JP2016208317A - 無線通信用集積回路 - Google Patents

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綾子 松尾
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綾子 松尾
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Tomoko Adachi
朋子 足立
旦代 智哉
Tomoya Tandai
智哉 旦代
浩樹 森
Hiroki Mori
浩樹 森
谷口 健太郎
Kentaro Taniguchi
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Abstract

【課題】OFDMAの対象となる無線端末および各無線端末が使用するリソースブロックを効率的に管理する。
【解決手段】本発明の実施形態としての無線通信用集積回路は、自装置が属する第1グループを特定する情報と、前記第1グループにおける自装置の識別情報とからなる第1情報を含む第1フレームを、RF集積回路を介して受信し、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)通信の対象となる前記第1グループを指定する情報と、前記第1グループに属する複数の無線端末に割り当てるリソースブロックを特定するための情報とからなる第2情報を含む第2フレームを、前記RF集積回路を介して受信し、前記第1および第2情報を用いて、前記OFDMA通信を制御するベースバンド集積回路を備える。
【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、無線通信用集積回路に関する。
周波数利用効率を高める多重化技術として、MIMO(Multi-Input Multi-Output)を拡張したダウンリンクマルチユーザMIMO(DL-MU-MIMO)がある。ダウンリンクマルチユーザMIMOでは、基地局(AP: Access Point)はビームフォーミングを用いることで、各無線端末(STA: STAtion)に対して空間的に直交したビームによるデータ送信が可能になるため、複数の無線端末に対して同時に別のデータを送信することができる。ここで、基地局は、ダウンリンクマルチユーザMIMOの送信先となる複数の無線端末を、Group IDを用いて管理している。
その他の多重化技術として、複数のサブキャリアを一単位とするリソースブロックを、複数の無線端末に割り当てて同時に通信するOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が注目されている。OFDMAでは、基地局は、複数のリソースブロックを用いて、複数の無線端末と同時に通信することができる。
しかしながら、従来の技術では、OFDMAにおいて、通信対象となる複数の無線端末および各無線端末が用いるリソースブロックを効率的に管理する方法がなかった。
特開2013-201472号公報
IEEE Std 802.11acTM-2013 IEEE Std 802.11TM-2012
本発明の実施形態は、OFDMAの通信対象となる無線端末および各無線端末が使用するリソースブロックを効率的に管理することを目的とする。
本発明の実施形態としての無線通信用集積回路は、自装置が属する第1グループを特定する情報と、前記第1グループにおける自装置の識別情報とからなる第1情報を含む第1フレームを、RF集積回路を介して受信し、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)通信の対象となる前記第1グループを指定する情報と、前記第1グループに属する複数の無線端末に割り当てるリソースブロックを特定するための情報とからなる第2情報を含む第2フレームを、前記RF集積回路を介して受信し、前記第1および第2情報を用いて、前記OFDMA通信を制御するベースバンド集積回路を備える。
第1の実施形態に係る無線通信システムの構成図。 リソースブロックの説明図。 基地局が作成したグループ情報の一例を示す図。 リソースブロックへのUser Positionの割り当てを示す図。 Group ID Managementフレームの一例を示す図。 ダウンリンクのOFDMA通信におけるフレームの一例を示す図。 アップリンクのOFDMA通信におけるフレームシーケンスの一例を示す図。 変形例1におけるPHYヘッダの一例を示す図。 変形例2におけるPHYヘッダの一例を示す図。 基地局が作成したグループ情報の一例を示す図。 基地局に搭載される無線通信装置のブロック構成を示す図。 無線端末に搭載される無線通信装置のブロック構成を示す図。 基地局のダウンリンクOFDMA通信のフローチャート。 無線端末のダウンリンクOFDMA通信のフローチャート。 基地局のアップリンクOFDMA通信のフローチャート。 無線端末のアップリンクOFDMA通信のフローチャート。 基地局に搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示す図。 第2の実施形態に係る無線端末の斜視図。 第2の実施形態に係るメモリーカードを示す図。 第11の実施形態に係るコンテンション期間のフレーム交換の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。無線LANの規格書として知られているIEEE Std 802.11TM-2012およびIEEE Std 802.11acTM-2013は、本明細書においてその全てが参照によって組み込まれる(incorporated by reference)ものとする。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る基地局と無線端末とを備えた無線通信システムの構成図である。この無線通信システムは、IEEE802.11規格に従って通信するものとする。ただし、IEEE802.11規格は一例であり、本明細書に記載の実施形態を、他の無線通信規格、無線通信方式に適用してもよい。また、基地局も無線端末の一形態であり、中継機能を有する点が非基地局の無線端末と主に異なる。
図1では、基地局(AP: Access Point)101に、無線端末(STA: STAtion)201〜210が接続して1つの無線通信システムもしくは無線通信グループを形成している。ここで、接続とは、無線リンクを確立した状態を意味している。各無線端末が、基地局とのアソシエーションプロセスを経て、通信に必要なパラメータの交換を完了することで、無線リンクが確立される。この状態では、基地局および無線端末は、互いのケーパビリティ(OFDMA通信への対応可否など)を把握している。図1では、10台の無線端末が示されるが、10台以上の無線端末が存在してもよいし、9台以下の無線端末が存在する状態でもよい。また、基地局・無線端末ともに1本のアンテナを備えてもよいし、2本以上のアンテナを備えてMIMO通信に対応してもよい。なお、本実施形態のフレームは、例えばIEEE802.11規格でフレームと呼ばれているもののみならず、パケットと呼ばれているものであってもよい。
図1における基地局101および各無線端末には、互いに通信を行うための無線通信装置が搭載されている。各無線端末に搭載される無線通信装置は、基地局101に搭載される無線通信装置と通信を行う。基地局101に搭載される無線通信装置は、各無線端末に搭載される無線通信装置と通信を行う。無線通信装置の構成については後述する。
本実施形態の基地局101は、各無線端末にリソースブロックを1つまたは複数割り当て、これらの無線端末と同時に通信する。このような通信方式を、リソースブロックベースのOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)と呼ぶ。ここで、リソースブロックとは、1つまたは複数のサブキャリアを一単位として構成される周波数リソースであり、複数のサブキャリアで構成される場合は、各サブキャリアの配置が連続していても連続していなくてもよい。本実施形態ではリソースブロックと呼ぶが、別の表現を用いることもできる。例えば、リソースブロックではなく、サブチャネルや周波数ブロックと呼んでもよい。また、1台の無線端末に、リソースブロックとして、非連続に配置された複数のサブキャリアを割り当てることも可能である。
図2は、リソースブロックの一例を示す図である。この例では、周波数領域に複数のチャネルが配置されており、それぞれのチャネルには複数のサブキャリアが互いに直交する関係で配置されている。図には、RB(Resource Block)1とRB2の2つのリソースブロックが示されている。リソースブロックの幅は、例えば、5MHzに設定することができる。無線端末毎に、割り当てるリソースブロックの幅を変えてもよい。ここで、RB1とRB2の間には2つのサブキャリアがガードサブキャリアとして配置されている。ガードサブキャリアの個数は2に限定されず、1以上の任意の個数にすることができる。また、リソースブロック間にガードサブキャリアを配置しない割り当てにすることも可能である(ガードサブキャリアが0個)。
リソースブロックベースのOFDMAでは、各無線端末に1つまたは複数のリソースブロックが割り当てられ、基地局は、リソースブロックが割り当てられた複数の無線端末と同時に通信することができる。本実施形態では、基地局101が、通信対象となる複数の無線端末および各無線端末が用いるリソースブロックを管理するためのグループ情報を作成する。そして、基地局101は、作成したグループ情報を各無線端末に通知する。各無線端末は、基地局101から通知されたグループ情報を用いて、自装置がOFDMA通信の対象となっているかを判断し、通信対象となっている場合に使用するリソースブロックを特定する。
(グループ情報の作成)
図3は、基地局101が作成したグループ情報の一例を示す図である。“GID”はGroup IDを、“UP”は各グループのメンバに割り当てるUser Positionをそれぞれ表している。この例では、GIDは6ビット(0から63)であり、“GID0”はGroup IDが0であることを表している。UPは2ビット(0から3)であり、“UPO”はUser Positionが0であることを表している。GIDの0と63は、特別な用途(例えば、非OFDMAでの通信、グループ定義前の状態など)を表す番号として使用される場合を想定し、OFDMAのグループとしては未使用(Reserved)としている。
図3のGID1では、UP0にSTA201、UP1にSTA202、UP2にSTA203、UP3にSTA204がそれぞれ割り当てられている。同様に、GID2では、UP0〜UP3に、STA205、STA206、STA201、STA202がそれぞれ割り当てられている。また、基地局101は、GID4に示すように、同一のUser Positionに複数の無線端末を割り当てることもできる。
基地局101は、OFDMA通信を開始する前に、作成したグループ情報を各無線端末に通知しておく(通知方法の詳細は後述する)。そして、OFDMA通信を行う際、通信対象となるグループを指定する情報および各リソースブロックに割り当てるUser Positionに関する情報を各無線端末に送信する。例えば、OFDMA通信を行う際、基地局101がGID1を指定した場合、このグループのメンバであるSTA201〜204がOFDAM通信の対象となる。更に、基地局101は、図4(a)のテーブルに示すようなリソースブロックとUser Positionの対応関係を示す情報を通知することで、各無線端末が使用するリソースブロックを指定することができる。この例は、チャネル幅が20MHzで各リソースブロックの幅が5MHzの場合を想定しており、RB1には、GID1のUP3に対応する無線端末204が割り当てられる。
また、図4(b)のテーブルに示すような対応関係を通知した場合は、GID1のUP3に対応する無線端末204には、RB1だけでなくRB4も割り当てられることになる。つまり、1台の無線端末に複数のリソースブロックを割り当てることができる。基地局101による、通信対象となるグループおよび各リソースブロックに割り当てるUser Positionの指定の詳細は後述する。
基地局101は、自装置と通信リンクを確立した無線端末(BSS(Basic Service Set)に含まれる無線端末)について、図3で示すようなグループ情報を作成する。ここで、基地局101は、予め取得した各無線端末のケーパビリティに関する情報(OFDMAへの対応可否、準拠規格情報など)、各無線端末の位置情報、各無線端末からの電波の到来角推定結果、基地局101と各無線端末間の伝搬路情報などを用いてグループ情報を作成することができる。例えば、伝搬路の相関が高い無線端末同士や、電波の到来角が近い無線端末同士が同一グループに属するようにグループ情報を作成することができる。また、OFDMA通信に対応しない無線端末(例えば、IEEE802.11b/g/n/ac等の規格に従って通信を行うレガシー端末)が自BSSに含まれる場合は、この無線端末を除いてグループ情報を作成することもできる。
本実施形態では、グループ情報としてGroup IDおよびUser Positionを用いたが、グループ情報の構成はこれに限定されない。OFDMA通信の対象となる複数の無線端末および各無線端末が用いるリソースブロックを管理することができる情報を含んでいれば、グループ情報として任意のフォーマットを用いることができる。また、User Positionは、グループ内において各無線端末を識別するための情報(識別情報)であが、この識別情報として、User Positionではなくグループ内における各無線端末の順番を用いてもよい。また、識別子として、数字ではなく記号を付与するようにしてもよい。同一グループ内で複数の無線端末に対して同じ識別子を付与するようにしてもよい。
(グループ情報の通知)
基地局101は、作成したグループ情報を所定のフレームを用いて各無線端末に通知する。本実施形態では、基地局101は、IEEE802.11acで定義されているGroup ID Managementフレームを用いて、各無線端末にグループ情報を通知する。
図5は、本実施形態におけるGroup ID Managementフレームの一例を示す図である。Group ID Managementフレームは管理フレームであり、FC(Frame Control)フィールド、Duration/IDフィールド、RA(Receiver Address)フィールド、TA(Transmitter Address)フィールド、Frame Bodyフィールド、FCS(Frame Check Sequence)フィールドを含む。Frame Bodyフィールドは、Membership Status ArrayフィールドとUser Position Arrayフィールドを含む。
FCフィールドには、フレームの種別などを表す情報が格納される。
Duration/IDフィールドには、バーチャルキャリアセンスとして設定する時間が格納される。
RAフィールドには、フレームの送信先のMACアドレスが格納される。無線端末201宛にGroup ID Managementフレームを送信する場合は、無線端末201のMACアドレスが格納される。
TAフィールドには、フレーム送信元のMACアドレスが格納される。本実施形態では、基地局101のMACアドレスが格納される。
Frame Bodyフィールドには、基地局101が各無線端末に送信するデータ本体が格納される。本実施形態では、基地局101が作成したグループ情報のうちRAフィールドで指定した無線端末に関するグループ情報を、Membership Status ArrayフィールドおよびUser Position Arrayフィールドに格納する。
FCSフィールドには、フレームのFCS情報が格納される。FCS情報は、フレームを受信した無線端末側でのフレーム誤り検出に用いられる。
ここで、Frame Bodyフィールドに含まれるMembership Status ArrayフィールドおよびUser Position Arrayフィールドについて説明する。
Membership Status Arrayフィールドは、RAフィールドで指定した無線端末がどのグループにメンバとして属するかを通知するためのフィールドである。この例では、Group ID 0〜63に関する所属情報を通知している。Membership Status Arrayフィールドにおける“Membership Status In Group ID 1”が“0”の場合は、この無線端末がGroup ID 1のメンバではないことを表しており、“1”の場合は、Group ID 1のメンバであることを表している。例えば、図3のグループ情報の場合、無線端末201は、GID1、2、4のメンバであるがGID3のメンバではないことから、無線端末201に送信するGroup ID Managementフレームの“Membership Status In Group ID 1〜ID 4”のフィールドは、それぞれ“1、1、0、1”になる。
User Position Arrayフィールドは、各グループにおける無線端末のUser Positionを通知するためのフィールドである。この例では、Group ID 0〜63のグループにおけるUser Positionを通知している。User Position Arrayフィールドにおける“User Position In Group ID 1”が“1”の場合は、Group ID 1における無線端末のユーザポジションが“1”であることを表している。例えば、図3のグループ情報の場合、無線端末201は、GID1ではUP0、GID2ではUP2、GID3ではメンバ対象外、GID4ではUP0であることから、STA201に送信するGroup ID Managementフレームの“Membership Status In Group ID 1〜ID 4”のフィールドは、それぞれ“0、2、Reserved、0”になる。
なお、前述のように、Group ID 0と63は、特別な用途として用いられるため、Membership Status In Group ID 0、ID 63およびMembership Status In Group ID 0、ID 63 は、Reservedになる。
このように、基地局101は、各無線端末宛にその無線端末に関連するグループ情報を含むGroup ID Managementフレームを作成し、OFDMA通信を開始する前に送信しておく。図1の場合、基地局101のBSSには、無線端末201〜210の10台の無線端末が含まれるため、基地局101は10個のGroup ID Managementフレームを作成し、各無線端末に送信する。
なお、本実施形態では、Group ID Managementフレームを用いてグループ情報を通知したが、BeaconフレームやAssociation Responseフレームなどを用いてグループ情報を通知してもよい。また、別途新たなフレームを定義し、このフレームを用いてグループ情報を通知するようにしてもよし、既存フレームのReservedビットを用いても通知してもよい。また、グループ情報に登場しない無線端末(どのグループにも属していない無線端末)には、Group ID Managementフレームを送信しないようにしてもよい。
また、本実施形態では、グループ情報のうちRAフィールドで指定した無線端末に関するグループ情報を通知していたが、その他の無線端末に関するグループ情報も一緒に通知してもよい。その際、基地局101は、各無線端末向けに値が設定された複数のMembership Status ArrayフィールドおよびUser Position ArrayフィールドをFrame Bodyフィールドに格納してもよい。また、基地局101は、各無線端末向けのGroup ID Managementフレームをアグリゲートしてもよい。
基地局101は、グループ情報を、ユニキャストではなく、マルチキャストやブロードキャストで通知するようにしてもよい。
(ダウンリンクのOFDMA通信)
基地局101が複数の無線端末にダウンリンクのOFDMA通信でフレームを送信する場合について説明する。ここで、各無線端末は、基地局101から自装置向けのGroup ID Managementフレームを受信しており、図3で示すグループ情報のうち、少なくとも自装置に関するグループ情報は把握しているものとする。
図6は、基地局101が複数の無線端末向けにOFDMAで送信するフレームの一例を示している。この例では、基地局101は、RB1〜4の4つのリソースロックを用いてフレームを送信している。各リソースブロックは、周波数の低いほうから高いほうにかけて、RB1〜4の順で配置されているものとする。PHYヘッダには、OFDMA通信の対象となるグループを指定する情報および各リソースブロックに割り当てるUser Positionに関する情報が格納される。データフィールドには、基地局101が送信するデータ本体が格納される。ここで、本書におけるPHYヘッダは、プリアンブルフィールドも含むものとする。以下、PHYヘッダの詳細について説明する。
PHYヘッダのGIDフィールドには、ダウンリンクのOFDMA通信の対象となるグループのIDが格納される。例えば、基地局101が、STA201、STA202、STA204向けのデータをバッファに保有している場合、これらの無線端末がメンバとして属するGID1の“1”もしくはGID4の“4”をこのフィールドに設定することで、STA201、STA202、STA204をOFDMA通信の対象にすることができる。なお、この例の場合、GID4にはOFDMA通信の対象ではないメンバ(STA203、STA205〜STA210)がGID1と比較して多く含まれる(GID1の場合はSTA203のみ)。複数のグループが候補として存在する場合、基地局101は、OFDMA通信の対象ではないメンバが少ないGroup IDを選択するようにしてもよい。これにより、OFDMA通信の対象外となる無線端末が無駄な受信処理を実行してしまうことを回避できる。なお、GIDが0〜63の場合、GIDフィールドは6ビットで構成することができる。
GIDフィールドに続くフィールドには、各リソースブロックに割り当てるUser Positionに関する情報が格納される。UP of RB1フィールドには、RB1に割り当てるユーザポジション情報が格納される。GID1のメンバであるSTA204にRB1を割り当てたい場合、基地局101は、GIDフィールドには“1”を、UP of RB1フィールドには“3”をそれぞれ設定すればよい。同様に、STA201にRB2およびRB3を、STA202にRB4を割り当てたい場合は、UP of RB2およびUP of RB3のフィールドに“0”を、UP of RB4フィールドに“1”を設定すればよい。ここで、GID1のUP2(STA203に対応)はどのリソースブロックにも割り当てられていないことから、無線端末203にはデータは送信されない。UPが0〜3の場合、UP of RB1〜4はそれぞれ2ビットで構成することができる。
データフィールドにおけるMACフレーム1〜4は、PHYヘッダで指定された無線端末向けのデータであり、上述した例では、MACフレーム1はSTA204、MACフレーム2及び3はSTA201、MACフレーム4はSTA202向けのデータになる。なお、各MACフレームのヘッダにはRAフィールドがあり、それぞれ宛先となる無線端末のMACアドレスが格納されている。
基地局101は、1台の無線端末に複数のリソースブロックを割り当てることも可能である。例えば、STA201向けにRB1およびRB2を、STA202向けにRB3およびRB4を割り当ててデータを送信したい場合、基地局101は、GIDフィールドに“1”、UP of RB1〜2のフィールドに“0”、UP of RB3〜4のフィールドに“1”、を設定すればよい。
次に、ダウンリンクのOFDMA通信における無線端末の動作について説明する。各無線端末は、無線端末101が送信したフレームのPHYヘッダを受信すると、GIDフィールドを解析して自装置がOFDMA通信の対象になっているか否かを把握する。例えば、無線端末201は、基地局101から事前に受信したグループ情報を用いて、GIDフィールドに“1、2、4”の何れかが設定されている場合、自装置がメンバとして属するグループであること、つまり、自装置がOFDMA通信の対象になっていることを把握することができる。そして、無線端末201は、次に続くUP of RB1〜4のフィールドの解析を行い、自装置に割り当てられたリソースブロックでMACフレームを受信することができる。一方、GIDフィールドに“3”が指定されている場合、無線端末201は、自装置がメンバとして属するグループではないこと、つまり、自装置がOFDMA通信の対象外であることを把握することができる。
なお、GID4のように複数の無線端末が同一User Positionに割り当てられている場合は、複数の無線端末が割り当てられたリソースブロックで待ち受け処理を行い、同じMACフレームを受信することになる。例えば、基地局101から送信されたフレームのGIDフィールドに“4”、UP of RB1フィールドに“1”が設定されている場合、3台の無線端末(STA202、STA206、STA210)がRB1で同じMACフレームの受信処理を行うことになる。この場合、各無線端末は、受信したMACフレームのRAフィールドを確認することで、このMACフレームが自装置宛であるか否かを判断することができる。例えば、RAフィールドにSTA210のMACアドレスが格納されていた場合、無線端末210は自装置向けのデータであるとして受信処理を継続する。一方、無線端末202および206は、自装置向けのデータではないとして、受信したMACフレームを破棄することができる。
なお、上述した説明では、基地局101は、OFDMA通信でダウンリンク送信するデータのPHYヘッダにOFDMA通信の対象となるグループを指定する情報および各リソースブロックに割り当てるUser Positionに関する情報を格納したが、これらの情報を別のフレームを用いて事前に通知するようにしてもよい。
(アップリンクのOFDMA通信)
複数の無線端末が基地局101に対して、アップリンクのOFDMA通信でフレームを送信する場合について説明する。ここで、各無線端末は、基地局101から自装置向けのGroup ID Managementフレームを受信しており、図3で示すグループ情報のうち、少なくとも自装置に関するグループ情報は把握しているものとする。
図7は、アップリンクのOFDMA通信におけるフレームシーケンスを示す図である。ここで、Pollフレームは、基地局101が複数の無線端末向けに送信するフレームであり、各無線端末は、Pollフレームの受信をトリガにアップリンクのOFDMA通信を開始する。
フレーム1〜4は、Pollフレームで指定された複数の無線端末が基地局101向けにアップリンク送信したフレームを表している。本実施形態では、これらのフレームは、Pollフレームの受信からT1時間経過後に送信されるものとする。T1は、IEEE802.11規格で規定されているフレーム間のタイムインターバルであるSIFS(Short InterFrame Space)でもよいし、それ以外の任意の時間長であってもよい。任意の時間長は、Pollフレームの受信後ではなく、別の時点からカウントするようにしてもよい。
Pollフレームは、前述のダウンリンクの場合と同様に、アップリンクのOFDMA通信の対象となるグループのIDを格納するGIDフィールド、および、各リソースブロックに割り当てるUser Positionに関する情報を格納するUP of RB1〜4のフィールドを有している。
Pollフレームを受信した各無線端末は、前述のダウンリンクの場合と同様に、GIDフィールドおよびUP of RB1〜4のフィールドを解析することで、自装置がOFDMA通信の対象になっているか否かを把握する。OFDMA通信の対象になっている無線端末は、アップリンクのデータ送信に利用するリソースブロックを特定し、Pollフレームの受信からT1時間経過後、特定したリソースブロックを用いてフレームを送信する。
例えば、PollフレームのGIDフィールドに“2”が設定され、UP of RB1〜4のフィールドに“0、1、2、3”がそれぞれ設定されている場合、図3のグループ情報より、無線端末205がフレーム1を、無線端末206がフレーム2を、無線端末201がフレーム3を、無線端末202がフレーム4を、基地局101にそれぞれアップリンク送信する。
なお、図7では、フレーム1〜4がそれぞれ別のリソースブロックで送信されているが、各フレームのPHYヘッダに複数の無線端末で共通の信号を格納し、各無線端末が、この共通の信号をRB1〜4全体を使って送信するようにしてもよい。また、共通の信号を、RB1〜4をカバーするチャネルで送信するようにしてもよい。例えば、RB1〜4が5MHz幅である場合、これらを束ねた20MHz幅のチャネルで共通の信号を送信し、その後のデータ部分を各無線端末に割り当てられたリソースブロックで送信するようにしてもよい。
なお、図7では、基地局101は、無線端末に割り当てるリソースブロックと同じ周波数帯域でPollフレームを送信していたが、別の周波数帯域(別のチャネル)を用いてPollフレームを送信するようにしてもよい。
本実施形態では、基地局101は、Pollフレームを用いてGIDフィールドおよびUP of RB1〜4のフィールドを通知していたが、その他の管理フレームや制御フレームを用いてこれらの情報を通知してもよい。また、別途定義した新たなフレームを用いて通知するようにしてもよし、既存フレームのReservedビットを用いても通知してもよい。
以上、本実施形態によれば、基地局は、複数の無線端末が属するグループと前記グループにおける各無線端末の識別情報を作成し、各無線端末に通知する。そして、OFDMA通信を行う際、OFDMA通信の対象となるグループを指定する情報および各リソースブロックに割り当てる無線端末の識別情報に関する情報を各無線端末に通知する。これにより、OFDMAの通信対象となる無線端末および各無線端末が使用するリソースブロックを効率的に管理することができる。
(変形例1)
これまでの例では、リソースブロックがRB1〜4の4つの場合について説明したが、OFDMA通信に用いるリソースブロック数はこれに限定されない。例えば、160MHzのチャネル幅に対して、5MHz幅のリソースブロックを32個配置してもよい。ここで、User Position数は、リソースブロック数と揃えてもよいし、異なる値としてもよい。
User Position数をリソースブロック数と揃える場合、User Positionは0〜31の5ビットで表すことができる。図8(a)は、基地局101がOFDMA通信の際にPHYヘッダに設定するGIDフィールドおよびUP of RB[n]フィールド(nは1〜32の整数)を示している。UP of RB[n]のフィールドには0〜31のUser Positionが設定されるため、各フィールドのビット数は5になる。
User Positionを0〜4の2ビットで表す場合(User Position数とリソースブロック数が異なる場合)は、図8(b)に示すように、PHYヘッダに設定するUP of RB[n]の各フィールドのビット数は2になる。このように、使用するリソースブロック数およびUser Position数に応じて、基地局101がOFDMA通信の際に使用するUP of RB[n]のフィールドの総ビット数は変動する。
また、基地局101は、グループ情報で使用するGroup IDを0〜63(6ビット)ではなく、例えば、0〜255(8ビット)等に拡張することもできる。この場合、基地局101がOFDMA通信の際PHYヘッダに設定するGIDフィールドのビット数も8に拡張される。
また、基地局101がサポートする周波数帯域幅およびリソースブロック幅に応じて、PHYヘッダの構成を切り替えるようにしてもよい。例えば、基地局101がサポートする周波数帯域幅が80MHz、リソースブロック幅が5MHzの場合は、“周波数帯域幅/リソースブロック幅”の計算により、計16個のリソースブロックが設定される。リソースブロック数とUser Position数が同じ値になると規定されている場合は、User Positionも0〜15の値(4ビット)になり、UP of RB[n]フィールド(nは1〜16の整数)の総ビット数は、64(4ビット×16)になる(図8の(c))。一方、User Position数が4のように、User Position数とリソースブロック数が異なる場合は、UP of RB[n]フィールド(nは1〜16の整数)の総ビット数は、2(2ビット×16)になる(図8の(d))。
基地局101は、各無線端末に対して、Group ID数、サポートする周波数帯域幅、リソースブロック幅、ガードサブキャリアの情報、リソースブロック数、User Position数、User Position数がリソースブロック数と一致するか否か等に関する情報の全部あるいは一部を、各無線端末に対して通知してもよい。通知には、前述したGroup ID Managementフレームを用いてもよいし、別途定義された新たなフレームを用いてもよい。また、既存フレームのReservedビットを用いてもよい。また、一度通知した情報を更新する際は、再度、これらの情報を通知してもよい。これにより、各無線端末は、OFDMA通信の際、基地局101から送信されるPHYヘッダの構成(フィールドの長さ、配置など)を把握することができる。
(変形例2)
これまでの例では、基地局101は、GIDフィールドおよびUP of RB[n]フィールド(nはリソースブロック数以下の自然数)を用いてOFDMA通信の対象となる無線端末および各無線端末に割り当てるリソースブロックを通知していたが、別の方法を用いて通知することも可能である。
図9に、本変形例において基地局101がダウンリンクで送信するPHYヘッダの一例を示す。このPHYヘッダは、GIDフィールド、Pbit(Permutation bit)フィールドおよび”Number of RBsフィールド”を含む。本変形例におけるPHYヘッダは、上述したダウンリンクおよびアップリンクどちらのOFDMA通信にも適用することができる。アップリンクの場合は、Pollフレームに図9のフィールドが格納される。
GIDフィールドには、OFDMA通信の対象となるグループのIDが格納される。
Pbitフィールドには、後述する“Number of RBsフィールド”でリソースブロックを割り当てる際に始点となるUser Positionが設定される。例えば、図3のグループ情報が各無線端末に通知された状況において、Pbitフィールドに“0”を設定した場合、後述する“Number of RBsフィールド”で、UP0、UP1、UP2、UP3の順番でリソースブロックが割り当てられる。同様に、Pbitフィールドが“1”の場合はUP1、UP2、UP3、UP0の順番で、Pbitフィールドが“2”の場合はUP2、UP3、UP0、UP1の順番で、Pbitフィールドが“3”の場合はUP3、UP0、UP1、UP2の順番で、リソースブロックが割り当てられる。
このように、本変形例では、基地局101がPbitフィールドの値を調整することで、リソースブロックを割り当てるUser Positionの順番を変更することができる。なお、PbitフィールドのサイズはUser Position数に応じて決定され、User Position数が4の場合は2ビットになる。
“Number of RBsフィールド”には、各User Positionに割り当てるリソースブロック数が設定される。このとき、割り当ての始点となるUser Positionは、Pbitフィールドで指定したUser Positionになる。Pbitフィールドが“1”の場合、“# of RBs (1)フィールド”には、UP1に対応する無線端末に割り当てるリソースブロック数が設定される。ここで、リソースブロックの割り当ては、周波数の低い方から高い方にかけて行うものとする(RB数が4の場合は、RB1〜RB4の順番)。
例えば、Pbitフィールドに“1”、“# of RBs (1)フィールド”に“2”を設定した場合、UP1に対応する無線端末にRB1とRB2の2つのリソースブロックが割り当てられる。続く“# of RBs (2)フィールド”には、UP2に対応する無線端末に割り当てるリソースブロック数が設定される。UP1の無線端末に2つのリソースブロック(RB1およびRB2)を割り当てている場合は、UP2に対してはRB3以降のリソースブロックを割り当てることになる。なお、“# of RBs (2)フィールド”が“0”の場合は、UP2にリソースブロックは割り当てられない。“# of RBs (n)”の各フィールドのサイズはリソースブロック数に応じて決定され、リソースブロック数が4の場合は2ビットになる。また、“# of RBs (n)”のnはUser Position数に応じて決定され、User Position数が4の場合は1〜4の値をとる。
基地局101がPHYヘッダを作成する際の具体例について説明する。ここで、各無線端末は、基地局101から自装置向けのGroup ID Managementフレームを受信しており、図3で示すグループ情報のうち、自装置に関するグループ情報は把握しているものとする。基地局101は、無線端末202および無線端末204向けのデータを保有しており、これらの無線端末にダウンリンクのOFDMA通信でデータを送信するものとする。基地局101は、通信環境および送信するデータの種類・優先度などの情報から、無線端末204にRB1およびRB2を、無線端末202にRB3およびRB4を割り当てるものとする。
この場合、基地局101は、GIDフィールドに、無線端末202および204がメンバとして属する“1”(Group ID 1)を設定する。これにより、無線端末202および無線端末204に、自装置がOFDMA通信の対象であることを通知できる。なお、基地局101は、無線端末202および204がメンバとして属するGID4を選択することもできるが、GID4には、GID1と比較して、OFDMA通信の対象ではない無線端末が多く含まれるため、この例ではGID1を選択するものとする。
次に、基地局101は、Pbitフィールドに“3”を設定することで、リソースブロックを割り当てる際に始点となるUser Position、つまり、RB1が割り当てられるUser PositionをGID1のUP3(無線端末204)に設定する。これにより、RB1〜RB4について、UP3、UP0、UP1、UP2の順番(つまり、無線端末204、201、202、203の順番)でリソースブロックの割り当てを行うことができる。
最後に、基地局101は、“# of RBs (1)フィールド”に“2”、“# of RBs (2)フィールド”に“0”、“# of RBs (3)フィールド”に“2”、“# of RBs (4)フィールド”に“0”をそれぞれ設定することで、無線端末204にRB1およびRB2(2つのリソースブロック)を、無線端末202にRB3およびRB4(2つのリソースブロック)を割り当てることができる。
各無線端末は、基地局101から送信されたPHYヘッダを解析することにより、自装置がOFDMA通信の対象となっているか、および、対象となっている場合に自装置に割り当てられたリソースブロックを特定することができる。なお、本変形例においては、各無線端末は、基地局101からの通知により、予めUser Position数を把握しているものとする。
本変形例で説明した方法は、User Position数がリソースブロック数より多くなる場合も適用可能である。図10は、User Position数が10の場合のグループ情報の一例を示している。リソースブロック数は4(RB1〜RB4)とする。この場合、無線端末101は、GIDフィールドに“1”、Pbitフィールドに“0”、“# of RBs (1)〜(4)”のフィールドに全て“1”を設定することで、無線端末201〜204とOFDMA通信することができる。また、基地局101は、上記フィールドの値のうちPbitフィールドのみを“4”に変更することで、無線端末205〜208とOFDMA通信することができる。
以上の説明では、周波数の低い方から高い方にかけて(RB数が4の場合は、RB1〜RB4の順番)割り当てを行ったが、割り当てを行うリソースブロックの順番は各無線端末が把握できればこれ以外の順番であってもよい。例えば、周波数の高い方から低い方の順番でもよいし、予め決められた任意の順番でもよい。また、基地局101が順番を決定し、各無線端末に通知するようにしてもよい。
(変形例3)
以上の説明では、複数のリソースブロックを複数の無線端末が同時に利用するリソースブロックベースのOFDMA通信を前提としていたが、本実施形態および変形例を、複数のチャネルを複数の無線端末が同時に利用するチャネルベースのマルチユーザーマルチチャネル(Multi-user Multi-Channel: MU-MC)通信に用いることも可能である。その際、基地局101がUser Positionとチャネルの割り当て情報を通知するなど、上述した説明のリソースブロックをチャネルに置き換えて読むことでMU-MC通信への対応が可能になる。
図6〜8の例では、UP of RB[n]フィールド(nはリソースブロック数以下の自然数)を用いて、各無線端末に割り当てるリソースブロックを通知していたが、上記nの順番は基地局101および各無線端末が理解できるかぎり、任意の順番に設定することができる。昇順(RB1、RB2、…)で設定してもよいし、降順(RB[n]、RB[n-1]、…)で設定してもよい。また、任意の順番で設定してもよい。基地局101が各無線端末に順番を事前に通知するようにしてもよい。
第1の実施形態では、基地局101と複数の無線端末との間で通信する形態を示したが、基地局101を介さずに、無線端末間でOFDMA通信する場合も本発明は実施可能である。例えば、複数の無線端末のうちの1台が送信側、残りの無線端末のうちの2台以上の無線端末が受信側となり、OFDMA通信を行う場合がこれに相当する。なお、基地局を介さずに、無線端末同士で通信する規格として、Wi-Fi Direct等が知られている。Wi-Fi Direct対応の無線端末は、その機能を有効にすると他の無線端末からは基地局として認識され、1対1または1対多の接続が可能になる。
また、OFDMA通信を行う際のリソースブロック幅は、5MHzに限定されない。例えば、2.5MHzや10MHzに設定してもよい。また、リソースブロック幅を、ガードサブキャリアを含む幅と定義としてもよいし含まない幅と定義としてもよい。
(変形例4)
基地局101は、通信環境に応じて各無線端末に割り当てるリソースブロックを決定することができる。基地局101は、OFDMA通信の対象となる複数の無線端末についてソースブロック毎の通信環境を確認し、各無線端末に対して、割り当て済みのリソースブロックを除き最も通信環境が良くなるリソースブロックを割り当てることができる。ここで、通信環境を示す指標としては、各リソースブロックにおけるSNR(Signal to Noise Ratio)、SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)などがある。例えば、RB1におけるSNRが最も高い無線端末が無線端末201である場合、基地局101は、無線端末201にRB1を割り当てることができる。
また、基地局101は、リソースブロック毎の通信環境だけでなく、チャネルの通信環境を用いて、リソースブロックの割り当てを行ってもよい。例えば、20MHz幅のチャネルに2.5MHz幅で8つのリソースブロックがある場合、基地局101は、リソースブロック毎のSNR(SINR)だけでなく、20MHz幅のチャネルのSNR(SINR)を用いてもよい。この場合、基地局101は、OFDMA通信の対象となる複数の無線端末のうち、チャネルのSNR(SINR)が最も低くなる無線端末に、その無線端末にとってSNR(SINR)が最も高くなるリソースブロックを割り当てる。次に、チャネルのSNR(SINR)が2番目に低くなる無線端末に、割り当て済みのリソースブロックを除き、その無線端末にとってSNR(SINR)が最も高くなるリソースブロックを割り当てる。以後、同様な割り当て処理を繰り返す。
また、基地局101は、上述した変形例2における割り当て方法を用いる場合は、チャネルのSNR(SINR)が最も低くなる無線端末に、その無線端末にとってSNR(SINR)が最も高くなるリソースブロックが割り当てられるように、Pbitフィールドを調整することができる。
なお、本変形例で説明したリソースブロックの割り当て方法は、ダウンリンクおよびアップリンクどちらのOFDMA通信にも適用することができる。
(機能ブロック: 基地局)
図11は、基地局101に搭載された無線通信装置を示すブロック図である。この無線通信装置は、アンテナ5A〜5Dと、無線通信部505と、通信制御装置506を備え、複数の無線端末201〜210との無線通信を制御する。上述した実施形態および変形例における基地局101の各動作は、基地局101に搭載された無線通信装置によって実行される。
通信制御装置506は、バッファ504と、制御部501を備えている。無線通信部505は、送信部502と、受信部503を備えている。無線通信装置は、この例では5A〜5Dの4本のアンテナを備えているが、1本のアンテナを備える構成でもよい。また、複数のアンテナを備える場合、アンテナ毎に送信部および受信部を備えるようにしてもよい。
無線通信部505および通信制御装置506のデジタル処理の全部または一部は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。基地局101は、無線通信部505および通信制御装置506のデジタル処理の全部または一部を行うプロセッサを備えてもよい。
受信部503は、アンテナ5A〜5Dを介して受信した信号を、無線周波数(例えば、2.4GHz、5GHzなどの無線周波数)からベースバンド周波数へ変換し、ベースバンド信号に受信処理を行ってフレームを取得する。取得したフレームは制御部501へ出力する。受信処理には、例えば、A/D変換、復調処理、物理ヘッダの解析などの物理層の処理が含まれる。
受信部503は、アナログフィルタおよびデジタルフィルタを備え、複数のチャネルをカバーするアナログフィルタで全チャネル帯域分の信号を抽出し、デジタルフィルタで処理対象となるチャネルの信号を抽出してもよい。また、処理対象となるチャネル帯域にのみに対応するアナログフィルタで信号を抽出してもよい。アナログフィルタは、制御部501の指示でその動作帯域が可変になっていてもよいし、予め固定された帯域のみに対応したアナログフィルタであってもよい。
制御部501は、受信部503を介したフレームの受信、送信部502を介したフレームの送信を制御する。フレームを受信する場合、制御部501は、受信部503で取得したフレームのMACヘッダの解析等を行う。制御部501は、MACヘッダの解析結果から、受信フレームがデータフレームであると判断した場合、バッファ504介して、データを上位層へ渡すことができる。また、受信フレームが管理フレームまたは制御フレームであると判断した場合は、フレーム内容に応じた通信制御を行う。フレームを送信する場合、制御部501は、フレーム(管理フレーム、制御フレーム、データフレーム)の生成および送信を制御する。例えば、上位層からバッファ504にデータが入力された場合、制御部501は、このデータをFrame Bodyフィールドに格納したデータフレームを生成し、送信部502へ出力する。
送信部502は、制御部501から取得したフレームに対し、所望の物理層の処理を行って物理パケットを生成する。そして、この物理パケットにD/A変換および周波数変換等の処理を適用して無線周波数の信号を生成し、アンテナ5A〜5Dから電波として送信する。
送信部502は、DA変換されたフレームの信号から所望帯域の信号を抽出するアナログフィルタを備えてもよい。アナログフィルタは、制御部501の指示でその動作帯域が可変になっていてもよいし、予め固定された帯域のみに対応したアナログフィルタであってもよい。
なお、受信部503および送信部502におけるデジタル処理を制御部501が実行するようにしてもよい。この場合、通信制御装置506が、受信部503および送信部502の一部を含むことになる。また、無線通信装置がメモリ(図示なし)と接続されてもよい。メモリおよびバッファ504は、DRAM等の揮発性メモリでも、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。また、SSD、ハードディスク等でもよい。
(機能ブロック: 無線端末)
図12は、無線端末に搭載された無線通信装置を示すブロック図である。この無線通信装置は、アンテナ6A〜6Dと、無線通信部605と、通信制御装置606を備え、基地局101との無線通信を制御する。上述した実施形態および変形例における無線端末の各動作は、無線端末に搭載された無線通信装置によって実行される。
通信制御装置606は、バッファ604と、制御部601を備えている。無線通信部605は、送信部602と、受信部603を備えている。無線通信装置は、この例では6A〜6Dの4本のアンテナを備えているが、1本のアンテナを備える構成でもよい。また、複数のアンテナを備える場合、アンテナ毎に送信部および受信部を備えるようにしてもよい。
無線通信部605および通信制御装置606のデジタル処理の全部または一部は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。基地局101は、無線通信部605および通信制御装置606のデジタル処理の全部または一部を行うプロセッサを備えてもよい。
受信部603は、アンテナ6A〜6Dを介して受信した信号を無線周波数からベースバンド周波数へ変換し、ベースバンド信号に受信処理を行ってフレームを取得する。取得したフレームは制御部601へ出力する。受信処理には、例えば、A/D変換、復調処理、物理ヘッダの解析などの物理層の処理が含まれる。
受信部603は、アナログフィルタおよびデジタルフィルタを備え、複数のチャネルをカバーするアナログフィルタで全チャネル帯域分の信号を抽出し、デジタルフィルタで処理対象となるチャネルの信号を抽出してもよい。また、処理対象となるチャネル帯域にのみに対応するアナログフィルタで信号を抽出してもよい。アナログフィルタは、制御部601の指示でその動作帯域が可変になっていてもよいし、予め固定された帯域のみに対応したアナログフィルタであってもよい。
制御部601は、受信部603を介したフレームの受信、送信部602を介したフレームの送信を制御する。フレームを受信する場合、制御部601は、受信部603で取得したフレームのMACヘッダの解析等を行う。制御部601は、MACヘッダの解析結果から、受信フレームがデータフレームであると判断した場合、バッファ604介して、データを上位層へ渡すことができる。また、受信フレームが管理フレームまたは制御フレームであると判断した場合は、フレーム内容に応じた通信制御を行う。フレームを送信する場合、制御部601は、フレーム(管理フレーム、制御フレーム、データフレーム)の生成および送信を制御する。例えば、上位層からバッファ604にデータが入力された場合、制御部601は、このデータをFrame Bodyフィールドに格納したデータフレームを生成し、送信部602へ出力する。
送信部602は、制御部601から取得したフレームに対し、所望の物理層の処理を行って物理パケットを生成する。そして、この物理パケットにD/A変換および周波数変換等の処理を適用して無線周波数の信号を生成し、アンテナ6A〜6Dから電波として送信する。
送信部602は、DA変換されたフレームの信号から所望帯域の信号を抽出するアナログフィルタを備えてもよい。アナログフィルタは、制御部601の指示でその動作帯域が可変になっていてもよいし、予め固定された帯域のみに対応したアナログフィルタであってもよい。
なお、受信部603および送信部602におけるデジタル処理を制御部601が実行するようにしてもよい。この場合、通信制御装置606が、受信部603および送信部602の一部を含むことになる。また、無線通信装置がメモリ(図示なし)と接続されてもよい。メモリおよびバッファ604は、DRAM等の揮発性メモリでも、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。また、SSD、ハードディスク等でもよい。
(フローチャート: ダウンリンクのOFDMA通信)
図13は、本実施形態に係る基地局101に搭載された無線通信装置がダウンリンクのOFDMA通信をする際の基本的な動作例のフローチャートを示している。
ステップS1では、制御部501は、自装置と通信リンクを確立した無線端末201〜210についてグループ情報を作成する。制御部501は、グループ情報をGroup IDおよびUser Positionを用いて作成することができる。作成したグループ情報はバッファ604に格納することができる。また、メモリにグループ情報を格納するようにしてもよい。
ステップS2では、制御部501は、ステップS1で作成したグループ情報を各無線端末に通知する。制御部501は、各無線端末に送信するGroup ID Managementフレームを生成し、送信部502に出力する。送信部502は、Group ID Managementフレームに対して所望の物理層の処理を行って物理パケットを生成する。そして、送信部502は、この物理パケットにD/A変換および周波数変換等の処理を適用して無線周波数の信号を生成し、アンテナから電波として送信する。
ステップS3では、制御部501は、ダウンリンクのOFDMA通信の対象になる複数の無線端末および各無線端末に割り当てるリソースブロックを決定する。ここで、制御部501は、バッファ604やメモリに格納されたデータを確認し、格納されたデータの宛先の無線端末をダウンリンクのOFDMA通信の対象にすることができる。また、制御部501は、複数の無線端末にOFDMA通信で送信するMACフレームを生成し、送信部502に出力する。
ステップS4では、送信部502は、制御部501から取得したMACフレームに対して、所望の物理層の処理を行って物理パケットを生成する。そして、送信部502は、この物理パケットにD/A変換および周波数変換等の処理を適用して無線周波数の信号を生成し、アンテナから電波として送信する。
ここで、送信部502は、ステップS3で決定された情報に応じて、送信するフレームのPHYヘッダに所望の値を設定する。具体的には、GIDフィールド、UP of RB[n]フィールド、Pbitフィールド、Number of RBsフィールド等に、所望の値を格納する。なお、制御部501がPHYヘッダを生成し、送信部502に出力するようにしてもよい。また、送信部502は、ステップS3で決定したリソースブロックの割り当てに基づいて、各MACフレームを所望のリソースブロックで送信する。
基地局101の無線通信装置は、ステップS1およびS2をダウンリンクのOFDMA通信のたびに実行する必要はない。ステップS1およびS2を一度実行すれば各無線端末にグループ情報を通知することができるため、基地局101の無線通信装置は、その後はステップS1およびS2を省略してダウンリンクのOFDMA通信を実行することができる。制御部101は、グループ情報を更新する場合にステップS1を再度実行し、更新したグループ情報を通知する場合にS2を再度実行するようにしてもよい。
図14は、本実施形態に係る無線端末に搭載された無線通信装置がダウンリンクのOFDMA通信をする際の基本的な動作例のフローチャートを示している。
ステップS21では、無線端末は、基地局101からグループ情報を受信する。具体的には、受信部603は、アンテナを介して受信した信号を無線周波数からベースバンド周波数へ変換し、ベースバンド信号に受信処理を行ってGroup ID Managementフレームを取得し、制御部601へ出力する。制御部601は、Group ID ManagementフレームのFrame Bodyに格納されたMembership Status ArrayフィールドおよびUser Position Arrayフィールドから自装置に関するグループ情報を取得する。取得したグループ情報は、バッファ604やメモリに保持することができる。なお、基地局101がグループ情報を一度送信している場合は、本ステップが省略されることもある。
ステップS22では、無線端末は、基地局101からダウンリンクのOFDMA通信で送信されたフレームを受信する。受信部603は、アンテナを介して受信した信号を無線周波数からベースバンド周波数へ変換し、ベースバンド信号に受信処理を行ってフレームを取得する。
ステップS23では、受信部603は、受信したフレームのPHYヘッダに格納された情報を解析し、少なくとも、自装置がダウンリンクのOFDMA通信の対象になっているか否かを判断する。具体的には、ステップS21で取得したグループ情報とPHYヘッダに格納されたGIDフィールドを用いて、OFDMA通信の対象か否かを判断する。受信部603は、グループ情報をバッファ604やメモリから読み出すことができる。ここで、受信部603は、グループ情報をバッファ604やメモリから直接読み出してもよいし、制御部601を介して読み出してもよい。
更に、ステップS23において受信部603は、自装置がOFDMA通信の対象となっている場合に使用するリソースブロックを特定する。リソースブロックは、ステップS21で取得したグループ情報とPHYヘッダに格納された情報(GIDフィールド、UP of RB[n]フィールド、Pbitフィールド、Number of RBsフィールド等)を用いて特定することができる。なお、ステップS23におけるPHYヘッダの解析を、制御部601が実行するようにしてもよい。
ステップS24では、受信部603は、ステップS23で自装置がOFDMA通信の対象となっている場合、割り当てられリソースブロックでフレームの受信処理を行い、MACフレームを抽出する。受信部603は、抽出したMACフレームを制御部601へ出力する。
ステップS25では、制御部601は、取得したMACフレームのRAアドレスを解析し、当該フレームが自装置宛のフレームであるか否かを判断する。自装置宛でない場合は、制御部601は、受信したフレームを破棄することができる。
(フローチャート: アップリンクのOFDMA通信)
図15は、本実施形態に係る基地局101の無線通信装置がアップリンクのOFDMA通信をする際の基本的な動作例のフローチャートである。ここで、ステップS31およびS32は、図13におけるステップS1およびS2と同様な動作になるため、説明を省略する。
ステップS33では、制御部501は、アップリンクのOFDMA通信の対象になる複数の無線端末および各無線端末に割り当てるリソースブロックを決定する。
ステップS34では、制御部501は、アップリンクのOFDMA通信のトリガとなるPollフレームを生成し、送信部502に出力する。送信部502は、ステップS33で決定された情報に応じて、Pollフレームに所望の値を設定する。具体的には、GIDフィールド、UP of RB[n]フィールド、Pbitフィールド、Number of RBsフィールド等に所望の値を設定する。なお、制御部501がこれらのフィールドを生成し、送信部502に出力するようにしてもよい。
送信部502は、Pollフレームに対して所望の物理層の処理を行って物理パケットを生成する。そして、この物理パケットにD/A変換および周波数変換等の処理を適用して無線周波数の信号を生成し、アンテナから電波として送信する。
ステップS35では、受信部503は、T1時間経過後、複数の無線端末から送信されたフレームをアップリンクのOFDMA通信で受信する。このとき、受信部503は、リソースブロック毎に受信処理を行うことで、各無線端末から送信されたMACフレームを受信することができる。
なお、基地局101の無線通信装置は、ステップS31およびS32をアップリンクのOFDMA通信のたびに実行する必要はない。ステップS31およびS32を一度実行すれば各無線端末にグループ情報を通知することができるため、基地局101の無線通信装置は、その後はステップS31およびS32を省略してアップリンクのOFDMA通信を実行することができる。また、制御部101は、グループ情報を更新する場合にステップS31を再度実行し、更新したグループ情報を通知する場合にS32を再度実行するようにしてもよい。
図16は、本実施形態に係る無線端末の無線通信装置がアップリンクのOFDMA通信をする際の基本的な動作例のフローチャートである。
ステップS41は、図14におけるステップS21と同様な動作になるため、説明を省略する。
ステップS42では、無線端末は、基地局101から送信されたPollフレームを受信する。受信部603は、アンテナを介して受信した信号を無線周波数からベースバンド周波数へ変換し、ベースバンド信号に受信処理を行ってPollフレームを受信する。
ステップS43では、受信部603は、Pollフレームを解析し、自装置がアップリンクのOFDMA通信の対象になっているか否かを判断する。具体的には、ステップS41で取得したグループ情報とPollフレームのGIDフィールドを用いて、OFDMA通信の対象か否かを判断する。受信部603は、グループ情報をバッファ604やメモリから取得することができる。ここで、受信部603は、バッファ604やメモリからグループ情報を直接読み出してもよいし、制御部601を介して読み出してもよい。
また、受信部603は、自装置がOFDMA通信の対象となっている場合に使用するリソースブロックを特定する。リソースブロックは、ステップS41で取得したグループ情報とPollフレームに格納された情報(GIDフィールド、UP of RB[n]フィールド、Pbitフィールド、Number of RBsフィールド等)を用いて特定することができる。なお、ステップS43におけるPollフレームの解析を、制御部601が実行するようにしてもよい。
ステップS44では、制御部601は、ステップS43で自装置がOFDMA通信の対象になっている場合、Pollフレームの受信からT1時間経過後、基地局101へ向けてフレームを送信するよう制御する。具体的には、制御部601は、基地局101宛のMACフレームを生成し、送信部602に出力する。送信部602は、取得したMACフレームに対して所望の物理層の処理を行って物理パケットを生成する。そして、この物理パケットにD/A変換および周波数変換等の処理を適用して無線周波数の信号を生成し、アンテナから電波として送信する。ここで、送信部602は、ステップS43で特定した自装置に割り当てられたリソースブロックを用いて物理パケットを送信する。
なお、T1時間のカウントは、制御部601が行ってもよいし、送信部602が行ってもよい。
(ハードウェア構成)
図17は、本発明の実施形態に係る基地局101に搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。このハードウェア構成は一例であり、種々の変更が可能である。図17の無線通信装置の動作は、これまで説明した基地局101および図11の無線通信装置の動作と同様であるため、以下では、ハードウェア構成を中心に説明する。
なお、無線端末201〜210に搭載される無線通信装置のハードウェアも図17と同様な構成になる。また、図12で示した無線端末に搭載される無線通信装置とハードウェア構成の対応関係も以下に説明する基地局101の場合と同様であるため、無線端末201〜210に搭載される無線通信装置のハードウェア構成の説明は省略する。
図17の無線通信装置は、ベースバンド部111、RF部121と、アンテナ1〜Nとを備える。ベースバンド部111は、制御回路112と、送信処理回路113と、受信処理回路114と、DA変換回路115、116と、AD変換回路117、118とを含む。RF部121とベースバンド部111は、まとめて1チップのIC(Integrated Circuit: 集積回路)で構成されてもよいし、別々のICで構成されてもよい。RF部121をRF集積回路(RF IC)、ベースバンド部111をベースバンド集積回路(ベースバンドIC)と呼んでもよい。また、これらの集積回路を総称で無線通信用集積回路と呼んでもよい。
ベースバンド部111は、一例として、ベースバンドLSIまたはベースバンドICまたはこれらの両方である。ベースバンド部111が、図示の点線の枠で示すように、IC132とIC131とを備えてもよい。このとき、IC132が、制御回路112と送信処理回路113と受信処理回路114とを含み、IC131が、DA変換回路115、116とAD変換回路117、118を含んでもよい。
制御回路112は、一例として、図11の通信制御装置506または制御部501に対応する。また、送信処理回路113と受信処理回路114の一方または両方が、通信制御装置506または制御部501に対応してもよい。
これとは別に、無線通信部505が、送信処理回路113と受信処理回路114に対応してもよい。また、無線通信部505が、送信処理回路113と受信処理回路114に加えて、DA変換回路115、116およびAD変換回路117、118に対応してもよい。さらに、無線通信部505が、送信処理回路113、受信処理回路114、DA変換回路115、116およびAD変換回路117、118に加えて、送信回路122および受信回路123に対応してもよい。
本実施形態に係るICは、ベースバンド部111の全部または一部の処理、すなわち、制御回路112、送信処理回路113、受信処理回路114、DA変換回路115、116およびAD変換回路117、118の全部または一部の処理を行うプロセッサを備えてもよい。
IC132が通信制御装置506または制御部501に対応してもよい。このとき、無線通信部505は、送信回路122および受信回路123に対応してもよい。さらに、無線通信部505は、送信回路122および受信回路123に加え、DA変換回路115、116およびAD変換回路117、118に対応してもよい。
制御回路112は、主として、通信制御装置506の機能を実行する。上位層の機能を制御回路112に含めても構わない。制御回路112はクロック生成部を含んでもよい。送信処理回路113は、送信部502の物理層の処理を行う部分に対応する。送信処理回路113は、PHYヘッダの追加や符号化、変調などの物理層の処理を行い、例えば2種類のデジタルベースバンド信号(以下、デジタルI(In-phase)信号とデジタルQ(Quad-phase)信号)を生成する。
DA変換回路115、116は、送信部502のDA変換を行う部分に相当する。DA変換回路115、116は、送信処理回路113から入力される信号をDA変換する。より詳細には、DA変換回路115はデジタルI信号をアナログのI信号に変換し、DA変換回路116はデジタルQ信号をアナログのQ信号に変換する。なお、直交変調せずに一系統の信号のままで送信する場合もありうる。この場合、DA変換回路は1つだけでもよい。また、一系統または複数系統の送信信号をアンテナの数だけ振り分けて送信する場合には、アンテナの数に応じた数のDA変換回路を設けてもよい。
本実施形態の通信制御装置506は、1チップのIC、複数チップのICのいずれの形態でもよい。本実施形態に係るICは、ベースバンド部111の全部または一部の処理、すなわち、制御回路112、送信処理回路113、受信処理回路114、DA115、116およびAD117、118の全部または一部の処理を行うプロセッサを備えてもよい。
RF部121は、一例としてRFアナログICあるいは高周波ICあるいはこれらの両方である。RF部121における送信回路122は、図11に示した送信部502のうちDA変換より後の段階の送信時のアナログ処理を行う部分に相当する。送信回路122は、DA変換回路115、116によりDA変換されたフレームの信号から所望帯域の信号を抽出する送信フィルタ、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、フィルタリング後の信号を無線周波数にアップコンバートするミキサ、アップコンバート後の信号を増幅するプリアンプ(PA)等を含む。
RF部121における受信回路123は、図11に示した受信部503のうちAD変換より前の段階までの受信時のアナログ処理を行う部分に相当する。受信回路123は、アンテナで受信された信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、増幅後の信号をベースバンドの信号にダウンコンバートするミキサ、ダウンコーバート後の信号から所望帯域の信号を抽出する受信フィルタ等を含む。より詳細には、受信回路123は、不図示のLNAで低雑音増幅された受信信号を互いに90°位相のずれた搬送波により直交復調して、受信信号と同位相のI信号と、これより90°位相が遅れたQ信号とを生成する。これらI信号とQ信号は、ゲインが調整された後に、受信回路123から出力される。
ベースバンド部111におけるAD変換回路117、118は、図11に示した受信部503のAD変換を行う部分に相当する。AD変換回路117、118は、受信回路123からの入力信号をAD変換する。より詳細には、AD変換回路117はI信号をデジタルI信号に変換し、AD変換回路118はQ信号をデジタルQ信号に変換する。なお、直交復調せずに一系統の信号だけを受信する場合もありうる。この場合、AD変換回路は1つだけでよい。また、複数のアンテナが設けられる場合には、アンテナの数に応じた数のAD変換回路を設けてもよい。
受信処理回路114は、図11に示した受信部503の物理層の受信処理を行う部分に対応する。すなわち、受信処理回路114は、復調、復号化、PHYヘッダの解析などの処理を行う。
制御回路112は、送信回路122の送信フィルタおよび受信回路123の受信フィルタの動作を、使用するチャネルの設定に応じて、当該チャネルがカバーする信号を抽出するように制御してもよい。また、送信回路122および受信回路123を制御する別の制御部が存在し、制御回路112がその制御部に指示を出すことで、同様の制御を行ってもよい。
なお、アンテナ1〜Nを、送信回路122および受信回路123のいずれか一方に切り換えるスイッチがRF部に配置されてもよい。スイッチを制御することで、送信時にはアンテナ1〜Nを送信回路122に接続し、受信時には、アンテナ1〜Nを受信回路123に接続してもよい。
図17では、DA変換回路115、116およびAD変換回路117、118がベースバンド部111側に配置されていたが、RF部121側に配置されるように構成してもよい。
(第2の実施形態)
図18(A)および図18(B)は、それぞれ第2の実施形態に係る無線端末の斜視図である。図18(A)の無線端末はノートPC301であり、図18(B)の無線端末は移動体端末321である。それぞれ、無線端末(基地局を含む)の一形態に対応する。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた無線端末(基地局を含む)に搭載されていた無線通信装置を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線端末は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン、ゲーム装置、ネットワークストレージ装置、モニタ、デジタルオーディオプレーヤ、Webカメラ、ビデオカメラ、プロジェクタ、ナビゲーションシステム、外部アダプタ、内部アダプタ、セットトップボックス、ゲートウェイ、プリンタサーバ、モバイルアクセスポイント、ルータ、エンタープライズ/サービスプロバイダアクセスポイント、ポータブル装置、ハンドヘルド装置、車などの移動体、等にも搭載可能である。
また、無線端末(基地局を含む)に搭載されていた無線通信装置は、メモリーカードにも搭載可能である。当該無線通信装置をメモリーカードに搭載した例を図19に示す。メモリーカード331は、無線通信装置355と、メモリーカード本体332とを含む。メモリーカード331は、外部の装置との無線通信のために無線通信装置335を利用する。なお、図19では、メモリーカード331内の他の要素(例えばメモリ等)の記載は省略している。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1〜第2のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インタフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インタフェース部は、バスを介してメモリ(バッファ)と接続される。プロセッサ部ではファームウェアが動作する。このように、ファームウェアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウェアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。ファームウェアが動作するプロセッサ部は、本実施形態に係る通信制御装置または制御部またはこれらの複数の処理を行うプロセッサであってもよいし、当該処理の機能拡張または変更に係る処理を行う別のプロセッサであってもよい。ファームウェアが動作するプロセッサ部を、本実施形態に係る基地局あるいは無線端末あるいはこれらの両方が備えてもよい。または当該プロセッサ部を、基地局に搭載される無線通信装置内の集積回路、または無線端末に搭載される無線通信装置内の集積回路が備えてもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第1〜第3のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第1〜第4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第1〜第5のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、例えば、無線通信装置における通信制御装置または制御部と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第1〜第5のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の伝送と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、第1〜第7のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、例えば、通信制御装置、制御部、送信処理回路、受信処理回路、制御回路の少なくとも1つと接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態を、ユーザに容易に通知することが可能となる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、第1〜第8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、例えば、通信制御装置、制御部、送信処理回路、受信処理回路、制御回路の少なくとも1つと接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態を、ユーザに容易に通知することが可能となる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、第1〜第9のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(基地局101の無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、ディスプレイを含む。ディスプレイは、図示しないバスを介して、無線通信装置の通信制御装置または制御部に接続されてもよい。このようにディスプレイを備える構成とし、無線通信装置の動作状態をディスプレイに表示することで、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第11の実施形態)
本実施形態では、[1]無線通信システムにおけるフレーム種別、[2]無線通信装置間の接続切断の手法、[3]無線LANシステムのアクセス方式、[4]無線LANのフレーム間隔について説明する。
[1]通信システムにおけるフレーム種別
一般的に無線通信システムにおける無線アクセスプロトコル上で扱うフレームは、大別してデータ(data)フレーム、管理(management)フレーム、制御(control)フレームの3種類に分けられる。これらの種別は、通常、フレーム間で共通に設けられるヘッダ部で示される。フレーム種別の表示方法としては、1つのフィールドで3種類を区別できるようにしてあってもよいし、2つのフィールドの組み合わせで区別できるようにしてあってもよい。IEEE802.11規格では、フレーム種別の識別は、MACフレームのフレームヘッダ部にあるFrame Controlフィールドの中のType、Subtypeという2つのフィールドで行う。データフレームか、管理フレームか、制御フレームかの大別はTypeフィールドで行われ、大別されたフレームの中での細かい種別、例えば管理フレームの中のBeaconフレームといった識別はSubtypeフィールドで行われる。
管理フレームは、他の無線通信装置との間の物理的な通信リンクの管理に用いるフレームである。例えば、他の無線通信装置との間の通信設定を行うために用いられるフレームや通信リンクをリリースする(つまり接続を切断する)ためのフレーム、無線通信装置でのパワーセーブ動作に係るフレームがある。
データフレームは、他の無線通信装置と物理的な通信リンクが確立した上で、無線通信装置の内部で生成されたデータを他の無線通信装置に送信するフレームである。データは本実施形態の上位層で生成され、例えばユーザの操作によって生成される。
制御フレームは、データフレームを他の無線通信装置との間で送受(交換)する際の制御に用いられるフレームである。無線通信装置がデータフレームや管理フレームを受信した場合にその送達確認のために送信される応答フレームは、制御フレームに属する。応答フレームは、例えばACKフレームやBlockAckフレームである。またRTSフレームやCTSフレームも制御フレームである。
これら3種類のフレームは、物理層で必要に応じた処理を経て物理パケットとしてアンテナを経由して送出される。なお、IEEE802.11規格(前述のIEEE Std 802.11ac-2013などの拡張規格を含む)では接続確立の手順の1つとしてアソシエーション(association)プロセスがあるが、その中で使われるAssociation RequestフレームとAssociation Responseフレームが管理フレームであり、Association RequestフレームやAssociation Responseフレームはユニキャストの管理フレームであることから、受信側の無線端末に応答フレームであるACKフレームの送信を要求する。このACKフレームは上述のように制御フレームである。
[2]無線通信装置間の接続切断の手法
接続の切断(リリース)には、明示的な手法と暗示的な手法とがある。明示的な手法としては、接続を確立している無線通信装置間のいずれか一方が切断のためのフレームを送信する方法がある。IEEE802.11規格ではDeauthenticationフレームがこれに当たり、管理フレームに分類される。通常、接続を切断するフレームを送信する側の無線通信装置では当該フレームを送信した時点で、接続を切断するフレームを受信する側の無線通信装置では当該フレームを受信した時点で、接続の切断と判定する。その後、非基地局の無線端末であれば通信フェーズでの初期状態、例えば接続するBSSを探索する状態に戻る。無線通信基地局がある無線端末との間の接続を切断した場合には、例えば無線通信基地局が自BSSに加入する無線端末を管理する接続管理テーブルを持っているならば当該接続管理テーブルから当該無線端末に係る情報を削除する。例えば、無線通信基地局が自BSSに加入する各無線端末に接続をアソシエーションプロセスで許可した段階で、AID(Association ID)を割り当てる場合には、当該接続を切断した無線端末のAIDに関連づけられた保持情報を削除し、当該AIDに関してはリリースして他の新規加入する無線端末に割り当てられるようにしてもよい。
一方、暗示的な手法としては、接続を確立した接続相手の無線通信装置から一定期間フレーム送信(データフレーム及び管理フレームの送信、あるいは自装置が送信したフレームへの応答フレームの送信)を検知しなかった場合に、接続状態の切断の判定を行う。このような手法があるのは、上述のように接続の切断を判定するような状況では、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるなど物理的な無線リンクが確保できない状態が考えられるからである。すなわち、接続を切断するフレームの受信を期待できないからである。
暗示的な方法で接続の切断を判定する具体例としては、タイマーを使用する。例えば、送達確認応答フレームを要求するデータフレームを送信する際、当該フレームの再送期間を制限する第1のタイマー(例えばデータフレーム用の再送タイマー)を起動し、第1のタイマーが切れるまで(つまり所望の再送期間が経過するまで)当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行う。当該フレームへの送達確認応答フレームを受信すると第1のタイマーは止められる。
一方、送達確認応答フレームを受信せず第1のタイマーが切れると、例えば接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマー(例えば管理フレーム用の再送タイマー)を起動する。第1のタイマーと同様、第2のタイマーでも、第2のタイマーが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマーが切れると接続が切断されたと判定する。接続が切断されたと判定した段階で、前記接続を切断するフレームを送信するようにしてもよい。
あるいは、接続相手の無線通信装置からフレームを受信すると第3のタイマーを起動し、新たに接続相手の無線通信装置からフレームを受信するたびに第3のタイマーを止め、再び初期値から起動する。第3のタイマーが切れると前述と同様に接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマー(例えば管理フレーム用の再送タイマー)を起動する。この場合も、第2のタイマーが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマーが切れると接続が切断されたと判定する。この場合も、接続が切断されたと判定した段階で、前記接続を切断するフレームを送信するようにしてもよい。後者の、接続相手の無線通信装置がまだ存在するかを確認するための管理フレームは、前者の場合の管理フレームとは異なるものであってもよい。また後者の場合の管理フレームの再送を制限するためのタイマーは、ここでは第2のタイマーとして前者の場合と同じものを用いたが、異なるタイマーを用いるようにしてもよい。
[3]無線LANシステムのアクセス方式
例えば、複数の無線通信装置と通信または競合することを想定した無線LANシステムがある。IEEE802.11無線LANではCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Carrier Avoidance)をアクセス方式の基本としている。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了から固定時間を置いて送信を行う方式では、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置で同時に送信を行うことになり、その結果、無線信号が衝突してフレーム送信に失敗する。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了からランダム時間待つことで、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置での送信が確率的に分散することになる。よって、ランダム時間の中で最も早い時間を引いた無線通信装置が1つなら無線通信装置のフレーム送信は成功し、フレームの衝突を防ぐことができる。ランダム値に基づき送信権の獲得が複数の無線通信装置間で公平になることから、Carrier Avoidanceを採用した方式は、複数の無線通信装置間で無線媒体を共有するために適した方式であるということができる。
[4]無線LANのフレーム間隔
IEEE802.11無線LANのフレーム間隔について説明する。IEEE802.11無線LANで用いられるフレーム間隔は、distributed coordination function interframe space(DIFS)、arbitration interframe space(AIFS)、point coordination function interframe space(PIFS)、short interframe space(SIFS)、extended interframe space(EIFS)、reduced interframe space(RIFS)の6種類ある。
フレーム間隔の定義は、IEEE802.11無線LANでは送信前にキャリアセンスアイドルを確認して開けるべき連続期間として定義されており、厳密な前のフレームからの期間は議論しない。従ってここでのIEEE802.11無線LANシステムでの説明においてはその定義を踏襲する。IEEE802.11無線LANでは、CSMA/CAに基づくランダムアクセスの際に待つ時間を固定時間とランダム時間との和としており、固定時間を明確にするため、このような定義になっているといえる。
DIFSとAIFSとは、CSMA/CAに基づき他の無線通信装置と競合するコンテンション期間にフレーム交換開始を試みるときに用いるフレーム間隔である。DIFSは、トラヒック種別による優先権の区別がないとき、AIFSはトラヒック種別(Traffic Identifier: TID)による優先権が設けられている場合に用いる。
DIFSとAIFSとで係る動作としては類似しているため、以降では主にAIFSを用いて説明する。IEEE802.11無線LANでは、MAC層でフレーム交換の開始などを含むアクセス制御を行う。さらに、上位層からデータを渡される際にQoS(Quality of Service)対応する場合には、データとともにトラヒック種別が通知され、トラヒック種別に基づいてデータはアクセス時の優先度のクラス分けがされる。このアクセス時のクラスをアクセスカテゴリ(Access Category: AC)と呼ぶ。従って、アクセスカテゴリごとにAIFSの値が設けられることになる。
PIFSは、競合する他の無線通信装置よりも優先権を持つアクセスができるようにするためのフレーム間隔であり、DIFS及びAIFSのいずれの値よりも期間が短い。SIFSは、応答系の制御フレームの送信時あるいは一旦アクセス権を獲得した後にバーストでフレーム交換を継続する場合に用いることができるフレーム間隔である。EIFSはフレーム受信に失敗した(受信したフレームがエラーであると判定した)場合に発動されるフレーム間隔である。
RIFSは一旦アクセス権を獲得した後にバーストで同一無線通信装置に複数のフレームを連続して送信する場合に用いることができるフレーム間隔であり、RIFSを用いている間は送信相手の無線通信装置からの応答フレームを要求しない。
ここでIEEE802.11無線LANにおけるランダムアクセスに基づく競合期間のフレーム交換の一例を図20に示す。
ある無線通信装置においてデータフレーム(W_DATA1)の送信要求が発生した際に、キャリアセンスの結果、媒体がビジーである(busy medium)と認識する場合を想定する。この場合、キャリアセンスがアイドルになった時点から固定時間のAIFSを空け、その後ランダム時間(random backoff)空いたところで、データフレームW_DATA1を通信相手に送信する。なお、キャリアセンスの結果、媒体がビジーではない、つまり媒体がアイドル(idle)であると認識した場合には、キャリアセンスを開始した時点から固定時間のAIFSを空けて、データフレームW_DATA1を通信相手に送信する。
ランダム時間は0から整数で与えられるコンテンションウィンドウ(Contention Window: CW)の間の一様分布から導かれる擬似ランダム整数にスロット時間をかけたものである。ここで、CWにスロット時間をかけたものをCW時間幅と呼ぶ。CWの初期値はCWminで与えられ、再送するたびにCWの値はCWmaxになるまで増やされる。CWminとCWmaxとの両方とも、AIFSと同様アクセスカテゴリごとの値を持つ。W_DATA1の送信先の無線通信装置では、データフレームの受信に成功し、かつ当該データフレームが応答フレームの送信を要求するフレームであるとそのデータフレームを内包する物理パケットの無線媒体上での占有終了時点からSIFS後に応答フレーム(W_ACK1)を送信する。W_DATA1を送信した無線通信装置は、W_ACK1を受信すると送信バースト時間制限内であればまたW_ACK1を内包する物理パケットの無線媒体上での占有終了時点からSIFS後に次のフレーム(例えばW_DATA2)を送信することができる。
AIFS、DIFS、PIFS及びEIFSは、SIFSとスロット時間との関数になるが、SIFSとスロット時間とは物理層ごとに規定されている。また、AIFS、CWmin及びCWmaxなどアクセスカテゴリごとに値が設けられるパラメータは、通信グループ(IEEE802.11無線LANではBasic Service Set(BSS))ごとに設定可能であるが、デフォルト値が定められている。
例えば、IEEE802.11acの規格策定では、SIFSは16μs、スロット時間は9μsであるとして、それによってPIFSは25μs、DIFSは34μs、AIFSにおいてアクセスカテゴリがBACKGROUND(AC_BK)のフレーム間隔はデフォルト値が79μs、BEST EFFORT(AC_BE)のフレーム間隔はデフォルト値が43μs、VIDEO(AC_VI)とVOICE(AC_VO)のフレーム間隔はデフォルト値が34μs、CWminとCWmaxとのデフォルト値は、各々AC_BKとAC_BEとでは31と1023、AC_VIでは15と31、AC_VOでは7と15になるとする。なお、EIFSは、基本的にはSIFSとDIFSと最も低速な必須の物理レートで送信する場合の応答フレームの時間長の和である。なお効率的なEIFSの取り方ができる無線通信装置では、EIFSを発動した物理パケットへの応答フレームを運ぶ物理パケットの占有時間長を推定し、SIFSとDIFSとその推定時間の和とすることもできる。
本実施形態で用いられる用語は、広く解釈されるべきである。例えば用語“プロセッサ”は、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態マシンなどを包含してもよい。状況によって、“プロセッサ”は、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム可能論理回路(PLD)などを指してもよい。“プロセッサ”は、複数のマイクロプロセッサのような処理装置の組み合わせ、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと協働する1つ以上のマイクロプロセッサを指してもよい。
別の例として、用語“メモリ(バッファ)”は、電子情報を格納可能な任意の電子部品を包含してもよい。“メモリ(バッファ)”は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データストレージを指してもよく、これらはプロセッサによって読み出し可能である。プロセッサがメモリに対して情報を読み出しまたは書き込みまたはこれらの両方を行うならば、メモリはプロセッサと電気的に通信すると言うことができる。メモリは、プロセッサに統合されてもよく、この場合も、メモリは、プロセッサと電気的に通信していると言うことができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
101: 基地局(AP)
201〜210: 無線端末(STA)
501、601: 制御部
502、602: 送信部
503、603: 受信部
504、604: バッファ
505、605: 無線通信部
506、606: 通信制御装置
5A、5D、6A、6D、1、N: アンテナ
111: ベースバンド部
121: RF部
122: 送信回路
123: 受信回路
112: 制御回路
113: 送信処理回路
114: 受信処理回路
115、116: DA変換回路
117、118: AD変換回路
301: ノートPC
305、315、355: 無線通信装置
321: 移動体端末
331: メモリーカード
332: メモリーカード本体

Claims (12)

  1. 自装置が属する第1グループを特定する情報と、前記第1グループにおける自装置の識別情報とからなる第1情報を含む第1フレームを、RF集積回路を介して受信し、
    OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)通信の対象となる前記第1グループを指定する情報と、前記第1グループに属する複数の無線端末に割り当てるリソースブロックを特定するための情報とからなる第2情報を含む第2フレームを、前記RF集積回路を介して受信し、
    前記第1および第2情報を用いて、前記OFDMA通信を制御するベースバンド集積回路
    を備えた無線通信用集積回路。
  2. 前記ベースバンド集積回路は、前記第1および第2情報を用いて、自装置に割り当てられたリソースブロックを特定する請求項1に記載の無線通信用集積回路。
  3. 前記第2フレームが、前記第1グループに属する前記複数の無線端末に送信するデータを含み、
    前記ベースバンド集積回路は、自装置に割り当てられたリソースブロックで受信したデータに含まれるアドレスを参照して、前記受信したデータが自装置宛に送信されたものであるか否かを判断する請求項2に記載の無線通信用集積回路。
  4. 前記ベースバンド集積回路は、前記第2フレームの受信から所定時間経過後、前記自装置に割り当てられたリソースブロックを利用して、第3フレームを、前記RF集積回路を介して送信するよう制御する請求項2に記載の無線通信用集積回路。
  5. 前記第2情報における前記リソースブロックを特定するための情報が、前記リソースブロックと前記第1グループに属する前記複数の無線端末の識別情報とを関連付ける情報である請求項1乃至4の何れか一項に記載の無線通信用集積回路。
  6. 前記第2情報における前記リソースブロックを特定するための情報が、前記第1グループに属する前記複数の無線端末において、前記リソースブロックを割り当てる順番を特定するための情報と、前記順番に応じて割り当てるリソースブロック数を特定するための情報とからなる請求項1乃至4の何れか一項に記載の無線通信用集積回路。
  7. 前記識別情報がUser Positionである請求項1乃至6の何れか一項に記載の無線通信用集積回路。
  8. 前記第2情報が前記第2フレームのPHYヘッダに格納される請求項1乃至7の何れか一項に記載の無線通信用集積回路。
  9. 前記リソースブロックが、1つ又は複数のサブキャリアからなる請求項1乃至8の何れか一項に記載の無線通信用集積回路。
  10. 前記ベースバンド集積回路は、IEEE802.11規格に従って通信を制御する請求項1乃至9の何れか一項に記載の無線通信用集積回路。
  11. 前記RF集積回路を更に備え、
    前記RF集積回路は、前記第1および第2フレームをベースバンド周波数にダウンコンバートし、
    前記ベースバンド集積回路は、ダウンコンバート後の前記第1および第2フレームをAD変換する請求項1乃至10の何れか一項に記載の無線通信用集積回路。
  12. 前記ベースバンド集積回路および前記RF集積回路が1つの集積回路で構成される請求項1乃至12の何れか一項に記載の無線通信用集積回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10887881B2 (en) 2018-09-12 2021-01-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless communication device for high reliability communication and method thereof

Cited By (1)

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US10887881B2 (en) 2018-09-12 2021-01-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless communication device for high reliability communication and method thereof

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