JP2017121037A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実装負荷を低減しつつ送達確認応答を高速に行うことを可能にする無線通信方法を提供する。【解決手段】無線通信装置は、第1フレームを受信する受信部と前記第1フレームの所定フィールドから抽出される、前記第1フレームの送信元アドレスとは異なる第1識別子と、前記第1フレームに対する送達確認情報とを含む第2フレームを送信する送信部とを備える。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、無線通信装置に関する。
現在、次世代無線LAN(Local Area Network)規格として、MU (Multi-User) 通信が技術アイテムとして挙がっている。その1つにUL-OFDMA (Uplink Orthogonal Frequency Division Multiple Access)通信がある。UL-OFDMAでは、複数の無線端末(STA:Station)を、例えば1つの周波数チャネル内の異なる周波数サブチャネルに割り当てることで、複数の無線端末がフレームを同時に送信することが可能である。
UL-MU通信によるフレームシーケンス例を示す。まず、アクセスポイント(AP)がTriggerフレームを送信し、ULでフレームを送信することを許可するSTAを指定する。指定されたそれぞれのSTA(ここではSTA1〜STA4)は、所定の送信方法(どの周波数サブチャネルで送信するとか、どのPHY伝送レートで送信する等)によって、フレーム(ここではDATAフレームを想定)をAP宛てに送信する。
複数のSTAからのフレームを受信したAPはSTA1〜STA4から受信したフレームに対して、それらのフレームに対する送達確認情報を含めた応答フレームを生成し、それをSTA1〜STA4に宛てに、上記フレームの終端から、SIFS(Short Interframe Space:= 16us)後に返信する。応答フレームとして、例えばMulti-STA BA Frame(Multi-Station Block Ack Frame)を用いることができる。
このMulti-STA BAフレームには、APが各STAから受信したフレームの送達確認情報と、各STAが自己の送達確認であることを確認できるようにAPがSTAに対してSTA識別のためにローカルに割り当てたID (identifier)が含まれている。APは、Multi-STA BAフレームを生成するため、各STAが送信するフレームにおけるMACアドレスからそのSTAのIDを出力する機構が必要である。APが各STAから受信するフレームにおいて、STAをMAC (Meditum Access Control)レベルで識別可能なフィールドはMACアドレスのみであるからである。
この機構の1つとして、例えば、MACアドレスとそれに対応するIDの組み合わせを格納したIDテーブルをAPが保持する方法がある。しかしながら、この方法では、そのテーブルで保持する情報量の上限によって、APが接続できるSTA数が決まってしまう。これを回避するためには、APが予め容量に余裕があるメモリを実装する必要がある。また、APに接続するSTA数が多くなるとIDをテーブルから検索するための時間がかかる。APが、複数のSTAからMU送信されたフレームの受信完了からMulti-STA BAフレームを返信するまでの時間は、先述した通りSIFSであるため、STA数を確保しつつ高速な応答をするためには、それ相応のハードウェアリソースを消費するという課題がある。
IEEE Std 802.11ac(TM)−2013 IEEE Std 802.11(TM)−2012 IEEE802.11−15/0365r0 "UL MU Procedure IEEE802.11−15/0366r2 "Multi−STA Acknowledgment
本発明の実施形態は、実装負荷を低減しつつ送達確認応答を高速に行うことを可能にする無線通信装置、無線通信端末および無線通信方法を提供する。
本発明の実施形態としての無線通信装置は、第1フレームを受信する受信部と前記第1フレームの所定フィールドから抽出される、前記第1フレームの送信元アドレスとは異なる第1識別子と、前記第1フレームに対する送達確認情報とを含む第2フレームを送信する送信部とを備える。
第1の実施形態に係る無線通信システムを示す図。 MACフレームフォーマットの例を示す図。 第1の実施形態に係る無線通信装置のブロック図。 第1の実施形態に係るRU(リソースユニット)パターンの例を説明する図。 第1の実施形態に係るPHYフレームフォーマットの例を示す図。 Triggerフレームのフォーマットの例を示す図。 Multi-STA BAフレームのフォーマット例を示す図。 第1の実施形態に係るUL-OFDMAフレームシーケンス例を示す図。 第1の実施形態に係るアクセスポイントの動作のフローチャート。 第1の実施形態に係るUL-OFDMA受信のためのパラメータ設定のフローチャート。 第1の実施形態に係る無線通信装置のブロック図。 第1の実施形態に係る端末の動作例のフローチャート。 第1の実施形態に係るPHYフレームフォーマットの他の例を示す図。 MU-MIMOを説明するための図。 第2の実施形態に係るアクセスポイントの動作例のフローチャート。 第3の実施形態に係るOFDMA-based random accessに基づくフレームシーケンス例を示す図。 第4の実施形態に係るOFDMA-based random accessで一時IDを用いる場合のフレームシーケンス例を示す図。 第5の実施形態に係るOFDMA-based random access方式でBuffer Statusを通知する場合のフレームシーケンス例を示す図。 第6の実施形態に係るフレームシーケンスの例を示す図。 第8の実施形態に係るPHYヘッダでIDを送信する場合のフレームシーケンス例を示す図。 第8の実施形態に係るIDをリソースユニットで送信する場合のフレームシーケンス例を示す図。 第9の実施形態に係るフレームシーケンス例を示す図。 第10の実施形態に係るアクセスポイントまたは端末の機能ブロック図。 端末またはアクセスポイントの全体構成例を示す図。 第11の実施形態に係るアクセスポイントまたは端末に搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示す図。 第12の実施形態に係る無線端末の斜視図。 第12の実施形態に係るメモリーカードを示す図。 コンテンション期間のフレーム交換の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について、説明する。無線LANの規格として知られているIEEE Std 802.11TM−2012およびIEEE Std 802.11acTM−2013と、次世代無線LAN規格であるIEEE Std 802.11ax用の仕様フレームワーク文書(Specification Framework Document)である2015年12月7日付けのIEEE 802.11−15/0132r13は、本明細書においてその全てが参照によって組み込まれる(incorporated by reference)ものとする。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、1台の無線基地局であるアクセスポイント(AP:Access Point)と、4台の無線端末(STA:Station)で構成される無線LAN(Local Area Network)システムにおいて、無線基地局が無線端末に応答フレームを返信する方法に特徴を有する。以下、無線端末のことを単に端末またはSTAと記述する場合がある。また、無線基地局のことを、アクセスポイントまたはAPと記述する場合がある。
図1に、本実施形態に係る無線LANシステムの例を示す。このシステムは、1つの無線基地局11と4台の無線端末(STA)1、2、3、4とで構成されるインフラストラクチャモードのネットワーク構成である。各STAは、AP11が形成するBSS(Basic Service Set)に属する。無線端末の台数は、1台以上であれば任意の台数でよい。ここでの無線基地局は必ずしもある地点に固定的に設置された無線装置だけでなく、無線端末の動作モード設定を変更することで簡易的なAP機能を持つ場合も含む。また、複数の無線端末が無線基地局を介さず直接通信を行うアドホックモードのネットワークを構成する場合において、いずれかの無線端末がそのアドホックネットワーク内のオーナーとして動作している場合も含む。このような意味で、本実施形態に係る無線通信装置は無線基地局および無線端末のどちらにも適用可能である。無線基地局も、中継機能を有する点を除き無線端末と同様の機能を有するため、無線端末の一形態である。
(本実施形態におけるフレーム構成例)
図2にIEEE802.11規格の無線LANシステムにおけるMAC(Media Access Control)フレームの構成を示す。IEEE802.11規格は、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n、IEEE 802.11ac、IEEE802.11ax等、今後規定されるIEEE 802.11規格も含む。
MACフレームは、MAC Header部、Frame Body部およびFCS (Frame Check Sequence)部を含む。MAC Header部は、MAC層における受信処理に必要な情報を設定する。Frame Body部は、フレームの種類に応じた情報(上位レイヤからのデータ等)が設定される。FCS部は、MAC Header部とFrame Body部が正常に受信できたか否かを判定するために用いる誤り検出コードであるCRC(Cyclic Redundancy Code)が設定される。
MAC Header部には、フレームの種類に応じた値が設定されるFrame Controlフィールド、Duration/IDフィールド等が存在する。Duration/IDフィールドは、送信待機する期間(NAV:Network Allocation Vector)、もしくはAPに接続しているSTAに割り当てられた識別番号(ID)が設定される。Duration/IDフィールドは、16ビットの長さを有する。MSB(most significant bit:最上位ビット)が0の場合に、下位15ビットがDuration(NAV)を示す。MSBが1の場合に、下位15ビットの一部がID(識別番号)を示す。現行の802.11無線LAN規格では、下位15ビット目を1、下位12ビット目から14ビット目を0とし、下位11ビットを使い、1~2007の間の値を用いるようになっている。本実施形態ではこのIDは、APがSTAに割り当てるAID(Association ID)である。AIDの詳細は後述する。
Addressフィールドは複数存在する。Address 1フィールドは、直接の受信局のMACアドレス(Receiving STA Address; RA)を設定する。Address 2フィールドは、直接の送信局のMACアドレス(Tranmitting STA Address; TA)を設定する。基本的にAddress 3フィールドは、アップリンクでは、データの最終宛先となる装置のMACアドレス(Destination Address; DA)、ダウンリンクでは、送信元である装置のMACアドレス(Source Address; SA)を設定する。Address 4フィールドは、無線基地局が別の無線基地局に送信する場合のみに存在し、データの生成元である装置のMACアドレス(SA)を設定する。下記に示すType/Subtypeフィールドで区別されるフレーム種別によって存在するAddressフィールドの数は異なる。
Sequence Controlフィールドには、送信するデータのシーケンス番号や、データをフラグメント化した場合のフラグメント番号が設定される。
Frame Controlフィールドには、フレームの種類を示すTypeフィールド、Subtypeフィールドや、"To DS"フィールド、"From DS"フィールド、モアフラグメント(more fragment)フィールド、及びプロテクト(protected)フレームフィールド、オーダー(order)フィールド等が存在する。
Typeフィールドに設定されるビット列によって、MACフレームが、制御フレーム(Control frame)、管理フレーム(Management frame)そしてデータフレーム(Data frame)のうちどのフレームタイプに属するフレームであるかを認識することができる。さらにSubtypeフィールドのビット列によって、各フレームタイプ内のMACフレームの種類が示される。
また、To DSフィールドには、受信局が無線基地局であるか、無線端末であるかの情報が設定され、From DSフィールドには、送信局が無線基地局であるか、無線端末であるかの情報が設定される。
More Fragmentフィールドは、データがフラグメント化された場合に、後続するフラグメントフレームが存在するか否かを示す情報を保持する。プロテクトフレームフィールドには、当該フレームがプロテクトされているか否かの情報が設定される。オーダーフィールドには、フレームを中継する際に、フレームの順序を入れ替えてはいけないことを示す情報が設定される。あるいは後述のようにオプションフィールドの有無を示す役割を持つこともある。
データフレームの1つである、QoS Dataフレームには、QoS Controlフィールドが付加される(逆にnon-QoS Dataの場合には前記QoS Controlフィールドは付加されない)。図2にはQoS Controlフィールドが示されている。QoS Dataフレームであることは、フレームのTypeフィールドによってデータフレームであると認識した場合に、さらにSubtypeフィールドに設定されるビット列を確認することで、QoS Dataフレームかnon-QoS Dataフレームであるかを認識することが可能である。
このQoS Controlフィールドには、データのトラフィックに応じた識別子が設定されるTIDフィールド(0〜15までの16種類存在)や、送達確認方式が設定されるAck policyフィールド等が含まれる。TIDフィールドを確認することで、データのトラフィック種別を認識することができ、またAck policyフィールドを確認することで、そのQoS DataフレームがNormal Ack policyか、Block Ack policyか、それともNo Ack policyで送信されたのかを判別することができる。
HT (High Throughput) Controlフィールドは、QoS Data あるいは管理フレームのときに、オーダーフィールドが1に設定されていると存在するものである。HT ControlフィールドはVHT (Very High Throughput) Controlフィールドにも、HE (High Efficient) Controlフィールドにも拡張可能で、各々802.11n、802.11ac、あるいは802.11axの各種機能に応じた通知をすることができる。
なお、MACヘッダ部の構成は、上述したフィールドのみに限らない。例えば、IEEE802.11e規格でQoS Controlフィールドが追加されたように、新しいIEEE802.11規格が規定されることで、MACヘッダ部に新規フィールドも追加されることがある。
図3に本発明の第1の実施形態にかかる無線通信装置の構成例を示す。この無線通信装置300は例えば、IEEE 802.11に準拠する装置である。この無線通信装置は、アンテナ301、無線部302、ADC部303、復調部310、MAC層部330、変調部320、DAC部304を備える。ADC部303、復調部310、MAC層部330、変調部320、DAC部304の全部または一部は、端末との通信を制御する処理部(全体制御部)またはベースバンド集積回路に対応する。また、無線部は、アンテナを介してフレームを送受信するRF集積回路または無線通信部に対応する。処理部のデジタル領域の処理の全部または一部は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。処理部(全体制御部)の全部または一部の処理を行うプロセッサを備えてもよい。
アンテナ301は、2.4GHz帯または5GHz帯等で送出されたアナログの無線信号を受信する。アンテナ301で受信した受信信号は、無線部302により適切な周波数帯の信号(ベースバンド信号)に周波数変換された後、ADC(Analog to Digital Converter:アナログ-デジタル変換)部303によりデジタル信号に変換され、復調部310に入力される。復調部310は、例えばIEEE 802.11に準拠した所定の復調および復号処理を含む受信処理を行い、IEEE 802.11で規定されるMACフレームに変換し、MAC層部330へ転送する。
一方、送信処理では、MAC層部330がMACフレーム(例えば、Dataフレームや、BA、ACK、CTSといった制御フレーム等)を生成し、変調部320へ転送する。変調部320は、例えば、IEEE 802.11に準拠した所定の変調および符号処理を含む送信処理を行う。その後、DAC(Digital to Analog Converter:デジタル-アナログ変換)部304によりデジタル信号からアナログのベースバンド信号へ変換され、無線部302に入力される。無線部302は、入力されたベースバンド信号を所定の周波数帯(例えば、2.4GHzまたは5GHz帯等)にアップコンバートし、アンテナ301から無線信号として送出する。
復調部310では、ADC部303から入力されたデジタル信号に対して、OFDMシンボルタイミング同期、FFT (Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)処理、デインタリーブ処理や、誤り訂正復号処理等(図示せず)が行われる。また、PHY (Physical)ヘッダには、フレームの長さを示す情報や伝送レート、帯域幅情報等が含まれており、それらの情報も復調部310が抽出する。復調部310はこれらの情報を復調処理に使用し、MAC層部330へ通知もする。
復調部310は受信パラメータ選択部311を備えている。受信パラメータ選択部311は、復調部310が受信信号を復調する際に、MAC層部330が指定する受信パラメータを用いて復調するか、受信フレームのPHYヘッダに含まれるパラメータを用いて復調するかを選択する。
MAC層部330は、Trigger(トリガー)生成部331、応答フレーム生成部332、ID管理部333、フレーム解析部334、受信パラメータ指定部335、BA Bitmap保持部336および制御部339を含む。
Trigger生成部331は、UL-MU通信を用いて送信する複数のSTAを、APが指定するためのTriggerフレームを生成する処理部である。UL-MU通信の例として、UL-OFDMA(Uplink Orthogonal Frequency Division Multiple Access)またはUL-MU-MIMO(Uplink Multi-User Multi-Input and Multi-Output)がある。また、これらを組み合わせた方式(UL-OFDMA&UL-MU-MIMO)も可能である。
応答フレーム生成部332は、複数のSTAが送信したDataフレームそれぞれに対する送達確認情報を含めたフレームを生成する処理部である。送達確認情報は、そのDataフレームをAPが正しく受信した(MACフレームのCRCが正しいと判定した)ことを示す、または正しく受信したか否か(後述するAggregateフレームの場合など)を示す。
ID管理部333は、応答フレーム生成部332が生成する送達確認情報をSTAごとに区別するID(例えば、Association ID(AID))を保持する処理部である。
フレーム解析部334は、復調部310から入力されたMACフレームに含まれる情報を抽出したり、当該MACフレームのCRCを検査したりする処理部である。また、フレーム解析部334は、MAC層部330が送信するMACフレームから情報を抽出する動作も可能である。
受信パラメータ指定部335は、STAがUL-MUを用いて送信したフレームをAPが復調する際に必要な受信パラメータ(伝送レート等)を、復調部310に指定する処理部である。
BA Bitmap保持部336は、STAから受信したフレームのCRC検査結果のビットマップ(BA Bitmap)を保持する。
制御部339は、これらの処理部331〜336を制御する処理部である。処理部331〜336と339は以降に示す動作を実現するために各々互いに適宜接続されている。
図3の構成における各処理部は、アナログまたはデジタル回路等として実現してもよいし、もしくはCPU(Central Processing Unit)によって実行されるソフトウェア等により実現してもよい。また、ID管理部333およびBA Bitmap保持部336は、メモリ等の記憶装置によって実現されてもよい。また、各処理部は、一時的に情報を格納するバッファを内部に備えていてもよい。バッファは、メモリ等の記憶装置によって実現されてもよいし、デジタル回路によって実現されてもよい。
(OFDMAの説明)
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の通信では、送信データを分割してサブキャリアと呼ばれる複数の搬送波に割り当て、周波数軸方向に並列にデータ送信する方式である。従来、20MHz幅に収まる程度のサブキャリアを複数並べて、この複数のサブキャリアに1ユーザ分のデータを載せて送信していた。本実施形態におけるOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式では、ある個数のサブキャリアの集合を1つのリソースユニット(Resource Unit:RU)として定義し、ユーザ毎に1つまたは複数のリソースユニットを割り当てることにより、従来と同じ帯域幅内で、複数のユーザのデータを同時に送信することが可能になる。
例えば、1つのRUに含めるサブキャリア数のバリエーションを26、52、106、242サブキャリアであるとする。この場合、ある周波数帯域幅BW(ここでは20MHz幅)におけるRUのパターンは、例えば図4に示すような26通りある。周波数帯域幅の中心に配置されるRUに含まれるサブキャリア数は26で固定とする。図中の各パターンの左側に記載する数字は、RUパターン番号を示す。図中の四角内に記載する数字はサブキャリア数を示す。
復調部310は、RUパターン番号を受信フレームのPHYヘッダから抽出するか、MAC層330から通知されるかで把握する。これにより、復調部310は、RU境界を認識することができ、よってRUごとに受信信号を復調することができる。
(UL-OFDMA送信時に用いるPHYフレームのフォーマット)
図5に、STAがUL-OFDMAで送信する場合に用いるPHYフレームのフォーマットを示す。PHYフレームは、PHYヘッダとPHYペイロードとを含む。PHYヘッダは、Legacy Preamble部分と、HE(High Efficiency(IEEE802.11axで規定されるPreambleであることを意味する名称)) Preamble部分とを含む。PHYペイロードには、変調処理が施された後のMACフレームが含まれる。
Legacy Preambleは、IEEE802.11aで規定されるPHYヘッダと同様の構成であり、L-STF、L-LTF 、L-SIGのフィールドを含む。L-STFやL-LTFは既知のビットパターンを示す。これは、受信側の装置が受信利得調整や、タイミング同期、チャネル推定等を行うために用いる。L-SIGには、HE PreambleとPHY payloadとの送信に必要な時間を受信側の装置で算出するための情報が含まれる。
HE Preambleは、IEEE802.11axで検討されているPreamble構成である。HE PreambleにおけるHE-STFおよびHE-LTFは受信利得調整や、タイミング同期、チャネル推定等に用いられる。
HE-SIG-Aは、複数のSTAが認識可能な情報を含む。一例として、それらのSTA間で共通の情報を含める。以下、一例を示す。
・このPHYフレームがUplink(STAからAPへ送信されるフレーム)とDownlink(APからSTAへ送信されるフレーム)のどちらであるかを示す情報や、Single Userフレーム(1つのSTA宛てのフレームもしくはある時刻に1つのSTAが送信したフレーム)とMulti Userフレーム(例えば、OFDMAやMU-MIMOを用いた複数STA宛てのフレームもしくは複数STAが同時に送信したフレーム)のどちらであるかを示す情報等のFormat情報
・このフレームが占有する周波数帯域幅(20MHz, 40MHz, 80MHz幅等)を示す情報
・PHY payloadで用いるGuard Intervalの長さ(0.8u, 1.6us, 3.2us等)を示す情報
・APが開設している無線LANネットワークを示すBSS情報(例えば、APのMACアドレスの全てもしくはその一部の情報を設定する)
・TXOP (Transmission Opportunity)Duration情報
HE-SIG-AにBSS情報を含めると、PHYヘッダを受信したAPもしくはSTAは、HE-SIG-A内のBSS情報と自装置が保持するBSS情報が一致した場合には、そのフレームの復調を継続する。一方、自装置のBSS情報が、HE-SIG-A内のBSS情報に不一致の場合には、そのフレームの復調を止める、または、他のBSSからの信号としてCCA閾値を上げ、当該CCA閾値未満なら当該フレーム占有時間中も送信可能にする等の動作が可能になる。
(Triggerフレームのフォーマット)
図6にTriggerフレームのフレームフォーマット例を示す。このTriggerフレームを使う他に、MAC Header部に例えばHE Control fieldを入れてそこで下記に示すUL-MUの送信開始指示に必要な情報を入れてもよい。
Frame ControlフィールドからAddress 2フィールドまでは、図2に示すMACフレームフォーマットと役割は同じである。Frame ControlフィールドのTypeおよびSubtypeサブフィールドにTriggerフレームであることを識別可能なビットパターンを割り当てる(例えば、Type = 2’b01 (つまり当該フレームは制御フレーム), Subtype = 4’b0011等)。
Address 1フィールドには、APがUL-MU送信を許可する複数のSTAを指定する宛先情報を設定する。例えば、ブロードキャストアドレスを設定する。
Address 2フィールドには、送信元の情報を設定する。例えば、APのMACアドレスを設定する。
Common Infoフィールドには、UL-OFDMAを用いてフレーム送信を行う複数のSTAに共通に通知する情報を設定する。Common Infoフィールドは、一例として、UL Length、RU pattern、Common PHY parameter、およびRequest Indicationのフィールドを含む。
UL Lengthは、STAがUL-OFDMAで送信するフレームの送信時間(例えば、μsec単位の時間や16μs単位の時間を設定する)、もしくは送信時間を計算可能な情報(例えば、バイト数)を含む。これにより、各STAが送信するフレームの終端を揃えることが可能になる。
RU patternは、図4に示したRUパターン番号を含む(例えば、0〜25までの値)。これにより、各STAはどのようなRUの型で送信することになるのかを認識できる。
Common PHY parameterは、複数のSTAがUL-OFDMAで送信する場合にSTA同士で合わせるべきPHY層で用いるパラメータを含める。例えば、周波数帯域幅を示す(例えば、20MHz幅であったり、80MHz幅であることを示す)情報や、PHYペイロードのGuard Intervalの長さ情報を含める
Request Indicationは、このTriggerフレームをAPが送信することで、STAに要求する動作を示すフィールドである。例えば、STAにデータを送信する要求や、AckやBlockAck等の応答フレームを送信する要求や、STAに蓄積されている送信待ちのデータ量を報告する要求や、送信するフレームの種別等は任意でよい(STA側に一任する)という指定を示す情報等を設定する。これにより、STAはTriggerフレームを受信した場合に、行うべき動作を判断できる。例えば、Dataフレームを送信してよいのかどうかを判断することができる。
Per User Infoフィールドには、UL-OFDMAを用いてフレームを送信するSTAに固有に通知する情報を含む。したがって、Per User Infoフィールドは、TriggerフレームによってAPがTriggerする予定のSTA数分を含める。Per User Infoフィールドは、一例として、AID(Association ID)、RU allocation information、STA PHY parameterのフィールドを含む。
APは、接続要求(Association Request)フレームを送信してきたSTAに接続許可をする場合に、そのネットワークでローカルに生成した番号を割り当てる。その番号がAIDと呼ばれるものであり、0以外のある指定の範囲内の番号を割り当てる。AIDは、そのネットワーク(BSS)内ではユニークになるように割り当てる。APは、接続を許可するSTAに、割り当てたAIDを含む接続応答(Association Response)フレームを送信する。STAは、接続応答フレームからAIDを読み出すことで、自装置のAIDを把握する。STAは、APから接続許可の接続応答フレームを受信することで、APが形成するBSSに属し、以降、APと通信することができる。このようなAPとSTA間の接続のプロセスをアソシエーションプロセスと呼ぶ。APは、STAとアソシエーションプロセスを行う前に、認証(Authentication)プロセスを行ってもよい。
RU allocation informationフィールドは、そのSTAが送信することを許可されたRUの位置を示す情報を含む。Common InfoフィールドのRU patternで、RUの型がわかる。RU allocation informationフィールドに設定する情報は、RUの型における1つのRUの位置を示す。
STA PHY parameterは、そのSTAがUL-OFDMAで送信する場合にSTA固有のPHY層で用いるパラメータを含める。例えば、STAがデータを送信する伝送速度を示すMCS (Modulation and Coding Scheme) Indexやストリーム数(Nsts:number of space time streams)等のPHY伝送速度情報、適用する誤り訂正符号の種類(LDPC(Low Density Parity Check)等)、送信電力情報(Transmit Power Information)等を含める。APは、複数のSTAからの信号を受信する場合に各STAからの信号電力を同程度に制御するために送信電力をSTAに指定する。
(Multi-STA BAフレームのフォーマット)
図7にMulti-STA BA(BlockAck)フレームのフレームフォーマット例を示す。
Frame ControlフィールドからAddress 2までは、図2に示すMACフレームフォーマットと役割は同じである。Frame ControlフィールドのTypeおよびSubtypeサブフィールドに、BAフレームであることを示すビットパターンを割り当てる(例えば、Type = 2’b01, Subtype = 4’b1001等)。
Address 1フィールドには、応答を返信する先の複数のSTAが自STA宛てと把握できるように宛先情報を設定する。例えば、ブロードキャストアドレスを設定する。
Address 2フィールドには、送信元の情報を含む。例えば、APのMACアドレス(これはBSSの識別子、BSSID (Basic Service Set Identifier)と同じ)を設定する。
BA Controlフィールドには、この応答フレーム(Multi-STA BAフレーム)の宛先になっている複数のSTAに共通の情報を含む。BA Controlフィールドは、Multi-TID、Compressed BitmapおよびTID_INFOのフィールドを含む。BA Controlフィールドに含まれるフィールドはこれらに限定される必要はないが、同様の識別ができるようになっていればよい。
Multi-TIDは、異なるTIDのDataフレームに対する送達確認情報(BA Bitmap情報)を含んでいることを示す。
Compressed Bitmapは、後続のBA Bitmapフィールドの長さとして従来の16フラグメントまでに対応した64個分の連続するシーケンス番号から変えられているかを示す。1の場合はBA Bitmapフィールド長はフラグメント情報のない8オクテット(64ビット)であり、0の場合はフラグメント情報を16まで表現できる128オクテットである。この他に、BA ControlフィールドやPer STA Infoフィールド中の他のフィールドを組み合わせてBA Bitmapフィールドの使い方と長さが導出できるようになっていてもよい。
TID_INFOは、後続する送達確認情報(BA Bitmap情報)に共通のTIDを示す。このTID_INFOで示されるTIDのDataフレームに対する送達確認情報だけがBA Bitmapに含まれる。TID INFO はMulti-STA BAフレームに複数のTIDについて入れる場合はreservedにしてもよいし、含まれるTID数−1のように数に関する情報を入れるのでもよい。
Per STA Infoフィールドには、STAに固有の情報を設定する。複数のSTAに対する送達確認応答を返す場合、このPer STA Infoフィールドはその複数のSTAの数分存在する。Per STA Infoフィールドは、AIDフィールド、Response Indicationフィールド、TIDフィールド、SSN(Starting Sequence Number)フィールドおよびBA Bitmapフィールドを含む。
AIDフィールドは、APがSTAの接続時にそのSTAに割り当てたAIDを設定する。
Response Indicationフィールドは、そのSTAに対する応答形式がAck形式なのか、BlockAck形式なのかを示す。Ack形式を示した場合、STAが送信したフレーム(single フレーム)に対してAPが正常受信したことを意味するか、もしくはSTAが送信したAggregateフレーム(1つのPHYフレーム内に複数のMACフレームを連結して送信したフレーム)に対してAPがそれら全てのMACフレームを正常受信したことを意味する。BlockAck形式を示した場合は、STAが送信したAggregateフレーム(1つのPHYフレーム内に複数のMACフレームを連結して送信したフレーム)に対してAPが正常受信したMACフレームのシーケンス番号(とフラグメント番号)を後続のBA Bitmapフィールドに示すことを意味する。Ack形式を示す場合、SSNフィールドとBA Bitmapを省略することが可能である。
TIDフィールドは、Multi-TIDの場合において、そのPer STA InfoのBA Bitmapが示している送達確認情報のTIDを設定する。
SSN(Starting Sequence Number)フィールドは、後続のBA Bitmapフィールドの先頭の送達確認情報が示しているフレームのシーケンス番号を設定する。
BA Bitmapフィールドは、STAが送信したAggregateフレームに対してAPが受信したMACフレームの検査結果(送達確認情報)を1つのMACフレームにつき1ビットのビットマップ形式で示すフィールドである。BA Bitmapの長さは例えば前述のようにフラグメント情報なしで64ビットの場合である。その先頭ビットのシーケンス番号はSSNで示され、先頭のビットから1ビットシフトしていくごとにビットに対応するシーケンス番号が1だけ上がっていく。つまり、BA Bitmapの先頭のビットは、SSNで示されるシーケンス番号のDataフレームの検査結果であり、その次のビットはSSN + 1で示されるシーケンス番号のDataフレームの検査結果を示す。例えば、SSNが100番だとすると、BA Bitmapにはシーケンス番号100から163までのシーケンス番号のDataフレームの検査結果が示される。
図8に、無線基地局APと4台の無線端末STA1〜STA4がUL-OFDMAを用いて通信する場合のフレームシーケンスの例を示す。図9にAPの動作の一例のフローチャートを示す。
(APがTriggerフレームを送信するまでの手順)
MAC層部330の制御部339がTriggerフレームを生成する指示をTrigger生成部331に発行し、Trigger生成部331は、図6に示すフォーマットのTriggerフレームを生成する(図9のS101)。
Common InfoフィールドのUL Lengthフィールドには、Triggerフレームの宛先となったSTAが送信するUL-OFDMAのパケット(physical layer convergence procedure (PLCP) protocol data unit; PPDU)長、より具体的にはUL-OFDMAで送信されるPPDUのLegacy Preamble部に含まれるL-SIG Length値を設定する。
Common InfoフィールドのRU Patternフィールドには、ここでは例えば「20」を設定する。これは、STAがRUパターン番号が20の型で送信する意味になる(図4参照)。
Common InfoフィールドのCommon PHY parameterフィールドには、例えば周波数帯域幅として20MHz幅、Guard Intervalの長さとして3.2usecを設定する。
Common InfoフィールドのRequest Indicationフィールドには、STAからDataフレームを送信することをAPが要求するならば、Dataフレームの送信要求を示す情報(Subtypeレベルまで指定してもよい)を設定し、STAが送信するフレーム種別が任意でよいならば、その旨を示す情報を設定する。
この例では4台のSTAを宛先としているので、4つのPer User InfoフィールドをTriggerフレームに含める。すなわち、Per User Info 1フィールド、Per User Info 2フィールド、Per User Info 3フィールド、Per User Info 4フィールドを含める。
ここで、APは接続時にSTA1 〜 STA4に対して、AIDとしてそれぞれ1〜4を割り当てていたとする。
このとき、例えば、STA1〜STA4のそれぞれのPer User Info = {AID, RU allocation information, STA PHY parameter}の値は下記のようになる。
・Per User Info 1 = { 1, ( 3, 0 ), (MCS=7, LDPC=0, Nsts=1, TxPower=10) }
・Per User Info 2 = { 2, ( 2, 0 ), (MCS=6, LDPC=0, Nsts=1, TxPower=11) }
・Per User Info 3 = { 3, ( 1, 0 ), (MCS=6, LDPC=0, Nsts=1, TxPower=11) }
・Per User Info 4 = { 4, ( 0, 0 ), (MCS=8, LDPC=1, Nsts=1, TxPower=11) }
ここで、RU allocation informationは、2次元座標(周波数方向、空間方向)で示していて、横軸が周波数方向で、縦軸が空間方向を示している。本実施形態では空間多重(MU-MIMO)を行っていないので、空間方向は0としている。
今、RU patternを20番としており、周波数方向は、周波数が低い方から0番とし、RUが変わるごとに1だけ増えることにする。したがって、図4に示すように、RU patternの20番において、周波数が低い方はサブキャリア数が106のRUであり、これを0番とする。次のRUはサブキャリア数が26であり、これを1番とする。さらに次のRUとその次のRUはともにサブキャリア数が52のRUであり、それぞれ2番、3番とする。
本実施形態では、STA1を3番、STA2を2番、STA3を1番、STA4を0番に割り当てたので、STA1〜4のRU allocation informationは、上記のように(3, 0) (2, 0) (1, 0) (0, 0)という設定になる。
STA PHY parameterについては、Per User Info 1を例にとると、MCS Indexは7、LDPCは0になっている。LDPC=0は、LDPC符号を適用しないことを意味する(一方、LDPC=1はLDPC符号を適用することを意味する)。Nsts=1は、ストリーム数が1ストリームであることを意味する。TxPower=10は10dBmの送信電力で送信することを意味する。
上記のようなTriggerフレームを生成した後、MAC層部330は変調部320に送信指示を発行し、Triggerフレームを送信するように制御する(S102)。
このとき、受信パラメータ指定部335は、STAからUL-OFDMA送信されるフレームを受信するために必要なPHYパラメータを保持する。例えば、受信パラメータ指定部335は、RU pattern、周波数帯域幅、RU allocation informationごとのMCS番号、LDPC有無、ストリーム数Nstsを保持する。これらの情報は、制御部339がTriggerフレームを送信する前に予め受信パラメータ指定部335の内部のメモリ等に設定してもよいし、MAC層部330が変調部320にTriggerフレームを送出する際に、フレーム解析部334がTriggerフレームの各フィールドから所望のパラメータを抽出して、受信パラメータ指定部335の内部のメモリ等に設定するようになっていてもよい。
これらのパラメータは、少なくともSTAからのUL-OFDMAフレームのHE Preambleフィールドを復調部310が受信し始める前までには、確定できるように制御する必要がある。
(APが各STAからフレームを受信する手順)
APはTriggerフレームを送信した後、UL-OFDMAのフレームを検出待ち状態となる(S103、S104)。STAから送信されるUL-OFDMAのフレームを検出できる条件は、例えば、Legacy Preamble もしくはHE PreambleまでをAPが認識することである。APが、UL-OFDMAのフレームを検出できずに、応答待ち時間が経過したら、タイムアウトとなる(S104のYes)。
UL-OFDMAのフレームには、RUごとのPHY伝送速度情報等がPHYヘッダに含まれていない。つまりUL-OFDMAのフレームのPHYヘッダの内容は各STAで共通である。これにより、L-SIGフィールドやHE-SIG-Aフィールドの情報として各STAが共通の情報を送信するだけでよく、実装負荷の軽減になる。
一方、PHYヘッダにRUごとのPHYパラメータが含まれていないため、MAC層部330が復調部310にUL-OFDMAのフレームを受信するために必要なパラメータを通知する必要がある。これらのパラメータはTriggerフレームを送信する前または後で、受信パラメータ指定部335が指定したパラメータである。
受信パラメータ指定部335がUL-OFDMAのフレームを受信するためのパラメータを指定する動作の例を説明する。
1つめの例として、受信パラメータ指定部335は、常に最新のパラメータを復調部310に指定しておいて、復調部310は受信したフレームのHE-SIG-Aフィールドに含まれるFormatフィールドがUL-MUであることを示している場合には、受信パラメータ指定部335が指定するPHYパラメータを参照して、受信信号を復調処理する。
2つめの例として、受信パラメータ指定部335は、Triggerフレームを送信した直後から受信パラメータ指定部335が保持するパラメータを使うように復調部310に指示し続ける。このようにして、Triggerフレームを送信した後、最初に受信するフレームは、受信パラメータ指定部335が保持するパラメータを使って復調部310は復調処理を行う。この場合、復調部310は、L-SIG、HE-SIG-Aを復調しない、もしくは、それらの復調結果を無視して、HE-STFから復調を開始してもよい。受信フレーム待ち状態がタイムアウトした場合には、受信パラメータ指定部335は、その指示を解除してもよい。
(STAのDataフレームのCRCチェック〜BA Bitmap生成まで)
フレーム解析部334は、復調部310が復調したデータをRUごとに受け取り、MACフレームのCRCチェックを実施する。CRCが正常だったMACフレームにおいて、Duration/IDフィールドの16ビットのうち、ビット[15:14]が2’b11である場合に、少なくとも下位11ビット([10:0])をAIDとして抽出し(S107)、ID管理部333がメモリ等に保持する。Duration/IDフィールドの16ビットのうち、ビット[15]が1’b0の場合は、下位のビットをAIDとして抽出しない(ID管理部333はその値を保持しない)。あるいは、UL-MUを受信した際、各DataフレームのDuration/IDフィールドはAIDが入っているものという前提で下位11ビットをAIDとして抽出するようにしてもよい。UL-MUを受信したかどうかの判断は、例えばTriggerフレーム送信後、固定時間後に受信開始したか否かによって行う、あるいは後述の図10の動作に基づき受信したPPDUのヘッダのFormatパラメータを確認することなどによって行えばよい。このようにDuration/IDフィールドからAIDを抽出することで、関連技術のようにMACアドレスとAIDとを対応づけたテーブルと、MACアドレスからAIDを検索する必要はない。これは本実施形態の大きな特徴の1つである。なお、後述するようにSTAは、UL-OFDMAのフレームを生成する際に、フレームのDuration/IDフィールドに自端末のAIDを設定する。
なお、必要があれば、Address 2フィールドから送信元アドレス(STAのMACアドレス)を抽出して保持しておいてもよい。STAごとのBA Bitmap情報を管理する場合に、AIDの代わりに、STAのMACアドレスと一緒にBA Bitmapを管理してもよい。
(BA Bitmap情報の保持)
BA Bitmap保持部336には、複数のSTAからの複数のMACフレームをAPが受信した場合、各MACフレームを正常に受信できたか否かを示す送達確認ビットマップ情報をSTAごとに(あるいはフリップフロップのような情報を少なくとも一時的に保持できる回路)保持する(S108)。
Multi-STA BAフレームのPer STA Infoには、始点シーケンス番号(SSN)と、検査結果として0または1を設定するBA Bitmapフィールド等が含まれる。BA Bitmapフィールドには、始点シーケンス番号を起点とする過去のMACフレーム検査結果を先頭から0または1で設定する。例えば、フラグメント情報のないBitmapのフォーマットで返すのであればMACフレームをAPが正常に受信した場合には、そのMACフレームのシーケンス番号に対応するBA Bitmapフィールドのビット位置に1を設定し、正常に受信しなかったMACフレームのシーケンス番号に対応するBA Bitmapフィールドのビット位置には0を設定する。
(APはMulti-STA BAフレームを生成し、送信する)
APは、Multi-STA BAにおける各フィールドの値を例えば下記のように設定する(S109)。
本実施形態では、1つのMulti-STA BAでは1つのTID情報に対する応答とすることを想定して、Multi-TIDフィールドは0にする。
短縮されたBitmapを用いることを想定し、Compressed Bitmapフィールドは 1 とする。
TID_INFOフィールドは、STAから受信したフレームのQoS ControlフィールドのTIDと同じ値とする。
Per STA Info 1フィールドの設定例を以下に示す。
AIDフィールドは、STA1のAIDを設定する。ID管理部333が保持しているSTA1のAID(STA1から受信したフレームのDuration/IDフィールドに設定されていた値)を設定する。
Response Indicationフィールドには、BA(Block Ack)を示す値を設定する。すなわち、BA Bitmap保持部336が生成するBA Bitmap情報を返答するため、BAを示す情報を設定する(例えば、0を設定)。一方、BA Bitmap情報を省略する場合は、Ackを示す情報を設定する(例えば、1)。
TIDには、STA1から受信したフレームのQoS ControlフィールドのTIDと同じ値を設定する。すなわち、フレーム解析部334が、STA1からのDataフレームのQoS Controlフィールドから抽出して保持しておいたTID値を設定する。Multi-TIDが0の場合は、このTIDフィールドには値を設定しなくてもよい。
SSNフィールドには、STA1のBA Bitmapの始点シーケンス番号となる値を設定する。すなわち、ビットマップ情報を生成してBA Bitmap保持部に保持すると同時に、その始点となるシーケンス番号を求めておき、このシーケンス番号をSSNフィールドに設定する。シーケンス番号は、フレーム解析部334がQoS DataフレームのSequence Numberフィールドから抽出した値を用いる。例えば、STA1から受信したQoS Dataフレームの中で保持している最も古いシーケンス番号を設定する。
BA Bitmapフィールドには、STA1から受信した複数のQoS DataフレームのCRC検査結果を表すビットマップ情報を設定する。ビットマップ情報は、BA Bitmap保持部に保持されている。フレーム解析部334がQoS DataフレームのCRC結果を基づいてビットマップ情報を生成して、このビットマップ情報をBA Bitmap保持部336が保持している。
Per STA Info 2〜Per STA Info 4には、それぞれSTA2〜STA4の情報をSTA1の場合と同様に設定する。
応答フレーム生成部332は、Multi-STA BAフレームのAddress 1フィールドには、例えば、ブロードキャストアドレス(48’hFFFF_FFFF_FFFF)を設定する。Address 2フィールドには、APのMACアドレスを設定する。それ以降のフィールドには先述した値を設定する。このようにしてMulti-STA BAフレームを生成する(S109)。
制御部339は、UL-OFDMAのフレームの受信が終了した時点から応答フレームを送信するときの最小フレーム間隔であるSIFS経過したタイミングでMulti-STA BAフレームを送信するように制御する(S110)。応答フレーム生成部332は、Multi-STA BAフレームを変調部320へ転送する。変調部320でフレームを符号化および変調して得られたデジタル信号が、DAC部304でアナログ信号に変換され、無線部302によりアップコンバートおよび電力増幅等され、アンテナ301から無線信号として送出される。
図10は、APにおけるUL-OFDMA受信のためのパラメータ設定例のフローチャートを示す。受信パラメータ指定部335は、UL-OFDMA受信のためのパラメータを制御部339もしくはフレーム解析部334から取得する(S201)。Triggerフレームが変調部320から送信された後または前に、受信パラメータ指定部335は、保持しているパラメータを復調部310に出力する(S202、S203)。復調部310が例えばTriggerフレーム送信の固定時間(後述のxIFS)後に受信信号からHE Preambleを検出すると(S204)、HE preambleに含まれるFormatパラメータがUL-MUを示すかを判断し(S205)、UL-MUを示す場合(すなわちSUでない場合)、復調部310は、受信パラメータ指定部335から指定されたパラメータを使用してフレームを受信(復調)する(S206)。一方、FormatパラメータがUL-MUを示さない場合(すなわちSUの場合)、復調部310はHE Preambleから抽出するパラメータを使用してフレームの受信(復調)を行う(S207)。
図11に本発明の第1の実施形態にかかる端末側の無線通信装置(例えば、STA1)1100の構成例を示す。無線通信装置1100は、アンテナ1101、無線部1102、ADC部1103、DAC部1104、復調部1110、変調部1120、MAC層部1130を備える。要素1101〜1120に関しては、基本的にアクセスポイント側の無線通信装置300の場合と同様である。ADC部1103、DAC部1104、復調部1110、変調部1120、MAC層部1130の全部または一部は、APとの通信を制御する処理部(全体制御部)またはベースバンド集積回路に対応する。また、無線部は、アンテナを介してフレームを送受信するRF集積回路または無線通信部に対応する。処理部のデジタル領域の処理の全部または一部は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。処理部(全体制御部)の全部または一部の処理を行うプロセッサを備えてもよい。
MAC層部1130は、送信パラメータ指定部1131、データフレーム生成部1132、ID管理部1133、フレーム解析部1134および制御部1139を備える。制御部1139は、これら他の処理部1131〜1134を制御する処理部である。処理部1131〜1134と1139は以降に示す動作を実現するために各々互いに適宜接続されている。
データフレーム生成部1131は、APからのTriggerフレームを受信して、自装置が指定されている場合に、Duration/IDフィールドに自装置のAIDを設定したQoS Dataフレームを生成する。
図12にSTA1がAPからのTriggerフレームを受信し、xIFS後にUL-OFDMAに基づきデータフレームを送信するまでのフローを示す。
xIFSの時間は、STAがUL-OFDMAのフレームを送信するより前に、STAがUL-OFDMAでの送信ができる時間間隔でかつ無関係のSTAがキャリアセンスで無線媒体がアイドルと判断して別のフレームを送信しないように、なるべく短い時間となることが望ましい(例えば、SIFS時間16μsあるいはPIFS時間25μs)。あるいは、STAがUL-OFDMA送信を行う前に無線状況を確認する場合は、SIFSより長くかつDIFS(=34us)以下の値としてもよい。
STA1は、Triggerフレームを受信したとき(S301)、フレーム解析部1134がTriggerフレーム内のフィールドを解析する。この結果、Address2フィールドのMACアドレスが、STA1が所属するAPのMACアドレスと一致した場合、Common Infoフィールドの値を一時的にメモリに保持しておき、さらに1つ以上のPer User Infoフィールドの中にSTA1のAIDと一致するフィールドが存在するかを確認する(S302)。フレーム解析部1134が、ID管理部1133が保持するAID(STA1がAPから割り当てられたAID)(つまり、本実施形態ではAID = 1)と一致するAIDを含むPer User Infoフィールドを検出したとき(S303のYes)、そのPer User InfoフィールドのRU allocation informationサブフィールドの値と、STA PHY parameterの値とをメモリに格納する。
一方、1つ以上のPer User Infoフィールドの中にSTA1のAIDと一致するAIDを含むPer User Infoフィールドを検出できなかった場合には、そのTriggerフレームに対しては(S303のNo)、何も応答しない。
TriggerフレームのCRC検査結果がOKであった場合、フレーム解析部1134は、メモリに一時的に格納していたパラメータ(RU pattern、Common PHY parameter、RU allocation information、STA PHY parameter)を、送信パラメータ指定部1131に転送する。
データフレーム生成部1132は、フレーム解析部1134がSTA1のAIDがTriggerフレームのAIDと一致したと判定した場合、STA1内に送信すべきデータがあるならば、データフレーム(例えば、QoS Dataフレーム)を生成する(S304)。データフレームを生成する場合、MACヘッダ内のDuration/IDフィールドの16ビットのうち、例えば従来と同様Duration/IDフィールドにAIDが入っていることを示すために上位2ビットを [15:14]=2’b11に設定し、少なくとも下位11ビットの値にSTA1のAIDを設定する(S305)。このAIDはID管理部1133に保持されたものを使う。ここではデータフレームを送信する場合を記載したが、管理フレームや制御フレームでもよく、その場合はそれらのフレームのDuration/IDフィールドにAIDを設定することになり、従ってデータフレーム生成部1132はフレーム生成部1132と言い換えてもよい。またAggregateフレームを生成してもよい。Aggregateフレームを生成する場合、各MACフレームのDuration/IDフィールドには共通してAIDを設定することが望ましい。同じAID情報を入れることでいずれかのMACフレームの受信に成功すればAPはAID情報を取得でき、ロバストな仕組みとなる。
送信パラメータ指定部1131は、データフレームを送信する前に、下記のパラメータを変調部11220に通知する。下記の例はSTA1に対するものである。
・RU pattern = 20
・Common PHY parameter
- 周波数帯域幅 = 20MHz幅
- Guard Interval長 = 3.2usec
・RU allocation information = (3, 0)
・STA parameter
- MCS = 7
- LDPC = 0(LDPCは適用しない意味)
- Nsts = 1
- Tx Power = 10
データフレーム生成部1132がQoS Dataフレームを生成した後、制御部1139はそのフレームを送信するように指示すると、データフレーム生成部1131はフレームを変調部1120へ転送する。これにより、図8のフレームシーケンスにおけるSTA1の段に示すようなフレームが送信される(S306)。PHYヘッダは20MHzで送信され、MACフレームはRUの帯域で送信される。
APは、STA1が送信したQoS DataフレームのDuration/IDフィールドに設定されたAIDを抽出する。その後、APがMulti-STA BAフレームを生成する際に、Per STA Info 1フィールドのAIDサブフィールドに、その抽出されたAIDを設定する。こうして、APからのMulti-STA BAフレームを受信したSTA1は、Multi-STA BAフレーム内の複数のPer STA Infoフィールドから、自装置のAIDと一致するPer STA Infoフィールドを探し出すことが出来る。そして、Per STA Infoフィールドから自端末が送信したQoS Dataフレーム(Aggregateフレームでもよい)の送信が成功したかを判断する。DL-OFDMAまたはDL-MU-MIMOによりBAフレームまたはACKフレームを送信する場合もHE-SIG-Bフィールド(後述)にSTAを分離するためにIDを入れる。このため、このIDがAIDあるいはpartial AIDであれば、Duration/IDフィールドに設定したIDを、同様にこのパケット生成にも活用することができる。またこのときは、STAの受信動作としては、HE-SIG-BフィールドからAIDあるいはpartial AIDを抽出し、自STA宛てBAフレームまたはACKフレームを受信復号する。DL-MU送信時のパケットでは、図13Aに示すように、HE-SIG-AとHE-STFの間にHE-SIG-Bが追加される。HE-SIG-Bフィールドの一部(先頭側)がチャネル幅で送信され、残りの一部(末尾側)が宛先となるSTA毎に異なるリソース(リソースユニット)で送信されてもよい。この場合、STAを分離するためのIDは、チャネル幅の先頭側の部分と、STA毎のリソースで送信される末尾側の部分どちらの部分に設定してもい。なお、HE-SIG-Bフィールドの全部がチャネル幅で送信される構成、またはHE-SIG-Bフィールドの全部がSTA毎の異なるリソースで送信される構成も可能である。
上述した実施形態においてHE-SIG-AにTXOP Duration情報を設定する場合、TXOP Duration情報に従ってNAVを設定した第3者端末(3rd STA)は、その後のパケット部分(MACフレームを含む)を復号できなくても、EIFS(Extended InterFrame Space)を起動しないようにしてもよい。これによりフレームシーケンス完了後の無線媒体のアクセスにおいて、端末間で無線媒体へのアクセスで不公平が生じるのを防止できる。
上述した実施形態では各STAがDuration/IDにAIDを設定してUL-OFDMA送信する能力を有していたが、APはSTAとの接続時に、STAがこのような設定を行う能力(Capability)を有するかを取得してもよい。すなわち、STAは、アソシエーションプロセス時にアソシエーション要求フレームに当該Capabilityを通知する情報エレメントを追加し、APはこれに基づきSTAの能力を把握してもよい。当該能力を有するSTAのみを対象にTriggerフレームでSTAを指定してもよい。または、当該能力を有さないSTAが存在するときは、SU送信に任せる(UL-MUをさせない)、あるいはBA送信をDelayed BAの設定とし、個々のSTAからSU-ULでBAR (BlockAck Request)フレームを受信したらSIFS後にACKフレームを送信し、その後、DL-SUの形式で媒体へのアクセス権を取り直すなどしてBAフレームを送信するなどしてもよい。
なおDL-MU-MIMOは、ビームフォーミングと呼ばれる技術を用いることで、複数のSTAに対して空間的に直交したビームを形成して、フレーム送信を行う。ビーム形成のために、各STAとのダウンリンクの伝搬路応答を利用する。このためにAPは、たとえば、事前にサウンディング用のフレーム(たとえばヌルデータパケット)を各STAに送信して、STAで測定されたダウンリンクの伝搬路応答のフィードバックを受ける。これにより各STAのダウンリンクの伝搬路応答を取得する。伝搬路応答を利用して各STAとのビームを形成するには公知の手法を用いればよい。例えば、STAへの送信信号にアンテナごとに重みづけを行って、重みづけした送信信号をそれぞれのアンテナから送信する。これを複数のSTAについてそれぞれ行い、複数のSTAのアンテナ毎の信号を同時に送信する。STA毎に、送信信号の重みづけは当該STAで送信信号が適正に受信され、それ以外のSTAではヌル信号が受信される(すなわち送信信号が受信されない)ように行う。DL-MU-MIMOについては、IEEE802.11ac規格で定められており、これを利用してもよい。DL-OFDMAは、UL-OFDMAと通信方向が逆であり、APから複数のSTAへOFDMAで送信を行うものである。通信方向が異なる点以外は基本的に同じであるが、PHYヘッダの構造が異なってもよい。
(本実施形態の効果)
関連技術では、APがSTAから受信したQoS DataフレームのAddress 2フィールドからSTAのMACアドレスを抽出し、そのMACアドレスに基づき、MACアドレスとAIDとの対応テーブルからAIDを検索していた。このため、APに接続されるSTAが多い場合に、テーブルを保持するメモリに大きな容量が必要であった。また、AIDを検索する時間が長くなり、UL-OFDMAのフレーム受信の完了からSIFS後に応答フレーム(Multi-STA BAフレーム)を送信する場合に、応答フレームの生成が間に合わない可能性があった。これに対して、本実施形態によれば、APは、STAからのQoS DataフレームのDuration/IDフィールドから抽出したAIDをそのままMulti-STA BAフレームのPer STA Infoフィールドにおける所定のフィールド(AIDフィールド)に設定すればよい。これによって、MACアドレスとAIDとの対応テーブルを保持するメモリを削減することができ、また、APに接続するSTAが増加した場合においても、APがSTAのAIDを特定する時間を大幅に削減することができる。
(UL 送信時のバリエーション)
上記の実施形態は、APが送信するTriggerフレームに対して、STAがUL-MUでフレーム送信を行う場合に、当該フレームのDuration/IDフィールドにAIDを設定したが、この方法は、他のフレームシーケンス例にも適用可能である。すなわち、APからTriggerフレームを受信することなく、1台のSTAが自発的にフレーム送信を行うUL-SU(Uplink Single User)の場合にも適用可能である。具体的には、そのUL-SUで送信するフレーム(QoS Dataフレーム等)のDuration/IDフィールドに、STAのAIDを設定する。APはそのQoS Dataフレームに対して、1つのPer STA Infoフィールドを含めたMulti-STA BAフレームを返信する。あるいはDuration/IDフィールドのAID情報は用いず、そのまま通常の単一STA宛てであるBAあるいはACKフレームを生成しても、障害にはならない。
(UL-MU方式のバリエーション)
上記の実施形態ではUL-MUとしてUL-OFDMAを用いる例を示したが、UL-MU-MIMOを用いてもよい。UL-MU-MIMOについて簡単に説明する。UL-MU-MIMOは、複数のSTAが同じタイミングで、それぞれ同一周波数帯でフレームをAPに送信(空間多重送信)することで、アップリンク送信の高効率化を図るものである。図13Bは、MU-MIMOの概念を説明するための図である。AP11が、4台のSTA1〜4とUL-MU-MIMOを行う状況を想定する。STA1〜4は、同じチャネル(20MHz、40MHz、80MHzなど帯域幅は任意でよい)を利用して、同時にフレームを送信する。APは、これらのフレームを同時に受信するが、各フレームの物理ヘッダに含まれるプリアンブル信号を利用して、これらのフレームを分離できる。以下、これについて詳細に説明する。
AP11は、UL-MU-MIMOによって伝送された各STAのフレームを同時に重ね合わさった信号として受信する。UL-MU-MIMOでは、APは、複数のSTAから同時に受信した信号から各STAのフレームを空間的に分離する必要がある。このために、AP11は、複数のSTAのそれぞれとのアップリンクの伝搬路応答を利用する。APは、各STAのアップリンクの伝搬路応答を、複数のSTAが送信するフレームの先頭側に付加されるHE Preamble内のプリアンブル信号を利用して推定できる。プリアンブル信号は、HE-STFまたはHE-LTFで送信してもよいし、別のフィールドで送信してもよい。
プリアンブル信号は、既知ビット列あるいは既知のシンボル列で構成される。AP11は、既知ビット列を利用して、アップリンクの伝搬路応答を推定することで、プリアンブル信号より後のフィールドを正しく空間的に分離(復号)出来る。これは、公知の手法、例えばZF(Zero−Forcing)法、または、MMSE(Minimum Mean Square Error)法、または、最尤推定法等、任意の方法を用いて行うことができる。各STAのプリアンブル信号は互いに直交している。このため、AP11が、各STAから同時に受信したプリアンブル信号を個別に識別できる。これにより、AP11は、STA毎のプリアンブル信号を用いて、各STAからAP11へのアップリンクの伝搬路を推定できる。プリアンブル信号より後では、STA毎に別個の信号が送られるが、推定した伝搬路応答を利用して、これらの信号を分離できる。
STA間のプリアンブル信号の直交化の方法として、時間的、周波数的および符号的のいずれの方法を用いることができる。時間直交の場合には、プリアンブル信号用のフィールドが複数の区間に分割され、各STAのプリアンブル信号が異なる区間で送信される。ある区間には、いずれか1台数STAのみがプリアンブル信号を送信していることになる。つまり、あるSTAがプリアンブル信号を送信する間、他のSTAは何も送信しない期間になる。周波数直交の場合には、各STAが互いに直交関係にある周波数でプリアンブル信号を送信する。符号直交の場合には、各STAがそれぞれ直交行列の互いに異なる行(または互いに異なる列)に含まれる値列(より詳細には値列に対応するシンボル列)を配置した信号を送信する。直交行列の各行(または各列)は互いに直交の関係にある。いずれの直交化の方法でも、AP11では各STAのプリアンブル信号を識別可能である。
各STAに互いに直交するプリアンブル信号を使用させるために、各STAが使用するプリアンブル信号およびその送信方法の情報を、APは与えておく必要がある、具体的には、時間直交の場合には、どのタイミングでそれぞれプリアンブル信号(プリアンブル信号はSTA間で同じでもよいし、異なってもよい)を送信するか、周波数直交の場合にはどの周波数でそれぞれプリアンブル信号(プリアンブル信号はSTA間で同じでもよいし、異なってもよい)を送信するか、符号直交の場合にはどの符号化パターン(直交行列のどの行または列のパターン)を用いてプリアンブル信号を送信するか、の情報が必要となる。このような互いに直交するプリアンブル信号は、UL-MU-MIMOで各STAが使用するリソースに対応する。UL-OFDMAで各STAが使用するリソースは、RU(リソースユニット)に対応する。
先に図5に示したフォーマットは基本的にUL-MU-MIMOで送信するフレームに対しても同様に用いることができる。また、UL-MU-MIMO の場合、周波数上での分割ではなく、空間上での分割になるため、その違いに応じて、Triggerフレームの構成も適宜変更を加えればよい。例えばUL-OFDMAの場合のトリガーフレームのフォーマット(図6参照)において、RU allocation informationフィールドを、SS allocationフィールドに変更してもよい。SS allocationフィールドには、STAに割り当てるストリームを特定する情報、ストリームの個数等、STAが自端末が使用するストリームを決定するための情報を設定すればよい。例えば上記のプリアンブル信号またはその送信方法を特定するための情報を設定してもよい。また、RU patternフィールドに、プリアンブル信号のセットまたはその送信方法のセットまたはこれらの組のセットに、複数のパターンがある場合に、どのパターンかを特定する情報を設定してもよい。時間的、周波数的および符号的な送信方法のいずれを指すのかを識別する情報を、RU patternフィールドに設定してもよい。ここで述べた以外の情報を設定することも可能である。図8以降で述べた動作およびシーケンスの説明は、UL-OFDMAの場合であるが、UL-MU-MIMOの場合は、周波数上の分割ではなく、空間上の分割のため、その部分の表現を置き換えて読めば同様に適用可能である。
なお、UL-OFDMAとUL-MU-MIMOを組み合わせた方式(UL-OFDMA&UL-MU-MIMO)を用いる場合のトリガーフレームでは、上述したUL-OFDMAとUL-MU-MIMOのそれぞれを行うために必要な情報をトリガーフレームに設定すればよい。図8以降で述べた動作およびシーケンスの説明は、UL-OFDMAの場合であるが、UL-OFDMA&UL-MU-MIMOの場合は、周波数上の分割と、空間上の分割との両方を用いるため、その部分の表現を置き換えて読めば同様に適用可能である。なお、UL-OFDMA&MU-MIMOは、リソースユニット毎に、複数の端末が同じリソースユニットを利用して、MU-MIMO送信を行うことになる。同じリソースユニットを利用する複数の端末は、UL-MU-MIMO送信用にそれぞれ異なるプリアンブル信号またはその送信方法またはそれらの組み合わせを用いる。リソースユニットが異なる端末間では、同じプリアンブル信号を用いても問題ない。
(第2の実施形態)
本実施形態は、APが、Triggerフレームで指定するSTAの分だけMACアドレスとAIDとを対応づけたテーブルを、Triggerフレーム送信するときにメモリ等に保持しておき、STAからUL-MU送信されたフレームを受信したときは、このテーブルとフレームに含まれるMACアドレスとからAIDを特定することを特徴とする。
APは、送信するMulti-STA BAフレームに設定するAIDがわかればよいので、全てのAIDを事前に保持する必要はない。制御部339がTrigger生成部331にTriggerフレームを生成する指示をする時点で、Triggerフレームによって送信を許可するSTAのMACアドレスとAIDの組を、すべてのSTAのMACアドレスとAIDとを対応付けた情報からID管理部333に転送しておく。この情報は、例えばMAC層部330を管理するファームウエア等の管理部によって管理されており、メモリに比べて、ファームウエアへのアクセスには大きな時間を要する。
ID管理部333は、例えば、下記のような情報をファームウエア等から取得して、AID情報テーブルとしてメモリに保持する。
MACアドレス1(STA1) − AID1
MACアドレス2(STA2) − AID2
MACアドレス3(STA3) − AID3
MACアドレス4(STA4) − AID4
図14に、本実施形態に係るAPの処理フローを示す。第1の実施形態のAPの処理フローとの差分として、ステップS111、S112、S113が追加されている。APは、Triggerフレームを生成したら、Triggerフレームによって指定したSTAについてのみ、MACアドレスとAIDとを対応づけた情報(AID情報テーブル)を生成し、ID管理部1133で管理する。
APでSTAからUL-OFDMAで送信されるQoS Dataフレームを受信した場合、CRCチェック後、フレーム解析部334は、QoS DataフレームのAddress 2フィールドからMACアドレスを抽出する(S112)。
フレーム解析部334は、抽出したMACアドレスをID管理部1133に転送する。ID管理部1133は、Triggerフレームを送信する時点で保持したAID情報テーブルを用いて、MACアドレスに対応するAIDを取得する(S113)。ID管理部1133は、取得したAIDを応答フレーム生成部332に出力する。
応答フレーム生成部332は、BA Bitmap情報とAIDからMulti-STA BAフレームを生成し、送信する(S108〜S110)。
端末側の動作は、UL-OFDMAで送信するQoS DataフレームのDuration/IDフィールドにSTAのAIDを設定する必要はない。AIDを設定しないこと以外は、第1の実施形態1と同様の動作である。STAがAIDを設定することが不要なのは、AP側でMACアドレスとAIDとを対応づけたAID情報テーブルを保持しているからである。
(第2の実施形態の効果)
本実施形態によれば、AID情報テーブルに保存する情報は、Triggerフレームで指定するSTAのMACアドレスとAIDに制限、すなわち、UL-MUの多重数に制限される。ほとんどの場合、APに接続可能なSTA数に比べて、UL-MUの多重数の方が少ない。これによって、メモリ容量を削減することができ、また、APがAIDを検索する時間を大幅に削減することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、TriggerフレームにUL-MU送信させるSTAのID(AID)をリソースユニット(RU)に対して設定した。一方、Triggerフレームでリソースユニット(RU)に対して特定のSTAのIDを設定せず、複数のSTAが任意のリソースユニット(RU)にアクセスすることを許容する方式がある。これをOFDMA based random access方式と呼ぶ。
この方式では、各STAが乱数を振り、出た目の数を一定の規則に従って減少させていき、特定の値(ここでは0とする)になると、選択権を獲得し、STAから、OFDMA based random accessが許可されたRUからRUを選択してアクセスする(当該RUでフレームを送信する)ことができる。その一定の規則は、一例としてTriggerフレームを受信するごとに、TriggerフレームでOFDMA based random accessが許可されたRUの個数分だけ上記乱数から減算する方法がある。あるいはTriggerフレームを受信した回数に応じた値を乱数から減算する方法がある。ここで述べた以外の方法でもかまわない。
図15に、第3の実施形態に係るフレームシーケンスの例を示す。STAがOFDMA based random access方式でのアクセスを許容されるRUに対して、Triggerフレームに含めるAIDを、所定値に設定する。現状、0はAID の値として使用されていないため、所定値として0をOFDMA based random accessを許容するRUを指定する値として使用する。ただし、0以外の他の値でもよい。あるいは、Common InfoフィールドにOFDMA based random accessを許容することを示す情報を設定してもよい。
今、STA1、STA2、STA3およびSTA4が、OFDMA based random access方式に従って、それぞれSTA1はRU allocation information 1で送信することを決定し、STA2はRU allocation information 2で送信することを決定し、STA3はRU allocation information 3で送信することを決定し、STA4はRU allocation information 4で送信することを決定したとする。このとき、STA1〜STA4は、それぞれが送信するフレーム(DATA1〜DATA4)のDuration/IDフィールドに自装置のAID(1〜4)を設定する。
APは、STAから受信したDATAフレームのDuration/IDフィールドからAIDを抽出し、抽出したAIDをMulti-STA BAフレーム内のPer STA infoフィールドのAIDフィールドに設定する。Multi-STA BAフレームを受信したSTA、例えば、STA1は、Multi-STA BAフレームのAID= 1が設定されたPer STA Infoフィールドを検出することで、自端末の送信が成功したことを把握できる。また、AID=1に対応するBA Bitmap1を確認することで、送信したフレーム(例えばAggregateフレーム内の各サブフレーム)の送達確認情報を把握できる。
(第3の実施形態の効果)
OFDMA based random access方式を用いる場合では、どのSTAがフレームを送信するのかをAPはTriggerフレームを送信する時点ではわからない。しかし、STAが送信するフレームのDuration/IDフィールドにAIDを設定することで、OFDMA based random access方式においても、APは、受信したフレームから当該フレームを送信したSTAのAIDを高速に特定して、Multi-STA BAフレームを生成および返信することが可能である。
(第4の実施形態)
AIDの11ビットの値のうち、AIDとして現行使われている1〜2007の一部である例えば、1〜1751までをAPに接続したSTAに割り当てる番号として用い、1752〜2007までの値を一時IDとして用いる。あるいはAIDは現状は1~2007であるがDuration/IDフィールド内でそれを表すビット数としては14ビットあり、2008〜16383は将来拡張のために予約(リザーブド)されているため、それらの値(の一部)を一時IDとして用いてもよい。STAは、第3の実施形態で説明したOFDMA based random access方式で送信する場合に、STAは、ランダムアクセス可能なRUに対応づけられた一時IDをDuration/IDフィールドに設定して、フレームを送信する。第4の実施形態に係るフレームシーケンスの例を図16に示す。一時IDが割り当てられたRUが、OFDMA based random access方式での使用が可能なRUである。
APは、Triggerフレームを生成する場合、各Per User Infoフィールドに設定するIDとして一時IDを選択して、Per User Infoフィールドに設定する。またPer User Infoフィールドには、RUを指定する情報等も設定する。例えばPer User Info 1〜Per User Info 4フィールドに以下のように設定する。Temp IDは、一時IDのことである。
・Per User Info 1:(Temp ID=1752, RU allocation information 1)
・Per User Info 2:(Temp ID=1753, RU allocation information 2)
・Per User Info 3:(Temp ID=1754, RU allocation information 3)
・Per User Info 4:(Temp ID=1755, RU allocation information 4)
APは、上記のPer User Info 1〜Per User Info 4フィールドを含むTriggerフレームを送信する(図16参照)。APは、Triggerフレームを送信した直後に、Temp IDとRU allocation informationとを対応づけたテーブル(一時ID情報テーブル)を生成し、ID管理部333で保持する。
STA1は、上記のOFDMA based random access方式に従って、RU allocation information 1で送信することを決定し、RU allocation information 1でDATA1フレームを送信したとする(図16参照)。STA1は、APから受信したTriggerフレームのPer User Info 1フィールドからTemp ID1=1752を抽出し、抽出した一時IDを、ID管理部1133で保持する。DATA1フレームのDuration/IDフィールドに、TempID2(=1752)およびSTA1のAIDのいずれも含める必要はない。
同様に、STA2は、RU allocation information 2で送信することを決定し、RU allocation information 2でDATA2フレームを送信したとする(図16参照)。Temp ID2=1753をID管理部1133で保持する。DATA2フレームのDuration/IDフィールドに、TempID2(=1753)およびSTA2のAIDのいずれも含める必要はない。
STA3は、RU allocation information 3で送信することを決定し、RU allocation information 3でDATA3フレームを送信したとする(図16参照)。Temp ID3=1754をID管理部1133で保持する。DATA3フレームのDuration/IDフィールドに、TempID3(=1754)およびSTA3のAIDのいずれも含める必要はない。
STA4は、RU allocation information 4で送信することを決定し、RU allocation information 4でDATA4フレームを送信したとする(図16参照)。Temp ID4=1755をID管理部1133で保持する。DATA4フレームのDuration/IDフィールドに、TempID4(=1755)およびSTA4のAIDのいずれも含める必要はない。
ID管理部1133で保持した一時IDは、各STAがMulti-STA BAフレームからBA Bitmap情報を取得する場合のID照合に用いられる。
(APがMulti-STA BAを生成し、送信する)
APのフレーム解析部334は、復調部310から各RU allocation informationに関する情報と共に、各RUで受信された DATAフレームを取得する。フレーム解析部334は、STA1についてDATA1フレームがRU allocation information 1に割り当たっていることをフレーム解析部334は認識する。次にID管理部333は、Triggerフレーム送信時に保持した情報テーブルからRU allocation information 1の一時IDは1752であることを認識する。このようにして、DATA1フレームの送達確認情報を設定するBA Bitmap1の一時IDは1752となり、応答フレーム生成部332はPer STA Info 1にはID = 1752とBA Bitmap1等を含める。
STA2〜STA4に対してのPer STA Info 2〜Per STA Info 4フィールドも、STA1と同様に生成する。
APは、生成したMulti-STA BAフレームを、UL-MUでの受信完了からSIFS後に、送信する(図16参照)。APはMulti-STA BAフレームを送信後に、受信したUL-MUフレームから抽出したMACアドレスを一時IDに紐付け、BA Bitmapの記録を用いてMACアドレスに対する受信ステータスを更新することができる。
STA1〜STA4は、APから送信されたMulti-STA BAフレームを受信する。
STA1は、DATA1フレームを送信したときに保持したID = 1752と一致するPer STA Infoフィールドを探す。STA1は、IDが一致するフィールドはPer STA Info 1フィールドであると認識する。Per STA Info 1フィールド内のBA Bitmap1を取得し、DATA1フレームの送達確認情報を確認する。STA2〜STA4も、STA1と同様の処理を行う。
(第4の実施形態の効果)
APがOFDMA based random accessを適用してTriggerフレームを送信する場合、OFDMA based random accessを適用するRUに一時IDを割り当てる。APはTriggerフレームを送信する時点で、Resource Unit(RU)と一時IDのテーブル(一時ID情報テーブル)を作成できる。
APは、STAからUL-OFDMAでフレームを受信した場合、DATAフレームを受信したRUを把握できるため、DATAフレームが受信できたRUから、一時IDの値も特定できる。したがって、そのSTA用のPer STA Infoフィールドに含めるID(一時ID)も高速に特定できる。
この結果、STAがDuration/IDフィールドにID(一時ID)を設定しなくても、AP側の実装のみで、Multi-STA BAフレームを生成できる。よって、APに接続しているすべてのSTAのMACアドレスとAIDを対応させたテーブルをファームウエア等から取得してメモリに保存しておく必要はなく、メモリ容量を削減することができる。また、APに接続するSTAが増加した場合においても、ID(一時ID)を検索する時間を、大幅に削減することができる。
さらに、STAがAPに接続する前でAIDを有していない場合にも本実施形態によりOFDMA based random accessに基づいたフレーム交換がSTAとAPの間で実現できる。
(第5の実施形態)
第4の実施形態では、異なるSTAが同じRUで送信した場合、同じRUで送信した複数のSTAは、同じ一時IDを自装置のBA Bitmap特定用のIDであると認識していることになる。仮に、APが、そのうち1つのSTAのフレームを受信できた場合、受信できたRUの一時IDを用いて、Multi-STA BAフレームを返信する。しかし、その一時IDを自装置のIDであると認識しているSTAは複数台存在するので、それぞれが自装置のBA Bitmapだと誤認識してしまう。第5の実施形態では、一時IDを利用する方式(一時ID割り当て方式)に基づくUL-OFDMA送信を、STAが自装置のバッファ状態(Buffer Status)を、APに報告させるために行う。ここでBuffer Statusは、STAのデータ送信の要求有無に関する情報を含む。一例として、Buffer Statusは、STAが送信したいデータフレームを持っているかどうかの情報を含む。また、データを持っている場合、どの程度のデータ量なのかについての情報を含んでもよい。
図17に、第5の実施形態に係るフレームシーケンスの例を示す。
第4の実施形態と同様にして、APは、一時ID割り当て方式に従ってTrigger1フレームを生成して、送信する。Trigger1フレームには、一時IDとRU allocation informationとの対応が含まれる。Buffer Statusを報告するためにSTAに使用させるフレームとしては、例えば、QoS Nullフレームを使うものとし、当該フレームの使用を指定する情報を、Trigger1フレームに含めてもよい。なお、QoS Nullフレームは、MACヘッダを有するが、フレームボディフィールドは有さないフォーマットを有する。
Triggerフレームを受信した各STAは、自装置のBuffer Statusの情報を含むQoS Nullフレームを生成し、Triggerフレームで一時IDが割り当てられたRUの中から任意に選択したRUで、QoS Nullフレームを送信する。
APは各STAからのBuffer Statusの情報に基づいて、データフレームの送信を許可するSTAを決定する。APは、決定したSTAに対して送信を許可するために、Trigger2フレームでそれらのSTAのAIDを含める(このTrigger2フレームでは、送信を許可するSTAを指定する)。
Trigger2フレームによって指定されたSTAが送信するDATAフレームのDuration/IDフィールドには、第1の実施形態のように、各STAが自装置のAIDを設定する。
このようにすると、もしSTA4とSTA5が同じRUでBuffer Statusを送信し、APがSTA4からのBuffer Statusを正常に受信し、STA5からのBuffer Statusを受信しなかったとする。このとき、APが送信するMulti-STA BAフレームを受信したSTA4とSTA5は、同じ一時IDを自装置のIDであると認識しているので、両方のSTAとも自装置宛にAPから返答があったと認識する。しかしながら、APはTrigger2フレームによって、送信を許可したSTAはSTA1〜STA4であるので、STA5はTrigger2フレームを受信したときに、STA5が送信したBuffer StatusをAPが受信しなかったことが、事後的にではあるがわかる。これにより、第4の実施形態における、STAが送信するDATAフレームをAPが受信したと誤認識する問題は生じない。
(第6の実施形態)
本実施形態は、OFDMA-based random access方式を用いる場合に、APのID管理部333のテーブルに保持するMACアドレスとAIDとの組のエントリ数を制限し、そのテーブルにヒットしなかったSTAからのフレームに対しては、BA Bitmap応答を行わない。次回のTriggerフレームでそのSTAのAIDを指定して、フレームの送信を許可し、そのフレームに対してBA Bitmap応答を行う。
図18に、第6の実施形態に係るフレームシーケンスの例を示す。
APは、Trigger1フレームにおける各Per User Infoフィールドそれぞれに
AID = 0, RU allocation information 1
AID = 0, RU allocation information 2
AID = 0, RU allocation information 3
AID = 0, RU allocation information 4
を含めて送信する。AID =0を設定することで、Trigger1フレームを受信したSTAに対し、RU allocation information 1〜4は、OFDMA-based random access方式でアクセス可能であることを通知する。
APのID管理部333が保持するAID情報テーブルには、以下のような情報が格納されていたとする。MACアドレス1〜MACアドレス3は、STA1〜STA3のMACアドレスであり、AID1〜AID3は、STA1〜STA3のAIDである。AID情報テーブルに登録する情報は任意の方法で選択したSTAのものでよい。例えば直前にUL-OFDMAを行ったSTA群でもよい。次にUL-OFDMA送信する可能性が高いSTAを任意の方法で算出し、当該算出したSTAのものでもよい。ここで述べた以外の方法で選択したSTAのものでもよい。
MACアドレス1−AID1
MACアドレス2−AID2
MACアドレス3−AID3
APから送信されたTrigger1フレームに対して、STA1、 STA2、 STA4が、DATA1フレーム、DATA2フレーム、DATA4フレームをそれぞれ送信したとする(UL-OFDMA1)。この際STA1〜STA4は、Duration/IDフィールドに自装置のAIDを設定する必要はない。APのID管理部333は、STA1とSTA2のAIDおよびMACアドレスを保持しているが、STA4のAIDおよびMACアドレスを保持していない。
APはID管理部333が保持しているSTA1とSTA2に関してのみ、それぞれのMACアドレスをからAIDを特定し、また、それぞれのBA Bitmapを作成する。そして、Per STA Info 1フィールドがAID1とBA Bitmap1を含み、Per STA Info 2フィールドがAID2とBA Bitmap2を含む、Multi-STA BA1フレームを生成する。APは、ID管理部333でSTA4のAIDを保持していないので、この時点ではSTA4に対しBA Bitmapを返信しない。なお、APで動作するファームウエア等では、STA4のAIDとMACアドレスとも管理されている。
APは、MACアドレス4がAID情報テーブルになかったため、APのID管理部333のAID情報テーブルを以下のように更新する。ここではSTA3のAID3およびMACアドレス3を削除し、STA4のAIDおよびMACアドレスを追加した(ここでは、AIDとMACアドレスの組を3組しか保持できない場合を仮定している)。
MACアドレス1−AID1
MACアドレス2−AID2
MACアドレス4−AID4
APは、各Per User Infoフィールドそれぞれに
AID = 0, RU allocation information 1
AID = 0, RU allocation information 2
AID = 0, RU allocation information 3
AID = AID4, RU allocation information 4
を含めたTrigger2フレームを送信する。
AID =0を設定しているRU allocation information 1〜3については、Trigger1フレームの場合と同様、OFDMA-based random access方式でアクセス可能であることを指定する。一方、RU allocation information 4では、0ではなく、AID4を指定する。APは、UL-OFDMA1で送信されたDATA4フレームに対しBA Bitmapを返信できなかったが、今回STA4に対してBA Bitmapを返信できる状態にあるため、Trigger2フレームの後に、DATA4フレームを送信する機会を与える。
Trigger2フレームを受信したSTAのうちSTA1、STA2、STA4が、DATA1フレーム、DATA2フレーム、DATA4フレームをそれぞれ送信したとする(UL-OFDMA2)。なお、UL-OFDMA2で送信するDATA1、DATA2、DATA4フレームは、UL-OFDMA1で送信するDATA1、DATA2、DATA4フレームと同じであっても、異なっていてもよい。APのID管理部333は、STA1, STA2とSTA4について、それぞれのAIDとMACアドレスとを保持している。より一般的にSTAまたはAPが複数の第Xフレームを時系列に送信すると表現する場合に、これら複数の第Xフレームの内容は同じであっても、異なってもよい。また、複数のSTAが複数の第Xフレームを多重送信する場合に、これら複数の第Xフレームの内容は同じであっても、異なってもよい。Xには任意の値が入る。
APはID管理部333が保持しているSTA1, STA2とSTA4に関して、BA Bitmapを作成する。つまり、Per STA Info 1フィールドにAID1とBA Bitmap1を設定し、Per STA Info 2フィールドにAID2とBA Bitmap2を設定し、Per STA Info 3フィールドにAID4とBA Bitmap4を設定することにより、Multi-STA BA2フレームを生成する。APは、UL-OFDMA2の受信完了からSIFS後に、Multi-STA BA2フレームを送信する。
(第6の実施形態の効果)
前述した第2の実施形態では、Triggerフレームを送信する段階で、UL-OFDMAで送信するSTAのAIDをAPが知っていることが前提だった。これに対して、第6の実施形態では、ID管理部333で管理するテーブルに、UL-OFDMAで送信するすべてまたは一部のSTAのAIDが登録されていなくてもよい。テーブルにAIDが登録されていないことにより応答できなかったSTAに関しては、その際にそのSTAのAIDを登録するようにテーブルを更新し、それ以降のTriggerフレームでは、直接そのSTAのAIDを指定して、優先的にRUを割り当てることができる。このようにしてOFDMA-based random access方式を用いた場合において、テーブルに登録するエントリ数を、UL-MUフレームの多重数に制限することができる。これによって、ID管理部333で管理する、STAのMACアドレスとAIDを対応させたテーブルを保持するメモリの容量を削減することができる。また、APに接続するSTAが増加した場合においても、APがAIDを検索する時間を大幅に削減することができる。
(第7の実施形態)
第3の実施形態における図15に示したフレームシーケンスでは、Triggerフレーム内のPer User Infoに含まれたAIDの値が0の場合に、そのPer User Infoに含まれるRUに対してSTAがアクセスするときにはOFDMA-based random access方式を用いた。そして、STAがUL-OFDMAを用いてDATAフレームを送信する場合、そのDuration/IDフィールドに、接続時にAPがそのSTAに割り当てたAIDを設定した。これに対して、第7の実施形態では、STAは、割り当てられたAIDを設定せず、STAがランダムに生成した値(Random ID)をDuration/IDフィールドに設定することを特徴とする。
これまでは、16ビットのDuration/IDフィールドのうち、bit[15:11] = 5’b11000である場合に、bit[10:0]をAIDとして割り当てていた(ただし、1以上の値)。今回、STAがランダムで生成したRandom IDであることを示すために、例えばbit[10]=1の場合に下位10ビットをRandom IDとし、bit[10]=0の場合には、下位10ビットをこれまでのAIDとする。このことを表にまとめると、下記のようになる。なお、現状リザーブドになっているbit[11]を用い、bit[10:0]はAIDもしくはRandom IDにするようにしてもよい。
Figure 2017121037
STAは、DATAフレームのDuration/IDフィールドにランダムに生成した値(RandomID)を設定する場合、Duration/IDフィールドのbit[15:10]を5’b110001に設定し、その上でbit[9:0]にランダムに生成した値(Random ID)を設定する。
STAはRandom IDを使った場合には、APからのMulti-STA BAフレームを受信するまで、ID管理部1133でRandomIDを保持する。
APはSTAから受信したDATAフレームのDuration/IDフィールドのbit[15:11] = 5’b11000である場合には、下位11ビットはID情報(AIDかRandomID)であると認識し、Multi-STA BAフレームのPer STA InfoフィールドにおけるAIDフィールドに、そのDuration/IDフィールドから抽出した値を設定すればよい。APはMulti-STA BAフレームを生成する時点で必ずしも、その抽出した値が、Random IDかAIDのどちらかを識別する必要はない。Random IDの場合に該当するMACアドレスの受信ステータスを更新する方法は第4の実施形態を参照すればよい。この場合、第4の実施形態での一時IDの代わりに本実施形態ではRandom IDとすればよい。
STAはMulti-STA BAフレームを受信した場合、自装置用のPer STA Infoフィールドを検索する。
STAがDATAフレームを送信する際にDuration/IDフィールドにAIDを設定したならば、Per STA InfoフィールドのAIDフィールドのビット[10]が0であるフィールドを検索する。見つけたフィールドのビット[9:0]が自装置のAIDに該当するかを判断する。
STAがDATAフレームを送信する際にDuration/IDフィールドにRandom IDを設定したならば、Per STA InfoフィールドのAIDフィールドのビット[10]が1であるフィールドを検索する。見つけたフィールドのビット[9:0]が自装置が生成したRandom IDに該当するかを判断する。
このようにして、Per STA InfoフィールドにおけるAIDフィールドに設定された値が、APが割り当てたAIDなのか、STAがランダムに生成したRandom IDなのかを、STAが識別することが可能である。
(第7の実施形態の効果)
OFDMA based random access方式を用いる場合、どのSTAがデータを送信するのかをAPはTriggerフレームを送信する時点ではわからない。しかし、STAが送信するフレームのDuration/IDフィールドにSTAがランダムに生成したIDを設定する方法を用いれば、OFDMA based random access方式においても、UL-OFDMAの受信完了からSIFS内にMulti-STA BAフレームを生成して返信することが可能である。なお、複数のSTAが同じRandomIDを生成した場合、Multi-STA BAフレームにおいて同じRandomIDを含む複数のPer STA Infoフィールドが存在することとなり得る。そのため、各STAで同じRandomIDを生成する可能性がないもしくは低いRandomID生成アルゴリズムを用いることが好ましい。
本実施形態も第4の実施形態と同様、STAがAPに接続する前でAIDを有していない場合にも本実施形態によりOFDMA based random accessに基づいたフレーム交換がSTAとAPの間で実現できる。
(第8の実施形態)
第1の実施形態では、STAがAIDをMACフレームのDuration/IDフィールドを用いて送信する例を示した。本実施形態では、PHYヘッダ、特にHE-PreambleにAIDを設定する方法を示す。
図19に、第8の実施形態に係るフレームシーケンスの第1の例を示す。各STAはTriggerフレームを受信した場合に、自装置のAIDだけでなく、全てのPer User Infoフィールドに含まれるAIDを抽出する。各STAがDATAフレームを送信する場合に、抽出した全てのAIDをPHYヘッダに含めて送信する。一例として各STAは、全てのAIDを、時間的にシリアルに送信する。より詳細には、予め決めた順序で所定のフィールドで送信する。これにより、各STAからは全てのAIDが同じAIDごとに同じタイミングで送信されるため、APでは、STAから同時に同じ帯域で送信されるこれらのAIDを正常に受信できる。PHYヘッダにAIDのビット列のすべてではなく、その一部(Partial AID)を含めるようにしてもよい。
図20に、第8の実施形態に係るフレームシーケンスの第2の例を示す。各STAは、Triggerフレームを受信した場合に、Per User Infoフィールドから自装置のAIDだけを抽出する。各STAがDATAフレームを送信する場合に、DATAフレームを送信するRUと同じRUを用いて、そのSTAのAIDだけを、HE-Preambleの所定のフィールドで送信する。つまり、HE-Preamble の一部はチャネル幅(例えば20MHz帯域)で送信されるが、残りの一部(AIDが設定される所定のフィールド)は20MHz帯域ではなく、RUの帯域で送信される。HE-Preambleの所定のフィールドで、AIDのビット列のすべてではなく、その一部(Partial AID)を含めるようにしてもよい。
(第9の実施形態)
前述した各実施形態は任意に組み合わせることが可能である。本実施形態では、第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせた例を示す。この場合、APが送信するTriggerフレームにおいて、OFDMA based random accessを用いて送信する指示と、特定のSTAに対してRUを割り当てる指示とを含める。STAがDuration/IDフィールドにAIDを設定するのはOFDMA based random accessを用いて送信する場合に限定する。
図21に、第9の実施形態に係るフレームシーケンスの例を示す。このフレームシーケンスでは、TriggerフレームでRUを割り当てるSTAは、STA2(AIDは2)であるとする。また、そのTriggerフレームでOFDMA based random accessにより別のRUへのアクセスを許可する通知も行う。この場合、その別のRUに対するAIDの値は、これまで説明した実施形態と同様、0であるとする。
この場合、APはTriggerフレームを送信する時点では、STA2についてはRUを指定するため、STA2のAIDを事前に特定する。一方、OFDMA based random accessによってアクセスしてくるSTAについてはどのSTAになるかはわからないため、APはそのAIDを特定できない。
図21において、STA4はDATA4フレームを、Triggerフレームに含まれるRU allocation information0とSTA PHY parameter0フィールドの情報を用いてUL-OFDMAで送信する。そのDATA4フレームのDuration/IDフィールドには、STA4のAIDを設定する(つまり、4を設定する)。
一方、STA2は、Triggerフレームに含まれるRU allocation information 2とSTA PHY parameter2フィールドの情報を用いて、DATA2フレームをUL-OFDMAで送信する。このときSTA2は、TriggerフレームでRUを指定されているため、DATA2フレームのDuration/IDフィールドにはAIDを設定しない。そのDuration/IDフィールドには0を設定してもよいし、APがMulti-STA BAフレームを送信し終わるまでの時間を設定してもよい。
APは、STA2とSTA4からのDATA2フレームおよびDATA4フレームを受信し、Multi-STA BAフレームを生成する。そのMulti-STA BAフレームを生成する際に必要なAIDは、STA2については、APがTriggerフレームを送信する時点でID管理部333が保持していたAID(ここでは2)である。一方、STA4については、DATA4フレームを受信したときにDuration/IDフィールドから抽出したAID(ここでは4)を用いる。これによって、APはMulti-STA BAフレームを生成することが可能となる。
(第10の実施形態)
図22は、第10の実施形態に係る基地局(アクセスポイント)400の機能ブロック図である。このアクセスポイントは、通信処理部401と、送信部402と、受信部403と、アンテナ42A、42B、42C、42Dと、ネットワーク処理部404と、有線I/F405と、メモリ406とを備えている。アクセスポイント400は、有線I/F405を介して、サーバ407と接続されている。通信処理部401は、一例として第1の実施形態で説明したMAC層部330と同様な機能を有している。送信部402は、一例として第1の実施形態で説明した変調部320、受信部403は一例として復調部310と同様な機能を有している。ネットワーク処理部404は、第1の実施形態で説明した上位処理部と同様な機能を有している。ここで、通信処理部401は、ネットワーク処理部404との間でデータを受け渡しするためのバッファを内部に保有してもよい。このバッファは、DRAM等の揮発性メモリでもよいし、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。
ネットワーク処理部404は、通信処理部401とのデータ交換、メモリ406とのデータ書き込み・読み出し、および、有線I/F405を介したサーバ407との通信を制御する。ネットワーク処理部404は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理やアプリケーション層の処理を行ってもよい。ネットワーク処理部の動作は、CPU等のプロセッサによるソフトウェア(プログラム)の処理によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
一例として、通信処理部401は、ベースバンド集積回路に対応し、送信部402と受信部403は、フレームを送受信するRF集積回路に対応する。通信処理部401とネットワーク処理部404とが1つの集積回路(1チップ)で構成されてもよい。送信部402および受信部403のデジタル領域の処理を行う部分とアナログ領域の処理を行う部分とが異なるチップで構成されてもよい。また、通信処理部401が、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理を実行するようにしてもよい。また、アンテナの個数はここでは4つであるが、少なくとも1つのアンテナを備えていればよい。
メモリ406は、サーバ407から受信したデータや、受信部402で受信したデータの保存等を行う。メモリ406は、例えば、DRAM等の揮発性メモリでもよいし、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。また、SSDやHDD、SDカード、eMMC等であってもよい。メモリ406が、基地局400の外部にあってもよい。
有線I/F405は、サーバ407とのデータの送受信を行う。本実施形態では、サーバ407との通信を有線で行っているが、サーバ407との通信を無線で実行するようにしてもよい。
サーバ407は、データの送信を要求するデータ転送要求を受けて、要求されたデータを含む応答を返す通信装置であり、例えばHTTPサーバ(Webサーバ)、FTPサーバ等が想定される。ただし、要求されたデータを返す機能を備えている限り、これに限定されるものではない。PCやスマートフォン等のユーザが操作する通信装置でもよい。また、基地局400と無線で通信してもよい。
基地局400のBSSに属するSTAが、サーバ407に対するデータの転送要求を発行した場合、このデータ転送要求に関するパケットが、基地局400に送信される。基地局400は、アンテナ42A〜42Dを介してこのパケットを受信し、受信部403で物理層の処理等を、通信処理部401でMAC層の処理等を実行する。
ネットワーク処理部404は、通信処理部401から受信したパケットの解析を行う。具体的には、宛先IPアドレス、宛先ポート番号等を確認する。パケットのデータがHTTP GETリクエストのようなデータ転送要求である場合、ネットワーク処理部404は、このデータ転送要求で要求されたデータ(例えば、HTTP GETリクエストで要求されたURLに存在するデータ)が、メモリ406にキャッシュ(記憶)されているかを確認する。メモリ406には、URL(またはその縮小表現、例えばハッシュ値や、代替となる識別子)とデータとを対応づけたテーブルが格納されている。ここで、データがメモリ406にキャッシュされていることを、メモリ406にキャッシュデータが存在すると表現する。
メモリ406にキャッシュデータが存在しない場合、ネットワーク処理部404は、有線I/Fを405介して、サーバ407に対してデータ転送要求を送信する。つまり、ネットワーク処理部404は、STAの代理として、サーバ407へデータ転送要求を送信する。具体的には、ネットワーク処理部404は、HTTPリクエストを生成し、TCP/IPヘッダの付加などのプロトコル処理を行い、パケットを有線I/F405へ渡す。有線I/F405は、受け取ったパケットをサーバ407へ送信する。
有線I/F405は、データ転送要求に対する応答であるパケットをサーバ407から受信する。ネットワーク処理部404は、有線I/F405を介して受信したパケットのIPヘッダから、STA宛のパケットであることを把握し、通信処理部401へパケットを渡す。通信処理部401はこのパケットに対するMAC層の処理等を、送信部402は物理層の処理等を実行し、STA宛のパケットをアンテナ42A〜42Dから送信する。ここで、ネットワーク処理部404は、サーバ407から受信したデータを、URL(またはその縮小表現)と対応づけて、メモリ406にキャッシュデータとして保存する。
メモリ406にキャッシュデータが存在する場合、ネットワーク処理部404は、データ転送要求で要求されたデータをメモリ406から読み出して、このデータを通信処理部401へ送信する。具体的には、メモリ406から読み出したデータにHTTPヘッダ等を付加して、TCP/IPヘッダの付加等のプロトコル処理を行い、通信処理部401へパケットを送信する。このとき、一例として、パケットの送信元IPアドレスは、サーバと同じIPアドレスに設定し、送信元ポート番号もサーバと同じポート番号(通信端末が送信するパケットの宛先ポート番号)に設定する。したがって、STAから見れば、あたかもサーバ407と通信をしているかのように見える。通信処理部401はこのパケットに対するMAC層の処理等を、送信部402は物理層の処理等を実行し、STA宛のパケットをアンテナ42A〜42Dから送信する。
このような動作により、頻繁にアクセスされるデータは、メモリ406に保存されたキャッシュデータに基づいて応答することになり、サーバ407と基地局400間のトラフィックを削減できる。なお、ネットワーク処理部404の動作は、本実施形態の動作に限定されるものではない。STAの代わりにサーバ407からデータを取得して、メモリ406にデータをキャッシュし、同一のデータに対するデータ転送要求に対しては、メモリ406のキャッシュデータから応答するような一般的なキャッシュプロキシであれば、別の動作でも問題はない。
上述の第1〜第3の実施形態で使ったフレーム、データまたはパケットの送信を、メモリ406に保存されたキャッシュデータを用いて実行してもよい。
本実施形態の基地局(アクセスポイント)を、第1〜第3の実施形態の基地局として適用することが可能である。本実施形態では、キャッシュ機能を備えた基地局について説明を行ったが、図22と同じブロック構成で、キャッシュ機能を備えた端末(STA)を実現することもできる。この場合、有線I/F405を省略してもよい。
(第11の実施形態)
図23は、端末(非アクセスポイントの端末)またはアクセスポイントの全体構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。端末またはアクセスポイントは、1つまたは複数のアンテナ1〜n(nは1以上の整数)と、無線LANモジュール148と、ホストシステム149を備える。無線LANモジュール148は、いずれかの実施形態に係る無線通信装置に対応する。無線LANモジュール148は、ホスト・インターフェースを備え、ホスト・インターフェースで、ホストシステム149と接続される。接続ケーブルを介してホストシステム149と接続される他、ホストシステム149と直接接続されてもよい。また、無線LANモジュール148が基板にはんだ等で実装され、基板の配線を介してホストシステム149と接続される構成も可能である。ホストシステム149は、任意の通信プロトコルに従って、無線LANモジュール148およびアンテナ1〜nを用いて、外部の装置と通信を行う。通信プロトコルは、TCP/IPと、それより上位の層のプロトコルとを含んでもよい。または、TCP/IPは無線LANモジュール148に搭載し、ホストシステム149は、それより上位層のプロトコルのみを実行してもよい。この場合、ホストシステム149の構成を簡単化できる。本端末は、例えば、移動体端末、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン、ゲーム装置、ネットワークストレージ装置、モニタ、デジタルオーディオプレーヤ、Webカメラ、ビデオカメラ、プロジェクト、ナビゲーションシステム、外部アダプタ、内部アダプタ、セットトップボックス、ゲートウェイ、プリンタサーバ、モバイルアクセスポイント、ルータ、エンタープライズ/サービスプロバイダアクセスポイント、ポータブル装置、ハンドヘルド装置、自動車等でもよい。
無線LANモジュール148(または無線通信装置)は、IEEE802.11に加え、LTE(Long Term Evolution)またはLTE−Advanced(standards for mobile phones)のような他の無線通信規格の機能を備えていてもよい。
図24は、無線LANモジュールのハードウェア構成例を示す。この構成は、無線通信装置が非アクセスポイントの端末およびアクセスポイントのいずれに搭載される場合にも適用可能である。つまり、図3または図11に示した無線通信装置の具体的な構成の一例として適用できる。この構成例では、アンテナは1本のみであるが、2本以上のアンテナを備えていてもよい。この場合、各アンテナに対応して、送信系統(216、222〜225)、受信系統(217、232〜235)、PLL242、水晶発振器(基準信号源)243およびスイッチ245のセットが複数配置され、各セットがそれぞれ制御回路212に接続されてもよい。PLL242または水晶発振器243またはこれらの両方は、本実施形態に係る発振器に対応する。
無線LANモジュール(無線通信装置)は、ベースバンドIC(Integrated
Circuit)211と、RF(Radio Frequency)IC221と、バラン225と、スイッチ245と、アンテナ247とを備える。
ベースバンドIC211は、ベースバンド回路(制御回路)212、メモリ213、ホスト・インターフェース214、CPU215、DAC(Digital to Analog Conveter)216、およびADC(Analog to Digital Converter)217を備える。
ベースバンドIC211とRF IC221は同じ基板上に形成されてもよい。また、ベースバンドIC211とRF IC221は1チップで構成されてもよい。DAC216およびADC217の両方またはいずれか一方が、RF IC221に配置されてもよいし、別のICに配置されてもよい。またメモリ213およびCPU215の両方またはいずれか一方が、ベースバンドICとは別のICに配置されてもよい。
メモリ213は、ホストシステムとの間で受け渡しするデータを格納する。またメモリ213は、端末またはアクセスポイントに通知する情報、または端末またはアクセスポイントから通知された情報、またはこれらの両方を格納する。また、メモリ213は、CPU215の実行に必要なプログラムを記憶し、CPU215がプログラムを実行する際の作業領域として利用されてもよい。メモリ213はSRAM、DRAM等の揮発性メモリでもよいし、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。
ホスト・インターフェース214は、ホストシステムと接続するためのインターフェースである。インターフェースは、UART、SPI、SDIO、USB、PCI Expressなど何でも良い。
CPU215は、プログラムを実行することによりベースバンド回路212を制御するプロセッサである。ベースバンド回路212は、主にMAC層の処理および物理層の処理を行う。ベースバンド回路212、CPU215またはこれらの両方は、通信を制御する通信制御装置、または通信を制御する制御部に対応する。
ベースバンド回路212およびCPU215の少なくとも一方は、クロックを生成するクロック生成部を含み、当該クロック生成部で生成するクロックにより、内部時間を管理してもよい。
ベースバンド回路212は、送信するフレームに、物理層の処理として、物理ヘッダの付加、符号化、暗号化、変調処理(MIMO変調を含んでもよい)など行い、例えば2種類のデジタルベースバンド信号(以下、デジタルI信号とデジタルQ信号)を生成する。
DAC216は、ベースバンド回路212から入力される信号をDA変換する。より詳細には、DAC216はデジタルI信号をアナログのI信号に変換し、デジタルQ信号をアナログのQ信号に変換する。なお、直交変調せずに一系統の信号のままで送信する場合もありうる。複数のアンテナを備え、一系統または複数系統の送信信号をアンテナの数だけ振り分けて送信する場合には、アンテナの数に応じた数のDAC等を設けてもよい。
RF IC221は、一例としてRFアナログICあるいは高周波IC、あるいはこれらの両方である。RF IC221は、フィルタ222、ミキサ223、プリアンプ(PA)224、PLL(Phase Locked Loop:位相同期回路)242、低雑音増幅器(LNA)、バラン235、ミキサ233、およびフィルタ232を備える。これらの要素のいくつかが、ベースバンドIC211または別のIC上に配置されてもよい。フィルタ222、232は、帯域通過フィルタでも、低域通過フィルタでもよい。
フィルタ222は、DAC216から入力されるアナログI信号およびアナログQ信号のそれぞれから所望帯域の信号を抽出する。PLL242は、水晶発振器243から入力される発振信号を用い、発振信号を分周または逓倍またはこれらの両方を行うことで、入力信号の位相に同期した、一定周波数の信号を生成する。なお、PLL242は、VCO(Voltage Controlled Oscillator)を備え、水晶発振器243から入力される発振信号に基づき、VCOを利用してフィードバック制御を行うことで、当該一定周波数の信号を得る。生成した一定周波数の信号は、ミキサ223およびミキサ233に入力される。PLL242は、一定周波数の信号を生成する発振器の一例に相当する。
ミキサ223は、フィルタ222を通過したアナログI信号およびアナログQ信号を、PLL242から供給される一定周波数の信号を利用して、無線周波数にアップコンバートする。プリアンプ(PA)は、ミキサ223で生成された無線周波数のアナログI信号およびアナログQ信号を、所望の出力電力まで増幅する。バラン225は、平衡信号(差動信号)を不平衡信号(シングルエンド信号)に変換するための変換器である。RF IC221では平衡信号が扱われるが、RF IC221の出力からアンテナ247までは不平衡信号が扱われるため、バラン225で、これらの信号変換を行う。
スイッチ245は、送信時は、送信側のバラン225に接続され、受信時は、受信側の低雑音増幅器(LNA)234またはRF IC221に接続される。スイッチ245の制御はベースバンドIC211またはRF IC221により行われてもよいし、スイッチ245を制御する別の回路が存在し、当該回路からスイッチ245の制御を行ってもよい。
プリアンプ224で増幅された無線周波数のアナログI信号およびアナログQ信号は、バラン225で平衡−不平衡変換された後、アンテナ247から空間に電波として放射される。
アンテナ247は、チップアンテナでもよいし、プリント基板上に配線により形成したアンテナでもよいし、線状の導体素子を利用して形成したアンテナでもよい。
RF IC221におけるLNA234は、アンテナ247からスイッチ245を介して受信した信号を、雑音を低く抑えたまま、復調可能なレベルまで増幅する。バラン235は、低雑音増幅器(LNA)234で増幅された信号を、不平衡−平衡変換する。なお、バラン235とLNA234の順番を逆にした構成でもよい。ミキサ233は、バラン235で平衡信号に変換された受信信号を、PLL242から入力される一定周波数の信号を用いてベースバンドにダウンコンバートする。より詳細には、ミキサ233は、PLL242から入力される一定周波数の信号に基づき、互いに90°位相のずれた搬送波を生成する手段を有し、バラン235で変換された受信信号を、互いに90°位相のずれた搬送波により直交復調して、受信信号と同位相のI(In−phase)信号と、これより90°位相が遅れたQ(Quad−phase)信号とを生成する。フィルタ232は、これらI信号とQ信号から所望周波数成分の信号を抽出する。フィルタ232で抽出されたI信号およびQ信号は、ゲインが調整された後に、RF IC221から出力される。
ベースバンドIC211におけるADC217は、RF IC221からの入力信号をAD変換する。より詳細には、ADC217はI信号をデジタルI信号に変換し、Q信号をデジタルQ信号に変換する。なお、直交復調せずに一系統の信号だけを受信する場合もあり得る。
複数のアンテナが設けられる場合には、アンテナの数に応じた数のADCを設けてもよい。ベースバンド回路212は、デジタルI信号およびデジタルQ信号に基づき、復調処理、誤り訂正符号処理、物理ヘッダの処理など、物理層の処理(MIMO復調を含んでもよい)等を行い、フレームを得る。ベースバンド回路212は、フレームに対してMAC層の処理を行う。なお、ベースバンド回路212は、TCP/IPを実装している場合は、TCP/IPの処理を行う構成も可能である。
上述した各部の処理の詳細は、図3および図11の説明から自明であるため、重複する説明は省略する。
(第12の実施形態)
図25(A)および図25(B)は、それぞれ第12の実施形態に係る無線端末の斜視図である。図25(A)の無線端末はノートPC301であり、図25(B)の無線端末は移動体端末321である。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた無線端末に搭載されていた無線通信装置、またはアクセスポイントに搭載されていた無線通信装置、またはこれらの両方を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線端末は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン、ゲーム装置、ネットワークストレージ装置、モニタ、デジタルオーディオプレーヤ、Webカメラ、ビデオカメラ、プロジェクト、ナビゲーションシステム、外部アダプタ、内部アダプタ、セットトップボックス、ゲートウェイ、プリンタサーバ、モバイルアクセスポイント、ルータ、エンタープライズ/サービスプロバイダアクセスポイント、ポータブル装置、ハンドヘルド装置等にも搭載可能である。
また、無線端末またはアクセスポイント、またはこれらの両方に搭載されていた無線通信装置は、メモリーカードにも搭載可能である。当該無線通信装置をメモリーカードに搭載した例を図26に示す。メモリーカード331は、無線通信装置355と、メモリーカード本体332とを含む。メモリーカード331は、外部の装置(無線端末またはアクセスポイント、またはこれらの両方等)との無線通信のために無線通信装置335を利用する。なお、図26では、メモリーカード331内の他の要素(例えばメモリ等)の記載は省略している。
(第13の実施形態)
第13の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インターフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インターフェース部は、バスを介して外部メモリ(バッファ)と接続される。プロセッサ部ではファームウエアが動作する。このように、ファームウエアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウエアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。ファームウエアが動作するプロセッサ部は、本実施形態に係る制御部または制御部の処理を行うプロセッサであってもよいし、当該処理の機能拡張または変更に係る処理を行う別のプロセッサであってもよい。ファームウエアが動作するプロセッサ部を、本実施形態に係るアクセスポイントあるいは無線端末あるいはこれらの両方が備えてもよい。または当該プロセッサ部を、アクセスポイントに搭載される無線通信装置内の集積回路、または無線端末に搭載される無線通信装置内の集積回路が備えてもよい。
(第14の実施形態)
第14の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
(第15の実施形態)
第15の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
(第16の実施形態)
第16の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、無線通信装置におけるMAC層部330等と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
(第17の実施形態)
第17の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の伝送と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
(第18の実施形態)
第18の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、無線通信装置におけるMAC層部330等と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第19の実施形態)
第19の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、無線通信装置におけるMAC層部330等と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第20の実施形態)
第20の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、ディスプレイを含む。ディスプレイは、図示しないバスを介して、無線通信装置におけるMAC層部330等と接続されてもよい。このようにディスプレイを備える構成とし、無線通信装置の動作状態をディスプレイに表示することで、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第21の実施形態)
本実施形態では、[1]無線通信システムにおけるフレーム種別、[2]無線通信装置間の接続切断の手法、[3]無線LANシステムのアクセス方式、[4]無線LANのフレーム間隔について説明する。
[1]通信システムにおけるフレーム種別
一般的に無線通信システムにおける無線アクセスプロトコル上で扱うフレームは、大別してデータ(data)フレーム、管理(management)フレーム、制御(control)フレームの3種類に分けられる。これらの種別は、通常、フレーム間で共通に設けられるヘッダ部で示される。フレーム種別の表示方法としては、1つのフィールドで3種類を区別できるようにしてあってもよいし、2つのフィールドの組み合わせで区別できるようにしてあってもよい。
管理フレームは、他の無線通信装置との間の物理的な通信リンクの管理に用いるフレームである。例えば、他の無線通信装置との間の通信設定を行うために用いられるフレームや通信リンクをリリースする(つまり接続を切断する)ためのフレーム、無線通信装置でのパワーセーブ動作に係るフレームがある。
データフレームは、他の無線通信装置と物理的な通信リンクが確立した上で、無線通信装置の内部で生成されたデータを他の無線通信装置に送信するフレームである。データは本実施形態の上位層で生成され、例えばユーザの操作によって生成される。
制御フレームは、データフレームを他の無線通信装置との間で送受(交換)する際の制御に用いられるフレームである。無線通信装置がデータフレームや管理フレームを受信した場合にその送達確認のために送信される応答フレームは、制御フレームに属する。
これら3種類のフレームは、物理層で必要に応じた処理を経て物理パケットとしてアンテナを経由して送出される。なお、接続確立の手順においては、接続要求フレームと接続受付フレームが管理フレームであり、接続受付フレームへの確認フレームは制御フレームの応答フレームを用いることができる。
[2]無線通信装置間の接続切断の手法
接続の切断には、明示的な手法と暗示的な手法とがある。明示的な手法としては、接続している無線通信装置のいずれか一方が切断のためのフレームを送信する。このフレームは管理フレームに分類される。切断のためのフレームは、例えば接続をリリースするという意味でリリースフレームと呼ぶことがある。通常、リリースフレームを送信する側の無線通信装置ではリリースフレームを送信した時点で、リリースフレームを受信する側の無線通信装置ではリリースフレームを受信した時点で、接続の切断と判定する。その後、通信フェーズでの初期状態、例えば通信相手の無線通信装置を探索する状態に戻る。これは、切断のためのフレームを送信する際には、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるといった、物理的な無線リンクが確保できないことがあるからである。
一方、暗示的な手法としては、一定期間接続を確立した接続相手の無線通信装置からフレーム送信(データフレーム及び管理フレームの送信、あるいは自端末が送信したフレームへの応答フレームの送信)を検知しなかった場合に、接続状態の切断の判定を行う。このような手法があるのは、上述のように接続の切断を判定するような状況では、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるなど物理的な無線リンクが確保できない状態が考えられるからである。すなわち、リリースフレームの受信を期待できないからである。
暗示的な方法で接続の切断を判定する具体例としては、タイマを使用する。例えば、送達確認応答フレームを要求するデータフレームを送信する際、当該フレームの再送期間を制限する第1のタイマ(例えばデータフレーム用の再送タイマ)を起動し、第1のタイマが切れるまで(つまり所望の再送期間が経過するまで)当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行う。当該フレームへの送達確認応答フレームを受信すると第1のタイマは止められる。
一方、送達確認応答フレームを受信せず第1のタイマが切れると、例えば接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。第1のタイマと同様、第2のタイマでも、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。
あるいは接続相手の無線通信装置からフレームを受信すると第3のタイマを起動し、新たに接続相手の無線通信装置からフレームを受信するたびに第3のタイマを止め、再び初期値から起動する。第3のタイマが切れると前述と同様に接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。この場合も、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。後者の、接続相手の無線通信装置がまだ存在するかを確認するための管理フレームは、前者の場合の管理フレームとは異なるものであってもよい。また後者の場合の管理フレームの再送を制限するためのタイマはここでは第2のタイマとして前者の場合と同じものを用いたが、異なるタイマを用いるようにしてもよい。
[3]無線LANシステムのアクセス方式
例えば複数の無線通信装置と通信または競合することを想定した無線LANシステムがある。IEEE802.11(拡張規格なども含む)無線LANではCSMA/CAをアクセス方式の基本としている。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了から固定時間を置いて送信を行う方式では、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置で同時に送信を行うことになり、その結果、無線信号が衝突してフレーム送信に失敗する。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了からランダム時間待つことで、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置での送信が確率的に分散することになる。よって、ランダム時間の中で最も早い時間を引いた無線通信装置が1つなら無線通信装置のフレーム送信は成功し、フレームの衝突を防ぐことができる。ランダム値に基づき送信権の獲得が複数の無線通信装置間で公平になることから、Carrier Avoidanceを採用した方式は、複数の無線通信装置間で無線媒体を共有するために適した方式であるということができる。
[4]無線LANのフレーム間隔
IEEE802.11無線LANのフレーム間隔について説明する。IEEE802.11無線LANで用いられるフレーム間隔は、distributed coordination function interframe space(DIFS)、arbitration interframe space(AIFS)、point coordination function interframe space(PIFS)、short interframe space(SIFS)、extended interframe space(EIFS)、reduced interframe space(RIFS)の6種類ある。
フレーム間隔の定義は、IEEE802.11無線LANでは送信前にキャリアセンスアイドルを確認して開けるべき連続期間として定義されており、厳密な前のフレームからの期間は議論しない。従ってここでのIEEE802.11無線LANシステムでの説明においてはその定義を踏襲する。IEEE802.11無線LANでは、CSMA/CAに基づくランダムアクセスの際に待つ時間を固定時間とランダム時間との和としており、固定時間を明確にするためこのような定義になっているといえる。
DIFSとAIFSとは、CSMA/CAに基づき他の無線通信装置と競合するコンテンション期間にフレーム交換開始を試みるときに用いるフレーム間隔である。DIFSは、トラヒック種別による優先権の区別がないとき、AIFSはトラヒック種別(Traffic Identifier:TID)による優先権が設けられている場合に用いる。
DIFSとAIFSとで係る動作としては類似しているため、以降では主にAIFSを用いて説明する。IEEE802.11無線LANでは、MAC層でフレーム交換の開始などを含むアクセス制御を行う。さらに、上位層からデータを渡される際にQoS(Quality of Service)対応する場合には、データとともにトラヒック種別が通知され、トラヒック種別に基づいてデータはアクセス時の優先度のクラス分けがされる。このアクセス時のクラスをアクセスカテゴリ(Access Category;AC)と呼ぶ。従って、アクセスカテゴリごとにAIFSの値が設けられることになる。
PIFSは、競合する他の無線通信装置よりも優先権を持つアクセスができるようにするためのフレーム間隔であり、DIFS及びAIFSのいずれの値よりも期間が短い。SIFSは、応答系の制御フレームの送信時あるいは一旦アクセス権を獲得した後にバーストでフレーム交換を継続する場合に用いることができるフレーム間隔である。EIFSはフレーム受信に失敗した場合に発動されるフレーム間隔である。
RIFSは一旦アクセス権を獲得した後にバーストで同一無線通信装置に複数のフレームを連続して送信する場合に用いることができるフレーム間隔であり、RIFSを用いている間は送信相手の無線通信装置からの応答フレームを要求しない。
ここでIEEE802.11無線LANにおけるランダムアクセスに基づく競合期間のフレーム交換の一例を図27に示す。
ある無線通信装置においてデータフレーム(W_DATA1)の送信要求が発生した際に、キャリアセンスの結果、媒体がビジーである(busy medium)と認識する場合を想定する。この場合、キャリアセンスがアイドルになった時点から固定時間のAIFSを空け、その後ランダム時間(random backoff)空いたところで、データフレームW_DATA1を通信相手に送信する。
ランダム時間は0から整数で与えられるコンテンションウィンドウ(Contention Window:CW)の間の一様分布から導かれる擬似ランダム整数にスロット時間をかけたものである。ここで、CWにスロット時間をかけたものをCW時間幅と呼ぶ。CWの初期値はCWminで与えられ、再送するたびにCWの値はCWmaxになるまで増やされる。CWminとCWmaxの両方とも、AIFSと同様アクセスカテゴリごとの値を持つ。W_DATA1の送信先の無線通信装置では、データフレームの受信に成功するとその受信終了時点からSIFS後に応答フレーム(W_ACK1)を送信する。W_DATA1を送信した無線通信装置は、W_ACK1を受信すると送信バースト時間制限内であればまたSIFS後に次のフレーム(例えばW_DATA2)を送信することができる。
AIFS、DIFS、PIFS及びEIFSは、SIFSとスロット時間との関数になるが、SIFSとスロット時間とは物理層ごとに規定されている。また、AIFS、CWmin及びCWmaxなどアクセスカテゴリごとに値が設けられるパラメータは、通信グループ(IEEE802.11無線LANではBasic Service Set(BSS))ごとに設定可能であるが、デフォルト値が定められている。
例えば、802.11acの規格策定では、SIFSは16μs、スロット時間は9μsであるとして、それによってPIFSは25μs、DIFSは34μs、AIFSにおいてアクセスカテゴリがBACKGROUND(AC_BK)のフレーム間隔はデフォルト値が79μs、BEST EFFORT(AC_BE)のフレーム間隔はデフォルト値が43μs、VIDEO(AC_VI)とVOICE(AC_VO)のフレーム間隔はデフォルト値が34μs、CWminとCWmaxとのデフォルト値は、各々AC_BKとAC_BEとでは31と1023、AC_VIでは15と31、AC_VOでは7と15になるとする。なお、EIFSは、SIFSとDIFSと最も低速な必須の物理レートで送信する場合の応答フレームの時間長の和である。本実施形態では、このようなフレーム間隔のパラメータを用いる無線通信システムを通信レンジの広い干渉システムとして想定する。
なお、各実施形態で記載されているフレームは、Null Data Packetなど、IEEE802.11規格または準拠する規格で、パケットと呼ばれるものを指してもよい。
本実施形態で用いられる用語は、広く解釈されるべきである。例えば用語“プロセッサ”は、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態マシンなどを包含してもよい。状況によって、“プロセッサ”は、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム可能論理回路 (PLD)などを指してもよい。“プロセッサ”は、複数のマイクロプロセッサのような処理装置の組み合わせ、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと協働する1つ以上のマイクロプロセッサを指してもよい。
別の例として、用語“メモリ”は、電子情報を格納可能な任意の電子部品を包含してもよい。“メモリ”は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データストレージを指してもよく、これらはプロセッサによって読み出し可能である。プロセッサがメモリに対して情報を読み出しまたは書き込みまたはこれらの両方を行うならば、メモリはプロセッサと電気的に通信すると言うことができる。メモリは、プロセッサに統合されてもよく、この場合も、メモリは、プロセッサと電気的に通信していると言うことができる。また、回路は、単一チップに配置された複数の回路でもよいし、複数のチップまたは複数の装置に分散して配置された1つ以上の回路でもよい。
また本明細書において、“a,bおよびcの少なくとも1つ”は、a,b,c,a−b, a−c,b−c,a−b−cの組み合わせだけでなく、a−a,a−b−b,a−a−b−b−c−cなどの同じ要素の複数の組み合わせも含む表現である。また、a−b−c−dの組み合わせのように、a,b,c以外の要素を含む構成もカバーする表現である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

Claims (20)

  1. 第1フレームを受信する受信部と、
    前記第1フレームの所定フィールドから抽出される、前記第1フレームの送信元アドレスとは異なる第1識別子と、前記第1フレームに対する送達確認情報とを含む第2フレームを送信する送信部と
    を備えた無線通信装置。
  2. 前記受信部は、多重送信される複数の前記第1フレームを受信し、
    前記送信部は、前記複数の第1フレームのそれぞれの前記所定フィールドから抽出される複数の前記第1識別子と、前記複数の第1フレームに対する複数の前記送達確認情報とを含む前記第2フレームを、送信する
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記複数の第1フレームは、少なくとも周波数多重および空間多重の何れかで多重送信される
    請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記第1識別子は、自装置が予め前記第1フレームの送信元である他の無線通信装置に割り当てた識別子である
    請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記送信部は、前記他の無線通信装置の前記第1識別子を含む第3フレームを送信する
    請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記送信部は、前記第1フレームの送信を許可する第4フレームを送信し、
    前記第1識別子は、前記第1フレームの送信元である他の無線通信装置が生成した識別子である
    請求項1に記載の無線通信装置。
  7. 前記第1識別子は、前記第1フレームが送信されるリソースに自装置が割り当てた識別子である
    請求項1に記載の無線通信装置。
  8. 前記第1識別子は、前記第1フレームが送信されるリソースに自装置が割り当てた識別子であり、
    前記送信部は、複数のリソースのそれぞれの前記第1識別子を含む第5フレームを送信し、
    前記複数の第1フレームのそれぞれは、前記複数のリソースのうちの1つの前記リソースに割り当てられた前記第1識別子を含む
    請求項2に記載の無線通信装置。
  9. 前記複数の第1フレームのそれぞれは、データ送信の要求の有無に関する情報を含み、 前記送信部は、前記情報に基づき第6フレームの送信を許可する他の無線通信装置を特定し、特定した他の無線通信装置の識別子である第2識別子を含む第7フレームを送信する
    請求項8に記載の無線通信装置。
  10. 少なくとも1つのアンテナをさらに備えた請求項1ないし9のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  11. 所定フィールドに自装置のアドレスとは異なる識別子である第1識別子を設定した第1フレームを送信する送信部と、
    前記第1フレームに対する送達確認情報と前記第1識別子とを含む第2フレームを受信する受信部と
    を備えた無線通信装置。
  12. 前記第1識別子は、前記第1フレームの送信先の装置により予め割り当てられた識別子である
    請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 前記受信部は、前記第1フレームの送信を許可する、前記第1識別子を含む第3フレームを受信し、
    前記送信部は、前記第3フレームに応答して前記第1フレームを送信する
    請求項12に記載の無線通信装置。
  14. 前記第1識別子は、自装置が生成した識別子である
    請求項11に記載の無線通信装置。
  15. 前記第1識別子は、前記第1フレームの送信先の装置により、前記第1フレームを送信するリソースに割り当てられた識別子である
    請求項11に記載の無線通信装置。
  16. 前記受信部は、複数のリソースのそれぞれの前記第1識別子を指定した第4フレームを受信し、
    前記第1フレームは、前記第4フレームで指定された複数の前記第1識別子のうちの1つを含む
    請求項15に記載の無線通信装置。
  17. 少なくとも1つのアンテナをさらに備えた請求項11ないし16のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  18. 複数の他の無線通信装置にそれぞれ割り当てた第1識別子と前記複数の他の無線通信装置のアドレスとを対応づけた第1情報に基づき、前記複数の他の無線通信装置から選択した第1の無線通信装置の前記第1識別子と前記第1識別子に対応する前記アドレスとを登録した第2情報を生成する制御部と、
    複数のリソースにそれぞれ割り当てた第2識別子を含む第1フレームを送信する送信部と、
    前記複数のリソースで複数の第2フレームを受信する受信部と、を備え、
    前記制御部は、前記第2フレームの送信元アドレスフィールドから抽出したアドレスに対応する前記第1識別子を、前記第2情報から特定し、
    前記送信部は、前記アドレスが抽出された他の無線通信装置のうち前記第1の無線通信装置については、前記特定した第1識別子と前記第2フレームに対する送達確認情報とを含む第3フレームを送信し、
    前記アドレスが抽出された他の無線通信装置のうち、前記第2情報に登録されていない第2の無線通信装置については、送達確認情報または前記第3フレームの送信を行わない
    無線通信装置。
  19. 前記制御部は、前記第2の無線通信装置の前記アドレスと前記アドレスに対応する前記第1識別子とを前記第1情報から抽出して、前記第2情報に登録し、
    前記送信部は、前記第2の無線通信装置の第1識別子と、前記第2の無線通信装置の利用を許可するリソースの第2識別子とを含む第4フレームを送信する
    請求項18に記載の無線通信装置。
  20. 少なくとも1つのアンテナをさらに備えた請求項18または19に記載の無線通信装置。
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