JP2017123794A - アルカリホスファターゼ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のアミノ酸配列を含むアルカリホスファターゼ(具体的例示:bIAPIIの322位をアスパラギン酸、430位グルタミン酸をアラニンに置換したbIAPII変異体のうち以下の(1)および/または(2)に記載のアミノ酸に置換したもの(1)K323N、(2)S385G/N)をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターを宿主に導入し、得られた質転換細胞形質転換細胞を培養し、得られた培養液からアルカリホスファターゼを回収することにより、アルカリホスファターゼを生産する。
【選択図】図7
Description
すなわち本発明は、以下の態様を包含する。
(1) 配列番号4から8のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むアルカリホスファターゼ(以下、本発明のアルカリホスファターゼと称する)。
(2) 本発明のアルカリホスファターゼをコードするポリヌクレオチド(以下、本発明のポリヌクレオチドと称する)。
(3)本発明のポリヌクレオチドを含有する発現ベクター(以下、本発明の発現ベクターと称する。)。
(4)本発明の発現ベクターを有する形質転換細胞((以下、本発明の細胞と称する。)。
(5)本発明の細胞が、大腸菌、もしくはチャイニーズハムスター卵巣細胞である(4)に記載の細胞。
(6)本発明の細胞を培養し、得られた培養液からアルカリホスファターゼを回収する、アルカリホスファターゼの生産方法(以下、本発明のアルカリホスファターゼ生産方法と称する。)。
(1)K323N (2)S385G/N
具体的には、配列番号4から8のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むアルカリホスファターゼを例示でき、当該ポリペプチドのN末端側および/またはC末端側にオリゴペプチドの付加された誘導体も包含している。bIAPを含め哺乳動物由来のアルカリホスファターゼの多くは膜結合性のため、アルカリホスファターゼのC末端側20から30アミノ酸残基にGPIアンカー領域を有しているが、分泌発現させるためにGPIアンカー領域を除去してもよい。
本検討に用いたプラスミド(発現ベクター)を、それぞれ以下に示す方法で作製した。
(A−1)N末端側に仔牛小腸由来のアルカリホスファターゼ(CIP)のシグナルペプチド(配列番号18)を、C末端側にヒスチジン6個からなるHisタグを、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるbIAPIIに付加したポリペプチドをコードする配列番号19に記載のポリヌクレオチドを含むプラスミドである、pCIP−1をOPERON Biotechnologies社で合成し、これを鋳型とし、配列番号20に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#1)と配列番号21に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#2)をプライマーセットとして、Taq DNA polymerase(ライフテクノロジー社製)を用いてPCRを行なった。
(A−2)得られた1.5kbpのポリヌクレオチド(DNA−1)を、CMVプロモーターを用いた発現ベクターであるpOptiVEC−TOPO(ライフテクノロジーズ社製)のクローニングサイトに挿入した。
(A−3)(A−2)でDNA−1を挿入したプラスミドの塩基配列を調べた。結果、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(配列番号22)が挿入されたプラスミド(5.9kbp)であることを確認し、当該プラスミドをpCIP1000と名付けた。
pCIP−1を制限酵素EcoRIとMluIで二重消化して得た1.5kbpのポリヌクレオチド(DNA−2)と、pCIP1000を制限酵素EcoRIとMluIで二重消化して得た4.4kbpのポリヌクレオチド(DNA−3)をDNA Ligation Kit Mighty Mix(タカラバイオ社製)を用いてライゲーションすることで得たプラスミド(5.9kbp)をpCIP1000Hと名付けた。
(C−1)pTrc99Aを制限酵素HindIIIで消化後、DNA BluntingKit(タカラバイオ社製)で平滑化し、それを制限酵素NcoIで消化して4.1kbpのポリヌクレオチド(DNA−4)を得た。
(C−2)配列番号23に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#3)、配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#4)、配列番号25に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#5)、配列番号26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#6)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、配列番号27に記載のアミノ酸配列からなるSalmonella typhimurium由来mglBのシグナルペプチドをコードする0.085kbpのオリゴヌクレオチド(DNA−5)を得た。
(C−4)DNA−5とDNA−6を鋳型セットにして、配列番号23に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#3)と配列番号30に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#9)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、配列番号27に記載のアミノ酸配列からなるmglBシグナルペプチド、Mycタグおよび配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるbIAPIIのN末端6アミノ酸をコードする0.138kbpのオリゴヌクレオチド(DNA−7)を得た。
(C−5)DNA−4と、NA−7を制限酵素BspHIとBbvCIで二重消化して得たオリゴヌクレオチド(DNA−8)と、pCIP1000Hを制限酵素BbvCIとHpaIで二重消化して得た1.5kbpのポリヌクレオチド(DNA−9)をライゲーションすることで得たプラスミド(5.7kbp)をpCIPm2092H(図1)と名付けた。
(D−1)pCIPm2092Hを鋳型とし、配列番号31に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#10)と配列番号32に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#11)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、1.5kbpのポリヌクレオチド(DNA−10)を得た。
(D−2)DNA−10を鋳型とし、配列番号31に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#10)と配列番号33に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#12)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、1.5kbpのポリヌクレオチド(DNA−11)を得た。
(D−3)DNA−11を制限酵素BbvCIとAgeIで二重消化して得た1.5kbpのポリヌクレオチド(DNA−12)とpCIPm2092Hを制限酵素BbvCIとAgeIで二重消化して得た4.2kbpのポリヌクレオチド(DNA−13)をライゲーションすることで得たプラスミド(5.7kbp)をpCIPm2092H2と名付けた。pCIPm2092H2は、配列番号27に記載のアミノ酸配列からなるmglBシグナルペプチド、Mycタグおよび配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるbIAPII、および配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるヒスタグをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドである(図1)。
(E−1)配列番号34に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#13)、配列番号35に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#14)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.045kbpのオリゴヌクレオチド(DNA−14)を得た。
(E−2)pCIPm2092H2を鋳型とし、配列番号36に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#15)と配列番号37に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#16)、配列番号32に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−#11)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.535kbpのポリヌクレオチド(DNA−15)を得た。
(E−4)DNA−16を制限酵素XmaIとSacIIで二重消化して得た0.5kbpのポリヌクレオチド(DNA−17)とpCIPm2092H2を制限酵素XmaIとSacIIで二重消化して得た5.2kbpのポリヌクレオチド(DNA−18)をライゲーションすることで得たプラスミド(5.7kbp)をpCIPm2093H2と名付けた。
pCIPm2093H2は、配列番号27に記載のアミノ酸配列からなるmglBシグナルペプチド、Mycタグ、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるbIAPII変異体(配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるbIAPIIの322位がアスパラギン酸に置換された変異体)および配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるヒスタグをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドである。
(F−1)プラスミドpECEdhfr(Yasukawaら、J.Biochem.、108,673−676(1990))を鋳型とし、配列番号38に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−17)および配列番号39に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−18)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.37kbpの増幅産物(ポリヌクレオチド)(DNA−18)を得た。
(F−2)DNA−18を鋳型とし、配列番号38に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−17)および配列番号40に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−19)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.39kbpの増幅産物(ポリヌクレオチド)(DNA−19)を得た。
(F−3)プラスミドpECEdhfrを鋳型とし、配列番号41に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−20)および配列番号42に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−21)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.69kbpの増幅産物(ポリヌクレオチド)(DNA−20)を得た。
(F−5)DNA−19を制限酵素MfeIとXbaIで二重消化し得られたポリヌクレオチド(DNA−22)と、DNA−21を制限酵素XbaIとPciIで二重消化して得られたポリヌクレオチド(DNA−23)と、プラスミドpECEdhfrを制限酵素EcoRIとPciIで二重消化し得られた2.8kbpのポリヌクレオチド(DNA−24)を、ライゲーションすることで、配列番号44に記載の塩基配列を含んだプラスミドpECEdhfr2を作製した。なおプラスミドpECEdhfr2は、プラスミドpECEdhfrのSV40後期(late)プロモーターとdhfr遺伝子の間にある制限酵素EcoRIの認識部位をなくし、かつ、SV40初期(early)プロモーターからSV40ポリAまでの領域を置換したプラスミドである(図2)。
(G−1)pECEdhfr2を制限酵素KasIで消化後、DNA Ligation Kit Mighty Mix(タカラバイオ社製)を用いてライゲーションすることで、配列番号37に記載の塩基配列を含んだプラスミドpECEdhfr3を作製した。
(H−1)pTrc99Aを鋳型とし、配列番号45に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−23)および配列番号46に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−24)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.063kbpの増幅産物(ポリヌクレオチド)(DNA−25)を得た。
(H−2)配列番号47に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを鋳型とし、配列番号48に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−25)および配列番号49に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−26)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、マウスMMP−9由来のシグナルペプチド(配列番号50)をコードする0.075kbpの増幅産物(ポリヌクレオチド)(DNA−26)を得た。
(H−3)pTrc99Aを鋳型とし、DNA−25とDNA−26をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.15kbpの増幅産物(ポリヌクレオチド)(DNA−27)を得た。
スミドである(図3)。
(I−1)pCIP400−1001H2を鋳型とし、配列番号51に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−27)および配列番号52に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−28)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.3kbpの増幅産物(ポリヌクレオチド)(DNA−31)を得た。
(I−2)DNA−31と配列番号53に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−29)をプライマーセットとして、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行ない、0.33kbpの増幅産物(ポリヌクレオチド)(DNA−32)を得た。
(I−3)DNA−32を制限酵素SfiIとAor51HIで二重消化して得られた0.3kbpのポリヌクレオチド(DNA−33)と、pCIP400−1001H2を制限酵素SfiIとAor51HIで二重消化して得られた5.1kbpのポリヌクレオチド(DNA−34)をライゲーションすることで得たプラスミド(5.4kbp)をpCIP434−m1001H2と名付けた。pCIP434−m1001H2は、配列番号50に記載のアミノ酸配列からなるマウスMMP−9由来のシグナルペプチド、配列番号9に記載のアミノ酸配列からなるMycタグ、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるbIAPII、および配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるヒスタグをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドである(図4)。
エラープローンPCR法による変異導入
pCIPm2093H2を鋳型(50ng/μl)として、配列番号54に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−30)(0.4μM)、配列番号55に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド(Primer−31)(0.4μM)、0.08mM MnCl2、5mM MgCl2、0.2mM dATP、0.2mM dGTP、1mM dCTP、1mM dTTP、5unit Go Taq DNA Polymerase(プロメガ株式会社)を混合し、95℃で2分加熱後、95℃(30秒)、60℃(30秒)、72℃(88秒)のPCR反応を30サイクル繰り返した。1.4kbpの増幅産物をアガロース電気泳動により回収後、制限酵素BbvCIとSacIIで二重消化した。
実施例2のエラープローンPCR法による変異導入で調製した制限酵素消化物とpCIPm2093H2を制限酵素BbvCIとSacIIで二重消化して得た4.3kbpのポリヌクレオチド(DNA−35)をライゲーションして得たプラスミドを大腸菌DH5α(ニッポンジーン社製)にトランスフェクションし、2mM MgCl2、40μg/ml BCIP(5−bromo−4−chloro−3−indolyl phosphate disodium salt)、50μg/ml Carbenicillin Naを含むLB寒天培地にて28℃で培養した。青く呈色したコロニーを、1mM MgCl2、25μg/ml Carbenicillin Naを含む1/2濃度のLB培地にて28℃で培養し、菌濁度(OD600)と培養液中のアルカリホスファターゼ活性を測定し、菌濁度あたりのアルカリホスファターゼ活性の高い菌を回収した。
実施例3で回収した大腸菌を5mM MgCl2、50μg/ml Carbenicillin Naを含む4xYT培地(BactoTrypton 3.2%、Yeast Extract 2%、NaCl 0.5%)にて28℃で培養後、遠心分離(3,500rpm、10min)して菌を回収した。
抗c−Myc抗体(Roche社製)を0.4μg/mlに希釈し100μlずつ96ウェルイムノプレート(NUNC社製 MAXISORP 430341)に添加し、抗体固定化プレートを作製した。それに実施例4で調製したペリプラズム画分を添加し、一時間インキュベートした。プレートを洗浄後、pNPP溶液を添加し室温下で波長405nmの吸光度をモニタリングし吸光度増加速度(OD405/min)を求めた。抗c−Myc抗体固定化プレートに実施例4で調製したペリプラズム画分を添加し、一時間インキュベートした後、プレートを洗浄し、HRP標識抗ヒスタグ抗体(Bethyl社製)を添加し、一時間インキュベートした。プレートを洗浄後、TMB溶液を添加し室温下で波長620nmの吸光度をモニタリングし吸光度増加速度(OD620/min)を求めた。pNPPを基質にした吸光度増加速度(OD405/min)の値を、TMBを基質にした吸光度増加速度(OD620/min)の値で割った値(OD405/OD620)を比活性として表し、対照サンプルと比較した。
実施例5の比活性測定の結果選択されたbIAPII変異体を生産する大腸菌よりプラスミドを抽出し、配列解析を行った。その結果、配列番号2に記載のアミノ酸配列の430位のグルタミン酸がアラニンに置換されていた。このプラスミドをpCIPm2103H2と名付けた。
実施例6で得られたpCIPm2103H2を鋳型として用い、実施例2に記載の変異導入、実施例3に記載の大腸菌での高活性変異体のスクリーニング、実施例4に記載の大腸菌ペリプラズム画分の調製、実施例5に記載の比活性測定、実施例6に記載の配列解析を実施した結果、配列番号3に記載のアミノ酸配列の323位がアスパラギン(N)、385位のセリンがグリシン(G)、アスパラギン(N)に置換された多重変異体が得られた。これらのプラスミドをそれぞれpCIPm2157H2、pCIPm2155H2、pCIPm2156H2と名付けた。
実施例7で得られたbIAPII多重変異体のアミノ酸置換を掛け合わせた多重変異体を作製した。pCIPm2155H2、pCIPm2156H2を制限酵素PstIとMluIで二重消化して得た0.4kbpのポリヌクレオチド(DNA−36、DNA−37)とpCIPm2157H2を制限酵素PstIとMluIで二重消化して得た5.3kbpのポリヌクレオチド(DNA−38)をライゲーションすることで得たプラスミド(5.7kbp)をpCIPm2158H2、pCIPm2159H2と名付けた。
実施例3から8の結果、得られたbIAPII多重変異体のプラスミドを制限酵素BbvCIとMluIで二重消化し、1.4kbpのポリヌクレオチド(DNA−39)を回収した。実施例1(H)で作製したpCIP400−1001H2を制限酵素BbvCIとMluIで二重消化し、3.9kbpのポリヌクレオチド(DNA−40)を回収した。実施例1(I)で作製したpCIP434−m1001H2を制限酵素BbvCIとMluIで二重消化し、3.9kbpのポリヌクレオチド(DNA−41)を回収した。DNA−39とDNA−40、DNA−39とDNA−41をライゲーションすることで、以下に示すプラスミドを作製した。
(1)実施例9で作製したプラスミドを制限酵素PvuIで消化することで直鎖化後、FreeStyle MAX試薬(ライフテクノロジーズ社製)を使用したリポフェクション法によりチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)であるDG44細胞に導入した。
(2)プラスミドを導入したDG44細胞を、8mMのグルタミンおよび0.18%のPluronic F−68(ライフテクノロジーズ社製)を含んだCD CHO培地(培地1)で、温度37℃、CO2濃度8%、回転振とう速度135rpmで3日間培養した。
(3)培養液を低速(900rpm)で遠心分離することで培養細胞を回収後、8mM グルタミンおよび0.18% Pluronic F−68を含んだCD OptiCHO培地(培地2)に懸濁して(培地交換1回目)、7日間培養を継続した。
(4)(3)と同様にして、培養細胞を回収後、培地2に懸濁して(培地交換2回目)、7日間培養を継続した。
(5)(3)と同様にして、培養細胞を回収後、培地2に懸濁して(培地交換3回目)、7日間培養を継続した。
(6)(3)と同様にして、培養細胞を回収後、培地2に懸濁して(培地交換4回目)、7日間培養を継続した。
(7)(6)の7日目の培養液を遠心分離(12,000rpm、10min)して培養上清を回収した。
抗ヒスタグ抗体(和光純薬社製)を0.5μg/mlに希釈し100μlずつ96ウェルイムノプレート(NUNC社製 MAXISORP 430341)に添加し、抗体固定化プレートを作製した。それに実施例10で調製した、N末端に配列番号9に記載のアミノ酸配列からなるMycタグ、C末端に配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるヒスタグが付加された実施例9表5に記載のbIAPII変異体を含んだ培養上清を添加し、一時間インキュベートした。プレートを洗浄後、pNPP溶液を添加し室温下で波長405nmの吸光度をモニタリングし吸光度増加速度(OD405/min)を求めた。抗ヒスタグ抗体固定化プレートに実施例10で調製した、N末端に配列番号9に記載のアミノ酸配列からなるMycタグ、C末端に配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるヒスタグが付加された実施例9表5に記載のbIAPII変異体を含んだ培養上清を添加し、一時間インキュベートした後、プレートを洗浄し、HRP標識抗c−Myc抗体(和光純薬社製)を添加し、一時間インキュベートした。プレートを洗浄後、TMB溶液を添加し室温下で波長620nmの吸光度をモニタリングし吸光度増加速度(OD620/min)を求めた。pNPPを基質にした吸光度増加速度(OD405/min)の値を、TMBを基質にした吸光度増加速度(OD620/min)の値で割った値(OD405/OD620)を比活性として表し、対照サンプルと比較した。
比活性測定の結果を図5に示す。配列番号4から8に記載のbIAPII変異体は、配列番号1に記載のbIAPIIと同等の比活性を示した。
実施例10で調製した、bIAPII変異体を含んだ培養上清をアルカリホスファターゼ活性が同等になるように実施例10に記載の培地2で希釈後、7.5μlずつPCR8連チューブ(eppendorf社製)に分注した。それらをGeneAmp PCR system9700(Applied Biosystems社製)で55℃から70℃で10分間加温後、氷冷した。それらにpNPP溶液を150μL添加し、室温で一定時間保温後、それらのうちの100μLを0.5Mの水酸化ナトリウム100μLと混合することで反応を停止し、波長405nmにおける吸光度を測定した。未加温のサンプルの活性を100%としたときの各温度での加温サンプル中の残存活性を示す。
Claims (6)
- 配列番号4から8のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むアルカリホスファターゼ。
- 請求項1に記載のアルカリホスファターゼをコードするポリヌクレオチド。
- 請求項2に記載のポリヌクレオチドを含有する発現ベクター。
- 請求項3に記載の発現ベクターを有する形質転換細胞。
- 大腸菌またはチャイニーズハムスター卵巣細胞である請求項4に記載の形質転換細胞。
- 請求項4または5に記載の形質転換細胞を培養し、得られた培養液からアルカリホスファターゼを回収する、アルカリホスファターゼの生産方法。
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