領域に格納されているデータが「00000000」であるか否かを判別する(S41)。S41において、メインCPU93が、持越役格納領域に格納されているデータが「00000000」でないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、後述のS48の処理を行う。
一方、S41において、メインCPU93が、持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」であると判別したとき(YES)、メインCPU93は、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S42)。
次いで、メインCPU93は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S43)。
次いで、メインCPU93は、BBに係る役を持越し中であるか否かを判別する(S44)。図60を参照すると、BBに係る役は持越役格納領域1のビット2〜ビット7又は持越役格納領域2のビット2のいずれかに格納される。そのため、この処理では、メインCPU93は、持越役格納領域1のビット2〜ビット7又は持越役格納領域2のビット2のいずれかに「1」が格納されているか否かを判別する。S44において、メインCPU93が、BBに係る役を持越し中ではないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、S46の処理に移る。
一方、S44において、メインCPU93が、BBに係る役を持越し中と判別したとき(YES)、メインCPU93は、RT5遊技状態フラグをオンにセットし(S45)、続いて、S46の処理に移る。具体的には、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)のビット4に「1」をセットする。この処理により、ボーナス非当籤状態中にBBに係る役が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行させることができる。
次いで、S46の処理において、メインCPU93は、JACINに係る役を持越し中であるか否かを判別する。図60を参照すると、JACINに係る役は持越役格納領域2のビット1〜ビット3のいずれかに格納される。そのため、この処理では、メインCPU93は、持越役格納領域2のビット1〜ビット3のいずれかに「1」が格納されているか否かを判別する。S46において、メインCPU93が、JACINに係る役を持越し中ではないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、S48の処理に移る。
一方、S46において、メインCPU93が、JACINに係る役を持越し中と判別したとき(YES)、メインCPU93は、RT4遊技状態フラグをオンにセットし(S47)、続いて、S48の処理に移る。具体的には、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)のビット3に「1」をセットする。なお、JACINに係る役は、ボーナス状態中にのみ内部当籤役として決定される可能性があるため、この処理により、ボーナス状態中にJACINに係る役が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を、ボーナス状態のRT4遊技状態に移行させることができる。
次いで、S48の処理において、メインCPU93は、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する。その後、メインCPU93は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS7に移す。
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図124を参照して、メインフロー(図122参照)中のS15で行うボーナス終了チェック処理について説明する。
まず、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)を参照して、「BB」が作動中であるか否かを判別する(S51)。S51において、メインCPU93が、「BB」が作動中でないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS16に移す。
一方、S51において、メインCPU93が、「BB」が作動中であると判別したとき(YES)、メインCPU93は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満であるか否かを判別する(S52)。なお、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満である場合は、ボーナス状態中にメダルの払出しが59枚を超えたことを意味する。
S52において、メインCPU93が、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満であると判別したとき(YES)、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)を参照して、「RB」が作動中であるか否かを判別する(S53)。S53において、メインCPU93が、「RB」が作動中でないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、処理をS56に移す。
一方、S53において、メインCPU93が、「RB」が作動中であると判別したとき(YES)、メインCPU93は、RB終了時処理を行う(S54)。この処理では、メインCPU93は、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタをクリアし、作動中の「RB」に対応する遊技状態フラグ(RB遊技状態フラグ)をオフにする。次いで、メインCPU93は、RT2遊技状態フラグをオンにする(S55)。
次いで、S56では、メインCPU93は、ボーナス終了時処理を行う。この処理では、メインCPU93がボーナス終了枚数カウンタをクリアし、作動中の「BB」に対応する遊技状態フラグ(BB遊技状態フラグ)をオフにする。S53〜S56に示すように、BBの作動(ボーナス状態)がRB遊技状態中に終了した場合には、BB終了後にボーナス非当籤状態のRT2遊技状態に移行することになる。一方、BBの作動がRB遊技状態中以外の状態で終了した場合には、ボーナス状態中のRT遊技状態維持されたままボーナス非当籤状態に移行することになる。
次いで、メインCPU93は、ボーナス終了コマンド生成格納処理を行う(S57)。この処理では、メインCPU93は、副制御回路101に送信するボーナス終了コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存されたボーナス終了コマンドは、後述の図127で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。この処理により、副制御回路101では、ボーナス状態が終了したことを認識することができるようになり、ボーナス終了時の所定の演出を行うことができる。S57の処理後、メインCPU93は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS16に移す。
一方、S52において、メインCPU93が、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満でないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)を参照して、「RB」が作動中であるか否かを判別する(S58)。S58において、メインCPU93が、「RB」が作動中でないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS16に移す。
一方、S58において、メインCPU93が、「RB」が作動中であると判別したとき(YES)、メインCPU93は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが「0」であるか否かを判別する(S59)。なお、入賞可能回数カウンタが「0」である場合は、ボーナス状態のRB遊技状態中に「はずれ」以外の図柄の組合せが8回表示されたことを意味し、遊技可能回数カウンタが「0」である場合は、ボーナス状態のRB遊技状態において12回の遊技が行われたことを意味する。
S59において、メインCPU93が、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのいずれも「0」ではないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS16に移す。
一方、S59において、メインCPU93が、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのいずれかが「0」であると判別したとき(YES)、メインCPU93は、RB終了時処理を行う(S60)。次いで、メインCPU93は、RT2遊技状態フラグをオンにし(S61)、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS16に移す。すなわち、本実施形態では、主制御回路91は、利益状態終了手段を構成し、遊技状態フラグ格納領域のBB遊技状態フラグがオンである場合にボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満であることを契機としてボーナス終了時処理を実行することで、ボーナス終了枚数カウンタをクリアするとともに、作動中の「BB」に対応する遊技状態フラグ格納領域のBB遊技状態フラグをオフにする。
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図125を参照して、メインフロー(図122参照)中のS16で行うボーナス終了チェック処理について説明する。
まず、メインCPU93は、「BB」に係る図柄の組合せ(図38参照)が表示されたか否かを判別する(S71)。S71において、メインCPU93が、「BB」に係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU93は、ボーナス作動時処理を行う(S72)。この処理では、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)のBB遊技状態フラグをオンにセットするとともに、ボーナス終了枚数カウンタに「59」をセットする。
次いで、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)のRT5遊技状態フラグをオフに更新する(S73)。次いで、メインCPU93は、ボーナス開始コマンド生成格納処理を行う(S74)。この処理では、メインCPU93は、副制御回路101に送信するボーナス開始コマンドのデータを生成し、付加データ(RT遊技状態フラグ、入賞可能回数、遊技可能回数及びボーナス終了枚数カウンタの値など)とともにメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存されたボーナス開始コマンドは、後述の図127で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。この処理により、副制御回路101では、ボーナス状態が開始したことを認識することができるようになり、ボーナス開始時の所定の演出を行うことができる。
S74の処理を終えると、メインCPU93は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS17に移す。
一方、S71において、メインCPU93が、「BB」に係る図柄の組合せが表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、「JACIN」に係る図柄の組合せ(図38参照)が表示されたか否かを判別する(S75)。S75において、メインCPU93が、「JACIN」に係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU93は、RB作動時処理を行う(S76)。この処理では、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)のRB遊技状態フラグをオンにセットするとともに、入賞可能回数カウンタに「8」を遊技可能回数カウンタに「12」をセットする。
次いで、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図62参照)のRT4遊技状態フラグをオフに更新する(S77)。S77の処理を終えると、メインCPU93は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS17に移す。
一方、S75において、メインCPU93が、「JACIN」に係る図柄の組合せが表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されたか否かを判別する(S78)。S78において、メインCPU93が、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS17に移す。
一方、S78において、メインCPU93が、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU93は、メダルの自動投入を要求する(S79)。すなわち、メインCPU93は、投入枚数カウンタを自動投入枚数カウンタに複写する。そして、S79の処理後、メインCPU93は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS17に移す。すなわち、本実施形態では、主制御回路91は、利益状態開始手段を構成し、「BB」に係る図柄の組合せが表示されると、遊技状態フラグ格納領域のBB遊技状態フラグをオンにセットし、ボーナス終了枚数カウンタに「59」をセットする。また、本実施形態では、主制御回路91は、ボーナス終了チェック処理、ボーナス作動チェック処理を実行する、利益制御手段を構成する。
[RTチェック処理]
次に、図126を参照して、メインフロー(図122参照)中のS17で行うRTチェック処理について説明する。
まず、メインCPU93は、遊技状態がボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、又はボーナス非当籤状態のRT4遊技状態のいずれかであるか否かを判別する(S81)。S81において、メインCPU93が、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、及びボーナス非当籤状態のRT4遊技状態のいずれの遊技状態でもないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、後述のS85の処理に移る。
一方、S81において、メインCPU93が、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、又はボーナス非当籤状態のRT4遊技状態のいずれかの遊技状態であると判別したとき(YES)、メインCPU93は、続いて、「ベルこぼし目」又は「RT1移行リプ」が表示されたか否かを判別する(S82)。S82において、メインCPU93が、「ベルこぼし目」及び「RT1移行リプ」のいずれも表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、後述のS85の処理に移る。
一方、S82において、メインCPU93が、「ベルこぼし目」又は「RT1移行リプ」のいずれかが表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU93は、現在オンのRT遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態をオンにする。すなわち、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、又はボーナス非当籤状態のRT4遊技状態において、「ベルこぼし目」又は「RT1移行リプ」が表示されたときには、メインCPU93は、遊技状態をボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行させる。次いで、メインCPU93は、RTゲーム数カウンタに5をセットする(S84)。すなわち、本実施形態では、主制御回路91は、RT終了手段を構成し、遊技状態がRT4遊技状態(高RT状態)である場合に、押し順不正解時の「ベルこぼし目」又は「RT1移行リプ」が表示されると、RT4遊技状態を終了してRT1遊技状態(低RT状態)に移行する。
S81、S82においてNOのとき、又はS84に続いて、メインCPU93は、遊技状態がボーナス非当籤状態のRT0遊技状態であるか否かを判別する(S85)。S85において、メインCPU93が、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態でないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、後述のS91の処理に移る。
一方、S85において、メインCPU93が、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態であると判別したとき(YES)、メインCPU93は、「RT4移行リプ」が表示されたか否かを判別する(S86)。S86において、メインCPU93が、「RT4移行リプ」が表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU93は、RT4遊技状態フラグをオンにする。すなわち、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において「RT4移行リプ」が表示されたときには、メインCPU93は、遊技状態をボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行させる。このように本実施形態では、主制御回路91は、RT開始手段を構成し、RT0遊技状態において「RT4移行リプ」が表示されると、遊技状態をRT4遊技状態(高RT状態)に移行させる。
一方、S88において、メインCPU93が、「RT4移行リプ」が表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、「RT3移行リプ」が表示されたか否かを判別する(S88)。S88において、メインCPU93が、「RT3移行リプ」が表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU93は、RT3遊技状態フラグをオンにする。すなわち、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において「RT3移行リプ」が表示されたときには、メインCPU93は、遊技状態をボーナス非当籤状態のRT3遊技状態に移行させる。次いで、メインCPU93は、RTゲーム数カウンタに5をセットする(S90)。
S85、S88においてNOのとき、又はS87,S90に続いて、メインCPU93は、遊技状態がボーナス非当籤状態のRT1遊技状態又はボーナス非当籤状態のRT3遊技状態であるか否かを判別する(S91)。S91において、メインCPU93が、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態又はボーナス非当籤状態のRT3遊技状態のいずれでもないと判別したとき(NO)、メインCPU93は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS2に移す。
一方、S91において、メインCPU93が、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態又はボーナス非当籤状態のRT3遊技状態のいずれかであると判別したとき(YES)、メインCPU93は、RTゲーム数カウンタを更新(1減算)する(S92)。次いで、メインCPU93は、RTゲーム数カウンタが0であるか否かを判別する(S93)。S93において、メインCPU93が、RTゲーム数カウンタが0でないと判別すると(NO)、メインCPU93は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS2に移す。
一方、S93において、メインCPU93が、RTゲーム数カウンタが0であると判別すると(YES)、メインCPU93は、現在オンのRT遊技状態フラグをオフにする(S94)。この処理により現在オンのRT遊技状態フラグをオフになることで、遊技状態がボーナス非当籤状態のRT0遊技状態に移行することになる。この処理が終わると、メインCPU93は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図122参照)のS2に移す。
<メインCPUの制御による割込処理>
図127は、メインCPU93の制御による割込処理を示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒毎に実行される。
まず、メインCPU93は、レジスタの退避を行う(S101)。次いで、メインCPU93は、入力ポートチェック処理を行う(S102)。この処理では、ストップスイッチ等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、メインCPU93は、タイマ更新処理を行う(S103)。この処理では、メインCPU93は、例えば、割込処理毎に所定のタイマの値を減算する処理を行う。次いで、メインCPU93は、通信データ送信処理を行う(S104)。この処理では、主に、通信データ格納領域に保存された各種コマンドを主制御回路91及び副制御回路101に適宜送信する。すなわち、本実施形態では、主制御回路91は、コマンド送信手段を構成し、各処理内で通信データ格納領域に保存された各種コマンドを副制御回路101に送信する。
次いで、メインCPU93は、リール制御処理を行う(S105)。この処理では、メインCPU93は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU93は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU93は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の入賞ライン上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU93は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S106)。この処理では、メインCPU93は、7セグ表示器28を駆動制御して、払出枚数やクレジット枚数などを表示する。次いで、メインCPU93は、レジスタの復帰処理を行う(S107)。そして、その後、メインCPU93は、割込処理を終了する。
[副制御処理]
副制御回路101は、図128〜図154に示すフローチャートにしたがって各種処理を実行する。
<電源投入処理>
図128は、電源投入時におけるサブCPU102の電源投入処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、初期化処理を実行する(S310)。この処理では、サブCPU102は、サブRAM103等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(VerticalSynchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含む。また、この初期化処理では、サブRAM103に記憶される通常遊技状態及び高確率遊技状態に応じた演出玉の初期化又はバックアップ処理を行うが、詳しくは後述する。
次に、サブCPU102は、図129に示すランプ制御タスクを起動する(S311)。ランプ制御タスクは、サブCPU102が、サブCPU102に対して2ミリ秒毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU102は、図131に示すサウンド制御タスクを起動する(S312)。サウンド制御タスクでは、スピーカ23L、23Rからの出音状態がサブCPU102によって制御される。
次に、サブCPU102は、図132に示す役物制御タスクを起動する(S313)。役物制御タスクでは、回転役物200の駆動状態がサブCPU102によって制御される。
次に、サブCPU102は、図133に示すマザータスクを起動し(S313)、電源投入処理を打ち切る。マザータスクは、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置11で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置11から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
<通常遊技状態及び高確率遊技状態中の演出玉の初期化又はバックアップ処理>
ここで、S310の初期化処理において行われる、通常遊技状態及び高確率遊技状態中の演出玉の初期化又はバックアップ処理について説明する。
本実施形態のパチスロ1では、サブRAM103は、ワークエリアとしてのDRAMとバックアップ用のSRAMとにより構成される。演出玉は、基本的にはDRAMに記憶されているが、バックアップ用にSRAMにも記憶される。
ここで、パチスロ1のような遊技機では、遊技店の営業中に電源が一時的に切断されることもあれば、また、遊技店の営業終了に伴い電源が切断されることもある。パチスロ1では、一時的に切断された電源が投入された際に行われる電源投入処理では、S310の初期化処理において、SRAMに記憶された演出玉をDRAMにコピーすることで、演出玉のバックアップを行い、電源切断の前後において遊技の状況が変化しないように制御する。一方、営業日をまたいで電源が投入された際に行われる電源投入処理では、S310の初期化処理において、バックアップデータの復帰を行わずに新たに抽籤した演出玉をDRAMに記憶する。
具体的には、パチスロ1の副制御回路101は、電源装置44に電源が投入されたことを、副制御基板42に配置された電源投入検知回路(不図示)で検知するとともに、電源の投入を検知した日時(年月日時分秒)を副制御回路101に配置されたRTC(リアルタイムクロック:不図示)から取得する。そして、副制御回路101は、電源の投入を検知した日時に基づいて、演出玉のバックアップデータの復帰又は初期化を行う。すなわち、本実施形態では、副制御基板42に配置された電源投入検知回路は、電源投入検知手段を構成する。
また、パチスロ1の副制御回路101は、電源装置44において電源が切断されたことを副制御基板42に配置された電源断絶検知回路(不図示)により検知したことに基づいて、副制御回路101に配置されたRTCから日時を取得し、サブRAM103(SRAM)に保存する(電源断絶処理)。そして、副制御回路101は、電源の投入を検知した時にRTCから日時を取得し、取得した日時とサブRAM103(SRAM)に保存されている電源が切断されたことを検知した日時とを比較して電源が切断されていた時間を示す電断期間を取得する。すなわち、本実施形態では、副制御基板42に配置された電源断絶検知回路は、電源切断検知手段を構成し、副制御回路101は、電断期間を取得する取得手段を構成する。なお、上述のように黙示録に演出玉がセットされている遊技では、所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル入賞」以上)が表示されると、セットされている演出玉の種別に応じた確率でCZ及びARTの移行抽籤やART中の各種の上乗せ抽籤(上述の図102参照)を行うため、本実施形態では、副制御回路101は、特典付与手段を構成する。
ここで、営業終了に伴い電源が切断され、営業開始に伴い電源が投入された場合、この電断期間は数時間以上になる。一方で、電源が一時的に切断された場合、この電断期間は長くて数分程度にすぎない。そのため、副制御回路101は、電断期間が所定時間(例えば、4時間)以上である場合には、バックアップ用にサブRAM103(SRAM)に記憶されている演出玉を破棄して、新たに6個分の演出玉の再抽籤(黙示録作動時の演出玉抽籤、CZ中の演出玉抽籤、敵決めART中の演出玉抽籤、バトルART中の演出玉抽籤)を行い、サブRAM103(DRAM)に記憶する。反対に、副制御回路101は、電断期間が所定時間未満である場合には、バックアップ用にSRAMに記憶されている6個分の演出玉を、DRAMにコピー(バックアップデータを復帰)することで、電源切断前にサブRAM103に記憶されていた演出玉を電源投入後も維持する。
また、パチスロ1では、電断期間ではなく、電源の投入を検知した時刻のみから演出玉のバックアップデータの復帰又は初期化を行うこともできる。遊技店の営業時間は予め定められていることが多いことから、遊技店においてパチスロ1などの遊技機の電源が投入される時刻も概ね決まっている。そこで、副制御回路101は、電源の投入を検知した時刻が所定時刻(例えば、午前7時から午前9時までの間の時刻)である場合には、営業開始に伴い電源が投入されたものと判断し、演出玉の初期化を行う。反対に、副制御回路101は、電源の投入を検知した時刻が所定時刻以外である場合には、一時的に電源が切断されたものと判断し、演出玉のバックアップデータの復帰を行う。
また、近年のパチスロ1のような遊技機では、時間に合わせて所定の動作を行うRTC機能を備える遊技機も知られている。このような遊技機の場合には、電源が投入されたタイミングに限らず、現在の時刻に基づいて、演出玉のバックアップデータの復帰又は初期化を行うことができる。具体的には、現在の時刻が遊技店の営業開始直前の時刻(例えば、午前9時50分)である場合には、演出玉の初期化を行う。反対に、現在の時刻が遊技店の営業開始直前の時刻以外の場合には、電源の投入を検知すると演出玉のバックアップデータの復帰を行う。
<ランプ制御タスク>
図129は、図128に示した電源投入処理のS311において起動されるランプ制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、タイマ割込初期化処理を実行する(S320)。次に、サブCPU102は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(S321)。
次に、サブCPU102は、タイマ割込み待ちを実行する(S322)。この処理では、サブCPU102が2ミリ秒毎にタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU102は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。
タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)等が挙げられる。
次に、サブCPU102は、ランプデータの解析処理を実行し(S323)、ランプ実行処理を行う(S324)。例えば、サブCPU102は、登録されている演出データに応じてパネル装置400のLED403の発光を制御することで、表示装置10に潜像402に応じた像を表示する。また、例えば、サブCPU102は、登録されている演出データに応じて回転役物200に設けられたLEDを制御することで、非表示中の演出玉の昇格抽籤の結果を報知する。
次に、サブCPU102は、メニュー画面やエラー画面のような演出とは関係のない非演出画像の呼び出しがあるか否かを判断する(S325)。ここで、非演出画像の呼び出しがないと判断した場合には(NO)、S322の処理に移る。他方、非演出画像の呼び出しがあると判断した場合には(YES)、サブCPU102は、続いて、パネル表示中であるか否かを判断する(S326)。なお、パネル表示中とは、パネル装置400においてLED403を発光し、潜像402に応じた像を表示している最中であることをいう。ここで、パネル表示中ではないと判断した場合には(NO)、S322の処理に移る。
他方、パネル表示中であると判断した場合には(YES)、サブCPU102は、続いて、パネル表示用のLED、すなわち、パネル装置400のLED403を消灯し、パネル表示を中断し(S327)、S322の処理に移る。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、登録されている演出データに応じてパネル装置400のLED403、LED群25、回転役物200に設けられたLEDの発光を制御する、発光制御手段を構成する。
ここで、メニュー画面やエラー画面などの非演出画像はパネル装置400の後方に設けられた液晶表示装置11に表示されるため、パネル表示中に非演出画像を表示したのでは、非演出画像の視認性が低下してしまう。この点、パチスロ1では、パネル表示中に非演出画像の呼び出し要求があった場合、パネル装置400のLED403を消灯することで、非演出画像の視認性が低下してしまうことを防止する。以下、パネル表示中に非演出画像が呼び出された際の具体的な制御について説明する。
<パネル表示中の非演出画像の表示方法>
図130は、パネル表示中の非演出画像の表示方法の概要を示す図である。
図130において、時刻t1はパネル表示用の演出データが読み出されたタイミングである。このタイミングにおいて、サブCPU102は、演出データに基づいてパネル制御基板79に対してLED403を発光させることについての出力要求を行うことになる。その結果、図130(a)(b)に示すように、LED403は、時刻t1から点灯することになる。
また、時刻t2は、非演出画像の呼び出し要求を検出したタイミングである。なお、非演出画像の呼び出し要求の検出は、任意の方法で行うことができる。例えば、フロントドア2bが開放されていることを示すエラー画面の呼び出し要求は、24hドア開閉監視ユニット74からエラー表示を行うための信号を受信することで、検出することができる。また、メニュー画面の呼び出し要求は、台座部12に設けられた各種操作ボタン(選択ボタン18や決定ボタン19など)の操作状況を監視しておき、所定の操作(メニュー起動)が行われたことを検知することで、検出することができる。
時刻t2において、非演出画像の呼び出し要求を検出すると、サブCPU102は、非演出画像表示用の演出データを実行するとともに、液晶中継基板77に対して非演出画像を表示させることについての出力要求を行う。液晶中継基板77では、この出力要求に応じて液晶表示装置11に非演出画像を表示する。一方、パネル制御基板79では、非演出画像の呼び出し要求を検出すると、時刻t1から受けているLED403の出力要求よりも非演出画像の呼び出し要求を優先して、LED403を消灯させる。このとき、図130(a)に示すように、サブCPU102では、パネル表示用の演出データの実行は継続し続ける。すなわち、パチスロ1では、内部的にはLED403の発光アニメーションは継続しつつ、出力ポートを抑止することでLED403の発光を止める。
これにより、図130(b)の時刻t2に示すように、表示装置10には、メニュー画面などの非演出画像が表示されることになる。このとき、LED403が消灯しているため、非演出画像にパネル装置400による表示が被ってしまうことがなく、非演出画像の視認性を損なうことがない。
また、時刻t3は、非演出画像の終了要求を検出したタイミングである。なお、非演出画像の終了要求の検出は、任意の方法で行うことができる。例えば、フロントドア2bが開放されていることを示すエラー画面の終了要求は、24hドア開閉監視ユニット74からドアが閉まったことの信号を受信することで、検出することができる。また、メニュー画面の終了要求は、台座部12に設けられた各種操作ボタン(選択ボタン18や決定ボタン19など)の操作状況を監視しておき、所定の操作(メニュー終了)が行われたことを検知することで、検出することができる。
時刻t3において、非演出画像の終了要求を検出すると、サブCPU102は、非演出画像表示用の演出データの実行を終了する。これにより、液晶表示装置11において表示されていた非演出画像が消えることになる。一方、時刻t2からLED403の発光を止めていたパネル制御基板79では、時刻t1から受けているLED403の出力要求に応じてLED403の発光を再開する。その結果、図130(b)の時刻t3に示すように、表示装置10には、パネル装置400に応じた画像が表示されることになる。
また、時刻t4は、パネル表示用の演出の実行が終了したタイミングである。このタイミングにおいて、サブCPU102は、パネル表示用の演出データの実行を終了し、パネル制御基板79に対するLED403を発光させることについての出力要求を終了する。その結果、図130(a)に示すように、LED403が消灯し、図130(b)の時刻t4に示すように、表示装置10におけるパネル装置400に応じた画像の表示が終了することになる。
このようにパチスロ1では、パネル表示演出中に非演出画像の呼び出しが行われた場合に、LED403の最終出力を抑止することで、非演出画像にパネル表示演出が被ってしまうことを防止する。LED403の最終出力のみを抑止し、演出データの実行処理自体にエラー処理などの処理を加えることがないため、パチスロ1では、非演出画像の呼び出し時における処理を簡易化することができるとともに、バグの発生を少なくすることができる。
なお、非演出画像の呼び出し要求を検出したことに伴いLED403を消灯させた後にLED403の点灯を再開するための条件については任意である。すなわち、上述の説明では、非演出画像の終了要求を検出することを条件として、LED403の点灯を再開しているが、例えば、非演出画像の呼び出し要求を検出してから所定時間が経過したタイミングでLED403の点灯を再開することとしてもよい。これにより、パネル装置400による演出を速やかに再開することができる。
また、非演出画像の呼び出し要求を検出した場合に、LED403の全てを消灯させることとしてもよく、LED403の一部のみを消灯させることとしてもよい。メニュー画面などの非演出画像は、液晶表示装置11の所定の位置に表示されることになるため、非演出画像と重複しない位置では、パネル演出用の表示を行っても非演出画像の視認性を損ねることがない。上述したようにLED403は、多数のLEDを線状に設けたLEDアレイであるため、点灯/消灯するLEDを非演出画像が表示される位置に応じて制御することで、非演出画像を避けてパネル演出用の表示を行うことができる。例えば、非演出画像が、液晶表示装置11の略中央の矩形上の領域に表示される場合、LEDアレイの中央のLEDを消灯する一方で、両端のLEDを点灯させることで、非演出画像を避けてパネル演出用の表示を行うことができる。
そこで、サブCPU102は、非演出画像の呼び出し要求があると、呼び出し要求のあった非演出画像の種類に応じてLED403を消灯させるエリアを特定する。そして、パネル制御基板79は、サブCPU102が特定したエリアについては、パネル表示用の演出データに基づくLED403の出力要求よりも非演出画像の呼び出し要求を優先して、LED403を消灯し、このエリア以外のエリアについては、パネル表示用の演出データに基づくLED403の出力要求に応じてLED403を出力させることとしてもよい。
これによりパネル装置400によるパネル表示演出を継続させつつ、非演出画像を表示することができる。この場合において、非演出画像の種類に応じてLED403を消灯させるエリアを特定することで、パネル表示演出をより広いエリアで継続させることができ、好適である。
<サウンド制御タスク>
図131は、図128に示した電源投入処理のS312において起動されるサウンド制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、スピーカ23L、23Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(S330)。次に、サブCPU102は、サウンドデータの解析処理を実行し(S331)、サウンド演出実行処理を行い(S332)、S331の処理を実行する。なお、S332のサウンド演出実行処理では、遊技に応じた様々なサウンドが出力されることになるが、その一例を以下に示す。
<ART継続時のサウンド演出実行処理>
パチスロ1では、バトルART中の勝敗に基づいてARTの継続を制御するため、基本的には、バトルARTが終わるまで(勝敗が決するまで)ARTが継続するか否か分からない。しかしながら、ARTのセット数(図71など参照)が複数ある場合にはバトルARTに敗北したとしてもARTは継続することになり、また、バトルARTの対戦相手としてボス7,8が決定された場合にもARTは継続することになるため、バトルARTが終わる前にARTの継続が確定することもある。
パチスロ1では、ARTの継続が確定している場合に所定のサウンド演出実行処理を行うことで、現在実行中のARTが継続することを遊技者に対して予め知らせることがある。具体的には、パチスロ1は、ART中のサウンドとして、ART中に継続して出力される第1サウンドと、ART中に継続して出力される第2サウンドと、ART中に瞬間的に出力される第3サウンドとを備える。第1サウンドは、ARTが継続するか否かに関わらず出力されるART中の専用曲であり、第2サウンドは、ARTが継続する場合にのみ出力されるART中の別専用曲であり、第3サウンドは、ARTが継続する場合にのみ出力される効果音(サイレン)である。
サウンド演出実行処理により、ARTが継続することを遊技者に知らせる方法としては、例えば、ARTの途中でART中の曲を第1サウンドから第2サウンドに変更すること、また、ARTの開始時からART中の曲を第2サウンドにすること、また、ARTの開始時や途中で第3サウンドを出力することなどの様々態様が考えられる。この場合において、第1サウンドから第2サウンドに変更した場合、曲のつながりによっては、曲が変わったことを遊技者が把握できないことがあり、また、ARTの開始時から第2サウンドを出力したのでは、慣れない遊技者はその曲がARTの継続確定時に出力されるものであるか把握できないことがある。
そこで、パチスロ1では、第2サウンドを出力する前に第3サウンドのような効果音を出力し、ARTが継続することを遊技者が認識し易くしている。
<役物制御タスク>
図132は、図128に示した電源投入処理のS313において起動される役物制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、回転役物200の駆動状態に関連する役物関連データの初期化処理を実行する(S340)。次に、サブCPU102は、役物データの解析処理を実行し(S341)、役物演出実行処理を行い(S342)、S341の処理を実行する。なお、S342の役物演出実行処理では、遊技に応じた様々態様で回転役物200を駆動することになるが、その一例を以下に示す。
<昇格抽籤時の役物制御>
上述したように、パチスロ1では、非表示中の演出玉の昇格抽籤を行う際に、回転役物200のカバー部材198を開放し、目玉本体203を遊技者から視認可能にする。具体的には、図85に示す役物可動抽籤テーブルを用いた抽籤に当籤すると、サブCPU102は、カバー部材198を開放するための役物データをセットする。この役物データに基づきサブCPU102が回転役物200を制御することで、演出玉の昇格抽籤を行う際に目玉本体203を遊技者から視認可能になる。
<ART中の役物制御>
パチスロ1では、ART中は、回転役物200を様々な態様で駆動し、回転役物200を用いて現在の遊技状態が特殊な遊技状態であることを表現する。例えば、回転役物200のカバー部材198を開閉し、目玉の役物がまばたきするように回転役物200を駆動したり、また、スタートレバー16の開始操作に連動して回転役物200のカバー部材198を半開放にし、目玉部材205を半分だけ露出させた状態にしたり、また、カバー部材198の開放中に目玉部材205を左右に移動させることで、目玉の役物が周囲を見渡すように回転役物200を駆動する。このようにパチスロ1では、ART中に回転役物200の可動部が所定位置に移動し、特有の演出を行うことで、ART中の遊技を盛り上げる。
ここで、遊技者によっては、ART中に一時的に席を外すことや、スタートレバー16を操作した後に携帯端末等(スマートホンや携帯電話)を操作するために遊技を中断することがある。このような遊技者が存在しない状況や遊技者が存在していても遊技を中断している状況においてまで、回転役物200を駆動し続けたりカバー部材198を半開放状態のまま維持し続けたのでは、回転役物200を駆動させるためのモータ214(図7参照)や、カバー部材198の開閉を行うためのモータ(不図示)を消耗させてしまい、故障につながってしまう。そこで、本実施形態のパチスロ1では、ART中に遊技者が離席したり、遊技を中断した場合に、回転役物200に係るモータの駆動を中止し、所定位置(例えば、カバー部材198が半開放状態になる位置)回転役物200の可動部を、初期位置(例えば、カバー部材198が目玉部材205を覆い隠す位置(いわゆる、目が閉じた状態))に戻すことで、回転役物200に係るモータの消耗を軽減する。なお、カバー部材198が半開放の状態では、カバー部材198の開閉を行うためのモータ(不図示)は、カバー部材198を半開放状態のまま維持するためにモータを励磁し続ける必要があるためモータ(不図示)が消耗する。
なお、遊技者の離席や遊技の中断を検知する方法は任意であるが、パチスロ1では、例えば、ART中(より詳細には、ART中の回転役物200を駆動しているとき、又は、カバー部材198が半開放状態であるとき)に遊技者の操作を受け付けない期間を示す無操作時間を計っておき、この無操作時間が所定時間(例えば、3分)を超えた場合に、遊技者が離席又は遊技を中断したとしてもよい。すなわち、遊技者が遊技を行っている場合、遊技に伴う操作(例えば、開始操作や停止操作)やメニュー画面の操作など何らかの操作が行われるため、所定時間にわたり遊技者の操作が行われない場合に、遊技者が離席又は遊技を中断したと判断する。
そして、サブCPU102は、ART中に無操作時間が所定時間に達するまでは、回転役物200の可動部を初期位置から所定の位置まで移動させることで、ART中に特有の演出を行い、ART中に無操作時間が所定時間に達すると、回転役物200の可動部を初期位置に戻すことで、不要な消耗を軽減する。その後、遊技者により何らかの操作が行われると、無操作時間がクリアされるため、サブCPU102は、回転役物200の可動部を初期位置から所定の位置まで移動させ、ART中に特有の演出を行う。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、計時手段を構成し、回転役物200の可動部が所定の位置にある場合に、遊技操作がされていない無操作時間を計時する。
なお、遊技者からすると、離席から戻ってきたり、遊技を再開すると回転役物200の演出が終了してしまっているため、ARTが終了してしまったかのような印象を持ってしまう可能性もある。そこで、サブCPU102は、回転役物200の可動部を初期位置に戻した場合に、LEDの発光や液晶表示装置11の画像表示やスピーカ23L,23RのサウンドによりART中であることを報知し続けることとしてもよい。回転役物200の可動部のように物理的に消耗してしまう部材に比べると、離席中に継続的に実行し続けたとしてもパチスロ1が故障してしまう可能性を抑えることができる。なお、遊技者が何らの操作も行わない場合、省エネの観点から例えばデモ画面を表示するなど液晶表示装置11の画像表示を抑えることや、周囲に漏れる音量を抑えるためにスピーカ23L,23Rから出力されるサウンドを抑えることが一般的に行われている。そのため、ART中であることを報知し続ける方法としては、液晶表示装置11の画像表示やスピーカ23L,23RのサウンドよりもLEDの発光を制御することで行うことがより好ましい。
<マザータスク>
図133は、図128に示した電源投入処理のS314において起動されるマザータスクを示すフローチャートである。
マザータスクでは、サブCPU102は、メインタスクを起動し(S350)、主基板通信タスクを起動し(S351)、アニメタスクを起動する(S352)。
<メインタスク>
図134は、図133に示したマザータスクのS350において起動されるメインタスクを示すフローチャートである。
メインタスクにおいて、サブCPU102は、VSYNC割込初期化処理を実行し(S360)、VSYNC割込待ちを実行する(S361)。次に、サブCPU102は、描画処理を実行し(S362)、S361の処理を実行する。
<主基板通信タスク>
図135は、図133に示したマザータスクのS351において起動される主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、通信メッセージキューの初期化を実行し(S370)、受信コマンドのチェックを実行する(S371)。
次に、サブCPU102は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(S372)。ここで、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、S371の処理を実行する。
一方、前回とは異なるコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU102は、今回受信したコマンドと前回受信したコマンドとの順序をチェックし(S373)、コマンドの順序が正常であるか否かを判断する(S374)。パチスロ1のような遊技機では、メダルの投入、リール回転開始(スタートレバー16の操作)、第1停止操作から第3停止操作に伴うリール停止(ストップボタン17L、17C、17Rの操作)、リール停止後の表示された図柄の組合せの判定、図柄組合せに応じた利益付与の順に遊技が行われるため、主制御回路91から副制御回路101に送信されるコマンドの順序も決まっている。S373,S374の処理は、定められた順序でコマンドを受信したか判断する処理である。なお、受信したコマンドが、遊技の進行に関係のないコマンドである場合、サブCPU102は、コマンドの順序の判定を行わない。
S374の処理において、コマンドの順序が異常であると判断した場合には(NO)、サブCPU102は、シーケンスエラーをセットする(S375)。ここで、シーケンスエラーは、副制御回路101が主制御回路91から各種コマンドを受信する場合に、通常の遊技では発生し得ない順序でコマンドを受信した場合に検出されるエラーである。例えば、副制御回路101がリール停止コマンドを受信した後に入賞作動コマンドを受信することなくスタートコマンドを受信した場合などがシーケンスエラーに該当する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、遊技順序判定手段を構成し、主制御回路91から受信した各種コマンドが所定の順序か否かを判定することで、一遊技の進行順序が所定の順序で行われたか否かを判定する。なお、本実施形態でのコマンドの定められた順序とは、スタートコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、リール停止コマンド、リール停止コマンド、入賞作動コマンドの順序であり、ボーナス開始コマンドやボーナス終了コマンドは遊技の進行に関係あるものの、一遊技の中で必ず発生するコマンドではないため、コマンドの順序の判定からは除外されている。
本実施形態のパチスロ1では、表示された図柄の組合せに応じてCZの終了判定などを行うこととしており、副制御回路101側で入賞作動コマンドを受信できない場合には、想定している遊技の流れとは異なる遊技が行われてしまうことになる。例えば、CZ中にベルこぼし目が表示されると、副制御回路101側においてCZを終了することになるが、入賞作動コマンドを受信できない場合には、ベルこぼし目が表示されたことを把握できず、CZが継続してしまうおそれがある。このような場合には、今回の遊技における入賞作動コマンドを受信することなく次の遊技におけるスタートコマンドを受信することになるため、シーケンスエラーの発生の有無を監視することで、想定している遊技の流れとは異なる遊技が行われてしまうことを防止できる。
S374の処理において、コマンドの順序が正常であると判断した場合(YES)、又はS375の処理に続いて、サブCPU102は、受信したコマンドから遊技情報を作成し、作成した遊技情報をサブRAM103に格納する(S376)。次に、サブCPU102は、図136に示すコマンド解析処理を実行し(S377)、S371の処理を実行する。
<コマンド解析処理>
図136は、図135に示した主基板通信タスクのS377において実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、図138に示す演出内容決定処理を実行し(S380)、ランプデータ決定処理を実行し(S381)、サウンドデータ決定処理を実行し(S382)、役物データ決定処理を実行し(S383)、決定された各データを登録し(S384)、コマンド解析処理を終了する。
なお、演出内容決定処理では、サブCPU102は、遊技に応じて液晶表示装置11などにおいて表示する演出の内容を決定する。具体的には、サブCPU102は、遊技の進行に応じて切替前演出から切替後演出に切り替え可能な後述のレイヤ切替型の演出や演出切替型の演出を含む複数の演出の中から所定の遊技において液晶表示装置11に表示する演出を選択する。また、サウンドデータ決定処理では、サブCPU102は、遊技に応じてスピーカ23L,23Rから出力するサウンドの内容を決定するためのサウンドデータをし、役物データ決定処理では、サブCPU102は、遊技に応じて回転役物200駆動するための役物データを決定する。
<アニメタスク>
図137は、図133に示したマザータスクのS352において起動されるアニメタスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、前回の遊技情報との変化をチェックする(S390)。次に、サブCPU102は、オブジェクト制御処理を実行する(S391)。具体的には、S390で遊技情報が変化しているチェック結果が得られた場合に、サブCPU102は、当該遊技情報の変化に応じた画像の制御を行う。
続いて、サブCPU102は、演出の切り替え要求があるか否かを判断する(S392)。ここで、演出の切り替え要求は、実行中の演出毎に予め定められており、例えば、開始操作及び開始操作に伴う各リールの回転開始時や、第1停止操作〜第3停止操作に伴う各リールの停止時や、所定の操作ボタンが操作されたタイミングで行われる。このような演出の切り替え要求は、主制御回路91から受信したコマンド(スタートコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞作動コマンドなど)に基づいて取得することができる。S392の処理において、演出の切り替え要求を取得していないと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、続いて、S396の処理を行う。
一方、S392の処理において、演出の切り替え要求を取得していると判断した場合には(YES)、サブCPU102は、続いて、切り替え後の演出がレイヤ切替演出であるか否かを判断する(S393)。この処理において切り替え後の演出がレイヤ切替演出であると判断した場合には(YES)、サブCPU102は、続いて、液晶表示装置11に表示する画像レイヤを切り替え後の演出(レイヤ切替演出)が指定するレイヤに切り替え(S394)、S396の処理に移る。一方、S393において、切り替え後の演出がレイヤ切替演出ではないと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、続いて、現在、液晶表示装置11に表示している画像レイヤ内で実行する演出を切り替え後の演出に切り替え(S395)、S396の処理に移る。
続いて、サブCPU102は、アニメタスク管理処理を実行する(S396)。具体的には、サブCPU102は、各種演出において表示される画像の順序等を管理する。サブCPU102は、アニメタスク管理処理を実行すると、S390の処理を実行する。
<演出切り替え時の具体的処理>
ここで、演出の切り替え要求があった場合の演出の切り替え方法について具体的に説明する。パチスロ1では、停止操作などの遊技の進行や、所定の操作ボタン(例えば、チャンスボタン)の操作などを契機に、演出を切り替えることで、演出の進行を遊技者の操作に連動させることとしている。パチスロ1では、パチスロ1における演出を予め、演出実行中のレイヤを切り替えることで、遊技の進行に応じて演出を切り替えるレイヤ切替型の演出と、同一のレイヤにおいて実行する演出を切り替えることで、遊技の進行に応じて演出を切り替える演出切替型の演出と、に分類し設定しておく。
そして、パチスロ1では、演出の切り替え要求があった場合に、現在実行中の演出と切り替え後の演出との関係性に基づいて、演出の切り替えを制御する。具体的には、レイヤ切替型の演出である場合には、切り替え前の演出を実行しているレイヤとは異なるレイヤにおいて切り替え後の演出を実行するとともに、液晶表示装置11に表示するレイヤを変更することで、演出を切り替える。すなわち、描画用RAM105のワークエリアに、切り替え前の演出に応じた演出画像を示す画像データが設定された第1レイヤと、切り替え後の演出に応じた演出画像を示す画像データが設定された第2レイヤとを記憶し、液晶表示装置11に表示するレイヤを第1レイヤから第2レイヤに切り替えることで、演出を切り替える。
また、演出切替型の演出である場合には、液晶表示装置11に表示している演出を実行するレイヤにおいて、実行する演出を切り替え前の演出から切り替え後の演出に変更することで、演出を切り替える。すなわち、描画用RAM105のワークエリアに記憶されたレイヤに設定する画像データを、切り替え前の演出に応じた演出画像を示す画像データから切り替え後の演出に応じた演出画像に変更することで、演出を切り替える。
レイヤ切替型の演出は、切り替え前後において画像の切り替え時に発生するタイムラグによるチラツキが発生してしまうことを軽減することができる一方で、複数のレイヤを同時に用いることになるため、画像処理の処理負荷が増大するとともに、描画RAM105の容量を圧迫してしまう。反対に、演出切替型の演出は、一のレイヤのみを用いるため、処理負荷を抑えることができる一方で、切り替え前後において画像の切り替え時に発生するタイムラグによるチラツキが発生する場合がある。
そこで、パチスロ1では、切り替え前後の演出のつながりや、それぞれの演出の処理負荷などに応じて、切り替え前の演出と切り替え後の演出との関係性を予め定めておく。例えば、切り替え前後においてチラツキが発生し易く遊技者に不快感を与えるような演出は、レイヤ切替型の演出として定め、また、チラツキが気にならないような演出は、演出切替型の演出として定めておく。これにより、演出の切り替え時のチラツキにより遊技者に対して不快感を与えてしまうことを防止できるとともに、演出の切り替えに応じて処理落ちが生じてしまうことを防止することができる。
なお、それぞれの演出に対して予め定められた内容(レイヤ切替型の演出又は演出切替型の演出)は、遊技の継続状況に応じて変化させることとしてもよい。例えば、遊技時間が多くなり目が疲労した遊技者は、画像のチラツキにより目の不快感がより顕著になる。そのため、遊技時間が多くなった遊技者が遊技しているパチスロ1では、予め演出切替型の演出として定められた演出であっても、レイヤ切替型の演出に変えることとしてもよい。
なお、遊技時間は、任意の方法により取得することができる。例えば、パチスロ1の稼働時間を遊技時間として取得することとしてもよく、パチスロ1においてユーザ登録を行った遊技者が遊技を行った時間を遊技時間として取得することとしてもよい。
<チャンスボタン操作時の演出の切り替え>
パチスロ1などの遊技機では、チャンスボタンなどの遊技の進行には関係のない操作を遊技者に促し、当該操作が行われた場合に演出を切り替えることがある。本実施形態のパチスロ1においても、ボタン操作を遊技者に対して促すこととしており、例えば、サブCPU102は、全リールが回転している最中に液晶表示装置11にチャンスボタンに応じた画像を表示することで、遊技者に対して所定の操作(チャンスボタンの押下)を促す。サブCPU102は、主制御回路91から受信したコマンドに基づいて、この所定の操作が行われたことを検出し、また、所定の操作が検出される前に主制御回路91からリール停止コマンドなどを受信することで、所定の操作が行われることなく遊技が進行したことを検出する。
そして、パチスロ1では、遊技者に促した所定の操作が行われた場合と、所定の操作が行われることなく遊技が進行した場合とで、切り替える演出を異ならせる。具体的には、遊技者に促した所定の操作が行われた場合には第1切り替え要求が行われることになり、サブCPU102は、液晶表示装置11において表示する演出を切替前演出から第1切替後演出に切り替える。また、所定の操作が行われることなく遊技が進行した場合には第2切り替え要求が行われることになり、サブCPU102は、液晶表示装置11において表示する演出を切替前演出から第2切替後演出に切り替える。
このようにパチスロ1では、遊技者に促した所定の操作が行われた場合と行われない場合とで、切り替える演出を異ならせることができるため、遊技性が多様化し、遊技の興趣が向上する。この場合においても、それぞれの演出に好ましい切り替え方法を設定しておくことで、遊技の進行に合わせて演出を適切に切り替えることができる。
<演出内容決定処理>
図138は、図136に示したコマンド解析処理のS380において実行される演出内容決定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、スタートコマンドを受信したか否かを判断する(S401)。ここで、スタートコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU102は、図139に示すスタートコマンド受信時処理を実行し(S402)、演出内容決定処理を終了する。スタートコマンド受信時処理では、例えば、スタートコマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、スタートコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、リール回転開始コマンドを受信したか否かを判断する(S403)。ここで、リール回転開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU102は、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(S404)、演出内容決定処理を終了する。リール回転開始コマンド受信時処理では、例えば、リール回転開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール回転開始コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、リール停止コマンドを受信したか否かを判断する(S405)。ここで、リール停止コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU102は、リール停止コマンド受信時処理を実行し(S406)、演出内容決定処理を終了する。リール停止コマンド受信時処理では、例えば、リール停止コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール停止コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、入賞作動コマンドを受信したか否かを判断する(S407)。ここで、入賞作動コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU102は、図149に示す入賞作動コマンド受信時処理を実行し(S408)、演出内容決定処理を終了する。入賞作動コマンド受信時処理では、例えば、入賞作動コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、入賞作動コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、ボーナス終了コマンドを受信したか否かを判断する(S409)。ここで、ボーナス終了コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU102は、図154に示すボーナス終了コマンド受信時処理を実行し(S410)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス終了コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス終了コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、ボーナス終了コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判断する(S411)。ここで、ボーナス開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU102は、ボーナス開始コマンド受信時処理を実行し(S412)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス開始コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。また、ボーナス開始コマンド受信時処理では、BBモードの初期値としてBBモード「0」をセットする。
一方、ボーナス終了コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU102は、その他受信したコマンドに応じた処理を実行し(S413)、演出内容決定処理を終了する。
<スタートコマンド受信時処理>
図139は、図138に示した演出内容決定処理のS402において実行されるスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、遊技状態が通常遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかであるか否かを判別する(S421)。S421において、遊技状態が通常遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかであると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図140に示す通常スタート時CZ・ART抽籤を行う(S422)。この通常スタート時CZ・ART抽籤では、内部当籤役や今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に基づいて、上述のスタート時の移行抽籤(A)(D)などを行う。
S422の処理に続いて、サブCPU102は、図141に示す黙示録作動処理を行う(S423)。この黙示録作動処理では、サブCPU102は、黙示録の作動を開始又は終了させる制御を行う。
S423の処理に続いて、又はS421において遊技状態が通常遊技状態及び高確率遊技状態のいずれでもないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態であるか否かを判別する(S424)。より具体的には、サブCPU102は、サブ側で管理する遊技状態が通常遊技状態であり、かつ、メイン側で管理するRT遊技状態がRT4遊技状態であるか否かを判別する。S424において、遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図142に示す高確率遊技状態移行処理を行う(S425)。この確率遊技状態移行処理では、サブCPU102は、遊技状態を通常遊技状態から高確率遊技状態に移行させるために回避ポイントの抽籤を行う。
S425の処理に続いて、又はS424において遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、遊技状態が高確率遊技状態であるか否かを判別する(S426)。S426において、遊技状態が高確率遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図143に示す高確率中演出登録処理を行う(S427)。この高確率中演出登録処理では、サブCPU102は、回避ポイントに基づいてメイン側の遊技状態がRT4遊技状態からRT1遊技状態に移行してしまうことを回避するための演出(押し順ナビ)を行う。
S427の処理に続いて、又はS426において、遊技状態が高確率遊技状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、遊技状態がCZであるか否かを判別する(S428)。S428において、遊技状態がCZであると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図144に示すCZスタート時ART抽籤処理を行う(S429)。このCZスタート時ART抽籤処理では、サブCPU102は、上述の移行抽籤(C)などを行う。
S429の処理に続いて、又はS428において、遊技状態がCZではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、遊技状態がボーナス状態(BB中)であるか否かを判別する(S430)。S430において、遊技状態がボーナス状態であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図145に示すBB中ART抽籤処理を行う(S431)。このBB中ART抽籤処理では、サブCPU102は、上述の移行抽籤(F)などを行う。
S431の処理に続いて、又はS430において、遊技状態がボーナス状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、遊技状態がART遊技状態(ART中)であるか否かを判別する(S432)。S432において、遊技状態がART遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図146に示すART中処理を行う(S433)。なお、このART中処理では、サブCPU102は、敵決めARTやバトルARTにおける演出内容などを決定する。
S432において、遊技状態がART遊技状態ではない判別すると(NO)、又はS433の処理に続いて、サブCPU102は、シーケンスエラーがセットされているか否かを判別する(S434)。ここで、シーケンスエラーは、主基板通信タスクにおいてコマンドの順序が正常でない場合にセットされる。S434において、シーケンスエラーがセットされていると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、後述するシーケンスエラー時処理を行い(S435)、スタートコマンド受信時処理を終了する。他方、S434において、シーケンスエラーがセットされていないと判別すると(NO)、サブCPU102は、スタートコマンド受信時処理を終了する。
<シーケンスエラー時処理の具体例1>
本実施形態では、CZは、押し順ベルが内部当籤役として決定された遊技において、押し順に不正解の停止操作が行われた場合に表示される図柄の組合せが表示されることを条件に終了する。CZの管理は副制御回路101において行われており、表示される図柄の組合せの管理は主制御回路91において行われているため、副制御回路101(サブCPU102)は、主制御回路91から送信される入賞作動コマンドに基づいて、CZの終了/継続を制御することになる。具体的には、副制御回路101は、表示された図柄の組合せが「ベルこぼし目」である旨の入賞作動コマンドを受信した場合にCZを終了させる(後述の図153参照)。
ここで、副制御回路101が入賞作動コマンドを受信できない場合には、副制御回路101は、表示された図柄の組合せを把握することができないため、想定している遊技の流れとは異なる遊技が行われてしまうことになる。例えば、CZ中に「ベルこぼし目」が表示されると、副制御回路101側においてCZを終了することになるが、入賞作動コマンドを受信できない場合には、「ベルこぼし目」が表示されたことを副制御回路101側で把握できず、CZが継続してしまうおそれがある。
ここで、シーケンスエラーは、遊技者の操作とは関係なくパチスロ1の故障などにより発生してしまうこともあるが、主制御回路91と副制御回路101との間の通信を一時的に切断し通信断絶状態を発生させる、いわゆるコマンド零しゴトといった不正行為によって人為的に発生させられてしまうことがある。このような不正行為により、CZの終了を回避可能にしてしまったのでは、不正行為を行った遊技者が不当な利益を得てしまうことになる。
そこで、副制御回路101は、主制御回路91から受信したコマンドの順序をチェックしておき、コマンドの順序が異常な場合にシーケンスエラーが発生したとして、CZを終了させる。これにより、不正行為によって遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止することができる。
<シーケンスエラー時処理の具体例2>
本実施形態では、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態をサブ側の高確率遊技状態として扱うことがある。この高確率遊技状態は、サブ側において、押し順ベルや押し順リプに不正解時に表示される図柄の組合せが表示されたことを把握したタイミングで終了する(後述の図152参照)。そのため、副制御回路101が入賞作動コマンドを受信できない場合には、副制御回路101は、表示された図柄の組合せを把握することができず、想定している遊技の流れとは異なる遊技が行われてしまうことになる。例えば、高確率遊技状態中に「ベルこぼし目」や「RT1移行リプ」が表示されると、副制御回路101側において高確率遊技状態を終了することになるが、入賞作動コマンドを受信できない場合には、「ベルこぼし目」や「RT1移行リプ」が表示されたことを副制御回路101側で把握できず、高確率遊技状態が継続してしまうおそれがある。
そこで、副制御回路101は、主制御回路91から受信したコマンドの順序をチェックしておき、コマンドの順序が異常な場合にシーケンスエラーが発生したとして、高確率遊技状態を終了させて通常遊技状態に移行させる。これにより、不正行為によって遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止することができる。
なお、シーケンスエラーが発生した場合、発生したシーケンスエラーの履歴を蓄積しておくこととしてもよい。発生したシーケンスエラーが、不正行為により人為的に発生したものであるのか、パチスロ1の故障などにより遊技者の操作とは関係なく発生したものであるのか、判別することは困難であるが、シーケンスエラーの発生履歴を蓄積しておくことで、不正行為(ゴト)の傾向をつかむことができる。例えば、不正行為により発生したシーケンスエラーは、発生することで遊技者にとって有利な状況になる場合に発生しやすく、また、遊技者とは関係なく自然に発生したシーケンスエラーは、状況に関係なく発生することになるため、不正行為によりシーケンスエラーが発生した場合には、シーケンスエラーの発生履歴として似た履歴が蓄積されることになる。そこで、シーケンスエラーの発生履歴の傾向から、シーケンスエラーが発生した遊技状態や副制御回路101側で受信できなかったコマンドの種類を把握可能にすることで、特定の遊技状態で特定のコマンドを受信できないようにすることで、遊技者が不当に利益を得てしまう状況を把握することができ、今後の遊技機の設計に役立てることができる。
<通常スタート時CZ・ART抽籤処理>
図140は、図139に示したスタートコマンド受信時処理のS422において実行される通常スタート時CZ・ART抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、内部当籤役及び今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に基づいて、図71〜図73に示すスタート時ART抽籤テーブルを参照して、CZ・ARTへの移行抽籤(A)(D)を行う(S441)。続いて、サブCPU102は、この抽籤においてCZに当籤したか否かを判別する(S442)。CZに当籤していた場合には(YES)、サブCPU102は、次の遊技の遊技状態にCZをセットし(S443)、通常スタート時CZ・ART抽籤処理を終了する。
一方、CZに当籤していない場合には(NO)、サブCPU102は、S441の抽籤においてARTに当籤したか否かを判別する(S444)。ARTに当籤していない場合には(NO)、通常スタート時CZ・ART抽籤処理を終了する一方で、ARTに当籤している場合には(YES)、サブCPU102は、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S445)。なお、ART遊技状態は、メイン側のRT4遊技状態であるため、RT4移行リプが表示されメイン側でRT4遊技状態に移行しなければならない。そのため、「遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする」とは、次の遊技の遊技状態がART遊技状態の敵決めARTになることを意味するのではなく、メイン側でRT4遊技状態に移行した場合に、サブ側の遊技状態がART遊技状態の敵決めARTになることを意味する。この点は、以下も同様である。
続いて、サブCPU102は、図104に示すART状態抽籤テーブルを参照して、ART当籤時の遊技状態に基づいてART状態を抽籤し、その抽籤結果をセットする(S446)。この処理を終えると、サブCPU102は、通常スタート時CZ・ART抽籤処理を終了する。
<黙示録作動処理>
図141は、図139に示したスタートコマンド受信時処理のS423において実行される黙示録作動処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、黙示録フラグがオンであるか否かを判別する(S451)。このとき、黙示録フラグがオンではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、S457に処理を移す。
一方、S451において、黙示録フラグがオンであると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、現在の当籤モードに基づいて黙示録抽籤を行う(S452)。具体的には、図79(C)の黙示録作動抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいて保証回数の加算量又は減算量を抽籤する。続いて、サブCPU102は、S452の抽籤結果に基づいて現在の保証回数を更新する(S453)。
続いて、サブCPU102は、保証回数が1以上であるか否かを判別する(S454)。保証回数が1以上であると判別すると(YES)、サブCPU102は、演出玉を抽籤し、黙示録にセットし(S455)、S462の処理に移る。具体的には、サブCPU102は、黙示録MAPを抽籤し、黙示録MAPに規定されているMAPデータに基づいて演出玉を抽籤する(図80〜図83参照)。また、この処理では、サブCPU102は、昇格抽籤が可能である場合(役物可動の保証数が1以上である場合)に、所定の確率で黙示録にセットされている演出玉を格上げする。
他方、保証回数が1以上ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、黙示録フラグをオフに更新し、黙示録の作動を終了させ(S456)、その後、S462の処理に移る。
また、S451において黙示録フラグがオンではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、現在の当籤モードに基づいて黙示録抽籤を行う(S457)。具体的には、図79(A)(B)の黙示録作動抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいて保証回数の加算量を抽籤する。続いて、サブCPU102は、S457の抽籤結果に基づいて現在の保証回数を更新する(S458)。
続いて、サブCPU102は、保証回数が1以上であるか否かを判別する(S459)。法相回数が1以上であると判別すると(YES)、サブCPU102は、黙示録フラグをオンにし、黙示録の作動を開始する(S460)。続いて、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されている演出玉を黙示録にセットする(S461)。
続いて、サブCPU102は、内部当籤役に基づき当籤モードの移行抽籤を行う(S462)。具体的には、サブCPU102は、図74〜図78に示すモード移行抽籤テーブルを参照して、移行先の当籤モードを抽籤する。続いて、サブCPU102は、抽籤結果を次遊技の当籤モードとしてセットし(S463)、黙示録作動処理を終了する。
<高確率遊技状態移行処理>
図142は、図139に示したスタートコマンド受信時処理のS425において実行される高確率遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、内部当籤役に基づいて回避ポイントを抽籤する(S465)。具体的には、サブCPU102は、図89に示す回避テーブル抽籤テーブルを参照して、回避ポイントの加算量を抽籤する。続いて、サブCPU102は、回避ポイントの抽籤に当籤したか否か、すなわち、回避ポイントが1以上加算されるか否かを判別する(S466)。当籤している場合には(YES)、サブCPU102は、抽籤結果に基づき回避ポイントをセットし(S467)、高確率遊技状態移行処理を終了する。他方、当籤していない場合には(NO)、サブCPU102は、高確率遊技状態移行処理を終了する。
<高確率中演出登録処理>
図143は、図139に示したスタートコマンド受信時処理のS427において実行される高確率中演出登録処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、押し順ベル又は押し順リプが内部当籤役として決定されているか否かを判別する(S471)。押し順ベル及び押し順リプのいずれも内部当籤役として決定されていないと判別すると(NO)、サブCPU102は、高確率中演出登録処理を終了する。
一方、押し順ベル又は押し順リプが内部当籤役として決定されていると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、回避ポイントが1以上であるか否かを判別する(S472)。回避ポイントが1以上ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、高確率中演出登録処理を終了する。
一方、回避ポイントが1以上であると判別すると(YES)、サブCPU102は、押し順正解となるナビデータをセットする(S473)。続いて、サブCPU102は、回避ポイントを1減算し(S474)、高確率中演出登録処理を終了する。
このように高確率遊技状態では、押し順ベル又は押し順リプが内部当籤役として決定された場合に、回避ポイントに基づいて正解の押し順が報知される。遊技者にとってみれば、報知に従い遊技を行うことで、高確率遊技状態を継続させることができるため、安心して遊技を行うことができる。ここで、高確率遊技状態は、通常遊技状態に比べてARTへの移行抽籤に当籤し易く、高確率遊技状態において正解の押し順を報知した場合には、遊技者には高確率遊技状態が継続するという利益が既に付与されていることになる。そこで、高確率遊技状態において正解の押し順を報知した場合には、当該遊技における移行抽籤の抽籤結果を破棄(無効)にすることとしてもよい。これにより、遊技者の利益が過剰になってしまうことを防止できる。
<CZスタート時ART抽籤処理>
図144は、図139に示したスタートコマンド受信時処理のS429において実行されるCZスタート時ART抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、CZの継続ゲーム数を更新する(S481)。続いて、サブCPU102は、CZの1ゲーム目であるか否かを判別する(S482)。CZの1ゲーム目であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、CZ_MAPを抽籤し、セットする。具体的には、サブCPU102は、図91に示すCZ_MAP抽籤テーブルを参照して、CZ中に用いるCZ_MAPを抽籤し、セットする(S483)。
続いて、サブCPU102は、無効ポイントの初期値を決定し、セットする(S484)。具体的には、サブCPU102は、図93(A)に示す無効ポイント抽籤テーブルを参照して、無効ポイントの初期値を決定し、セットする。
S484の後、又はS482においてCZの1ゲーム目ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、演出玉を抽籤し、黙示録にセットする(S485)。具体的には、サブCPU102は、図94に示すCZ中演出玉抽籤テーブルを参照して、現在セット中の最終の演出玉に基づいて演出玉を抽籤し、セットする。また、この処理では、サブCPU102は、無効ポイントが1以上である場合に、黙示録にセットされている発展玉を回避玉に書き換える。
CZの30ゲーム目であるか否かを判別する(S486)。CZの30ゲーム目であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S487)。続いて、サブCPU102は、図104に示すART状態抽籤テーブルを参照して、CZモード2に基づいてART状態を抽籤し、セットする(S488)。その後、サブCPU102は、CZスタート時ART抽籤処理を終了する。
一方、CZの30ゲーム目ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、内部当籤役に基づき無効ポイントを抽籤し、加算する(S489)。具体的には、サブCPU102は、図93(B)(C)に示す無効ポイント抽籤テーブルを参照して、無効ポイントの上乗せ量を抽籤し、現在保持する無効ポイントに加算する。
続いて、サブCPU102は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が発展玉、かつ、押し順ベルが内部当籤役として決定されているか否かを判別する(S490)。いずれの条件も満たす場合には(YES)、サブCPU102は、無効ポイントが1以上であるか否かを判別する(S491)。無効ポイントが1以上であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、無効ポイントを1減算し(S492)、現在のCZモード報知用の演出データをセットする(S493)。
この演出データは、例えば、現在のCZモードが1であることや、CZモードがあと数回(例えば、2,3回)以内の遊技において0から1に上がることを報知又は示唆する演出を行うための演出データである。具体的には、CZモードが1の場合と0の場合とでセットされる確率が異なる演出データや、CZモードが所定回数以内の遊技において0から1に上がる場合と、CZモードが所定回数以内の遊技において0から1に上がらない場合とでセットされる確率が異なる演出データである。これにより、遊技者は、無効ポイントが1以上である場合に、現在のCZモードを推測又は把握できるようになる。
一方、S491において、無効ポイントが1以上ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、図95に示すCZ中ART抽籤テーブルを参照して、現在のCZモードに基づきARTへの移行抽籤(C)を行い、また、抽籤済フラグをオンにセットする(S494)。上述のように、CZ中は、発展玉がセットされ、かつ、押し順ベルに当籤すると移行抽籤(C)が行われるものの、停止時に押し順に正解すると移行抽籤(C)の抽籤結果が無効にされる。抽籤済フラグは、停止時に抽籤結果を無効にするか維持するかを判断するために用いられる。S494の処理を終えると、サブCPU102は、CZスタート時ART抽籤処理を終了する。
一方、S490において、いずれかの条件を満たさない場合には(NO)、サブCPU102は、続いて、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が回避玉であるか否かを判別する(S495)。今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が回避玉であると判別すると(YES)、サブCPU102は、現在のCZモード報知用の演出データをセットし(S496)、CZスタート時ART抽籤処理を終了する。また、S495において、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が回避玉ではないと判別したときにも(NO)、サブCPU102は、CZスタート時ART抽籤処理を終了する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、有利状態抽籤手段を構成し、CZの途中で行うCZモードに基づくARTへの移行抽籤、又はCZ完走時に行うCZモード2に基づくARTへの移行抽籤を実行する。
<BB中ART抽籤処理>
図145は、図139に示したスタートコマンド受信時処理のS431において実行されるBB中ART抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、7揃いリプが内部当籤役として決定されたか否かを判別する(S501)。7揃いリプが内部当籤役として決定されたと判別すると(YES)、サブCPU102は、図98に示すBB中スタート時ART抽籤テーブルを参照して、BB中のARTへの移行抽籤(F)を行う。図98を参照すると、この移行抽籤(F)には必ず当籤するため、サブCPU102は、ART当籤フラグをオンにセットする(S502)。なお、ART当籤フラグは、ボーナス状態の途中でARTに当籤したことを示す情報であり、ボーナス終了時に参照される。
S502に続いて、又はS501において7揃いリプが内部当籤役として決定されていないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、図99及び図100に示すBB中モードアップ抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいてモードアップ抽籤を行う(S503)。続いて、サブCPU102は、抽籤結果に基づきBBモードをセットし(S504)、BB中ART抽籤処理を終了する。
<ART中処理>
図146は、図139に示したスタートコマンド受信時処理のS433において実行されるART中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、遊技状態が敵決めART中であるか否かを判別する(S511)。敵決めART中ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、図148に示すバトルART中処理を行い(S517)、ART中処理を終了する。
一方、敵決めART中と判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、決定済フラグがオンであるか否かを判別する(S512)。なお、決定済フラグは、敵決めART中に対戦相手の敵キャラクタが決定されたか否かを判別するための情報である。決定済フラグがオンではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、図147に示す敵決めART中処理を行い(S516)、ART中処理を終了する。
一方、決定済フラグがオンであると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図111に示す敵決めART中ボスパワー抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づき敵キャラクタのHPを決定する(S513)。続いて、敵キャラクタ紹介用の演出データをセットする(S514)。この敵キャラクタ紹介用の演出データとは、例えば、図112に示すボスステータスを表示するための演出データである。続いて、サブCPU102は、決定済フラグをオフにし、また、次の遊技の遊技状態にバトルARTをセットし(S515)、ART中処理を終了する。
<敵決めART中処理>
図147は、図146に示したART中処理のS516において実行される敵決めART中処理を示すフローチャートである。
初めに、サブCPU102は、演出玉を抽籤し、黙示録にセットする(S521)。具体的には、サブCPU102は、ボスMAPに規定されるボスMAPデータ及びART状態に基づいて演出玉を抽籤する(図105〜図108参照)。また、この処理において、サブCPU102は、味方玉のストック抽籤も行い、ストックがある場合には黙示録にセットされているボス玉を味方玉に書き換える(図109参照)。なお、上述のように敵決めARTの継続遊技数を保証する保証回数を用いる場合には、保証回数分の遊技間は、S521の処理を行わないこととしてもよい。
続いて、サブCPU102は、味方キャラクタのHP初期セット処理を行う(S522)。この処理では、サブCPU102は、味方キャラクタのHPが初期値(HP50)未満である場合に、味方キャラクタのHPを初期値にセットする。
続いて、サブCPU102は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉がボス玉であるか否かを判別する(S523)。ボス玉がセットされていると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、ベル当籤か否かを判別する(S524)。このとき、ベル当籤でないと判別すると(NO)、サブCPU102は、敵決めART中処理を終了する。一方、ベル当籤であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、ボス玉に応じた敵キャラクタを対戦相手に決定する(S525)。続いて、サブCPU102は、決定済フラグをオンにセットし(S526)、敵決めART中処理を終了する。
一方、S523において、ボス玉がセットされていない(すなわち、味方玉がセット)と判別すると(NO)、サブCPU102は、図110に示す敵決めART中味方パワー上乗せ抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいて味方キャラクタのHP上乗せ抽籤を行う(S527)。続いて、サブCPU102は、抽籤結果に基づいて味方キャラクタのHPを更新し(S528)、敵決めART中処理を終了する。
<バトルART中処理>
図148は、図146に示したART中処理のS517において実行されるバトルART中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、演出玉を抽籤し、黙示録にセットする(S531)。具体的には、サブCPU102は、バトルMAPに規定されるバトルMAPデータに基づいて演出玉を抽籤する(図113〜図119参照)。また、この処理において、サブCPU102は、覚醒玉に基づく敵玉の書き換えも行っており、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が覚醒玉であり、かつ、ベル当籤以上である場合に、黙示録にセットされている敵玉を味方玉に書き換える。
続いて、サブCPU102は、演出玉及び内部当籤役に基づいてダメージ抽籤を行う(S532)。具体的には、サブCPU102は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が敵玉である場合には、図118に例示するバトルART中ダメージ抽籤テーブルを参照してダメージ抽籤を行い、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉又は覚醒玉である場合には、図119に例示するバトルART中ダメージ抽籤テーブルを参照してダメージ抽籤を行う。
続いて、サブCPU102は、抽籤結果に基づいて、敵キャラクタ又は味方キャラクタのHPを更新する(S533)。続いて、サブCPU102は、味方キャラクタのHPが0以下であるか否かを判別する(S534)。味方キャラクタのHPが0以下と判別すると(YES)サブCPU102は、ART遊技状態を終了し、次の遊技の遊技状態に通常遊技状態をセットし(S535)、バトルART中処理を終了する。
一方、味方キャラクタのHPが0以下ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、敵キャラクタのHPが0以下であるか否かを判別する(S536)。敵キャラクタのHPが0以下ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、バトルART中処理を終了する。一方、敵キャラクタのHPが0以下と判別すると(YES)、サブCPU102は、図120及び図121に例示するART状態抽籤テーブルを参照して、敵キャラクタの種別及び継続回数に基づいてART状態を抽籤し、セットする(S537)。続いて、サブCPU102は、次の遊技の遊技状態に敵決めARTをセットして(S538)、バトルART中処理を終了する。
<入賞作動コマンド受信時処理>
図149は、図138に示した演出内容決定処理のS408において実行される入賞作動コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、遊技状態が通常遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかであるか否かを判別する(S541)。遊技状態が通常遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかであると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図150に示す通常終了時CZ・ART抽籤を行う(S542)。この通常終了時CZ・ART抽籤では、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に基づいて、上述のスタート時の移行抽籤(A)(D)などを行う。
S542の処理に続いて、又はS541において遊技状態が通常遊技状態及び高確率遊技状態のいずれでもないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態であるか否かを判別する(S543)。遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図151に示す高確率移行判定処理を行う(S544)。この高確率移行判定処理では、通常遊技状態のRT4遊技状態から高確率遊技状態に移行可能であるか否かを判定する。
S544の処理に続いて、又はS543において遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、遊技状態が高確率遊技状態であるか否かを判別する(S545)。遊技状態が高確率遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図152に示す高確率終了判定処理を行う(S546)。この高確率終了判定処理では、サブCPU102は、表示された図柄の組合せに基づいて、高確率遊技状態を終了させるか否かを判定する。
S546の処理に続いて、又はS545において、遊技状態が高確率遊技状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、遊技状態がCZであるか否かを判別する(S547)。遊技状態がCZであると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図153に示すCZ中抽籤結果管理処理を行う(S548)。このCZ中抽籤結果管理処理では、サブCPU102は、CZ途中で行われる上述の移行抽籤(C)を維持又は無効にするか判定する。
S548の処理を終えると、又はS547遊技状態がCZではないと判別すると(NO)、サブCPU102は、入賞作動時コマンド受信時処理を終了する。
<通常終了時CZ・ART抽籤処理>
図150は、図149に示した入賞作動時コマンド受信時処理のS542において実行される通常終了時CZ・ART抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、黙示録フラグがオンであるか否かを判別する(S551)。黙示録フラグがオンでないと判別すると(NO)、サブCPU102は、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する。
一方、黙示録フラグがオンであると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、ベル入賞以上であるか否かを判別する(S552)。ベル入賞以上でないと判別すると(NO)、サブCPU102は、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する。
一方、ベル入賞以上であると判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、図87に示すリール停止時ART抽籤テーブルを参照して、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に基づいてCZ及びARTへの移行抽籤(A)(D)を行う(S553)。
続いて、サブCPU102は、この抽籤においてCZに当籤したか否かを判別する(S554)。CZに当籤していた場合には(YES)、サブCPU102は、次の遊技の遊技状態にCZをセットし(S555)、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する。
一方、CZに当籤していない場合には(NO)、サブCPU102は、ARTに当籤したか否かを判別する(S556)。ARTに当籤していない場合には(NO)、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する一方で、ARTに当籤している場合には(YES)、サブCPU102は、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S557)。続いて、サブCPU102は、図104に示すART状態抽籤テーブルを参照して、ART当籤時の遊技状態に基づいてART状態を抽籤し、その抽籤結果をセットする(S558)。この処理を終えると、サブCPU102は、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、抽籤状態開始手段を構成し、演出玉に基づくCZ及びARTへの移行抽籤(A)(D)においてCZに当籤すると、次の遊技の遊技状態をCZにセットすることで、有利状態抽籤状態であるCZを開始する。
<高確率移行判定処理>
図151は、図149に示した入賞作動時コマンド受信時処理のS544において実行される高確率移行判定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたか否かを判別する(S561)。ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたと判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、リプレイ回数及び回避ポイントをクリアし(S562)、高確率移行判定処理を終了する。
一方、ベルこぼし目及びRT1移行リプのいずれも表示されていないと判別すると(NO)、サブCPU102は、回避ポイントが1以上であるか否かを判別する(S563)。回避ポイントが1以上であると判別すると(YES)、サブCPU102は、次の遊技の遊技状態に高確率遊技状態をセットする(S564)。続いて、サブCPU102は、リプレイ回数をクリアし(S565)、高確率移行判定処理を終了する。
一方、回避ポイントが1以上でないと判別すると(NO)、サブCPU102は、RT1移行リプ以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されたか否かを判別する(S566)。RT1移行リプ以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されていないと判別すると(NO)、サブCPU102は、高確率移行判定処理を終了する。一方、RT1移行リプ以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されたと判別すると(YES)、サブCPU102は、リプレイ回数を1加算し(S567)、高確率移行判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、高確率状態移行手段を構成し、上述の高確率遊技状態移行処理(図142参照)において回避ポイント抽籤に当籤したことに基づいて、ARTへの移行抽籤が当籤する確率の高い高確率遊技状態に遊技状態を移行させる。
このように本実施形態のパチスロ1では、通常遊技状態中にメイン側でRT4遊技状態に移行すると、回避ポイントが付与されるまでの間、通常遊技状態が維持され、回避ポイントが付与されると高確率遊技状態に移行する。本実施形態のパチスロ1のように、偶然にRT4遊技状態に移行した状況をペナルティ区間ではなくチャンス区間にする遊技機では、遊技者に有利になり過ぎないようにバランスを調整する必要がある。この点、メイン側でRT4遊技状態に移行したとしても回避ポイントが付与されるまでは通常遊技状態として扱うことで、遊技者及び遊技店の双方の利益のバランスを調整することができる。もちろん、双方の利益のバランスは遊技機全体の中で調整すれば足りるため、メイン側でRT4遊技状態に移行した段階で直ちに通常遊技状態から高確率遊技状態に移行することとしてもよい。
<高確率終了判定処理>
図152は、図149に示した入賞作動時コマンド受信時処理のS546において実行される高確率終了判定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたか否かを判別する(S571)。ベルこぼし目及びRT1移行リプのいずれも表示されていないと判別すると(NO)、サブCPU102は、高確率終了判定処理を終了する。
一方、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたと判別すると(YES)、サブCPU102は、続いて、回避ポイントをクリアする(S572)。続いて、サブCPU102は、次の遊技の遊技状態に通常遊技状態をセットし(S573)、高確率終了判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、低確率状態移行手段を構成し、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたときに、ARTの移行抽籤に当籤する確率が低い通常遊技状態に遊技状態を移行させる。
<CZ中抽籤結果管理処理>
図153は、図149に示した入賞作動時コマンド受信時処理のS548において実行されるCZ中抽籤結果管理処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、抽籤済フラグがオンであるか否かを判別する(S581)。抽籤済フラグがオンでないと判別すると(NO)、サブCPU102は、CZ中抽籤結果管理処理を終了する。
一方、抽籤済フラグがオンであると判別すると(YES)、サブCPU102は、押し順に正解したか否かを判別する(S582)。具体的には、サブCPU102は、図144のS490において当籤している押し順ベルに応じた押し順で停止操作が行われたか否か、言い換えると、「C_CDベル(図30参照)」に応じた図柄の組合せが表示されたか否かを判別する。押し順ベルに応じた押し順に正解したと判別すると(YES)、サブCPU102は、抽籤結果を破棄(無効)にし(S583)、CZ中抽籤結果管理処理を終了する。これによりCZが継続することになる。なお、上述したように、押し順ベルに応じた押し順に正解した場合に、CZを継続させつつ、抽籤結果を維持することとしてもよい。
一方、押し順ベルに応じた押し順に正解していないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、ARTに当籤したか否かを判別する(S584)。ARTに当籤していないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、次の遊技の遊技状態に通常遊技状態をセットし(S587)、CZ中抽籤結果管理処理を終了する。
一方、ARTに当籤していると判別すると(YES)、サブCPU102は、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S585)。続いて、サブCPU102は、図104に示すART状態抽籤テーブルを参照して、ART当籤時の遊技状態に基づいてART状態を抽籤し、その抽籤結果をセットする(S586)。この処理を終えると、サブCPU102は、CZ中抽籤結果管理処理を終了する。すなわち、本実施形態では、副制御回路101は、抽籤状態終了手段を構成し、CZ中に押し順ベルの押し順に正解していないと判別されたことに基づいて、次の遊技の遊技状態として通常遊技状態をセットし、又は、上述のCZスタート時ART抽籤処理(図144参照)で、CZが完走(図144のS486でYES)したときに、次の遊技状態としてART遊技状態をセットする。
<ボーナス終了コマンド受信時処理>
図154は、図138に示した演出内容決定処理のS410において実行されるボーナス終了コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、図101に示すBB終了時ART抽籤テーブルを参照して、現在のBBモードに基づいてARTへの移行抽籤(F)を行う(S591)。続いて、サブCPU102は、ARTに当籤したか否かを判別する(S592)。ARTに当籤していないと判別すると(NO)、サブCPU102は、続いて、ART当籤フラグがオンであるか否かを判別する(S593)。S592及びS593のいずれもNOの場合には、サブCPU102は、次の遊技の遊技状態に通常遊技状態をセットし(S596)、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了する。
一方、S592及びS593のいずれか一方でもYESの場合には、サブCPU102は、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S594)。続いて、サブCPU102は、図104に示すART状態抽籤テーブルを参照して、ART当籤時の遊技状態に基づいてART状態を抽籤し、その抽籤結果をセットする(S595)。この処理を終えると、サブCPU102は、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了する。
[パチスロ1の効果]
以上、本発明に係るパチスロ1について説明した。このようなパチスロ1によれば以下の効果が期待できる。
<ボーナス状態中に持ち越しているJACINによる効果>
パチスロ1では、ボーナス状態中にJACINに係る役(「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」)のいずれかが内部当籤役として決定されると対応する図柄の組合せが表示されるまで(持ち越している間)、ボーナス状態のRT4遊技状態になる。このボーナス状態のRT4遊技状態では、「F_J1上段7リプ」〜「F_J1クロス7リプ」といったJAC1系のリプレイと、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」といったJAC2系のリプレイと、「F_FJ3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」といったJAC3系のリプレイとを内部当籤役として決定することができる(図35及び図36参照)。
パチスロ1では、遊技状態及び内部当籤役に基づきリール3L,3C,3Rの停止制御を行う。例えば、「F_JACIN1」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC1系のリプレイが内部当籤役として決定されると、当該遊技では、「F_JACIN1」とJAC1系のリプレイとの2種類の役が内部当籤役として決定されていることになり、同様に、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC1系のリプレイが内部当籤役として決定されると、当該遊技では、「F_JACIN2」とJAC1系のリプレイとの2種類の役が内部当籤役として決定されていることになる。
そのため、パチスロ1では、持ち越しているJACINに係る役の種別に応じて停止制御を異ならせることができ、JAC1系のリプレイ〜JAC3系のリプレイが内部当籤役として決定されている場合には、図57に示す対応関係を有する図柄の組合せが表示されるように停止制御が行われる。このような制御を利用して遊技者に付与する特典(ART)を異ならせることで、パチスロ1では、持越役の種別に応じて特典を付与するか否かを異ならせることができるため、ボーナス状態中の遊技を多様化することができ、ボーナス状態中の遊技の興趣を高めることができる。
また、図57に示すように、「F_JACIN1」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC1系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」が表示され、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC1系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「通常リプ」が表示される。このように特典が付与される状況と、特典が付与されない状況とで停止制御を異ならせることで、表示された図柄の組合せから特典が付与されるか否かを把握することができるため、遊技者は、表示される図柄の組合せに強い関心を抱くことになり、ボーナス状態中の遊技の興趣を高めることができる。
なお、図57を参照すると、パチスロ1では、JAC1系のリプレイである場合に限り「7揃いリプ」を表示可能な停止制御を行い、JAC2系のリプレイやJAC3系のリプレイである場合には「7揃いリプ」を表示不可能な停止制御を行うこととしている。この点、JAC2系のリプレイやJAC3系のリプレイの場合であっても「7揃いリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。具体的には、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC2系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」を表示可能な停止制御を行い、「F_JACIN1」又は「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC2系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」を表示不可能な停止制御を行う。同様に、「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC3系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」を表示可能な停止制御を行い、「F_JACIN1」又は「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC3系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」を表示不可能な停止制御を行う。
そして、「7揃いリプ」が表示可能な場合に、図98に示すBB中スタート時ART抽籤テーブルを参照して、ボーナス状態中のARTへの移行抽籤(F)を行うことで、持越役の種別に応じて特典を付与するか否かを異ならせることができ、ボーナス状態中の遊技の興趣を高めることができる。
この場合において、図35及び図36に示すように、JAC1系のリプレイ、JAC2系のリプレイ及びJAC3系のリプレイが内部当籤役として決定される確率をそれぞれ異ならせることで、特典が付与される確率に差を設けることができ、ボーナス状態中の遊技の興趣を高めることができる。
なお、「7揃いリプ」が表示可能な持越役と当籤役との組合せ関係は任意である。例えば、JAC1系のリプレイに対しては、「7揃いリプ」が表示可能な持越役を「F_JACIN1」のみとし、JAC2系のリプレイに対しては、「7揃いリプ」が表示可能な持越役を「F_JACIN1」「F_JACIN2」の2種類とし、JAC3系のリプレイに対しては、「7揃いリプ」が表示可能な持越役を「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」の全てとすることとしてもよい。もちろん、このような組合せに限らず任意の組合せにすることとしてもよい。
<高確率遊技状態による効果>
パチスロ1では、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高い高RT状態としてRT4遊技状態を設け、ARTへの移行に当籤すると、このRT4遊技状態において有利な停止操作の情報を報知することでART遊技状態を実現する(図66参照)。なお、パチスロ1において、RT4遊技状態へはRT0遊技状態中に押し順リプに応じた押し順に正解すると移行することになる。パチスロ1では、ARTへの移行に当籤していない状況で、停止操作により偶然にRT4遊技状態に移行してしまった場合に、ペナルティとして扱わず偶然に移行したRT4遊技状態においてもARTへの移行抽籤などの遊技者にとって有利な抽籤を行う。RT4遊技状態は、高RT状態であるためにメダルを消費することなく遊技を行うことが可能であるため、パチスロ1では、ARTに当籤していないRT4遊技状態を、ARTへの移行チャンス区間にすることができ、特典が付与されていない高RT状態中の興趣を高めることができる。
また、RT4遊技状態中にARTへの移行抽籤を行うため、通常遊技状態中の停止操作に対する戦略性が増し、通常遊技状態中の興趣も高めることができる。具体的には、停止操作により偶然にRT4遊技状態に移行してしまった場合を、ペナルティとして扱うパチスロでは、通常遊技状態中の停止操作が単純(例えば、ペナルティを受けないように第1停止操作を左リールに対して行わなければならないなど)になってしまう。この点、パチスロ1では、偶然に移行したRT4遊技状態中にペナルティを課さないため、遊技者は、通常遊技状態中に自由に停止操作を行うことができ、通常遊技状態中の遊技性だけでなく操作性も高めることができる。
また、パチスロ1では、回避ポイントがある限り、偶然に移行したRT4遊技状態において有利な停止操作の情報(RT1遊技状態への移行を回避するための押し順)を報知する。これにより、偶然にRT4遊技状態に移行した場合に、直ちに通常遊技状態に移行してしまうことがなく、所定の間は、リプレイの当籤確率が高い状態でARTへの移行抽籤を受けることができる。
なお、RT4遊技状態をARTへの移行抽籤に当籤する確率の高い高確率遊技状態とすることで、偶然に移行したRT4遊技状態をARTへの移行チャンス区間にすることができ、特典が付与されていない高RT状態中の興趣を高めることができる。
また、パチスロ1では、通常遊技状態としてRT4遊技状態に移行可能なRT0遊技状態とRT4遊技状態に移行不可能なRT1遊技状態とを設けることとしている。パチスロでは、遊技者又は遊技店の一方に過剰な利益を与えないように遊技者側の利益と遊技店側の利益とのバランスを調整する必要がある。この点、偶然に移行したRT4遊技状態をARTへの移行チャンス区間にする本発明に係るパチスロ1と、偶然に移行したRT4遊技状態をペナルティ区間にするその他の遊技機を比較すると、比較部分に関しては、本発明に係るパチスロ1は、その他の遊技機に比べて遊技者にとって有利になっている。そこで、パチスロ1では、RT4遊技状態に移行不可能なRT1遊技状態を設けることで、双方の利益のバランスを調整可能にしている。これにより、双方の利益バランスを調整する変数を多様化することができ、遊技性に富んだ遊技機を提供することができる。
<通常遊技状態(高確率遊技状態)中の黙示録による効果>
パチスロ1では、ARTのチャンスゾーンとして完走型のCZを備え、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に黙示録が作動すると、リール停止時のCZへの移行抽籤(A)(D)を行う。この移行抽籤(A)(D)は、表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に、黙示録にセットされた演出玉(抽籤玉1〜4、確定玉)に応じた確率で行われる。このように演出の内容(黙示録にセットされた演出玉)だけでなく、遊技の結果として表示される図柄の組合せも加味して移行抽籤(A)(D)を行うことで、遊技状態の移行に対して遊技者の操作を介在させることができ、遊技の公平性を担保することができる。
また、リール停止時のCZへの移行抽籤(A)(D)は、表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に行われるため、黙示録作動中にレア役が内部当籤役として決定されない場合であっても、遊技者は、移行抽籤(A)(D)を受けることができる。そのため、レア役に基づいて遊技状態の移行抽籤を行う場合に比べて、期待感を抱く機会を多く与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、黙示録の作動は、保証回数が0になると終了するところ、図79(C)に示すように、この保証回数は押し順ベル当籤時に減算されるため、黙示録作動中は、遊技者には保証回数分だけ移行抽籤(A)(D)を受ける機会が与えられることになる(遊技者は、当該機会において押し順に正解することで、移行抽籤(A)(D)を受けることができる)。その結果、パチスロ1によれば、黙示録作動中に移行抽籤(A)(D)を受ける機会が全くないという状況を回避することができ、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。なお、図79(C)を参照すると、保証回数は、内部当籤役が「はずれ」の場合にも減算される。この点、「はずれ」の場合には保証回数を減算せずに、押し順ベルの場合にのみ保証回数を減算することとしてもよく、これにより、上述の効果がより明確になる。
<非表示中の演出玉の格上げ抽籤による効果>
ここで、パチスロ1では、黙示録が非作動中であっても、黙示録作動時にセットすることになる演出玉の管理を行う。具体的には、パチスロ1では、黙示録が非作動の状況においてサブRAM103に記憶されている演出玉(すなわち、非表示中の演出玉)の昇格抽籤を行う。この昇格抽籤を、目玉の役物である回転役物200の駆動と併せて行うことで、遊技者は、目玉が現れている期間、より有利な演出玉に昇格するように願って遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
また、パチスロ1では、昇格抽籤の結果に基づいて回転役物200の発光を制御するため、遊技者からすると、演出玉がより有利な演出玉に昇格したことについての期待感を回転役物200の色から推測することができる。その結果、有利になっていると推測できる場合には後の遊技を強い関心を持つことになるため、遊技者は、飽きることなく遊技を継続することができる。
<電源投入時の演出玉の管理>
また、パチスロ1では、電源が投入された時刻に基づいて、サブRAM103に記憶されている演出玉を新たな演出玉に書き換える。電源が投入された時刻からは、例えば、遊技店における営業前の時刻であることや、また、電源が切断された時刻と比較することで、翌日の営業前であることがわかる。そこで、電源が投入された時刻から、例えば、翌日の営業開始時であることが判断できた場合には、前日とは異なる演出玉を新たにセットすることで、演出玉から設定値の変更の有無が把握されてしまうことを防止でき、遊技者間の公平性を害することがない。一方で、電源が投入された時刻から、電源が一時的に切断されたに過ぎないと判断できた場合には、パチスロ1は、演出玉を書き換えることなく維持することで、電源切断前後において遊技機の状況を維持する。遊技者にとってみれば、自身にとって有利な演出玉が登録されている場合に電源を一時的に切断されたとしても、電源の再投入後に有利な演出玉が維持されることになるため、不満を感じることなく遊技を行うことができる。
また、パチスロ1では、演出玉を書き換える場合、新たにセットする演出玉を抽籤により決定する。設定値の変更の有無を把握困難にする方法として、翌日の電源投入時に演出玉を予め定められた初期状態の演出玉に書き換える方法も考えられるが、このような方法では、複数台の遊技機が設置されている場合に、遊技の多様性が薄れてしまう。そこで、パチスロ1では、新たにセットする演出玉を抽籤により決定することで、遊技の多様性を確保する。
<CZによる効果>
パチスロ1では、ARTのチャンスゾーンとして完走型のCZを備える。このCZでは、押し順ベル当籤時に行われるCZ途中の移行抽籤が維持されると終了してしまうものの、移行抽籤が行われたとしても押し順ベルに正解の押し順で停止操作が行われると、移行抽籤が無効になり、CZが継続する。このようなCZでは、押し順ベル当籤時だけでなく、CZ完走時にもARTへの移行抽籤を受けることができるため、仮に、CZ中に押し順ベルが全く当籤しない場合であっても遊技者にはART移行へのチャンスが与えられることになるため、CZ中の興趣を向上させることができる。
また、パチスロ1では、CZ完走時により有利な特典を付与(有利なARTに移行)することとしているため、遊技者は、押し順ベル当籤時に行われるCZ途中の移行抽籤が無効になることを望み、結果、表示される図柄の組合せに関心を抱くことになり、CZ中の各遊技における興趣を向上させることができる。また、遊技者にとってみれば、より有利なCZの完走を望むことになるため、CZ中の興趣を最後まで維持することができる。
また、パチスロ1では、CZ中に無効ポイントを付与し、この無効ポイントが残っている限りは、CZ途中の移行抽籤を無効にする。これにより、より有利なCZ完走時の移行抽籤を受ける機会を増加させることができ、CZ中の興趣を向上させることができる。
また、パチスロ1では、CZ途中の移行抽籤に当籤する期待度の異なる複数のCZモードを備え、CZ中の継続ゲーム数に応じてCZモードを格上げのみする。これにより、パチスロ1では、CZが継続するほどART移行の期待度が上がることになるため、遊技者は、CZ中に表示される図柄の組合せに強い関心を抱くことになり、CZ中の興趣を向上させることができる。
また、パチスロ1では、無効ポイントが残っている場合には、現在のCZモードを示唆又は報知する演出を行う。これにより、遊技者は、CZが継続した結果、どの程度まで有利になったかを把握又は推測することができ、CZ中の興趣を向上させることができる。なお、現在のCZモードを示唆又は報知する演出は、無効ポイントに関係なく行うこととしてもよい。すなわち、パチスロ1は、CZ_MAPに規定されたCZモード0からCAモード1に移行させるゲーム数と、現在までのCZの継続ゲーム数とを比較して所定の演出を行うこととしてもよい。
なお、CZ中の押し順ベル当籤時に行われるCZ途中の移行抽籤において当籤している場合には、押し順の正解の有無に関係なく、抽籤結果を維持することとしてもよい。そして、CZ途中の移行抽籤において当籤していることを維持した場合において、押し順に正解している場合、ARTの権利を抽籤結果に応じた数だけ付与したまま、CZを継続する。一方、CZ途中の移行抽籤において当籤していることを維持した場合において、押し順に不正解の場合には、CZ終了するものの、抽籤結果に基づいてARTの権利を付与する。
このようにすることで、CZ中にARTへの移行抽籤に複数回当籤することも期待できるようになり、本来当籤していたにも関わらず無効にしてしまう場合に感じさせてしまう不満を、遊技者に対して感じさせることがない。また、遊技者にとってみても、CZ途中の移行抽籤が行われた場合にCZが終了しないように停止操作を行うことができれば、その後、CZ途中の移行抽籤やCZ完走時の移行抽籤を更に受ける機会を得られることになるため、CZ中の停止操作に対して強い関心を抱くことになり、CZ中の遊技の興趣を向上させることができる。
<ボーナス状態中のBBモードによる効果>
パチスロ1では、ボーナス状態中のARTへの移行抽籤に当籤する期待度の異なる複数のBBモードを備え、ボーナス状態中に内部当籤役に基づいてBBモードを格上げさせていく。このようにボーナス状態中の内部当籤役に基づきARTへの移行抽籤に当籤する確率を変化させるため、遊技者は、ボーナス状態中の各遊技における内部当籤役に対して強い関心を抱くことになり、ボーナス状態中の興趣を高めることができる。
特に、パチスロ1では、移行抽籤に当籤する期待度の低いBBモードでは、多くの当籤役でBBモードを格上げする一方で、移行抽籤に当籤する期待度の高いBBモードでは、少ない種類の当籤役でしかBBモードを格上げすることができない。これにより、BBモードが格上げされるほど、上位のBBモードに格上げする当籤役の種類が減少するものの、BBモードが格上げされるほど、移行抽籤に当籤する期待度は上がるため、遊技状態が徐々に格上げされていく遊技形態を作り出すことができる。遊技者にとってみれば、ボーナス状態中の一度の遊技結果に対して関心を持つのではなく、ボーナス状態中の一連の遊技結果に対して関心を持つことになり、ボーナス状態中の興趣を高めることができる。
なお、BBモードの格上げは、1段階ずつのみ可能にしてもよく、複数段階を一度に格上げ可能にしてもよい。1段階ずつしか格上げできないように制御した場合には、複数段階を一度に格上げ可能にした場合に比べて、移行抽籤に当籤する期待度の低いBBモードに滞在中の期待度が下がり、当該BBモードから格上げさせ易くなるため、遊技状態が徐々に格上げされていく遊技形態を作りやすくなる。
また、パチスロ1では、ボーナス状態中では、JAC2系のリプレイ又はJAC3系のリプレイが内部当籤役として決定されると、内部当籤役として持ち越している持越役の種別に応じて、「チャンリプ」として扱う場合とリプレイとして扱う場合とがある(図96参照)。そして、「チャンリプ」として扱う場合にはBBモードを格上げし、「リプレイ」として扱う場合にはBBモードを格上げしない。これにより、ボーナス状態中の遊技を多様化することができ、ボーナス状態中の興趣を高めることができる。
<ボーナス終了後の敵決めARTの開始制御>
また、パチスロ1では、ボーナス状態中にJACINに係る役を内部当籤役として決定(持ち越し)すると高RT状態(RT4遊技状態)に移行し、JACINに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると低RT状態(RT2遊技状態)に移行する。このRT状態は、ボーナス状態が終了した後においても維持されるため、低RT状態でボーナス状態が終了してしまった場合には、ボーナス非当籤状態においても低RT状態となってしまう。
遊技者からすると、JACINに係る役に応じた図柄の組合せが表示されることを回避して停止操作を行えばよいものの、本実施形態に係るパチスロ1に関する知識の少ない遊技者は、必ずしもこのような停止操作を行うことができるとは限らず、当該遊技者が不利益を受けてしまう可能性もある。ここで、低RT状態である場合にARTを実行することなくARTの準備中とする制御もよく行われており、準備中の状態が続くと遊技者は不満を感じやすく、興趣が低下してしまうだけでなく、準備中の期間の分だけ時間効率が低下してしまう。遊技者が受ける不利益とは、例えば、このような準備中の興趣の低下や、時間効率の低下が考えられる。
この点、パチスロ1では、ARTに当籤している状態でボーナス状態が終了すると、RT遊技状態の種別に関係なく、ART(より詳細にはAT)を実行し、遊技者が受ける不利益を軽減する。具体的には、パチスロ1では、ART遊技状態として敵決めARTとバトルARTとを有し、敵決めARTの後に行うバトルARTにおいてART遊技状態の継続の判定を行い、敵決めART中は、味方キャラクタのHPの増加のようにART遊技状態の継続期待度を増加させる遊技を行う。そのため、ボーナス状態終了後の低RT状態においてARTを実行したとしても、まず、継続期待度を増加させるチャンス区間である敵決めARTを実行することができるため、準備中のような単調な遊技になることなく、興趣の低下(不利益)を軽減することができる。また、準備中の期間をそもそも設けないため、時間効率の低下が生じることもなく、遊技者が受ける不利益を軽減することができる。
<敵決めARTによる効果>
パチスロ1では、敵決めART中に黙示録にボス玉をセットしておき、押し順ベル当籤時にセットしたボス玉の種類によって、バトルARTで対戦する敵キャラクタを決定する。そして、バトルART中は、敵キャラクタの種類に応じて味方キャラクタのHPの減少量及び敵キャラクタのHPの減少量を変動させる。これにより、敵決めART中の遊技の結果がART遊技状態の継続の有無に影響を与えることになるため、ART遊技状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
また、パチスロ1では、敵キャラクタに対して攻撃力及び防御力の双方を設定しているため、味方キャラクタのHPの減少量と敵キャラクタのHPの減少量との双方を敵キャラクタ毎に個別に設定することができる。これにより、攻撃力及び防御力の双方が高い敵キャラクタや、いずれか一方のみが高い敵キャラクタ、双方が低い敵キャラクタのように様々なタイプの敵キャラクタを採用することができ、敵決めART中の遊技の結果に応じてバトルART中の遊技を多様化することができる。
また、パチスロ1では、敵キャラクタに対してスピードも設定しておき、バトルART中に敵キャラクタが攻撃する頻度を、敵キャラクタに対して設定したスピードに基づいて決定する。これにより、敵決めART中の遊技の結果に応じてバトルART中の遊技を更に多様化することができる。
また、パチスロ1では、敵決めART中に味方キャラクタのHPを上乗せする。これにより多くの上乗せが行われた場合には、バトルART中に味方キャラクタのHPが0になってしまうことを回避しやすくなり、ART遊技状態が継続することについての期待度が上昇することになる。その結果、バトルART中の遊技だけでなく、敵決めART中の遊技もART遊技状態の継続に影響を与えることになるため、ART遊技状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
なお、パチスロ1では、敵決めART中に味方キャラクタのHPが初期値未満になると、味方キャラクタのHPを初期値に設定する。これにより、その後のバトルARTにおいて味方キャラクタのHPは少なくとも初期値以上になるため、バトルART中に味方キャラクタのHPが直ぐに0になってしまうことを防止でき、結果、継続したART有利状態が直ぐに終了してしまうことを防止することができる。
また、パチスロ1では、敵決めART中の味方キャラクタのHPの上乗せを、内部当籤役として決定された当籤役の種別に応じて行う。これにより、例えば、レア役が内部当籤役として決定された場合には上乗せ量を多くすることができるため、レア役の無駄引きを生じさせることがなく、敵決めART中の興趣を向上させることができる。
また、パチスロ1では、敵決めART中にレア役が内部当籤役として決定されると、味方玉のストック抽籤を行い、ストック抽籤に当籤した場合に黙示録にセットされているボス玉を味方玉に書き換える。敵決めARTは、黙示録の領域113Aにボス玉がセットされている遊技におけるベル当籤で終了してしまうため、ボス玉が味方玉に書き換わることで、敵決めARTの継続が期待できるだけでなく、味方玉を契機とした味方キャラクタのHPの増加も期待できるため、結果、バトルARTの継続期待度も上昇する。この場合において、書き換える対象のボス玉からバトルARTの継続が確定しているボス玉7,8を除くことで、バトルARTがより継続し易くなり好適である。
また、パチスロ1では、敵決めART中に、黙示録にセットする演出玉を決定するたびに、演出玉を決定するためのボスMAPデータを規定するボスMAP(抽籤情報)を更新する。パチスロ1では、このボスMAPに天井機能を持たせておき、天井のボスMAPに到達した場合には、バトルARTの継続が確定しているボス玉7,8、又は味方キャラクタのHPを増加する味方玉のみを、黙示録にセットする演出玉として決定する。遊技者からすると、敵決めARTが長期にわたり継続すると、ボス玉7,8又は味方玉のみが黙示録にセットされることになるため、現在のボスMAPに対しても興味を持ち遊技を行うことになり、敵決めART中の遊技の興趣が向上する。
<バトルARTによる効果>
パチスロ1では、バトルART中に黙示録に敵玉や味方玉をセットしておき、押し順ベル当籤時にセットした演出玉の種類によって、敵キャラクタ又は味方キャラクタのHPを減少させる。そして、味方キャラクタのHPが0になる前に敵キャラクタのHPが0になるとARTを継続し、味方キャラクタのHPが先に0になるとARTを終了する。ここで、内部当籤役は遊技者の開始操作に応じて決定されるため、バトルART中の遊技に対して遊技者は積極的に参加することになり、遊技への意欲を向上させることができる。
また、押し順ベルに応じてHPを減少する対象は、黙示録にセットした演出玉に応じて異なる。ここで、黙示録には、複数先の遊技までの演出玉がセットされているため、遊技者は、セットされた演出玉を把握した上で遊技を行うことができ、遊技者側に有利なタイミングで押し順ベルの当籤を望むことになる。これにより、演出玉と遊技者の開始操作とを強く結びつけることができ、遊技者に緊張感を持った遊技を行わせることができるため、バトルART中の興趣を向上させることができる。
また、HPを減少する押し順役は、バトルART中の報知対象の当籤役であるため、押し順ベルが内部当籤役として決定されることは、バトルART中に付与される利益に影響を与えることになる。例えば、遊技機によっては、味方キャラクタのHPを減少する当籤役をリプレイとし、敵キャラクタのHPを減少する当籤役を押し順ベルとすることもできる。しかしながら、このような遊技機では、利益に影響を与える当籤役の当籤の有無が、ARTの継続に直結してしまい遊技が単調になってしまう。この点、パチスロ1のように、利益に影響を与える押し順ベルの当籤を、セットされている演出玉に応じて有利/不利なものにすることで、バトルART中の遊技性を多様化することができ、バトルART中の興趣を高めることができる。
なお、パチスロ1では、いわゆるレア役に当籤した場合には、セットされている演出玉に関わらず敵キャラクタのHPを減少する。これにより、レア役の無駄引きを防止することができ、また、遊技者はバトルART中にレア役が内部当籤役として決定されることについて期待することになり、バトルART中の興趣を高めることができる。
また、パチスロ1では、バトルART中に敵玉が4個連続してセットされている場合には、次に必ず味方玉をセットする。これにより、遊技者にとって不利な状況が長期間にわたって持続してしまうことを防止することができるため、遊技者は、バトルART中の遊技を安心して行うことができる。
<ART継続確定時のサウンド>
また、パチスロ1では、ARTの継続が確定している場合に、専用のサウンドを出力することで、遊技者に対してARTが継続することを報知する。このとき、ART中の曲を変更しただけでは遊技者が当該変更を把握できないことがあるため、パチスロ1では、曲の変更の前にART継続時にのみ出力される効果音(サイレン)を出力する。これにより、パチスロ1では、ARTが継続することを遊技者が認識し易くしている。
<ART中の役物制御>
パチスロ1では、ART中は、回転役物200を様々な態様で駆動することで、ART中に特有の演出を行い、ART中の遊技を盛り上げる。この場合において、パチスロ1は、ART中に遊技者が離席した場合に、回転役物200の駆動を中止し、回転役物200の可動部を初期位置に戻す(例えば、カバー部材198を閉じる)。これにより、回転役物200を用いてART中の遊技を盛り上げつつ、回転役物200が不要に消耗してしまうことを防止でき、結果、遊技機としての寿命を延ばすことができる。
<演出の切り替え>
パチスロ1では、パチスロ1における演出を、レイヤ切替型の演出と演出切替型の演出と、に分類し設定しき、停止操作などの遊技の進行や、所定の操作ボタン(例えば、チャンスボタン)の操作などを契機に、演出を切り替える。レイヤ切替型の演出は、画像のチラツキを抑えることに適しており、切り替え前後においてチラツキが発生し易く遊技者に不快感を与えるような演出をレイヤ切替型の演出として設定しておくことで、遊技者に不快感を与えてしまうことを防止できる。また、演出切替型の演出は、処理負荷が少なくて済むため、演出の切り替えに応じて処理落ちが生じてしまうことを防止できる。
また、パチスロ1では、チャンスボタンなどの遊技の進行には関係のない操作を遊技者に促し、促した所定の操作が行われた場合と行われない場合とで、切り替える演出を異ならせる。これにより、遊技性が多様化し、遊技の興趣が向上する。この場合においても、それぞれの演出に好ましい切り替え方法を設定しておくことで、遊技の進行に合わせて演出を適切に切り替えることができる。
<非演出画像呼び出し時のパネル制御>
パチスロ1では、液晶表示装置11の前面にいわゆるイルミアレイ(パネル装置400)を設け、液晶表示装置11の表示とパネル装置400の表示とを連動させた演出効果の高い演出を行うことができる。このとき、パネル装置400における演出表示中に、液晶表示装置11においてメニュー画面やエラー画面などの非演出画像が呼び出されると、パネル装置400における演出表示が非演出画像に被り、非演出画像の視認性が著しく低下してしまう。
そこで、パチスロ1では、パネル装置400における演出中に非演出画像の呼び出しが行われた場合に、パネル装置400を発光させるLED403の最終出力を抑止することで、非演出画像にパネル装置400における演出表示が被ってしまうことを防止する。このようにLED403の最終出力のみを抑止し、演出データの実行処理自体にエラー処理などの処理を加えることがないため、非演出画像の呼び出し時における処理を簡易化することができるとともに、バグの発生を少なくすることができる。
また、LED403の最終出力のみを抑止し、内部的にはLED403の発光アニメーションは継続しているため、非演出画像の表示が終了した場合に、パネル装置400における演出は途中から再開することになる。この場合においても、パネル装置400における演出の中断や再開の処理を加えることがないため、処理を簡易化することができるとともに、バグの発生を少なくすることができる。
<シーケンスエラー時の処理>
パチスロ1の副制御回路101は、主制御回路91から送信されるコマンドの順序が正常であるかチェックしておき、コマンドの順序が異常である場合に、所定のシーケンスエラー時処理を行う。副制御回路101側で遊技状態の一部を管理する場合には、副制御回路101側で遊技の進行に合わせて各種情報を適切に取得する必要があり、一部の情報を取得できない場合に、遊技者が不当な利益を得てしまうことがある。
そこで、パチスロ1では、シーケンスエラー発生時に、遊技者にとって有利な状態を強制的に終了することで、遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止する。具体的には、CZ中にベルこぼし目が表示されたことを副制御回路101側で把握できない場合、遊技者は、CZの継続という利益を不当に得てしまう。そこで、パチスロ1では、CZ中にシーケンスエラーが発生すると、CZを強制的に終了させ、不正行為によって遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止する。
また、パチスロ1では、高確率遊技状態中にベルこぼし目やRT1移行リプが表示されたことを副制御回路101側で把握できない場合、遊技者は、高確率遊技状態の継続という利益を不当に得てしまう。そこで、パチスロ1では、高確率遊技状態中にシーケンスエラーが発生すると、高確率遊技状態を強制的に終了させ、不正行為によって遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止する。
[第2実施形態]
以上、第1実施形態のパチスロ1について説明した。続いて、第2実施形態のパチスロ1について説明する。第2実施形態のパチスロ1では、敵決めART中にボーナス状態に移行した場合の制御について説明する。具体的には、敵決めART中に移行したボーナス状態が終了した後の、敵決めARTにおいて用いる演出玉の管理について説明する。
第2実施形態のパチスロ1では、敵決めART中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、サブRAM103に記憶されている演出玉を新たな演出玉に書き換える。ここで、書き換える対象の演出玉は、サブRAM103に記憶されている6個の演出玉の全てであってもよく、また、一部であってもよい。なお、一部の演出玉のみを書き換える場合には、ボス玉1〜8及び味方玉に対して優先順位をつけておき、優先順位に応じて書き換える対象の演出玉を決定することとしてもよい。また、書き換える対象の演出玉の数は、抽籤により決定することとしてもよい。すなわち、敵決めART中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、所定の抽籤を行い、6個の演出玉のうちのいくつの演出玉を書き換えるか決定することとしてもよい。
また、ボス玉7,8や味方玉は、遊技者にとって有利な演出玉であるため、これらの演出玉は書き換えることなく維持することとしてもよい。なお、ボス玉7,8や味方玉が、非表示中の演出玉(すなわち、サブRAM103の格納領域「6」に記憶された演出玉)である場合には、遊技者は把握することができず、書き換えたとしても遊技者が不満を感じることがないため、非表示中のボス玉7,8や味方玉は、新たな演出玉に書き換える対象としてもよい。
新たな演出玉は、ボスMAPを抽籤し、ボスMAPに規定されたボスMAPデータに基づいて決定することができる(図105〜図108参照)。ここで、上述したように、ボスMAPには天井機能が設けられており、ボスMAP「52」「53」まで更新されると、その後、ボス玉7,8や味方玉のみが演出玉として決定されることになる。第2実施形態のパチスロ1では、敵決めART中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合に、新たな演出玉を決定するためのボスMAPを有利なボスMAPに更新することとしてもよい。
すなわち、第2実施形態のパチスロ1では、敵決めART中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合に、当該敵決めART中に用いていたボスMAPを天井に近づくように更新することとしてもよい。具体的には、所定値まで更新されると天井に到達するボスMAPにおいて、敵決めART中に用いていたボスMAPに対して特定値を加算する態様が考えられる。例えば、敵決めART中に用いていたボスMAPがボスMAP「30」である場合に、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボスMAPに対して「10」を加算し、ボスMAP「40」に基づいて新たな演出玉を決定することとしてもよい。
また、他の具体例としては、敵決めART中に用いていたボスMAPに対して加算するのではなく、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合には、特定のボスMAPに更新することとしてもよい。例えば、敵決めART中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、敵決めART中に用いていたボスMAPに関わらず、一律でボスMAP「40」をセットし、新たな演出玉を決定することとしてもよい。もちろん、特定のボスMAPを一律にすることなく、例えば、敵決めART中に用いていたボスMAPが第1の範囲(例えば、ボスMAP「0」〜「10」)である場合には、第1特定のボスMAP(例えば、ボスMAP「20」)とし、敵決めART中に用いていたボスMAPが第2の範囲(例えば、ボスMAP「11」〜「20」)である場合には、第2特定のボスMAP(例えば、ボスMAP「30」)としてもよい。
このように第2実施形態のパチスロ1では、敵決めART中にボーナス状態に移行すると、サブRAM103に記憶されている演出玉を新たな演出玉に書き換える。すなわち、第2実施形態において、副制御回路101は、利益状態書換手段を構成し、敵決めART中にボーナス(BB)に係る役が内部当籤役として決定されると、サブRAM103に記憶されている6個の演出玉の全て又は一部を書き換える。
ART遊技状態は、演出玉に基づいて継続のし易さが管理されるため、ボーナス終了後の敵決めARTが新たな演出玉に基づいて進行することで、ART遊技状態の期間の制御を遊技性に富んだものにすることができる。この場合において、ボス玉7,8や味方玉のような遊技者にとって有利な演出玉は書き換えることなく維持することで、遊技者は、期待を持ってその後の遊技を行うことができ、遊技の興趣が向上する。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態のパチスロ1について説明する。第3実施形態のパチスロ1では、バトルART中の演出玉の決定方法について説明する。ここで、第1実施形態のパチスロ1では、バトルART中の対戦相手の敵キャラクタの種類に応じて演出玉(味方玉や敵玉)を決定することとしている(図113〜図115参照)。この点、第3実施形態のパチスロ1では、味方キャラクタの残りHPも加味して、演出玉を決定する。
図156は、対戦相手の敵キャラクタがボス1であり、味方キャラクタの残りHPが20以下である場合に参照されるバトルMAP抽籤テーブルであり、図157は、対戦相手の敵キャラクタがボス5であり、味方キャラクタの残りHPが10以下である場合に参照されるバトルMAP抽籤テーブルである。
第3実施形態のパチスロ1では、対戦相手の敵キャラクタがボス1である場合、味方キャラクタの残りHPが21以上である場合には、図113に示すバトルMAP抽籤テーブルが参照され、味方キャラクタの残りHPが20以下である場合には、図156に示すバトルMAP抽籤テーブルが参照される。同様に、対戦相手の敵キャラクタがボス5である場合、味方キャラクタの残りHPが11以上である場合には、図115に示すバトルMAP抽籤テーブルが参照され、味方キャラクタの残りHPが10以下である場合には、図157に示すバトルMAP抽籤テーブルが参照される。なお、その他のボスが対戦相手の敵キャラクタである場合のバトルMAP抽籤テーブルについては省略する。
図113と図156とを比較すると、対戦相手の敵キャラクタがボス1である場合であっても、味方キャラクタの残りHPに応じて、移行先のバトルMAPが抽籤される確率が異なることが分かる。より具体的には、図113に示す味方キャラクタの残りHPが多い場合に参照されるバトルMAP抽籤テーブルに比べて、図156に示す味方キャラクタの残りHPが少ない場合に参照されるバトルMAP抽籤テーブルは、移行先のバトルMAPとして「6」「7」「13」「14」「20」「21」「27」「28」が決定される確率が高い。
上述したように、バトルMAP「6」「7」「13」「14」「20」「21」「27」「28」は、演出玉として味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPであるため、第3実施形態のパチスロ1では、味方キャラクタの残りHPが少なくなるほど、味方キャラクタの攻撃頻度が上がることになる。なお、図115と図157とを比較すると、対戦相手の敵キャラクタがボス5である場合も同様に、味方キャラクタの残りHPが少なくなるほど、味方キャラクタの攻撃頻度が上がることになる。
一方で、図156と図157とを比較すると、味方キャラクタの攻撃頻度の上昇率、及び味方キャラクタの攻撃頻度が上がる契機となる味方キャラクタの残りHPは、対戦相手の敵キャラクタの種類によって異なる。
例えば、対戦相手の敵キャラクタがボス1であるの移行元バトルMAP「1」を参照すると、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPは、味方キャラクタの残りHPに応じて約60%〜約80%に上昇している。他方、対戦相手の敵キャラクタがボス5であるの移行元バトルMAP「1」を参照すると、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPは、味方キャラクタの残りHPに応じて約22%〜約48%に上昇している。そのため、対戦相手の敵キャラクタの種類によって味方キャラクタの攻撃頻度の上昇率が異なることが分かる。
また、図156に示すように、対戦相手の敵キャラクタがボス1である場合には、味方キャラクタの残りHPが20以下である場合にバトルMAP抽籤テーブルが変更され、図157に示すように、対戦相手の敵キャラクタがボス5である場合には、味方キャラクタの残りHPが10以下である場合にバトルMAP抽籤テーブルが変更される。そのため、対戦相手の敵キャラクタの種類によって、味方キャラクタの攻撃頻度が上がる契機となる味方キャラクタの残りHPが異なることが分かる。すなわち、第3実施形態において、副制御回路101は、確率変更手段を構成し、味方キャラクタのHPが変更閾値未満(例えば、対戦相手の敵キャラクタがボス1である場合はHP「20」以下、ボス5である場合はHP「10」以下)になるとMAP抽籤を変更し、味方キャラクタが攻撃する頻度を変更する。
このように第3実施形態のパチスロ1では、味方キャラクタの残りHPが減るほど、味方キャラクタの攻撃頻度を上げることができるため、ピンチからの逆転といった演出が可能になり、バトルART中の遊技を手に汗握るものにすることができる。その結果、ART遊技状態が継続するか否かの遊技性を多様化することができ、ART遊技状態の遊技の興趣が向上する。
また、味方キャラクタの攻撃頻度の上昇率、及び味方キャラクタの攻撃頻度が上がる契機となる味方キャラクタの残りHPを、敵キャラクタの種類によって異ならせることで、ART遊技状態が継続するか否かの遊技性を更に多様化することができ、ART遊技状態の遊技の興趣が向上する。
なお、図156及び図157に示す例では、味方キャラクタの攻撃頻度を上昇させる回数を一回のみ、言い換えると、味方キャラクタの攻撃頻度が上がる契機となる味方キャラクタの残りHPを、敵キャラクタ毎に1つのみ設定することとしているが、これに限られるものではない。具体的には、味方キャラクタのHPが第1値以下になると味方キャラクタの攻撃頻度を一段階上昇し、味方キャラクタのHPが第1値よりも少ない第2値以下になると味方キャラクタの攻撃頻度をもう一段階上昇するなどのように、味方キャラクタの攻撃頻度を複数回上昇させることとしてもよい。
この場合において、味方キャラクタの攻撃頻度を上昇させる回数を、敵キャラクタの種類によって異ならせることとしてもよい。このようにすることで、例えば、味方キャラクタのHPが減るにつれて、少しずつ味方キャラクタの攻撃頻度を上昇する敵キャラクタや、味方キャラクタのHPが残り僅かになると、味方キャラクタの攻撃頻度が急上昇する敵キャラクタを作り出すことができ、結果、ART遊技状態が継続するか否かの遊技性を更に多様化することができ、ART遊技状態の遊技の興趣が向上する。
[第4実施形態]
続いて、第4実施形態のパチスロ1について説明する。第4実施形態のパチスロ1では、ボーナス状態終了時の演出制御方法について説明する。第4実施形態のパチスロ1では、ボーナス状態が終了する可能性のある遊技の開始時にボーナス終了時用の演出をセットしておき、当該遊技の結果、実際にボーナス状態が終了した場合にボーナス終了時用の演出を実行する一方で、ボーナス状態が終了しない場合にはボーナス終了時用の演出をボーナス継続用の演出に書き換え、当該ボーナス継続用の演出を実行する。
図158は、第1実施形態のパチスロ1が実行するBB中ART抽籤処理(図145参照)の代わりに、第4実施形態のパチスロ1が実行するBB中ART抽籤処理の流れを示すフローチャートである。図158に示すBB中ART抽籤処理は、ボーナス状態中にスタートコマンドを受信した際に行われる(図139のS431参照)。
図145に示す第1実施形態のBB中ART抽籤処理と、図158に示す第4実施形態のBB中ART抽籤処理とを比較すると、第4実施形態のBB中ART抽籤処理のS601〜S604の処理は、第1実施形態のART抽籤処理のS501〜S504の処理と同一であるため、詳細な説明を省略する。
図158において、S604の処理に続いて、サブCPU102は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「9」以下であるか否かを判定する(S605)。ボーナス終了枚数カウンタの値が「9」以下である場合には(YES)、サブCPU102は、続いて、ボーナス終了時演出を登録し、BB中ART抽籤処理を終了する。反対に、ボーナス終了枚数カウンタの値が「9」以下ではない場合には(NO)、サブCPU102は、BB中ART抽籤処理を終了する。なお、ボーナス終了時演出とは、今回の遊技の終了時に行われる演出であり、例えば、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数や、ボーナス状態中に行うART抽籤の結果を報知する画面を表示する演出である。
ここで、パチスロ1では、ボーナス状態中の一遊技当たりの最大払出枚数が10枚であるため、ボーナス終了枚数カウンタの値が「9」以下である場合には、ボーナス状態が終了する可能性がある。S604、S605の処理は、ボーナス状態が終了する可能性のある遊技の開始時にボーナス終了時用の演出を登録しておく処理である。なお、ボーナス終了枚数カウンタは、サブ側で独自に管理することとしてもよく、また、メイン側で管理している情報(図124参照)を各種コマンドを介して取得することとしてもよい。
続いて、図159は、第1実施形態のパチスロ1が実行する入賞作動コマンド受信時処理(図149参照)の代わりに、第4実施形態のパチスロ1が実行する入賞作動コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。図159に示す入賞作動コマンド受信時処理は、メイン側から受信したコマンドが入賞作動コマンドである場合に行われる(図138のS408参照)。
図149に示す第1実施形態の入賞作動コマンド受信時処理と、図159に示す第4実施形態の入賞作動コマンド受信時処理とを比較すると、第4実施形態の入賞作動コマンド受信時処理のS611〜S618の処理は、第1実施形態の入賞作動コマンド受信時処理のS541〜S548の処理と同一であるため、詳細な説明を省略する。
図159において、S618の処理に続いて、サブCPU102は、BB中であるか否かを判定する(S619)。BB中である場合には(YES)、サブCPU102は、続いて、S160で後述するBB中演出制御処理を実行し(S620)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。他方、BB中でない場合には(NO)、サブCPU102は、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
続いて、図160は、第4実施形態のパチスロ1が実行するBB中演出制御処理の流れを示すフローチャートである。図160に示すBB中演出制御処理は、ボーナス状態中に入賞作動コマンドを受信した際に行われる(図159のS620参照)。
図160に示すように、初めに、サブCPU102は、ボーナス終了時演出が登録されているか否かを判定する(S631)。ボーナス終了時演出が登録されていない場合には(NO)、サブCPU102は、BB中演出制御処理を終了する。
他方、ボーナス終了時演出が登録されている場合には、サブCPU102は、続いて、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満であるか否かを判定する(S632)。ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満である場合には(YES)、続いて、サブCPU102は、登録されている演出(ボーナス終了時演出)を実行し(S634)、BB中演出制御処理を終了する。
他方、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満ではない場合には(NO)、サブCPU102は、登録されているボーナス終了時演出をボーナス継続演出に書き換え(S633)、続いて、書き換えたボーナス継続演出を実行し(S634)、BB中演出制御処理を終了する。
このように、第4実施形態のパチスロ1では、ボーナス状態が終了する可能性のある遊技の開始時に、ボーナス終了時用の演出を一度セットしておく一方で、当該遊技の結果に基づいて、遊技終了時に実行する演出を変更する。これにより、ボーナス状態が終了していないにもかかわらず終了時の演出を実行してしまうことを防止でき、結果、遊技者に対してボーナス状態の終了時を適切に報知することができる。すなわち、第4実施形態において、副制御回路101は、演出制御手段を構成し、ボーナス状態が終了する可能性がある遊技の開始時にボーナス終了時用の演出をセットするとともに、遊技結果(ボーナス終了枚数カウンタの値)に基づいて、遊技開始時にセットしたボーナス終了時演出を実行するか、ボーナス継続演出に書き換えてボーナス継続演出を実行するかを制御する。
また、ボーナス状態中に払い出されるメダルの枚数を多様化したとしても、ボーナス状態の終了時を適切に報知することができ、好適である。すなわち、遊技機によっては、ボーナス状態中に払い出されるメダルの枚数を固定にしておくことがある。このような遊技機では、ボーナス状態が終了するタイミングも固定になるため、誤って終了時の演出を実行することはないものの、ボーナス状態中の遊技が単調になってしまう。
この点、第4実施形態のパチスロ1では、ボーナス状態中に払い出されるメダルの枚数は、遊技の結果に応じて異なるため、ボーナス状態中の遊技が単調になってしまうことを防止しつつ、ボーナス状態の終了時を適切に報知することができる。
[変形例]
以上、本実施形態に係るパチスロ1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
上記実施形態のパチスロでは、黙示録に演出玉がセットされている場合、内部当籤役が「ベル入賞」以上、又は表示された図柄の組合せが「ベル当籤」以上であることを条件に、セットされている演出玉に基づく抽籤等を行うこととしている。この点、黙示録に演出玉がセットされている場合には、内部当籤役や表示された図柄の組合せに関わらず、演出玉に基づく抽籤等を行うこととしてもよい。このようなパチスロでは、黙示録にブランク(空)をセットする頻度を調整することで、遊技バランスを調整することができる。
上記実施形態のパチスロでは、副制御回路101が、有利状態(例えば、「ART状態」)への移行制御の管理、有利状態の継続期間の管理、及び有利状態中に行われる報知(ナビ)の管理を行っているが、これらの制御のうちの一又は全部を、主制御回路91において行うこととしてもよい。
なお、有利状態への移行制御としては、例えば、有利状態に移行させる/移行させないことに関する制御(移行抽籤)が挙げられる。また、例えば、有利状態への移行抽籤において当籤確率が異なる状態が複数設けられるパチスロ1の場合には、当該状態間の遷移に関する制御も、有利状態への移行制御に含むことができる。
また、有利状態の継続期間の管理は、上記実施形態の場合には、敵キャラクタ及び味方キャラクタのHPの増減に関する制御であり、その他のパチスロの場合には、例えば、有利状態の初期ゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ制御が挙げられる。また、例えば、有利状態が所定の確率で継続するパチスロ1の場合には、継続するか否かの抽籤も、有利状態の継続期間の管理に含むことができる。
なお、有利状態の継続期間としては、遊技機の仕様によって、有利状態中の単位遊技の回数、有利状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する回数、有利状態中に付与されたメダルの枚数、所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を1セットとする場合のセット数など任意の期間を含めることができる。
このとき、有利状態中に付与されたメダルの枚数については、同一の遊技において払い出されたメダルの枚数から遊技に用いたメダルの枚数を減算した純増枚数を用いることとしてもよい。また、有利状態中に付与されたメダルの枚数は、有利状態中に実際に増加したメダルに基づき算出することとしてもよく(実値による算出)、また、実際に増加したか否かに関わらず、ナビに従った場合に増加する予定のメダルの枚数に基づき算出することとしてもよい(理想値による算出)。また、内部当籤役の種別によって、有利状態中に付与されたメダルの枚数を増加しないこととしてもよい。例えば、内部当籤役として決定される確率が低い一部の役、あるいは、停止操作のタイミングに応じて図柄の組合せの表示/非表示が切り替わる役に関しては、当該役が内部当籤役として決定されたとしても、有利状態中に付与されたメダルの枚数の増減を行わないこととしてもよい。
また、有利状態中に行われる報知(ナビ)の管理とは、液晶表示装置11などにより遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する制御が挙げられる。
また、遊技者に報知する停止操作の態様としては、遊技者にとって有利な図柄の組合せが表示される停止操作の順序(押し順)であってもよく、また、当該図柄の組合せが表示されるために必要な停止操作のタイミング(狙うべき図柄)であってもよい。
また、有利な状態としては、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率は変化させることなく(又は遊技性に影響を与えない程度の範囲で変化させ)、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「AT」を用いることとしてもよく、また、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)を作動するとともに、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「ART」を用いることとしてもよい。
また、上記実施形態又は上記各種変形例のパチスロでは、主制御回路91が決定した内部当籤役に応じて所定確率で決定される演出、すなわち、一の内部当籤役に対して一又は複数の演出を行うこととしている。この点、主制御回路91が決定した内部当籤役に一意に対応する表示(告知)を、当該演出と合わせて行うこととしてもよい。具体的には、決定した内部当籤役に一対一対応する表示を、上述の7セグ表示器28や内部当籤役を表示するための図示しない表示部などにおいて行うこととしてもよい。なお、この内部当籤役の表示は、主制御回路91の制御のもとに行うことが好ましい。このように主制御回路91で決定した内部当籤役を、主制御回路91自身が告知することで、公平性を担保した遊技機を提供することができる。
[付記1]
付記1のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
また、近年では、所定の条件を契機として、メダルの投入を行うことなく遊技可能なリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT)の作動を行う遊技機も知られている。例えば、特許文献(特開2006−204875号公報)には、ボーナス状態が終了すると高確率再遊技状態を作動させる遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
特許文献の遊技機によればボーナス終了後に高確率再遊技状態が作動するため、ボーナス終了後にメダルを減らすことなく遊技を行うことができるものの、高確率再遊技状態がボーナス終了後に必ず発生するため、ボーナス中の遊技が単調になってしまうおそれがある。そのため、ボーナス終了後に高確率再遊技状態を作動する遊技機において、ボーナス中の遊技が単調にならない仕組みが求められている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、特別遊技状態中の遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、通常状態と、当該通常状態に比べて遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)とを含む複数の遊技状態に対応して設けられた内部抽籤テーブルと、所定の条件を契機として、遊技状態を切り換える切換手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、現在の遊技状態に対応する内部抽籤テーブルを参照して、複数の役の中から内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記特別遊技状態に対応して設けられた前記内部抽籤テーブルは、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役として決定されると、前記特別遊技状態の間、前記入賞判定手段により入賞したと判定されるまで内部当籤役として持ち越し可能な複数の持越役(例えば、F_JACIN1〜3)のいずれかを内部当籤役として決定可能に構成され、前記特別遊技状態において、前記複数の持越役のうちの第1持越役(例えば、F_JACIN1)が内部当籤役として持ち越されている場合に前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、F_J1上段7リプ〜F_J1クロス7リプ)が内部当籤役として決定されると特典(例えば、ARTの移行抽籤に当籤)を付与し、前記第1持越役とは異なる第2持越役(例えば、F_JACIN2)が内部当籤役として持ち越されている場合に前記所定役が内部当籤役として決定されると前記特典を付与しない特典付与手段(例えば、副制御回路101)、を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機は、特別遊技状態中に、複数の持越役のいずれかを内部当籤役として持ち越すことができる。そして、本発明に係る遊技機は、内部当籤役として所定役が決定された場合に、第1持越役を持ち越していると特典を付与し、第2持越役を持ち越していると特典を付与しない。これにより、所定役に内部当籤した場合であっても、持越役の種別に応じて特典を付与するか否かを異ならせることができるため、特別遊技状態中の遊技を多様化することができ、特別遊技状態中の遊技の興趣を高めることができる。
[付記2]
付記2のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、ART機能を備える遊技機では、有利状態への移行が決定されていない場合であっても遊技者の停止操作により高確率再遊技状態の作動が行われてしまうことがある。この点、特許文献(特開2010−233721号公報)には、有利状態への移行が決定されていない場合には高確率再遊技状態中に遊技者にとって有利な情報を報知せずに、高確率再遊技状態から通常状態に転落させる制御を行うことが記載されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ここで、有利状態への移行が決定されていない場合に高確率再遊技状態から通常状態に転落させる制御は、いわゆるペナルティとして用いられており、遊技者の停止操作により偶然、高確率再遊技状態の作動が行われた場合には、有利状態への移行抽籤自体を行わないことが一般的であった。
しかしながら、遊技状態が高確率再遊技状態であるにも関わらず、有利状態への移行抽籤を行わないのでは、特典が付与されていない高確率再遊技状態中(例えば、ART非当籤中のRT中)の面白みに欠けてしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、特典が付与されていない遊技の興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、再遊技に係るリプレイが内部当籤役として決定される確率が低い通常状態(例えば、RT0遊技状態又はRT1遊技状態)と前記リプレイが内部当籤役として決定される確率が前記通常状態よりも高い高RT状態(例えば、RT4遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、RT4移行リプ)又は第2の図柄組合せ(例えば、RT1移行リプ)が停止表示可能な第1押し順役(例えば、押し順リプ)と、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第3の図柄組合せ(例えば、ベルこぼし目)又は第4の図柄組合せ(例えば、押し順正解時に表示される図柄の組合せ)が停止表示可能な第2押し順役(例えば、押し順ベル)とを含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたことに基づいて、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定する判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記通常状態中に、前記判定手段により前記第1押し順役に応じた前記第1の図柄組合せ及び前記第2の図柄組合せのうちの前記第1の図柄組合せが停止したと判定されると、前記通常状態から前記高RT状態に遊技状態を移行させるRT開始手段(例えば、主制御回路91)と、前記高RT状態中に、前記判定手段により前記第2押し順役に応じた前記第3の図柄組合せ及び前記第4の図柄組合せのうちの前記第3の図柄組合せが停止したと判定されると、前記高RT状態から前記通常状態に遊技状態を移行させ、前記第4の図柄組合せが停止したと判定されると、前記高RT状態を維持するRT終了手段(例えば、主制御回路91)と、前記通常状態又は前記高RT状態中に行われる所定の抽籤(例えば、ARTへの移行抽籤)に当籤すると、遊技に関する演出状態を、有利な停止操作の情報を報知する特定演出状態(例えば、ART遊技状態)に移行させる特定演出状態移行手段(例えば、副制御回路101)と、前記所定の抽籤に非当籤の状態で前記RT開始手段が遊技状態を前記高RT状態に移行させると、前記第2押し順役が内部当籤役として決定された場合に前記第4の図柄組合せを停止するために必要な停止操作の情報(例えば、押し順ベルに正解の押し順)を報知する報知回数(例えば、保証回数)を決定する報知回数決定手段(例えば、副制御回路101)と、前記特定演出状態移行手段が前記特定演出状態に移行させると、前記通常状態中に前記第1押し順役が内部当籤役として決定された場合に前記第1の図柄組合せを停止するために必要な停止操作の情報を報知するとともに、前記高RT状態中に有利な停止操作の情報を報知し、また、前記所定の抽籤に非当籤の前記高RT状態中に前記第2押し順役が内部当籤役として決定されると前記報知回数決定手段が決定した前記報知回数に限り有利な停止操作の情報を報知する報知手段(例えば、副制御回路101、液晶表示装置11)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、再遊技に係るリプレイが内部当籤役として決定される確率が低い通常状態とリプレイが内部当籤役として決定される確率が高い高RT状態とを有し、高RT状態中の特定演出状態において有利な停止操作の情報を報知することで、遊技者にとって有利な遊技状態(いわゆるART)を実現することができる。ここで、特定演出状態への移行は、通常状態中に行われる所定の抽籤だけでなく、高RT状態中に行われる所定の抽籤に当籤することで行われるため、所定の抽籤に当籤していない状態で高RT状態に移行した場合であっても、その後、特定演出状態への移行が期待できる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、所定の抽籤に当籤していない高RT状態を、有利な遊技状態(いわゆるART)への移行チャンス区間にすることができ、特典が付与されていない(所定の抽籤に当籤していない)高RT状態中の興趣を高めることができる。
また、高RT状態中に所定の抽籤を行うため、通常状態中の停止操作に対する戦略性が増し、通常状態中の興趣も高めることができる。すなわち、従来の遊技機のように、特典が付与されていない高RT状態中にペナルティを課す遊技性では、通常状態中の停止操作が単純(例えば、ペナルティを受けないように第1停止操作を左リールに対して行わなければならないなど)になってしまう。この点、本発明に係る遊技機では、高RT状態中にペナルティを課さずに所定の抽籤を行うため、遊技者は、通常状態中に自由に停止操作を行うことができ、通常状態中の遊技性だけでなく操作性も高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、高RT状態中に第2押し順役に応じた第3の図柄組合せが停止すると、高RT状態を終了し通常状態に遊技状態を移行させるが、所定の抽籤に当籤していない状態で高RT状態に移行すると、有利な停止操作の情報(例えば、第2押し順役が内部当籤役として決定された場合に第4の図柄組合せを停止するために必要な停止操作の情報)を所定回数だけ報知する。これにより、遊技者の停止操作により、偶然、高RT状態に移行した場合に、直ちに高RT状態から通常状態に移行してしまうことがなく、リプレイの当籤確率が高い状態で所定の抽籤を受けることができる。
[付記3]
付記3のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、ART機能を備える遊技機では、ART状態への移行の期待度が高いチャンスゾーンを設け、このチャンスゾーン中に特定の条件を満たすと高確率でART状態に移行させる制御を行うこととしている。例えば、特許文献(特開2013−048945号公報)には、チャンスゾーン(CZ)中に特定の図柄組合せ(RT作動図柄1)を狙わせ、特定の図柄組合せが表示されると、リプレイが内部当籤役として確率が高い高RTに移行する制御を行う遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような特許文献の遊技機では、チャンスゾーン中の遊技者の関心は、特定の図柄組合せが表示されるか否かに集中することになる。ところで、特定の図柄組合せが表示されるか否かは、内部抽籤の結果に左右されることになるため、遊技者によっては、チャンスゾーン中に特定の図柄組合せが表示される可能性のある機会を一度も得られない、又は当該可能性のある機会が著しく少ない場合がある。このような場合、遊技者にとってみれば、せっかくチャンスゾーンに移行したにも関わらず、何らのチャンスも得られないことになり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な有利状態への移行契機となる所定の期間中における遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、押し順正解時に表示される図柄の組合せ)又は第2の図柄組合せ(例えば、ベルこぼし目)が停止表示可能な押し順役(例えば、押し順ベル)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、前記有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(例えば、CZ)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤状態において前記内部当籤役決定手段により前記押し順役が内部当籤役として決定されると前記有利状態に移行させることを所定確率で決定する第1移行抽籤(例えば、CZ途中で行うARTへの移行抽籤)を行い、前記有利状態抽籤状態において所定数の単位遊技(例えば、30ゲーム)が経過すると前記有利状態に移行させることを特定確率で決定する第2移行抽籤(例えば、CZ完走時に行うARTへの移行抽籤)を行う有利状態抽籤手段(例えば、副制御回路101)と、前記第1移行抽籤を行った単位遊技において前記有効ライン上に前記第1の図柄組合せが表示されると、前記有利状態への移行抽籤結果に関わらず前記第1移行抽籤を無効にし、当該単位遊技において前記有効ライン上に前記第2の図柄組合せが表示されると、前記第1移行抽籤の抽籤結果を維持する抽籤結果管理手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤状態において、前記第1移行抽籤が行われ、かつ、前記抽籤結果管理手段により当該第1移行抽籤の抽籤結果が維持されると、又は、前記所定数の単位遊技が経過すると、前記有利状態抽籤状態を終了する抽籤状態終了手段(例えば、副制御回路101)と、前記第1移行抽籤又は前記第2移行抽籤により前記有利状態に移行させることが決定されると、遊技を行う状態を前記有利状態に移行させる有利状態移行手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記有利状態移行手段は、前記第2移行抽籤により前記有利状態に移行させることが決定されると、前記第1移行抽籤により前記有利状態に移行させることが決定される場合よりも有利な有利状態(例えば、より有利なART状態のART遊技状態)に移行させることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、遊技者にとって有利な有利状態への移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(チャンスゾーン)では、押し順役が内部当籤役として決定されることを契機として第1移行抽籤を行う。そして、この有利状態抽籤状態は、第1移行抽籤が行われ、かつ、当該第1移行抽籤の抽籤結果が維持されること、又は、所定数の単位遊技が経過すると終了する。このように内部当籤役に基づいて有利状態への移行抽籤を行う遊技機では、遊技者によっては有利状態抽籤状態中に第1移行抽籤を全く受けることができない場合があるが、本発明に係る遊技機では、有利状態抽籤状態において所定数の単位遊技が経過すると第2移行抽籤を行う。これにより、有利状態抽籤状態において押し順役が内部当籤役として決定されない場合であっても有利状態への移行抽籤を必ず受けることができるため、有利状態抽籤状態中の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機によれば、押し順役が内部当籤役として決定されると第1抽籤を行うが、停止操作の結果、第1の図柄組合せが表示されると第1移行抽籤の結果を無効にし、反対に、第2の図柄組合せが表示されると第1移行抽籤の結果を維持する。このような制御によれば、遊技者は、押し順役が内部当籤役として決定された遊技において表示される図柄組合せにも関心を抱くことになるため、有利状態抽籤状態中の各遊技における興趣を向上させることができる。特に、本発明に係る遊技機では、第2移行抽籤を経て移行する有利状態は、第1移行抽籤を経て移行する有利状態よりも有利な有利状態であるため、遊技者は、第2の図柄組合せが表示(第1移行抽籤が維持され有利状態抽籤状態が終了)されることなく所定数の単位遊技が経過することを望むことになり、有利状態抽籤状態における興趣を最後まで維持することができる。
[付記4]
付記4のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
また、有利状態(ART)への移行契機を多様化する工夫もこれまで多くなされてきており、例えば、特許文献(特開2003−126369号公報)には、ボーナス中に特定役(BB中7揃い)に内部当籤すると、ボーナス終了後に有利状態に移行する遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、所定期間中(ボーナス中)の一度の内部抽籤結果に基づいて有利状態への移行抽籤を行うため、遊技が単調になりやすく、有利状態への移行に関する期待感が抱きにくいという問題があった。また、有利状態に移行する契機となる特定役は当籤確率が低く抑えられてしまうことが一般的であるため、所定期間中に当籤する期待を持つことができず、有利状態への移行契機となる所定期間の遊技の興趣を損ねてしまうおそれもある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な有利状態への移行契機となる所定の期間中における遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件(例えば、BBの作動)を契機として、前記有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(例えば、ボーナス状態)を開始し、前記有利状態抽籤状態における特定の条件(例えば、59枚のメダルが払い出されること)を契機として、当該有利状態抽籤状態を終了する遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記遊技状態制御手段が前記有利状態抽籤状態を終了すると、前記有利状態に移行させるか否かを抽籤する有利状態抽籤手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤手段の抽籤に当籤すると、前記遊技を行う状態を前記有利状態に移行させる有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記有利状態抽籤状態は、前記有利状態抽籤手段による前記移行抽籤に当籤する確率が最も低い第1抽籤状態(例えば、BBモード0)、前記確率が前記第1抽籤状態よりも高い第2抽籤状態(例えば、BBモード1)、及び前記確率が前記第1抽籤状態と前記第2抽籤状態とよりも高い第3抽籤状態(例えば、BBモード2)を含む複数の抽籤状態(例えば、BBモード)を有し、前記有利状態抽籤状態において、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役に基づいて、複数の前記抽籤状態を遷移させる抽籤状態遷移手段(例えば、副制御回路101)を更に備え、前記抽籤状態遷移手段は、前記第1抽籤状態において前記複数の役のうちの第1役及び第2役を含む第1数の役のいずれか内部当籤役として決定されると、前記第1抽籤状態から前記第2抽籤状態に前記抽籤状態を遷移し、前記第2抽籤状態において前記複数の役のうちの前記第1役を含み前記第2役を含まない第1数よりも少ない第2数のいずれかが内部当籤役として決定されると、前記第2抽籤状態から前記第3抽籤状態に前記抽籤状態を遷移することを特徴とする遊技機。
本発明に係る遊技機では、有利状態抽籤状態の終了時に有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う。このとき、本発明に係る遊技機では、移行抽籤に当籤する確率が異なる第1抽籤状態、第2抽籤状態及び第3抽籤状態を含む複数の抽籤状態を有し、有利状態抽籤状態中の内部当籤役に基づいて複数の抽籤状態を遷移させる。これにより、内部当籤役に基づき移行抽籤に当籤する確率を変化させることができるため、遊技者は、有利状態抽籤状態中の各遊技における内部当籤役に対して強い関心を抱くことになり、有利状態抽籤状態中の興趣を高めることができる。
特に、本発明に係る遊技機では、第1抽籤状態から移行抽籤に当籤する確率がより高い第2抽籤状態へは、第1役及び第2役を含む第1数の役のいずれか内部当籤役として決定されると遷移し、第2抽籤状態から移行抽籤に当籤する確率がより高い第3抽籤状態へは、第1役を含み第2役を含まない第1数よりも少ない第2数の役のいずれか内部当籤役として決定されると遷移する。これにより、抽籤状態が遷移するほどより上位の抽籤状態に遷移する契機となる役の種類が減少することになるものの、抽籤状態の遷移に伴い移行抽籤に当籤する確率も上がっているため、遊技状態が徐々に格上げされていく遊技形態を作り出すことができる。遊技者にとってみれば、有利状態抽籤状態中の一度の内部抽籤結果に対して関心を持つのではなく、有利状態抽籤状態中の一連の内部抽籤結果に対して関心を持つことになり、有利状態抽籤状態中の興趣を高めることができる。
[付記5]
付記5のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、有利状態中の遊技は単調になりやすいため、近年では、有利状態中の遊技性を多様化する試みが広く行われている。例えば、特許文献(特開2005−152165号公報)には、所定の条件が成立したことを契機にフリーゲームを行い、このフリーゲームの結果として停止表示された戦闘機図柄の個数を、液晶ディスプレイ上で演出表示されるシューティングゲームの遊技者側の戦闘機の残機数にすることで、演出や払い出し形態に多様性を持たせた遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、フリーゲームや演出(シューティングゲーム)が遊技機側の制御により自動的に進行する構成であるため、遊技者による遊技の進行を演出内容に反映させることができず、遊技に対して遊技者が能動的に参加することができなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者を遊技に対して積極的に参加させることで、有利状態中の遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態のバトルART)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態において所定役(例えば、押し順ベル)が内部当籤役として決定されると、遊技者にとって有利な停止操作の情報(例えば、払い出し枚数の多い図柄の組合せを表示させるための情報)を報知する報知手段(例えば、副制御回路101、液晶表示装置11)と、前記有利状態の開始に先立って、第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)及び第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)を決定する数値決定手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する(例えば、液晶表示装置11に表示される黙示録にセットする)演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第1演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において前記所定役が内部当籤役として決定されると、前記第1数値情報から第1所定値を減算し、また、前記演出情報として第2演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において前記所定役が内部当籤役として決定されると、前記第2数値情報から第2所定値を減算する数値更新手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値更新手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了させ、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記有利状態を新たに開始する有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態中は演出情報及び内部当籤役に基づき第1数値情報や第2数値情報を減算していき、第1数値情報が閾値未満になる前に第2数値情報を閾値未満にすることができた場合には、有利状態を継続させる。ここで、内部当籤役は遊技者の開始操作に応じて決定されるため、有利状態中の遊技に対して遊技者は積極的に参加することになり、遊技への意欲を向上させることができる。
また、所定役が内部当籤役として決定された場合であっても、当該遊技において登録されている演出情報に応じて、減算される対象(第1数値情報又は第2数値情報)が異なる。遊技者にとってみれば、第1演出情報が登録されている状態では第1数値情報が減算されてしまうため、所定役の当籤を望まず、反対に、第2演出情報が登録されている場合には所定役の当籤を望むことになる。ここで、演出情報は、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して登録するため、遊技者は、予め登録された演出情報を把握した上で遊技を行うことができ、遊技者側に有利なタイミング(第2演出情報が登録)での所定役の当籤を望むことになる。これにより、登録されている演出情報と遊技者の開始操作とを強く結びつけることができ、遊技者に緊張感を持った遊技を行わせることができるため、有利状態中の興趣を向上させることができる。
また、第1数値情報又は第2数値情報を減算する所定役は、報知対象の役であるため、所定役が内部当籤役として決定されることは、有利状態中に付与される利益に影響を与えることになる。例えば、遊技機によっては、第1数値情報を減算する対象の役を利益に影響を与えない第1役(リプレイなど)とし、第2数値情報を減算する対象の役を利益に影響を与える第2役(ベルなど)とすることも考えられる。このような遊技機では、利益に影響を与える第2役の当籤の有無が、有利状態の継続に直結してしまい遊技が単調になってしまう。この点、本発明に係る遊技機のように、利益に影響を与える所定役の当籤を、登録されている演出情報に応じて有利/不利なものにすることで、有利状態中の遊技性を多様化することができ、有利状態中の興趣を高めることができる。
[付記6]
付記6のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、遊技状態を複数備える遊技機では、スイカやチェリーなどのいわゆるレア役と呼ばれる役の当籤又は入賞に基づいて遊技状態の移行を行うことが一般的である。例えば、特許文献(特開2013−048945号公報)には、チェリー1,2,3が内部当籤役として決定された際に表示されるRT作動図柄1,2が所定の期間中に表示されることで、遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態に移行させることが開示されている。ここで、内部当籤役は遊技者の開始操作に応じて決定されるため、特許文献のように内部抽籤の結果に基づいて遊技状態を移行させることで、遊技者の操作を遊技の結果に反映させることができ、遊技者が遊技に対して積極的に参加している遊技性を実現することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、スイカやチェリーなどのいわゆるレア役は当籤確率が低いため、特許文献の遊技機のようにレア役の当籤の有無に応じて遊技状態を移行させる場合、遊技者によっては期間中に一度もチャンスを得られない可能性もあり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
一方、遊技者の操作に関係なく遊技状態を移行させる遊技性も考えられるが、このような遊技機では、遊技者の操作に応じて遊技を進行するというパチスロ機の本来の遊技性から離れて、付与する利益に影響を与える決定を行うことになってしまうため、パチスロ機としての適性を欠き、遊技の公平性を害してしまうおそれもあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技の結果と関連付けつつ、遊技性に富んだ遊技状態の移行が可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)と前記通常状態に比べて前記有利状態に移行する確率の高いチャンスゾーン(例えば、CZ)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、押し順正解時に表示される図柄の組合せ)又は第2の図柄組合せ(例えば、押し順不正解時に表示される図柄の組合せ)が停止表示可能な押し順役(例えば、押し順ベル)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記通常状態において所定の条件(例えば、黙示録抽籤に当籤)を満たすと、前記チャンスゾーンへの移行抽籤を行うCZ抽籤状態(例えば、黙示録作動中の通常遊技状態)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記CZ抽籤状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、抽籤玉1〜4及び確定玉などの演出玉)を登録する演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報が登録されている遊技において前記有効ライン上に前記第1の図柄組合せが表示されると、当該遊技に対して登録されている演出情報に応じた確率で前記チャンスゾーンへの移行抽籤を行うCZ抽籤手段(例えば、副制御回路101、図72のリール停止時ART抽籤テーブル)と、前記CZ抽籤手段の移行抽籤の結果に基づいて、遊技状態を前記チャンスゾーンに移行させる遊技状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記CZ抽籤状態中に、内部当籤役として前記押し順役が所定回数決定されると(例えば、保証回数が0になると)前記CZ抽籤状態を終了する抽籤状態終了手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、現遊技を含む所定回数分の遊技に対して予め登録された演出情報に基づいて、CZ抽籤状態からチャンスゾーンに遊技状態を移行させる。ここで、演出情報は、遊技者の操作とは関係なく登録されるため、単に演出情報に基づいて遊技状態を移行させたのでは、遊技機としての適性を欠き、遊技の公平性を害してしまうおそれがある。この点、本発明に係る遊技機では、遊技毎に登録された演出情報だけでなく、当該遊技において表示された図柄の組合せも加味して、遊技状態を移行させる。これにより、遊技状態の移行に対して遊技者の操作を介在させることができ、遊技の公平性を担保することができる。
ここで、遊技状態を移行させる契機となる第1の図柄組合せは、押し順役が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せであるため、上述したレア役を遊技状態の移行契機とする場合に比べて遊技者に対して遊技状態移行に関する期待感を抱く機会を多く与えることができる。すなわち、内部当籤役として当籤することだけでなく停止操作の順序も要求する第1の図柄組合せでは、レア役に比べて当籤確率を上げて設定することができるため、期待感を抱く機会(押し順役が内部当籤役として決定)を多く与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機では、遊技状態の移行抽籤は、第1の図柄組合せが表示された遊技に対して登録されている演出情報に応じた確率で行われるため、遊技者の操作に伴う遊技の結果と関連付けつつ、多様な態様で遊技状態の移行を行うことができる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、遊技の結果と関連付けつつ、遊技性に富んだ態様で遊技状態の移行を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機では、CZ抽籤状態中に、内部当籤役として押し順役が所定回数決定されるとCZ抽籤状態を終了する。このように遊技状態の移行契機となる押し順役をCZ抽籤状態の終了条件にも用いることで、CZ抽籤状態中に遊技者には移行抽籤を受ける機会が所定回数だけ与えられることになる。その結果、遊技者は、移行抽籤を受ける機会が全くない状況になることを回避することができ、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[付記7]
付記7のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、ART機能を備える遊技機では、ART状態への移行の期待度が高いチャンスゾーンを設け、このチャンスゾーン中に特定の条件を満たすと高確率でART状態に移行させる制御を行うこととしている。例えば、特許文献(特開2013−048945号公報)には、チャンスゾーン(CZ)中に特定の図柄組合せ(RT作動図柄1)を狙わせ、特定の図柄組合せが表示されると、リプレイが内部当籤役として確率が高い高RTに移行する制御を行う遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような特許文献の遊技機では、チャンスゾーン中の遊技者の関心は、特定の図柄組合せが表示されるか否かに集中することになる。ところで、特定の図柄組合せが表示されるか否かは、内部抽籤の結果に左右されることになるため、遊技者によっては、チャンスゾーン中に特定の図柄組合せが表示される可能性のある機会を一度も得られない、又は当該可能性のある機会が著しく少ない場合がある。このような場合、遊技者にとってみれば、せっかくチャンスゾーンに移行したにも関わらず、何らのチャンスも得られないことになり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な有利状態への移行契機となる所定の期間中における遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、前記有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(例えば、CZ)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記移行抽籤において前記有利状態に移行させることを決定する確率を規定する当籤モード(例えば、CZモード)を、前記有利状態抽籤状態において経過した単位遊技の回数に基づいて移行させるモード移行手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤状態において前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、押し順ベル)が内部当籤役として決定されると、現在の前記当籤モードに基づいて前記移行抽籤を行う有利状態抽籤手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤手段により前記移行抽籤が行われると、前記有利状態抽籤状態を終了する抽籤状態終了手段(例えば、副制御回路101)と、前記移行抽籤により前記有利状態に移行させることが決定されると、遊技を行う状態を前記有利状態に移行させる有利状態移行手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記モード移行手段は、前記有利状態抽籤状態において経過した単位遊技の回数に基づいて、前記確率が最も低い第1モード(例えば、CZモード0)から当該第1モードよりも前記確率が高い第2モード(例えば、CZモード1)に移行させ、かつ、前記有利状態抽籤状態において経過した単位遊技の回数が所定回数(例えば、30回)に達すると前記確率が最も高い第3モード(例えば、CZモード2)に移行させ、前記抽籤状態開始手段が前記有利状態抽籤状態を開始すると、前記モード移行手段が前記第1モードから前記第2モードに移行させる単位遊技の回数を決定する移行時期決定手段(例えば、CZ_MAP、副制御回路101)、を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、遊技者にとって有利な有利状態への移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(チャンスゾーン)では、所定役が内部当籤役として決定されることを契機として移行抽籤を行い、移行抽籤が行うと有利状態抽籤状態を終了する。ここで、内部当籤役に基づいて有利状態への移行抽籤を行う遊技機では、遊技者によっては有利状態抽籤状態中に移行抽籤を全く受けることができない場合があるが、本発明に係る遊技機では、有利状態抽籤状態が継続するほど移行抽籤に当籤する確率を規定する当籤モードが上がり移行抽籤に当籤し易くなる。このような遊技機では従来の遊技機とは反対に、有利状態抽籤状態中に所定役が内部当籤役として決定されないことが、遊技者にとって有利になり、有利状態抽籤状態中の遊技を従来にない遊技性にすることができ、有利状態抽籤状態中の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機によれば、有利状態抽籤状態が開始すると、当籤モードを第1モードから第2モードに移行させる単位遊技の回数を決定する。これにより、当籤モードが遊技者にとって有利なモードに上がるタイミングが、有利状態抽籤状態毎に異なることになるため、有利状態抽籤状態中の遊技を多様化することができ、有利状態抽籤状態中の興趣を向上させることができる。
[付記8]
付記8のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。
そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる遊技機が開示されている。この遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部当籤役に基づいてATゲーム数を増加させるだけであるため、遊技性が単調になり易く、ATやARTが継続することに対する遊技者の期待感は、ある一回の遊技にのみ集中し、遊技者の期待感を持続させることができなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利状態(ATやARTなど)が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、第1有利状態(例えば、敵決めART)及び当該第1有利状態に続いて行われる第2有利状態(例えば、バトルART)を含む前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記第1有利状態における遊技の進行を制御する第1有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記第2有利状態における遊技の進行を制御する第2有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第1有利状態制御手段は、前記第1有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第1演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として複数種類の第1演出情報(例えば、ボス玉1〜8)のうちのいずれかが登録されている遊技において前記第1有利状態を終了し、前記第2有利状態を開始する第2有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第2有利状態制御手段は、前記第2有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第2演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第2演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)から、前記第1有利状態終了時に登録されていた前記第1演出情報の種類(例えば、敵キャラクタの攻撃力)に応じた第1数値を減算し、また、前記演出情報として第3演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)から、前記第1有利状態終了時に登録されていた前記第1演出情報の種類(例えば、敵キャラクタの防御力)に応じた第2数値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了し、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記第1有利状態を新たに開始する有利状態継続判定手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態は、第1数値情報が閾値未満になると終了し、第1数値情報が閾値未満になる前に第2数値情報が閾値未満になると継続する。ここで、第1数値情報及び第2数値情報の減算は、第2有利状態中の遊技毎に登録された演出情報に基づいて行われるため、有利状態が継続するか否かは複数回の遊技の遊技結果に応じて異なることになる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
また、数値情報を減算する演出情報は、現遊技だけでなく現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して予め登録される。遊技者にとってみれば、複数回先の遊技まで予め登録された演出情報の内容からその後の遊技の流れを把握することができ、現遊技だけでなくその後の遊技にも興味を抱くことになるため、有利状態中の興趣を向上させることができる。
このとき、本発明に係る遊技機では、第1有利状態終了時に登録されていた第1演出情報の種類に応じて数値情報の減算量を異ならせることとしている。これにより、第2有利状態だけでなく第1有利状態中の遊技の結果も有利状態の継続の有無に影響を与えることになるため、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。また、第1数値情報の減算量(第1数値)と第2数値の減算量(第2数値)とを別々に定めることで、例えば、第1数値情報及び第2数値情報の減算量をともに多い/少ない状態にすることや、第1数値情報の減算量は多く/少なく、反対に第2数値情報の減算量は少ない/多い状態にすることができ、第2有利状態中の遊技を多様化することができる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、有利状態中の興趣を向上させることができる。
[付記9]
付記9のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。
そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる遊技機が開示されている。この遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部当籤役に基づいてATゲーム数を増加させるだけであるため、遊技性が単調になり易く、ATやARTが継続することに対する遊技者の期待感は、ある一回の遊技にのみ集中し、遊技者の期待感を持続させることができなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利状態(ATやARTなど)が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、第1有利状態(例えば、敵決めART)及び当該第1有利状態に続いて行われる第2有利状態(例えば、バトルART)を含む前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記第1有利状態における遊技の進行を制御する第1有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記第2有利状態における遊技の進行を制御する第2有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第1有利状態制御手段は、前記第1有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第1演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第1演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)に所定数を加算する数値加算手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第2演出情報(例えば、ボス玉)が登録されている遊技において前記第1有利状態を終了し、前記第2有利状態を開始する第2有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第2有利状態制御手段は、前記第2有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第2演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第3演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において前記第1数値情報から第1所定値を減算し、また、前記演出情報として第4演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)から第2所定値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了し、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記第1有利状態を新たに開始する有利状態継続判定手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態は、第1数値情報が閾値未満になると終了し、第1数値情報が閾値未満になる前に第2数値情報が閾値未満になると継続する。ここで、第1数値情報及び第2数値情報の減算は、第2有利状態中の遊技毎に登録された演出情報に基づいて行われるため、有利状態が継続するか否かは複数回の遊技の遊技結果に応じて異なることになる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
また、数値情報を減算する演出情報は、現遊技だけでなく現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して予め登録される。遊技者にとってみれば、複数回先の遊技まで予め登録された演出情報の内容からその後の遊技の流れを把握することができ、現遊技だけでなくその後の遊技にも興味を抱くことになるため、有利状態中の興趣を向上させることができる。
このとき、本発明に係る遊技機では、第1有利状態中に登録された第1演出情報に基づき有利状態の終了契機となる第1数値情報を加算する。第1有利状態中に第1数値情報が多く加算されることで、その後の第2有利状態において第1数値情報が閾値未満まで減少してしまうことを抑制することができる。その結果、第2有利状態だけでなく第1有利状態中の遊技の結果も有利状態の継続に影響を与えることになるため、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
[付記10]
付記10のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。
そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる遊技機が開示されている。この遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部当籤役に基づいてATゲーム数を増加させるだけであるため、遊技性が単調になり易く、ATやARTが継続することに対する遊技者の期待感は、ある一回の遊技にのみ集中し、遊技者の期待感を持続させることができなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利状態(ATやARTなど)が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態のバトルART)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態の開始に先立って、第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)及び第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)を決定する決定手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第1演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において前記第1数値情報から第1所定値を減算し、また、前記演出情報として第2演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において前記第2数値情報から第2所定値を減算する数値更新手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値更新手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了し、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記有利状態を新たに開始する有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記演出情報登録手段は、前記複数回数の遊技における演出情報として前記第1演出情報を特定回数(例えば、4回)連続して登録している場合には、特定回数連続する第1演出情報に続く演出情報として前記第2演出情報を登録することを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態は、第1数値情報が閾値未満になると終了し、第1数値情報が閾値未満になる前に第2数値情報が閾値未満になると継続する。ここで、第1数値情報及び第2数値情報の減算は、遊技毎に登録された演出情報に基づいて行われるため、有利状態が継続するか否かは複数回の遊技の遊技結果に応じて異なることになる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
また、数値情報を減算する演出情報は、現遊技だけでなく現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して予め登録される。遊技者にとってみれば、複数回先の遊技まで予め登録された演出情報の内容からその後の遊技の流れを把握することができ、現遊技だけでなくその後の遊技にも興味を抱くことになるため、有利状態中の興趣を向上させることができる。
このとき、本発明に係る遊技機では、有利状態の終了契機となる第1演出情報が特定回数連続して登録されている場合には、続く演出情報として有利状態の継続契機となる第2演出情報を登録する。これにより、遊技者にとって不利な状況が長期間にわたって持続してしまうことを防止することができるため、遊技者は、有利状態中の遊技を安心して行うことができる。
[付記11]
付記11のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
パチスロ機では、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機では、内部当籤役として決定された役を取りこぼすことがないように、遊技者にとって有利な情報を報知する遊技機が知られている。例えば、特許文献(特開2010−075738号公報)には、対応する図柄の組合せが表示されるまで内部当籤役として持ち越されるボーナス役が電源切断時に持ち越されている場合に、電源切断後の電源再投入による再起動時にボーナス役が持ち越されていることを告知する遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、電源投入時にボーナスが直ぐに開始してしまうことになるため、遊技者間の公平性を害してしまうという問題があった。また、遊技機では、設定変更時に遊技に関する情報を一度クリアすることが一般的に行われているため、例えば、前日にボーナス役が持ち越されている状態で遊技を終了し、翌日、告知が行われるか否かを確認することで、設定値が前日から変わっているか又は変わっていないかを遊技者が把握できてしまう。このように設定値の変更の有無を把握できてしまうことは、遊技者間の公平性を害してしまうだけでなく、低設定と遊技者に判断された場合に、遊技者の興趣を損なう可能性がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者間の公平性を担保する遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、抽籤玉1〜4及び確定玉などの演出玉)を登録する演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報が登録されている遊技において前記有効ライン上に所定の図柄組合せが表示されると、当該遊技に対して登録されている演出情報に基づいて特典を付与する特典付与手段(例えば、副制御回路101)と、電源の投入を検知する電源投入検知手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101、電源基板44b)と、前記電源投入検知手段が電源の投入を検知した日時を取得する取得手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101、電源基板44b)と、前記演出情報登録手段は、前記取得手段が取得した日時に基づいて、登録済みの前記演出情報を破棄して、複数回数の遊技における演出情報を新たに登録することを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、電源が投入された日時に基づいて、登録済みの演出情報が新たな演出情報に書き換えられる。電源が投入された日時からは、例えば、遊技店における営業前の時刻であることや、また、電源が切断された日時と比較することで、翌日の営業前であることがわかる。そこで、電源が投入された日時に基づいて演出情報を書き換えることで、前日の電源切断時に登録されていた演出情報と、翌日の電源投入時に登録されている演出情報とは必ず異なることになるため、遊技者は、登録されている演出情報から設定値の変更の有無を把握することができず、遊技者間の公平性を害することがない。
ここで、この演出情報は、移行抽籤手段による有利状態への移行抽籤に用いられるため、より遊技者間の公平性を担保することができる。すなわち、例えば、前日の電源切断時に有利状態への移行の期待度が高い(又は低い)演出情報が登録されていたとしても、翌日の電源投入時には新たな演出情報に書き換えられるため、前日の状況を把握している遊技者とそうでない遊技者との間で不公平な扱いになってしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機では、電源が投入された日時に基づいて、演出情報の書き換えを制御するため、営業中に電源を一時的に切断しなければならない場合などに、電源切断前後において遊技機の状況を維持することができる。遊技者にとってみれば、自身にとって有利な演出情報が登録されている場合に電源を一時的に切断されたとしても、電源の再投入後に有利な演出情報が維持されることになるため、不満を感じることなく遊技を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機は、電源の切断を検知する電源切断検知手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101、電源基板44b)を更に備え、前記取得手段は、前記電源切断検知手段が電源の切断を検知した日時を取得するとともに、電源の切断を検知した日時及び電源の投入を検知した日時から、電源が切断されてから電源が投入されるまでの時間を取得し、前記演出情報登録手段は、前記取得手段が取得した前記時間が所定時間(例えば、4時間)未満である場合、登録済みの前記演出情報を維持し、前記取得手段が取得した前記時間が所定時間以上である場合、登録済みの前記演出情報を破棄して、複数回数の遊技における演出情報を新たに登録することを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、電源を切断してから再び電源を投入するまでの時間が所定時間以上である場合には、登録済みの演出情報が新たな演出情報に書き換えられる。これにより、翌日遊技を行う遊技者は、登録されている演出情報から設定値の変更の有無を把握することができず、遊技者間の公平性を害することがない。また、本発明に係る遊技機では、電源を切断してから再び電源を投入するまでの時間が所定時間未満である場合には、登録済みの演出情報を書き換えることなく維持する。これにより、遊技者にとって有利な演出情報が登録されている場合に電源を一時的に切断されたとしても、電源の再投入後に有利な演出情報が維持されることになるため、遊技者は、不満を感じることなく遊技を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記演出情報登録手段は、登録済みの前記演出情報を破棄して、複数回数の遊技における演出情報を新たに登録する場合、抽籤により決定した演出情報を新たな演出情報として登録することを特徴とする。
設定値の変更の有無を把握困難にする方法として、翌日の電源投入時に演出情報を初期状態に設定する方法も考えられるが、このような方法では、複数の遊技機において状況が同一になってしまうため、遊技の多様性が薄れてしまう。この点、本発明に係る遊技機では、翌日の電源投入時に新たな演出情報を抽籤により登録するため、遊技の多様性を確保することができ、好適である。
[付記12]
付記12のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
パチスロ機では、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また近年、内部当籤役として決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報などを、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な遊技状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ここで、遊技状態を複数備える遊技機では、遊技者の停止操作に応じて表示される図柄の組合せを異ならせる遊技機が広く知られており、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、例えば、停止操作の結果として第1の図柄の組合せが表示されると、AT又はARTを実行し、停止操作の結果として第2の図柄の組合せが表示されると、AT又はARTを実行しないといった遊技機も知られている。
このように表示された図柄の組合せに応じて遊技状態を制御する遊技機では、遊技者にとって不利な図柄の組合せが表示されたことを副制御基板が把握することを回避することで、遊技者が不当な利益を得るコマンドこぼしといった不正行為が知られている。例えば、上述した遊技機の場合、遊技者にとって不利な図柄の組合せが表示された場合に、表示された図柄の組合せについての情報を含むコマンドを副制御基板側で取得できないようにすることで、遊技者にとって不利な状態になってしまうことを回避でき、結果、遊技者が不当な利益を得てしまうことになる。
そこで、遊技中に遊技者による不正行為が実行され、主制御基板と副制御基板との間の通信時に通信エラー(シーケンスエラー)が発生した場合に、エラーが発生したことを報知する遊技機が既に知られている(例えば、特許文献(特開2013−059616号公報)参照)。このような遊技機では、液晶表示装置や音、装飾ランプ(LED)を用いてシーケンスエラーが発生していることを報知し、遊技場の店員に不正行為が行われていることを気付かせ遊技を終了させることができるため、シーケンスエラーを誘発する不正行為が実行され、遊技者が遊技の利益を不正に得ることを防ぐことができる。
なお、パチスロ機のような遊技機では、スタートレバーの操作に続いて停止操作が3回行われることで遊技が行われるため、主制御基板から副制御基板に対して送信するコマンドの順番が決まっており、副制御基板が取得したコマンドの順番を確認することで、シーケンスエラーが発生したか否かを特定することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上述したような遊技機にあっては、液晶表示装置を搭載していない場合に、音及び装飾ランプによってシーケンスエラーの報知が実行されても、遊技場内の他の遊技機の演出に紛れてしまい、店員にシーケンスエラーを報知する演出が伝わらず、遊技者が不正行為によって不正に遊技の利益を得ることができてしまうといった問題があった。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、不正行為によって遊技の利益を不正に得ることを防ぐことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段によって前記開始操作が検出されたことを条件に、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、前記有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(例えば、CZ)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤状態において所定数の単位遊技(例えば、30ゲーム)が経過すると前記有利状態に移行させることを所定確率で決定する移行抽籤を行う有利状態抽籤手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤状態において、前記有効ライン上に所定の図柄組合せが表示されると、前記有利状態抽籤状態を終了する抽籤状態終了手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤手段の移行抽籤の結果に基づいて、遊技状態を前記有利状態に移行させる遊技状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、一遊技の進行順序を判定する遊技順序判定手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記抽籤状態終了手段は、前記遊技順序判定手段が所定の順序で遊技が進行していないと判定した場合(例えば、シーケンスエラー発生時)に、前記有利状態抽籤状態を終了することを特徴とする。
本発明による遊技機によれば、所定の条件を契機として開始する有利状態抽籤状態(チャンスゾーン)では、有利状態抽籤状態が終了することになる所定数の単位遊技が行われることを契機として第2権利付与抽籤を行うため、完走時に有利状態への抽籤を行ういわゆる完走型のチャンスゾーンを実現することができる。この有利状態抽籤状態は、所定の図柄組合せが表示されると終了してしまうため、遊技者は、終了を回避すべく所定の図柄組合せが表示されないように願って停止操作を行うことになる。
また、有利状態抽籤状態中に所定の図柄組合せが表示されると、有利状態抽籤状態を終了してしまうものの、不正行為などにより表示された図柄組合せを零してしまった(把握できない)場合、有利状態抽籤状態が一時的に維持されてしまう。この点、本発明に係る遊技機では、一遊技の進行が所定の順序で進行したか否かを判定し、所定の順序で進行していない場合に有利状態抽籤状態を終了させることで、遊技の進行結果(例えば、表示された図柄組合せ)を零してしまった場合であっても、有利状態抽籤状態が不当に維持されてしまうことがなく、不正行為によって遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態抽籤手段は、前記所定の図柄組合せを表示可能な役を前記内部当籤役決定手段が内部当籤役として決定すると、前記有利状態に移行させることを特定確率で決定する移行抽籤を更に行うことを特徴とする。
所定の図柄組合せを表示可能な役が内部当籤役として決定された遊技では、所定の図柄組合せが表示されることで有利状態抽籤状態が終了してしまう可能性があるものの、有利状態への移行抽籤を更に受けることができる。この移行抽籤は、当該役が内部当籤役として決定されると行われるため、有利状態抽籤状態が継続するほど多く行われることになる。そのため、遊技の進行結果を零し、表示された図柄組合せを把握できない場合には、当該役を契機とする有利状態への移行抽籤を不当に多く受けることができることになる。この点、本発明に係る遊技機では、遊技の進行が適切ではない場合に、図柄組合せに関係なく有利状態抽籤状態を終了するため、不正行為によって遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止することができる。
[付記13]
付記13のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2012−147803号公報)には、ボーナスを含む内部当籤役に応じてATやARTの期間(アシストゲーム数)を決定する遊技機が提案されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献のように単に内部当籤役に基づいてアシストゲーム数を決定するのでは、遊技が単調になり遊技者が飽きてしまうおそれがある。そのため、AT等の期間の決定方法に関して従来にない新たな手法が求められている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、遊技性に富んだ方法でAT等の期間を制御することができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、第1有利状態(例えば、敵決めART)及び当該第1有利状態に続いて行われる第2有利状態(例えば、バトルART)を含む前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記第1有利状態における遊技の進行を制御する第1有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記第2有利状態における遊技の進行を制御する第2有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第1有利状態制御手段は、第1演出情報(例えば、味方玉)と有利状態の継続期待度が異なる複数種類の第2演出情報(例えば、ボス玉1〜8)とを含む複数種類の演出情報(例えば、演出玉)の中から、所定数(例えば、6個)の演出情報を決定し、演出情報記憶手段(例えば、サブRAM103)に記憶する演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報記憶手段に記憶されている所定数の演出情報のうち所定数よりも少ない特定数(例えば、5個)の演出情報を、現遊技を含む特定数分の遊技における演出情報として表示する表示手段(例えば、液晶表示装置11)と、現遊技における演出情報として第1演出情報が表示されている遊技において第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)に第1所定値を加算する数値加算手段(例えば、副制御回路101)と、前記内部当籤役決定手段が特定役(例えば、レア役)を内部当籤役として決定すると、前記演出情報記憶手段に記憶されている第2演出情報を第1演出情報に書き換える特定役書換手段(例えば、副制御回路101)と、現遊技における演出情報として複数種類の第2演出情報のうちのいずれかが登録されている遊技において前記第1有利状態を終了し、前記第2有利状態を開始する第2有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第2有利状態制御手段は、第1の条件に応じて前記第1数値情報から第1有利状態終了時に登録されていた第2演出情報の種類に応じた第1特定値を減算し、また、第2の条件に応じて第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)から第1有利状態終了時に登録されていた第2演出情報の種類に応じた第2特定値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると有利状態を終了させ、前記第2数値情報が前記閾値未満になると有利状態を継続させる継続制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態は、第2有利状態において第1数値情報及び第2数値情報のうちの第1数値情報が先に閾値未満になると終了し、第2数値情報が先に閾値未満になると継続するため、第1数値情報の値が大きいほど有利状態が継続し易くなり、有利状態の期間が延びる。この第1数値情報の値は、第1有利状態中に第1演出情報が表示されている遊技において加算される。一方、第1有利状態中に第2演出情報が表示されている場合には、第1数値情報の加算が行われる第1有利状態が終了し、第1数値情報の減算が行われる第2有利状態に移行してしまう。このように本発明に係る遊技機では、単に内部当籤役に基づいて有利状態の期間を制御するのではなく、現遊技において表示されている演出情報に基づいて有利状態の期間を制御するため、遊技者は、内部当籤役だけでなく現在表示されている演出情報にも着目することになり、有利状態の期間の制御を遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機では、第1有利状態中に特定役が内部当籤役として決定されると、第1有利状態を終了することになる第2演出情報を第1演出情報に書き換える。第2演出情報が第1演出情報に書き換わることで、その後、第1数値情報が加算されることについての期待を持てることになるため、遊技者は、表示されている演出情報だけでなく、内部当籤役に対しても着目することになる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態の期間の制御を、更に遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役書換手段は、前記表示手段に表示されている特定数分の遊技における演出情報のうち、有利状態の継続期待度が所定以上である特定第2演出情報については、前記第1演出情報に書き換えることなく維持することを特徴とする。
上述したように第1数値情報が大きいほど有利状態は継続し易くなる一方で、複数種類の第2演出情報は有利状態の継続期待度が異なるため、継続し易い第2演出情報を契機に第2有利状態が開始した場合には、その後、有利状態が継続することについての期待感を持つことができる。このような有利状態が継続し易い第2演出情報まで第1演出情報に書き換えてしまったのでは、却って有利状態が継続し難くなってしまう可能性もある。そこで、本発明に係る遊技機では、有利状態の継続期待度が所定以上である特定第2演出情報については第1演出情報に書き換えることなく維持する。これにより、有利状態の期間の決定を、更に遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役書換手段は、前記表示手段に表示されることなく前記演出情報記憶手段に記憶されている前記特定第2演出情報については、前記第1演出情報に書き換えることを特徴とする。
このような遊技機では、第1演出情報に書き換えることなく維持する特定第2演出情報を、表示手段に表示中のものに限り、表示されることなく単に記憶されているだけのものについては第1演出情報に書き換える。非表示中の演出情報は、遊技者が把握することはできないため、このような演出情報を第1演出情報に書き換えることで、遊技者に対して不満を与えることなく、遊技者が得る利益のバランスを図ることができる。
[付記14]
付記14のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2012−147803号公報)には、ボーナスを含む内部当籤役に応じてATやARTの期間(アシストゲーム数)を決定する遊技機が提案されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献のように単に内部当籤役に基づいてアシストゲーム数を決定するのでは、遊技が単調になり遊技者が飽きてしまうおそれがある。そのため、AT等の期間の決定方法に関して従来にない新たな手法が求められている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、遊技性に富んだ方法でAT等の期間を制御することができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、第1有利状態(例えば、敵決めART)及び当該第1有利状態に続いて行われる第2有利状態(例えば、バトルART)を含む前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記第1有利状態における遊技の進行を制御する第1有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記第2有利状態における遊技の進行を制御する第2有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第1有利状態制御手段は、有利状態の継続期待度が異なる複数種類の演出情報(例えば、ボス玉1〜8)の中から、所定数(例えば、6個)の演出情報(例えば、演出玉)を決定し、演出情報記憶手段(例えば、サブRAM103)に記憶する演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報記憶手段に記憶されている所定数の演出情報のうち所定数よりも少ない特定数(例えば、5個)の演出情報を、現遊技を含む特定数分の遊技における演出情報として表示する表示手段(例えば、液晶表示装置11)と、前記内部当籤役決定手段が特定役(例えば、BBに係る役)を内部当籤役として決定すると、前記記憶手段に記憶されている一又は複数の演出情報を新たな演出情報に書き換える利益状態書換手段(例えば、副制御回路101)と、現遊技における演出情報として所定の演出情報が表示されている遊技において特定の条件を満たすと(例えば、押し順ベルが内部当籤役として決定されると)前記第1有利状態を終了し、前記第2有利状態を開始する第2有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第2有利状態制御手段は、第1の条件に応じて(例えば、敵玉セット時の押し順ベル当籤時)第1数値情報から第1有利状態終了時に登録されていた演出情報の種類に応じた第1特定値を減算し、また、第2の条件に応じて(例えば、味方玉セット時の押し順ベル当籤時)第2数値情報から第1有利状態終了時に登録されていた演出情報の種類に応じた第2特定値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると有利状態を終了させ、前記第2数値情報が前記閾値未満になると有利状態を継続させる継続制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態は、第2有利状態において第1数値情報及び第2数値情報のうちの第1数値情報が先に閾値未満になると終了し、第2数値情報が先に閾値未満になると継続する。ここで、第1数値情報及び第2数値情報の減算は、第1有利状態終了時に登録されていた演出情報の種類に応じて行われるため、第1有利状態中に表示される演出情報は、有利状態の継続期間に対して影響を与えることになる。このように、本発明に係る遊技機では、単に内部当籤役に基づいて有利状態の期間を制御するのではなく、現遊技において表示されている演出情報に基づいて有利状態の期間を制御するため、遊技者は、内部当籤役だけでなく現在表示されている演出情報にも着目することになり、有利状態の期間の制御を遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機では、第1有利状態中に特定役が内部当籤役として決定されると、演出情報記憶手段に記憶されている一又は複数の演出情報を新たな演出情報に書き換える。その結果、有利状態の継続期待度が高い演出情報に書き換わった場合には、遊技者にとって有利な状況になり、反対に、有利状態の継続期待度が低い演出情報に書き換わった場合には、遊技者にとって不利な状況になるため、遊技者は、表示されている演出情報だけでなく、内部当籤役に対しても着目することになる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態の期間の制御を、更に遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記利益状態書換手段は、前記表示手段に表示されている特定数分の遊技における演出情報のうち、有利状態の継続期待度が所定以上である特定演出情報については、新たな演出情報に書き換えることなく維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が内部当籤役として決定されたとしても、継続期待度が所定以上である特定演出情報は別の演出情報に書き換えることなく維持される。これにより、表示されている特定数の演出情報の中に特定演出情報がある場合には、遊技者には特定演出情報による利益を得る機会が与えられることになるため、遊技者は、期待を持ってその後の遊技を行うことができ、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記利益状態書換手段は、前記表示手段に表示されることなく前記演出情報記憶手段に記憶されている前記特定演出情報については、新たな演出情報に書き換えることを特徴とする。
このような遊技機では、別の演出情報に書き換えることなく維持する特定演出情報を、表示手段に表示中のものに限り、表示されることなく単に記憶されているだけのものについては別の演出情報に書き換える。非表示中の演出情報は、遊技者が把握することはできないため、このような演出情報を別の演出情報に書き換えることで、遊技者に対して不満を与えることなく、遊技者が得る利益のバランスを図ることができる。
[付記15]
付記15のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2012−147803号公報)には、ボーナスを含む内部当籤役に応じてATやARTの期間(アシストゲーム数)を決定する遊技機が提案されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献のように単に内部当籤役に基づいてアシストゲーム数を決定するのでは、遊技が単調になり遊技者が飽きてしまうおそれがある。そのため、AT等の期間の決定方法に関して従来にない新たな手法が求められている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、遊技性に富んだ方法でAT等の期間を制御することができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、第1有利状態(例えば、敵決めART)及び当該第1有利状態に続いて行われる第2有利状態(例えば、バトルART)を含む前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記第1有利状態における遊技の進行を制御する第1有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記第2有利状態における遊技の進行を制御する第2有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第1有利状態制御手段は、有利状態の継続期待度が異なる複数種類の第1演出情報(例えば、ボス玉1〜8)を含む複数種類の演出情報(例えば、演出玉)の中から演出情報を決定するための抽籤値の情報(例えば、ボスMAPデータ)を規定する抽籤情報(例えば、ボスMAP)を、複数記憶する抽籤情報記憶手段(例えば、ロムカートリッジ基板76)と、前記抽籤情報記憶手段に記憶される複数の抽籤情報のうちの一の抽籤情報を、演出情報を決定するための抽籤情報として決定するとともに、当該一の抽籤情報に基づいて演出情報が決定されると、演出情報を決定するための抽籤情報を当該一の抽籤情報から他の抽籤情報に更新する抽籤情報決定手段(例えば、副制御回路101、ボスMAP抽籤テーブル)と、前記抽籤情報決定手段が決定した抽籤情報に基づいて、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報を決定する演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、現遊技における前記演出情報として複数種類の第1演出情報のうちのいずれかが登録されている遊技において特定の条件を満たすと(例えば、押し順ベルが内部当籤役として決定されると)、前記第1有利状態を終了し、前記第2有利状態を開始する第2有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記第2有利状態制御手段は、第1有利状態終了時の遊技に対して決定されていた第1演出情報の種類に基づいて、有利状態を継続させるか否かを制御する継続制御手段(例えば、副制御回路101)、を備え、前記抽籤情報記憶手段は、第1演出情報を決定するための抽籤値の情報としては、有利状態の継続期待度が所定以上の特別第1演出情報(例えば、ボス玉7,8)についてのみ規定する特別抽籤情報(例えば、ボスMAP52)を記憶し、前記抽籤情報決定手段は、演出情報を決定するための抽籤情報として、前記特別抽籤情報を決定すると、当該特別抽籤情報から他の抽籤情報に更新することなく、特別抽籤情報を維持することを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態の継続期待度が異なる複数種類の第1演出情報を有しており、第1有利状態終了時の遊技に対して決定されていた第1演出情報の種類に基づいて有利状態の継続の有無を制御する。遊技者にとってみれば、現在表示されている演出情報の種類に対して強い関心を持つことになり、従来のように単に内部当籤役に基づいて有利状態の期間の制御する遊技機に比べて、有利状態の期間の制御を遊技性に富んだものにすることができる。
ここで、本発明に係る遊技機では、複数種類の演出情報の中から所定の遊技に対して登録する演出情報を、抽籤情報に基づいて決定し、演出情報を決定するたびに抽籤情報を新たな抽籤情報に更新する。この抽籤情報の中には、第1有利状態の終了契機となる第1演出情報としては、有利状態の継続期待度が所定以上の特別第1演出情報のみを決定する特別抽籤情報が含まれており、抽籤情報が一度、特別抽籤情報まで更新されると、その後、この特別抽籤情報から他の抽籤情報に更新されることなく、特別抽籤情報が維持される。その結果、一度、特別抽籤情報まで更新された後は、第1演出情報としては有利状態の継続期待度が高い特別第1演出情報のみが決定されることになるため、遊技者は、演出情報を決定するための抽籤情報にも着目することになり、有利状態の期間の制御を更に遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2有利状態制御手段の継続制御手段は、第1の条件(例えば、敵玉セット時の押し順ベル当籤時)に応じて第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)から第1有利状態終了時に登録されていた第1演出情報の種類に応じた第1特定値を減算し、また、第2の条件(例えば、味方玉セット時の押し順ベル当籤時)に応じて第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)から第1有利状態終了時に登録されていた第1演出情報の種類に応じた第2特定値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると有利状態を終了させ、前記第2数値情報が前記閾値未満になると有利状態を継続させる継続制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記特別抽籤情報(例えば、ボスMAP52,53)には、複数種類の演出情報の中から、前記特別第1演出情報及び第2演出情報(例えば、味方玉)を決定可能に抽籤値の情報が規定され、前記第1有利状態制御手段は、現遊技における演出情報として第2演出情報が決定されている遊技において第1数値情報に第1所定値を加算する数値加算手段(例えば、副制御回路101)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態は、第2有利状態において第1数値情報及び第2数値情報のうちの第1数値情報が先に閾値未満になると終了し、第2数値情報が先に閾値未満になると継続する。この場合において、上述した特別抽籤情報に、第1数値情報を加算することになる第2演出情報についての抽籤値の情報を規定することで、一度、特別抽籤情報まで更新された後は、有利状態の継続期待度が高い特別第1演出情報、又は第1数値情報を加算する第2演出情報のみが決定されることになる。その結果、特別第1演出情報が決定された場合には、上述したように有利状態の継続期待度が高まり、第2演出情報が決定された場合には、第1数値情報の増加に伴い第1数値情報が閾値未満まで減少され難くなるため、同様に有利状態の継続期待度が高まることになる。このように本発明に係る遊技機では、一度、特別抽籤情報まで更新された後は、遊技者は、有利状態が継続することについて期待を持つことができるため、遊技者は、演出情報を決定するための抽籤情報にも着目することになり、有利状態の期間の制御を遊技性に富んだものにすることができる。
[付記16]
付記16のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。そこで、近年では、ATやARTの継続に関する期待感を遊技者に対して抱かせる様々な工夫がなされており、例えば、特許文献(特開2014−045992号公報)には、ATやARTが継続するか否かをバトル演出の勝敗結果で報知することで、複数ゲームにわたって期待感を維持する遊技機が提案されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献のような従来の遊技機におけるバトル演出は、バトル演出の開始時等に行われる継続抽籤により勝敗結果が予め決められているため、遊技者は、バトル演出の演出内容に興味が向かずに勝負の結果にのみ着目することになり、バトル演出自体に魅力がなくなってしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技性に富んだ方法でAT等の期間を制御することができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、第1演出情報(例えば、敵玉)及び第2演出情報(例えば、味方玉)を含む複数種類の演出情報(例えば、演出玉)の中から、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して登録する演出情報を、所定確率で決定する演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第1演出情報が登録されている遊技において第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)から第1所定値を減算し、また、前記演出情報として第2演出情報が登録されている遊技において第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)から第2所定値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了し、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記有利状態を新たに開始する有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が変更閾値未満になると、前記演出情報登録手段が前記第1演出情報を登録する演出情報として決定する確率を変更する確率変更手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態は、第1数値情報及び第2数値情報のうちの第1数値情報が先に閾値未満になると終了し、第2数値情報が先に閾値未満になると継続する。ここで、第1数値情報及び第2数値情報の減算は、登録されている演出情報の種類に基づいて行われ、第1演出情報が登録されている遊技では第1数値情報が減算され、第2演出情報が登録されている遊技では第2数値情報が減算される。そのため、本発明に係る遊技機では、登録される演出情報の種類に基づいて有利状態の継続が制御されることになる。これにより、継続の有無が予め決められている従来の遊技機とは異なり、本発明に係る遊技機は、有利状態中の遊技の流れに応じて継続の有無が異なることになるため、有利状態の期間の制御を遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機では、第1数値情報が変更閾値未満になると、登録する演出情報として第1演出情報を決定する確率を変更する。これにより、例えば、第1演出情報が決定され難くなることで、その後、第1数値情報が減算され難くなり、有利状態が継続し易くなる。反対に、例えば、第1演出情報が決定され易くなることで、その後、第1数値情報が減算され易くなり、有利状態が継続し難くなる。このように、第1数値情報の値に基づいて演出情報を決定する確率を変更することで、有利状態の期間の制御を更に遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、第2数値情報に対応付けられた複数種類の属性情報(例えば、敵キャラクタの種類)の中から一の属性情報を決定する対戦相手決定手段(例えば、副制御回路101)を更に備え、前記確率変更手段は、前記対戦相手決定手段が決定した属性情報が第1属性情報である場合には前記確率を第1確率に変更し、前記対戦相手決定手段が決定した属性情報が第2属性情報である場合には前記確率を前記第1確率とは異なる第2確率に変更することを特徴とする。
このような遊技機によれば、演出情報を決定する変更後の確率は、第2数値情報に対応付けられた属性情報の種類によって異なることになるため、例えば、バトル演出における対戦相手に応じて変更後の確率を異ならせることができる。これにより、第1数値情報が変更閾値まで減少し、有利状態が終了間際になったとしても、バトル演出における対戦相手によっては逆転し易くなるといった演出が可能になるため、有利状態の期間の制御を更に遊技性に富んだものにすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記確率変更手段が前記確率を変更する契機となる前記変更閾値は、前記対戦相手決定手段が決定した属性情報に応じて異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、変更閾値は、第2数値情報に対応付けられた属性情報の種類によって異なることになるため、例えば、バトル演出における対戦相手に応じて演出情報を決定する確率の変更を行うタイミングを異ならせることができる。これにより、例えば、バトル演出において逆転が起きやすくなるタイミングを様々なタイミングにすることができるため、有利状態の期間の制御を更に遊技性に富んだものにすることができる。
[付記17]
付記17のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
パチスロ機では、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年では、遊技機に様々な装飾部材(例えば、可動式役物)を設け、遊技の進行に合わせて装飾部材を動かすことで遊技性を高める遊技機も知られている。例えば、特許文献(特開2005−237715号公報)には、内部抽籤の結果に基づいて可動式役物を動作させることで、遊技者に対して内部当籤役を報知する遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部抽籤の結果を報知するために可動式役物を動作させるだけであり、遊技者にとってみれば、報知内容が分かり易すぎて次第に飽きてしまい、可動式役物に対する興味も薄れてしまうおそれがあった。遊技者の興味が薄れてしまうと、遊技機の稼働率も低下してしまうことから、可動式役物を備える遊技機では、可動式役物に対する興味が薄れることのない工夫が求められる。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、遊技者を飽きさせることなく遊技を継続させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、CZやART遊技状態)とを有する遊技機であって、前記有利状態への移行に関する期待度が異なる複数の演出情報(例えば、抽籤玉1〜4及び確定玉などの演出玉)の中から所定の遊技において用いる演出情報を登録する演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記通常状態において所定の条件(例えば、黙示録の作動)を満たすと、登録済みの前記演出情報を表示する表示手段(例えば、液晶表示装置11)と、前記表示手段が前記演出情報を表示している遊技において、表示されている前記演出情報に基づいて前記有利状態への移行抽籤を行う移行抽籤手段(例えば、副制御回路101)と、前記移行抽籤手段の移行抽籤の結果に基づいて、遊技状態を前記有利状態に移行させる遊技状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、所定の動作が可能な可動式役物(例えば、回転役物200)と、前記可動式役物の動作を制御する役物制御手段(例えば、副制御回路101、回転役物制御基板78)と、前記可動式役物を発光する発光装置(例えば、目玉本体203の後方に設けられたLED)と、前記発光装置の発光を制御する発光制御手段(例えば、副制御回路101、目玉本体203の後方に設けられたLEDの制御基板)と、前記表示手段が前記演出情報を表示していない遊技において、前記可動式役物を動作させるか否かを判定する役物可動抽籤手段(例えば、副制御回路101)と、前記役物可動抽籤手段が前記可動式役物を動作させると判定すると、登録済みの前記演出情報を、前記有利状態への移行に関する期待度がより高い演出情報に書き換えるか否かの昇格抽籤を行う昇格抽籤手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記演出情報登録手段は、前記昇格抽籤手段の昇格抽籤の結果に基づいて、登録済みの前記演出情報を書き換え、前記役物制御手段は、前記役物可動抽籤手段が前記可動式役物を動作させると判定すると、前記可動式役物を動作させ、前記発光制御手段は、前記役物制御手段が前記役物可動抽籤手段の判定結果に基づいて前記可動式役物を動作させている場合に、前記昇格抽籤手段の昇格抽籤の結果に基づいて、前記発光装置の発光を制御することを特徴とする。
このような遊技機では、可動式役物が動作すると、有利状態の移行抽籤に用いられる演出情報の昇格抽籤が行われる。ここで、表示手段が演出情報を表示している遊技では、表示されている演出情報に基づいて有利状態への移行抽籤が行われるため、遊技者は、演出情報の昇格抽籤に対して強い関心を抱くことになる。一方、可動式役物は、表示手段が演出情報を表示していない場合に役物可動抽籤手段の判定結果に基づいて動作することになるため、昇格抽籤は、表示手段に表示されていない隠された情報に対して行われることになる。このように隠された情報に対する昇格抽籤が行われていることを可動式役物を用いて報知することで、遊技者にとってみれば、状況が自身に対して有利(昇格抽籤に当籤)になっていることについての期待感が持続することになり、飽きることなく遊技を継続することになる。また、昇格抽籤の結果に応じて発光装置の発光を制御することで、状況が有利になっていることについての期待感を可動式役物の発光(例えば、色)から推測することができ、有利になっていると推測できる場合には後の遊技を強い関心を持つことになるため、遊技者は、飽きることなく遊技を継続することができる。
[付記18]
付記18のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
パチスロ機では、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT(ART)機能を搭載した遊技機では、ボーナスゲーム中にATを行うか否かのAT抽籤を行うとともに、ボーナスゲームの終了時にAT抽籤の結果を告知することがある。例えば、特許文献(特開2012−183284号公報)には、ボーナスゲーム中に残り払い出し枚数が16枚〜30枚になると、残り2ゲームでボーナスゲームが終了する可能性があるとして、ボーナスゲーム画面からAT(ART)の当籤の有無を告知するチャレンジ告知画面に映像表示を切り替える遊技機が提案されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、ボーナスゲーム中に付与されるメダルの枚数は、内部当籤役に応じて異なるため、チャレンジ告知画面に映像表示を切り替えた後の内部当籤役によっては、付与されるメダルの枚数が残り払い出し枚数に達しないことがある。このような場合に、特許文献1のようにATの当籤の有無を告知してしまうと、ボーナスゲームが終了していないにもかかわらずボーナスゲーム終了時の処理を実行してしまうことになり、遊技者に対して不信感を与えることになってしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ボーナスなどの遊技者にとって有利な状態の終了時を適切に遊技者に対して知らせることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、単位遊技において付与される遊技媒体の数の最大値が所定数である遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記入賞判定手段により前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したと判定されると、有効ライン上に停止した図柄の組合せに応じた数の遊技媒体を付与する利益付与手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として利益状態(例えば、ボーナス状態)を開始する利益状態開始手段(例えば、主制御回路91)と、利益状態中に前記利益付与手段により付与された遊技媒体の数を計数する計数手段(例えば、主制御回路91)と、前記計数手段により計数された遊技媒体の数が、閾値(例えば、59枚)を超えると利益状態を終了する利益状態終了手段(例えば、主制御回路91)と、前記利益状態中に実行する演出を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記演出制御手段は、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、当該検出のタイミングにおいて前記計数手段が計数している遊技媒体の数が前記閾値から所定数を減算した値を超える場合に、検出された開始操作に応じた遊技の終了時の演出として利益状態終了演出を登録し、前記開始操作検出手段により検出された開始操作に応じた遊技において前記利益付与手段により遊技媒体が付与された結果、前記計数手段が計数している遊技媒体の数が前記閾値を超えた場合に、登録している前記利益状態終了演出を実行し、前記計数手段が計数している遊技媒体の数が前記閾値以下である場合に、登録している前記利益状態終了演出を利益状態継続演出に変更し、当該利益状態継続演出を実行することを特徴とする。
このような遊技機では、開始操作が検出されたタイミングにおいて、利益状態中に付与された遊技媒体の数が閾値を超える可能性のある場合に、遊技の終了時の演出として利益状態終了演出を登録しておく。このとき、当該遊技において実際に付与される遊技媒体の数によっては、利益状態中に付与された遊技媒体の数が閾値を超えないこともあるため、本発明に係る遊技機では、当該遊技における遊技媒体の付与の結果に基づいて、登録しておいた利益状態終了演出を利益状態継続演出に変更する。すなわち、本発明に係る遊技機では、利益状態が終了する可能性のある遊技の開始時に、利益状態終了演出を一度登録しておくものの、当該遊技の結果、利益状態が終了しない場合には、利益状態終了演出を実行することなく、利益状態継続演出を実行する。これにより、利益状態が終了していないにもかかわらず利益状態終了時の演出を実行してしまうことを防止でき、結果、遊技者に対して利益状態の終了時を適切に報知することができる。
[付記19]
付記19のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、リプレイの当籤確率を高くすることで、遊技に使用するメダル量を減らしつつ遊技を可能にするリプレイタイム(RT)を有する遊技機も広く知られている。例えば、特許文献(特開2012−223289号公報)には、ボーナスが内部当籤役として決定された場合に、リプレイタイムを作動させる遊技機が提案されている。このようなリプレイタイムは、フラグ間RTと呼ばれることもあり、内部当籤役として決定(持ち越し)されているボーナスが入賞するまで、リプレイの当籤確率が高い状態で遊技を行うことができる。
また、リプレイタイムと併せて、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機も知られている。なお、遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。そして、リプレイタイム中にATを行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
近年では、上述のフラグ間RT中にATを行う遊技機も知られている。このような遊技機では、内部当籤役として決定されているボーナスが入賞してしまうと、フラグ間RTが終了してしまうため、遊技者は、ボーナスが入賞しないように停止操作を行いつつ、遊技を行うことになる。ところで、遊技機に関する知識は、遊技者によって異なるため、フラグ間RT中に所定の停止操作を要求する遊技機では、遊技機に関する知識の少ない遊技者が不利益を受けてしまうおそれもある。例えば、遊技機に関する知識のある遊技者にとってみれば、ボーナスが入賞しないように停止操作を行うことでフラグ間RTを維持しつつ遊技を行うことができるものの、遊技機に関する知識のない遊技者は、この停止操作を行うことなくボーナスを入賞させてしまう可能性があり、この場合には、フラグ間RTが終了してしまう結果、遊技者が不利益を受けてしまうおそれがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する知識のない遊技者が受ける不利益を軽減可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記入賞判定手段により特定役が入賞したと判定されると、利益状態を開始し、当該利益状態において終了条件を満たすと、当該利益状態を終了する利益制御手段(例えば、主制御回路91)と、再遊技に係るリプレイが前記内部当籤役として決定される確率が低い低RT状態(例えば、RT2)と前記リプレイが前記内部当籤役として決定される確率が前記低RT状態よりも高い高RT状態(例えば、RT4)との間での遊技状態の移行を制御するRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件(例えば、ART抽籤に当籤)を契機として、第1有利状態(例えば、敵決めART)及び当該第1有利状態に続いて行われる第2有利状態(例えば、バトルART)を含み、遊技媒体の付与に関する有利な停止操作の情報が報知される有利状態(例えば、ART遊技状態)に遊技に関する演出状態を移行させる有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記第1有利状態における遊技の進行を制御する第1有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記第2有利状態における遊技の進行を制御する第2有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記RT制御手段は、前記利益状態中に内部当籤役として所定役(例えば、JACINに係る役)が決定されると、前記遊技状態を高RT状態に移行し、前記利益状態中に前記図柄表示手段により前記所定役に応じた図柄の組合せ(例えば、C_JACIN1〜C_JACIN3)が表示されると、前記遊技状態を低RT状態に移行し、前記有利状態開始手段は、前記利益状態の終了時に前記所定の条件が満たされていると、当該利益状態の終了後に前記演出状態を前記有利状態に移行し、前記第1有利状態制御手段は、前記第1有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第1演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第1演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)に所定数を加算する数値加算手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第2演出情報(例えば、ボス玉1〜8)が登録されている遊技において前記第1有利状態を終了し、前記第2有利状態を開始する第2有利状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記第2有利状態制御手段は、前記第2有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報を登録する第2演出情報登録手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出情報として第3演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において前記第1数値情報から第1所定値を減算し、また、前記演出情報として第4演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において第2数値情報から第2所定値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路101)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了させ、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記第1有利状態を新たに開始する継続制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機では、利益状態中に所定役が内部当籤役として決定されると高RT状態に移行するものの、この所定役に応じた図柄の組合せが表示されると低RT状態に移行してしまう。そのため、遊技機に関する知識のある遊技者であれば、所定役に応じた図柄の組合せが表示されることを回避して遊技を行うことで高RT状態を維持できるものの、遊技機に関する知識のない遊技者は、所定役に応じた図柄の組合せを表示してしまい、高RT状態から低RT状態に転落させてしまう可能性がある。
一方、本発明に係る遊技機では、遊技媒体の付与に関する有利な停止操作の情報が報知される有利状態を実行する。この有利状態は、第1数値情報及び第2数値情報のうちの第1数値情報が先に閾値未満になると終了し、第2数値情報が先に閾値未満になると継続する。そのため、第1数値情報の値は、有利状態の継続期間に対して影響を与えることになり、第1数値情報の加算が行われる第1有利状態は、有利状態の継続期間を延長させることについてのチャンス期間であるといえる。
ここで、有利状態は、所定の条件を満たしているか否かに応じて実行されるものであり、利益状態の終了時に所定の条件が満たされている場合には(低RT状態であるか高RT状態であるかに関わらず)実行される。そのため、遊技機に関する知識のない遊技者が利益状態中に低RT状態に転落させてしまったとしても、利益状態終了後に、有利状態の継続期間を延長させることについてのチャンス期間(第1有利状態)を実行することができ、遊技機に関する知識のない遊技者が受ける不利益を軽減することができる。
[付記20]
付記20のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
パチスロ機では、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また近年、内部当籤役として決定された役を取りこぼすことがないように、遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な遊技状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ここで、遊技状態を複数備える遊技機では、遊技者の停止操作に応じて表示される図柄の組合せを異ならせる遊技機が広く知られており、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、例えば、停止操作の結果として第1の図柄の組合せが表示されると、AT又はARTを実行し、停止操作の結果として第2の図柄の組合せが表示されると、AT又はARTを実行しないといった遊技機も知られている。
このように表示された図柄の組合せに応じて遊技状態を制御する遊技機では、遊技者にとって不利な図柄の組合せが表示されたことを副制御基板が把握することを回避することで、遊技者が不当な利益を得るコマンドこぼしといった不正行為が知られている。例えば、上述した遊技機の場合、遊技者にとって不利な図柄の組合せが表示された場合に、表示された図柄の組合せについての情報を含むコマンドを副制御基板側で取得できないようにすることで、遊技者にとって不利な状態になってしまうことを回避でき、結果、遊技者が不当な利益を得てしまうことになる。
そこで、遊技中に遊技者による不正行為が実行され、主制御基板と副制御基板との間の通信時に通信エラー(シーケンスエラー)が発生した場合に、エラーが発生したことを報知する遊技機が既に知られている(例えば、特許文献(特開2013−059616号公報)参照)。このような遊技機では、液晶表示装置や音、装飾ランプ(LED)を用いてシーケンスエラーが発生していることを報知し、遊技場の店員に不正行為が行われていることを気付かせ遊技を終了させることができるため、シーケンスエラーを誘発する不正行為が実行され、遊技者が遊技の利益を不正に得ることを防ぐことができる。
なお、パチスロ機のような遊技機では、スタートレバーの操作に続いて停止操作が3回行われることで遊技が行われるため、主制御基板から副制御基板に対して送信するコマンドの順番が決まっており、副制御基板が取得したコマンドの順番を確認することで、シーケンスエラーが発生したか否かを特定することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上述したような遊技機にあっては、液晶表示装置を搭載していない場合に、音及び装飾ランプによってシーケンスエラーの報知が実行されても、遊技場内の他の遊技機の演出に紛れてしまい、店員にシーケンスエラーを報知する演出が伝わらず、遊技者が不正行為によって不正に遊技の利益を得ることができてしまうといった問題があった。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、不正行為によって遊技の利益を不正に得ることを防ぐことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、再遊技に係るリプレイが内部当籤役として決定される確率が低い通常状態(例えば、RT0遊技状態又はRT1遊技状態)と前記リプレイが内部当籤役として決定される確率が前記通常状態よりも高い高RT状態(例えば、RT4遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段によって開始操作が検出されたことを条件に、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ64)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたことに基づいて、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定する判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記通常状態中に所定の条件を満たすと(例えば、RT4移行リプが表示されると)、前記通常状態から前記高RT状態に遊技状態を移行させるRT開始手段(例えば、主制御回路91)と、前記高RT状態中に、前記所定の図柄組合せが停止したと判定されると、前記高RT状態から前記通常状態に遊技状態を移行させ、前記特定の図柄組合せが停止したと判定されると、前記高RT状態を維持するRT終了手段(例えば、主制御回路91)と、前記通常状態又は前記高RT状態中に行われる第1の抽籤(例えば、ARTへの移行抽籤)に当籤すると、遊技に関する演出状態を、有利な停止操作の情報を報知する特定演出状態(例えば、ART遊技状態)に移行させる特定演出状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記高RT状態中に行われる第2の抽籤(例えば、回避ポイント抽籤)に当籤すると、前記第1の抽籤に当籤する確率が高い高確率状態(例えば、高確率遊技状態)に移行させる高確率状態移行手段(例えば、副制御回路101)と、前記高確率状態中に前記所定の図柄組合せが停止したと判定されると、前記第1の抽籤に当籤する確率が低い低確率状態に移行させる低確率状態移行手段(例えば、副制御回路101)と、一遊技の進行順序を判定する遊技順序判定手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記低確率状態移行手段は、前記高確率状態中に前記遊技順序判定手段が所定の順序で遊技が進行していないと判定した場合(例えば、シーケンスエラー発生時)に、前記高確率状態から前記低確率状態に移行させることを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、通常状態又は高RT状態中に行われる第1の抽籤に当籤すると、有利な停止操作の情報を報知する特定演出状態(いわゆるART)に移行する。また、高RT状態中に第2の抽籤に当籤すると、第1の抽籤に当籤する確率の高い高確率状態に移行するため、高RT状態を特定演出状態(ART)への移行チャンス区間にすることができる。
ここで、高RT状態(=高確率状態)中に所定の図柄組合せが停止されると、RT終了手段により高RT状態から通常状態に移行するものの、不正行為などにより表示された図柄組合せを零してしまった(把握できない)場合、高確率状態が一時的に維持されてしまう。この点、本発明に係る遊技機では、一遊技の進行が所定の順序で進行したか否かを判定し、所定の順序で進行していない場合に低確率状態に移行させることで、遊技の進行結果(例えば、表示された図柄組合せ)を零してしまった場合であっても、高確率状態が不当に維持されてしまうことがなく、不正行為によって遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記低確率状態では、前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、レア役以上)が内部当籤役として決定されることを条件に前記第1の抽籤を行い、前記高確率状態では、前記内部当籤役決定手段により所定役を含む複数の役(例えば、全役)のいずれかが内部当籤役として決定されることを条件に前記第1の抽籤を行うことを特徴とする。
このような遊技機によれば、高確率状態では低確率状態に比べてより多くの種類の役に基づいて第1の抽籤が行われることになるため、高確率状態が不当に維持されてしまうと遊技者が不当な利益を得てしまう。この点、本発明に係る遊技機では、遊技の進行が適切ではない場合には、図柄組合せに関係なく高確率状態から低確率状態に移行させるため、高確率状態が不当に維持されてしまうことがなく、不正行為によって遊技者が不当な利益を得てしまうことを防止することができる。
[付記21]
付記21のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
パチスロ機では、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機では、遊技の進行に合わせて様々な演出を行うことが一般的に行われており、例えば、特許文献(特開2015−144940号公報)には、揺れるような演出(振動表示)を行う際に、複数のレイヤに異なる画像データを配置して重複させることで、データの容量増大を防止しつつ適切に画面表示を揺動させることが可能な遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技機における演出は、リールの回転開始時やリールの停止時などの遊技の進行に合わせて演出を切り替えることが求められるが、特許文献1では、遊技の進行に合わせて演出を切り替えることについて何ら開示されておらず、更なる工夫が求められている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、遊技の進行に合わせて演出を適切に切り替え可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、演出を表示する表示手段(例えば、液晶表示装置11)と、遊技の進行に応じて切替前演出から切替後演出に切り替え可能な第1演出及び第2演出を含む複数の演出の中から所定の遊技において表示する演出を選択する演出選択手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出選択手段が選択した演出に基づいて前記表示手段を制御する表示制御手段(例えば、副制御回路101)と、遊技の進行に応じて前記表示手段において表示中の演出の切り替え要求(例えば、スタートコマンド、リール停止コマンド)を検出する検出手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記表示制御手段は、前記検出手段が切り替え要求を検出すると、前記演出選択手段により前記第1演出が選択されている場合には、切替前演出を実行する一のレイヤから切替後演出を実行する他のレイヤに切り替えることで、前記表示手段において表示する演出を切り替え、前記演出選択手段により前記第2演出が選択されている場合には、同一のレイヤにおいて実行する演出を切替前演出から切替後演出に切り替えることで、前記表示手段において表示する演出を切り替えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機は、演出を実行中のレイヤを切り替えることで、遊技の進行に応じて演出を切り替える第1演出と、同一のレイヤにおいて遊技の進行に応じて演出を切り替える第2演出と、を有し、これら第1演出と第2演出とを含む複数の演出の中から表示する演出を選択する。ここで、第1演出のようにレイヤを切り替えることで演出を切り替える場合、演出の切り替え前後において画像のチラツキなどの発生を抑えることができるものの、それぞれのレイヤにおいて演出を実行しなければならないため、処理負荷が増大してしまう。一方、第2演出のように同一のレイヤで実行する演出を切り替える場合、処理負荷は抑えられるものの、演出の切り替え前後において画像のチラツキなどが発生してしまう場合がある。
本発明に係る遊技機では、例えば、切り替え前後の演出のつながりや、それぞれの演出の処理負荷などに応じて、演出毎に予め好ましい切り替え方法を設定しておく。これにより、例えば、切り替え前後においてチラツキが発生し易く遊技者に不快感を与えるような演出(第1演出)に対しては、レイヤを切り替える方法を設定しておくことができ、また、チラツキが気にならないような演出(第2演出)に対しては、同一のレイヤで演出を切り替える方法を設定しておくことができる。その結果、本発明によれば、演出の切り替え時のチラツキにより遊技者に対して不快感を与えてしまうことを防止できるとともに、処理負荷を抑え、演出の切り替えに応じて処理落ちが生じてしまうことを防止でき、結果、遊技の進行に合わせて演出を適切に切り替えることができる。
また、本発明に係る遊技機は、遊技者に対して所定の操作を促す報知手段(例えば、液晶表示装置11)を更に備え、前記検出手段は、前記報知手段が促した操作に応じて第1切り替え要求を検出するとともに、前記報知手段が促した操作が行われることなく遊技が進行したことに応じて第2切り替え要求を検出し、前記表示制御手段は、前記検出手段が前記第1切り替え要求を検出した場合には、当該第1切り替え要求に応じて前記表示手段において表示する演出を切替前演出から第1切替後演出に切り替え、前記検出手段が前記第2切り替え要求を検出した場合には、当該第2切り替え要求に応じて前記表示手段において表示する演出を切替前演出から第2切替後演出に切り替えることを特徴とする。
パチスロ機やパチンコ機などの遊技機では、チャンスボタンなどのボタン操作を遊技者に促し、ボタン操作が行われた場合に演出を切り替えることがある。この点、本発明に係る遊技機では、ボタン操作が行われた場合と行われない場合とで、切り替える演出を異ならせることができるため、遊技性が多様化し、遊技の興趣が向上する。この場合においても、それぞれの演出には好ましい切り替え方法が設定されているため、遊技の進行に合わせて演出を適切に切り替えることができる。
[付記22]
付記22のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
パチスロ機では、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機では、遊技の進行に合わせて様々な演出を行うことが一般的に行われており、特に、近年では、演出効果を高めるために表示装置だけでなくその他の装置(例えば、役物)を用いて演出を行う遊技機も知られている。例えば、特許文献(特開2014−200614号公報)には、表示装置と、表示装置に一部が重なる位置に移動可能な可動体とを連動して演出や表示を行う遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機では、演出実行中は、表示装置と他の装置との連携が図れており不都合は発生しないが、各種エラーが発生した場合やメニュー画面を起動した場合などの非演出状態では、他の装置の存在が表示装置の表示内容(例えば、エラーの報知やメニュー画面の表示など)を視認し難くしてしまい、他の装置の存在がかえって邪魔になってしまうおそれがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、表示装置の表示を邪魔することのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、画像表示する表示装置(例えば、液晶表示装置11)と、前記表示装置の前面に設けられ、板面に沿った光を遊技者側に反射する反射面を有する凹部(例えば、反射凹部402a)により潜像(例えば、潜像402)が形成された透過パネル(例えば、導光板401)と、前記透過パネルの板面に沿って発光する発光装置(例えば、LED403)と、前記表示装置の表示を制御する表示制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記発光装置の発光を制御する発光制御手段(例えば、副制御回路101、パネル制御基板79)と、非演出画像(例えば、エラーを報知用の画面、メニュー画面)の呼び出し要求を検出する検出手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記発光制御手段は、演出データに基づいて発光の出力要求を行う演出実行手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出実行手段の出力要求に応じて前記発光装置を発光させる発光出力制御手段(例えば、パネル制御基板79)と、を含み、前記発光出力制御手段は、前記演出実行手段から出力要求を受け付けている場合に前記検出手段が呼び出し要求を検出すると、出力要求よりも呼び出し要求を優先して前記発光装置を消灯させ、前記演出実行手段は、前記検出手段が非演出画像の呼び出し要求を検出するか否かに関わらず、演出データに基づいて発光の出力要求を行い、前記表示制御手段は、前記検出手段が非演出画像の呼び出し要求を検出すると、非演出画像を前記表示装置に表示することを特徴とする。
このような遊技機によれば、表示装置の前面に設けられた透過パネルに対して、発光装置が光線を発射することで、表示装置の前面に透過パネルに形成された潜像に応じた像が表示されることになるため、表示装置と透過パネルとを連携して演出を行うことができ、単に表示装置において演出を行う場合に比べて効果的な演出を行うことができる。一方で、本発明に係る遊技機では、例えば、エラー報知用の画面やメニュー画面などの非演出画像の呼び出し要求があると、表示装置に非演出画像を表示するとともに、発光装置を消灯する。これにより、表示装置において非演出画像を表示する際に、表示装置の表示を邪魔することがなく、非演出画像の視認性を損ねることがない。
特に、本発明に係る遊技機では、発光の出力要求よりも非演出画像の呼び出し要求を優先するため、透過パネルを用いた演出の実行中に呼び出し要求があった場合であっても、透過パネルを用いた演出は中断され、非演出画像の視認性を損ねることがない。また、演出実行手段から発光出力制御手段への発光の出力要求は、非演出画像の呼び出し要求に関係なく行われるため、透過パネルを用いた演出の実行中に呼び出し要求があった場合であっても、演出処理自体にエラー処理などの処理を加える必要がなく、処理を簡易化することができるとともに、バグの発生を抑えることができる。言い換えると、本発明に係る遊技機では、透過パネルを用いた演出の実行中に呼び出し要求があった場合、内部的には演出データに基づく発光のアニメーションを継続しつつ、発光の出力を抑止する。これにより、非演出画像の表示を邪魔してしまうことを防止できるとともに、非演出画像の表示終了時には、内部的に継続していた処理の続きから、透過パネルを用いた演出を再開することができ、表示装置と透過パネルとを用いた効果的な演出を行うことができる。
[付記23]
付記23のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、遊技性を高めるために、遊技機の機種に応じた装飾部が設けられた遊技機も知られている。装飾部としては、例えば、機械的な動作、発光、又はそれら両方を行うものがあり、そのような装飾部は、一般に「役物(可動式役物)」と呼ばれている。役物を用いた遊技機として、例えば、特許文献(特開2014−042691号公報)には、フロントドアの上部に回転する可動式役物を設置した遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、可動式役物は、長時間の連続作動に伴う負荷により、モータやギア機構が消耗してしまい、場合によっては故障の発生により可動式役物に特有の演出が実行できなくなってしまい、遊技者に対して不快感を与えてしまうことになる。そのため、可動式役物の消耗を軽減可能な工夫が求められている。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、可動式役物の消耗を軽減可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、可動部(例えば、カバー部材198)が初期位置(例えば、目玉本体203が遊技者に対して視認不能になる位置)及び所定位置(例えば、目玉本体203が露出する位置)を含む複数の位置に移動可能な可動式役物(例えば、回転役物200)と、前記可動式役物の動作を制御する役物制御手段(例えば、副制御回路101、回転役物制御基板78)と、遊技者の操作を受け付けない期間を示す無操作時間を計時する計時手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記役物制御手段は、所定の条件の成立に基づいて、前記可動式役物の可動部を初期位置から所定位置(例えば、カバー部材198が半開放状態となる位置)に移動し、前記計時手段は、前記可動式役物の可動部が所定位置に移動したときに無操作時間の計時を開始し、前記役物制御手段は、前記計時手段が計時する無操作時間が所定時間(例えば、3分)に達すると、前記可動式役物の可動部を初期位置に戻すことを特徴とする遊技機。
無操作時間が所定時間に達した場合には、遊技者が何ら操作を行っておらず遊技中でない可能性が高い。このように遊技中でない場合にまで可動式役物による特有の演出を継続したのでは、可動式役物が消耗してしまうことになるため、本発明に係る遊技機では、無操作時間が所定時間に達した場合には、可動式役物の可動部を初期位置に戻し、可動式役物の消耗を軽減する。これにより、本発明に係る遊技機では、可動式役物を用いた特有の演出により遊技の興趣を向上させつつ、可動式役物が不要に消耗してしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記所定の条件は、遊技を行う状態が前記有利状態であり、かつ、遊技の開始操作がなされたことであることを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態中に開始操作がなされると、可動式役物の可動部が所定位置に位置することになり、有利状態中に可動式役物を用いた特有の演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記24]
付記24のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役として決定された役を取りこぼすことがないように、遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
このようなART機能を備える遊技機では、ART状態への移行の期待度が高いチャンスゾーンを設け、このチャンスゾーン中に特定の条件を満たすと高確率でART状態に移行させる制御を行うこととしている。例えば、特許文献(特開2013−048945号公報)には、チャンスゾーン(CZ)中に特定の図柄組合せ(RT作動図柄1)を狙わせ、特定の図柄組合せが表示されると、リプレイが内部当籤役として確率が高い高RTに移行する制御を行う遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
チャンスゾーンを用いる遊技機では、チャンスゾーン中に予め定められた所定回数の遊技が行われると必ずART状態に移行することになる、いわゆる完走型のチャンスゾーンも知られている。しかしながら、このような完走型のチャンスゾーンでは、遊技者は、単にチャンスゾーンが完走するまで継続することを望むことになってしまい、チャンスゾーン中の遊技性が単調になってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な有利状態への移行契機となる所定の期間中における遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ64)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を契機として、前記有利状態を行う権利を付与する権利付与抽籤を行う有利状態抽籤状態(例えば、CZ)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤状態において前記内部当籤役決定手段により所定役が内部当籤役として決定されると前記有利状態を行う権利を所定確率で付与する第1権利付与抽籤(例えば、CZ途中で行うARTへの移行抽籤)を行い、前記有利状態抽籤状態において所定数(例えば、30ゲーム)の単位遊技が経過すると前記有利状態を行う権利を特定確率で付与する第2権利付与抽籤(例えば、CZ完走時に行うARTへの移行抽籤)を行う有利状態抽籤手段(例えば、副制御回路101)と、前記有効ライン上に所定の図柄組合せが表示されると、又は、前記有利状態抽籤状態において前記所定数の単位遊技が経過すると、前記有利状態抽籤状態を終了する抽籤状態終了手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤手段が行った前記第1権利付与抽籤及び前記第2権利付与抽籤の結果として付与された前記有利状態を行う権利の合算回数を計数する権利回数管理手段(例えば、副制御回路101)と、前記有利状態抽籤状態が終了すると、前記権利回数管理手段が計数する合算回数分、前記有利状態を実行する有利状態制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態抽籤状態(チャンスゾーン)では、有利状態抽籤状態が終了することになる所定数の単位遊技が行われることを契機として第2権利付与抽籤を行うため、完走時に有利状態への抽籤を行ういわゆる完走型のチャンスゾーンを実現することができる。このとき、本発明に係る遊技機では、完走時だけでなく、有利状態抽籤状態中に所定役が内部当籤役として決定された場合にも第1権利付与抽籤を行うため、遊技者は、有利状態抽籤状態が単に継続することを望むだけでなく、有利状態抽籤状態中の第1権利付与抽籤に対しても関心を抱くことになる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、有利状態への移行契機となる有利状態抽籤状態中の遊技を多様化することができ、有利状態抽籤状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、有利状態抽籤状態は、所定の図柄組合せが表示されると終了してしまう可能性がある。しかしながら、所定の図柄組合せが表示されることを回避できた場合には、有利状態抽籤状態は終了しない。そのため、遊技者の停止操作に応じて有利状態抽籤状態を継続させることができ、遊技者は、有利状態抽籤状態中に停止操作に対して強い関心を抱くことになり、有利状態抽籤状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機では、有利状態抽籤状態が終了すると、有利状態抽籤状態中に行われた権利付与抽籤の結果として付与された有利状態を行う権利の合算回数分だけ有利状態を実行する。ここで、遊技機によっては、例えば、有利状態抽籤状態中に有利状態を行う権利を1つしか付与しない遊技機もあるが、このような遊技機では、遊技者は不満を感じやすく、特に、完走型のチャンスゾーン(有利状態抽籤状態)のような場合には、完走するまで長期間継続したとしても1つの権利しか得られないため、遊技者の満足感も半減してしまう。この点、本発明に係る遊技機では、有利状態抽籤状態中に権利付与抽籤に複数回当籤した場合には、遊技者には複数回分の有利状態を行う権利が付与されることになるため、遊技者に対して不満を感じさせることがない。また、遊技者にとってみても、第1権利付与抽籤が行われた場合に有利状態抽籤状態が終了しないように停止操作を行うことができれば、その後、第1権利付与抽籤や第2権利付与抽籤を更に受ける機会を得られることになるため、有利状態抽籤状態中に停止操作に対して強い関心を抱くことになり、有利状態抽籤状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記有利状態抽籤状態において経過した単位遊技の回数に基づいて前記第1権利付与抽籤において前記有利状態を行う権利を付与する確率が自身よりも高い第2モード(例えば、CZモード1)に移行する第1モード(例えば、CZモード0)と、当該第1モードよりも前記確率が高く、かつ、前記確率が自身よりも低い第1モードに移行しない第2モードとを有することを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利状態抽籤状態中に第1モードから第2モードに移行すると、その後、第2モードから第1モードに移行することがないため、有利状態抽籤状態において経過した単位遊技の回数が増加するほど第1権利付与抽籤に当籤する確率が上がることになる。遊技者にとってみれば、有利状態抽籤状態が長く継続することが望ましいため、有利状態抽籤状態中に停止操作に対して強い関心を抱くことになり、有利状態抽籤状態中の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記抽籤状態開始手段が前記有利状態抽籤状態を開始する際に、前記第1モードから前記第2モードに移行する前記単位遊技の回数を決定する移行回数決定手段(例えば、CZ_MAPを決定する副制御回路101)と、前記第2モードでは前記第1モードとは異なる態様の演出を行う演出手段(例えば、副制御回路101、液晶表示装置11)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者は、演出手段の演出態様から第1モードから第2モードに移行したことを把握又は推測することができる。第2モードは、有利状態を行う権利が付与される確率が高いモードであるため、遊技者は、その後の遊技において有利状態に移行することについて期待感を持って遊技を行うことができ、有利状態抽籤状態中の興趣を向上させることができる。