以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロについて、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、特定の小役の成立をランプ等でナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、特定プレイ数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能であるRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
[パチスロの機能フロー]
図1に示したように、パチスロ1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー16が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU51)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ16S(図4参照)によるスタートレバー16に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられるものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン17L、17C、17Rが押されると、リール停止制御手段(後述のメインCPU51)は、内部当籤役とストップボタン17L、17C、17Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン17L、17C、17Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインとしての入賞ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU51)は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の成立又は不成立を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン17L、17C、17Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置10などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプ(後述するランプ20)により行う光の出力、スピーカ21L、21Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー16が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、その他の抽籤処理や、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。
演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。
このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役、すなわち、狙うべき図柄の組合せを知るあるいは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロの構造]
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。なお、図2は、本実施形態のパチスロ1の外部構造を示す斜視図であり、図3は、パチスロ1の内部構造を示す図である。
<外観構造>
パチスロ1は、図2に示すように、リールや回路基板等を収容したキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられたフロントドア1bとを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが設けられ、該3つのリール3L,3C,3Rは横方向(リールの回転方向と直交する方向)に一列に配置される。以下、リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。
各リール(表示列)は、円筒状のリール本体と、リール本体の周面(周回面)に装着された透光性のシート材とを有する。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄がリール本体の周方向に沿って連続的に描かれる。
フロントドア1bの中央には、液晶表示装置10が設けられる。そして、液晶表示装置10は、3つのリール3L,3C,3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4を含む表示画面を備える。
表示窓4は、例えばアクリル板等の透明部材で構成され、図2に示すように、正面(遊技者側)から見て、3つのリールの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。それゆえ、表示窓4の背後に設けられた3つのリールに描かれた図柄が、表示窓4を介して目視することができる。
本実施形態では、表示窓4は、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できるように構成される。すなわち、表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄を表示することができる。そえゆえ、本実施形態では、表示窓4の枠内に、3×3の配列形態で図柄が表示される。そして、本実施形態では、各リール3L、3C、3Rの上段、中段及び下段からなる3つの領域のうちリール3Lの上段、リール3Cの中段及びリール3Rの下段をそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞ライン)として定義する。
また、液晶表示装置10の表示画面の下部には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられる。7セグ表示器6は、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数という)、特典として遊技者に払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数という)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数という)等の情報をデジタル表示する。
また、フロントドア1bには、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口11、MAXベットボタン12、1BETボタン14、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられる。
メダル投入口11は、遊技者によって外部からパチスロ1に投入されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口11を介して受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、所定枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。なお、本実施形態のパチスロ1では、1回の遊技に投入可能なメダルの枚数は、3枚である。
MAXベットボタン12及び1BETボタン14は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。なお、図2には示さないが、フロントドア1bには、精算ボタンが設けられる(スタートレバー16のストップボタン側とは反対側の側部に配置されている)。この精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
さらに、フロントドア1bには、図2に示すように、メダル払出口18、メダル受皿19、ランプ20、スピーカ21L,21R等が設けられる。
メダル払出口18は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。ランプ20は、LED等で構成され、演出内容に対応するパターンで光を点消灯する。また、スピーカ21L,21Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
<内部構造>
次に、パチスロ1の内部構造を、図3を参照しながら説明する。なお、図3は、フロントドア1bが開放された状態を示す図であり、フロントドア1bの裏面側の構造及びキャビネット1aの内部の構造を示す。
キャビネット1a内の上方部分には、後述の主制御回路41(図4参照)を構成する主基板31が設けられる。主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路41の具体的な構成は後述する。
キャビネット1a内の中央部分には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられる。なお、図3には示さないが、各リールは、所定の減速比を有するギアを介して対応する後述のステッピングモータ(図4中のステッピングモータ61L,61C,61Rのいずれか)に接続される。
キャビネット1a内の下方部分には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という)が設けられる。また、キャビネット1a内における、ホッパー33の一方の側部(図3に示す例では左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置34が設けられる。
フロントドア1bの裏側部(表示画面側とは反対側の部分)において、表示窓4の配置領域の上方部分には、後述の副制御回路42(図4及び図5参照)を構成する副基板32が設けられる。副制御回路42は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路42の具体的な構成は後述する。
さらに、フロントドア1bの裏側部において、表示窓4の配置領域の下方部分には、セレクタ35が設けられる。セレクタ35は、メダル投入口11を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定されたメダルをホッパー33に案内する。また、図3には示さないが、セレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(後述の図4参照)が設けられる。
[パチスロが備える回路の構成]
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。なお、図4は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図であり、図5は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。
パチスロ1は、図4に示すように、主制御回路41、副制御回路42、及び、これらの回路と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
主制御回路41は、主に、回路基板(主基板31)上に設置されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、図4に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65、及び、払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、メインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU51には、図4に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続される。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサ等が接続される。メインCPU51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17S(停止操作検出手段)は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16S(開始操作検出手段)は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ14Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35S(投入操作検出手段)は、メダル投入口11に投入されたメダルがセレクタ35内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ12Sは、ベットボタン(MAXベットボタン12又は1BETボタン14)が遊技者により押されたことを検出する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L,61C,61R(図柄変動手段)、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
3つのステッピングモータ61L,61C,61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有するギアを介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力される毎に、対応するリールは一定の角度で回転する。
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)によって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたのかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施形態では、上述のように、遊技中の滑り駒数の最大数を図柄4個分に定める。それゆえ、例えば、遊技中に所定のリールに対応するストップボタンが押されたときには、表示窓4内の入賞ライン上の対応する領域に位置する所定のリールの図柄と、その4個先までの範囲に存在する図柄が、該領域に停止可能な図柄となる。
なお、主制御回路41に含まれる、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
<副制御回路>
副制御回路42は、図4及び図5に示すように、主制御回路41と電気的に接続され、主制御回路41から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路42は、基本的には、図5に示すように、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、A/D(Analog to Digital)変換器92、アンプ93、及び、装飾部材駆動回路94を含む。
サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、サブROM82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置10による映像の表示を制御するための描画制御タスク、ランプ20による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ21L,21Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク等のプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、図5に示すように、液晶表示装置10、スピーカ21L,21R、ランプ20、及び、可動装飾部材22等の周辺装置が接続され、これらの周辺装置の動作は、副制御回路42により制御される。
本実施形態では、サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成した映像は液晶表示装置10により表示される。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ21L,21Rにより出力する。さらに、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ20の点灯及び消灯を行う。
サブCPU81及び装飾部材駆動回路94は、演出内容により指定された役物駆動データに従って可動装飾部材22の駆動を行う。可動装飾部材22は、演出用部材であり、通常、液晶表示装置10の周囲に設けられ、非演出時には装飾部(不図示)に隠れるように配置される。そして、特定の演出が行われる場合に、可動装飾部材22は、装飾部材駆動回路94により駆動され、液晶表示装置10の前面に露出される。なお、以下では、可動装飾部材22を可動役物22という。
[メイン側の遊技状態の遷移フロー]
次に、図6及び図7を参照しながら、本実施形態のパチスロ1の主制御回路41(メインCPU51)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
本実施形態では、主制御回路41は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する。図7に示すように、主制御回路41は、ボーナス(BB)の当籤/作動の有無に基づいて、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態を区別する。具体的には、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、フラグ間状態は、ボーナス当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
また、主制御回路41は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT5遊技状態の6種類の状態を設ける。なお、RT0遊技状態〜RT2遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT3遊技状態及びRT5遊技状態はリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、ボーナス非当籤状態の中で最も有利な遊技状態である。
主制御回路41は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づき区別されるボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態と、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率に基づき区別されるRT0遊技状態〜RT5遊技状態と、からパチスロ1におけるメイン側の遊技状態を管理する。より具体的には、主制御回路41は、パチスロ1における遊技状態として、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態、フラグ間状態のRT5遊技状態、ボーナス状態のRT0遊技状態、ボーナス状態のRT2遊技状態、ボーナス状態のRT4遊技状態、及びボーナス状態のRB遊技状態の10種類の状態を管理する。
なお、ボーナスの当籤の有無は、メインRAM53に設けられる内部当籤役格納領域(後述の図48参照)に格納されるデータに基づいて管理される。例えば、内部当籤役格納領域4のビット2にデータ1が格納されている場合には、ボーナスに当籤していることになる。また、ボーナスの作動の有無及びRT遊技状態は、メインRAM53に設けられる遊技状態フラグ格納領域(後述の図51参照)に格納されるデータに基づいて管理される。例えば、遊技状態フラグ格納領域のビット3とビット5にデータ1が格納されている場合には、ボーナス(BB遊技状態)が作動しており、かつ、RT4遊技状態であることになる。
ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域の全ビットのデータが0)は、ボーナス非当籤状態中の基本的な遊技状態の一つである。図6に示すように、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。
具体的には、図6及び図7に示すように、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において、(1)ベルこぼし目又はRT1移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する。なお、ベルこぼし目は、後述する押し順ベルが内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT1移行リプは、後述する押し順リプが内部当籤役として決定された場合に、押し順リプの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。
また、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において、(2)RT4移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行する。なお、RT4移行リプは、後述する押し順リプが内部当籤役として決定された場合に、押し順リプの種別毎に定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せ、又は、後述する「F_チャンスリプ2」若しくは「F_滑チャンスリプ2」が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せである。
また、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において、(3)RT3移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態に移行する。なお、RT3移行リプは、後述する「F_滑チャンスリプ1」又は「F_チェリーリプ」が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せである。
また、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。なお、BBに係る役とは、後述の「F_黒黒黒」「F_赤赤赤」「F_白白白」「F_赤赤白」「F_白白赤」のいずれかである。これらBBに係る役は、内部当籤役として決定されると対応する図柄の組合せが表示されるまでの間(すなわち、BBの作動が開始するまでの間)、内部当籤役として持ち越される、いわゆる持越役である。
続いて、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット0のデータが1)は、ボーナス非当籤状態中の基本的な遊技状態の一つである。図6に示すように、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図6及び図7に示すように、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態において、(4)固定ゲーム数(本実施形態では5ゲーム)が経過すると、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態に移行する。また、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。
また、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット1のデータが1)は、BBの作動が終了した後に移行する可能性のある遊技状態である。本実施形態では、ボーナス終了時には、ボーナス状態中のRT遊技状態が維持されたままボーナス非当籤状態に移行することになる。そのため、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態は、ボーナス状態が、ボーナス状態のRT2遊技状態で終了した場合に移行することになる。また、図6に示すように、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図6及び図7に示すように、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態において、(1)ベルこぼし目に係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する。また、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。
また、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット2のデータが1)は、パチスロ1の基本的な遊技状態であるRT0遊技状態に比べるとリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高い遊技状態である。図6に示すように、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図6及び図7に示すように、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態において、(4)固定ゲーム数(本実施形態では5ゲーム)が経過すると、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態に移行する。また、ボーナス非当籤状態のRT3遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。
また、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット3のデータが1)は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が最も高くメダルを減らすことなく遊技が可能な有利状態である。図6に示すように、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態、及びフラグ間状態のRT5遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図6及び図7に示すように、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態において、(1)ベルこぼし目又はRT1移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する。また、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態において、(5)BBに係る役が内部当籤役として決定されると、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行する。
また、フラグ間状態のRT5遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のいずれかのデータが1、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット4のデータが1)は、BBに係る役が内部当籤役として持ち越されている、いわゆるBBフラグ間であり、内部当籤役として持ち越されているBBに応じた図柄の組合せが表示されるまで滞在する遊技状態である。図6に示すように、フラグ間状態のRT5遊技状態からは、ボーナス状態のRT0遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図6及び図7に示すように、フラグ間状態のRT5遊技状態において、(6)持ち越しているBBに応じた図柄の組合せが表示され、BBが作動すると、ボーナス状態のRT0遊技状態に移行する。
ボーナス状態のRT0遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット5のデータが1)は、BBが作動すると最初に滞在する遊技状態である。ボーナス状態中は、ボーナス状態のRT0遊技状態からスタートし、その他の遊技状態に移行することになる。図6に示すように、ボーナス状態のRT0遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、及びボーナス状態のRT4遊技状態に移行する可能性がある。
具体的には、図6及び図7に示すように、ボーナス状態のRT0遊技状態において、(10)BBの作動が終了すると、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態に移行する(ボーナス終了前後において、RT遊技状態は維持される)。なお、BBの作動は、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が59枚を超えると終了する。
また、ボーナス状態のRT0遊技状態において、(7)JACINに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナス状態のRT4遊技状態に移行する。なお、JACINに係る役とは、後述の「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」のいずれかである。ここで、後述の図26に示すように、ボーナス状態のRT0遊技状態では、JACINに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いため(約52%)、基本的にはBBの作動が終了する前にJACINに係る役が内部当籤役として決定され、ボーナス状態のRT4遊技状態に移行することになる。これらJACINに係る役は、内部当籤役として決定されると対応する図柄の組合せが表示されるまでの間(すなわち、RBの作動が開始するまでの間)、ボーナス状態中に限り内部当籤役として持ち越される、いわゆる持越役である。
また、ボーナス状態のRT4遊技状態(内部当籤役格納領域5のビット1〜3のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット3及びビット5のデータが1)は、JACINに係る役が内部当籤役として持ち越されている、ボーナス状態中のいわゆるRBフラグ間である。図6に示すように、ボーナス状態のRT4遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態、及びボーナス状態のRB遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図6及び図7に示すように、ボーナス状態のRT4遊技状態において、(10)BBの作動が終了すると、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行する(ボーナス終了前後において、RT遊技状態は維持される)。また、ボーナス状態のRT4遊技状態において、(8)持ち越しているJACINに応じた図柄の組合せが表示され、RBが作動すると、ボーナス状態のRB遊技状態に移行する。
また、ボーナス状態のRB遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0〜3のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット5及びビット6のデータが1)は、ボーナス状態中にRBの作動が開始すると移行する遊技状態である。なお、後述の図22に示すように、ボーナス状態のRB遊技状態では、内部当籤役として「はずれ」が決定される確率が高く(約65%)基本的に不利な状態であるため、本実施形態のパチスロ1では、ボーナス状態中は、持ち越しているJACINに応じた図柄の組合せ表示させることなく、ボーナス状態のRT4遊技状態を維持したまま遊技を行うことになる。
図6に示すように、ボーナス状態のRB遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、及びボーナス状態のRT2遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、図6及び図7に示すように、ボーナス状態のRB遊技状態において、(10)BBの作動が終了すると、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態に移行する。また、ボーナス状態のRB遊技状態において、(9)RBの作動が終了すると、ボーナス状態のRT2遊技状態に移行する。なお、RBの作動は、ボーナス状態のRB遊技状態において「はずれ」以外の図柄の組合せが8回表示されること(8回の入賞)、ボーナス状態のRB遊技状態において12回の遊技が行われること、又はBBの作動が終了すること、のいずれかの条件を満たすと終了する。
また、ボーナス状態のRT2遊技状態(内部当籤役格納領域4のビット2〜7及び内部当籤役格納領域5のビット0〜3のデータが0、かつ、遊技状態フラグ格納領域のビット1及びビット5のデータが1)は、ボーナス状態のRB遊技状態の後に移行する遊技状態である。図6に示すように、ボーナス状態のRT2遊技状態からは、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、及びボーナス状態のRT4遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、ボーナス状態のRT2遊技状態において、(10)BBの作動が終了すると、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態に移行する(ボーナス終了前後において、RT遊技状態は維持される)。また、ボーナス状態のRT2遊技状態において、(7)JACINに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナス状態のRT4遊技状態に移行する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図8〜図26を参照して、メインROM52に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図8に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「白7」、「赤7」、「BAR」、「リプ1」、「リプ2」、「リプ3」、「チェリー1」、「チェリー2」、「スイカ」及び「ベル」を含んでいる。
図8に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3R毎に特定することができる。
<図柄コード表>
また、図8に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図8に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ1で用いる図柄は、上述のように「白7」、「赤7」、「BAR」、「リプ1」、「リプ2」、「リプ3」、「チェリー1」、「チェリー2」、「スイカ」及び「ベル」の10種類である。
図柄コード表では、「白7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「赤7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「BAR」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「リプ1」、「リプ2」、「リプ3」、「チェリー1」、「チェリー2」、「スイカ」及び「ベル」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図9〜図21を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM53に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、入賞ラインに沿って、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rに表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域(後述の表示役格納領域(図50参照)を指定するためのデータ)」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を45個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図9に示す「R_RT移行目A_01」は、表示役格納領域1のビット0に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、入賞ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図19を参照すると、コンビネーション「C_CDベル」が表示された場合には、10枚のメダルが払い出されることになる。
本実施形態では、図9〜図21に示す多数の図柄の組合せを、その役割に応じて複数の種類に分類する。図柄組合せテーブル中の役種別欄は、それぞれの図柄の組合せの役割を規定する。より具体的には、本実施形態では、多数の図柄の組合せを「RT移行目」「BB」「JACIN」「再遊技」「RT移行再遊技」及び「入賞」の6種類に分類する。
役種別「RT移行目」は、表示されるとRT遊技状態の移行が行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図9に示す「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目F_08」が該当する。これら「RT移行目」は、上述した押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せであり、上述の「ベルこぼし目」である。すなわち、押し順ベルが内部当籤役として決定され、押し順に不正解の場合、役種別「RT移行目」に対応する図柄の組合せのいずれかが表示される可能性がある。役種別「RT移行目」に対応する図柄の組合せが表示された場合、RT1遊技状態に移行する可能性がある。
役種別「BB」は、表示されるとBBの作動が行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図10に示す「C_BB1」〜「C_BB5_02」が該当する。役種別「BB」に対応する図柄の組合せが表示された場合、BBの作動が開始するとともに、RT0遊技状態に移行する。
役種別「JACIN」は、表示されるとRBの作動が行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図10に示す「C_JACIN1」〜「C_JACIN3」が該当する。役種別「JACIN」に対応する図柄の組合せが表示された場合、RBの作動が開始するとともに、RBの作動の終了後にRT2遊技状態に移行する。
役種別「再遊技」は、表示されると再遊技の作動が行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図10に示す「C_CU白」〜「C_KYリプ_09」が該当する。役種別「再遊技」に対応する図柄の組合せが表示された場合、再遊技の作動が行われる。なお、役種別「再遊技」に対応する図柄の組合せが表示された場合、RT遊技状態の移行は行われない。
役種別「RT移行再遊技」は、表示されると再遊技の作動とともにRT遊技状態の移行が行われる可能性のある図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図11〜図17に示す「C_CUリプ_01」〜「C_スイFKF_18」が該当する。役種別「RT移行再遊技」に対応する図柄の組合せが表示された場合、再遊技の作動が行われるとともに、図柄の組合せに応じて様々なRT遊技状態に移行する可能性がある。
例えば、図11に示す「C_CUリプ_01」〜「C_CUリプ_03」が表示された場合には、RT1遊技状態に移行する可能性がある。これら「C_CUリプ_01」〜「C_CUリプ_03」は、上述した押し順リプの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される可能性のある図柄の組合せであり、上述の「RT1移行リプ」である。すなわち、押し順リプが内部当籤役として決定され、押し順に不正解の場合、「C_CUリプ_01」〜「C_CUリプ_03」のいずれかが表示されることになる。
また、図11〜図13に示す「C_Cリプ01」〜「C_ベルFKC_12」が表示された場合には、RT4遊技状態に移行する可能性がある。これら「C_Cリプ01」〜「C_ベルFKC_12」は、上述の「RT4移行リプ」である。より具体的には、上述した押し順リプが内部当籤役として決定され、押し順に正解の場合、「C_CUリプ_01」〜「C_CUリプ_03」のいずれかが表示されることになる。また、上述した「F_チャンスリプ2」又は「F_滑チャンスリプ2」が内部当籤役として決定された場合、押し順に関係なく「C_Cリプ01」〜「C_ベルFKC_12」のいずれかが表示されることになる。
また、図14〜図17に示す「C_CDチェリプA_01」〜「C_スイFKF_18」が表示された場合には、RT3遊技状態に移行する可能性がある。これら「C_CDチェリプA_01」〜「C_スイFKF_18」は、上述の「RT3移行リプ」である。より具体的には、上述した「F_滑チャンスリプ1」又は「F_チェリーリプ」が内部当籤役として決定された場合、押し順に関係なく「C_CDチェリプA_01」〜「C_スイFKF_18」のいずれかが表示されることになる。
役種別「入賞」は、表示されるとメダルの払い出しが行われる図柄の組合せ(コンビネーション)であり、図18〜図21に示す「C_CDスイカ」〜「C_BベルBB_04」が該当する。役種別「入賞」に対応する図柄の組合せが表示された場合、図柄組合せテーブルの払出枚数欄に規定する枚数のメダルが払い出されることになる。なお、役種別「入賞」に対応する図柄の組合せが表示された場合、RT遊技状態の移行は行われない。
図19に示す「C_CDベル」は、上述した押し順ベルの種別毎に定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。また、役種別「入賞」に対応する図柄の組合せのうち、払い出し枚数「3枚」の図柄の組合せは、上述した押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される可能性のある図柄の組合せである。すなわち、押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときには、役種別「入賞」に対応する図柄の組合せのうちの払い出し枚数「3枚」の図柄の組合せ、又は役種別「RT移行目」に対応する図柄の組合せが表示されることになる。なお、パチスロ1では、停止操作の押し順として6通りの押し順が考えられるため、押し順に不正解の場合に表示する図柄組合せは、不正解の5通りの押し順の中から任意に設定することができる。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図22〜図26を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、当籤役に対応するデータポインタについての抽籤値の情報を規定する。上述のボーナス非当籤状態のRT0遊技状態では、内部抽籤テーブルの「RT0」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定され、同様にボーナス非当籤状態のRT1遊技状態〜ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態では、内部抽籤テーブルの「RT1」〜「RT4」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定される。また、フラグ間状態のRT5遊技状態では、内部抽籤テーブルの「RT5」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定される。また、ボーナス状態のRT0遊技状態では、内部抽籤テーブルの「BB中(RT0)」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定され、同様に、ボーナス状態のRT4遊技状態又はボーナス状態のRT2遊技状態では、内部抽籤テーブルの「BB中(RT4)」又は「BB中(RT2)」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定され、ボーナス状態のRB遊技状態では、内部抽籤テーブルの「BB中(RB)」欄に規定されている抽籤値を用いて内部当籤役が決定される。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化し、ボーナス(BB又はRB)の作動の有無に応じて内部当籤役として決定される役(リプレイ及び持越役以外)の種別及び当籤確率が変化する。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、格納領域種別及び1バイトデータを決定するために用いられるデータである。データポインタは、複数の当籤番号の各々に対応して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが個別に規定されている。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、デークポインタ)が決定される確率が高い。すなわち、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
<内部当籤役と図柄組合せの比較表>
図27〜図45は、各内部当籤役において入賞ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された当籤役において、入賞ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。なお、当籤役において、入賞ライン上に表示不可能な図柄の組合せについては、対応表の図示を省略している(例えば、図27に示す当籤役「F_黒黒黒」などでは、図28以降に示す図柄の組合せは表示不可能なため、対応表の図示を省略している)。
図27を参照して、例えば、当籤役「F_黒黒黒」が内部当籤役である場合には、入賞ライン上にコンビネーション名「C_BB1」の図柄の組合せが停止表示可能となる。図10を参照すると、このコンビネーション名「C_BB1」は、入賞ラインに沿って「BAR−BAR−BAR」が表示される図柄の組合せである。なお、同図に示す対応表には、当籤役「はずれ」となる場合が規定されていないが、これは、図9〜図21に示した図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せの表示が許可されないことを示す。
パチスロ1では、主制御回路41は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の当籤役が内部当籤役として決定された場合に、図27〜図45に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図27〜図45に示す対応表では、当籤役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、主制御回路41による停止制御は、内部当籤役だけでなく現在の遊技状態に応じても異なるため、当籤役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、遊技状態によっては表示されないことがある。
<当籤役の概要>
この点、図46及び図47に示す当籤役の概要を参照しながら詳細に説明する。図46に示すように、内部当籤役として「はずれ」が決定された場合、図9〜図21に示した図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せの表示が許可されない。なお、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いRT4遊技状態では、リプレイに係る役の当籤確率の増加に伴い「はずれ」が内部当籤役として決定される確率が下がる。そこで、以下では、RT4遊技状態中における「はずれ」をレア役として用いる場合がある(いわゆる「純はずれ」として扱う)。
また、内部当籤役として「F_黒黒黒」「F_赤赤赤」「F_白白白」「F_赤赤白」「F_白白赤」のいずれかが決定された場合には、図27に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。なお、内部当籤役として「F_黒黒黒」「F_赤赤赤」「F_白白白」「F_赤赤白」「F_白白赤」のいずれかが決定された場合には、上述したように、遊技状態は、フラグ間状態のRT5遊技状態になる。
また、内部当籤役として「F_維持リプ1」「F_維持リプ2」のいずれかが決定された場合には、図28〜図32に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。なお、「F_維持リプ1」「F_維持リプ2」は、対応する図柄の組合せが表示されたとしても、RT遊技状態の移行は行われない。
また、「F_123リプ」〜「F_2ndリプ」は、上述の押し順リプであり、内部当籤役としてこれら押し順リプのいずれかが決定された場合には、図28〜図32に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。より具体的には、それぞれの押し順リプの種別毎に定められた押し順に正解のときには、図28〜図32に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のRT4移行リプ(図11〜図13参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可され、当該押し順に不正解のときには、図28〜図32に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のRT1移行リプ(図11参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。
なお、押し順リプとしての当籤役の名称は、正解となる押し順に基づいて定められている。例えば、「F_123リプ」という名称の「1」は停止操作が「左」であることを示し、「2」は停止操作が「中」であることを示し、「3」は停止操作が「右」であることを示している。そして、「123」は、正解となる押し順を示しており、「F_123リプ」の場合、第1停止操作が「左」、第2停止操作が「中」、第3停止操作が「右」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。同様に、「F_231リプ」の場合、第1停止操作が「中」、第2停止操作が「右」、第3停止操作が「左」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。また、「F_2ndリプ」は、第1停止操作が「中」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。
図46に戻り、「F_123上段7テン」〜「F_2ndクロス7揃」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、ボーナス非当籤状態においては、「F_123上段7テン」〜「F_2ndクロス7揃」は、上述の押し順リプであり、押し順に正解のときには、図28〜図32に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のRT4移行リプ(図11〜図13参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可され、押し順に不正解のときには、図28〜図32に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のRT1移行リプ(図11参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。
他方、ボーナス状態においては、「F_123上段7テン」〜「F_2ndクロス7揃」は、図10に示すコンビネーション名「C_CU白」〜「C_B白_02」の図柄の組合せのうち、「F_123上段7テン」〜「F_2ndクロス7揃」と対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。ここで、コンビネーション名「C_CU白」〜「C_B白_02」の図柄の組合せは、各リール3L、3C、3Rの上段、中段及び下段を直線状に結ぶラインのうち、入賞ライン以外の疑似的なラインに「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが3個又は2個表示される図柄の組合せである。以下において、「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが3個表示される図柄の組合せを「7揃いリプ」と呼ぶことがあり、また、「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが2個表示される図柄の組合せを「7煽りリプ」と呼ぶことがある。コンビネーション名「C_CU白」〜「C_B白_02」のうち、コンビネーション名に「FK(フェイク)」が付されていない図柄の組合せが「7揃いリプ」であり、コンビネーション名に「FK(フェイク)」が付された図柄の組合せが「7煽りリプ」である。また、各リール3L、3C、3Rの上段、中段及び下段を直線状に結ぶラインは、上段を結ぶトップライン、中段を結ぶセンターライン、下段を結ぶボトムライン、右下がりに結ぶクロスダウンライン、及び右上がりに結ぶクロスアップラインの5通りのラインがあるが、入賞ラインがクロスダウンラインであるため、「7揃いリプ」又は「7煽りリプ」は、クロスダウンライン以外の4つの疑似的なラインのいずれかに沿って、「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが3個又は2個表示されることになる。
図28に示す対応関係を参照すると、ボーナス状態においては、「F_123上段7テン」及び「F_132下段7テン」は、「7煽りリプ」の表示が許可されることになる。また、ボーナス状態においては、「F_312上段7揃」〜「F_2ndクロス7揃」は、「7揃いリプ」の表示が許可されることになる。
また、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、ボーナス非当籤状態においては、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、押し順に関わらず上述のRT4移行リプ(図11〜図13参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。なお、ボーナス非当籤状態において、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定されるため、ボーナス非当籤状態中では、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」が内部当籤役として決定されるとRT4遊技状態が維持されることになる。
他方、ボーナス状態においては、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、内部当籤役として持ち越しているJACINに係る役の種別に応じて停止制御が異なる。具体的には、ボーナス状態において、「F_JACIN1」が内部当籤役として持ち越されている場合(すなわち、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」又は「F_J1クロス7リプ」のいずれかと「F_JACIN1」との2つが内部当籤役として決定されている場合)、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、「7揃いリプ」であり、クロスダウンライン以外の4つの疑似的なラインのいずれかに沿って、「白7」図柄又は「赤7」図柄のいずれかが3個表示されることになる。
他方、ボーナス状態において、「F_JACIN2」又は「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている場合(すなわち、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」又は「F_J1クロス7リプ」のいずれかと「F_JACIN2」又は「F_JACIN3」のいずれかとの2つが内部当籤役として決定されている場合)、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」は、「ボーナス中の通常リプ」であり、図28〜図32に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「7揃いリプ」以外の図柄の組合せが表示される。
なお、「F_JACIN1」が内部当籤役として持ち越されている状態を「JAC1フラグ間」と呼ぶことがあり、同様に、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態を「JAC2フラグ間」、「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている状態を「JAC3フラグ間」と呼ぶことがある。
また、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、ボーナス非当籤状態においては、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、押し順に関わらず上述のRT4移行リプ(図11〜図13参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。なお、ボーナス非当籤状態において、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定されるため、ボーナス非当籤状態中では、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」及び「F_J1クロス7リプ」が内部当籤役として決定されるとRT4遊技状態が維持されることになる。
他方、ボーナス状態においては、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、内部当籤役として持ち越しているJACINに係る役の種別に応じて停止制御が異なる。具体的には、ボーナス状態において、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている場合(すなわち、「F_J1上段7リプ」、「F_J1下段7リプ」又は「F_J1クロス7リプ」のいずれかと「F_JACIN2」との2つが内部当籤役として決定されている場合)、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、「チャンスリプ」であり、図33〜図39に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_Bリプ01」〜「C_スイFKF_18」のいずれかの図柄の組合せの表示が許可される。
他方、ボーナス状態において、「F_JACIN1」又は「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている場合(すなわち、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」のいずれかと「F_JACIN1」又は「F_JACIN3」のいずれかとの2つが内部当籤役として決定されている場合)、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」は、「ボーナス中の通常リプ」であり、図33〜図39に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「チャンスリプ」以外の図柄の組合せが表示される。
また、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、ボーナス非当籤状態においては、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」は、押し順に関わらず上述のRT4移行リプ(図11〜図13参照)に応じた図柄の組合せの表示が許可される。なお、ボーナス非当籤状態において、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」は、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定されるため、ボーナス非当籤状態中では、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」が内部当籤役として決定されるとRT4遊技状態が維持されることになる。
他方、ボーナス状態においては、「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」内部当籤役として持ち越しているJACINに係る役の種別に関わらず、「チャンスリプ」であり、図33〜図39に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_Bリプ01」〜「C_スイFKF_18」のいずれかの図柄の組合せの表示が許可される。
また、内部当籤役として「F_チャンスリプ1」〜「F_共通ベル」のいずれかが決定された場合には、図33〜図45に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。なお、「F_チャンスリプ1」〜「F_共通ベル」を契機とするRT遊技状態の移行などの特徴は、図46に示す通りである。
続いて、図47を参照して、「F_123ベルA」〜「F_321ベルD」は、基本的には、上述の押し順ベルであり、内部当籤役としてこれら押し順ベルのいずれかが決定された場合には、図40〜図45に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。より具体的には、それぞれの押し順ベルの種別毎に定められた押し順に正解のときには、図40〜図45に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_CDベル(図19参照)」に応じた図柄の組合せの表示が許可される。他方、押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときには、図40〜図45に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のベルこぼし目(図9参照)に応じた図柄の組合せ、又は図柄組合せテーブルにおいて払出枚数が「3」の図柄の組合せ(図19〜図21参照)の表示が許可される。
なお、押し順ベルとしての当籤役の名称は、正解となる押し順に基づいて定められている。例えば、「F_123ベルA」という名称の「1」は停止操作が「左」であることを示し、「2」は停止操作が「中」であることを示し、「3」は停止操作が「右」であることを示している。そして、「123」は、正解となる押し順を示しており、「F_123ベルA」の場合、第1停止操作が「左」、第2停止操作が「中」、第3停止操作が「右」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。同様に、「F_231ベルA」の場合、第1停止操作が「中」、第2停止操作が「右」、第3停止操作が「左」である場合に正解となり、それ以外の押し順の場合に不正解となることを示している。
また、押し順ベルのうち「F_123ベルC」「F_123ベルD」「F_132ベルC」「F_132ベルD」「F_213ベルC」「F_213ベルD」「F_231ベルC」「F_231ベルD」「F_312ベルC」「F_312ベルD」「F_321ベルC」及び「F_321ベルD」は、内部当籤役だけでなく遊技状態に応じて停止制御が異なる当籤役である。具体的には、非フラグ間(ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態〜RT4遊技状態)においては上述の押し順ベルであり、押し順に正解のときには、図40〜図45に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_CDベル(図19参照)」に応じた図柄の組合せの表示が許可され、押し順に不正解のときには、図40〜図45に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの上述のベルこぼし目(図9参照)に応じた図柄の組合せ、又は図柄組合せテーブルにおいて払出枚数が「3」の図柄の組合せ(図19〜図21参照)の表示が許可される。
他方、フラグ間状態(フラグ間状態のRT5遊技状態)においては、「F_123ベルC」「F_123ベルD」「F_132ベルC」「F_132ベルD」「F_213ベルC」「F_213ベルD」「F_231ベルC」「F_231ベルD」「F_312ベルC」「F_312ベルD」「F_321ベルC」及び「F_321ベルD」は、押し順に関わらず、図40〜図45に示す対応関係を有する図柄の組合せのうちの「C_CDベル(図19参照)」に応じた図柄の組合せの表示が許可される。
また、内部当籤役として「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」のいずれかが決定された場合には、図27に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。なお、内部当籤役として「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」のいずれかが決定された場合には、内部当籤役として決定された「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」は、対応する図柄の組合せが表示されるまで(ボーナス状態中に限り)、内部当籤役として持ち越されることになる。
また、内部当籤役として「F_RB役A」「F_RB役B」のいずれかが決定された場合には、図40〜図45に示す対応関係を有する図柄の組合せの表示が許可される。
[主制御側の各種の格納領域]
図48〜図54は、メインRAM53に格納される各種の格納領域の例を示す図である。
<内部当籤役格納領域>
図48に示した内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1〜45の45個の格納領域によって構成される。これらの内部当籤役格納領域1〜45の各々の格納領域の大きさは1バイトである。
したがって、内部当籤役格納領域1〜45の全体の大きさは45バイトである。内部当籤役格納領域1〜45には、内部当籤役に基づいて定まるデータ(内部当籤役に応じて停止可能な図柄の組合せを示すデータ)が格納される。図示した内部当籤役格納領域では、例えば内部当籤役格納領域4のビット2は、内部当籤役「F_黒黒黒」である場合に停止可能な図柄の組合せを示す「C_BB1」に対応している。
<持越役格納領域>
図49に示した持越役格納領域は、持越役格納領域1、2の2個の格納領域によって構成される、大きさが2バイトの格納領域である。持越役格納領域には、持越役に関するデータが格納される。
例えば、持越役格納領域1のビット2に「1」を格納することでコンビネーション名「C_BB1」を停止可能な「F_黒黒黒」に当籤している状態であることを判断できる。持越役格納領域1のビット2に「1」が格納された状態は、コンビネーション名「C_BB1」に対応する図柄の組合せが入賞ラインに表示されるまで保持される。
すなわち、「F_黒黒黒」に当籤したときには、これらのボーナスの図柄の組合せが表示役として入賞ラインに表示されるまでの少なくとも1回の単位遊技において、持越役格納領域1のビット2に「1」が格納された状態が保持される。ボーナスに当籤した単位遊技から入賞する単位遊技まで、ビット2に「1」を格納した状態を維持することを、いわゆる「持ち越し」と称する。また、持越役格納領域に格納されるデータ(図柄の組合せ)に対応する「F_黒黒黒」「F_赤赤赤」「F_白白白」「F_赤赤白」「F_白白赤」「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」を「持越役」と称する。
遊技者によって停止操作が行われ、リール3L、3C、3Rの回転のそれぞれが停止したときには、内部当籤役格納領域は初期化されるが、持越役格納領域は初期化されない。このようにすることで、「持ち越し」の状態を保つことができる。
<表示役格納領域>
図50に示した表示役格納領域は、表示役格納領域1〜45の45個の格納領域によって構成される。これらの表示役格納領域1〜45の各々の格納領域の大きさは1バイトである。
したがって、表示役格納領域1〜45の全体の大きさは45バイトである。表示役格納領域1〜45には、図9〜図21に示す各図柄組合せテーブルが規定するデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。表示役格納領域の値は、リール3L、3C、3Rの全てが停止した後に、メインCPU51が表示役を識別するために用いられる。
図示した表示役格納領域では、例えば表示役格納領域1のビット0〜ビット7は、それぞれ「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目C_01」に対応している。
<遊技状態フラグ格納領域>
図51に示した遊技状態フラグ格納領域は、主制御回路41が管理する遊技状態を識別するためのフラグを格納するものであり、大きさが1バイトである。
遊技状態フラグ格納領域のビット0〜ビット6は、それぞれ「RT1遊技状態」「RT2遊技状態」「RT3遊技状態」「RT4遊技状態」「RT5遊技状態」「BB遊技状態」「RB遊技状態」に対応している。
<作動ストップボタン格納領域>
図52に示した作動ストップボタン格納領域は、大きさが1バイトである。ビット4〜ビット6は、遊技者による停止操作を検出することが可能であるストップボタン17L、17C、17R、すなわち有効なストップボタン17L、17C、17Rを示す格納領域である。
ビット0〜ビット2は、有効なストップボタン17L、17C、17Rに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタン17L、17C、17Rを示す格納領域である。なお、本実施の形態では、ビット3及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが遊技者によって操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。ビット1は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが遊技者によって操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。ビット2は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが遊技者によって操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。ビット6は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。
本実施の形態で、ストップボタンが有効とは、停止操作を検出することが可能であることを意味する。また、定速回転中のリールに対応するストップボタン17L、17C、17Rであって、停止操作を検出することが可能なストップボタン17L、17C、17Rを有効ストップボタンと称する。
<押下順序格納領域>
図53に示した押下順序格納領域は、3つのストップボタン17L、17C、17Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。この押下順序格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0〜ビット5が使用され、ビット6及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」であるときにビット0に「1」が格納(オン)される。同様に、押下順序が「左→右→中」の場合にはビット1に「1」が格納(オン)され、押下順序が「中→左→右」の場合にはビット2に「1」が格納(オン)され、「中→右→左」の場合にはビット3に「1」が格納(オン)され、「右→左→中」の場合にはビット4に「1」が格納(オン)され、「右→中→左」の場合にはビット5に「1」が格納(オン)される。
<図柄コード格納領域>
図54に示した図柄コード格納領域は、図50に示した表示役格納領域と同様に構成される。したがって、詳細な説明は省略する。
図柄コード格納領域には、回転中のリールにおいて表示される可能性のある図柄の組合せを示すデータが格納される。例えば、リール3L、3C、3Rの全てが回転中の場合には、全ての図柄の組合せが表示される可能性があるため、図柄コード格納領域の対応するビットの全てに「1」が格納される。その後、左リール3Lが停止(リール3C、3Rは回転)した場合には、左リール3Lの停止に伴い表示不可能となった図柄の組合せに対応するビットが「0」に更新される。
[サブ側の遊技状態の遷移フロー]
次に、図55を参照しながら、本実施形態のパチスロ1の副制御回路42(サブCPU81)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
本実施形態では、副制御回路42は、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知するか否かなどに基づいて遊技状態を管理する。図55に示すように、副制御回路42は、一般遊技状態、ART遊技状態及びボーナス状態を区別する。ここで、一般遊技状態は、基本的には遊技者にとって不利な遊技状態であり、また、ボーナス状態は、基本的には遊技者にとって有利な遊技状態であり、また、ART遊技状態は、遊技者にとって最も有利な遊技状態である。本実施形態のパチスロ1では、遊技者は、一般遊技状態から(状況に応じてボーナス状態を挟みながら)、最も有利なART遊技状態に移行するように遊技を行っていくことになる。
一般遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT0〜RT4遊技状態(図6参照)に対応する遊技状態であり、かつ、サブ側のART抽籤に非当籤の遊技状態である。図55に示すように、一般遊技状態は、通常遊技状態、高確率遊技状態及びCZ(チャンスゾーン)により構成される。通常遊技状態、高確率遊技状態及びCZは、ART遊技状態への移行確率がそれぞれ異なる遊技状態であり、通常遊技状態がART遊技状態への移行確率が最も低く、高確率遊技状態及びCZは、通常遊技状態に比べるとART遊技状態への移行確率が高い遊技状態である。
通常遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT0〜RT4遊技状態(図6参照)に対応する遊技状態であり、かつ、サブ側のART抽籤に非当籤の遊技状態である。図55に示すように、通常遊技状態からは、ART遊技状態、CZ、高確率遊技状態、及びボーナス状態に移行する可能性がある。
具体的には、通常遊技状態では、ART及びCZへの移行抽籤(A)を行っており、この移行抽籤において、(A1)ARTへの移行が当籤すると、副制御回路42は、通常遊技状態からART遊技状態に遊技状態を移行させる。また、この移行抽籤において、(A2)CZへの移行が当籤すると、副制御回路42は、通常遊技状態からCZに遊技状態を移行させる。なお、通常遊技状態中の移行抽籤(A)の詳細については後述するが、通常遊技状態では、一遊技中のリール回転開始時及びリール停止時の二度のタイミングで、ART及びCZへの移行抽籤(A)を行う。
また、通常遊技状態では、高確率遊技状態への移行抽籤(B)も行っている。具体的には、通常遊技状態において、メイン側の遊技状態の制御でボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行すると、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態において高確率遊技状態への移行抽籤(B)が行われる。この移行抽籤(B)に当籤すると、副制御回路42は、通常遊技状態から高確率遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、通常遊技状態中の移行抽籤(B)の詳細については後述するが、この移行抽籤では、サブ側通常遊技状態であるボーナス非当籤状態のRT4遊技状態においてリプレイに係る役が内部当籤役として決定された回数に基づいて、移行抽籤(B)を行う。
また、通常遊技状態において、(6)持ち越しているBBに応じた図柄の組合せが表示され、BBが作動すると、副制御回路42は、通常遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。なお、ボーナス状態への移行に関しては、メイン側及びサブ側において共通であるため、以下、詳細な説明を省略する。
続いて、CZは、メイン側のボーナス非当籤状態のRT0〜RT4遊技状態(図6参照)に対応する遊技状態であり、かつ、サブ側のART抽籤に非当籤の遊技状態である。CZは、ART遊技状態に移行する確率の高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、最大で30ゲーム継続する。CZは、いわゆる完走型のチャンスゾーンであり、CZが最大の30ゲーム継続した場合には、ART移行が確定する。一方、CZ中は、ARTへの移行抽籤を行っており、この移行抽籤が「維持」された場合に、CZが終了する。ここで、移行抽籤が「維持」された場合であっても、移行抽籤に当籤している場合には、ARTへの移行が行われるが、CZが30ゲーム継続した場合には、より有利なART遊技状態に移行する可能性があるため、CZ中は、基本的には、移行抽籤を受けることなく遊技を行い、移行抽籤が行われてしまった場合には、移行抽籤が「無効」になるように遊技を行うことで、CZが終了することなく30ゲーム継続するように望むことになる。なお、CZ中の移行抽籤の「維持/無効」については、後述する。
図55に示すように、CZからは、通常遊技状態、ART遊技状態、及びボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、CZ中に行われるARTへの移行抽籤(C)に、(C1)当籤すると、副制御回路42は、CZからART遊技状態に遊技状態を移行させ、この移行抽籤に、(C2)非当籤すると、副制御回路42は、CZから通常遊技状態に遊技状態を移行させる。
続いて、高確率遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態(図6参照)に対応する遊技状態であるとともに、サブ側のART抽籤に非当籤の遊技状態であり、かつ、通常遊技状態中の高確率遊技状態への移行抽籤(B)に当籤した遊技状態である。図55に示すように、高確率遊技状態からは、通常遊技状態、ART遊技状態、及びボーナス状態に移行する可能性がある。
具体的には、高確率遊技状態では、ARTへの移行抽籤(D)を行っており、この移行抽籤において、(D1)ARTへの移行が当籤すると、副制御回路42は、高確率遊技状態からART遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、高確率遊技状態中の移行抽籤(D)の詳細については後述するが、基本的には、通常遊技状態中の移行抽籤(A)と同様に、一遊技中のリール回転開始時及びリール停止時の二度のタイミングで、ARTへの移行抽籤(D)を行う。高確率遊技状態中の移行抽籤(D)は、通常遊技状態中の移行抽籤(A)よりも、ARTへの移行が当籤する確率が高い。
また、高確率遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態(図6参照)に対応する遊技状態であり、メイン側の制御において、(E)RT4遊技状態からRT1遊技状態に移行する制御が行われると、副制御回路42は、高確率遊技状態から通常遊技状態(ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態)に遊技状態を移行させる。
ここで、上述したように、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT0遊技状態(サブ側の通常遊技状態)において押し順リプに正解した場合などに移行する遊技状態である。このように本実施形態のパチスロ1では、最も基本的な遊技状態(=遊技者にとって不利)である通常遊技状態において、押し順リプに正解した場合に、高確率遊技状態に移行させ、ARTへの移行を有利にする。言い換えると、本実施形態のパチスロ1では、遊技者の停止操作により偶然、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行することになった場合に、ARTの移行抽籤を行わないなどのペナルティを与えるのではなく、遊技者にとって有利な状態にしてしまう。これにより、パチスロ1では、ARTの移行抽籤に当籤していないボーナス非当籤状態のRT4遊技状態を、ART遊技状態への移行チャンス区間にすることができ、ARTという特典の付されていないボーナス非当籤状態のRT4遊技状態の興趣を高めることができる。
また、遊技者にとってみれば、通常遊技状態において押し順に正解した場合に、ART遊技状態への移行チャンス区間である高確率遊技状態に移行する可能性があるため、通常遊技状態における停止操作に対する戦略性が増し、通常遊技状態中の興趣も高めることができる。すなわち、遊技者の停止操作により偶然移行してしまった遊技状態をペナルティ区間とする遊技性では、通常遊技状態中の停止操作が単純(例えば、ペナルティを受けないように第1停止操作を左リールに対して行わなければならないなど)になってしまう。この点、本実施形態のパチスロ1のように、ペナルティを課さずにARTへの移行抽籤を行うことで、遊技者は、通常遊技状態中に自由に停止操作を行うことができ、通常遊技状態中の遊技性だけでなく操作性も高めることができる。
ところで、停止操作により偶然移行した遊技状態を、ペナルティ区間ではなくART遊技状態への移行チャンス区間とした場合、遊技者に過剰な利益を与えないように遊技者側の利益と遊技店側の利益とのバランスを調整する必要がある。バランスを調整する方法は、多数考えられ、例えば、ART遊技状態への移行チャンス区間としておきながら、通常遊技状態に比べて少しだけ移行抽籤に当籤し易いといった調整方法もあるが、このような調整方法では、移行チャンス区間である意味が薄れてしまう。本実施形態のパチスロ1では、この点、図6に示すように、ボーナス非当籤状態中のRT4遊技状態に移行することのない、固定ゲーム数のボーナス非当籤状態中のRT1遊技状態を設けることとしている。このような固定ゲーム数のボーナス非当籤状態中のRT1遊技状態を設けることで、停止操作により偶然移行する頻度を調整することができ、結果、遊技者側の利益と遊技店側の利益とのバランスを調整することができる。これにより、双方の利益バランスを調整する変数を更に多様化することができ、遊技性に富んだ遊技機を提供することができる。
続いて、ボーナス状態は、メイン側のボーナス状態のいずれか(図6参照)に対応する遊技状態である。図55に示すように、ボーナス状態からは、一般遊技状態(通常遊技状態)及びART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、ボーナス状態中に行われるARTへの移行抽籤(F)に、(F1)当籤するとBBの作動終了後に、副制御回路42は、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行させ、この移行抽籤に、(F2)非当籤するとBBの作動終了後に、副制御回路42は、ボーナス状態から一般遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、ボーナス状態中の移行抽籤(F)の詳細については後述するが、ボーナス状態中では、上述の「7揃いリプ」の図柄の組合せが表示可能な状態になるとARTに当籤し、また、BBの作動終了時に行われる所定の抽籤に当籤するとARTに当籤することになる。
続いて、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知する遊技状態であり、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態(図6参照)に対応し、かつ、サブ側のART抽籤に当籤した遊技状態である。ART遊技状態では、例えば、押し順ベルが内部当籤役として決定されたときに、払い出し枚数の多い図柄の組合せ(払い出し枚数10枚のC_CDベル)が表示されるように、当籤した押し順ベルに正解の押し順を報知する。また、ART遊技状態では、例えば、押し順リプが内部当籤役として決定されたときに、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率の高いRT4遊技状態を維持させる図柄の組合せ(例えば、RT4移行リプ)が表示されるように、当籤した押し順リプに正解の押し順を報知する。
また、本実施形態のパチスロ1では、ART遊技状態中に味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦(バトル)し、味方キャラクタが勝利した場合にART遊技状態を継続させ、敵キャラクタが勝利した場合にART遊技状態を終了させる。このような遊技性を持たせるため、ART遊技状態は、図55に示すように、敵決めART及びバトルARTにより構成される。
敵決めARTは、味方キャラクタと対戦する敵キャラクタの種別を決定する期間のART遊技状態である。図55に示すように、敵決めARTからは、バトルART及びボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、(G)敵決めARTにおいて、敵キャラクタが決定されると、副制御回路42は、敵決めARTからバトルARTに遊技状態を移行させる。なお、敵決めART中の敵キャラクタの決定方法については、後述する。
また、バトルARTは、敵決めARTにおいて決定した敵キャラクタと味方キャラクタとが対戦する期間のART遊技状態である。図55に示すように、バトルARTからは、敵決めART、一般遊技状態(通常遊技状態)及びボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、バトルART中のバトル(H)において、(H1)味方キャラクタが勝利すると、副制御回路42は、バトルARTから敵決めARTに遊技状態を移行させ、(H2)敵キャラクタが勝利すると、副制御回路42は、バトルARTから一般遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、バトルART中のバトル(H)の勝敗の決定方法は、後述する。
[当籤役のメイン側/サブ側の対応関係]
図56は、メイン(主制御回路41)側で管理する当籤役の種別と、サブ(副制御回路42)側で管理する当籤役の略称との対応関係の一部を示す図である。サブ側では、メイン側の当籤役を図56の対応表に示す略称で管理する。なお、「はずれ」については、RT4遊技状態中のみ「純はずれ」とすることがある。また、当籤役のメイン側/サブ側の対応関係は、遊技状態に応じて異ならせることもできる。この点、図56に示す対応関係は、ボーナス状態以外の遊技状態における対応関係を示し、ボーナス状態における対応関係は、図81に示す。
[液晶表示装置10で行われる演出の概要]
図57は、液晶表示装置10の表示画面の一例を示す。なお、図57では、説明を簡易にするため、液晶表示装置10を第1表示領域101、第2表示領域102、及び表示窓4の3つの領域に区分けするが、実際のパチスロ1では、それぞれの領域が混然一体となって形成されることになる。
第1表示領域101は、主な演出が行われる領域である。図57に示す例では、バトルART中の表示例が示されている。バトルART中は、図57に示すように、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦し、それぞれの攻撃/防御によりそれぞれの体力(HP)を減らしていくことで勝敗をつける演出が行われることになる。表示窓4は、上述した通りであり、リール3L,3C,3Rに描かれた図柄の一部を表示する。
第2表示領域102は、サブ(副制御回路42)側で行われる各種抽籤などに対して影響を与える黙示録103が表示される。黙示録103は、後述の演出玉をセットする5つの領域103A,103B,103C,103D,103Eを備える。領域103Aには、今回の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされ、領域103Bには、次遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされ、領域103Cには、2遊技先の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされ、領域103Dには、3遊技先の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされ、領域103Eには、4遊技先の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされる。すなわち、黙示録103には、今回の遊技を含む5回分の遊技において各種抽籤に影響を与える演出玉がセットされる。黙示録103にセットされた演出玉は、遊技の進行に合わせて、セットされる領域が更新される。黙示録103は、作動することで、何らかの演出玉(ブランク(空)を含む)がセットされ、非作動中の場合には演出玉がセットされない。
具体的には、通常遊技状態及び高確率遊技状態において、黙示録103は、作動する場合もあれば非作動の場合もあり、後述する作動抽籤に当籤することで作動する。通常遊技状態及び高確率遊技状態において黙示録103が作動すると、領域103A〜103Eには、図57に示すように、抽籤玉1、抽籤玉2、抽籤玉3、抽籤玉4、確定玉のいずれかの演出玉がセットされる。通常遊技状態及び高確率遊技状態において黙示録103にセットされた抽籤玉1〜確定玉は、上述の移行抽籤(A)(D)において影響を与える。より具体的には、領域103Aにセットされた抽籤玉1〜確定玉は、今回の遊技における上述の移行抽籤(A)(D)において影響を与える。
なお、上述の移行抽籤(A)(D)は、一遊技中のリール回転開始時及びリール停止時の二度のタイミングで行われる。このうち、リール回転開始時(スタート時)に行われる移行抽籤(A)(D)に対しては、領域103Aにセットされた抽籤玉1〜確定玉は、内部当籤役に関わらず抽籤結果に対して影響を与える。他方、リール停止時に行われる移行抽籤(A)(D)に対しては、領域103Aにセットされた抽籤玉1〜確定玉は、リール停止時に表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に限り、抽籤結果に対して影響を与える。なお、「ベル入賞」とは、押し順ベルにおいて押し順正解時の図柄の組合せが表示されること、又は共通ベルに応じた図柄の組合せが表示されることであり、「ベル入賞」以上とは、「ベル入賞」か、チャンリプ、強チェリー、弱チェリー、確定役、スイカ、及び純はずれ(図56参照)といったレア役のいずれかに応じた図柄の組合せが表示されること、のいずれかである。
抽籤玉1〜確定玉では、移行抽籤(A)(D)に対して与える影響がそれぞれ異なる。具体的には、図57に示すように、抽籤玉1は、CZ以上(CZ又はART)の当籤確率が低確率、抽籤玉2は、CZ以上の当籤確率が中確率、抽籤玉3は、CZ以上の当籤確率が高確率であり、また、抽籤玉4は、CZ以上の当籤が確定し、確定玉は、ARTの当籤が確定する。
続いて、CZにおいて、黙示録103は、常に作動する。CZにおいて黙示録103の領域103A〜103Eには、図57に示すように、発展玉、回避玉のいずれかの演出玉がセット、又は何らの演出玉もセットされないブランク(空)状態になる。CZにおいて黙示録103にセットされた発展玉、回避玉は、CZ中に行われる上述のARTへの移行抽籤(C)に対して影響を与える。より具体的には、領域103Aにセットされた発展玉、回避玉は、今回の遊技における上述のARTへの移行抽籤(C)において影響を与える。
具体的には、領域103Aに発展玉がセットされている場合に、押し順ベルが内部当籤役として決定されると、上述のARTへの移行抽籤(C)が行われることになる。そして、この遊技において停止操作が行われた場合に、この停止操作が、当籤した押し順ベルに対して定められた押し順に正解の停止操作である場合には、移行抽籤(C)の抽籤結果が「無効」になる。他方、この停止操作が、当籤した押し順ベルに対して定められた押し順に不正解の停止操作である場合には、移行抽籤(C)の抽籤結果が「維持」になる。上述したように、CZは、完走型のCZであり、完走前の途中の段階で行われる移行抽籤(C)が「維持」された場合にCZは終了する。そのため、領域103Aに発展玉がセットされている遊技では、遊技者は、押し順ベルが内部当籤役として決定されないことを望み(移行抽籤(C)自体が行われない)、また、仮に押し順ベルが内部当籤役として決定された場合には、押し順に正解していることを望む(移行抽籤(C)が無効になる)ことになる。
一方、回避玉及びブランク(空)は、押し順ベルが内部当籤役として決定されたとしても、上述のARTへの移行抽籤(C)を行わない演出玉である。遊技者からすると、回避玉及びブランク(空)がセットされている遊技では、安心して遊技を行うことができる。
続いて、敵決めARTにおいて、黙示録103は、常に作動する。敵決めARTにおいて黙示録103の領域103A〜103Eには、図57に示すように、ボス玉1〜ボス玉8、味方玉のいずれかの演出玉がセットされる。敵決めARTにおいて黙示録103にセットされたボス玉1〜ボス玉8、味方玉は、敵決めART中に行われる敵決めの抽籤に対して影響を与える。より具体的には、領域103Aにセットされたボス玉1〜ボス玉8、味方玉は、今回の遊技における敵決めの抽籤において影響を与える。
具体的には、領域103Aにボス玉1〜ボス玉8のいずれかがセットされている場合に、押し順ベル(共通ベルも含むこととしてもよい)が内部当籤役として決定されると、セットされているボス玉の種別に応じたボスがバトルARTにおける対戦相手として決定される。なお、ボス玉1〜ボス玉8に応じたボスは、それぞれ特徴の異なる敵キャラクタであり、詳しくは後述する。一方、領域103Aにボス玉1〜ボス玉8のいずれかがセットされている場合に、押し順ベル以外が内部当籤役として決定されると、対戦相手の敵キャラクタは決定されずに、敵決めARTが継続することになる。また、領域103Aにボス玉1〜ボス玉8のいずれかがセットされている場合に、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、又はチャンリプのいずれか(いわゆるレア役)が内部当籤役として決定されると、対戦相手は決定されずに、味方玉のストック抽籤が行われる。このストック抽籤に当籤し、味方玉をストックしている状況では、黙示録にセットされているボス玉1〜ボス玉8が味方玉に書き換えられることになる。
また、敵決めART中に領域103Aに味方玉がセットされている場合には、内部当籤役に基づいて味方キャラクタの体力(HP)を増加させる抽籤が行われる。この抽籤に当籤すると、味方キャラクタの体力が増加するため、その後のバトルARTにおいて味方キャラクタが勝利する期待度が上がることになる。
続いて、バトルARTにおいて、黙示録103は、常に作動する。バトルARTにおいて黙示録103の領域103A〜103Eには、図57に示すように、味方玉、敵玉、覚醒玉のいずれかの演出玉がセットされる。バトルARTにおいて黙示録103にセットされた味方玉、敵玉、覚醒玉は、バトルART中に行われる対戦の結果に対して影響を与える。より具体的には、領域103Aにセットされた味方玉、敵玉、覚醒玉は、今回又はその後の遊技における対戦に対して影響を与える。
具体的には、領域103Aに味方玉又は敵玉がセットされている場合に、押し順ベル又は共通ベルが内部当籤役として決定されると、セットされている演出玉の種別に応じたキャラクタが当該遊技において対戦相手に攻撃を仕掛ける。例えば、味方玉がセットされている場合には、味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を仕掛け、結果、敵キャラクタの体力(HP)が減少する。他方、敵玉がセットされている場合には、敵キャラクタが味方キャラクタに対して攻撃を仕掛け、結果、味方キャラクタの体力(HP)が減少する。
一方で、領域103Aに味方玉又は敵玉がセットされている場合に、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、又はチャンリプのいずれか(いわゆるレア役)が内部当籤役として決定されると、セットされている演出玉の種別に関係なく、味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を仕掛ける。この場合には、敵キャラクタの体力(HP)は、基本的には、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合よりも多く減少することになる。
また、領域103Aに覚醒玉がセットされている場合に、押し順ベル、共通ベル、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、又はチャンリプのいずれか内部当籤役として決定されると、味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃を仕掛けるとともに、味方玉がストックされる。そして、味方玉がストックされると、ストックされた分だけ黙示録にセットされている敵玉が味方玉に書き換えられる。これにより、その後、味方キャラクタが攻撃を仕掛ける状況が増え、結果、バトルARTにおいて味方キャラクタが勝利する期待度が上がることになる。
[通常遊技状態及び高確率遊技状態中のART及びCZ抽籤]
続いて、図58〜図72を参照して、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に行われるART及びCZへの移行抽籤(A)(D)の詳細について説明する。図58は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に行われる移行抽籤(A)(D)の概要図であり、図59〜図72は、当該移行抽籤(A)(D)中に参照される各種のデータテーブルである。なお、図59〜図72に示す各種のデータテーブルは、サブROM82に記憶される。
<移行抽籤(A)(D)の概要>
図58を参照して、通常遊技状態及び高確率遊技状態において、開始操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、主制御回路41の制御に伴い内部当籤役が決定される。通常遊技状態及び高確率遊技状態では、内部当籤役が決定されると、まず、スタート時のART及びCZの移行抽籤(A)(D)が行われる。このスタート時の移行抽籤(A)(D)では、基本的には、遊技状態に応じてART又はCZの当籤確率が異なり、通常遊技状態よりも高確率遊技状態の方がART又はCZの当籤確率が高い。なお、スタート時の移行抽籤(A)(D)では、後述するように、遊技状態だけでなく、内部当籤役及び領域103Aにセットされている演出玉(抽籤玉1〜確定玉)によってもART又はCZの当籤確率が異なる。
また、通常遊技状態及び高確率遊技状態では、内部当籤役が決定されると、黙示録を作動させるか否かの黙示録抽籤を行う。この黙示録抽籤は、黙示録作動の当籤モードに応じて当籤確率が異なる。具体的には、黙示録作動の当籤モードには、低モード、高モード及び集中モード(それぞれにショート、ミドル、ロングという状態もある)があり、集中モードにおいて黙示録を作動させることに当籤し、低モード及び高モードでは黙示録を作動させることに当籤しない。通常遊技状態及び高確率遊技状態では、内部当籤役に基づいて黙示録作動の当籤モードを移行させ、集中モードまで格上げできた場合に黙示録が作動することになる。
その後、停止操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が停止すると、黙示録の作動の有無に応じて、リール停止時のART及びCZの移行抽籤(A)(D)が行われる。具体的には、黙示録が作動している場合には、領域103Aにセットされている演出玉(抽籤玉1〜確定玉)及び「ベル入賞」以上の図柄の組合せに基づいて、ART及びCZへの移行抽籤(A)(D)を行う。このリール停止時の移行抽籤(A)(D)は、領域103Aにセットされている演出玉に応じて、ART又はCZの当籤確率が異なる。
<移行抽籤(A)(D)において参照する各種のデータテーブル>
続いて、図59〜図72を参照して、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に行われるART及びCZへの移行抽籤(A)(D)を具体的に説明する。
<スタート時ART抽籤テーブル>
図59〜図61は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中のスタート時の移行抽籤(A)(D)において参照されるスタート時ART抽籤テーブルを示す図である。スタート時ART抽籤テーブルは、現在の遊技状態、領域103Aにセットされている演出玉、及び内部当籤役毎に、抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。
本実施形態では、サブ(副制御回路42)側では、予め定められた数値の範囲「0〜32767」から抽出される演出用乱数値を、各抽籤結果に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって抽籤が行われる。
図59〜図60に示すスタート時ART抽籤テーブルを参照すると、通常遊技状態中は、領域103Aにセットされている演出玉に応じてCZ又はARTに当籤する確率が異なり、また、内部当籤役に応じてCZ又はARTに当籤する確率が異なることが分かる。また、図59〜図60に示すスタート時ART抽籤テーブルと、図61に示すスタート時ART抽籤テーブルとを比較すると、高確率遊技状態では、通常遊技状態よりも高い確率でARTに当籤することが分かる。同様に、図61に示すスタート時ART抽籤テーブルを参照すると、高確率遊技状態では、CZに当籤することはないものの、ARTに当籤する確率が高いことが分かる。
<モード移行抽籤テーブル>
図62〜図66は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中の黙示録作動の当籤モードの移行抽籤において参照されるモード移行抽籤テーブルである。モード移行抽籤テーブルは、現在黙示録が作動中であるか否か、現在の黙示録作動の当籤モード、及び内部当籤役毎に、移行先の当籤モードに対する抽籤値の情報を規定する。なお、現在黙示録が作動中であるか否かは、黙示録フラグにより判別され、黙示録フラグが「0」である場合は黙示録非作動中を意味し、黙示録フラグが「1」である場合は黙示録作動中であることを意味する。
上述のように黙示録作動の当籤モードには、低モード、高モード及び集中モードがあり、それぞれのモードには、ショート、ミドル及びロングといった状態が設けられる。低モード、高モード及び集中モードは、上述のように黙示録を作動させるか否かの黙示録抽籤の当籤期待度が異なる当籤モードである。また、ショート、ミドル及びロングは、より有利な当籤モードに移行し易いか、又はより不利な当籤モードに移行し易いかを規定する状態である。具体的には、ショートは、より有利な当籤モードに最も移行し難い状態、かつ、より不利な当籤モードに最も移行し易い状態であり、ミドルは、より有利な当籤モードに次に移行し難い状態、かつ、より不利な当籤モードに次に移行し易い状態であり、ロングは、より有利な当籤モードに最も移行し易い状態かつ、より不利な当籤モードに最も移行し難い状態である。
図62〜図64に示すように、黙示録非作動中(黙示録フラグ0)の場合、当籤モードは、基本的には、低モード、高モード及び集中モードの順に上がっていき、一度集中モードまで上がると、黙示録が作動するまで低モード及び高モードに下がることがない。
<黙示録作動抽籤テーブル>
図67は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中の黙示録抽籤において参照される黙示録作動抽籤テーブルである。黙示録作動抽籤テーブルは、現在黙示録が作動中であるか否か、現在の黙示録作動の当籤モード、及び内部当籤役毎に、黙示録の作動に関する抽籤値の情報を規定する。ここで、黙示録の作動は、黙示録抽籤の結果、加減算される保証回数の遊技にわたり行われる。具体的には、黙示録抽籤の結果、「黙示録作動中_保障1加算」〜「黙示録作動中_保障5加算」が当籤した場合に対応する数だけ保証回数が加算され、「黙示録作動中_保障減算」が当籤した場合に保証回数が1減算される。そして、この加減算の結果、保証回数が0になると、黙示録の作動が終了(黙示録フラグが1から0になる)する。なお、黙示録フラグが0のときに保証回数が1以上加算されると、黙示録フラグが0から1に更新され、黙示録が作動する。
また、黙示録作動抽籤テーブルにおいて、「黙示録作動なし」とは、黙示録抽籤に非当籤を意味し、黙示録フラグが0のまま維持される。同様に、「黙示録作動中_維持」は、保証回数を加減算することなく黙示録の作動を維持することを意味し、黙示録フラグが1のまま維持される。
図67(A)(B)の黙示録作動抽籤テーブルを参照すると、現在黙示録が作動していない場合には、当籤モードが集中モードである場合に限り、黙示録の作動が開始する可能性があることが分かる。そこで、パチスロ1では、現在の当籤モードを示唆する演出を行うこととしてもよい。例えば、可動役物22を動かすことで現在の当籤モードを示唆することができる。具体的には、当籤モードに応じて可動役物22を動かす確率を異ならせ、例えば、集中モードに滞在している状況では、可動役物22を動かす確率を高くし、高モードや低モードに滞在している状況では、可動役物22を動かす確率を低くするといった態様が考えられる。同様に、黙示録抽籤において黙示録を作動することになる(保証回数が加算される)期待度を示唆する演出を行うこととしてもよい。特に、この期待度の示唆の演出を可動役物22とは異なるもので行うこととしてもよい。
<黙示録MAP抽籤テーブル>
図68及び図69は、通常遊技状態及び高確率遊技状態において、作動中の黙示録にセットする演出玉を決定するための黙示録MAPを抽籤するための黙示録MAP抽籤テーブルである。本実施形態のパチスロ1では、基本的には、MAP番号が大きいMAPほど遊技者にとって有利なものになっている。この点は、黙示録MAPに限らず、後述する他のMAPについても同様である。図68の黙示録MAP抽籤テーブルは、黙示録作動時(黙示録フラグが0から1に更新)に参照されるテーブルである。また、図69の黙示録MAP抽籤テーブルは、黙示録MAP毎に規定されたMAPデータが0のときに参照されるテーブルである。
黙示録MAP抽籤テーブルは、現在の黙示録MAP毎に移行先の黙示録MAPに対する抽籤値の情報を規定する。なお、電源投入時の初期時には、黙示録MAPとして「MAP0」がセットされるものとする。
<MAPデータ対応表>
黙示録MAPには、作動中の黙示録にセットする演出玉を決定するためのMAPデータが規定されている。図70は、それぞれの黙示録MAPに規定されているMAPデータの対応表を示す図である。図70に示すように、黙示録MAP1には、1ゲーム目にMAPデータ「1」が規定され、2ゲーム目にMAPデータ「0」が規定されている。なお、MAPデータ「0」が規定されている場合には、図69に示す、黙示録MAP抽籤テーブルを参照して、新たな黙示録MAPが抽籤されることになる。
<黙示録作動時演出玉抽籤テーブル>
図71は、通常遊技状態及び高確率遊技状態において、作動中の黙示録にセットする演出玉を決定するための黙示録作動時演出玉抽籤テーブルである。黙示録作動時演出玉抽籤テーブルは、MAPデータ毎にセットする演出玉についての抽籤値の情報を規定する。図71に示すように、MAPデータが大きいほど遊技者にとって有利な演出玉がセットされることになる。なお、図71では、確定玉が抽籤されることがない。この点、説明は省略するが、例えば、レア役の当籤時などにセットされている演出玉を格上げする抽籤を行うことで、抽籤玉1〜抽籤玉4から確定玉に格上げ可能にすることとしてもよい。
また、図71では、MAPデータ「0」に対しても演出玉に対する抽籤値の情報が規定されている。上述したようにMAPデータ「0」の場合には、新たな黙示録MAPが抽籤される。ここで、新たな黙示録MAPの抽籤とMAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤とはいずれを優先させることとしてもよい。この点、本実施形態のパチスロ1では、抽籤された黙示録MAPにおいて一度も演出玉の抽籤が行われない場合には、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤を優先し、抽籤された黙示録MAPにおいて一度でも演出玉の抽籤が行われた場合には、新たな黙示録MAPの抽籤を優先することにする。例えば、黙示録MAP「0」の場合、5ゲーム間の全てのMAPデータが「0」であるため(図70参照)、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤を一度行い、その後、新たな黙示録MAPを抽籤する。他方、黙示録MAP「1」の場合、1ゲーム目のMAPデータが「1」であり、2ゲーム目のMAPデータが「0」であるため(図70参照)、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤を行うことなく、MAPデータ「1」に基づく演出玉の抽籤後に新たな黙示録MAPを抽籤する。
この点は、後述する他のMAPにおいても同様のものとする。具体的には、MAPデータ「0」は、1ゲーム目に限り、MAPデータ「0」に基づく抽籤を行い、2ゲーム目移行の場合には、MAPデータ「0」に基づく抽籤を行うことなく、新たなMAPを抽籤する。このような制御を行う場合には、MAPの番号が「1」以上のMAPでは、MAPデータ「0」に基づく抽籤は行われないことになる。
<黙示録への演出玉のセットの流れ>
ここで、黙示録に演出玉をセットする際の流れについて具体的に説明する。黙示録抽籤に当籤し黙示録フラグが0から1に更新されると、黙示録が作動する。この黙示録の作動に合わせて、副制御回路42は、所定数分の演出玉を決定し、黙示録にセットする。なお、図57に示すように、黙示録には演出玉をセットする5つの領域があるため、本実施形態では、副制御回路42は、5つの演出玉を決定し、黙示録にセットするものとする。
黙示録抽籤に当籤し黙示録フラグが0から1に更新されると、図68に示す黙示録MAP抽籤テーブルにより黙示録MAPが抽籤される。ここで、現在の黙示録MAPは、仮に、「3」であるものとする。図68に示す黙示録MAP抽籤テーブルを参照すると、現在の黙示録MAP「3」からは、例えば黙示録MAP「4」が抽籤される。この黙示録MAP「4」には、図70に示すように、1ゲーム目のMAPデータとして「1」、2ゲーム目のMAPデータとして「0」が規定されている。そこで、副制御回路42は、1ゲーム目のMAPデータ「1」に基づいて1つ目の演出玉を抽籤する。その結果、図71に示す黙示録作動時演出玉抽籤テーブルを参照すると、1つ目の演出玉として「抽籤玉1」が決定される。
続いて、副制御回路42は、黙示録MAP「4」の2ゲーム目のMAPデータを参照する。図70に示すように、2ゲーム目のMAPデータは「0」であるため、副制御回路42は、演出玉の抽籤を行うことなく、新たな黙示録MAPを抽籤する。具体的には、図69に示すMAPデータ「0」時に参照される黙示録MAP抽籤テーブルを参照して、現在の黙示録MAP「4」から移行先の黙示録MAPを抽籤する。図69に示す例では、移行先の黙示録MAPとして黙示録MAP「5」が抽籤されることになる。この黙示録MAP「5」には、図70に示すように、1ゲーム目のMAPデータとして「2」、2ゲーム目のMAPデータとして「0」が規定されている。そこで、副制御回路42は、1ゲーム目のMAPデータ「2」に基づいて2つ目の演出玉を抽籤する。その結果、図71に示す黙示録作動時演出玉抽籤テーブルを参照すると、2つ目の演出玉として、例えば「抽籤玉3」が決定される。
続いて、副制御回路42は、黙示録MAP「5」の2ゲーム目のMAPデータを参照する。図70に示すように、2ゲーム目のMAPデータは「0」であるため、副制御回路42は、演出玉の抽籤を行うことなく、新たな黙示録MAPを抽籤する。具体的には、図69に示すMAPデータ「0」時に参照される黙示録MAP抽籤テーブルを参照して、現在の黙示録MAP「5」から移行先の黙示録MAPを抽籤する。図69を参照すると、移行先の黙示録MAPとして、例えば、黙示録MAP「1」が抽籤される。この黙示録MAP「1」には、図70に示すように、1ゲーム目のMAPデータとして「1」、2ゲーム目のMAPデータとして「0」が規定されている。そこで、副制御回路42は、1ゲーム目のMAPデータ「1」に基づいて3つ目の演出玉を抽籤する。その結果、図71に示す黙示録作動時演出玉抽籤テーブルを参照すると、3つ目の演出玉として、例えば「抽籤玉1」が決定される。
以下同様に繰り返し5つ分の演出玉を決定すると、副制御回路42は、演出玉の抽籤を終了し、決定した演出玉を順に黙示録にセットする。なお、決定した演出玉を黙示録にセットする順番は任意であるが、例えば、副制御回路42は、1つ目に決定した演出玉から順に、領域103A,103B,103C,103D,103Eにセットする。
その後、遊技が進行し次遊技になると、領域103A〜103Eにセットした演出玉が1つずつスライドし、領域103Eがブランク(空)になる。この場合、当該遊技においても黙示録フラグが「1」である場合(保証回数が残っている場合)には、再度演出玉の抽籤が行われ、領域103Eに新たな演出玉がセットされる。他方、当該遊技において黙示録フラグが「0」である場合(前回遊技の結果保証回数が残っていない場合)には、既に黙示録の作動も終了しているため、演出玉の抽籤は行われない。
<リール停止時ART抽籤テーブル>
図72は、通常遊技状態及び高確率遊技状態中のリール停止時の移行抽籤(A)(D)において参照されるリール停止時ART抽籤テーブルを示す図である。リール停止時ART抽籤テーブルは、領域103Aにセットされている演出玉毎に、抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。ここで、上述したように、リール停止時の移行抽籤(A)(D)では、領域103Aにセットされた演出玉は、リール停止時に表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に限り、抽籤結果に対して影響を与える。そのため、図72に示すリール停止時ART抽籤テーブルは、領域103Aに演出玉がセットされ、かつ、リール停止時に表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に限り参照されるテーブルである。
図72に示すリール停止時ART抽籤テーブルを参照すると、領域103Aにセットされている演出玉に応じてCZ又はARTに当籤する確率が異なり、特に、抽籤玉4及び確定玉では、CZ又はARTが確実に当籤することが分かる。
[高確率遊技状態中の遊技]
続いて、図73及び図74を参照して、高確率遊技状態中の移行抽籤(D)以外の遊技の流れについて説明する。上述のように高確率遊技状態は、メイン側のボーナス非当籤状態のRT4遊技状態が該当し、メイン側においてボーナス非当籤状態のRT4遊技状態からボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行すると、高確率遊技状態も終了し、通常遊技状態に移行してしまう。なお、メイン側においてボーナス非当籤状態のRT4遊技状態からボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する場合とは、上述のように、押し順ベルや押し順リプに不正解の場合である。ここで、通常遊技状態から高確率遊技状態に移行できたにも関わらず、すぐに高確率遊技状態が終了し通常遊技状態に移行してしまったのでは、興趣を損ねてしまう。そこで、本実施形態のパチスロ1では、高確率遊技状態では所定回数に限り、押し順ベルや押し順リプに正解の押し順を報知する。
図73は、高確率遊技状態中の遊技の流れの概要図であり、図74は、高確率遊技状態中に参照されるデータテーブルである。なお、図74に示すデータテーブルは、サブROM82に記憶される。
<高確率遊技状態中の遊技の流れの概要>
図73を参照して、通常遊技状態のART移行抽籤に非当籤中に、RT4移行リプに係る図柄の組合せが表示されると、メイン側においてボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行する。なお、この時点では、サブ側の遊技状態は、通常遊技状態(RT4遊技状態)である。この通常遊技状態(RT4遊技状態)において、開始操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、主制御回路41の制御に伴い内部当籤役が決定される。通常遊技状態(RT4遊技状態)では、内部当籤役が決定されると、決定された内部当籤役に基づいて回避ポイントの抽籤を行う。この抽籤において回避ポイントを獲得すると、副制御回路42は、初めて通常遊技状態から高確率遊技状態に遊技状態を移行させる。図55において上述した高確率遊技状態への移行抽籤(B)は、この回避ポイントの抽籤に相当する。
高確率遊技状態では、獲得した回避ポイントに基づいて、メイン側においてボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行してしまう状況を回避する。具体的には、高確率遊技状態において、開始操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、主制御回路41の制御に伴い内部当籤役が決定される。副制御回路42は、内部当籤役に基づいて、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する可能性がある否かを判断する。より具体的には、内部当籤役が押し順ベル又は押し順リプである場合に、副制御回路42は、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する可能性があると判断する。
ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行する可能性がある場合、副制御回路42は、回避ポイントが残っている場合に限り、内部当籤役として決定された押し順ベル又は押し順リプに正解となる押し順を報知する。この報知を受けることで、遊技者は、正解の押し順で停止操作を行うことができ、高確率遊技状態が終了してしまうこと(すなわち、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行してしまうこと)を回避することができる。なお、回避ポイントがない場合には、遊技者自身が正解となる押し順を選択することになる。
その後、停止操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が停止すると、表示された図柄の組合せに基づいて、メイン側で遊技状態の移行が行われる。具体的には、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示された場合に、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行し、それ以外の場合には、ボーナス非当籤状態のRT4遊技状態が維持される。サブ側では、副制御回路42は、メイン側の遊技状態がボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行した場合には、高確率遊技状態を終了し、次ゲームから通常遊技状態を開始する。他方、副制御回路42は、メイン側の遊技状態がボーナス非当籤状態のRT4遊技状態を維持した場合には、高確率遊技状態を維持し、次ゲームも高確率遊技状態とする。
以上の流れが、高確率遊技状態中の遊技の流れである。
<回避ポイント抽籤テーブル>
図74は、通常遊技状態(RT4遊技状態)において参照される回避ポイント抽籤テーブルである。回避ポイント抽籤テーブルは、通常遊技状態(RT4遊技状態)中に内部当籤役として決定されたリプレイの回数、及び今回の遊技における内部当籤役毎に、加算する回避ポイントに対する抽籤値の情報を規定する。図74に示すように、通常遊技状態(RT4遊技状態)では、リプレイが内部当籤役として決定された回数に基づいて、異なる回避ポイント抽籤テーブルが参照される。なお、図74では、リプレイが内部当籤役として決定された回数が「0回」と「1回以上」とでテーブルを異ならせているが、テーブルを異ならせる回数はこれに限られるものではない。
図74に示す回避ポイント抽籤テーブルを参照すると、通常遊技状態(RT4遊技状態)ではリプレイが1回以上内部当籤役として決定されると、回避ポイントが付与される確率が上がり、特に、リプレイが1回以上内部当籤役して決定された後に内部当籤役として決定されたリプレイでは、回避ポイントが付与され易くなっている。なお、上述のようにRT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いため、通常遊技状態(RT4遊技状態)が数ゲーム継続した場合には、回避ポイントが付与されることになる。
[CZ中の遊技]
続いて、図75〜図80を参照して、CZ中の遊技の流れについて説明する。図75は、CZ中の遊技の流れの概要図であり、図76〜図81は、CZ中に参照されるデータテーブルである。なお、図75〜図80に示すデータテーブルは、サブROM82に記憶される。
<CZ中の遊技の流れの概要>
上述したように、通常遊技状態や高確率遊技状態における移行抽籤(A)(D)において、CZに当籤すると、遊技状態がCZに移行する。図75に示すように、CZ移行後の最初のゲームでは、開始操作に伴い全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、CZ_MAPの抽籤を行う。CZは、最大30ゲーム継続する完走型のチャンスゾーンである一方で、途中で行われるARTへの移行抽籤(C)が「維持」されると終了する。このCZの途中で行われるARTへの移行抽籤(C)は、CZが継続するほどARTの当籤確率が上がるようになっている。CZ_MAPは、CZの途中で行われるARTへの移行抽籤(C)においてARTの当籤確率が上がるゲーム数を設定するために用いられる。
CZ移行後の最初のゲームにおいてCZ_MAPが抽籤されると、続いて、無効ポイントの抽籤が行われる。この無効ポイントの抽籤には、CZ移行後の最初のゲームにおいて行う初期値の抽籤と、CZ中に毎ゲーム行われる上乗せの抽籤とがある。無効ポイントは、CZ途中で行われるARTへの移行抽籤(C)を「無効」にする回数を定める情報である。
続いて、黙示録にセットする演出玉の抽籤が行われる。その後、CZの30ゲーム目以外の遊技では、今回の遊技において発展玉がセットされているか否か、すなわち、領域103Aに発展玉がセットされている否かを判断する。今回の遊技において発展玉がセットされている場合には、CZ途中のARTへの移行抽籤(C)が行われる可能性があり、発展玉がセットされていない場合には、基本的には当該移行抽籤(C)は行われない。具体的には、発展玉がセットされ、無効ポイントが0であり、かつ、押し順ベルが内部当籤役として決定されている場合に、CZ途中のARTへの移行抽籤(C)が行われる。なお、CZ中の移行抽籤は、CZモードに応じてARTの当籤確率が異なり、CZモード1以上である場合にはARTに必ず当籤する。上述のCZ_MAPは、CZモードが0から1に上がるゲーム数を設定するMAPである(図77参照)。
ここで、今回の遊技において発展玉がセットされ、かつ、無効ポイントが1以上である場合、又は、今回の遊技において回避玉がセットされている場合、現在のCZモードを示唆する演出を行うこととしてもよい。具体的には、CZ_MAPには、CZモードが0から1に上がるゲーム数が設定されているため、現在のCZモードが1であることや、CZモードがあと何回の遊技で0から1に上がるかを、CZ_MAPから特定することができる。副制御回路42は、現在のCZモードが1である場合や、数回(例えば、2,3回)以内の遊技においてCZモードが0から1に上がる場合には、それら以外の場合と比べて異なる態様の演出を行うことで、現在のCZモードを示唆する演出を行うことができる。
なお、図75に示すように、CZの30ゲーム目の遊技では、ARTへの移行抽籤(C)が行われる。この場合には、必ずCZモード2に基づくARTへの移行抽籤(C)が行われ、チャンスゾーンを完走したとしてARTに当籤することになる。そして、上述のようにCZを完走した場合には、より有利なART遊技状態に移行することになる。
CZ中では、スタート時に発展玉に伴うARTへの移行抽籤(C)が行われていた場合、次のような処理が行われる。具体的には、その後、停止操作が行われ全リール3L,3C,3Rの回転が停止すると、表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上か否か、すなわち、押し順ベルの押し順に正解したか否かを判断する。そして、押し順ベルの押し順に正解した場合には、発展玉に伴うARTへの移行抽籤(C)の抽籤結果が、ARTに当籤したか否かに関わらず無効にされ、CZが継続することになる。他方、押し順ベルの押し順に不正解の場合には、発展玉に伴うARTへの移行抽籤(C)の抽籤結果が維持され、その後、抽籤結果に応じた遊技状態に移行することになる。
このようにCZ中では、CZ継続するほどARTへの移行抽籤(C)に当籤する確率が上がり、加えて、CZを完走した場合にはARTへの移行抽籤(C)に必ず当籤し、かつ、有利なART遊技状態に移行することになるため、CZが長く継続するほど遊技者にとって有利な状況になる。そのため、遊技者は、CZが継続するように遊技を行うことになる。ここで、CZの終了条件は、ARTへの移行抽籤(C)の抽籤結果が維持されることであるため、遊技者は、黙示録に発展玉がセットされないように、また、黙示録に発展玉がセットされている遊技では、押し順ベルが内部当籤役として決定されないように、また、黙示録に発展玉がセットされている遊技において押し順ベルが内部当籤役として決定されてしまった場合には、押し順に正解するように遊技を行うことになる。
<CZ_MAP抽籤テーブル>
図76は、CZ移行後の最初のゲームにおいて参照されるCZ_MAP抽籤テーブルである。CZ_MAP抽籤テーブルは、CZ_MAPの種別に対する抽籤値の情報を規定する。CZに移行すると、副制御回路42は、CZ_MAP抽籤テーブルを参照して、当該CZ中に用いるCZ_MAPを抽籤する。
<CZ_MAP対応表>
図77は、CZ_MAP抽籤テーブルにより抽籤されるCZ_MAPの内容を示すCZ_MAP対応表である。CZ_MAPのそれぞれには、CZ中の継続ゲーム数毎にCZモードが設定されている。CZモードは、上述のようにCZ中のARTへの移行抽籤(C)におけるARTの当籤確率を設定する情報であり、CZモードの数値が大きいほど、ARTの当籤確率が高くなるように設定されている。図77に示すように、CZ_MAPのそれぞれは、CZ中の継続ゲーム数が増す毎にCZモードが上がり、一度CZモードが上がると下がらないように設定されている。すなわち、それぞれのCZ_MAPは、CZモード0からCZモード1に上がるゲーム数が異なるように設定されている。また、全てのCZ_MAPにおいて、継続ゲーム数が30である場合、CZモードが2になるように設定されている。
なお、本実施形態では、CZモードとしてCZモード0,1,2の3種類のモードのみを設けているが、本発明は、CZ中の継続ゲーム数が増す毎にCZモードが上がり、一度CZモードが上がると下がらないように設定されていれば足り、CZモードの種類は3種類に限られるものではない。
<無効ポイント抽籤テーブル>
図78は、無効ポイント抽籤テーブルである。無効ポイント抽籤テーブルは、CZ中の発展玉がセットされている遊技において内部当籤役として押し順ベルが決定された場合に行われるARTへの移行抽籤(C)を無効にする無効ポイントを抽籤するために用いられる。無効ポイントが1以上である場合、発展玉がセットされている遊技において内部当籤役として押し順ベルが決定された場合に行われるARTへの移行抽籤(C)を無効にする。なお、無効ポイントが1以上である場合には、移行抽籤(C)を一度行った後に無効にすることとしてもよく、また、移行抽籤(C)をそもそも行わないこととしてもよい。
上述のように、無効ポイントの抽籤は、CZ移行後の最初のゲームにおいて行う初期値の抽籤と、CZ中に毎ゲーム行われる上乗せの抽籤とがある。図78の(A)は、初期値の抽籤に用いられる無効ポイント抽籤テーブルであり、初期値として決定される無効ポイントに対する抽籤値の情報を規定する。また、図78の(B)(C)は、上乗せの抽籤に用いられる無効ポイント抽籤テーブルであり、今回の遊技においてセットされている演出玉の種別及び内部当籤役毎に上乗せする無効ポイントに対する抽籤値の情報を規定する。
<演出玉抽籤テーブル>
図79は、CZ中に黙示録にセットする演出玉を抽籤する際に用いられる演出玉抽籤テーブルである。セット中の最終演出玉毎にセットする演出玉に対する抽籤値の情報を規定する。なお、セット中の最終演出玉とは、例えば、現在の遊技から最も離れた領域103Eにセットされた演出玉である。図79を参照すると、セット中の最終演出玉が発展玉である場合には、発展玉が抽籤されることはない。すなわち、CZ中は、黙示録の領域103A〜103Eに発展玉が2つ連続してセットされることはない。一方で、セット中の最終演出玉がその他(ブランク又は回避玉)である場合には、所定の確率で発展玉が抽籤されることになる。
なお、CZ中では、黙示録には発展玉及び回避玉のいずれかがセットされるが、演出玉抽籤テーブルに示すように、演出玉の抽籤では、発展玉かブランク(空)のみを抽籤し、回避玉は抽籤しない。ここで、回避玉は、無効ポイントが1以上であり、黙示録に発展玉がセットされている場合に、セットされている発展玉を書き換える形で黙示録にセットされることになる。なお、無効ポイントが1以上である場合に、発展玉を回避玉に書き換えるタイミングは任意である。例えば、領域103A〜領域103Eのうち、領域103Bに到達するまでは発展玉を回避玉に書き換えないことなどのようにしてもよく、もちろん、領域103Eの時点で発展玉を回避玉に書き換えることとしてもよく、また、領域103Aの時点でも発展玉のまま維持し、移行抽籤(C)自体を無効にすることで、CZの終了を回避することとしてもよい。
<CZ中ART抽籤テーブル>
図80は、CZ中のARTへの移行抽籤(C)において参照されるCZ中ART抽籤テーブルである。CZ中ART抽籤テーブルは、CZモード及びBBの当籤の有無毎に、移行抽籤(C)の抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブルを参照すると、BB非当籤時では、CZモードが0の場合はARTに当籤する確率が低く、CZモードが1以上の場合はARTに必ず当籤することがわかる。なお、CZモードは、移行抽籤(C)におけるARTの当籤確率やART当籤時のARTの有利度合が、数値が大きいほど遊技者に有利であれば足り、CZモード1、2においてARTに必ず当籤するように設定する必要はない。
[BB中の遊技]
続いて、図81〜図86を参照して、ボーナス状態中(「BB中」とも呼ぶ)の遊技の流れについて説明する。図81は、BB中におけるメイン(主制御回路41)側で管理する当籤役の種別と、サブ(副制御回路42)側で管理する当籤役の略称との対応関係の一部を示す図であり、図82は、BB中の遊技の流れの概要図であり、図83〜図86は、BB中に参照されるデータテーブルである。なお、図83〜図86に示すデータテーブルは、サブROM82に記憶される。
<当籤役のメイン側/サブ側の対応関係>
図81は、BB中におけるメイン(主制御回路41)側で管理する当籤役の種別と、サブ(副制御回路42)側で管理する当籤役の略称との対応関係の一部を示す図である。サブ側では、メイン側の当籤役を図81の対応表に示す略称で管理する。なお、図81に示す当籤役以外の対応関係は、図56と同様である。
<BB中の遊技の流れの概要>
図82に示すように、BB中の遊技は、BBの作動を契機として行われる。BBの作動が行われると、BBモードが0にセットされる。ここで、BBモードは、BB中に行われるARTへの移行抽籤(F)におけるARTの当籤確率を設定する情報である。本実施形態のパチスロ1では、BBモードとしてBBモード0〜5を有し、BBモードの数値が大きいほどARTの当籤確率が高くなる。
続いて、BB中に開始操作に伴い全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、BB中のスタート時に行われるARTへの移行抽籤(F)が行われる。このスタート時の移行抽籤(F)は、上述のBBモードとは関係なく、内部当籤役としてサブ側の略称「7揃いリプ」が決定されている場合に、ARTに当籤し、その他の場合にARTに非当籤になる。
続いて、BB中の内部当籤役に基づいて、BBモードのモードアップ抽籤を行う。本実施形態のパチスロ1では、現在のBBモード毎にモードアップする可能性のある当籤役が定められている。詳細については後述するが、パチスロ1では、BBモードが上がるほど、モードアップする可能性のある当籤役の種類が少なくなるように設定されている。
その後、停止操作に応じてメダルの払い出しが行われると、BBの作動を終了するか否かを判定する。本実施形態のパチスロ1では、BB中に59枚を超えるメダルが払い出されるとBBの作動が終了する。未だ59枚を超えるメダルが払い出されていない場合には、BBの作動が継続する。他方、59枚を超えるメダルが払い出された場合には、BB終了時のARTへの移行抽籤(F)が行われる。この終了時の移行抽籤(F)は、BBモードに応じて行われる抽籤であり、BBモードの数値が大きいほどARTの当籤確率が高くなる。
<BB中スタート時ART抽籤テーブル>
図83は、BB中のスタート時の移行抽籤(F)において参照されるBB中スタート時ART抽籤テーブルである。BB中スタート時ART抽籤テーブルは、サブ側の略称「7揃いリプ」が決定されている場合に参照され、ARTへの移行抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。図83に示すように、サブ側の略称「7揃いリプ」が決定されている場合には、スタート時の移行抽籤(F)において必ずARTに当籤することになる。
ここで、図81に示す当籤役の対応表を参照すると、JAC2フラグ間(JACIN2を内部当籤役として持ち越している状態)及びJAC3フラグ間(JACIN3を内部当籤役として持ち越している状態)では、メイン側の「F_312上段7揃」〜「F_2ndクロス7揃」の3つのみが「7揃いリプ」である。これに対して、JAC1フラグ間(JACIN1を内部当籤役として持ち越している状態)では、メイン側の「F_312上段7揃」〜「F_2ndクロス7揃」に「F_J1上段7リプ」〜「F_J1クロス7リプ」の3つを加えた計6つが「7揃いリプ」になっている。そのため、パチスロ1では、BB中に持ち越している持越役の種別に応じて、スタート時の移行抽籤(F)においてARTに当籤する確率が異なることになる。
<BB中モードアップ抽籤テーブル>
図84及び図85は、BBモードのモードアップ抽籤において参照されるBB中モードアップ抽籤テーブルである。BB中モードアップ抽籤テーブルは、現在のBBモード及び内部当籤役毎にモードアップ抽籤の抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定している。
BB中モードアップ抽籤テーブルを参照すると、現在のBBモードが0である場合、押し順ベル、共通ベル、スイカ、弱チェリー、強チェリー又はチャンリプのいずれかが内部当籤役として決定されると、BBモードが上がることになる。すなわち、BBモード0からモードアップする可能性のある当籤役の種類は6種類である。同様に、BBモード1からモードアップする可能性のある当籤役の種類は5種類であり、BBモード2からモードアップする可能性のある当籤役の種類は4種類であり、BBモード3からモードアップする可能性のある当籤役の種類は3種類であり、BBモード4からモードアップする可能性のある当籤役の種類は2種類である。
また、BBモード4からモードアップする可能性のある当籤役は、BBモード3においてモードアップする可能性のある当籤役に含まれ、同様に、BBモード3からモードアップする可能性のある当籤役は、BBモード2においてモードアップする可能性のある当籤役に含まれ、BBモード2からモードアップする可能性のある当籤役は、BBモード1においてモードアップする可能性のある当籤役に含まれ、BBモード1からモードアップする可能性のある当籤役は、BBモード0においてモードアップする可能性のある当籤役に含まれる。
このようにパチスロ1では、BBモードが上がるほど、モードアップする可能性のある当籤役の種類が少なくなるように設定され、かつ、BBモードが高い状態でモードアップする可能性のある当籤役は、BBモードが低い状態でもモードアップする可能性がある。
なお、図84及び図85に例示するBB中モードアップ抽籤テーブルでは、BBモードを一段階ずつではなく飛ばしてモードアップ可能にしている(例えば、BBモード0からBBモード1を経ることなくBBモード2以上にモードアップ可能にしている)。この点、BBモードは、必ず一段階ずつのみモードアップするようにBB中モードアップ抽籤テーブルを構成することとしてもよい。このような構成によれば、BBモードは一段階ずつしか上がらないため、それぞれのBBモードに滞在中の期待度が下がるため、BBモードを飛ばして上げることが可能な場合に比べて、BBモードが上がる期待度を高めるように設定することができる。その結果、BB中にある一定のBBモードまでは上がりやすくなるため、BBモードが徐々にモードアップしていく遊技形態を作りやすくなる。
ここで、図84及び図85に示すBB中モードアップ抽籤テーブルを参照すると、内部当籤役がチャンリプである場合、BBモードが上がりやすい。また、図81に示す当籤役の対応表を参照すると、JAC1フラグ間及びJAC3フラグ間では、メイン側の「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」の5つのみが「チャンリプ」である。これに対して、JAC2フラグ間では、メイン側の「F_J3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」に「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」の5つを加えた計10個が「チャンリプ」になっている。そのため、パチスロ1では、BB中に持ち越している持越役の種別に応じてBBモードを上げる確率が異なることになり、結果、BB中に持ち越している持越役の種別に応じてBB終了時の移行抽籤(F)においてARTに当籤する確率が異なることになる。
<BB終了時ART抽籤テーブル>
図86は、BB終了時の移行抽籤(F)において参照されるBB終了時ART抽籤テーブルである。BB終了時ART抽籤テーブルは、BB中の状態及びBBモード毎に、ARTへの移行抽籤結果に対する抽籤値の情報を規定する。なお、図86の(A)のBB終了時ART抽籤テーブルは、メイン側の遊技状態「ボーナス状態のRB遊技状態」「ボーナス状態のRT4遊技状態」において参照され、図86の(B)のBB終了時ART抽籤テーブルは、メイン側の遊技状態「ボーナス状態のRT0遊技状態」「ボーナス状態のRT2遊技状態」において参照される(図6参照)。
[ART中の遊技]
続いて、図87〜図106を参照して、ART遊技状態中(「ART中」とも呼ぶ)の遊技の流れについて説明する。図87は、敵決めART中の遊技の流れの概要図であり、図88は、バトルART中の遊技の流れを示す概要図であり、また、図89〜図106は、ART中に参照されるデータテーブルである。なお、図88〜図106に示すデータテーブルは、サブROM82に記憶される。
<ART中の遊技の流れの概要>
図87に示すように、一般遊技状態(通常遊技状態、高確率遊技状態、CZ)やボーナス状態においてARTへの移行抽籤に当籤すると、副制御回路42は、移行抽籤に当籤した状況に応じてART状態を抽籤する。ART状態は、ART遊技状態が継続することについての期待度が異なる状態であり、基本的には、数値の大きいART状態ほどARTが継続し易い(遊技者にとって有利)な状態となっている。ART状態が決定され、メイン側の遊技状態がボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行すると、敵決めARTが開始する。
敵決めART中に開始操作に伴い全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、黙示録にセットする演出玉の抽籤を行う。なお、敵決めARTでは、バトルART中に対戦する敵キャラクタを決定するためのボス玉1〜8や、味方キャラクタのHPを増加させるための味方玉といった演出玉が黙示録にセットされることになる。敵決めART開始前に決定したART状態は、演出玉の抽籤において参照され、数値の大きいART状態ほど黙示録に味方キャラクタが勝利し易いボス玉が多くセットされることになる。
この演出玉の抽籤は、後述するボスMAPに規定されるボスMAPデータとART状態とに基づいて行われることになる。敵決めART中は、最初にボスMAP「1」がセットされ、その後同一の敵決めARTが継続するほど数値の大きいボスMAPがセットされることになる。
なお、敵決めARTの開始後すぐに黙示録にボス玉をセットしてしまったのでは、敵決めARTが開始後すぐに終了してしまう可能性がある。そこで、敵決めART開始時には黙示録に演出玉をセットしない保証回数をセットすることとしてもよい。このようにすることで、最低限保証回数分は敵決めARTが継続するため、敵決めARTが開始後すぐに終了してしまうことを防止することができる。なお、保証回数は、予め定められた固定回数(例えば、5ゲームなど)であってもよく、また、敵決めARTの開始時に抽籤により決定することとしてもよい。また、ARTへの移行抽籤に当籤したことを契機に開始された敵決めART(いわゆる初当たり)と、ART遊技状態が継続したことを契機に開始された敵決めARTとで、保証回数を異ならせることとしてもよい。この場合においても、固定の保証回数を両ケースにおいて異ならせることとしてもよく、また、保証回数の抽籤確率を両ケースにおいて異ならせることとしてもよい。また、ART遊技状態が継続した場合には、継続時のバトルARTにおいて対戦した敵キャラクタの種別に応じて保証回数を異ならせることとしてもよい。この場合においても、継続時のバトルARTにおいて対戦した敵キャラクタの種別に応じて、固定の保証回数を異ならせることとしてもよく、また、保証回数の抽籤確率を異ならせることとしてもよい。
続いて、味方キャラクタのHPを決定する。ここで決定された味方キャラクタのHPが続くバトルARTにおいて用いられることになる。なお、味方キャラクタのHPは、敵決めARTの最初のゲームにおいて行われる初期決定と、黙示録に味方玉がセットされている場合に行われる後述の上乗せの抽籤とに基づき決定される。
初期決定は、現在の味方キャラクタのHPが初期値(HP50)未満であるか否かに応じて制御が異なり、副制御回路42は、初期値未満である場合には、味方キャラクタのHPを初期値に決定し、初期値以上である場合には、現在の味方キャラクタのHPをそのまま維持する。パチスロ1では、バトルARTにおいて味方キャラクタが勝利した場合には、再び敵決めARTを行う。このとき、継続したARTの結果に応じて味方キャラクタのHPは変動しているため(例えば、継続したARTの敵決めART中の味方玉(上乗せ抽籤)によるHP増加や、継続したARTのバトルART中の敵玉(敵攻撃)によるHP減少)、継続後の新たな敵決めARTでは、初期値からの変動に応じて味方キャラクタのHPをセットすることになる。
続いて、副制御回路42は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に応じた制御を行う。例えば、ボス玉がセットされている場合には、押し順ベル(共通ベルも含むこととしてもよい)が内部当籤役として決定されたか否かを判断し、押し順ベルが内部当籤役として決定されている場合には、今回の遊技において黙示録にセットされているボス玉の種類に応じたボスを、バトルARTにおける対戦相手として決定する。
このようにしてバトルARTの対戦相手を決定すると、対戦相手となる敵キャラクタのHPを決定する。敵キャラクタのHPの決定は、対戦相手を決定した次の遊技の内部当籤役に基づいて行われ、例えば、レア役が内部当籤役として決定された場合には、敵キャラクタのHPが少なくなるように決定される。敵決めARTにおいて対戦相手が決定され(ボス玉時の押し順ベル当籤)、かつ、敵キャラクタのHPが決定されると(次遊技の内部当籤役)、敵決めARTが終了し、次遊技からバトルARTが開始することになる。
一方で、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉である場合には、副制御回路42は、味方キャラクタのHPの上乗せ抽籤を行う。この上乗せ抽籤では、内部当籤役に基づいて味方キャラクタのHPを増加(上乗せ)する。具体的には、今回の遊技において黙示録に味方玉がセットされている場合に「ベル当籤」以上で上乗せ抽籤に当籤し、味方キャラクタのHPが増加することになる。なお、「ベル当籤」とは、押し順ベル又は共通ベルが内部当籤役として決定されることであり、「ベル当籤」以上とは、「ベル当籤」か、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、及びチャンリプといったレア役のいずれかが内部当籤役として決定されること、のいずれかである。
図87に示すように、敵決めARTは、対戦相手が決定されるまで繰り返して行われる。一方、敵決めARTにおいて対戦相手が決定され、かつ、敵キャラクタのHPが決定されると敵決めARTが終了し、次遊技からバトルARTが開始する。
図88に示すように、バトルART中に開始操作に伴い全リール3L,3C,3Rの回転が開始すると、黙示録にセットする演出玉の抽籤を行う。なお、バトルARTでは、攻撃するキャラクタを決定するための味方玉、敵玉、覚醒玉といった演出玉が黙示録にセットされることになる。後述するように、それぞれの敵キャラクタには、攻撃力、防御力及びスピードというパラメータが設定されており、演出玉の抽籤は、敵キャラクタのスピードに応じて行われることになる。具体的には、スピードが速い敵キャラクタほど敵玉が抽籤される確率が高く、スピードが遅い敵キャラクタほど味方玉が抽籤される確率が高くなっている。
続いて、バトルART中は、内部当籤役及び黙示録にセットされている演出玉に基づいて、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦が行われる。具体的には、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉又は覚醒玉である場合には、「ベル当籤」以上で味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃し、敵キャラクタのHPが減少する。なお、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が覚醒玉であり、「ベル当籤」以上の場合には、味方玉がストックされ、ストックされた分だけ黙示録にセットされている敵玉が味方玉に書き換えられる。
他方、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が敵玉である場合には、「ベル当籤」で敵キャラクタが味方キャラクタに対して攻撃し、味方キャラクタのHPが減少し、「レア役当籤」で味方キャラクタが敵キャラクタに対して攻撃し、敵キャラクタのHPが減少する。なお、「レア役当籤」とは、純はずれ、スイカ、弱チェリー、強チェリー、及びチャンリプといったレア役のいずれかが内部当籤役として決定されることである。
ここで、敵キャラクタ攻撃時の味方キャラクタのHPの減少量は、敵キャラクタに設定された攻撃力に応じて異なり、攻撃力が高い敵キャラクタほど味方キャラクタのHPの減少量が大きく、攻撃力が低い敵キャラクタほど味方キャラクタのHPの減少量が小さい。同様に、味方キャラクタ攻撃時の敵キャラクタのHPの減少量は、敵キャラクタに設定された防御力に応じて異なり、防御力が高い敵キャラクタほど敵キャラクタのHPの減少量が小さく、防御力が低い敵キャラクタほど敵キャラクタのHPの減少量が大きい。
図88に示すように、バトルARTでは、対戦の結果、味方キャラクタ又は敵キャラクタのいずれかのHPが0になると終了する。具体的には、味方キャラクタのHPが0になった場合には、バトルARTが終了するとともに、一セット分のART遊技状態が終了する。他方、敵キャラクタのHPが0になった場合には、ART遊技状態のセット数は変わらないまま、バトルARTが終了する。そして、バトルART終了時にART遊技状態のセット数が残っている場合には、ART遊技状態が継続し、バトルARTから新たな敵決めARTに移行する。
<ART状態抽籤テーブル>
図89は、ARTへの移行抽籤に当籤時にART状態を抽籤するために参照されるART状態抽籤テーブルである。ART状態抽籤テーブルは、ARTへの移行抽籤に当籤した際の状況毎に、ART状態に対する抽籤値の情報を規定する。例えば、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に行われるARTへの移行抽籤(A)(D)において当籤した場合には、「通常遊技状態、高確率遊技状態」欄のART状態抽籤テーブルを参照して、ART状態が抽籤される。同様に、CZ中のARTへの移行抽籤(C)において当籤した場合には、CZ中のCZモードに応じたART状態抽籤テーブルを参照して、ART状態が抽籤される。また、ボーナス状態中のARTへの移行抽籤(F)において当籤した場合には、「ボーナス状態欄」のART状態抽籤テーブルを参照して、ART状態が抽籤される。
図89を参照すると、CZモード2において移行抽籤に当籤した場合には、CZモード0,1において移行抽籤に当籤した場合やその他の場合に比べて、数値の大きいART状態が抽籤されることになる。ここで、CZモード2はCZに完走した場合のCZモードであり、また、ART状態は、数値が大きいほどARTが遊技者にとって有利な状態(ARTが継続し易い状態)であるため、CZに完走した場合には、単にART移行するだけなく、遊技者にとってより有利な状態になることが分かる。
<敵決めART中に参照する各種のデータテーブル>
続いて、図90〜図96を参照して、敵決めART中に参照される各種のデータテーブルについて説明する。
<ボスMAP抽籤テーブル>
図90は、敵決めARTにおいて黙示録にセットする演出玉を決定するためのボスMAPを抽籤するためのボスMAP抽籤テーブルである。敵決めART中は、最初にボスMAP「1」がセットされ、その後、ボスMAP毎に規定されたボスMAPデータが0のときに新たなボスMAPが抽籤される。図90のボスMAP抽籤テーブルは、ボスMAPデータが0のときに新たなボスMAPを抽籤するために参照されるテーブルである。
図90に示すボスMAP抽籤テーブルを参照すると、パチスロ1では、ボスMAPが抽籤されるたびに数値の大きいボスMAPが抽籤され易くなることが分かる。具体的には、ボスMAP「1」からはボスMAP「3」が抽籤され易く、同様にボスMAP「3」からはボスMAP「5」が抽籤され易い。一方で、ボスMAP「1」からボスMAP「4」が抽籤された場合には、ボスMAP「4」からはボスMAP「3」が抽籤され易いため、ボスMAPの数値は一度小さくなってしまうものの、その後のボスMAP「3」からは、ボスMAP「5」が抽籤されることになるため、結果、ボスMAPが抽籤されるたびに数値の大きいボスMAPが抽籤されることになる。
<ボスMAPデータ対応表>
ボスMAPには、黙示録にセットする演出玉を決定するためのボスMAPデータが規定されている。図91は、それぞれのボスMAPに規定されているボスMAPデータの対応表を示す図である。図91に示すように、ボスMAP1には、1〜4ゲーム目までボスMAPデータ「1」が規定され、5ゲーム目にボスMAPデータ「0」が規定されている。なお、ボスMAPデータ「0」が規定されている場合には、図90に示す、ボスMAP抽籤テーブルを参照して、新たなボスMAPが抽籤されることになる。
<敵決めART中演出玉抽籤テーブル>
図92及び図93は、敵決めARTにおいて黙示録にセットする演出玉を決定するための敵決めART中演出玉抽籤テーブルである。ART中演出玉抽籤テーブルは、ボスMAPデータ及びART状態毎にセットする演出玉についての抽籤値の情報を規定する。なお、図92の(A)では、ボスMAPデータ「0」に対しても演出玉に対する抽籤値の情報が規定されているが、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤よりも新たなボスMAPの抽籤を優先する場合には、利用されることはない。
図92及び図93を参照すると、ボスMAPデータが「1」「2」「4」である場合、抽籤される演出玉は、ART状態に関わらず概ね一定である一方で、ボスMAPデータ「3」である場合には、ART状態に応じて抽籤される演出玉が大きく異なる。例えば、ボスMAPデータ「3」の場合のART状態「28」以上を参照すると、演出玉としてボス玉7、8のいずれかが決定されることが分かる。なお、ボス玉7,8は、対戦相手として決定された場合にバトルARTの継続が確定する演出玉である(図57参照)。また、図91に示すボスMAPデータ対応表を参照すると、ボスMAPデータ「3」は、多くのボスMAPに規定されていることが分かり、多くの場合にボスMAPデータ「3」に基づき演出玉が抽籤されることが分かる。
このことから、ART状態の数値が大きいほど、遊技者にとって有利なARTになることが分かり、また、CZ完走時にはART状態として「28」以上が抽籤されるため(図89参照)、CZ完走時に移行するARTは継続し易いことが分かる。
<敵決めART中演出玉格上げ抽籤テーブル>
図94は、敵決めART中に黙示録にセットされた敵玉を味方玉に書き換えるために参照される敵決めART中演出玉格上げ抽籤テーブルである。敵決めART中演出玉格上げ抽籤テーブルは、内部当籤役毎に味方玉のストック数に対する抽籤値の情報を規定する。この抽籤により1以上の味方玉のストックが決定されると、ストック数に応じた分だけ、敵玉を味方玉に書き換える。なお、敵玉を味方玉に書き換えるタイミングは任意である。
<敵決めART中味方パワー上乗せ抽籤テーブル>
図95は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉である場合に行われる味方キャラクタのHPの上乗せ抽籤時に参照される敵決めART中味方パワー上乗せ抽籤テーブルである。敵決めART中味方パワー上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役毎に味方キャラクタのHPの上乗せ量を規定する。図95参照すると、今回の遊技において黙示録に味方玉がセットされている場合、「ベル当籤」以上で味方キャラクタのHPが増加することが分かる。
<敵決めART中ボスパワー抽籤テーブル>
図96は、対戦相手の敵キャラクタを決定した次の遊技において、当該敵キャラクタのHPを決定する際に参照される敵決めART中ボスパワー抽籤テーブルである。敵決めART中ボスパワー抽籤テーブルは、内部当籤役毎に敵キャラクタのHPに対する抽籤値の情報を規定する。図96を参照すると、純はずれ以外のレア役に当籤している場合には、敵キャラクタのHPが少なくなるように決定されることが分かる。なお、敵決めART中ボスパワー抽籤テーブルは、対戦相手となる全ての敵キャラクタに対して共通のテーブルであってもよく、また、それぞれの敵キャラクタ毎に異なるテーブルを設けることとしてもよい。敵キャラクタ毎に異なるテーブルを設けることで、敵キャラクタの個性に応じたHPを決定することができる。
<バトルART中に参照する各種のデータテーブル>
続いて、図98〜図106を参照して、バトルART中に参照される各種のデータテーブルについて説明するが、これらデータテーブルの説明に先立ち、それぞれの敵キャラクタの特徴について説明する。
<ボスステータス対応表>
図97は、ボスステータス対応表である。対戦相手の敵キャラクタであるボス1〜ボス8には、それぞれ攻撃力、防御力及びスピードといったステータスが設定されている。例えば、ボス1は攻撃型であり、攻撃力が高い一方でスピードが遅い。これに対して、ボス5はスピード型であり、攻撃力は低いもののスピードが速い。バトルART中は、このような敵キャラクタの特徴に応じて味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦が行われることになる。
なお、ボス7,8は、対戦相手として決定された時点でART遊技状態の継続が確定する敵キャラクタである。上述のようにART遊技状態は、味方キャラクタのHPが0になる前に敵キャラクタのHPが0になった場合、又は味方キャラクタのHPが0になったとしてもART遊技状態のセット数が残っている場合に継続する。ボス7,8決定時にART遊技状態が継続する態様は、任意であり、例えば、ボス7,8が敵キャラクタとして決定された場合には、必ず味方キャラクタよりも敵キャラクタのHPが先に0になるようにしてもよく、また、ボス7,8が敵キャラクタとして決定された場合には、ART遊技状態のセット数が必ず1以上になる(例えば、ボス7,8が敵キャラクタとして決定された場合にART遊技状態のセット数を1加算、又は味方キャラクタのHPが0になったとしてもART遊技状態のセット数を減算しない)ようにしてもよい。この点、本実施形態では、ボス7,8が敵キャラクタとして決定された場合には、ART遊技状態のセット数を1加算することで、味方キャラクタのHPが0になったとしてもART遊技状態のセット数が必ず残るようにすることで、ボス7,8決定時にART遊技状態を継続させることとしている。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態においてボス7,8のHPを0にできた場合には、いわゆる上乗せ特化ゾーンに移行することとしてもよい。上乗せ特化ゾーンの種別は任意であるが、本実施形態の場合には上乗せ特化ゾーンとして、ART遊技状態のセット数を上乗せすることや、味方キャラクタのHPを上乗せすることが考えられる。
<バトルMAP抽籤テーブル>
図98〜図100は、バトルARTにおいて黙示録にセットする演出玉を決定するためのバトルMAPを抽籤するためのバトルMAP抽籤テーブルである。バトルMAP抽籤テーブルは、対戦相手となる敵キャラクタの種別毎に設けられ、移行元のバトルMAP毎に移行先のバトルMAPに対する抽籤値の情報を規定する。図98は、ボス1に対応するバトルMAP抽籤テーブルであり、図99は、ボス2に対応するバトルMAP抽籤テーブルであり、図100は、ボス5に対応するバトルMAP抽籤テーブルである。後述するように、バトルMAP抽籤テーブルに規定される抽籤値の情報は、敵キャラクタに設定されたスピードに依存する。
<バトルMAPデータ対応表>
バトルMAPには、黙示録にセットする演出玉を決定するためのバトルMAPデータが規定されている。図101は、それぞれのバトルMAPに規定されているバトルMAPデータの対応表を示す図である。
<バトルART中演出玉抽籤テーブル>
図102は、バトルARTにおいて黙示録にセットする演出玉を決定するためのバトルART中演出玉抽籤テーブルである。バトル中演出玉抽籤テーブルは、バトルMAPデータ毎にセットする演出玉についての抽籤値の情報を規定する。なお、図102の(A)では、バトルMAPデータ「0」に対しても演出玉に対する抽籤値の情報が規定されているが、MAPデータ「0」に基づく演出玉の抽籤よりも新たなボスMAPの抽籤を優先する場合には、利用されることはない。
図102を参照すると、バトルMAPデータ「1」は敵玉が抽籤されやすい一方で、バトルMAPデータ「2」「3」は味方玉や覚醒玉が必ず抽籤される。また、図101に示すバトルMAPデータ対比表を参照すると、バトルMAPは7個が一セットになっていることが分かる。具体的には、バトルMAP「1」〜「7」を参照すると、バトルMAPデータは「1」が5個続いた後「2」「3」と続き、バトルMAP「8」〜「14」、バトルMAP「15」〜「21」及びバトルMAP「22」〜「28」も同様であることが分かる。
なお、バトルMAP「4」「11」「18」「25」は、実際には抽籤されることのないバトルMAPである(図98〜図100に示すように抽籤値が0である)。そのため、パチスロ1では、敵玉が抽籤され易いバトルMAPデータ「1」が規定されるバトルMAP4個(1個は抽籤されない)と、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPデータ「2」「3」が規定されるバトルMAP2個との6個が一セットになっている。
ここで、図98〜図100のバトルMAP抽籤テーブルに戻る。バトルMAP抽籤テーブルでは、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPデータ「2」「3」が規定されるボスMAP「6」「7」「13」「14」「20」「21」「27」「28」を強調して表示している。バトルMAP抽籤テーブルを参照すると、バトルMAPは、基本的には、一セット内で一つずつ数値の大きいバトルMAPに移行するか、又は、一セット内の味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPに移行することが分かる。具体的には、バトルMAP「1」からは、数値が1つ大きいバトルMAP「2」か、同じセット内の味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAP「6」が抽籤され易いことが分かる。
バトルMAPやバトルMAPデータをこのように構成することで、パチスロ1では、敵キャラクタが連続して攻撃する回数を所定回数(本実施形態では4回)に抑えることとしている。すなわち、バトルMAPの移行が所定回数を超えて(本実施形態では5回)行われた場合には、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPに少なくとも1回は移行することになる。なお、バトルMAP「1」からは、バトルMAP「9」などにも移行するが、バトルMAP「9」などは同じセット内の2つ目の数値のバトルMAPであるため、バトルMAPの移行が所定回数を超えた場合、味方玉などが必ず抽籤されるバトルMAPに少なくとも1回は移行することになる。
また、図98〜図100のバトルMAP抽籤テーブルを比較すると、対戦相手の敵キャラクタの種類によって、味方玉又は覚醒玉が必ず抽籤されるバトルMAPに移行する確率が異なることが分かる。例えば、攻撃型でスピードが遅いボス1(図97参照)が敵キャラクタである場合、図98のバトルMAP抽籤テーブルを参照すると、味方玉などが必ず抽籤されるバトルMAP「6」「7」に比較的移行し易いことが分かる。また、防御型でスピードが普通のボス2(図97参照)が敵キャラクタである場合、図99のバトルMAP抽籤テーブルを参照すると、ボス1に比べて味方玉などが必ず抽籤されるバトルMAP「6」「7」に移行し難いことが分かり、同様に、スピード型のボス5(図97参照)が敵キャラクタである場合、図100のバトルMAP抽籤テーブルを参照すると、味方玉などが必ず抽籤されるバトルMAP「6」「7」に移行し難く、基本的には、バトルMAP「1」から順に数値の大きいバトルMAPに移行することになることが分かる。
このようにバトルMAP抽籤テーブルは、敵キャラクタに設定されたスピードに基づいて抽籤値の情報が規定されている。これにより、バトルART中では、敵キャラクタに設定されたスピードに基づいて演出玉がセットされ、スピードの速い敵ほど敵玉が多くセットされ、スピードの遅い敵ほど味方玉が多くセットされることになる。
<バトルART中ダメージ抽籤テーブル>
図103及び図104は、バトルARTにおいて敵キャラクタや味方キャラクタのHPを減少する際に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルである。バトルART中ダメージ抽籤テーブルは、対戦相手となる敵キャラクタの種別、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉の種別、及び内部当籤役毎に敵キャラクタや味方キャラクタのHPを減少量についての抽籤値の情報を規定する。
図103は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が敵玉である場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルである。図103では、敵キャラクタのステータス(攻撃力)による差を比較可能にするため、攻撃力の高いボス1(図97参照)が敵キャラクタである場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルを図103の(A)に示し、攻撃力の低いボス5(図97参照)が敵キャラクタである場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルを図103の(B)に示す。図103のバトルART中ダメージ抽籤テーブルを比較すると、内部当籤役として押し順ベルが決定されている場合、対戦相手がボス1のときは味方キャラクタのHPの減少量として「15」が決定され易い一方で、対戦相手がボス5のときは味方キャラクタのHPの減少量として「5」が決定され易いことが分かる。
また、図103を参照すると、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が敵玉であっても、純はずれ以外のレア役に当籤している場合には、味方キャラクタではなく敵キャラクタのHPが減少することになる。バトルART中ダメージ抽籤テーブルをこのように構成することで、遊技者は、バトルART中にレア役が内部当籤役として決定されることについて期待することになり、ART中の興趣を高めることができる。
また、図104は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉又は覚醒玉である場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルである。図104では、敵キャラクタのステータス(防御力)による差を比較可能にするため、防御力の高いボス1(図97参照)が敵キャラクタである場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルを図104の(A)に示し、防御力の低いボス5(図97参照)が敵キャラクタである場合に用いられるバトルART中ダメージ抽籤テーブルを図104の(B)に示す。図104のバトルART中ダメージ抽籤テーブルを比較すると、対戦相手がボス1のときは敵キャラクタのHPの減少量として「5」などが決定され易い一方で、対戦相手がボス5のときは敵キャラクタのHPの減少量として「10」などが決定され易いことが分かる。
このように対戦相手となる敵キャラクタの種別に応じてバトルART中ダメージ抽籤テーブルを設けることで、敵キャラクタのステータス(攻撃力及び防御力)を反映することができ、バトルART中の遊技を多様化することができる。
<ART状態抽籤テーブル>
図105及び図106は、バトルARTにおいてARTに継続することが決定された場合に新たなART状態を抽籤するためのART状態抽籤テーブルである。ART状態抽籤テーブルは、対戦相手の敵キャラクタの種別、ARTの継続回数、及び移行元のART状態毎に移行先のART状態に対する抽籤値の情報を規定する。なお、図105及び図106では、対戦相手の敵キャラクタがボス1〜6のいずれかの場合に参照されるART状態抽籤テーブルを示している。対戦相手の敵キャラクタがボス1〜6のいずれかの場合、移行元のART状態が「31」〜「33」のときは同一のART状態が移行先のART状態として決定されることになる。一方、対戦相手の敵キャラクタがボス7,8のいずれかの場合に、移行元のART状態が「31」〜「33」のときは、図示しないものの、異なるART状態(例えば、ART状態「3」など)が移行先のART状態として決定されることになる。
また、図105及び図106を参照すると、ARTの継続回数が5回を超えると、数値の大きいART状態に移行し易くなることが分かる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図107〜図112を参照して、主制御回路41のメインCPU51が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理]
まず、メインCPU51の制御で行うパチスロ1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図107に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ1に電源が投入されると、メインCPU51は、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたか等が判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
次いで、メインCPU51は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM53における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)毎にデータの消去が必要な格納領域である。
次いで、メインCPU51は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ(不図示)やスタートスイッチ16Sの入力のチェック等が行われる。
次いで、メインCPU51は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU51は、内部当籤役抽籤用の乱数値(0〜65535)を抽出し、該抽出した乱数値をメインRAM53に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。
次いで、メインCPU51は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、S4で抽出した内部当籤役抽籤用の乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。なお、内部抽籤処理の詳細については、後述の図108を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、リール停止初期設定処理を行う(S6)。この処理では、S5で決定した内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM53に格納され、S11のリール停止制御処理において用いられる。
次いで、メインCPU51は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、メインCPU51は、副制御回路42に送信するスタートコマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM53に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存されたスタートコマンドは、後述の図112で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路41から副制御回路42に送信される。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役等の演出に必要な各種の情報が含まれる。
次いで、メインCPU51は、ウェイト処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU51は、前回の遊技開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)を経過していない場合に、当該ウェイト時間が経過するまで待機する。
次いで、メインCPU51は、リール回転開始処理を行う(S9)。この処理において、メインCPU51は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される後述の割込処理(後述の図112参照)により、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動が制御され、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転が開始される。このとき、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
次いで、メインCPU51は、リール回転開始コマンド生成格納処理を行う(S10)。この処理では、メインCPU51は、副制御回路42に送信するリール回転開始コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM53に設けられた通信データ格納領域に保存する。なお、通信データ格納領域に保存されたリール回転開始コマンドは、後述の図112で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路41から副制御回路42に送信される。この処理により、副制御回路42では、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次いで、メインCPU51は、リール停止制御処理を行う(S11)。この処理では、S6で決定したリール停止制御情報を用いて、左ストップボタン19L、中ストップボタン19C及び右ストップボタン19Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
次いで、メインCPU51は、入賞検索処理を行う(S12)。この処理では、メインCPU51は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rが全て停止した後に入賞ラインに表示された図柄の組合せと、図柄組合せテーブル(図9〜図21参照)とを照合する。そして、メインCPU51は、図柄組合せテーブルが規定する図柄の組合せ(コンビネーション)が入賞ラインに表示されたか否かを判定し、その判定結果を表示役格納領域に格納する。
次いで、メインCPU51は、メダル払出処理を行う(S13)。この処理では、S12において決定された図柄の組合せの払出枚数に基づいて、ホッパー33の駆動やクレジット枚数の更新が行われ、メダルの払い出しが行われる。
次いで、メインCPU51は、入賞作動コマンド生成格納処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU51は、副制御回路42に送信する入賞作動コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM53に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存された入賞作動コマンドは、後述の図112で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路41から副制御回路42に送信される。この処理により、副制御回路42では、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次いで、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU51は、メインRAM53に設けられたボーナスゲームの終了契機を管理するための各種カウンタ(不図示)を参照して、ボーナスゲームの作動を終了するか否かをチェックする。なお、ボーナス終了チェック処理の詳細については、後述の図109を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU51は、ボーナスゲームの作動を開始するか否か、及び、再遊技を行うか否かをチェックする。なお、ボーナス作動チェック処理の詳細については、後述の図110を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、RTチェック処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU51は、表示された図柄の組合せに基づいてRT遊技状態を更新する。なお、RTチェック処理は、ボーナス非作動状態におけるRT遊技状態を更新する処理であり、ボーナス状態やフラグ間状態では、省略される。また、RTチェック処理の詳細については、後述の図111を参照しながら後で説明する。
[内部抽籤処理]
次に、図108を参照して、メインフロー(図107参照)中のS5で行う内部抽籤処理について説明する。
まず、メインCPU51は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S31)。すなわち、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)を参照して現在の遊技状態を把握し、把握した遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図22〜図26参照)をセットする。
次いで、メインCPU51は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(S32)。そして、メインCPU51は、当籤番号の初期値として「1」をセットする。
次いで、メインCPU51は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(S33)。なお、当籤番号とは、内部抽籤テーブルにおいて抽籤される可能性のある当籤役に対して1つずつ付された情報である。例えば、遊技状態がボーナス非当籤中のRT0遊技状態である場合、「はずれ」に対して当籤番号「1」が付され、「F_黒黒黒」に対して当籤番号「2」が付されている(図22参照)。また、遊技状態がボーナス状態中のRT0遊技状態である場合、「F_維持リプ」に対して当籤番号「1」が付され、「F_123リプ」に対して当籤番号「2」が付されている(図24参照)。
次いで、メインCPU51は、S33での演算結果が0未満(負の値)であるか否かを判別する(S34)。
S34において、メインCPU51が、演算結果が0未満でないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、乱数値及び当籤番号を更新する(S35)。具体的には、演算結果の値を乱数値にして、当籤番号を1加算する。
次いで、メインCPU51は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(S36)。S36において、メインCPU51が全ての当籤番号をチェックしていないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、処理をS33に戻し、S33以降の処理を繰り返す。
一方、S36において、メインCPU51が全ての当籤番号をチェックしたと判別したとき(YES)、メインCPU51は、データポインタとして「0」をセットする(S37)。すなわち、メインCPU51は、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタとして「0」をセットする。
ここで、再度S34の処理の説明に戻って、S34において、メインCPU51が、演算結果が0未満(負の値)である判別したとき(YES)、メインCPU51は、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S38)。
そして、S37又はS38の処理後、メインCPU51は、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S39)。
次いで、メインCPU51は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S40)。
次いで、メインCPU51は、持越役格納領域に格納されているデータが「00000000」であるか否かを判別する(S41)。S41において、メインCPU51が、持越役格納領域に格納されているデータが「00000000」でないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、後述のS48の処理を行う。
一方、S41において、メインCPU51が、持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」であると判別したとき(YES)、メインCPU51は、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S42)。
次いで、メインCPU51は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S43)。
次いで、メインCPU51は、BBに係る役を持越し中であるか否かを判別する(S44)。図49を参照すると、BBに係る役は持越役格納領域のビット0〜ビット4のいずれかに格納される。そのため、この処理では、メインCPU51は、持越役格納領域のビット0〜ビット4のいずれかに「1」が格納されているか否かを判別する。S44において、メインCPU51が、BBに係る役を持越し中ではないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、S46の処理に移る。
一方、S44において、メインCPU51が、BBに係る役を持越し中と判別したとき(YES)、メインCPU51は、RT5遊技状態フラグをオンにセットし(S45)、続いて、S46の処理に移る。具体的には、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)のビット4に「1」をセットする。この処理により、ボーナス非当籤状態中にBBに係る役が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を、フラグ間状態のRT5遊技状態に移行させることができる。
次いで、S46の処理において、メインCPU51は、JACINに係る役を持越し中であるか否かを判別する。図49を参照すると、JACINに係る役は持越役格納領域のビット5〜ビット7のいずれかに格納される。そのため、この処理では、メインCPU51は、持越役格納領域のビット5〜ビット7のいずれかに「1」が格納されているか否かを判別する。S46において、メインCPU51が、BBに係る役を持越し中ではないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、S48の処理に移る。
一方、S46において、メインCPU51が、JACINに係る役を持越し中と判別したとき(YES)、メインCPU51は、RT4遊技状態フラグをオンにセットし(S47)、続いて、S48の処理に移る。具体的には、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)のビット3に「1」をセットする。なお、JACINに係る役は、ボーナス状態中にのみ内部当籤役として決定される可能性があるため、この処理により、ボーナス状態中にJACINに係る役が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を、ボーナス状態のRT4遊技状態に移行させることができる。
次いで、S48の処理において、メインCPU51は、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する。その後、メインCPU51は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS7に移す。
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図109を参照して、メインフロー(図107参照)中のS15で行うボーナス終了チェック処理について説明する。
まず、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)を参照して、「BB」が作動中であるか否かを判別する(S51)。S51において、メインCPU51が、「BB」が作動中でないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS16に移す。
一方、S51において、メインCPU51が、「BB」が作動中であると判別したとき(YES)、メインCPU51は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満であるか否かを判別する(S52)。なお、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満である場合は、ボーナス状態中にメダルの払出しが59枚を超えたことを意味する。
S52において、メインCPU51が、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満であると判別したとき(YES)、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)を参照して、「RB」が作動中であるか否かを判別する(S53)。S53において、メインCPU51が、「RB」が作動中でないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、処理をS56に移す。
一方、S53において、メインCPU51が、「RB」が作動中であると判別したとき(YES)、メインCPU51は、RB終了時処理を行う(S54)。この処理では、メインCPU51は、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタをクリアし、作動中の「RB」に対応する遊技状態フラグ(RB遊技状態フラグ)をオフにする。次いで、メインCPU51は、RT2遊技状態フラグをオンにする(S55)。
次いで、S56では、メインCPU51は、ボーナス終了時処理を行う。この処理では、メインCPU51がボーナス終了枚数カウンタをクリアし、作動中の「BB」に対応する遊技状態フラグ(BB遊技状態フラグ)をオフにする。S53〜S56に示すように、BBの作動(ボーナス状態)がRB遊技状態中に終了した場合には、BB終了後にボーナス非当籤状態のRT2遊技状態に移行することになる。一方、BBの作動がRB遊技状態中以外の状態で終了した場合には、ボーナス状態中のRT遊技状態維持されたままボーナス非当籤状態に移行することになる。
次いで、メインCPU51は、ボーナス終了コマンド生成格納処理を行う(S57)。この処理では、メインCPU51は、副制御回路42に送信するボーナス終了コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM53に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存されたボーナス終了コマンドは、後述の図112で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路41から副制御回路42に送信される。この処理により、副制御回路42では、ボーナス状態が終了したことを認識することができるようになり、ボーナス終了時の所定の演出を行うことができる。S57の処理後、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS16に移す。
一方、S52において、メインCPU51が、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」未満でないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)を参照して、「RB」が作動中であるか否かを判別する(S58)。S58において、メインCPU51が、「RB」が作動中でないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS16に移す。
一方、S58において、メインCPU51が、「RB」が作動中であると判別したとき(YES)、メインCPU51は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが「0」であるか否かを判別する(S59)。なお、入賞可能回数カウンタが「0」である場合は、ボーナス状態のRB遊技状態中に「はずれ」以外の図柄の組合せが8回表示されたことを意味し、遊技可能回数カウンタが「0」である場合は、ボーナス状態のRB遊技状態において12回の遊技が行われたことを意味する。
S59において、メインCPU51が、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのいずれも「0」ではないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS16に移す。
一方、S59において、メインCPU51が、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのいずれかが「0」であると判別したとき(YES)、メインCPU51は、RB終了時処理を行う(S60)。次いで、メインCPU51は、RT2遊技状態フラグをオンにし(S61)、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS16に移す。
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図110を参照して、メインフロー(図107参照)中のS16で行うボーナス終了チェック処理について説明する。
まず、メインCPU51は、「BB」に係る図柄の組合せ(図27参照)が表示されたか否かを判別する(S71)。S71において、メインCPU51が、「BB」に係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU51は、ボーナス作動時処理を行う(S72)。この処理では、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)のBB遊技状態フラグをオンにセットするとともに、ボーナス終了枚数カウンタに「59」をセットする。
次いで、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)のRT5遊技状態フラグをオフに更新する(S73)。次いで、メインCPU51は、ボーナス開始コマンド生成格納処理を行う(S74)。この処理では、メインCPU51は、副制御回路42に送信するボーナス開始コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM53に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存されたボーナス開始コマンドは、後述の図112で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路41から副制御回路42に送信される。この処理により、副制御回路42では、ボーナス状態が開始したことを認識することができるようになり、ボーナス開始時の所定の演出を行うことができる。
S74の処理を終えると、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS17に移す。
一方、S71において、メインCPU51が、「BB」に係る図柄の組合せが表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、「JACIN」に係る図柄の組合せ(図27参照)が表示されたか否かを判別する(S75)。S75において、メインCPU51が、「JACIN」に係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU51は、RB作動時処理を行う(S76)。この処理では、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)のRB遊技状態フラグをオンにセットするとともに、入賞可能回数カウンタに「8」を遊技可能回数カウンタに「12」をセットする。
次いで、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(図51参照)のRT4遊技状態フラグをオフに更新する(S77)。S77の処理を終えると、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS17に移す。
一方、S75において、メインCPU51が、「JACIN」に係る図柄の組合せが表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されたか否かを判別する(S78)。S78において、メインCPU51が、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS17に移す。
一方、S78において、メインCPU51が、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU51は、メダルの自動投入を要求する(S79)。すなわち、メインCPU51は、投入枚数カウンタを自動投入枚数カウンタに複写する。そして、S79の処理後、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS17に移す。
[RTチェック処理]
次に、図111を参照して、メインフロー(図107参照)中のS17で行うRTチェック処理について説明する。
まず、メインCPU51は、遊技状態がボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、又はボーナス非当籤状態のRT4遊技状態のいずれかであるか否かを判別する(S81)。S81において、メインCPU51が、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、及びボーナス非当籤状態のRT4遊技状態のいずれの遊技状態でもないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、後述のS85の処理に移る。
一方、S81において、メインCPU51が、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、又はボーナス非当籤状態のRT4遊技状態のいずれかの遊技状態であると判別したとき(YES)、メインCPU51は、続いて、「ベルこぼし目」又は「RT1移行リプ」が表示されたか否かを判別する(S82)。S82において、メインCPU51が、「ベルこぼし目」及び「RT1移行リプ」のいずれも表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、後述のS85の処理に移る。
一方、S82において、メインCPU51が、「ベルこぼし目」又は「RT1移行リプ」のいずれかが表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU51は、現在オンのRT遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態をオンにする。すなわち、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態、ボーナス非当籤状態のRT2遊技状態、又はボーナス非当籤状態のRT4遊技状態において、「ベルこぼし目」又は「RT1移行リプ」が表示されたときには、メインCPU51は、遊技状態をボーナス非当籤状態のRT1遊技状態に移行させる。次いで、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタに5をセットする(S84)。
S81、S82においてNOのとき、又はS84に続いて、メインCPU51は、遊技状態がボーナス非当籤状態のRT0遊技状態であるか否かを判別する(S85)。S85において、メインCPU51が、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態でないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、後述のS91の処理に移る。
一方、S85において、メインCPU51が、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態であると判別したとき(YES)、メインCPU51は、「RT4移行リプ」が表示されたか否かを判別する(S86)。S86において、メインCPU51が、「RT4移行リプ」が表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU51は、RT4遊技状態フラグをオンにする。すなわち、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において「RT4移行リプ」が表示されたときには、メインCPU51は、遊技状態をボーナス非当籤状態のRT4遊技状態に移行させる。
一方、S88において、メインCPU51が、「RT4移行リプ」が表示されていないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、「RT3移行リプ」が表示されたか否かを判別する(S88)。S88において、メインCPU51が、「RT3移行リプ」が表示されたと判別したとき(YES)、メインCPU51は、RT3遊技状態フラグをオンにする。すなわち、ボーナス非当籤状態のRT0遊技状態において「RT3移行リプ」が表示されたときには、メインCPU51は、遊技状態をボーナス非当籤状態のRT3遊技状態に移行させる。次いで、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタに5をセットする(S90)。
S85、S88においてNOのとき、又はS87,S90に続いて、メインCPU51は、遊技状態がボーナス非当籤状態のRT1遊技状態又はボーナス非当籤状態のRT3遊技状態であるか否かを判別する(S91)。S91において、メインCPU51が、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態又はボーナス非当籤状態のRT3遊技状態のいずれでもないと判別したとき(NO)、メインCPU51は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS2に移す。
一方、S91において、メインCPU51が、ボーナス非当籤状態のRT1遊技状態又はボーナス非当籤状態のRT3遊技状態のいずれかであると判別したとき(YES)、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタを更新(1減算)する(S92)。次いで、メインCPU51は、RTゲーム数カウンタが0であるか否かを判別する(S93)。S93において、メインCPU51が、RTゲーム数カウンタが0でないと判別すると(NO)、メインCPU51は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS2に移す。
一方、S93において、メインCPU51が、RTゲーム数カウンタが0であると判別すると(YES)、メインCPU51は、現在オンのRT遊技状態フラグをオフにする(S94)。この処理により現在オンのRT遊技状態フラグをオフになることで、遊技状態がボーナス非当籤状態のRT0遊技状態に移行することになる。この処理が終わると、メインCPU51は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図107参照)のS2に移す。
<メインCPUの制御による割込処理>
図112は、メインCPU51の制御による割込処理を示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒毎に実行される。
まず、メインCPU51は、レジスタの退避を行う(S101)。次いで、メインCPU51は、入力ポートチェック処理を行う(S102)。この処理では、ストップスイッチ17S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、メインCPU51は、タイマ更新処理を行う(S103)。この処理では、メインCPU51は、例えば、割込処理毎に所定のタイマの値を減算する処理を行う。次いで、メインCPU51は、通信データ送信処置を行う(S104)。この処理では、主に、各種コマンドを主制御回路41及び副制御回路42に適宜送信する。
次いで、メインCPU51は、リール制御処理を行う(S105)。この処理では、メインCPU51は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU51は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU51は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の入賞ライン上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU51は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S106)。この処理では、メインCPU51は、7セグ表示器6を駆動制御して、払出枚数やクレジット枚数などを表示する。次いで、メインCPU51は、レジスタの復帰処理を行う(S107)。そして、その後、メインCPU51は、割込処理を終了する。
[副制御処理]
副制御回路42のサブCPU81は、図113〜図137に示すフローチャートにしたがって各種処理を実行する。
<電源投入処理>
図113は、電源投入時におけるサブCPU81の電源投入処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、初期化処理を実行する(S320)。この処理では、サブCPU81は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(VerticalSynchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含む。
次に、サブCPU81は、図114に示すランプ制御タスクを起動する(S321)。ランプ制御タスクは、サブCPU81が、サブCPU81に対して2ミリ秒毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU81は、図115に示すサウンド制御タスクを起動する(S322)。サウンド制御タスクでは、スピーカ21L、21Rからの出音状態がサブCPU81によって制御される。
次に、サブCPU81は、図116に示すマザータスクを起動し(S323)、電源投入処理を打ち切る。マザータスクは、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置10で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置10から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
<ランプ制御タスク>
図114は、図113に示した電源投入処理のS321において起動されるランプ制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、タイマ割込初期化処理を実行する(S330)。次に、サブCPU81は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(S331)。
次に、サブCPU81は、タイマ割込み待ちを実行する(S332)。この処理では、サブCPU81が2ミリ秒毎にタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU81は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。
タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)等が挙げられる。
<サウンド制御タスク>
図115は、図113に示した電源投入処理のS322において起動されるサウンド制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、スピーカ21L、21Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(S340)。次に、サブCPU81は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(S341)。
次に、サブCPU81は、サウンドデータの解析処理を実行し(S342)、サウンド演出実行処理を行い(S343)、S341の処理を実行する。
<マザータスク>
図116は、図113に示した電源投入処理のS323において起動されるマザータスクを示すフローチャートである。
マザータスクでは、サブCPU81は、メインタスクを起動し(S350)、主基板通信タスクを起動し(S351)、アニメタスクを起動する(S352)。
<メインタスク>
図117は、図116に示したマザータスクのS350において起動されるメインタスクを示すフローチャートである。
メインタスクにおいて、サブCPU81は、VSYNC割込初期化処理を実行し(S360)、VSYNC割込待ちを実行する(S361)。次に、サブCPU81は、描画処理を実行し(S362)、S361の処理を実行する。
<主基板通信タスク>
図118は、図116に示したマザータスクのS351において起動される主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、通信メッセージキューの初期化を実行し(S370)、受信コマンドのチェックを実行する(S371)。
次に、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(S372)。ここで、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、S371の処理を実行する。
一方、前回とは異なるコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、受信したコマンドが正規のコマンドであると判断して、受信したコマンドから遊技情報を作成し、作成した遊技情報をサブRAM83に格納する(S373)。次に、サブCPU81は、図119に示すコマンド解析処理を実行し(S374)、S371の処理を実行する。
<コマンド解析処理>
図118は、図119に示した主基板通信タスクのS374において実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、図121に示す演出内容決定処理を実行し(S380)、ランプデータ決定処理を実行し(S381)、サウンドデータ決定処理を実行し(S382)、決定された各データを登録し(S383)、コマンド解析処理を終了する。
<アニメタスク>
図120は、図116に示したマザータスクのS352において起動されるアニメタスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、前回の遊技情報との変化をチェックする(S390)。次に、サブCPU81は、オブジェクト制御処理を実行する(S391)。具体的には、S390で遊技情報が変化しているチェック結果が得られた場合に、サブCPU81は、当該遊技情報の変化に応じた画像の制御を行う。
続いて、サブCPU81は、アニメタスク管理処理を実行する(S392)。具体的には、サブCPU81は、各種演出において表示される画像の順序等を管理する。サブCPU81は、アニメタスク管理処理を実行すると、S390の処理を実行する。
<演出内容決定処理>
図121は、図119に示したコマンド解析処理のS380において実行される演出内容決定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、スタートコマンドを受信したか否かを判断する(S401)。ここで、スタートコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図122に示すスタートコマンド受信時処理を実行し(S402)、演出内容決定処理を終了する。スタートコマンド受信時処理では、例えば、スタートコマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、スタートコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、リール回転開始コマンドを受信したか否かを判断する(S403)。ここで、リール回転開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(S404)、演出内容決定処理を終了する。リール回転開始コマンド受信時処理では、例えば、リール回転開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール回転開始コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、リール停止コマンドを受信したか否かを判断する(S405)。ここで、リール停止コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時処理を実行し(S406)、演出内容決定処理を終了する。リール停止コマンド受信時処理では、例えば、リール停止コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール停止コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、入賞作動コマンドを受信したか否かを判断する(S407)。ここで、入賞作動コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図132に示す入賞作動コマンド受信時処理を実行し(S408)、演出内容決定処理を終了する。入賞作動コマンド受信時処理では、例えば、入賞作動コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、入賞作動コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、ボーナス終了コマンドを受信したか否かを判断する(S409)。ここで、ボーナス終了コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図137に示すボーナス終了コマンド受信時処理を実行し(S410)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス終了コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス終了コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、ボーナス終了コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判断する(S411)。ここで、ボーナス開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時処理を実行し(S412)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス開始コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。また、ボーナス開始コマンド受信時処理では、BBモードの初期値としてBBモード「0」をセットする。
一方、ボーナス終了コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、その他受信したコマンドに応じた処理を実行し(S413)、演出内容決定処理を終了する。
<スタートコマンド受信時処理>
図122は、図121に示した演出内容決定処理のS402において実行されるスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、遊技状態が通常遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかであるか否かを判別する(S421)。S421において、遊技状態が通常遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかであると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図123に示す通常スタート時CZ・ART抽籤を行う(S422)。この通常スタート時CZ・ART抽籤では、内部当籤役や今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に基づいて、上述のスタート時の移行抽籤(A)(D)などを行う。
S422の処理に続いて、サブCPU81は、図124に示す黙示録作動処理を行う(S423)。この黙示録作動処理では、サブCPU81は、黙示録の作動を開始又は終了させる制御を行う。
S423の処理に続いて、又はS421において遊技状態が通常遊技状態及び高確率遊技状態のいずれでもないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態であるか否かを判別する(S424)。より具体的には、サブCPU81は、サブ側で管理する遊技状態が通常遊技状態であり、かつ、メイン側で管理するRT遊技状態がRT4遊技状態であるか否かを判別する。S424において、遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図125に示す高確率遊技状態移行処理を行う(S425)。この確率遊技状態移行処理では、サブCPU81は、遊技状態を通常遊技状態から高確率遊技状態に移行させるために回避ポイントの抽籤を行う。
S425の処理に続いて、又はS424において遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、遊技状態が高確率遊技状態であるか否かを判別する(S426)。S426において、遊技状態が高確率遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図126に示す高確率中演出登録処理を行う(S427)。この高確率中演出登録処理では、サブCPU81は、回避ポイントに基づいてメイン側の遊技状態がRT4遊技状態からRT1遊技状態に移行してしまうことを回避するための演出(押し順ナビ)を行う。
S427の処理に続いて、又はS426において、遊技状態が高確率遊技状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、遊技状態がCZであるか否かを判別する(S428)。S428において、遊技状態がCZであると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図127に示すCZスタート時ART抽籤処理を行う(S429)。このCZスタート時ART抽籤処理では、サブCPU81は、上述の移行抽籤(C)などを行う。
S429の処理に続いて、又はS428において、遊技状態がCZではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、遊技状態がボーナス状態(BB中)であるか否かを判別する(S430)。S430において、遊技状態がボーナス状態であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図128に示すBB中ART抽籤処理を行う(S431)。このBB中ART抽籤処理では、サブCPU81は、上述の移行抽籤(F)などを行う。
S431の処理に続いて、又はS430において、遊技状態がボーナス状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、遊技状態がART遊技状態(ART中)であるか否かを判別する(S432)。S432において、遊技状態がART遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図129に示すART中処理を行い(S433)、スタートコマンド受信時処理を終了する。なお、このART中処理では、サブCPU81は、敵決めARTやバトルARTにおける演出内容などを決定する。他方、S432において、遊技状態がART遊技状態ではない判別すると(NO)、サブCPU81は、スタートコマンド受信時処理を終了する。
<通常スタート時CZ・ART抽籤処理>
図123は、図122に示したスタートコマンド受信時処理のS422において実行される通常スタート時CZ・ART抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、内部当籤役及び今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に基づいて、図59〜図61に示すスタート時ART抽籤テーブルを参照して、CZ・ARTへの移行抽籤(A)(D)を行う(S441)。続いて、サブCPU81は、この抽籤においてCZに当籤したか否かを判別する(S442)。CZに当籤していた場合には(YES)、サブCPU81は、次の遊技の遊技状態にCZをセットし(S443)、通常スタート時CZ・ART抽籤処理を終了する。
一方、CZに当籤していない場合には(NO)、サブCPU81は、S441の抽籤においてARTに当籤したか否かを判別する(S444)。ARTに当籤していない場合には(NO)、通常スタート時CZ・ART抽籤処理を終了する一方で、ARTに当籤している場合には(YES)、サブCPU81は、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S445)。なお、ART遊技状態は、メイン側のRT4遊技状態であるため、RT4移行リプが表示されメイン側でRT4遊技状態に移行しなければならない。そのため、「遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする」とは、次の遊技の遊技状態がART遊技状態の敵決めARTになることを意味するのではなく、メイン側でRT4遊技状態に移行した場合に、サブ側の遊技状態がART遊技状態の敵決めARTになることを意味する。この点は、以下も同様である。
続いて、サブCPU81は、図89に示すART状態抽籤テーブルを参照して、ART当籤時の遊技状態に基づいてART状態を抽籤し、その抽籤結果をセットする(S446)。この処理を終えると、サブCPU81は、通常スタート時CZ・ART抽籤処理を終了する。
<黙示録作動処理>
図124は、図122に示したスタートコマンド受信時処理のS423において実行される黙示録作動処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、黙示録フラグがオンであるか否かを判別する(S451)。このとき、黙示録フラグがオンではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、S457に処理を移す。
一方、S451において、黙示録フラグがオンであると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、現在の当籤モードに基づいて黙示録抽籤を行う(S452)。具体的には、図67(C)の黙示録作動抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいて保証回数の加算量又は減算量を抽籤する。続いて、サブCPU81は、S452の抽籤結果に基づいて現在の保証回数を更新する(S453)。
続いて、サブCPU81は、保証回数が1以上であるか否かを判別する(S454)。法相回数が1以上であると判別すると(YES)、サブCPU81は、演出玉を抽籤し、黙示録にセットし(S455)、S462の処理に移る。具体的には、サブCPU81は、黙示録MAPを抽籤し、黙示録MAPに規定されているMAPデータに基づいて演出玉を抽籤する(図68〜図71参照)。また、この処理では、サブCPU81は、内部当籤役としてレア役が決定されている場合に、所定の確率で黙示録にセットされている演出玉を格上げする。
他方、保証回数が1以上ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、黙示録フラグをオフに更新し、黙示録の作動を終了させ(S456)、その後、S462の処理に移る。
また、S451において黙示録フラグがオンではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、現在の当籤モードに基づいて黙示録抽籤を行う(S457)。具体的には、図67(A)(B)の黙示録作動抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいて保証回数の加算量を抽籤する。続いて、サブCPU81は、S457の抽籤結果に基づいて現在の保証回数を更新する(S458)。
続いて、サブCPU81は、保証回数が1以上であるか否かを判別する(S459)。法相回数が1以上であると判別すると(YES)、サブCPU81は、黙示録フラグをオンにし、黙示録の作動を開始する(S460)。続いて、サブCPU81は、演出玉を抽籤し、黙示録にセットする(S461)。具体的には、サブCPU81は、黙示録MAPを抽籤し、黙示録MAPに規定されているMAPデータに基づいて演出玉を抽籤する(図68〜図71参照)。
続いて、サブCPU81は、内部当籤役に基づき当籤モードの移行抽籤を行う(S462)。具体的には、サブCPU81は、図62〜図66に示すモード移行抽籤テーブルを参照して、移行先の当籤モードを抽籤する。続いて、サブCPU81は、抽籤結果を次遊技の当籤モードとしてセットし(S463)、黙示録作動処理を終了する。
<高確率遊技状態移行処理>
図125は、図122に示したスタートコマンド受信時処理のS425において実行される高確率遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、内部当籤役に基づいて回避ポイントを抽籤する(S465)。具体的には、サブCPU81は、図74に示す回避テーブル抽籤テーブルを参照して、回避ポイントの加算量を抽籤する。続いて、サブCPU81は、回避ポイントの抽籤に当籤したか否か、すなわち、回避ポイントが1以上加算されるか否かを判別する(S466)。当籤している場合には(YES)、サブCPU81は、抽籤結果に基づき回避ポイントをセットし(S467)、高確率遊技状態移行処理を終了する。他方、当籤していない場合には(NO)、サブCPU81は、高確率遊技状態移行処理を終了する。
<高確率中演出登録処理>
図126は、図122に示したスタートコマンド受信時処理のS427において実行される高確率中演出登録処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、押し順ベル又は押し順リプが内部当籤役として決定されているか否かを判別する(S471)。押し順ベル及び押し順リプのいずれも内部当籤役として決定されていないと判別すると(NO)、サブCPU81は、高確率中演出登録処理を終了する。
一方、押し順ベル又は押し順リプが内部当籤役として決定されていると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、回避ポイントが1以上であるか否かを判別する(S472)。回避ポイントが1以上ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、高確率中演出登録処理を終了する。
一方、回避ポイントが1以上であると判別すると(YES)、サブCPU81は、押し順正解となるナビデータをセットする(S473)。続いて、サブCPU81は、回避ポイントを1減算し(S474)、高確率中演出登録処理を終了する。
このように高確率遊技状態では、押し順ベル又は押し順リプが内部当籤役として決定された場合に、回避ポイントに基づいて正解の押し順が報知される。遊技者にとってみれば、報知に従い遊技を行うことで、高確率遊技状態を継続させることができるため、安心して遊技を行うことができる。ここで、高確率遊技状態は、通常遊技状態に比べてARTへの移行抽籤に当籤し易く、高確率遊技状態において正解の押し順を報知した場合には、遊技者には高確率遊技状態が継続するという利益が既に付与されていることになる。そこで、高確率遊技状態において正解の押し順を報知した場合には、当該遊技における移行抽籤の抽籤結果を破棄(無効)にすることとしてもよい。これにより、遊技者の利益が過剰になってしまうことを防止できる。
<CZスタート時ART抽籤処理>
図127は、図122に示したスタートコマンド受信時処理のS429において実行されるCZスタート時ART抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、CZの継続ゲーム数を更新する(S481)。続いて、サブCPU81は、CZの1ゲーム目であるか否かを判別する(S482)。CZの1ゲーム目であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、CZ_MAPを抽籤し、セットする。具体的には、サブCPU81は、図76に示すCZ_MAP抽籤テーブルを参照して、CZ中に用いるCZ_MAPを抽籤し、セットする(S483)。
続いて、サブCPU81は、無効ポイントの初期値を決定し、セットする(S484)。具体的には、サブCPU81は、図78(A)に示す無効ポイント抽籤テーブルを参照して、無効ポイントの初期値を決定し、セットする。
S484の後、又はS482においてCZの1ゲーム目ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、演出玉を抽籤し、黙示録にセットする(S485)。具体的には、サブCPU81は、図79に示すCZ中演出玉抽籤テーブルを参照して、現在セット中の最終の演出玉に基づいて演出玉を抽籤し、セットする。また、この処理では、サブCPU81は、無効ポイントが1以上である場合に、黙示録にセットされている発展玉を回避玉に書き換える。
CZの30ゲーム目であるか否かを判別する(S486)。CZの30ゲーム目であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S487)。続いて、サブCPU81は、図89に示すART状態抽籤テーブルを参照して、CZモード2に基づいてART状態を抽籤し、セットする(S488)。その後、サブCPU81は、CZスタート時ART抽籤処理を終了する。
一方、CZの30ゲーム目ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、内部当籤役に基づき無効ポイントを抽籤し、加算する(S489)。具体的には、サブCPU81は、図78(B)(C)に示す無効ポイント抽籤テーブルを参照して、無効ポイントの上乗せ量を抽籤し、現在保持する無効ポイントに加算する。
続いて、サブCPU81は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が発展玉、かつ、押し順ベルが内部当籤役として決定されているか否かを判別する(S490)。いずれの条件も満たす場合には(YES)、サブCPU81は、無効ポイントが1以上であるか否かを判別する(S491)。無効ポイントが1以上であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、無効ポイントを1減算し(S492)、現在のCZモード報知用の演出データをセットする(S493)。
この演出データは、例えば、現在のCZモードが1であることや、CZモードがあと数回(例えば、2,3回)以内の遊技において0から1に上がることを報知又は示唆する演出を行うための演出データである。具体的には、CZモードが1の場合と0の場合とでセットされる確率が異なる演出データや、CZモードが所定回数以内の遊技において0から1に上がる場合と、CZモードが所定回数以内の遊技において0から1に上がらない場合とでセットされる確率が異なる演出データである。これにより、遊技者は、無効ポイントが1以上である場合に、現在のCZモードを推測又は把握できるようになる。
一方、S491において、無効ポイントが1以上ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、図80に示すCZ中ART抽籤テーブルを参照して、現在のCZモードに基づきARTへの移行抽籤(C)を行い、また、抽籤済フラグをオンにセットする(S494)。上述のように、CZ中は、発展玉がセットされ、かつ、押し順ベルに当籤すると移行抽籤(C)が行われるものの、停止時に押し順に正解すると移行抽籤(C)の抽籤結果が無効にされる。抽籤済フラグは、停止時に抽籤結果を無効にするか維持するかを判断するために用いられる。S494の処理を終えると、サブCPU81は、CZスタート時ART抽籤処理を終了する。
一方、S490において、いずれかの条件を満たさない場合には(NO)、サブCPU81は、続いて、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が回避玉であるか否かを判別する(S495)。今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が回避玉であると判別すると(YES)、サブCPU81は、現在のCZモード報知用の演出データをセットし(S496)、CZスタート時ART抽籤処理を終了する。また、S495において、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が回避玉ではないと判別したときにも(NO)、サブCPU81は、CZスタート時ART抽籤処理を終了する。
<BB中ART抽籤処理>
図128は、図122に示したスタートコマンド受信時処理のS431において実行されるBB中ART抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、7揃いリプが内部当籤役として決定されたか否かを判別する(S501)。7揃いリプが内部当籤役として決定されたと判別すると(YES)、サブCPU81は、図83に示すBB中スタート時ART抽籤テーブルを参照して、BB中のARTへの移行抽籤(F)を行う。図83を参照すると、この移行抽籤(F)には必ず当籤するため、サブCPU81は、ART当籤フラグをオンにセットする(S502)。なお、ART当籤フラグは、ボーナス状態の途中でARTに当籤したことを示す情報であり、ボーナス終了時に参照される。
S502に続いて、又はS501において7揃いリプが内部当籤役として決定されていないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、図84及び図85に示すBB中モードアップ抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいてモードアップ抽籤を行う(S503)。続いて、サブCPU81は、抽籤結果に基づきBBモードをセットし(S504)、BB中ART抽籤処理を終了する。
<ART中処理>
図129は、図122に示したスタートコマンド受信時処理のS433において実行されるART中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、遊技状態が敵決めART中であるか否かを判別する(S511)。敵決めART中ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、図131に示すバトルART中処理を行い(S517)、ART中処理を終了する。
一方、敵決めART中と判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、決定済フラグがオンであるか否かを判別する(S512)。なお、決定済フラグは、敵決めART中に対戦相手の敵キャラクタが決定されたか否かを判別するための情報である。決定済フラグがオンではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、図130に示す敵決めART中処理を行い(S516)、ART中処理を終了する。
一方、決定済フラグがオンであると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図96に示す敵決めART中ボスパワー抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づき敵キャラクタのHPを決定する(S513)。続いて、敵キャラクタ紹介用の演出データをセットする(S514)。この敵キャラクタ紹介用の演出データとは、例えば、図97に示すボスステータスを表示するための演出データである。続いて、サブCPU81は、決定済フラグをオフにし、また、次の遊技の遊技状態にバトルARTをセットし(S515)、ART中処理を終了する。
<敵決めART中処理>
図130は、図129に示したART中処理のS516において実行される敵決めART中処理を示すフローチャートである。
初めに、サブCPU81は、演出玉を抽籤し、黙示録にセットする(S521)。具体的には、サブCPU81は、ボスMAPに規定されるボスMAPデータ及びART状態に基づいて演出玉を抽籤する(図90〜図93参照)。また、この処理において、サブCPU81は、味方玉のストック抽籤も行い、ストックがある場合には黙示録にセットされているボス玉を味方玉に書き換える(図94参照)。なお、上述のように敵決めARTの継続遊技数を保証する保証回数を用いる場合には、保証回数分の遊技間は、S521の処理を行わないこととしてもよい。
続いて、サブCPU81は、味方キャラクタのHP初期セット処理を行う(S522)。この処理では、サブCPU81は、味方キャラクタのHPが初期値(HP50)未満である場合に、味方キャラクタのHPを初期値にセットする。
続いて、サブCPU81は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉がボス玉であるか否かを判別する(S523)。ボス玉がセットされていると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、ベル当籤か否かを判別する(S524)。このとき、ベル当籤でないと判別すると(NO)、サブCPU81は、敵決めART中処理を終了する。一方、ベル当籤であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、ボス玉に応じた敵キャラクタを対戦相手に決定する(S525)。続いて、サブCPU81は、決定済フラグをオンにセットし(S526)、敵決めART中処理を終了する。
一方、S523において、ボス玉がセットされていない(すなわち、味方玉がセット)と判別すると(NO)、サブCPU81は、図95に示す敵決めART中味方パワー上乗せ抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいて味方キャラクタのHP上乗せ抽籤を行う(S527)。続いて、サブCPU81は、抽籤結果に基づいて味方キャラクタのHPを更新し(S528)、敵決めART中処理を終了する。
<バトルART中処理>
図131は、図129に示したART中処理のS517において実行されるバトルART中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、演出玉を抽籤し、黙示録にセットする(S531)。具体的には、サブCPU81は、バトルMAPに規定されるバトルMAPデータに基づいて演出玉を抽籤する(図98〜図102参照)。また、この処理において、サブCPU81は、覚醒玉に基づく敵玉の書き換えも行っており、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が覚醒玉であり、かつ、ベル当籤以上である場合に、黙示録にセットされている敵玉を味方玉に書き換える。
続いて、サブCPU81は、演出玉及び内部当籤役に基づいてダメージ抽籤を行う(S532)。具体的には、サブCPU81は、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が敵玉である場合には、図103に例示するバトルART中ダメージ抽籤テーブルを参照してダメージ抽籤を行い、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉が味方玉又は覚醒玉である場合には、図104に例示するバトルART中ダメージ抽籤テーブルを参照してダメージ抽籤を行う。
続いて、サブCPU81は、抽籤結果に基づいて、敵キャラクタ又は味方キャラクタのHPを更新する(S533)。続いて、サブCPU81は、味方キャラクタのHPが0以下であるか否かを判別する(S534)。味方キャラクタのHPが0以下と判別すると(YES)サブCPU81は、ART遊技状態を終了し、次の遊技の遊技状態に通常遊技状態をセットし(S535)、バトルART中処理を終了する。
一方、味方キャラクタのHPが0以下ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、敵キャラクタのHPが0以下であるか否かを判別する(S536)。敵キャラクタのHPが0以下ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、バトルART中処理を終了する。一方、敵キャラクタのHPが0以下と判別すると(YES)、サブCPU81は、図105及び図106に例示するART状態抽籤テーブルを参照して、敵キャラクタの種別及び継続回数に基づいてART状態を抽籤し、セットする(S537)。続いて、サブCPU81は、次の遊技の遊技状態に敵決めARTをセットして(S538)、バトルART中処理を終了する。
<入賞作動コマンド受信時処理>
図132は、図121に示した演出内容決定処理のS408において実行される入賞作動コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、遊技状態が通常遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかであるか否かを判別する(S541)。遊技状態が通常遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかであると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図133に示す通常終了時CZ・ART抽籤を行う(S542)。この通常終了時CZ・ART抽籤では、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に基づいて、上述のスタート時の移行抽籤(A)(D)などを行う。
S542の処理に続いて、又はS541において遊技状態が通常遊技状態及び高確率遊技状態のいずれでもないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態であるか否かを判別する(S543)。遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図134に示す高確率移行判定処理を行う(S544)。この高確率移行判定処理では、通常遊技状態のRT4遊技状態から高確率遊技状態に移行可能であるか否かを判定する。
S544の処理に続いて、又はS543において遊技状態が通常遊技状態のRT4遊技状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、遊技状態が高確率遊技状態であるか否かを判別する(S545)。遊技状態が高確率遊技状態であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図135に示す高確率終了判定処理を行う(S546)。この高確率終了判定処理では、サブCPU81は、表示された図柄の組合せに基づいて、高確率遊技状態を終了させるか否かを判定する。
S546の処理に続いて、又はS545において、遊技状態が高確率遊技状態ではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、遊技状態がCZであるか否かを判別する(S547)。遊技状態がCZであると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図136に示すCZ中抽籤結果管理処理を行う(S548)。このCZ中抽籤結果管理処理では、サブCPU81は、CZ途中で行われる上述の移行抽籤(C)を維持又は無効にするか判定する。
S548の処理を終えると、又はS547遊技状態がCZではないと判別すると(NO)、サブCPU81は、入賞作動時コマンド受信時処理を終了する。
<通常終了時CZ・ART抽籤処理>
図133は、図132に示した入賞作動時コマンド受信時処理のS542において実行される通常終了時CZ・ART抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、黙示録フラグがオンであるか否かを判別する(S551)。黙示録フラグがオンでないと判別すると(NO)、サブCPU81は、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する。
一方、黙示録フラグがオンであると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、ベル入賞以上であるか否かを判別する(S552)。ベル入賞以上でないと判別すると(NO)、サブCPU81は、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する。
一方、ベル入賞以上であると判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、図72に示すリール停止時ART抽籤テーブルを参照して、今回の遊技において黙示録にセットされている演出玉に基づいてCZ及びARTへの移行抽籤(A)(D)を行う(S553)。
続いて、サブCPU81は、この抽籤においてCZに当籤したか否かを判別する(S554)。CZに当籤していた場合には(YES)、サブCPU81は、次の遊技の遊技状態にCZをセットし(S555)、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する。
一方、CZに当籤していない場合には(NO)、サブCPU81は、ARTに当籤したか否かを判別する(S556)。ARTに当籤していない場合には(NO)、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する一方で、ARTに当籤している場合には(YES)、サブCPU81は、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S557)。続いて、サブCPU81は、図89に示すART状態抽籤テーブルを参照して、ART当籤時の遊技状態に基づいてART状態を抽籤し、その抽籤結果をセットする(S558)。この処理を終えると、サブCPU81は、通常終了時CZ・ART抽籤処理を終了する。
<高確率移行判定処理>
図134は、図132に示した入賞作動時コマンド受信時処理のS544において実行される高確率移行判定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたか否かを判別する(S561)。ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたと判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、リプレイ回数及び回避ポイントをクリアし(S562)、高確率移行判定処理を終了する。
一方、ベルこぼし目及びRT1移行リプのいずれも表示されていないと判別すると(NO)、サブCPU81は、回避ポイントが1以上であるか否かを判別する(S563)。回避ポイントが1以上であると判別すると(YES)、サブCPU81は、次の遊技の遊技状態に高確率遊技状態をセットする(S564)。続いて、サブCPU81は、リプレイ回数をクリアし(S565)、高確率移行判定処理を終了する。
一方、回避ポイントが1以上でないと判別すると(NO)、サブCPU81は、RT1移行リプ以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されたか否かを判別する(S566)。RT1移行リプ以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されていないと判別すると(NO)、サブCPU81は、高確率移行判定処理を終了する。一方、RT1移行リプ以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されたと判別すると(YES)、サブCPU81は、リプレイ回数を1加算し(S567)、高確率移行判定処理を終了する。
このように本実施形態のパチスロ1では、通常遊技状態中にメイン側でRT4遊技状態に移行すると、回避ポイントが付与されるまでの間、通常遊技状態が維持され、回避ポイントが付与されると高確率遊技状態に移行する。本実施形態のパチスロ1のように、偶然にRT4遊技状態に移行した状況をペナルティ区間ではなくチャンス区間にする遊技機では、遊技者に有利になり過ぎないようにバランスを調整する必要がある。この点、メイン側でRT4遊技状態に移行したとしても回避ポイントが付与されるまでは通常遊技状態として扱うことで、遊技者及び遊技店の双方の利益のバランスを調整することができる。もちろん、双方の利益のバランスは遊技機全体の中で調整すれば足りるため、メイン側でRT4遊技状態に移行した段階で直ちに通常遊技状態から高確率遊技状態に移行することとしてもよい。
<高確率終了判定処理>
図135は、図132に示した入賞作動時コマンド受信時処理のS546において実行される高確率終了判定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたか否かを判別する(S571)。ベルこぼし目及びRT1移行リプのいずれも表示されていないと判別すると(NO)、サブCPU81は、高確率終了判定処理を終了する。
一方、ベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されたと判別すると(YES)、サブCPU81は、続いて、回避ポイントをクリアする(S572)。続いて、サブCPU81は、次の遊技の遊技状態に通常遊技状態をセットし(S573)、高確率終了判定処理を終了する。
<CZ中抽籤結果管理処理>
図136は、図132に示した入賞作動時コマンド受信時処理のS548において実行されるCZ中抽籤結果管理処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、抽籤済フラグがオンであるか否かを判別する(S581)。抽籤済フラグがオンでないと判別すると(NO)、サブCPU81は、CZ中抽籤結果管理処理を終了する。
一方、抽籤済フラグがオンであると判別すると(YES)、サブCPU81は、押し順に正解したか否かを判別する(S582)。具体的には、サブCPU81は、図127のS490において当籤している押し順ベルに応じた押し順で停止操作が行われたか否か、言い換えると、「C_CDベル(図19参照)」に応じた図柄の組合せが表示されたか否かを判別する。押し順ベルに応じた押し順に正解したと判別すると(YES)、サブCPU81は、抽籤結果を破棄(無効)にし(S583)、CZ中抽籤結果管理処理を終了する。
一方、押し順ベルに応じた押し順に正解していないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、ARTに当籤したか否かを判別する(S584)。ARTに当籤していないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、次の遊技の遊技状態に通常遊技状態をセットし(S587)、CZ中抽籤結果管理処理を終了する。
一方、ARTに当籤していると判別すると(YES)、サブCPU81は、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S585)。続いて、サブCPU81は、図89に示すART状態抽籤テーブルを参照して、ART当籤時の遊技状態に基づいてART状態を抽籤し、その抽籤結果をセットする(S586)。この処理を終えると、サブCPU81は、CZ中抽籤結果管理処理を終了する。
<ボーナス終了コマンド受信時処理>
図137は、図121に示した演出内容決定処理のS410において実行されるボーナス終了コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、図86に示すBB終了時ART抽籤テーブルを参照して、現在のBBモードに基づいてARTへの移行抽籤(F)を行う(S591)。続いて、サブCPU81は、ARTに当籤したか否かを判別する(S592)。ARTに当籤していないと判別すると(NO)、サブCPU81は、続いて、ART当籤フラグがオンであるか否かを判別する(S593)。S592及びS593のいずれもNOの場合には、サブCPU81は、次の遊技の遊技状態に通常遊技状態をセットし(S596)、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了する。
一方、S592及びS593のいずれか一方でもYESの場合には、サブCPU81は、遊技状態としてART遊技状態の敵決めARTをセットする(S594)。続いて、サブCPU81は、図89に示すART状態抽籤テーブルを参照して、ART当籤時の遊技状態に基づいてART状態を抽籤し、その抽籤結果をセットする(S595)。この処理を終えると、サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了する。
[パチスロ1の効果]
以上、本発明に係るパチスロ1について説明した。このようなパチスロ1によれば以下の効果が期待できる。
<ボーナス状態中に持ち越しているJACINによる効果>
パチスロ1では、ボーナス状態中にJACINに係る役(「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」)のいずれかが内部当籤役として決定されると対応する図柄の組合せが表示されるまで(持ち越している間)、ボーナス状態のRT4遊技状態になる。このボーナス状態のRT4遊技状態では、「F_J1上段7リプ」〜「F_J1クロス7リプ」といったJAC1系のリプレイと、「F_J2チャンスリプ1」〜「F_J2チェリーリプ」といったJAC2系のリプレイと、「F_FJ3チャンスリプ1」〜「F_J3チェリーリプ」といったJAC3系のリプレイとを内部当籤役として決定することができる(図24及び図25参照)。
パチスロ1では、遊技状態及び内部当籤役に基づきリール3L,3C,3Rの停止制御を行う。例えば、「F_JACIN1」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC1系のリプレイが内部当籤役として決定されると、当該遊技では、「F_JACIN1」とJAC1系のリプレイとの2種類の役が内部当籤役として決定されていることになり、同様に、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC1系のリプレイが内部当籤役として決定されると、当該遊技では、「F_JACIN2」とJAC1系のリプレイとの2種類の役が内部当籤役として決定されていることになる。
そのため、パチスロ1では、持ち越しているJACINに係る役の種別に応じて停止制御を異ならせることができ、JAC1系のリプレイ〜JAC3系のリプレイが内部当籤役として決定されている場合には、図46に示す対応関係を有する図柄の組合せが表示されるように停止制御が行われる。このような制御を利用して遊技者に付与する特典(ART)を異ならせることで、パチスロ1では、持越役の種別に応じて特典を付与するか否かを異ならせることができるため、ボーナス状態中の遊技を多様化することができ、ボーナス状態中の遊技の興趣を高めることができる。
また、図46に示すように、「F_JACIN1」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC1系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」が表示され、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC1系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「通常リプ」が表示される。このように特典が付与される状況と、特典が付与されない状況とで停止制御を異ならせることで、表示された図柄の組合せから特典が付与されるか否かを把握することができるため、遊技者は、表示される図柄の組合せに強い関心を抱くことになり、ボーナス状態中の遊技の興趣を高めることができる。
なお、図46を参照すると、パチスロ1では、JAC1系のリプレイである場合に限り「7揃いリプ」を表示可能な停止制御を行い、JAC2系のリプレイやJAC3系のリプレイである場合には「7揃いリプ」を表示不可能な停止制御を行うこととしている。この点、JAC2系のリプレイやJAC3系のリプレイの場合であっても「7揃いリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。具体的には、「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC2系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」を表示可能な停止制御を行い、「F_JACIN1」又は「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC2系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」を表示不可能な停止制御を行う。同様に、「F_JACIN3」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC3系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」を表示可能な停止制御を行い、「F_JACIN1」又は「F_JACIN2」が内部当籤役として持ち越されている状態でJAC3系のリプレイが内部当籤役として決定されると、「7揃いリプ」を表示不可能な停止制御を行う。
そして、「7揃いリプ」が表示可能な場合に、図83に示すBB中スタート時ART抽籤テーブルを参照して、ボーナス状態中のARTへの移行抽籤(F)を行うことで、持越役の種別に応じて特典を付与するか否かを異ならせることができ、ボーナス状態中の遊技の興趣を高めることができる。
この場合において、図24及び図25に示すように、JAC1系のリプレイ、JAC2系のリプレイ及びJAC3系のリプレイが内部当籤役として決定される確率をそれぞれ異ならせることで、特典が付与される確率に差を設けることができ、ボーナス状態中の遊技の興趣を高めることができる。
なお、「7揃いリプ」が表示可能な持越役と当籤役との組合せ関係は任意である。例えば、JAC1系のリプレイに対しては、「7揃いリプ」が表示可能な持越役を「F_JACIN1」のみとし、JAC2系のリプレイに対しては、「7揃いリプ」が表示可能な持越役を「F_JACIN1」「F_JACIN2」の2種類とし、JAC3系のリプレイに対しては、「7揃いリプ」が表示可能な持越役を「F_JACIN1」「F_JACIN2」「F_JACIN3」の全てとすることとしてもよい。もちろん、このような組合せに限らず任意の組合せにすることとしてもよい。
<高確率遊技状態による効果>
パチスロ1では、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高い高RT状態としてRT4遊技状態を設け、ARTへの移行に当籤すると、このRT4遊技状態において有利な停止操作の情報を報知することでART遊技状態を実現する(図55参照)。なお、パチスロ1において、RT4遊技状態へはRT0遊技状態中に押し順リプに応じた押し順に正解すると移行することになる。パチスロ1では、ARTへの移行に当籤していない状況で、停止操作により偶然にRT4遊技状態に移行してしまった場合に、ペナルティとして扱わず偶然に移行したRT4遊技状態においてもARTへの移行抽籤などの遊技者にとって有利な抽籤を行う。RT4遊技状態は、高RT状態であるためにメダルを消費することなく遊技を行うことが可能であるため、パチスロ1では、ARTに当籤していないRT4遊技状態を、ARTへの移行チャンス区間にすることができ、特典が付与されていない高RT状態中の興趣を高めることができる。
また、RT4遊技状態中にARTへの移行抽籤を行うため、通常遊技状態中の停止操作に対する戦略性が増し、通常遊技状態中の興趣も高めることができる。具体的には、停止操作により偶然にRT4遊技状態に移行してしまった場合を、ペナルティとして扱うパチスロでは、通常遊技状態中の停止操作が単純(例えば、ペナルティを受けないように第1停止操作を左リールに対して行わなければならないなど)になってしまう。この点、パチスロ1では、偶然に移行したRT4遊技状態中にペナルティを課さないため、遊技者は、通常遊技状態中に自由に停止操作を行うことができ、通常遊技状態中の遊技性だけでなく操作性も高めることができる。
また、パチスロ1では、回避ポイントがある限り、偶然に移行したRT4遊技状態において有利な停止操作の情報(RT1遊技状態への移行を回避するための押し順)を報知する。これにより、偶然にRT4遊技状態に移行した場合に、直ちに通常遊技状態に移行してしまうことがなく、所定の間は、リプレイの当籤確率が高い状態でARTへの移行抽籤を受けることができる。
なお、RT4遊技状態をARTへの移行抽籤に当籤する確率の高い高確率遊技状態とすることで、偶然に移行したRT4遊技状態をARTへの移行チャンス区間にすることができ、特典が付与されていない高RT状態中の興趣を高めることができる。
また、パチスロ1では、通常遊技状態としてRT4遊技状態に移行可能なRT0遊技状態とRT4遊技状態に移行不可能なRT1遊技状態とを設けることとしている。パチスロでは、遊技者又は遊技店の一方に過剰な利益を与えないように遊技者側の利益と遊技店側の利益とのバランスを調整する必要がある。この点、偶然に移行したRT4遊技状態をARTへの移行チャンス区間にする本発明に係るパチスロ1と、偶然に移行したRT4遊技状態をペナルティ区間にするその他の遊技機を比較すると、比較部分に関しては、本発明に係るパチスロ1は、その他の遊技機に比べて遊技者にとって有利になっている。そこで、パチスロ1では、RT4遊技状態に移行不可能なRT1遊技状態を設けることで、双方の利益のバランスを調整可能にしている。これにより、双方の利益バランスを調整する変数を多様化することができ、遊技性に富んだ遊技機を提供することができる。
<通常遊技状態(高確率遊技状態)中の黙示録による効果>
パチスロ1では、ARTのチャンスゾーンとして完走型のCZを備え、通常遊技状態及び高確率遊技状態中に黙示録が作動すると、リール停止時のCZへの移行抽籤(A)(D)を行う。この移行抽籤(A)(D)は、表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に、黙示録にセットされた演出玉(抽籤玉1〜4、確定玉)に応じた確率で行われる。このように演出の内容(黙示録にセットされた演出玉)だけでなく、遊技の結果として表示される図柄の組合せも加味して移行抽籤(A)(D)を行うことで、遊技状態の移行に対して遊技者の操作を介在させることができ、遊技の公平性を担保することができる。
また、リール停止時のCZへの移行抽籤(A)(D)は、表示された図柄の組合せが「ベル入賞」以上である場合に行われるため、黙示録作動中にレア役が内部当籤役として決定されない場合であっても、遊技者は、移行抽籤(A)(D)を受けることができる。そのため、レア役に基づいて遊技状態の移行抽籤を行う場合に比べて、期待感を抱く機会を多く与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、黙示録の作動は、保証回数が0になると終了するところ、図67(C)に示すように、この保証回数は押し順ベル当籤時に減算されるため、黙示録作動中は、遊技者には保証回数分だけ移行抽籤(A)(D)を受ける機会が与えられることになる(遊技者は、当該機会において押し順に正解することで、移行抽籤(A)(D)を受けることができる)。その結果、パチスロ1によれば、黙示録作動中に移行抽籤(A)(D)を受ける機会が全くないという状況を回避することができ、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。なお、図67(C)を参照すると、保証回数は、内部当籤役が「はずれ」の場合にも減算される。この点、「はずれ」の場合には保証回数を減算せずに、押し順ベルの場合にのみ保証回数を減算することとしてもよく、これにより、上述の効果がより明確になる。
<CZによる効果>
パチスロ1では、ARTのチャンスゾーンとして完走型のCZを備える。このCZでは、押し順ベル当籤時に行われるCZ途中の移行抽籤が維持されると終了してしまうものの、移行抽籤が行われたとしても押し順ベルに正解の押し順で停止操作が行われると、移行抽籤が無効になり、CZが継続する。このようなCZでは、押し順ベル当籤時だけでなく、CZ完走時にもARTへの移行抽籤を受けることができるため、仮に、CZ中に押し順ベルが全く当籤しない場合であっても遊技者にはART移行へのチャンスが与えられることになるため、CZ中の興趣を向上させることができる。
また、パチスロ1では、CZ完走時により有利な特典を付与(有利なARTに移行)することとしているため、遊技者は、押し順ベル当籤時に行われるCZ途中の移行抽籤が無効になることを望み、結果、表示される図柄の組合せに関心を抱くことになり、CZ中の各遊技における興趣を向上させることができる。また、遊技者にとってみれば、より有利なCZの完走を望むことになるため、CZ中の興趣を最後まで維持することができる。
また、パチスロ1では、CZ中に無効ポイントを付与し、この無効ポイントが残っている限りは、CZ途中の移行抽籤を無効にする。これにより、より有利なCZ完走時の移行抽籤を受ける機会を増加させることができ、CZ中の興趣を向上させることができる。
また、パチスロ1では、CZ途中の移行抽籤に当籤する期待度の異なる複数のCZモードを備え、CZ中の継続ゲーム数に応じてCZモードを格上げのみする。これにより、パチスロ1では、CZが継続するほどART移行の期待度が上がることになるため、遊技者は、CZ中に表示される図柄の組合せに強い関心を抱くことになり、CZ中の興趣を向上させることができる。
また、パチスロ1では、無効ポイントが残っている場合には、現在のCZモードを示唆又は報知する演出を行う。これにより、遊技者は、CZが継続した結果、どの程度まで有利になったかを把握又は推測することができ、CZ中の興趣を向上させることができる。なお、現在のCZモードを示唆又は報知する演出は、無効ポイントに関係なく行うこととしてもよい。すなわち、パチスロ1は、CZ_MAPに規定されたCZモード0からCAモード1に移行させるゲーム数と、現在までのCZの継続ゲーム数とを比較して所定の演出を行うこととしてもよい。
<ボーナス状態中のBBモードによる効果>
パチスロ1では、ボーナス状態中のARTへの移行抽籤に当籤する期待度の異なる複数のBBモードを備え、ボーナス状態中に内部当籤役に基づいてBBモードを格上げさせていく。このようにボーナス状態中の内部当籤役に基づきARTへの移行抽籤に当籤する確率を変化させるため、遊技者は、ボーナス状態中の各遊技における内部当籤役に対して強い関心を抱くことになり、ボーナス状態中の興趣を高めることができる。
特に、パチスロ1では、移行抽籤に当籤する期待度の低いBBモードでは、多くの当籤役でBBモードを格上げする一方で、移行抽籤に当籤する期待度の高いBBモードでは、少ない種類の当籤役でしかBBモードを格上げすることができない。これにより、BBモードが格上げされるほど、上位のBBモードに格上げする当籤役の種類が減少するものの、BBモードが格上げされるほど、移行抽籤に当籤する期待度は上がるため、遊技状態が徐々に格上げされていく遊技形態を作り出すことができる。遊技者にとってみれば、ボーナス状態中の一度の遊技結果に対して関心を持つのではなく、ボーナス状態中の一連の遊技結果に対して関心を持つことになり、ボーナス状態中の興趣を高めることができる。
なお、BBモードの格上げは、1段階ずつのみ可能にしてもよく、複数段階を一度に格上げ可能にしてもよい。1段階ずつしか格上げできないように制御した場合には、複数段階を一度に格上げ可能にした場合に比べて、移行抽籤に当籤する期待度の低いBBモードに滞在中の期待度が下がり、当該BBモードから格上げさせ易くなるため、遊技状態が徐々に格上げされていく遊技形態を作りやすくなる。
また、パチスロ1では、ボーナス状態中では、JAC2系のリプレイ又はJAC3系のリプレイが内部当籤役として決定されると、内部当籤役として持ち越している持越役の種別に応じて、「チャンリプ」として扱う場合とリプレイとして扱う場合とがある(図81参照)。そして、「チャンリプ」として扱う場合にはBBモードを格上げし、「リプレイ」として扱う場合にはBBモードを格上げしない。これにより、ボーナス状態中の遊技を多様化することができ、ボーナス状態中の興趣を高めることができる。
<敵決めARTによる効果>
パチスロ1では、敵決めART中に黙示録にボス玉をセットしておき、押し順ベル当籤時にセットしたボス玉の種類によって、バトルARTで対戦する敵キャラクタを決定する。そして、バトルART中は、敵キャラクタの種類に応じて味方キャラクタのHPの減少量及び敵キャラクタのHPの減少量を変動させる。これにより、敵決めART中の遊技の結果がART遊技状態の継続の有無に影響を与えることになるため、ART遊技状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
また、パチスロ1では、敵キャラクタに対して攻撃力及び防御力の双方を設定しているため、味方キャラクタのHPの減少量と敵キャラクタのHPの減少量との双方を敵キャラクタ毎に個別に設定することができる。これにより、攻撃力及び防御力の双方が高い敵キャラクタや、いずれか一方のみが高い敵キャラクタ、双方が低い敵キャラクタのように様々なタイプの敵キャラクタを採用することができ、敵決めART中の遊技の結果に応じてバトルART中の遊技を多様化することができる。
また、パチスロ1では、敵キャラクタに対してスピードも設定しておき、バトルART中に敵キャラクタが攻撃する頻度を、敵キャラクタに対して設定したスピードに基づいて決定する。これにより、敵決めART中の遊技の結果に応じてバトルART中の遊技を更に多様化することができる。
また、パチスロ1では、敵決めART中に味方キャラクタのHPを上乗せする。これにより多くの上乗せが行われた場合には、バトルART中に味方キャラクタのHPが0になってしまうことを回避しやすくなり、ART遊技状態が継続することについての期待度が上昇することになる。その結果、バトルART中の遊技だけでなく、敵決めART中の遊技もART遊技状態の継続に影響を与えることになるため、ART遊技状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
なお、パチスロ1では、敵決めART中に味方キャラクタのHPが初期値未満になると、味方キャラクタのHPを初期値に設定する。これにより、その後のバトルARTにおいて味方キャラクタのHPは少なくとも初期値以上になるため、バトルART中に味方キャラクタのHPが直ぐに0になってしまうことを防止でき、結果、継続したART有利状態が直ぐに終了してしまうことを防止することができる。
また、パチスロ1では、敵決めART中の味方キャラクタのHPの上乗せを、内部当籤役として決定された当籤役の種別に応じて行う。これにより、例えば、レア役が内部当籤役として決定された場合には上乗せ量を多くすることができるため、レア役の無駄引きを生じさせることがなく、敵決めART中の興趣を向上させることができる。
<バトルARTによる効果>
パチスロ1では、バトルART中に黙示録に敵玉や味方玉をセットしておき、押し順ベル当籤時にセットした演出玉の種類によって、敵キャラクタ又は味方キャラクタのHPを減少させる。そして、味方キャラクタのHPが0になる前に敵キャラクタのHPが0になるとARTを継続し、味方キャラクタのHPが先に0になるとARTを終了する。ここで、内部当籤役は遊技者の開始操作に応じて決定されるため、バトルART中の遊技に対して遊技者は積極的に参加することになり、遊技への意欲を向上させることができる。
また、押し順ベルに応じてHPを減少する対象は、黙示録にセットした演出玉に応じて異なる。ここで、黙示録には、複数先の遊技までの演出玉がセットされているため、遊技者は、セットされた演出玉を把握した上で遊技を行うことができ、遊技者側に有利なタイミングで押し順ベルの当籤を望むことになる。これにより、演出玉と遊技者の開始操作とを強く結びつけることができ、遊技者に緊張感を持った遊技を行わせることができるため、バトルART中の興趣を向上させることができる。
また、HPを減少する押し順役は、バトルART中の報知対象の当籤役であるため、押し順ベルが内部当籤役として決定されることは、バトルART中に付与される利益に影響を与えることになる。例えば、遊技機によっては、味方キャラクタのHPを減少する当籤役をリプレイとし、敵キャラクタのHPを減少する当籤役を押し順ベルとすることもできる。しかしながら、このような遊技機では、利益に影響を与える当籤役の当籤の有無が、ARTの継続に直結してしまい遊技が単調になってしまう。この点、パチスロ1のように、利益に影響を与える押し順ベルの当籤を、セットされている演出玉に応じて有利/不利なものにすることで、バトルART中の遊技性を多様化することができ、バトルART中の興趣を高めることができる。
なお、パチスロ1では、いわゆるレア役に当籤した場合には、セットされている演出玉に関わらず敵キャラクタのHPを減少する。これにより、レア役の無駄引きを防止することができ、また、遊技者はバトルART中にレア役が内部当籤役として決定されることについて期待することになり、バトルART中の興趣を高めることができる。
また、パチスロ1では、バトルART中に敵玉が4個連続してセットされている場合には、次に必ず味方玉をセットする。これにより、遊技者にとって不利な状況が長期間にわたって持続してしまうことを防止することができるため、遊技者は、バトルART中の遊技を安心して行うことができる。
[変形例]
以上、本実施形態に係るパチスロ1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
上記実施形態のパチスロでは、黙示録に演出玉がセットされている場合、内部当籤役が「ベル入賞」以上、又は表示された図柄の組合せが「ベル当籤」以上であることを条件に、セットされている演出玉に基づく抽籤等を行うこととしている。この点、黙示録に演出玉がセットされている場合には、内部当籤役や表示された図柄の組合せに関わらず、演出玉に基づく抽籤等を行うこととしてもよい。このようなパチスロでは、黙示録にブランク(空)をセットする頻度を調整することで、遊技バランスを調整することができる。
上記実施形態のパチスロでは、副制御回路42が、有利状態(例えば、「ART状態」)への移行制御の管理、有利状態の継続期間の管理、及び有利状態中に行われる報知(ナビ)の管理を行っているが、これらの制御のうちの一又は全部を、主制御回路41において行うこととしてもよい。
なお、有利状態への移行制御としては、例えば、有利状態に移行させる/移行させないことに関する制御(移行抽籤)が挙げられる。また、例えば、有利状態への移行抽籤において当籤確率が異なる状態が複数設けられるパチスロ1の場合には、当該状態間の遷移に関する制御も、有利状態への移行制御に含むことができる。
また、有利状態の継続期間の管理は、上記実施形態の場合には、敵キャラクタ及び味方キャラクタのHPの増減に関する制御であり、その他のパチスロの場合には、例えば、有利状態の初期ゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ制御が挙げられる。また、例えば、有利状態が所定の確率で継続するパチスロ1の場合には、継続するか否かの抽籤も、有利状態の継続期間の管理に含むことができる。
なお、有利状態の継続期間としては、遊技機の仕様によって、有利状態中の単位遊技の回数、有利状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する回数、有利状態中に付与されたメダルの枚数、所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を1セットとする場合のセット数など任意の期間を含めることができる。
このとき、有利状態中に付与されたメダルの枚数については、同一の遊技において払い出されたメダルの枚数から遊技に用いたメダルの枚数を減算した純増枚数を用いることとしてもよい。また、有利状態中に付与されたメダルの枚数は、有利状態中に実際に増加したメダルに基づき算出することとしてもよく(実値による算出)、また、実際に増加したか否かに関わらず、ナビに従った場合に増加する予定のメダルの枚数に基づき算出することとしてもよい(理想値による算出)。また、内部当籤役の種別によって、有利状態中に付与されたメダルの枚数を増加しないこととしてもよい。例えば、内部当籤役として決定される確率が低い一部の役、あるいは、停止操作のタイミングに応じて図柄の組合せの表示/非表示が切り替わる役に関しては、当該役が内部当籤役として決定されたとしても、有利状態中に付与されたメダルの枚数の増減を行わないこととしてもよい。
また、有利状態中に行われる報知(ナビ)の管理とは、液晶表示装置10などにより遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する制御が挙げられる。
また、遊技者に報知する停止操作の態様としては、遊技者にとって有利な図柄の組合せが表示される停止操作の順序(押し順)であってもよく、また、当該図柄の組合せが表示されるために必要な停止操作のタイミング(狙うべき図柄)であってもよい。
また、有利な状態としては、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率は変化させることなく(又は遊技性に影響を与えない程度の範囲で変化させ)、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「AT」を用いることとしてもよく、また、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)を作動するとともに、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「ART」を用いることとしてもよい。
また、上記実施形態又は上記各種変形例のパチスロでは、主制御回路41が決定した内部当籤役に応じて所定確率で決定される演出、すなわち、一の内部当籤役に対して一又は複数の演出を行うこととしている。この点、主制御回路41が決定した内部当籤役に一意に対応する表示(告知)を、当該演出と合わせて行うこととしてもよい。具体的には、決定した内部当籤役に一対一対応する表示を、上述の7セグ表示器6や内部当籤役を表示するための図示しない表示部などにおいて行うこととしてもよい。なお、この内部当籤役の表示は、主制御回路41の制御のもとに行うことが好ましい。このように主制御回路41で決定した内部当籤役を、主制御回路41自身が告知することで、公平性を担保した遊技機を提供することができる。
[付記1]
付記1のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
また、近年では、所定の条件を契機として、メダルの投入を行うことなく遊技可能なリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT)の作動を行う遊技機も知られている。例えば、特許文献(特開2006−204875号公報)には、ボーナス状態が終了すると高確率再遊技状態を作動させる遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
特許文献の遊技機によればボーナス終了後に高確率再遊技状態が作動するため、ボーナス終了後にメダルを減らすことなく遊技を行うことができるものの、高確率再遊技状態がボーナス終了後に必ず発生するため、ボーナス中の遊技が単調になってしまうおそれがある。そのため、ボーナス終了後に高確率再遊技状態を作動する遊技機において、ボーナス中の遊技が単調にならない仕組みが求められている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、特別遊技状態中の遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、通常状態と、当該通常状態に比べて遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)とを含む複数の遊技状態に対応して設けられた内部抽籤テーブルと、所定の条件を契機として、遊技状態を切り換える切換手段(例えば、主制御回路41)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、現在の遊技状態に対応する内部抽籤テーブルを参照して、複数の役の中から内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41)と、を備え、前記特別遊技状態に対応して設けられた前記内部抽籤テーブルは、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役として決定されると、前記特別遊技状態の間、前記入賞判定手段により入賞したと判定されるまで内部当籤役として持ち越し可能な複数の持越役(例えば、F_JACIN1〜3)のいずれかを内部当籤役として決定可能に構成され、前記特別遊技状態において、前記複数の持越役のうちの第1持越役(例えば、F_JACIN1)が内部当籤役として持ち越されている場合に前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、F_J1上段7リプ〜F_J1クロス7リプ)が内部当籤役として決定されると特典(例えば、ARTの移行抽籤に当籤)を付与し、前記第1持越役とは異なる第2持越役(例えば、F_JACIN2)が内部当籤役として持ち越されている場合に前記所定役が内部当籤役として決定されると前記特典を付与しない特典付与手段(例えば、副制御回路42)、を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機は、特別遊技状態中に、複数の持越役のいずれかを内部当籤役として持ち越すことができる。そして、本発明に係る遊技機は、内部当籤役として所定役が決定された場合に、第1持越役を持ち越していると特典を付与し、第2持越役を持ち越していると特典を付与しない。これにより、所定役に内部当籤した場合であっても、持越役の種別に応じて特典を付与するか否かを異ならせることができるため、特別遊技状態中の遊技を多様化することができ、特別遊技状態中の遊技の興趣を高めることができる。
[付記2]
付記2のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、ART機能を備える遊技機では、有利状態への移行が決定されていない場合であっても遊技者の停止操作により高確率再遊技状態の作動が行われてしまうことがある。この点、特許文献(特開2010−233721号公報)には、有利状態への移行が決定されていない場合には高確率再遊技状態中に遊技者にとって有利な情報を報知せずに、高確率再遊技状態から通常状態に転落させる制御を行うことが記載されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ここで、有利状態への移行が決定されていない場合に高確率再遊技状態から通常状態に転落させる制御は、いわゆるペナルティとして用いられており、遊技者の停止操作により偶然、高確率再遊技状態の作動が行われた場合には、有利状態への移行抽籤自体を行わないことが一般的であった。
しかしながら、遊技状態が高確率再遊技状態であるにも関わらず、有利状態への移行抽籤を行わないのでは、特典が付与されていない高確率再遊技状態中(例えば、ART非当籤中のRT中)の面白みに欠けてしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、特典が付与されていない遊技の興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、再遊技に係るリプレイが内部当籤役として決定される確率が低い通常状態(例えば、RT0遊技状態又はRT1遊技状態)と前記リプレイが内部当籤役として決定される確率が前記通常状態よりも高い高RT状態(例えば、RT4遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、RT4移行リプ)又は第2の図柄組合せ(例えば、RT1移行リプ)が停止表示可能な第1押し順役(例えば、押し順リプ)と、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第3の図柄組合せ(例えば、ベルこぼし目)又は第4の図柄組合せ(例えば、押し順正解時に表示される図柄の組合せ)が停止表示可能な第2押し順役(例えば、押し順ベル)とを含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたことに基づいて、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定する判定手段(例えば、主制御回路41)と、前記通常状態中に、前記判定手段により前記第1押し順役に応じた前記第1の図柄組合せ及び前記第2の図柄組合せのうちの前記第1の図柄組合せが停止したと判定されると、前記通常状態から前記高RT状態に遊技状態を移行させるRT開始手段(例えば、主制御回路41)と、前記高RT状態中に、前記判定手段により前記第2押し順役に応じた前記第3の図柄組合せ及び前記第4の図柄組合せのうちの前記第3の図柄組合せが停止したと判定されると、前記高RT状態から前記通常状態に遊技状態を移行させ、前記第4の図柄組合せが停止したと判定されると、前記高RT状態を維持するRT終了手段(例えば、主制御回路41)と、前記通常状態又は前記高RT状態中に行われる所定の抽籤(例えば、ARTへの移行抽籤)に当籤すると、遊技に関する演出状態を、有利な停止操作の情報を報知する特定演出状態(例えば、ART遊技状態)に移行させる特定演出状態移行手段(例えば、副制御回路42)と、前記所定の抽籤に非当籤の状態で前記RT開始手段が遊技状態を前記高RT状態に移行させると、前記第2押し順役が内部当籤役として決定された場合に前記第4の図柄組合せを停止するために必要な停止操作の情報(例えば、押し順ベルに正解の押し順)を報知する報知回数(例えば、保証回数)を決定する報知回数決定手段(例えば、副制御回路42)と、前記特定演出状態移行手段が前記特定演出状態に移行させると、前記通常状態中に前記第1押し順役が内部当籤役として決定された場合に前記第1の図柄組合せを停止するために必要な停止操作の情報を報知するとともに、前記高RT状態中に有利な停止操作の情報を報知し、また、前記所定の抽籤に非当籤の前記高RT状態中に前記第2押し順役が内部当籤役として決定されると前記報知回数決定手段が決定した前記報知回数に限り有利な停止操作の情報を報知する報知手段(例えば、副制御回路42、液晶表示装置10)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、再遊技に係るリプレイが内部当籤役として決定される確率が低い通常状態とリプレイが内部当籤役として決定される確率が高い高RT状態とを有し、高RT状態中の特定演出状態において有利な停止操作の情報を報知することで、遊技者にとって有利な遊技状態(いわゆるART)を実現することができる。ここで、特定演出状態への移行は、通常状態中に行われる所定の抽籤だけでなく、高RT状態中に行われる所定の抽籤に当籤することで行われるため、所定の抽籤に当籤していない状態で高RT状態に移行した場合であっても、その後、特定演出状態への移行が期待できる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、所定の抽籤に当籤していない高RT状態を、有利な遊技状態(いわゆるART)への移行チャンス区間にすることができ、特典が付与されていない(所定の抽籤に当籤していない)高RT状態中の興趣を高めることができる。
また、高RT状態中に所定の抽籤を行うため、通常状態中の停止操作に対する戦略性が増し、通常状態中の興趣も高めることができる。すなわち、従来の遊技機のように、特典が付与されていない高RT状態中にペナルティを課す遊技性では、通常状態中の停止操作が単純(例えば、ペナルティを受けないように第1停止操作を左リールに対して行わなければならないなど)になってしまう。この点、本発明に係る遊技機では、高RT状態中にペナルティを課さずに所定の抽籤を行うため、遊技者は、通常状態中に自由に停止操作を行うことができ、通常状態中の遊技性だけでなく操作性も高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、高RT状態中に第2押し順役に応じた第3の図柄組合せが停止すると、高RT状態を終了し通常状態に遊技状態を移行させるが、所定の抽籤に当籤していない状態で高RT状態に移行すると、有利な停止操作の情報(例えば、第2押し順役が内部当籤役として決定された場合に第4の図柄組合せを停止するために必要な停止操作の情報)を所定回数だけ報知する。これにより、遊技者の停止操作により、偶然、高RT状態に移行した場合に、直ちに高RT状態から通常状態に移行してしまうことがなく、リプレイの当籤確率が高い状態で所定の抽籤を受けることができる。
[付記3]
付記3のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、ART機能を備える遊技機では、ART状態への移行の期待度が高いチャンスゾーンを設け、このチャンスゾーン中に特定の条件を満たすと高確率でART状態に移行させる制御を行うこととしている。例えば、特許文献(特開2013−048945号公報)には、チャンスゾーン(CZ)中に特定の図柄組合せ(RT作動図柄1)を狙わせ、特定の図柄組合せが表示されると、リプレイが内部当籤役として確率が高い高RTに移行する制御を行う遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような特許文献の遊技機では、チャンスゾーン中の遊技者の関心は、特定の図柄組合せが表示されるか否かに集中することになる。ところで、特定の図柄組合せが表示されるか否かは、内部抽籤の結果に左右されることになるため、遊技者によっては、チャンスゾーン中に特定の図柄組合せが表示される可能性のある機会を一度も得られない、又は当該可能性のある機会が著しく少ない場合がある。このような場合、遊技者にとってみれば、せっかくチャンスゾーンに移行したにも関わらず、何らのチャンスも得られないことになり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な有利状態への移行契機となる所定の期間中における遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、押し順正解時に表示される図柄の組合せ)又は第2の図柄組合せ(例えば、ベルこぼし目)が停止表示可能な押し順役(例えば、押し順ベル)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、所定の条件を契機として、前記有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(例えば、CZ)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態抽籤状態において前記内部当籤役決定手段により前記押し順役が内部当籤役として決定されると前記有利状態に移行させることを所定確率で決定する第1移行抽籤(例えば、CZ途中で行うARTへの移行抽籤)を行い、前記有利状態抽籤状態において所定数の単位遊技(例えば、30ゲーム)が経過すると前記有利状態に移行させることを特定確率で決定する第2移行抽籤(例えば、CZ完走時に行うARTへの移行抽籤)を行う有利状態抽籤手段(例えば、副制御回路42)と、前記第1移行抽籤を行った単位遊技において前記有効ライン上に前記第1の図柄組合せが表示されると、前記有利状態への移行抽籤結果に関わらず前記第1移行抽籤を無効にし、当該単位遊技において前記有効ライン上に前記第2の図柄組合せが表示されると、前記第1移行抽籤の抽籤結果を維持する抽籤結果管理手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態抽籤状態において、前記第1移行抽籤が行われ、かつ、前記抽籤結果管理手段により当該第1移行抽籤の抽籤結果が維持されると、又は、前記所定数の単位遊技が経過すると、前記有利状態抽籤状態を終了する抽籤状態終了手段(例えば、副制御回路42)と、前記第1移行抽籤又は前記第2移行抽籤により前記有利状態に移行させることが決定されると、遊技を行う状態を前記有利状態に移行させる有利状態移行手段(例えば、副制御回路42)と、を備え、前記有利状態移行手段は、前記第2移行抽籤により前記有利状態に移行させることが決定されると、前記第1移行抽籤により前記有利状態に移行させることが決定される場合よりも有利な有利状態(例えば、より有利なART状態のART遊技状態)に移行させることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、遊技者にとって有利な有利状態への移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(チャンスゾーン)では、押し順役が内部当籤役として決定されることを契機として第1移行抽籤を行う。そして、この有利状態抽籤状態は、第1移行抽籤が行われ、かつ、当該第1移行抽籤の抽籤結果が維持されること、又は、所定数の単位遊技が経過すると終了する。このように内部当籤役に基づいて有利状態への移行抽籤を行う遊技機では、遊技者によっては有利状態抽籤状態中に第1移行抽籤を全く受けることができない場合があるが、本発明に係る遊技機では、有利状態抽籤状態において所定数の単位遊技が経過すると第2移行抽籤を行う。これにより、有利状態抽籤状態において押し順役が内部当籤役として決定されない場合であっても有利状態への移行抽籤を必ず受けることができるため、有利状態抽籤状態中の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機によれば、押し順役が内部当籤役として決定されると第1抽籤を行うが、停止操作の結果、第1の図柄組合せが表示されると第1移行抽籤の結果を無効にし、反対に、第2の図柄組合せが表示されると第1移行抽籤の結果を維持する。このような制御によれば、遊技者は、押し順役が内部当籤役として決定された遊技において表示される図柄組合せにも関心を抱くことになるため、有利状態抽籤状態中の各遊技における興趣を向上させることができる。特に、本発明に係る遊技機では、第2移行抽籤を経て移行する有利状態は、第1移行抽籤を経て移行する有利状態よりも有利な有利状態であるため、遊技者は、第2の図柄組合せが表示(第1移行抽籤が維持され有利状態抽籤状態が終了)されることなく所定数の単位遊技が経過することを望むことになり、有利状態抽籤状態における興趣を最後まで維持することができる。
[付記4]
付記4のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
また、有利状態(ART)への移行契機を多様化する工夫もこれまで多くなされてきており、例えば、特許文献(特開2003−126369号公報)には、ボーナス中に特定役(BB中7揃い)に内部当籤すると、ボーナス終了後に有利状態に移行する遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、所定期間中(ボーナス中)の一度の内部抽籤結果に基づいて有利状態への移行抽籤を行うため、遊技が単調になりやすく、有利状態への移行に関する期待感が抱きにくいという問題があった。また、有利状態に移行する契機となる特定役は当籤確率が低く抑えられてしまうことが一般的であるため、所定期間中に当籤する期待を持つことができず、有利状態への移行契機となる所定期間の遊技の興趣を損ねてしまうおそれもある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な有利状態への移行契機となる所定の期間中における遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41)と、所定の条件(例えば、BBの作動)を契機として、前記有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(例えば、ボーナス状態)を開始し、前記有利状態抽籤状態における特定の条件(例えば、59枚のメダルが払い出されること)を契機として、当該有利状態抽籤状態を終了する遊技状態制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記遊技状態制御手段が前記有利状態抽籤状態を終了すると、前記有利状態に移行させるか否かを抽籤する有利状態抽籤手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態抽籤手段の抽籤に当籤すると、前記遊技を行う状態を前記有利状態に移行させる有利状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、を備え、前記有利状態抽籤状態は、前記有利状態抽籤手段による前記移行抽籤に当籤する確率が最も低い第1抽籤状態(例えば、BBモード0)、前記確率が前記第1抽籤状態よりも高い第2抽籤状態(例えば、BBモード1)、及び前記確率が前記第1抽籤状態と前記第2抽籤状態とよりも高い第3抽籤状態(例えば、BBモード2)を含む複数の抽籤状態(例えば、BBモード)を有し、前記有利状態抽籤状態において、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役に基づいて、複数の前記抽籤状態を遷移させる抽籤状態遷移手段(例えば、副制御回路42)を更に備え、前記抽籤状態遷移手段は、前記第1抽籤状態において前記複数の役のうちの第1役及び第2役を含む第1数の役のいずれか内部当籤役として決定されると、前記第1抽籤状態から前記第2抽籤状態に前記抽籤状態を遷移し、前記第2抽籤状態において前記複数の役のうちの前記第1役を含み前記第2役を含まない第1数よりも少ない第2数のいずれかが内部当籤役として決定されると、前記第2抽籤状態から前記第3抽籤状態に前記抽籤状態を遷移することを特徴とする遊技機。
本発明に係る遊技機では、有利状態抽籤状態の終了時に有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う。このとき、本発明に係る遊技機では、移行抽籤に当籤する確率が異なる第1抽籤状態、第2抽籤状態及び第3抽籤状態を含む複数の抽籤状態を有し、有利状態抽籤状態中の内部当籤役に基づいて複数の抽籤状態を遷移させる。これにより、内部当籤役に基づき移行抽籤に当籤する確率を変化させることができるため、遊技者は、有利状態抽籤状態中の各遊技における内部当籤役に対して強い関心を抱くことになり、有利状態抽籤状態中の興趣を高めることができる。
特に、本発明に係る遊技機では、第1抽籤状態から移行抽籤に当籤する確率がより高い第2抽籤状態へは、第1役及び第2役を含む第1数の役のいずれか内部当籤役として決定されると遷移し、第2抽籤状態から移行抽籤に当籤する確率がより高い第3抽籤状態へは、第1役を含み第2役を含まない第1数よりも少ない第2数の役のいずれか内部当籤役として決定されると遷移する。これにより、抽籤状態が遷移するほどより上位の抽籤状態に遷移する契機となる役の種類が減少することになるものの、抽籤状態の遷移に伴い移行抽籤に当籤する確率も上がっているため、遊技状態が徐々に格上げされていく遊技形態を作り出すことができる。遊技者にとってみれば、有利状態抽籤状態中の一度の内部抽籤結果に対して関心を持つのではなく、有利状態抽籤状態中の一連の内部抽籤結果に対して関心を持つことになり、有利状態抽籤状態中の興趣を高めることができる。
[付記5]
付記5のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、有利状態中の遊技は単調になりやすいため、近年では、有利状態中の遊技性を多様化する試みが広く行われている。例えば、特許文献(特開2005−152165号公報)には、所定の条件が成立したことを契機にフリーゲームを行い、このフリーゲームの結果として停止表示された戦闘機図柄の個数を、液晶ディスプレイ上で演出表示されるシューティングゲームの遊技者側の戦闘機の残機数にすることで、演出や払い出し形態に多様性を持たせた遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、フリーゲームや演出(シューティングゲーム)が遊技機側の制御により自動的に進行する構成であるため、遊技者による遊技の進行を演出内容に反映させることができず、遊技に対して遊技者が能動的に参加することができなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者を遊技に対して積極的に参加させることで、有利状態中の遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態のバトルART)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41)と、所定の条件を契機として、前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態において所定役(例えば、押し順ベル)が内部当籤役として決定されると、遊技者にとって有利な停止操作の情報(例えば、払い出し枚数の多い図柄の組合せを表示させるための情報)を報知する報知手段(例えば、副制御回路42、液晶表示装置10)と、前記有利状態の開始に先立って、第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)及び第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)を決定する数値決定手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する(例えば、液晶表示装置10に表示される黙示録にセットする)演出情報登録手段(例えば、副制御回路42)と、前記演出情報として第1演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において前記所定役が内部当籤役として決定されると、前記第1数値情報から第1所定値を減算し、また、前記演出情報として第2演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において前記所定役が内部当籤役として決定されると、前記第2数値情報から第2所定値を減算する数値更新手段(例えば、副制御回路42)と、前記数値更新手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了させ、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記有利状態を新たに開始する有利状態制御手段(例えば、副制御回路42)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態中は演出情報及び内部当籤役に基づき第1数値情報や第2数値情報を減算していき、第1数値情報が閾値未満になる前に第2数値情報を閾値未満にすることができた場合には、有利状態を継続させる。ここで、内部当籤役は遊技者の開始操作に応じて決定されるため、有利状態中の遊技に対して遊技者は積極的に参加することになり、遊技への意欲を向上させることができる。
また、所定役が内部当籤役として決定された場合であっても、当該遊技において登録されている演出情報に応じて、減算される対象(第1数値情報又は第2数値情報)が異なる。遊技者にとってみれば、第1演出情報が登録されている状態では第1数値情報が減算されてしまうため、所定役の当籤を望まず、反対に、第2演出情報が登録されている場合には所定役の当籤を望むことになる。ここで、演出情報は、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して登録するため、遊技者は、予め登録された演出情報を把握した上で遊技を行うことができ、遊技者側に有利なタイミング(第2演出情報が登録)での所定役の当籤を望むことになる。これにより、登録されている演出情報と遊技者の開始操作とを強く結びつけることができ、遊技者に緊張感を持った遊技を行わせることができるため、有利状態中の興趣を向上させることができる。
また、第1数値情報又は第2数値情報を減算する所定役は、報知対象の役であるため、所定役が内部当籤役として決定されることは、有利状態中に付与される利益に影響を与えることになる。例えば、遊技機によっては、第1数値情報を減算する対象の役を利益に影響を与えない第1役(リプレイなど)とし、第2数値情報を減算する対象の役を利益に影響を与える第2役(ベルなど)とすることも考えられる。このような遊技機では、利益に影響を与える第2役の当籤の有無が、有利状態の継続に直結してしまい遊技が単調になってしまう。この点、本発明に係る遊技機のように、利益に影響を与える所定役の当籤を、登録されている演出情報に応じて有利/不利なものにすることで、有利状態中の遊技性を多様化することができ、有利状態中の興趣を高めることができる。
[付記6]
付記6のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、遊技状態を複数備える遊技機では、スイカやチェリーなどのいわゆるレア役と呼ばれる役の当籤又は入賞に基づいて遊技状態の移行を行うことが一般的である。例えば、特許文献(特開2013−048945号公報)には、チェリー1,2,3が内部当籤役として決定された際に表示されるRT作動図柄1,2が所定の期間中に表示されることで、遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態に移行させることが開示されている。ここで、内部当籤役は遊技者の開始操作に応じて決定されるため、特許文献のように内部抽籤の結果に基づいて遊技状態を移行させることで、遊技者の操作を遊技の結果に反映させることができ、遊技者が遊技に対して積極的に参加している遊技性を実現することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、スイカやチェリーなどのいわゆるレア役は当籤確率が低いため、特許文献の遊技機のようにレア役の当籤の有無に応じて遊技状態を移行させる場合、遊技者によっては期間中に一度もチャンスを得られない可能性もあり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
一方、遊技者の操作に関係なく遊技状態を移行させる遊技性も考えられるが、このような遊技機では、遊技者の操作に応じて遊技を進行するというパチスロ機の本来の遊技性から離れて、付与する利益に影響を与える決定を行うことになってしまうため、パチスロ機としての適性を欠き、遊技の公平性を害してしまうおそれもあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技の結果と関連付けつつ、遊技性に富んだ遊技状態の移行が可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)と前記通常状態に比べて前記有利状態に移行する確率の高いチャンスゾーン(例えば、CZ)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、押し順正解時に表示される図柄の組合せ)又は第2の図柄組合せ(例えば、押し順不正解時に表示される図柄の組合せ)が停止表示可能な押し順役(例えば、押し順ベル)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41)と、前記通常状態において所定の条件(例えば、黙示録抽籤に当籤)を満たすと、前記チャンスゾーンへの移行抽籤を行うCZ抽籤状態(例えば、黙示録作動中の通常遊技状態)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、前記CZ抽籤状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、抽籤玉1〜4及び確定玉などの演出玉)を登録する演出情報登録手段(例えば、副制御回路42)と、前記演出情報が登録されている遊技において前記有効ライン上に前記第1の図柄組合せが表示されると、当該遊技に対して登録されている演出情報に応じた確率で前記チャンスゾーンへの移行抽籤を行うCZ抽籤手段(例えば、副制御回路42、図72のリール停止時ART抽籤テーブル)と、前記CZ抽籤手段の移行抽籤の結果に基づいて、遊技状態を前記チャンスゾーンに移行させる遊技状態制御手段(例えば、副制御回路42)と、前記CZ抽籤状態中に、内部当籤役として前記押し順役が所定回数決定されると(例えば、保証回数が0になると)前記CZ抽籤状態を終了する抽籤状態終了手段(例えば、副制御回路42)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、現遊技を含む所定回数分の遊技に対して予め登録された演出情報に基づいて、CZ抽籤状態からチャンスゾーンに遊技状態を移行させる。ここで、演出情報は、遊技者の操作とは関係なく登録されるため、単に演出情報に基づいて遊技状態を移行させたのでは、遊技機としての適性を欠き、遊技の公平性を害してしまうおそれがある。この点、本発明に係る遊技機では、遊技毎に登録された演出情報だけでなく、当該遊技において表示された図柄の組合せも加味して、遊技状態を移行させる。これにより、遊技状態の移行に対して遊技者の操作を介在させることができ、遊技の公平性を担保することができる。
ここで、遊技状態を移行させる契機となる第1の図柄組合せは、押し順役が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せであるため、上述したレア役を遊技状態の移行契機とする場合に比べて遊技者に対して遊技状態移行に関する期待感を抱く機会を多く与えることができる。すなわち、内部当籤役として当籤することだけでなく停止操作の順序も要求する第1の図柄組合せでは、レア役に比べて当籤確率を上げて設定することができるため、期待感を抱く機会(押し順役が内部当籤役として決定)を多く与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機では、遊技状態の移行抽籤は、第1の図柄組合せが表示された遊技に対して登録されている演出情報に応じた確率で行われるため、遊技者の操作に伴う遊技の結果と関連付けつつ、多様な態様で遊技状態の移行を行うことができる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、遊技の結果と関連付けつつ、遊技性に富んだ態様で遊技状態の移行を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機では、CZ抽籤状態中に、内部当籤役として押し順役が所定回数決定されるとCZ抽籤状態を終了する。このように遊技状態の移行契機となる押し順役をCZ抽籤状態の終了条件にも用いることで、CZ抽籤状態中に遊技者には移行抽籤を受ける機会が所定回数だけ与えられることになる。その結果、遊技者は、移行抽籤を受ける機会が全くない状況になることを回避することができ、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[付記7]
付記7のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を備える遊技機では、遊技者にとって有利な情報の報知を、リプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行うことで、遊技者にとって有利な有利状態(ART)を実現することも一般的に行われている。
ところで、ART機能を備える遊技機では、ART状態への移行の期待度が高いチャンスゾーンを設け、このチャンスゾーン中に特定の条件を満たすと高確率でART状態に移行させる制御を行うこととしている。例えば、特許文献(特開2013−048945号公報)には、チャンスゾーン(CZ)中に特定の図柄組合せ(RT作動図柄1)を狙わせ、特定の図柄組合せが表示されると、リプレイが内部当籤役として確率が高い高RTに移行する制御を行う遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような特許文献の遊技機では、チャンスゾーン中の遊技者の関心は、特定の図柄組合せが表示されるか否かに集中することになる。ところで、特定の図柄組合せが表示されるか否かは、内部抽籤の結果に左右されることになるため、遊技者によっては、チャンスゾーン中に特定の図柄組合せが表示される可能性のある機会を一度も得られない、又は当該可能性のある機会が著しく少ない場合がある。このような場合、遊技者にとってみれば、せっかくチャンスゾーンに移行したにも関わらず、何らのチャンスも得られないことになり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な有利状態への移行契機となる所定の期間中における遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41)と、所定の条件を契機として、前記有利状態に移行させるか否かの移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(例えば、CZ)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、前記移行抽籤において前記有利状態に移行させることを決定する確率を規定する当籤モード(例えば、CZモード)を、前記有利状態抽籤状態において経過した単位遊技の回数に基づいて移行させるモード移行手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態抽籤状態において前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、押し順ベル)が内部当籤役として決定されると、現在の前記当籤モードに基づいて前記移行抽籤を行う有利状態抽籤手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態抽籤手段により前記移行抽籤が行われると、前記有利状態抽籤状態を終了する抽籤状態終了手段(例えば、副制御回路42)と、前記移行抽籤により前記有利状態に移行させることが決定されると、遊技を行う状態を前記有利状態に移行させる有利状態移行手段(例えば、副制御回路42)と、を備え、前記モード移行手段は、前記有利状態抽籤状態において経過した単位遊技の回数に基づいて、前記確率が最も低い第1モード(例えば、CZモード0)から当該第1モードよりも前記確率が高い第2モード(例えば、CZモード1)に移行させ、かつ、前記有利状態抽籤状態において経過した単位遊技の回数が所定回数(例えば、30回)に達すると前記確率が最も高い第3モード(例えば、CZモード2)に移行させ、前記抽籤状態開始手段が前記有利状態抽籤状態を開始すると、前記モード移行手段が前記第1モードから前記第2モードに移行させる単位遊技の回数を決定する移行時期決定手段(例えば、CZ_MAP、副制御回路42)、を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、遊技者にとって有利な有利状態への移行抽籤を行う有利状態抽籤状態(チャンスゾーン)では、所定役が内部当籤役として決定されることを契機として移行抽籤を行い、移行抽籤が行うと有利状態抽籤状態を終了する。ここで、内部当籤役に基づいて有利状態への移行抽籤を行う遊技機では、遊技者によっては有利状態抽籤状態中に移行抽籤を全く受けることができない場合があるが、本発明に係る遊技機では、有利状態抽籤状態が継続するほど移行抽籤に当籤する確率を規定する当籤モードが上がり移行抽籤に当籤し易くなる。このような遊技機では従来の遊技機とは反対に、有利状態抽籤状態中に所定役が内部当籤役として決定されないことが、遊技者にとって有利になり、有利状態抽籤状態中の遊技を従来にない遊技性にすることができ、有利状態抽籤状態中の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機によれば、有利状態抽籤状態が開始すると、当籤モードを第1モードから第2モードに移行させる単位遊技の回数を決定する。これにより、当籤モードが遊技者にとって有利なモードに上がるタイミングが、有利状態抽籤状態毎に異なることになるため、有利状態抽籤状態中の遊技を多様化することができ、有利状態抽籤状態中の興趣を向上させることができる。
[付記8]
付記8のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。
そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる遊技機が開示されている。この遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部当籤役に基づいてATゲーム数を増加させるだけであるため、遊技性が単調になり易く、ATやARTが継続することに対する遊技者の期待感は、ある一回の遊技にのみ集中し、遊技者の期待感を持続させることができなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利状態(ATやARTなど)が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41)と、所定の条件を契機として、第1有利状態(例えば、敵決めART)及び当該第1有利状態に続いて行われる第2有利状態(例えば、バトルART)を含む前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、前記第1有利状態における遊技の進行を制御する第1有利状態制御手段(例えば、副制御回路42)と、前記第2有利状態における遊技の進行を制御する第2有利状態制御手段(例えば、副制御回路42)と、を備え、前記第1有利状態制御手段は、前記第1有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第1演出情報登録手段(例えば、副制御回路42)と、前記演出情報として複数種類の第1演出情報(例えば、ボス玉1〜8)のうちのいずれかが登録されている遊技において前記第1有利状態を終了し、前記第2有利状態を開始する第2有利状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、を備え、前記第2有利状態制御手段は、前記第2有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第2演出情報登録手段(例えば、副制御回路42)と、前記演出情報として第2演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)から、前記第1有利状態終了時に登録されていた前記第1演出情報の種類(例えば、敵キャラクタの攻撃力)に応じた第1数値を減算し、また、前記演出情報として第3演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)から、前記第1有利状態終了時に登録されていた前記第1演出情報の種類(例えば、敵キャラクタの防御力)に応じた第2数値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路42)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了し、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記第1有利状態を新たに開始する有利状態継続判定手段(例えば、副制御回路42)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態は、第1数値情報が閾値未満になると終了し、第1数値情報が閾値未満になる前に第2数値情報が閾値未満になると継続する。ここで、第1数値情報及び第2数値情報の減算は、第2有利状態中の遊技毎に登録された演出情報に基づいて行われるため、有利状態が継続するか否かは複数回の遊技の遊技結果に応じて異なることになる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
また、数値情報を減算する演出情報は、現遊技だけでなく現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して予め登録される。遊技者にとってみれば、複数回先の遊技まで予め登録された演出情報の内容からその後の遊技の流れを把握することができ、現遊技だけでなくその後の遊技にも興味を抱くことになるため、有利状態中の興趣を向上させることができる。
このとき、本発明に係る遊技機では、第1有利状態終了時に登録されていた第1演出情報の種類に応じて数値情報の減算量を異ならせることとしている。これにより、第2有利状態だけでなく第1有利状態中の遊技の結果も有利状態の継続の有無に影響を与えることになるため、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。また、第1数値情報の減算量(第1数値)と第2数値の減算量(第2数値)とを別々に定めることで、例えば、第1数値情報及び第2数値情報の減算量をともに多い/少ない状態にすることや、第1数値情報の減算量は多く/少なく、反対に第2数値情報の減算量は少ない/多い状態にすることができ、第2有利状態中の遊技を多様化することができる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、有利状態中の興趣を向上させることができる。
[付記9]
付記9のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。
そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる遊技機が開示されている。この遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部当籤役に基づいてATゲーム数を増加させるだけであるため、遊技性が単調になり易く、ATやARTが継続することに対する遊技者の期待感は、ある一回の遊技にのみ集中し、遊技者の期待感を持続させることができなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利状態(ATやARTなど)が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41)と、所定の条件を契機として、第1有利状態(例えば、敵決めART)及び当該第1有利状態に続いて行われる第2有利状態(例えば、バトルART)を含む前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、前記第1有利状態における遊技の進行を制御する第1有利状態制御手段(例えば、副制御回路42)と、前記第2有利状態における遊技の進行を制御する第2有利状態制御手段(例えば、副制御回路42)と、を備え、前記第1有利状態制御手段は、前記第1有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第1演出情報登録手段(例えば、副制御回路42)と、前記演出情報として第1演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)に所定数を加算する数値加算手段(例えば、副制御回路42)と、前記演出情報として第2演出情報(例えば、ボス玉)が登録されている遊技において前記第1有利状態を終了し、前記第2有利状態を開始する第2有利状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、を備え、前記第2有利状態制御手段は、前記第2有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する第2演出情報登録手段(例えば、副制御回路42)と、前記演出情報として第3演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において前記第1数値情報から第1所定値を減算し、また、前記演出情報として第4演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)から第2所定値を減算する数値減算手段(例えば、副制御回路42)と、前記数値減算手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了し、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記第1有利状態を新たに開始する有利状態継続判定手段(例えば、副制御回路42)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態は、第1数値情報が閾値未満になると終了し、第1数値情報が閾値未満になる前に第2数値情報が閾値未満になると継続する。ここで、第1数値情報及び第2数値情報の減算は、第2有利状態中の遊技毎に登録された演出情報に基づいて行われるため、有利状態が継続するか否かは複数回の遊技の遊技結果に応じて異なることになる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
また、数値情報を減算する演出情報は、現遊技だけでなく現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して予め登録される。遊技者にとってみれば、複数回先の遊技まで予め登録された演出情報の内容からその後の遊技の流れを把握することができ、現遊技だけでなくその後の遊技にも興味を抱くことになるため、有利状態中の興趣を向上させることができる。
このとき、本発明に係る遊技機では、第1有利状態中に登録された第1演出情報に基づき有利状態の終了契機となる第1数値情報を加算する。第1有利状態中に第1数値情報が多く加算されることで、その後の第2有利状態において第1数値情報が閾値未満まで減少してしまうことを抑制することができる。その結果、第2有利状態だけでなく第1有利状態中の遊技の結果も有利状態の継続に影響を与えることになるため、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
[付記10]
付記10のパチスロ1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。
そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる遊技機が開示されている。この遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部当籤役に基づいてATゲーム数を増加させるだけであるため、遊技性が単調になり易く、ATやARTが継続することに対する遊技者の期待感は、ある一回の遊技にのみ集中し、遊技者の期待感を持続させることができなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利状態(ATやARTなど)が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態のバトルART)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路41、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路41、ステッピングモータ61L,61C,61R)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路41)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路41、ストップスイッチ17S)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路41)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路41)と、所定の条件を契機として、前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態の開始に先立って、第1数値情報(例えば、味方キャラクタのHP)及び第2数値情報(例えば、敵キャラクタのHP)を決定する決定手段(例えば、副制御回路42)と、前記有利状態中に、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技における演出情報(例えば、演出玉)を登録する演出情報登録手段(例えば、副制御回路42)と、前記演出情報として第1演出情報(例えば、敵玉)が登録されている遊技において前記第1数値情報から第1所定値を減算し、また、前記演出情報として第2演出情報(例えば、味方玉)が登録されている遊技において前記第2数値情報から第2所定値を減算する数値更新手段(例えば、副制御回路42)と、前記数値更新手段の減算の結果、前記第1数値情報が閾値未満になると前記有利状態を終了し、前記第2数値情報が前記閾値未満になると前記有利状態を新たに開始する有利状態制御手段(例えば、副制御回路42)と、を備え、前記演出情報登録手段は、前記複数回数の遊技における演出情報として前記第1演出情報を特定回数(例えば、4回)連続して登録している場合には、特定回数連続する第1演出情報に続く演出情報として前記第2演出情報を登録することを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、有利状態は、第1数値情報が閾値未満になると終了し、第1数値情報が閾値未満になる前に第2数値情報が閾値未満になると継続する。ここで、第1数値情報及び第2数値情報の減算は、遊技毎に登録された演出情報に基づいて行われるため、有利状態が継続するか否かは複数回の遊技の遊技結果に応じて異なることになる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態が継続することに対する遊技者の興味を複数回の遊技にわたり持続させることができる。
また、数値情報を減算する演出情報は、現遊技だけでなく現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技に対して予め登録される。遊技者にとってみれば、複数回先の遊技まで予め登録された演出情報の内容からその後の遊技の流れを把握することができ、現遊技だけでなくその後の遊技にも興味を抱くことになるため、有利状態中の興趣を向上させることができる。
このとき、本発明に係る遊技機では、有利状態の終了契機となる第1演出情報が特定回数連続して登録されている場合には、続く演出情報として有利状態の継続契機となる第2演出情報を登録する。これにより、遊技者にとって不利な状況が長期間にわたって持続してしまうことを防止することができるため、遊技者は、有利状態中の遊技を安心して行うことができる。