JP2017147509A - 無線通信用集積回路および無線通信端末 - Google Patents

無線通信用集積回路および無線通信端末 Download PDF

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Abstract

【課題】グループIDの割り当てを適切に管理する。【解決手段】本発明の実施形態に係る無線通信用集積回路は、ベースバンド集積回路を備える。前記ベースバンド集積回路は、第1端末と接続した場合に、前記第1端末と、自装置に接続済みの端末である第2端末との合計数に応じて、第1の割り当て処理と第2の割り当て処理のいずれを行うかを決定する。前記第1の割り当て処理を決定した場合、前記複数のグループIDから第1の個数の前記グループIDを選択して前記第1端末に割り当て、前記第2の割り当て処理を決定した場合、前記複数のグループIDから前記第1の個数より少ない第2の個数の前記グループIDを選択して前記第1端末に割り当て、前記複数のグループIDから前記第2の個数の前記グループIDを選択して前記第2端末に再割り当てする。【選択図】図13

Description

本発明の実施形態は、無線通信用集積回路および無線通信端末に関する。
無線LAN(Local Area Network)の規格であるIEEE802.11acでは、ダウンリンクマルチユーザMIMO(Multi−Input and Multi−Output)(DL−MU―MIMO)伝送について定められている。アクセスポイント(AP)は、端末の複数のグループを管理する。各グループにはグループIDが付与されている。APは、APに接続した端末に、1つまたは複数のグループIDを割り当て、またグループID毎に、端末へ送信するストリームの識別情報を決定する。APは、割り当てたグループIDと、ストリームの識別情報とを端末に通知する。APは、DL−MU−MIMO伝送を行う場合は、1つのグループIDを選択し、当該グループIDに属する端末群から選択した各端末宛のパケットを生成して、DL−MU−MIMO送信する。端末は、APから受信するパケットに自端末が所属するグループIDが含まれている場合は、自端末へ送信されるストリームに応じた復号処理を、パケットに含まれるデータフレームに対して行う。端末は、自端末が属しないグループIDが設定されているパケットに含まれるデータフレームの復号は行わない。これにより、自装置宛でないデータフレームを復号する無駄な処理を省略して、端末の消費電力を削減できる。
APは、複数のグループをテーブルで管理する。テーブルには、複数のグループIDと、グループIDに属する端末群の識別子とが登録されている。1つのグループIDに属する端末数を多くすると、1つのグループIDで、DL−MU伝送のための端末の組み合わせを多く管理できる。しかしながら、DL−MU伝送する端末の組み合わせを決定するための探索の時間が増加する問題や、メモリ容量が大きくなる問題がある。またグループIDに所属可能な端末数の上限に達した場合、後からAPにアソシエーションする端末を、適切なグループIDに登録できなくなる問題もある。一方、1つのグループIDに属する端末数を少なくすると、上記の問題は緩和されるものの、当該グループIDで可能な端末の組み合わせ数が少なくなり、効率的なDL−MU伝送のための端末の組み合わせを選択できなくなる可能性もある。
全端末に対してテーブルの再構築(グループIDの再割り当て)を高い頻度で行うことで、グループIDごとに効率的な通信が可能な端末の組み合わせを多数維持することも考えられる。しかしながら、全端末へ、再割り当てされたグループIDを通知する必要があるため、負荷が高くなる。したがって、負荷および通信効率を考慮して、グループIDの割り当ての適切な管理が望まれる。
関連技術として、グループIDの通知手順や管理についての方法が提案されている。この方法では、ネットワークの拡大または変更に応じて、グループIDの割り当てを動的に調整する旨が述べられているが、具体的な手順については何ら述べられていない。
特許登録第5722429号
IEEE Std.802.11ac(TM)−2013 IEEE Std. 802.11(TM)−2012
本発明の実施形態は、グループIDの割り当てを適切に管理することを可能にする無線通信用集積回路および無線通信端末を提供する。
本発明の実施形態に係る無線通信用集積回路は、ベースバンド集積回路を備える。前記ベースバンド集積回路は、複数のグループIDを管理する。前記ベースバンド集積回路は、第1端末と接続した場合に、前記第1端末と、自装置に接続済みの端末である第2端末との合計数に応じて、第1の割り当て処理と第2の割り当て処理のいずれを行うかを決定する。前記ベースバンド集積回路は、前記第1の割り当て処理を決定した場合、前記複数のグループIDから第1の個数の前記グループIDを選択して前記第1端末に割り当てる。前記ベースバンド集積回路は、前記第2の割り当て処理を決定した場合、前記複数のグループIDから前記第1の個数より少ない第2の個数の前記グループIDを選択して前記第1端末に割り当て、前記複数のグループIDから前記第2の個数の前記グループIDを選択して前記第2端末に再割り当てる。
第1の実施形態に係る無線通信システムを示す図。 アクセスポイント(AP)と複数の端末との動作シーケンス例を示す図。 MACフレームの基本的なフォーマット例を示す図。 情報エレメントのフォーマットを示す図。 Group ID Managementフレームのフォーマット例を示す図。 グループIDテーブルの例を示す図。 APが複数の端末にDL−MU−MIMO送信するフレームの詳細構成を示す図。 IEEE802.11ac規格におけるVHT PPDUフォーマットを示す図。 グループIDの割り当ての具体例を説明するための図。 図9に続く図。 APに搭載される無線通信装置の機能ブロック図。 端末に搭載される無線通信装置の機能ブロック図。 APの動作例のフローチャート。 端末またはAPの全体構成例を示す図。 第2の実施形態に係るAPまたは端末に搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示す図。 第3の実施形態に係る端末の斜視図。 第3の実施形態に係るメモリーカードを示す図。 コンテンション期間のフレーム交換の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。無線LANの規格書として知られているIEEE Std 802.11TM−2012およびIEEE Std 802.11acTM−2013は、本明細書においてその全てが参照によって組み込まれる(incorporated by reference)ものとする。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システムを示す。図1の無線通信システムは、基地局であるアクセスポイント(AP)11と、複数の無線通信端末1、2、3、4、5、6とを具備した無線ネットワークである。無線通信端末は、端末、無線端末、またはステーション(STA)と呼ぶこともある。AP11も、中継機能を有する点を除き、端末の機能を有するため、端末の一形態である。AP11と端末1〜6は、任意の無線通信方式に従って無線通信を行う。一例として、APおよび端末は、それぞれIEEE802.11規格に準拠した通信を行う。端末に搭載される無線通信装置は、APに搭載される無線通信装置と通信する。APに搭載される無線通信装置は、端末に搭載される無線通信装置と通信する。本実施形態の無線通信システムは、IEEE802.11規格の無線LANを想定するが、これに限定されるものではない。
AP11は、複数のアンテナを備える。図1の例では、AP11は、4つのアンテナ12A、12B、12C、12Dを備える。APが具備するアンテナ数は、これより多くても、少なくてもかまわない。ただし、ダウンリンクマルチユーザMIMO(DL−MU−MIMO)で伝送するストリーム数は、APが具備するアンテナ数に制限される。端末1〜6は、それぞれ1つまたは複数のアンテナを備える。この例では、各端末1〜4は、それぞれ1本のアンテナ1A、2A、3A、4Aを備える。
AP11に、端末1〜6が接続して、1つの無線通信システムもしくは無線通信グループ(BSS:Basic Service Set)を形成している。接続とは、無線リンクを確立した状態を意味しており、APとのアソシエーションプロセスを経て、通信に必要なパラメータの交換が完了することで、無線リンクが確立される。無線リンクを確立した端末1〜6には、アソシエーションID(AID)が割り当てられる。AIDは、端末がAPのBSSに属するためにAPとの間で行うアソシエーションプロセス時に付与される識別子である。より詳細には、APは、接続要求(Association Request)フレームを送信してきた端末に接続許可をする場合に、そのネットワークでローカルに生成した番号を割り当てる。その番号がAIDと呼ばれるものであり、0以外のある指定の範囲内の番号を割り当てる。AIDは、そのネットワーク(BSS)内ではユニークになるように割り当てる。APは、接続を許可する端末に、割り当てたAIDを含む接続応答(Association Response)フレームを送信する。端末は、接続応答フレームからAIDを読み出すことで、自装置のAIDを把握する。端末は、APから接続許可の接続応答フレームを受信することで、APが形成するBSSに属し、以降、APと通信することができる。このようなAPと端末間の接続のプロセスをアソシエーションプロセスと呼ぶ。APは、端末とアソシエーションプロセスを行う前に、認証(Authentication)プロセスを行ってもよい。APは、自装置に接続した端末を、AIDまたはMACアドレスにより識別する。
AP11は、端末1〜6から選択した複数の端末に対し、マルチユーザ伝送で複数のMACフレーム(以下、フレーム)を送信、すなわち、複数のMACフレームを多重送信することが可能である。マルチユーザ伝送の例として、空間多重で複数のフレームを送信することが可能である。図では、端末1〜4宛てのフレームを空間多重で送信する場合が示されている。空間多重の送信とは、同一の周波数帯域で複数のフレームを同時に送信することを意味する。具体的には、AP11は、端末1〜4宛てのフレームを、DL−MU−MIMOで送信する。
DL−MU−MIMOは、ビームフォーミングと呼ばれる技術を用いることで、複数の端末に対して、空間的に直交したビームを形成する。ビーム形成のために、各端末とのダウンリンクの伝搬路応答を利用する。このためにAPは、たとえば、事前にサウンディング用のフレーム(たとえばヌルデータパケット)を各端末に送信して、端末で測定されたダウンリンクの伝搬路応答のフィードバックを受ける。これにより各端末のダウンリンクの伝搬路応答を取得する。伝搬路応答を利用して各端末に向けた複数の指向性のビームパターンを算出する。このためには公知の手法を用いればよい。例えば、アンテナごとに端末への送信信号に重みづけを行って、重みづけした送信信号を各アンテナから送信する。これを複数の端末のそれぞれについて行い、複数の端末のアンテナ毎の信号を同時に送信する。一例として、各端末で自端末宛の送信信号が適正に受信され、それ以外の端末ではヌル信号が受信される(すなわち他端末宛の送信信号が受信されないもしくは受信が抑制される)。これにより、各端末に向けたビームが形成される。
DL−MU−MIMOについては、IEEE802.11ac規格で定められている。図1は、AP11が、4台の端末1〜4とDL−MU−MIMOを行う状況が示されている。AP11が、端末1〜4のそれぞれと空間的に直交するビームを形成している。
DL−MU−MIMO送信によりフレームを受信した各端末は、AP11に対して、送達確認応答フレームを送信する。送達確認応答フレームには、ACK(Acknowledgement)フレーム、BA(BlockAck)フレームなどがある。複数の端末がそれぞれ送達確認応答フレームを送信する手順は任意でよい。例えば、端末1〜4が、フレームの受信完了からそれぞれ一定時間ずつずれたタイミングで送達確認応答フレームを送信してもよい。または、APから個々の端末にBAR(BlockAck Request)フレームを送信し、SIFS時間後にACKフレーム(またはBAフレーム)を送信することを繰り返すことで、端末ごとに順番に送達確認応答フレームを送信してもよい(すなわちDelayed BAの設定とする)。または、アップリンクマルチユーザMIMO(UL−MU−MIMO)技術により送達確認応答フレームを同時に送信してもよい。つまり、端末1〜4がAP11に対して、同一の周波数帯域で同時に送達確認応答フレームを送信してもよい。または、アップリンク(UL)の直交周波数分割多元接続方式(OFDMA;Orthogonal Frequency Division Multiple Access)で複数の端末が同時に送達確認応答フレームを送信してもよい。
OFDMAは、1つまたは複数のサブキャリアを含むリソースユニットを最小単位の通信リソース(周波数成分)として用いて、複数の端末宛ての送信または複数の端末からの受信を同時に行う通信方式である。APから複数の端末宛ての同時送信はDL−OFDMA、複数の端末からAPへの同時送信はUL−OFDMAに相当する。リソースユニットのことを、サブチャネル、リソースブロック、周波数ブロックなどと呼んでもよい。
図2は、AP11と端末1〜4との動作シーケンス例を示す。AP11および各端末1〜4が送信する信号(フレーム)が矩形によって示されている。横軸は時間軸であり、図に沿って右側が時間の流れる方向である。
本シーケンスの開始前では、一例として、AP11と端末1〜6の一部または全部との間では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Carrier Avoidance)ベースで個別に通信(シングルユーザ通信)が行われている。シングルユーザ通信は、APおよび個々の端末間で通信を行うものである。
シングルユーザ通信の例として、端末でアップリンク送信用のデータが保持されている場合、端末はCSMA/CAに従って、無線媒体へのアクセス権を獲得する。このため、端末はDIFS(Distributed coordination function InterFrame Space)/AIFS(Arbitration InterFrame Space)時間と、ランダムに決定したバックオフ時間との合計であるキャリアセンス時間(待機時間)の間、キャリアセンスを行う。媒体(CCA)がアイドルと判断されると、例えば1フレームを送信するアクセス権を獲得し、フレームを送信する。
DIFS/AIFSは、DIFSおよびAIFSのいずれか一方を意味する。QoS対応でない場合はDIFSを指し、QoS対応の場合は、送信するデータのアクセスカテゴリ(AC:Access Category)に応じて決まるAIFSを指す。なお、DIFS時間またはAIFS時間は、一例であり、事前に定めた一定時間であれば、他の時間でもよい。本明細書のその他の箇所で記載されるDIFS時間およびAIFS時間や、SIFS(Short InterFrame Space)時間についても同様である。RTS(Request to Send)フレームおよびCTS(Clear to Send)フレームの送受信によりアクセス権を獲得してもよい。
図3(A)は、MACフレームの基本的なフォーマット例を示す。フレームの種別は、大きく、データフレーム、管理フレームおよび制御フレームに大別され、いずれの種別のフレームも、このようなフレームフォーマットをベースとする。本フレームフォーマットは、MACヘッダ(MAC header)、フレームボディ(Frame body)及びFCSの各フィールドを含む。MACヘッダは、図3(B)に示すように、Frame Control、Duration/ID、Address1、Address2、Address3, Sequence Control、QoS Control及び HT(High Throughput) controlの各フィールドを含む。
これらのフィールドは必ずしもすべて存在する必要はなく、フレームの種別に応じて一部のフィールドが存在しない場合もあり得る。例えばAddress3フィールドが存在しない場合もある。また、QoS ControlおよびHT Controlフィールドの両方または一方が存在しない場合もある。またフレームボディフィールドが存在しない場合もあり得る。一方、図3に示されていない他のフィールドが存在してもよい。例えば、Address4フィールドがさらに存在してもよい。HT Controlフィールドを、VHT (Very High Throughput)Controlフィールド、または、HE(High Efficiency) Controlフィールドに拡張してもよい。
Address1のフィールドには、受信先アドレス(Receiver Address;RA)が、Address2のフィールドには送信元アドレス(Transmitter Address;TA)が入り、Address3のフィールドにはフレームの用途に応じてBSSの識別子であるBSSID(Basic Service Set IDentifier)(全てのビットに1を入れて全てのBSSIDを対象とするwildcard BSSID場合もある)か、あるいはTAが入る。
Frame Controlフィールドには、タイプ(Type)、サブタイプ(Subtype)という2つのフィールド等が含まれる。データフレームか、管理フレームか、制御フレームかの大別はTypeフィールドで行われ、大別されたフレームの中での細かい種別、例えば制御フレームであるBA(Block Ack)フレームおよびBAR(Block Ack Request)フレームといった識別はSubtypeフィールドで行われる。
Duration/IDフィールドは媒体予約時間を記載し、他の端末宛てのMACフレームを受信した場合に、当該MACフレームを含む物理パケットの終わりから媒体予約時間に亘って、媒体が仮想的にビジーであると判定する。このような仮想的に媒体をビジーであると判定する仕組み、或いは、仮想的に媒体をビジーであるとする期間は、前述したように、NAV(Network Allocation Vector)と呼ばれる。
QoS Controlフィールドは、フレームの優先度を考慮して送信を行うQoS制御を行うために用いられる。このQoS Controlフィールドには、データのトラフィックに応じた識別子が設定されるTIDフィールド(0〜15までの16種類存在)、および送達確認方式が設定されるAck policyフィールド等が含まれる。TIDフィールドを確認することで、データのトラフィック種別を認識することができ、またAck policyフィールドを確認することで、そのQoS Dataフレームが“Normal Ack policy”か、“Block Ack policy”か、それとも“No Ack policy”で送信されたのかを判別することができる。
HT Controlフィールドは、IEEE802.11nで導入されたフィールドであり、QoSデータフレームまたは管理フレームのときに、オーダーフィールドが1に設定されていると存在する。前述したように、HT Controlフィールドは、IEEE802.11acのVHT (Very High Throughput)Controlフィールドにも、次世代無線LAN規格であるIEEE802.11axのHE(High Efficiency) Controlフィールドにも拡張可能であり、各々IEEE802.11n、IEEE802.11ac、あるいはIEEE802.11axの各種機能に応じた通知をすることができる。
管理フレームでは、固有のElement ID(IDentifier)が割り当てられた情報エレメント(Information element;IE)をFrame Bodyフィールドに設定できる。フレームボディフィールドには、1つまたは複数の情報エレメントを設定できる。情報エレメントのフォーマットを図4に示す。情報エレメントは、Element IDフィールド、Lengthフィールド、情報(Information)フィールドの各フィールドを有する。情報エレメントは、Element IDで識別される。情報フィールドは、通知する情報の内容を格納し、Lengthフィールドは、情報フィールドの長さ情報を格納する。管理フレームには、情報エレメント以外にも、フレーム種別(サブタイプ)に応じて、予め定められた1つまたは複数のフィールドが配置されてもよい。
FCSフィールドには、受信側でフレームの誤り検出のため用いられるチェックサム符号としてFCS(Frame Check Sequence)情報が設定される。FCS情報の例としては、CRC(Cyclic Redundancy Code)などがある。
図2において、AP11がDL−MU−MIMO送信を行う場合、CSMA/CAに従って、無線媒体へのアクセス権を獲得し、複数の端末1〜6から選択した端末1〜4に対してDL−MU−MIMOでデータフレーム601、602、603、604を送信する。この例では、各端末にデータフレームを送信しているが、管理フレームまたは制御フレームを送信してもよい。端末に送信するデータフレームは、複数のデータフレームをアグリゲートしたアグリゲーションフレーム(A-MPDU(medium access control (MAC) protocol data unit)等)でもよい。アグリゲーションフレームに含まれる個々のフレームをサブフレームと呼んでも良い。なお、端末に送信するデータフレームがアグリゲーションフレームの場合、端末が応答する送達確認応答フレームは、各サブフレームに対する送達確認情報を含むBAフレームである。
端末1〜4は、データフレームを受信すると、データフレームの受信の成否を検査する。そして、データフレームの受信完了からそれぞれ異なる一定時間後に、送達確認応答フレーム(この例ではBAフレーム)611、612、613、614を送信する。一例として、端末1は、フレーム受信完了からSIFS時間後に送信し、端末2は、フレーム受信完了から2×SIFS時間とBAフレーム長との合計時間後に送信し、端末3は、フレーム受信完了から3×SIFS時間と2×BAフレーム長の合計時間後に送信し、端末4は、フレーム受信完了から4×SIFS時間と3×BAフレーム長の合計時間後に送信してもよい。自端末が送信するタイミングは、たとえば後述するユーザポジションに応じて決まるようにしてもよい。なお上述したように、送達確認応答フレームの送信方法は、アップリンク多重方式で送信する方法や、Delayed BAを用いた送信方法など、様々考えられる。
なお、AP11がDL−MU−MIMOで端末1〜4に送信するフレームは、異なる内容のフレームであっても、同一の内容のフレームでもよい。一般的な表現として、APまたは複数の端末が第Xのフレームを送信または受信すると表現するとき、これらの第Xのフレームの内容は同じであっても、異なってもよい。Xは任意の値である。複数の第Xのフレームは同時に送信する場合、時系列に順番に送信する場合のいずれも含む。
ここで、APは、DL−MU−MIMO送信を実現する方法として、同じマルチユーザ送信の対象となり得る複数の端末をまとめてグループとして管理している。グループ毎にユニークな識別子であるグループID(Group ID)を割り当てている。グループIDは、例えばIEEE Std 802.11ac−2013で規定されたグループIDでもよいし、これとは別に定義したIDでもよい。グループIDは複数のビットで表現され、例えば6ビットでは64個のグループ(Group ID0〜Group ID63)を表現できる。APは、端末がAPにアソシエーションプロセス等で接続したタイミングで、端末に1つまたは複数のグループIDを割り当てる。APは、同じグループに属する端末群の中から、DL−MU−MIMOの対象となる複数の端末を選択する。なお、DL−MU−MIMOで送信する合計ストリーム数の上限は、APが具備するアンテナ数以下である。
グループIDの割り当て方法は任意でよい。例えば、空間相関が低い端末群に同じグループIDを付与する方法、データの送信周期が同じまたは近い端末群に同じグループIDを付与する方法、APからの送信電力が同じまたは近似する端末群に同じグループIDを付与する方法、APから送信するデータ長(データサイズ)が同じまたは近い端末群に同じグループIDを付与する方法がある。また、ランダムに端末にグループIDを付与する方法でもよい。1つの端末に複数のグループIDを付与してよく、本実施形態ではこの場合を想定する。1つのグループIDに所属可能な端末数には上限があってもよい。
また、APは、グループIDを割り当てた端末に対して、当該グループIDでのユーザポジション(UP:User Position)を決定する。ユーザポジションは、予め複数(例えば4つ)用意されており、そのうちのいずれか1つを当該端末に付与する。複数のグループIDを端末に付与した場合は、グループIDごとに、ユーザポジションを決定する。
APは、端末に割り当てたグループIDを含むフレームを送信する。このフレームの例としては、管理フレームである、Group ID Managementフレームを用いることができる。ただし、送信するフレームは、これに限定されず、他の種類の管理フレームでもよいし、データフレームまたは制御フレームでもよい。
図5に、Group ID Managementフレームのフォーマット例を示す。フレームボディフィールドには、Membership Status Arrayフィールドと、User Position Arrayフィールドとが含まれる。受信先アドレス(Address1)は、当該フレームの送信先の端末のMACアドレス、送信元アドレス(Address2)は、APのMACアドレス(BSSID)である。
Membership Status Arrayフィールドは、Group ID Managementフレームの送信先の端末が、どのグループIDに属するかを通知するためのフィールドである。図では、Group ID0〜63に関する所属情報を通知している。例えば、Membership Status Arrayフィールドにおける「Membership Status In Group ID 1」が“0”の場合は、上記送信先の端末がGroup ID1には属さないことを表しており、“1”の場合は、Group ID1に属することを表している。
User Position Arrayフィールドは、各グループIDにおける端末のユーザポジションを通知するためのフィールドである。図では、Group ID0〜63におけるユーザポジション(ストリームを識別する情報に相当)を通知している。例えば、User Position Arrayフィールドにおける「User Position In Group ID 1」が“1”の場合は、Group ID1における端末のユーザポジションが“1”であることを表している。「User Position In Group ID 1」が予約値であれば、当該グループIDにおけるユーザポジションの通知はない(そもそも当該端末はGroup ID1に属さない)ことを表す。
上述したように、端末に、複数のグループIDを割り当てることが可能である。この場合、該当する複数のMembership Status In Group がそれぞれ“1”になる。この際、グループID毎にユーザポジションは同じである必要はなく、割り当てるグループIDごとに独立して決めればよい。
APは、グループID毎に、それに属する端末群と、当該端末群のそれぞれのユーザポジションとを、グループIDテーブルで管理する。グループIDテーブルの例を図6に示す。この例では、APに、少なくとも端末(ユーザ)1〜15が接続済みである。“G1”〜“G62”は、それぞれグループID1〜62を表す。U1〜U15は、ユーザ(端末)1〜15を表す。セル内の値は、ユーザポジション(UP:User Position)を表す。ユーザポジションは1〜4で表現しているが、0〜3など、別の値で表現してもよい。なお、アクスポイントは、自装置に接続している端末群を、アソシエーション時に割り当てたAIDまたはMACアドレスによって管理および識別している。MACアドレスとAIDとの対応情報が、メモリ等の記憶装置に格納されている。
一例としてグループID1には、端末1、2、3、6、7、10が属する。端末1と端末10はユーザポジション1、端末2と端末3はユーザポジション2、端末6はユーザポジション3、端末7はユーザポジション4を有する。APは、DL−MU−MIMO送信を行う場合、1つのユーザポジションに対しては1つの端末のみを選択する。4つのユーザポジションがあるため、4つの端末を選択できる。4つのユーザポジションに割り当てる端末の組み合わせとして、グループID1に対しては、{U1,U2,U6,U7}、{U1,U3,U6,U7}、{U10,U2,U6,U7}、{U10,U3,U6,U7}が可能である。括弧内の左の端末から順番に、ユーザポジション1、2、3、4に対応する。DL−MU−MIMO送信では、ユーザポジション1、2、3、4の順に、それぞれに対して1番目のストリーム、2番目のストリーム、3番目のストリーム、4番目のストリーム、を送信する。したがって、ユーザポジションは、ストリームを識別する情報(ストリーム番号と呼ぶことがある)に相当する。
1つのユーザポジションに対して、複数の候補となる端末が同じグループIDに属する場合がある。上記の例ではユーザポジション1に対して端末1と端末10の可能性がある。このため、端末側では、受信したMACフレームの受信先アドレス(Address1)が自装置のMACアドレスに一致するかで、当該受信したMACレームが、自端末宛のフレームか否かを判断できる。
図7に、AP11が複数の端末1〜4にDL−MU−MIMO送信するフレームの詳細構成を示す。このような構成のフレームを送信することで、各端末が、自端末が属するグループIDを含むパケットを受信した場合に、当該パケットから自端末用のフレームを復号できる。
前提として、各端末は、AP11から自装置向けのGroup ID Managementフレームを受信し、自端末が属する複数のグループIDと、グループID毎の自端末のユーザポジション(ストリーム番号)は把握しているとする。ユーザポジション1の端末には、ストリーム番号1のストリーム、ユーザポジション2の端末には、ストリーム番号2のストリーム、ユーザポジション3の端末には、ストリーム番号3のストリーム、ユーザポジション4の端末には、ストリーム番号4のストリームが送信されるとする。なお、ここでは端末毎に送信されるストリームは1つである場合を想定している。
図7の横軸は時間、縦軸は空間を表す。各端末に送信するMACフレームは、実際には、フレームに物理ヘッダを付加した物理パケット(または物理フレームと呼ぶ)のデータフィールドに含められる。MACフレーム1〜MACフレーム4は、ストリーム1〜4で送信されるMACフレーム(ユーザポジション1〜4の端末に送信されるMACフレーム)に対応する。物理ヘッダの先頭の一部は、APのBSS内の他の端末にも受信できるように、無指向性で全方位へ送信される。特定の方向に指向性を持たせない送信をオムニ送信と呼ぶこともある。物理ヘッダの後半部分およびMACフレーム1〜4は、それぞれ対応する端末へ指向性のビームで送信される。MACフレーム1〜4は、上述したように、各端末宛のパケットのデータフィールドに格納されている。
物理ヘッダの一部(オムニ送信される部分)には、DL−MU−MIMO送信のグループID(図の“GID”)が含まれる。また、物理ヘッダ(オムニ送信される部分)には、ユーザポジション毎にストリーム数を表す情報、またはストリームを識別する情報が設定される。図の例では、GIDフィールドの後に、“NSTS For UP1“、“NSTS For UP2“、“NSTS For UP3“、“NSTS For UP4“が配置されている。“NSTS For UPX“(Xは1〜4のいずれかが入る)は、ユーザポジション(UP)がXの端末に対するストリーム数を表す。例えば、“NSTS For UP1“が1の場合、ユーザポジション1の端末に1つのストリーム(1番目のストリーム、すなわちストリーム番号1のストリーム)を送信していることを意味する。ストリームの1番目から順番に、ユーザポジション1の端末からストリーム数の分だけ割り当てる。
例えばユーザポジション1〜4の端末に、ストリーム番号1〜4のストリームを送信する場合は、“NSTS For UP1”〜“NSTS For UP4”の値はそれぞれ1である。
“NSTS For UP1“が1、“NSTS For UP2“が0、“NSTS For UP3“が1、“NSTS For UP4“が1であれば、ユーザポジション1の端末に1つのストリーム(1番目のストリーム、すなわちストリーム番号1のストリーム)、ユーザポジション2の端末へのストリームはなし、ユーザポジション3の端末へは2番目のストリーム、ユーザポジション4の端末へは3番目のストリームを送信していることを意味する。
“NSTS For UP1“が2、“NSTS For UP2“が0、“NSTS For UP3“が1、“NSTS For UP4“が1であれば、ユーザポジション1の端末に2つのストリーム(1、2番目のストリーム、すなわちストリーム番号1、2のストリーム)、ユーザポジション2の端末へのストリームはなし、ユーザポジション3の端末へは3番目のストリーム、ユーザポジション4の端末へは4番目のストリームを送信していることを意味する。
本実施形態では、説明の簡単のため、ユーザポジション1〜4の端末に、それぞれ1つのストリームを送信、すなわち、ストリーム番号1〜4のストリームを送信する場合を想定する。なお、端末が複数のストリームを受信するためには、複数のアンテナを具備する必要がある。
本例では、ユーザポジション毎にストリーム数を表す情報を設定したが、ストリームを識別する情報(ストリーム番号など)を設定してもよい。
APからDL−MU−MIMO送信されるパケットを受信した端末は、物理ヘッダに含まれるグループIDが、自端末が属するグループIDに一致するかを判断する。一致しない場合は、以降のデータフィールド等の復号を行わない。一方、一致する場合は、当該グループIDにおける自端末のユーザポジションに応じた“NSTS For UP”フィールドを特定し、当該フィールドからストリーム数を検出する。ストリーム数が0であれば、自端末宛のフレームは存在しないと判断し、データフィールドの復号は行わない。ストリーム数が1(もしくは2以上)であれば、データフィールドの復号を行う。復号の方法は特定の方法に限定されず、任意の方法を用いることができる。
一例として、ストリーム番号1〜4に対し、互いに直交するビットパターン(シンボルパターン)である空間分離情報を、それぞれ用意しておく。APは、ストリーム毎に、該当する空間分離情報を含むプリアンブル部分(ビーム送信されるフィールド部分)を物理ヘッダに設定する。各ストリームのプリアンブル部分は互いに直交するため、仮に複数のストリームが同じ端末が受信されても分離できる。端末は、自端末のストリームに応じた空間分離情報を利用して、プリアンブル部分に対して演算を行い、信号を分離する。当該分離した信号は、当該空間分離情報を表す信号が電波環境により減衰または位相回転の影響を受けた信号である。分離した信号と、当該空間分離情報の信号とから、ダウンリンクの伝搬路情報を算出し、これを利用して、データフィールドを復号する。この方法によれば、各端末は、自端末宛以外のストリームを同時に受信した場合(障害物での反射等によりこのような場合も起こり得る)でも、または自端末宛に2以上のストリームを受信した場合であっても、データフィールドを正しく復号できる。
なお、上記の物理ヘッダのプリアンブル部分としては、一例として、IEEE802.11acで定義されたVHT PPDUフォーマットのVHT−LTFフィールドを用いることができる。VHT−LTFフィールドは1シンボル(4μs)に対応し、複数のVHT−LTFフィールドを設定できる。上記の空間分離情報としては、直交行列の各行または各列を用いることができる。また、グループID(GID)およびストリーム数(“NSTS For UP”)の情報は、VHT−SIG−Aフィールドに設定できる。
図8に、IEEE802.11ac規格におけるVHT PPDUフォーマットを示す。このフォーマットは、LegacyプリアンブルとVHT portion とを含む。Legacyプリアンブルは、L−STF(Legacy−Short Training Field)、L−LTF(Legacy−Long Training Field)、L−SIG(Legacy Signal Field)を含む。VHT portion は、VHT−SIG−A(Very high Throughput−Signal Field −A)、VHT−STF、複数のVHT−LTF(VHT−LTFs)、VHT−SIG−B、VHT−Dataを含む。VHT−DataフィールドにはMACフレームが格納される。Legacyプリアンブルは、例えばIEEE802.11aなど、レガシー規格が認識可能なフィールドであり、信号検出のための情報、周波数補正のための情報、伝送速度の情報などが格納される。
なお、各端末へ送信されるストリームが1つであり、かつストリーム間の空間分離が十分であれば、上述したダウンリンクの伝搬路情報の算出等を行わずに、受信したパケットのデータフィールドを直接復号する方法もあり得る。この場合、端末は、自端末のユーザポジションに対するストリーム数が1であることを確認したら、データフィールドを復号すればよい。
ここで、本実施形態では、APが、端末へグループIDを通知する負荷や、通信効率を考慮して、グループIDの割り当てを適切に実現することを特徴の1つとする。1つのグループIDに属する端末数を多くすると、1つのグループIDで、マルチユーザ伝送のための端末組み合わせを多く管理できる。しかしながら、当該グループIDに対して、マルチユーザ伝送する端末の組み合わせを決定するための探索の時間が長くなる問題や、端末の組み合わせを記憶するためのメモリ容量が大きくなる問題がある。またグループIDに所属可能な端末数が上限に達した場合、後からAPにアソシエーションする端末を、適切なグループIDに登録できなくなる可能性もある。一方、1つのグループIDに所属可能な端末数を少なくすると、効率的なマルチユーザ伝送を行うための端末の組み合わせ数が少なくなり、効率的なDL−MU伝送のための端末の組み合わせを選択できなくなる可能性もある。全端末に対するグループIDの再割り当て(テーブル全体の再構築)を高い頻度で行うことで、グループIDごとに効率的な通信の可能な端末の組み合わせを多数維持することも考えられる。しかしながら、全端末に、再割り当てしたグループID(およびユーザポジション等)を通知する必要があり、APの負荷が高くなる。そこで、本実施形態では、APの負荷や、通信効率を考慮しつつ、グループIDの割り当てを適切な方法で実現する。
グループIDの割り当て方法として、新たなユーザ(端末)がAPにアソシエーションするごとに、既存の端末も含めて、グループIDテーブル全体を再構築する方法(第1方法)がある。すなわち、新たな端末がAPのBSSに新たに属するごとに、当該新たな端末と、接続属の端末との全てに対してグループIDの再割り当てを行う方法である。この方法では、同じグループIDに、DL−MU−MIMOで相性の良い端末をまとめやすい利点がある。しかしながら、全端末にグループIDおよびユーザポジション等を通知する必要があるため、負荷がかかる。
第2の方法として、新たに端末がAPにアソシエーションした場合、既存の端末についてはグループIDの再割り当てを行わず、新たにアソシエーションした端末のみ、グループIDを割り当てる方法である。この方法では、新たな端末にのみ、グループID等の通知を行えばよいため、通知のための負荷が低い利点がある。一方、後から接続する端末ほど、グループIDに登録可能な端末数の制約により、適切または最適なグループIDに登録できなくなる可能性がある。この場合、端末間の公平性に欠け、また効率的な組み合わせでDL−MU−MIMOを実施できなくなる可能性がある。
本実施形態では、上述の第1方法および第2方法の特徴を踏まえて、負荷を抑えた、公平で効率的なグループIDの割り当ての手法を提案する。
(本実施形態に係るテーブル管理)
本実施形態では、APに端末が接続した際、APに接続している端末数が予め定めた閾値(1つ、または段階的に複数設定される)に達すると、新たに接続した端末を含むすべての端末を対象に、グループIDの再割り当て処理(テーブル全体の再構築)を行う。一例として、閾値として、K+1、2K+1、3K+1・・・に達するごとに、新たに接続した端末を含む全端末に対してグループIDの再割り当てを行う。また、各端末に、割り当てたグループIDごとに、ユーザポジションを決定する。なお、“2K”は、2とKの乗算を表す。“K+2”は、Kと2の加算を表す。そして、すべての端末にそれぞれ、グループIDとユーザポジションの情報を通知する。一方、それ以外の場合、すなわち、閾値に達しない場合は、新たに接続した端末のみにグループIDの割り当て処理を行い、グループID毎のユーザポジションを決定する。当該端末にのみ、グループIDとユーザポジションの情報を通知する。
具体的には、新たにAPにユーザ(端末)が接続するごとに、APの端末接続数(APに接続している端末の合計数)をカウントする。カウント値、すなわち、当該新規の端末を含めAPに接続されている全ユーザ(端末)の台数が、閾値K+1に達しない場合、すなわち、K以下の場合は、新規の端末のみ、複数のグループIDを割り当て、ユーザポジションを決定する。そして、当該新規の端末に割り当てたグループIDおよびユーザポジションの情報を、当該新規の端末に通知する。割り当てるグループIDの個数は、端末接続数(カウント値)がK以下の場合は、一例として、α1個とする。つまり、新たに端末が接続されるごとに、カウント値がK以下であれば、当該端末にα1個のグループIDを割り当てる。α1の値は、一例として、システムまたは仕様で保持できる1つのグループID当たりの最大の端末組み合わせ数と、上記Kの値(閾値K+1から1を減算した値)とに応じて決定してもよい。この詳細は後述する。
ユーザポジションは所定の方法に従って決定する。例えば1つのグループIDにおいて、4つのユーザポジションに割り当たる端末数が均等になるようにする。つまり、特定のユーザポジションに端末が集中して割り当たらないように割り当てを行う。別の例として、例えばユーザポジション1に特定の端末のみを割り当て、それ以外の端末は、残りのユーザポジション2〜4で均等な割り当てとなるように、ユーザポジション1〜4の割り当てを行う方法なども可能である。ここで述べた方法に限定されず、どのような方法でもよい。
カウント値がK+1に達した場合、すなわち、APに接続した端末数がK+1台目に達した場合に、当該接続した端末および既存の端末のすべてを対象に、グループIDの再割り当て(グループIDテーブル全体の再構築)を行う。この際、各端末には、α2個のグループIDを割り当てる。α2は、α1より小さい値である。また、各端末には、割り当てたグループIDごとに、ユーザポジションを決定する。そして、すべての端末に、それぞれ割り当てたグループIDおよびユーザポジションの情報を通知する。
この後、さらに端末が新たにAPに接続した場合、カウント値が、2番目の閾値2K+1に達したかを判断する。当該閾値に達しない場合、すなわち、K+2以上かつ2K以下の場合は、当該新たに接続した端末にのみ、α2個のグループIDの割り当てと、グループID毎のユーザポジションの決定を行う。そして、当該端末に、割り当てたグループIDおよびユーザポジションの情報を通知する。
α2の値は、システムまたは仕様で保持できる最大の端末組み合わせ数と、上記2Kの値(2番目の閾値2K+1から1を減算した値)とに応じて決定してもよい。この詳細は後述する。
図9および図10は、本実施形態に係るグループID割り当ての具体例を説明するための図である。1つのグループIDあたり、4つのユーザポジションに対して割り当て可能な端末の最大の組み合わせ数を16としている。また、前述した閾値(K+1、2K+1、3K+1・・・)を決定するためのKを10としている。図9の上図は、APに接続している端末が10台になったときのテーブル例を示している。図9の下図は、APに接続している端末が11(=K+1)台になったときのテーブル例を示している。図10は、APに接続している端末が20台になったときのテーブル例を示している。なお、本例ではグループID数は10としているが、実際にはこれより多くても少なくてもかまわない。
ユーザポジションは4つ存在し、ユーザポジションの割り当てルールとして、ユーザポジションごとに均等に端末を割り当てる(例えば同数の端末を割り当てる)とする。この場合、1つのグループIDあたりに保持できる最大組み合わせ数を16とすると、1つのグループIDに所属可能なユーザ数(端末数)は最大で8である。ユーザ数(端末数)をMで表すと、(M/4)^4が16以下となるように、Mを求めると8となる。
図9の上図において、グループID1では、端末1、5がユーザポジション1、端末2、6がユーザポジション2、端末3、7がユーザポジション3、端末4、8がユーザポジション4を割り当てられている。各ユーザポジションに対して2台の端末(ここでは同数の端末)が割り当てられている。したがって、ユーザポジション1〜4に対する端末の可能な組み合わせ数は16である。他のグループIDも同様に、ユーザポジションごとに2台の端末が割り当てられている。
図9の上図では、各端末に割り当てられるグループID数(α1に対応)は8である。これは、以下の式で計算している。
M×グループID数/K=8×10/10=8
この式は、一例であり、1つのグループIDに所属可能なユーザ数Mと、Kに依存している。さらにMは、上述したように、1つのグループIDあたり保持できる最大組み合わせ数に依存する。APへの接続端末数が1以上10(=K)以下の間は、APに接続した端末にはα1個のグループID数が割り当てられる。
図9の下図では、APへ接続された端末数が11になっており、各端末に割り当てるグループID数(α2に対応)は4に変更される。これは、一例として、以下の式で計算している。
M×グループID数/2K=8×10/20=4
この式は、一例であり、1つのグループIDに所属可能なユーザ数Mと、2Kに依存している。さらにMは、上述したように、1つのグループIDあたり保持できる最大組み合わせ数に依存する。
端末に割り当てるグループID数が変更になったことにより、APへ新たに接続した端末と、既存の端末との11台の端末のすべてについて、グループIDの再割り当てを行う。これらの端末のそれぞれに4つのグループIDを新たに割り当てる。また端末ごとに、4つのグループIDでのユーザポジションの決定も行う。そして、各端末に、それぞれ割り当てた4個のグループIDと、各グループIDでのユーザポジションの情報とを通知する。
図9の下図の状態の後、さらに新たに端末が接続されるごとに、当該端末のみ、4個のグループIDの割り当てと、ユーザポジションの決定とを行う。そして、当該端末に、割り当てたグループのグループIDと、ユーザポジションの情報とを通知する。APに接続される端末数が20になったときのテーブルが図10に示されている。
この後、新たに端末がAPに接続され、端末数が21(=2K+1)になったときは、当該21台のすべての端末について、グループIDの再割り当てと、各グループIDでのユーザポジションの決定を行う。割り当てるグループID数は、α3個である。α3は、α2より小さい値である。α3の値は、α1,α2と同様にして算出すればよい。そして、APは、全端末に、それぞれ割り当てたα3個のグループIDと、グループID毎のユーザポジションの情報とを通知する。
このように本実施形態では、APに新たに端末が接続された場合、APに接続されている端末数が閾値に達しない場合は、新たに接続された端末のみα1個のグループIDの割り当ておよびユーザポジションの決定を行う。そして、当該端末にのみグループIDとユーザポジションの情報を通知する。一方、端末数が閾値に達した場合は、当該新たに接続した端末と、接続済みの端末とのすべての端末に対してそれぞれ、α2(<α1)個のグループIDの再割り当て(テーブル全体の再構築)と、グループID毎のユーザポジションの決定を行う。そして、すべての端末に、割り当てたα2個のグループIDと、ユーザポジションの情報を通知する。閾値を段階的に複数設定し(K+1、2K+1、3K+1・・・)、大きな閾値に達するほど、割り当てるグループID数が小さくなるようにする。このようにすることで、APへ接続する端末が増えた場合にも、各端末が属するグループID数を同じできるとともに、効率的な通信の端末の組み合わせを可能とするグループIDを端末に割り当てることができるため、端末間の不公平を無くし、通信効率も高めることができる。
(変形例1)
上述した実施形態では、APに接続する端末数が増加する場合を示したが、減少する(例えばディスアソシエーションプロセスにより端末がAPと切断する)場合も同様にして実施できる。例えば端末数がKより大きな値から減少して、Kに達した場合は、K台のすべての端末について、当該α1個分のグループIDの再割り当てと、各グループIDでのユーザポジションの決定を行う(テーブル全体の再構築)。この場合、APに接続している端末に割り当てられるグループID数は、α2からα1に増加することになる。なお、閾値で前後して頻繁に端末の増減が繰り返されると、テーブル全体の再構築が繰り返され、通知の負荷が高くなる。このため、端末数が減少する場合は、増加の場合と異なる閾値を設定してもよい。例えばK−L(Lは正の整数)を閾値とし、端末数がKより大きい場合、端末数の減少によりKになっても、K−Lになるまでは、テーブル全体の再構築は行わないようにしてもよい。
(変形例2)
上述した実施形態では、閾値(K+1、2K+1、・・・)は固定であったが、APに接続される端末数の変動レートに応じて、閾値を変動させてもよい。例えば一定時間あたりの端末接続数の増加数(増加レート)が所定値以上になった場合は、閾値を大きくしてもよい。具体的に、(次に到達する)閾値を一定値もしくは一定割合大きくしてもよいし、当該次に達する閾値に加え、それ以降のすべての閾値を同様にして大きくしてもよい。これによりテーブル全体の再構築の頻度を下げ、APの負荷を低減できる。端末接続数の減少の場合も同様に、減少レートに応じて閾値を変更してもよい。
(変形例3)
上述した実施形態では、閾値で区画される範囲ごとに、各端末に割り当てるグループID数は同じであった。別の方法として、端末へ送信するデータの優先度に応じて、割り当てるグループID数を調整してもよい。例えば優先度として、端末へ送信するデータ種別に応じて、割り当てるグループID数を変更してもよい。具体的に、端末へ送信するデータの優先度が高い場合には、割り当てるグループID数を多くし、当該データの優先度が低い場合には、割り当てるグループID数を少なくする。上述の実施形態の例に基づけば、優先度が所定値より高い場合は、優先度に応じた値をα1に加算した値、優先度が所定値に一致する場合はα1、所定値未満の場合は、優先度に応じた値をα1から減算した値を、割り当てるグループID数としてもよい。優先度は、前述したTIDでもよいし、AC(アクセスカテゴリ)を用いてもよいし、その他の種類のものでもよい。
(変形例4)
また上述した実施形態では、ダウンリンクマルチユーザ(DL−MU)伝送として、DL−MU−MIMOの例を示したが、ダウンリンクのOFDMA(DL−OFDMA)を用いてもよい。この場合、前述したストリームを、リソースユニットと読み替えて、同様にして実施可能である。また、DL-OFDMAと、DL−MU−MIMOとを組み合わせた方式でもよい。この組み合わせた方式では、送信対象となる複数の端末を複数の組に分割し、組ごとに1つのビームを生成する。1つのビームでは、同じ組に属する複数の端末に対しDL-OFDMAで複数のフレームを送信する。
図11は、AP11に搭載される無線通信装置の機能ブロック図である。前述したように、AP11は、少なくとも図1に示した端末1〜6側のネットワークに接続され、さらに、これとは別のネットワークに接続されることもできる。図11では、端末1〜6側のネットワークに接続される無線通信装置の構成を示している。
AP11の無線通信装置は、制御部101と、送信部102と、受信部103と、アンテナ12A、12B、12C、12Dと、バッファ104とを備えている。アンテナの個数はここでは4つであるが、これに限定されない。制御部101は、端末との通信を制御する制御部またはベースバンド集積回路に対応し、送信部102と受信部103は、アンテナを介してフレームを送受信する無線通信部またはRF集積回路を形成する。制御部101の処理、および送信部102と受信部103のデジタル領域の処理の全部または一部は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。APは、制御部101、送信部102および受信部103の全部または一部の処理を行うプロセッサを備えてもよい。
バッファ104は、上位層と制御部101との間で、フレームまたはデータ等を受け渡しするための記憶部である。バッファ104はDRAM等の揮発性メモリでもよいし、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。上位層は、別のネットワークから受信したフレームを端末1〜6側のネットワークへの中継のためバッファ104に格納してもよい。また、端末側のネットワークから受信したフレームまたはそのペイロードを、制御部101からバッファ104を介して受けとってもよい。上位層は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理を行ってもよい。または、上位層は、TCP/IPやUDP/IP制御部101で行い、上位層では、それより上位のアプリケーション層の処理を行ってもよい。上位層の動作は、CPU等のプロセッサによるソフトウェア(プログラム)の処理によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
制御部101は、主としてMAC層の処理、物理層の処理(例えばマルチユーザ伝送の処理等)を行う。制御部101は、送信部102および受信部103を介して、フレーム(より詳細にはフレームに物理ヘッダを付加した物理パケット)を送受信することで、各端末との通信を制御する。また制御部101は、定期的にAPのBSS(Basic Service Set)の属性および同期情報等を通知するため、ビーコンフレームを送信するよう制御してもよい。また、制御部101は、クロックを生成するクロック生成部を含み、クロック生成部で生成するクロックを利用して、内部時間を管理してもよい。制御部101は、クロック生成部で作ったクロックを、外部に出力してもよい。あるいは、制御部101は、外部のクロック生成部で生成してクロックの入力を受け、当該クロックを利用して、内部時間を管理してもよい。
制御部101は、端末からのアソシエーション要求を受けて、アソシエーションプロセスを行い、お互いの能力・属性等の必要な情報(DL−MU−MIMO等のマルチユーザ伝送を実施可能か否かの能力情報を含んでもよい)を交換することで、当該端末と無線リンクを確立する。必要に応じて、事前に端末との間で認証プロセスを行ってもよい。制御部101は、バッファ104を定期的に確認することで、ダウンリンク送信用のデータが存在するか等、バッファ104の状態を把握する。または、制御部101は、バッファ104等の外部からのトリガによりバッファ104の状態を確認する。
制御部101は、無線リンクを確立した(すなわち自装置に接続した)端末に、グループIDを割り当て、また当該グループIDでのユーザポジションを割り当てる。より詳細には、制御部101は、端末接続数が、閾値(例えば前述したK+1)に達したかを判断し、達していない場合は、管理している複数のグループIDの中から、例えばα1個のグループIDを選択して、端末に割り当てる。選択の際は、グループIDに所属可能な端末数の上限値に達していないグループIDの中から選択する。また、割り当てたグループIDのそれぞれごとに、端末のユーザポジション(ストリームを識別するための情報(ストリーム番号等)に対応)を決定する。ユーザポジションの決定は、一例として、各ユーザポジションに均等数の端末が割り当たるようにするなど、所定のルールに従って行う。APは、端末に割り当てたグループIDとユーザポジションの情報とを含むフレーム(例えばGroup ID Managementフレーム)を、当該端末にシングルユーザ送信(ユニキャスト送信)する。α1の値は、上述したように、一例として、1つのグループIDに所属可能な端末数および閾値に応じて決定してもよい。
制御部101は、端末接続数が、閾値(例えば前述したK+1)に達した場合は、今回接続した端末と、接続済みの端末との全ての端末について、グループIDの再割り当て処理を行う。制御部101は、端末ごとに、例えばα2(<α1)個のグループIDを選択し、割り当てる。この際、グループIDごとに、所属可能な端末数の上限値に達しないようにする。また、各端末に、グループIDのそれぞれごとに、ユーザポジション(ストリームを識別するための情報に対応)を決定する。ユーザポジションの決定は、一例として、各ユーザポジションに均等数の端末が割り当たるようにするなど所定のルールに従って行う。APは、端末ごとに、割り当てたグループIDとユーザポジションの情報とを含むフレーム(例えばGroup ID Managementフレーム)を生成し、シングルユーザ送信(ユニキャスト送信)する。α2の値は、上述したように、一例として、1つのグループIDに登録可能な端末数および閾値に応じて決定してもよい。
制御部101は、任意のタイミングで、DL−MU−MIMOの開始を決定する。管理している複数のグループIDから1つのグループIDを選択する。選択したグループIDに属する端末群の中から、ユーザポジションごとに1つの端末を選択する。グループIDの選択方法は任意でよい。例えば、各ユーザポジションでダウンリンク送信するデータが存在する端末の組み合わせが属するグループIDを選択してもよい。または、ダウンリンク送信するデータが存在する端末が少なくとも1つまたは所定数以上属するグループIDを選択してもよい。ここで述べた例は一例であり、どのような方法で選択してもよい。
選択したグループIDに属する端末群から複数の端末を選択し、選択した端末宛のフレーム(例えばデータフレーム)を生成して、DL−MU−MIMO送信する。選択する端末は任意の方法で決定すればよい。例えば、各ユーザポジションでダウンリンク送信するデータが存在する端末群を選択してもよい。または、各ユーザポジションでデータ長が同じまたは近い端末群を選択してもよい。その他の方法で選択してもよい。送信するフレームの物理ヘッダには、選択したグループIDを設定し、各ユーザポジションにストリーム数(またはストリームを識別する情報)を設定する。フレームのMACヘッダの受信先アドレスは、選択した端末のMACアドレスである。送信元アドレスは、APのMACアドレス(BSSID)である。
制御部101は、フレーム(より詳細にはフレームに物理ヘッダを付加した物理パケット)を送信する際、一例として、送信前にCSMA/CAに従って、キャリアセンスを行い、無線媒体へのアクセス権を獲得できたら、フレームに符号化および変調処理(MIMO変調を含む)などの処理を行い、送信部102に出力する。送信部102は、入力されたフレーム(より詳細には物理ヘッダを付加した物理パケット)に、DA変換、所望帯域成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)等を行い、これらにより得られた信号をプリアンプで増幅して、複数のアンテナから空間に電波として放射する。なお、シングルユーザ送信またはオムニ送信の場合、各アンテナに対応する送信系統毎に物理層の処理を行って、同時に同じ信号を送信してもよいし、1つの送信系統のみを用いて送信してもよい。複数のアンテナを使って、送信の指向性を制御することも可能である。
アンテナで受信された信号は、受信部103において、それぞれアンテナに対応する受信系統ごとに処理される。各アンテナの受信信号は、それぞれ受信系統において低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)により増幅され、周波数変換(ダウンコンバート)され、フィルタリング処理で所望帯域成分が抽出される。各抽出された信号は、さらにAD変換によりデジタル信号に変換されて、制御部101にパケットが入力される。各受信系統で受信された信号をダイバーシティ技術により合成してもよい。または、1本のアンテナのみ受信部103に接続し、残りのアンテナは受信部103に接続しない構成で受信を行うことも可能である。
制御部101は、受信したパケットに復調および誤り訂正復号等の処理を行ってフレームを取得し、フレームのCRC検査(アグリゲーションフレームの場合は、アグリゲーションフレーム内の複数のデータフレームごとにCRC検査)を行う。制御部101は、端末からのフレームの受信完了から予め定めた時間後に、送達確認応答フレーム(より詳細には物理ヘッダを付加したパケット)を送信する。送信部102は、送達確認応答フレームにDA変換、所望帯域成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)等を行い、これらにより得られた信号をプリアンプで増幅して、1つまたは複数のアンテナから空間に電波として放射する。
制御部101は、フレームで各端末に通知する情報、または各端末から通知された情報、またはこれらの両方を格納するための記憶装置にアクセスして当該情報を読み出してもよい。記憶装置は、内部メモリでも、外部メモリでもよく、揮発性メモリでも不揮発メモリでもよい。また、記憶装置は、メモリ以外に、SSD、ハードディスク等でもよい。
上述した、制御部101と送信部102の処理の切り分けは一例であり、上述した形態とは別の形態も可能である。例えばデジタル領域の処理およびDA変換までは、制御部101で行い、DA変換より後の処理を、送信部102で行うようにしてもよい。制御部101と受信部103の処理の切り分けも同様に、AD変換より前までの処理を、受信部103で行い、AD変換後の処理を含むデジタル領域の処理を、制御部101で行うようにしてもよい。
一例として、本実施形態に係るベースバンド集積回路は、送信時のデジタル領域の処理およびDA変換を行う部分と、受信時のAD変換以降の処理を行う部分とに対応し、RF集積回路は、送信時おDA変換より後の処理を行う部分と、受信時のAD変換より前の処理を行う部分に対応する。本実施形態に係る無線通信用集積回路は、ベースバンド集積回路およびRF集積回路のうち、少なくともベースバンド集積回路を含む。ここで述べた以外の方法でブロック間の処理、あるいはベースバンド集積回路およびRF集積回路間の処理を切り分けてもよい。
図12は、端末に搭載される無線通信装置の機能ブロック図である。図1の端末1〜6に搭載される無線通信装置は、いずれも図12の構成を有する。
無線通信装置は、制御部201と、送信部202と、受信部203と、少なくとも1つのアンテナ1と、バッファ204とを備えている。制御部201は、AP11との通信を制御する制御部またはベースバンド集積回路に対応し、送信部202と受信部203は、フレームを送受信する無線通信部またはRF集積回路に対応する。制御部201の処理、および送信部202と受信部203のデジタル領域の処理の全部または一部は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。端末は、制御部201、送信部202および受信部203の全部または一部の処理を行うプロセッサを備えてもよい。
バッファ204は、上位層と制御部201との間で、フレームまたはデータ等を受け渡しするための記憶部である。バッファ204はDRAM等の揮発性メモリでもよいし、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。上位層は、他の端末、AP11、またはサーバ等の他のネットワーク上の装置に送信するフレームを生成して、バッファ204に格納したり、他の端末、APまたは装置等から受信したフレームまたはそのペイロードを制御部201からバッファ204を介して受け取ったりする。上位層は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理を行ってもよい。また、TCP/IPやUDP/IPは制御部201で処理し、上位層は、これより上位のアプリケーション層の処理を行ってもよい。上位層の動作は、CPU等のプロセッサによるソフトウェア(プログラム)の処理によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
制御部201は、主としてMAC層の処理を行う。制御部201は、送信部202および受信部203を介して、AP11とフレームを送受信することで、AP11との通信を制御する。また、制御部201は、クロックを生成するクロック生成部を含み、クロック生成部で生成するクロックを利用して、内部時間を管理してもよい。制御部201は、クロック生成部で作ったクロックを、外部に出力してもよい。あるいは、制御部201は、外部のクロック生成部で生成してクロックの入力を受け、当該クロックを利用して、内部時間を管理してもよい。
制御部201は、一例としてビーコンフレームを受信してAP11のBSSの属性および同期情報を把握した後、AP11にアソシエーション要求を行ってアソシエーションプロセスを行う。これにより、お互いの能力・属性等の必要な情報(DL−MU−MIMOを実施可能か否かの能力情報を含んでもよい)を交換することで、当該AP11と無線リンクを確立する。必要に応じて、事前にAPとの間で認証プロセスを行ってもよい。制御部201は、バッファ204を定期的に確認することで、アップリンク送信するデータが存在するか等、バッファ204の状態を把握する。または、制御部201は、バッファ204等の外部からのトリガによりバッファ204の状態を確認する。制御部201は、AP11へ送信するデータの存在を確認したら、CSMA/CA等に基づき無線媒体へのアクセス権(送信権)を獲得後、当該データを含むフレーム(より詳細には物理ヘッダを付加した物理パケット)を、送信部202およびアンテナ1Aを介して送信してもよい。なお、アクセス権の獲得は、APにRTSフレームを送信し、CTSフレームを受信することで行ってもよい。
送信部202は、制御部201から入力されたフレームにDA変換や、所望帯域成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)等を行い、これらにより得られた信号をプリアンプで増幅して、1つまたは複数のアンテナから空間に電波として放射する。なお、複数のアンテナを備える場合、アンテナから同時に同じ信号を送信してもよい。または、複数のアンテナを使って、送信の指向性を制御することも可能である。
アンテナ1Aで受信された信号は、受信部203において処理される。受信された信号は、受信部203においてLNAにより増幅され、周波数変換(ダウンコンバート)され、ファイルタリング処理で所望帯域成分が抽出される。抽出された信号は、さらにAD変換によりデジタル信号に変換されて、制御部201に出力される。制御部201では、復調、誤り訂正復号、物理ヘッダの処理が行われ、データフレーム等のフレームが取得される。
制御部201は、APからDL−MU−MIMO送信されるパケットを受信した場合、物理ヘッダに自端末が属するグループIDが設定されているかを確認する。当該グループIDが設定されている場合、このグループIDに対応する自装置のユーザポジションのフィールドから、ストリーム数(またはストリームを識別するための情報)を読み出し、読み出した値に応じて復号を行うことで、フレームを取得する。フレームのMACヘッダの受信先アドレス(Address1)が自端末のMACアドレスに一致すれば、当該フレームを自端末宛のフレームとして処理する。一致しなければ、当該フレームは他端末宛のフレームであるとして、廃棄等する。
制御部201は、受信したフレームのCRC検査(アグリゲーションフレームの場合は、アグリゲーションフレーム内の複数のデータフレームごとにCRC検査)を行う。制御部201は、フレームの受信完了からSIFS等の一定時間後に、送達確認応答フレームを、送信部202を介して送信する。
制御部201は、データフレーム等のフレームをAP11に送信した場合、送信完了からSIFS等の一定時間後、AP11から送信される送達確認応答フレームを、受信部203を介して受信する。制御部201は、データフレーム(アグリゲーションフレームの場合は集約されている個々のデータフレーム)の送信に成功したかを判断する。
制御部201は、AP11に通知する情報、またはAP11から通知した情報、またはこれらの両方を格納するための記憶装置にアクセスして情報を読み出してもよい。記憶装置は、内部メモリでも、外部メモリでもよく、揮発性メモリでも不揮発メモリでもよい。また、記憶装置は、メモリ以外に、SSD、ハードディスク等でもよい。
上述した、制御部201と送信部202の処理の切り分けは一例であり、上述した形態とは別の形態も可能である。例えばデジタル領域の処理およびDA変換までは、制御部201で行い、DA変換より後の処理を、送信部202で行うようにしてもよい。制御部201と受信部203の処理の切り分けも同様に、AD変換より前までの処理を、受信部203で行い、AD変換後の処理を含むデジタル領域の処理を、制御部201で行うようにしてもよい。
一例として、本実施形態に係るベースバンド集積回路は、送信時のデジタル領域の処理およびDA変換を行う部分と、受信時のAD変換以降の処理を行う部分とに対応し、RF集積回路は、送信時のDA変換より後の処理を行う部分と、受信時のAD変換より前の処理を行う部分に対応する。本実施形態に係る無線通信用集積回路は、ベースバンド集積回路およびRF集積回路のうち、少なくともベースバンド集積回路を含む。ここで述べた以外の方法でブロック間の処理、あるいはベースバンド集積回路およびRF集積回路間の処理を切り分けてもよい。
図13は、本実施形態に係るAPの動作のフローチャートである。APは、端末からのアソシエーション要求フレームを受けて、アソシエーションプロセスを行い、端末の接続を許可することを決定した場合、端末にAIDを割り当て、AIDを含むアソシエーション応答フレームを送信する。これによりAPに端末が接続される(S101)。
APは、端末接続数(APに接続している端末の合計接続数)が、閾値(例えば前述したK+1)に達したかを判断し(S102)、達していない場合は、複数のグループIDの中から、α1個のグループIDを選択して、端末に割り当てる(S103)。選択の際は、グループIDに所属可能な端末数の上限値に達していないグループIDの中から選択する。また、割り当てたグループIDのそれぞれごとに、端末のユーザポジション(ストリームを識別するための情報(ストリーム番号等)に対応)を決定する(同S103)。ユーザポジションの決定は、一例として、各ユーザポジションに均等数の端末が割り当たるようにするなど、所定のルールに従って行う。APは、割り当てたグループIDとユーザポジションの情報とを含むフレーム(例えばGroup ID Managementフレーム)を、当該端末にシングルユーザ送信(ユニキャスト送信)する(S104)。
APは、端末接続数が、閾値(例えば前述したK+1)に達した場合は、今回接続した端末、および接続済みの端末との全端末について、グループIDの再割り当てを行うことを決定する(S105)。APは、端末ごとに、α2(<α1)個のグループIDを選択し、割り当てる。この際、グループIDごとに、所属可能な端末数の上限値に達しないようにする。また、各端末に、グループIDのそれぞれごとに、ユーザポジション(ストリームを識別するための情報に対応)を決定する。ユーザポジションの決定は、一例として、各ユーザポジションに均等数の端末が割り当たるようにするなど、所定のルールに従って行う。APは、各端末に、割り当てたグループIDとユーザポジションの情報とを含むフレーム(例えばGroup ID Managementフレーム)を生成し、シングルユーザ送信(ユニキャスト送信)する(S106)。
APは、DL−MU伝送の実行を決定した場合、管理している複数のグループIDから1つのグループIDを選択する(S107)。グループIDの選択方法は任意でよい。例えば、各ユーザポジションでダウンリンク送信するデータが存在する端末の組み合わせが属するグループIDを選択してもよい。または、ダウンリンク送信するデータが存在する端末が少なくとも1つまたは所定数以上属するグループIDを選択してもよい。ここで述べた例は一例であり、どのような方法で選択してもよい。
選択したグループIDに属する端末群から複数の端末を選択し、選択した端末宛のフレームを生成して、DL−MU−MIMO送信する(同S107)。選択する端末は任意の方法で決定すればよい。例えば、各ユーザポジションでダウンリンク送信するデータが存在するような端末群を選択してもよい。または、各ユーザポジションでデータ長が同じまたは近い端末群を選択してもよい。その他の方法で選択してもよい。送信するフレームの物理ヘッダには、選択したグループIDと、選択した端末が割り当てられるユーザポジション毎のストリーム数(またはストリームを識別する情報)とを設定する。
APは、DL−MU−MIMO送信後、送信先の各端末から送達確認応答フレーム(BAフレーム、またはACKフレームなど)を受信する(S108)。送達確認応答フレームは、複数の端末からUL−MU伝送で受信してもよいし、各端末から順番に受信してもよい。
ステップS102で閾値に達して、ステップS105、S106が行われた後、次回のステップS102では、当該閾値をより大きな値に更新する。例えば最初に用いた閾値がK+1であれば、次に大きい値2K+1に閾値を更新する。これに応じて、ステップS103で用いるパラメータであるα1をα2に更新し、ステップS105で用いるパラメータであるα2をα3に更新する。α3はα2より小さい値である。以降、ステップS102で閾値に達して、ステップS105、S106が行われるごとに、ステップS103、S105で用いるパラメータの値も更新する。
(第2の実施形態)
図14は、端末または基地局の全体構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。端末または基地局は、1つまたは複数のアンテナ1〜n(nは1以上の整数)と、無線LANモジュール148と、ホストシステム149を備える。無線LANモジュール148は、第1の実施形態に係る無線通信装置に対応する。無線LANモジュール148は、ホスト・インターフェースを備え、ホスト・インターフェースで、ホストシステム149と接続される。接続ケーブルを介してホストシステム149と接続される他、ホストシステム149と直接接続されてもよい。また、無線LANモジュール148が基板にはんだ等で実装され、基板の配線を介してホストシステム149と接続される構成も可能である。ホストシステム149は、任意の通信プロトコルに従って、無線LANモジュール148およびアンテナ1〜nを用いて、外部の装置と通信を行う。通信プロトコルは、TCP/IPと、それより上位の層のプロトコルと、を含んでもよい。または、TCP/IPは無線LANモジュール148に搭載し、ホストシステム149は、それより上位層のプロトコルのみを実行してもよい。この場合、ホストシステム149の構成を簡単化できる。本端末は、例えば、移動体端末、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン、ゲーム装置、ネットワークストレージ装置、モニタ、デジタルオーディオプレーヤ、Webカメラ、ビデオカメラ、プロジェクト、ナビゲーションシステム、外部アダプタ、内部アダプタ、セットトップボックス、ゲートウェイ、プリンタサーバ、モバイルアクセスポイント、ルータ、エンタープライズ/サービスプロバイダアクセスポイント、ポータブル装置、ハンドヘルド装置等でもよい。
図15は、無線LANモジュールのハードウェア構成例を示す。この構成は、無線通信装置が非基地局の端末および基地局のいずれに搭載される場合にも適用可能である。つまり、図1に示した無線通信装置の具体的な構成の一例として適用できる。この構成例では、アンテナは1本のみであるが、2本以上のアンテナを備えていてもよい。この場合、各アンテナに対応して、送信系統(216、222〜225)、受信系統(232〜235)、PLL242、水晶発振器(基準信号源)243およびスイッチ245のセットが複数配置され、各セットがそれぞれ制御回路212に接続されてもよい。PLL242または水晶発振器243またはこれらの両方は、本実施形態に係る発振器に対応する。
無線LANモジュール(無線通信装置)は、ベースバンドIC(Integrated Circuit)211と、RF(Radio Frequency)IC221と、バラン225と、スイッチ245と、アンテナ247とを備える。
ベースバンドIC211は、ベースバンド回路(制御回路)212、メモリ213、ホスト・インターフェース214、CPU215、DAC(Digital to Analog Conveter)216、およびADC(Analog to Digital Converter)217を備える。
ベースバンドIC211とRF IC221は同じ基板上に形成されてもよい。また、ベースバンドIC211とRF IC221は1チップで構成されてもよい。DAC216およびADC217の両方またはいずれか一方が、RF IC221に配置されてもよいし、別のICに配置されてもよい。またメモリ213およびCPU215の両方またはいずれか一方が、ベースバンドICとは別のICに配置されてもよい。
メモリ213は、ホストシステムとの間で受け渡しするデータを格納する。またメモリ213は、端末または基地局に通知する情報、または端末または基地局から通知された情報、またはこれらの両方を格納する。また、メモリ213は、CPU215の実行に必要なプログラムを記憶し、CPU215がプログラムを実行する際の作業領域として利用されてもよい。メモリ213はSRAM、DRAM等の揮発性メモリでもよいし、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。
ホスト・インターフェース214は、ホストシステムと接続するためのインターフェースである。インターフェースは、UART、SPI、SDIO、USB、PCI Expressなど何でも良い。
CPU215は、プログラムを実行することによりベースバンド回路212を制御するプロセッサである。ベースバンド回路212は、主にMAC層の処理および物理層の処理を行う。ベースバンド回路212、CPU215またはこれらの両方は、通信を制御する通信制御装置、または通信を制御する制御部に対応する。
ベースバンド回路212およびCPU215の少なくとも一方は、クロックを生成するクロック生成部を含み、当該クロック生成部で生成するクロックにより、内部時間を管理してもよい。
ベースバンド回路212は、送信するフレームに、物理層の処理として、物理ヘッダの付加、符号化、暗号化、変調処理など行い、例えば2種類のデジタルベースバンド信号(以下、デジタルI信号とデジタルQ信号)を生成する。
DAC216は、ベースバンド回路212から入力される信号をDA変換する。より詳細には、DAC216はデジタルI信号をアナログのI信号に変換し、デジタルQ信号をアナログのQ信号に変換する。なお、直交変調せずに一系統の信号のままで送信する場合もありうる。複数のアンテナを備え、一系統または複数系統の送信信号をアンテナの数だけ振り分けて送信する場合には、アンテナの数に応じた数のDAC等を設けてもよい。
RF IC221は、一例としてRFアナログICあるいは高周波IC、あるいはこれらの両方である。RF IC221は、フィルタ222、ミキサ223、プリアンプ(PA)224、PLL(Phase Locked Loop:位相同期回路)242、低雑音増幅器(LNA)、バラン235、ミキサ233、およびフィルタ232を備える。これらの要素のいくつかが、ベースバンドIC211または別のIC上に配置されてもよい。フィルタ222、232は、帯域通過フィルタでも、低域通過フィルタでもよい。
フィルタ222は、DAC216から入力されるアナログI信号およびアナログQ信号のそれぞれから所望帯域の信号を抽出する。PLL242は、水晶発振器243から入力される発振信号を用い、発振信号を分周または逓倍またはこれらの両方を行うことで、入力信号の位相に同期した、一定周波数の信号を生成する。なお、PLL242は、VCO(Voltage Controlled Oscillator)を備え、水晶発振器243から入力される発振信号に基づき、VCOを利用してフィードバック制御を行うことで、当該一定周波数の信号を得る。生成した一定周波数の信号は、ミキサ223およびミキサ233に入力される。PLL242は、一定周波数の信号を生成する発振器の一例に相当する。
ミキサ223は、フィルタ222を通過したアナログI信号およびアナログQ信号を、PLL242から供給される一定周波数の信号を利用して、無線周波数にアップコンバートする。プリアンプ(PA)は、ミキサ223で生成された無線周波数のアナログI信号およびアナログQ信号を、所望の出力電力まで増幅する。バラン225は、平衡信号(差動信号)を不平衡信号(シングルエンド信号)に変換するための変換器である。RF IC221では平衡信号が扱われるが、RF IC221の出力からアンテナ247までは不平衡信号が扱われるため、バラン225で、これらの信号変換を行う。
スイッチ245は、送信時は、送信側のバラン225に接続され、受信時は、受信側のバラン234またはRF IC221に接続される。スイッチ245の制御はベースバンドIC211またはRF IC221により行われてもよいし、スイッチ245を制御する別の回路が存在し、当該回路からスイッチ245の制御を行ってもよい。
プリアンプ224で増幅された無線周波数のアナログI信号およびアナログQ信号は、バラン225で平衡−不平衡変換された後、アンテナ247から空間に電波として放射される。
アンテナ247は、チップアンテナでもよいし、プリント基板上に配線により形成したアンテナでもよいし、線状の導体素子を利用して形成したアンテナでもよい。
RF IC221におけるLNA234は、アンテナ247からスイッチ245を介して受信した信号を、雑音を低く抑えたまま、復調可能なレベルまで増幅する。バラン235は、低雑音増幅器(LNA)234で増幅された信号を、不平衡−平衡変換する。ミキサ233は、バラン235で平衡信号に変換された受信信号を、PLL242から入力される一定周波数の信号を用いてベースバンドにダウンコンバートする。より詳細には、ミキサ233は、PLL242から入力される一定周波数の信号に基づき、互いに90°位相のずれた搬送波を生成する手段を有し、バラン235で変換された受信信号を、互いに90°位相のずれた搬送波により直交復調して、受信信号と同位相のI(In−phase)信号と、これより90°位相が遅れたQ(Quad−phase)信号とを生成する。フィルタ232は、これらI信号とQ信号から所望周波数成分の信号を抽出する。フィルタ232で抽出されたI信号およびQ信号は、ゲインが調整された後に、RF IC221から出力される。
ベースバンドIC211におけるADC217は、RF IC221からの入力信号をAD変換する。より詳細には、ADC217はI信号をデジタルI信号に変換し、Q信号をデジタルQ信号に変換する。なお、直交復調せずに一系統の信号だけを受信する場合もあり得る。
複数のアンテナが設けられる場合には、アンテナの数に応じた数のADCを設けてもよい。ベースバンド回路212は、デジタルI信号およびデジタルQ信号に基づき、復調処理、誤り訂正符号処理、物理ヘッダの処理など、物理層の処理等を行い、フレームを得る。ベースバンド回路212は、フレームに対してMAC層の処理を行う。なお、ベースバンド回路212は、TCP/IPを実装している場合は、TCP/IPの処理を行う構成も可能である。
上述した各部の処理の詳細は、図1の説明から自明であるため、重複する説明は省略する。
(第3の実施形態)
図16(A)および図16(B)は、それぞれ第3の実施形態に係る無線端末の斜視図である。図16(A)の無線端末はノートPC301であり、図16(B)の無線端末は移動体端末321である。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた無線端末に搭載されていた無線通信装置、または基地局11に搭載されていた無線通信装置、またはこれらの両方を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線端末は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン、ゲーム装置、ネットワークストレージ装置、モニタ、デジタルオーディオプレーヤ、Webカメラ、ビデオカメラ、プロジェクト、ナビゲーションシステム、外部アダプタ、内部アダプタ、セットトップボックス、ゲートウェイ、プリンタサーバ、モバイルアクセスポイント、ルータ、エンタープライズ/サービスプロバイダアクセスポイント、ポータブル装置、ハンドヘルド装置等にも搭載可能である。
また、無線端末または基地局11、またはこれらの両方に搭載されていた無線通信装置は、メモリーカードにも搭載可能である。当該無線通信装置をメモリーカードに搭載した例を図17に示す。メモリーカード331は、無線通信装置355と、メモリーカード本体332とを含む。メモリーカード331は、外部の装置(無線端末または基地局11、またはこれらの両方等)との無線通信のために無線通信装置335を利用する。なお、図17では、メモリーカード331内の他の要素(例えばメモリ等)の記載は省略している。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(基地局の無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インターフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インターフェース部は、バスを介して外部メモリ(バッファ)と接続される。プロセッサ部ではファームウエアが動作する。このように、ファームウエアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウエアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。ファームウエアが動作するプロセッサ部は、本実施形態に係る制御部または制御部の処理を行うプロセッサであってもよいし、当該処理の機能拡張または変更に係る処理を行う別のプロセッサであってもよい。ファームウエアが動作するプロセッサ部を、本実施形態に係る基地局あるいは無線端末あるいはこれらの両方が備えてもよい。または当該プロセッサ部を、基地局に搭載される無線通信装置内の集積回路、または無線端末に搭載される無線通信装置内の集積回路が備えてもよい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(基地局の無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(基地局の無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、例えば無線通信装置における制御部と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の伝送と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(基地局の無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)またはこれらのうちの複数と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(基地局の無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、例えば無線通信装置における制御部と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、上述した実施形態に係る無線通信装置(基地局の無線通信装置または無線端末の無線通信装置、またはこれらの両方)の構成に加えて、ディスプレイを含む。ディスプレイは、図示しないバスを介して、無線通信装置の制御部に接続されてもよい。このようにディスプレイを備える構成とし、無線通信装置の動作状態をディスプレイに表示することで、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第12の実施形態)
本実施形態では、[1]無線通信システムにおけるフレーム種別、[2]無線通信装置間の接続切断の手法、[3]無線LANシステムのアクセス方式、[4]無線LANのフレーム間隔について説明する。
[1]通信システムにおけるフレーム種別
一般的に無線通信システムにおける無線アクセスプロトコル上で扱うフレームは、大別してデータ(data)フレーム、管理(management)フレーム、制御(control)フレームの3種類に分けられる。これらの種別は、通常、フレーム間で共通に設けられるヘッダ部で示される。フレーム種別の表示方法としては、1つのフィールドで3種類を区別できるようにしてあってもよいし、2つのフィールドの組み合わせで区別できるようにしてあってもよい。
管理フレームは、他の無線通信装置との間の物理的な通信リンクの管理に用いるフレームである。例えば、他の無線通信装置との間の通信設定を行うために用いられるフレームや通信リンクをリリースする(つまり接続を切断する)ためのフレーム、無線通信装置でのパワーセーブ動作に係るフレームがある。
データフレームは、他の無線通信装置と物理的な通信リンクが確立した上で、無線通信装置の内部で生成されたデータを他の無線通信装置に送信するフレームである。データは本実施形態の上位層で生成され、例えばユーザの操作によって生成される。
制御フレームは、データフレームを他の無線通信装置との間で送受(交換)する際の制御に用いられるフレームである。無線通信装置がデータフレームや管理フレームを受信した場合にその送達確認のために送信される応答フレームは、制御フレームに属する。
これら3種類のフレームは、物理層で必要に応じた処理を経て物理パケットとしてアンテナを経由して送出される。なお、接続確立の手順においては、接続要求フレームと接続受付フレームが管理フレームであり、接続受付フレームへの確認フレームは制御フレームの応答フレームを用いることができる。
[2]無線通信装置間の接続切断の手法
接続の切断には、明示的な手法と暗示的な手法とがある。明示的な手法としては、接続している無線通信装置のいずれか一方が切断のためのフレームを送信する。このフレームは管理フレームに分類される。切断のためのフレームは、例えば接続をリリースするという意味でリリースフレームと呼ぶことがある。通常、リリースフレームを送信する側の無線通信装置ではリリースフレームを送信した時点で、リリースフレームを受信する側の無線通信装置ではリリースフレームを受信した時点で、接続の切断と判定する。その後、通信フェーズでの初期状態、例えば通信相手の無線通信装置を探索する状態に戻る。これは、切断のためのフレームを送信する際には、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるといった、物理的な無線リンクが確保できないことがあるからである。
一方、暗示的な手法としては、一定期間接続を確立した接続相手の無線通信装置からフレーム送信(データフレーム及び管理フレームの送信、あるいは自端末が送信したフレームへの応答フレームの送信)を検知しなかった場合に、接続状態の切断の判定を行う。このような手法があるのは、上述のように接続の切断を判定するような状況では、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるなど物理的な無線リンクが確保できない状態が考えられるからである。すなわち、リリースフレームの受信を期待できないからである。
暗示的な方法で接続の切断を判定する具体例としては、タイマを使用する。例えば、送達確認応答フレームを要求するデータフレームを送信する際、当該フレームの再送期間を制限する第1のタイマ(例えばデータフレーム用の再送タイマ)を起動し、第1のタイマが切れるまで(つまり所望の再送期間が経過するまで)当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行う。当該フレームへの送達確認応答フレームを受信すると第1のタイマは止められる。
一方、送達確認応答フレームを受信せず第1のタイマが切れると、例えば接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。第1のタイマと同様、第2のタイマでも、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。
あるいは接続相手の無線通信装置からフレームを受信すると第3のタイマを起動し、新たに接続相手の無線通信装置からフレームを受信するたびに第3のタイマを止め、再び初期値から起動する。第3のタイマが切れると前述と同様に接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。この場合も、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。後者の、接続相手の無線通信装置がまだ存在するかを確認するための管理フレームは、前者の場合の管理フレームとは異なるものであってもよい。また後者の場合の管理フレームの再送を制限するためのタイマはここでは第2のタイマとして前者の場合と同じものを用いたが、異なるタイマを用いるようにしてもよい。
[3]無線LANシステムのアクセス方式
例えば複数の無線通信装置と通信または競合することを想定した無線LANシステムがある。IEEE802.11(拡張規格なども含む)無線LANではCSMA/CAをアクセス方式の基本としている。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了から固定時間を置いて送信を行う方式では、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置で同時に送信を行うことになり、その結果、無線信号が衝突してフレーム送信に失敗する。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了からランダム時間待つことで、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置での送信が確率的に分散することになる。よって、ランダム時間の中で最も早い時間を引いた無線通信装置が1つなら無線通信装置のフレーム送信は成功し、フレームの衝突を防ぐことができる。ランダム値に基づき送信権の獲得が複数の無線通信装置間で公平になることから、Carrier Avoidanceを採用した方式は、複数の無線通信装置間で無線媒体を共有するために適した方式であるということができる。
[4]無線LANのフレーム間隔
IEEE802.11無線LANのフレーム間隔について説明する。IEEE802.11無線LANで用いられるフレーム間隔は、distributed coordination function interframe space(DIFS)、arbitration interframe space(AIFS)、point coordination function interframe space(PIFS)、short interframe space(SIFS)、extended interframe space(EIFS)、reduced interframe space(RIFS)の6種類ある。
フレーム間隔の定義は、IEEE802.11無線LANでは送信前にキャリアセンスアイドルを確認して開けるべき連続期間として定義されており、厳密な前のフレームからの期間は議論しない。従ってここでのIEEE802.11無線LANシステムでの説明においてはその定義を踏襲する。IEEE802.11無線LANでは、CSMA/CAに基づくランダムアクセスの際に待つ時間を固定時間とランダム時間との和としており、固定時間を明確にするためこのような定義になっているといえる。
DIFSとAIFSとは、CSMA/CAに基づき他の無線通信装置と競合するコンテンション期間にフレーム交換開始を試みるときに用いるフレーム間隔である。DIFSは、トラヒック種別による優先権の区別がないとき、AIFSはトラヒック種別(Traffic Identifier:TID)による優先権が設けられている場合に用いる。
DIFSとAIFSとで係る動作としては類似しているため、以降では主にAIFSを用いて説明する。IEEE802.11無線LANでは、MAC層でフレーム交換の開始などを含むアクセス制御を行う。さらに、上位層からデータを渡される際にQoS(Quality of Service)対応する場合には、データとともにトラヒック種別が通知され、トラヒック種別に基づいてデータはアクセス時の優先度のクラス分けがされる。このアクセス時のクラスをアクセスカテゴリ(Access Category;AC)と呼ぶ。従って、アクセスカテゴリごとにAIFSの値が設けられることになる。
PIFSは、競合する他の無線通信装置よりも優先権を持つアクセスができるようにするためのフレーム間隔であり、DIFS及びAIFSのいずれの値よりも期間が短い。SIFSは、応答系の制御フレームの送信時あるいは一旦アクセス権を獲得した後にバーストでフレーム交換を継続する場合に用いることができるフレーム間隔である。EIFSはフレーム受信に失敗した場合に発動されるフレーム間隔である。
RIFSは一旦アクセス権を獲得した後にバーストで同一無線通信装置に複数のフレームを連続して送信する場合に用いることができるフレーム間隔であり、RIFSを用いている間は送信相手の無線通信装置からの応答フレームを要求しない。
ここでIEEE802.11無線LANにおけるランダムアクセスに基づく競合期間のフレーム交換の一例を図18に示す。
ある無線通信装置においてデータフレーム(W_DATA1)の送信要求が発生した際に、キャリアセンスの結果、媒体がビジーである(busy medium)と認識する場合を想定する。この場合、キャリアセンスがアイドルになった時点から固定時間のAIFSを空け、その後ランダム時間(random backoff)空いたところで、データフレームW_DATA1を通信相手に送信する。
ランダム時間は0から整数で与えられるコンテンションウィンドウ(Contention Window:CW)の間の一様分布から導かれる擬似ランダム整数にスロット時間をかけたものである。ここで、CWにスロット時間をかけたものをCW時間幅と呼ぶ。CWの初期値はCWminで与えられ、再送するたびにCWの値はCWmaxになるまで増やされる。CWminとCWmaxの両方とも、AIFSと同様アクセスカテゴリごとの値を持つ。W_DATA1の送信先の無線通信装置では、データフレームの受信に成功するとその受信終了時点からSIFS後に応答フレーム(W_ACK1)を送信する。W_DATA1を送信した無線通信装置は、W_ACK1を受信すると送信バースト時間制限内であればまたSIFS後に次のフレーム(例えばW_DATA2)を送信することができる。
AIFS、DIFS、PIFS及びEIFSは、SIFSとスロット時間との関数になるが、SIFSとスロット時間とは物理層ごとに規定されている。また、AIFS、CWmin及びCWmaxなどアクセスカテゴリごとに値が設けられるパラメータは、通信グループ(IEEE802.11無線LANではBasic Service Set(BSS))ごとに設定可能であるが、デフォルト値が定められている。
例えば、802.11acの規格策定では、SIFSは16μs、スロット時間は9μsであるとして、それによってPIFSは25μs、DIFSは34μs、AIFSにおいてアクセスカテゴリがBACKGROUND(AC_BK)のフレーム間隔はデフォルト値が79μs、BEST EFFORT(AC_BE)のフレーム間隔はデフォルト値が43μs、VIDEO(AC_VI)とVOICE(AC_VO)のフレーム間隔はデフォルト値が34μs、CWminとCWmaxとのデフォルト値は、各々AC_BKとAC_BEとでは31と1023、AC_VIでは15と31、AC_VOでは7と15になるとする。なお、EIFSは、SIFSとDIFSと最も低速な必須の物理レートで送信する場合の応答フレームの時間長の和である。本実施形態では、このようなフレーム間隔のパラメータを用いる無線通信システムを通信レンジの広い干渉システムとして想定する。
なお、各実施形態で記載されているフレームは、Null Data Packetなど、IEEE802.11規格または準拠する規格で、パケットと呼ばれるものを指してもよい。
本実施形態で用いられる用語は、広く解釈されるべきである。例えば用語“プロセッサ”は、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態マシンなどを包含してもよい。状況によって、“プロセッサ”は、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム可能論理回路 (PLD)などを指してもよい。“プロセッサ”は、複数のマイクロプロセッサのような処理装置の組み合わせ、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと協働する1つ以上のマイクロプロセッサを指してもよい。
別の例として、用語“メモリ”は、電子情報を格納可能な任意の電子部品を包含してもよい。“メモリ”は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データストレージを指してもよく、これらはプロセッサによって読み出し可能である。プロセッサがメモリに対して情報を読み出しまたは書き込みまたはこれらの両方を行うならば、メモリはプロセッサと電気的に通信すると言うことができる。メモリは、プロセッサに統合されてもよく、この場合も、メモリは、プロセッサと電気的に通信していると言うことができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11:アクセスポイント(基地局、無線端末)
12A、12B、12C、12D:アンテナ
1、2、3、4、5、6:無線端末
1A:アンテナ
101、201:制御部
102、202:送信部
103、203:受信部
104、204:バッファ
211:ベースバンドIC
213:メモリ
214:ホスト・インターフェース
215:CPU
216:DAC
217:ADC
221:RF IC
222、232:フィルタ
223、233:ミキサ
224、234:アンプ
225、235:バラン
242:PLL
243:水晶発振器
247:アンテナ
245:スイッチ
148:無線LANモジュール
149:ホストシステム
301:ノートPC
305、315、355:無線通信装置
321:移動体無線端末
331:メモリーカード
332:メモリーカード本体
601〜604:データフレーム
611〜614:BAフレーム

Claims (10)

  1. 複数のグループIDを管理し、
    第1端末と接続した場合に、前記第1端末と、自装置に接続済みの端末である第2端末との合計数に応じて、第1の割り当て処理と第2の割り当て処理のいずれを行うかを決定するベースバンド集積回路を備え、
    前記ベースバンド集積回路は、
    前記第1の割り当て処理を決定した場合、前記複数のグループIDから第1の個数の前記グループIDを選択して前記第1端末に割り当て、
    前記第2の割り当て処理を決定した場合、前記複数のグループIDから前記第1の個数より少ない第2の個数の前記グループIDを選択して前記第1端末に割り当て、前記複数のグループIDから前記第2の個数の前記グループIDを選択して前記第2端末に再割り当てする
    無線通信用集積回路。
  2. 前記ベースバンド集積回路は、前記第1の割り当て処理を決定した場合、RF集積回路を介して、前記第1端末宛に、割り当てた前記第1の個数のグループIDを通知する第1フレームを送信し、
    前記第2の割り当て処理を決定した場合、前記RF集積回路を介して、前記1端末および前記第2端末宛にそれぞれ、割り当てた前記第2の個数のグループIDを通知する第2フレームを送信する
    請求項1に記載の無線通信用集積回路。
  3. 前記ベースバンド集積回路は、前記合計数が第1の閾値に達していない場合は、前記第1の割り当て処理を決定し、前記第1の閾値に達した場合は、前記第2の割り当て処理を決定する
    請求項1または2に記載の無線通信用集積回路。
  4. 前記ベースバンド集積回路は、1つのグループIDに所属可能な端末数と、管理している前記複数のグループIDの個数と、前記第1の閾値とに基づき、前記第1の個数を決定する
    請求項3に記載の無線通信用集積回路。
  5. 前記ベースバンド集積回路は、前記所属可能な端末数と、前記管理している複数のグループIDの個数とを乗算し、乗算値を、前記第1の閾値から1を減算した値で除算することにより、前記第1の個数を決定する
    請求項4に記載の無線通信用集積回路。
  6. 前記ベースバンド集積回路は、自装置に接続している端末数が前記第1の閾値以上の値から前記第1の閾値より小さい値になった場合は、自装置に接続している前記端末に対して、前記複数のグループIDから前記第1の個数の前記グループIDを選択して再割り当てする
    請求項3ないし5のいずれか一項に記載の無線通信用集積回路。
  7. 前記ベースバンド集積回路は、
    前記複数のグループIDのそれぞれに属する端末群に、複数のユーザポジションのうちの1つそれぞれ割り当て、
    前記複数のユーザポジションで送信する対象となる複数の端末を、前記複数のユーザポジションのそれぞれを割り当てられている端末の中から選択し、
    前記複数のユーザポジションで送信する対象となる複数の端末の可能な組み合わせ数が、予め定めた値以下になるように、前記1つのグループIDに所属可能な端末数が決定される
    請求項4または5に記載の無線通信用集積回路。
  8. 前記ベースバンド集積回路は、自装置に接続されている端末数の変動レートに応じて、前記第1の閾値を変更する
    請求項3ないし7のいずれか一項に記載の無線通信用集積回路。
  9. 前記RF集積回路をさらに備え、
    前記ベースバンド集積回路および前記RF集積回路が1つの集積回路で構成された
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載の無線通信用集積回路。
  10. 複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナを介して、フレームを送受信する無線通信部と、
    請求項1ないし10のいずれか一項に記載の無線通信用集積回路と、
    を備えた無線通信端末。
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